本開示のさまざまな実施形態は、主として、複数のビームのカバレッジ下で端末デバイスによる無線リンク品質監視のための効率的な解決策を提供することに向けられている。本開示の実施形態のその他の特徴および利点はまた、本開示の実施形態の原理を例示により説明する添付の図面と併せて読むことで、固有の実施形態の以下の説明から理解されるであろう。
本開示の第1の態様において、端末デバイスにおいて無線リンク品質を監視するための方法が提供される。端末デバイスは、少なくとも1つの基地局からの複数のビームのカバレッジ下にある。方法は、複数のビームの中で端末デバイスに関連付けられているビームの各々について無線リンク品質を、そのビームに固有の参照信号に基づいて、判定することを備える。方法はまた、判定された無線リンク品質に基づいて、端末デバイスに方向付けられた無線リンクの無線リンク品質を決定することを含む。
実施形態において、無線リンクの無線リンク品質は、関連付けられているビームの各々について無線リンク品質が障害と判定されるか、または関連付けられているビームから選択された1つもしくは複数のビームについて無線リンク品質が障害と判定される場合に、障害として決定されてもよい。
もう1つの実施形態において、関連付けられているビームの各々について無線リンク品質は、そのビームに固有の参照信号の測定に基づいて第1のパフォーマンスパラメータの値を推定することと、第1のパフォーマンスパラメータの推定された値が第1のしきい値よりも大きい場合、第1の指示を生成することと、そのビームに固有の参照信号の測定に基づいて第2のパフォーマンスパラメータの値を推定することと、第2のパフォーマンスパラメータの推定された値が第2のしきい値よりも小さい場合、第2の指示を生成することと、第1の指示および第2の指示に基づいてそのビームの無線リンク品質を判定することと、という操作によって判定されてもよい。
さらなる実施形態において、第1のパフォーマンスパラメータおよび第2のパフォーマンスパラメータは、ブロックエラー率であってもよい。
本開示の第2の態様において、端末デバイスの無線リンク品質監視を容易にするための方法が提供される。方法は、基地局において実行され、端末デバイスは、少なくとも基地局からの複数のビームのカバレッジ下にある。方法は、複数のビームと端末デバイスとの間のアソシエーションを設定し、次いで設定されたアソシエーションを端末デバイスに通知することを備える。
実施形態において、設定されたアソシエーションは、複数のビームのすべて、または複数のビームの中の、各々あらかじめ定められたチャネル品質しきい値よりも高いチャネル品質を有する、1つもしくは複数のビームのいずれかを端末デバイスに関連付けることができる。
もう1つの実施形態において、複数のビームは、基地局および少なくとも1つのその他の基地局から発信されてもよい。この実施形態において、設定されたアソシエーションは、基地局からのビームの第1のサブセットおよび少なくとも1つのその他の基地局からのビームの第2のサブセットを、端末デバイスに関連付けることができる。
さらなる実施形態において、第1のサブセットは、各々第1のあらかじめ定められたチャネル品質しきい値よりも高いチャネル品質を有する基地局からの1つまたは複数のビームを備えることができ、一方、第2のサブセットは、各々第2のあらかじめ定められたチャネル品質しきい値よりも高いチャネル品質を有する少なくとも1つのその他の基地局からの1つまたは複数のビームを備えることができる。
本開示の第3の態様において、端末デバイスにおいて無線リンク品質を監視するための装置が提供される。装置は、端末デバイスもしくはその一部、または端末デバイスからは独立した装置として具現されてもよい。端末デバイスは、少なくとも1つの基地局からの複数のビームのカバレッジ下にある。装置は、判定ユニットと、決定ユニットとを備える。判定ユニットは、複数のビームの中で端末デバイスに関連付けられているビームの各々について無線リンク品質を、そのビームに固有の参照信号に基づいて、判定するように設定される。決定ユニットは、判定された無線リンク品質に基づいて、端末デバイスに方向付けられている無線リンクの無線リンク品質を決定するように設定される。
本開示の第4の態様において、端末デバイスの無線リンク品質監視を容易にするための装置が提供される。装置は、基地局もしくはその一部、または基地局からは独立した装置として具現されてもよい。端末デバイスは、少なくとも基地局からの複数のビームのカバレッジ下にある。装置は、アソシエーション設定ユニットと、通知ユニットとを備える。アソシエーション設定ユニットは、複数のビームと端末デバイスとの間のアソシエーションを設定するように設定される。通知ユニットは、設定されたアソシエーションを端末デバイスに通知するように設定される。
本開示の第5の態様において、端末デバイスにおいて無線リンク品質を監視するための装置が提供される。装置は、端末デバイスもしくはその一部、または端末デバイスからは独立した装置として具現されてもよい。端末デバイスは、少なくとも1つの基地局からの複数のビームのカバレッジ下にある。装置は、プロセッサおよびメモリを備える。メモリは、プロセッサによって実行可能な命令を含み、それにより装置は本開示の第1の態様による方法を実行するように動作可能である。
本開示の第6の態様において、端末デバイスの無線リンク品質監視を容易にするための装置が提供される。装置は、基地局もしくはその一部、または基地局からは独立した装置として具現されてもよい。端末デバイスは、少なくとも基地局からの複数のビームのカバレッジ下にある。装置は、プロセッサおよびメモリを備える。メモリは、プロセッサによって実行可能な命令を含み、それにより装置は本開示の第2の態様による方法を実行するように動作可能である。
本開示の第7の態様において、端末デバイスにおいて無線リンク品質を監視するための装置が提供される。装置は、端末デバイスもしくはその一部、または端末デバイスからは独立した装置として具現されてもよい。端末デバイスは、少なくとも1つの基地局からの複数のビームのカバレッジ下にある。装置は、本開示の第1の態様による方法を実行するように適合された処理手段を備える。
本開示の第8の態様において、端末デバイスの無線リンク品質監視を容易にするための装置が提供される。装置は、基地局もしくはその一部、または基地局からは独立した装置として具現されてもよい。端末デバイスは、少なくとも基地局からの複数のビームのカバレッジ下にある。装置は、本開示の第2の態様による方法を実行するように適合された処理手段を備える。
本開示の第9の態様において、コンピュータプログラムが提供される。コンピュータプログラムは、少なくとも1つのプロセッサ上で実行されるとき、少なくとも1つのプロセッサに、本開示の第1の態様による方法を実施させる命令を備える。
本開示の第10の態様において、コンピュータプログラムが提供される。コンピュータプログラムは、少なくとも1つのプロセッサ上で実行されるとき、少なくとも1つのプロセッサに、本開示の第2の態様による方法を実施させる命令を備える。
前述のさまざまな態様および実施形態によれば、複数のビームのカバレッジ下で端末デバイスにおいて無線リンク品質を監視するための効率的な解決策が提供される。この解決策に基づいて、無線リンク品質は、ビームレベルで端末デバイスにおいて監視されてもよい。したがって、端末デバイスの移動によって引き起こされ得る無線リンク障害の頻繁な指示またはレポートの可能性が低減され得るように、望ましいビームの判定された無線リンク品質を考慮して端末デバイスに方向付けられた無線リンクの無線リンク品質を決定することが可能である。無線リンク障害が発生すると直ちにRRC状態は変更される必要があり、接続再確立手順は開始される必要があるので、RRC状態の頻繁な変更、および接続再確立手順の頻繁な開始は、この解決策により低減または回避され得る。
本開示のさまざまな実施形態の上記およびその他の態様、特徴、および利点は、ほんの一例として、添付の図面を参照して以下の詳細な説明を読むことで、さらに十分に明確なものとなろう。
さまざまな図面において類似する参照番号および記号表示は類似する要素を示す。
以下、本開示の原理および趣旨は、具体的な実施形態を参照して説明される。すべてのこれらの実施形態は、当業者が本開示をより深く理解してさらに実施できるようにするために提示されているにすぎず、本開示の範囲を限定するものではないことを理解されたい。たとえば、1つの実施形態の一部として例示されるかまたは説明される特徴は、さらなる実施形態を引き続きもたらすために別の実施形態と共に使用されてもよい。明確にするため、実際の実施態様のすべての特徴が、この明細書において説明されているわけではない。
本明細書において「実施形態(embodiment)」、「もう1つの実施形態(another embodiment)」などの参照は、説明される実施形態が、特定の特徴、構造、または特性を含むことはできるが、すべての実施形態が必ずしも特定の特徴、構造、または特性を含むわけではないことを指示する。さらに、そのような語句は、必ずしも同一の実施形態を参照するものではない。さらに、特定の特徴、構造、または特性が実施形態に関連して説明される場合、明示的に説明されているかどうかにかかわりなく、その他の実施形態に関連してそのような特徴、構造、または特性を達成することは当業者の知るところであることが提示される。
本明細書においてさまざまな要素を説明するために「第1(first)」および「第2(second)」などの用語が使用されることがあるが、これらの要素は、これらの用語によって限定されるべきではないことを理解されたい。これらの用語は、ある要素を別の要素と区別するために使用されているにすぎない。たとえば、例示の実施形態の範囲を逸脱することなく、第1の要素は第2の要素と称されてもよく、同様に、第2の要素は第1の要素と称されてもよい。本明細書において使用されるように、「および/または(and/or)」という用語は、関連する一覧された用語の1つまたは複数の任意の組合せおよびすべての組合せを含む。
本明細書において使用される用語は、特定の実施形態を説明することのみを目的としており、実施形態を限定することは意図されていない。本明細書に使用されるように、単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈が明確に別途指示する場合を除き、複数形も含むことが意図されている。さらに、「備える(comprises)」、「備えている(comprising)」、「有する(has)」、「有している(having)」、「含む(includes)」、および/または「含んでいる(including)」という用語は、本明細書において使用されるとき、提示される特徴、要素、および/またはコンポーネントなどの存在を指定するが、1つもしくは複数のその他の特徴、要素、コンポーネント、および/またはその組合せの存在または追加を排除するものではないことを理解されたい。
以下の説明および特許請求の範囲において、他に規定のない限り、本明細書において使用されるすべての技術および科学用語は、この開示が属する技術分野の当業者によって一般に理解される意味と同じ意味を有する。たとえば、本明細書において使用される「基地局」(BS)という用語はまた、使用される技術および用語に応じて、eNB、eNodeB、NodeB、またはベーストランシーバ基地局(BTS)などを示すことができる。同様に、本明細書において使用される「端末デバイス」またはUEという用語は、携帯電話、セルラー電話、スマートフォン、または携帯情報端末(PDA)、ポータブルコンピュータ、デジタルカメラのようなイメージ取り込みデバイス、ゲームデバイス、音楽ストレージおよび再生アプライアンス、ワイヤレス通信能力を有する任意のポータブルユニットもしくは端末、またはワイヤレスインターネットアクセスおよびブラウジングなどを可能にするインターネットアプライアンスを、非限定的に含むワイヤレス通信能力を有する任意の端末を示すことができる。これ以降、「端末デバイス」および「UE」という用語は、同義的に使用される。
次世代以降のセルラー通信システムにおいて、膨大数の要素を備える高機能アンテナ(マッシブ多入力多出力(MIMO)として知られる)は、システムにおいてマッシブビームを生成するために使用され得る。図1は、UEがマッシブビームによりサーブされる例を示す。
加えて、次世代以降のセルラー通信システムは、送信におけるエネルギー消費の大幅な低減を必要とするが、これは場合により「ウルトラリーン送信」と称される。ウルトラリーン送信は、結果として低運用コストをもたらすエネルギー効率の高いネットワークを導くことにとどまらず、ネットワーク内の全体的干渉レベルを低減することもできる。それ以外の場合にはエンドユーザパフォーマンスは低−中間ロードにおいて干渉により制限されることになるので、これは極めて高密度なローカルエリア配備にとって重要なイネーブラーである。残余セル間干渉およびエネルギー消費を回避するために、静的参照信号およびチャネルを伴う「常時接続の(always−on)」送信は、ウルトラリーン送信にはもはや必要ではなくなる。
次世代以降の通信システムにおける「常時接続の」参照信号がない場合、マッシブビームを伴う送信をサポートするために、自己完結型の送信は、ビーム固有およびUE固有の参照信号で満たされる必要がある。したがって、基本システム情報送信の無線リンクを監視するため、RLMはまたビーム固有であってもよい。これは、現在のLTE仕様の単純な拡張であってもよい。しかし、マッシブMIMOを伴うマッシブ狭ビームが原因となり、UEが通常どおりに移動する場合、無線リンク品質は、OOSおよびISが非常に頻繁に交換されるように、安定しなくなる。
さらに、OOSおよびISの交換に伴ってシステム状態への深刻な作用がある。UEに方向付けられている無線リンクが、背景技術のセクションにおいて言及されているように無線リンク品質の推定に基づいて障害と判定される場合、UEは、RRC状態を変更して、RRC_CONNECTEDを終了する際にアクションを実行する、および/または接続再確立手順を開始する必要がある。頻繁な交換は、UEに、RRC状態変更および/または再確立手順を頻繁に実行させることになり、これは明らかに望ましいことではない。
前述の問題の一部を解決するために、本開示の実施形態は、複数のビームのカバレッジ下で端末デバイスにおいて無線リンク品質を監視するための新しい解決策を提案し、その詳細は図2から図8を参照して説明される。
図2は、マクロ基地局BS1および複数のスモール基地局、たとえばBS2およびBS3を備える例示のネットワークを示す。示されているように、端末デバイスUE1は、マクロ基地局BS1およびスモール基地局BS2からの複数のビーム0−9のカバレッジ下にあり、マクロ基地局BS1は、端末デバイスUE1の制御およびモビリティに主として責任を負うアンカー基地局としてサーブする。当業者であれば、アンカー基地局がマクロ基地局に限定されないこと、およびスモール基地局もまた、端末デバイスUE1に対してアンカー基地局としてサーブできることを理解されたい。例示のため、本開示のいくつかの実施形態の概念および原理は、主に図2に示されるネットワークにおいて説明される。しかし、当業者であれば、本開示のいくつかの実施形態の概念および原理は、ネットワークが複数のビームとの通信を伴う限りにおいて、複数のビームがどこから生じていようと、その他の無線ネットワークにさらに一般的に適用可能であってもよいことを理解するであろう。
図3は、本開示の実施形態による端末デバイスにおいて無線リンク品質を監視するための方法300を示す流れ図である。端末デバイス、たとえば図2のUE1は、少なくとも1つの基地局、たとえば図2のBS1およびBS2からの複数のビームのカバレッジ下にある。
方法はブロック310から入り、ここで無線リンク品質は、端末デバイスに関連付けられている1つまたは複数のビームの各々について、そのビームに固有の参照信号に基づいて判定される。端末デバイスに関連付けられている1つまたは複数のビームは、複数のビームの一部または全部であってもよい。次いで、ブロック320において、端末デバイスに方向付けられた無線リンクの無線リンク品質は、判定された無線リンク品質に基づいて決定される。
方法300に照らして、無線リンク障害の決定が単一のサービングビームに基づき、無線リンク障害が現在のサービングビームに障害が生じるとその無線リンクについて無線リンク障害がレポートされる場合と比較して、端末デバイスの移動によって引き起こされ得る無線リンク障害の頻繁な指示またはレポートの可能性が低減され得るように、望ましいビームの判定された無線リンク品質を考慮して端末デバイスに方向付けられた無線リンクの無線リンク品質を決定することが可能である。したがって、RRC状態が変更される頻度は低くなり得るので、接続再確立手順が開始される頻度も低くなり得る。
特に、ビームに関連付けられている任意の参照信号は、無線リンク品質を判定するためにそのビームに固有の参照信号として使用されてもよい。たとえば、ビームに固有の参照信号は、測定のために使用される測定固有参照信号(MRS)、データ復調のために使用される復調用参照信号(DMRS)、任意のその他の物理参照信号、または参照信号の任意の組合せのいずれかを備えることができる。
複数のビームがすべて1つの基地局、たとえばアンカー基地局からのものである実施形態において、端末デバイスに関連付けられているビームは、たとえば、このアンカー基地局からのすべてのビームを備えることができる。このアソシエーションは、基地局の間の端末デバイスの頻繁な交換を回避して、上位レイヤのハンドオーバ手順の頻繁なトリガーを回避することができる。もう1つの例では、端末デバイスに関連付けられているビームは、アンカー基地局からのすべてのビームの中の、各々あらかじめ定められたチャネル品質しきい値よりも高いチャネル品質を有する、1つまたは複数のビームを備えることができる。このアソシエーションは、端末デバイスによって監視されるビームの数を相対的に減らし、ひいては端末デバイスの実施態様の複雑さを低減することができる。
一例として、複数のビームが、たとえば図2に示されるマクロ基地局のようなアンカー基地局、およびたとえば図2に示されるスモール基地局BS2のような少なくとも1つのその他の基地局の両方からのものである実施形態において、端末デバイスに関連付けられているビームは、たとえば図2に示されるビーム0−9のような複数のビームのすべてを備えることができる。もう1つの例として、端末デバイスに関連付けられているビームは、複数のビームの中の、各々あらかじめ定められたチャネル品質しきい値よりも高いチャネル品質を有する、1つまたは複数のビームを備えることができる。さらなる例として、端末デバイスに関連付けられているビームは、アンカー基地局からのビームの第1のサブセットおよび少なくとも1つのその他の基地局からのビームの第2のサブセットを備えることができる。最後の例において、第1のサブセットに含まれるビームの各々は、第1のあらかじめ定められたチャネル品質しきい値よりも高いチャネル品質を有することができ、一方第2のサブセットに含まれるビームの各々は、第2のあらかじめ定められたチャネル品質しきい値よりも高いチャネル品質を有することができる。この実施形態において、アンカー基地局のカバレッジエリアは、少なくともその他の基地局の一部がそのカバレッジのセルエッジに位置している場合に拡張されてもよい。
本開示の一部の実施形態によれば、ビームおよび端末デバイスのアソシエーションは、アンカー基地局によって、たとえば端末デバイスによってレポートされた測定に基づいて設定されてもよいか、または仕様において事前規定済みであってもよい。
図4は、本開示の実施形態による端末デバイスにおいて無線リンク品質を監視するための方法300の具体的な例を示す図であり、ブロック311−319およびその他の並列のブロックは、図3のブロック310の操作に対応し、ブロック321−323は、図3のブロック320の操作に対応する。
図4において端末デバイスに関連付けられているM個のビームがあると仮定すると、関連付けられている各々のビームについて無線リンク品質を判定する詳細な操作は、一例として、ビーム#1に関して説明される。その他のビーム、すなわち#2−#Mについて無線リンク品質を判定する操作は同じであり、したがって繰り返すことはしない。
ビーム#1に関しては、第1のパフォーマンスパラメータの値は、そのビーム(ビーム#1)に固有の参照信号の測定に基づいてブロック311において推定されてもよい。第1のパフォーマンスパラメータ値のこの推定は、第1の物理チャネルの仮定的フォーマット、すなわち送信パラメータに基づいて実行されてもよい。さらに、第2のパフォーマンスパラメータの値はまた、そのビームに固有の参照信号の測定に基づいてブロック311において推定されてもよい。第2のパフォーマンスパラメータ値のこの推定は、第2の物理チャネルの仮定的フォーマット、すなわち送信パラメータに基づいて実行されてもよい。さまざまな実施形態において、第1および第2の物理チャネルの仮定的フォーマットは、同一であっても異なっていてもよい。第1および第2のパフォーマンスパラメータは、たとえばBLERまたは対応する物理チャネルの信号対雑音比のように、同じであってもよい。第1および第2の物理チャネルの仮定的フォーマットが同じであり、第1および第2のパフォーマンスパラメータもまた同じである実施形態において、1つのパフォーマンスパラメータ値のみが実際に推定される。当業者であれば、上記の推定を行なうための特定の方法が当技術分野および実施関連分野においてよく知られており、したがって簡潔にするために本明細書において詳細に説明されないことを理解されたい。
続いて、ブロック312において、第1のパフォーマンスパラメータの推定された値が第1のしきい値よりも大きい場合、第1の指示が生成されてもよい。パフォーマンスパラメータがBLERである例において、第1のしきい値は、3GPP TS36.133 V12.5.0の表7.6.1−1に指定されている送信パラメータとのPCFICHエラーを考慮に入れて仮定的PDCCH送信の10%として設定されてもよい。この例において、推定されたBLER値が10%よりも大きい場合、OOS指示と称されてもよい、OOSを指示する第1の指示が生成される。
それに対して、ブロック313において、第2のパフォーマンスパラメータの推定された値が第2のしきい値よりも小さい場合、第2の指示が生成されてもよい。パフォーマンスパラメータがBLERである例において、第1のしきい値は、3GPP TS36.133 V12.5.0の表7.6.1−2に指定されている送信パラメータとのPCFICHエラーを考慮に入れて仮定的PDCCH送信の2%として設定されてもよい。この例において、推定されたBLER値が2%よりも小さい場合、IS指示と称されてもよい、ISを指示する第2の指示が生成される。
次いで、第1の指示および第2の指示に基づいて、ビーム#1の無線リンク品質が判定されてもよい。
1つの例において、第1のあらかじめ定められた数の連続するOOS指示が生成されるとき、ブロック317において、あらかじめ定められた時間期間のタイミングをとるためのタイマーが開始されてもよい。
その後、ブロック318において、第2のあらかじめ定められた数の連続するIS指示が、このあらかじめ定められた時間期間中、すなわちタイマーが満了する前に、生成される場合、ビーム#1の無線リンクは保持され、それ以外の場合、ブロック319においてビーム#1の無線リンク品質は、障害と判定される。
同様に、端末デバイスに関連付けられているその他のビーム#2−#Mの各々について、ブロック311−319における操作が実行される。次いで、関連付けられているビームの判定された無線リンク品質に基づいて、端末デバイスに方向付けられた無線リンクは、ブロック321において判定されてもよい。
一例として、端末デバイスの関連付けられているビームの各々の無線リンクが障害と判定される場合、ブロック322において、端末デバイスに方向付けられている無線リンクは障害と決定され、それ以外の場合、ブロック323において、端末デバイスに方向付けられている無線リンクは保持される。この例において、無線リンク品質は、無線リンク障害の決定が単一のサービングビームに基づく場合と比較して、無線リンク障害があまり頻繁に指示またはレポートされないように、すべての関連付けられているビームに関して決定される。したがって、RRC状態変更または接続再確立手順が開始される頻度も低くなり得る。
もう1つの例として、ブロック321における判定は、関連付けられているビームから選択された1つまたは複数のビームの判定された無線リンク品質に基づいてもよい。この例において、最善の無線リンク品質を有するビーム、たとえば以前推定されたBLERが特定のしきい値よりも小さいビームが、選択されてもよい。選択されたビームの各々の無線リンクが障害と判定される場合、ブロック322において、端末デバイスに方向付けられている無線リンクは障害と決定され、それ以外の場合、ブロック323において、端末デバイスに方向付けられている無線リンクは保持される。そのような例において、無線リンク品質は、一方で、無線リンク障害の決定が単一のサービングビームに基づく場合と比較して、無線リンク障害があまり頻繁に指示またはレポートされないように、他方では、端末デバイスによって監視されるビームの数が低減され得ることで、端末デバイスの実施態様の複雑さが軽減され得るように、最善の無線リンク品質を有するビームに関して決定される。
図5は、本開示の実施形態による端末デバイスの無線リンク品質監視を容易にするための方法500を示す流れ図である。方法500は、基地局、たとえばアンカー基地局において実行され、端末デバイスは、少なくとも基地局から生じる複数のビームのカバレッジ下にある。
方法500において示されるように、最初に、ブロック510において、複数のビームと端末デバイスとの間のアソシエーションが、基地局において設定される。
実施形態において、設定されたアソシエーションは、すべての複数のビームを端末デバイスと関連付けることができる。このアソシエーションは、基地局の間の端末デバイスの頻繁な交換を回避して、上位レイヤのハンドオーバ手順の頻繁なトリガーを回避することができる。
もう1つの実施形態において、設定されたアソシエーションは、複数のビームの中の、各々あらかじめ定められたチャネル品質しきい値よりも高いチャネル品質を有する、1つまたは複数のビームを端末デバイスに関連付けることができる。このアソシエーションは、端末デバイスによって監視されるビームの数を相対的に減らし、ひいては端末デバイスの実施態様の複雑さを低減することができる。これらの実施形態において、複数のビームは、基地局のみから、または基地局および少なくとも1つのその他の基地局の両方からのものであってもよい(たとえば図2に示される事例である)。
複数のビームが基地局および少なくとも1つのその他の基地局の両方から発信される実施形態において、アソシエーションによって設定され関連付けられているビームは、基地局からのビームの第1のサブセットおよび少なくとも1つのその他の基地局からのビームの第2のサブセットを備えることができる。さらなる実施形態において、第1のサブセットは、各々第1のあらかじめ定められたチャネル品質しきい値よりも高いチャネル品質を有する基地局からの1つまたは複数のビームを備えることができ、一方第2のサブセットは、各々第2のあらかじめ定められたチャネル品質しきい値よりも高いチャネル品質を有するその他の基地局からの1つまたは複数のビームを備えることができる。
続いて、設定されたアソシエーションは、ブロック520において、端末デバイスに通知される。一例として、設定されたアソシエーションは、下位レイヤシグナリングおよび/または上位レイヤシグナリングを介して通知されてもよい。もう1つの例として、アソシエーションは、端末デバイスによってレポートされた測定に従って動的に変更されてもよい。この例において、設定されたアソシエーションは、定期的に通知されてもよいか、または変更されるごとに通知されてもよい。
方法500に基づいて、1つまたは複数の基地局からのビームは、端末デバイスが、単一のサービングビームではなく望ましいビームに関してそのデバイスに方向付けられている無線リンクの無線リンク品質を決定することができるように端末デバイスに適切に関連付けられてもよい。したがって、端末デバイスの移動によって引き起こされ得る無線リンク障害の頻繁な指示またはレポートの可能性が低減され得る。RRC状態が変更される頻度はより低くなり得るので、接続再確立手順が開始される頻度も低くなり得る。
図6は、本開示の実施形態による端末デバイスにおいて無線リンク品質を監視するための装置600を示す概略ブロック図である。端末デバイスは、少なくとも1つの基地局からの複数のビームのカバレッジ下にある。装置600は、端末デバイスもしくはその一部、または端末デバイスからは独立した装置として具現されてもよい。
特に、図6に示されているように、装置600は、判定ユニット610と、決定ユニット620とを備える。判定ユニット610は、端末デバイスに関連付けられている1つまたは複数のビームの各々について、無線リンク品質を、そのビームに固有の参照信号に基づいて判定するように設定される。端末デバイスに関連付けられている1つまたは複数のビームは、複数のビームの一部または全部であってもよい。決定ユニット620は、判定された無線リンク品質に基づいて、端末デバイスに方向付けられている無線リンクの無線リンク品質を決定するように設定される。
実施形態において、決定ユニット620は、関連付けられているビームの各々について無線リンク品質が障害と判定されるか、または関連付けられているビームから選択された1つもしくは複数のビームについて無線リンク品質が障害と判定される場合に、無線リンクの無線リンク品質を障害として決定するように設定されてもよい。
もう1つの実施形態において、判定ユニット610は、関連付けられているビームの各々について、そのビームに固有の参照信号の測定に基づいて第1のパフォーマンスパラメータの値を推定し、第1のパフォーマンスパラメータの推定された値が第1のしきい値よりも大きい場合、第1の指示を生成し、そのビームに固有の参照信号の測定に基づいて第2のパフォーマンスパラメータの値を推定し、第2のパフォーマンスパラメータの推定された値が第2のしきい値よりも小さい場合、第2の指示を生成し、次いで生成された第1および第2の指示に基づいてそのビームの無線リンク品質を判定するようにさらに設定されてもよい。
上記のユニット610および620は、図3および図4を参照して説明される対応する操作またはステップを実施するように設定されてもよく、したがって簡潔にするために本明細書においては詳細に説明されない。
図7は、本開示の実施形態による端末デバイスの無線リンク品質監視を容易にするための装置700を示す概略ブロック図である。端末デバイスは、少なくとも1つの基地局からの複数のビームのカバレッジ下にある。装置700は、基地局もしくはその一部、または基地局からは独立した装置、または別のデバイスの一部として具現されてもよい。
特に、図7に示されているように、装置700は、アソシエーション設定710ユニットと、通知ユニット720とを備える。アソシエーション設定ユニット710は、複数のビームと端末デバイスとの間のアソシエーションを設定するように設定される。通知ユニット720は、設定されたアソシエーションを端末デバイスに通知するように設定される。
実施形態において、アソシエーション設定ユニット710によって設定され関連付けられているビームは、すべての複数のビームを備えることができる。もう1つの実施形態において、アソシエーション設定ユニット710によって設定され関連付けられているビームは、複数のビームの中の、各々あらかじめ定められたチャネル品質しきい値よりも高いチャネル品質を有する、1つまたは複数のビームを備えることができる。
たとえば図2に示される場合のように、複数のビームが基地局および少なくとも1つのその他の基地局の両方から発信される実施形態において、アソシエーション設定ユニット710によって設定され関連付けられているビームは、基地局からのビームの第1のサブセットおよび少なくとも1つのその他の基地局からのビームの第2のサブセットを備えることができる。さらなる実施形態において、第1のサブセットは、各々第1のあらかじめ定められたチャネル品質しきい値よりも高いチャネル品質を有する基地局からの1つまたは複数のビームを備えることができ、一方第2のサブセットは、各々第2のあらかじめ定められたチャネル品質しきい値よりも高いチャネル品質を有するその他の基地局からの1つまたは複数のビームを備えることができる。
一例として、設定されたアソシエーションは、下位レイヤシグナリングおよび/または上位レイヤシグナリングを介して、通知ユニット720によって端末デバイスに通知されてもよい。もう1つの例として、アソシエーションは、端末デバイスによってレポートされた測定に従って動的に変更されてもよい。この例において、設定されたアソシエーションは、定期的に通知されてもよいか、または通知ユニット720により変更されるごとに通知されてもよい。
上記のユニット710および720は、図5を参照して説明される対応する操作またはステップを実施するように設定されてもよく、したがって簡潔にするために本明細書においては詳細に説明されない。
図8は、本開示の実施形態による装置800を示す概略ブロック図である。装置800は、端末デバイスもしくはその一部、たとえば図2に示されるUE1、または端末デバイスからは独立した装置として具現されてもよい。装置800はまた、基地局もしくはその一部、たとえば図2に示されるBS1、または基地局からは独立した装置として具現されてもよい。
装置800は、データプロセッサ(DP)のような少なくとも1つのプロセッサ810、およびプロセッサ810に結合された少なくとも1つのメモリ(MEM)820を備える。装置800は、その他の装置とのワイヤレス通信を確立するためにプロセッサ810に結合された送信機TXおよび受信機RX830をさらに備えることができる。MEM820は、プログラム(PROG)840を格納する。装置800が端末デバイスまたはその一部として具現される場合、PROG840は、関連付けられているプロセッサ810上で実行されるとき、装置800が、図3および図4を参照して上記で説明される本開示の実施形態に従って動作できるようにする、たとえば方法300を実行できるようにする命令を含むことができる。装置800が基地局またはその一部として具現される場合、PROG840は、関連付けられているプロセッサ810上で実行されるとき、装置800が、図5を参照して上記で説明される本開示の実施形態に従って動作できるようにする、たとえば方法500を実行できるようにする命令を含むことができる。
少なくとも1つのプロセッサ810および少なくとも1つのMEM820の組合せは、処理手段850を形成することができる。装置800が端末デバイスまたはその一部として具現される場合、処理手段850は、図3および図4を参照して上記で説明される本開示の実施形態を実施するように適合されてもよく、装置800が基地局またはその一部として具現される場合、処理手段850は、図5を参照して上記で説明される本開示の実施形態を実施するように適合されてもよい。
MEM820は、ローカルの技術環境に適切な任意のタイプであってもよく、非限定的な例として、半導体ベースのメモリデバイス、磁気メモリデバイスおよびシステム、光学メモリデバイスおよびシステム、固定式メモリおよび取り外し可能メモリのような、任意の適切なデータストレージ技術を使用して実施されてもよい。
プロセッサ810は、ローカルの技術環境に適切な任意のタイプであってもよく、非限定的な例として、汎用コンピュータ、特殊用途コンピュータ、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサDSP、およびマルチコアプロセッサアーキテクチャに基づくプロセッサの1つまたは複数を含むことができる。
加えて、本開示はまた、前述のようにコンピュータプログラムを含むキャリアを提供することができ、キャリアは、電子信号、光信号、無線信号、またはコンピュータ可読ストレージ媒体のうちの1つである。コンピュータ可読ストレージ媒体は、たとえば、RAM(ランダムアクセスメモリ)、ROM(読取り専用メモリ)、フラッシュメモリ、磁気テープ、CD−ROM、DVD、ブルーレイディスクなどのような、光コンパクトディスクまたは電子メモリデバイスであってもよい。
本明細書において説明される技法は、実施形態により説明される対応する装置の1つまたは複数の機能を実施する装置が、従来技術の手段のみならず、実施形態により説明される対応する装置の1つまたは複数の機能を実施するための手段も備え、装置が別個の機能ごとに別個の手段、または2つ以上の機能を実行するように設定され得る手段を備えることができるように、さまざまな手段によって実施されてもよい。たとえば、これらの技法は、ハードウェア(1つまたは複数の装置)、ファームウェア(1つまたは複数の装置)、ソフトウェア(1つまたは複数のモジュール)、またはその組合せにおいて実施されてもよい。ファームウェアまたはソフトウェアについては、実施態様は、本明細書において説明される機能を実行するモジュール(たとえば、プロシージャ、関数など)を介して行なわれてもよい。
本明細書における例示的な実施形態は、方法および装置のブロック図および流れ図の図解を参照して上記で説明されてきた。ブロック図の各ブロックおよび流れ図の説明、ならびにブロック図のブロックおよび流れ図の説明の組合せが、それぞれ、コンピュータプログラム命令を含むさまざまな手段によって実施され得ることが理解されよう。これらのコンピュータプログラム命令は、コンピュータまたはその他のプログラマブルデータ処理装置上で実行する命令が、単一または複数の流れ図のブロックにおいて指定される機能を実施するための手段を作成するように、汎用コンピュータ、特殊用途コンピュータ、またはその他のプログラマブルデータ処理装置にロードされてマシンを生成することができる。
本明細書は多くの固有の実施態様の詳細を含むが、これらは任意の実施態様または特許請求され得るものの範囲を限定するものとして解釈されるべきではなく、特定の実施態様の特定の実施形態に固有となり得る特徴の説明として解釈されるべきである。別個の実施形態のコンテキストで本明細書において説明される特定の特徴はまた、単一の実施形態において組み合わせて実施されてもよい。逆に、単一の実施形態のコンテキストで説明されるさまざまな特徴はまた、別個に、または任意の適切な部分的組合せで複数の実施形態において実施されてもよい。さらに、特徴が特定の組合せにおいて動作するものと上記で説明され、さらにはそのようなものとして最初に特許請求されていることがあるが、特許請求される組合せからの1つまたは複数の特徴は、場合によっては組合せから削除されてもよく、特許請求される組合せは、部分的組合せまたは部分的組合せの変形に向けられてもよい。
技術が進歩するにつれ、本発明の概念はさまざまな方法で実施され得ることが、当業者には明らかとなろう。前述の実施形態は、本開示を限定するものではなく説明のために示されており、当業者が容易に理解するように、本開示の趣旨および範囲を逸脱することなく変更および変形が用いられてもよいことを理解されたい。そのような変更および変形は、本開示および添付の特許請求の範囲内に含まれるものと見なされる。本開示の保護範囲は、添付の特許請求の範囲によって規定される。