以下、本開示の実施形態について、図面を参照して説明する。なお、以下の説明で用いられる図面は、模式的なものであり、図面上の寸法比率等は現実のものとは必ずしも一致していない。便宜上、層上の部分の表面(すなわち断面でない面)にハッチングを付すことがある。
図1乃至図7は、第一実施形態に係る図であり、図7乃至図9は、第二実施形態に係る図である。図1乃至図4は、第一実施形態に係る水晶デバイスまたは水晶素子を示した図であり、図5および図6は、第一実施形態に係る水晶素子を用いた実験1および実験2の実験結果を示すグラフである。図7は、第二実施形態に係る水晶素子を示した図であり、図8は、第二実施形態に係る水晶素子を用いた実験3の実験結果を示すグラフである。
<第一実施形態>
第一実施形態に係る水晶デバイスの斜視図を図1に示し、図1のA−A断面における断面図を図2に示す。また、図3に、第一実施形態に係る水晶素子の斜視図を示し、図4に第一実施形態に係る水晶素子の平面図を示す。
(水晶デバイスの概略)
水晶デバイスは、全体として、略直方体形状となっている電子部品である。水晶デバイスは、例えば、長辺または短辺の長さが0.6mm〜2.0mmであり、上下方向の厚さが0.2mm〜1.5mmとなっている。
水晶デバイスは、例えば、素子収容空間が形成されている基体110と、素子収容空間に収容された水晶素子120と、素子収容空間を塞ぐ蓋体130と、基体110に水晶素子120を実装するためのバンプ(本実施形態では導電性接着剤140)と、からなる。
水晶素子120は、発振信号に生成される振動を生じる部分である。基体110および蓋体130は、水晶素子120を収容する空間を有している。基体110の素子収容空間は、蓋体130により封止され、その内部は、例えば、真空とされ、または、適当なガス(例えば、窒素)が封入されている。
基体110は、例えば、基体110の主体となる基板部110aと、水晶素子120を実装するための一対の搭載パッド111と、水晶デバイスを不図示の回路基板等に実装するための複数の外部端子112と、を有している。
また、基体110は、主体となる基板部110aと、基板部110aの上面の縁部に沿って設けられている枠状の枠部110bと、から構成されており、素子収容空間が形成されている。また、素子収容空間の底面であって基板部110aの上面には、金属等からなる導電層により構成されている一対の搭載パッド111が設けられている。また、基板部110aの下面には、金属等からなる導電層により構成されている外部端子112が設けられている。外部端子112の所定の二つは、搭載パッド111と、基板部110a内に配置された導体(図示せず)によって互いに電気的に接続されている。
蓋体130は、例えば、金属等から構成され、基体110の上面、具体的には、枠部110bの上面に、シーム溶接等により接合されている。
水晶素子120は、例えば、水晶片121と、水晶片121に交番電圧を印加するための金属パターン122と、を有している。金属パターン122は、水晶片121の両主面の中央付近に設けられている一対の励振電極部123、および、励振電極部123から水晶片121の縁部まで延設されている接続配線部124からなる。
水晶素子120は、概略板状であり、その主面が、基体110の素子収容空間の底面、具体的には、基板部110aの上面に対向するように、素子収容空間内に収容される。そして、一対の接続配線部124の一部、具体的には、接続部124aが、一対のバンプ(本実施形態では導電性接着剤140)により、一対の搭載パッド111に電気的に接続される。これにより、水晶素子120は、基体110の基板部110aに片持ち梁のように支持される。また、一対の励振電極部123は、一対の接続配線部124、バンプ(本実施形態では導電性接着剤140)を介して搭載パッド111と電気的に接続され、ひいては、複数の外部端子112の所定の二つと電気的に接続される。バンプは、例えば、導電性接着剤140である。導電性接着剤140は、例えば、導電性フィラーが熱硬化性樹脂に混ぜ込まれて構成されている。
このようにして構成された水晶デバイスは、例えば、不図示の回路基板の実装面に基体110の下面を対向させて配置され、外部端子112が半田などにより回路基板のパッド(図示せず)に接合されることによって回路基板に実装される。回路基板には、例えば、発振回路が構成されている。発振回路は、外部端子112および搭載パッド111を介して、一対の励振電極部123に交番電圧を印加し発振信号を生成する。この際、発振回路は、例えば、水晶片121の厚みすべり振動のうち基本波振動を利用する。オーバートーン振動が利用されてもよい。
(水晶素子の概略構成)
図3は、第一実施形態に係る水晶素子の斜視図であり、図4は、第一実施形態に係る水晶素子の平面図である。
本実施形態では、水晶素子120を基体110に実装した場合、基体110の基板部110aの上面と略平行となっている面を、主面とする。また、水晶素子120から基板部110aへ向かう向きを下方向とし、基板部110aから水晶素子120へ向かう向きを上方向として説明する。
また、水晶素子120を基体110の実装したとき、基板部110a側を向く水晶素子120の主面を水晶素子120の下面とし、水晶素子120の下面と反対側を向く水晶素子120の面を水晶素子120の上面とする。また、本実施形態においては、水晶素子120の下面を水晶片121の下面と同一の意味で用いる場合がある。同様に、水晶素子120の上面と水晶片121の上面と同一の意味で用いる場合がある。
水晶素子120は、水晶片121と金属パターン122とから構成されている。
水晶片121は、いわゆるATカット板である。すなわち、水晶において、X軸(電気軸)、Y軸(機械軸)およびZ軸(光軸)からなる直交座標系XYZ系を、X軸回りに30°以上50°以下(一例として、35°15′)回転させて、直交座標系XY´Z´系を定義したとき、水晶片121の主面は、XZ´平面と平行となっている。
水晶片121は、例えば、XZ´平面に平行な一対の主面を有する略薄型直方体であり、その主面は、X軸に平行な長辺およびZ´軸に平行な短辺を有する矩形である。水晶片121の主面の中央付近には、互いに対向するように一対の励振電極部123が設けられている。この励振電極部123に交番電圧が印加されると、励振電極部123に挟まれている水晶片121の一部が、逆圧電効果および圧電効果により、振動する。このとき、水晶片121の内部では、主振動である厚みすべり振動および副次的な振動が生じている。
ここで、水晶片121の外形エッチングによって形成される場合、エッチングに対する水晶の異方性等によって比較的大きな誤差(系統誤差のようなもの)が生じる。当該誤差は、意図的に利用されることもある。本開示の説明においては、このような誤差の存在は、無視するものとする。例えば、実際の水晶片121においては、側面が主面に直交さず傾斜していたり、側面が平面にならず外側に膨らむ形状となっていたりすることがあるが、そのような傾斜および/または膨らみの図示および説明は省略する。第三者の製品が本開示の技術に係るか否かを判断する場合においても、そのような誤差は、無視されてよい。なお、偶然誤差のようなものが無視されてよいことはもちろんである。
また、本実施形態では、図4に示したように、水晶片121の平面視における形状が矩形となっている。当該矩形は、長方形(本開示では正方形を含むものとする。正方形の場合には、所定の一辺を長辺とし、所定の一辺に接続している所定の他の一辺を短辺とする。励振電極部123においても正方形を含むものとする。)であり、一対の長辺と、一対の長辺の両端を結ぶ短辺とを有している。なお、本開示については、矩形または長方形は、角部が面取りされた形状を含むものとする(励振電極部123についても同様)。水晶片121では、例えば、主面は、XZ´平面に略平行な面であり、長辺はX軸に平行な辺であり、短辺はZ´軸に平行な辺である。
水晶片121の上下方向の厚みは、厚みすべり振動について所望の固有振動数(本実施形態では、振動周波数と説明する場合もある。)に基いて設定される。例えば、厚みすべり振動の基本振動を用いる場合において、固有振動数をF(MHz)とすると、この固有振動数Fに対応する水晶片121の上下方向の厚みt(μm)を求める基本式は、t=1670/Fである。なお、実際には、水晶片121における水晶片121の上下方向の厚みは、励振電極部123の重さ等も考慮して、基本式の値から微調整された値となる。
また、このような水晶片121は、図3に示したように、接続配線部124の接続部124aが並んで設けられている水晶片121の所定の一辺を含む側面を平面視(側面視)したとき、水晶辺121の所定の一辺を含む側面に、凹部125が形成されている。
水晶片121の所定の一辺を含む側面に形成されている凹部125は、例えば、第一凹部125a、第二凹部125bおよび第三凹部125cからなる。第一凹部125aは、水晶片121の所定の一辺の一端側であって水晶片121の下面に連なるように形成されている。第二凹部125bは、水晶片121の所定の一辺の他端側であって水晶片121の下面に連なるように形成されている。第三凹部125cは、例えば、第一凹部125aと第二凹部125bとの間に位置しており、水晶片121の上面および水晶片121の下面に連なるように形成されている。
このように、接続配線部124の接続部124aが並んで設けられている水晶片121の所定の一辺を含む側面に凹部125を形成することで、水晶素子120を水晶デバイスとして用いる場合、接続部124aがバンプ(本実施形態では導電性接着剤140)により接合(接着)されることとなるので、第一凹部125aおよび第二凹部125bが形成されている水晶片121の所定の一辺の両端部が接合(接着)されることとなる。別の観点では、凹部125が形成されている側面の両端部をバンプ(本実施形態では導電性接着剤140)により固定することができるといえる。このため、接続部124aが設けられていない水晶片121の所定の他の一辺を含む側面に凹部125を形成する場合と比較して、副次的な振動の一つである屈曲振動の発生をより抑制させることが可能となる。この結果、副次的な振動の一つである屈曲振動が、主振動である厚みすべり振動に与える影響を低減でき、電気的特性を向上させることができる。
水晶片121の各種寸法の一例は、例えば、長辺の長さが640(μm)〜910(μm)、短辺の長さが350(μm)〜750(μm)、上下方向の厚みが20(μm)〜70(μm)となっている。
このような水晶片121に設けられている金属パターン122は、水晶素子120の外部から交番電圧を印加するためのものである。金属パターン122は、一層となっていてもよいし、複数の金属層が積層されていてもよい。
本実施形態では、金属パターン122は、例えば、特に図示しないが、第一金属層、第二金属層上に積層されている第二金属層とからなる。
第一金属層は、水晶と密着性のよい金属が用いられ、例えば、ニッケル、クロム、ニクロムまたはチタンのいずれか一つが用いられる。第一金属層に水晶と密着性のよい金属を用いることで、水晶と密着しにくい金属を第二金属層に用いることができる。
第二金属層は、金属材料の中で電気抵抗率が低く、安定した材料が用いられ、例えば、金、金を主成分とする合金、銀、銀を主成分とする合金のいずれか一つが用いられる。電気抵抗率が低い金属を第二金属層に用いることで、金属パターン122自身の抵抗率を小さくすることができ、この結果、水晶素子120の等価直列抵抗値が大きくなることを低減させることが可能となる。また、安定した金属材料を用いることで、水晶素子120が存在する周囲の空気と金属パターン122とが反応し金属パターン122の重さが変化することを低減できる。その結果、水晶素子120の周波数が変化し電気的特性が変化することを低減させることができる。
金属パターン122は、励振電極部123および接続配線部124から構成されている。接続配線部124は、接続部124aおよび配線部124bを有している。
励振電極部123は、水晶片121に交番電圧を印加するためのものである。励振電極部123は、一対となっており、水晶片121の両主面の中央付近に互いが対向するように設けられている。励振電極部123は、例えば、平面視して、略矩形となっている。
接続配線部124は、接続部124aと配線部124bとからなり、水晶素子120の外部から励振電極部123に交番電圧を印加するためのものである。
接続部124aは、水晶素子120を水晶デバイスとして用いる場合、基体110に実装するためのものであり、基体110の基板部110aの上面に設けられている搭載パッド111とバンプ(本実施形態では導電性接着剤140)によって電気的に接続される。接続部124aは、一対となっており、基板部110aの搭載パッド111と対向する位置であって、例えば、水晶片121の短辺の縁部に沿って二つ並んで設けられている。
また、接続部124aは、例えば、平面視しての水晶片121の面中心(具体的には、水晶片121の対角線の交点)に対して+X軸方向側の位置している水晶片121の一方の短辺の縁部に沿って設けられている。従って、水晶片121の一方の短辺は、水晶片121の交点に対して−X軸方向側に位置している水晶片121の短辺となる。このようにすることで、+X軸側方向の水晶片121の短辺に接続部124aを設けた場合と比較して、水晶素子120の周波数温度特性を向上させることができる。これは、水晶のX軸の−X軸方向と+X軸方向の結晶方向で振動の仕方も異なっているためであると推測できる。
配線部124bは、接続部124aと励振電極部123と電気的に接続するためのものであり、一端が励振電極部123に接続されており、他端が接続部124aに接続されている。また、配線部124bは、別の観点では、励振電極部123から接続部124aまで延設されているといえる。また、配線部124bは、例えば、水晶片121の長辺と平行となるように延設されている。
このように接続配線部124bを設けることで、励振電極部123から接続部124aまでの配線部124bまでの長さを短くすることができ、配線部124b自身の抵抗を小さくすることが可能となる。ひいては、水晶素子120の等価直列抵抗値が大きくなることを低減させることができる。
このような水晶素子120は、前述したように、金属パターン122に交番電圧を印加すると、主振動である厚みすべり振動と、副次的な振動が生じる。この副次的な振動には、主振動である厚みすべり振動のメインの振動変位が同方向となっている輪郭すべり振動および屈曲振動の少なくとも二つが存在している。
主振動である厚みすべり振動は、すべり振動変位がX軸と平行な向きとなっており、励振電極部123の中央部での歪が最大となっている。これは、金属パターン122に交番電圧を印加したときの、励振電極部123における電荷分布がX軸に平行な向きでsin分布、Z´軸に平行な向きで一定分布となっているためである。従って、励振電極部123における電荷分布は、蒲鉾状の分布となっているといえる。
副次的な振動の一つに、輪郭すべり振動がある。輪郭すべり振動は、すべり振動の振動変位が、主振動である厚みすべり振動のメインの振動変位と同じ方向となっている。つまり、輪郭すべり振動のメイン振動の変位は、X軸と平行な方向となっている。
また、副次的な振動には、前述した輪郭すべり振動とは異なる屈曲振動がある。屈曲振動の振動変位は、主振動である厚みすべり振動のメインの振動変位と同じ方向となっている。つまり、屈曲振動の屈曲振動の振動変位は、X軸と平行な方向となっている。
このような水晶素子120の金属パターン122に交番電圧を印加したとき、水晶片121では、前述したような主振動である厚みすべり振動だけでなく、少なくとも二つの副次的な振動が生じている状態となっている。
水晶素子120は、平面視して、水晶片121おより励振電極部123が略矩形となっている。このとき、水晶片121の長辺はX軸に平行となっており、水晶片121の短辺はZ´軸に平行となっている。また、励振電極部123の所定の一辺は、水晶片121の長辺に平行となっており、励振電極部123の所定の一辺に接続している励振電極部123の所定の他の一辺は水晶片121の短辺に平行となっている。
ここで、水晶片121の長辺の長さをLoとし、水晶片121の長辺に平行な励振電極部123の所定の一辺の長さをLeとする。水晶片121は、長辺の長さが、910(μm)以下となっている。従って、Lo≦910(μm)となっている。
このとき、水晶片121の長辺に平行な励振電極部123の所定の一辺の長さは、水晶片121の長辺の長さの0.52倍の長さ以上であり、水晶片121の長辺の長さの0.79倍の長さ以下となっている。従って、0.52≦Le/Lo≦0.79となっている。
特に、水晶片121の長辺の長さが、640(μm)以上かつ720(μm)以下の場合には、水晶片121の長辺に平行な励振電極部123の所定の一辺の長さは、水晶片121の長辺の長さの0.52倍の長さ以上であり、水晶片121の長辺の長さの0.72倍以下となっている。従って、0.61≦Le/Lo≦0.68となっている。
また、水晶素子120は、水晶片121の長辺と、水晶片121の長辺に平行な励振電極部123の所定の一辺の長さの差は、200(μm)以上かつ300(μm)以下となっている。従って、200(μm)≦|Lo−Le|≦300(μm)となっている。
(実験1)
水晶素子120の周波数が48(MHz)のとき、種々の寸法を作製し、Le/Loと等価直列抵抗値との関係を調べる実験を行った。実験1の結果、Lo≦910(μm)とき、0.52≦Le/Lo≦0.79を満たしていることが望ましいことが分った。また、特に、640(μm)≦Lo≦720(μm)では、0.61≦Le/Lo≦0.68を満たしていることがより望ましいことが分った。
本実験では、水晶片121の長辺の長さを一定にしつつ、水晶片121の長辺に平行な励振電極部123の所定の一辺の長さを種々に変化させたサンプルを、各10個ずつ作製した。具体的には、Loを、640(μm)とした場合、720(μm)とした場合、910(μm)とした場合のそれぞれにおいて、Le/Loが0.52、0.61、0.68、0.74、0.79となるように、Leを設定したサンプルを各10個ずつ作製した。
具体的には、Lo=910(μm)の場合では、Le/Lo=0.52となるようにLe=473.2(μm)となっているサンプル、Le/Lo=0.56となるように、509.6(μm)となっているサンプル、Le/Lo=0.61となるように、555.1(μm)となっているサンプル、Le/Lo=0.68となるように、6.18.8(μm)となっているサンプル、Le/Lo=0.74となるように、673.4(μm)となっているサンプル、および、Le/Lo=0.79となるように、718.9(μm)となっているサンプルを作製した。
具体的には、Lo=720(μm)の場合では、Le/Lo=0.52となるようにLe=374.4(μm)となっているサンプル、Le/Lo=0.56となるように、Le=403.2(μm)となっているサンプル、Le/Lo=0.61となるように、Le=439.2(μm)となっているサンプル、Le/Lo=0.68となるように、Le=489.6(μm)となっているサンプル、Le/Lo=0.74となるように、Le=532.8(μm)となっているサンプル、および、Le/Lo=0.79となるように、Le=568.8(μm)となっているサンプルを作製した。
具体的には、Lo=640(μm)の場合では、Le/Lo=0.52となるようにLe=332.8(μm)となっているサンプル、Le/Lo=0.56となるように、Le=358.4(μm)となっているサンプル、Le/Lo=0.61となるように、Le=390.4(μm)となっているサンプル、Le/Lo=0.68となるように、Le=435.2(μm)となっているサンプル、Le/Lo=0.74となるように、Le=473.6(μm)となっているサンプル、および、Le/Lo=0.79となるように、Le=505.6(μm)となっているサンプルを作製した。
ここで、これらのサンプルにおいて、水晶片121の短辺の長さ、水晶片121の短辺に平行な励振電極部123の所定の他の一辺の長さについては、等価直列抵抗値を考慮した経験的に好適な値とし、一定となるようにした。具体的には、水晶片121の短辺の長さは、500(μm)〜690(μm)の所定の値となっており、水晶片121の短辺に平行な励振電極部123の所定の他の一辺の長さは、250(μm)〜480(μm)の所定の値となっている。このとき、水晶片121の上下方向の厚みは、30(μm)〜35(μm)の所定の値となっている。
なお、本実験では、各公差は、次のようになっている。水晶素子120の周波数公差は、±0.5%となっている。また、それぞれの寸法公差は、±10(μm)となっている。
図5は、水晶素子120の周波数が48(MHz)のとき、種々の寸法を作製し、Le/Loと等価直列抵抗値との関係を示したグラフである。なお、Le/Loについては、実際にLoおよびLeを計測し、その計測値から算出した値における等価直列抵抗値を示している。また、図5においては、Lo=910(μm)でのプロットを「×」とし、Lo=720(μm)でのプロットを「▲」とし、Lo=640(μm)でのプロットを「●」としている。
実験1では、実際に測定したLoおよびLeを計測しLe/Loを算出しているため、Le/Loが一定の値とならず、ばらつきがある。それぞれのばらつき内での等価直列抵抗値の最大値と最小値の差に着目をした。
実験1におけるLo=910(μm)のときの実験結果は、次のようになった。Lo=910(μm)のとき、Le/Lo=0.52近傍においては、等価直列抵抗値の平均値は、41(Ω)となっており、そのばらつき内での等価直列抵抗値の最大値と最小値との差は、約3(Ω)となっている。Le/Lo=0.56近傍においては、等価直列抵抗値の平均値は、38(Ω)となっており、そのばらつき内での等価直列抵抗値の最大値と最小値との差は、約3(Ω)となっている。Le/Lo=0.61近傍においては、等価直列抵抗値の平均値は、34(Ω)となっており、そのばらつき内での等価直列抵抗値の最大値と最小値との差は、約3(Ω)となっている。Le/Lo=0.68近傍においては、等価直列抵抗値の平均値は、31(Ω)となっており、そのばらつき内での等価直列抵抗値の最大値と最小値との差は、約0.7(Ω)となっている。Le/Lo=0.74近傍においては、等価直列抵抗値の平均値は、31(Ω)となっており、そのばらつき内での等価直列抵抗値の最大値と最小値との差は、約1(Ω)となっている。Le/Lo=0.79近傍においては、等価直列抵抗値の平均値は、44(Ω)となっており、そのばらつき内での等価直列抵抗値の最大値と最小値との差は、約8(Ω)となっている。
実験値をプロットした図5では、Lo=910(μm)のとき、0.52≦Le/Lo≦0.79の範囲では、等価直列抵抗値が50(Ω)以下となっていることがわかる。また、0.68≦Le/Lo≦0.74の範囲では、Le/Loの値が微小変化したとしても、等価直列抵抗値が大きく変化していないことがわかる。
実験1におけるLo=720(μm)のときの実験結果は、次のようになった。Lo=720(μm)のとき、Le/Lo=0.52近傍においては、等価直列抵抗値の平均値は、45(Ω)となっており、そのばらつき内での等価直列抵抗値の最大値と最小値との差は、約3(Ω)となっている。Le/Lo=0.56近傍においては、等価直列抵抗値の平均値は、40(Ω)となっており、そのばらつき内での等価直列抵抗値の最大値と最小値との差は、約3(Ω)となっている。Le/Lo=0.61近傍においては、等価直列抵抗値の平均値は、38(Ω)となっており、そのばらつき内での等価直列抵抗値の最大値と最小値との差は、約1(Ω)となっている。Le/Lo=0.68近傍においては、等価直列抵抗値の平均値は、38(Ω)となっており、そのばらつき内での等価直列抵抗値の最大値と最小値との差は、約0.5(Ω)となっている。Le/Lo=0.74近傍においては、等価直列抵抗値の平均値は、44(Ω)となっており、そのばらつき内での等価直列抵抗値の最大値と最小値との差は、約4(Ω)となっている。Le/Lo=0.79近傍においては、等価直列抵抗値の平均値は、44(Ω)となっており、そのばらつき内での等価直列抵抗値の最大値と最小値との差は、約4(Ω)となっている。
実験値をプロットした図5では、Lo=720(μm)のとき、0.52≦Le/Lo≦0.79の範囲では、等価直列抵抗値が50(Ω)以下となっていることがわかる。また、0.61≦Le/Lo≦0.68の範囲内では、Le/Loの値が微小変化しても、等価直列抵抗値が大きく変化しないことがわかる。
実験1におけるLo=640(μm)のときの実験結果は、次のようになった。Lo=640(μm)のとき、Le/Lo=0.52近傍においては、等価直列抵抗値の平均値は、50(Ω)となっており、そのばらつき内での等価直列抵抗値の最大値と最小値との差は、約5(Ω)となっている。Le/Lo=0.56近傍においては、等価直列抵抗値の平均値は、44(Ω)となっており、そのばらつき内での等価直列抵抗値の最大値と最小値との差は、約3(Ω)となっている。Le/Lo=0.61近傍においては、等価直列抵抗値の平均値は、41(Ω)となっており、そのばらつき内での等価直列抵抗値の最大値と最小値との差は、約1(Ω)となっている。Le/Lo=0.68近傍においては、等価直列抵抗値の平均値は、41(Ω)となっており、そのばらつき内での等価直列抵抗値の最大値と最小値との差は、約1.5(Ω)となっている。Le/Lo=0.74近傍においては、等価直列抵抗値の平均値は、47(Ω)となっており、そのばらつき内での等価直列抵抗値の最大値と最小値との差は、約3(Ω)となっている。Le/Lo=0.79近傍においては、等価直列抵抗値の平均値は、49(Ω)となっており、そのばらつき内での等価直列抵抗値の最大値と最小値との差は、約3(Ω)となっている。
実験値をプロットした図5では、Lo=640(μm)のとき、0.52≦Le/Lo≦0.79の範囲では、等価直列抵抗値が50(Ω)以下となっていることがわかる。また、0.61≦Le/Lo≦0.68の範囲内においては、Le/Loの値が微小変化しても等価直列抵抗値が大きく変化していないことがわかる。
なお、本実験では、等価直列抵抗値が50(Ω)を判断基準の一つとしている。水晶素子120が実装されている水晶デバイスを用いて発振回路を形成する場合、要求される水晶素子120の等価直列抵抗値は、共振周波数や水晶デバイスの大きさいよって異なるが、共振周波数が48(MHz)において、等価直列抵抗値が50(Ω)以下であれば、移動通信機器(一例として、通信端末)に搭載される電子回路で、実用性のある発振回路を形成することができる。従って、本実験では、等価直列抵抗値が50(Ω)以下であることを一つの指標としている。
以上のことから、Lo≦910(μm)では、0.54≦Le/Lo≦0.79にすることが、等価直列抵抗値が大きくなることを低減させることに有効であるといえる。特に、640(μm)≦Lo≦720(μm)では、0.61≦Le/Lo≦0.68にすることで、等価直列抵抗値が大きくなることを低減させることに対して有効であるといえる。
(実験2)
実験1で作製したサンプルを使用して、|Lo−Le|と等価直列抵抗値との関係を調べる実験を行った。実験2の結果、200(μm)≦|Lo−Le|≦300(μm)を満たしていることが望ましいことが分った。
図6は、水晶素子120の周波数が48(MHz)のとき、種々の寸法を作製し、|Lo−Le|と等価直列抵抗値との関係を示したグラフである。なお、|Lo−Le|については、実際にLoおよびLeを計測し、その計測値から算出した値における等価直列抵抗値を示している。また、図6においては、Lo=910(μm)でのプロットを「×」とし、Lo=720(μm)でのプロットを「▲」とし、Lo=640(μm)でのプロットを「●」としている。なお、図6では、説明をしやすくするために、横軸の|Lo−Le|を140(μm)〜380(μm)としている。
実験2におけるLo=910(μm)のときの、実験結果は、次のようになった。Lo=910(μm)のとき、Le/Lo=0.52の近傍においては、|Lo−Le|=436.8(μm)の近傍となっている。このとき、等価直列抵抗値の極小値と極大値との差は、約3(Ω)となっている。Le/Lo=0.56の近傍においては、|Lo−Le|=400.4(μm)の近傍となっている。このとき、等価直列抵抗値の極小値と極大値の差は、約3(Ω)となっている。Le/Lo=0.61の近傍においては、|Lo−Le|=354.9(μm)の近傍となっている。このとき、等価直列抵抗値の極小値と極大値の差は、約3(Ω)となっている。Le/Lo=0.68の近傍においては、|Lo−Le|=291.2(μm)の近傍となっている。このとき、等価直列抵抗値の極小値と極大値との差は、約0.7(Ω)となっている。Le/Lo=0.74の近傍においては、|Lo−Le|=236.6(μm)の近傍となっている。このとき、等価直列抵抗値の極小値と極大値との差は、約1(Ω)となっている。Le/Lo=0.79の近傍においては、|Lo−Le|=191.1の近傍となっている。このとき、等価直列抵抗値の極小値と極大値との差は、約8(Ω)となっている。
140(μm)≦|Lo−Le|≦380(μm)の範囲内での実験値をプロットしている図6では、Lo=910(μm)のとき、|Lo−Le|<100(μm)および300<|Lo−Le|の範囲内では、等価直列抵抗値が急激に変化しているのに対し、200(μm)≦|Lo−Le|≦300(μm)の範囲では、等価直列抵抗値が大きく変化していないことが分った。
実験2におけるLo=720(μm)のときの、実験結果は、次のようになった。Lo=720(μm)のとき、Le/Lo=0.52の近傍においては、|Lo−Le|=345.6(μm)の近傍となっている。このとき、等価直列抵抗値の極小値と極大値との差は、約3(Ω)となっている。Le/Lo=0.56の近傍においては、|Lo−Le|=316.8(μm)の近傍となっている。このとき、等価直列抵抗値の極小値と極大値の差は、約3(Ω)となっている。Le/Lo=0.61の近傍においては、|Lo−Le|=280.8(μm)の近傍となっている。このとき、等価直列抵抗値の極小値と極大値の差は、約1(Ω)となっている。Le/Lo=0.68の近傍においては、|Lo−L|=230.4(μm)の近傍となっている。このとき、等価直列抵抗値の極小値と極大値との差は、約0.5(Ω)となっている。Le/Lo=0.74の近傍においては、|Lo−Le|=187.4(μm)の近傍となっている。このとき、等価直列抵抗値の極小値と極大値との差は、約4(Ω)となっている。Le/Lo=0.79の近傍においては、|Lo−Le|=151.2の近傍となっている。このとい、等価直列抵抗値の極小値と極大値との差は、約4(Ω)となっている。
140(μm)≦|Lo−Le|≦380(μm)の範囲内での実験値をプロットしている図6では、Lo=720(μm)のとき、|Lo−Le|<100(μm)および300<|Lo−Le|の範囲内では、等価直列抵抗値が急激に変化しているのに対し、200(μm)≦|Lo−Le|≦300(μm)の範囲では、等価直列抵抗値が大きく変化していないことが分った。
実験2におけるLo=640(μm)のときの、実験結果は、次のようになった。Lo=640(μm)のとき、Le/Lo=0.52の近傍においては、|Lo−Le|=307.2(μm)の近傍となっている。このとき、等価直列抵抗値の極小値と極大値との差は、約5(Ω)となっている。Le/Lo=0.56の近傍においては、|Lo−Le|=281.6(μm)の近傍となっている。このとき、等価直列抵抗値の極小値と極大値の差は、約3(Ω)となっている。Le/Lo=0.61の近傍においては、|Lo−Le|=249.6(μm)の近傍となっている。このとき、等価直列抵抗値の極小値と極大値の差は、約1(Ω)となっている。Le/Lo=0.68の近傍においては、|Lo−L|=204.8(μm)の近傍となっている。このとき、等価直列抵抗値の極小値と極大値との差は、約1.5(Ω)となっている。Le/Lo=0.74の近傍においては、|Lo−Le|=166.4(μm)の近傍となっている。このとき、等価直列抵抗値の極小値と極大値との差は、約3(Ω)となっている。Le/Lo=0.79の近傍においては、|Lo−Le|=134.4の近傍となっている。このとい、等価直列抵抗値の極小値と極大値との差は、約3(Ω)となっている。
140(μm)≦|Lo−Le|≦380(μm)の範囲内での実験値をプロットしている図6では、Lo=640(μm)のとき、|Lo−Le|<100(μm)および300<|Lo−Le|の範囲内では、等価直列抵抗値が急激に変化しているのに対し、200(μm)≦|Lo−Le|≦300(μm)の範囲では、等価直列抵抗値が大きく変化していないことが分った。
以上のことから、200(μm)≦|Lo−Le|≦300(μm)にすることは、等価直列抵抗値が大きくなることを低減させることに有効であるといえる。
前述したように、第一実施形態に係る水晶素子120は、平面視して略矩形となっている水晶片121と、水晶片121の両主面に設けられている平面視して略矩形となっている励振電極部123と、水晶片121の縁部に設けられている接続部124aと、励振電極部123と接続部124aとを接続している配線部124bと、を備えており、水晶片121の長辺の長さをLoとし、水晶片121の長辺に平行な励振電極部123の辺の長さをLeとしたとき、Lo≦910(μm)、かつ、0.52≦Le/Lo≦0.79を満たしている。
Lo≦910(μm)の水晶素子120において、Le/Lo≦0.52となっている場合には、水晶片121に対して励振電極部123の電極面積が小さくなるため、主振動である厚みすべり振動が副次的な振動の影響を受け等価直列抵抗値が大きくなってしまう虞がある。これは、Lo≦910(μm)の場合、副次的な振動の次数が低い(水晶片121の長辺の長さが副次的な振動の波長の数倍〜20倍程度となっている状態)のため、主振動である厚みすべり振動が副次的な振動の影響を受けやすくなる傾向があるためである。従って、実験1の結果にもあるように、Lo≦910(μm)の水晶素子においては、0.52≦Le/Loを満たしていることが望ましい。
Lo≦910(μm)の水晶素子120において、0.79≦Le/Loとなっている場合には、水晶片121に対して励振電極部123の大きさが大きくなる。このため、水晶素子120を平面視して、励振電極部123と接続部124aとの距離が近くなってしまい、接続部124aをバンプ(本実施形態では導電性接着剤140)で接着した場合に、このバンプの応力により主振動である厚みすべり振動が阻害されてしまい、等価直列抵抗値が大きくなる虞がある。従って、実験1の結果にもあるように、Lo≦910(μm)の水晶素子においては、Le/Lo≦0.79を満たしていることが望ましい。
また、本実施形態に係る水晶素子120は、640(μm)≦Lo≦720(μm)のとき、0.61≦Le/Lo≦0.68を満たしている。
640(μm)≦Lo≦720(μm)のような場合には、Lo=910(μm)の場合と比較して、副次的な振動の次数がより低くなる。このため、主振動である厚みすべり振動は、副次的な振動の影響を受けやすくなっている。このようにすることで、実験1からわかるように、等価直列抵抗値の値が大きくなることを低減させることが可能となっている。
また、このようにすることで、LoおよびLeの数値が微少に変化したとき、等価直列抵抗値が急激に変化することを低減させることができるため、生産性を向上させることができる。
また、本実施形態に係る水晶素子120は、200(μm)≦|Lo−Le|≦300(μm)を満たしている。
|Lo−Le|≦200(μm)の場合、Lo≦910(μm)となっている水晶素子120では、水晶片121の一方の短辺の縁部に設けられている接続部124aと励振電極部123との距離が近くなってしまう。この結果、水晶素子120を基体110にバンプ(本実施形態では導電性接着剤140)にて実装したときに、主振動である厚みすべり振動が導電性接着剤140の影響を受け等価直列抵抗値が大きくなってしまう虞がある。特に、Lo≦720(μm)の場合には、励振電極部123と接続部124aが設けられている水晶片121の一方の短辺までの距離がより短くなる、具体的には、100(μm)より短い長さとなるため、導電性接着剤140の影響が顕著となる。
一方、300(μm)≦|Lo−Le|の場合、Lo≦910(μm)となっている水晶素子120では、水晶片121の長辺に平行な励振電極部123の辺の長さが短くなってしまい、この結果、平面視して、励振電極部123の面積が小さくなってしまう。この結果、主振動である厚みすべり振動が生じる部分が減少し、主振動である厚みすべり振動が副次的な振動の影響を受け等価直列抵抗値が大きくなってしまう虞がある。特に、Lo≦720(μm)の場合には、前述したように、副次的な振動の次数が低くなるため、副次的な振動が主振動である厚みすべり振動へ与える影響が顕著となる。
従って、水晶素子120は、Lo≦910(μm)となっている場合には、実験2からも分るように、200(μm)≦|Lo−Le|≦300(μm)となっていることが望ましい。そして、特に、640(μm)≦Lo≦720(μm)では、これらの効果がより顕著となる。
水晶デバイスは、このような水晶素子120と、接続部124aと電気的に接続される搭載パッド111が設けられている基板部110aを主体とする基体110と、基体110と接合される蓋体130と、を備えている。
このような水晶デバイスは、前述したように等価直列抵抗値が大きくなることを低減することができる水晶素子120を実装しているので、水晶デバイスの等価直列抵抗値をより小さくすることが可能となる。
<第二実施形態>
第二実施形態に係る水晶素子220の平面図を、図7に示す。図7に示したように、第二実施形態に係る水晶素子220は、水晶片221が、振動部221aと周辺部221bとから構成されている点で第一実施形態と異なる。
図9(a)は、第二実施形態に係る水晶素子220の上面の平面図であり、図9(b)は、第二実施形態に係る水晶素子220の下面を上面側から平面透視した平面図である。
水晶素子220は、水晶片221と金属パターン222とから構成されている。
水晶片221は、いわゆるメサ型のATカット板である。すなわち、水晶において、X軸(電気軸)、Y軸(機械軸)およびZ軸(光軸)からなる直交座標系XYZ系を、X軸回りに30°以上50°以下(一例として、35°15′)回転させて、直交座標系XY´Z´系を定義したとき、水晶片22の主面は、XZ´平面と平行となっている。
ここで、主面とは、本実施形態に係る水晶素子220を基体110に実装した際に、基体110の基板部110aの上面と略平行となっている面のことをいう。また、本実施形態に係る水晶素子220を基体110に実装した際に、主面であって基板部110aの上面を向く面を下面とし、下面と反対側を向く主面を上面とする。
水晶片221は、略薄型直方体の振動部221aと、振動部221aの縁部に沿って設けられ振動部221aより上下方向の厚みが薄い周辺部221bとからなる。
振動部221aは、略薄型直方体となっており、周辺部121bと一体的に形成されている。振動部221aは、水晶片221を平面視したとき略矩形となっており、所定の二辺がX軸に平行となっており、所定の他の二辺がZ´軸に平行となっている。従って、振動部221aの所定の二辺は、水晶片221の長辺と平行となっており、振動部221aの所定の他の二辺は、水晶片221の短辺と平行となっている。
振動部221aの主面は、水晶において、X軸(電気軸)、Y軸(機械軸)およびZ軸(光軸)からなる直交座標系XYZ系を、X軸回りに30°以上50°以下(一例として、35°15′)回転させて、直交座標系XY´Z´系を定義したとき、水晶片22の主面は、XZ´平面と平行となっている。
また、振動部221aの主面には、互いに対向するように金属パターン222の一部である励振電極部223が設けられている。金属パターン222に交番電圧が印加されると、励振電極部223に挟まれている振動部221aの一部が、逆圧電効果および圧電効果により、主振動である厚みすべり振動が開始する。このとき、水晶片221には、主振動である厚みすべり振動だけでなく、副次的な振動が同時に生じている。
また、振動部221aの上下方向の厚みは、厚みすべり振動について所望の固有振動数(本実施形態では、振動周波数と説明する場合もある。)に基いて設定される。例えば、厚みすべり振動の基本振動を用いる場合において、固有振動数をF(MHz)とすると、この固有振動数Fに対応する水晶片221の上下方向の厚みt(μm)を求める基本式は、t=1670/Fである。なお、実際には、水晶片221における水晶片221の上下方向の厚みは、励振電極部123の重さ等も考慮して、基本式の値から微調整された値となる。
周辺部221bは、振動部221aの縁部に沿って設けられている。また、周辺部221bは、その上下方向の厚みが振動部221aの上下方向の厚みより薄くなっている。また、周辺部221bは、特に図示しないが、傾斜部および平板部からなる。
周辺部221bの平板部は、水晶片221の外縁部に位置しており、その上下方向の厚みが一定となっている部分である。このとき、周辺部221bの平板部の上下方向の厚みは、振動部221aの上下方向の厚みと比較して薄くなっている。周辺部221bには、金属パターン222の一部である接続部224aが設けられている。
周辺部221bの傾斜部は、エッチングに対する水晶の異方性等によって生じている部分である。また、周辺部221bの傾斜部は、水晶片221を平面視して、振動部221aと平板部との間に位置している。周辺部21bの傾斜部は、その上下方向の厚みが、振動部221aから平板部にかけて徐々に薄くなっている。
ここで、水晶片221の外形エッチングによって形成される場合、エッチングに対する水晶の異方性等によって比較的大きな誤差(系統誤差のようなもの)が生じる。当該誤差は、意図的に利用されることもある。本開示の説明においては、このような誤差の存在は、無視するものとする。例えば、実際に水晶片221においては、側面が主面に直交せず傾斜していたり、側面が平面にならず外側に膨らむ形状となっていたりすることがあるが、そのような傾斜および/または膨らみの図示および説明は省略する。第二実施形態で用いる水晶片221の周辺部221bにおいて、傾斜部と平板部とを区別していないのもこのためである。第三者の製品が本開示の技術に係るか否かを判断する場合においても、そのような誤差は無視されてよい。なお、偶然誤差のようなものが無視されてよいことはもちろんである。
また、このような水晶片221は、接続配線部224の接続部224aが並んで設けられている水晶片221の所定の一辺を含む側面を平面視(側面視)したとき、水晶片221の所定の一辺を含む側面に、凹部225が形成されている。
また、このような水晶片221は、接続配線部224の接続部224aが並んで設けられている水晶片221の所定の一辺を含む側面を平面視(側面視)したとき、水晶辺221の所定の一辺を含む側面に、凹部225が形成されている。
水晶片221の所定の一辺を含む側面に形成されている凹部225は、例えば、第一凹部225a、第二凹部225bおよび第三凹部225cからなる。第一凹部225aは、水晶片221の所定の一辺の一端側であって水晶片221の下面に連なるように形成されている。第二凹部225bは、水晶片221の所定の一辺の他端側であって水晶片221の下面に連なるように形成されている。第三凹部225cは、例えば、水晶片221の所定の一辺の中点を通過しつつ水晶片221の上面および水晶片221の下面に連なるように形成されている。
このように、接続配線部224の接続部224aが並んで設けられている水晶片221の所定の一辺を含む側面に凹部225を形成することで、水晶素子220を水晶デバイスとして用いる場合、接続部224aがバンプ(本実施形態では導電性接着剤140)により接合(接着)されることとなるので、第一凹部225aおよび第二凹部225bが形成されている水晶片221の所定の一辺の両端部が接合(接着)されることとなる。別の観点では、凹部225が形成されている側面の両端部をバンプ(本実施形態では導電性接着剤140)により固定することができるといえる。このため、接続部224aが設けられていない水晶片221の所定の他の一辺を含む側面に凹部225を形成する場合と比較して、副次的な振動の一つである屈曲振動の発生をより抑制させることが可能となる。この結果、副次的な振動の一つである屈曲振動が、主振動である厚みすべり振動に与える影響を低減でき、電気的特性を向上させることができる。
水晶片221の各種寸法の一例は、例えば、長辺の長さが640(μm)〜910(μm)、短辺の長さが350(μm)〜750(μm)、上下方向の厚みが20(μm)〜70(μm)となっている。
このような水晶片221に設けられている金属パターン222は、水晶素子220の外部から交番電圧を印加するためのものである。金属パターン222は、励振電極部223および接続配線部224から構成されている。接続配線部224は、接続部224aおよび配線部224bを有している。
励振電極部223は、水晶片221に交番電圧を印加するためのものである。励振電極部223は、一対となっており、水晶片221の振動部221aの両主面の中央付近に互いが対向するように設けられている。励振電極部223は、例えば、平面視して、略矩形となっている。
接続配線部224は、接続部224aと配線部224bとからなり、水晶素子220の外部から励振電極部223に交番電圧を印加するためのものである。
接続部224aは、水晶素子220を水晶デバイスとして用いる場合、基体110に実装するためのものであり、基体110の基板部110aの上面に設けられている搭載パッド111とバンプ(本実施形態では導電性接着剤140)によって電気的に接続される。接続部124aは、一対となっており、基板部110aの搭載パッド111と対向する位置であって、例えば、水晶片221の短辺の縁部に沿って二つ並んで設けられている。
また、接続部224aは、例えば、平面視しての水晶片221の面中心(具体的には、水晶片121の対角線の交点)に対して+X軸方向側の位置している水晶片221の一方の短辺の縁部に沿って設けられている。従って、水晶片221の一方の短辺は、水晶片221の交点に対して−X軸方向側に位置している水晶片221の短辺となる。このようにすることで、+X軸側方向の水晶片221の短辺に接続部224aを設けた場合と比較して、水晶素子220の周波数温度特性を向上させることができる。これは、水晶のX軸の+X軸方向と−X軸方向の結晶方向により振動の仕方も異なっているためであると推測できる。
配線部224bは、接続部224aと励振電極部223と電気的に接続するためのものであり、一端が励振電極部223に接続されており、他端が接続部224aに接続されている。また、配線部224bは、別の観点では、励振電極部223から接続部224aまで延設されているといえる。また、配線部224bは、例えば、水晶片221の長辺と平行となるように延設されている。
このように配線部224bを設けることで、励振電極部223から接続部224aまでの配線部224bまでの長さを短くすることができ、配線部224b自身の抵抗を小さくすることが可能となる。ひいては、水晶素子220の等価直列抵抗値が大きくなることを低減させることができる。
このような水晶素子220は、前述したように、略直方体形状の振動部221aと、振動部221aの縁部に沿って設けられ振動部221aの上下方向の厚みより薄い周辺部221bと、を備えているメサ型AT素子となっている。
ここで、水晶素子120の上面を平面視したとき、水晶片221の長辺の長さをLoとし、水晶片221の長辺に平行な振動部221aの長さをLmとし、水晶片221の長辺に平行な励振電極部223の辺の長さをLeとする。また、水晶片221の短辺の長さをWoとし、水晶片221の短辺に平行な振動部221aの長さをWmとし、水晶片221の短辺に平行な励振電極部223の辺の長さをWeとする。このとき、水晶素子220は、Wm<We<Woとなっている。また、水晶素子220は、Le<Lm<Loとなっている。
(実験3)
水晶素子220の周波数が37.4(MHz)のとき、種々の寸法を作製し、Le/Loと等価直列抵抗値との関係を調べる実験を行った。実験2の結果、Lo≦910(μm)とき、0.52≦Le/Lo≦0.79を満たしていることが望ましいことが分った。また、特に、640(μm)≦Lo≦720(μm)では、0.61≦Le/Lo≦0.68を満たしていることがより望ましいことが分った。
本実験では、水晶片221の長辺の長さを一定にしつつ、水晶片221の長辺に平行な励振電極部223の所定の一辺の長さを種々に変化させたサンプルを、各10個ずつ作製した。具体的には、Loを、640(μm)とした場合、720(μm)とした場合、910(μm)とした場合のそれぞれにおいて、Le/Loが0.52、0.61、0.68、0.74、0.79となるように、Leを設定したサンプルを各10個ずつ作製した。このとき、水晶素子220は、Le<Lm<Loとなっている。
具体的には、Lo=910(μm)の場合では、Le/Lo=0.52となるようにLe=473.2(μm)となっているサンプル、Le/Lo=0.56となるように、509.6(μm)となっているサンプル、Le/Lo=0.61となるように、555.1(μm)となっているサンプル、Le/Lo=0.68となるように、6.18.8(μm)となっているサンプル、Le/Lo=0.74となるように、673.4(μm)となっているサンプル、および、Le/Lo=0.79となるように、718.9(μm)となっているサンプルを作製した。
具体的には、Lo=720(μm)の場合では、Le/Lo=0.52となるようにLe=374.4(μm)となっているサンプル、Le/Lo=0.56となるように、Le=403.2(μm)となっているサンプル、Le/Lo=0.61となるように、Le=439.2(μm)となっているサンプル、Le/Lo=0.68となるように、Le=489.6(μm)となっているサンプル、Le/Lo=0.74となるように、Le=532.8(μm)となっているサンプル、および、Le/Lo=0.79となるように、Le=568.8(μm)となっているサンプルを作製した。
具体的には、Lo=640(μm)の場合では、Le/Lo=0.52となるようにLe=332.8(μm)となっているサンプル、Le/Lo=0.56となるように、Le=358.4(μm)となっているサンプル、Le/Lo=0.61となるように、Le=390.4(μm)となっているサンプル、Le/Lo=0.68となるように、Le=435.2(μm)となっているサンプル、Le/Lo=0.74となるように、Le=473.6(μm)となっているサンプル、および、Le/Lo=0.79となるように、Le=505.6(μm)となっているサンプルを作製した。
ここで、これらのサンプルにおいて、水晶片221の短辺の長さ、水晶片221の短辺に平行な振動部221aの辺の長さ、および、水晶片221の短辺に平行な励振電極部223の辺の長さについては、等価直列抵抗値を考慮した経験的に好適な値とし、一定となるようにした。具体的には、水晶片221の短辺の長さ、Woは、500(μm)〜690(μm)の所定の値となっており、水晶片221の短辺に平行な振動部221aの辺の長さ、Wmは、240(μm)〜470(μm)の所定の値となっており、水晶片221の短辺に平行な励振電極部223の辺の長さ、Weは、250(μm)〜480(μm)の所定の値となっている。このとき、Wm<We<Woとなっている。水晶片221の振動部221aの上下方向の厚みは、40(μm)〜46(μm)の所定の値となっている。
本実験においては、水晶片221の長辺に平行な振動部221aの辺の長さ、Lmについては、水晶素子220を平面視して、隣接しあう励振電極部223と振動部221aとの距離、具体的には、水晶片221の短辺に平行な励振電極部223の辺と水晶片221の短辺に平行な振動部221aの辺との距離が一定となるようにしている。これは、主振動である厚みすべり振動が励振電極部223に挟まれている部分から振動部221aの外縁に向かって漏れ伝搬した際、漏れ伝搬した厚みすべり振動が振動部221aの縁部において反射し、励振電極部223に挟まれている部分への影響を一定とするためであり、この値は、等価直列抵抗値を考慮した経験的に好適な値とし、一定となるようにしている。
なお、本実験では、各公差は、次のようになっている。水晶素子220の周波数公差は、±0.5%となっている。また、それぞれの寸法公差は、±10(μm)となっている。
図8は、水晶素子220の周波数が37、4(MHz)のとき、種々の寸法を作製し、Le/Loと等価直列抵抗値との関係を示したグラフである。なお、Le/Loについては、実際にLoおよびLeを計測し、その計測値から算出した値における等価直列抵抗値を示している。
図8は、水晶素子220の周波数が37.4(MHz)のとき、種々の寸法を作製し、Le/Loと等価直列抵抗値との関係を示したグラフである。なお、Le/Loについては、実際にLoおよびLeを計測し、その計測値から算出した値における等価直列抵抗値を示している。また、図5においては、Lo=910(μm)でのプロットを「×」とし、Lo=720(μm)でのプロットを「▲」とし、Lo=640(μm)でのプロットを「●」としている。
実験3では、実際に測定したLoおよびLeを計測しLe/Loを算出しているため、Le/Loが一定の値とならず、ばらつきがある。それぞれのばらつき内での等価直列抵抗値の最大値と最小値の差に着目をした。
実験3におけるLo=910(μm)のときの実験結果は、次のようになった。Lo=910(μm)のとき、Le/Lo=0.52近傍においては、等価直列抵抗値の平均値は、52(Ω)となっており、そのばらつき内での等価直列抵抗値の最大値と最小値との差は、約4(Ω)となっている。Le/Lo=0.56近傍においては、等価直列抵抗値の平均値は、47(Ω)となっており、そのばらつき内での等価直列抵抗値の最大値と最小値との差は、約3(Ω)となっている。Le/Lo=0.61近傍においては、等価直列抵抗値の平均値は、42(Ω)となっており、そのばらつき内での等価直列抵抗値の最大値と最小値との差は、約2(Ω)となっている。Le/Lo=0.68近傍においては、等価直列抵抗値の平均値は、41(Ω)となっており、そのばらつき内での等価直列抵抗値の最大値と最小値との差は、約0.5(Ω)となっている。Le/Lo=0.74近傍においては、等価直列抵抗値の平均値は、42(Ω)となっており、そのばらつき内での等価直列抵抗値の最大値と最小値との差は、約1(Ω)となっている。Le/Lo=0.79近傍においては、等価直列抵抗値の平均値は、52(Ω)となっており、そのばらつき内での等価直列抵抗値の最大値と最小値との差は、約6(Ω)となっている。
実験値をプロットした図8では、Lo=910(μm)のとき、0.52≦Le/Lo≦0.79の範囲では、等価直列抵抗値が60(Ω)以下となっていることがわかる。また、0.68≦Le/Lo≦0.74の範囲では、Le/Loの値が微小変化したとしても、等価直列抵抗値が大きく変化していないことがわかる。
実験3におけるLo=720(μm)のときの実験結果は、次のようになった。Lo=720(μm)のとき、Le/Lo=0.52近傍においては、等価直列抵抗値の平均値は、56(Ω)となっており、そのばらつき内での等価直列抵抗値の最大値と最小値との差は、約2(Ω)となっている。Le/Lo=0.56近傍においては、等価直列抵抗値の平均値は、51(Ω)となっており、そのばらつき内での等価直列抵抗値の最大値と最小値との差は、約3(Ω)となっている。Le/Lo=0.61近傍においては、等価直列抵抗値の平均値は、48(Ω)となっており、そのばらつき内での等価直列抵抗値の最大値と最小値との差は、約0.7(Ω)となっている。Le/Lo=0.68近傍においては、等価直列抵抗値の平均値は、48(Ω)となっており、そのばらつき内での等価直列抵抗値の最大値と最小値との差は、約0.5(Ω)となっている。Le/Lo=0.74近傍においては、等価直列抵抗値の平均値は、51(Ω)となっており、そのばらつき内での等価直列抵抗値の最大値と最小値との差は、約3(Ω)となっている。Le/Lo=0.79近傍においては、等価直列抵抗値の平均値は、56(Ω)となっており、そのばらつき内での等価直列抵抗値の最大値と最小値との差は、約4(Ω)となっている。
実験値をプロットした図8では、Lo=720(μm)のとき、0.52≦Le/Lo≦0.79の範囲では、等価直列抵抗値が60(Ω)以下となっていることがわかる。また、0.61≦Le/Lo≦0.68の範囲内では、Le/Loの値が微小変化しても、等価直列抵抗値が大きく変化しないことがわかる。
実験3におけるLo=640(μm)のときの実験結果は、次のようになった。Lo=640(μm)のとき、Le/Lo=0.52近傍においては、等価直列抵抗値の平均値は、58(Ω)となっており、そのばらつき内での等価直列抵抗値の最大値と最小値との差は、約3(Ω)となっている。Le/Lo=0.56近傍においては、等価直列抵抗値の平均値は、55(Ω)となっており、そのばらつき内での等価直列抵抗値の最大値と最小値との差は、約2(Ω)となっている。Le/Lo=0.61近傍においては、等価直列抵抗値の平均値は、50(Ω)となっており、そのばらつき内での等価直列抵抗値の最大値と最小値との差は、約1(Ω)となっている。Le/Lo=0.68近傍においては、等価直列抵抗値の平均値は、51(Ω)となっており、そのばらつき内での等価直列抵抗値の最大値と最小値との差は、約3(Ω)となっている。Le/Lo=0.74近傍においては、等価直列抵抗値の平均値は、55(Ω)となっており、そのばらつき内での等価直列抵抗値の最大値と最小値との差は、約3(Ω)となっている。Le/Lo=0.79近傍においては、等価直列抵抗値の平均値は、59(Ω)となっており、そのばらつき内での等価直列抵抗値の最大値と最小値との差は、約3(Ω)となっている。
実験値をプロットした図8では、Lo=640(μm)のとき、0.52≦Le/Lo≦0.79の範囲では、等価直列抵抗値が60(Ω)以下となっていることがわかる。また、0.61≦Le/Lo≦0.68の範囲内においては、Le/Loの値が微小変化しても等価直列抵抗値が大きく変化していないことがわかる。
なお、本実験では、等価直列抵抗値が60(Ω)を判断基準の一つとしている。水晶素子120が実装されている水晶デバイスを用いて発振回路を形成する場合、要求される水晶素子120の等価直列抵抗値は、共振周波数や水晶デバイスの大きさいよって異なるが、共振周波数が37.4(MHz)において、等価直列抵抗値が60(Ω)以下であれば、移動通信機器(一例として、通信端末)に搭載される電子回路で、実用性のある発振回路を形成することができる。従って、本実験では、等価直列抵抗値が60(Ω)以下であることを一つの指標としている。
以上のことから、Lo≦910(μm)では、0.54≦Le/Lo≦0.79にすることが、等価直列抵抗値が大きくなることを低減させることに有効であるといえる。特に、640(μm)≦Lo≦720(μm)では、0.61≦Le/Lo≦0.68にすることで、等価直列抵抗値が大きくなることを低減させることにより有効であるといえる。
従って、本実験より、振動部221aと周辺部221bとからなる水晶片221を用いたメサ型水晶素子であって、第一実施形態で述べたような水晶片121を用いた水晶素子120と同様の効果が得られることが分った。
以上のとおり、本実施形態に係る水晶素子220は、水晶片221が、略直方体形状の振動部221aと、振動部221aの縁部に沿って設けられ振動部221aの上下方向の厚みより薄い周辺部221bを備えている。
このように、振動部221aと周辺部221bとからなるメサ型の水晶片221を用いることにより、副次的な振動を抑制させることができ、副次的な振動と主振動である厚みすべり振動とが結合し、等価直列抵抗値が大きくなることを低減させることができる。これは、副次的な振動の一つである、屈曲振動が水晶片のX軸およびZ´軸に平行な長さによって大きく関係しており、メサ型の水晶片221にすることにより、副次的な振動の一つである屈曲振動の周波数を分散させることができるからである。
また、本実施形態に係る水晶素子220は、水晶片221の短辺の長さをWoとし、水晶片221の短辺に平行な振動部221aの長さをWmとし、水晶片221の短辺に平行な励振電極部223の辺の長さをWeとしたとき、Wm<We<Wmを満たしている。
前述したように、主振動である厚みすべり振動のメインの振動変位はX軸に平行な向きとなっており、副次的な振動である二つの振動、具体的には、屈曲振動および輪郭振動もそのメインの振動変位がX軸方向となっている。このため、X軸方向に平行な向きで励振電極部223を大きくすると、副次的な振動が主振動である厚みすべり振動へ与える影響が大きくなる虞があるが、Z´軸方向に励振電極部223を大きくすると、励振電極部223に蓄積できる電荷の量を増やすことができ主振動である厚みすべり振動を生じやすくしつつ副次的な振動を抑制することが可能となる。つまり、このようにすることで、副次的な振動を抑制させつつ主振動である厚みすべり振動を生じやすくすることができ、副次的な振動が主振動である厚みすべり振動へ与える影響を低減させることが可能となり、等価直列抵抗値が大きくなることを低減させることができる。
本発明は、以下の実施形態に限定されず、種々の態様で実施されてよい。
水晶素子を有するデバイスは、水晶振動子に限定されない。例えば、水晶素子に加えて水晶素子に電圧を印加して発信信号を生成する集積回路素子(IC)を有する発振器であってもよい。また、例えば、水晶デバイスは、水晶素子の他にサーミスタ等の電子素子を有するものであってもよい。また、例えば、水晶デバイスは、恒温槽付のものであってもよい。水晶デバイスにおいて、水晶素子を実装する基体の構造は、適宜構成されてもよい。例えば、基体は、上面および下面に凹部を有する断面H型であってもよい。
水晶素子は、水晶片の所定の一辺を含む側面に、第一凹部、第二凹部および第三凹部からなる凹部が形成されている場合について説明しているが、いくつ凹部が形成されていてもよい。また、水晶片の所定の一辺を含む側面に凹部が形成されていなくともよい。
水晶素子の接続部と基体の搭載パッドとが導電性接着剤によって電気的に接続されている場合について説明しているが、水晶素子を基体の基板部上に実装しつつ接続部と搭載パッドとを電気的に接続することができれば、例えば、金属バンプを用いてもよい。また、例えば、搭載パッドと接続部とを金属からなるワイヤ、具体的には、金ワイヤまたは銀ワイヤを用いてもよい。
接続配線部の配線部が水晶片の長辺と平行となるように励振電極部から延設されている場合について説明しているが、励振電極部と接続部とを電気的に接続することができれば、配線部の形状は問わない。
また、水晶素子は、水晶片の長辺に平行な励振電極部の二辺が水晶片の外縁に向かって膨らむ形状となっていてもよい。