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JP2018135496A - 繊維強化複合材料用2液型エポキシ樹脂組成物および繊維強化複合材料 - Google Patents

繊維強化複合材料用2液型エポキシ樹脂組成物および繊維強化複合材料 Download PDF

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JP2018135496A
JP2018135496A JP2017032900A JP2017032900A JP2018135496A JP 2018135496 A JP2018135496 A JP 2018135496A JP 2017032900 A JP2017032900 A JP 2017032900A JP 2017032900 A JP2017032900 A JP 2017032900A JP 2018135496 A JP2018135496 A JP 2018135496A
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和範 本遠
Kazunori Hondo
和範 本遠
徳多 石川
Tokuda Ishikawa
徳多 石川
富岡 伸之
Nobuyuki Tomioka
伸之 富岡
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Toray Industries Inc
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Abstract

【課題】高速硬化性を有し、優れた耐熱性と高弾性率を備えた硬化物を与える2液型エポキシ樹脂組成物を提供すること。さらには、かかるエポキシ樹脂組成物を用いることで、圧縮強度に優れた繊維強化複合材料を提供すること。【解決手段】少なくとも次の構成要素〔A〕、〔B〕、〔C〕を含むエポキシ樹脂組成物であって、構成要素〔A〕を30質量%以上100質量%以下含むエポキシ主剤液と、構成要素〔B〕を含む硬化剤液からなり、エポキシ基総数(E)とアミン中に含まれる活性水素総数(H)との比であるH/Eが1.1以上1.4以下である繊維強化複合材料用2液型エポキシ樹脂組成物。構成要素〔A〕:グリシジルアミン型エポキシ樹脂構成要素〔B〕:芳香族アミン構成要素〔C〕:フェノール性水酸基を有する芳香族環を2個以上有する化合物【選択図】なし

Description

本発明は、航空機部材、宇宙機部材、自動車部材等の繊維強化複合材料に好適に用いられる繊維強化複合材料用2液型エポキシ樹脂組成物、およびそれを用いた繊維強化複合材料に関するものである。
強化繊維とマトリックス樹脂とからなる繊維強化複合材料は、強化繊維とマトリックス樹脂の利点を生かした材料設計が出来るため、航空宇宙分野を始め、スポーツ分野、一般産業分野等に用途が拡大されている。
強化繊維としては、ガラス繊維、アラミド繊維、炭素繊維、ボロン繊維等が用いられる。マトリックス樹脂としては、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂のいずれも用いられるが、強化繊維への含浸が容易な熱硬化性樹脂が用いられることが多い。熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、フェノール樹脂、ビスマレイミド樹脂、シアネート樹脂等が用いられる。
繊維強化複合材料の成形方法としては、プリプレグ法、ハンドレイアップ法、フィラメントワインディング法、プルトルージョン法、RTM(Resin Transfer Molding)法等の方法が適用される。プリプレグ法は、強化繊維にエポキシ樹脂組成物を含浸したプリプレグを所望の形状に積層し、加熱することによって成形物を得る方法である。しかし、このプリプレグ法は航空機や自動車等の構造材用途で要求される高い材料強度を有する繊維強化複合材料の生産には向いているが、プリプレグの作製、積層等の多くのプロセスを経ることを必要とするため、少量生産しかできず、大量生産には不向きであり、生産性に問題がある。一方、RTM法は、あらかじめ強化繊維を成形型内に入れ、液状のエポキシ樹脂組成物を成形型内に注入して強化繊維に含浸し、加熱硬化して成形物を得る方法である。この方法であれば成形型を用意することで、プリプレグ作製工程を介さずに短時間で繊維強化複合材料を成形できるだけでなく、複雑な形状の繊維強化複合材料でも容易に成形が可能という利点もある。
RTM法、ハンドレイアップ法、フィラメントワインディング法、およびプルトルージョン法では、成形加工性の観点で2液型エポキシ樹脂組成物が用いられることが多い。2液型エポキシ樹脂組成物とは、エポキシ樹脂を主成分として含むエポキシ主剤液と硬化剤を主成分として含む硬化剤液とから構成され、使用直前にエポキシ主剤液と硬化剤液の2液を混合して得られるエポキシ樹脂組成物のことである。それに対し主剤、硬化剤を含めすべての成分が1つに混合されたエポキシ樹脂組成物を1液型エポキシ樹脂組成物という。
1液型エポキシ樹脂組成物の場合、保管中にも硬化反応が進行するため冷凍保管が必要となる。また、1液型エポキシ樹脂組成物では、硬化剤成分として反応性の低い固形状のものを選択する場合が多く、強化繊維に1液型エポキシ樹脂組成物を含浸させるためにはプレスロール等を使用して高い圧力で押し込まなくてはならない。2液型エポキシ樹脂組成物では、エポキシ主剤液および硬化剤液とも液状のものとすることで、主剤液と硬化剤液とを混合した混合物も低粘度な液状とすることができ、エポキシ樹脂組成物を強化繊維へ含浸させることが容易になる。また2液型エポキシ樹脂組成物では、エポキシ主剤液と硬化剤液とを別々に保管するため、保管条件に特に制限なく長期保管も可能である。
例えばRTM法において、繊維強化複合材料を高効率で生産するためには、樹脂硬化時間の短縮化が必要不可欠である。また、自動車、航空機分野で用いる繊維強化複合材料には多くの場合、高い耐熱性や力学特性が要求される。エポキシ樹脂硬化物は、ガラス転移温度以上では剛性率が大幅に低下し、これにともなってそれを含む繊維強化複合材料の機械物性も低下する。したがって、樹脂硬化物のガラス転移温度は、繊維強化複合材料の耐熱性の指標とされ、その向上が望まれている。
これらの課題に対し、ジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂と脂肪族または脂環式アミンからなるエポキシ樹脂組成物で、エポキシ基総数(E)と脂肪族または脂環式アミン中の活性水素総数(H)との比であるH/Eが1.05〜1.35である、高速硬化性を有するRTM用エポキシ樹脂組成物が開示されている(特許文献1)。
また、硬化促進剤としてビスフェノール類を用いた、高速硬化性と高耐熱性を有するRTM用エポキシ樹脂組成物が開示されている(特許文献2)。
特表2014−517136号公報 WO2016/017371号公報
前述の特許文献1に記載の方法では、硬化性向上の効果は見られるものの、硬化性、耐熱性、弾性率のいずれも不十分であることが課題であった。また、特許文献2に記載の方法では、高い耐熱性は発現するものの、十分な高速硬化性は得られておらず、さらに弾性率についても不十分であることが課題であった。
そこで、本発明の目的は、斯かる従来技術の欠点を改良し、高速硬化性を有するとともに、高耐熱性かつ高力学特性を備え、圧縮強度が高い繊維強化複合材料が得られる繊維強化複合材料用2液型エポキシ樹脂組成物を提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明の繊維強化複合材料用2液型エポキシ樹脂組成物は次の構成を有する。すなわち、少なくとも次の構成要素〔A〕、〔B〕、〔C〕を含むエポキシ樹脂組成物であって、構成要素〔A〕を30質量%以上100質量%以下含むエポキシ主剤液と、構成要素〔B〕を含む硬化剤液からなり、エポキシ基総数(E)とアミン中に含まれる活性水素総数(H)との比であるH/Eが1.1以上1.4以下である繊維強化複合材料用2液型エポキシ樹脂組成物である。
構成要素〔A〕:グリシジルアミン型エポキシ樹脂
構成要素〔B〕:芳香族アミン
構成要素〔C〕:フェノール性水酸基を有する芳香族環を2個以上有する化合物
また、上記課題を解決するため、本発明の繊維強化複合材料は、前述の繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物と強化繊維を組み合わせて、硬化してなる、繊維強化複合材料である。
本発明によれば、高速硬化性を有するとともに、耐熱性と弾性率に優れ、圧縮強度が高い繊維強化複合材料が得られる繊維強化複合材料用2液型エポキシ樹脂組成物を提供することができる。
以下に、本発明の望ましい実施の形態について、説明する。
まず、本発明に係る繊維強化複合材料用2液型エポキシ樹脂組成物について説明する。
本発明に係る繊維強化複合材料用2液型エポキシ樹脂組成物は、少なくとも次の構成要素〔A〕、〔B〕、〔C〕を含むエポキシ樹脂組成物であって、構成要素〔A〕を30質量%以上100質量%以下含むエポキシ主剤液と、構成要素〔B〕を含む硬化剤液からなり、エポキシ基総数(E)とアミン中に含まれる活性水素総数(H)との比であるH/Eが1.1以上1.4以下である繊維強化複合材料用2液型エポキシ樹脂組成物である。
構成要素〔A〕:グリシジルアミン型エポキシ樹脂
構成要素〔B〕:芳香族アミン
構成要素〔C〕:フェノール性水酸基を有する芳香族環を2個以上有する化合物
本発明における構成要素〔A〕は、耐熱性や機械特性発現のために必要な成分であり、アミン類を前駆体とするグリシジルアミン型エポキシ樹脂である。
構成要素〔A〕の具体例としては、N,N,N’,N’−テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン、トリグリシジルアミノフェノール、N,N−ジグリシジルアニリン、N,N,N’,N’−テトラグリシジルキシリレンジアミン、およびそれらのアルキル、アリール、アルコキシ、アリールオキシ、ハロゲン置換体等の誘導体や異性体、水添品等、多官能のグリシジルアミン型エポキシ樹脂が挙げられる。斯かるエポキシ樹脂は、樹脂硬化物の架橋密度を高くすることに寄与し、それを用いることにより、繊維強化複合材料の耐熱性や弾性率を向上させることができる。上述した多官能のグリシジルアミン型エポキシ樹脂の中でも、3官能以上のグリシジルアミン型エポキシ樹脂、特に、3官能以上のグリシジルアミン型芳香族エポキシ樹脂であることが好ましい。なお、本発明において、多官能とは、グリシジル基を2個以上有することを意味し、3官能とは、グリシジル基を3個有することを意味する。
3官能以上のグリシジルアミン型エポキシ樹脂としては、N,N,N’,N’−テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン、トリグリシジルアミノフェノール、またはこれらの誘導体もしくは異性体が好ましく用いられる。例えば、N,N,N’,N’−テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン、またはその誘導体もしくは異性体としては、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−3,3’−ジエチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−3,3’−ジイソプロピル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−3,3’−ジ−t−ブチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−3,3’−ジメチル−5,5’−ジエチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−3,3’−ジイソプロピル−5,5’−ジエチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−3,3’−ジイソプロピル−5,5’−ジメチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−3,3’−ジ−t−ブチル−5,5’−ジエチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−3,3’−ジ−t−ブチル−5,5’−ジメチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−3,3’,5,5’−テトラエチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−3,3’,5,5’−テトライソプロピル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−3,3’,5,5’−テトラ−t−ブチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−3,3’−ジクロロ−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−3,3’−ジブロモ−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、等を挙げることができる。また、例えば、トリグリシジルアミノフェノール、またはその誘導体もしくは異性体としては、N,N,O−トリグリシジル−p−アミノフェノール、N,N,O−トリグリシジル−m−アミノフェノール等を挙げることができる。
グリシジルアミン型エポキシ樹脂は樹脂硬化物の耐熱性や弾性率を高める効果があり、その含有割合は、エポキシ主剤液中に、エポキシ主剤液の全体質量に対して30質量%以上100質量%以下含まれていることが必要であり、好ましい含有割合は50質量%以上である。エポキシ主剤液中のグリシジルアミン型エポキシ樹脂の含有割合が30質量%以上であることにより、繊維強化複合材料の圧縮強度が向上し、樹脂硬化物の耐熱性が良好になる。
また、構成要素〔A〕以外のエポキシ樹脂である、ビスフェノール型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、レゾルシノール型エポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、ナフトールアラルキル型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ビフェニル骨格を有するエポキシ樹脂、イソシアネート変性エポキシ樹脂、テトラフェニルエタン型エポキシ樹脂、トリフェニルメタン型エポキシ樹脂等から選択される1種以上のエポキシ樹脂が、エポキシ主剤液に、その全体質量に対して70質量%以下であれば含まれていても良い。
構成要素〔A〕以外のエポキシ樹脂としては、より具体的には、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールFジグリシジルエーテル、テトラブロモビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールADジグリシジルエーテル、2,2’,6,6’−テトラメチル−4,4’−ビフェノールジグリシジルエーテル、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレンのジグリシジルエーテル、トリス(p−ヒドロキシフェニル)メタンのトリグリシジルエーテル、テトラキス(p−ヒドロキシフェニル)エタンのテトラグリシジルエーテル、フェノールノボラックグリシジルエーテル、クレゾールノボラックグリシジルエーテル、フェノールとジシクロペンタジエンの縮合物のグリシジルエーテル、ビフェニルアラルキル樹脂のグリシジルエーテル、トリグリシジルイソシアヌレート、5−エチル−1,3−ジグリシジル−5−メチルヒダントイン、ビスフェノールAジグリシジルエーテルとトリレンイソシアネートの付加により得られるオキサゾリドン型エポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂等が挙げられる。その中でもビスフェノール型エポキシ樹脂は、樹脂硬化物の靭性、耐熱性のバランスに優れた寄与を与えるため好ましく用いられ、特に液状ビスフェノール型エポキシ樹脂は強化繊維への含浸性に優れた寄与を与えるため、エポキシ主剤液に含まれる、構成要素〔A〕以外のエポキシ樹脂として、好ましく用いられる。
ここで、ビスフェノール型エポキシ樹脂とは、ビスフェノール化合物の2つのフェノール性水酸基がグリシジル化されたものであり、ビスフェノール型としては、ビスフェノールA型、ビスフェノールF型、ビスフェノールAD型、ビスフェノールS型、もしくはこれらビスフェノールのハロゲン、アルキル置換体、水添品等が挙げられる。また、ビスフェノール型エポキシ樹脂としては、単量体に限らず、複数の繰り返し単位を有する高分子量体も好適に使用することができる。樹脂硬化物の靭性、耐熱性のバランスの観点から、ビスフェノール型エポキシ樹脂を含有させる場合、その含有割合は、エポキシ主剤液中に、エポキシ主剤液の全体質量に対して、好ましくは20質量%以上70質量%以下、より好ましくは20質量%以上50質量%以下とする。
本発明における構成要素〔B〕は、芳香族アミンである。芳香族アミンとしては、エポキシ樹脂硬化剤として用いられる芳香族アミン類であれば特に限定されるものではないが、2液型エポキシ樹脂組成物では硬化剤液が液状である必要があるため、液状の芳香族アミンを用いることが好ましい。また、芳香族アミンとして、固体状芳香族アミンを用いる場合には、硬化剤液に液状アミンを加えて、液状アミンと固体状芳香族アミンの混合物とすることが好ましく、特に、高耐熱性かつ高力学特性を有する樹脂硬化物を得る観点からは、液状芳香族アミンと固体状芳香族アミンの混合物とすることがより好ましい。すなわち、いずれの場合にも、硬化剤液に、液状アミンが含まれることになる。なお、本発明において、「液状」とは、25℃における粘度が1000Pa・s以下であることを指し、「固体状」とは、25℃において流動性をもたない、もしくは極めて流動性が低く、具体的には25℃における粘度が1000Pa・sより大きいことを指す。ここで、粘度は、JIS Z8803(1991)における「円すい−平板形回転粘度計による粘度測定方法」に従い、標準コーンローター(1°34’×R24)を装着したE型粘度計(例えば、(株)トキメック製TVE−30H)を使用して測定する。
液状アミンとしては具体的には、脂肪族アミンに分類されるものとして、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、2−メチル−1,5−ジアミノペンタン等が挙げられ、脂環式アミンに分類されるものとして、メチレンビス(シクロヘキシルアミン)、4,4’−メチレンビス(2−メチルシクロヘキシルアミン)、アミノシクロヘキサンアルキルアミン、イソホロンジアミン等が挙げられ、芳香族アミンに分類されるものとして、2,2’−ジエチルジアミノジフェニルメタン、2,4−ジエチル−6−メチル−m−フェニレンジアミン、4,6−ジエチル−2−メチル−m−フェニレンジアミン、4,6−ジエチル−m−フェニレンジアミン等のジエチルトルエンジアミン、4,4’−メチレンビス(N−メチルアニリン)、4,4’−メチレンビス(N−エチルアニリン)、4,4’−メチレンビス(N−sec−ブチルアニリン)、N,N’−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン等が挙げられる。液状の芳香族アミンを用いる場合、高ガラス転移温度、高弾性率のエポキシ樹脂硬化物が得られるため、好ましい。液状の芳香族アミンの市販品としては、三菱化学(株)製の“jERキュア” (登録商標)Wやハンツマン・ジャパン社製の“Aradur”(登録商標)5200USが挙げられる。
また、固体状の芳香族アミンとしては具体的には、例えば、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジイソプロピル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジ−t−ブチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジエチル−5,5’−ジメチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジ−t−ブチル−5,5’−ジメチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’,5,5’−テトラエチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジイソプロピル−5,5’−ジエチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジ−t−ブチル−5,5’−ジエチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジ−t−ブチル−5,5’−ジイソプロピル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’,5,5’−テトラ−t−ブチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン等が挙げられる。
硬化剤液は、液状芳香族アミンのみに、あるいは液状アミンと固体状芳香族アミンの混合物に、必要に応じてその他の成分を溶解させ液状化することで得ることができる。
本発明において、硬化剤液に、液状アミンと固体状芳香族アミンの混合物を用いる場合、その含有割合は、硬化剤液が液状であれば特に限定されるものではないが、強化繊維への含浸性と樹脂硬化物の力学特性のバランスの観点からアミン全量に対して固体状芳香族アミンが80質量%以下であることが好ましく、20質量%以上80質量%以下であることがより好ましい。
本発明において、硬化剤液の含有割合は、硬化剤液における全アミン中の活性水素総数(H)と、エポキシ主剤液における全エポキシ樹脂中のエポキシ基総数(E)との比であるH/Eが1.1以上1.4以下の範囲を満たすことが好ましく、1.1以上1.2以下の範囲を満たすことがより好ましい。H/Eが1.1を下回る場合、硬化反応が迅速に進行せず、十分な硬化性や弾性率が発現しない場合がある。また、H/Eが1.4を上回る場合は、硬化反応は迅速に進行するが、過剰なアミンが可塑剤として働くため、耐熱性が低下する場合がある。硬化剤液に、硬化剤として構成要素〔B〕のみを含む場合には、Hは構成要素〔B〕中の全活性水素数に一致するため、構成要素〔B〕の含有割合が、H/Eで示される。
本発明における構成要素〔C〕は、フェノール性水酸基を有する芳香族環を2個以上有する化合物である。すなわち、構成要素〔C〕の化合物は、ヒドロキシフェニル構造を有している。エポキシ樹脂組成物に構成要素〔C〕を含有させることにより、得られる樹脂硬化物について高い耐熱性が確保されるばかりか、高速硬化が可能となり、また硬化過程での揮発の問題も生じない。
この構成要素〔C〕の具体例としては、ビスフェノールA、ビスフェノールS、ビスフェノールF、ビフェノール、ビスフェノールフルオレン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、4,4’−メチレンビス(2,6−ジメチルフェノール)、4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、ビフェノール、ビスフェノールフルオレン、ビスクレゾールフルオレン、フェノールノボラック、クレゾールノボラック等が挙げられる。特に、構成要素〔C〕は、フェノール性水酸基を2つ以上含むビスフェノール類であることが好ましい。
また、高速硬化性と粘度安定性の観点から、構成要素〔C〕は、その酸解離定数pKaが、7以上9.8以下であることが好ましく、特に好ましくは7以上9以下である。構成要素〔C〕の酸解離定数pKaは、希薄水溶液条件下で、Ka=[H][B]/[BH](ここで[H]は水素イオン濃度、[BH]は構成要素〔C〕の濃度、[B]は構成要素〔C〕がプロトンを放出した共役塩基の濃度を表す)を測定し、pKa=−logKaに従い求める。pKaの測定方法は、例えばpHメーターを用いて水素イオン濃度を測定し、該当物質の濃度と水素イオン濃度から算出することができる。
構成要素〔C〕として、単一の化合物を用いても、複数の化合物を用いても良く、単一の化合物を用いる場合には、その化合物の酸解離定数pKaが上記範囲内であることが好ましく、複数の化合物を用いる場合には、少なくとも一種の化合物は、その酸解離定数pKaが上記範囲内であることが好ましい。
構成要素〔C〕として酸解離定数pKaが7未満のもののみを用いた場合では、エポキシ主剤液と硬化剤液を混合した後のエポキシ樹脂組成物の粘度安定性が著しく低下、増粘し、基材への樹脂含浸性が損なわれることがある。また、pKaが9.8より大きいもののみを用いた場合、十分な硬化促進効果が得られないことがある。
構成要素〔C〕は、調製の容易さ、低温での粘度安定性の観点から、通常は低分子量化合物である。ここでいう低分子量化合物とは分子量が1000以下である化合物を意味する。
構成要素〔C〕の含有割合は、エポキシ主剤液に含まれる全エポキシ樹脂100質量部に対して1質量部以上20質量部以下が好ましく、1質量部以上15質量部以下がより好ましく、特に1質量部以上10質量部以下が好ましい。構成要素〔C〕の含有割合が1質量部未満では十分な硬化促進効果が得られず、一方、20質量部より多い場合では、著しく樹脂硬化物の耐熱性が低下する場合がある。
本発明のエポキシ樹脂組成物には、可塑剤、染料、顔料、無機充填材、酸化防止剤、紫外線吸収剤、カップリング剤、界面活性剤等を必要に応じて含むことができる。また、本発明のエポキシ樹脂組成物には、コアシェルポリマー粒子等の高靱性化剤を必要に応じて含むこともできる。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、構成要素〔A〕を前記した含有割合で含むエポキシ主剤液と、構成要素〔B〕を含む硬化剤液からなる2液型であり、使用直前に前記した含有割合となるようにエポキシ主剤液と硬化剤液を混合して用いる。なお、構成要素〔C〕は、エポキシ主剤液、硬化剤液のいずれに含有されるようにしても構わないが、硬化剤液に含有されるようにすることが好ましい。エポキシ主剤液と硬化剤液は、混合前に、別々に加温しておくのが良く、成形型への注入等、使用の直前にミキサーを用いて混合してエポキシ樹脂組成物を得るのが、樹脂の可使時間の点から好ましい。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、70℃における粘度が10mPa・s以上500mPa・s以下であるようにすることが好ましく、10mPa・s以上250mPa・s以下であるようにすることがより好ましい。70℃における粘度を500mPa・s以下としたエポキシ樹脂組成物は強化繊維への含浸性が優れ、それにより高品位な繊維強化複合材料が得られる。また、粘度を10mPa・s以上としたエポキシ樹脂組成物は、成形温度での粘度が低くなりすぎず、それにより強化繊維基材への注入時に空気を巻き込んで生じるピットの生成が抑制され、含浸が不均一になりにくい。なお、粘度はエポキシ主剤液と硬化剤液の2液を混合した直後のエポキシ樹脂組成物を測定するものとする。
本発明のエポキシ樹脂組成物を使用した繊維強化複合材料は、産業材料用途、特に航空機、自動車材料に好適に用いられる。斯かる繊維強化複合材料の成形法としては、ハンドレイアップ法、フィラメントワインディング法、プルトルージョン法、RTM法等が挙げられ、これらの方法では短時間で硬化する必要があるため、高速硬化性を有するエポキシ樹脂組成物を用いる必要があり、本発明のエポキシ樹脂組成物が好適に用いられる。
また、繊維強化複合材料を形成するための硬化時間は、それに使用されるエポキシ樹脂組成物のゲル化時間に依存しており、エポキシ樹脂組成物のゲル化時間が短時間であるほど、繊維強化複合材料を形成するための硬化時間も短縮される。よって、繊維強化複合材料の生産性を向上する目的においては、成形温度におけるゲル化時間が5分以下であるエポキシ樹脂組成物であることが好ましく、特に、4分以下であるエポキシ樹脂組成物であることが好ましく、短時間であるほど好ましい。ここで、ゲル化時間は次のようにして測定することができる。すなわち、加硫/硬化特性試験機(例えば、JSRトレーディング(株)製“キュラストメーター”(登録商標)V型)を用いて、180℃に加熱したダイスに、エポキシ主剤液と硬化剤液の2液を混合した直後のエポキシ樹脂組成物をサンプルとして投入し、ねじり応力をかけて、サンプルの硬化の進行にともなう粘度上昇を、ダイスに伝わるトルクとして測定する。測定開始後、トルクが0.001N・mに達するまでの時間をゲル化時間とする。成形温度は、用いられる構成要素〔B〕および構成要素〔C〕の種類によって、通常120℃以上200℃以下の温度範囲の中で適宜調節される。例えば、構成要素〔B〕としてジエチルトルエンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジアミノジフェニルスルホンの混合物、構成要素〔C〕としてビスフェノールAを用いる場合、ゲル化時間を5分以下とするためには、硬化温度は180℃以上200℃以下の温度範囲に調整される。
エポキシ樹脂組成物を使用して得られる繊維強化複合材料の耐熱性は、そのエポキシ樹脂組成物を硬化して得られる樹脂硬化物のガラス転移温度に依存するため、高耐熱性を有した繊維強化複合材料を得るためには、エポキシ樹脂組成物を、例えば180℃の温度下で2時間加熱する等して、完全硬化して得られる樹脂硬化物のガラス転移温度が、170℃以上250℃以下であることが好ましく、180℃以上220℃以下であればさらに好ましい。ガラス転移温度が170℃に満たない樹脂硬化物は、耐熱性が不十分な場合がある。ガラス転移温度が250℃を越える樹脂硬化物は、3次元架橋構造の架橋密度が高くなることから、脆くなり、繊維強化複合材料の引張強度や耐衝撃性が低下する場合がある。ここで樹脂硬化物のガラス転移温度は、DMA測定により求められる。なお、ガラス転移温度はTgと略記されることもある。
本発明のエポキシ樹脂組成物を180℃、2時間で硬化させた硬化物の曲げ弾性率は、3.3GPa以上6.0GPa以下であることが好ましい。曲げ弾性率が3.3GPa未満であると、繊維強化複合材料とした時に圧縮強度が不足することがあり、6.0GPaを超えると、繊維強化複合材料とした時に切削加工する際、切削面が荒れることがある。
本発明の繊維強化複合材料は、前記した繊維強化複合材料用2液型エポキシ樹脂組成物と強化繊維を組み合わせ、硬化してなる。本発明の繊維強化複合材料を得るための成形方法は前記した通り、ハンドレイアップ法、フィラメントワインディング法、プルトルージョン法、RTM法等の、2液型樹脂を用いる成形方法が好適に用いられる。これらのうち、生産性や得られる成形体の形状自由度といった観点で、特にRTM法が好適に用いられる。RTM法とは、成形型内に配置した強化繊維基材に樹脂を注入し硬化して強化繊維複合材料を得るものである。
強化繊維としては、炭素繊維、ガラス繊維、アラミド繊維、ボロン繊維、PBO繊維、高強力ポリエチレン繊維、アルミナ繊維および炭化ケイ素繊維等を用いることができる。これらの繊維を、2種類以上混合して用いても構わない。強化繊維の形態や配列については限定されず、例えば、一方向に引き揃えられた長繊維、単一のトウ、織物、ニット、不織布、マットおよび組紐等の繊維構造物(繊維基材)が用いられる。
特に、材料の軽量化や高強度化の要求が高い用途においては、その優れた比弾性率と比強度のため、強化繊維として炭素繊維を好適に用いることができる。
強化繊維として炭素繊維を用いる場合、用途に応じてあらゆる種類の炭素繊維を用いることが可能であるが、層間靭性や耐衝撃性の点から、高くとも400GPa、好ましくは230〜400GPaの引張弾性率を有する炭素繊維を用いることが好ましい。また、高い剛性および機械強度を有する繊維強化複合材料を得る観点から、引張強度が少なくとも4.4GPa、好ましくは4.4〜6.5GPaである炭素繊維を用いることが好ましい。また、引張伸度も重要な要素であり、少なくとも1.7%、好ましくは1.7〜2.3%の引張伸度を有する炭素繊維を用いることが好ましい。従って、引張弾性率、引張強度 、および引張伸度が前記した範囲内である特性を兼ね備えた炭素繊維が最も適している。
炭素繊維の市販品としては、“トレカ”(登録商標)T800G−24K、“トレカ”(登録商標)T800S−24K、 “トレカ”(登録商標)T700G−24K、“トレカ”(登録商標)T300−3K、および“トレカ”(登録商標)T700S−12K(以上、東レ(株)製)等が挙げられる。
航空機分野で用いられる繊維強化複合材料には、高い耐熱性や耐湿熱性、圧縮強度等の力学特性が要求される。本発明の繊維強化複合材料は、マトリックス樹脂であるエポキシ樹脂硬化物のガラス転移温度を通常、170℃以上250℃以下とすることができるため、耐熱性、耐湿熱性に優れる。さらに本発明の繊維強化複合材料は、マトリックス樹脂であるエポキシ樹脂硬化物の曲げ弾性率を通常、3.3GPa以上6.0GPa以下とすることができるため、圧縮強度に優れる。
上記のように高耐熱かつ高圧縮強度を有する繊維強化複合材料は、湿熱時のH/W0°圧縮強度が高く、例えば、1250MPa以上、より好ましい様態では1300MPa以上という、高い圧縮強度を示すことができる。
以下、実施例により、本発明についてさらに詳細に説明する。
〈樹脂原料〉
各実施例・比較例の樹脂組成物を得るために、以下の樹脂原料を用いた。なお、表中の樹脂組成物の欄における各成分の数値は含有量を示し、その単位は、特に断らない限り「質量部」である。
1.構成要素〔A〕であるエポキシ樹脂
・アラルダイト(登録商標)MY721(ハンツマン・アドバンスド・マテリアルズ社製):テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン
・アラルダイト(登録商標)MY0600(ハンツマン・アドバンスド・マテリアルズ社製):トリグリシジル−m−アミノフェノール
2.構成要素〔A〕以外のエポキシ樹脂
・jER(登録商標)825(三菱化学(株)製):ビスフェノールA型エポキシ樹脂(粘度:7000mPa・s(25℃))
・セロキサイド(登録商標)2021P((株)ダイセル製):脂環式エポキシ樹脂(粘度:350mPa・s(25℃))
3.構成要素〔B〕である芳香族アミン
・jERキュア(登録商標)W(三菱化学(株)製):ジエチルトルエンジアミン(粘度:160mPa・s(25℃))
・カヤハード(登録商標)A−A(日本化薬(株)製):2,2’−ジエチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン(粘度:2000mPa・s(25℃))
・ロンザキュア(登録商標)M−MIPA(ロンザジャパン(株)製):3,3’−ジイソプロピル−5,5’−ジメチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン(粘度:>1000Pa・s(25℃))
・ロンザキュア(登録商標)M−DIPA(ロンザジャパン(株)製):3,3’,5,5’−テトライソプロピル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン(粘度:>1000Pa・s(25℃))
4.脂環式アミン
・アンカミン(登録商標)2049(エア−プロダクツジャパン(株)製):4,4’−メチレンビス(2−メチルシクロヘキシルアミン)(粘度:120mPa・s(25℃))
5.構成要素〔C〕であるフェノール性水酸基を有する芳香族環を2個以上有する化合物
・ビスフェノールA(関東化学(株)製):4,4’−イソプロピリデンジフェノール(pKa:10.2)
・ビスフェノールS(関東化学(株)製):4,4’−スルホニルジフェノール(pKa:7.8)
・フェノールノボラック樹脂:(明和化成(株)製)H−4(pKa:9.8)
6.構成要素〔C〕以外のフェノール化合物
・4−tert−ブチルカテコール(DIC(株)製):DIC−TBC
7.酸エステル
・p−トルエンスルホン酸−n−プロピル(東京化成工業(株)製)
〈エポキシ樹脂組成物の調製〉
構成要素〔A〕グリシジルアミン型エポキシ樹脂等のエポキシ樹脂を用いてエポキシ主剤液とし、構成要素〔B〕芳香族アミン等のアミン化合物、および構成要素〔C〕フェノール性水酸基を有する芳香族環を2個以上有する化合物等のフェノール化合物あるいは酸エステル化合物を用いて硬化剤液として、表1〜3に記載した含有割合で混合し、エポキシ樹脂組成物を調製した。
〈粘度の測定〉
測定すべき検体を、JIS Z8803(1991)における「円すい−平板形回転粘度計による粘度測定方法」に従い、標準コーンローター(1°34’×R24)を装着したE型粘度計を使用して、測定すべき温度に保持した状態で測定した。E型粘度計としては、(株)トキメック製TVE−30Hを用いた。なお、検体としては、エポキシ主剤液と硬化剤液の2液を混合した直後のエポキシ樹脂組成物を用いた。
〈ゲル化時間の測定〉
加硫/硬化特性試験機として、JSRトレーディング(株)製“キュラストメーター”(登録商標)V型を用いて、180℃に加熱したダイスに、エポキシ主剤液と硬化剤液の2液を混合した直後のエポキシ樹脂組成物をサンプルとして投入し、ねじり応力をかけてサンプルの硬化の進行にともなう粘度上昇を、ダイスに伝わるトルクとして測定した。測定開始後、トルクが0.001N・mに達するまでの時間をゲル化時間とした。
〈樹脂硬化板の作製〉
上記で調製したエポキシ樹脂組成物を真空中で脱泡した後、2mm厚の“テフロン”(登録商標)製スペーサーにより厚み2mmになるように設定したモールド中に注入した。180℃の温度で2時間硬化させ、厚さ2mmの樹脂硬化板を得た。
〈樹脂硬化物のガラス転移温度(Tg)測定〉
樹脂硬化板から幅12.7mm、長さ40mmの試験片を切り出し、DMA(TAインスツルメンツ社製ARES)を用いてTg測定を行った。測定条件は、昇温速度5℃/分である。測定で得られた貯蔵弾性率G’の変曲点での温度をTgとした。
〈樹脂硬化物の曲げ弾性率測定〉
樹脂硬化板から、幅10mm、長さ60mmの試験片を切り出し、スパン間32mmの3点曲げを測定し、JIS K7171−1994に従って曲げ弾性率を測定した。
〈繊維強化複合材料の作製〉
400mm×400mm×1.2mmの板状キャビティーを有する金型に、395mm×395mmに切り出した炭素繊維一方向織物(平織、縦糸:炭素繊維T800S−24K−10C 東レ(株)製、炭素繊維目付295g/m、縦糸密度7.2本/25mm、横糸:ガラス繊維ECE225 1/0 1Z 日東紡(株)製、横糸密度7.5本/25mm)を、炭素繊維方向を0°として、0°方向に揃えて4枚積層したものをセットし、型締めを行った。続いて、金型を80℃に加温した後、前記のようにして調整され、予め80℃に加温されたエポキシ樹脂組成物を、樹脂注入装置を用いて、注入圧0.2MPaで金型内に注入し、金型を昇温速度1.5℃/minで180℃まで昇温して、180℃で2時間加熱した後、30℃まで降温した。
〈繊維強化複合材料のH/W0°圧縮強度測定〉
前記のようにして得られた繊維強化複合材料を、0°方向と長さ方向とが同じになるようにして、長さ79.4mm×幅12.7mmにカットし、0°圧縮強度用試験片を作製した。この試験片について、72℃温水中に14日間浸漬した後、繊維強化複合材料の0°圧縮強度を測定した。0°圧縮強度の測定は、ASTM D695に準拠し、試験機として、材料万能試験機(インストロン・ジャパン(株)製 4208型インストロン)を用い、測定時のクロスヘッドスピードを1.27mm/min、測定温度を82℃とした。
(実施例1〜3)
前記のようにして、H/Eを変更して、表に記載した含有割合で、エポキシ樹脂組成物を作製し、70℃における粘度およびゲル化時間を測定した。また、それぞれのエポキシ樹脂組成物を用いて、樹脂硬化板および繊維強化複合材料を作製し、Tg、曲げ弾性率、H/W0°圧縮強度を測定した。いずれの場合も、ゲル化時間を5分以下に短縮することができ、その樹脂硬化物のTgは170℃以上、曲げ弾性率も3.3GPa以上であり、硬化性、耐熱性、弾性率共に良好であった。さらに、繊維強化複合材料についても、H/W0°圧縮強度が1250MPa以上と、耐熱性、力学特性が良好であった。
(実施例4〜7)
前記のようにして、構成要素〔C〕の配合量を変更して、表に記載した含有割合で、エポキシ樹脂組成物を作製し、70℃における粘度およびゲル化時間を測定した。また、それぞれのエポキシ樹脂組成物を用いて、樹脂硬化板および繊維強化複合材料を作製し、Tg、曲げ弾性率、H/W0°圧縮強度を測定した。いずれの場合も、ゲル化時間を5分以下に短縮することができ、その樹脂硬化物のTgは170℃以上、曲げ弾性率も3.3GPa以上であり、硬化性、耐熱性、弾性率共に良好であった。さらに、繊維強化複合材料についても、H/W0°圧縮強度が1250MPa以上と、耐熱性、力学特性が良好であった。
(実施例8、9)
前記のようにして、エポキシ樹脂の配合比を変更して、表に記載した含有割合で、エポキシ樹脂組成物を作製し、70℃における粘度およびゲル化時間を測定した。また、それぞれのエポキシ樹脂組成物を用いて、樹脂硬化板および繊維強化複合材料を作製し、Tg、曲げ弾性率、H/W0°圧縮強度を測定した。いずれの場合も、ゲル化時間を5分以下に短縮することができ、その樹脂硬化物のTgは170℃以上、曲げ弾性率も3.3GPa以上であり、硬化性、耐熱性、弾性率共に良好であった。さらに、繊維強化複合材料についても、H/W0°圧縮強度が1250MPa以上と、耐熱性、力学特性が良好であった。
(実施例10)
前記のようにして、構成要素〔A〕を変更して、表に記載した含有割合で、エポキシ樹脂組成物を作製し、70℃における粘度およびゲル化時間を測定した。また、それぞれのエポキシ樹脂組成物を用いて、樹脂硬化板および繊維強化複合材料を作製し、Tg、曲げ弾性率、H/W0°圧縮強度を測定した。いずれの場合も、ゲル化時間を5分以下に短縮することができ、その樹脂硬化物のTgは170℃以上、曲げ弾性率も3.3GPa以上であり、硬化性、耐熱性、弾性率共に良好であった。さらに、繊維強化複合材料についても、H/W0°圧縮強度が1250MPa以上と、耐熱性、力学特性が良好であった。
(実施例11)
前記のようにして、構成要素〔B〕に液状アミンのみを用いて、表に記載した含有割合で、エポキシ樹脂組成物を作製し、70℃における粘度およびゲル化時間を測定した。また、それぞれのエポキシ樹脂組成物を用いて、樹脂硬化板および繊維強化複合材料を作製し、Tg、曲げ弾性率、H/W0°圧縮強度を測定した。いずれの場合も、ゲル化時間を5分以下に短縮することができ、その樹脂硬化物のTgは170℃以上、曲げ弾性率も3.3GPa以上であり、硬化性、耐熱性、弾性率共に良好であった。さらに、繊維強化複合材料についても、H/W0°圧縮強度が1250MPa以上と、耐熱性、力学特性が良好であった。
(実施例12、13)
前記のようにして、構成要素〔B〕の配合比を変更して、表に記載した含有割合で、エポキシ樹脂組成物を作製し、70℃における粘度およびゲル化時間を測定した。また、それぞれのエポキシ樹脂組成物を用いて、樹脂硬化板および繊維強化複合材料を作製し、Tg、曲げ弾性率、H/W0°圧縮強度を測定した。いずれの場合も、ゲル化時間を5分以下に短縮することができ、その樹脂硬化物のTgは170℃以上、曲げ弾性率も3.3GPa以上であり、硬化性、耐熱性、弾性率共に良好であった。さらに、繊維強化複合材料についても、H/W0°圧縮強度が1250MPa以上と、耐熱性、力学特性が良好であった。
(実施例14、15)
前記のようにして、構成要素〔B〕の液状アミンを変更して、表に記載した含有割合で、エポキシ樹脂組成物を作製し、70℃における粘度およびゲル化時間を測定した。また、それぞれのエポキシ樹脂組成物を用いて、樹脂硬化板および繊維強化複合材料を作製し、Tg、曲げ弾性率、H/W0°圧縮強度を測定した。いずれの場合も、ゲル化時間を5分以下に短縮することができ、その樹脂硬化物のTgは170℃以上、曲げ弾性率も3.3GPa以上であり、硬化性、耐熱性、弾性率共に良好であった。さらに、繊維強化複合材料についても、H/W0°圧縮強度が1250MPa以上と、耐熱性、力学特性が良好であった。
(実施例16、17)
前記のようにして、構成要素〔C〕を変更して、表に記載した含有割合で、エポキシ樹脂組成物を作製し、70℃における粘度およびゲル化時間を測定した。また、それぞれのエポキシ樹脂組成物を用いて、樹脂硬化板および繊維強化複合材料を作製し、Tg、曲げ弾性率、H/W0°圧縮強度を測定した。いずれの場合も、ゲル化時間を5分以下に短縮することができ、その樹脂硬化物のTgは170℃以上、曲げ弾性率も3.3GPa以上であり、硬化性、耐熱性、弾性率共に良好であった。さらに、繊維強化複合材料についても、H/W0°圧縮強度が1250MPa以上と、耐熱性、力学特性が良好であった。
(比較例1)
実施例1において、H/Eを表に記載した含有割合で、エポキシ樹脂組成物を作製し、70℃における粘度およびゲル化時間を測定した。また、それぞれのエポキシ樹脂組成物を用いて、樹脂硬化板および繊維強化複合材料を作製し、Tg、曲げ弾性率、H/W0°圧縮強度を測定した。ゲル化時間を5分以下に短縮することができ、その樹脂硬化物のTgは170℃以上であったが、曲げ弾性率は3.2GPaであった。硬化性と耐熱性は良好であるものの、実施例に比べ弾性率は低く、硬化性、耐熱性、弾性率共に満足するという結果は得られなかった。また、繊維強化複合材料については、H/W0°圧縮強度が1230MPaと低い結果であった。
(比較例2)
実施例1において、H/Eを表に記載した含有割合で、エポキシ樹脂組成物を作製し、70℃における粘度およびゲル化時間を測定した。また、それぞれのエポキシ樹脂組成物を用いて、樹脂硬化板および繊維強化複合材料を作製し、Tg、曲げ弾性率、H/W0°圧縮強度を測定した。ゲル化時間を5分以下に短縮することができ、曲げ弾性率は3.8GPaであったが、その樹脂硬化物のTgは164℃であった。硬化性と弾性率は良好であるものの、実施例に比べ耐熱性は低く、硬化性、耐熱性、弾性率共に満足するという結果は得られなかった。また、繊維強化複合材料については、H/W0°圧縮強度が1240MPaと低い結果であった。
(比較例3)
実施例1において、構成要素〔C〕の代わりに4−tert−ブチルカテコールを添加して表に記載した含有割合でエポキシ樹脂組成物を作製しでエポキシ樹脂組成物を作製し、70℃における粘度を測定した。また、そのエポキシ樹脂組成物を用いて、樹脂硬化板および繊維強化複合材料を作製し、Tg、曲げ弾性率、H/W0°圧縮強度を測定した。ゲル化時間は5.1分であったが、その樹脂硬化物のTgは176℃であり、曲げ弾性率は3.4GPaであった。耐熱性と弾性率は良好であるものの、実施例に比べ硬化性は低く、硬化性、耐熱性、弾性率共に満足するという結果は得られなかった。また、繊維強化複合材料については、H/W0°圧縮強度が1270MPaであった。
(比較例4)
実施例1において、構成要素〔C〕の代わりにp−トルエンスルホン酸プロピルを添加して表に記載した含有割合でエポキシ樹脂組成物を作製しでエポキシ樹脂組成物を作製し、70℃における粘度を測定した。また、そのエポキシ樹脂組成物を用いて、樹脂硬化板および繊維強化複合材料を作製し、Tg、曲げ弾性率、H/W0°圧縮強度を測定した。ゲル化時間を5分以下に短縮することができ、曲げ弾性率は3.4GPaであったが、その樹脂硬化物のTgは167℃であった。硬化性と弾性率は良好であるものの、実施例に比べ耐熱性は低く、硬化性、耐熱性、弾性率共に満足するという結果は得られなかった。また、繊維強化複合材料については、H/W0°圧縮強度が1200MPaと低い結果であった。
(比較例5、6)
実施例1において、エポキシ樹脂の配合比を変更して表に記載した含有割合でエポキシ樹脂組成物を作製しでエポキシ樹脂組成物を作製し、70℃における粘度を測定した。また、そのエポキシ樹脂組成物を用いて、樹脂硬化板および繊維強化複合材料を作製し、Tg、曲げ弾性率、H/W0°圧縮強度を測定した。いずれの場合もゲル化時間を5分以下に短縮することができたが、その樹脂硬化物のTgは170℃より低く、曲げ弾性率は3.3GPaより低い結果であった。硬化性は良好であるものの、実施例に比べ耐熱性、弾性率は低く、硬化性、耐熱性、弾性率共に満足するという結果は得られなかった。また、繊維強化複合材料については、H/W0°圧縮強度が1250MPaより低い結果であった。
(比較例7)
比較例5において、エポキシ樹脂を変更して表に記載した含有割合でエポキシ樹脂組成物を作製しでエポキシ樹脂組成物を作製し、70℃における粘度を測定した。また、そのエポキシ樹脂組成物を用いて、樹脂硬化板および繊維強化複合材料を作製し、Tg、曲げ弾性率、H/W0°圧縮強度を測定した。ゲル化時間は10分より長く、その樹脂硬化物のTgは131℃、曲げ弾性率は2.7GPaであった。実施例に比べ硬化性、耐熱性、弾性率共に低かった。また、繊維強化複合材料については、H/W0°圧縮強度が900MPaと低い結果であった。
(比較例8)
実施例1において、固体状アミンのみを用いて、表に記載した含有割合でエポキシ樹脂組成物を作製しでエポキシ樹脂組成物を作製し、70℃における粘度を測定した。また、そのエポキシ樹脂組成物を用いて、樹脂硬化板および繊維強化複合材料を作製し、Tg、曲げ弾性率、H/W0°圧縮強度を測定した。ゲル化時間を5分以下に短縮することができたが、その樹脂硬化物のTgは161℃、曲げ弾性率は2.8GPaであった。硬化性は良好であるものの、実施例に比べ耐熱性、弾性率は低く、硬化性、耐熱性、弾性率共に満足するという結果は得られなかった。また、繊維強化複合材料については、H/W0°圧縮強度が1000MPaと低い結果であった。
(比較例9)
実施例1において、構成要素〔B〕の代わりに脂環式アミンを添加して表に記載した含有割合でエポキシ樹脂組成物を作製しでエポキシ樹脂組成物を作製し、70℃における粘度を測定した。また、そのエポキシ樹脂組成物を用いて、樹脂硬化板および繊維強化複合材料を作製し、Tg、曲げ弾性率、H/W0°圧縮強度を測定した。ゲル化時間は10分より長かったが、その樹脂硬化物のTgは188℃、曲げ弾性率は3.4GPaであった。耐熱性、弾性率は良好であるものの、実施例に比べ硬化性が低く、硬化性、耐熱性、弾性率共に満足するという結果は得られなかった。また、繊維強化複合材料については、H/W0°圧縮強度が1330MPaであった。
以上のように、本発明の繊維強化複合材料用2液型エポキシ樹脂組成物は硬化性、耐熱性、弾性率に優れており、RTM法等により高性能な繊維強化複合材料を生産性良く短時間で得ることができる。また、本発明の繊維強化複合材料用2液型エポキシ樹脂組成物は大きな形状の繊維強化複合材料の成形にも優れており、特に航空機、自動車部材への適用に好適である。
Figure 2018135496
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本発明の繊維強化複合材料用2液型エポキシ樹脂組成物は、硬化性、耐熱性、弾性率に優れるため、RTM法等によって高品位の繊維強化複合材料を高い生産性で提供可能となる。これにより、特に航空機、自動車用途への繊維強化複合材料の適用が進み、更なる軽量化による燃費向上、地球温暖化ガス排出削減への貢献が期待できる。

Claims (13)

  1. 少なくとも次の構成要素〔A〕、〔B〕、〔C〕を含むエポキシ樹脂組成物であって、構成要素〔A〕を30質量%以上100質量%以下含むエポキシ主剤液と、構成要素〔B〕を含む硬化剤液からなり、エポキシ基総数(E)とアミン中に含まれる活性水素総数(H)との比であるH/Eが1.1以上1.4以下である繊維強化複合材料用2液型エポキシ樹脂組成物。
    構成要素〔A〕:グリシジルアミン型エポキシ樹脂
    構成要素〔B〕:芳香族アミン
    構成要素〔C〕:フェノール性水酸基を有する芳香族環を2個以上有する化合物
  2. 構成要素〔A〕が、3官能以上のグリシジルアミン型エポキシ樹脂である、請求項1に記載の繊維強化複合材料用2液型エポキシ樹脂組成物。
  3. 構成要素〔A〕が、N,N,N’,N’−テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン、トリグリシジルアミノフェノール、またはこれらの誘導体もしくは異性体から選ばれるグリシジルアミン型エポキシ樹脂である、請求項1または2に記載の繊維強化複合材料用2液型エポキシ樹脂組成物。
  4. エポキシ主剤液に、液状ビスフェノール型エポキシ樹脂が含まれる、請求項1〜3のいずれかに記載の繊維強化複合材料用2液型エポキシ樹脂組成物。
  5. 硬化剤液に、液状アミンが含まれる、請求項1〜4のいずれかに記載の繊維強化複合材料用2液型エポキシ樹脂組成物。
  6. 構成要素〔B〕が、液状芳香族アミンと固体状芳香族アミンの混合物である、請求項1〜5のいずれかに記載の繊維強化複合材料用2液型エポキシ樹脂組成物。
  7. 構成要素〔C〕が、フェノール性水酸基を2つ以上含むビスフェノール類である、請求項1〜6のいずれかに記載の繊維強化複合材料用2液型エポキシ樹脂組成物。
  8. 構成要素〔C〕の酸解離定数pKaが、7以上9.8以下である、請求項1〜7のいずれかに記載の繊維強化複合材料用2液型エポキシ樹脂組成物。
  9. 構成要素〔C〕が、エポキシ主剤液に含まれる全エポキシ樹脂100質量部に対して1質量部以上20質量部以下含まれる、請求項1〜8のいずれかに記載の繊維強化複合材料用2液型エポキシ樹脂組成物。
  10. E型粘度計で測定した70℃における粘度が10mPa・s以上500mPa・s以下である、請求項1〜9のいずれかに記載の繊維強化複合材料用2液型エポキシ樹脂組成物。
  11. RTM法で使用される、請求項1〜10のいずれかに記載の繊維強化複合材料用2液型エポキシ樹脂組成物。
  12. 請求項1〜11のいずれかに記載の繊維強化複合材料用2液型エポキシ樹脂組成物と強化繊維を組み合わせて、硬化してなる、繊維強化複合材料。
  13. 強化繊維が炭素繊維である、請求項12に記載の繊維強化複合材料。
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