(発明の経緯等)
本発明者は、特願2016−243909において防塵防滴仕様のデジタルカメラに好適であり、電子機器の外部の音声を捉えて音声信号を生成する際に、音声信号に含まれる雑音を低減できる収音装置を提案している。
一般的に音質を高めたい場合は、電子機器(収音装置)の外装表面に、主マイクロホンに音を到達させる経路を充分に有するほうが好ましい。したがって、電子機器の外装表面は、小さな穴が主マイクロホンと対向する位置に局所的に設けられた部材よりも、パンチングメタル板などの多孔形状を有する部材で構成されることが望ましい。外装表面がパンチングメタル板などの多孔形状を有する部材である場合、また、そのパンチングメタル板が水平面でなく斜面を成す場合でも、雑音を捉える参照マイクロホンが主マイクロホンの近傍に配置され、且つ、参照マイクロホンに対しては電子機器の外部からの音圧を遮断することが求められる。本開示は、外装表面が多孔形状である場合でも、電子機器の外部の音声を捉えて音声信号を生成する際に、音声信号に含まれる雑音を低減することを目的とする。
以下、適宜図面を参照しながら、実施の形態を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明および実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。
なお、発明者は、当業者が本開示を十分に理解するために添付図面および以下の説明を提供するのであって、これらによって特許請求の範囲に記載の主題を限定することを意図するものではない。
(実施の形態1)
以下、図面を用いて、実施の形態1を説明する。
実施の形態1では、撮像装置の一実施の形態として、音声信号を出力できるデジタルカメラを例に挙げる。収音装置はデジタルカメラに組み込まれ、一体となっている。デジタルカメラの解像度が高くなると、撮影された画像は、手振れによる影響を受けやすい。したがって、デジタルカメラに高性能の手振れ補正機構を搭載することが望ましいが、手振れ補正機構の駆動による雑音が発生しやすくなる。すなわち、高解像度のデジタルカメラにおいては、デジタルカメラ内部で雑音がより発生しやすいという課題がある。また一般的に、音質を高めたい場合は、主マイクロホンに音を到達させる経路が多い方が望ましい。つまりデジタルカメラの外装表面は、音の経路としての小さな穴を局所的に有する外装表面よりも、パンチングメタル板などの多孔形状である外装表面であることが望ましい。しかし、外装表面がパンチングメタル板などの多孔形状の部材である場合、主マイクロホンおよび参照マイクロホンを外装部材(筐体)に抱え込む実装が実質不可能である。つまり、多孔形状である部材を射出成形方法で成形することは難しいため、マイクロホンを固定する凹部等(支持部材)を筐体と一体成形することは難しい。また、そのパンチングメタル板が水平面でなく斜面又は曲面を成す場合は、マイクロホンを外装部材(筐体)に抱え込むように実装することはさらに困難となる。
そこで、実施の形態1では、主マイクロホンおよび参照マイクロホンを外装部材に抱え込むように実装できない場合でも、参照マイクロホンを、主マイクロホンの近傍に配置でき、且つ、参照マイクロホンに対して外部からの音圧を遮断する構成を容易に実現する。
[1−1.構成]
[1−1−1.全体構成]
図1は、本開示に係る収音装置を備えた撮像装置の一実施の形態であるデジタルカメラ100の構成を示す図である。デジタルカメラ100は、被写体を撮像して画像データ(静止画、動画)を生成して記録媒体に記録する。デジタルカメラ100は、カメラボディ102と、カメラボディ102に装着される交換レンズ301とで構成される。デジタルカメラ100は、動画の撮影中、音声も入力し、画像データとともに音声データを記録媒体に記録することができる。
[1−1−2.交換レンズの構成]
交換レンズ301は、フォーカスレンズ310、補正レンズ318およびズームレンズ312を含む光学系を有する。交換レンズ301はさらに、レンズコントローラ320、レンズマウント330、フォーカスレンズ駆動部311、ズームレンズ駆動部313、絞り316、絞り駆動部317、操作リング315、OIS(Optical Image Stabilizer)駆動部319、DRAM(Dynamic Random Access Memory)321、およびフラッシュメモリ322等を備えている。
レンズコントローラ320は、交換レンズ301全体の動作を制御する。レンズコントローラ320は、操作リング315のユーザによる操作を受け付けて、ズームレンズ312を駆動させるよう、ズームレンズ駆動部313を制御することができる。レンズコントローラ320は、フォーカスレンズ310、補正レンズ318及び絞り316を駆動させるように、フォーカスレンズ駆動部311、OIS駆動部319、及び絞り駆動部317をそれぞれ制御することができる。
OIS駆動部319は、例えば、マグネットと平板コイルとで構成される駆動機構を備える。OIS駆動部319は、交換レンズ301のぶれを検出するジャイロセンサの検出信号に基づき駆動機構を制御して、交換レンズ301のぶれに応じて光学系の光軸に垂直な面内で補正レンズ318をシフトさせる。これにより、撮像画像中における手振れによるぶれの影響を低減する。
レンズコントローラ320は、DRAM321およびフラッシュメモリ322に接続されており、必要に応じてそれらのメモリに情報を書き込んだり、読み出したりすることができる。また、レンズコントローラ320は、レンズマウント330を介して、コントローラ130と通信することができる。尚、レンズコントローラ320は、ハードワイヤードな電子回路で構成してもよいし、プログラムを用いたマイクロコンピュータなどで構成してもよい。
レンズマウント330は、カメラボディ102のボディマウント340と接続され、交換レンズ301およびカメラボディ102を機械的および電気的に接続する。交換レンズ301とカメラボディ102とが接続されると、レンズコントローラ320と、コントローラ130とは通信可能な状態となる。ボディマウント340は、レンズマウント330を介してレンズコントローラ320から受信した信号をカメラボディ102のコントローラ130に送信することができる。
[1−1−3.カメラボディの構成]
カメラボディ102は、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサ143およびAFE(アナログ・フロント・エンド)144を含む。カメラボディ102の外装部材(筐体)は、図2Aに示すケース105と図2Bに示すパンチングメタル板119a,119b,119cとを含む。
CCDイメージセンサ143は、交換レンズ301を通して形成された被写体像を撮像して画像情報を生成する。なお、画像センサとして他の種類の画像センサ(例えば、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサ)を用いてもよい。
AFE144は、CCDイメージセンサ143から読み出した画像情報に対して相関二重サンプリングによる雑音抑圧、アナログゲインコントローラによるアナログ・デジタル(A/D)変換器の入力レンジ幅への増幅、およびA/D変換器によるA/D変換を実施する。
カメラボディ102はさらに、音声入力部111およびアナログ音声処理部115を備える。音声入力部111は、左右それぞれの方向からの主音声(記録対象の音声)を別々に収音するために2つの主マイクロホン(主マイクロホン111R、主マイクロホン111L)を含む。なお、実施の形態1では、第1の方向の一例を左方向とし、第2の方向の一例を右方向とする。また第1の主マイクロホンを主マイクロホン111Rとし、第2の主マイクロホンを主マイクロホン111Lとする。
さらに、音声入力部111は、カメラボディ102の内部の雑音の情報を取得する参照マイクロホン111Nを含む。すなわち、参照マイクロホン111Nは、カメラボディ102の振動による雑音及びカメラボディ102内部で発生する種々の雑音の少なくとも一方を入力する。参照マイクロホン111Nにより取得された情報は、主音声に含まれる雑音を抑圧するための信号(雑音成分)を生成するために使用される。
各マイクロホン(主マイクロホン111R、主マイクロホン111L、及び参照マイクロホン111N)は、音声信号を電気信号(アナログ音声信号)に変換する。各マイクロホン(主マイクロホン111R、主マイクロホン111L、及び参照マイクロホン111N)からのアナログ音声信号は、アナログ音声処理部115に入力される。
アナログ音声処理部115は、アナログ音声信号に所定の信号処理を施す。アナログ音声処理部115は、処理したアナログ音声信号をA/D変換器によりデジタル音声信号に変換し、デジタル音声信号をデジタル画像・音声処理部120に出力する。アナログ音声処理部115は音声信号処理装置の一例である。アナログ音声処理部115は、アナログ回路を含む電子回路で構成され、1つまたは複数の半導体集積回路で構成される。アナログ音声処理部115は、自動レベル制御(Automatic Level Control:ALC)機能を有する。自動レベル制御機能は、入力したアナログ音声信号のレベルによらず、出力するデジタル音声信号のレベルが予め定められた上限閾値を超えないようにゲインを自動的に調整する機能である。
デジタル画像・音声処理部120は、AFE144から出力された画像情報及びアナログ音声処理部115から出力された音声信号に対して各種の処理を施す。例えば、デジタル画像・音声処理部120は、コントローラ130からの指示に従って、画像情報に対してガンマ補正およびホワイトバランス補正、傷補正、符号化処理等を行う。また、デジタル画像・音声処理部120は、コントローラ130からの指示に従って、音声信号に対する各種処理を行う。デジタル画像・音声処理部120は、ハードワイヤードな電子回路で実現してもよいし、プログラムを実行するマイクロコンピュータなどで実現してもよい。デジタル画像・音声処理部120は、コントローラ130などと一体的に1つの半導体チップとして実現してもよい。例えば、デジタル画像・音声処理部120は、CPU(Central Processing Unit)、FPGA(Field‐Programmable Gate Array)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、或いはDSP(Digital Signal Processor)等で構成できる。
デジタル画像・音声処理部120は、音声入力部111の出力である音声信号を演算処理して、指向性合成処理および雑音抑圧処理を行う。デジタル画像・音声処理部120を実現する回路は、1つまたは複数の半導体集積回路に集積されてもよい。
表示部190は、デジタルカメラ100の背面に配置される。表示部190は、液晶ディスプレイ、或いは有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイで構成することができる。表示部190は、デジタル画像・音声処理部120にて処理された画像情報に基づく画像を表示する。
コントローラ130は、デジタルカメラ100全体の動作を統括制御する。コントローラ130は、ハードワイヤードな電子回路で実現してもよいし、プログラムを実行するマイクロコンピュータなどで実現してもよい。また、コントローラ130は、デジタル画像・音声処理部120などと一体的に1つの半導体チップとして実現してもよい。また、ROM(Read Only Memory)170は、コントローラ130の外部に(コントローラ130とは別体として)存在している必要はなく、コントローラ130の内部に組み込まれていてもよい。例えば、コントローラ130は、CPU、FPGA、ASIC、或いはDSP等で構成できる。
ROM170は、コントローラ130が実行するための、オートフォーカス制御(Automatic Focus:AF制御)および自動露出制御(Automatic Exposure:AE制御)、ストロボの発光制御などに関するプログラムの他、デジタルカメラ100全体の動作を統括制御するためのプログラムを格納している。ROM170は、デジタルカメラ100に関する各種条件および設定を記憶する。なお、実施の形態1では、ROM170は、フラッシュROMである。
RAM(Random Access Memory)150は、デジタル画像・音声処理部120およびコントローラ130のワークメモリとして機能する。RAM150は、SDRAM(Synchronous Dynamic Random Access Memory)或いはフラッシュメモリなどで実現できる。RAM150は、画像情報および音声信号などを記録するための内部メモリとしても機能する。
外部記憶媒体160は、内部にフラッシュメモリ等の不揮発性の記憶素子を備えたメモリデバイスである。外部記憶媒体160はカメラボディ102に対して着脱可能である。外部記憶媒体160は、コントローラ130の制御にしたがい、デジタル画像・音声処理部120で処理される画像及び音声のデータを記録する。
操作部180は、デジタルカメラ100の外装に配置される操作釦および操作ダイヤルなどの操作インターフェースの総称である。操作部180は、ユーザによる操作を受け付ける。例えば、操作部180は、デジタルカメラ100の上面に設けられたレリーズ釦、電源スイッチ、モードダイヤル、デジタルカメラ100の背面に設けられた中央釦、十字釦、およびタッチパネルなどを含む。操作部180は、ユーザによる操作を受け付けると、コントローラ130に種々の動作を指示する信号を通知する。
また、カメラボディ102は、カメラボディ102のぶれに応じてCCD143をシフトさせることで、撮像画像中における、手振れによるぶれの影響を低減する。この機能を実現する構成として、カメラボディ102は、カメラボディ102のぶれに基づきCCD143を移動させるBIS(Body Image Stabilizer)駆動部181を備える。BIS駆動部181は、例えば、マグネットと平板コイルとで構成される駆動機構を含む。BIS駆動部181は、ジャイロセンサ及び位置センサからの信号に基づき駆動機構を制御して、カメラボディ102のぶれを相殺するようにCCD143を光軸に垂直な面内でシフトさせる。
[1−1−4.マイクロホンの構成]
主マイクロホン111R、主マイクロホン111L、及び参照マイクロホン111Nは、図2Aに示すカメラボディ102の内部に配置されている。カメラボディ102における主マイクロホン111R、主マイクロホン111L、及び参照マイクロホン111Nの位置及び詳細な配置構成については後述する。
以下、主マイクロホン111Rの構成について説明する。主マイクロホン111L及び参照マイクロホン111Nの構成は主マイクロホン111Rと同様であるため、説明を省略する。
主マイクロホン111Rの形状は、図3に示すように、円柱形状である。主マイクロホン111Rは、図4に示すように、ケース401と、振動膜402と、振動膜リング403と、スペーサ404と、背極板405と、電極406と、絶縁体407と、プリント基板408と、FET(Field Effect Transistor)409と、を備えている。
ケース401は、主マイクロホン111Rの外装部の一部を構成する。ケース401のプリント基板408と反対側の面には、音孔410が形成されている。ケース401の材料は、金属である。ケース401の材料は、特にSUS(Steel Use Stainless)或いはアルミニウム等である。
振動膜402の形状は、円板形状である。振動膜402は、ポリエスエチレンテレフタレート(PET)などの高分子材料からなる厚さ数ミクロン〜数十ミクロン程度の薄膜の表面に、スパッタ或いは蒸着により金或いはニッケルなどの金属がコーティングされたものである。振動膜402は、ケース401の内部に配置されている。振動膜402は、リング状の振動膜リング403に接着され、太鼓の膜のようにピンと張っている。振動膜リング403の材料は、金属であり、例えばSUS或いは真鍮である。振動膜402及び振動膜リング403は、ケース401との接触によりケース401と同電位になっている。
スペーサ404の形状はリング状である。スペーサ404の厚みは数ミクロン〜数十ミクロン程度である。スペーサ404の材料はポリイミドのような絶縁性物質である。
背極板405の形状は、円板形状である。背極板405は、SUS或いは真鍮などの金属製の基材に、FEP(テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体)などのエレクトレット材をコーティングした板である。エレクトレット材とは、電荷を半永久的に保持する高分子材料である。これにより背極板405は電荷を保持する。背極板405は、空気を通すための幾つかの孔を有する。背極板405は、スペーサ404を介して振動膜402と対向する。すなわち背極板405と振動膜402との距離は、スペーサ404の厚みとほぼ同じである。
電極406の形状は、たとえばパイプ形状、すなわち円筒形状である。電極406は、背極板405とプリント基板408との間に配置される。電極406は、背極板405とプリント基板408とを電気的に接続する。
絶縁体407の形状は、たとえばパイプ形状である。絶縁体407は、背極板405及び電極406とケース401との間に配置される。絶縁体407は、背極板405及び電極406がケース401と導通することを防ぐ。
プリント基板408は、主マイクロホン111Rの外装部の一部を構成する。プリント基板408は、電極406を介して背極板405と電気的に接続される。またプリント基板408は、FET409などのチップ部品が面実装される。プリント基板408の外側、すなわち図4の紙面上で下側の面上には、端子(図5の138)を有する。この端子から主マイクロホン111Rの電気出力を取り出すことができる。
なお、ケース401の一端は、プリント基板408の下側に回り込んでかしめられている。すなわちケース401の一端は、プリント基板408とケース401との間に隙間が無いように封をしている。また、このケース401の一端により、ケース401とプリント基板408とは電気的に接続される。
以下、主マイクロホン111R、主マイクロホン111L、及び参照マイクロホン111Nの動作について説明する。
ここで、音は空気の粗密波であり、空気の圧力変動である。音が、音孔410を通過して振動膜402に到来すると、振動膜402は圧力を受ける。その圧力に応じて振動膜402は変位する。つまり、振動膜402と背極板405との距離dが変化する。その変化量をΔdとする。また振動膜402の面積をSとする。さらに背極板405が保持する電荷の量をQとする。対向する振動膜402と背極板405とはコンデンサを形成する。そのコンデンサの容量をC、また、誘電率をεとすると、以下の数式1が成立する。
また、振動膜402と背極板405とがなす電位をVとすると、クーロンの法則より、以下の数式2が成立する。
以上の数式1と数式2から、以下の数式3が成立する。
音により振動膜402が変位して、振動膜402と背極板405との距離がΔd変化したときの電位の変化ΔVは、以下の数式4で表される。
数式4は、音による振動膜402の変位が、電位の変化として取りだせることを示す。
なお、振動膜402と背極板405とで形成されるコンデンサの容量Cは数pF〜十数pFであり、インピーダンスが高い。したがって、プリント基板408に実装されるFET409は、このインピーダンスを変換するために使われる。
[1−1−5.マイクロホンの配置]
図2A及び図2Bは、デジタルカメラ100におけるパンチングメタル板119a,119b,119cの位置を示す図である。パンチングメタル板119a,119b,119cは、パンチング加工(孔あけ)が施された板状の金属材料をプレス加工によって成型した金属プレートである。パンチングメタル板119a,119b,119cには、それぞれ20個以上の多数の音孔114が設けられている。実施の形態1では、音孔の数は、それぞれ100個前後である。これらの音孔114の直径の大きさは、それぞれ0.3mm以上1.0mm以下である。したがって実施の形態1のデジタルカメラ100は、防塵防滴仕様ではないデジタルカメラに、より適している。なお、パンチングメタル板119a,119b,119cは、パンチング加工(孔あけ)が施されたシート状の金属材料をプレス加工によって成型された金属シート、或いは成型された金網等に置き換えられる。パンチングメタル板119a,119b,119cは樹脂製のケース105に被せるように嵌め込まれる。実施の形態1では、パンチングメタル板119a,119b,119cとケース105とで多孔形状の外装表面を有する筐体を構成する。パンチングメタル板119a,119b,119cは湾曲し、かつ通常の撮影時の水平方向(図2Aの紙面上における左右方向)に対し、斜めに配置される。
図2Bに示すように、パンチングメタル板119aの下方には、主マイクロホン111Rが配置されている。またパンチングメタル板119bの下方には、主マイクロホン111Lが配置されている。なおパンチングメタル板119aの面積は、主マイクロホン111Rの振動膜402の面積よりも大きい。したがって、パンチングメタル板119aは、主マイクロホン111Rと対向する領域だけでなく、その外周にも配置されている。ここで、防塵防滴仕様のデジタルカメラの場合、筐体の音孔の数は、一つの主マイクロホンに対し1個以上10個未満の少数であり、音孔は主マイクロホンの上部にだけ局所的に配置されることが一般的である。一方で実施の形態1のパンチングメタル板119aは、主マイクロホン111Rと対向する領域及びその外周の領域で一様に多数の音孔114を有する。同様に、パンチングメタル板119bは、主マイクロホン111Lと対向する領域及びその外周の領域で一様に音孔114を有する。なお、図2A及び図2Bでは、参照マイクロホン111Nの上方にもパンチングメタル板119cが配置されているが、参照マイクロホン111Nの上部にはパンチングメタル板119cを配置しなくてもよい。つまり参照マイクロホン111Nの上部はケース105で封じられていてもよい。
主マイクロホン111R、主マイクロホン111L、及び参照マイクロホン111Nは、カメラボディ102の内部すなわちケース105の内側において、カメラボディ102の上側の領域に配置される。主マイクロホン111Rが配置される領域は、パンチングメタル板119aと対向する領域内であり、点線で表された領域112R内である。主マイクロホン111Lが配置される領域は、パンチングメタル板119bと対向する領域内であり、領域112L内である。参照マイクロホン111Nが配置される領域は、パンチングメタル板119cと対向する領域内であり、領域112N内である。
主マイクロホン111Lと主マイクロホン111Rとは、カメラボディ102の長手方向に所定距離(例えば、15mm程度)だけ離して並べて配置される。カメラボディ102の長手方向とは、図2Aの紙面上における左右方向である。
参照マイクロホン111Nは、主マイクロホン111R及び主マイクロホン111Lの近傍に配置される。また参照マイクロホン111Nは、主マイクロホン111R及び主マイクロホン111Lのそれぞれからの距離が等しくなるような位置に配置される。これにより、1つの参照マイクロホン111Nを用いて、左右のチャンネルの主音声信号に対する雑音抑圧処理が可能となる。具体的には、参照マイクロホン111Nは、主マイクロホン111R及び主マイクロホン111Lのそれぞれからの距離が5mm以上50mm以下(例えば、10mm)となる位置に配置される。
図5は、主マイクロホン111Rと参照マイクロホン111Nのカメラボディ102内部での配置構成を説明する図である。図5は、図2Bの5−5線における断面を模式的に示している。なお、図5では主マイクロホン111Rのみ示しているが、主マイクロホン111Lも主マイクロホン111Rと同様に配置されている。実施の形態1では、主マイクロホン111R及び主マイクロホン111Lは、図3に示すケース401の、音孔410を有する面が外側(図5の紙面上における上側)に向き、プリント基板408がカメラボディ102の内側(図5の紙面上における下側)に向くように配置される。参照マイクロホン111Nは、ケース401の、音孔410を有する面が内側(図5の紙面上における下側)に向き、プリント基板408がカメラボディ102の外側(図5の紙面上における上側)に向くように配置される。参照マイクロホン111Nの向きと、主マイクロホン111R及び主マイクロホン111Lの向きとが逆ということは、参照マイクロホン111Nと、主マイクロホン111R及び主マイクロホン111Lとの収音の向き、すなわち、それぞれの振動膜402が音圧を受ける向きが逆であることを示す。
また図5に示すように、ケース105の内部には、樹脂ケース116が配置されている。さらにケース105の内部には、ケース105と樹脂ケース116と主マイクロホン111R,111L及び参照マイクロホン111Nとの隙間を充填するように、スポンジA131、スポンジB132、スポンジC133、及びスポンジD134が配置されている。
主マイクロホン111Rは、樹脂ケース116および樹脂ケース116上に設けられたスポンジA131上に配置されている。主マイクロホン111Rの上側の表面と、ケース105の裏面(デジタルカメラの内部と対向する面)との間の空間は、スポンジC133で充填されている。スポンジC133は、ケース105の外部からの音圧を通過させることができる。また主マイクロホン111Rの外周面(ケース401の表面のうち振動膜402に垂直な側面)は、スポンジB132で囲まれている。なおスポンジB132には円柱形状の主マイクロホン111Rを嵌め込むことができるように円柱形状の孔が設けられている。
参照マイクロホン111Nは、ゴム部材113を介して樹脂ケース116で構成された凹部に配置されている。
ここでゴム部材113の形状は、端面を有する円筒形状である。ゴム部材113の端面は、開口113Hを有する。ただし、この開口113Hは設けなくてもよい。ゴム部材113の一端であって、端面と反対側は開口し、この開口している一端から参照マイクロホン111Nが挿入される。実施の形態1では、ゴム部材113の端面が図5の紙面の下側に位置するように配置される。したがって参照マイクロホン111Nの下側の表面は、ゴム部材113の端面で覆われる。また参照マイクロホン111Nの側面はゴム部材113の側面で覆われる。参照マイクロホン111Nは、ゴム部材113(特にゴム部材113のリブ)を弾性変形させることにより、樹脂ケース116の凹部に圧入され、カメラボディ102の内部に固定される。このことで樹脂ケース116と参照マイクロホン111Nとの間から進入する音圧は、参照マイクロホン111Nの振動膜402に到達し難くなる。ここで、参照マイクロホン111Nを樹脂ケース116に固定する方法として、ゴム部材113の代わりに接着又は粘土等で埋めることで、樹脂ケース116と参照マイクロホン111Nとの間から進入する音圧の進入を遮断してもよい。
さらに参照マイクロホン111Nの上側の表面とケース105の裏面との間の空間は、スポンジD134で充填される。スポンジD134は、ケース105の外部からの音圧を遮断することができる。
ここで、実施の形態1ではケース105の内部の隙間を充填する充填部材としてスポンジA131、スポンジB132、スポンジC133、およびスポンジD134を用いたが、スポンジに替えて発砲プラスチックなどのフォーム材を用いてもよい。また、スポンジA131、スポンジB132、スポンジC133、およびスポンジD134は、気泡の構造で2種類に大別される。1つは図6Aに示すようなウレタンフォームに代表される連続気泡構造体のスポンジであり、複数の気泡118を通じて音を通す。つまり、連続気泡構造体のスポンジ(充填部材の一例)は、一端から他端に向けて貫通する、音圧の伝達経路を多数有する。実施の形態1では、スポンジC133には連続気泡構造体のスポンジを用いる。もう一つは、図6Bに示すような汎用PE(ポリエチレン)フォーム、或いはゴムスポンジに代表される独立気泡構造体のスポンジである。独立気泡構造体のスポンジの各気泡118は独立した気泡118であるため、連続気泡構造体のスポンジと比較し音圧の伝達経路が極めて少なく、実質的に音を殆ど通さない。スポンジA131、スポンジB132、およびスポンジD134には独立気泡構造体を用いる。しかし、スポンジA131およびスポンジB132は連続気泡構造体を使用してもよい。またスポンジD134は極力独立気泡構造体を用いることが望ましいが、連続気泡構造体を用いることも可能である。
以上のように主マイクロホン111R,111L及び参照マイクロホン111Nに対して、スポンジA131〜スポンジD134と、樹脂ケース116と、ゴム部材113とを配置することにより、実施の形態1では、樹脂ケース116、スポンジA131、スポンジB132、及びスポンジC133は、本開示の第1の支持部材に相当する。また樹脂ケース116、ゴム部材113、及びスポンジD134は、本開示の第2の支持部材に相当する。さらにスポンジC133は、本開示の第1の充填部材にも相当する。さらにスポンジA131及びスポンジB132は、本開示の第2の充填部材にも相当する。
さらに、以下、デジタルカメラ100の外部及び内部から主マイクロホン111R,111Lの振動膜402への音圧の伝達経路について説明する。デジタルカメラ100の外部からの音(空気の振動)による音圧は、パンチングメタル板119aの複数の音孔114と、スポンジC133の複数の気泡118と、主マイクロホン111Rの音孔410とを介して、主マイクロホン111Rの振動膜402に伝達される。同様に、デジタルカメラ100の外部からの音による音圧は、パンチングメタル板119bの複数の音孔114と、スポンジC133の複数の気泡118と、主マイクロホン111Lの音孔410とを介して、主マイクロホン111Lの振動膜402に伝達される。
そして実施の形態1では、図5に示すように、主マイクロホン111Rの振動膜402とケース105の中央側に位置する内部の空間とは、主マイクロホン111Rのプリント基板408とスポンジA131とスポンジB132と樹脂ケース116とで遮断されている。同様に、主マイクロホン111Lの内部とケース105の中央側に位置する内部とは、樹脂ケース116とスポンジA131とスポンジB132と主マイクロホン111Lのプリント基板408で遮断されている。すなわち、ケース105の内部の音による音圧は、樹脂ケース116とスポンジA131とスポンジB132とプリント基板408とによって主マイクロホン111R,111Lの振動膜402へ伝達され難くなっている。
次に、デジタルカメラ100の外部及び内部から参照マイクロホン111Nの振動膜402への音圧の伝達経路について説明する。実施の形態1では、デジタルカメラ100の外部からの音圧は、パンチングメタル板119cの音孔114を通過するが、スポンジD134、ゴム部材113、樹脂ケース116および参照マイクロホン111Nのプリント基板408によって伝達され難くなっている。なお参照マイクロホン111Nが配置される領域112Nにおいて、ケース105にパンチングメタル板119cの音孔114を必ずしも設ける必要はなく、カメラボディ102の外部から参照マイクロホン111Nの内部への音圧の伝達の一部は、ケース105により遮蔽してもよい。
そして参照マイクロホン111Nの内部とケース105の中央側に位置する内部とは、樹脂ケース116およびゴム部材113により遮断される。
以上より、実施の形態1では、図10の一覧にまとめるように、主マイクロホン111R,111Lのプリント基板408、スポンジA131、スポンジB132、及び樹脂ケース116が音圧の伝達経路を遮断する本開示の第1の遮蔽部材に相当する。また、スポンジD134、ゴム部材113、樹脂ケース116及び参照マイクロホン111Nのプリント基板408が、本開示の第2の遮蔽部材に相当する。さらに樹脂ケース116及びゴム部材113が本開示の第3の遮蔽部材に相当する。
なお、主マイクロホン111R及び主マイクロホン111Lのプリント基板408および参照マイクロホン111Nのプリント基板408の各端子138は、孔部116Hを通るFPC(Flexible Printed Circuits)136を介してPCB(Printed Circuit Board)135に接続されている。
[1−2.収音装置の動作]
デジタルカメラ100のデジタル画像・音声処理部120における音声信号に対する雑音抑圧処理について説明する。デジタル画像・音声処理部120は、参照マイクロホン111Nから入力された信号に基づき雑音抑圧処理を実行する。
主マイクロホン111R及び主マイクロホン111Lは、デジタルカメラ100の外部の主音声を入力し、第1の音声信号としての電気信号(以下「主音声信号」という)に変換する。参照マイクロホン111Nは、デジタルカメラ100の内部の雑音を入力し、第2の音声信号としての電気信号(以下「雑音信号」という)に変換する。
アナログ音声処理部115は、主マイクロホン111R及び主マイクロホン111Lから主音声信号を入力し、参照マイクロホン111Nから雑音信号を入力し、所定の処理を施し、デジタル画像・音声処理部120に出力する。デジタル画像・音声処理部120は、雑音信号をフィルタリングして雑音成分を生成し、主音声信号から雑音成分を減算する。これによりデジタル画像・音声処理部120は、雑音が抑圧された音声信号を生成する。
図7は、デジタル画像・音声処理部120における、音声信号に対する雑音抑圧処理を実現するための主要な構成を示す図である。図7では、説明の便宜上、左右にある2つの主マイクロホン111R及び主マイクロホン111Lのうちの一方のマイクロホン(主マイクロホン111L)からの音声信号に対する構成を示している。すなわち、デジタル画像・音声処理部120は、各チャンネルについて、図7に示す構成を有する。以下では、一方のチャンネルのマイクロホン(主マイクロホン111L)からの音声信号に対する雑音抑圧に関する構成、動作について説明するが、他方のチャンネルのマイクロホン(主マイクロホン111R)についても同様である。
デジタル画像・音声処理部120は、適応フィルタ117aと、係数設定部117bと、減算器117cとを備える。
係数設定部117bは、雑音信号等にしたがい、適応フィルタ117aのフィルタ係数を設定する。適応フィルタ117aは、係数設定部117bにより設定されたフィルタ係数にしたがい、参照マイクロホン111Nからの出力信号(雑音信号)をフィルタリングし、主マイクロホン111Lで収音された音声信号(主音声信号)に含まれると推定される雑音成分を生成する。減算器117cは、主マイクロホン111Lで収音された音声信号(主音声信号)から、適応フィルタ117aから出力された雑音成分を減算する。これにより雑音が抑圧された音声信号が生成される。
図7において、デジタル画像・音声処理部120における雑音抑圧機能に関する伝達関数を次のように定義する。主マイクロホン111R及び主マイクロホン111Lで入力する主音声信号をS(ω,t)、参照マイクロホン111Nで入力する雑音信号をN(ω,t)とする。雑音信号には、カメラボディ102内で生成される種々の雑音による信号が含まれる。例えば、雑音信号が示す雑音には、BIS駆動部181がCCD143を駆動する際の駆動機構の駆動音が含まれる。
主マイクロホン111R及び主マイクロホン111Lにおける主音声信号S(ω,t)に対する伝達関数をHSM(ω,t)とする。主マイクロホン111R及び主マイクロホン111Lにおける雑音信号N(ω,t)に対する伝達関数をHNM(ω,t)とする。参照マイクロホン111Nにおける雑音信号N(ω,t)に対する伝達関数をHNR(ω,t)とする。このように定義した場合、主マイクロホン111R及び主マイクロホン111Lの出力信号M(ω,t)及び参照マイクロホン111Nの出力信号R(ω,t)はそれぞれ次の数式(5)及び数式(6)で得られる。
M(ω,t)=HSM(ω,t)・S(ω,t)+HNM(ω,t)・N(ω,t)・・・(式5)
R(ω,t)=HNR(ω,t)・N(ω,t)・・・(式6)
ここで、参照マイクロホン111Nの出力信号R(ω,t)に含まれる主音声信号に対する信号成分は無視できるほど小さいとしている。
主マイクロホン111R及び主マイクロホン111Lの出力信号M(ω,t)において、雑音成分はHNM(ω,t)・N(ω,t)である。よって、この雑音成分はHNM(ω,t)・N(ω,t)を推定し、出力信号M(ω,t)から減算することで、雑音を抑圧した音声信号を得ることができる。
このため、デジタル画像・音声処理部120において、係数設定部117bは、主マイクロホン111R及び主マイクロホン111Lの出力信号M(ω,t)と、参照マイクロホン111Nの出力信号R(ω,t)とを入力し、それらを比較して、雑音成分を推定し、推定した雑音成分(HENM(ω,t)・N(ω,t))にしたがい適応フィルタ117aのフィルタ係数を設定する。適応フィルタ117aは、出力信号R(ω,t)から、雑音成分(HENM(ω,t)・N(ω,t))を生成し、出力する。減算器117cは、出力信号M(ω,t)から、適応フィルタ117aの出力信号(HENM(ω,t)・N(ω,t))を減算する。これにより、アナログ音声処理部115から雑音が抑圧された音声信号が出力される。
[1−3.実験結果]
図8は、種々の参照マイクロホン111Nの配置構成における雑音レベルの測定結果を示す図である。図8の横軸は、収音装置で収音された音声信号の周波数(Hz)を示し、縦軸はその音声信号のレベル(dB)を示す。
図8において、太線で示す曲線Sは、デジタル画像・音声処理部120で上述の雑音抑制処理を施さなかった場合の、主マイクロホン111R及び主マイクロホン111Lで収音された音声信号の波形を示す。
図8において、実線で示す曲線(実施の形態1)は、実施の形態1として図5に示すように主マイクロホン111R(主マイクロホン111L)及び参照マイクロホン111Nが配置された収音装置から出力された音声信号の波形を示す。
図8において、破線で示す曲線(変形例)は、図9に示すように主マイクロホン111R(主マイクロホン111L)及び参照マイクロホン111Nが配置された収音装置から出力された音声信号の波形を示す。
変形例では、図5に示す主マイクロホン111R(主マイクロホン111L)及び参照マイクロホン111Nの実施の形態1の配置構成に対し、以下の変更が行われている。具体的には、まず、図9に示すように主マイクロホン111R(主マイクロホン111L)と参照マイクロホン111Nの向きが同じになるように配置している。つまり、主マイクロホン111R(主マイクロホン111L)と参照マイクロホン111Nは、それぞれのプリント基板408がそれぞれの振動膜402よりもデジタルカメラ100の内側(図9の紙面上における下側)に向くように配置されている。また変形例では、図5のゴム部材113の代わりにスポンジE131A及びスポンジF132A用いて参照マイクロホン111Nを樹脂ケース116とスポンジD134との間に固定している。つまり変形例では、樹脂ケース116上にスポンジE131Aを介して参照マイクロホン111Nが配置され、参照マイクロホン111Nの底面はスポンジE131Aにより覆われている。またスポンジF132Aには円柱形状の参照マイクロホン111Nを嵌め込むことができるように円柱形状の孔が設けられている。したがってスポンジF132Aは、参照マイクロホン111Nの外周面(ケース401の表面のうち振動膜402に垂直な側面)を覆うように配置されている。スポンジE131AはスポンジA131と同じ素材である。スポンジF132Aは、スポンジB132と同じ素材である。加えて変形例では、参照マイクロホン111Nの上部の音孔410を塞ぐようにテープ137が貼付けられている。まとめると、図10の一覧に示すように、変形例では、実施の形態1と同様に、樹脂ケース116と、スポンジA131と、スポンジB132と、主マイクロホン111R(主マイクロホン111L)のプリント基板408とが本開示の第1の遮蔽部材に相当する。また変形例では、実施の形態1と一部異なり、スポンジD134とテープ137とが本開示の第2の遮蔽部材に相当する。また変形例では、実施の形態1と一部異なり、樹脂ケース116と、スポンジE131Aと、スポンジF132Aと、参照マイクロホン111Nのプリント基板408とが本開示の第3の遮蔽部材に相当する。
なお、変形例でも、実施の形態1と同様に、スポンジA131、スポンジB132、スポンジC133、及び樹脂ケース116が本開示の第1の支持部材に相当する。また変形例では、実施の形態1と一部異なり、スポンジD134、スポンジE131A、スポンジF132A、及び樹脂ケース116が本開示の第2の支持部材に相当する。さらに変形例でも、実施の形態1と同様に、スポンジC133が本開示の第1の充填部材に相当する。また変形例でも、実施の形態1と同様に、スポンジA131及びスポンジB132が本開示の第2の充填部材に相当する。
図8に示す結果から、実施の形態1及び変形例において、雑音処理を施さなかった場合と比べて雑音抑圧効果が高まることが分かる。また実施の形態1と変形例とを比較すると、実施の形態1の方がより雑音抑圧効果が高まることが分かる。変形例のような構成であると、外部から入力される音圧の一部が第2の遮蔽部材であるスポンジD134及びテープ137を介して振動膜402に伝達するためと考えられる。つまり音圧の伝達を遮断するための第2の遮蔽部材は、貼付テープのような薄い部材よりも、樹脂ケース116およびプリント基板408の少なくともいずれかなどの比較的厚みがあり、かつ音の伝達経路(孔)の無い部材と、スポンジD134とを組み合わせた部材であることがより有効と考えられる。
[1−4.効果等]
実施の形態1のデジタルカメラ100(撮像装置の一例)は収音装置を備える。その収音装置は、パンチングメタル板119の多孔(複数の音孔114)形状の外装表面を有するケース105(筐体)と、ケース105の内部に配置され、複数の音孔114を介してケース105の外部からの音圧を受け、第1の音声信号を生成する主マイクロホン111R及び主マイクロホン111Lと、ケース105の内部であって、主マイクロホン111R及び主マイクロホン111Lの近傍に配置され、第2の音声信号を生成する参照マイクロホン111Nと、ケース105の内部に設けられ、主マイクロホン111R及び主マイクロホン111Lを支持する第1の支持部材(樹脂ケース116、スポンジA131、スポンジB132、及びスポンジC133)と、ケース105の内部に設けられ、参照マイクロホン111Nを支持する第2の支持部材(樹脂ケース116及びゴム部材113)と、ケース105の内部と主マイクロホン111R及び主マイクロホン111Lの内部とを遮断する第1の遮蔽部材(樹脂ケース116、スポンジA131、スポンジB132、及びプリント基板408)と、ケース105の外部と参照マイクロホン111Nの内部とを遮断する第2の遮蔽部材(スポンジD134、プリント基板408、ゴム部材113、及び樹脂ケース116)と、ケース105の内部と参照マイクロホン111Nの内部とを遮断する第3の遮蔽部材(樹脂ケース116及びゴム部材113)と、を備える。
実施の形態1では、第1の遮蔽部材、第2の遮蔽部材、及び第3の遮蔽部材を配置することにより、デジタルカメラ100で収音する外部の主音声から、デジタルカメラ100の内部で発生する雑音を効率よく低減できる。
また実施の形態1では、主マイクロホン111R,111Lおよび参照マイクロホン111Nをケース105に抱え込むように実装できない場合でも、参照マイクロホン111Nを、主マイクロホン111R,111Lの近傍に配置でき、且つ、参照マイクロホン111Nに対して外部からの音圧を遮断する構成を容易に実現できる。したがって、収音装置から出力する音声信号に対し、デジタルカメラ100の内部で発生する雑音が混入するのを抑制できる。たとえば実施の形態1では、第1の支持部材として、樹脂ケース116と、充填部材でもあるスポンジA131〜スポンジC133とを組み合わせることにより、また第2の支持部材として樹脂ケース116とゴム部材113とを用いることにより、多孔形状の外装表面を有する筐体を用いる場合も、主マイクロホン111R,111Lと参照マイクロホン111Nとを容易に近傍に配置できる。またスポンジC133の素材とスポンジA131,B132,D134の素材とを変えることにより、スポンジA131,B132,D134を遮蔽部材の一部として用いることができる。
また実施の形態1では、多孔形状の外装表面を有する筐体(筐体の一部)としてパンチングメタル板119a〜119cを用いたため、多孔形状の成形が容易である。さらにパンチングメタル板119a〜119cの材料は金属であるため、頑丈であり、電気シールド効果も得られる。
また実施の形態1では、第1の充填部材または第2の充填部材としてスポンジA131,B132,C133を用いることにより、筐体の裏面が斜面または湾曲面であっても、裏面の形状に沿うように抜き型で容易に成形できる。また複数のスポンジ(例えばスポンジA131,スポンジB132,スポンジC133)を組み合わせることにより、複雑な形状であっても充填部材を容易に構成できる。また第1の遮蔽部材又は第2の遮蔽部材の一部として樹脂ケース116およびプリント基板408よりも剛性が低く、多孔形状のスポンジA131,スポンジB132,スポンジD134を用いることにより、風圧を吸収でき、雑音の混入をより抑制できる。
また実施の形態1では、外装表面(例えばパンチングメタル119a、またはパンチングメタル119b、またはパンチングメタル119c)は、斜面又は曲面である。実施の形態1では、第1の支持部材及び第2の支持部材を有するため、外装表面が斜面または曲面であっても容易に主マイクロホン及び参照マイクロホンを近傍に配置できる。
また実施の形態1では、第1の支持部材と第2の支持部材とは、筐体(ケース105)の外装表面を有する部位(パンチングメタル119a〜119c)と分離可能な別の部材で構成される。したがって、外装表面が斜面または曲面であっても容易に主マイクロホン111R,111L及び参照マイクロホン111Nを近傍に配置できる。
また実施の形態1では、第1の支持部材は、形状が固定された部材(樹脂ケース116)と、圧縮方向に変形自在な部材(例えば第1の充填部材としてのスポンジC133と、第2の充填部材としてのスポンジA131及びスポンジB132)とを組み合わせて構成される。これにより多孔形状の外装表面を有する筐体の内部にも容易に主マイクロホン111R,111Lと参照マイクロホン111Nとを所望のレイアウトに配置できる。さらにデジタルカメラ100のケース105の外装表面が斜面又は曲面であっても、容易に主マイクロホン111R,111Lと参照マイクロホン111Nとを所望のレイアウトに配置できる。
実施の形態1の主マイクロホン111R,111Lは、第1の方向からの音声を入力する第1の主マイクロホン(例えば主マイクロホン111R)と、第1の方向と異なる第2の方向からの音声を入力する第2の主マイクロホン(例えば主マイクロホン111L)とを含む。これにより実施の形態1では、より多方向からの音声を収音できる。
実施の形態1の参照マイクロホン111Nと第1の主マイクロホン(例えば主マイクロホン111R)との距離と、参照マイクロホン111Nと第2の主マイクロホン(例えば主マイクロホン111L)との距離は等しい。これにより実施の形態1では、いずれの主マイクロホン111R,111Lからの音声信号に対しても、雑音成分を抑制できる。
また実施の形態1では、図5に示すように、第2の遮蔽部材の少なくとも一部は参照マイクロホン111Nの外装部(プリント基板408)であり、第3の遮蔽部材の少なくとも一部は樹脂ケース116である。主マイクロホン111R,111Lと参照マイクロホン111Nとの向きを逆にしたい場合、あるいは開口113Hのあるゴム部材113を用いたい場合等に有効な配置構成となる。
また実施の形態1では、主マイクロホン111R,111Lの表面と、ケース105の裏面との間の空間を充填し、ケース105の外部からの音圧を通過する第1の充填部材(スポンジC133)を有する。これにより、外部からの音圧は主マイクロホン111R,111Lの振動膜402に伝達することができる。
また実施の形態1では、第1の遮蔽部材の少なくとも一部が、第1の支持部材の一部であって、主マイクロホン111R,111Lの外周に配置された第2の充填部材(スポンジA131及びスポンジB132)である。これによりデジタルカメラ100の内部で発生する雑音を遮断でき、さらに主マイクロホン111R,111Lを容易にデジタルカメラ100の内部に配置できる。
実施の形態1の収音装置は、参照マイクロホン111Nからの音声信号に基づき雑音成分を求め、主マイクロホン111R及び主マイクロホン111Lからの主音声信号から雑音成分を減算する音声処理部をさらに備えている。これにより収音装置自体で、雑音成分を抑制できる。
(他の実施の形態)
以上のように、本出願において開示する技術の例示として、実施の形態1を説明している。しかしながら、本開示における技術は、これに限定されず、適宜、変更、置き換え、付加、省略などを行った実施の形態にも適用可能である。また、上記実施の形態1で説明している各構成要素を組み合わせて、新たな実施の形態とすることも可能である。
上記の実施の形態1では、図2A及び図2Bに示すように、参照マイクロホン111Nを、主マイクロホン111R及び主マイクロホン111Lよりもカメラの前方側(被写体側)に配置しているが、参照マイクロホン111Nを、主マイクロホン111R及び主マイクロホン111Lよりもカメラの背面側に配置してもよい。また、主マイクロホン111R、主マイクロホン111L、及び参照マイクロホン111Nをデジタルカメラ100(電子機器の一例)の上部に配置しているが、これらのマイクロホンの位置はそれに限定されない。例えば、主マイクロホン111R、主マイクロホン111L、及び参照マイクロホン111Nを、デジタルカメラ100の側面および前面の少なくとも一方に配置してもよい。
また上記実施の形態では、参照マイクロホン111Nを、ゴム部材113を介して樹脂ケース116の凹部に固定しているが、他の手段により樹脂ケース116に固定してもよい。例えば参照マイクロホン111Nを樹脂ケース116に接着剤を用いて直接固定してもよい。
上記の実施の形態では、主マイクロホン111R,111Lで生成した主音声信号における雑音を、参照マイクロホン111Nで生成した雑音信号を用いて抑圧する雑音抑圧処理として、図7を用いて説明している。しかし雑音抑圧処理は、これに限定されず、公知の種々の手法を適用することができる。
また実施の形態1では、多孔形状の外装表面を有する筐体(筐体の一部)としてパンチングメタル板および金網等を例に挙げたが、多孔形状に成形できれば、樹脂或いはカーボンの板を加工した部材であってもよい。
また実施の形態1では、第1の支持部材は、樹脂ケース116、スポンジA131、スポンジB132、及びスポンジC133で構成されるが、この構成はあくまで一例である。例えば樹脂ケース116を金属性のケースに変えてもよい。また、例えばスポンジA131及びスポンジB132が一体のスポンジ、或いは一体のゴム等であってもよい。あるいはスポンジA131又はスポンジB132が更に複数のパーツに分割されていてもよい。いずれの場合でも、樹脂ケース116のように形が固定された部材と、スポンジA131〜スポンジC133のように圧縮方向に変形自在な部材とを組み合わせることで、筐体の内部空間が複雑な形状でも容易に主マイクロホン111R,111Lを固定できる。ただし、第1の支持部材を樹脂ケース116のような形状が固定された部材のみで構成する場合でも、別に第1の遮蔽部材を配置することで雑音抑制効果を得ることは可能である。
また、実施の形態1では、第2の支持部材は、樹脂ケース116及びゴム部材113で構成されるが、この構成はあくまで一例である。例えば図9の変形例のように、樹脂ケース116、スポンジD134、スポンジE131A、及びスポンジF132Aを第2の支持部材としてもよい。さらにはスポンジE131A及びスポンジF132A、又はスポンジF132A及びスポンジD134が、それぞれ一体のスポンジ、或いは一体のゴム等であってもよい。あるいはスポンジD134〜スポンジF132Aが更に複数のパーツに分割されていてもよい。いずれの場合でも、樹脂ケース116のように形が固定された部材と、スポンジD134〜スポンジF132Aのように圧縮方向に変形自在な部材とを組み合わせることで、筐体の内部空間が複雑な形状でも容易に参照マイクロホン111Nを固定できる。
上記の実施の形態では、本開示の収音装置を交換レンズ式のデジタルカメラに適用する例を説明しているが、本開示の収音装置をレンズとボディが一体型のデジタルカメラに適用することもできる。
上記実施の形態では、デジタルカメラとして防塵防滴仕様ではないデジタルカメラを想定しているが、筐体の外装表面にごく微細な多孔形状を形成できる場合は、防塵防滴仕様のデジタルカメラであってもよい。
上記の実施の形態では、本開示の収音装置を、デジタルカメラに適用する例を説明しているが、本開示の収音装置の構成は他の電子機器に適用することもできる。例えば、本開示の収音装置の構成を、音声を入力する他の電子機器(ビデオカメラ、IC(Integrated Circuit)レコーダ等)に適用することもできる。本開示の収音装置の構成は、特に、電子機器の内部に雑音源を有する電子機器に有用である。
以上のように、本開示における技術の例示として、実施の形態を説明している。そのために、添付図面および詳細な説明を提供している。
したがって、添付図面および詳細な説明に記載された構成要素の中には、課題解決のために必須な構成要素だけでなく、上記技術を例示するために、課題解決のためには必須でない構成要素も含まれ得る。そのため、それらの必須ではない構成要素が添付図面或いは詳細な説明に記載されていることをもって、直ちに、それらの必須ではない構成要素が必須であるとの認定をするべきではない。
また、上述の実施の形態は、本開示における技術を例示するためのものであるから、特許請求の範囲またはその均等の範囲において種々の変更、置き換え、付加、省略などを行うことができる。