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JP2018118450A - タイヤ加硫システムおよびタイヤ加硫方法 - Google Patents

タイヤ加硫システムおよびタイヤ加硫方法 Download PDF

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Abstract

【課題】シェーピング装置が別体となっているタイヤ加硫装置において、シェーピング装置の温度低下に伴うタイヤ品質の低下を防止すること。
【解決手段】シェーピング装置12は、タイヤ加硫装置14の外部でグリーンタイヤGをシェーピングする。タイヤ加硫装置14は、グリーンタイヤGをシェーピング装置12ごと内部に保持してグリーンタイヤGを加硫する。加硫制御装置16は、タイヤ加硫装置14への搬入前のシェーピング装置12の温度に基づいて、グリーンタイヤGの加硫時間を決定する。
【選択図】図6

Description

本発明は、タイヤ加硫システムおよびタイヤ加硫方法に関する。
従来、タイヤ加硫装置にはブラダが一体に設けられており、ブラダにグリーンタイヤをセットし、タイヤ加硫装置内でブラダを膨張させてシェーピングした後、加硫を行うのが一般的である。
一方、ブラダ等をシェーピング装置としてタイヤ加硫装置から分離可能な構成とし、タイヤ加硫装置の外部でシェーピングを行うことにより、タイヤ1本当たりのタイヤ加硫装置の使用時間を短縮して生産性を向上する技術が知られている。
例えば、下記特許文献1は、加硫作業前に加硫機の外側で、グリーンタイヤの両ビード部を支持している下、上ホルダー同士を締結することにより、グリーンタイヤ、下、上ホルダー、ブラダを組み合わせるとともに、該ブラダ内に流体を供給してグリーンタイヤ内で膨張させるようにしており、このままの状態でグリーンタイヤを加硫機に搬入すれば、直ちに加硫作業を開始することができるように構成されている。
特開2002−178333号公報
上記特許文献1のように、タイヤ加硫装置とシェーピング装置とが別体となっている構成において、シェーピング装置は加硫開始時までタイヤ加硫装置の外で待機している。このため、待機時間の長さや外部環境によっては、シェーピング装置各部の温度が低下して、その後の加硫処理に影響を与える可能性がある。
具体的には、グリーンタイヤを一定時間・一定温度で加硫しても、シェーピング装置の初期温度によって加硫状態にバラツキが生じ、タイヤ品質に影響(加硫不足や過加硫)を与える可能性がある。
本発明は、このような事情に鑑みなされたものであり、その目的は、シェーピング装置が別体となっているタイヤ加硫装置において、シェーピング装置の温度低下に伴うタイヤ品質の低下を防止することにある。
上述の目的を達成するため、請求項1の発明にかかるタイヤ加硫システムは、シェーピング装置、タイヤ加硫装置および加硫制御装置を備えるタイヤ加硫システムであって、前記シェーピング装置は、前記タイヤ加硫装置の外部でグリーンタイヤをシェーピングし、前記タイヤ加硫装置は、前記グリーンタイヤを前記シェーピングユニットごと内部に保持して前記グリーンタイヤを加硫し、前記加硫制御装置は、前記タイヤ加硫装置への搬入前の前記シェーピング装置の温度に基づいて、前記グリーンタイヤの加硫時間を決定する、ことを特徴とする。
請求項2の発明にかかるタイヤ加硫システムは、前記加硫制御装置は、前記シェーピング装置のクランプリングの温度に基づいて、前記グリーンタイヤの加硫時間を決定する。
請求項3の発明にかかるタイヤ加硫システムは、前記加硫制御装置は、前記シェーピング装置の下側クランプリングの温度に基づいて、前記グリーンタイヤの加硫時間を決定する、ことを特徴とする。
請求項4の発明にかかるタイヤ加硫システムは、前記加硫制御装置は、前記シェーピング装置の温度と前記グリーンタイヤの加硫時間との相関関係を一次回帰式として保持し、前記一次回帰式に基づいて前記グリーンタイヤの加硫時間を決定する、ことを特徴とする。
請求項5の発明にかかるタイヤ加硫システムは、前記グリーンタイヤは、ランフラットタイヤであることを特徴とする。
請求項6の発明にかかるタイヤ加硫方法は、タイヤ加硫装置の外部でシェーピング装置によりグリーンタイヤをシェーピングするシェーピング工程と、前記グリーンタイヤを前記シェーピング装置ごと前記タイヤ加硫装置内部に搬送して前記グリーンタイヤを加硫する加硫工程と、を含んだタイヤ加硫方法であって、前記シェーピング工程後かつ前記加硫工程前に、前記タイヤ加硫装置への搬入前の前記シェーピング装置の温度を計測し、当該温度に基づいて前記グリーンタイヤの加硫時間を決定する加硫時間決定工程を有する、ことを特徴とする。
請求項7の発明にかかるタイヤ加硫方法は、前記加硫時間決定工程では、前記シェーピング装置のクランプリングの温度に基づいて、前記グリーンタイヤの加硫時間を決定する、ことを特徴とする。
請求項8の発明にかかるタイヤ加硫方法は、前記加硫時間決定工程では、前記シェーピング装置の下側クランプリングの温度に基づいて、前記グリーンタイヤの加硫時間を決定する、ことを特徴とする。
請求項9の発明にかかるタイヤ加硫方法は、前記加硫時間決定工程では、前記シェーピング装置の温度と前記グリーンタイヤの加硫時間との相関関係を示す一次回帰式に基づいて前記加硫時間を決定する、ことを特徴とする。
請求項10の発明にかかるタイヤ加硫方法は、前記グリーンタイヤは、ランフラットタイヤであることを特徴とする。
請求項1および請求項6の発明によれば、タイヤ加硫装置への搬入前のシェーピング装置の温度に基づいてグリーンタイヤの加硫時間を決定するので、シェーピング装置の温度低下度合いを加硫時間に反映することができ、加硫不足や過加硫を防止してタイヤ性能を向上する上で有利である。また、タイヤ1本当たりのタイヤ加硫装置の拘束時間を適切に制御することができ、タイヤの生産性を向上させる上で有利となる。
請求項2および請求項7の発明によれば、鉄やアルミなどの金属で形成され加硫用の熱源からの温度を奪いやすいクランプリングの温度状態に合わせてグリーンタイヤの加硫時間を決定するので、タイヤの加硫状態を反映した加硫時間を決定する上で有利となる。
請求項3および請求項8の発明によれば、加硫律速部に近い下側クランプリングの温度に基づいて加硫時間を決定することができ、タイヤの加硫状態をより反映した加硫時間を決定する上で有利となる。
請求項4および請求項9の発明によれば、シェーピング装置の温度とグリーンタイヤの加硫時間との相関関係を示す一次回帰式に基づいて加硫時間を決定するので、加硫制御装置の処理負荷を軽減する上で有利となる。
請求項5および請求項10の発明によれば、ランフラットタイヤの加硫時にシェーピング装置の温度に基づいてグリーンタイヤの加硫時間を決定するので、サイドウォール部に補強用部材が入り、クランプリングの温度低下の影響によりブローポイントの遅延が生じやすいという特徴を有するランフラットタイヤの性能および生産性を向上させる上で有利となる。
実施の形態にかかるタイヤ加硫システム10の構成を示す説明図である。 実施の形態にかかるタイヤ加硫システム10の構成を示す説明図である。 グリーンタイヤGの加硫後に形成されるタイヤTの構造を示す。 加硫終了後のシェーピング装置12各部の温度変化を示すグラフである。 加硫温度決定用の一次回帰式の一例を示すグラフである。 タイヤ加硫システム10におけるタイミングチャートの一例である。 本発明の実施例と従来例との比較を示す表である。
以下に添付図面を参照して、本発明にかかるタイヤ加硫システムおよびタイヤ加硫方法の好適な実施の形態を詳細に説明する。
図1および図2は、実施の形態にかかるタイヤ加硫システム10の構成を示す説明図である。
タイヤ加硫システム10は、シェーピング装置12、タイヤ加硫装置14および加硫制御装置16を備えており、図1はシェーピング装置12がタイヤ加硫装置14の内部に位置する状態を示し、図2はシェーピング装置12がタイヤ加硫装置14の外部に位置する状態を示す。
シェーピング装置12は、ブラダ1202、クランプリング1204(1204A,1204B)、センターポスト1206を有する中心機構1208、外部ユニット1210(図2参照)を備え、タイヤ加硫装置14の外部でグリーンタイヤGをシェーピングする。
ブラダ1202は、ゴム製の袋状部材であり、中心機構1208の周囲に円筒状に形成される。ブラダ1202は、内部に圧力がかかっていない非膨張状態でグリーンタイヤGの内側(インナーライナー側)に配置された後、ブラダ1202の内部にシェーピング用媒体(例えば常温空気)が注入されて膨張状態となり、グリーンタイヤGをシェーピング(膨張)する。
クランプリング1204は、中心機構1208と一体に構成されており、ブラダ1202の筒状形状の軸心部を保持している。クランプリング1204は、重力方向に対して上側に配置される上側クランプリング1204Aと、下側に配置される下側クランプリング1204Bとがある。
中心機構1208のセンターポスト1206には、シェーピング用媒体や加硫用加熱媒体となるスチーム、加圧媒体となる窒素ガスをブラダ1202の内部に注入する注入管、ブラダ1202の内部の各媒体をブラダ1202の外部に排出する排出管等が設けられている。
シェーピング装置12がタイヤ加硫装置14の外部にある際は、台座1210Aを有する外部ユニット1210に載置される。外部ユニット1210には、ブラダ1202の内部にシェーピング用媒体を注入するための注入機構、ブラダ1202からシェーピング用媒体を排出するための排出機構が設けられている。
また、シェーピング装置12は、1台のタイヤ加硫装置14に対して複数台(例えば2台)設けられる。この場合、1台のシェーピング装置12がタイヤ加硫装置14内に搬送され加硫が行われている間に、タイヤ加硫装置14の外部で他のシェーピング装置12を用いて他のグリーンタイヤGのシェーピングを行いながら待機する。
タイヤ加硫装置14は、グリーンタイヤGをシェーピング装置12ごと内部に保持してグリーンタイヤGを加硫する。すなわち、タイヤ加硫装置14は、グリーンタイヤGを金型1402とブラダ1202間の空間に配置し、熱および圧力を加えてゴム材料の弾性を増加させるとともに、タイヤを所望の形状に成形する装置である。
タイヤ加硫装置14は、金型1402および図示しない加熱媒体供給機構を備える。
金型1402は、複数の部材が接合されて形成されており、環状に組付けられタイヤ完成時にトレッド面およびショルダー部に接するセクショナルモールド1404と、環状に上下一対で設けられタイヤ完成時にサイドウォール部およびビード部に接する配置されるサイドプレート1406、1408とを有している。
それぞれのセクショナルモールド1404の外周面には、セグメント1410が取り付けられる。このセグメント1410は、下部メタルプレート1412上に設けられたメタルベアリング(図示なし)によって、下部メタルプレート1412上を摺動可能に配置される。そして、上下移動するジャケット1414の内周傾斜面とセグメント1410の外周傾斜面とが摺動可能に係合していて、ジャケット1414の上下移動により、それぞれのセグメント1410が下部メタルプレート1412上でタイヤ周方向に摺動して、複数のセクショナルモールド1404がそれぞれ中心軸(センターポスト1206が配置される位置)に対して進退移動する構造になっている。
ジャケット1414、上部メタルプレート1416、上部プラテン板1418および上部サイドプレート1406は、一体的に上下移動する。また、下部サイドプレート1408は、下部プラテン板1420に固定されている。
タイヤ加硫装置14の内部にグリーンタイヤGを載置する際は、一体となったジャケット1414、上部メタルプレート1416、上部プラテン板1418および上部サイドプレート1406を上方向に移動させる。すると、セグメント1410およびセクショナルモールド1404が周方向外側に移動して、グリーンタイヤGを載置する空間が形成される。
その後、下部サイドプレート1408上にシェーピング装置12ごとグリーンタイヤGを載置し、ジャケット1414、上部メタルプレート1416、上部プラテン板1418および上部サイドプレート1406を下方移動させて、それぞれのセクショナルモールド1404をセグメント1410とともに中心軸(センターポスト1206)方向に前進させて環状に組み付けて、上部サイドプレート1406および下部サイドプレート1408とともに型締めする。
上下のプラテン板1418、1420およびジャケット1414の内部には、熱水等の加硫用加熱媒体が供給される配管(熱供給機構)が設けられている。この加硫用加熱媒体が加硫熱源であり、加硫用加熱媒体の熱が金型1402介してグリーンタイヤGの表面まで伝達され、グリーンタイヤGを加熱する。
ジャケット1414には、主にグリーンタイヤGのトレッド部周辺に熱を供給する接地面用配管1422が設けられている。
また、上下のプラテン板1418、1420には、グリーンタイヤGのサイドウォール部からビード部にかけての側面部に熱を供給する側面用配管1424が設けられている。
これら接地面用配管1422および側面用配管1424に供給される加硫用加熱媒体の温度や種類は、後述する加硫制御装置16により制御可能である。
図3に、グリーンタイヤGの加硫後に形成されるタイヤTの構造を示す。
タイヤTはトレッド部32と、トレッド部32の両端からタイヤ半径方向内側に延びるサイドウォール部34と、各サイドウォール部34のタイヤ半径方向内側の端部に位置するビード部36とを備えている。
トレッド部32には、カーカス42のタイヤ半径方向外側にベルト層44が設けられている。また、トレッド部32の表面にはタイヤTのグリップ力や排水性を向上させるためのトレッドパターン33が形成されている。
カーカス42はトレッド部32からサイドウォール部34を経てビード部36にわたって設けられ、カーカス42の両端は、ビードコア38およびビードフィラー40を挟むように、ビードコア38で折り返されている。
ビード部36にはビードコア38が設けられ、ビードコア38の半径方向外側にタイヤ径方向外側に先細り状に延びるビードフィラー40が設けられている。
また、ビードコア38周辺のカーカス42の外側は、チェーファー39によって補強されている。
ビード部36の端部には図示しないホイールのリムが係合し、タイヤTに対するホイールの装着状態を維持する。
図1の説明に戻り、加硫制御装置16は、グリーンタイヤGの寸法や材料等に合わせて予め設定された加硫制御プログラムに従って加硫用加熱媒体や加圧媒体の供給用弁の開閉等を行い、所定の加硫条件でグリーンタイヤGが加硫されるようにしている。
また、加硫制御装置16には温度計18が接続されており、温度計18で測定したシェーピング装置12の温度が入力される。温度計18は、赤外線等を用いた非接触式温度計または接触式温度計のいずれであってもよい。例えばシェーピング装置12のタイヤ加硫装置14への搬入路上に非接触式の温度計18を配置してシェーピング装置12の温度を自動的に測定できるようにしてもよいし、作業者によりシェーピング装置12の温度を測定し、加硫制御装置16に入力してもよい。
ここで、加硫制御装置16は、タイヤ加硫装置14への搬入前のシェーピング装置12の温度に基づいて、グリーンタイヤGの加硫時間を決定する。
これは、タイヤ加硫装置14の内部と比較して低くなっているシェーピング装置12の温度に合わせて過不足なく加硫を行うためである。すなわち、シェーピング装置12は、自装置でシェーピングするグリーンタイヤGの加硫中はタイヤ加硫装置14の内部に収容され、加硫温度(タイヤ加硫装置14の内部温度)に近い状態となる。グリーンタイヤGの加硫が終了すると、シェーピング装置12はタイヤ加硫装置14の外部に運び出され、加硫済みのタイヤTの代わりに他のグリーンタイヤGが装着され、このグリーンタイヤGをシェーピングしながらタイヤ加硫装置14が空くのを待機する。この待機期間中にシェーピング装置12の温度が低下し、再度タイヤ加硫装置14内に収容された際にタイヤ加硫装置14の熱源からの熱を奪うことになるが、その度合いはシェーピング装置12の温度がどの程度低下しているかに依存する。
図4は、加硫終了後のシェーピング装置12各部の温度変化を示すグラフである。
図4の縦軸はシェーピング装置12の温度、横軸は加硫終了(タイヤ加硫装置14から取り出された時点)からの経過時間を示す。
図4には、シェーピング装置12の上側クランプリング1204A(クランプリング上)、下側クランプリング1204B(クランプリング下)、ブラダ1202の上部、中央部、下部の温度が、それぞれ示されている。
シェーピング装置12の各部は、加硫が終了し、タイヤ加硫装置14から取り出されると時間の経過と共に温度が低下していく。例えば、下側クランプリング1204Bは、加硫終了直後には125℃前後であるが、加硫終了から10分後には108℃前後、加硫終了から60分後には85℃前後と、徐々に温度が低下していく。
このため、シェーピング装置12が再度タイヤ加硫装置14に搬入されるまでの時間が、前回の加硫終了から10分後の場合と、トラブルなどにより60分後になった場合とでは、20℃以上の温度差が生じることになる。
また、シェーピング装置12の温度の低下度合いは、加硫終了からの経過時間のみならず、シェーピング装置12が配置されている環境温度にも依存し、単純に待機時間に比例するものではない。
このため、加硫制御装置16は、タイヤ加硫装置14への搬入直前のシェーピング装置12の温度を測定し、例えば図5に示すような一次回帰式を用いてグリーンタイヤGの加硫時間を決定する。
図5は、加硫温度決定用の一次回帰式の一例を示すグラフである。
図5の横軸はシェーピング装置12の温度であり、縦軸はそれに伴い必要となる加硫延長時間を示している(延長時間=ブローポイント時間の遅れ)。図5の例では、シェーピング装置12の温度として下側クランプリング1204Bの温度を用い、加硫時間を基準加硫時間(例えば18分)からの延長時間として示した。
図5に示す一次回帰式は、実際にグリーンタイヤGを複数本、条件を変えて加硫し、シェーピング装置12の温度と加硫完了までに要する時間とを実測した結果をプロットして算出したものであり、y(加硫延長時間)=−0.0176x(シェーピング装置温度)+1.8509(R=0.8947)となっている。例えば、シェーピング装置12の温度が106℃程度であれば加硫延長時間は0であるが、40℃程度に低下している場合には約1.15分(約69秒)加硫時間を延長することになる。
このように、加硫制御装置16は、シェーピング装置12の温度とグリーンタイヤGの加硫時間との相関関係を一次回帰式として保持し、一次回帰式に基づいてグリーンタイヤの加硫時間を決定する。
なお、図5では加硫時間を基準加硫時間からの延長時間として示したが、これに限らず加硫時間そのものをシェーピング装置12の温度から決定するようにしてもよい。また、加硫制御装置16による加硫時間の決定は、一次回帰式を用いるに限らず、従来公知の様々な方法を採用可能である。
加硫制御装置16でグリーンタイヤGの加硫時間を決定する際に参照するシェーピング装置12の温度の測定箇所は任意であるが、例えばクランプリング1204の温度を参照するのが好ましい。
これは、鉄やアルミなどの金属で形成されたクランプリング1204は、熱容量が大きいために外環境による応答性が低く、温度の信頼性が高い(ばらつきが生じにくい)ためである。
また、図4に示すように、ブラダ1202内の温度分布は下側ほど低温となっており、グリーンタイヤGの上部と比較して下部の方が加硫の進み度合いが遅くなる。すなわち、グリーンタイヤGの下部が加硫律速部となる。このため、上側クランプリング1204Aと下側クランプリング1204Bとを比較した場合、加硫律速部に近い下側クランプリング1204Bの温度に基づいて加硫時間を決定することが更に好ましい。
図6は、タイヤ加硫システム10におけるタイミングチャートの一例である。
図6では、1台のタイヤ加硫装置14に対して2台のシェーピング装置(シェーピング装置1およびシェーピング装置2)を用いているものとする。横軸は時間軸である。
タイヤ加硫装置14は、ドライサイクルを挟みながら、加硫処理(加硫期間1〜3)を行う。
加硫期間1では、シェーピング装置1がタイヤ加硫装置14内に搬入されている。この間、シェーピング装置2は、次の加硫期間(加硫期間2)で加硫されるグリーンタイヤのシェーピングを行いながら待機する。
加硫期間1の終了後のドライサイクル1では、シェーピング装置1がタイヤ加硫装置14外に搬送され、代わりにシェーピング装置2がタイヤ加硫装置14の内部に搬入され、加硫期間2が開始する。このシェーピング装置2がタイヤ加硫装置14の内部に搬入される直前に、シェーピング装置2の温度(例えば下側クランプリング温度)を測定し、加硫制御装置16が加硫期間2における加硫時間を決定する。
また、ドライサイクル1中にタイヤ加硫装置14外に搬送されたシェーピング装置1は、加硫済みタイヤの取り外し、および新たなグリーンタイヤの取り付け(タイヤ付け替え)をした上で、新たなグリーンタイヤ(加硫期間2で加硫されるグリーンタイヤ)のシェーピングを行いながら待機する。
加硫制御装置16により決定された加硫時間が経過し、加硫期間2が終了すると、ドライサイクル2となり、シェーピング装置2がタイヤ加硫装置14外に搬送され、代わりにシェーピング装置1がタイヤ加硫装置14の内部に搬入され、加硫期間3が開始する。この時も、シェーピング装置1がタイヤ加硫装置14の内部に搬入される直前に、シェーピング装置1の温度を測定し、加硫制御装置16で加硫期間3における加硫時間を決定する。
また、ドライサイクル2中にタイヤ加硫装置14外に搬送されたシェーピング装置2は、タイヤ付け替えをした上で、新たなグリーンタイヤのシェーピングを行いながら待機する。
以降、同様の処理を繰り返してタイヤの加硫を行う。
<実施例>
図7は、本発明の実施例と従来例との比較を示す表である。
図7の表は、サイズ225/40RF18、基準加硫時間18分のグリーンタイヤGを、各種条件を変えて加硫した結果を示す。
従来例では、前回の加硫終了後5分以上経って次のタイヤの加硫を開始する場合には、一律に加硫時間を2分延長した。また、実施例では、シェーピング装置12(下側クランプリング1204)の温度および図5に示す一次回帰式を用いて、加硫延長時間を決定した。
従来例1は、前回の加硫終了からの待機時間60分、下側クランプリング1204の温度80℃であり、加硫延長時間は2分とした。結果、過加硫により耐久性が悪化し(タイヤ性能:△)、また必要以上の加硫時間延長によりタイヤ加硫装置14の拘束時間が長くなり生産性が低下した(生産性:×)。
従来例2は、前回の加硫終了からの待機時間120分、下側クランプリング1204の温度60℃であり、加硫延長時間は2分とした。結果、過加硫により耐久性が悪化し(タイヤ性能:△)、また必要以上の加硫時間延長によりタイヤ加硫装置14の拘束時間が長くなり生産性が低下した(生産性:×)。
従来例3は、加硫時間の延長を行わない例であり、前回の加硫終了からの待機時間120分、下側クランプリング1204の温度60℃であり、加硫延長時間は0分とした。結果、加硫不足によりタイヤ性能が悪化した(タイヤ性能:×)。加硫時間の延長を行っていないため、タイヤ加硫装置14の拘束時間は短くなり、生産性の評価は高かった(生産性:○)。
実施例1は、前回の加硫終了からの待機時間60分、下側クランプリング1204の温度80℃であり、加硫延長時間は図5の一次回帰式から0.4分とした。結果、加硫時間延長により若干生産性が低下するものの(生産性:△)、狙い通りのタイヤ性能を得ることができた(タイヤ性能:○)
実施例2は、前回の加硫終了からの待機時間120分、下側クランプリング1204の温度60℃であり、加硫延長時間は図5の一次回帰式から0.8分とした。結果、加硫時間延長により若干生産性が低下するものの(生産性:△)、狙い通りのタイヤ性能を得ることができた(タイヤ性能:○)
温度条件が等しい従来例1と実施例1、および従来例2と実施例2を比較すると、加硫延長時間を一律に2分とする従来例では加硫時間が長すぎ、過加硫によるタイヤ性能の低下、および生産性の低下が生じていることが分かる。一方で、従来例3のように加硫時間の延長を行わない場合には、加硫不足によりタイヤ性能の悪化が懸念される。
実施例のようにシェーピング装置12の温度から加硫延長時間を決定することにより、加硫不足や過加硫によるタイヤ性能の低下を防止することができるとともに、加硫時間の延長を最低限にすることによって生産性の低下を抑制することができる。
以上説明したように、実施の形態にかかるタイヤ加硫システム10によれば、タイヤ加硫装置14への搬入前のシェーピング装置12の温度に基づいてグリーンタイヤGの加硫時間を決定するので、シェーピング装置12の温度低下度合いを加硫時間に反映することができ、加硫不足や過加硫を防止してタイヤ性能を向上する上で有利である。また、タイヤ1本当たりのタイヤ加硫装置14の拘束時間を適切に制御することができ、タイヤの生産性を向上させる上で有利となる。
また、タイヤ加硫システム10において、加硫用の熱源からの温度を奪いやすいクランプリング1204の温度状態に合わせてグリーンタイヤGの加硫時間を決定するようにすれば、タイヤの加硫状態を反映した加硫時間を決定する上で有利となる。
また、タイヤ加硫システム10において、加硫律速部に近い下側クランプリング1204Bの温度に基づいて加硫時間を決定することができ、タイヤの加硫状態をより反映した加硫時間を決定する上で有利となる。
また、タイヤ加硫システム10において、シェーピング装置12の温度とグリーンタイヤGの加硫時間との相関関係を示す一次回帰式に基づいて加硫時間を決定するようにすれば、加硫制御装置16の処理負荷を軽減する上で有利となる。
なお、本発明は、例えばランフラットタイヤの加硫時にも有効である。ランフラットタイヤは、パンク時にも走行可能なようにサイドウォール部に補強用部材が入っている。このため、クランプリング1204の温度低下の影響によりタイヤ側面の加硫温度が低下すると、ブローポイントの遅延が生じやすくなる。本発明によりクランプリング1204の温度に基づいて加硫時間を延長することによって、ランフラットタイヤの性能および生産性を向上させる上で有利となる。
すなわち、タイヤ加硫システム10において、ランフラットタイヤの加硫時にブースト処理を実施すれば、サイドウォール部に補強用部材が入り、クランプリングの温度低下の影響によりブローポイントの遅延が生じやすいという特徴を有するランフラットタイヤの性能および生産性を向上させる上で有利となる。
10 タイヤ加硫システム
12 シェーピング装置
1202 ブラダ
1204A 上側クランプリング
1204B 下側クランプリング
1206 センターポスト
1208 中心機構
1210 外部ユニット
14 タイヤ加硫装置
1402 金型
1404 セクショナルモールド
1406 サイドプレート
1406 上部サイドプレート
1408 下部サイドプレート
1410 セグメント
1412 下部メタルプレート
1414 ジャケット
1416 上部メタルプレート
1418 上部プラテン板
1420 下部プラテン板
1422 接地面用配管
1424 側面用配管
16 加硫制御装置
18 温度計
G グリーンタイヤ

Claims (10)

  1. シェーピング装置、タイヤ加硫装置および加硫制御装置を備えるタイヤ加硫システムであって、
    前記シェーピング装置は、前記タイヤ加硫装置の外部でグリーンタイヤをシェーピングし、
    前記タイヤ加硫装置は、前記グリーンタイヤを前記シェーピングユニットごと内部に保持して前記グリーンタイヤを加硫し、
    前記加硫制御装置は、前記タイヤ加硫装置への搬入前の前記シェーピング装置の温度に基づいて、前記グリーンタイヤの加硫時間を決定する、
    ことを特徴とするタイヤ加硫システム。
  2. 前記加硫制御装置は、前記シェーピング装置のクランプリングの温度に基づいて、前記グリーンタイヤの加硫時間を決定する、
    ことを特徴とする請求項1記載のタイヤ加硫システム。
  3. 前記加硫制御装置は、前記シェーピング装置の下側クランプリングの温度に基づいて、前記グリーンタイヤの加硫時間を決定する、
    ことを特徴とする請求項2記載のタイヤ加硫システム。
  4. 前記加硫制御装置は、前記シェーピング装置の温度と前記グリーンタイヤの加硫時間との相関関係を一次回帰式として保持し、前記一次回帰式に基づいて前記グリーンタイヤの加硫時間を決定する、
    ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項記載のタイヤ加硫システム。
  5. 前記グリーンタイヤは、ランフラットタイヤであることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項記載のタイヤ加硫システム。
  6. タイヤ加硫装置の外部でシェーピング装置によりグリーンタイヤをシェーピングするシェーピング工程と、前記グリーンタイヤを前記シェーピング装置ごと前記タイヤ加硫装置内部に搬送して前記グリーンタイヤを加硫する加硫工程と、を含んだタイヤ加硫方法であって、
    前記シェーピング工程後かつ前記加硫工程前に、前記タイヤ加硫装置への搬入前の前記シェーピング装置の温度を計測し、当該温度に基づいて前記グリーンタイヤの加硫時間を決定する加硫時間決定工程を有する、
    ことを特徴とするタイヤ加硫方法。
  7. 前記加硫時間決定工程では、前記シェーピング装置のクランプリングの温度に基づいて、前記グリーンタイヤの加硫時間を決定する、
    ことを特徴とする請求項6記載のタイヤ加硫方法。
  8. 前記加硫時間決定工程では、前記シェーピング装置の下側クランプリングの温度に基づいて、前記グリーンタイヤの加硫時間を決定する、
    ことを特徴とする請求項7記載のタイヤ加硫方法。
  9. 前記加硫時間決定工程では、前記シェーピング装置の温度と前記グリーンタイヤの加硫時間との相関関係を示す一次回帰式に基づいて前記加硫時間を決定する、
    ことを特徴とする請求項6から8のいずれか1項記載のタイヤ加硫方法。
  10. 前記グリーンタイヤは、ランフラットタイヤであることを特徴とする請求項6から9のいずれか1項記載のタイヤ加硫方法。
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