特許文献1の換気ステーによれば、切換えノブまたは解除ノブを切換え操作するだけで、牽制アームの連繋溝と掛止ピンの係合状態を解除して、窓を全開放することができる。しかし、切換えノブが開口枠の室内側に常に露出しているので、被服の一部が引っ掛かりやすいうえ、室内の雰囲気を損ねてしまうことがある。また、防犯のためには、開量調整装置とは別に何らかの錠構造を設ける必要があるので、窓の全体構造と操作手順が煩雑になるのを避けられない。
その点、特許文献2の建具によれば、操作ハンドルまたは屋外ハンドルを操作することで、グレモン錠を解錠でき、同時に角度規制アームの被係合ピンを受け部材の案内溝と係合して、面材を換気位置において位置保持できる。しかし、L字状の大形の操作ハンドルが面材の室内側に常に突出するので、被服の一部が引っ掛かりやすく、室内の雰囲気を損ねやすい。サイズが大きな窓の場合には、操作ハンドルおよび屋外ハンドルを大きくしてハンドル操作力を軽減する必要があり、室内の雰囲気が操作ハンドルで損なわれやすい。とくに、カーテンウォール構造の建物においては、窓(面材)の周辺構造が単純化されていて、飾り気や無駄のないシンプルな印象を醸しているが、こうした印象が大形の操作ハンドルで損なわれてしまう。建具の構成部品点数が多く、全体コストが嵩む不利もある。
本発明の目的は、室内側へ突出する操作ハンドルを用いることなく開量調整装置と錠構造を同時に切換え操作でき、従って、室内の雰囲気を損ねることのないスリムで意匠性に優れた窓用の開閉装置を提供することにある。
本発明の目的は、非常時には屋外側のハンドルを操作して、錠構造と開量調整装置を全開放可能状態に切換え操作して窓を全開放操作できる窓用の開閉装置を提供することにある。
本発明に係る窓用の開閉装置は、窓2と開口枠1との間に設けられて、窓2を換気開放位置に位置保持する開量調整装置4と、閉じ操作された窓2を開放不能に錠止する錠構造5と、開量調整装置4および錠構造5を切換え操作する操作構造6を備えている。図3に示すように操作構造6は、窓枠2aに装着される主ケース27と、主ケース27に収容され、該ケース27で反転揺動自在に支持されて、第1位置と第2位置の間で反転操作されるとともに、主ケース27でスライド自在に案内支持されて、第2位置と第3位置の間で往復スライド操作される切換レバー28と、主ケース27でスライド自在に案内支持されて、切換レバー28で往復スライド操作されるスライダー29を備えている。開量調整装置4および錠構造5は、それぞれスライダー29に対して連動可能に連結されている。切換レバー28を第1位置と第2位置の間で反転操作することにより、開量調整装置4および錠構造5を閉じロック状態と、換気可能状態に切換えることができる。また、切換レバー28を第2位置と第3位置の間でスライド操作することにより、開量調整装置4および錠構造5を換気可能状態と、全開放可能状態に切換えることができることを特徴とする。
図1に示すように、切換レバー28の揺動基端に揺動軸39とスライド軸40が隣接配置されて、揺動軸39およびスライド軸40が主ケース27の軸支部34で支持されている。軸支部34に、揺動軸39とスライド軸40をスライド案内するガイド溝49と、ガイド溝49の中途部から分岐形成されて、スライド軸40を揺動案内する円弧溝50が形成されている。切換レバー28が第1位置に操作された状態において、揺動軸39がガイド溝49の一端に位置し、スライド軸40が円弧溝50の溝端で受止められている。切換レバー28が第2位置に操作された状態において、揺動軸39がガイド溝49の一端に位置し、スライド軸40がガイド溝49の中途部に位置して円弧溝50の分岐口に臨んでいる。切換レバー28が第3位置に操作された状態において、揺動軸39およびスライド軸40がガイド溝49内に位置して、スライド軸40がガイド溝49の他端で受止められている。
主ケース27は、窓枠2aに締結される取付けフランジ31と、取付けフランジ31に凹み形成される一対のレバー収容部32・33を備えている。切換レバー28が第1位置と第2位置のいずれか一方に切換えられた状態において、切換レバー28を収容していない側のレバー収容部32・33が、窓2を開閉操作する操作凹部を兼ねている。
切換レバー28を収容するレバー収容部32・33の内部に、第1位置および第2位置に切換え操作された切換レバー28を受け止める座壁26a・26bが形成されている。第2位置において、主ケース27の外に臨む側の切換レバー28の表面に切換レバー28をスライド操作する指掛片38が突設してある。切換レバー28が第1位置と第2位置に切換えられた状態において、切換レバー28の表面はレバー収容部32・33の開口面と面一になる。切換レバー28が第3位置にスライド操作された状態において、切換レバー28の表面がレバー収容部33内に沈込む向きにガイド溝49が傾斜させてある。
切換レバー28が第1位置と第2位置の間で反転揺動する状態において、揺動軸39をスライド移動不能に位置保持する軸保持レバー51が軸支部34に設けられている。図10に示すように、軸保持レバー51は、揺動軸39を受止める軸保持部54を備えている。軸保持レバー51は、ガイド溝49の一端に位置する揺動軸39を軸保持部54で受止めるスライド阻止姿勢と、軸保持部54がガイド溝49の外に退避するスライド許可姿勢の間で変位可能に支持されて、規制ばね52でスライド阻止姿勢に向かって付勢されている。図11に示すように、スライド軸40が円弧溝50からガイド溝49内へ移行する間に、スライド軸40が規制ばね52の付勢力に抗して軸保持レバー51をスライド許可姿勢に切換操作する。
主ケース27の軸支部34と切換レバー28の対向面間に、切換レバー28を第1位置と第2位置と第3位置において位置保持する第1クリック機構57が設けられている。図13に示すように、第1クリック機構57は、軸支部34と切換レバー28のいずれか一方に設けられるクリック凹部58・59・60と、他方に設けられてクリック凹部58・59・60に係脱する係合体61と、係合体61をクリック凹部58・59・60に向かって係合付勢するクリックばね62で構成してある。
主ケース27の取付けフランジ31とスライダー29の対向面の間に、切換レバー28が第2位置から第3位置へスライド操作されるのを阻止するセーフティ構造30が設けられている。図9および図14に示すように、セーフティ構造30は、スライダー29に同行して往復移動する可動軸体65と、取付けフランジ31の内面に固定した第2ケース66で変位可能に支持される切換具67と、切換具67を主ケース27の外から切換え操作する操作具68を備えている。切換具67は、可動軸体65のスライド移動を阻止するストッパー78を備えていて、ストッパー78が可動軸体65のスライド移動を阻止する安全確保姿勢と、ストッパー78が可動軸体65のスライド軌跡の外へ退避する安全解除姿勢の間で切換え操作可能である。切換具67が操作具68で安全解除姿勢に切換えられた状態において、切換レバー28を第2位置から第3位置にスライド操作して窓2を全開放できる。なお、切換具67は、切換レバー28が第1位置、または第2位置に切換った状態において安全解除姿勢に切換えることができる。
切換具67は、第2ケース66の軸受ボス70で回動可能に支持される有底丸筒状の軸部77と、軸部77の底壁周縁から軸心方向へ突設されるストッパー78と、軸部77の底壁の対向位置において径方向へ突設される位置決め片79を備えている。軸受ボス70と軸部77の間に、切換具67を安全確保姿勢と安全解除姿勢において位置保持する第2クリック機構が設けてある。図15に示すように、第2クリック機構は、軸部77の対向面に形成した平坦面85と、軸受ボス70に形成されて、平坦面85を位置保持する弾性壁86で構成してある。
窓2を閉じた状態において開口枠1で受止められる袖壁8が、窓枠2aの屋内面に突設されている(図6参照)。袖壁8は、窓2を閉じた状態において開口枠1に装着したパッキン9に密着するシール壁8aと、枠ガイド溝99を区画するリブ壁8bを一体に備えている。図13に示すように、袖壁8およびリブ壁8bに形成した装着部36に、主ケース27の取付けフランジ31を除くケース構造が嵌込み装着されて、その周囲が窓枠2aに固定した保護カバー47で覆われている。開量調整装置4および錠構造5とスライダー29を連結するスライド枠97が、前記枠ガイド溝99で往復スライド自在に案内支持してある。
図4および図5に示すように、開量調整装置4の牽制アーム10に、窓2が換気開放される際に連結ピン11を係合案内する牽制溝15と、牽制溝15の出入り口の近傍に分岐形成されるピン溝16が形成されている。ピン溝16は、切換レバー28が第2位置から第1位置へ切換え操作される状態において連結ピン11と係合している。錠構造5の固定金具19に、可動金具20の出入りを許す受入開口23と、切換レバー28が第1位置に切換え操作された状態において可動金具20と係合する錠止溝24が形成されている。ピン溝16および錠止溝24は屋内側へ向かって傾斜されていて(図17参照)、切換レバー28が第2位置から第1位置に切換えられる状態において、窓2をパッキン9の弾性力に抗して開口枠1側へ引寄せ操作できる。
開口枠1の屋外側に、開量調整装置4および錠構造5を閉じロック状態から全開放可能状態に切換える非常開放構造7が設けられている。図20に示すように、非常開放構造7は、開口枠1に固定されるベース枠103と、ベース枠103で揺動可能に軸支される非常開放レバー104と、ベース枠103で往復スライド可能に案内支持されるスライド枠105と、非常開放レバー104とスライド枠105を連結する連動リンク106と、スライド枠105に固定される強制開放ロッド107を備えている。開口枠1の側に配置した固定金具19と、牽制アーム10のアームピン12を支持するブラケット108が、それぞれ強制開放ロッド107に固定されている。非常開放レバー104を待機位置から強制開放位置へ揺動操作することにより、強制開放ロッド107で固定金具19を移動操作して可動金具20から分離させ、同時に、強制開放ロッド107でブラケット108および牽制アーム10を移動操作して連結ピン11から分離させて窓2を全開放操作できる。
本発明に係る窓用の開閉装置においては、開量調整装置4と錠構造5の両者を操作構造6で切換え操作できるようにした。操作構造6は、主ケース27と、主ケース27に収容され、該ケース27で反転揺動自在に支持されるとともに、主ケース27でスライド自在に案内支持される切換レバー28と、切換レバー28で往復スライド操作されるスライダー29を備えるようにした。こうした開閉装置によれば、切換レバー28を第1位置と第2位置の間で反転操作することで、開量調整装置4および錠構造5を閉じロック状態と、換気可能状態に切換えることができる。また、切換レバー28を第2位置と第3位置の間でスライド操作することにより、開量調整装置4および錠構造5を換気可能状態と、全開放可能状態に切換えることができる
上記のように反転揺動操作され、あるいは往復スライド操作される切換レバー28を操作源とする操作構造6によれば、各切換え位置における切換レバー28が室内側に突出することはない。従って、被服の一部が切換レバー28に引っ掛かることを解消でき、さらに室内の雰囲気が切換レバー28によって損なわれることも解消して、スリムで意匠性に優れた窓用の開閉装置を提供できる。とくに、カーテンウォール構造の建物においては、窓2の周辺構造が単純化されていて、飾り気や無駄のないシンプルな印象を醸しているが、こうした印象にマッチした窓用の開閉装置を提供できる。また、切換レバー28を反転揺動操作するときの揺動端が第1位置と第2位置となり、さらに切換レバー28をスライド操作するときのスライド端が第2位置と第3位置となるので、切換レバー28が間違って切換え操作される余地がなく、操作構造6の使い勝手を向上できる利点もある。
切換レバー28の揺動基端に揺動軸39とスライド軸40を設け、これらの軸39・40を軸支部34に設けたガイド溝49に沿って往復スライドできるようにした。さらに、ガイド溝49の中途部に分岐形成した円弧溝50でスライド軸40を揺動案内できるようにした。こうした操作構造6によれば、切換レバー28が揺動軸39の周りに反転操作されるとき、スライド軸40を円弧溝50で移行案内しながら確動的に往復揺動させて、第1位置と第2位置に切換えることができる。また、揺動軸39とスライド軸40をガイド溝49に沿って往復スライドさせて、第2位置と第3位置に切換えることができる。従って、回動操作されるL字状の操作ハンドルを操作源とする従来装置に比べて、開量調整装置4および錠構造5を切換レバー28で速やかに、しかもワンタッチ動作で簡単に切換えることができる。
また、上記の操作構造6によれば、第1位置における切換レバー28は、揺動軸39がガイド溝49の一端に位置し、スライド軸40が円弧溝50の溝端で受止められているので、第2位置へ向かって反転操作する向きにしか動かせない。同様に、第2位置における切換レバー28は、揺動軸39がガイド溝49の一端に位置し、スライド軸40がガイド溝49の中途部で受け止められているので、第1位置へ向かって反転操作する向きにしか動かせない。さらに、第3位置における切換レバー28は、揺動軸39およびスライド軸40がガイド溝49内に位置して、スライド軸40がガイド溝49の他端で受止められているので、第2位置へ向かって復帰スライドする向きにしか動かせない。従って、切換レバー28が各切換え位置において誤操作されるのを解消して、操作構造6の使い勝手を向上できる。
主ケース27に一対のレバー収容部32・33が凹み形成してあると、切換レバー28が第1位置と第2位置の間で切換え操作された状態において、いずれか一方のレバー収容部32・33の内部に切換レバー28を収容できる。このように切換レバー28をいずれか一方のレバー収容部32・33に収容した状態では、切換レバー28を収容していない側のレバー収容部32・33が、窓2を開閉操作するための操作凹部を兼ねることができるので、換気可能状態における窓2の開閉を適確に行える。また、レバー収容部32・33の内部に座壁26a・26bが形成してあると、第1位置および第2位置に切換え操作された切換レバー28を座壁26a・26bで受止めて、切換レバー28を常に一定の姿勢でレバー収容部32・33に収容できる。さらに、第2位置において、主ケース27の外に臨む側の切換レバー28の表面に指掛片38が突設してあるので、指掛片38に指先をあてがって切換レバー28を押引き操作することにより、切換レバー28を第2位置と第3位置の間で確実にスライド操作できる。第1位置と第2位置における切換レバー28の表面は、レバー収容部32・33の開口面と面一になるようにした。また、切換レバー28が第3位置にスライド操作された状態においては、切換レバー28の表面がレバー収容部33内に沈込む向きに、ガイド溝49を傾斜させるようにした。こうした操作構造6によれば、指掛片38を斜めに押引き操作すればよいので、ガイド溝49がレバー収容部32・33の開口面と平行に形成してある場合に比べて、切換レバー28を第2位置と第3位置の間で適確にスライド操作することができる。
主ケース27の軸支部34に、スライド阻止姿勢と、スライド許可姿勢の間で変位可能に支持される軸保持レバー51を設け、同レバー51を規制ばね52でスライド阻止姿勢に向かって付勢するようにした。こうした操作構造6によれば、切換レバー28が第1位置と第2位置の間で反転揺動する状態において、揺動軸39の周面を軸保持部54で移動不能に受止め保持できるので、切換レバー28を常に安定した状態で円滑に反転揺動操作できる。また、切換レバー28が第1位置から第2位置へ切換えられる間に、軸保持レバー51がスライド軸40で規制ばね52の付勢力に抗してスライド許可姿勢に切換操作されるようにした。このように、切換レバー28の反転揺動動作を利用して、軸保持レバー51をスライド軸40でスライド許可姿勢に切換操作すると、別途軸保持レバー51を切換え操作するための構造を設ける必要がないので、その分だけ揺動軸39の周辺構造を簡素化できる。また、ユーザーは、軸保持レバー51の存在を意識する必要もなく、切換レバー28を単に反転揺動操作すればよいので、操作構造6の使い勝手を向上できる。
軸支部34と切換レバー28の間に、切換レバー28を第1位置と第2位置と第3位置において位置保持する第1クリック機構57を設けるようにした。第1クリック機構57は、3個のクリック凹部58・59・60と、クリック凹部58・59・60に係脱する係合体61と、係合体61を係合付勢するクリックばね62で構成するようにした。こうした操作構造6によれば、切換レバー28を第1位置と第2位置と第3位置において揺動不能、およびスライド不能に位置保持できるので、切換レバー28が外部の振動や衝撃を受けて切換るのを確実に防止できる。また、係合体61が各クリック凹部58・59・60に落ち込み係合するときのクリック感を確認することで、切換レバー28が確実に切換えられたことを明確に判定できるので、切換レバー28が不完全な切換え状態のままで放置されるのを解消できる。
換気可能状態のままで、切換レバー28が誤って第2位置から第3位置へ押込み操作されると、開量調整装置4および錠構造5が全開放可能状態に切換わって、窓2がいきなり全開放されるおそれがある。こうした安全上の問題を解消するために、取付けフランジ31とスライダー29の対向面の間に、切換レバー28が第2位置から第3位置へスライド操作されるのを阻止するセーフティ構造30を設けている。セーフティ構造30は、スライダー29と同行移動する可動軸体65と、第2ケース66で変位可能に支持される切換具67と、切換具67を主ケース27の外から切換え操作する操作具68などで構成した。切換具67は、可動軸体65のスライド移動を阻止するストッパー78を備えていて、ストッパー78が可動軸体65のスライド移動を阻止する安全確保姿勢と、ストッパー78が可動軸体65のスライド軌跡の外へ退避する安全解除姿勢の間で切換え操作することができる。こうした操作構造6によれば、切換具67が操作具68で安全解除姿勢に切換えられた状態において、切換レバー28を第2位置から第3位置にスライド操作して窓2を全開放できる。従って、窓2が誤っていきなり全開放されるのを確実に防止して開閉装置の安全性を向上できる。
上記の切換具67は、軸部77と、ストッパー78と、位置決め片79を備えるようにし、軸受ボス70と軸部77の間に、切換具67を安全確保姿勢と安全解除姿勢において位置保持する第2クリック機構を設けるようにした。第2クリック機構は、軸部77に形成した平坦面85と、軸受ボス70に形成した弾性壁86で構成した。安全確保姿勢、または安全解除姿勢に切換えられた切換具67は、位置決め片79によって位置決めされ、さらに平坦面85に弾性壁86が密着して回動が規制された状態で位置保持されている。従って、切換具67が外部の振動や衝撃を受けて切換るのを確実に防止できる。また、軸部77が弾性壁86を弾性変形させながら乗越えたのち、平坦面85に弾性壁86が密着するときのクリック感を確認することで、切換具67が確実に切換えられたことを明確に判定できるので、切換具67が不完全な切換え状態のままで放置されるのを解消できる。
窓2の窓枠2aに、パッキン9に密着するシール壁8aと、枠ガイド溝99を区画するリブ壁8bを備えた袖壁8を設け、袖壁8およびリブ壁8bに形成した装着部36に、主ケース27の取付けフランジ31を除くケース構造を嵌込み装着するようにした。また、主ケース27の周囲を窓枠2aに固定した保護カバー47で覆うようにした。さらに、開量調整装置4および錠構造5とスライダー29を連結するスライド枠97を、枠ガイド溝99で往復スライド自在に案内支持した。こうした開閉装置によれば、窓2を換気可能位置と換気開放位置の間で開閉するとき、操作構造6やスライド枠97などが袖壁8の外面に露出するのを防止できるので、操作構造6の外観上の印象をシンプルなものにすることができる。また、袖壁8の枠ガイド溝99でスライド枠97を往復スライド自在に案内支持するので、別途スライド枠97用のガイド構造を設ける必要がないので、開閉装置の全体構造を簡素化できる利点もある。
牽制アーム10に設けたピン溝16と、固定金具19に設けた錠止溝24を屋内側へ向かって傾斜させるようにした。こうした操作構造6によれば、切換レバー28が第2位置から第1位置へ切換え操作される状態において、窓2をパッキン9の弾性力に抗して開口枠1側へ引寄せ操作できるので、閉じロック状態において窓2をパッキン9に密着させて確実にシール機能を発揮できる。また、切換レバー28を揺動反転操作して第2位置から第1位置へ切換え操作するが、その反転揺動ストロークの終端寄りにおいて切換レバー28をパッキン9の弾性力に抗して押込み操作すればよいので、閉じロック状態への切換え操作を楽にしかも確実に行える。
開口枠1の屋外側に、ベース枠103と、非常開放レバー104と、スライド枠105と、連動リンク106と、強制開放ロッド107を備えた非常開放構造7を設けるようにした。また、開口枠1の側に配置した固定金具19と、牽制アーム10を支持するブラケット108を、それぞれ強制開放ロッド107に固定した。非常開放構造7は、非常開放レバー104が待機位置から強制開放位置へ揺動操作されるとき、固定金具19を可動金具20から分離させ、同時に、ブラケット108および牽制アーム10を連結ピン11から分離させて、窓2を屋外側から全開放操作できる。このように、非常開放構造7を備えた開閉装置によれば、火災や震災などの緊急時には、窓2に達した消防関係者あるいはレスキュー関係者が非常開放レバー104を強制開放位置へ揺動操作することで、窓2を屋外側から全開放操作して消火活動や救助活動を速やかに行える。また、窓枠2a側に設けた固定金具19およびブラケット108を、操作構造6とは別系統の非常開放構造7で独立操作するので、非常開放構造7が操作構造6と連動するように構成してある場合に比べて、非常開放構造7の構造を簡素化して、非常開放構造7を備えた開閉装置の全体コストを削減できる。
(実施例) 図1ないし図20は、本発明に係る窓用の開閉装置を、カーテンウォールを構成する窓に適用した実施例を示す。図2において、符号1はアルミニウム製の開口枠、2は窓であり、窓2は開口枠1に固定したヒンジ3で揺動開閉可能に支持してある。窓2の揺動先端側の窓枠2aと開口枠1の間には、窓2を換気開放位置に位置保持する開量調整装置4と、閉じ位置において窓2を開放不能に錠止する錠構造5と、開量調整装置4および錠構造5を切換え操作する操作構造6が設けてある。また、開口枠1の屋外面には、開量調整装置4および錠構造5を閉じロック状態から全開放可能状態に切換える非常開放構造7(図19参照)が設けてある。開量調整装置4および錠構造5は、操作構造6で切換え操作されて、閉じロック状態(図16、図17に示す状態)と、換気可能状態(図5、図18に示す状態)と、全開放可能状態(図4に示す状態)に切換わる。その詳細は後述する。窓枠2aの屋内面には、窓2を閉じた状態において開口枠1で受止められる袖壁8が突設してあり、この袖壁8に操作構造6が組み込んである。袖壁8は、窓2を閉じた状態において開口枠1に装着したパッキン9に密着するシール壁8aと、後述する枠ガイド溝99を区画するリブ壁8bを一体に備えている。
(開量調整装置)
図3および図4において開量調整装置4は、開口枠1側に配置される牽制アーム10と、窓枠2a側に配置される連結ピン11と、ブラケット108に固定されて牽制アーム10を屋内外へ揺動可能に支持するアームピン12と、牽制アーム10を屋内へ向かって揺動付勢するアームばね13などで構成してある。牽制アーム10の上下中途部には、連結ピン11を受け入れる凹部14が折曲げ形成してあり、この凹部14より下側のアーム壁に連結ピン11を係合案内する牽制溝15が形成してある。また、牽制溝15の出入り口の近傍にはピン溝16が分岐形成してある。図4に示すように、牽制溝15は、逆J字状の主溝15aと、主溝15aの上端に連続する出入口溝15bを備えており、出入口溝15bの下方にピン溝16が形成してある。
図3、図4に示すように、窓2を閉じた状態では、連結ピン11が凹部14内に位置しており、この状態の連結ピン11を操作構造6で下降操作することにより、連結ピン11が牽制溝15の出入口溝15bと係合して(図5、図8参照)換気可能状態となる。この状態で窓2を開放操作すると、連結ピン11は主溝15a側へ入り込んで、同溝15aと相対移動しながら、牽制アーム10を屋外側へ同行揺動操作し、換気開放位置において牽制アーム10が窓2を開放移動不能に位置保持する。このように窓2が換気開放位置に開放された状態を図6に示している。この状態の牽制アーム10は、アームばね13を圧縮変形させて僅かに傾動している。窓2を換気開放位置から閉じ操作すると、牽制アーム10は連結ピン11に同行して屋内側へ揺動し、窓2を閉じた状態では連結ピン11が出入口溝15bと係合して図5に示す状態に戻る。閉じロック状態において、窓2をパッキン9の弾性力に抗して開口枠1側へ引寄せ操作するために、ピン溝16は屋内側へ向かって下り傾斜させてある。
(錠構造)
図3ないし図5、および図7において錠構造5は、開口枠1の上下に配置される固定金具19と、窓枠2a側に配置されて固定金具19に係脱する係合ピン(可動金具)20を備えている。固定金具19は、ステンレス板材を階段状に折曲げて形成してあり、連結座21と係合壁22を一体に備えている(図7参照)。係合壁22には、係合ピン20の出入りを許す縦に長い長方形状の受入開口23が形成され、その下端隅部に錠止溝24が形成してある。なお、図4および図5では上側の錠構造5のみを示しているが、下側の錠構造5も同様に構成してある。閉じロック状態において、窓2をパッキン9の弾性力に抗して開口枠1側へ引寄せ操作するために、錠止溝24はピン溝16と同様に屋内側へ向かって下り傾斜させてある。
図3に示すように、窓2を閉じた状態では、係合ピン20が受入開口23内に位置しており、この状態の係合ピン20を操作構造6で下降操作することにより、係合ピン20が錠止溝24と係合して、窓2を開放不能にロックする(図16参照)。この状態が閉じロック状態である。閉じロック状態から係合ピン20を操作構造6で上昇操作すると、係合ピン20が錠止溝24から分離して受入開口23内へ戻るので、窓2を開放揺動することができる。係合ピン20を錠止溝24に係合させるとき、窓2を開口枠1に設けたパッキン9の弾性に抗して開口枠1側へ引寄せ操作するために、錠止溝24は屋内側へ向かって下り傾斜させてある。係合ピン20を錠止溝24に係合するとき、開量調整装置4の連結ピン11が下降移動してピン溝16と係合して、窓2の上下3個所を開口枠1側へ引寄せ操作することができる。また、切換レバー28の反転揺動ストロークの終端寄りにおいて、切換レバー28をパッキン9の弾性力に抗して押込み操作することで、閉じロック状態への切換え操作を楽にしかも確実に行える。なお、錠構造5は窓2の縦サイズの違いに応じて1〜3個を設けることができる。なお、窓2の上下サイズが大きい場合には、係合ピン20および錠止溝24は4個所以上に設けるので、4個所以上の錠止溝24において係合ピン20を引寄せ操作して、窓2をパッキン9に密着することができる。
(操作構造)
図2および図9において操作構造6は、窓枠2aに装着される縦長の主ケース27と、主ケース27で反転揺動自在に支持される切換レバー28と、切換レバー28で往復スライド操作されるスライダー29と、主ケース27の上部内面に組まれるセーフティ構造30などで構成してある。主ケース27は、窓枠2aに締結される取付けフランジ31と、取付けフランジ31の上下に凹み形成される一対のレバー収容部32・33と、両レバー収容部32・33の間に設けられる軸支部34を一体に備えるダイキャスト成形品からなり、その上下両端がビス35で窓枠2aに固定してある(図10参照)。
図13に示すように操作構造6は、窓枠2aの袖壁8およびリブ壁8bを切除して形成した装着部36に、主ケース27の取付けフランジ31を除くケース構造が嵌込み装着されて、取付けフランジ31がビス35で袖壁8に固定してある。図13において符号47は主ケース27およびスライダー29の周囲を覆う保護カバーであり、保護カバー47はビス48で窓枠2aおよびシール壁8aに固定してある。上記のように、装着部36に主ケース27の取付けフランジ31を除くケース構造を嵌込み装着し、主ケース27の周囲を窓枠2aに固定した保護カバー47で覆うと、窓2を換気可能位置と換気開放位置の間で開閉するとき、操作構造6やスライド枠97などが袖壁8の外面に露出するのを防止して、操作構造6の外観上の印象をシンプルなものにすることができる。
切換レバー28は、レバー断面が揺動基端から揺動先端へ向かって先すぼまり状に形成してあるダイキャスト成形品からなり、揺動先端寄りのレバー表面に切換レバー28をスライド操作するための指掛片38が一体に設けてある。切換レバー28は、主ケース27の軸支部34に設けた揺動軸39で上下に反転操作できるように軸支してある。詳しくは、レバー全体が上側のレバー収容部32に収容される第1位置(図10に示す状態)と、レバー全体が下側のレバー収容部33に収容される第2位置の間で反転操作できるように、切換レバー28を揺動軸39で軸支している。図11に示すように、切換レバー28が第2位置に切換えられた状態においては、指掛片38が主ケース27の外に突出している。切換レバー28の揺動基端側のレバー端には、揺動軸39とは別にスライド軸40が固定してある。切換レバー28が第1位置にある状態では、開量調整装置4および錠構造5は閉じロック状態に切換っている。レバー収容部32・33には、第1位置および第2位置に切換った切換レバー28を受止める座壁26a・26bが膨出形成してある。
スライダー29は断面がコ字状の上下に長いステンレス製の枠体からなり、その前後壁の上下に縦長のスライド溝41が形成され、下側のスライド溝41の上側に水平の受動溝42が形成してある。また、前後壁を繋ぐ橋絡壁には縦長のスライド溝43が形成され、同溝43の上下に連動ピン44が固定され、橋絡壁の上端の内面に後述する可動軸体65が固定してある。上記のスライド溝41・43を、主ケース27に固定した2個のガイドピン45と、橋絡壁と対向する主ケース27の底壁に固定したガイドボス46で案内することにより、スライダー29が主ケース27で上下スライド自在に案内支持されている。スライダー29を主ケース27に組み付けた状態においては、受動溝42がスライド軸40と係合している(図13参照)。従って、切換レバー28を第1位置と第2位置の間で反転操作することにより、スライダー29を上下にスライド移動できる。このように、受動溝42とスライド軸40は、スライド軸40の回動動作を吸収しながら、切換レバー28の反転揺動動作を往復スライド動作に変換する。
第2位置に切換えられた切換レバー28は、主ケース27でスライド案内されて、第2位置から第3位置へ向かってスライド操作できる。そのために、主ケース27の軸支部34に、揺動軸39とスライド軸40をスライド案内するガイド溝49が形成してある。また、ガイド溝49の中途部にスライド軸40を揺動案内する円弧溝50が分岐形成してある。ガイド溝49は、その下端から上端へ向かって上り傾斜する状態で直線溝状に形成してあり、円弧溝50は半円溝状に形成してある。切換レバー28が第1位置に操作された状態においては、図10に示すように揺動軸39がガイド溝49の下端(一端)に位置し、スライド軸40が円弧溝50の下側の溝端で受止められている。切換レバー28が第1位置と第2位置のいずれか一方に切換えられた状態においては、切換レバー28を収容していない側のレバー収容部32、またはレバー収容部33が、窓2を開閉操作する操作凹部として機能する。
切換レバー28が第2位置に操作された状態においては、図11に示すように揺動軸39がガイド溝49の下端(一端)に位置し、スライド軸40がガイド溝49の中途部に位置して円弧溝50の分岐口に臨んでいる。切換レバー28が第1位置から第2位置に反転操作されるとき、スライド軸40はガイド溝49を中心にして反時計回転方向へ回動し、受動溝42を介してスライダー29を押上げ操作する。このときの押上げストロークを図11にS1で示している。切換レバー28が第2位置に切換え操作された状態では、開量調整装置4および錠構造5は、換気可能状態に切換わる。上記のように、切換レバー28を第1位置と第2位置に切換えた状態においては、切換レバー28の表面がレバー収容部32・33の開口面と面一になっている。
切換レバー28が第2位置に切換え操作された状態において、指掛片38に指先をあてがって切換レバー28を押込み操作すると、揺動軸39およびスライド軸40がガイド溝49に沿ってスライド移動して第3位置に切換る。この状態では図12に示すように、スライド軸40がガイド溝49の上端(他端)で受止められる。切換レバー28が第2位置から第3位置までスライド操作されることにより、スライダー29は図12に示すストロークS2だけ上方スライドする。切換レバー28が第3位置に切換え操作された状態では、開量調整装置4および錠構造5は、全開放可能状態に切換わる。切換レバー28が第3位置にスライド操作された状態においては、切換レバー28の表面が下側のレバー収容部33内に沈込んでいる(図1(c)参照)。
上記のように、揺動軸39およびスライド軸40は、ガイド溝49でスライド移動可能に支持してある。そのため、第1位置および第2位置において、両軸39・40がガイド溝49に沿って移動するおそれがある。こうした揺動軸39およびスライド軸40の自由なスライド移動を規制するために、軸支部34に揺動軸39をスライド移動不能に位置保持する軸保持レバー51を設け、同レバー51を規制ばね52で揺動付勢している。図10において、軸保持レバー51は、軸支部34に固定されるレバーピン53で揺動可能に支持されており、その揺動先端に揺動軸39の周面を受止める軸保持部54が斜めに形成してある。また、軸保持レバー51の一側縁の揺動基端から揺動先端にわたって受壁55が折曲げてある。規制ばね52は捩じりコイルばねからなり、ばね腕の一方が取付けフランジ31で受止められ、ばね腕の他方が受壁55で受止められて、図10において軸保持レバー51を反時計回転方向へ揺動付勢している。
軸保持レバー51は、ガイド溝49の下端(一端)に位置する揺動軸39を軸保持部54で受止めるスライド阻止姿勢(図10に示す状態)と、軸保持部54がガイド溝49の外に退避するスライド許可姿勢(図11に示す状態)の間で揺動変位でき、規制ばね52でスライド阻止姿勢に向かって付勢してある。軸保持レバー51は、切換レバー28が第1位置から第2位置に反転操作されるとき、スライド軸40が円弧溝50からガイド溝49内へ移行する動作を利用して、スライド許可姿勢に切換操作される。このとき、スライド軸40は受壁55に接当して、軸保持レバー51を規制ばね52の付勢力に抗して時計回転方向へ揺動操作する。
(第1クリック機構)
第1位置と、第2位置と、第3位置の各位置において、切換レバー28を位置保持するために、主ケース27の軸支部34と切換レバー28の対向面間に第1クリック機構57を設けている。図13に示すように第1クリック機構57は、切換レバー28に設けられる3個のクリック凹部58〜60と、軸支部34に設けられてクリック凹部58〜60のひとつに係脱する鋼ボール(係合体)61と、鋼ボール61をクリック凹部58〜60に向かって係合付勢するクリックばね62で構成してある。切換レバー28が第1位置にあるとき鋼ボール61はクリック凹部58と係合しており、同レバー28が第2位置にあるとき、鋼ボール61はクリック凹部59と係合しており、レバー28が第3位置にあるとき、鋼ボール61はクリック凹部60と係合する。各クリック凹部58〜60の形成位置を図9に示している。
上記のように、軸支部34と切換レバー28の間に第1クリック機構57を設ける操作構造6によれば、切換レバー28を第1位置と第2位置と第3位置において揺動不能、およびスライド不能に位置保持できるので、切換レバー28が外部の振動や衝撃を受けて切換るのを確実に防止できる。また、係合体61が各クリック凹部58・59・60に落ち込み係合するときのクリック感を確認することで、切換レバー28が確実に切換えられたことを明確に判定できるので、切換レバー28が不完全な切換え状態のままで放置されるのを解消できる。
(セーフティ構造)
先に説明したように、切換レバー28が第2位置に切換え操作された状態では、開量調整装置4および錠構造5は換気可能状態に切換わる。しかし、換気可能状態のままで、切換レバー28が誤って押込み操作されると、開量調整装置4および錠構造5が全開放可能状態に切換わって、窓2がいきなり全開放されるおそれがあり、安全性を確保するうえで問題がある。こうした、安全上の問題を解消するために、主ケース27の取付けフランジ31とスライダー29の対向面の間にセーフティ構造30を設けている。
図9、図10、図14において、セーフティ構造30は、スライダー29と同行移動する可動軸体65と、取付けフランジ31の内面に固定した第2ケース66で回動変位可能に支持される切換具67と、切換具67を主ケース27の外から切換え操作する操作ノブ(操作具)68と、第2ケース66に固定されるガイド枠69を備えている。可動軸体65は扁平な丸軸からなり、その側端がスライダー29の橋絡壁にかしめ固定してある。第2ケース66は縦長四角形状のプラスチック成型品からなり、その内部の上下中央に軸受ボス70が形成され、ケース内部の上下に締結ボス71と下ストッパー72が形成してある。図10に示すように、第2ケース66を主ケース27の上側のレバー収容部32の上部外側に組付け、第2ケース66と主ケース27をガイドピン45で固定し、さらに主ケース27のねじボス73にねじ込んだビス74で締結ボス71を締結することにより、第2ケース66が主ケース27と一体化される。
切換具67は、先の軸受ボス70で回動可能に支持される有底丸筒状の軸部77と、軸部77の底壁周縁から軸心方向へ突設される上ストッパー(ストッパー)78と、軸部77の底壁の対向位置において径方向へ突設される位置決め片79(図14参照)を一体に備えたダイキャスト成形品からなる。軸部77には断面が小判形の連結穴80が形成してある。切換具67を軸受ボス70に装着した状態において、切換具67の筒壁内面と正対する取付けフランジ31の壁面には、操作ノブ68を軸部77内へ差込むための小判型の操作穴81が開口してある。切換具67を操作ノブ68で回動操作することにより、切換具67はその上ストッパー78が可動軸体65の上方スライド移動を阻止する安全確保姿勢(図11に示す状態)と、上ストッパー78が可動軸体65のスライド軌跡の外へ退避する安全解除姿勢(図12に示す状態)に切換えることができる。第2ケース66には、各姿勢において位置決め片79を受け止める4個の段部82が形成してある。
上記のように、セーフティ構造30を備えた操作構造6によれば、第2位置において、切換具67が操作具68で安全解除姿勢に切換えられた状態において、切換レバー28を第2位置から第3位置にスライド操作して窓2を全開放できる。従って、窓2が誤っていきなり全開放されるのを確実に防止して開閉装置の安全性を向上できる。なお、切換具67は、切換レバー28が第1位置に切換った状態においても、安全解除姿勢に切換えることができる。
安全確保姿勢と安全解除姿勢において切換具67を位置保持するために、軸受ボス70と軸部77の間に第2クリック機構を設けている。図15に示すように、第2クリック機構は、軸部77の対向面の4個所に形成した平坦面85と、軸受ボス70の対向面に形成されて、平坦面85を位置保持する上下一対の弾性壁86で構成してあり、軸部77の円弧周面が弾性壁86を弾性変形させながら乗越えることで、切換具67を各姿勢において位置保持できる。切換レバー28は、切換具67が操作ノブ68で安全解除姿勢に切換えられた状態においてのみ、第2位置から第3位置にスライド操作して窓2を全開放できる。
操作ノブ68は、プラスチック成型品からなるノブ本体87に、ステンレス製の操作軸88をインサート固定して形成してある。操作軸88は先の操作穴81と同様に断面が小判形に形成してあり、その基端に操作穴81の穴幅より小径の首軸89が形成してある。ノブ本体87の表面には、操作ノブ68の切換え位置を表示する指標90(図12参照)が形成してあり、この指標90を視認することにより、操作ノブ68が安全解除姿勢に切換えられた状態であることを明確に知ることができる。この状態の操作軸88は操作穴81と直交しているので、操作穴81から抜出すことはできない。以上のように操作ノブ68は、窓2を全開放操作する場合に限って使用するので、通常は、切換具67を安全確保姿勢に切換えた状態で操作ノブ68を操作穴81から抜外して、建物の管理者が所定の場所に保管しておく。
ガイド枠69は、断面がコ字状に折り曲げられたステンレス製の枠体からなり、その橋絡壁の上下3個所に、第1位置〜第3位置において可動軸体65を係合保持する浅い受座93が凹み形成してある。ガイド枠69は第2ケース66に外嵌装着されてガイドピン45で固定してあり、さらにガイド枠69の前後壁が第2ケース66にねじ込んだビス94で固定してある。橋絡壁の前後中央には、可動軸体65のスライド移動を許す縦長のスライド溝95が、各受座93を分断する状態で形成してある。
上記のように、第2クリック機構を備えたセーフティ構造30によれば、安全確保姿勢、または安全解除姿勢に切換えられた切換具67を位置決め片79で回動規制した状態で位置保持できるので、切換具67が外部の振動や衝撃を受けて切換るのを確実に防止できる。また、軸部77が弾性壁86を弾性変形させながら乗越えて、平坦面85に密着するときのクリック感を確認することで、切換具67が確実に切換えられたことを明確に判定できるので、切換具67が不完全な切換え状態のままで放置されるのを解消できる。
開量調整装置4および錠構造5と操作構造6は、連動枠96と、連動枠96の上下に連結されるスライド枠97を介して連動可能に連結してある。詳しくは図9に示すように、連動枠96に通設した連結穴98を連動ピン44に係合し、さらに、図3に示すように、連動枠96の上下両端にスライド枠97を締結固定して、連動枠96とスライド枠97をスライダー29と同行移動できるようにしている。図7および図8に示すように、スライド枠97は厚みが小さな断面ハット形のアルミニウム条材からなり、その前後壁が枠ガイド溝99でスライド自在に案内支持してある。上側のスライド枠97の上下2個所には、開量調整装置4の連結ピン11、および錠構造5の係合ピン20を固定するための座板100が固定してある。また、下側のスライド枠97の下端寄りには、錠構造5の係合ピン20を固定するための座板100が固定してある。上記のように、スライド枠97を枠ガイド溝99で案内支持する開閉装置によれば、別途スライド枠97用のガイド構造を設ける必要がないので、開閉装置の全体構造を簡素化できる。
(非常開放構造)
図19および図20に非常開放構造7を示している。非常開放構造7は、開口枠1の屋外面に固定されるベース枠103と、ベース枠103で揺動可能に軸支されるヘラ状の非常開放レバー104と、ベース枠103で上下スライド(往復スライド)可能に案内支持されるスライド枠105と、非常開放レバー104とスライド枠105を連動可能に連結する連動リンク106と、スライド枠105に固定される強制開放ロッド107を備えている。強制開放枠107の上部には、錠構造5を構成する固定金具19の連結座21が固定され、固定金具19の下側に開量調整装置4のアームピン12を支持するブラケット108が固定してある。また、強制開放枠107の下部には、錠構造5を構成する固定金具19の連結座21が固定してある。ベース枠103、非常開放レバー104、スライド枠105、連動リンク106、およびブラケット108は、それぞれステンレス板材で形成してある。強制開放ロッド107はアルミニウム条材からなり、図7および図8に示すように、開口枠1に設けた縦溝109で上下スライド自在に案内支持してある。
ベース枠103は、開口枠1に締結固定される上下一対の締結座110と、締結座110の側端どうしを繋ぐガイド枠部111を一体に備えた門形のプレス金具からなり、ガイド枠部111の下端に固定した支軸112で、非常開放レバー104の下端基部を揺動可能に軸支している。スライド枠105には上下一対のスライドピン113が固定してあり、これらのスライドピン113をガイド枠部111に形成した縦長のガイド溝114で案内支持することにより、スライド枠105はガイド枠部111に沿って上下スライドできる。連動リンク106の一端は下側のスライドピン113に連結され、同リンク106の他端はリンクピン115で非常開放レバー104に連結してある。
非常開放レバー104は、上向きに延びるグリップ118を備えており、このグリップ118を待機位置(図20(a)の状態)と、強制開放位置(図20(b)の状態)の間で揺動操作できる。図20(a)は、非常開放レバー104が待機位置にあり、開量調整装置4および錠構造5が操作構造6で切換え操作されて、閉じロック状態になっている状態を示している。非常開放レバー104を、待機位置から強制開放位置まで揺動操作すると、スライド枠105が下降スライドし、同時に強制開放ロッド107がスライド枠105に同行して下降スライドする。そのため、牽制アーム10と上下の固定金具19が下降移動し、連結ピン11がピン溝16から離脱し、係合ピン20が錠止溝24から離脱する。この状態の窓2は、開量調整装置4および錠構造5による拘束から開放された状態になっているので、屋外側から窓2を開放操作することができる。
上記のように、非常開放構造7を備えた開閉装置によれば、火災や震災などの緊急時には、窓2に達した消防関係者あるいはレスキュー関係者が非常開放レバー104を強制開放位置へ揺動操作することで、窓2を屋外側から全開放操作して消火活動や救助活動を速やかに行える。また、窓枠2a側に設けた固定金具19およびブラケット108を、操作構造6とは別系統の非常開放構造7で独立操作するので、非常開放構造7が操作構造6と連動するように構成してある場合に比べて、非常開放構造7の構造を簡素化して、非常開放構造7を備えた開閉装置の全体コストを削減できる。
(開閉装置の主な作用効果)
上記の窓用の開閉装置では、窓2を換気開放位置に位置保持する開量調整装置4と、閉じ操作された窓2を開放不能に錠止する錠構造5の両者を操作構造6で切換え操作できるようにした。操作構造6は、主ケース27と、主ケース27に収容され、該ケース27で反転揺動自在に支持され、さらにスライド自在に支持される切換レバー28と、切換レバー28で往復スライド操作されるスライダー29を備えるようにした。こうした開閉装置によれば、切換レバー28を第1位置と第2位置の間で反転操作することで、開量調整装置4および錠構造5を閉じロック状態と、換気可能状態に切換えることができる。また、切換レバー28を第2位置と第3位置の間でスライド操作することにより、開量調整装置4および錠構造5を換気可能状態と、全開放可能状態に切換えることができる。
上記のように反転揺動操作され、あるいは往復スライド操作される切換レバー28を操作源とする操作構造6によれば、各切換え位置における切換レバー28が室内側に突出することはない。従って、被服の一部が切換レバー28に引っ掛かることを解消でき、さらに室内の雰囲気が切換レバー28によって損なわれることも解消して、スリムで意匠性に優れた窓用の開閉装置を提供できる。とくに、カーテンウォール構造の建物においては、窓2の周辺構造が単純化されていて、飾り気や無駄のないシンプルな印象を醸しているが、こうした印象にマッチした窓用の開閉装置を提供できる。また、切換レバー28を反転揺動操作するときの揺動端が第1位置と第2位置となり、さらに切換レバー28をスライド操作するときのスライド端が第2位置と第3位置となるので、切換レバー28が間違って切換え操作される余地がなく、操作構造6の使い勝手を向上できる利点もある。
切換レバー28の揺動基端に揺動軸39とスライド軸40を設け、これらの軸39・40を軸支部34に設けたガイド溝49に沿って往復スライドできるようにした。さらに、ガイド溝49の中途部に分岐形成した円弧溝50でスライド軸40を揺動案内できるようにした。こうした操作構造によれば、切換レバー28が揺動軸39の周りに反転操作されるとき、スライド軸40を円弧溝50で移行案内しながら確動的に往復揺動させて、第1位置と第2位置に切換えることができる。また、揺動軸39とスライド軸40をガイド溝49に沿って往復スライドさせて、第2位置と第3位置に切換えることができる。従って、回動操作されるL字状の操作ハンドルを操作源とする従来装置に比べて、開量調整装置4および錠構造5を切換レバー28で速やかに、しかもワンタッチ動作で簡単に切換えることができる。
また、第1位置における切換レバー28は、揺動軸39がガイド溝49の一端に位置し、スライド軸40が円弧溝50の溝端で受止められているので、第2位置へ向かって反転操作する向きにしか動かせない。同様に、第2位置における切換レバー28は、揺動軸39がガイド溝49の一端に位置し、スライド軸40がガイド溝49の中途部で受け止められているので、第1位置へ向かって反転操作する向きにしか動かせない。さらに、第3位置における切換レバー28は、揺動軸39およびスライド軸40がガイド溝49内に位置して、スライド軸40がガイド溝49の他端で受止められているので、第2位置へ向かって復帰スライドする向きにしか動かせない。従って、切換レバー28が各切換え位置において誤操作されるのを解消して、操作構造6の使い勝手を向上できる。
スライダー29の一対の壁にスライド軸40と係合する受動溝42を形成し、切換レバー28の反転揺動動作を、スライド軸40と受動溝42で直接的に往復スライド動作に変換するので、従来装置に比べて操作構造6の構造を簡素化して、操作構造6の低コスト化に寄与できる。因みに、L字状の操作ハンドルを操作源とする従来装置においては、操作ハンドルの回動動作を動作変換機構で上下動作に変換しなければならず、その分だけコストが嵩んでいた。
主ケース27に一対のレバー収容部32・33が凹み形成してあると、切換レバー28が第1位置と第2位置の間で切換え操作された状態において、いずれか一方のレバー収容部32・33の内部に切換レバー28を収容できる。このように切換レバー28をいずれか一方のレバー収容部32・33に収容した状態では、切換レバー28を収容していない側のレバー収容部32・33が、窓2を開閉操作するための操作凹部として機能するので、換気可能状態における窓2の開閉を適確に行える。
レバー収容部32・33の内部に座壁26a・26bが形成してあると、第1位置および第2位置に切換え操作された切換レバー28を座壁26a・26bで受止めて、切換レバー28を常に一定の姿勢でレバー収容部32・33に収容できる。また、第2位置において、主ケース27の外に臨む側の切換レバー28の表面に指掛片38が突設してあるので、指掛片38に指先をあてがって切換レバー28を押引き操作することにより、切換レバー28を第2位置と第3位置の間で確実にスライド操作できる。
第1位置と第2位置における切換レバー28の表面は、レバー収容部32・33の開口面と面一になるようにした。また、切換レバー28が第3位置にスライド操作された状態においては、切換レバー28の表面がレバー収容部33内に沈込む向きに、ガイド溝49を傾斜させるようにした。こうした操作構造6によれば、指掛片38を斜めに押引き操作すればよいので、ガイド溝49が垂直に形成してある場合に比べて、切換レバー28を第2位置と第3位置の間で適確にスライド操作することができる。
主ケース27の軸支部34に、スライド阻止姿勢と、スライド許可姿勢の間で変位可能に支持される軸保持レバー51を設け、同レバー51を規制ばね52でスライド阻止姿勢に向かって付勢するようにした。こうした操作構造6によれば、切換レバー28が第1位置と第2位置の間で反転揺動する状態において、揺動軸39の周面を軸保持部54で移動不能に受止め保持できるので、切換レバー28を常に安定した状態で円滑に反転揺動操作できる。また、切換レバー28が第1位置から第2位置へ切換えられて、スライド軸40が円弧溝50からガイド溝49内へ移行する間に、軸保持レバー51がスライド軸40で規制ばね52の付勢力に抗してスライド許可姿勢に切換操作されるようにした。このように、切換レバー28の反転揺動動作を利用して、軸保持レバー51をスライド軸40で
スライド許可姿勢に切換操作すると、別途軸保持レバー51を切換え操作するための構造を設ける必要がないので、その分だけ揺動軸39の周辺構造を簡素化できる。また、ユーザーは、軸保持レバー51の存在を意識する必要もなく、切換レバー28を単に反転揺動操作すればよいので、操作構造6の使い勝手を向上できる。
図21は、操作構造6の一部を変更した別の実施例を示す。そこでは、切換レバー28の揺動軸39を断面小判形に形成し、ガイド溝49の幅を揺動軸39の円弧周面の直径より小さく設定した。さらに、切換レバー28が第1位置に切換えられた状態において、断面小判形の揺動軸39の対向平面がガイド溝49の溝壁と非平行になるようにした。こうした切換レバー28によれば、同レバー28を第1位置に切換えた状態において、揺動軸39がガイド溝49に沿って移動するのを規制して、軸保持レバー51および規制ばね52とレバーピン53を省略できる。また、切換レバー28を第2位置に切換えた状態において、揺動軸39の対向平面がガイド溝49の溝壁と平行になって、第3位置へ向かってスライド変位できる。
上記の実施例においては、主ケース27の上下にレバー収容部32・33を凹み形成したがその必要はなく、レバー収容部32・33は省略することができる。要は、第1位置と第2位置に切換えられた状態において、切換レバー28が主ケース27の外郭線内に位置していれば足りる。また、切換レバー28の揺動先端にT字状、あるいはボール状のハンドルが設けてあってもよい。本発明の開閉装置は、非常開放構造7を省略した状態で使用することができ、片開き窓、縦すべり出し窓、横すべり出し窓、縦軸回転窓、横軸回転窓、ドレーキップ窓、内倒し窓などにも広く適用できる。