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JP2018111668A - 口腔用製剤 - Google Patents

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圭悟 大西
Keigo Onishi
圭悟 大西
智宏 前川
Tomohiro Maekawa
智宏 前川
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Nisshin Pharma Inc
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Nisshin Pharma Inc
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Abstract

【課題】服用者に過度の負担を強いたり不快感を与えたりすることなく、適量の有効成分を口腔内にスムーズに放出することができ、口腔内の健康維持に有用な口腔用製剤を提供すること。【解決手段】本発明の口腔用製剤は、口腔用成分とこれを封入するコーティング材とを含んで構成され、該コーティング材が、水溶性セルロース及び唾液分泌促進成分を含有する。前記水溶性セルロースは、ヒドロキシプロピルメチルセルロース及びヒドロキシメチルセルロースからなる群から選択される1種以上であることが好ましい。前記コーティング材はさらに可塑剤を含有していてもよい。【選択図】なし

Description

本発明は、口腔内の健康を維持する上で有用な口腔用成分を効率よく口腔内に適用することができる口腔用製剤に関する。
人体において、口腔は呼吸を行い、食物を摂取する部位であると共に、空気と食物を肺と食道に適切に移送する部位でもある。また、会話を行う際も、口腔内の舌、喉頭や粘膜が適切な運動を行うことで、正しい発音を発することができる。このように重要な器官である口腔のケアは、通常は歯磨きやうがいをする程度と認識されているが、口腔内の汚れは歯だけではなく、歯茎、舌、頬の内側、舌などにも付着しており、歯磨きやうがいなどの日常的な口腔ケアだけで、口腔内の各部の汚れをきれいに取り除いて有害な細菌の繁殖を抑制し、口腔内環境を衛生的に保つことは難しいのが実情である。特に唾液は、口腔内環境を衛生的に保つ上で重要な役割を担っているところ、唾液の分泌量は加齢に伴って減少するため、高齢者の口腔内環境を歯磨きやうがいだけで衛生的に保つことは難しく、近年は高齢者の多い介護の現場などで口腔ケアの重要性が指摘されている。
口腔ケアには従来、口腔内環境を衛生的に保つ上で有用な口腔用成分を含有する、口腔用製剤が利用されており、典型的な口腔用製剤として、トローチ剤のような、口腔用成分と賦形剤や結合剤などとの均一混合物からなり、口腔内で舐め溶かして使用するタイプの製剤が知られている。しかし、従来のトローチタイプの口腔用製剤は、有効量の口腔用成分を口腔内に放出させるためには、服用者が意識的に数分から数十分の時間をかけて舐め溶かす必要があり、特に、口腔機能が低下している高齢者に過度の負担を強いるものであった。
特許文献1には、タバコの代用品あるいは禁煙支援製品として利用可能な口腔用製剤として、ニコチンを含むコアがフィルムコーティングによって封入された構成を有し、服用されることで口腔内にニコチンを放出する固体医薬剤形が記載されている。この固体医薬剤形においては、服用後できる限り速やかにニコチンが放出されることが好ましいとされ、その観点からフィルムコーティングについては、服用から30秒未満で溶解又は崩壊することが好ましいとされており、そのような溶解性・崩壊性を有するフィルムコーティング組成として、ヒドロキシプロピルメチルセルロースなどのフィルム形成ポリマー及び可塑剤を含む組成が記載されている。
特許文献2には、フィルム状の口腔用製剤として、各種の口腔用成分と、フィルム形成ポリマーと、崩壊剤と、ポリビニルアルコール又はヒドロキシプロピルメチルセルロースとが均一混合された口内分散性フィルム剤が記載されている。また特許文献2には、この口内分散性フィルム剤の口腔内でのより迅速な崩壊を促進する観点から、該口内分散性フィルム剤に唾液分泌促進薬を含有させてもよい旨が記載されており、該唾液分泌促進薬として、クエン酸、リンゴ酸などの酸性化合物や、グルコース、フルクトースなどの甘味料が例示されている。
特表2015−503581号公報 特表2016−525572号公報
消炎や殺菌などの所定の機能を有する口腔用成分を含有する口腔用製剤を用いた口腔ケアに関し、斯かる口腔ケアをより効果的なものとして口腔内環境を衛生的に保つためには、口腔用製剤の服用から一定時間経過後に口腔用成分の放出が開始され、且つその放出が一定時間持続することが好ましい。この点、特許文献1記載の固体医薬剤形は、服用後速やかに口腔用成分(ニコチン)が放出され、且つその放出時間がなるべく短時間となるように工夫されたものであるため、消炎や殺菌などを目的とした口腔用製剤として利用するのには難がある。また、特許文献2記載の口内分散性フィルム剤も、特許文献1記載の固体医薬剤形と同様に、口腔用成分の放出コントロールの点で改良の余地があり、さらに、該口内分散性フィルム剤はフィルム状であるため、口腔内の粘膜に貼りつきやすく、また、口腔内を唾液の少ない過乾燥の状態にしやすく、服用者に不快感を与えるおそれがある。
従って本発明の課題は、服用者に過度の負担を強いたり不快感を与えたりすることなく、適量の有効成分を口腔内にスムーズに放出することができ、口腔内の健康維持に有用な口腔用製剤を提供することである。
本発明は、口腔用成分とこれを封入するコーティング材とを含んで構成され、該コーティング材が、水溶性セルロース及び唾液分泌促進成分を含有する口腔用製剤である。
本発明によれば、服用者に過度の負担を強いたり不快感を与えたりすることなく、適量の有効成分を口腔内にスムーズに放出することができ、口腔内の健康維持に有用な口腔用製剤が提供される。本発明の口腔用製剤は、有効成分たる口腔用成分が、唾液分泌促進成分を含むコーティング材によって被覆された構成を有しているため、該口腔用製剤を口腔内に保持する間に唾液の分泌が促進され、その結果分泌された多量の唾液が、該コーティング材の溶解ないし崩壊を促進し、また、口腔内が過乾燥の状態になることを防止するため、服用者に過度の負担を強いたり不快感を与えたりすることなく、一定時間経過後に口腔内に適量の口腔用成分を放出することができ、口腔内環境を衛生的に保つことに大いに寄与し得る。
本発明の口腔用製剤は、有効成分である口腔用成分と、該口腔用成分を封入するコーティング材とを含んで構成されている。即ち本発明の口腔用製剤は、口腔用成分が内側に、コーティング材が外側に配されているので、該口腔用成分は、該口腔用製剤の服用直後は口腔内に放出されず、コーティング材の溶解ないし崩壊が経時的に進行するのに伴って徐々に口腔内に放出される。このように、本発明の口腔用製剤は、口腔用成分及びコーティング材の配置の工夫によって口腔用成分の口腔内への放出が適切にコントロールされているため、口腔用成分が口腔内に一定時間保持されやすく、口腔用成分が有する消炎や殺菌などの所定の機能が発揮されやすい。
本発明の口腔用製剤の典型的な構成の1つとして、口腔用成分を含む中心剤が被膜化したコーティング材によって被覆された構成を例示できる。斯かる中心剤の剤型は、少なくともコーティング材で被覆される該中心剤の表層部が、コーティング材を含む塗料(コーティング液)を付与可能で且つ被膜を形成し得る状態(典型的には固体)であればよく、経口用として従来用いられる剤型を適宜適用することができ、例えば、錠剤、カプセル剤、口腔内崩壊剤、チュアブル剤、顆粒剤などを挙げることができ、その製造も従来法により行うことができる。特に中心剤が、口腔内崩壊剤(水無しで服用可能な剤)又はチュアブル剤(口腔内で噛み砕くか又は唾液で溶かして服用する剤)であると、口腔用成分の放出がより一層スムーズになされるため、好ましい。
本発明に係るコーティング材は、水溶性セルロースを含有する。水溶性セルロースは、コーティング材の被膜のベース(コート基材)となるものである。コート基材としては、例えば、アルギン酸ナトリウムやプルランなどの非水溶性成分の使用も考えられるが、非水溶性成分をコート基材として使用すると、被膜の造膜性、膜強度が十分に得られず、口腔用成分の放出が十分にコントロールできないおそれがある。コーティング材にコート基材としての水溶性セルロースが含有されていることで、良好な被膜の造膜性、膜強度が得られ、口腔用成分の放出が適切にコントロールされるようになる。
水溶性セルロースとしては、例えば、アルキルセルロース(例えば、メチルセルロース(MC)、エチルセルロース等)、ヒドロキシアルキルセルロース(例えば、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等)、ヒドロキシアルキルアルキルセルロース(例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシエチルエチルセルロース等)等が挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの水溶性セルロースの中でも特に、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)又はヒドロキシプロピルセルロース(HPC)が好ましく、HPMCとHPCとを併用することがさらに好ましい。HPMCとHPCとを併用する場合、両者の含有質量比は、HPMC/HPCとして、好ましくは1以上、さらに好ましくは5以上である。
本発明の口腔用製剤における水溶性セルロ−スの含有量は、コーティング材固形分の全質量に対して固形分として、好ましくは50〜99質量%、さらに好ましくは60〜95質量%である。水溶性セルロ−スの含有量が少なすぎると、コーティング材の被膜が軟らかくなることで口腔用製剤の製造時の作業性が悪くなるおそれがあり、また、該被膜が薄くなることでコーティング材が溶解ないし崩壊しやすくなって、口腔用成分の口腔内への放出コントロールが適切になされないおそれがある。一方、水溶性セルロースの含有量が多すぎると、コーティング材の溶解ないし崩壊に時間がかかり服用者の負担が増すおそれがあり、また、後述する唾液分泌促進成分の含有量が相対的に少なくなり、唾液分泌促進作用が十分に得られないおそれがある。
本発明に係るコーティング材は、水溶性セルロ−スに加えてさらに、唾液分泌促進成分を含有する。口腔用製剤の表層部を形成するコーティング材に唾液分泌促進成分が含有されていることで、該口腔用製剤を服用したときに唾液分泌が促進されるため、コーティング材を溶解ないし崩壊させるのに十分な量の唾液が速やかに分泌され、その結果、服用者にコーティング材を舐め溶かすための過度の負担を強いたり、口腔内を唾液不足による過乾燥状態にして服用者に不快感を与えたりすることなく、服用者が唾液分泌量の低下した高齢者等であっても、その口腔内に適量の口腔用成分をスムーズに放出することが可能となる。
唾液分泌促進成分としては、植物エキス(例えば、オリーブ葉エキス、グレープフルーツシードエキス、クロモジ抽出物、ブナシメジ抽出物、カンカニクジュヨウ抽出物、発芽ブロッコリー抽出物、ササクレヒトヨタケ抽出物、大黄抽出物、アロエ抽出物、センナ抽出物、豆類抽出物、オランダセンニチ抽出物、カリン果汁、サンショウ抽出物、ルテオリン、コンブエキス、甜茶エキス、柿タンニン抽出物)、生薬(例えば、コウボク、五倍子、人参、陳皮、羅漢果)、無機塩(例えば、リン酸亜鉛、リン酸アスコルビル亜鉛)、有機酸又はその塩(例えば、クエン酸、クエン酸三ナトリウム)、ムコ多糖類又はその塩(例えば、ヒアルロン酸、ヒアルロン酸ナトリウム)、タンパク質又はその酵素分解物(例えば、ソーマチン、サルミン酵素分解物)、ペプチド、アミノ酸類又はその誘導体又はその塩(例えば、テアニン、ポリグルタミン酸ナトリウム)、菌体又はその培養液又はその抽出物(例えば、乳酸菌、乳酸菌培養液、ナメコ菌糸体抽出物)抗菌剤、核酸、香料等が挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの唾液分泌促進成分の中でも特に、オランダセンニチ抽出物、カリン果汁、サンショウ抽出物、ソーマチン、テアニン、ポリグルタミン酸ナトリウム、ルテオリン、サルミン酵素分解物、コンブエキス、人参、陳皮、羅漢果、クエン酸又はその塩が好ましい。
本発明の口腔用製剤における唾液分泌促進成分の含有量は、コーティング材固形分の全質量に対して固形分として、好ましくは1〜25質量%、さらに好ましくは5〜15質量%である。唾液分泌促進成分の含有量が少なすぎると、唾液分泌促進成分を使用する意義に乏しく、逆に多すぎると、相対的に水溶性セルロースの含有量が少なくなる結果、コーティング材の被膜が軟らかくなりすぎるか又は硬くなりすぎる状態となり、口腔用成分の口腔内への放出コントロールに悪影響を及ぼすおそれがある。
また、本発明に係るコーティング材における水溶性セルロースと唾液分泌促進成分との固形分換算による含有質量比は、水溶性セルロース/唾液分泌促進成分として、好ましくは2〜15、さらに好ましくは5〜10である。
本発明に係るコーティング材は、水溶性セルロ−ス及び唾液分泌促進成分に加えてさらに、可塑剤を含有していてもよい。コーティング材に可塑剤が含有されていることで、コーティング材の被膜即ち口腔用製剤の表層部の強度が一層向上し、口腔用成分の口腔内への放出コントロールが一層適切になされるようになる。可塑剤としては、食品分野あるいは医薬品分野で通常用いられているものを特に制限なく用いることができ、例えば、グリセリン、ソルビトール、マルチトール等の多価アルコールの他、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、有機酸モノグリセリド、ジグリセリン、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、レシチン、ソルビタン脂肪酸エステル、中鎖脂肪酸トリグリセライド、ショ糖エステル等が挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの可塑剤の中でも特に、多価アルコールが好ましい。
本発明の口腔用製剤における可塑剤の含有量は、コーティング材固形分の全質量に対して固形分として、好ましくは1.5〜35質量%、さらに好ましくは7.5〜25質量%以下である。
また、本発明に係るコーティング材における水溶性セルロースと可塑剤との固形分換算による含有質量比は、水溶性セルロース/可塑剤として、好ましくは50以下、さらに好ましくは10以下である。
本発明に係るコーティング材は、前記成分(水溶性セルロ−ス、唾液分泌促進成分、可塑剤)以外の他の成分を含有していてもよい。この他の成分として、甘味料を例示できる。コーティング材に甘味料が含有されていることによって調味がなされていることで、口腔用製剤の服用の負担軽減などの効果が期待できる。甘味料としては、食品分野あるいは医薬品分野で通常用いられているものを特に制限なく用いることができ、例えば、エリスリトール、キシリトール、スクラロース等が挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明の口腔用製剤における甘味料の含有量は、コーティング材固形分の全質量に対して固形分として、好ましくは25質量%以下、さらに好ましくは15質量%以下である。
また、本発明に係るコーティング材における水溶性セルロースと甘味料との固形分換算による含有質量比は、水溶性セルロース/甘味料として、好ましくは50以下、さらに好ましくは10以下である。
本発明の口腔用製剤は、典型的には、口腔用成分を含む中心剤に、コーティング材を含む塗料(コーティング液)を塗布あるいは噴霧などの方法によって付与することで製造される。より具体的には例えば、流動層造粒コーティング装置(フローコーター、フロイント産業株式会社製)、遠心転動造粒コーティング装置(CFグラニュレーター、グラニュレックス、フロイント産業株式会社製)、複合型造粒コーティング装置(スパイラフロー、フロイント産業株式会社製)、糖衣フィルムコーティング装置(ハイコーター、アクアコーター:フロイント産業株式会社製)、通気式コーティング装置(パウレックコーター:株式会社パウレック社製)などの各種コーティング装置を用いて、中心剤を当該装置内で流動させ、乾燥空気を給気させつつ、スプレーなどのコーティング液付与手段を用いて中心剤の表面にコーティング液を噴霧することで、中心剤の表面にコーティング材の被膜が形成され、中心剤(口腔用成分)がコーティング材で封入された本発明の口腔用製剤が得られる。また、このようなコーティング液を中心剤に付与する方法に代えて、予めフィルム状に成形されたコーティング材で中心剤を被覆する方法によっても、本発明の口腔用製剤が得られる。
前記コーティング液は、本発明に係るコーティング材(コーティング材の構成成分)を溶媒に溶解させて調製される。コーティング液におけるコーティング材固形分の含有量は、口腔用製剤の製造効率の向上等の観点から、該コーティング液の全質量に対して、好ましくは1〜50質量%、さらに好ましくは5〜20質量%である。
前記コーティング液に含まれる溶媒としては、本発明に係るコーティング材に含まれる水溶性セルロースを溶解させ得る溶媒が好ましく、例えば、水、エタノール等のアルコールが挙げられる。コーティング液にエタノール等のアルコールが含有されていると、コーティング液の揮発性が高まり、これを中心剤に付与した後の溶媒乾燥、コーティング材の被膜化が促進されるため好ましい。その場合、コーティング液におけるアルコール(エタノール)の含有量は、該コーティング液の全質量に対して、好ましくは5〜50質量%である。
本発明の口腔用製剤の全質量に占めるコーティング材固形分の質量の割合は、特に制限されず、口腔用成分の口腔内への放出タイミングが適切になるように適宜調整すればよいが、好ましくは0.2〜10質量%、さらに好ましくは0.3〜5質量%、より好ましくは1〜4質量%である。
本発明の口腔用製剤に含まれる口腔用成分の大部分は、その機能を口腔内で十分に発揮させる観点から、口腔内に一定時間滞留させることが好ましい。斯かる点を考慮すると、本発明の口腔用製剤の服用直後から口腔用成分が完全に口腔内へ放出されるまでの時間(口腔用成分放出時間)は、ゼロではなく、ある程度のまとまった時間であることが好ましく、具体的には、好ましくは1分以上、さらに好ましくは3〜10分、より好ましくは4〜7分である。前記口腔用成分放出時間は、崩壊試験によって測定される。崩壊試験としては、日本薬局方に記載の崩壊試験方法やトリコープテスターを用いた口腔内崩壊性の試験方法などを活用できる。前記口腔用成分放出時間は、コーティング材の種類、量を適宜調整することで調整可能である。
以下に製造例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は以下の製造例に限定されるものではない。
〔製造例1〜30及び比較製造例1〜2〕
コーティング材の構成成分として下記表1〜3に示す成分を含有するコーティング液を調製した。尚、下記表1〜3中の「PGA」は、ポリグルタミン酸ナトリウムを意味する。そして、フィルムコーティング装置ハイコーターミニ型(フロイント産業株式会社製)を用い、調製したコーティング液を模擬中心剤の表面に付与してコーティング材の被膜を形成し、口腔用製剤を製造した。コーティング液の付与量は、口腔用製剤の全質量に占めるコーティング材固形分の質量の割合が4質量%となるように調整した。模擬中心剤として、打錠機RTM−S36−DC(株式会社菊水製作所製)を用いて常法に従って製造した、1錠300mgの錠剤を用いた。
また、比較製造例1及び2として、模擬中心剤のみ即ちコーティング材無しの口腔用製剤を製造した。比較製造例1の口腔用製剤は、各製造例における模擬中心剤と同じ組成であるのに対し、比較製造例2の口腔用製剤は、各製造例で使用した模擬中心剤原料に、HPMCとPGAとが製造例1と同比率で含有されたものである。
〔試験例1(製造例1〜30のみ)〕
製造例1〜30の口腔用製剤の製造に使用した各コーティング液をトレーに流し入れ、室温で18時間乾燥させて、キャスティングフィルム(フィルム状のコーティング材)を作製した。このフィルム作製時の造膜性及び作製したフィルムの膜強度をそれぞれ下記評価基準により評価した。
また、製造例1〜30の口腔用製剤の製造において、コーティング液を模擬中心剤の表面に付与した際のコーティング性を下記評価基準により評価した。
また、製造例1〜30の口腔用製剤について、日本薬局方の崩壊試験装置を用いて崩壊性を試験し、下記評価基準により評価した。
以上の各評価のうちフィルムの造膜性及び膜強度、並びに口腔用製剤の崩壊性は、各製造例につき10個のサンプルを用意してそれぞれのサンプルについて行い、それら10個のサンプルの評価点の平均値を当該製造例の評価とした。また、口腔用製剤のコーティング性は、各製剤について10回ずつコーティング処理を行って評価し、10回の平均値を当該製造例の評価とした。結果を下記表1〜3に示す。
<造膜性の評価基準>
5点:非常に均一で滑らかな膜が形成される。
4点:均一で滑らかな膜が形成される。
3点:表面にムラのある膜が形成される。
2点:表面がざらざらの膜が形成される。
1点:膜がほとんど形成されない。
<膜強度の評価基準>
5点:折り曲げたり引っ張ったりしても容易に割れず、柔軟で弾力性が非常に高い。
4点:折り曲げたり引っ張ったりしても容易に割れず、弾力性がある。
3点:折り曲げたり引っ張ったりしても容易に割れないが、弾力性は高くない。
2点:引っ張っても割れないが、弾力性が低く、折り曲げると容易に割れる。
1点:折り曲げたり引っ張ったりすると容易に割れる。
<コーティング性の評価基準>
5点:コーティング液の乾燥状態が非常に良く、コーティング液(未乾燥のコーティング材)を介してなされる模擬中心剤同士のくっつきが全くない。
4点:コーティング液の乾燥状態が良く、コーティング液(未乾燥のコーティング材)を介してなされる模擬中心剤同士のくっつきがほとんどない。
3点:コーティング液の乾燥状態は普通で、コーティング液(未乾燥のコーティング材)を介してなされる模擬中心剤同士のくっつきが少ない。
2点:コーティング液の乾燥状態が悪く、コーティング液(未乾燥のコーティング材)を介してなされる模擬中心剤同士のくっつきがやや多い。
1点:コーティング液の乾燥状態が非常に悪く、コーティング液(未乾燥のコーティング材)を介してなされる模擬中心剤同士のくっつきが非常に多い。
<崩壊性の評価基準>
5点:7分以内に完全に崩壊する。
4点:7分以内にほとんど崩壊する。
3点:7分以内に一部崩壊する。
2点:7分以内にわずかに崩壊する。
1点:7分以内では全く崩壊しない。
〔試験例2〕
製造例1〜30及び比較製造例1〜2の口腔用製剤の服用感を評価した。具体的には、10名のパネラーに評価対象の口腔用製剤を服用してもらい、その際、舌の上で口腔用製剤を10秒程度転がしてもらった上で唾液の分泌程度を下記評価基準により評価してもらった。10名のパネラーの評価点(5点満点)の平均を下記表1〜3に示す。
<服用感の評価基準>
5点:服用後、非常に速やかに唾液分泌促進作用が認められる。
4点:服用後、速やかに唾液分泌促進作用が認められる。
3点:服用後、徐々に唾液分泌促進作用が認められる。
2点:服用後、一定時間後に唾液分泌促進作用が認められる。
1点:服用後、唾液分泌促進作用がほとんど認められない。
Figure 2018111668
表1において、各製造例と比較製造例2との対比から、比較製造例2のように、コーティング材の無い素錠の形態で唾液分泌促進成分を用いても服用感の向上効果に乏しく、唾液分泌を促進させて服用感の向上を図るためには、各製造例のように、口腔用成分とこれを封入するコーティング材とを有する層構造とし、且つ該コーティング材に唾液分泌促進成分を含有させることが有効であることがわかる。
また表1において、製造例1〜4と製造例5,6との対比から、コーティング材のコート基材としては、アルギン酸ナトリウム、プルランのような増粘多糖類よりも、HPMC、HPC、MCのような水溶性セルロースの方が好ましく、さらに、製造例1,3,4どうしの対比から、水溶性セルロースの中でも特にHPMCが好ましいことがわかる。
また、表1において最も高評価であったのは、水溶性セルロースとしてHPMCとHPCとを併用した製造例7〜9であった。一方、製造例10は、HPMCとHPCとを併用しているものの、製造例7〜9に比してやや低評価となった。このことから、HPMCとHPCとの含有質量比は、HPMC/HPCとして、製造例7〜9のように1以上が好ましいことがわかる。
Figure 2018111668
表2から、コーティング材における水溶性セルロース(HPMC)の含有量は、製造例12〜18のように、固形分として50〜99質量%が好ましいことがわかる。
また表2から、コーティング材における唾液分泌促進成分(PGA)の含有量は、製造例14〜18のように、固形分として1〜25質量%が好ましいことがわかる。
また表2から、コーティング材における水溶性セルロース(HPMC)と唾液分泌促進成分(PGA)との固形分換算による含有質量比は、水溶性セルロース/唾液分泌促進成分として、製造例14〜16のように、3〜9程度(1.7を超えて19未満の範囲)が好ましいことがわかる。
Figure 2018111668
表3において、製造例20〜26と表1の製造例1との対比あるいは製造例29と製造例30との対比から、コーティング材に可塑剤を含有させることで、膜強度が一層向上し得ることがわかる。
また表3において、製造例22〜25どうしの対比から、コーティング材における水溶性セルロース(HPMC)と可塑剤(グリセリン)との含有質量比は、水溶性セルロース/可塑剤として、製造例23〜25のように、10以下が特に好ましいことがわかる。
また表3において、製造例27〜29と表1の製造例1との対比から、コーティング液にエタノールが含有されている、即ちコーティング材をエタノール含有溶媒で製造すると、造膜性が一層向上し得ることが分かる。

Claims (5)

  1. 口腔用成分とこれを封入するコーティング材とを含んで構成され、該コーティング材が、水溶性セルロース及び唾液分泌促進成分を含有する口腔用製剤。
  2. 前記水溶性セルロースが、ヒドロキシプロピルメチルセルロース及びヒドロキシメチルセルロースからなる群から選択される1種以上である請求項1に記載の口腔用製剤。
  3. 前記コーティング材における前記水溶性セルロースの含有量が50〜99質量%である請求項1又は2に記載の口腔用製剤。
  4. 前記コーティング材がさらに可塑剤を含有する請求項1〜3のいずれか1項に記載の口腔用製剤。
  5. 前記唾液分泌促進成分が、オランダセンニチ抽出物、カリン果汁、サンショウ抽出物、ソーマチン、テアニン、ポリグルタミン酸ナトリウム、ルテオリン、サルミン酵素分解物、コンブエキス、人参、陳皮、羅漢果、クエン酸及びクエン酸の塩からなる群から選択される1種以上である請求項1〜4のいずれか1項に記載の口腔用製剤。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2019123707A (ja) * 2018-01-11 2019-07-25 沢井製薬株式会社 フィルムコーティングされた口腔内崩壊錠
JP2024174806A (ja) * 2023-04-14 2024-12-17 延辺大学 オタネニンジン抽出物のフィルム剤の製造における使用、オタネニンジン口腔フィルム剤およびその製造方法と使用

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