以下、この発明の一実施の形態を図面を参照しながら説明する。
図1は、この発明の第1の実施の形態に係るウェットエッチング装置を示す概略図、図2は、同ウェットエッチング装置におけるコロイダルシリカの添加量とSiO2エッチングレートとの関係を示す図、図3は、同ウェットエッチング装置におけるコロイダルシリカの添加量とSiN及びSiO2とのエッチングレート選択比との関係を示す図である。
なお、図1中、Wは、ウェットエッチング処理の対象となる半導体ウェーハ等の基板を示しており、その表面には、エッチング対象膜の窒化膜(例えば、SiN膜)と、エッチングストップ膜の酸化膜(例えば、SiO2膜)とが積層されている。
図1に示すように、ウェットエッチング装置10は、リン酸水溶液を貯留する貯留部20と、シリカ添加剤を貯留する添加剤貯留部30と、基板をウェットエッチング処理する処理部40と、これら各部間を接続する循環部50と、これら各部を連携制御する制御部100とを備えている。
貯留部20は、所定のシリカ濃度のリン酸水溶液を貯留するタンク21と、このタンク21に設けられ、内部のリン酸水溶液のシリカ濃度を検出する濃度検出部22と、タンク21内のリン酸水溶液の温度を検出する温度検出部23とを備えている。タンク21は、リン酸水溶液を貯留する上部開放のタンクであリ、新液供給配管33を介して新液供給部32と接続される。新液供給部32からは、新液供給配管33に設けられた開閉弁34を介して新液のリン酸水溶液がタンク21に供給されるようになっている。このタンク21は例えば、フッ素系の樹脂又は石英などの材料により形成されている。濃度検出部22、温度検出部23は制御部100に接続されており、検出したシリカ濃度、リン酸水溶液の温度をそれぞれ制御部100に出力する。なお、タンク21には、後述する循環配管51、回収配管53、添加剤配管54が接続されている。
添加剤貯留部30は、添加剤を収容する添加剤タンク31を備えている。添加剤タンク31には、添加剤配管54が接続されている。添加剤は例えば、研磨剤等で使用されている液体のコロイダルシリカが用いられる。
処理部40は、所定のシリカ濃度のリン酸水溶液を用いて、半導体基板などの基板Wの表面上の窒化膜を酸化膜に対して選択的にエッチングして除去する機能を有している。この処理部40は、基板Wを回転させる回転機構41と、その回転機構41により回転する基板W上に所定のシリカ濃度のリン酸水溶液を供給する、ノズル42とを備えている。このノズル42は吐出配管52の一端部であり、そのノズル42から、所定のシリカ濃度のリン酸水溶液が処理液として吐出されることになる。すなわち、処理部40は、回転する基板Wの表面に向けて、所定のシリカ濃度のリン酸水溶液を、ノズル42から処理液として供給することによって、基板Wの表面上の窒化膜を選択的に除去する。なお、アーム体(不図示)にノズル42を搭載し、基板Wの上方を基板表面に沿って揺動させて処理するようにしてもよい。
循環部50は、タンク21につながる循環配管51と、その循環配管51につながり所定のシリカ濃度のリン酸水溶液を吐出する吐出配管52と、処理後のリン酸水溶液をタンク21に戻す回収配管(回収部)53と、添加剤タンク31からタンク21につながる添加剤配管54とを備えている。
循環配管51の途中には、循環駆動源となるポンプ51aと、循環配管51を流れるリン酸水溶液を加熱するヒータ51bと、循環配管51を流れるリン酸水溶液から異物を除去するフィルタ51cと、循環配管51を開閉する開閉弁51dとが設けられている。
ポンプ51aは制御部100に電気的に接続されており、その制御部100による制御に応じて、タンク21内のリン酸水溶液を循環配管51に流す。また、ヒータ51bは制御部100に電気的に接続されており、その制御部100による制御に応じて、循環配管51を流れるリン酸水溶液を加熱する。開閉弁51dは制御部100に電気的に接続されており、その制御部100による制御に応じて開閉する。なお、本実施の形態において、開閉弁51dは、通常時には常時、開状態とされる。
吐出配管52は、循環配管51におけるフィルタ51cと開閉弁51dとの間に接続され、所定のシリカ濃度のリン酸水溶液を吐出する配管であり、その吐出側の先端部が基板Wの表面に向けて設けられている。この吐出配管52の途中には、吐出配管52を開閉する開閉弁52aが設けられている。この開閉弁52aは制御部100に電気的に接続されており、その制御部100による制御に応じて開閉する。制御部100は、吐出開始の指示を受けると、濃度検出部22により検出される、タンク21内のリン酸水溶液のシリカ濃度が、予め制御部100に設定された所定の濃度に達していること、つまり予め設定した所定の濃度であること、かつ、予め制御部100に設定された所定のリン酸水溶液温度であることを条件に、吐出配管52途中の開閉弁52aを開状態にし、循環配管51から吐出配管52に所定のシリカ濃度のリン酸水溶液を流す。
回収配管53は、処理部40とタンク21とを接続するように設けられている。この回収配管53の途中には、駆動源となるポンプ53aと、回収配管53を開閉する開閉弁53bが設けられている。ポンプ53aは制御部100に電気的に接続されており、その制御部100による制御に応じて、処理部40内の使用後の処理液を回収配管53に流す。本実施の形態において、ポンプ53aは、通常時には常時運転状態とされる。開閉弁53bは制御部100に電気的に接続されており、その制御部100による制御に応じて開閉する。また、回収配管53途中の開閉弁53bより上流側には、処理液排出用の排出配管53cが接続されている。この排出配管53cの途中にも、その排出配管53cを開閉する開閉弁53dが設けられている。開閉弁53dは制御部100に電気的に接続されており、その制御部100による制御に応じて開閉する。処理部40と開閉弁53bとの間の回収配管53内には、濃度センサ53eが設けられており、この濃度センサ53eによって回収配管53内のシリカ濃度が検出され、その出力が制御部100に入力される。
添加剤配管54は、添加剤タンク31とタンク21を接続し、その添加剤配管54の途中には、添加剤供給部を構成する供給駆動源となるポンプ54aが設けられている。このポンプ54aは制御部100に電気的に接続されており、その制御部100による制御に応じて、添加剤タンク31内のコロイドシリカを添加剤配管54に流す。
制御部100は、各部を集中的に制御するマイクロコンピュータ、さらに、ウェットエッチングに関する各種処理情報や各種プログラムなどを記憶する記憶部を備えている。制御部100は、濃度検出部22で検出されたリン酸水溶液のシリカ濃度が、予め制御部100に設定された所定値より低い場合に、先に述べた各種処理情報や各種プログラムに基づいて、添加剤タンク31からタンク21へシリカ添加剤を供給することで、所定のシリカ濃度を有するリン酸水溶液とする。つまり、制御部100は、添加剤供給部としての機能を備えている。
このように構成されたウェットエッチング装置10では、制御部100の制御によって、次のようにしてウェットエッチング処理を行う。すなわち、新液供給部32よりタンク21内に所定量のリン酸水溶液を供給して収容する。また、開閉弁51dは開状態が維持されるが、開閉弁52aは閉じる。次に、ポンプ51a、ヒータ51bを起動する。ポンプ51aの起動により、タンク21内のリン酸水溶液は循環配管51内を循環する。循環配管51内を循環するリン酸水溶液は、フィルタ51cにより、リン酸水溶液中の異物が除去されるとともに、ヒータ51bにより加熱される。タンク21内のリン酸水溶液の温度は、温度検出部23により検出され、タンク21内のリン酸水溶液のシリカ濃度は、濃度検出部22により検出される。
制御部100は、温度検出部23からの出力に基づき、リン酸水溶液を予め設定した所定の温度(160〜170℃)になるように、またその温度に維持されるように、ヒータ51bを制御する。
また制御部100は、濃度検出部22が検知したタンク21内のリン酸水溶液のシリカ濃度が、予め制御部100に設定された所定の濃度より低い場合は、ポンプ54aを起動し、添加剤タンク31からコロイドシリカを添加剤としてタンク21に導入し、タンク21内のリン酸水溶液が所定のシリカ濃度となるまで添加を行う。なお、タンク21に導入されたコロイドシリカは、タンク21内のリン酸水溶液とともに循環配管51内を循環するので、リン酸水溶液に対して均一に混合される。
このシリカ濃度の検出は、タンク21内にリン酸水溶液が供給された以降、継続的に行われる。また、リン酸水溶液は、所定温度に維持される。なお、タンク21の収容量に対して、コロイダルシリカの添加量が微少の場合、コロイダルシリカを添加したことによるリン酸水溶液の温度低下は考慮しなくても良い。
次に、処理対象となる基板Wを処理部40内に配置され、処理部100がリン酸水溶液の吐出開始の指示を受けると、制御部100は、濃度検出部22により検出されるタンク21内のリン酸水溶液のシリカ濃度が予め設定した所定の濃度であり、かつ、所定のリン酸水溶液温度であることを条件に、開閉弁51dは開いたままで(常時循環)、開閉弁52aを開く。これにより、タンク21内のリン酸水溶液が、ノズル42から基板W上に処理液が吹きかけられ、ウェットエッチング処理が行われる。
処理液が吹きかけられた基板Wでは、窒化膜と酸化膜とが処理される。この時、基板に吹きかけられる処理液は、所定のシリカ濃度のリン酸水溶液であるため、所望の大きさの選択比でエッチングが進行し、微細な半導体デバイスであっても、エッチングストップ膜が無くなることがなく、デバイス製造に支障をきたすことがない。図2は、コロイダルシリカの添加量と、SiO2エッチングレートとの関係を示している。図3は、コロイダルシリカの添加量と、SiN及びSiO2とのエッチングレート選択比との関係を示している。
基板Wの表面から処理部40の底面に流れた処理液は、その底面に接続された回収配管53を流れてポンプ53aの駆動によりタンク21に回収される。このとき、開閉弁53bは開状態であり、開閉弁53dが閉状態である。但し、基板W上の窒化膜がエッチングされて、濃度センサ53eにより検出されたシリカ濃度が、予め制御部100に設定された所定の範囲を超えると、処理液はタンク21に回収されずに排出配管53cから排出される。このとき、開閉弁53bは閉状態であり、開閉弁53dが開状態である。なお、回収配管53途中にヒータを設け、回収配管53を経由してタンク21に回収される処理液を加熱するようにしても良い。
1枚の基板Wに対するエッチング処理が終了すると、制御部100は、開閉弁52aを閉じ、そして処理部40内の基板Wが新たな基板Wと交換されると、再度開閉弁52aを開き、この新たな基板Wに対して上述したエッチング処理が行われる。
ところで、基板Wに対するエッチング処理回数が進むにつれて、タンク21内のリン酸水溶液が消耗される。そこで、図1に示すように、タンク21に液面計24を設け、次のように動作制御するようにすると好ましい。
液面計24は制御部100に接続され、タンク21内のリン酸水溶液の液面を検出して制御部100に出力する。制御部100では、タンク21内のリン酸溶液の液面高さが、制御部100に予め設定した所定の高さより低くなったことを液面計24が検出すると、開閉弁52aを閉じる。なお、タンク21内のリン酸溶液の液面高さが、制御部100に予め設定した所定の高さより低くなったことを基板Wに対するエッチング処理中に検出された場合には、その基板Wへのエッチング処理が終了した時点で、開閉弁52aを閉じるようにする。これにより、その基板Wに対しても、均一なエッチング処理が行える。
さて、次に制御部100は、タンク21内のリン酸溶液の液面高さが、制御部100に予め設定した所定の高さになるまで新液供給部32からリン酸水溶液をタンク21に供給する。このとき、ポンプ51aは起動されているため、タンク21内のリン酸水溶液は、循環配管51内を循環する。さらに、前述したと同様に、制御部100は、ヒータ51bによって、タンク21内のリン酸水溶液の温度が所定の温度となるように制御する。また、タンク21へ新液のリン酸水溶液が供給されると、タンク21内のシリカ濃度が低下する。そこで、制御部100は、濃度検出器22から得られたシリカ濃度が、制御部100に予め設定した所定濃度から低下したことを検知(判断)すると、ポンプ54aの駆動によって、添加剤タンク31からコロイドシリカをタンク21に導入して、タンク21内のシリカ濃度が所定の濃度となるように制御する。
このように、新液供給部32よりタンク21内に新たなリン酸水溶液が供給されると、制御部100は、濃度検出部22により検出されるタンク21内のリン酸水溶液のシリカ濃度が予め設定した所定の濃度であること、そして、所定のリン酸水溶液温度であることを条件に基板Wへの処理を許可する。つまり、リン酸水溶液の吐出開始の指示に対して、開閉弁52aを開く。これにより、タンク21内のリン酸水溶液が、ノズル42から新たな基板W上に処理液が吹きかけられ、ウェットエッチング処理が行われる。
一方、処理部40から回収配管53を介してタンク21に回収されるリン酸溶液によって、タンク21内のリン酸水溶液の濃度が、制御部100に予め設定した所定濃度より低下することがある。この場合、制御部100は、濃度検出部22がこの濃度の低下を検出した場合に開閉弁52aを閉じる。なお、制御部100は、タンク21内のリン酸溶液のシリカ濃度が低下したことを、基板Wに対するエッチング処理中に検出した場合、その基板Wへのエッチング処理が終了した時点で、開閉弁52aを閉じるようにする。これにより、その基板Wに対しても、均一なエッチング処理が行える。
そして、次に制御部100は、ポンプ54aを起動し、添加剤タンク31からコロイドシリカを添加剤としてタンク21に導入し、タンク21内のリン酸水溶液が所定のシリカ濃度となるまで添加を行う。タンク21に導入されたコロイドシリカは、タンク21内のリン酸水溶液とともに循環配管51内を循環するので、リン酸水溶液に対して均一に混合され、リン酸水溶液の温度も所定の温度となるように制御される。
このように、基板処理中に、タンク21内におけるリン酸水溶液のシリカ濃度低下が検出された場合には、新液供給部32よりタンク21内に新たなリン酸水溶液を供給したときと同様に、制御部100は、タンク21内のリン酸水溶液のシリカ濃度が所定の濃度であること、そして、所定のリン酸水溶液温度であることを条件に基板Wへの処理を許可する。つまり、リン酸水溶液の吐出開始の指示に対して、開閉弁52aを開く。これにより、タンク21内のリン酸水溶液が、ノズル42から新たな基板W上に処理液が吹きかけられ、ウェットエッチング処理が行われる。
以上説明したように、本実施形態によれば、タンク21内のリン酸水溶液のシリカの濃度を適切な値に調整することができるので、リン酸水溶液におけるシリカの適切な濃度管理がしやすくなる。
また、リン酸水溶液におけるシリカの適切な濃度管理が行なわれることにより、シリカ濃度が設定値よりも上昇してしまうことを抑えることができ、シリカの固形物が半導体デバイスに付着することを防止できると共に、シリカ濃度が設定値よりも低くなることを抑えることができ、所定のエッチングの選択比が得られなくなることを防ぐことができる。つまり、リン酸水溶液におけるシリカ濃度の調整により、窒化膜と酸化膜とのエッチングレート選択比を所望の範囲内に制御することで、安定したエッチング処理が行える。このため、十分な選択比を得ることが可能となり、半導体装置の製造に支障をきたして製品品質が低下することを防止し、製品品質を向上させることができる。
さらに、コロイダルシリカはアルコールを用いない薬液であるため安全性が高く、しかも溶解しやすいから、この点からもリン酸水溶液におけるシリカの濃度管理を行いやすい。
上述した実施形態においては、基板Wを一枚ごとに処理する枚葉式処理方法を用いているが、これに限るものではなく、例えば、処理槽に複数枚の基板Wを同時に浸漬して処理するバッチ式処理方法を用いるようにしても良い。また、シリカとして、コロイダルシリカ以外にも、リン酸水溶液に溶けるシリカであれば、コロイダルシリカ以外のシリカでも良い。また、新しいリン酸水溶液の供給管にシリカ供給管を接続してもよい。
図4は、この発明の第2の実施の形態に係るウェットエッチング装置10Aを示す概略図である。図4において図1と同一機能部分には同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。
図4に示すように、ウェットエッチング装置10Aは、リン酸水溶液を貯留する貯留部20Aと、シリカ添加剤を貯留する添加剤貯留部30と、基板をウェットエッチング処理する処理部40と、これら各部間を接続する循環部50と、これら各部を連携制御する制御部100Aとを備えている。
貯留部20Aは、所定のシリカ濃度のリン酸水溶液を貯留するタンク21と、このタンク21に設けられ、内部のリン酸水溶液のシリカ濃度を検出する濃度検出部22と、タンク21内のリン酸水溶液の温度を検出する温度検出部23と、液面計24と、サブタンク25とを備えている。タンク21は、リン酸水溶液を貯留する上部開放のタンクであリ、タンク配管26を介してサブタンク25と接続される。サブタンク25からは、開閉弁27を介して、コロイダルシリカとの混合処理が済んだリン酸水溶液が供給される。
サブタンク25には、開閉弁34を介して新液供給部32に接続された新液供給配管33、回収配管53、添加剤配管54が上流側に接続され、さらにタンク配管26を介してタンク21が下流側に接続されている。サブタンク25には、濃度検出部28、温度検出部23a、液面計24aがそれぞれ設けられていて、各検出部の出力は、制御部100Aに送られるようになっている。濃度検出部28、温度検出部23a、液面計24aの各機能は、濃度検出部22、温度検出部23、液面計24の各機能と同様である。
さらにサブタンク25には、タンク21に設けられる循環配管51に相当する循環配管55が設けられる。この循環配管55の途中には、循環駆動源となるポンプ55aと、循環配管55を流れるリン酸水溶液を加熱するヒータ55bと、循環配管55を流れるリン酸水溶液から異物を除去するフィルタ55cと、循環配管55を開閉する開閉弁55dとが設けられる。ポンプ55a、ヒータ55b、開閉弁55dは、それぞれ制御部100Aに電気的に接続されている。ポンプ55a、ヒータ55b、フィルタ55cは、ポンプ51a、ヒータ51b、フィルタ51cにそれぞれ相当するので詳細な説明は省略するが、サブタンク25に貯留されるリン酸水溶液を循環配管55に流すことによって、リン酸水溶液を加熱する。本実施の形態において、ポンプ55aは、通常時には常時運転状態とされ、開閉弁55dは、通常時には常時、開状態とされる。
新液供給配管33の開閉弁34は制御部100Aに電気的に接続されており、その制御部100Aによる制御に応じて開閉する。
制御部100Aは、各部を集中的に制御するマイクロコンピュータ、さらに、ウェットエッチングに関する各種処理情報や各種プログラムなどを記憶する記憶部を備えている。制御部100Aは、濃度検出部28で検出されたリン酸水溶液のシリカ濃度が、予め制御部100Aに設定された所定値より低い場合に、先に述べた各種処理情報や各種プログラムに基づいて、添加剤タンク31からサブタンク25へシリカ添加剤を供給する添加剤供給部としての機能を備えている。
このように構成されたウェットエッチング装置10Aでは、制御部100Aの制御によって、次のようにしてウェットエッチング処理を行う。すなわち、開閉弁27を閉じた状態で、新液供給部32よりサブタンク25内に所定量のリン酸水溶液を供給して収容する。サブタンク25に供給されたリン酸水溶液に対しては、上述したウェットエッチング装置10における、タンク21内のリン酸水溶液に対して行なわれる処理と同等な処理が行なわれ、予め制御部100Aに設定された、所定のシリカ濃度を有し、所定温度を有するリン酸水溶液が、サブタンク25内に生成される。
なお、基板Wの表面から処理部40の底面に流れた処理液は、その底面に接続された回収配管53を流れてポンプ53aの駆動によりサブタンク25に回収されるようになっている。この回収されたリン酸水溶液がサブタンク25に導入されることによって、サブタンク25内のシリカ濃度が所定値以下となった場合に、所定濃度となるように是正される点は上述と同様である。
処理に先立つ準備段階当初は、タンク21内は空状態である。このため、上述のようにてサブタンク25にて生成されたリン酸水溶液は、開閉弁27が開状態となることでそのほとんどが、タンク21に供給される。このとき、サブタンク25内のリン酸水溶液のシリカ濃度が、予め制御部100Aに設定された所定濃度であり、かつ所定の温度になっていることを、タンク21に対するリン酸水溶液の供給条件としても良い。
タンク21に供給された、所定のシリカ濃度を有するリン酸水溶液は、循環配管51を循環しながら、所定温度となるように、そしてその温度に維持されるように温度制御される。制御部100Aは、吐出開始の指示を受けると、濃度検出部22により検出される、タンク21内のリン酸水溶液のシリカ濃度が、予め制御部100Aに設定された所定の濃度であること、かつ、予め制御部100Aに設定された所定のリン酸水溶液温度であることを条件に、開閉弁52aを開状態にし、循環配管51から吐出配管52に所定のシリカ濃度のリン酸水溶液を流す。
この実施の形態において、所定濃度のリン酸水溶液がサブタンク25からタンク21に供給されると、開閉弁27は閉じる。そして、サブタンク25内では、所定濃度のリン酸水溶液の生成が行なわれる。生成の詳細は既に述べたとおりである。
一方、基板Wに対するエッチング処理回数が進むにつれて、タンク21内のリン酸水溶液が消耗されたことが液面計24によって検出されると、制御部100Aは開閉弁27を開状態とし、消耗分を補う量のリン酸水溶液を、サブタンク25からタンク21に供給する。補われるリン酸水溶液は、サブタンク25内にて既に所定のシリカ濃度となっていて、タンク21に残存するリン酸水溶液と、サブタンク25から今回新たに供給されたリン酸水溶液とは、循環配管51を循環する間に十分に混合される。そして、制御部100Aは、吐出開始の指示を受けると、開閉弁52aが開状態となり、ノズル42からは、シリカ濃度が所定濃度に制御され、しかも所定温度に加熱されたリン酸水溶液が基板Wに供給される。
以上説明したように、本実施形態によれば、上述したウェットエッチング装置10と同様に、基板Wに供給されるリン酸水溶液中シリカの濃度を適切な値に調整することができるので、リン酸水溶液におけるシリカの適切な濃度管理がしやすくなる。また、リン酸水溶液とコロイダルシリカとを混合するためのサブタンク25を設けたことで、リン酸水溶液を用いた基板の処理時間を利用して、次に使用されるリン酸水溶液の生成を行なうことが可能となる。このため、リン酸水溶液の補充時間が短縮され、処理効率を向上させることができる。
なお、上記した各実施の形態において、基板に対するリン酸水溶液の供給条件を、リン酸水溶液中のシリカ濃度と、リン酸水溶液の温度としたが、シリカ濃度だけを条件としても良い。
また、第2の実施の形態で、サブタンク25からタンク21へのリン酸水溶液の補充条件として、リン酸水溶液中のシリカ濃度と、リン酸水溶液の温度としたが、シリカ濃度だけを条件としても良い。サブタンクは、2つ以上設けるようにしても良い。
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。