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JP2018109228A - 缶用鋼板およびその製造方法 - Google Patents

缶用鋼板およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】溶接後の缶胴部の軸方向断面を真円に近づけられる缶用鋼板およびその製造方法を提供する。
【解決手段】缶用鋼板であって、連続降伏する場合は弾性限(σ)が、連続降伏しない場合は上降伏点(U−YP)が300MPa以上600MPa以下であり、応力−歪曲線が連続降伏する場合は下記(1)式を、連続降伏しない場合は下記(2)式を満たし、下降伏点(L−YP)が存在しないか又は下降伏点がσよりも低歪み側に存在することを特徴とする缶用鋼板とする。
σ≦0.98×σ (1)
U−YP≦0.98×σ (2)
ここで、σ:弾性限、U−YP:上降伏点とし、σ:応力−歪曲線の弾性域の傾きと平行な直線であり、応力=0(MPa)、かつ、歪み=ロールフォーム加工して缶胴部を成形する際に缶用鋼板に与えられる塑性歪み量(%)の点を通る直線と、応力−歪曲線との交点の応力とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、飲料品や食品の容器材料として用いられる3ピース缶の素材に適した缶用鋼板およびその製造方法に関するものである。詳しくは、ロールフォーム加工して、溶接した後の缶胴部の軸方向断面が真円に近い、すなわち、軸方向断面の真円度が小さい缶胴部を形成できる缶用鋼板およびその製造方法に関するものである。
近年、スチール缶の製造コスト削減の観点から、缶用鋼板の薄肉化が進められている。しかしながら、鋼板の薄肉化、すなわち、鋼板板厚の低減に伴って、ロールフォーム加工後溶接する時に、缶胴部が変形しやすくなる。その結果、缶胴部の軸方向断面の真円度が大きくなり、缶強度が低下するおそれがある。
上記問題を解決するために多くの研究が行われてきた。例えば、缶胴部の変形、真円度を改善する技術が、特許文献1に開示されている。この方法ではC:0.01〜0.10質量%、Mn:0.1〜1.0質量%を含有し、ヤング率が170GPa以下であることを特徴とし、熱延条件の制御と二次冷間圧延することが開示されている。特許文献1に記載の発明では、缶胴部の上記真円度が変わりにくく、形状維持性に優れた缶用鋼板が得られる。
特許文献2には、C:0.020〜0.100質量%、N:0.0130〜0.0200質量%とし、その他成分も限定した、降伏強度が440MPa以上、全伸びが12%以上の鋼板を、3ピース缶成形後の缶胴部の上記真円度が0.34mm以下となるようにする技術が開示されている。
特許文献3には、鋼板を薄肉化する技術が開示されており、具体的には、C:0.001〜0.080質量%、N:0.0150超え0.0200質量%以下とし、その他成分も限定した、引張強度が550MPa以上でかつ破断伸びが7%以上である高強度高加工性缶用鋼板が開示され、二次冷間圧延を行うことが記載されている。
特開2000−17387号公報 国際公開2013/183274号 特開2013−119655号公報
しかしながら、上記従来技術は、以下の通り、いずれも改善の余地がある。
ヤング率は縦軸に応力、横軸に歪みをとった応力−歪曲線の直線部の傾きに相当する。特許文献1の技術ではヤング率を小さくするが、ヤング率が小さくなるほど、歪みが大きくなり、材料の形状は元に戻りにくくなる。また、熱延時の仕上げ圧延で変態点以下での圧延をする必要があり、製造が容易ではない。さらに、2次冷間圧延で、コスト増が避けられないという問題がある。
特許文献2の技術によって得られた鋼板は、Nが多量に含まれるため、過剰な窒化物が生成し、加工性が劣化するという問題がある。
特許文献3の技術では、Nが多量に含まれるため、過剰な窒化物が生成し、加工性が劣化し、製缶性が低下する可能性がある。また、2次冷間圧延での、硬度の上昇でロールフォーム加工性が低下する。さらに、コスト増が避けられないという問題がある。
本発明は、かかる事情に鑑みなされたもので、上述した従来技術の問題を解決し、溶接後の缶胴部の軸方向断面を真円に近づけられる缶用鋼板およびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を行った。その結果、以下の事実に基づいて課題を解決するための知見を得た。
第一に、缶の缶胴部は長方形平板を筒状に丸めて端部を接合したものであるため、真円度は成形後の製品の重要な形状因子であり、缶強度にも大きく影響している。
第二に、鋼板板厚の低減に伴う缶強度の維持には、缶胴部の軸方向断面の真円度はできる限り小さいことが望ましい。YPが高くなるほど、ロールフォーム加工性(ロールフォーム加工のしやすさ)が改善され、溶接時に缶体が拘束される際にも缶胴部は変形しにくくなり、上記真円度が小さくなる。したがって、YPを高くすることが、上記真円度を制御する有効手段である。
第三に、ロールフォーム加工で与える歪までの応力が、缶用鋼板の弾性限(σ)または上降伏点(U−YP)以上になると、加工中の歪みを分散させることができ、座屈による缶胴部の変形を防ぎ、缶胴部の形状を良好に維持できる。
上記に基づき、さらなる検討を行った結果、弾性限(σ)または上降伏点(U−YP)を特定の範囲に規定しつつ、かつ、弾性限(σ)または上降伏点(U−YP)と、ロールフォーム加工の際に鋼板に与えられる歪みまでの応力との関係を規定することが、溶接後の缶胴部の上記真円度を小さくするために重要であることを知見した。
また、上記関係を満たす缶用鋼板を得るためには、調質圧延条件を含めた製造条件の最適化が有効であることを見出した。
本発明は、以上の知見に基づきなされたもので、その要旨は以下のとおりである。
[1]缶用鋼板であって、連続降伏する場合は弾性限(σ)が、連続降伏しない場合は上降伏点(U−YP)が300MPa以上600MPa以下であり、応力−歪曲線が連続降伏する場合は下記(1)式を、連続降伏しない場合は下記(2)式を満たし、下降伏点(L−YP)が存在しないか又は下降伏点がσよりも低歪み側に存在することを特徴とする缶用鋼板。
σ≦0.98×σ (1)
U−YP≦0.98×σ (2)
ここで、σ:弾性限、U−YP:上降伏点とし、σ:応力−歪曲線の弾性域の傾きと平行な直線であり、応力=0(MPa)、かつ、歪み=ロールフォーム加工して缶胴部を成形する際に缶用鋼板に与えられる塑性歪み量(%)の点を通る直線と、応力−歪曲線との交点の応力とする。
[2]質量%で、C:0.0010〜0.0100%、Si:0.01〜0.10%、Mn:0.10〜1.00%、P:0.020%以下、N:0.0050%以下、S:0.03%以下、Al:0.02〜0.10%を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなることを特徴とする[1]に記載の缶用鋼板。
[3]さらに、質量%で、Nb:0.10%以下、Ti:0.10%以下、B:0.008%以下のいずれか一種以上を含有することを特徴とする[2]に記載の缶用鋼板。
[4][1]〜[3]のいずれかに記載の缶用鋼板の製造方法であって、鋼スラブを、850℃以上の仕上げ圧延温度で圧延し、550℃以上の巻取温度で巻き取る熱間圧延工程と、前記熱間圧延工程後の鋼板を80%以上の圧下率で圧延する冷間圧延工程と、前記冷間圧延工程後の鋼板を焼鈍温度700〜900℃で焼鈍する焼鈍工程と、前記焼鈍工程後に、下記の調質圧延伸張率、張力:10〜26kg/mmの条件で調質圧延を行う調質圧延工程と、を有することを特徴とする缶用鋼板の製造方法。
(調質圧延伸張率)
(I)Nbおよび/またはTiが合計で0.01%未満の場合:C含有量が0.0050%以下のときは、調質圧延伸長率を2〜5%とし、C含有量が0.0050%超〜0.0100%のときは、調質圧延伸長率を5%超〜10%とする。
(II)Nbおよび/またはTiが合計で0.01%以上の場合:C含有量、Nb含有量およびTi含有量が下記式(A)を満たすときは、調質圧延伸張率を2〜5%とし、C含有量、Nb含有量およびTi含有量が下記式(B)を満たすときは、調質圧延伸長率を5%超〜10%とする。
1.0<(Nb/C)×(12/93)+((Ti/C)×(12/48)≦4.5 (A)
0.1≦(Nb/C)×(12/93)+((Ti/C)×(12/48)≦1.0 (B)
式(A)、(B)の元素記号は各元素の含有量(質量%)を意味する。
本発明によれば、溶接後の缶胴部の軸方向断面を真円に近づけられる缶用鋼板が得られる。
σ、σを説明するための図である。 σ、U−YP、L−YPを説明するための図である。
以下、本発明の実施形態について説明する。なお、本発明は以下の実施形態に限定されない。
本発明の缶用鋼板(以下、「本発明の鋼板」という場合がある。)は、連続降伏する場合は弾性限(σ)が、連続降伏しない場合は上降伏点(U−YP)が300MPa以上600MPa以下である。また、本発明の鋼板の応力−歪曲線が連続降伏する場合は下記(1)式を満たす。また、本発明の鋼板の応力−歪曲線において連続降伏しない場合は下記(2)式を満たし、下降伏点(L−YP)が存在しないか又は下降伏点がσよりも低歪み側に存在する。
σ≦0.98×σ (1)
U−YP≦0.98×σ (2)
連続降伏する場合は弾性限(σ)、連続降伏しない場合は上降伏点(U−YP):300MPa以上600MPa以下
本発明の缶用鋼板では、連続降伏する場合は弾性限(σ)を、連続降伏しない場合は上降伏点(U−YP)を、300MPa以上600MPa以下とする。連続降伏する場合は弾性限(σ)を、連続降伏しない場合は上降伏点(U−YP)を300MPa以上とすることで、溶接時に缶体が拘束される際にも缶胴部が変形しにくくなり、缶胴部の軸方向断面の真円度が小さくなり、缶強度が維持できるとともに缶形状を良好に維持できる。好ましくは連続降伏する場合は弾性限(σ)が、連続降伏しない場合は上降伏点(U−YP)が380MPa以上である。一方、連続降伏する場合は弾性限(σ)が、連続降伏しない場合は上降伏点(U−YP)が600MPaを超えると、板厚の低減に伴って、ロールフォーム加工性が劣化する。ここで、YPは圧延方向によりJIS5号引張試験片を切り出し、JIS Z 2241に基準した引張試験によって測定することができる。
σ≦0.98×σ (1)
U−YP≦0.98×σ (2)
上記の通り、連続降伏する場合は弾性限(σ)を、連続降伏しない場合は上降伏点(U−YP)を高めることで、缶胴部が変形しにくくなり、上記真円度が小さくなり、缶強度を維持できる一方で、連続降伏する場合は弾性限(σ)が、連続降伏しない場合は上降伏点(U−YP)が高すぎるとロールフォーム加工性が劣化する。本発明では、連続降伏する場合は弾性限(σ)を、連続降伏しない場合は上降伏点(U−YP)を600MPa以下にするとともに、0.98×σ以下を満たすようにすることが特徴の一つである。
σとは、応力−歪曲線Lの弾性域の傾きL1と平行で、応力=0(MPa)かつ歪み=ロールフォーム加工して缶胴部を成形する際に缶用鋼板に与えられる塑性歪み量x1である点を通る直線L2と、応力−歪曲線Lとの交点の応力である。弾性域の傾きは、JIS Z 2241の記載に従い特定する。図1、図2にLとL1とL2との関係を示した。図1は連続降伏する場合、図2は、連続降伏しない場合を示した。
塑性歪み量x1は、缶を製造するにあたって、[缶の板厚]/[2×缶の直径(缶胴部の軸方向断面の円の直径)]×100(%)で定義できる。
σはロールフォーム加工される際に、缶用鋼板に加わる最大の歪みでの応力に相当するものであり、弾性歪み量に塑性歪み量x1を加えた歪み量に対する応力となる。ロールフォーム加工中では、この応力σまでの応力−歪み曲線の挙動が重要となる。したがって、連続降伏する場合はσ≦0.98×σを、連続降伏しない場合はU−YP≦0.98×σを満たすようにすることで、ロールフォーム加工中の歪みが分散されて、座屈による缶胴部の局所的な変形を防ぐことができ、溶接時に缶胴部は変形しにくくなり、良好な形状が維持できると考えられる。
なお、下降伏点(L−YP)がσよりも高歪み側に存在すると、ロールフォーム加工時に缶胴部の変形が不均一となる、すなわち、歪みが分散せずに集中するため缶胴部の形状が劣化する。そのため本発明の缶用鋼板の応力−歪曲線には、下降伏点が存在しないか又は下降伏点がσよりも低歪み側に存在する必要がある(図2参照)。
成分組成
本発明の鋼板の成分組成について説明する。以下の説明において、成分の含有量を表す「%」は「質量%」を意味する。
C:0.0010〜0.0100%
Cは微細炭化物を形成し、鋼板のYPを増加させる作用を有する。連続降伏する場合は弾性限(σ)を、連続降伏しない場合は上降伏点(U−YP)を300MPa以上にするためには、C含有量を0.0010%以上とすることが好ましい。一方、C含有量が0.0100%を超えると、ロールフォーム加工で与える歪みまでの応力(σ)がYPより低くなる場合があり、応力が一点で集中し、缶胴部の軸方向断面の真円度が上昇する場合がある。このため、C含有量は0.0010〜0.0100%の範囲が好ましい。なお、より好ましいC含有量は0.0020〜0.0060%である。
Si:0.01〜0.10%
Siは固溶強化により鋼板のYPを高める作用を有する元素である。YPを安定的に確保するために、Si含有量を0.01%以上にすることが好ましい。一方、Siは缶用としての耐食性に有害な元素であるので、その上限を0.10%とすることが好ましい。
Mn:0.10〜1.00%
Mnは固溶強化により鋼板のYPを高める作用を有する元素である。YPを安定的に確保するため、Mn含有量は0.10%以上が好ましい。一方、Mn含有量が多くなると、鋼板の強度が過剰に高くなり、適正な弾性限(σ)または上降伏点(U−YP)とσの関係が得られない。加えて、原料のコストが上昇するので、Mn含有量の上限は1.00%が好ましい。ただし、食品容器に用いられるブリキ原板のMn含有量の上限は0.6%以下と規定されているので、食品容器として用いる場合、好ましくは0.6%以下である。
P:0.020%以下
Pは固溶強化により鋼板のYPを高める作用を有する元素である。Pは粒界に偏析して、鋼板の延性および靱性を低下させる。また、Pは耐食性を低下させる有害な元素でもあり、その含有量の上限は0.020%が好ましい。なお、より好ましくは0.010%以下である。
N:0.0050%以下
Nは多量に含まれると、過剰な窒化物が生成し、鋼板の延性や靱性が低下する。また、Nは加工性を劣化させるため、N含有量の上限を0.0050%とすることが好ましい。
S:0.03%以下
Sは、Mn、Tiを含有することが好ましい本発明では、Tiと結合してTiSを、Mnと結合してMnSを形成する。これらの硫化物は、表面性状を劣化させるとともに、熱間圧延での延性を低下させるため、S含有量の上限を0.03%とすることが好ましい。より好ましくは0.01%以下である。
Al:0.02〜0.10%
Alは脱酸剤として作用する有用な元素である。その効果を得るために、Al含有量を0.02%以上にすることが好ましい。一方、Al含有量が0.10%を超えると、鋼板の表面欠陥を誘発するので、上限は0.10%とすることが好ましい。
Nb:0.10%以下、Ti:0.10%以下、B:0.008%以下のいずれか一種以上
NbはCと結合し、Nbの微細な炭化物を形成する。この炭化物にはYPを上昇させる効果がある。この効果を得るため、Nbを含有する場合には、その含有量は0.01%以上にすることが好ましい。一方、Nb含有量が0.10%を超えると、YPが600MPaを超えて、強度が高くなり、所望のロールフォーム加工性が得られない場合がある。また、圧延負荷を高めるため、安定した鋼板製造が困難になる場合がある。そのため、Nbを含有する場合には、Nb含有量は0.01〜0.10%の範囲に限定することが好ましい。
また、TiはNbと同様、Cと結合し、Tiの微細な炭化物を形成する。この炭化物はYPを上昇させる効果がある。この効果を得るため、Tiを含有する場合には、その含有量は0.01%以上にすることが好ましい。一方、Ti含有量が0.10%を超えると、YPが高くなり、所望のロールフォーム加工性が得られない場合がある。また、Ti含有量の増加により、合金のコストの増加だけではなく、再結晶終了温度が上昇する。さらに、Ti含有量が増加すると、圧延負荷を高める必要があり、安定した鋼板製造が困難になる。そのため、Tiを含有する場合には、Ti含有量は0.01〜0.10%の範囲に限定することが好ましい。
BはNと結合し、熱間延性を害するNをBNとして固定する効果がある。また、固溶Bが結晶粒界に偏析し、結晶粒微細化効果を発揮させ、YPの上昇に効果があるため、その含有量は0.0005%以上にすることが好ましい。一方、B含有量が0.008%を超えると、固溶B増加により連続焼鈍工程における再結晶完了温度を過度に上昇させ、炉内破断が発生する危険がある。そのため、Bを含有する場合には、B含有量は0.0005〜0.008%の範囲に限定することが好ましい。
残部はFeおよび不可避的不純物とする。不可避的不純物としてはCu、Ni、Cr、Co、Mo、Sb、W、As、Pb、Mg、Ca、Sn、Ta、V、REM、Cs、Zr、Hfのいずれか1種以上を合計0.2%以下が挙げられる。
厚み
本発明の缶用鋼板の厚みは特に限定されないが、厚みが0.1〜0.3mmで、溶接後の缶胴部の軸方向断面を真円に近づけられる点が本発明の特徴の一つである。
本発明の缶用鋼板は、3ピース缶用の鋼板として好ましく用いることができる。なお、ロールフォーム加工により成形される缶の製造に用いれば本発明の効果を奏するので、必ずしも3ピース缶用に限定されない。
製造方法
次に、本発明の缶用鋼板の製造方法の一例について説明する。本発明の缶用鋼板の製造方法は、熱間圧延工程と、冷間圧延工程と、焼鈍工程と、調質圧延工程とを有する。
熱間圧延工程
熱間圧延工程として、鋼スラブを、850℃以上の仕上げ圧延温度で圧延し、550℃以上の巻取温度で巻き取る。
仕上げ圧延温度が850℃を下回ると、未結晶粒が多くなり、鋼板が硬質化し、適正な弾性限(σ)または上降伏点(U−YP)とσの関係が得られない。また、板厚が薄い缶用鋼板とする場合、コイルのエッジ側の温度が下がりやすいため、仕上げ圧延温度は850℃以上とする。なお、仕上げ圧延温度は高すぎると、粒成長が過剰となり鋼板強度が下がるという理由で950℃以下が好ましい。
巻取温度が550℃を下回ると、ベイナイトやマルテンサイトなど硬質な低温変態相の生成により、鋼板が硬質化し、その後の冷延時における荷重も高くなってしまうことから、操業が困難となる場合がある。そのため、巻取温度は550℃以上とする。一方、巻取温度が700℃を超えると熱延板段階でのフェライト粒が粗大となり、YPが低下する。そこで、巻取温度は700℃以下が好ましい。
冷間圧延工程
冷間圧延工程として、熱間圧延工程後の鋼板を80%以上の圧下率で圧延する。なお、熱間圧延工程後、必要に応じて酸化皮膜を除去する。酸化皮膜の除去方法としては、酸洗や機械的除去などがあげられる。
冷間圧延工程の圧下率を80%以上とすることにより、所望の降伏強度が得られる。冷間圧延における圧下率が80%に満たないと、結晶粒が粗大化して材質が軟化する。そのため、冷間圧延における圧下率は80%以上とする。
焼鈍工程
焼鈍工程として、上記冷間圧延工程後の鋼板を焼鈍する。
焼鈍温度は特に限定しないが、焼鈍温度が再結晶温度を下回ると延性が大きく低下し、鋼板が破断する可能性があるため、焼鈍温度は再結晶が完了する温度以上とすることが好ましい。一方、焼鈍温度が高過ぎると、結晶粒が粗大化し、YPが低下する。薄鋼板の焼鈍中の破断防止と微細粒強化の観点から均熱温度(焼鈍温度)は700℃以上900℃以下とすることが好ましい。
調質圧延工程
調質圧延工程として、上記焼鈍工程後に、下記の調質圧延伸張率、張力:10〜26kg/mmの条件で調質圧延を行う。
調質圧延の条件は、本発明の製造方法において重要な条件である。鋼板の炭素含有量に応じて、適当な条件の下で調質圧延を行う。
まず、調質圧延の際の張力が10kg/mm未満になると、鋼板表面の欠陥が発生しやすくなる。特に板厚が薄い缶用鋼板では、小さい表面欠陥でも、その後の缶の成形性が劣化し、円筒部の軸方向断面の真円度が大きくなるので、調質圧延張力を10kg/mm以上にする。一方、調質圧延の際の張力が大きすぎて、材料の破壊応力を超えると材料が圧延中に破断する可能性がある。そこで、調質圧延の際の張力を26kg/mm以下とする。
また、ストレッチャーストレインの発生を抑え、ロールフォーム加工が完了するまでの応力の低下を抑え、座屈による変形を避けるために、炭素含有量に応じて、調質圧延条件を調整する。炭素の含有量が少量な場合、高伸長率で圧延すると、鋼板が硬質化することによる加工性の低下と伸びの低下を引き起こす。一方、炭素の含有量が多量な場合、低伸長率で圧延すると、降伏伸びが残り、ロールフォーム加工で与える歪の応力が低下し、座屈による変形が避けられず、真円度が上昇する。以上から、本発明者らが行った種々の試験の結果から、
(I)Nbおよび/またはTiが合計で0.01%未満の場合:C含有量が0.0050%以下のときは、調質圧延伸長率を2〜5%とし、C含有量が0.0050%超〜0.0100%のときは、調質圧延伸長率を5%超〜10%とする。
(II)Nbおよび/またはTiが合計で0.01%以上の場合:C含有量、Nb含有量およびTi含有量が下記式(A)を満たすときは、調質圧延伸張率を2〜5%とし、C含有量、Nb含有量およびTi含有量が下記式(B)を満たすときは、調質圧延伸長率を5%超〜10%とする。
1.0<(Nb/C)×(12/93)+((Ti/C)×(12/48)≦4.5 (A)
0.1≦(Nb/C)×(12/93)+((Ti/C)×(12/48)≦1.0 (B)
式(A),(B)の元素記号は各元素の含有量(質量%)を意味する。
上記のようにして得た鋼板は、その後、必要に応じて、鋼板に、例えば電気めっきにより、錫めっき、クロムめっき、ニッケルめっき等のめっき処理を施したり、樹脂被膜を施したりする表面処理を行い、缶用鋼板とする。なお、めっきや樹脂皮膜等の表面処理の膜厚は、板厚に対して十分に小さいので、缶用鋼板の機械特性への影響は無視できるレベルである。
表1に示す成分組成のスラブを表2に示す条件で、熱間圧延、酸洗、冷間圧延、焼鈍、調質圧延を施し、板厚が0.15mmの缶用鋼板を製造した。なお、これらの缶用鋼板は缶の直径が52.5mmになることを想定して製造された。No.1〜28の缶用鋼板について以下の評価を行った。評価方法は次の通りであり、評価結果は表3に示した。
引張試験
得られた缶用鋼板から、圧延方向に対して平行方向を引張方向とするJIS 5号引張試験片(JIS Z 2201)を採取し、JIS Z 2241の規定に準拠した引張試験を行って、連続降伏した場合は弾性限(σ)を、連続降伏しない場合(降伏点降下を示した場合)は上降伏点(U−YP)を測定した。また、σとσまたはU−YPの関係が、
0.97×σ<(σまたはU−YP)≦0.98×σを(○)、
(σまたはU−YP)≦0.97×σを(◎)、
σ>σ または U−YP>σの場合を(×)と表記した。
真円度の測定
真円度を測定するために、鋼板に対して、3ピース缶ロールフォーム成形を行った後、溶接を行った。具体的には、上記鋼板の表面に錫をメッキした鋼板を長方形平板ブランク(長さ:160mm、横:140mm)にせん断した。圧延方向を曲げ方向として、巻幅が5〜10mmになるようにロールフォーマを調整し、0.3%の歪を与えたロールフォーム加工を行った。成形した円筒状の両端を電気抵抗溶接のシーム溶接により接合し、「JIS B 7451」で規定された真円度測定装置を用い、缶高さ方向の中心部の真円度を測定した。本発明における缶体の真円度は、「JIS B 0621」で示されるように、円形形体を2つの同心の幾何学的円で挟んだとき、平行2円の間隔が最小となる場合の、二円の半径の差で表した。真円度0.20mm以下の場合をより一層優れるとして合格(◎)、真円度0.21mm以上〜0.30mm未満の場合を合格(○)、真円度0.30mm以上の場合を不合格(×)とした。
Figure 2018109228
Figure 2018109228
Figure 2018109228

Claims (4)

  1. 缶用鋼板であって、
    連続降伏する場合は弾性限(σ)が、連続降伏しない場合は上降伏点(U−YP)が300MPa以上600MPa以下であり、
    応力−歪曲線が連続降伏する場合は下記(1)式を、連続降伏しない場合は下記(2)式を満たし、下降伏点(L−YP)が存在しないか又は下降伏点がσよりも低歪み側に存在することを特徴とする缶用鋼板。
    σ≦0.98×σ (1)
    U−YP≦0.98×σ (2)
    ここで、σ:弾性限、U−YP:上降伏点とし、σ:応力−歪曲線の弾性域の傾きと平行な直線であり、応力=0(MPa)、かつ、歪み=ロールフォーム加工して缶胴部を成形する際に缶用鋼板に与えられる塑性歪み量(%)の点を通る直線と、応力−歪曲線との交点の応力とする。
  2. 質量%で、C:0.0010〜0.0100%、Si:0.01〜0.10%、Mn:0.10〜1.00%、P:0.020%以下、N:0.0050%以下、S:0.03%以下、Al:0.02〜0.10%を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなることを特徴とする請求項1に記載の缶用鋼板。
  3. さらに、質量%で、Nb:0.10%以下、Ti:0.10%以下、B:0.008%以下のいずれか一種以上を含有することを特徴とする請求項2に記載の缶用鋼板。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の缶用鋼板の製造方法であって、
    鋼スラブを、850℃以上の仕上げ圧延温度で圧延し、550℃以上の巻取温度で巻き取る熱間圧延工程と、
    前記熱間圧延工程後の鋼板を80%以上の圧下率で圧延する冷間圧延工程と、
    前記冷間圧延工程後の鋼板を焼鈍温度700〜900℃で焼鈍する焼鈍工程と、
    前記焼鈍工程後に、下記の調質圧延伸張率、張力:10〜26kg/mmの条件で調質圧延を行う調質圧延工程と、を有することを特徴とする缶用鋼板の製造方法。
    (調質圧延伸張率)
    (I)Nbおよび/またはTiが合計で0.01%未満の場合:C含有量が0.0050%以下のときは、調質圧延伸長率を2〜5%とし、C含有量が0.0050%超〜0.0100%のときは、調質圧延伸長率を5%超〜10%とする。
    (II)Nbおよび/またはTiが合計で0.01%以上の場合:C含有量、Nb含有量およびTi含有量が下記式(A)を満たすときは、調質圧延伸張率を2〜5%とし、C含有量、Nb含有量およびTi含有量が下記式(B)を満たすときは、調質圧延伸長率を5%超〜10%とする。
    1.0<(Nb/C)×(12/93)+((Ti/C)×(12/48)≦4.5 (A)
    0.1≦(Nb/C)×(12/93)+((Ti/C)×(12/48)≦1.0 (B)
    式(A)、(B)の元素記号は各元素の含有量(質量%)を意味する。
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