本発明を具体的に説明する前に、概要を述べる。本発明の実施例は、複数の太陽電池セルを含む太陽電池モジュールに関する。隣接した第1太陽電池セルと第2太陽電池とを接続するための配線材は、これを結ぶ方向に交差した方向に凹凸形状を有する拡散反射部が形成された第1面と、平坦状に形成された第2面とを含む。また、配線材の第1面は第1太陽電池セルの裏面に接着され、配線材の第2面は第2太陽電池セルの受光面に接着される。配線材の第1面と第1太陽電池セルの裏面とを接着させるための接着部材の量が少ない場合、拡散反射部の一端側における凹凸形状の頂点が、接着部材からずれて第1太陽電池セルの裏面に接触する場合がある。前述のごとく、この接触によって太陽電池セルが割れるおそれがある。
太陽電池セルの割れの発生を抑制するために、本実施例に係る太陽電池モジュールでは、拡散反射部の両端部分における凹凸形状の頂点が、拡散反射部の中央部分における凹凸形状の頂点よりも低くされる。これにより、拡散反射部の両端部分のいずれかにおける凹凸形状の頂点が、接着部材からずれても、第1太陽電池セルの裏面に接触しない。なお、以下の説明において、「平行」、「直交」は、完全な平行、直交だけではなく、誤差の範囲で平行からずれている場合も含むものとする。また、「略」は、おおよその範囲で同一であるという意味である。
図1は、本発明の実施例に係る太陽電池モジュール100の受光面側からの平面図である。図1に示すように、x軸、y軸、z軸からなる直交座標系が規定される。x軸、y軸は、太陽電池モジュール100の平面内において互いに直交する。z軸は、x軸およびy軸に垂直であり、太陽電池モジュール100の厚み方向に延びる。また、x軸、y軸、z軸のそれぞれの正の方向は、図1における矢印の方向に規定され、負の方向は、矢印と逆向きの方向に規定される。太陽電池モジュール100を形成する2つの主表面であって、かつx−y平面に平行な2つの主表面のうち、z軸の正方向側に配置される主平面が受光面であり、z軸の負方向側に配置される主平面が裏面である。以下では、z軸の正方向側を「受光面側」とよび、z軸の負方向側を「裏面側」とよぶこともある。また、y軸方向を「第1方向」とよぶ場合、x軸方向は「第2方向」とよばれる。
太陽電池モジュール100は、太陽電池セル10と総称される第11太陽電池セル10aa、・・・、第64太陽電池セル10fd、渡り配線材14と総称される第1渡り配線材14a、第2渡り配線材14b、第3渡り配線材14c、第4渡り配線材14d、第5渡り配線材14e、第6渡り配線材14f、第7渡り配線材14g、セル端配線材16、セル間配線材18を含む。第1非発電領域20aと第2非発電領域20bは、y軸方向において、複数の太陽電池セル10を挟むように配置される。具体的には、第1非発電領域20aは、複数の太陽電池セル10よりもy軸の正方向側に配置され、第2非発電領域20bは、複数の太陽電池セル10よりもy軸の負方向側に配置される。第1非発電領域20a、第2非発電領域20b(以下、「非発電領域20」と総称することもある)は、矩形状を有し、太陽電池セル10を含まない。
複数の太陽電池セル10のそれぞれは、入射する光を吸収して光起電力を発生する。太陽電池セル10は、例えば、結晶シリコン、ガリウム砒素(GaAs)またはインジウム燐(InP)等の半導体材料によって形成される。太陽電池セル10の構造は後述するが、ここでは例えばヘテロ接合型太陽電池セルであるとする。図1では省略しているが、各太陽電池セル10の受光面および裏面には、互いに平行にx軸方向に延びる複数のフィンガー電極と、複数のフィンガー電極に直交するようにy軸方向に延びる複数、例えば3本のバスバー電極とが備えられる。バスバー電極は、複数のフィンガー電極のそれぞれを接続する。また、バスバー電極およびフィンガー電極は、例えば、銀ペースト等により形成される。
複数の太陽電池セル10は、x−y平面上にマトリクス状に配列される。ここでは、一例として、x軸方向に6つの太陽電池セル10が並べられ、y軸方向に4つの太陽電池セル10が並べられる。なお、x軸方向に並べられる太陽電池セル10の数と、y軸方向に並べられる太陽電池セル10の数は、これに限定されない。y軸方向に並んで配置される4つの太陽電池セル10は、セル間配線材18によって直列に接続され、1つの太陽電池ストリング12が形成される。例えば、第11太陽電池セル10aa、第12太陽電池セル10ab、第13太陽電池セル10ac、第14太陽電池セル10adが接続されることによって、第1太陽電池ストリング12aが形成される。他の太陽電池ストリング12、例えば、第2太陽電池ストリング12bから第6太陽電池ストリング12fも同様に形成される。その結果、6つの太陽電池ストリング12がx軸方向に平行に並べられる。
太陽電池ストリング12を形成するために、セル間配線材18は、隣接した太陽電池セル10のうちの一方の受光面側のバスバー電極と、他方の裏面側のバスバー電極とを接続する。例えば、第11太陽電池セル10aaと第12太陽電池セル10abとを接続するための3つのセル間配線材18は、第11太陽電池セル10aaの裏面側のバスバー電極と第12太陽電池セル10abの受光面側のバスバー電極とを電気的に接続する。セル間配線材18は、銅や銀など導電性の高い金属材料からなる。これは、単一の材料であってもよいし、例えば銅からなる芯線に銀をコーティングしたり、半田材料をコーティングしたりしたものであってもよい。
7つの渡り配線材14のうちの4つが、第1非発電領域20aに配置され、残りの3つが、第2非発電領域20bに配置される。第2非発電領域20bに配置される第5渡り配線材14eから第7渡り配線材14gのそれぞれは、x軸方向に延びて、セル端配線材16を介して互いに隣接する2つの太陽電池ストリング12に電気的に接続される。例えば、第5渡り配線材14eは、第1太陽電池ストリング12aにおける第14太陽電池セル10adと、第2太陽電池ストリング12bにおける第24太陽電池セル10bdとに接続される。ここで、セル端配線材16は、太陽電池セル10の受光面あるいは裏面において、セル間配線材18と同様に配置される。
第1非発電領域20aに配置される第1渡り配線材14aは、セル端配線材16を介して第1太陽電池ストリング12aの第11太陽電池セル10aaに接続される。第1渡り配線材14aは、セル端配線材16との接続部分から、太陽電池モジュール100のx軸方向の中央付近まで延びる。第2渡り配線材14bは、セル端配線材16を介して第2太陽電池ストリング12bの第21太陽電池セル10baに接続される。また、第2渡り配線材14bは、別のセル端配線材16を介して第3太陽電池ストリング12cの第31太陽電池セル10caにも接続される。これらの接続により、第2渡り配線材14bは、第2太陽電池ストリング12bと第3太陽電池ストリング12cとを電気的に接続する。
第3渡り配線材14c、第4渡り配線材14dは、第2渡り配線材14b、第1渡り配線材14aに対してx軸方向に反転して配置される。そのため、第1太陽電池ストリング12aから第6太陽電池ストリング12fは、電気的に直列に接続される。なお、第1渡り配線材14aから第4渡り配線材14dのそれぞれには、図示しない取出し配線材が接続され、それらの取出し配線は、図示しない端子ボックスに接続される。
図2は、太陽電池モジュール100の断面図であり、図1のA−A’断面図である。太陽電池モジュール100は、太陽電池セル10と総称される第11太陽電池セル10aa、第12太陽電池セル10ab、第13太陽電池セル10ac、第14太陽電池セル10ad、第1渡り配線材14a、第5渡り配線材14e、セル端配線材16、セル間配線材18、保護部材40と総称される第1保護部材40a、第2保護部材40b、封止部材42と総称される第1封止部材42a、第2封止部材42bを含む。図2の上側が受光面側に相当し、下側が裏面側に相当する。
第1保護部材40aは、太陽電池モジュール100の受光面側に配置されており、太陽電池モジュール100の表面を保護する。第1保護部材40aには、透光性および遮水性を有するガラス、透光性プラスチック等が使用され、矩形板状に形成される。ここでは、一例としてガラスが使用されるとする。第1封止部材42aは、第1保護部材40aの裏面側に積層される。第1封止部材42aは、第1保護部材40aと太陽電池セル10との間に配置されて、これらを接着する。第1封止部材42aとして、例えば、ポリオレフィン、EVA(エチレン酢酸ビニル共重合体)、PVB(ポリビニルブチラール)、ポリイミド等の樹脂フィルムのような熱可塑性樹脂が使用される。なお、熱硬化性樹脂が使用されてもよい。第1封止部材42aは、透光性を有するとともに、第1保護部材40aにおけるx−y平面と略同一寸法の面を有する矩形状のシート材によって形成される。
第2封止部材42bは、第1封止部材42aの裏面側に積層される。第2封止部材42bは、第1封止部材42aとの間で、複数の太陽電池セル10、セル間配線材18等を封止する。第2封止部材42bには、第1封止部材42aと同様のものを用いることができる。また、ラミネート・キュア工程における加熱によって、第2封止部材42bは第1封止部材42aと一体化されていてもよい。
第2保護部材40bは、第2封止部材42bの裏面側に積層される。第2保護部材40bは、バックシートとして太陽電池モジュール100の裏面側を保護する。第2保護部材40bとしては、例えば、PET(ポリエチレンテレフタラート)等の樹脂フィルムが使用される。なお、第2保護部材40bとして、Al箔を樹脂フィルムで挟んだ構造を有する積層フィルムなどが使用されてもよい。さらに、太陽電池モジュール100の周囲には、Alフレーム枠が取り付けられてもよい。
図3は、太陽電池セル10の受光面50側からの平面図である。ここでは、太陽電池セル10のz軸の正方向側の面を受光面50として示す。また、受光面50が長辺と短辺とが交互に接続された八角形により構成されるが、それ以外の形状、例えば、八角形に含まれる短辺が非直線であってもよいし、四角形により形成されてもよい。受光面50には、互いに平行にx軸方向に延びる複数の受光面フィンガー電極60が配置される。また、受光面50には、複数の受光面フィンガー電極60に交差、例えば直交するようにy軸方向に延びる複数、例えば3本の受光面バスバー電極62が配置される。受光面バスバー電極62は、複数の受光面フィンガー電極60のそれぞれを接続する。また、複数の受光面バスバー電極62のそれぞれに対して、セル間配線材18が重ねられて配置される。セル間配線材18は、隣接した他の太陽電池セル10の方向、つまりy軸方向に延びる。
図4は、本発明の実施例に係る太陽電池モジュール100の比較対象となる太陽電池モジュール200の部分的な断面図である。これは、図3のB−B’断面図に相当する。なお、太陽電池モジュール200においても太陽電池セル10の構造は太陽電池モジュール100と同一である。太陽電池セル10は、受光面50側に受光面フィンガー電極60および受光面バスバー電極62を配置するとともに、裏面52に裏面フィンガー電極64および裏面バスバー電極66を配置する。ここで、裏面フィンガー電極64、裏面バスバー電極66は、受光面フィンガー電極60、受光面バスバー電極62と同様に配置される。なお、裏面フィンガー電極64の数は、受光面フィンガー電極60の数より多くてもよい。太陽電池モジュール200、太陽電池モジュール100において、受光面バスバー電極62、裏面バスバー電極66が設けられていない太陽電池セル10が使用されてもよい。
セル間配線材118は、図3のセル間配線材18に相当する。セル間配線材118では、受光面側を向いた第1面170と、裏面側を向いた第2面172とが反対を向くように配置される。第1面170には、拡散反射部174と総称される第1拡散反射部174aから第6拡散反射部174fがx軸方向に並んで配置される。第1拡散反射部174aから第6拡散反射部174fのそれぞれは、頂点が受光面側を向いた三角形の断面形状を有した山部であり、それらが連続することによって、拡散反射部174は、x軸に方向おける山部と谷部が連続するような凹凸形状を有する。太陽電池モジュール200において、第2面172は、x−y平面において平坦状に形成されるが、必ずしも平坦状である必要はない。太陽電池モジュール200における裏面側からの太陽光入射をも有効活用させる目的で、第2面172側にも凹凸形状の拡散反射部174を有するセル間配線材118が使用されてもよい。このことは、後述する太陽電池モジュール100においても同様である。
太陽電池セル10の裏面52にはセル間配線材118の第1面170が第1接着部材176によって接着される。第1接着部材176は、半田、テープ等の接着能力を有した部材であるが、ここでは導電接合フィルムであるとする。第1接着部材176は、x軸方向よりもy軸方向に長い矩形状を有する。ここで、第1接着部材176の使用量を削減するために、第1接着部材176のx軸方向の長さは、セル間配線材118のx軸方向の長さよりも短くされる。このような状況において、第1接着部材176の位置がずれると、拡散反射部174の両端部分のいずれか一方、例えば、第1拡散反射部174aの頂点が第1接着部材176からはみ出す。そのため、第1拡散反射部174aの頂点は、第1接着部材176を介さずに太陽電池セル10に対向する。その結果、太陽電池モジュール100の厚さ方向の荷重が加わった場合、主として金属材料からなるセル間配線材118の第1拡散反射部174aの頂点が太陽電池セル10に接触して、太陽電池セル10を割るおそれがある。
一方、太陽電池セル10の受光面50にはセル間配線材118の第2面172が第2接着部材178によって接着される。第2接着部材178は、第1接着部材176と同じように形成され、同一のサイズを有する。第2面172は平坦な面であるので、第2接着部材178の位置がずれても、第2面172における平坦な面に第2接着部材178が接着される。また、太陽電池セル10の受光面50に接着されたセル間配線材118の第1面170における拡散反射部174において、入射された光が拡散されるので、光が太陽電池セル10に再入射されやすくなり、発電効率が向上する。
拡散反射部174のいずれかの頂点が太陽電池セル10に接触して、太陽電池セル10を割ることを抑制するための構造を図5(a)−(c)を使用しながら説明する。図5(a)−(c)は、太陽電池モジュール100の部分的な断面図であり、これらは、図3のB−B’断面図である。これらにおける太陽電池セル10の構造は図4と同一であるので、ここでは説明を省略する。
図5(a)において、セル間配線材18では、受光面側を向いた第1面70と、裏面側を向いた第2面72とが反対を向くように配置される。第2面72は図4の第2面172と同一である。第1面70には、拡散反射部74と総称される第1拡散反射部74aから第6拡散反射部74fがx軸方向に並んで配置される。第1拡散反射部74aから第6拡散反射部74fのそれぞれは、頂点が受光面側を向いた三角形の断面形状を有した山部であり、それらが連続することによって、拡散反射部74は、x軸に方向おける山部と谷部が連続するような凹凸形状を有する。
ここで、拡散反射部74は、x軸方向の中央部分と両端部分とにおいて異なった形状を有する。なお、x軸方向の中央部分は、例えば、第2拡散反射部74bから第5拡散反射部74eを示し、x軸方向の両端部分は、例えば、第1拡散反射部74aと第6拡散反射部74fを示す。また、x軸方向の中央部分は、第3拡散反射部74c、第4拡散反射部74dだけを示してもよい。さらに具体的に説明すると、拡散反射部74では、両端部分における凹凸形状の高さが、中央部分における凹凸形状の高さよりも低くされる。凹凸形状の高さとは、第2面72からの山部の頂点の高さを示す。このとき、第1拡散反射部74aと第6拡散反射部74fはこれ以外の拡散反射部よりも高さが低くされるが、凸部の頂点の角度はこれ以外の拡散反射部74と同じ角度にされるのが好ましい。
太陽電池セル10の裏面52にはセル間配線材18の第1面70が第1接着部材76によって接着される。第1接着部材76は第1接着部材176と同一である。第1接着部材76の位置がずれると、拡散反射部74の両端部分のいずれか一方、例えば、第1拡散反射部74aの頂点が第1接着部材76からはみ出す。そのため、第1拡散反射部74aの頂点は、第1接着部材76を介さずに太陽電池セル10に対向する。しかしながら、第1拡散反射部74aの頂点の高さは、第2拡散反射部74b等の頂点の高さよりも低いので、太陽電池モジュール100の厚さ方向の荷重が加わっても、第1拡散反射部74aの頂点は太陽電池セル10に接触しない。換言すれば、セル間配線材18は、第1拡散反射部74aや第6拡散反射部74fよりも高く、かつ同一の高さを有する第2拡散反射部74b等の複数の拡散反射部74と、第1接着部材76との接着によって、太陽電池セル10に取り付けられている。このような状況において、第1拡散反射部74aの頂点が太陽電池セル10を割るおそれが抑制される。なお、前述の通り、第1面70と第2面72のどちらにも凹凸による拡散反射部74を備えるセル間配線材18を用いる場合には、どちらの面においても、本実施例に記載の構成を備えていてよい。
一方、太陽電池セル10の受光面50にはセル間配線材18の第2面72が第2接着部材78によって接着される。第2接着部材78は第2接着部材178と同一である。第1拡散反射部74aの頂点の高さは第2拡散反射部74b等の頂点の高さより低くても、拡散反射部74には凸凹形状が形成されるので、入射された光は拡散反射部74によって拡散される。そのため、光が太陽電池セル10に再入射されやすくなり、発電効率が向上する。
図5(b)では、図5(a)と同様に、拡散反射部74が、x軸方向の中央部分と両端部分とにおいて異なった形状を有する。しかしながら、両端部分の形状が図5(a)とは異なる。図5(b)における両端部分の第1拡散反射部74aと第6拡散反射部74fは、平坦状の形状、例えば平坦な面として形成される。そのため、拡散反射部74における連続した凸凹形状は、第2拡散反射部74bから第5拡散反射部74eに制限される。このようなセル間配線材18の第1面70が太陽電池セル10の裏面52に第1接着部材76によって接着される際に、第1接着部材76の位置がずれても、平坦な面である第1拡散反射部74aが、第1接着部材76を介さずに太陽電池セル10に対向するだけである。そのため、太陽電池モジュール100の厚さ方向の荷重が加わっても、第1拡散反射部74aは太陽電池セル10に接触しない。
図5(c)では、図5(a)−(b)と同様に、拡散反射部74が、x軸方向の中央部分と両端部分とにおいて異なった形状を有する。しかしながら、両端部分の形状が図5(a)−(b)とは異なる。図5(c)における両端部分の第1拡散反射部74aと第6拡散反射部74fは、三角形の頂点周辺が平坦に近くなった形状を有する。ここでは、三角形の頂点周辺が円弧状に形成される。なお、三角形の頂点周辺が平坦に、つまり台形の形状に形成されてもよい。このような第1拡散反射部74aと第6拡散反射部74fの形状であっても、拡散反射部74において凸凹形状は連続する。このようなセル間配線材18の第1面70が太陽電池セル10の裏面52に第1接着部材76によって接着される際に、第1接着部材76の位置がずれた場合、第1拡散反射部74aの円弧状の頂点が、第1接着部材76を介さずに太陽電池セル10に対向する。太陽電池モジュール100の厚さ方向の荷重が加わった場合、第1拡散反射部174aの頂点が太陽電池セル10に接触するが、頂点周辺は円弧状であるので、太陽電池セル10を割りにくくなる。
続いて、図4の拡散反射部174のいずれかの頂点が太陽電池セル10に接触して、太陽電池セル10を割ることを抑制するための別の構造を図6(a)−(b)を使用しながら説明する。図5(a)−(c)の拡散反射部74の形状は拡散反射部174と異なっている。一方、図6(a)−(b)の拡散反射部74の形状は拡散反射部174と同一である。図6(a)−(b)は、太陽電池モジュール100の別の部分的な断面図であり、これらは、図3のB−B’断面図である。これらにおける太陽電池セル10の構造は図4と同一であり、セル間配線材18は図4のセル間配線材118に相当するので、ここでは説明を省略する。
図6(a)−(b)において、第1接着部材76のx軸方向の幅は、第2接着部材78のx軸方向の幅よりも広くされる。図6(a)において、第2接着部材78のx軸方向の幅は、図5(a)−(c)の第2接着部材78のx軸方向の幅と同一である。一方、第1接着部材76のx軸方向の幅は、拡散反射部74の両端部分である第1拡散反射部74aの頂点と第6拡散反射部74fの頂点との間隔よりも広くされ、かつセル間配線材18の幅よりは狭くされる。このように、第1接着部材76の幅が第2接着部材78の幅よりも広くされることによって、拡散反射部74の両端部分のいずれか一方、例えば、第1拡散反射部74aの頂点が第1接着部材76からはみ出しにくくなる。
図6(b)においても、第2接着部材78のx軸方向の幅は、図5(a)−(c)の第2接着部材78のx軸方向の幅と同一である。一方、第1接着部材76のx軸方向の幅は、セル間配線材18の幅より広くされる。このように第1接着部材76の幅が図6(a)の場合よりも広くされることによって、拡散反射部74の両端部分のいずれか一方、例えば、第1拡散反射部74aの頂点が第1接着部材76からさらにはみ出しにくくなる。
以下では、太陽電池モジュール100の製造方法について説明する。まず、z軸の正方向から負方向に向かって、第1保護部材40a、第1封止部材42a、太陽電池セル10等、第2封止部材42b、第2保護部材40bが順に重ね合わせられることによって、積層体が生成される。その際、太陽電池セル10の受光面50には、セル間配線材18の第2面72が第2接着部材78によって接着され、太陽電池セル10の裏面52には、セル間配線材18の第1面70が第1接着部材76によって接着される。これに続いて、積層体に対して、ラミネート・キュア工程がなされる。この工程では、積層体から空気を抜き、加熱、加圧して、積層体を一体化する。ラミネート・キュア工程における真空ラミネートでは、温度が前述のごとく、150℃程度に設定される。
本発明の実施例によれば、中央部分と両端部分とにおいて異なった形状を有した拡散反射部74がセル間配線材18の第1面70に形成されるので、拡散反射部74の両端部分が第1接着部材76からはみ出しても、拡散反射部74の両端部分による太陽電池セル10の破損の発生を抑制できる。また、太陽電池セル10の破損の発生が抑制されるので、歩留まりを向上できる。また、中央部分と両端部分とにおいて異なった形状を有した拡散反射部74をセル間配線材18の第1面70全体に形成するだけなので、セル間配線材18の構造を簡易にできる。また、セル間配線材18の構造が簡易になるので、太陽電池モジュール100の構造も簡易にできる。
また、拡散反射部74の両端部分における凹凸形状の高さが中央部分における凹凸形状の高さよりも低いので、拡散反射部74の両端部分が第1接着部材76からはみ出して太陽電池セル10に対向しても、太陽電池セル10の破損の発生を抑制できる。また、拡散反射部74の両端部分が第1接着部材76からはみ出して太陽電池セル10に対向しても、太陽電池セル10の破損の発生が抑制されるので、第1接着部材76の使用量を低減できる。また、第1接着部材76の使用量が低減されるので、コストの増加を抑制できる。
また、拡散反射部74の中央部分において凹凸形状を有し、両端部分において平坦状の形状を有するので、拡散反射部74の両端部分が第1接着部材76からはみ出して太陽電池セル10に対向しても、太陽電池セル10の破損の発生を抑制できる。また、拡散反射部74の両端部分が、三角形の頂点周辺が平坦に近くなった形状を有するので、拡散反射部74の両端部分が第1接着部材76からはみ出して太陽電池セル10に対向しても、太陽電池セル10の破損の発生を抑制できる。また、第1接着部材76の幅は第2接着部材78の幅よりも広くされるので、拡散反射部74の両端部分を第1接着部材76からはみ出しにくくできる。
本実施例の概要は、次の通りである。本発明のある態様の太陽電池モジュール100は、互いに反対を向いた受光面50と裏面52とを有する第1太陽電池セル10と、第1太陽電池セル10に隣接して配置される第2太陽電池セル10と、第2太陽電池セル10と第1太陽電池セル10とを電気的に接続するセル間配線材18とを備える。セル間配線材18では、第2太陽電池セル10と第1太陽電池セル10とを結ぶ第1方向に交差した第2方向における凹凸形状を有する拡散反射部74が形成された第1面70と、平坦状に形成された第2面72とが互いに反対を向き、第1太陽電池セル10の裏面52にはセル間配線材18の第1面70が接着され、第2太陽電池セル10の受光面50にはセル間配線材18の第2面72が接着され、拡散反射部74は、第2方向の中央部分と第2方向の両端部分とにおいて異なった形状を有する。
拡散反射部74では、第2方向の両端部分における凹凸形状の高さが、第2方向の中央部分における凹凸形状の高さよりも低い。
拡散反射部74は、第2方向の中央部分において凹凸形状を有し、第2方向の両端部分において平坦状の形状を有してもよい。
拡散反射部74の第2方向の断面形状において、第2方向の中央部分が三角形の形状を有し、第2方向の両端部分が、三角形の頂点周辺が平坦に近くなった形状を有してもよい。
本発明の別の態様もまた、太陽電池モジュール100である。この太陽電池モジュール100は、互いに反対を向いた受光面50と裏面52とを有する第1太陽電池セル10と、第1太陽電池セル10に隣接して配置される第2太陽電池セル10と、第2太陽電池セル10と第1太陽電池セル10とを電気的に接続するセル間配線材18とを備える。セル間配線材18では、第2太陽電池セル10と第1太陽電池セル10とを結ぶ第1方向に交差した第2方向における凹凸形状を有する拡散反射部74が形成された第1面70と、平坦状に形成された第2面72とが互いに反対を向き、第1太陽電池セル10の裏面52には第1接着部材76によってセル間配線材18の第1面70が接着され、第2太陽電池セル10の受光面50には第2接着部材78によってセル間配線材18の第2面72が接着され、第1接着部材76の第2方向の幅は、第2接着部材78の第2方向の幅よりも広い。
以上、本発明について実施例をもとに説明した。この実施例は例示であり、それらの各構成要素あるいは各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。