JP2018106173A - 反射防止機能を有する部材の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】基材全面に均一な微細凹凸状の反射防止構造を得ることができ、屈折率の大きい基材に対しても十分な反射防止機能を得ることができる反射防止機能を有する部材の製造方法を提供する。【解決手段】反射防止機能を有する部材の製造方法は、基材21の表面に原子層堆積法によって酸化アルミニウム膜23を形成する工程と、酸化アルミニウム膜23に60℃以上沸騰温度以下の熱水または水蒸気により水熱処理を施して微細凹凸状酸化アルミニウム24を形成する工程と、微細凹凸状酸化アルミニウム24をエッチングマスクとして基材21の表面をドライエッチングして基材21の表面に微細凹凸部22を形成するとともに、微細凹凸状酸化アルミニウム24を除去し、反射防止構造を形成する工程とを有する。【選択図】図4
Description
本発明は、反射防止機能を有する部材の製造方法に関する。
レンズ、フラットパネルディスプレイ(FPD)基板、半導体基板等には、反射防止構造が要求される。反射防止構造としては、基材の表面に微細な凹凸構造を形成することにより急激な屈折率の変化が生じないようにした、いわゆるモスアイ構造が知られている。このような表面に微細凹凸構造を形成して反射防止構造を形成する方法としては、基材上に酸化アルミニウム膜等を形成した後、沸点以下の熱水に浸漬する水熱処理を行うものが提案されている(例えば特許文献1、2)。
この場合の酸化アルミニウム膜の形成方法としては、特許文献1にはゾルゲル法が開示されており、特許文献2には化学蒸着法(CVD法)や物理蒸着法(PVD法)が開示されている。
ところで、光学部材としては反射防止機能の他に、高透光機能、すなわち、透過する光の透過率を損なわない機能も必要であり、形成する酸化アルミニウム膜の厚さが厚ければ厚いほど、光の吸収により透過率は低下するので、酸化アルミニウム膜を可能な限り薄膜(100nm以下)とする必要がある。しかし、FPD基板のような大型基板の場合、ゾルゲル法やCVD法、PVD法では、100nm以下の薄膜を均一に形成することは困難である。
一方、特許文献1、2に記載されたような反射防止構造を屈折率の大きい基材、例えばシリコンウエハに形成する場合には、アルミナの屈折率が1.6であるのに対し、シリコンの屈折率が3.8であって、これらの屈折率差が大きく、反射防止効果が十分とは言い難い場合も生じる。
したがって、本発明は、基材全面に均一な微細凹凸状の反射防止構造を得ることができ、屈折率の大きい基材に対しても十分な反射防止機能を得ることができる反射防止機能を有する部材の製造方法を提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、本発明の第1の観点は、基材の表面に原子層堆積法によって酸化アルミニウム膜を形成する工程と、前記酸化アルミニウム膜に60℃以上沸騰温度以下の熱水または水蒸気により水熱処理を施して微細凹凸状酸化アルミニウムを形成する工程と、前記微細凹凸状酸化アルミニウムをエッチングマスクとして前記基材の表面をドライエッチングして前記基材の表面に微細凹凸部を形成するとともに、前記微細凹凸状酸化アルミニウムを除去し、反射防止構造を形成する工程とを有することを特徴とする、反射防止機能を有する部材の製造方法を提供する。
本発明の第2の観点は、基材の表面に、基板の屈折率の近傍の屈折率を有し、基材よりもエッチングされやすい易エッチング性膜を形成する工程と、前記易エッチング性膜の表面に原子層堆積法によって酸化アルミニウム膜を形成する工程と、前記酸化アルミニウム膜に60℃以上沸騰温度以下の熱水または水蒸気により水熱処理を施して微細凹凸状酸化アルミニウムを形成する工程と、前記微細凹凸状酸化アルミニウムをエッチングマスクとして前記易エッチング性膜の表面をドライエッチングして前記易エッチング性膜の表面に微細凹凸部を形成するとともに、前記微細凹凸状酸化アルミニウムを除去し、反射防止構造を形成する工程とを有することを特徴とする、反射防止機能を有する部材の製造方法を提供する。
上記第2の観点は、前記基材がガラス基板、透明導電膜、またはカラーフィルターのような難エッチング性基板の場合に好適である。また、上記第2の観点において、前記基材と前記易エッチング性膜との屈折率の差が0.1以下であることが好ましい。
上記第1および第2の観点において、前記酸化アルミニウム膜を形成する工程では、前記酸化アルミニウム膜が3〜50nmの範囲の膜厚で成膜されることが好ましい。
本発明の第1の観点によれば、基材の表面に原子層堆積法によって高精度で酸化アルミニウム膜を形成した後に水熱処理することで、エッチング対象である基材の上にエッチングマスクとして微細凹凸状酸化アルミニウムが直接形成されるので、基材が大型であっても、基材全面に一括して微細凹凸部を短時間で均一に形成することができる。また、微細凹凸状酸化アルミニウムをエッチングマスクとして基材表面にドライエッチングを施し、基材表面に微細凹凸部を形成するとともに、微細凹凸状酸化アルミニウムを除去し、基材に微細凹凸パターンを転写して反射防止構造を形成することにより、屈折率の大きい基材であっても、屈折率差による反射が生じず、十分な反射防止機能を得ることができる。
本発明の第2の観点によれば、基材の表面に、エッチング対象である易エッチング性膜を形成し、その表面に原子層堆積法によって高精度で酸化アルミニウム膜を形成した後に水熱処理することで、エッチング対象である易エッチング性膜の上にエッチングマスクとして微細凹凸状酸化アルミニウムが直接形成されるので、第1の観点と同様、基材が大型であっても、全面に一括して微細凹凸部を短時間で均一に形成することができる。また、易エッチング性膜は、基板の屈折率の近傍の屈折率を有し、基材よりもエッチングされやすいので、易エッチング性膜を形成した後に、酸化アルミニウム膜を形成し、水熱処理を行って形成された微細凹凸状酸化アルミニウムをエッチングマスクとして易エッチング性膜表面にドライエッチングを施して基材表面に微細凹凸部を形成するとともに、微細凹凸状酸化アルミニウムを除去し、反射防止構造を形成することにより、屈折率が大きく難エッチング性の基材であっても、屈折率差による反射が生じず、十分な反射防止機能を得ることができる。
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
<第1の実施形態>
図1は、本発明の第1の実施形態に係る反射防止機能を有する部材を示す断面図である。
<第1の実施形態>
図1は、本発明の第1の実施形態に係る反射防止機能を有する部材を示す断面図である。
本実施形態に係る反射防止機能を有する部材10は、基材11を有しており、さらに、基材11の表面に形成された、微細凹凸状をなすモスアイ構造の反射防止膜13を有している。部材10は、それ自体をレンズ等の光学部材として用いてもよいし、デバイス形成用やFPD用の基板として用いてもよい。
基材11の材料は特に限定されず、ガラス、半導体、セラミックス、プラスチック、金属のいずれであってもよく、デバイス用基板として用いられる場合にはシリコン、FPD用の基板やレンズとして用いられる場合にはガラスが典型例として例示される。
反射防止膜13は、原子層堆積法(ALD法)により酸化アルミニウム(Al2O3)膜を形成した後、水熱処理してAl2O3膜を凹凸状にしたものである。
以下、図2を参照して反射防止膜13の形成方法について具体的に説明する。
図2(a)に示すように、最初に基材11の表面にALD法によりAl2O3膜14を形成する。
図2(a)に示すように、最初に基材11の表面にALD法によりAl2O3膜14を形成する。
Al2O3膜14をALD法で形成する際には、Al含有ガスと、酸化剤とを順次供給してAl2O3からなる薄い単位膜を形成する操作を、複数回繰り返すことにより、すなわちAl含有ガスと酸化剤とを交互に供給することにより、所定の膜厚のAl2O3膜とする。具体的には、処理容器内に基材を収容し、基材を所定温度に加熱するとともに、処理容器内を所定の真空度まで排気し、その状態で、「Al含有ガスの供給→処理容器内のパージ→酸化剤の供給→処理容器内のパージ」を単位膜形成のための1サイクルとして、複数サイクル繰り返す。
Al含有ガスは特に限定されず、一般的に用いられるものであればよく、例えば、トリメチルアルミニウム(TMA):Al(CH3)3が例示される。酸化剤としては、例えば、H2O、O3、O2プラズマを用いることができる。
このときのAl2O3膜14の膜厚は、水熱処理により所望の反射防止構造が得られる厚さであることが好ましい。そのような点から、100nm以下が好ましく、10〜50nmがより好ましい。
次いで、図2(b)に示すように、Al2O3膜14に水熱処理を施して、Al2O3膜14に微細な凸部15および凹部16を有する微細凹凸を形成する。これにより微細凹凸状の反射防止膜13が形成される。
水熱処理は、上記特許文献1および2に開示された方法で行うことができる。具体的には、熱水または高温のアルカリ水溶液に浸漬する方法、または水蒸気に曝す方法等により行うことができる。これにより、元のAl2O3膜14の厚さよりも深い凹凸が形成される。このとき、全てのAl2O3膜14を熱水で反応させるのではなく、Al2O3膜14の下層側を未反応のまま残しておくことが好ましい。これは、反応して微細凹凸状化した部分は、基材11との密着性が低下しており、剥離しやすくなってしまうが、未反応のAl2O3膜を残すことで密着性の低下を抑制することができるからである。未反応のAl2O3膜の厚さは1〜25nmであることが好ましい。熱水または高温のアルカリ水溶液は、60℃以上沸騰温度以下であることが好ましい。これらへの浸漬時間は、Al2O3膜の膜厚によるが、1秒〜30分程度が好ましく、10秒〜10分がより好ましい。水蒸気に曝す方法の場合の処理時間は、1分〜24時間が好ましい。
このような水熱処理により形成された微細な凸部15および凹部16は、例えば100nm程度のピッチで形成され、照射する光の波長よりも短いピッチとすることができ、微細凹凸の形状は針状や紡錘状であるため、深さ方向に連続的に屈折率が変化し、反射防止機能が得られる。
反射防止膜13に形成される微細凹凸の深さ(凸部の高さ)は、良好な反射防止機能を得るために、100〜500nmであることが好ましい。
反射防止膜13は、良好な反射防止性を有し、特に透光部材に用いる場合には、無用に透過率を悪化(光の吸収)させず、密着性が低下しないように形成する必要があり、そのために、Al2O3膜の膜厚は、上述したような条件を満たす必要がある。すなわち、透過率を満たすためには、100nm以下、より好ましくは25〜50nmの範囲で成膜する必要があり、密着性を高めるためには、未反応のAl2O3膜を1〜25nm残す必要がある。しかし、大面積の基板の場合には、このような薄い膜を面内で均一に(好ましくは±5%以下)成膜しなければならず、また、未反応のAl2O3膜は1〜25nmという極めて薄い膜厚であるため、これを高精度で制御するために、やはり基になるAl2O3膜の均一性が極めて高い必要がある。しかし、従来提案されているCVD法や、PVD法では、このような薄い膜厚を均一に成膜することはできない。
これに対して、本実施形態では、ALD法を用いてAl2O3膜14を形成するので、Al2O3膜14を薄い膜厚でかつ均一に成膜することができる。また、ALD法はステップカバレッジが良好であるため、基板上に構造物が存在しているような場合でも、基材11の全体に均一にAl2O3膜14を形成することができる。すなわち、ALD法では、薄い単位膜を形成する操作を複数回繰り返すため、基材に対して薄くかつ均一に、高ステップカバレッジで成膜することができ、基材11表面全体に薄くかつ均一に、微細凹凸状をなす反射防止膜13を密着性良く形成することができる。
また、ALD法は、このようにカバレッジが極めて良好であるため、基材の上面のみならず、他の方法では十分に成膜することができない基材の裏面や側面へも成膜することができる。
<第2の実施形態>
図3は、本発明の第2の実施形態に係る反射防止機能を有する部材を示す断面図である。
図3は、本発明の第2の実施形態に係る反射防止機能を有する部材を示す断面図である。
本実施形態に係る反射防止機能を有する部材20は、基材21の表面に反射防止機能を有するモスアイ構造の微細凹凸部22が形成されてなる。部材20は、それ自体をレンズ等の光学部材として用いてもよいし、デバイス形成用やFPD形成用の基板として用いてもよい。
基材21の材料は特に限定されず、ガラス、半導体、セラミックス、プラスチック、金属のいずれであってもよく、デバイス用基板として用いられる場合にはシリコン、FPD用の基板やレンズとして用いられる場合にはガラスが典型例として例示される。
微細凹凸部22は、基材21表面にAl2O3膜を形成し、次いで水熱処理を行ってAl2O3膜を微細凹凸状Al2O3とし、この微細凹凸状Al2O3をエッチングマスクとして用いて基材21の表面をドライエッチングし、その微細凹凸を転写するとともに、微細凹凸状Al2O3を除去することにより形成することができる。
以下、図4を参照して微細凹凸部22の形成方法について具体的に説明する。
図4(a)に示すように、最初に基材21表面にAl2O3膜23を形成する。本実施形態では、第1の実施形態と異なり、Al2O3膜23の形成方法はALD法に限らず、例えばCVD法やPVD法(スパッタリング法や真空蒸着法)等の他の方法を用いてもよい。ただし、良好なカバレッジで基材21表面に薄く均一にAl2O3膜23を形成する観点から、第1の実施形態と同様、ALD法を用いることが好ましい。
図4(a)に示すように、最初に基材21表面にAl2O3膜23を形成する。本実施形態では、第1の実施形態と異なり、Al2O3膜23の形成方法はALD法に限らず、例えばCVD法やPVD法(スパッタリング法や真空蒸着法)等の他の方法を用いてもよい。ただし、良好なカバレッジで基材21表面に薄く均一にAl2O3膜23を形成する観点から、第1の実施形態と同様、ALD法を用いることが好ましい。
このときのAl2O3膜23の膜厚は、次の水熱処理によりエッチングマスクとなる微細凹凸を形成することができ、かつ所望の微細凹凸部22を形成することができる厚さであることが好ましい。そのような点から、Al2O3膜23の膜厚は、3〜50nmが好ましい。
次いで、図4(b)に示すように、Al2O3膜23に水熱処理を施して、微細凹凸状Al2O324を形成する。この際の水熱処理条件は第1の実施形態と同様に行うことができる。微細凹凸状Al2O324は、針状や紡錘状に形成される。
微細凹凸状Al2O324の凹凸の深さ(凸部の高さ)は、得ようとする微細凹凸部22の深さ等に応じて適宜設定することができるが、10〜300nmが好ましい。
次いで、図4(c)に示すように、微細凹凸状Al2O324をエッチングマスクとして基材21表面のドライエッチングを開始する。そして、図4(d)に示すように、微細凹凸状Al2O324も併せてエッチングし、所望深さの微細凹凸部22を形成する。微細凹凸部22の深さによっては、微細凹凸状Al2O324を別途エッチングしてもよい。
ドライエッチングとしては、一般的なプラズマエッチングを用いることができる。エッチングガスとしては、基材21と微細凹凸状Al2O324の両方をエッチングすることができるものがよく、基材21の種類に応じて適宜選択すればよい。例えば、基材21がシリコンの場合には、BCl3、Cl2が例示され、基材21がガラスの場合には、BCl3、CF4、O2が例示される。
微細凹凸部22の深さ(凸部の高さ)は、エッチング時間、エッチングガス(種別、流量)、プラズマ条件(圧力、RFパワー)、処理温度などのプロセス条件やエッチングマスクである微細凹凸状Al2O324高さにより調節することができる。微細凹凸部22の深さ(凸部の高さ)は、得ようとする反射防止機能に応じて適宜設定すればよいが、100〜1000nmが好適である。
上記特許文献1、2に記載されたような、基材表面にAl2O3膜を形成し、水熱処理して形成された微細凹凸状の膜を反射防止膜とする場合、基材がシリコンのような屈折率が大きい材料で構成されると、Al2O3で構成された反射防止膜と基材との屈折率差が大きくなって、その界面で反射が生じてしまう。
具体的には、図5に示すように、シリコンウエハの表面にAl2O3で構成された微細凹凸状の反射防止膜を形成する場合、基材に達する前までは、屈折率nは空気のn=1からAl2O3のn=1.6まで連続に変化するため反射を防止することができるが、基材を構成するシリコンはn=3.8であるため、屈折率差が大きく、反射防止膜と基材との界面での反射防止効果は十分ではない。この屈折率差による不都合を解消するため、上記特許文献2には、基材と反射防止膜との間にこれらの屈折率の中間の屈折率を有する光学調整膜を形成することが記載されているが、光学調整膜の形成には手間がかかり、また、光学調整膜と反射防止膜または基材との間の屈折率差をなくすことができない。
これに対して、本実施形態では、水熱処理により形成された微細凹凸状Al2O3をエッチングマスクとして基材をドライエッチングすることにより、図6に示すように、基材に微細凹凸パターンを転写するので、図6に示すように、空気の屈折率n=1から、基材の屈折率、例えばシリコンの屈折率n=3.8まで連続的に変化させることができる。このため、屈折率が高い基材であっても屈折率差による反射が生じず、十分な反射防止効果を得ることができる。
また、基材に微細凹凸部を直接形成する手法としては、従来、ビーズを用いたり、電子線ビームを用いる方法が存在するが、これらは大型基材に微細凹凸を形成しようとすると、多大の時間がかかってしまう。これに対して、本実施形態では、基材にAl2O3膜を形成してから水熱処理して微細凹凸状Al2O3を形成し、それをエッチングマスクとしてドライエッチングすればよいので、基材が大型であっても全面に一括して微細凹凸部を形成することができ、短時間で形成可能である。
<第3の実施形態>
図7は、本発明の第3の実施形態に係る反射防止機能を有する部材を示す断面図である。
図7は、本発明の第3の実施形態に係る反射防止機能を有する部材を示す断面図である。
本実施形態に係る反射防止機能を有する部材30は、基材31の表面に基材31の屈折率の近傍(好ましくは屈折率差が0.1以下)の屈折率を有し、基材31よりもでエッチングが容易な易エッチング性膜32が形成され、易エッチング性膜32の表面に反射防止機能を有するモスアイ構造の微細凹凸部33が形成されてなる。
このような構造は、例えば基材31が難エッチング性材料、例えばガラス基板、透明導電膜、カラーフィルター等であり、直接微細凹凸部を形成することが困難である場合に有効である。
すなわち、第2の実施形態のように、基材とAl2O3膜とに大きな屈折率差がある場合に、水熱処理により形成された微細凹凸状Al2O3をエッチングマスクとして基材をドライエッチングして微細凹凸パターンを形成することが有効であるが、基材が難エッチング材料である場合には適用が困難である。
そのため、本実施形態では、基材31の上に屈折率が基材31に近くエッチングが容易な材料からなる易エッチング性膜32を形成し、この易エッチング性膜32に、水熱処理により形成された微細凹凸状Al2O3をエッチングマスクとするエッチングを施して、易エッチング性膜32の表面に反射防止機能を有するモスアイ構造の微細凹凸部33を形成する。
具体的には、図8に示すようにして反射防止機能を有する部材30を形成する。すなわち、図8(a)に示すように、最初に難エッチング性基材31上に適宜の薄膜形成方法で易エッチング性膜32を形成し、次いで、図8(b)に示すように、易エッチング性膜32表面にAl2O3膜34を形成する。このときのAl2O3膜34の形成方法は、第2の実施形態のAl2O3膜23と同様、ALD法に限らず、例えばCVD法やPVD法(スパッタリング法や真空蒸着法)等の他の方法を用いてもよいが、ALD法を用いることが好ましい。また、Al2O3膜34の膜厚等も、第2の実施形態のAl2O3膜23と同様である。次いで、図8(c)に示すように、Al2O3膜34に水熱処理を施して、微細凹凸状Al2O335を形成する。この際の水熱処理条件は第1の実施形態と同様に行うことができ、微細凹凸状Al2O335は、針状や紡錘状に形成される。次いで、図8(d)に示すように、微細凹凸状Al2O335をエッチングマスクとして易エッチング性膜32表面のドライエッチングを開始する。そして、図8(e)に示すように、易エッチング性膜32および微細凹凸状Al2O335をエッチングして、所望深さの微細凹凸部33を形成する。
微細凹凸部33の深さは100〜1000nmが好ましい。また、易エッチング性膜32を全てエッチングするのではなく、易エッチング性膜32の下層側をエッチングせずに残しておくことが好ましい。これは微細凹凸部33と基材31との密着性を確保するためである。
本実施形態の場合は、中間に易エッチング性膜32を形成する必要があるため、第2の実施形態よりも手間はかかるが、易エッチング性膜32の材料を基材31に応じて適切に選択することにより、基材31と易エッチング性膜32との屈折率差をほとんどなくすことができ、第2の実施形態と同様、屈折率差による反射を生じさせず、十分な反射防止効果を得ることができる。
具体的には、図9に示すように、屈折率が大きい基材(屈折率n=A)の表面にAl2O3(屈折率n=1.6)で構成された微細凹凸部が存在する場合には、Al2O3と基材との界面での反射防止効果は十分ではないが、基材(屈折率n=A)に近い屈折率を有する易エッチング性膜(屈折率n=A±α)を基材とAl2O3との間に設け、水熱処理により形成された微細凹凸状Al2O3をエッチングマスクとして易エッチング性膜をドライエッチングし、図10に示すように、微細凹凸パターンを易エッチング性膜に転写することにより、基材の上に屈折率の近い材料からなる微細凹凸部が形成されることとなるので、空気の屈折率から基材の屈折率までほぼ連続的に変化させることができる。
<他の適用>
なお、本発明は上記実施形態に限定されることなく種々変形可能である。例えば、上記実施形態では、レンズ、半導体基板、FPDなどの発光部に本発明を適用する場合を例示したが、CMOSセンサーや太陽電池などの受光部にも適用可能である。また、本実施形態では、基材の材料、水熱処理条件、水熱処理により形成される微細凹凸の深さ、基材をドライエッチングする際の条件等について、いくつか例示したが、これらに限定されず、本発明の思想の範囲内で種々変形可能であることはいうまでもない。
なお、本発明は上記実施形態に限定されることなく種々変形可能である。例えば、上記実施形態では、レンズ、半導体基板、FPDなどの発光部に本発明を適用する場合を例示したが、CMOSセンサーや太陽電池などの受光部にも適用可能である。また、本実施形態では、基材の材料、水熱処理条件、水熱処理により形成される微細凹凸の深さ、基材をドライエッチングする際の条件等について、いくつか例示したが、これらに限定されず、本発明の思想の範囲内で種々変形可能であることはいうまでもない。
10,20;反射防止機能を有する部材
11,21;基材
13;反射防止膜
14;Al2O3膜
15;凸部
16;凹部
22;微細凹凸部
23;Al2O3膜
24;微細凹凸状Al2O3
11,21;基材
13;反射防止膜
14;Al2O3膜
15;凸部
16;凹部
22;微細凹凸部
23;Al2O3膜
24;微細凹凸状Al2O3
Claims (5)
- 基材の表面に原子層堆積法によって酸化アルミニウム膜を形成する工程と、
前記酸化アルミニウム膜に60℃以上沸騰温度以下の熱水または水蒸気により水熱処理を施して微細凹凸状酸化アルミニウムを形成する工程と、
前記微細凹凸状酸化アルミニウムをエッチングマスクとして前記基材の表面をドライエッチングして前記基材の表面に微細凹凸部を形成するとともに、前記微細凹凸状酸化アルミニウムを除去し、反射防止構造を形成する工程と
を有することを特徴とする、反射防止機能を有する部材の製造方法。 - 基材の表面に、基板の屈折率の近傍の屈折率を有し、基材よりもエッチングされやすい易エッチング性膜を形成する工程と、
前記易エッチング性膜の表面に原子層堆積法によって酸化アルミニウム膜を形成する工程と、
前記酸化アルミニウム膜に60℃以上沸騰温度以下の熱水または水蒸気により水熱処理を施して微細凹凸状酸化アルミニウムを形成する工程と、
前記微細凹凸状酸化アルミニウムをエッチングマスクとして前記易エッチング性膜の表面をドライエッチングして前記易エッチング性膜の表面に微細凹凸部を形成するとともに、前記微細凹凸状酸化アルミニウムを除去し、反射防止構造を形成する工程と
を有することを特徴とする、反射防止機能を有する部材の製造方法。 - 前記基材は、ガラス基板、透明導電膜、またはカラーフィルターであることを特徴とする、請求項2に記載の反射防止機能を有する部材の製造方法。
- 前記基材と前記易エッチング性膜との屈折率の差が0.1以下であることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の反射防止機能を有する部材の製造方法。
- 前記酸化アルミニウム膜を形成する工程では、前記酸化アルミニウム膜が3〜50nmの範囲の膜厚で成膜されることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の反射防止機能を有する部材の製造方法。
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Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2018001859A Pending JP2018106173A (ja) | 2018-01-10 | 2018-01-10 | 反射防止機能を有する部材の製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2018106173A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2019230820A1 (ja) | 2018-06-01 | 2019-12-05 | 東洋インキScホールディングス株式会社 | カーボンナノチューブ、カーボンナノチューブ分散液及びその利用 |
Citations (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPH05217962A (ja) * | 1992-02-07 | 1993-08-27 | Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> | 絶縁膜への窓乃至溝形成法 |
| JP2003045957A (ja) * | 2001-05-18 | 2003-02-14 | Samsung Electronics Co Ltd | 半導体装置の素子分離方法 |
| JP2013185188A (ja) * | 2012-03-07 | 2013-09-19 | Fujifilm Corp | マスターモールドの製造方法およびモールドの製造方法並びにそれらに使用される表面加工方法 |
-
2018
- 2018-01-10 JP JP2018001859A patent/JP2018106173A/ja active Pending
Patent Citations (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPH05217962A (ja) * | 1992-02-07 | 1993-08-27 | Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> | 絶縁膜への窓乃至溝形成法 |
| JP2003045957A (ja) * | 2001-05-18 | 2003-02-14 | Samsung Electronics Co Ltd | 半導体装置の素子分離方法 |
| JP2013185188A (ja) * | 2012-03-07 | 2013-09-19 | Fujifilm Corp | マスターモールドの製造方法およびモールドの製造方法並びにそれらに使用される表面加工方法 |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2019230820A1 (ja) | 2018-06-01 | 2019-12-05 | 東洋インキScホールディングス株式会社 | カーボンナノチューブ、カーボンナノチューブ分散液及びその利用 |
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