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JP2018102158A - 好塩性微細藻類の回収方法 - Google Patents

好塩性微細藻類の回収方法 Download PDF

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JP2018102158A
JP2018102158A JP2016250005A JP2016250005A JP2018102158A JP 2018102158 A JP2018102158 A JP 2018102158A JP 2016250005 A JP2016250005 A JP 2016250005A JP 2016250005 A JP2016250005 A JP 2016250005A JP 2018102158 A JP2018102158 A JP 2018102158A
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謙三 久保田
Kenzo Kubota
謙三 久保田
井上 繁人
Shigeto Inoue
繁人 井上
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Daiwa House Industry Co Ltd
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Abstract

【課題】塩析による沈殿を利用して、好塩性微細藻類を効率的に回収することのできる好塩性微細藻類の回収方法を提供する。【解決手段】本発明の好塩性微細藻類の回収方法は、好塩性微細藻類に属する藻類の藻体を、タンパク質の変性による沈殿を利用して取得する好塩性微細藻類の回収方法であって、好塩性微細藻類を、塩を含む培養液中で培養する工程と、培養液中に、タンパク質を含む有機物溶液を添加、混合して静置し、混合溶液を、沈殿物と上澄液とに分離する工程と、沈殿物に含まれる藻体を回収する工程と、を含む。【選択図】図2

Description

本発明は、微細藻類の回収方法に関し、特に、好塩性微細藻類の回収方法に関する。
従来より、ユーグレナ、ボトリオコッカス等の微細藻類を回収する技術として、例えば、特開2012‐179578号公報(特許文献1)及び特開2014‐168409号公報(特許文献2)等が知られている。
特許文献1においては、凝集沈殿剤を用いて、微細藻類を含有する原水から微細藻類の沈殿を分離回収する方法が開示されている。より具体的には、特許文献1に記載の微細藻類の分離回収方法では、原水の塩類濃度を、微細藻類が凝集しやすい表面ゼータ電位となるように調整し、微細藻類を含む原水に無機凝集剤を添加して凝集反応を行わせ、凝集反応で生成した凝集フロックを固液分離するようにしている。
また、特許文献2においては、微細藻類を光で誘引して濃縮、回収する方法が開示されている。より具体的には、特許文献2に記載の微細藻類培養液の濃縮方法では、微細藻類を含有する微細藻類培養液に、微細藻類を誘引する波長の光を照射し、微細藻類培養液のうち、光照射により微細藻類の濃度が高くなった部分を取り出すようにしている。
特許文献1に記載の微細藻類の分離回収方法では、凝集沈殿剤を用いて沈殿を分離回収するため、投入する薬剤のコストの問題や、沈殿を分離、回収した後の薬剤の分離等の問題があった。
また、特許文献2に記載の微細藻類培養液の濃縮方法では、多少の濃縮はできるものの、微細藻類の回収効率が不十分であるという問題があった。
また、微細藻類を物理的方法によって回収する技術として、例えば、特開2013‐85488号公報(特許文献3)、特開2015‐57990号公報(特許文献4)及び特開2016‐082910号公報(特許文献5)が知られている。
特許文献3においては、バブリングによって微細藻類を浮上させて回収する装置が開示されている。より具体的には、特許文献3に記載の微細藻類培養回収装置では、有機物を含む所定量の液体を満たした培養液中で、微細藻類を培養して成長させる。そして、培養液中に配設されたエアレーションノズルに加圧空気を供給し、微細気泡を発生させるエアレーションを行って、循環対流を発生させ、微細藻類を浮上させて回収するようにしている。
また、特許文献4においては、微細藻類のバイオフィルムを形成し、浮上、沈殿したものを板に押し当てて回収する多段培養方法が開示されている。より具体的には、特許文献4に記載の微細藻類の多段培養方法では、少なくとも2台の培養器を重ねて配置し、各培養器内の培地中で微細藻類を培養し、培地の液面にバイオフィルムを形成させ、液面に浮遊したバイオフィルムから微細藻類を取得、回収するようにしている。
また、特許文献5においては、培養槽に収容された液の上層を、掻き寄せ部で掻き寄せて、液の上層に含まれる藻類を集約、回収する培養システムが開示されている。より具体的には、特許文献5に記載の培養システムでは、藻類を培養液中で培養する培養槽の液面の上層を、掻き寄せ部で掻き寄せて培養槽の越流部から越流させ、越流部から越流された液を滞留させて滞留部に貯留し、取出部によって滞留部に滞留される藻類を取り出すようにしている。
特開2012‐179578号公報 特開2014‐168409号公報 特開2013‐85488号公報 特開2015‐57990号公報 特開2016‐082910号公報
上述のように、上記特許文献1及び特許文献2では、使用する薬剤のコスト等の問題及び微細藻類の回収効率における問題があった。
また、上記特許文献3〜特許文献5では、上述のように、物理的方法によって、微細藻類を回収していた。これらの物理的方法によっても、微細藻類をある程度回収することは可能である。
ところで、例えば、好塩性微細藻類に属する微細藻類として、ドナリエラが知られている。ドナリエラは、細胞の再生を助ける抗酸化作用、抗炎症作用に優れており、例えば、食品として、或いは、化粧品、薬剤などの有効成分として利用されている。また、近年、ドナリエラは、有価物を体内に多く蓄積することから、新たなバイオマス資源として期待されている。
また、ドナリエラは、増殖速度が非常に速く、耐塩性も高いため、屋外のオープンな環境で培養しても、他の雑多な微生物のコンタミを抑制できるという特徴がある。
しかしながら、ドナリエラは、細胞壁をもたないことから、細胞が壊れやすく、上述のような物理的方法では回収が困難である、という問題があった。
また、ドナリエラは、好塩性であり、塩分濃度の高い場所で繁殖する。ドナリエラは、コンタミ防止の観点からも、海水の4〜5倍程度の塩濃度で培養することから、塩類を再利用するために、培養液から、藻体とともに塩類も分離、回収する必要があった。
このような理由から、ドナリエラ等の好塩性微細藻類を回収する場合、従来の方法では、コスト、回収効率、作業効率等の問題に対応できていなかった。したがって、従来のような物理的回収方法ではなく、ドナリエラ等の好塩性微細藻類を効率的に回収可能な回収方法の開発が望まれる。
そこで、発明者らは、従来のような物理的回収方法ではなく、簡便かつ温和な条件(静かな状態)で、好塩性微細藻類を効率的に回収すべく、アルコール沈殿による塩析を利用して、ドナリエラ等の好塩性微細藻類を回収する方法を考えた。
より具体的には、市販の人工海水(粉末)に純水を加えて、約15重量%の塩濃度の培養液を作製した。ドナリエラを培養液中で14日間培養し、培養液をチューブに分注した。次に、各チューブに、種々のアルコールを添加、混合して10分間静置し、混合溶液を、上澄液と沈殿物とに分離した。そして、上澄液と沈殿物とを、それぞれ、光学顕微鏡により観察した。
上記の試験例では、アルコール以外の薬剤は添加しておらず、遠心分離も行っていない。また、種々のアルコール添加時は、強撹拌はせず、温和な条件で混和した。そして、沈殿までに必要な時間は、実質1〜2分程度であった。アルコール沈殿による塩析の観察結果を、図1(a)〜(e)に示す。
アルコール沈殿による塩析では、塩の分解により、塩のイオンとアルコールのイオンとがイオン結合する。そして、藻類が、塩の結晶に電気的に引っ張られて沈殿されるようになる。
図1(a)に示すように、コントロールとして培養液(Cul.)を使用した。また、種々のアルコールとして、エタノール(EtOH)及び2‐プロパノール(2‐propanol)を使用した。
図1(b),(c)に示すように、コントロールでは、培養液中にドナリエラの藻体のみが観察された。
図1(d),(e)に示すように、エタノールによる塩析では、混合溶液が、上澄液と沈殿物とに分離された。上澄液には、培養液(液体)のみが含まれ、ドナリエラ、塩分は観察されなかった。沈殿物には、エタノール沈殿によって、ドナリエラの藻体及び塩の結晶が観察された。
図1(b)に示すように、2‐プロパノールによる塩析では、混合溶液が、上澄液と沈殿物とに分離された。しかしながら、エタノールによる塩析に比し、沈殿物の量は、有意に少なかった。
光学顕微鏡による観察の結果、回収されたドナリエラの藻体(細胞)は壊れておらず、エタノールを添加した場合に、ドナリエラの藻体(細胞)とともに、培養に必要な塩類も十分に回収できていることが分かった。
しかしながら、アルコール沈殿による塩析では、エタノール(液体)を添加するため、液分が増加し、液分は塩分を含まないため、塩分を再利用できない。その結果、排液(上澄液)の処理量が多くなるという問題があった。
また、2‐プロパノールによる塩析では、2‐プロパノール(液体)の増量をある程度抑制できる。しかしながら、沈殿物が少なく、ドナリエラの藻体(細胞)とともに、培養に必要な塩類も十分に回収できていない。
そこで、発明者らは、斯かる実情に鑑み、鋭意検討を重ねた結果、アルコール以外の資材による塩析、特に、タンパク質の変性による沈殿を利用した好塩性微細藻類の効率的な回収方法に関する新たな知見を得た。
本発明は、タンパク質の変性による沈殿を利用して、好塩性微細藻類を効率的に分離、回収することのできる好塩性微細藻類の回収方法を提供することを目的とする。
本発明の好塩性微細藻類の回収方法は、好塩性微細藻類に属する藻類の藻体を、タンパク質の変性による沈殿を利用して取得する好塩性微細藻類の回収方法であって、前記好塩性微細藻類を、塩を含む培養液中で培養する工程と、前記培養液中に、タンパク質を含む有機物溶液を添加、混合して静置し、混合溶液を、沈殿物と上澄液とに分離する工程と、前記沈殿物に含まれる前記藻体を回収する工程と、を含む、ことを特徴とする。
上記好塩性微細藻類の回収方法によれば、塩性微細藻類を、塩を含む培養液中で培養する工程と、培養液中に、タンパク質を含む有機物溶液を添加、混合して静置し、混合溶液を、沈殿物と上澄液とに分離する工程と、沈殿物に含まれる前記藻体を回収する工程と、を含むため、有機物溶液中のタンパク質成分が塩の存在によって変性し、タンパク質の分子構造が変わることで、好塩性微細藻類がタンパク質成分とともに沈殿する。また、培養液中の塩分は、上澄液中に含まれるようになる。
その結果、好塩性微細藻類がタンパク質成分ともに沈殿物中に存在し、塩分は上澄液中に含まれるため、塩析(タンパク質の変性)による沈殿を利用して、好塩性微細藻類を効率的に分離、回収することができる。また、添加する有機物溶液の液量の増分が少ないため、上澄液(排液)の処理量の負担が抑えられる。
本発明の一態様として、前記好塩性微細藻類は、ドナリエラ属種、Nostoc属種、Symploca属種、Prochloron属種、Skeletonema属種、Thalassiosira属種、Chaetoceros属種、Isochrysis属、Tetraselmis属種、Monochrysis属種、Chlorella属種、Spirulina属種、Synechococcus属種、Phaeodactylum属種、Bangia属種からなる群より選択される微細藻類である、のが好ましい。
上記好塩性微細藻類の回収方法によれば、好塩性微細藻類は、ドナリエラ属種、Nostoc属種、Symploca属種、Prochloron属種、Skeletonema属種、Thalassiosira属種、Chaetoceros属種、Isochrysis属、Tetraselmis属種、Monochrysis属種、Chlorella属種、Spirulina属種、Synechococcus属種、Phaeodactylum属種、Bangia属種からなる群より選択される微細藻類であるため、ドナリエラ属種のみならず、ドナリエラ以外の種々の好塩性微細藻類を、タンパク質の変性による沈殿を利用して、効率的に分離、回収することができる。
本発明の他態様として、前記培養液は、3.5%〜20%の塩濃度を有する、のが好ましい。上記好塩性微細藻類の回収方法によれば、培養液が、3.5%〜20%の塩濃度を有する場合、タンパク質の変性による沈殿を利用して、好塩性微細藻類をより効率的に分離、回収することができる。
本発明のさらに他の態様として、前記混合溶液の温度は、10℃〜30℃の範囲である、のが好ましい。上記好塩性微細藻類の回収方法によれば、混合溶液の温度が、10℃〜30℃の範囲であれば、タンパク質の変性による沈殿を利用して、好塩性微細藻類をさらにより効率的に分離、回収することができる。
本発明の別の態様として、前記培養液中の藻体濃度は、10個/mlである、のが好ましい。上記好塩性微細藻類の回収方法によれば、培養液中の藻体濃度が、10個/mlであれば、タンパク質の変性による沈殿を利用して、十分に沈殿物を生成することができ、好塩性微細藻類をさらにより効率的に分離、回収することができる。
本発明のさらに別の態様として、前記培養液に対して、5〜10重量%の前記タンパク質を含む有機物溶液を添加する、のが好ましい。上記好塩性微細藻類の回収方法によれば、培養液に対して、5〜10重量%のタンパク質を含む有機物溶液を添加する場合、タンパク質の変性による沈殿を利用して、好塩性微細藻類をさらにより効率的に分離、回収することができる。
本発明のさらに別の態様として、前記培養液への前記タンパク質を含む有機物溶液の添加後に、緩衝液流で混合、均一化する工程をさらに含む、のが好ましい。上記好塩性微細藻類の回収方法によれば、培養液へのタンパク質を含む有機物溶液の添加後に、緩衝液流で混合、均一化する工程をさらに含むため、緩衝液流によって、培養液とタンパク質を含む有機物溶液とを、さらに均一に混合することができ、タンパク質の変性による沈殿を利用して、好塩性微細藻類をさらにより効率的に分離、回収することができる。
本発明のさらに別の態様として、前記上澄液に含まれる前記塩を回収する工程をさらに含む、のが好ましい。上記好塩性微細藻類の回収方法によれば、上澄液に含まれる塩を回収する工程をさらに含むため、好塩性微細藻類を培養液中で培養するために必要な塩分として、上澄液に含まれる塩を回収して、再利用することができる。
本発明のさらに別の態様として、回収された前記塩を、前記培養液中に再び戻して再利用する工程をさらに含む、のが好ましい。上記好塩性微細藻類の回収方法によれば、回収された塩を、培養液中に再び戻して再利用する工程をさらに含むため、好塩性微細藻類を培養液中で培養するために必要な塩分として、回収された塩を、培養液中に再び戻して、より効率的に再利用することができる。
本発明のさらに別の態様として、前記タンパク質を含む有機物溶液は、スキムミルク、牛乳、豆乳又は卵を含む、のが好ましい。上記好塩性微細藻類の回収方法によれば、タンパク質を含む有機物溶液は、スキムミルク(脱脂粉乳)、牛乳、豆乳又は卵を含むため、タンパク質成分を安価でかつ調達しやすく、例えば、飲食用に用いられるような、タンパク質成分を含む有機物溶液であれば、タンパク質の変性による沈殿を利用して、好塩性微細藻類をより効率的に分離、回収することができる。
以上のように、本発明の好塩性微細藻類の回収方法によれば、タンパク質の変性による沈殿を利用して、好塩性微細藻類を効率的に分離、回収することができる、といった優れた効果を奏し得る。
好塩性微細藻類の回収方法について、アルコールによる塩析の観察結果を示すグラフである。 本発明の一実施形態に係る好塩性微細藻類の回収方法について、種々の資材による塩析の観察結果を示す図である。 本発明の一実施形態に係る好塩性微細藻類の回収方法について、スキムミルクによる好塩性微細藻類の藻体の沈殿の様子を示す図である。 本発明の一実施形態に係る好塩性微細藻類の回収方法について、スキムミルクによる好塩性微細藻類の藻体の沈殿の様子を示す図である。
以下、本発明の一実施形態に係る好塩性微細藻類の回収方法について、詳細に説明する。
発明者らは、上述のように、アルコール以外の資材による塩析(タンパク質の変性による沈殿)を利用した好塩性微細藻類の回収方法に関する新たな知見を得た。本実施形態に係る好塩性微細藻類の回収方法は、好塩性微細藻類に属する藻類の藻体を、タンパク質の変性による沈殿を利用して取得する好塩性微細藻類の回収方法である。
本実施形態に係る好塩性微細藻類の回収方法は、好塩性微細藻類を、塩を含む培養液中で培養する工程と、培養液中に、タンパク質を含む有機物溶液を添加、混合して静置し、混合溶液を、沈殿物と上澄液とに分離する工程と、沈殿物に含まれる前記藻体を回収する工程と、を含むことを特徴とする。
本実施形態において、好塩性微細藻類は、ドナリエラ属種、海洋性シアノバクテリアとして、Nostoc属種、Symploca属種、Prochloron属種、養殖産業で使われている微細藻類として、Skeletonema属種、Thalassiosira属種、Chaetoceros属種、Isochrysis属、Tetraselmis属種、Monochrysis属種、Chlorella属種、その他、耐塩性が知られているものとして、Spirulina属種、Synechococcus属種、Phaeodactylum属種、Bangia属種、からなる群より選択される微細藻類である。
ドナリエラ属種は、真核藻類である緑藻の一種である。ドナリエラ属種は、好塩性微細藻類に属し、耐塩性の単細胞緑藻であるため、塩分濃度の高い場所で繁殖する。ドナリエラは、細胞壁を持たない。ドナリエラの作るカロテノイドは、細胞の再生を助ける抗酸化作用に優れるとされ、例えば、食品として、或いは、化粧品、薬剤などの有効成分として利用されている。
ドナリエラ属種等の好塩性微細藻類は、比較的高濃度の塩の存在が生育に必要である。本実施形態において、培養液は、3.5%〜20%の塩濃度を有する。培養液が、3.5%〜20%の塩濃度を有する場合、タンパク質の変性による沈殿を利用して、好塩性微細藻類をより効率的に分離、回収することができる。好ましくは、培養液は、15%から16%の塩濃度を有する。
本実施形態において、混合溶液の温度は、10℃〜30℃の範囲である。混合溶液の温度が、10℃〜30℃の範囲であれば、タンパク質の変性による沈殿を利用して、好塩性微細藻類をさらにより効率的に分離、回収することができる。好ましくは、混合溶液の温度は、25℃であり、室温で沈殿可能である。
本実施形態において、培養液中の藻体濃度は、10個/mlである。培養液中の藻体濃度が、10個/mlであれば、塩析によって十分に沈殿物を生成することができ、好塩性微細藻類をさらにより効率的に分離、回収することができる。
本実施形態において、培養液に対して、5〜10重量%のタンパク質を含む有機物溶液を添加する。培養液に対して、5〜10重量%のタンパク質を含む有機物溶液を添加する場合、塩析によって十分に沈殿物を生成することができ、好塩性微細藻類をさらにより効率的に分離、回収することができる。
本実施形態において、タンパク質を含む有機物溶液は、スキムミルク(脱脂粉乳)、牛乳、豆乳又は卵を含む。スキムミルク、牛乳、豆乳又は卵は、タンパク質成分を安価でかつ調達しやすく、タンパク質の変性による沈殿を利用して、塩析によって十分に沈殿物を生成することができる。
また、エタノールによる塩析の場合、混合溶液を冷却することで、沈殿効率が高まるが、スキムミルク等のタンパク質を含む有機物溶液による塩析の場合、室温でも沈殿を十分に生成することができる。
また、スキムミルクの場合、廃乳等からスキムミルクを調達すれば、好塩性微細藻類を安価で効率よく回収する手段として期待できる。
次に、実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(アルコール以外の資材による塩析を利用した好塩性微細藻類の回収方法)
発明者らは、市販の人工海水(粉末)に純水を加えて、約15重量%の塩濃度の培養液を作製した。ドナリエラを培養液中で14日間培養し、培養液をチューブに分注した。次に、各チューブに、種々の資材を添加、混合して10分間静置し、混合溶液を、上澄液と沈殿物とに分離した。そして、上澄液と沈殿物とを、それぞれ、光学顕微鏡により観察した。
(試験結果)
上記実施例では、各チューブに、種々の資材以外の資材は添加しておらず、遠心分離も行っていない。また、種々の資材添加時は、強撹拌はせず、温和な条件で混和した。そして、沈殿までに必要な時間は、実質10分程度であった。種々の資材による塩析の観察結果を、図2(a),(b)に示す。
図2(a),(b)に示すように、コントロールとして培養液(Cul.)を使用した。また、種々の資材として、6種類の有機物系資材(図2(a))及び5種類の無機物系資材(図2(b))を使用した。
図2(a),(b)に示すように、コントロールでは、培養液中にドナリエラの藻体のみが観察された。
図2(a)に示すように、6種類の有機物系資材において、エタノール、アセトン、グリセリン、ポリビニルアルコールでは、混合溶液は、塩析によって、上澄と沈殿物とに分離されている。しかしながら、塩析による液体の増加量が大きいため、排液(上澄液)の処理量の問題が残る。
図2(a),図3及び図4に示すように、スキムミルクでは、10分程度で沈殿し、藻体の回収効率も高いことが確認された。また、スキムミルクでは、液量の増分が少ないため、排水処理の負担が抑えられる。
タンパク質の変性による沈殿では、有機物溶液中のタンパク質成分が塩の存在によって変性し、タンパク質の分子構造が変わることで、好塩性微細藻類がタンパク質成分とともに沈殿する。培養液中の塩分は、上澄液中に含まれるようになる。
また、図2(b)に示すように、5種類の全ての無機物系資材において、藻体は若干回収されているものの、回収効率が悪く、かつ液面付近に沈殿していない藻体が確認された。
以上のように、本実施形態に係る好塩性微細藻類の回収方法によれば、有機物溶液中のタンパク質成分が塩の存在によって変性し、タンパク質の分子構造が変わることで、好塩性微細藻類がタンパク質成分とともに沈殿する。また、培養液中の塩分は、上澄液中に含まれるようになる。
その結果、好塩性微細藻類がタンパク質成分ともに沈殿物中に存在し、塩分は上澄液中に含まれるため、タンパク質の変性による沈殿を利用して、好塩性微細藻類を効率的に分離、回収することができる。また、添加する有機物溶液の液量の増分が少ないため、上澄液(排液)の処理量の負担が抑えられる。
また、ドナリエラ属種のみならず、ドナリエラ以外の種々の好塩性微細藻類を、タンパク質の変性による沈殿を利用して、効率的に分離、回収することができる。
また、培養液が、3.5%〜20%の塩濃度を有する場合、タンパク質の変性による沈殿を利用して、好塩性微細藻類をより効率的に分離、回収することができる。
また、混合溶液の温度が、10℃〜30℃の範囲であれば、タンパク質の変性による沈殿を利用して、好塩性微細藻類をさらにより効率的に分離、回収することができる。
また、培養液中の藻体濃度が、10個/mlであれば、タンパク質の変性による沈殿を利用して、十分に沈殿物を生成することができ、好塩性微細藻類をさらにより効率的に分離、回収することができる。
また、培養液に対して、5〜10重量%のタンパク質を含む有機物溶液を添加する場合、タンパク質の変性による沈殿を利用して、好塩性微細藻類をさらにより効率的に分離、回収することができる。
また、スキムミルクを使用できるため、タンパク質成分を安価でかつ調達しやすく、例えば、飲食用に用いられるような、タンパク質成分を含む有機物溶液であれば、タンパク質の変性による沈殿を利用して、好塩性微細藻類をより効率的に分離、回収することができる。
また、エタノールによる塩析の場合、混合溶液を冷却することで、沈殿効率が高まるが、スキムミルクによる沈殿の場合、室温でも沈殿を十分に生成することができる。
また、スキムミルクの場合、排乳等からスキムミルクを調達すれば、好塩性微細藻類を安価で効率よく回収する手段として期待できる。
なお、本発明の好塩性微細藻類の回収方法は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更し得ることは勿論のことである。
上記実施形態において、好塩性微細藻類は、ドナリエラ属種、Nostoc属種、Symploca属種、Prochloron属種、Skeletonema属種、Thalassiosira属種、Chaetoceros属種、Isochrysis属、Tetraselmis属種、Monochrysis属種、Chlorella属種、Spirulina属種、Synechococcus属種、Phaeodactylum属種、Bangia属種からなる群より選択される微細藻類であるが、これに限定されるものではない。ドナリエラ属種等の好塩性微細藻類であれば、塩析(タンパク質の変性による沈殿)による沈殿を利用して、効率的に回収することができる。
上記実施形態において、培養液は、3.5%〜20%の塩濃度を有するが、これに限定されるものではない。使用される好塩性微細藻に応じて、適切な塩濃度を有する培養液を使用することが可能である。
上記実施形態において、混合溶液の温度は、10℃〜30℃の範囲であるが、これに限定されるものではない。使用される好塩性微細藻に応じて、適切な温度を使用することが可能である。
上記実施形態において、培養液中の藻体濃度は、10個/mlであるが、これに限定されるものではない。使用される好塩性微細藻に応じて、適切な藻体濃度を使用することが可能である。
上記実施形態において、培養液に対して、5〜10重量%のタンパク質を含む有機物溶液を添加するが、これに限定されるものではない。使用される好塩性微細藻に応じて、適切なタンパク質を含む有機物溶液を使用することが可能である。
上記実施形態において、タンパク質を含む有機物溶液として、スキムミルクを使用したが、これに限定されるものではない。使用される好塩性微細藻に応じて、適切なタンパク質、例えば、牛乳、豆乳又は卵を含む有機物溶液を使用することが可能である。
上記実施形態において、培養液へのタンパク質を含む有機物溶液の添加後に、緩衝液流で混合、均一化する工程をさらに含んでもよい。緩衝液流によって、培養液とタンパク質を含む有機物溶液とを、さらに均一に混合することができるようになる。
上記実施形態において、上澄液に含まれる塩を回収する工程をさらに含んでもよい。また、上記実施形態において、回収された塩を、培養液中に再び戻して再利用する工程をさらに含んでもよい。そうすることで、好塩性微細藻類を培養液中で培養するために必要な塩分として、回収された塩を、培養液中に再び戻して、より効率的に再利用することができる。
本発明の好塩性微細藻類の回収方法は、塩析(タンパク質の変性)による沈殿を利用して、効率的に分離、回収することのできる好塩性微細藻類の回収方法に有効に利用される。

Claims (10)

  1. 好塩性微細藻類に属する藻類の藻体を、タンパク質の変性による沈殿を利用して取得する好塩性微細藻類の回収方法であって、
    前記好塩性微細藻類を、塩を含む培養液中で培養する工程と、
    前記培養液中に、タンパク質を含む有機物溶液を添加、混合して静置し、混合溶液を、沈殿物と上澄液とに分離する工程と、
    前記沈殿物に含まれる前記藻体を回収する工程と、を含む、好塩性微細藻類の回収方法。
  2. 前記好塩性微細藻類は、ドナリエラ属種、Nostoc属種、Symploca属種、Prochloron属種、Skeletonema属種、Thalassiosira属種、Chaetoceros属種、Isochrysis属、Tetraselmis属種、Monochrysis属種、Chlorella属種、Spirulina属種、Synechococcus属種、Phaeodactylum属種、Bangia属種からなる群より選択される微細藻類である、請求項1に記載の好塩性微細藻類の回収方法。
  3. 前記培養液は、3.5%〜20%の塩濃度を有する、請求項1又は2に記載の好塩性微細藻類の回収方法。
  4. 前記混合溶液の温度は、10℃〜30℃の範囲である、請求項1〜3の何れかに記載の好塩性微細藻類の回収方法。
  5. 前記培養液中の藻体濃度は、10個/mlである、請求項1〜4の何れかに記載の好塩性微細藻類の回収方法。
  6. 前記培養液に対して、5〜10重量%の前記タンパク質を含む有機物溶液を添加する、請求項1〜5の何れかに記載の好塩性微細藻類の回収方法。
  7. 前記培養液への前記タンパク質を含む有機物溶液の添加後に、緩衝液流で混合、均一化する工程をさらに含む、請求項1〜6の何れかに記載の好塩性微細藻類の回収方法。
  8. 前記上澄液に含まれる前記塩を回収する工程をさらに含む、請求項1〜7の何れかに記載の好塩性微細藻類の回収方法。
  9. 回収された前記塩を、前記培養液中に再び戻して再利用する工程をさらに含む、請求項1〜8の何れかに記載の好塩性微細藻類の回収方法。
  10. 前記タンパク質を含む有機物溶液は、スキムミルク、牛乳、豆乳又は卵を含む、請求項1〜9の何れかに記載の好塩性微細藻類の回収方法。

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