以下、図面を参照し、本発明の移動体内装部材制御装置、移動体内装部材制御方法、および移動体内装部材制御プログラムの実施形態について説明する。移動体内装部材制御装置は、例えば、乗用車やバスなどの車両、フェリーなどの船舶、旅客機などの航空機に搭載されてよい。以下の実施形態では、移動体内装部材制御装置の搭載対象が車両である例について説明する。
<第1実施形態>
図1は、第1実施形態における移動体内装部材制御装置の構成要素を含む車両制御システム1の構成図である。車両制御システム1が搭載される車両は、例えば、二輪や三輪、四輪等の車両であり、その駆動源は、ディーゼルエンジンやガソリンエンジンなどの内燃機関、電動機、或いはこれらの組み合わせである。電動機は、内燃機関に連結された発電機による発電電力、或いは二次電池や燃料電池の放電電力を使用して動作する。
車両制御システム1は、例えば、カメラ10と、レーダ装置12と、ファインダ14と、物体認識装置16と、通信装置20と、HMI(Human Machine Interface)30と、シート装置40と、ナビゲーション装置50と、MPU(Micro-Processing Unit)60と、車両センサ70と、運転操作子80と、自動運転制御ユニット100と、走行駆動力出力装置200と、ブレーキ装置210と、ステアリング装置220とを備える。これらの装置や機器は、CAN(Controller Area Network)通信線等の多重通信線やシリアル通信線、無線通信網等によって互いに接続される。なお、図1に示す構成はあくまで一例であり、構成の一部が省略されてもよいし、更に別の構成が追加されてもよい。
カメラ10は、例えば、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等の固体撮像素子を利用したデジタルカメラである。カメラ10は、車両制御システム1が搭載される車両(以下、自車両Mと称する)の任意の箇所に一つまたは複数が取り付けられる。前方を撮像する場合、カメラ10は、フロントウィンドウシールド上部やルームミラー裏面等に取り付けられる。カメラ10は、例えば、周期的に繰り返し自車両Mの周辺を撮像する。カメラ10は、ステレオカメラであってもよい。
レーダ装置12は、自車両Mの周辺にミリ波などの電波を放射すると共に、物体によって反射された電波(反射波)を検出して少なくとも物体の位置(距離および方位)を検出する。レーダ装置12は、自車両Mの任意の箇所に一つまたは複数が取り付けられる。レーダ装置12は、FMCW(Frequency Modulated Continuous Wave)方式によって物体の位置および速度を検出してもよい。
ファインダ14は、照射光に対する散乱光を測定し、対象までの距離を検出するLIDAR(Light Detection and Ranging、或いはLaser Imaging Detection and Ranging)である。ファインダ14は、自車両Mの任意の箇所に一つまたは複数が取り付けられる。
物体認識装置16は、カメラ10、レーダ装置12、およびファインダ14のうち一部または全部による検出結果に対してセンサフュージョン処理を行って、物体の位置、種類、速度などを認識する。物体認識装置16は、認識結果を自動運転制御ユニット100に出力する。
通信装置20は、例えば、セルラー網やWi−Fi網、Bluetooth(登録商標)、DSRC(Dedicated Short Range Communication)などを利用して、自車両Mの周辺に存在する他車両と通信し、或いは無線基地局を介して各種サーバ装置と通信する。
HMI30は、自車両Mの乗員に対して各種情報を提示すると共に、乗員による入力操作を受け付ける。例えば、HMI30は、タッチパネル31と、操作受付部32と、インストルメントパネル33と、インパネ駆動部34とを備える。
タッチパネル31は、自動運転制御ユニット100から出力された情報に基づく画像を表示すると共に、乗員による入力操作を受け付ける。タッチパネル31は、例えば、インストルメントパネル33の各部、運転席のシートや助手席のシートの裏面などに取り付けられる。
操作受付部32は、乗員による入力操作を受け付けるスイッチや入力キーなどである。操作受付部32は、例えば、インストルメントパネル33の各部や、各シートの側面などの任意の箇所に取り付けられる。操作受付部32は、例えば、後述するシート41を移動するための操作を受け付ける。操作受付部32は、受け付けた入力操作に基づく操作入力信号を生成し、この信号を自動運転制御ユニット100に出力する。なお、操作受付部32は、タッチパネル31と一体となっていてもよい。
インストルメントパネル33は、例えば、スピードメータ、タコメータ、燃料計、水温計、距離計など、自車両Mの走行に必要な情報を指し示す機器を含む。また、インストルメントパネル33は、上記機器が装着されたダッシュボードの一部を含んでもよい。
インパネ駆動部34は、例えば、アクチュエータ(例えばモータなど)と、そのアクチュエータの駆動対象である駆動機構とを備える。駆動機構は、例えば、ラックアンドピニオン機構によって実現されてよい。ラックアンドピニオン機構は、例えば、インストルメントパネル33と、ダッシュボードとの間に設けられる。例えば、インパネ駆動部34は、自動運転制御ユニット100から制御指示信号が出力されると、アクチュエータを駆動させて、ラックの歯に嵌合させながらピニオンを平行移動させる。これによって、インストルメントパネル33は、ダッシュボードに対してスライドしながら移動する。
シート装置40は、例えば、シート41と、シート駆動部42とを備える。シート41は、運転席や助手席のように車両乗員が着座するシートである。以下、運転席のシートと助手席のシートを「前部シート41a」と称し、その前部シート41aの直後に配置された後部座席のシート、すなわち、前部シート41aと共に縦列状に並べられた後部座席のシートを「後部シート41b」と称して説明する。なお、ミニバンやバスのようにシートが3列以上配置されている場合、後部座席のシートの一部は、「前部シート41a」として扱われてよい。例えば、前から3列目の後部座席のシートから見た場合、前から2列目の後部座席のシートは、「前部シート41a」として扱われてよい。このように、シート41が設置されるフロアFに対して略平行な方向(以下、水平方向と称する)に関して、前後に並んだ二つのシートのうち、前方側に位置するシートは「前部シート41a」として扱われ、後方側に位置するシートは「後部シート41b」として扱われてよい。以下の実施形態では、説明を簡略化するため、自車両Mにはシート41が2列で設置されているものとして説明する。上述したインストルメントパネル33、前部シート41a、および後部シート41bを合わせたものは、「内装部材」の一例である。なお、内装部材には、エレベータやリフトなど、垂直方向に駆動されて物体を運搬することを目的とするものは含まれない。
シート駆動部42は、自動運転制御ユニット100により出力される制御指示信号に基づいて、図示しないアクチュエータを駆動して、シート41のリクライニング角、垂直方向(上下方向)の位置、水平方向(前後方向)の位置、ヨー角などを自在に調整する。垂直方向とは、シート41が設置されるフロアF(基準となるフロア)に対する垂直方向であり、水平方向に略直交する方向である。
ナビゲーション装置50は、例えば、GNSS(Global Navigation Satellite System)受信機51と、ナビHMI52と、経路決定部53とを備え、HDD(Hard Disk Drive)やフラッシュメモリなどの記憶装置に第1地図情報54を保持している。GNSS受信機51は、GNSS衛星から受信した信号に基づいて、自車両Mの位置を特定する。自車両Mの位置は、車両センサ70の出力を利用したINS(Inertial Navigation System)によって特定または補完されてもよい。ナビHMI52は、表示装置、スピーカ、タッチパネル、入力キーなどを含む。ナビHMI52は、前述したHMI30と一部または全部が共通化されてもよい。経路決定部53は、例えば、ナビHMI52を用いて、GNSS受信機51により特定された自車両Mの位置(或いは入力された任意の位置)から、乗員により入力された目的地までの経路を、第1地図情報54を参照して決定する。第1地図情報54は、例えば、道路を示すリンクと、リンクによって接続されたノードとによって道路形状が表現された情報である。第1地図情報54は、道路の曲率やPOI(Point Of Interest)情報などを含んでもよい。経路決定部53により決定された経路は、MPU60に出力される。また、ナビゲーション装置50は、経路決定部53により決定された経路に基づいて、ナビHMI52を用いた経路案内を行ってもよい。なお、ナビゲーション装置50は、例えば、ユーザの保有するスマートフォンやタブレット端末等の端末装置の機能によって実現されてもよい。また、ナビゲーション装置50は、通信装置20を介してナビゲーションサーバに現在位置と目的地を送信し、ナビゲーションサーバから返信された経路を取得してもよい。
MPU60は、例えば、推奨車線決定部61として機能し、HDDやフラッシュメモリなどの記憶装置に第2地図情報62を保持している。推奨車線決定部61は、ナビゲーション装置50から提供された経路を複数のブロックに分割し(例えば、車両進行方向に関して100[m]毎に分割し)、第2地図情報62を参照してブロックごとに推奨車線を決定する。例えば、推奨車線決定部61は、ナビゲーション装置50から提供された経路において複数の車線が存在する場合、複数の車線の中から一つの推奨車線を決定する。推奨車線決定部61は、提供された経路において分岐箇所や合流箇所などが存在する場合、自車両Mが、分岐先に進行するための合理的な走行経路を走行できるように、推奨車線を決定する。
第2地図情報62は、第1地図情報54よりも高精度な地図情報である。第2地図情報62は、例えば、車線の中央の情報あるいは車線の境界の情報等を含んでいる。また、第2地図情報62には、道路情報、交通規制情報、住所情報(住所・郵便番号)、施設情報、電話番号情報などが含まれてよい。道路情報には、高速道路、有料道路、国道、都道府県道といった道路の種別を表す情報や、道路の車線数、各車線の幅員、道路の勾配、道路の位置(経度、緯度、高さを含む3次元座標)、車線のカーブの曲率、車線の合流および分岐箇所の位置、道路に設けられた標識等の情報が含まれる。第2地図情報62は、通信装置20を用いて他装置にアクセスすることにより、随時、アップデートされてよい。
車両センサ70は、自車両Mの速度を検出する車速センサ、加速度を検出する加速度センサ、鉛直軸回りの角速度を検出するヨーレートセンサ、自車両Mの向きを検出する方位センサ等を含む。車両センサ70は、検出した情報(速度、加速度、角速度、方位等)を自動運転制御ユニット100に出力する。
運転操作子80は、例えば、アクセルペダルやブレーキペダルなどの各種ペダル81と、ステアリングホイール82とを含む。ステアリングホイール82は、例えば、上述したインストルメントパネル33、またはインストルメントパネル33付近のダッシュボードに設けられる。そのため、ステアリングホイール82は、インストルメントパネル33の移動に伴って、インストルメントパネル33の移動方向を同じ方向に移動する。また、運転操作子80は、更に、シフトレバーやジョイスティックなどを含んでもよい。運転操作子80には、操作量あるいは操作の有無を検出するセンサが取り付けられており、その検出結果を示す検出信号は、自動運転制御ユニット100、もしくは、走行駆動力出力装置200、ブレーキ装置210、およびステアリング装置220のうち一方または双方に出力される。
自動運転制御ユニット100は、例えば、第1制御部120と、第2制御部140と、第3制御部150とを備える。第1制御部120、第2制御部140、および第3制御部150は、それぞれ、CPU(Central Processing Unit)などのプロセッサがプログラム(ソフトウェア)を実行することで実現される。また、以下に説明する第1制御部120、第2制御部140、および第3制御部150の構成要素のうち一部または全部は、LSI(Large Scale Integration)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)などのハードウェアによって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアの協働によって実現されてもよい。
第1制御部120は、例えば、外界認識部121と、自車位置認識部122と、行動計画生成部123とを備える。
外界認識部121は、カメラ10、レーダ装置12、およびファインダ14から直接的に、或いは物体認識装置16を介して入力される情報に基づいて、周辺車両の位置、および速度、加速度等の状態を認識する。周辺車両の位置は、その周辺車両の重心やコーナー等の代表点で表されてもよいし、周辺車両の輪郭で表現された領域で表されてもよい。周辺車両の「状態」とは、周辺車両の加速度やジャーク、あるいは「行動状態」(例えば車線変更をしている、またはしようとしているか否か)を含んでもよい。また、外界認識部142は、周辺車両に加えて、ガードレールや電柱、駐車車両、歩行者、その他の物体の位置を認識してもよい。
自車位置認識部122は、例えば、自車両Mが走行している車線(自車線)、並びに自車線に対する自車両Mの相対位置および姿勢を認識する。自車位置認識部122は、例えば、第2地図情報62から得られる道路区画線のパターン(例えば実線と破線の配列)と、カメラ10によって撮像された画像から認識される自車両Mの周辺の道路区画線のパターンとを比較することで、走行車線(自車線)を認識する。この認識において、ナビゲーション装置50から取得される自車両Mの位置やINSによる処理結果が加味されてもよい。
そして、自車位置認識部122は、例えば、自車線に対する自車両Mの位置や姿勢を認識する。図2は、自車位置認識部122により自車線L1に対する自車両Mの相対位置および姿勢が認識される様子を示す図である。自車位置認識部122は、例えば、自車両Mの基準点(例えば重心)の自車線中央CLからの乖離OS、および自車両Mの進行方向の自車線中央CLを連ねた線に対してなす角度θを、自車線L1に対する自車両Mの相対位置および姿勢として認識する。なお、これに代えて、自車位置認識部122は、自車線L1のいずれかの側端部に対する自車両Mの基準点の位置などを、自車線に対する自車両Mの相対位置として認識してもよい。自車位置認識部122により認識される自車両Mの相対位置は、推奨車線決定部61および行動計画生成部123に提供される。
行動計画生成部123は、推奨車線決定部61により決定された推奨車線を走行するように、且つ、自車両Mの周辺状況に対応できるように、自動運転において順次実行されるイベントを決定する。自動運転とは、自車両Mの加減速または操舵の少なくとも一方を、自動運転制御ユニット100が制御することをいう。イベントには、例えば、一定速度で同じ走行車線を走行する定速走行イベント、前走車両に追従する追従走行イベント、車線変更イベント、合流イベント、分岐イベント、緊急停止イベント、自動運転を終了して手動運転に切り替えるためのハンドオーバイベントなどがある。また、これらのイベントの実行中に、自車両Mの周辺状況(周辺車両や歩行者の存在、道路工事による車線狭窄など)に基づいて、回避のためのイベントが計画される場合もある。
行動計画生成部123は、自車両Mが将来走行する目標軌道を生成する。目標軌道は、例えば、速度要素を含んでいる。例えば、目標軌道は、所定のサンプリング時間(例えば0コンマ数[sec]程度)ごとに将来の基準時刻を複数設定し、それらの基準時刻に到達すべき目標地点(軌道点)の集合として生成される。このため、軌道点同士の間隔が広い場合、その軌道点の間の区間を高速に走行することを示している。
図3は、推奨車線に基づいて目標軌道が生成される様子を示す図である。図示するように、推奨車線は、目的地までの経路に沿って走行するのに都合が良いように設定される。行動計画生成部123は、推奨車線の切り替わり地点の所定距離手前(イベントの種類に応じて決定されてよい)に差し掛かると、車線変更イベント、分岐イベント、合流イベントなどを起動する。各イベントの実行中に、障害物を回避する必要が生じた場合には、行動計画生成部123は、図示するように回避のための軌道を生成してもよいし、減速のための軌道を生成してよい。
行動計画生成部123は、例えば、目標軌道の候補を複数生成し、安全性と効率性の観点に基づいて、その時点での最適な目標軌道を選択する。
第2制御部140は、走行制御部141を備える。走行制御部141は、行動計画生成部123によって生成された目標軌道を、予定の時刻通りに自車両Mが通過するように、走行駆動力出力装置200並びにブレーキ装置210と、ステアリング装置220との一方または双方を制御する。以下、走行制御部141によって、走行駆動力出力装置200並びにブレーキ装置210と、ステアリング装置220との一方または双方が制御されている状態を、「自動運転モード」と称し、走行制御部141によって、走行駆動力出力装置200、ブレーキ装置210、およびステアリング装置220が制御されていない状態、すなわち運転操作子80に対する操作によって、走行駆動力出力装置200、ブレーキ装置210、およびステアリング装置220が制御されている状態を、「手動運転モード」と称して説明する。
第3制御部150の説明に先立って、走行駆動力出力装置200、ブレーキ装置210、およびステアリング装置220について説明する。
走行駆動力出力装置200は、車両が走行するための走行駆動力(トルク)を駆動輪に出力する。走行駆動力出力装置200は、例えば、内燃機関、電動機、および変速機などの組み合わせと、これらを制御するECUとを備える。ECUは、走行制御部141から入力される情報、或いは運転操作子80から入力される情報に従って、上記の構成を制御する。
ブレーキ装置210は、例えば、ブレーキキャリパーと、ブレーキキャリパーに油圧を伝達するシリンダと、シリンダに油圧を発生させる電動モータと、ブレーキECUとを備える。ブレーキECUは、走行制御部141から入力される情報、或いは運転操作子80から入力される情報に従って電動モータを制御し、制動操作に応じたブレーキトルクが各車輪に出力されるようにする。ブレーキ装置210は、運転操作子80に含まれるブレーキペダルの操作によって発生させた油圧を、マスターシリンダを介してシリンダに伝達する機構をバックアップとして備えてよい。なお、ブレーキ装置210は、上記説明した構成に限らず、走行制御部141から入力される情報に従ってアクチュエータを制御して、マスターシリンダの油圧をシリンダに伝達する電子制御式油圧ブレーキ装置であってもよい。
ステアリング装置220は、例えば、ステアリングECUと、電動モータとを備える。電動モータは、例えば、ラックアンドピニオン機構に力を作用させて転舵輪の向きを変更する。ステアリングECUは、走行制御部141から入力される情報、或いは運転操作子80から入力される情報に従って、電動モータを駆動し、転舵輪の向きを変更させる。
第3制御部150は、例えば、判定部151と、内装部材制御部152とを備える。
以下、第3制御部150による一連の処理についてフローチャートを用いて説明する。図4は、第3制御部150による一連の処理の一例を示すフローチャートである。本フローチャートの処理は、例えば、所定の周期で繰り返し行われる。
まず、判定部151は、自動運転モードであるか否かを判定する(ステップS100)。自動運転モードでない場合、本フローチャートの処理は終了する。一方、自動運転モードである場合、判定部151は、前部シート41aに設置された操作受付部32が操作されたか否かを判定する(ステップS102)。すなわち、判定部151は、前部シート41aを移動するように要求されたか否かを判定する。前部シート41aに設置された操作受付部32が操作されていない場合、すなわち、前部シート41aの移動が要求されていない場合、後述するS104の処理が省略される。
前部シート41aに設置された操作受付部32が操作された場合、すなわち、前部シート41aの移動が要求された場合、判定部151は、後部シート41bに乗員が着座しているか否かを判定する(ステップS104)。例えば、判定部151は、車室内の天井などに設けられたカメラにより撮像された画像から、画像解析によって乗員を検出することで、後部シート41bに乗員が着座しているか否かを判定してよい。また、判定部151は、後部シート41bに設けられた各種センサ(例えば圧力センサや重量センサなど)の検出値を参照することで、後部シート41bに乗員が着座しているか否かを判定してもよい。自動運転モード下であるという条件と、操作受付部32が操作されたという条件は、「所定の条件」の一例である。
内装部材制御部152は、判定部151により後部シート41bに乗員が着座していないと判定された場合、車室内のフロアFに対して、前部シート41aの位置、インストルメントパネル33の位置、または前部シート41aおよびインストルメントパネル33の双方の位置を、少なくとも垂直方向に移動させてよい(ステップS106)。
図5は、前部シート41aの位置を垂直方向に移動させる様子を模式的に示す図である。例えば、図中(a)の状況において、前部シート41aに設けられた操作受付部32aが乗員によって操作された場合、図中(b)に示すように、内装部材制御部152は、シート駆動部42に制御指示信号を出力して、前部シート41aを垂直方向に下降するように移動させる。このとき、内装部材制御部152は、シート駆動部42を制御して、前部シート41aを後部シート41b側に倒すように前部シート41aのリクライニング角を調整したり、前部シート41aの位置を後方側(インストルメントパネル33から遠ざかる側)に移動させたりしてもよい。なお、前部シート41aのリクライニング角や前後方向の位置調整は、手動によって適宜行われてもよい。
一般的に、倒された前部シート41aに乗員が寝そべるような場合、乗員の足などがインストルメントパネル33やそれに付随するステアリングホイール82等に触れる場合がある。この場合、乗員が窮屈に感じたり、ステアリングホイール82などを意図せず操作して予期せぬ動作が生じたりすることが想定される。これに対して、本実施形態では、インストルメントパネル33の位置に対して前部シート41aの位置を、垂直方向、または垂直および水平の双方向に関して相対的に遠くに移動させるため、前部シート41aの乗員に解放感を与えることができると共に、運転操作子80に対する意図せぬ操作を防止することができる。
図6は、インストルメントパネル33の位置を垂直方向に移動させる様子を模式的に示す図である。図示のように、内装部材制御部152は、インパネ駆動部34に制御指示信号を出力して、インストルメントパネル33を垂直方向に上昇するように移動させる。これによって、前部シート41aの位置に対してインストルメントパネル33の位置が相対的に遠くなるため、上述した前部シート41aの位置を移動される例と同様に、前部シート41aの乗員に解放感を与えることができると共に、運転操作子80に対する意図せぬ操作を防止することができる。なお、図示の例のように、内装部材制御部152は、シート駆動部42を制御して、前部シート41aを後部シート41b側に倒すように前部シート41aのリクライニング角を調整したり、前部シート41aの位置を後方側(インストルメントパネル33から遠ざかる側)に移動させたりしてもよい。
また、内装部材制御部152は、前部シート41aを垂直方向下向きに移動させる(図5の例示)と共に、インストルメントパネル33を垂直方向上向きに移動させてもよい(図6の例示)。すなわち、内装部材制御部152は、フロアFに対する垂直方向において、前部シート41aおよびインストルメントパネル33を相反する方向で移動させる。
ここで、図4のフローチャートの説明に戻る。判定部151は、後部シート41bに乗員が着座していると判定した場合、更に、後部シート41bを移動させることに対して、後部シート41bに着座する乗員からの同意が得られたか否かを判定する(ステップS108)。
例えば、後部シート41bに乗員が着座している場合において、前部シート41aを移動させると、後部シート41b周辺のスペースが縮小するため、後部シート41bの乗員が窮屈に感じるおそれがある。そのため、本実施形態では、原則的に、前部シート41aの移動に伴って(連動して)後部シート41bを移動させる。このとき、乗員の意思に反して後部シート41bが移動されてしまう場合があるため、第3制御部150は、事前に乗員の同意の確認を行って、同意が得られた場合に後部シート41bを移動させる。
例えば、判定部151は、後部シート41bに設置された操作受付部32に対する操作の有無、または後部シート41bに着座する乗員が操作可能な位置に設けられたタッチパネル31に対する操作の有無に応じて、後部シート41bを移動することへの同意があったかどうかを判定する。
図7は、後部シート41bから見た前部シート41aの一例を示す図である。図示のように、例えば、前部シート41aの背面(座面でない側の面)には、タッチパネル31が設けられている。図示の例のように、タッチパネル31には、前部シート41aの移動に伴って後部シート41bを移動することへの同意を求める画面が表示される。例えば、図中の「YES」がタッチ操作されると、判定部151は、乗員からの同意があったと判定し、「NO」がタッチ操作されたり、一定時間が経過するまで間にいずれも操作されなかったりした場合、乗員からの同意がなかったと判定する。また、判定部151は、画面がタッチ操作される代わりに、後部シート41bの操作受付部32に対して操作があった場合(操作受付部32から操作入力信号が入力された場合)、乗員からの同意があったと判定し、後部シート41bの操作受付部32に対して一定時間内に操作がなかった場合(操作受付部32から操作入力信号が入力されなかった場合)、乗員からの同意がなかったと判定してもよい。
判定部151によって後部シート41bに着座する乗員からの同意が得られなかったと判定された場合、内装部材制御部152は、前部シート41aおよび後部シート41bを移動させずに、本フローチャートの処理を終了する。
一方、判定部151によって後部シート41bに着座する乗員からの同意が得られたと判定された場合、内装部材制御部152は、車室内のフロアFに対して、前部シート41aおよび後部シート41bの位置、または前部シート41a、後部シート41b、およびインストルメントパネル33の各位置を、少なくとも垂直方向に移動させる(ステップS110)。
図8は、前部シート41a、後部シート41b、およびインストルメントパネル33の各位置を垂直方向に移動させる様子を模式的に示す図である。例えば、図中(a)の状況において、前部シート41aの移動に伴って後部シート41bを移動させることへの同意が得られた場合、図中(b)に示すように、内装部材制御部152は、インパネ駆動部34に制御指示信号を出力して、インストルメントパネル33を垂直方向に上昇するように移動させると共に、シート駆動部42に制御指示信号を出力して、前部シート41aを垂直方向に上昇するように移動させる。このとき、内装部材制御部152は、前部シート41aの移動量(例えば移動距離など)に比して更に大きな移動量で、インストルメントパネル33の位置を垂直方向上向きに移動させる。
また、内装部材制御部152は、シート駆動部42に制御指示信号を出力して、後部シート41bを垂直方向に下降するように移動させる。この際、内装部材制御部152は、シート駆動部42を制御して、各シートのリクライニング角を調整してもよい。このような制御によって、前部シート41aとインストルメントパネル33との間のスペースが拡がり、前部シート41aの乗員に解放感を与えることができると共に、運転操作子80に対する意図せぬ操作を防止することができる。また、前部シート41aを上昇させ、後部シート41bを下降させるため、垂直方向に関してシート同士の間隔を広くとることができる。この結果、後部シート41bの乗員にも解放感を与えることができる。
また、上述した例では、内装部材制御部152は、フロアFに対する垂直方向(上下方向)において、前部シート41aおよび後部シート41bを相反する方向(上方と下方)で移動させるものとして説明したがこれに限られない。例えば、内装部材制御部152は、前部シート41aおよび後部シート41bを、水平方向(前後方向)において相反する方向で移動させてもよい。
図9は、前部シート41aおよび後部シート41bの各位置を水平方向に移動させる様子を模式的に示す図である。図示の例のように、内装部材制御部152は、シート駆動部42に制御指示信号を出力して、前部シート41aを、垂直方向において上方に移動させ、且つ水平方向において後方(車両後端側)に移動させる。また、内装部材制御部152は、シート駆動部42に制御指示信号を出力して、後部シート41bを、垂直方向において下方に移動させ、且つ水平方向において前方(車両前端側)に移動させる。これによって、後部シート41bが前部シート41aの下方に潜り込むように移動する。この結果、垂直方向から見て、後部シート41bの少なくとも一部が前部シート41aにオーバラップすることになる。このように、水平方向に関して各シートを互いに接近する方向に移動させることで、後部シート41bの後方などのスペースを更に有効活用することができる。例えば、後部シート41bの後方におけるスペースが広がるため、後部シート41bを更に大きく後方側に倒すことができる。
上述した制御によって、後部シート41bを前部シート41aにオーバラップさせる場合、上方への移動に伴って、前部シート41aの下方(後部シート41bがもぐりこむ位置)には、後部シート41bの一部、あるいは後部シート41bに着座する乗員の身体の一部が入り込むことが可能なスペースGPが形成されてよい。
図10は、前部シート41aの下方にスペースGPが形成される様子を模式的に示す図である。図示のように、前部シート41aの移動前のスペースGPに比して移動後のスペースGPの方がより大きくなる。移動前のスペースGPは、例えば、荷物の収納用スペースとして活用されてよい。
なお、上述したフローチャートの処理において、判定部151は、S104の処理を省略して、S108の同意の有無の判定時に合わせて着座の有無を判定してもよい。例えば、判定部151は、後部シート41bに着座している乗員の有無に関わらずに、図7に示すように画面をタッチパネル31に表示させ、これに対する応答の有無をもって、同意があったかどうかを判定する。このとき、判定部151は、タッチパネル31に対する応答、すなわちタッチ操作があれば、後部シート41bに乗員が着座していると判定し、一定時間内に応答がなければ、後部シート41bに乗員が着座していないと判定してよい。
以上、説明した第1実施形態によれば、移動体(自車両M)の室内に縦列状に並べられて設けられた少なくとも二つのシート(前部シート41aおよび後部シート41b)と、自動運転モード下であり、更に操作受付部32が操作された場合(所定の条件が満たされた場合)に、室内の基準となるフロアFに対する垂直方向に、二つのシートのそれぞれの位置を互いに異なる方向で移動させる内装部材制御部152とを備えることにより、移動体内部(車両内)のスペースをより有効活用することができる。これによって、例えば、各シートの乗員に提供するスペースをより大きく確保することができ、各乗員のそれぞれに対して解放感を与えることができる。
また、上述した第1実施形態によれば、前部シート41aおよびインストルメントパネル33の双方を相反する方向に移動させることで、前部シート41aの乗員に提供するスペースをより大きく確保することができ、解放感を与えることができる。
また、上述した第1実施形態によれば、前部シート41aの移動量に比して更に大きな移動量で、インストルメントパネル33の位置を垂直方向上向きに移動させるため、前部シート41aを垂直方向上向きに移動させる場合であっても、上記同様に、前部シート41aの乗員に提供するスペースをより大きく確保することができ、解放感を与えることができる。
また、上述した第1実施形態によれば、垂直方向から見て、後部シート41bの一部が前部シート41aにオーバラップするように、後部シート41bおよび前部シート41aを水平方向において互いに接近するように移動させるため、後部シート41bの後方などのスペースなどを更に有効活用することができる。
<第1実施形態の変形例>
以下、第1実施形態の変形例について説明する。上述した第1実施形態では、後部シート41bが前部シート41aの移動に伴って移動するものとしたが、変形例では、後部シート41bが単独で移動するものとして説明する。
図11は、後部シート41bを単独で移動させる様子を模式的に示す図である。例えば、図中(a)の状況において、後部シート41bの操作受付部32が操作された場合、図中(b)に示すように、内装部材制御部152は、シート駆動部42に制御指示信号を出力して、後部シート41bを単独で移動させる。図示の例では、後部シート41bは、ルーフから乗員の身体の一部が飛び出すように垂直方向に移動されている。これによって、車室内のルーフ近傍のスペースを有効活用することができる。
<第2実施形態>
以下、第2実施形態について説明する。第2実施形態は、更に、前部シート41aの移動に伴って、運転操作子80が受け付ける操作を制限する点で、上述した第1実施形態と異なる。以下、第1実施形態との相違点を中心に説明し、第1実施形態と共通する機能等についての説明は省略する。
図12は、第2実施形態における車両制御システム2の構成図である。車両制御システム2は、上述した第1実施形態と同様に、カメラ10、レーダ装置12、ファインダ14、物体認識装置16、通信装置20、HMI30、シート装置40、ナビゲーション装置50、MPU60、車両センサ70、運転操作子80、自動運転制御ユニット100、走行駆動力出力装置200、ブレーキ装置210、およびステアリング装置220を備えると共に、更に、操作防止装置90を備える。これらの装置や機器は、CAN通信線等の多重通信線やシリアル通信線、無線通信網等によって互いに接続される。なお、図12に示す構成はあくまで一例であり、構成の一部が省略されてもよいし、更に別の構成が追加されてもよい。
操作防止装置90は、例えば、カバー部材91と、カバー部材駆動部92とを備える。カバー部材91は、例えば、前部シート41aとペダル81との間に位置する第1位置と、前部シート41aとペダル81との間から外れた第2位置との間で移動可能なように設けられる。カバー部材91は、例えば、乗員が押したり踏んだりした場合であっても変形しない程度の剛性を有する鉄板などの部材で形成されてよい。カバー部材91は、「制止部材」の一例である。
カバー部材駆動部92は、自動運転制御ユニット100から制御指示信号が出力されると、図示しないアクチュエータを駆動して、カバー部材91を、第1位置と第2位置との間で移動させる。
第2実施形態における自動運転制御ユニット100の第3制御部150Aは、例えば、上述した判定部151および内装部材制御部152に加えて、更に、運転操作受付制御部153を備える。
運転操作受付制御部153は、内装部材制御部152が前部シート41a、後部シート41b、およびインストルメントパネル33の一部または全部を移動させる場合、運転操作子80に対する操作を無効にし、内装部材制御部152が上記構成のいずれも移動させない場合、運転操作子80に対する操作を有効にする。
図13は、運転操作子80に対する操作を無効にする場面の一例を示す図である。例えば、図中(b)に示すように、前部シート41aが垂直方向に移動する場合、運転操作受付制御部153は、カバー部材駆動部92に制御指示信号を出力して、カバー部材91を移動させる。図示の例のように、カバー部材91は、フロアF内部に格納されている。フロアF内部に格納されているときのカバー部材91の位置は、第2位置に相当する。カバー部材91は、カバー部材駆動部92によって駆動され、フロアFから前部シート41aとペダル81との間に突出するように移動する。フロアFから突出するように移動した状態のカバー部材91の位置は、第1位置に相当する。これによって、ペダル81に対する意図せぬ操作を機械的に無効化することができる。なお、図示の例では、ペダル81についてのみ説明したがこれに限られない。例えば、運転操作受付制御部153は、ステアリングホイール82やその他の操作子についても同様に、他のカバー部材によってその操作子に対する操作を機械的に無効化してよい。
また、運転操作受付制御部153は、運転操作子80に対してなされた操作を電気的に無効化してもよい。例えば、運転操作受付制御部153は、運転操作子80から、操作を受け付けたことに応じて生成された検出信号を取得するのを禁止することによって、運転操作子80に対する操作を無効化してもよいし、運転操作子80から取得した検出信号を破棄(消去)することによって、運転操作子80に対する操作を無効化してもよい。
以上説明した第2実施形態によれば、上述した第1実施形態と同様に、移動体内部のスペースをより有効活用することができる。
また、上述した第2実施形態によれば、シート41が移動する際に、運転操作子80に対する操作を機械的あるいは電気的に無効にするため、運転操作子80に対する意図せぬ操作を、より確実に防止することができる。
<第3実施形態>
以下、第3実施形態について説明する。上述した第1または第2実施形態では、自動運転モード下において、内装部材である、前部シート41a、後部シート41b、およびインストルメントパネル33の一部または全部が移動されるものとして説明したが、第3実施形態では、手動運転時において、上記内装部材を移動させる点で上記実施形態と異なる。第3実施形態において、自車両Mは、必ずしも自動運転制御ユニット100を備えた車両である必要はなく、単に、運転操作子80を操作することによって操舵や加減速が制御される車両であってよい。以下、第1および第2実施形態との相違点を中心に説明し、これらの実施形態と共通する機能等についての説明は省略する。
図14は、第3実施形態における車両制御システム3の構成図である。車両制御システム3は、上述した第1および第2実施形態と同様に、HMI30およびシート装置40を備えると共に、更に、移動体内装部材制御装置300を備える。これらの装置や機器は、CAN通信線等の多重通信線やシリアル通信線、無線通信網等によって互いに接続される。なお、図14に示す構成はあくまで一例であり、構成の一部が省略されてもよいし、更に別の構成が追加されてもよい。
移動体内装部材制御装置300は、例えば、判定部301と、内装部材制御部302とを備える。判定部301は、例えば、シフトレバーの位置に基づいて、自車両Mが停車中であるか否かを判定する。内装部材制御部302は、判定部301によって自車両Mが停車中であると判定された場合に、上述した実施形態と同様に、前部シート41a、後部シート41b、およびインストルメントパネル33の一部または全部を移動させる。これによって、上述した第1および第2実施形態と同様に、車両内のスペースをより有効活用することができる。
以上、本発明を実施するための形態について実施形態を用いて説明したが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変形及び置換を加えることができる。