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JP2018191799A - 被検体情報取得装置および被検体情報取得方法 - Google Patents

被検体情報取得装置および被検体情報取得方法 Download PDF

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JP2018191799A JP2017096747A JP2017096747A JP2018191799A JP 2018191799 A JP2018191799 A JP 2018191799A JP 2017096747 A JP2017096747 A JP 2017096747A JP 2017096747 A JP2017096747 A JP 2017096747A JP 2018191799 A JP2018191799 A JP 2018191799A
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Abstract

【課題】光音響装置において周期的に発生するノイズを抑制する。【解決手段】被検体に光を照射する光源と、前記光に起因して前記被検体で発生した音響波を受信し、電気信号に変換する音響波検出手段と、非周期的な第一の周期で前記光の照射および前記電気信号の取得を行い、前記第一の周期ごとに得られた時系列の電気信号同士を加算する信号処理手段と、前記加算された電気信号に基づいて、前記被検体の特性情報を表す画像を生成する画像生成手段と、を有する。【選択図】図1

Description

本発明は、光音響効果を利用した被検体情報取得装置に関する。
近年、医療分野において、被検体内の構造情報や、生理的情報、すなわち機能情報をイメージングするための研究が進められている。このような技術の一つとして、近年、光音響トモグラフィ(PAT:PhotoAcoustic Tomography)が提案されている。
レーザ光などの光を被検体である生体に照射すると、光が被検体内の生体組織で吸収される際に音響波(典型的には超音波)が発生する。この現象を光音響効果と呼び、光音響効果により発生した音響波を光音響波と呼ぶ。被検体を構成する組織は、光エネルギーの吸収率がそれぞれ異なるため、発生する光音響波の音圧も異なったものとなる。PATでは、発生した光音響波を探触子で受信し、受信信号を数学的に解析することにより、被検体内の特性情報を取得することができる。
光音響装置においても、超音波診断装置と同様に、ハンドヘルド型のプローブを用いて容易に観察部位にアクセスできる装置が研究および開発されている。さらに、ハンドヘルド型プローブの形状を有する光音響装置においては、リアルタイムに被検体内の構造画像や機能画像を観察できるような装置が研究および開発されている。
光音響装置は、被検体内で発生した微弱な音響波に基づいて画像を構成する装置であるため、S/N比を向上させるための手法が多く考案されている。例えば、特許文献1には、被検体に対して光を複数回照射して音響波を受信し、得られた複数の信号に対して加算平均を行う光音響装置が開示されている。加算平均を行った信号に基づいて光音響画像を生成することで、ノイズを低減し、画質を向上させることが可能になる。
特開2016−47102号公報
特許文献1に記載の光音響装置では、サンプリング周期ごとに得られた信号を加算平均するため、ランダムに混入するノイズを抑制することができる。しかし、当該装置では、周期的に発生するノイズに対しては、十分な抑制効果を得ることができない。
本発明はこのような従来技術の課題に鑑みてなされたものであり、光音響装置において周期的に発生するノイズを抑制することを目的とする。
本発明に係る被検体情報取得装置は、
被検体に光を照射する光源と、前記光に起因して前記被検体で発生した音響波を受信し、電気信号に変換する音響波検出手段と、非周期的な第一の周期で前記光の照射および前記電気信号の取得を行い、前記第一の周期ごとに得られた時系列の電気信号同士を加算する信号処理手段と、前記加算された電気信号に基づいて、前記被検体の特性情報を表す画像を生成する画像生成手段と、を有することを特徴とすることを特徴とする。
また、本発明に係る被検体情報取得方法は、
光を照射する照射ステップと、前記光に起因して被検体で発生した音響波を受信し、電気信号に変換する音響波検出ステップと、非周期的な第一の周期で前記光の照射および前記電気信号の取得を行い、前記第一の周期ごとに得られた時系列の電気信号同士を加算する信号処理ステップと、前記加算された電気信号に基づいて、前記被検体の特性情報を表す画像を生成する画像生成ステップと、を含むことを特徴とする。
本発明によれば、光音響装置において周期的に発生するノイズを抑制することができる。
第一の実施形態に係る光音響装置の機能ブロック図である。 第一の実施形態に係るハンドヘルドプローブの模式図である。 第一の実施形態に係るハンドヘルドプローブの模式図である。 第一の実施形態に係るコンピュータと周辺装置の構成図である。 第一の実施形態における動作タイミングを説明する図である。 第一の実施形態における動作タイミングを説明する図である。 第一の実施形態における動作タイミングを説明する図である。 第二の実施形態における動作タイミングを説明する図である。 本発明が解決する課題を説明する図である。 課題の解決方法を説明する図である。
以下に図面を参照しつつ、本発明の好適な実施の形態について説明する。ただし、以下に記載されている構成部品の寸法、材質、形状およびそれらの相対配置などは、発明が適用される装置の構成や各種条件により適宜変更されるべきものである。よって、この発明の範囲を以下の記載に限定する趣旨のものではない。
本発明は、被検体から伝搬する音響波を検出し、被検体内部の特性情報を生成し、取得する技術に関する。よって本発明は、被検体情報取得装置またはその制御方法、あるいは被検体情報取得方法として捉えられる。本発明はまた、これらの方法をCPUやメモリ等のハードウェア資源を備える情報処理装置に実行させるプログラムや、そのプログラムを格納した、コンピュータにより読み取り可能な非一時的な記憶媒体としても捉えられる。
本発明に係る被検体情報取得装置は、被検体に光(電磁波)を照射することにより被検体内で発生した音響波を受信して、被検体の特性情報を画像データとして取得する光音響効果を利用した装置である。この場合、特性情報とは、光音響波を受信することにより得られる受信信号を用いて生成される、被検体内の複数位置のそれぞれに対応する特性値の情報である。
光音響測定により取得される特性情報は、光エネルギーの吸収率を反映した値である。例えば、光照射によって生じた音響波の発生源、被検体内の初期音圧、あるいは初期音圧から導かれる光エネルギー吸収密度や吸収係数、組織を構成する物質の濃度を含む。
また、物質濃度として酸化ヘモグロビン濃度と還元ヘモグロビン濃度を求めることにより、酸素飽和度分布を算出できる。また、グルコース濃度、コラーゲン濃度、メラニン濃度、脂肪や水の体積分率なども求められる。さらには、体内に投与されたICG(インドシアニン・グリーン)等の造影剤等、光の吸収スペクトルが特徴的な物質も対象として挙げられる。
被検体内の各位置の特性情報に基づいて、二次元または三次元の特性情報分布が得られる。分布データは画像データとして生成され得る。特性情報は、数値データとしてではなく、被検体内の各位置の分布情報として求めてもよい。すなわち、初期音圧分布、エネルギー吸収密度分布、吸収係数分布や酸素飽和度分布などの分布情報である。
本明細書における音響波とは、典型的には超音波であり、音波、音響波と呼ばれる弾性波を含む。探触子等により音響波から変換された電気信号を音響信号とも呼ぶ。ただし、本明細書における超音波または音響波という記載には、それらの弾性波の波長を限定する意図はない。光音響効果により発生した音響波は、光音響波または光超音波と呼ばれる。光音響波に由来する電気信号を光音響信号とも呼ぶ。なお、本明細書において、光音響信号とは、アナログ信号とデジタル信号の双方を含む概念である。分布データは、光音響画像データや再構成画像データとも呼ばれる。
(第一の実施形態)
<装置の概要>
本発明が解決する課題について、図6Aおよび図6Bを参照しながら説明する。
図6Aは、従来技術における課題を説明するためのタイミング図である。図6Aにおいて横軸は時間軸である。
まず、光音響装置に対する外来ノイズの影響について説明する。図6Aにおいて、T1はデータのサンプリングに用いるクロックを表す。ここでは、サンプリング周期(本発明における第一の周期)をtw1とする。本例では、サンプリングクロックT1の立ち上がりエッジで、光音響装置の光源が発光し、発光に伴って発生する光音響信号を、サンプリング周期毎に時系列データとして取得する。
図6AにおけるTaは、A/D変換クロックである。光音響装置においては、A/D変換器が、A/D変換クロックの立ち上がりエッジで、アナログ信号である光音響信号をデジタル信号に変換する。そして、Tdで示したように、光源の発光タイミングを基準とする、時系列のデジタル信号(D1,D2,D3,・・・)を取得する。
一方、光(特に、レーザ光源ではなく、半導体発光素子による光)が照射されたことによって被検体の内部で発生する光音響波は非常に微弱である。そのため、一般的な光音響装置では、光音響信号のS/N比を向上させるために、一定の周期ごとに得られた時系列の電気信号同士(デジタル信号同士)を加算平均する。なお、光音響信号のS/N比を向上させるためには加算平均回数を多くする必要があるが、説明をわかりやすくするため、本例では、加算平均の回数を2回とする。すなわち、2回の発光に伴って発生した2回分の光音響信号を加算平均し、S/N比を向上させる。
具体的には、Tdにおいて、同じ番号が付されたデジタル信号同士(D1とD1’,D2とD2’,D3とD3’,・・・)を加算平均し、当該加算平均された光音響信号を基に画像を再構成する。これにより、ノイズが低減された再構成画像を得ることができる。
このように、光音響信号に対して加算平均を行うことで、トランスデューサや増幅器等の回路において発生する熱雑音やショットキー雑音を低減することができる。これらのノイズはほぼランダムなタイミングで発生するノイズであるため、加算平均を行うことで、ノイズの低減を図ることができる。
しかし、光音響信号に混入するノイズには、装置内部で発生するノイズだけでなく、探触子とA/D変換器間のアナログ回路に混入する外来ノイズがある。外来ノイズとは、例えば、スイッチング電源のスイッチングノイズや、モータコントローラやモータのノイズ
、デジタル回路等のクロックを基準にして発生するノイズ等である。これらは、一般に、熱雑音やショットキー雑音と異なり、周期的に発生する。外来ノイズは、光音響装置の内部あるいは外部で発生し、前述したアナログ回路に混入する可能性がある。光音響装置においては、このような外部から混入するノイズを無くすことが容易ではない。
図6AにおけるTnは、A/D変換器に入力される外来ノイズの一例である。SおよびS’は、外来ノイズを模式的に示した波形である。本例は、サンプリング周期が0.1ミリ秒であり、外来ノイズSおよびS’が、同様に0.1ミリ秒おきに(10KHzで)発生している場合を示している。
ここで、A/D変換クロックは、例えば40MHz(25ナノ秒周期)である。A/D変換器は、入力されたアナログ信号S1をデジタル信号D6に変換し、同様に信号S2を信号D7に、信号S3を信号D8に、信号S4を信号D9に変換する。一方、次のサンプリング周期において、A/D変換器は、入力されたアナログ信号S1’をデジタル信号D6’に変換し、同様に信号S2’を信号D7’ に、信号S3’を信号D8’ に、信号S4’を信号D9’に変換する。
そして、デジタル信号D6とデジタル信号D6’、信号D7と信号D7’、信号D8と信号D8’、信号D9と信号D9’をそれぞれ加算平均する。
しかしながら、Tnで示したような周期的な外来ノイズSおよびS’は、当然ながら加算平均しても低減することはない。
本例では、サンプリング周期と外来ノイズの発生周期が同一である場合を示したが、外来ノイズの繰り返し周波数がサンプリング周期の整数倍である場合、サンプリング周期毎に、発光制御信号を基準として同じ時刻にノイズが発生する。そのため、上記説明で示したように、加算平均によるノイズの抑制は期待できない。
また、サンプリング周波数が比較的低い場合、外来ノイズの繰り返し周波数が、サンプリング周波数の整数倍になる可能性が高い。例えば、スイッチング電源のノイズ(10kHzから数100kHz)がこの周波数に合致する場合がある。そのため、加算平均によって抑制することができない外来ノイズが比較的多くなる。
第一の実施形態に係る光音響装置は、このような、周期的に発生する外来ノイズを抑制可能な装置である。図6Bを参照して、周期的な外来ノイズを低減する方法を説明する。
図6Bに示した例は、サンプリング周期が一定ではないという点において、図6Aと相違する。
図6BのT1で示したように、サンプリング周期tw1−は、サンプリング周期tw1に比べて、A/D変換クロックの4サイクル分短くなっている。また、サンプリング周期tw1+は、サンプリング周期tw1に比べて、A/D変換クロックの4サイクル分長くなっている。
被検体から到来する光音響波は、発光制御信号をトリガとして発生するため、このようにサンプリングのタイミングをずらしても、得られる光音響信号(デジタル信号)は、図6Aの場合と変わらない。
一方、外来ノイズは以下のようにアナログデジタル変換される。すなわち、サンプリング周期tw1−が4サイクル分短くなっているため、2番目のサンプリング周期において外来ノイズS’がA/D変換されたデジタル信号は、4サイクル分遅れる。
具体的には、入力されたアナログ信号S1’はデジタル信号D10’に変換され、同様に、信号S2’はD11’に、信号S3’は信号D12’に、信号S4’は信号D13’に変換される。そして、デジタル信号D6とデジタル信号D6’、信号D7と信号D7’、信号D8と信号D8’・・・信号D13と信号D13’をそれぞれ加算平均する。
その結果、それぞれの外来ノイズの振幅は1/2に小さくなる。また、加算平均する回
数をより多くすることによって、外来ノイズをさらに低減することができる。
本実施形態に係る光音響装置は、前述したように、光音響信号を取得する際のサンプリング周期を可変としたうえで加算平均を行う。これにより、光音響信号を劣化させることなく、外来ノイズを低減することが可能になる。
外来ノイズを低減させるためには、サンプリング周期をランダムに変化させるとよい。また、サンプリング周期の最小の時間は、トランスデューサと光吸収体が存在する距離値の最大値を、被検体内部の音速で割ったものに基づいて決定するとよい。例えば、トランスデューサから15cm離れた光吸収体から発生した光音響波を受信したい場合、人体の音速を1500m/Secとすれば、サンプリング周期の最小の時間は、0.1mSecである。この場合、サンプリング周期0.12mSecを中心に±0.02mSecの幅でランダムに変化させるとよい。
この他にも、例えば、加算平均回数が41回であれば、0.1mSecから、周期毎に0.001mSec刻みで0.14mSecまでサンプリング周期を増加するような制御を行ってもよい。この場合は、サンプリング周期は一周期ごとに単調増加し、のこぎり波状の変化となる。また、逆に、サンプリング周期を単調減少させてもよい。このように、サンプリング周期は、ランダム以外のどのような方法で変化させてもよい。サンプリング周期の変化がランダムでない場合であっても、同様な外来ノイズの低減の効果がある。
また、サンプリング周期を変更する場合、A/D変換クロックを基にサンプリング周期を決定するとよい。A/D変換クロックを基に、発光制御信号を発生させることにより、発光とA/D変換のタイミングを固定できる。すなわち、A/D変換クロックの1周期分のジッタを取り除くことができるため、さらに良好な再構成画像を得ることができる。
この場合、サンプリング周期を変更する回路は、A/D変換クロックを入力とするプログラマブルカウンターを用いて実現するとよい。具体的には、プログラマブルカウンターのレジスタに、サンプリング周期に相当するA/D変換クロック数をサンプリング周期毎に設定することにより実現できる。プログラマブルカウンターは、レジスタの値とカウント値を比較し一致した場合に、カウント値をゼロクリアする信号を出力するので、このクリア信号を発光制御信号として用いるとよい。
例えば、A/D変換クロックが40MHzである場合、サンプリング周期0.1mSecとするためのレジスタの設定値は4000となる。このように、A/D変換クロックを入力するプログラマブルカウンターのレジスタの値を(例えばコンピュータ150で)適時設定することにより、所望のサンプリング周期を実現することができる。
<装置構成>
以下、図1を参照して、第一の実施形態に係る光音響装置の構成を説明する。第一の実施形態に係る光音響装置は、プローブ180、信号収集部140、コンピュータ150、表示部160、入力部170を有して構成される。プローブ180は、光源部200、光学系112、光照射部113、受信部120を含む。コンピュータ150は、演算部151、記憶部152、制御部153、フレームレート変換部159を含む。
ここで、被検体に対する測定方法の概要について説明する。
まず、光源部200が、光ファイバ(バンドルファイバ)等によって構成された光学系112を介して、光照射部113にパルス光を供給する。また、光照射部113は、供給された光を被検体100に照射する。
受信部120は、被検体100から発生した光音響波を受信して、アナログの電気信号を出力する。そして、信号収集部140が、受信部120から出力されたアナログ信号をデジタル信号に変換し、コンピュータ150に出力する。
前述したように、パルス光は、非周期的な周期であるサンプリング周期ごとに照射され、パルス光によって発生した音響波に対応する電気信号も、サンプリング周期ごとに時系列形式で出力される。
コンピュータ150は、信号収集部140からサンプリング周期ごとに出力されるデジタル信号を加算平均する処理を、撮像フレームレートに対応する周期(以下、撮像周期。本発明における第二の周期)ごとに行い、メモリに記憶する。そして、記憶されたデジタル信号に対して画像再構成処理を行い、光音響画像データを生成する。
また、コンピュータ150は、得られた光音響画像データを、撮像周期ごとにフレームレート変換部159に出力する。フレームレート変換部159は、撮像周期ごとに入力された光音響画像データを、表示部160に対応するリフレッシュレート(以下、表示周期。本発明における第三の周期)に変換する。詳細な方法については後述する。
そして、表示部160が、表示周期ごとに光音響画像データをリフレッシュして表示する。
装置のユーザ(医師や技師等)は、表示部160に表示された光音響画像を確認することにより、診断を実施できる。表示画像は、ユーザやコンピュータ150からの保存指示に基づいて、コンピュータ150内のメモリや、光音響装置とネットワークで接続されたデータ管理システムなどに保存されてもよい。装置のユーザは、入力部170を介して装置に対する入力を行うことができる。
続いて、各構成要素の詳細について説明する。
<プローブ180>
図2Aは、本実施形態に係るプローブ180の模式図である。音響波検出部の一部でもあるプローブ180は、光源部200、光学系112、光照射部113、受信部120、ハウジング181を含む。
ハウジング181は、光源部200、光学系112、光照射部113、受信部120を収納する筺体である。ユーザは、ハウジング181を把持することにより、プローブ180をハンドヘルド型プローブとして利用できる。
光照射部113は、光学系112により伝搬されたパルス光を被検体に照射する手段である。なお、図中のXYZ軸は、プローブを静置した場合の座標軸を示すものであり、プローブ使用時の向きを限定するものではない。
図2Aに示すプローブ180は、ケーブル182を介して、信号収集部140と接続されている。ケーブル182は、光源部200に電力を供給する配線や、発光制御信号を伝送する配線、受信部120から出力されたアナログ信号を信号収集部140に出力する配線などを含む(いずれも不図示)。なお、ケーブル182にコネクタを設け、プローブ180と光音響装置のその他の構成とを脱着可能な構成としてもよい。
また、図2Bに示したように、光源部200として半導体レーザや発光ダイオード等を用い、光学系112を用いずに、被検体に直接パルス光を照射してもよい。この場合、半導体レーザやLED等の発光端部分(ハウジングの先端)が光照射部113となる。
<光源部200>
光源部200は、被検体100に照射する光を発生させる手段である。
光源は、大出力を得るためレーザ光源であることが望ましいが、レーザの代わりに発光ダイオードやフラッシュランプ等を用いることもできる。光源としてレーザを用いる場合、固体レーザ、ガスレーザ、色素レーザ、半導体レーザなど様々なものが使用できる。照射のタイミング、波形、強度等は不図示の光源制御部によって制御される。この光源制御部は、光源と一体化されていてもよい。
また、酸素飽和度などの物質濃度を取得する場合、複数の波長を出力できる光源を利用することが好ましい。また、光源部200をハウジング181内に実装する場合、図2B
に示したような、半導体レーザや発光ダイオード等の半導体発光素子を用いることが好ましい。また、複数の波長を出力する場合、異なる波長の光を発生する複数の種類の半導体レーザや発光ダイオードを用いて波長を切り換えるようにしてもよい。
光音響波を効果的に発生させるためには、被検体の熱特性に応じて十分短い時間に光を照射させなければならない。被検体が生体である場合、光源から発生するパルス光のパルス幅は10ナノ〜1マイクロ秒程度が好適である。また、パルス光の波長は、被検体内部まで光が伝搬する波長であることが望ましい。具体的には、被検体が生体の場合、400nm以上1600nm以下であることが望ましい。もちろん、画像化したい光吸収体の光吸収特性に応じて波長を決定してもよい。
なお、血管を高解像度でイメージングする場合は、血管での吸収が大きい波長(400nm以上、800nm以下)を用いてもよい。また、生体の深部をイメージングする場合は、生体の背景組織(水や脂肪など)において吸収が少ない波長(700nm以上、1100nm以下)の光を用いてもよい。
なお、本実施形態では、光源として半導体発光素子を用いるため、被検体に大光量を照射することができない。すなわち、一回の照射で得られる光音響信号が所望のS/N比に達しづらくなる。そのため、光源を第一の周期で発光させ、光音響信号を加算平均することで、S/N比を向上させる。
本実施形態で用いる光源部200の好適な波長の例として、797nmが挙げられる。この波長は、被検体の深部まで届く波長であり、かつ、オキシヘモグロビンとデオキシヘモグロビンの吸収係数が略等しいため、血管構造の検出に適している。この他にも、第2の波長として、756nmを用いれば、オキシヘモグロビンとデオキシヘモグロビンの吸収係数差を用い、酸素飽和度を求めることができる。
<光照射部113>
光照射部113は、被検体に照射する光が出射する部位(出射端)である。光学系112としてバンドルファイバを使用した場合、終端部が光照射部113となる。また、光照射部113に、光を拡散させる拡散板等を配置してもよい。このようにすることで、パルス光のビーム径を広げて被検体を照射することができる。
また、図2Bに示したように、光源部200として複数の半導体発光素子を用いる場合、各素子の発光端部分(ハウジング先端)を並べ、光照射部113とすることによって、広範囲にわたり被検体を照射することが可能となる。
<受信部120>
受信部120は、パルス光に起因して発生する光音響波を受信して電気信号を出力するトランスデューサ(音響波検出素子)と、トランスデューサを支持する支持体と、からなるユニットである。
トランスデューサを構成する部材として例えば、圧電材料、静電容量型トランスデューサ(CMUT)、ファブリペロー干渉計を用いたトランスデューサなどが挙げられる。また、圧電材料として、例えば、PZT(チタン酸ジルコン酸鉛)等の圧電セラミック材料や、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)等の高分子圧電膜材料が挙げられる。
トランスデューサにより得られる電気信号は時間分解信号である。すなわち、得られた電気信号の振幅は、各時刻にトランスデューサで受信された音圧に基づく値(例えば、音圧に比例した値)となる。
なお、トランスデューサには、光音響波を構成する周波数成分(典型的には100KHzから10MHz)を検出できるものを用いることが好ましい。また、支持体に複数のトランスデューサを並べて配置して、1Dアレイ、1.5Dアレイ、1.75Dアレイ、または2Dアレイと呼ばれるような平面や曲面を形成してもよい。
また、受信部120が、トランスデューサから出力される時系列のアナログ信号を増幅する増幅器を備えてもよい。また、受信部120が、トランスデューサから出力される時系列のアナログ信号を時系列のデジタル信号に変換するA/D変換器を備えてもよい。すなわち、受信部120が信号収集部140を兼ねていてもよい。
なお、本実施形態では、ハンドヘルド型のプローブを例示したが、画像精度を向上させるためには、音響波を様々な角度から検出できるよう、被検体100を全周囲から囲むようなトランスデューサを用いることが好ましい。また、全周囲を囲めないほど被検体100が大きい場合は、半球状の支持体上にトランスデューサを配置してもよい。プローブがこのような形状の受信部を備える場合、プローブを被検体100に対して機械的に相対移動させるようにしてもよい。プローブの移動には、XYステージなどの機構を用いることができる。なお、トランスデューサの配置および数、ならびに支持体の形状は、上記に限定されず、被検体100に応じて最適化すればよい。
受信部120と被検体100との間には、光音響波を伝搬させる媒質(音響マッチング材)を配置するとよい。これにより、被検体100とトランスデューサの界面における音響インピーダンスを整合させることができる。音響マッチング材として例えば、水、油、超音波ジェルなどがある。
また、本実施形態に係る光音響装置は、被検体100を保持して形状を安定させる保持部材を備えていてもよい。保持部材としては光透過性と音響波透過性がともに高いものが好ましい。例えば、ポリメチルペンテンやポリエチレンテレフタレート、アクリルなどを利用できる。
なお、本実施形態に係る装置が、光音響画像に加えて、超音波を送受信することで超音波画像を生成する機能を有する場合、トランスデューサを、音響波を送信する送信手段として機能させてもよい。受信手段としてのトランスデューサと送信手段としてのトランスデューサは、共通であってもよいし、別々であってもよい。
<信号収集部140>
音響波検出部の一部でもある信号収集部140は、受信部120から出力されたアナログの電気信号を増幅するアンプと、アンプから出力されたアナログ信号をデジタル信号に変換するA/D変換器とを含む。信号収集部140は、FPGA(Field Programmable Gate Array)チップなどで構成されてもよい。
受信部120にアレイ状に配置された複数のトランスデューサが出力したアナログ信号は、各々に対応する複数のアンプにより増幅され、各々に対応する複数のA/D変換器でデジタル信号に変換される。A/D変換のレートは、入力される信号の帯域の少なくとも2倍以上であることが好ましい。前述したように、光音響波を構成する周波数成分が100KHzから10MHzである場合、A/D変換レートは20MHz以上、望ましくは40MHz以上となる。
前述したように、信号収集部140は、発光制御信号を用いることにより、光照射のタイミングと信号収集処理のタイミングを同期させる。すなわち、第一の周期(サンプリング周期)毎に訪れる発光時刻を基準にして、前述したA/D変換レートで、A/D変換を開始し、アナログ信号をデジタル信号に変換する。その結果、A/D変換レート分の1の間隔(A/D変換クロックの周期)で、トランスデューサ毎にデジタル信号列が取得できる。すなわち、第一の周期が非周期的であっても、発光時刻を基準とする光音響信号が正確に取得できる。信号収集部140は、Data Acquisition System(DAS)とも呼ばれる。
前述したように、信号収集部140は、プローブ180のハウジング181の内部に配置してもよい。このような構成とすることで、プローブ180とコンピュータ150との間の情報をデジタル信号で伝搬できるため、耐ノイズ性が向上する。また、アナログ信号を伝送する場合に比べ、配線数を少なくすることが可能となり、プローブ180の操作性が向上する。また、後述する加算平均も信号収集部140で行ってもよい。この場合FPGA等のハードウェアを用いて加算平均を行うと好適である。
<コンピュータ150>
コンピュータ150は、演算部151(本発明における画像生成手段)、記憶部152、制御部153、フレームレート変換部159を含む演算手段である。演算部151としての演算機能を担うユニットは、CPUやGPU(Graphics Processing Unit)等のプロセッサ、FPGA(Field Programmable Gate Array)チップ等の演算回路で構成できる。これらのユニットは、単一のプロセッサや演算回路から構成されてもよいし、複数のプロセッサや演算回路から構成されてもよい。
コンピュータ150は、複数のトランスデューサの各々について、以下のような処理を行う。
コンピュータ150は、まず、第一の周期毎に信号収集部140から出力されたデジタル信号について、発光時刻を基準とした同時刻のデータをそれぞれ加算し、平均化する。そして、加算平均されたデジタル信号を、撮像周期ごとに、加算平均後の光音響信号として、記憶部152に記憶する。
そして、演算部151が、記憶部152に記憶された(加算平均後の)光音響信号に基づいて画像の再構成を行い、光音響画像(構造画像や機能画像)の生成や、その他の演算処理を実行する。なお、演算部151は、入力部170から、被検体内部における音速や、保持部の構成などに関する各種パラメータ入力を受け付け、演算に用いてもよい。
演算部151が光音響信号を光音響画像(例えば3次元のボリュームデータ)に変換する際の再構成アルゴリズムには、タイムドメインでの逆投影法、フーリエドメインでの逆投影法、モデルベース法(繰り返し演算法)など、任意の手法を採用できる。タイムドメインでの逆投影法として、ユニバーサルバックプロジェクション(UBP)、フィルタードバックプロジェクション(FBP)、または整相加算(ディレイアンドサム)などが挙げられる。
光源部200が、異なる2波長の光を発生させる場合、演算部151は、画像再構成処理によって、第1の波長の光に由来する光音響信号から第1の初期音圧分布を生成し、第2の波長の光に由来する光音響信号から第2の初期音圧分布を生成する。さらに、第1の初期音圧分布を、第1の波長の光の光量分布で補正することによって、第1の吸収係数分布を取得し、第2の初期音圧分布を、第2の波長の光の光量分布で補正することによって第2の吸収係数分布を取得する。さらに、第1および第2の吸収係数分布から、酸素飽和度分布を取得する。なお、最終的に酸素飽和度分布を得ることができれば、演算の内容や順序はこれに限られない。
記憶部152は、RAM(Random Access Memory)などの揮発性のメモリや、ROM(Read only memory)、磁気ディスクやフラッシュメモリなどの非一時記憶媒体により構成される。なお、プログラムが格納される記憶媒体は、非一時記憶媒体である。記憶部152は、複数の記憶媒体から構成されてもよい。
記憶部152は、撮像周期ごとに加算平均された光音響信号や、演算部151により生成される光音響画像データ、光音響画像データに基づいた再構成画像データなど、各種のデータを保存できる。また、サンプリング周期の変化パターンを複数個設定可能である場
合、当該パターン(ランダム、単調増加、単調減少等)や、それらの各々に対するデータ(例えば、A/D変換クロックを入力するプログラマブルカウンターのレジスタの値等)も記憶できる。
制御部153は、光音響装置の各構成要素の動作を制御する手段であり、CPUなどの演算素子で構成される。制御部153は、入力部170を介して入力された指示信号(例えば測定開始信号など)に基づいて、光音響装置の各構成要素を制御してもよい。
また、制御部153は、記憶部152に格納されたプログラムコードを読み出し、光音響装置の各構成要素の動作を制御する。前述したように、サンプリング周期の変化がどのように設定されていても、A/D変換クロックを入力とするプログラマブルカウンターを用い実現することができる。プログラマブルカウンターのレジスタの値を、制御部153が設定することにより、サンプリング周期を所望の周期に設定できる。
また、この際、複数のサンプリング周期の時間の合計が、撮像周期以下になるように設定すると、撮像周期内で平均化を行うことができる。なお、当該時間の合計が撮像周期を超えた場合、加算平均するデータが一部重なることになるが、加算平均自体は可能であり、本発明の効果を得ることができる。
また、制御部153は、生成した画像の調整などを行うこともできる。
フレームレート変換部159は、撮像周期に対応する所定のフレームレート(撮像フレームレート)で生成された光音響画像を、表示周期に対応する所定のフレームレート(以下、表示フレームレート)に変換し、表示部160に出力する手段である。
なお、図1の例では、フレームレート変換部159が独立した構成となっているが、フレームレート変換部159は必ずしも独立していなくてもよい。例えば、撮像フレームレートごとに光音響画像を記憶部152に記憶させ、記憶された光音響画像を、表示フレームレートに従って読み出すようにしてもよい。
本発明では、このように、他の方法によってフレームレート変換を実現した場合であっても、対応する部分をフレームレート変換部とも呼ぶことにする。
表示フレームレートは、汎用ディスプレイに対応したフレームレート(例えば50Hz,60Hz,72Hz,120Hz等)とするとよい。このように、撮像周期と表示周期をそれぞれ独立させることで、測定に好適なフレームレートと、画像の表示に好適なフレームレートを個別に設定できる。換言すると、画像表示に好適なフレームレートとは無関係に、測定に好適なフレームレートを自由に設定することができる。また、撮像周期のみを、例えばユーザの指示により自由に変更することも可能となる。
表示部160は、光音響画像を表示する手段である。表示部160は、表示フレームレートに同期して実画面の書き換えを行う。なお、表示フレームレートと、実画面の書き換えを行うレート(リフレッシュレート)は同じであってもよい。
近年の液晶ディスプレイの中には、複数のフレームレート(フレーム周波数)での入力に対応する機能を有したものがある。このような液晶ディスプレイの中には、入力されたフレームレートを実画面の書き換えレート(リフレッシュレート)に変換する機能を持つものもある。表示部160がこのような機能を持つ場合、表示部160が、表示フレームレートを実際のリフレッシュレートに変換するフレームレート変換器を内蔵しているといえる。
また、このようなフレームレート変換器を内蔵した表示部160を使用する場合、図1で示したフレームレート変換部159をコンピュータ150に持たせる必要はない。表示部160にフレームレート変換部の機能を持たせる場合、コンピュータ150の構成を簡略化できる。
また、表示フレームレートとリフレッシュレートの変換は、必ずしも必要な構成ではない。例えば、両者が同一である場合、フレームレート変換部159は省略できる。もちろん、この場合であっても、本発明の要旨である外来ノイズの低減を行うことが可能である。
コンピュータ150は、専用に設計されたワークステーションであってもよいし、汎用的なPCやワークステーションであってもよい。コンピュータ150は、記憶部152に格納されたプログラムの指示に従って動作させてもよい。また、コンピュータ150が有する各構成は、それぞれ異なるハードウェアによって構成されてもよい。また、コンピュータ150の少なくとも一部の構成は単一のハードウェアで構成されてもよい。
図3は、本実施形態に係るコンピュータ150の具体的な構成例である。本実施形態に係るコンピュータ150は、CPU154、GPU155、RAM156、ROM157、外部記憶装置158、フレームレート変換部159を有して構成される。また、コンピュータ150には、表示部160としての液晶ディスプレイ161、入力部170としてのマウス171、キーボード172が接続されている。
コンピュータ150および受信部120は、共通の筺体に収めた構成としてもよい。また、筺体に収められたコンピュータで信号処理の一部を行い、筺体の外部に設けられたコンピュータで残りの信号処理を行ってもよい。この場合、筺体の内部および外部に設けられたコンピュータを総称して、本実施形態に係るコンピュータとすることができる。すなわち、コンピュータを構成するハードウェアは分散していてもよい。また、コンピュータ150として、クラウドコンピューティングサービスなどで提供される、遠隔地に設置された情報処理装置を用いてもよい。
なお、コンピュータ150は、必要に応じて、得られた光音響画像に対して画像処理を行ったり、GUIグラフィック等を合成する処理を行ってもよい。また、これらの処理は、フレームレートの変換を行う前に行ってもよいし、後に行ってもよい。
<表示部160>
表示部160は、液晶ディスプレイや有機ELなどの表示装置である。表示部160によって、コンピュータ150により生成された画像や、特定位置における数値等が表示される。表示部160には、前述したように、表示周期に対応するフレームレート(例えば、50Hz,60Hz,72Hz,120Hz等)で画像が入力される。表示部160は、入力されたフレームレートで画像を表示してもよいし、フレームレートをさらに変換してもよい。また、表示部160は、画像や装置を操作するためのGUIを画面上に表示してもよい。
<入力部170>
入力部170は、指示や数値などの入力をユーザから取得する手段である。ユーザは、入力部170を介して、測定開始や終了、サンプリング周期の変化パターンの指定や、生成した画像の保存指示操作などを行うことができる。
入力部170は、例えば、ユーザが操作可能なマウスやキーボード、専用のつまみ等で構成される操作コンソールであってもよい。なお、表示部160としてタッチパネルを利用する場合、表示部160が入力部170を兼ねてもよい。
以上に説明した、光音響装置の各構成要素は、それぞれ別の装置として構成されてもよいし、全てが一体となった構成であってもよい。また、光音響装置の少なくとも一部の構成が一体となり、残りが別の装置によって構成されてもよい。
<被検体100>
被検体100は、本発明に係る光音響装置を構成するものではないが、以下に説明する。本実施形態に係る光音響装置は、人や動物の悪性腫瘍や血管疾患などの診断や化学治療の経過観察などを目的として使用できる。よって、被検体100としては、生体、具体的には人体や動物の乳房や各臓器、血管網、頭部、頸部、腹部、手指および足指を含む四肢などの診断の対象部位が想定される。例えば、人体が測定対象であれば、オキシヘモグロビンあるいはデオキシヘモグロビンやそれらを含む多く含む血管あるいは腫瘍の近傍に形成される新生血管などを光吸収体の対象としてもよい。また、頸動脈壁のプラークなどを光吸収体の対象としてもよい。また、メチレンブルー(MB)、インドシニアングリーン(ICG)などの色素、金微粒子、またはそれらを集積あるいは化学的に修飾した外部から導入した物質を光吸収体としてもよい。また、穿刺針や穿刺針に付された光吸収体を観察対象としてもよい。被検体は、ファントムや試験対象物などの無生物であってもよい。
<処理の詳細>
次に、第一の実施形態に係る光音響装置の動作を説明するためのタイミング図である図4A〜4Cを参照して、処理の詳細について説明する。なお、各図において横軸は時間軸である。
まず、図4Aを参照して、光音響信号の取得方法と、取得した光音響信号に基づいて光音響画像を生成する方法について説明する。なお、図示する例では、説明を簡単にするため、撮像フレームレートと表示フレームレートは同一であるものとする。
図4AのT1で示したように、本実施形態に係る光音響装置は、非周期的なサンプリング周期(tw1)で光源部200が発光し、発光に伴う光音響信号を、サンプリング周期ごとに取得する。なお、図では明示されていないが、サンプリング周期tw1はそれぞれ異なる。
なお、サンプリング周期tw1の長さは、皮膚に対する最大露光許容量(MPE:Maximum Permissible Exposure)を考慮して設定すればよい。例えば、測定波長が750nm、パルス光のパルス幅が1マイクロ秒であり、サンプリング周期tw1が0.1ミリ秒である場合、皮膚に対するMPE値は約14J/m2となる
。一方、光照射部113から照射されるパルス光のピークパワーが2kWで、光照射部113からの照射面積が150mm2である場合、被検体100に照射される光エネルギー
は、約13.3J/m2になる。この場合、光照射部113から照射される光エネルギー
はMPE値以下になる。
このように、サンプリング周期が変化する場合であっても、サンプリング周期tw1が0.1ミリ秒以上という条件を満たせば、光エネルギーがMPE値を超えないことを保証できる。このように、サンプリング周期tw1の値、パルス光のピークパワー、照射面積を用いて、被検体に照射される光エネルギーを算出することができる。
ここでは、時系列の光音響信号をサンプリング周期ごとに8回取得し、加算平均するものとする。ここで、加算平均された光音響信号A1が、撮像周期tw2ごとに得られる(T2)。なお、加算平均には、単純平均や移動平均、重み付け平均等を用いることができる。例えば、サンプリング周期tw1の平均値が0.1ミリ秒、撮像フレームレートが60Hzである場合、tw2は16.7ミリ秒となり、撮像フレームレートの周期内に167回の加算を行うことができる。
次に、加算平均された光音響信号A1に基づいて、前述した再構成処理を行い、再構成後の画像データR1を求める(T3)。画像データは、撮像周期ごとに順次生成される。
前述したように、本例では、撮像フレームレートと表示フレームレートが同一である。よって、フレームレート変換部159は、T3で生成した画像データR1を、表示フレームレートに対応する周期(表示周期)tw3で出力する。そして、表示部160が、表示周期tw3で入力された画像データを表示する。
ここで、サンプリング周期tw1および撮像周期tw2の決め方について説明する。
前述したように、サンプリング周期tw1の最小値は、MPE値による制限に基づいて決まる。また、パルス光1回の照射で得られる光音響信号のS/N比と、要求される画質を得るためのS/N比から、加算平均回数が決まる。
例えば、パルス光1回の照射で得られる光音響信号のS/N比が、要求されるS/N比の10分の1である場合、S/N比を10倍にする必要がある。よって、平均を100回行う必要がある。例えば、サンプリング周期tw1の平均値が0.1ミリ秒である場合、撮像周期は10ミリ秒以上必要になる。すなわち、撮像フレームレートは100Hz以下となる。
なお、サンプリング周期tw1の平均値は、半導体発光素子の発熱によっても制限される。すなわち、半導体発光素子の温度が許容温度を超えないように、サンプリング周期tw1の平均値を長くする必要がある。
一方、加算平均回数を多くすると、長い時間にわたって光音響信号を加算平均するため、被検体の動きに起因したボケが発生する。動きボケを少なくするためには、なるべく加算平均回数を少なくした方が有利となる。具体的には、動きボケを、要求される解像度の1/2以下に抑えるように設計するとよい。例えば、要求される解像度が0.2ミリであり、被検体の体動が5ミリ/秒であり、サンプリング周期tw1の最大値が0.2ミリ秒である場合、加算平均回数を100回以下、すなわち撮像周期tw2を20ミリ秒以下とすればよい。
サンプリング周期tw1の平均値、撮像周期tw2は、このような複数の条件を考慮して決定すればよい。また、すべての条件を満たすことができない場合、優先度を決め、これらのパラメータを決定してもよい。
図4Bおよび図4Cは、撮像フレームレートと表示フレームレートが異なる場合の例である。図4Bおよび図4Cの例は、図4Aの例と比較して表示フレームレートT4のみが異なる。すなわち、図4Aの例と同一の測定条件で同じ再構成画像データを得ることができる。
図4Bは、表示フレームレート(T4)を60Hzから72Hzに変更した例である。すなわち、表示周期tw3は約13.8ミリ秒である。一方、図4Cは、T4を60Hzから50Hzに変更した例である。すなわち、表示周期tw3は20ミリ秒である。
前述したように、再構成画像データは、フレームレート変換部159により撮像フレームレート(例えば60Hz)から表示フレームレート(例えば72Hz,50Hz)に変換される。フレームレートの変換は、フレームの間引きや重ね書きにより行うことができる。プローブの動きが速くて妨害感が目立つようであれば、動きベクトル等を用いたフレーム間補間を行い、内挿フレームを生成する等のフレームレート変換を行うとよい。
以上説明したように、第一の実施形態では、光音響信号に対して加算平均を行う光音響装置において、光の照射と光音響信号の取得を行う周期を非周期的に設定する。これにより、ランダムノイズ以外の周期的な外来ノイズを低減することができる。その結果、得られる再構成画像の画質を向上させることが可能になる。
(第二の実施形態)
第一の実施形態では、サンプリング周期tw1の時間の平均値に加算平均回数を乗じた時間が、撮像周期と同じである必要があるため、サンプリング周期の設定に制限が生じる。第二の実施形態は、サンプリング周期に休止期間を設けることで、当該制限を回避した実施形態である。
図5は、第二の実施形態に係るタイミング図である。図5の例は、図4Aの例と比較してサンプリング周期T1のみが異なる。すなわち、T2からT4についての動作タイミングは同じである。
第二の実施形態に係る光音響装置は、サンプリング周期tw1の最大値に加算平均回数を乗じた時間が撮像周期未満になるよう設計を行い、余った時間を休止期間とする。
このように設計することによって、撮像周期内に全てのサンプリングクロックを収めることができる。すなわち、光の照射と光音響信号の取得を撮像周期内で完了させることができる。このような設計を行うことで、サンプリング周期の変化のさせ方に対する条件を緩和することができる。
以上説明したように、第二の実施形態では、第一の実施形態に加え、休止期間を設けることによって、非周期的なサンプリング周期の設定自由度を上げることができる。
(第三の実施形態)
第三の実施形態は、サンプリング周期の変化パターンを事前に定義しておき、ユーザによって選択可能とした実施形態である。
サンプリング周期の変化パターンとして、例えば、ランダム、単調増加、単調減少といったものがある。第三の実施形態では、ユーザや、光音響装置を設置する技術者が、表示部160に表示された再構成画像を見ながら、採用するパターンを選択および設定できるようにする。その結果、光音響装置が設置された環境において発生するノイズを良好に低減できるパターンを選ぶことができるようになる。
なお、パターンを選択する際には、被検体を設置せずに(すなわち光音響波が発生しない状態で)測定を行い、取得した再構成画像を表示部160に表示するとよい。例えば、被検体が無い状態や、光源部200の発光を禁止した状態で再構成画像を取得するとよい。外来ノイズは、光音響装置が設置される場所や、隣接している他装置の状態により変化する可能性があるため、このようにすることで、外来ノイズを効果的に抑制できるパターンを選ぶことができる。
(その他の実施形態)
なお、各実施形態の説明は本発明を説明する上での例示であり、本発明は、発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更または組み合わせて実施することができる。
例えば、本発明は、上記処理の少なくとも一部を実施する被検体情報取得装置として実施することもできる。また、本発明は、上記処理の少なくとも一部を含む被検体情報取得方法として実施することもできる。上記処理や手段は、技術的な矛盾が生じない限りにおいて、自由に組み合わせて実施することができる。
また、実施形態の説明では、第一の周期(サンプリング周期)、第二の周期(撮像周期)、第三の周期(表示周期)という言葉を用いたが、これらの周期は完全に一定である必要はない。すなわち、本明細書における周期とは、一定でない時間間隔で繰り返す場合を含む。また、第一の周期(サンプリング周期)においては、前述したように、休止期間を設けてもよい。休止期間を含まない時間における繰り返し時間を、本発明では周期と呼ぶ。
また、光源部200で発生させる光の波長は、前述したように複数であってもよい。複
数の波長を用いた場合、機能情報としての酸素飽和度を算出することができる。例えば、撮像周期ごとに2波長を交互に切り換えて光音響信号を取得し、再構成画像データを算出し、さらに、算出した再構成画像データに基づいて酸素飽和度を計算するようにしてもよい。酸素飽和度の算出方法については公知であるため、詳細な説明は省略する。
また、例示した複数の実施形態を一つの光音響装置に実装し、切り換え可能としてもよい。また、本発明に係る光音響装置に、トランスデューサから超音波を送信する機能と、被検体にて反射した超音波エコーを受信し、当該超音波エコーに基づいて測定を行う機能を追加してもよい。
本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、前述した各実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータにおける一つ以上のプロセッサがプログラムを読み出して実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、FPGAやASIC)によっても実現可能である。
120:受信部、140:信号収集部、151:演算部、200:光源部

Claims (11)

  1. 被検体に光を照射する光源と、
    前記光に起因して前記被検体で発生した音響波を受信し、電気信号に変換する音響波検出手段と、
    非周期的な第一の周期で前記光の照射および前記電気信号の取得を行い、前記第一の周期ごとに得られた時系列の電気信号同士を加算する信号処理手段と、
    前記加算された電気信号に基づいて、前記被検体の特性情報を表す画像を生成する画像生成手段と、を有する
    ことを特徴とする、被検体情報取得装置。
  2. 前記画像生成手段は、所定のフレームレートに対応する第二の周期で前記画像を生成し、
    前記第一の周期は、前記第二の周期よりも短い
    ことを特徴とする、請求項1に記載の被検体情報取得装置。
  3. 所定のリフレッシュレートに対応する第三の周期で前記画像を表示する表示手段をさらに有し、
    前記第一の周期は、前記第三の周期よりも短い
    ことを特徴とする、請求項1または2に記載の被検体情報取得装置。
  4. 前記信号処理手段は、前記第一の周期が定義された複数のパターンの中から使用するパターンを選択する
    ことを特徴とする、請求項1から3のいずれか1項に記載の被検体情報取得装置。
  5. 前記第一の周期は、ランダムに変化する、
    ことを特徴とする、請求項1から4のいずれか1項に記載の被検体情報取得装置。
  6. 前記第一の周期は、一周期ごとに単調増加または単調減少する、
    ことを特徴とする、請求項1から5のいずれか1項に記載の被検体情報取得装置。
  7. 前記音響波検出手段は、複数の音響波検出素子と、
    前記複数の音響波検出素子が前記音響波を受信することで生成した受信信号をデジタル信号に変換し、前記電気信号として出力するA/D変換手段と、を有する
    ことを特徴とする、請求項1から6のいずれか1項に記載の被検体情報取得装置。
  8. 光を照射する照射ステップと、
    前記光に起因して被検体で発生した音響波を受信し、電気信号に変換する音響波検出ステップと、
    非周期的な第一の周期で前記光の照射および前記電気信号の取得を行い、前記第一の周期ごとに得られた時系列の電気信号同士を加算する信号処理ステップと、
    前記加算された電気信号に基づいて、前記被検体の特性情報を表す画像を生成する画像生成ステップと、を含む
    ことを特徴とする、被検体情報取得方法。
  9. 前記画像生成ステップでは、所定のフレームレートに対応する第二の周期で前記画像を生成し、
    前記第一の周期は、前記第二の周期よりも短い
    ことを特徴とする、請求項8に記載の被検体情報取得方法。
  10. 所定のリフレッシュレートに対応する第三の周期で前記画像を表示する表示ステップをさらに含み、
    前記第一の周期は、前記第三の周期よりも短い
    ことを特徴とする、請求項8または9に記載の被検体情報取得方法。
  11. 前記信号処理ステップでは、前記第一の周期が定義された複数のパターンの中から使用するパターンを選択する
    ことを特徴とする、請求項8から10のいずれか1項に記載の被検体情報取得方法。
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