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JP2019042002A - 光音響装置 - Google Patents

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JP2019042002A
JP2019042002A JP2017167255A JP2017167255A JP2019042002A JP 2019042002 A JP2019042002 A JP 2019042002A JP 2017167255 A JP2017167255 A JP 2017167255A JP 2017167255 A JP2017167255 A JP 2017167255A JP 2019042002 A JP2019042002 A JP 2019042002A
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Abstract

【課題】 被検体に、少なくとも一部のパルス波形が異なるパルス光を複数回にわたって照射することで、検出される音響波の周波数帯域を広くすることができる光音響装置を提供すること。
【解決手段】 被検体にパルス光が複数回照射されるように光照射部を制御する制御部と、被検体にパルス光が複数回照射されることにより生じる音響波から変換された複数の前記電気信号に基づいて、被検体に関する情報を取得する取得部と、を有する光音響装置であって、制御部は、複数回照射される前記パルス光のうち、少なくとも一部が互いに異なるパルス波形となるように、光照射部を制御する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、光音響装置に関する。
近年、光を利用したイメージング技術として、光音響効果を利用して被検体の内部を画像化する光音響装置が研究・開発されている。光音響装置は、被検体に照射された光のエネルギーを吸収した光吸収体から光音響効果により発生する超音波(光音響波)に基づいて、被検体に関する情報を取得する装置である。
特許文献1には、音響波を検出する検出部の周波数帯域に適合するように、光源部から照射される光パルス波形の立ち上がりの傾きと立ち下がりの傾きとの比を設定する光音響画像化装置ことを開示している。
特開2017−46823号公報
特許文献1の方法では、検出周波数を変えるためのパラメータは傾きの比のみであり、検出周波数の広帯域化には限界があった。
本発明に係る光音響装置は、パルス光を被検体に照射する光照射部と、前記被検体にパルス光が照射されることによって生じる音響波を受信して電気信号に変換する受信部と、前記被検体にパルス光が複数回照射されるように前記光照射部を制御する制御部と、前記被検体にパルス光が複数回照射されることにより生じる音響波から変換された複数の前記電気信号に基づいて、前記被検体に関する情報を取得する取得部と、を有する光音響装置であって、
前記制御部は、複数回照射される前記パルス光のうち、少なくとも一部が互いに異なるパルス波形となるように、前記光照射部を制御することを特徴とする。
本発明に係る光音響装置によれば、被検体に、少なくとも一部のパルス波形が異なるパルス光を複数回にわたって照射することで、検出される音響波の周波数帯域を広くすることができる。その結果、被検体に分布する光吸収体のうち、低周波数に対応するサイズの大きい物質から、高周波数に対応するサイズの小さい物質の情報まで取得することができる。また、パルス波形の種類を増やすことで、検出される音響波の周波数帯域をさらに広くすることができる。
本発明の実施形態に係る光音響装置の作用効果を説明するための図 本発明の実施形態に係る光音響装置を説明するためのブロック図 本発明の実施形態に係るプローブの構造を示す図 本発明の実施形態における駆動部の構成の一例を示す図 本発明の実施形態におけるコンピュータ構成の一例を示す図 本発明の実施形態における光音響装置の制御の一例を説明するための図
以下に図面を参照しつつ、本発明の実施形態について説明する。ただし、以下に記載されている構成部品の寸法、材質、形状およびそれらの相対配置などは、発明が適用される装置の構成や各種条件により適宜変更されるべきものである。よって、この発明の範囲を以下の記載に限定する趣旨のものではない。
本実施形態は、被検体から伝搬する音響波を検出し、被検体内部の特性情報を生成し、取得する技術に関する。よって本実施形態は、被検体情報取得装置またはその制御方法、あるいは被検体情報取得方法や信号処理方法としても捉えることができる。本実施形態はまた、被検体内部の特性情報を示す画像を生成し表示する表示方法として捉えられる。本実施形態はまた、これらの方法をCPUやメモリ等のハードウェア資源を備える情報処理装置に実行させるプログラムや、そのプログラムを格納した、コンピュータにより読み取り可能な非一時的な記憶媒体としても捉えられる。
本実施形態に係る被検体情報取得装置は、被検体に対し、複数回にわたって光(電磁波)を照射し、照射毎に被検体内で発生した音響波を受信する。そして、受信した光音響信号に基づいて被検体の特性情報を画像データとして取得する光音響効果を利用した光音響イメージング装置を含む。この場合、特性情報とは、受信された光音響波に由来する信号を用いて生成される、被検体内の複数位置のそれぞれに対応する特性値の情報である。
本実施形態に係る光音響画像データは、光照射により発生した光音響波に由来するあらゆる画像データを含む概念である。例えば、光音響画像データは、光音響波の発生音圧(初期音圧)、吸収エネルギー密度、及び吸収係数、被検体を構成する物質の濃度(酸素飽和度など)などの少なくとも1つの被検体情報の空間分布を表す画像データである。なお、互いに異なる複数の波長の光照射により発生する光音響波に由来する信号(光音響信号)に基づきき、被検体を構成する物質の濃度などの、分光情報を示す光音響画像データが得られる。分光情報を示す光音響画像データは、酸素飽和度、酸素飽和度に吸収係数等の強度を重み付けした値、トータルヘモグロビン濃度、オキシヘモグロビン濃度、またはデオキシヘモグロビン濃度であってもよい。また、分光情報を示す光音響画像データは、グルコース濃度、コラーゲン濃度、メラニン濃度、または脂肪や水の体積分率であってもよい。
被検体内の各位置の特性情報に基づいて、二次元または三次元の特性情報分布が得られる。分布データは画像データとして生成され得る。特性情報は、数値データとしてではなく、被検体内の各位置の分布情報として求めてもよい。すなわち、初期音圧分布、エネルギー吸収密度分布、吸収係数分布や酸素飽和度分布などの分布情報である。
本実施形態でいう音響波とは、典型的には超音波であり、音波、音響波と呼ばれる弾性波を含む。トランスデューサ等により音響波から変換された電気信号を音響信号とも呼ぶ。ただし、本明細書における超音波または音響波という記載は、それらの弾性波の波長を限定する意図ではない。光音響効果により発生した音響波は、光音響波または光超音波と呼ばれる。光音響波に由来する電気信号を光音響信号とも呼ぶ。分布データは、光音響画像データや再構成画像データとも呼ばれる。
以下の実施形態では、被検体情報取得装置として、被検体に複数回にわたったパルス光を照射し、被検体からの光音響波を受信し、被検体内の情報(例えば、血管画像(構造画像))を取得する光音響装置を取り上げる。以下の実施形態ではまた、ハンドヘルド型プローブを有する光音響装置を取り上げているが、本発明は、ステージにプローブを設けて機械的にスキャンする光音響装置にも適用できる。さらに、以下の実施形態では、ハンドヘルド型プローブ内部に複数の半導体の発光素子を実装し、光音響装置本体と配線により接続された装置について説明する。但し、本実施形態はハンドヘルド型プローブに電池等の電源を有し、ハンドヘルド型プローブの光音響信号を光音響装置の本体に無線により送信する光音響装置にも適用できる。このように本発明の機能をハンドヘルド型プローブが有する場合は、本発明の光音響装置は、ハンドヘルド型プローブ自体を意味すると言える。
<第1の実施形態>
まず、本実施形態の基本的な考え方を以下に説明する。
図1は本実施形態の基本的な考え方をわかりやすく説明するための光パルス波形と光音響波(光音響信号)の関係を示すグラフである。図1(a)(c)は光パルス波形を示したグラフであり、縦軸が光強度、横軸が時間である。図1(b)(d)はそれぞれ、図1(a)(c)に示した光パルス波形で被検体を照射した場合に、得られる光音響波の周波数特性(周波数スペクトル)をシュミレーションしたグラフであり、縦軸が光音響波の強度、横軸が周波数ある。図1(a)に示した様に、パルス幅が短い(100nsec)光パルスを照射した場合には、図1(b)に示した様に、光音響波の周波数スペクトルのピーク値が約7.5MHzとなる。一方、図1(c)に示した様に、パルス幅が長い(200nsec)光パルスを照射した場合には、図1(d)に示した様に、光音響波の周波数スペクトルのピーク値が約3.75MHzとなる。
第1の実施形態ではこの様な、光パルス波形が異なる光パルスを被検体に複数回照射し照射毎に得られた光音響信号から、光音響信号に基づく情報を得る。例えば、複数回の発光を12回とし、そのうち6回を図1(a)に示した光パルス波形の光パルスで被検体を照射し、残りの6回を図1(c)に示した光パルス波形の光パルスで被検体を照射する。そして、照射毎に得られた光音響信号を加算平均する。その結果、図1(b)に示した光音響波の周波数スペクトルと、図1(d)に示した光音響波の周波数スペクトルを加算平均した光音響波の周波数スペクトルとなる光音響信号を得ることができる。
また、別の方法として、発光回数を制御することにより、光音響波の周波数スペクトルを容易に変更することもできる。例えば、複数回の発光を12回とし、そのうち4回を図1(a)に示した光パルス波形の光パルスで被検体を照射し、残りの8回を図1(c)に示した光パルス波形の光パルスで被検体を照射する。そして、照射毎に得られた光音響信号を加算平均する。その結果、図1(b)に示した光音響波の周波数スペクトルと、図1(d)に示した光音響波の周波数スペクトルを、1:2の重みをつけ加算平均した光音響波の周波数スペクトルとなる合成された光音響信号を得ることができる。この場合、図1(c)に示した光パルス波形の光パルスで被検体を照射する回数が多くなるので、各々の発光回数が同じ場合に比べ、合成された光音響信号の周波数特性の高域成分を相対的に大きくすることができる。
また、別の方法として、光強度を制御することにより、光音響波の周波数スペクトルを容易に変更することもできる。例えば、複数回の発光を12回とし、そのうち6回を図1(a)に示した光パルス波形の光パルスで被検体を照射し、残りの6回を図1(c)に示した光パルス波形の2倍の光強度の光パルスで被検体を照射する。そして、照射毎に得られた光音響信号を加算平均する。その結果、図1(b)に示した光音響波の周波数スペクトルと、図1(d)に示した光音響波の周波数スペクトルを、1:2の重みをつけ平均した光音響波の周波数スペクトルとなる合成された光音響信号を得ることができる。この場合、図1(c)に示した光パルス波形の光パルスで被検体を照射する光強度が大きくなるので、各々の光強度が同じ場合に比べ、合成された光音響信号の周波数特性の高域成分を相対的に大きくすることができる。また、光強度を制御する他の方法として、光照射部が光源部を有し、光源部が複数の半導体の発光素子を含み構成されている場合、パルス光を発光する半導体の発光素子の数を増減することで制御をしてもよい。
また、別の方法として、発光毎に受信した光音響信号を増幅する増幅器の増幅度を制御することにより、光音響波の周波数スペクトルを容易に変更することもできる。例えば、複数回の発光を12回とし、そのうち、6回を図1(a)に示した光パルス波形の光パルスで被検体を照射し、残りの6回を図1(c)に示した光パルス波形の光パルスで被検体を照射する。そして、図1(a)に示した光パルス波形の光パルスで被検体を照射し得られた光音響信号を例えば2倍の増幅度で増幅し、図1(c)に示した光パルス波形の光パルスで被検体を照射し得られた光音響信号を例えば1倍の増幅度で増幅する。このような増幅は、アナログ増幅器の増幅度を変更し実現してもよいし、光音響信号をデジタル化した後に、CPU等でデジタル演算を行って実現してもよい。そして、照射毎に得られ、増幅された光音響信号を加算平均する。その結果、図1(b)に示した光音響波の周波数スペクトルと、図1(d)に示した光音響波の周波数スペクトルを2:1の重みをつけ平均した光音響波の周波数スペクトルとなる合成された光音響信号を得ることができる。この場合、図1(a)に示した光パルス波形の光パルスで被検体を照射し得られた光音響信号が大きくなるので、増幅度を変えない場合に比べ、合成された光音響信号の周波数特性の低域成分を相対的に大きくすることができる。
また、別の方法として、光パルス波形を3種類以上とすることもできる。例えば、第3の光パルスの波形を図1(e)に示す。図1(e)に示した光パルス波形で被検体を照射した場合に得られる、光音響波の周波数スペクトルをシュミレーションしたグラフを図1(f)に示す。図1(e)のグラフの縦軸が光強度、横軸が時間である。図1(f)のグラフの縦軸が光音響波の強度、横軸が周波数ある。図1(e)に示した様に、パルス幅300nsecの光パルスを照射した場合には、図1(f)に示した様に、光音響波の周波数スペクトルのピーク値が約2.5MHzとなる。複数回の発光を12回とし、そのうち4回を図1(a)に示した光パルス波形の光パルスで被検体を照射する。さらに4回を図1(c)に示した光パルス波形の光パルスで被検体を照射し、残りの4回を図1(e)に示した光パルス波形の光パルスで被検体を照射する。そして、照射毎に得られた光音響信号を加算平均する。その結果、図1(b)に示した光音響波の周波数スペクトルと、図1(d)に示した光音響波の周波数スペクトルと、図1(f)に示した光音響波の周波数スペクトルの平均した光音響波の周波数スペクトルとなる合成された光音響信号を得ることができる。以上説明した様に、3種類以上の光パルス波形の照射を行い、その結果、合成された光音響信号の周波数特性をより高帯域にすることが可能となる。
また、前述の説明同様に、3種類以上の光パルス波形の発光回数や光強度を制御したり、発光毎に受信した光音響信号を増幅する増幅度を制御することにより、さらに細かく、合成された光音響信号の周波数特性の制御を行うことが可能となる。
本発明の実施形態において、前述したように、2種類以上の光パルス波形を有する光パルスにより得られる光音響波の周波数スペクトルのピーク値の周波数が各々異なるように、光パルス波形の形状を設定する。そのような構成とすることで、光音響信号の周波数特性をより容易に調整できるため好適である。光音響波の周波数スペクトルのピーク値の周波数を異なるようにするためには、光パルス波形が三角波の場合、パルス幅が異なるようにするとよい。具体的には、光パルス波形を、100nsecから1000nsecのパルス幅から選択するとよい。例えば、100nsecのパルス幅と200nsecのパルス幅の三角波を用いてもよいし、100nsecと300nsecのパルス幅の三角波を用いてもよい。また上記3つの三角波を用いてもよい。
また、図1(g)に示した様な、立ち上がり時間100nsec、立ち下がり時間50nsecの非対称な光パルス波形の光パルスを用いてもよい。この場合、図1(h)に示した様な光音響波の周波数スペクトルとなる。このような特性であることを考慮すれば、本発明に適応できることは言うまでもない。本発明で適応できる光パルス波形は、どのような形状であってもよい。
以上、合成された光音響信号の周波数特性の制御が可能であることを説明した。本発明により、例えば、特許文献1に開示されているように、受信部の周波数帯域に、合成された光音響信号の周波数特性を適合するように、発光回数や光強度や増幅度等を制御してもよい。プローブが交換できる光音響装置の場合は、プローブの周波数特性と合成された光音響信号の周波数特性が合うように、発光回数や光強度や増幅度等の制御を行うと好適である。また、注目すべき被検体の領域の血管の太さにより決まる光音響波の周波数スペクトルの強度が大きくなるように、発光回数や光強度や増幅度等を決定してもよい。また、ユーザーの指示により、光音響信号の周波数特性の制御が行えるように、発光回数や光強度や増幅度等を制御してもよい。例えば、ユーザーが細かな血管を注視したい場合は、光音響信号の周波数特性の高域を持ちあげるように、短い光パルス幅の光パルスの発光回数を多くする等の設定をおこなうとよい。ユーザーが太い血管を注視したい場合は、光音響信号の周波数特性の低域を持ちあげるように、長い光パルス幅の光パルスの発光回数を多くする等の設定等おこなうとよい。さらに、注目すべき被検体の領域が被検体の深部にある場合、光音響波の高い周波数の減衰が大きくなるので、光音響信号の周波数特性の高域を持ちあげるように、コンピュータが自動で光パルス波形の形状や発光回数等を設定する構成としてもよい。また、ハンドヘルド型プローブに圧力センサ等を設け、プローブの被検体への押しつけ力を測定し、押しつけ力の大きさによって、コンピュータが光音響信号の周波数特性を変更してもよい。例えば、ユーザーが細部の観察を行う場合、無意識に強くプローブを押しつけることがある。押しつける力が大きい場合は、光音響波の周波数スペクトルの高域を持ちあげるために、短い光パルス幅の光パルスの発光回数を多くしたり光強度を大きくしたり増幅度を上げたりとよい。
前述した例では、光パルス波形が異なる光パルスを被検体に複数回照射し照射毎に得られた光音響信号を加算平均して、光音響波の周波数スペクトルの平均した特性となる合成された光音響信号を得た。本発明で用いることのできる合成方法として、以下の方法も有効である。例えば、照射した光パルス波形により得られる光音響波の周波数スペクトルの光強度に比例した重みづけを取得した光音響信号に対して行い、加算平均してもよい。このようにすると光強度の大きなS/Nのよい成分により重みを付けた平均となるため、S/N比を良好にできる。また、光パルス波形に応じた光音響波の周波数スペクトルの光強度が大きい部分を選択して合成してもよい。具体的には、2種類以上の異なる光パルス波形に応じた光音響波の周波数スペクトルにより、光音響信号の合成する帯域を決定し、合成してもよい。例えば、図1(a)と図1(c)の光パルス波形を用いる場合は、5MHz以下の周波数については図1(a)の光パルスの波形の照射により得られた光音響信号を加算平均した信号を用いる。そして、5MHz以上の周波数については図1(c)の光パルスの波形の照射により得られた光音響信号を加算平均した信号を用いるとよい。もちろん、切り換える周波数における、つながりが不自然にならない様に、単なる切り換えでは無く、重みを付けた合成処理を行うとよい。
また、光パルス波形に応じた光音響波の周波数スペクトルをフラットにするような特性を持つフィルタを用い、2種類以上の異なる光パルス波形の発光により得られた光音響波の周波数スペクトルを各々フラットにした後、加算平均してもよい。この場合、S/N比は向上しないが、得られた合成された光音響信号の周波数特性がフラットとなる利点がある。
以上説明した様に、光照射部から照射される複数回のパルス光の発光により生じる光音響信号に基づく情報を取得する光音響装置において、光照射部から照射される複数回の発光の内、少なくとも2種類以上の光パルス波形で発光させる。そして、そのような発光をするように光照射部に含まれる半導体の発光素子を駆動することによって、書所定(所望)の光音響信号の周波数特性に基づく情報を得ることができる。以下の説明では、2種類の光パルス波形により得られた光音響信号を加算平均した実施形態を示すが、言うまでもなく、3種類以上のパルス波形を被検体に照射することにより得られた光音響信号を上述した処理をおこない構成にも適用できる。
(光音響装置の構成)
図2に、本実施形態に係る光音響装置1のブロック図を示す。以下、図2のブロック図を用いて、本実施形態に係る光音響装置1は、光源から発生するパルス光を被検体100に照射する光照射部200と、被検体100にパルス光が照射されることによって生じる音響波を受信して電気信号に変換する受信部120を有する。さらに、被検体100にパルス光が複数回照射されるように光照射部200を制御する制御部153を有する。また、被検体100にパルス光が複数回照射されることにより生じる音響波から変換された複数の電気信号に基づいて、被検体100に関する情報を取得する取得部151を有する。そして、制御部153は、複数回照射されるパルス光のうち、少なくとも一部が互いに異なるパルス波形となるように、光照射部200を制御することを特徴とする。前述のように、被検体に照射されるパルス光のパルス波形が異なることで、検出される音響波の周波数が変わる。そのため、被検体に照射するパルス光のパルス波形の種類を増やすことで、検出される音響波の周波数帯域を広くできる。その結果、被検体に分布する光吸収体のうち、低周波数の音響波に対応するサイズの大きい物質から、高周波数の音響波に対応するサイズの小さい物質の情報まで取得することができる。
なお、本実施形態において、パルス波形が異なるとは、典型的にはパルス幅が異なる場合であるが、それに限られない。
また、本実施形態において、制御部は、互いに異なるパルス波形を有するパルス光の発光回数が、互いに異なるように光照射部を制御することや、互いに異なるパルス波形を有するパルス光の光強度が、互いに異なるように光照射部を制御することができる。このような構成によって、前述のように、特定の周波数の音響波を大きく発生させる場合は、当該周波数を発生させるためのパルス波形を有するパルス光の発光回数を増やしたり、パルス光の光強度を強くすることができる。
本実施形態に係る光音響装置は、プローブ180、信号収集部140、コンピュータ150、表示部160、入力部170を有する。プローブ180には、光照射部200、駆動部210と受信部120が含まれる。コンピュータ150には、取得部151、記憶部152、制御部153が含まれる。なお、プローブ180を除くケーブルで接続された部分を光音響装置本体と記すこともできる。
本実施形態において光照射部200はパルス光を発生させる光源部を含み構成されている。また、光源部は複数の半導体の発光素子(半導体発光素子)を含み構成されている。光音響信号のS/N比を向上するため光強度を上げる必要があり、半導体発光素子の数は複数であることが望ましいが、本発明の効果を実現するためには、半導体発光素子の数は1つの構成であってもよい。駆動部210は光照射部200の複数の半導体発光素子の発光を、前述した光パルス波形となるように駆動する。駆動部210は光源200の光パルス波形を発光毎に制御して発光する。光パルス波形は、前述したように、決定するとよい。
駆動部210は光源200の半導体発光素子を少なくとも2種類以上の光パルス波形で複数回、発光させる。そして、光源200は2種類以上の光パルス波形で被検体100を照射する。受信部120は、各々の発光における被検体100から発生した光音響波を受信して、アナログ信号である電気信号(光音響信号)を出力する。信号収集部140は、各々の発光における受信部120から出力されたアナログ信号をデジタル信号に変換し、コンピュータ150に出力する。
コンピュータ150は、取得部151、記憶部152、制御部153を用いて、各々の発光における信号収集部140から出力されたデジタル信号の合成を行い、光音響波に由来する電気信号(合成された光音響信号)として記憶部152に記憶する。ここで、合成とは、単純な加算平均に限らず、前述した処理を含む。以下では主に加算平均を例にとって説明するが、加算平均以外の前述した合成方法を適用することもできる。コンピュータ150は、記憶部152に記憶されたデジタル信号に対して画像再構成などの処理を行うことにより、光音響画像データを生成する。そして、光音響画像データは、表示部160で表示される。また、コンピュータ150はこれらの装置全体の動作の制御や光パルス波形の設定・発光制御・受信制御も行う。不図示ではあるが、コンピュータ150は、必要に応じて、得られた光音響画像データに対して表示のための画像処理やGUIのためのグラフィックを合成する処理を行ってもよい。
ユーザー(医師や技師等)は、表示部160に表示された光音響画像を確認することにより、診断を実施できる。表示画像は、ユーザーやコンピュータ150からの保存指示に基づいて、コンピュータ150内のメモリや、光音響装置とネットワークで接続されたデータ管理システムなどに保存されてもよい。入力部170は、ユーザーからの指示などを受け付ける。
(各ブロックの詳細構成)
続いて、各ブロックの好ましい構成について詳細に述べる。
(プローブ180)
図3は、第1の実施形態のプローブ180の構造を示す図である。
図3において、プローブ180は、光照射部200、駆動部210、受信部120、及び、ハウジング181を含む。ハウジング181は、光照射部200、駆動部210、及び受信部120を囲う筺体である。ユーザーは、ハウジング181を把持することにより、プローブ180をハンドヘルド型プローブとして利用できる。
光照射部200は、光パルスを被検体に照射する。光照射部200は前述したように、駆動部210により、光パルス発光毎に所望の光パルス波形で光パルスを発光する。
なお、図中のXYZ軸は、プローブを静置した場合の座標軸を示すものであり、プローブ使用時の向きを限定するものではない。
図3に示すプローブ180は、ケーブル182を介して、信号収集部140と繋がっている。ケーブル182は、光照射部200に電力を供給する配線や、発光制御信号配線や、受信部120から出力されたアナログ信号を信号収集部140に出力する配線を含む。ケーブル182にコネクタを設け、プローブ180と光音響装置のその他の構成とを分離できる構成としてもよい。
(光照射部200)
本実施形態における光照射部は、光源から発生するパルス光を被検体に照射する。
光照射部200は、例えば半導体発光素子(例えばレーザダイオード)16個で構成される。半導体発光素子の種類もレーザダイオード(LD)に限るものではなく、発光ダイオード(LED)であってもよい。半導体発光素子の種類や個数は必要な光強度から決定する。8個のレーザダイオード(200a〜200h)と8個のレーザダイオード(200i〜200p)は、受信部120を挟み、対向して配置される。そして検体に対して光を照射する。各々のレーザダイオードは受信部200の最大感度方向に向けて実装される。すなわち、図3に示した様にレーザダイオード(200a〜200h)とレーザダイオード(200i〜200p)は受信部120の方向に向くように角度を付け実装する。また図3では、受信部200を挟むような実装配置を示したが、片側に光源を集めた配置であってもよい。さらに、レーザダイオードの使用個数がより多くともよい。また、図3ではディスクリート部品を並べた実装形態を示したが、半導体ウエハを切り出したダイを金属ベースやプリント基板に複数実装した構成であってもよい。光照射部200の構成、すなわち、レーザダイオードの配置は、この配置に限定するものではない。被検体に良好に光パルスを照射できれば、プローブの形状等の条件によりどのような配置で実装してもかまわない。
光照射部200が発光する光のパルス幅は、例えば10ns以上、1μs以下である。より好適には、100nsecから800nsecが好適である。また、光照射部200の光の波長としては、400nm以上、1600nm以下が好適であるが、画像化したい光吸収体の光吸収特性に応じて波長を決定するとよい。血管を高解像度でイメージングする場合は、血管での吸収が大きい波長(400nm以上、800nm以下)を用いてもよい。生体の深部をイメージングする場合には、生体の背景組織(水や脂肪など)において吸収が少ない波長(700nm以上、1100nm以下)の光を用いてもよい。本発明では、所定の波長として血管の構造情報が取得でき、被検体の深部まで届く波長である975nmとし、上記条件を満たす複数の他の波長の光源を同時に照射することにより、所定の波長の照射による光音響波と等価な光音響波を得ることができる。
(駆動部210)
図4(a)図4(b)に第1の実施形態の駆動部210の構成を示す。どちらの構成であっても好適に本発明に対応できる。初めに、図4(a)で示した駆動部210の構成を説明する。図4(a)において、光照射部200は複数の半導体発光素子(レーザダイオード)が直列接続されている。210aは例えばMOSFET等のトランジスタであり、光照射部200のレーザダイオードに流れる電流を制御する。210bは電源であり、光照射部200のレーザダイオードに電力を供給する。ここで、電源210bは、ハンドヘルド型プローブの場合、プローブ180外部の光音響装置本体に実装され、電力を供給する形態であってもかまわない。この場合は、電源のインピーダンス(インダクタンス成分)を下げるために、プローブ内に不図示のバイパスコンデンサ等を実装するとよい。トランジスタ210aのゲート電圧を制御することにより所定の光パルス波形に対応する光照射部200のレーザダイオードに流れる電流波形を得ることができる。このような駆動部210を実現することによって、前述した光パルス波形を実現することができる。
駆動部210の他の構成を図4(b)に示す。図4(b)においても、光照射部200は複数の半導体発光素子(レーザダイオード)が直列接続されている。210aは例えばMOSFET等のトランジスタであり、光照射部200のレーザダイオードに流れる電流をON/OFF制御する。210cはインダクタであり、例えば、コイルや、プリント基板の配線等で実現する。210dはダイオードであり、トランジスタ210aがOFFした際の電流をインダクタ210cに戻す。210eは可変電圧電源である。ハンドヘルド型プローブの場合、プローブ外部の可変電圧電源210eは、光音響装置本体に実装してもよい。この場合は、電源のインピーダンス(インダクタンス成分)を下げるために、プローブ内に不図示のバイパスコンデンサ等を実装する。図4(b)の構成で、トランジスタ210aがONする場合を考える。このとき、光照射部200のレーザダイオードの順方向電圧の和の電圧と、トランジスタ210aがON時のドレイン―ソース間電圧との合計の電圧と、可変電圧電源210eの出力電圧との差の電圧が、インダクタ210cに印加される。インダクタ210cに流れる電流の傾きはインダクタ210cに加わる電圧と、インダクタ210cのインダクタンスによって決定できる。すなわち、インダクタンスが固定であれば、可変電圧電源210eの電圧を高くすれば、インダクタ210cに流れる電流の傾きを大きくできる。すなわち、光照射部200のレーザダイオードに流れる電流の傾きを制御できる。そして、光パルス波形の立ち上がり波形の傾きを決定することができる。トランジスタ210aがOFFすると、インダクタ210cに加わる電圧は、光照射部200のレーザダイオードの順方向電圧の和の電圧とダイオード210dの順方向電圧の合計の電圧となる。この電圧とインダクタ210cのインダクタンスによって、インダクタ210cに流れる電流の傾きが決まる。すなわち、光パルス波形の立ち下がり波形の傾きが決まる。トランジスタ210aがON時のドレイン―ソース間電圧や、ダイオード210dの順方向電圧は、光照射部200のレーザダイオードの順方向電圧の和の電圧より十分小さい場合を考える。その場合、光照射部200のレーザダイオードの順方向電圧の和の電圧の2倍の電圧に可変電圧電源210eの出力電圧を設定すれば、光照射部200のレーザダイオードに流れる電流の立ち上がり波形と立ち下がり波形の傾きを同じにできる。よって、光パルス波形の立ち上がり波形と立ち下がり波形の傾きを同じにできる。また、ダイオード210dのアノードをインダクタ210cの他方の電極に接続することによって、トランジスタ210aをOFFした際、光照射部200のレーザダイオードに流れる電流の立ち下がり時間をさらに短くすることもできる。この様に、インダクタ210cと可変電源210eを用いて、所定の光パルス波形を得ることが可能である。
(受信部120)
受信部120は、光照射部200の発光に伴い発生する光音響波を受信して電気信号を出力するトランスデューサと、トランスデューサを支持する支持体とを含む。トランスデューサを構成する部材として例えば、圧電材料、静電容量型トランスデューサ、ファブリペロー干渉計を用いたトランスデューサなどを使用できる。圧電材料として例えば、PZT(チタン酸ジルコン酸鉛)等の圧電セラミック材料や、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)等の高分子圧電膜材料がある。なお、静電容量型トランスデューサはCMUT(Capacitive Micro−machined Ultrasonic Transducers)と呼ばれることがある。
発光部200の発光毎にトランスデューサにより得られる電気信号は時間分解信号である。そのため、電気信号の振幅は、各時刻にトランスデューサで受信される音圧に基づく値(例えば、音圧に比例した値)を表している。なお、トランスデューサとしては、光音響波を構成する周波数成分(典型的には100KHzから10MHz)を検出できるものが好ましい。また、支持体に複数のトランスデューサを並べて配置して、1Dアレイ、1.5Dアレイ、1.75Dアレイ、または2Dアレイと呼ばれるような平面や曲面を形成することも好ましい。なお、図3では一例として、1Dアレイのトランスデューサを模式的に示している。
受信部120が、トランスデューサから出力される時系列のアナログ信号を増幅する増幅器を備えてもよい。また、受信部120が、トランスデューサから出力される時系列のアナログ信号を時系列のデジタル信号に変換するA/D変換器を備えてもよい。すなわち、受信部120が信号収集部140を備えてもよい。
なお、音響波を様々な角度から検出して画像精度を向上させるためには、被検体100を全周囲から囲むようなトランスデューサ配置が好ましい。また、全周囲を囲めないほど被検体100が大きい場合は、半球状の支持体上にトランスデューサを配置してもよい。このような形状の受信部120を備えるプローブ180は、ハンドヘルド型ではなく、プローブを被検体100に対して相対移動させる機械走査型の光音響装置に好適である。プローブの移動には、XYステージなどの走査部を用いればよい。なお、トランスデューサの配置および数、ならびに支持体の形状は、上記に限定されず、被検体100に応じて最適化すればよい。
受信部120と被検体100との間の空間には、光音響波を伝搬させる媒質を配置するとよい。これにより、被検体100とトランスデューサの界面における音響インピーダンスが整合する。媒質として例えば、水、油、超音波ジェルなどがある。
光音響装置1は、被検体100を保持して形状を安定させる保持部材を備えていてもよい。保持部材としては光透過性と音響波透過性がともに高いものが好ましい。例えば、ポリメチルペンテンやポリエチレンテレフタレート、アクリルなどを利用できる。
本実施形態に係る装置が、光音響画像に加えて、音響波の送受信により超音波画像も生成する場合、トランスデューサは、音響波を送信する送信手段として機能してもよい。受信手段としてのトランスデューサと送信手段としてのトランスデューサとは、単一(共通)のトランスデューサでもよいし、別々の構成であってもよい。
(信号収集部140)
信号収集部140は、発光部200の発光毎に発生する受信部120から出力されたアナログ信号である電気信号を増幅するアンプと、アンプから出力されたアナログ信号をデジタル信号に変換するA/D変換器とを含む。信号収集部140は、FPGA(Field Programmable Gate Array)チップなどで構成されてもよい。
更に詳細に信号処理部140の動作を説明する。受信部120のアレイ状に配置された複数のトランスデューサが出力したアナログ信号は、各々に対応する複数のアンプにより増幅され、各々に対応する複数のA/D変換器でデジタル信号に変換される。A/D変換レートは入力される信号の帯域の少なくとも2倍以上で行う。前述した様に、光音響波の周波数成分が100KHzから10MHzであれば、A/D変換レートは20MHz以上、望ましくは40MHzの周波数で変換を行う。なお、信号収集部140は、発光制御信号を用いることにより、光照射のタイミングと信号収集処理のタイミングを同期化する。すなわち、発光部200の発光毎に発光時刻を基準にして、上述したA/D変換レートでA/D変換を開始し、アナログ信号をデジタル信号に変換する。その結果、発光部200の発光毎に発光時刻からA/D変換レート分の1の時間間隔(A/D変換間隔)毎のデジタルデータ列が複数のトランスデューサ毎に取得できる。この際、発光時刻は光パルス波形のピークとなる時刻を基準に決めるとよい。
信号収集部140は、Data Acquisition System(DAS)とも呼ばれる。本明細書において電気信号は、アナログ信号もデジタル信号も含む概念である。
上述したように、信号収集部140をプローブ180のハウジング181の内部に配置してもよい。このような構成であれば、プローブ180とコンピュータ150との間の情報がデジタル信号で伝搬されるため、耐ノイズ性が向上する。また、アナログ信号を伝送する場合に比べ、高速デジタル信号を用いることによって、配線数を少なくすることが可能となり、プローブ180の操作性が向上する。
また、後述する加算平均も信号収集部140で行ってもよい。この場合FPGA等のハードウェアを用いて加算平均を行うと好適である。
(コンピュータ150)
コンピュータ150は、取得部151、記憶部152、制御部153を含む。取得部151としての演算機能を担うユニットは、CPUやGPU(Graphics Processing Unit)等のプロセッサ、FPGA(Field Programmable Gate Array)チップ等の演算回路で構成できる。これらのユニットは、単一のプロセッサや演算回路から構成されてもよいし、複数のプロセッサや演算回路から構成されてもよい。
例えば、コンピュータ150は、複数のトランスデューサ各々について、複数の光パルスの照射毎に取得した光音響信号に対して前述した加算平均等の合成処理を行う。また、コンピュータ150は、前述した照射した光パルス波形により得られる光音響波の周波数スペクトルの強度に比例した重みづけを行う処理を行う場合、光音響信号の周波数特性を変更するフィルタ手段でもある。本実施形態におけるフィルタ手段は、音響波のピーク周波数に基づき、電気信号の周波数特性を変更することができる。フィルタ手段として例えば、音響波の周波数スペクトルと略同一な特性を有するものや、音響波の周波数スペクトルを略フラットな特性に変更するものを用いることができる。
以降の実施形態では、これらの合成処理の内、単純な加算平均を行う場合について説明する。
コンピュータ150は、発光部200の発光毎に信号収集部140から出力される前述したデジタルデータ列の発光時刻から同時刻のデータ各々について加算平均する。そして、コンピュータ150は、加算平均化されたデジタルデータ列を、光音響波に由来する加算平均された電気信号(合成された光音響信号)として、記憶部152に記憶する。そして、取得部151は、記憶部152に記憶された合成された光音響信号に基づいて、画像再構成による光音響画像データ(構造画像や機能画像)の生成や、その他各種の演算処理を実行する。取得部151は、入力部170から、被検体音速や保持部の構成などの各種パラメータ入力を受け付けて、演算に用いてもよい。
取得部151が電気信号を3次元のボリュームデータに変換するときの再構成アルゴリズムとしては、タイムドメインでの逆投影法、フーリエドメインでの逆投影法、モデルベース法(繰り返し演算法)など、任意の手法を採用できる。タイムドメインでの逆投影法として、Universal back−projection(UBP)、Filtered back−projection(FBP)、または整相加算(Delay−and−Sum)などが挙げられる。
記憶部152は、RAM(Random Access Memory)などの揮発性のメモリや、ROM(Read only memory)、磁気ディスクやフラッシュメモリなどの非一時記憶媒体により構成される。なお、プログラムが格納される記憶媒体は、非一時記憶媒体である。また、記憶部152は、複数の記憶媒体から構成される。
記憶部152は、合成された光音響信号や、取得部151により生成される光音響画像データや、光音響画像データに基づいた再構成画像データなど、各種のデータを保存できる。
制御部153は、CPUなどの演算素子で構成される。制御部153は、光音響装置の各構成の動作を制御する。制御部153は、複数の光パルスの発光制御制御信号や光パルス波形の設定信号を駆動部210に送る。そして、指定された光パルス波形でレーザダイオードは発光し、被検体を照射する。制御部153は、光パルス波形を設定する光パルス波形設定手段でもある。
また、制御部153は、前述したように、ユーザーの指示、あるいは自動で、光パルス波形や光パルスの光強度や発光回数、光音響信号の増幅度等を制御する。すなわち、制御部153は、前述した少なくとも2種類以上の光パルス波形の各々の光強度を設定する光強度設定手段でもある。また、2種類以上の光パルス波形の各々の発光回数を設定する発光回数設定手段でもある。
また、制御部153は、記憶部152に格納されたプログラムコードを読み出し、光音響装置の各構成の動作を制御する。また、制御部153は表示部160に対する画像の調整などを行う。これにより、プローブの移動と光音響測定に伴い順次、酸素飽和度分布画像が表示される。
コンピュータ150は本発明に専用に設計されたワークステーションであってもよい。コンピュータ150はまた、汎用的なPCやワークステーションを、記憶部152に格納されたプログラムの指示に従って動作させたものであってもよい。また、コンピュータ150の各構成は異なるハードウェアによって構成されてもよい。また、コンピュータ150の少なくとも一部の構成は単一のハードウェアで構成されてもよい。
図5は、本実施形態に係るコンピュータ150の具体的な構成例を示す。本実施形態に係るコンピュータ150は、CPU154、GPU155、RAM156、ROM157、外部記憶装置158から構成される。また、コンピュータ150には、表示部160としての液晶ディスプレイ161、入力部170としてのマウス171、キーボード172が接続されている。
また、コンピュータ150および受信部120は、共通の筺体に収められた構成で提供されてもよい。また、筺体に収められたコンピュータで一部の信号処理を行い、残りの信号処理を筺体の外部に設けられたコンピュータで行ってもよい。この場合、筺体の内部および外部に設けられたコンピュータを総称して、本実施形態に係るコンピュータとすることができる。すなわち、コンピュータを構成するハードウェアが一つの筺体に収められていなくてもよい。コンピュータ150として、クラウドコンピューティングサービスなどで提供される、遠隔地に設置された情報処理装置を用いても構わない。
コンピュータ151は、本発明の処理部に相当する。特に、取得部151が中心となって処理部の機能を実現する。
(表示部160)
表示部160は、液晶ディスプレイや有機EL(Electro Luminescence)などのディスプレイである。コンピュータ150により得られた被検体情報(一例として、構造情報や機能情報)等に基づく画像や特定位置の数値等を表示する装置である。表示部160は、画像や装置を操作するためのGUIを表示してもよい。表示部160またはコンピュータ150において画像処理(輝度値の調整等)を行ってもよい。
(入力部170)
入力部170としては、ユーザーが操作可能な、マウスやキーボード等で構成される操作コンソールを採用できる。また、表示部160をタッチパネルで構成し、表示部160を入力部170として利用してもよい。入力部170は、ユーザーからの指示や数値などの入力を受け付け、コンピュータ150に伝達する。
なお、光音響装置の各構成はそれぞれ別の装置として構成されてもよいし、一体となった1つの装置として構成されてもよい。また、光音響装置の少なくとも一部の構成が一体となった1つの装置として構成されてもよい。
また、コンピュータ150は、制御部153により、光音響装置に含まれる構成の駆動制御も行う。また、表示部160は、コンピュータ150で生成された画像の他にGUIなどを表示してもよい。入力部170は、ユーザーが情報を入力できるように構成されている。ユーザーは、入力部170を用いて測定開始や終了、後述する照射モードの指定や、作成画像の保存指示などの操作を行うことができる。
(被検体100)
被検体100は光音響装置を構成するものではないが、以下に説明する。本実施形態に係る光音響装置は、人や動物の悪性腫瘍や血管疾患などの診断や化学治療の経過観察などを目的として使用できる。よって、被検体100としては、生体、具体的には人体や動物の乳房や各臓器、血管網、頭部、頸部、腹部、手指および足指を含む四肢などの診断の対象部位が想定される。例えば、人体が測定対象であれば、オキシヘモグロビンあるいはデオキシヘモグロビンやそれらを含む多く含む血管あるいは腫瘍の近傍に形成される新生血管などを光吸収体の対象としてもよい。また、頸動脈壁のプラークなどを光吸収体の対象としてもよい。被検体として人体の場合、皮膚に含まれる色素のメラニンが、前述した妨害を発生する光吸収体となりうる。また、メチレンブルー(MB)、インドシニアングリーン(ICG)などの色素、金微粒子、またはそれらを集積あるいは化学的に修飾した外部から導入した物質を光吸収体としてもよい。また、穿刺針や穿刺針に付された光吸収体を観察対象としてもよい。被検体は、ファントムや試験対象物などの無生物であってもよい。
(実施形態の動作)
次に、本発明の被検体情報取得装置は、少なくとも2種類以上の光パルス波形の光パルスを複数回被検体に照射し、照射毎に被検体内で発生した音響波を受信して、受信した光音響信号に基づいて被検体の特性情報を取得する。第1の実施形態では、2種類の光パルス波形を交互に発光し、得られた光音響信号を加算平均する実施形態について、詳細な説明を以下に記す。
図6は、第1の実施形態における動作をわかりやすく説明するためのタイミング図である。図6において横軸は時間軸である。これらの制御は、コンピュータ150あるいはFPGAあるいは専用のハードウェアが行う。図6を用いて、本発明の光音響装置の光音響信号の取得と、取得された光音響信号に基づく光音響画像を生成する方法について詳細に説明する。
図6は、2種類の光パルス波形の光パルスを交互に発光し、得られた光音響信号から構造情報を得るタイミング図である。なお、血管の構造情報を取得する場合、光照射部200の波長は、オキシヘモグロビンとデオキシヘモグロビンの吸収係数が等しくなる約795nmを選ぶとよい。
レーザダイオードの光強度は少ないため、S/N向上を目的として、光音響装置は、光照射部200の複数の半導体光発光素子を、図6T1に示すように、照射周期:tw1間隔で繰り返し発光し、光音響信号を取得する。なお、照射周期:tw1の長さは、皮膚に対する最大露光許容量(MPE:Maximum Permissible Exposure)を考慮して、設定する。例えば、照射周期tw1として0.1mSecを選ぶとよい。
図6T1では、図1(a)の光パルス波形と図1(c)の光パルス波形で交互に発光し、照射周期:tw1で光音響信号を168回取得し((1)〜(4)…)、加算平均し、加算平均された光音響信号A1を撮像フレームレートの周期:tw2毎に得る。すなわち、図1(a)の光パルス波形と図1(c)の光パルス波形により得られた各83個の光音響信号を加算平均する。ここで加算平均は、一例であり、前述した他の合成処理であってもよい。
次に、図6T3に示すように、加算平均された光音響信号A1を基に、前述した再構成のための処理を行い、再構成画像データR1を求める。そして、再構成画像データR1は、構造情報S1として、撮像フレームレートの周期:tw2は16.6msecで、順次、表示部160に出力され表示される(図6T4)。なお、撮像フレームレートの周波数は約60Hzとなる。
光音響信号を166回取得し、加算平均する場合は、撮像フレームレートの周波数は約60Hzとなり、表示部160の表示フレームレートと合致するが、加算平均化回数が異なる場合、撮像フレームレートと表示フレームレートが合致しない場合がある。この場合は、不図示のフレームレート変換器を用い、撮像フレームレートを表示フレームレートに変換し、表示部160で表示すると良い。
以上説明した様に、光照射部200の複数回の発光の内、少なくとも2種類以上の光パルス波形で発光することによって、所定の光音響信号の周波数特性に基づく情報を得ることが可能となる。
その結果、より最適な光音響信号の周波数特性となる情報を得ることが可能となる効果がある。
また、第1の実施形態において2種類以上の異なる光パルス波形は、交互に発光するように制御する構成であったが、交互に発光する構成に限定されない。例えば、83回連続して図1(a)の光パルス波形の光パルスが発光し、続いて、図1(c)の光パルス波形の光パルスが83回連続して発光する制御を行ってもかまわない。交互に発光するように制御する構成であれば、図1(a)の光パルス波形の光パルスが発光する時刻と図1(c)の光パルス波形の光パルスが発光する時刻が近くなる。そのため、各光パルス波形の光照射により得られた光音響信号の合成部分の被検体の動きによる影響を少なくできる。また、各々連続して発光する構成であれば、各光パルス波形の光照射における時間が短くなるため、各々の光パルス波形の光照により得られた光音響信号各々が被検体の動きによる影響を受けにくくなる利点がある。
(その他の実施形態)
前述の第1の実施形態では、各光パルス波形の光パルスの照射により得られた光音響信号を加算平均した実施形態を説明した。前述したように、各光パルス波形の光パルスの照射回数を変更し、得られた光音響信号を加算平均してもよい。また、各光パルス波形の光パルスの光強度を変更し、得られた光音響信号を加算平均してもよい。また、各光パルス波形の光パルスの半導体発光素子の発光数を変更し、得られた光音響信号を加算平均してもよい。また、各光パルス波形の光パルスの照射に合わせ、光音響信号を増幅する増幅度を変更し、増幅した光音響信号を加算平均してもよい。また、照射した光パルス波形により得られる光音響波の周波数スペクトルの強度に比例した重みづけを取得した光音響信号に対して行い、加算平均してもよい。また、照射した光パルス波形により得られる光音響波の周波数スペクトルをフラットにするような特性を持つフィルタにより、得られた光音響波の周波数スペクトルをフラットにした後、加算平均しても求めてもよい。
別の実施形態として、再構成画像データを求める処理を行う場合、上述した処理を、光音響信号に対して行わず、光パルス毎に、再構成処理を行って再構成画像データを取得し、再構成画像データに対して上述した合成処理を行ってもよい。しかしながら、この様な再構成画像データで合成処理を行う場合は、発光毎に再構成処理を行う必要があり、計算量が増大する欠点がある。
また、光照射部200が発光する光の波長は、複数の波長を用いてもよい。複数の波長を用いた場合、例えば、機能情報としての酸素飽和度を算出することができる。本発明では、例えば撮像フレームレート毎に2波長を交互に切り換え光音響信号を取得し、再構成画像データを算出し、さらに、2つの撮像フレームレートで算出した再構成画像データより酸素飽和度を計算することができる。酸素飽和度の算出については、特開2015−142740号公報に詳しく記載されている。さらに、構造情報を得る際には、本発明の2種類以上の光パルス波形で順次照射し、広い周波数特性の情報を得る。そして、機能情報を得るための他の波長の光パルス波形はパルス幅を長くした1つの光パルス波形の形状としてもよい。このようにすることによって、構造情報は血管の太さにかかわらず鮮明に検出でき、機能情報は高域成分の無い情報を得ることができる。そして、機能情報は構造情報でマスクすることにより、詳細な情報とすることができる。
また、本発明で示した複数の実施形態を1つの光音響装置で実現し、切り換え使用できるようにしてもよい。さらに、本発明の光音響装置に、トランスデューサから超音波を送信し反射波による測定を行う機能を追加実現してもよい。この場合、もちろん、光照射部200は発光しない。
1 光音響装置
120 受信部
151 取得部
153 制御部
200 光照射部

Claims (14)

  1. パルス光を被検体に照射する光照射部と、
    前記被検体にパルス光が照射されることによって生じる音響波を受信して電気信号に変換する受信部と、
    前記被検体にパルス光が複数回照射されるように前記光照射部を制御する制御部と、
    前記被検体にパルス光が複数回照射されることにより生じる音響波から変換された複数の前記電気信号に基づいて、前記被検体に関する情報を取得する取得部と、
    を有する光音響装置であって、
    前記制御部は、複数回照射される前記パルス光のうち、少なくとも一部が互いに異なるパルス波形となるように、前記光照射部を制御することを特徴とする光音響装置。
  2. 前記制御部は、複数回照射される前記パルス光のうち、少なくとも一部が互いに異なるパルス幅となるように、前記光照射部を制御することを特徴とする請求項1に記載の光音響装置。
  3. 前記制御部は、前記互いに異なるパルス波形を有するパルス光の発光回数が、互いに異なるように前記光照射部を制御することを特徴とする請求項1または2に記載の光音響装置。
  4. 前記制御部は、前記互いに異なるパルス波形を有するパルス光の光強度が、互いに異なるように前記光照射部を制御することを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の光音響装置。
  5. 前記取得部は、前記複数の電気信号を加算平均する処理を行うことを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の光音響装置。
  6. 前記取得部は、前記複数の電気信号のうち、所定の周波数成分を有する電気信号を選択して加算平均を行うことを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の光音響装置。
  7. 前記取得部は、前記複数の電気信号の各々の画像再構成を行うことで複数の再構成画像を取得し、前記複数の再構成画像を加算平均することを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の光音響装置。
  8. 前記取得部は、前記複数の電気信号の各々の画像再構成を行うことで複数の再構成画像を取得し、前記複数の再構成画像のうち、所定の周波数成分の電気信号に対応する前記再構成画像を選択して加算平均を行うことを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の光音響装置。
  9. 複数回照射される前記パルス光のうち第一のパルス波形を有する第一のパルス光が前記被検体に照射されることによって生じる第一の音響波と、前記第一のパルス波形と異なる第二にパルス波形を有する第二のパルス光が前記被検体に照射されることによって生じる第二の音響波とは、ピーク周波数が互いに異なることを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載の光音響装置。
  10. 前記音響波のピーク周波数に基づき、前記電気信号の周波数特性を変更するフィルタ手段を有することを特徴とする請求項1から9のいずれか一項に記載の光音響装置。
  11. 前記フィルタ手段は、前記音響波の周波数スペクトルと略同一な特性を有することを特徴とする請求項10に記載の光音響装置。
  12. 前記フィルタ手段は、前記音響波の周波数スペクトルを略フラットな特性に変更する
    ことを特徴とする請求項10または11に記載の光音響装置。
  13. 前記光照射部が、パルス光を発生させる光源部を含み構成されていることを特徴とする請求項1から12のいずれか一項に記載の光音響装置。
  14. 前記光源部が、複数の半導体発光素子を含み構成されていることを特徴とする請求項13に記載の光音響装置。
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