JP2018187850A - 積層体及びその製造方法、コラーゲンフィルム、コラーゲン複合フィルム、転写方法、細胞培養用足場、創傷被覆材、美容用パック材 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】配向層14と、配向層14上に配置された、コラーゲンが配向してなるコラーゲン層16と、を有する、積層体10。および、積層体10からコラーゲン層16を剥離することにより得られる、コラーゲンフィルム。および、積層体10から、コラーゲン層16を支持体上に転写して得られる、コラーゲン複合フィルム。
【選択図】図1
Description
このため、コラーゲンの配向を自在に制御できる方法が望まれている。
また、特許文献2では、ノズルを用いて、せん断によりコラーゲンを配向させる方法を開示している。しかし、特許文献2による方法であると、繊維状の配向糸が形成されるため、コラーゲン層の大面積化を達成することは困難であった。
すなわち、以下の構成により上記目的を達成することができることを見出した。
〔2〕 上記配向層は、重合性基を有する液晶性化合物を配向させ重合させてなる液晶層、シランカップリング剤層、ラビング処理が施された樹脂層、光配向層、及び、延伸樹脂層からなる群から選択される、〔1〕に記載の積層体。
〔3〕 上記配向層は、重合性基を有する液晶性化合物を配向させ重合させてなる液晶層、シランカップリング剤層、及びラビング処理が施された樹脂層からなる群から選択される、〔1〕又は〔2〕に記載の積層体。
〔4〕 上記配向層は、重合性基を有する液晶性化合物を配向させ重合させてなる液晶層、又はシランカップリング剤層である、〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の積層体。
〔5〕 〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の積層体から上記コラーゲン層を剥離することにより得られる、上記コラーゲン層からなるコラーゲンフィルム。
〔6〕 〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の積層体から、上記コラーゲン層を支持体上に転写して得られる、上記支持体と、上記支持体上に配置された上記コラーゲン層と、を有するコラーゲン複合フィルム。
〔7〕 〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の積層体から、上記コラーゲン層を支持体上に転写する、コラーゲン層の転写方法。
〔8〕 〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の積層体、〔5〕に記載のコラーゲンフィルム、又は、〔6〕に記載のコラーゲン複合フィルムを用いた、細胞培養用足場。
〔9〕 〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の積層体、〔5〕に記載のコラーゲンフィルム、又は、〔6〕に記載のコラーゲン複合フィルムを用いた、創傷被覆材。
〔10〕 〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の積層体、〔5〕に記載のコラーゲンフィルム、又は、〔6〕に記載のコラーゲン複合フィルムを用いた、美容用パック材。
〔11〕 〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の積層体の製造方法であって、
配向層上に、コラーゲンを含む溶液を塗布して、上記コラーゲン層を形成する工程を有する、積層体の製造方法。
また、本発明によれば、コラーゲンが配向してなるコラーゲン層を含む部材(積層体)を用いて形成される、コラーゲンフィルム、コラーゲン複合フィルム、細胞培養用足場、創傷被覆材、及び美容用パック材、並びに、転写方法を提供することができる。
以下に記載する構成要件の説明は、本発明の代表的な実施態様に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施態様に限定されるものではない。
なお、本明細書において、「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。
また、(メタ)アクリル樹脂とは、アクリル樹脂又はメタクリロイル樹脂を表す。
本発明の特徴点の一つとしては、配向層を用いてコラーゲンを配向させている点が挙げられる。コラーゲンを配向層上に付与する(例えば、コラーゲンを含む溶液を配向層上に塗布する)と、配向層の配向に束縛されてコラーゲンが配向し、コラーゲンが配向してなるコラーゲン層が形成される。なお、コラーゲン層は光学異方性を示すことから、コラーゲンの配向の有無及び配向の程度は、位相差(例えば、面内位相差)を測定することにより確認できる。
配向層としては、後述するように、例えば、重合性基を有する液晶性化合物を配向させ重合させてなる液晶層、シランカップリング剤層、ラビング処理が施された樹脂層、光配向層、及び、延伸樹脂層等が挙げられる。
本発明の積層体は、上述のように配向層を用いてコラーゲンを配向させるため、簡便に作製でき、且つ、大面積化が容易である。
図1は、本発明の積層体の一態様を模式的に表す断面図である。図1において、積層体10は、基材12と、配向層14と、コラーゲン層16とをこの順に備える。
以下、各構成部材について説明する。
基材12は、配向層14及びコラーゲン層16を支持するための部材である。
基材12は、透明であるのが好ましく、具体的には、光透過率が80%以上であるのが好ましい。
ポリマーフィルムの材料としては、セルロース系ポリマー;アクリル系ポリマー;熱可塑性ノルボルネン系ポリマー;ポリカーボネート系ポリマー;ポリエチレンテレフタレート、及びポリエチレンナフタレート等のポリエステル系ポリマー;ポリスチレン、及びアクリロニトリル−スチレン共重合体(AS樹脂)等のスチレン系ポリマー;ポリエチレン、ポリプロピレン、及びエチレン−プロピレン共重合体等のポリオレフィン系ポリマー;塩化ビニル系ポリマー;ナイロン、及び芳香族ポリアミド等のアミド系ポリマー;イミド系ポリマー;スルホン系ポリマー;ポリエーテルスルホン系ポリマー;ポリエーテルエーテルケトン系ポリマー;ポリフェニレンスルフィド系ポリマー;塩化ビニリデン系ポリマー;ビニルアルコール系ポリマー;ビニルブチラール系ポリマー;アリレート系ポリマー;ポリオキシメチレン系ポリマー;エポキシ系ポリマー;又はこれらのポリマーを混合したポリマーが挙げられる。
配向層14は、コラーゲン層16に含まれるコラーゲンを配向させるための層である。コラーゲン層16に含まれるコラーゲンは、配向層14の配向規制力によって配向する。
以下、各配向層について詳述する。
液晶性化合物を配向させ重合させてなる液晶層は、配向した重合性基を有する液晶性化合物(後述する棒状液晶性化合物又は円盤状液晶性化合物)が重合によって固定されて形成された層であり、この場合、層となった後はもはや液晶性を示す必要はない。つまり、液晶層は、配向した液晶性化合物が固定化されてなる層である。液晶層は、液晶性化合物が所定の配向状態で維持されるため、コラーゲン層16の配向層として寄与できる。
液晶性化合物の種類は特に制限されないが、その形状から、棒状タイプ(棒状液晶性化合物)と円盤状タイプ(円盤状液晶性化合物。ディスコティック液晶性化合物)とに分類できる。更にそれぞれ低分子タイプと高分子タイプとがある。高分子とは一般に重合度が100以上のものを指す(高分子物理・相転移ダイナミクス,土井 正男 著,2頁,岩波書店,1992)。なお、2種以上の棒状液晶性化合物、2種以上の円盤状液晶性化合物、又は、棒状液晶性化合物と円盤状液晶性化合物との混合物を用いてもよい。
重合性基の数は特に制限されないが、液晶層の硬化性がより優れる点から、2以上が好ましい。上限は特に制限されないが、10以下の場合が多い。
上記重合性基の種類は特に制限されず、ラジカル重合又はカチオン重合が可能な重合性基が好ましい。
ラジカル重合性基としては、公知のラジカル重合性基を用いることができ、アクリロイル基又はメタアクリロイル基が好ましい。
カチオン重合性基としては、公知のカチオン重合性基を用いることができ、具体的には、脂環式エーテル基、環状アセタール基、環状ラクトン基、環状チオエーテル基、スピロオルソエステル基、及び、ビニルオキシ基等が挙げられる。なかでも、脂環式エーテル基又はビニルオキシ基が好ましく、エポキシ基、オキセタニル基、又は、ビニルオキシ基がより好ましい。
特に、好ましい重合性基の例としては下記が挙げられる。
以下、上記方法の手順について詳述する。
被塗布基材としては、上述した基材であってもよく、重合性液晶性化合物の配向がよりしやすい点、基材と基材上に配置された配向層Xとを含む配向層付き基材が好ましい。
配向層Xとしては、公知の配向層を用いることができ、例えば、後述する光配向層又はラビング処理が施された樹脂層が挙げられる。
なお、基材の表面に直接ラビング処理を施して、ラビング処理が施された表面上に組成物を塗布してもよい。
組成物中における重合性液晶性化合物の含有量は特に制限されないが、組成物中の全固形分に対して、50質量%以上が好ましく、70質量%以上がより好ましく、90質量%以上が更に好ましい。上限は特に制限されないが、99質量%以下の場合が多い。
なお、組成物中の全固形分には、溶媒は含まれない。
組成物には、重合開始剤が含まれていてもよい。使用される重合開始剤は、重合反応の形式に応じて選択され、例えば、熱重合開始剤、及び、光重合開始剤が挙げられる。例えば、光重合開始剤としては、α−カルボニル化合物、アシロインエーテル、α−炭化水素置換芳香族アシロイン化合物、多核キノン化合物、及び、トリアリールイミダゾールダイマーとp−アミノフェニルケトンとの組み合わせ等が挙げられる。
組成物中における重合開始剤の含有量は、組成物の全固形分に対して、0.01〜20質量%が好ましく、0.5〜5質量%がより好ましい。
重合性モノマーとしては、ラジカル重合性又はカチオン重合性の化合物が挙げられる。なかでも、多官能性ラジカル重合性モノマーが好ましい。また、重合性モノマーとしては、上記の重合性基を有する液晶性化合物と共重合性のモノマーが好ましい。例えば、特開2002−296423号公報中の段落[0018]〜[0020]に記載の重合性モノマーが挙げられる。
組成物中における重合性モノマーの含有量は、重合性液晶性化合物の全質量に対して、1〜50質量%が好ましく、2〜30質量%がより好ましい。
界面活性剤としては、従来公知の化合物が挙げられるが、特にフッ素系化合物が好ましい。例えば、特開2001−330725号公報中の段落[0028]〜[0056]に記載の化合物、及び、特願2003−295212号明細書中の段落[0069]〜[0126]に記載の化合物が挙げられる。
更に、組成物には、上記成分以外に、密着改良剤、可塑剤、及び、ポリマー等が含まれていてもよい。
配向処理は、室温により塗膜を乾燥させる、又は、塗膜を加熱することにより行うことができる。配向処理で形成される液晶相は、サーモトロピック性液晶性化合物の場合、一般に温度又は圧力の変化により転移させることができる。リオトロピック性液晶性化合物の場合には、溶媒量等の組成比によっても転移させることができる。
なお、塗膜を加熱する場合の条件は特に制限されないが、加熱温度としては50〜150℃が好ましく、加熱時間としては10秒間〜5分間が好ましい。
重合性液晶性化合物が配向された塗膜に対して実施される硬化処理の方法は特に制限されず、例えば、光照射処理及び加熱処理が挙げられる。なかでも、製造適性の点から、光照射処理が好ましく、紫外線照射処理がより好ましい。
光照射処理の照射条件は特に制限されないが、50〜1000mJ/cm2の照射量が好ましい。
配向層は、シランカップリング剤層であってもよい。
シランカップリング剤層の形成方法としては、例えば、基材(例えば、ガラス基材)表面にシランカップリング剤を付与することにより得られる。基材表面に付与されたシランカップリング剤は、縮合によりシロキサン結合を生起し、基材表面にシランカップリング剤層の薄膜を形成する。シランカップリング剤層は、上述の薄膜形成過程において、基材の表面エネルギー及び乾燥速度の影響等により、表面に凹凸構造を有している。シランカップリング剤層は、この凹凸構造によりコラーゲン層16の配向層として寄与できる。
上記溶液の塗布方法としては、カーテンコーティング法、ディップコーティング法、スピンコーティング法、印刷コーティング法、スプレーコーティング法、スロットコーティング法、ロールコーティング法、スライドコーティング法、ブレードコーティング法、グラビアコーティング法、及び、ワイヤーバー法等が挙げられる。
塗布後又は浸漬後に実施する乾燥は、室温での乾燥でもよく、50〜120℃での加熱が好ましく、40〜120℃での加熱がより好ましい。乾燥時間は、例えば、1〜30分間程度である。
シランカップリング剤層のラビング処理方法については、公知の方法を適用できる。
配向層は、ラビング処理が施された樹脂層であってもよい。
上記樹脂層を形成する樹脂の種類は、特に限定されない。配向層用の樹脂としては、多数の文献に記載があり、多数の市販品を入手できる。ポリビニルアルコール又はポリイミド、及びその誘導体が好ましい。
また、樹脂のラビング処理方法については、公知の方法を適用できる。
光配向層の種類は特に制限されず、公知の光配向層を用いることができる。
光配向層を形成するための材料は特に制限されないが、通常、光配向性基を有する化合物が使用される。化合物としては、光配向性基を含む繰り返し単位を有する重合体(ポリマー)であってもよい。
上記光配向性基は、光照射により膜に異方性を付与できる官能基である。より具体的には、光(例えば、直線偏光)の照射により、その基中の分子構造に変化が起こり得る基である。典型的には、光(例えば、直線偏光)の照射により、光異性化反応、光二量化反応、及び光分解反応から選ばれる少なくとも1つの光反応が引き起こされる基をいう。
これら光配向性基のなかでも、光異性化反応を起こす基(光異性化する構造を有する基)、及び、光二量化反応を起こす基(光二量化する構造を有する基)が好ましく、光二量化反応を起こす基がより好ましい。
上記光異性化反応を起こす基としては、C=C結合又はN=N結合を含む光異性化反応を起こす基が好ましく、このような基としては、例えば、アゾベンゼン構造(骨格)を有する基、ヒドラゾノ−β−ケトエステル構造(骨格)を有する基、スチルベン構造(骨格)を有する基、及び、スピロピラン構造(骨格)を有する基等が挙げられる。
上記光二量化反応を起こす基としては、例えば、桂皮酸(シンナモイル)構造(骨格)を有する基、クマリン構造(骨格)を有する基、カルコン構造(骨格)を有する基、ベンゾフェノン構造(骨格)を有する基、及び、アントラセン構造(骨格)を有する基等が挙げられる。これら基のなかでも、桂皮酸構造を有する基、又は、クマリン構造を有する基が好ましく、桂皮酸構造を有する基がより好ましい。
配向層は、延伸樹脂層であってもよい。延伸樹脂層とは、延伸処理が施された樹脂層であり、樹脂層内部の樹脂が所定の方向に延伸されている。
上記樹脂層を形成する樹脂の種類は、特に限定されない。延伸可能な樹脂としては、多数の文献に記載があり、多数の市販品を入手できるが、例えば、ポリエステル樹脂、又はポリプロピレン樹脂が好ましい。
また、樹脂の延伸処理方法については、公知の方法を適用できる。延伸は、一軸延伸及び二軸延伸のいずれであってもよい。
なお、延伸樹脂層の形成方法としては、樹脂からなる基材(樹脂基材)上に樹脂膜を形成して積層体を形成した後、この積層体を延伸することにより、基材上に延伸処理が施された樹脂層を形成する方法が挙げられる。
特に、積層体10が、細胞培養用足場として用いられる場合には、配向層14をパターン状に配置することが望ましい。細胞培養用足場の形状は、細胞の成長速度及び分化の特性に影響を与えることが知られている(Biomaterials 32(2011) 8048-8057 Jiadong Ding et.al等参照)。このため、配向層14をパターン状に配置することにより、種々の細胞を形成できる。
配向層をパターン状に配置する際のパターンとしては特に限定されないが、例えば、メッシュパターンが挙げられる。メッシュパターン内の格子(開口部)の形状は特に制限されず、略ひし形の形状、又は、多角形状(例えば、三角形、四角形、六角形、星形)としてもよい。また、格子の一辺の形状を直線状の他、湾曲形状でもよいし、円弧状にしてもよい。
(コラーゲン)
コラーゲン層16を構成するコラーゲンとしては特に限定されず、公知のコラーゲンを使用できる。
なお、本発明において「コラーゲン」とは、動物の結合組織を構成する主要タンパク質成分をいい、分子の主鎖構造が、(Gly−X−Y)、(Gly−Pro−X)及び(Gly−Pro−Hyp)で構成されるものをいう。ここで、「Gly」はグリシンを表し、「Pro」はプロリンを表し、「Hyp」はヒドロキシプロリンを表す。「X」及び「Y」は、グリシン、プロリン及びヒドロキシプロリン以外の天然及び非天然アミノ酸である。
また、生体組織としては、例えば、ウシ、ブタ、ウサギ、ヒツジ、ネズミ、鳥類、魚類、及びヒト等の皮膚、腱、骨、軟骨及び臓器等が挙げられる。
コラーゲン層16の形成方法は特に制限されず、コラーゲンを配向層14上に付与することができればよく、例えば、コラーゲンを含む溶液(以下、「コラーゲン溶液」ともいう。)を、配向層14上に塗布し、必要に応じて塗膜を乾燥する方法が挙げられる。
コラーゲン溶液としては、コラーゲンの種類にもよるが、例えば、pH3〜5の水溶液が好ましい。また、コラーゲン溶液中におけるコラーゲンの濃度は、例えば、1〜10mg/mLが好ましい。
コラーゲン層16は、上記コラーゲン溶液の塗膜を配向層14上に形成した後、必要に応じて、6〜24時間程度、室温にて乾燥させることにより形成できる。コラーゲン層16に含まれるコラーゲンは、下層である配向層14の配向に束縛されて、所定の配向状態を形成する。
コラーゲン溶液の塗布方法としては、カーテンコーティング法、ディップコーティング法、スピンコーティング法、印刷コーティング法、スプレーコーティング法、スロットコーティング法、ロールコーティング法、スライドコーティング法、ブレードコーティング法、グラビアコーティング法、及び、ワイヤーバー法等が挙げられる。
なお、コラーゲン層16の厚みを大きくする場合には、上述の方法により形成したコラーゲン膜上に、更にコラーゲン溶液を塗布して塗膜を形成し、これを乾燥させる工程を繰り返せばよい。
本発明の積層体は、基材、配向層及びコラーゲン層以外の他の層を含んでいてもよい。他の層としては、用途によって適宜選択することができる。
本発明のコラーゲンフィルムは、上述した本発明の積層体からコラーゲン層を剥離することにより得られる。つまり、コラーゲンフィルムは、上述したコラーゲン層からなる。
上述した本発明の積層体から、コラーゲン層を剥離する方法としては特に限定されないが、コラーゲン層を引き剥がす方法のほか、コラーゲン層以外の層(例えば、配向層)を化学的に溶解することにより剥離する方法が挙げられる。
コラーゲンフィルムは、例えば、後述する創傷被覆材又は美容用パック材として好ましく使用することができる。
本発明のコラーゲン複合フィルムは、支持体と、上記支持体上に配置されたコラーゲン層とを有する。本発明のコラーゲン複合フィルムは、上述した本発明の積層体からコラーゲン層を支持体に転写することにより得ることもできる。
図2は、本発明のコラーゲン複合フィルムの一態様を模式的に表す断面図である。図2において、コラーゲン複合フィルム20は、支持体22と、コラーゲン層16とをこの順に備える。つまり、コラーゲン複合フィルムは、配向層を必須として有する必要がない。
上述した本発明の積層体からコラーゲン層を支持体に転写する方法としては特に限定されず、例えば、コラーゲン層の配向層とは反対側の表面に粘着層を設け、この粘着層と支持体(支持体22)を貼り合せた後に、コラーゲン層から配向層及び基材を引き剥がす方法が挙げられる。また、上記以外の他の方法としては、例えば、コラーゲン層の配向層とは反対側の面上に粘着層を設け、この粘着層と支持体(支持体22)を貼り合せた後に、配向層を化学的に溶解することにより剥離する方法が挙げられる。
コラーゲンフィルムは、例えば、後述する創傷被覆材又は美容用パック材として好ましく使用することができる。
上記支持体22としては、コラーゲン層16を支持するための部材である。
支持体としては、プラスチックフィルムが好ましい。プラスチックフィルムを構成する材料としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)等のポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、(メタ)アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリオレフィン樹脂、セルロース誘導体、シリコーン樹脂、及び、ポリビニルアルコール(PVA)等が挙げられる。
また、上記支持体上には、コラーゲン複合フィルムの使用用途に合わせて、他の層が設置されていてもよい。
コラーゲン層としては、上述したコラーゲン層16と同義であり、好適態様も同じである。
本発明の積層体、コラーゲンフィルム、及びコラーゲン複合フィルムは、医療用人工材料、化粧材料、及び細胞培養材料等に使用できる。
また、本発明の積層体、コラーゲンフィルム、又はコラーゲン複合フィルムを創傷被覆材として用いることができ、例えば、止血剤を含浸させたコラーゲンフィルム、又は、コラーゲン層に止血剤を含浸させた積層体若しくはコラーゲン複合フィルムを出血部に被覆して止血用部材として用いる態様が挙げられる。
以下の方法により、実施例1〜6及び比較例1で使用する基板1〜7をそれぞれ準備した。
ガラス基板をアルカリ洗剤で洗浄し、蒸留水でよくすすいだ後に、100℃にて5分間の乾燥を実施した。上記洗浄乾燥後のガラス基板上に、NMP(N−メチル−2−ピロリドン)で2wt%に希釈したポリイミド配向層材料であるSE−130(日産化学社製)を塗布して塗膜を形成した。次いで、上記塗膜を100℃にて2分間乾燥した後、250℃にて1時間焼成することにより、樹脂層を積層したガラス基板を得た。
次いで、上記ガラス基板を3cm角にカットし、上記ガラス基板上の樹脂層に対してラビング処理を行うことにより、配向層付きガラス基板を作製した。この配向層のラビング処理面に、後述する組成の液晶組成物1をスピンコートすることにより液晶組成物の塗膜を形成した。この塗膜を85℃にて1分加熱した後に、500mJ/cm2のUV(ultraviolet)露光機を用いて窒素下にて液晶性化合物を重合し、液晶層を形成した。なお、この液晶層は、重合性基を有する液晶性化合物を配向させ重合させてなる液晶層に該当する。
上記手順により作製した液晶層付き基板の波長550nmにおける面内レターデーションRe(550)は、235nmであった。
なお、波長550nmにおける面内レターデーションは、後述する方法により測定することができる。
液晶性化合物LC−1、液晶性化合物LC−2、及び重合開始剤を混合した後、得られた混合物に溶剤を加えることにより、下記組成の液晶組成物1を調製した。なお、以下のLC−1及びLC−2の含有量は、LC−1及びLC−2の合計量に対する質量割合を意図する。
・後述する構造の液晶性化合物LC−1 80質量%
・液晶性化合物LC−2(パリオカラーLC242(BASF社製))
20質量%
・重合開始剤(Irgacure819(BASF社製)) 4.00phr
・溶剤(メチルエチルケトン) 溶質濃度が28質量%となる量
液晶性化合物LC−1は、特開2014−198814号公報の0164段落を参照して合成した。
UV露光機での露光を窒素下から大気下に変更した以外は、基板1の作製方法と同様の方法により基板2を作製した。なお、この液晶層は、重合性基を有する液晶性化合物を配向させ重合させてなる液晶層に該当する。
液晶層を形成しなかった以外は、基板1の作製方法と同様の方法により基板3を作製した。つまり、基板3として、基板1の作製方法において得られる配向層付きガラス基板を用いた。なお、この配向層は、ラビング処理が施された樹脂層に該当する。
ガラス基板をアルカリ洗剤で洗浄し、蒸留水でよくすすいだ後に、セルホルダーに設置し、100℃にて5分間の乾燥を実施した。乾燥後、熱いままのガラス基板をセルホルダーに設置したまま3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシランの5vol%トルエン溶液に浸漬処理し、30分静置した。その後、溶液からガラス基板を取り出し、メタノールですすぎを行った後、再度100℃にて5分間の乾燥を実施した。
上記ガラス基板を3cm角にカットし、上記ガラス基板上の膜に対してラビング処理を行うことにより、配向層付きガラス基板を作製した。なお、この配向層は、シランカップリング剤層に該当する。
浸漬処理を行う溶液を3−メルカプトプロピルトリメトキシシランの5vol%トルエン溶液に変更した以外は、基板4の作製方法と同様の方法により、基板5を作製した。なお、この配向層は、シランカップリング剤層に該当する。
浸漬処理を行う溶液をメチルトリメトキシシランの5vol%トルエン溶液に変更した以外は、基板4の作製方法と同様の方法により、基板6を作製した。なお、この配向層は、シランカップリング剤層に該当する。
基板7として、基板1の作製方法において得られる、洗浄乾燥後のガラス基板を用いた。つまり、基板7は、配向層を有していない。
上記基板1〜7の上に、それぞれコラーゲン層を形成した。具体的には、基板上にコラーゲン溶液(新田ゼラチン社製 コラーゲンBM)1mLを滴下し、クリーンベンチ内で1晩乾燥させることによりコラーゲン層を形成した。
なお、基板1〜6を用いた積層体をそれぞれ実施例1〜6とした。また、基板7を用いた積層体を比較例1とした。
ガラス基板上のコラーゲン層を偏光顕微鏡(クロスニコル)で観察した。
この結果、配向層を有する基板である基板1〜3を用いて作製された実施例1〜3の積層体では、視野全体で位相差が確認でき、ステージを45°回転させるごとに明部と暗部が入れ替わる様子が確認された。
また、配向層を有する基板である基板4〜6を用いて作製された実施例4〜6の積層体では、明部と暗部が縞模様の状態になっている様子が確認され、各々ステージを45°回転させるごとに明部と暗部が入れ替わる様子が確認された。
一方、配向層を有さない基板である基板7を用いて作製された比較例1の積層体では、暗部のみが観測された。
結果を表1に示す。なお、表1では、明部と暗部とが観測された場合を「A」、暗部のみ観測された場合を「B」として示した。
偏光顕微鏡に波長550nmのセナルモンコンペンセータを装着し、セナルモン法によって各積層体の位相差(波長550nmにおける面内レターデーションRe(550))を測定した。
各積層体中のコラーゲン層の位相差(波長550nmにおける面内レターデーションRe(550))は、上記積層体の位相差から、使用した基板(基板1〜7のいずれか)の位相差(波長550nmにおける面内レターデーションRe(550))を差し引くことにより算出した。
なお、表1において、各積層体中のコラーゲン層の位相差は、膜厚1μmあたりの換算値として示した。
また、表1中、実施例1〜6の積層体におけるコラーゲン層の波長550nmにおける面内レターデーションReは、上述した偏光顕微鏡の観察において明部として観察された箇所での値である。
上記方法により算出したコラーゲン層の位相差(膜厚1μm換算)に基づき、下記の基準によりコラーゲンの配向状態を評価した。コラーゲン層の波長550nmにおける面内レターデーションが大きいほど、コラーゲンの配向性が高い。
「A」: コラーゲン層の波長550nmにおける面内レターデーションRe(550)が0.60nm以上。
「B」: コラーゲン層の波長550nmにおける面内レターデーションRe(550)が0.30nm以上、0.60nm未満。
「C」: コラーゲン層の波長550nmにおける面内レターデーションRe(550)の変化が0.30nm未満。
結果を表1に示す。
12 基材
14 配向層
16 コラーゲン層
20 コラーゲン複合フィルム
22 支持体
Claims (11)
- 配向層と、前記配向層上に配置された、コラーゲンが配向してなるコラーゲン層と、を有する、積層体。
- 前記配向層は、重合性基を有する液晶性化合物を配向させ重合させてなる液晶層、シランカップリング剤層、ラビング処理が施された樹脂層、光配向層、及び、延伸樹脂層からなる群から選択される、請求項1に記載の積層体。
- 前記配向層は、重合性基を有する液晶性化合物を配向させ重合させてなる液晶層、シランカップリング剤層、及びラビング処理が施された樹脂層からなる群から選択される、請求項1又は2に記載の積層体。
- 前記配向層は、重合性基を有する液晶性化合物を配向させ重合させてなる液晶層、又はシランカップリング剤層である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の積層体。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載の積層体から前記コラーゲン層を剥離することにより得られる、前記コラーゲン層からなるコラーゲンフィルム。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載の積層体から、前記コラーゲン層を支持体上に転写して得られる、前記支持体と、前記支持体上に配置された前記コラーゲン層と、を有するコラーゲン複合フィルム。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載の積層体から、前記コラーゲン層を支持体上に転写する、コラーゲン層の転写方法。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載の積層体、請求項5に記載のコラーゲンフィルム、又は、請求項6に記載のコラーゲン複合フィルムを用いた、細胞培養用足場。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載の積層体、請求項5に記載のコラーゲンフィルム、又は、請求項6に記載のコラーゲン複合フィルムを用いた、創傷被覆材。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載の積層体、請求項5に記載のコラーゲンフィルム、又は、請求項6に記載のコラーゲン複合フィルムを用いた、美容用パック材。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載の積層体の製造方法であって、
配向層上に、コラーゲンを含む溶液を塗布して、前記コラーゲン層を形成する工程を有する、積層体の製造方法。
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