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JP2018180405A - フィルム - Google Patents

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JP2018180405A
JP2018180405A JP2017082582A JP2017082582A JP2018180405A JP 2018180405 A JP2018180405 A JP 2018180405A JP 2017082582 A JP2017082582 A JP 2017082582A JP 2017082582 A JP2017082582 A JP 2017082582A JP 2018180405 A JP2018180405 A JP 2018180405A
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祥和 河野
Sachikazu Kono
祥和 河野
久敬 田端
Hisanori Tabata
久敬 田端
吉田 実
Minoru Yoshida
実 吉田
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Toray Industries Inc
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Abstract

【課題】 本発明は、目的とする光学特性を有し、かつ色調むらの発生や表面品位の低下を軽減したフィルムを提供することをその課題とする。【解決手段】 波長420nmの屈折率のばらつき(d420n)が、0.001以上0.100以下であることを特徴とする、フィルム。【選択図】図1

Description

本発明は、フィルムに関するものである。
各種産業用途において、フィルムに様々な特性を付与するために、2種類以上の樹脂層を積層する積層技術が広く活用されている。このような積層技術を活用した例として、例えば、屈折率が異なる2種類以上の樹脂層を交互に積層することで発現する光の干渉により、特定の波長の光を選択的にカットする光干渉多層フィルムが知られている。このような多層フィルムは、各層を構成する樹脂の屈折率、層数、及び各層の厚みを所望の範囲とすることで、種々の光学フィルター機能を付与できるため、様々な光学用途向けに用いられている。
積層フィルムの製造方法としては、押出機を複数台用いる共押出法やフィルム同士を貼り合わせるラミネート法が知られている。その中でも、共押出法は、多数の層を1つの工程で積層することが可能であり、生産性やコスト面でも非常に有利であるため、一般的な積層フィルムの製造方法として広く用いられている。しかしながら、共押出法においては、積層する層を構成する樹脂の融点、ガラス転移温度、溶融粘度、及び親和性などの特性が異なる場合、積層フィルム自体の厚みむらや積層された各層の厚みのむらが生じ易く、フィルム特性の不均一性、フィルム表面の色調むら、及びフローマークなどの表面品位の低下等の問題が発生することがある。
このような問題点を軽減するために、2種類以上の樹脂層を多層積層するフィードブロックにより樹脂層を積層させ、その後に押し出すことで積層精度の向上を狙った方法が提案されている(特許文献1)。さらには、両端部の厚膜層を形成するスリットの幅が他の薄膜層を形成するスリットの幅2倍以上であるフィードブロックを用いることで、層数の増加による積層精度の悪化を軽減する方法も知られている(特許文献2参照)。
特開2002−160339号公報 特開2007−176154号公報
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、壁面の流速低下に起因する積層乱れ等によって口金から吐出される前にポリマーの積層構造が乱れることがあるため、目的とする積層構造を形成することが困難となり、色調むらの発生や表面品位の低下に至ることがある。また、特許文献2に記載の技術では、壁面と接触する部分に厚膜層を有することで、口金から押し出した後の時点では高精度で目的とする多層構造を実現することができるものの、その後の延伸工程における積層構造への影響は十分に考慮されていない。そのため、延伸後において目的とする光学特性を得ることが困難である。
そこで本発明は、上記した従来技術の問題点を解決し、目的とする光学特性を有し、かつ色調むらの発生や表面品位の低下を軽減したフィルムを提供することをその課題とする。
上記課題を解決するため、本発明は、下記の構成からなる。
以下の測定条件Iでエリプソメーターにより測定した波長420nmの屈折率のばらつき(d420n)が、0.001以上0.100以下であることを特徴とする、フィルム。
測定条件I:
(手順1)
50mm(主配向軸と直交する方向)×50mm(主配向軸方向)のフィルムの片面全体に圧力0.2MPaでJIS−R6252(2006)で定める研磨紙240番を押し付け、主配向軸と直交する方向と平行に20回往復させる。
(手順2)
手順1で前記研磨紙240番を往復させた面全体に、手順1と同様の条件で前記研磨紙240番を押し付け、主配向軸方向と平行に20回往復させる。
(手順3)
手順1及び手順2において前記研磨紙240番で処理した面と反対側の面を測定面とし、測定面の重心をA1、A1からフィルム面に垂直に引いた直線をZ、A1から測定面上に任意に引いた直線をX、Z及びXと垂直になるようにA1からフィルム面上に引いた直線をYとしたときに、XZ平面上の偏光ビームとZの成す角が50°となる点(XZ50)、60°となる点(XZ60)、及び70°となる点(XZ70)からA1に偏光ビームを照射し、その反射光より得られた位相差Δと振幅強度比Ψを、下記(1)〜(5)を満たすモデルと比較することにより振動子のパラメーターを決定する。
(1)X、Y、及びZに平行な方向をそれぞれX方向、Y方向、及びZ方向とし、X方向のモデルをモデルX、Y方向のモデルをモデルY、及びZ方向のモデルをモデルZとしたときに、モデルX、モデルY、モデルZがそれぞれ異なるモデルである。
(2)振動子にガウス分布を用い、振動子のパラメーターが、半値幅、エネルギー位置、及びピーク強度である。
(3)モデルX、モデルY、及びモデルZそれぞれのモデル内において、振動子のエネルギー位置が互いに独立している。
(4)モデルX、モデルY、及びモデルZそれぞれのモデル間において、振動子のエネルギー位置が互いに従属している。
(5)モデルX、モデルY、及びモデルZ間で半値幅が互いに従属している。
(手順4)
測定面上に位置し、A1からの直線距離が20mm以上であり、かつ互いの点の中心の間の距離が全て20mm以上となるような4つの点(A2、A3、A4、A5)を任意に選定し、手順3に従ってA2〜A5における振動子のパラメーターを決定する。
(手順5)
A1〜A5における振動子のパラメーターより各点における波長420nmの屈折率を求め、その最大値と最小値の差をd420nとする。
本発明により、目的とする光学特性を有し、かつ色調むらの発生や表面品位の低下を軽減したフィルムを提供することができる。本発明のフィルムは、光学用途に好適に用いることができ、特にLEDを光源とする画面の保護フィルムとして好適に用いることができる。
本発明において用いることができるエリプソメトリーによる分析方法の一例を表す模式図 手順4にて選定するA2〜A5の例を示す上面図 縦延伸工程の概略図
本発明のフィルムは、以下の測定条件Iでエリプソメーターにより測定した波長420nmの屈折率のばらつき(d420n)が、0.001以上0.100以下であることを特徴とする。
測定条件I:
(手順1)
50mm(主配向軸と直交する方向)×50mm(主配向軸方向)のフィルムの片面全体に圧力0.2MPaでJIS−R6252(2006)で定める研磨紙240番を押し付け、主配向軸と直交する方向と平行に20回往復させる。
(手順2)
手順1で前記研磨紙240番を往復させた面全体に、手順1と同様の条件で前記研磨紙240番を押し付け、主配向軸方向と平行に20回往復させる。
(手順3)
手順1及び手順2において前記研磨紙240番で処理した面と反対側の面を測定面とし、測定面の重心をA1、A1からフィルム面に垂直に引いた直線をZ、A1から測定面上に任意に引いた直線をX、Z及びXと垂直になるようにA1からフィルム面上に引いた直線をYとしたときに、XZ平面上の偏光ビームとZの成す角が50°となる点(XZ50)、60°となる点(XZ60)、及び70°となる点(XZ70)からA1に偏光ビームを照射し、その反射光より得られた位相差Δと振幅強度比Ψを、下記(1)〜(5)を満たすモデルと比較することにより振動子のパラメーターを決定する。
(1)X、Y、及びZに平行な方向をそれぞれX方向、Y方向、及びZ方向とし、X方向のモデルをモデルX、Y方向のモデルをモデルY、及びZ方向のモデルをモデルZとしたときに、モデルX、モデルY、モデルZがそれぞれ異なるモデルである。
(2)振動子にガウス分布を用い、振動子のパラメーターが、半値幅、エネルギー位置、及びピーク強度である。
(3)モデルX、モデルY、及びモデルZそれぞれのモデル内において、振動子のエネルギー位置が互いに独立している。
(4)モデルX、モデルY、及びモデルZそれぞれのモデル間において、振動子のエネルギー位置が互いに従属している。
(5)モデルX、モデルY、及びモデルZ間で半値幅が互いに従属している。
(手順4)
測定面上に位置し、A1からの直線距離が20mm以上であり、かつ互いの点の中心の間の距離が全て20mm以上となるような4つの点(A2、A3、A4、A5)を任意に選定し、手順3に従ってA2〜A5における振動子のパラメーターを決定する。
(手順5)
A1〜A5における振動子のパラメーターより各点における波長420nmの屈折率を求め、その最大値と最小値の差をd420nとする。
以下に、本発明の測定条件Iについて、図面を参照しながら詳細に説明する。測定条件Iは手順1から手順5の工程を順に行うものである。図1に、本発明において用いることができるエリプソメトリーによる分析方法の一例を表す模式図を示す。
手順1は、「50mm(主配向軸と直交する方向)×50mm(主配向軸方向)のフィルムの片面全体に圧力0.2MPaでJIS−R6252(2006)で定める研磨紙240番を押し付け、主配向軸と直交する方向と平行に20回往復させる。」であり、手順2は、「手順1で前記研磨紙240番を往復させた面全体に、手順1と同様の条件で前記研磨紙240番を押し付け、主配向軸方向と平行に20回往復させる。」である。
ここで、主配向軸と直交する方向とは、フィルム面において最も分子の配向が大きい方向(主配向軸方向)と垂直であり、かつフィルム面と平行な方向をいう。分子の配向の大きさは、周波数を4GHzとして、マイクロ波方式の分子配向計により測定することができ、分子配向計としては、例えば、KSシステムズ製(現王子計測機器)のマイクロ波分子配向計MOA−2001A等を用いることができる。「フィルムの片面」とは、任意に選択した一つの面をいう。「フィルムの片面全体に圧力0.2MPaでJIS−R6252(2006)で定める研磨紙240番(以下、単に研磨紙ということがある。)を押し付け、主配向軸と直交する方向と平行に20回往復させる。」とは、フィルムの片面の全体に研磨紙を圧力0.2MPaで押しつけながら、全体が擦れるように主配向軸と直交する方向に20往復する動作をいう。「手順1と同様の条件で前記研磨紙240番を押し付け、主配向軸方向と平行に20回往復させる。」についても、研磨紙が往復する方向が変わる以外は同様の動作を意味する。
本発明の手順3〜5は、エリプソメーターで偏光をフィルムに照射し、その反射光を測定及び解析することを意味し、このような分析方法は一般的にエリプソメトリーと呼ばれる。エリプソメトリーは、非接触、高速、高精度、かつ簡便にフィルムの光学特性(屈折率等)や分子構造を推定することが可能な手法であり、ポリエステル樹脂フィルムに代表される光学異方性を有するフィルムの分析に有用である。
手順3は、「手順1及び手順2において前記研磨紙240番で処理した面と反対側の面を測定面とし、測定面の重心をA1、A1からフィルム面に垂直に引いた直線をZ、A1から測定面上に任意に引いた直線をX、Z及びXと垂直になるようにA1からフィルム面上に引いた直線をYとしたときに、XZ平面上の偏光ビームとZの成す角が50°となる点(XZ50)、60°となる点(XZ60)、及び70°となる点(XZ70)からA1に偏光ビームを照射し、その反射光より得られた位相差Δと振幅強度比Ψを、下記(1)〜(5)を満たすモデルと比較することにより振動子のパラメーターを決定する。
(1)X、Y、及びZに平行な方向をそれぞれX方向、Y方向、及びZ方向とし、X方向のモデルをモデルX、Y方向のモデルをモデルY、及びZ方向のモデルをモデルZとしたときに、モデルX、モデルY、モデルZがそれぞれ異なるモデルである。
(2)振動子にガウス分布を用い、振動子のパラメーターが、半値幅、エネルギー位置、及びピーク強度である。
(3)モデルX、モデルY、及びモデルZそれぞれのモデル内において、振動子のエネルギー位置が互いに独立している。
(4)モデルX、モデルY、及びモデルZそれぞれのモデル間において、振動子のエネルギー位置が互いに従属している。
(5)モデルX、モデルY、及びモデルZ間で半値幅が互いに従属している。」である。
図1に示すように、本発明の手順3、すなわちエリプソメトリーにおいては、測定面[a]の重心A1[b]、A1[b]から測定面[a]に垂直に引いた直線をZ[c]、A1[b]から測定面[a]上に任意に引いた直線をX[d]、Z[c]及びX[d]と垂直になるようにA1[b]から測定面[a]上に引いた直線をY[e]とする。また、A1[b]に偏光ビーム[f]を照射したときに偏光ビーム[f]とZ[c]の成す角の大きさが50°、60°、70°となるようにXZ平面上の3点(XZ50[g1]、XZ60[g2]、XZ70[g3])を選定する。XZ50[g1]、XZ60[g2]、XZ70[g3]の位置関係については、3点がXZ平面上の点であり、偏光ビーム[f]とZ[c]の成す角の大きさの要件を満たす限り特に制限はなく、任意に選定することができる。そして、XZ50[g1]、XZ60[g2]、XZ70[g3]の位置に設置した光源より、A1[b]を中心とする円形状又は楕円形状に偏光ビーム[f]を照射し、その反射光[h]を検出部[i]で検出することにより、フィルムの物性のパラメーターである位相差Δと振幅強度比Ψを測定する。なお、偏光ビーム[f]を照射したときの円の半径又は楕円の短軸は10mm以下である。
次いで、得られた位相差Δと振幅強度比Ψの値を、前述の(1)〜(5)を満たすモデルと比較することにより振動子のパラメーターを決定する。
モデルとは、フィルムを観察したときの分子の振動もしくは電子励起などによる光の吸収及び放出を示す1つ以上の振動子から構成される誘電関数をいう。振動子とは、誘電関数モデルのことであり、本発明においてはガウス分布を指す。誘電関数モデルとしてガウス分布を用いることにより、ピーク面積の算出、及び該当振動子が及ぼすエネルギーの範囲やその強度の算出、及びそれらのXモデル、Yモデル、及びZモデル間での比較が容易となり、その結果、フィルムの構造解析が容易となる。「モデルX、モデルY、モデルZがそれぞれ異なるモデルである」とは、X方向、Y方向、及びZ方向間において振動子を構成するパラメーターの値が一つ以上異なることをいう。本発明において、振動子を構成するパラメーターとは、ガウス分布における半値幅、エネルギー位置、及びピーク強度をいう。
振動子は特定波長での分子の振動もしくは電子励起などによる光の吸収及び放出を示すため、モデルX、モデルY、及びモデルZそれぞれのモデル内において、振動子のエネルギー位置が互いに独立していることが重要である。「モデルX、モデルY、及びモデルZそれぞれのモデル内において、振動子のエネルギー位置が互いに独立している。」とは、例えば、各モデルで互いの振動子が異なる固有の分子振動や電子遷移形態を示していることをいう。
また、振動子は特定の分子の構造における分子の振動や電子励起などを示し、その吸収波長はフィルムを観察する方向に依存しないため、モデルX、モデルY、及びモデルZそれぞれのモデル間において、振動子のエネルギー位置が互いに従属していることが重要である。「モデルX、モデルY、及びモデルZそれぞれのモデル間において、振動子のエネルギー位置が互いに従属している。」とは、各モデル間でエネルギー位置が等しい振動子は、それぞれ同一の分子振動や電子遷移形態を示していることをいう。
そして特定の振動子の吸収波長帯域は分子構造固有となり、観察方向に依存しないためモデルX、モデルY、及びモデルZ間で半値幅が互いに従属していることが重要である。「モデルX、モデルY、及びモデルZ間で半値幅が互いに従属している。」とは、各モデル間で半値幅が等しい振動子は、それぞれ同一の吸収波長帯域を有することを示している。
手順4は「測定面上に位置し、A1からの直線距離が20mm以上であり、かつ互いの点の中心の間の距離が全て20mm以上となるような4つの点(A2、A3、A4、A5)を任意に選定し、手順3に従ってA2〜A5における振動子のパラメーターを決定する。」である。なお、以下A2、A3、A4、A5を総称してA2〜A5ということがある。
ここで、「測定面上に位置し、A1からの直線距離が20mm以上であり、かつ互いの点の中心の間の距離が全て20mm以上となるような4つの点」とは、各点を中心とする半径20mmの円を描いたときに、各円の中に他の点が含まれないように選定された4つの点をいう。すなわち、該要件を満たす4点がA2〜A5である。なお、このとき各点から測定面の端部までの距離が20mm以上であることは、必ずしも必要ではない。
A2〜A5の具体例としては、例えば図2のA〜Cに示す態様が挙げられるが、必ずしもこれらに限定されるものではない。なお、図2において、[j]はA2〜A5を、[k]はA1〜A5の各点を中心とする半径20mmの円を表す。A1〜A5の各点([b]及び[j])を中心とする半径20mmの円[k]は、いずれも中心とした点以外の点をその中に含まない。
A2〜A5の選定後、測定点をA2〜A5の各点とする以外は手順3と同様にして、フィルムの物性のパラメーターである位相差Δと振幅強度比Ψを測定し、振動子のパラメーターを決定する。
手順5は「A1〜A5における振動子のパラメーターより各点における波長420nmの屈折率を求め、その最大値と最小値の差をd420nとする。」である。
決定された振動子のパラメーターで構成されるモデルX〜Zによって表現される位相差Δと振幅強度比Ψからなる誘電関数は屈折率と吸光度に変換できることが知られている(第2版 分光エリプソメトリー 藤原裕之著(2011)、以下、参考文献1ということがある)。エリプソメトリーにおいては解析ソフトを使用することで誘電関数の変換を実施することができ、例えばJ.A.Woollam社解析ソフト:“CompleteEASE”(登録商標)においてはAnalysisタブのGraphTypeより容易に実施できる。決定されたA1〜A5のXモデル、Yモデル、及びZモデルそれぞれについて上記の変換を実施し、A1〜A5においてそれぞれの420nmの屈折率、X420ni、Y420ni、及びZ420ni(1≦i≦5、iは整数で測定番号を示す)を読み取り、式(I)のd420nが最大となるよう式(II)〜(IV)を用いて、Xd420n、Yd420n、Zd420nを決定することで求める。なお420nmにおいて屈折率が読み取れない場合は、屈折率が読み取れ、かつ420nmに最も近い波長の屈折率を420nmの屈折率とする。
d420n=(Xd420n+Yd420n+Zd420n)÷3・・・(I)
Xd420n=X420nj−X420nk・・・(II)
Yd420n=Y420nj−Y420nk・・・(III)
Zd420n=Z420nj−Z420nk・・・(IV)
(1≦j≦5、1≦k≦5、j≠k、jとkは整数で測定番号を示す。)
詳細は以下のとおりである。先ず、エリプソメトリーの測定装置により、X420n1〜X420n5、Y420n1〜Y420n5、Z420n1〜Z420n5の値を読み取る。次いで、全てのX420nj−X420nk(X420n1−X420n2、X420n1−X420n3、X420n1−X420n4、X420n1−X420n5、X420n2−X420n1、X420n2−X420n3、X420n2−X420n4、X420n2−X420n5、X420n3−X420n1、X420n3−X420n2、X420n3−X420n4、X420n3−X420n5、X420n4−X420n1、X420n4−X420n2、X420n4−X420n3、X420n4−X420n5、X420n5−X420n1、X420n5−X420n2、X420n5−X420n3、及びX420n5−X420n4)を算出し、同様に全てのY420nj−Y420nk、全てのZ420nj−Z420nkも算出して、得られた値よりd420nを求める。d420nの計算式は、例えば、j=1、k=2である場合、d420n=((X420n1−X420n2)+(Y420n1−Y420n2)+(Z420n1−Z420n2))÷3となる。全ての組み合わせについて同様にd420nを算出し、最も値の大きいものを抽出し、このときのX420nj−X420nk、Y420nj−Y420nk、及びZ420nj−Z420nkがそれぞれXd420n、Yd420n、及びZd420nとなる。
本発明のフィルムは、測定条件Iでエリプソメーターにより測定した波長420nmの屈折率のばらつき(d420n)が、0.001以上0.100以下であることが重要である。このような態様とすることで、フィルム面に対して垂直方向及び斜め方向からフィルムを観察したときの青色の色むらを軽減することができる。
人は通常、目の網膜中央部、黄斑に多く存在する視細胞の一種である錯体細胞が光を吸収し、脳に信号を送ることで色を感知する。錯体細胞は感知しやすい波長(色)領域により分類され、人の場合、短波長側から青錯体、緑錯体、及び赤錯体の3種類の錯体細胞を有する。特に青色のような波長の短い光は青錯体によって感知され、青錯体は420nm付近に大きな吸収ピークを有することが知られている。そして、LED保護用フィルムは、フィルム内の多層積層構造による光干渉によって紫外及び青色波長を選択的に反射させ、可視光を透過させる機能を有する。このとき、フィルム面内においてフィルムの屈折率がばらつくと、それに伴いフィルム面内における反射波長帯域にもばらつきが生じ、フィルムに青色の色むらが発生する。そのため、420nmという青錯体に最も鋭敏な波長における屈折率のばらつきであるd420nを0.100以下、好ましくは0.060以下、より好ましくは0.020以下に制御することにより、青色領域の色むらを効果的に軽減できる。一方、生産性の観点からd420nの下限値は0.001となる。d420nが0.001を未満に制御することを試みると、後述する縦延伸工程における過度な延伸速度での製膜破れによる生産性低下や、ニップロール高圧力による外観不良が生じることがある。
例えば、ポリエチレンテレフタレートにおいては、300nm以下の範囲においていくつかの大きな吸収ピークを有し、特に250nm付近に存在する配向方向に平行な方向に分極を有するπ−π*励起バンドを有することが知られている(I.Ouchi et al./ Nucl.Instr.and Meth.in Phys.Res.B 199(2003)270−274 以下、参考文献2ということがある。)。この250nmのピークが最も420nmの屈折率に影響を及ぼすことから、d420nを0.001以上0.100以下とするためにπ−π*結合の強さや方向を均一にすることが重要となる。
π−π*結合の強さや方向を均一にし、d420nを0.001以上0.100以下、又は上記の好ましい範囲とする方法は、本発明の効果を損なわない限り特に制限されず、例えば、フィルムを延伸する際にフィルムにかかる延伸応力をより均一にする方法が挙げられる。特に、フィルムを長手方向に延伸した後に幅方向に延伸する逐次二軸延伸を実施する場合、フィルムの基礎構造ができる長手方向での延伸応力をより均一にするとよい。長手方向とは、フィルムの走行方向を意味し、幅方向とは、フィルム面と平行かつ長手方向と垂直な方向を意味する。
逐次二軸延伸を行う場合、長手方向への延伸は、複数の延伸ロールの周速差により行うことができる。具体的には、図3のとおり、上流側の延伸ロール1(以下、第1延伸ロールということがある。)、及び第1延伸ロール1よりも回転速度の速い下流側の延伸ロール2(以下、第2延伸ロールということがある。)により、フィルム3を長手方向に延伸することができる。このとき、第1延伸ロール1に近接するニップロール4及び第2延伸ロール2に近接するニップロール5をいずれも複数本とすることにより、長手方向での延伸応力をより均一にすることができ、フィルムの延伸ムラが抑制される。
第1延伸ロール1に近接するニップロール4及び第2延伸ロール2に近接するニップロール5の本数は、延伸応力の均一化及び設置スペースの観点から、いずれも2本以上4本以下であることが好ましい(図3の例は2本)。
延伸速度は3.5×10%/min以上6.5×10%/min以下とすることが好ましい。このような態様とすることにより、延伸ムラ及び延伸時のフィルム破れが軽減される。上記の観点から、延伸速度は、より好ましくは4.0×10%/min以上6.0×10%/min以下であり、さらに好ましくは4.5×10%/min以上5.5×10%/min以下である。
なお、フィルムの延伸速度は、ロール間距離6(m)を第2延伸ロール2の回転速度(m/min)で除して延伸にかかる時間(min)を算出し、フィルムの延伸率(%)を延伸にかかる時間(min)で除することで算出することができる。ロール間距離6とは、第1延伸ロールの中心と第2延伸ロールの中心の距離をいう。フィルムの延伸率とは、延伸により増加したフィルムの長さを延伸前のフィルムの長さで除して百分率で表した値をいう。例えば、延伸しないときのフィルムの延伸率は0%、2倍に延伸するときのフィルムの延伸率は100%となる。
ニップロールの圧力の総和(上流側の延伸ロール、下流側の延伸ロールに近接する全てのニップロールにより加わる圧力の総和)は、0.1MPa以上1.0MPa以下であることが好ましい。このような態様とすることにより、応力がより均一となるだけでなく、ニップロールを押し当てることに起因するニップロール痕の発生を軽減することもできる。上記の観点から、ニップロールの圧力の総和は、より好ましくは0.2MPa以上0.6MPa以下であり、さらに好ましくは0.4MPa以上0.5MPa以下である。
また、延伸される前のフィルム(以下、無配向フィルムということがある。)の幅方向中央部と端部の厚み比は、1.1以上2.5以下であることが好ましい。この比が2.5以下であることにより、フィルム延伸時においてフィルムが十分に固定され、延伸ムラの発生が軽減される。一方、この比が1.1以上であることにより、長手方向に延伸した後に行うステンターでの幅方向への延伸において、フィルム端部をクリップが十分に把持することができ、生産性の低下が軽減される。上記理由より、無配向フィルムの幅方向中央部と端部の厚み比は、より好ましくは1.3以上2.3以下、さらに好ましくは1.6以上1.9以下である。なお、幅方向中央部と端部の厚み比は、幅方向両端部(各端部の5mm内側)における厚みの平均値を、幅方向中央部における厚みで除して算出することができる。このとき、厚みはJIS−C−2330(2001)7.4.1.1に記載の方法により測定することができる。詳細な測定方法は後述する。
本発明のフィルムは、本発明の効果を損なわない限り、フィルムを構成する樹脂の種類は制限されない。本発明のフィルムを構成する樹脂としては、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレート等のポリエステル樹脂、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリビニルアルコール、エチレン酢酸ビニル共重合体のケン化物、ポリアクリロニトリル、及びポリアセタール等の各種樹脂が挙げられる。
本発明のフィルムは、耐熱性、寸法安定性、及び経済性の点から、ポリエステル樹脂を主成分とすることが好ましい。本発明において、ポリエステル樹脂を主成分とするとは、フィルムを構成する樹脂成分全体を100質量%としたときに、ポリエステル樹脂を50質量%以上含有することをいう。このとき、ポリエステル樹脂は1種類であっても複数種類を混合したものであってもよく、後者の場合は、全てのポリエステル樹脂を合算して含有量を算出するものとする。以下、「主成分とする」については同様に解釈することができる。
ポリエステル樹脂とは、主鎖に連続してエステル結合を有する高分子化合物の総称であり、通常ジカルボン酸あるいはその誘導体(以下、ジカルボン酸等ということがある。)とジオールあるいはその誘導体(以下、ジオール等ということがある。)を重縮合反応させることによって得ることができる。本発明のフィルムにおいては、ジカルボン酸等全体を100モル%としたときに、芳香族ジカルボン酸又は脂肪族ジカルボン酸を50モル%より多くすることが好ましい。
芳香族ジカルボン酸としては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸、及び4,4’−ジフェニルスルホンジカルボン酸等を挙げることができる。また、脂肪族ジカルボン酸としては、例えば、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸、ダイマー酸、ドデカンジオン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、及びこれらのエステル誘導体等を挙げることができる。中でも、結晶性の高いテレフタル酸や、2,6−ナフタレンジカルボン酸を用いることが好ましい。これらの芳香族ジカルボン酸や脂肪族ジカルボン酸は、本発明の効果を損なわない限り1種類のみでも2種類以上を混合したものでもよく、また、ヒドロキシ安息香酸等のオキシ酸等を混合したものでもよい。
また、ジオール等としては、例えば、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,4−ヘキサンジメタノール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリアルキレングリコール、2,2−ビス(4−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパン、イソソルベート、及びスピログリコール等を挙げることができる。中でも、エチレングリコールが好ましく用いられる。これらのジオール等は、本発明の効果を損なわない限り1種類のみでも2種類以上を混合したものでもよい。
本発明のフィルムにおけるポリエステル樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリヘキサメチレンテレフタレート、ポリヘキサメチレンナフタレート、及びこれらの共重合体等を単独で又は組み合わせて用いることができる。
本発明のフィルムは、ポリエステル樹脂Aを主成分とする層(A層)と、ポリエステル樹脂A以外の樹脂である樹脂Bを主成分とする層(B層)を有し、A層とB層が厚み方向に交互に30層以上積層されていることが好ましく、200層以上積層されていることがより好ましく、800層以上積層されていることがさらに好ましい。このような態様とすることにより、分子配向性が異なる層が交互に積層されることとなるため、光線の透過率を調節することが可能となる。層数が30未満の場合、反射波長、反射率、及び透過率を制御することが困難なことがある。層数の上限は、本発明の効果を損なわない限り特に制限されないが、積層装置の大型化や、層数が多くなり過ぎることによる積層精度の低下に伴う波長選択性の悪化を考慮すると、1,000層が現実的である。厚み方向とは、主配向軸と直交する方向及び主配向軸方向と垂直な方向をいう。
さらに、ポリエステル樹脂Aが結晶性ポリエステル樹脂であり、樹脂Bが非晶性ポリエステル樹脂であることが好ましい。このような態様とすることにより、高温下でもB層の結晶化が生じにくくなるため、フィルムの白化などを軽減することも可能となる。
非晶性ポリエステル樹脂とは、示差熱量分析(DSC)において昇温速度5℃/分で昇温させたときの結晶融解熱量が0.1mJ/mg未満であるポリエステル樹脂をいい、結晶性ポリエステル樹脂とは、これに該当しないポリエステル樹脂をいう。
結晶性ポリエステル樹脂(ポリエステル樹脂A)と非晶性ポリエステル樹脂(樹脂B)は、互いの樹脂の基本骨格が同一となるような組み合わせとすることが好ましい。基本骨格とは、樹脂を構成する繰り返し単位のことを指す。具体例を挙げると、ポリエチレンテレフタレートにおいてはエチレンテレフタレートが基本骨格となり、ポリエチレンにおいてはエチレンが基本骨格となる。結晶性ポリエステル樹脂と非晶性ポリエステル樹脂の好ましい組み合わせとしては、例えば、結晶性ポリエステル樹脂がポリエチレンテレフタレートであり、非晶性ポリエステル樹脂がエチレンテレフタレート単位とシクロヘキサン1,4−ジメチレンテレフタレート単位からなる重合体(共重合体)である例が挙げられる。このような態様とすることにより、積層フィルムの製膜において、フローマーク等の積層不良や層間での剥離等の問題を軽減できる。
ポリエステル樹脂Aは、本発明の効果を損なわない限り特に制限されないが、高い積層精度を維持する観点から、ポリエチレンテレフタレート又はポリエチレンナフタレートを用いることが好ましい。
樹脂Bとしては、結晶性の過度な上昇を軽減する観点から、ジオール単位として1,4−ヘキサンジメタノール単位を含有することが好ましい。また、主な構成単位がポリエステル樹脂Aと同じであり、酸単位としてシクロイソフタル酸単位、ナフタレンジカルボン酸単位、ジフェニル酸単位、シクロヘキサンジカルボン酸単位を含有する共重合体や、主な構成単位がポリエステル樹脂Aと同じであり、ジオール単位として、スピログリコール単位、シクロヘキサンジメタノール単位、ビスフェノキシエタノールフルオレン単位、ビスフェノールA単位を含有する共重合体を用いても良い。
また、均一な厚みで積層フィルムを製膜することを考慮すると、ポリエステル樹脂Aと樹脂Bは、両者のガラス転移温度の差が20℃以下である組み合わせとすることが好ましい。両者のガラス転移温度の差が20℃より大きいと、製膜する際の厚みが不均一となりやすく、積層フィルムとしたときの光学特性の安定性が損なわれることがある他、積層フィルムを延伸する際に過延伸が生じることがある。
本発明におけるA層及びB層は、本発明の効果を損なわない限り、巻き特性、剛性、光学特性などの機能を付与するために、コロイダルシリカ、酸化チタン、架橋ポリスチレンなどの粒子を含むことができる。A層又はB層におけるこれらの樹脂や粒子の含有量は、本発明の効果を損なわない限り特に制限されないが、層全体を100質量%としたときに、10質量%以下であることが好ましい。また、A層及びB層は、本発明の効果を損なわない限り、各種添加剤、例えば、酸化防止剤、帯電防止剤、結晶核剤、減粘剤、熱安定剤、滑剤、赤外線吸収剤、紫外線吸収剤、屈折率調整のためのドープ剤などを含有してもよい。
また本発明のフィルムは、測定条件IIでエリプソメーターにより測定した波長196nmから800nmにおける屈折率波長分散の相関係数(nR)が、0.600以上0.995以下であることが好ましく、0.750以上0.995以下であることがより好ましく、0.900以上0.995以下であることがさらに好ましい。
測定条件II:
(手順1)〜(手順4)は測定条件Iと同様である。
(手順5)
A1〜A5における振動子のパラメーターより各点における波長196nmから800nmの屈折率を求め、互いの相関係数を算出し、相関係数が最小となる組み合わせをnRとする。
以下に、本発明の測定条件IIについて詳細に説明する。測定条件IIは手順1から手順5の工程を順に行うものであり、手順1〜手順4は測定条件Iと同様である。
本発明の測定条件IIの手順5は、「A1〜A5における振動子のパラメーターより各点における波長196nmから800nmの屈折率を求め、互いの相関係数を算出し、相関係数が最小となる組み合わせをnRとする。」である。
手順5の詳細は以下のとおりである。先ず、エリプソメトリーの測定装置により、決定されたA1〜A5のXモデル、Yモデルについて誘電関数の屈折率の変換を実施し、波長196nmから800nmのX方向及びY方向の屈折率(A1Xn〜A5Xn、A1Yn〜A5Yn)を求める。次いで全てのAjXn−AkXn(A1Xn−A2Xn、A1Xn−A3Xn、A1Xn−A4Xn、A1Xn−A5Xn、A2Xn−A1Xn、A2Xn−A3Xn、A2Xn−A4Xn、A2Xn−A5Xn、A3Xn−X1Xn、A3Xn−A2Xn、A3Xn−A4Xn、A3Xn−A5Xn、A4Xn−X1Xn、A4Xn−A2Xn、A4Xn−A3Xn、A4Xn−A5Xn、A5Xn−X1Xn、A5Xn−A2Xn、A5Xn−A3Xn、及びA5Xn−A4Xn(1≦j≦5、1≦k≦5、j≠k、jとkは整数で測定番号を示す。))について同じ波長に対する互いの屈折率を変数としたときの相関係数を算出し、同様にAjYn−AkYnも算出する。算出したAjXn−AkXn、AjYn−AkYのうち最小となる相関係数をnRとする。
ポリエチレンテレフタレートにおいては、屈折率は196nm以下にσ−π*励起バンドを有しその励起バンドは長波長側にむけてブロードに存在し196nm以上の紫外領域から800nmの可視光領域に影響を及ぼすことが知られている(参考文献1)。すなわち、青色光領域及び可視光領域の色調のむらを抑制するためにπ−π*結合の均一性と同様にσ−π*結合の均一性が重要となり、nRを測定することでσ−π*結合の均一性を推定することができる。
nRを0.600以上0.995以下とする方法としては特に限定されないが、例えば、d420nを0.001以上0.100以下とする方法と同様に、延伸ロールにおけるニップロール数を2本以上用いる方法、延伸速度を制御する方法、及びニップロールの圧力の総和を調整する方法、未延伸フィルムの厚み比を調整する方法が用いられる。
本発明のフィルムは、色調ムラのない優れた表面品位を有するため、光学用フィルムとして好ましく用いることができる。特にLEDを光源とする画面の保護用フィルムとして好適に用いることができる。
次に、本発明のポリエステルフィルムの好ましい製造方法を、二種のポリエステル樹脂を用いた例を基に説明するが、本発明は係る例に限定して解釈されるものではない。また、多層積層ポリエステルフィルムの積層構造の形成自体は、特開2007−307893号公報の〔0053〕〜〔0063〕段の記載を参考として実現できるものである。
先ず、A層の原料となるポリエステル樹脂、及びB層の原料となるポリエステル樹脂をそれぞれペレットの形態で用意し、必要に応じて熱風中あるいは真空下で乾燥する。乾燥したそれぞれの樹脂ペレットに必要に応じて粒子や添加剤を加え、ベント式二軸押出機に供給して溶融押出する。この際、樹脂の酸化分解抑制の観点からの観点から、押出機内を流通窒素雰囲気下で、酸素濃度を0.7体積%以下に、樹脂温度を265℃〜295℃に制御することが好ましい。
次いで、フィルターやギヤポンプにより異物の除去及び押出量の均整化を行い、得られたそれぞれの樹脂組成物を多層積層装置で交互に積層させて多層構造を有するシートに成形し、ダイよりキャスティングドラム等の冷却体上に押し出す。押し出されたシート状物は冷却固化され、キャスティングフィルムとなる。この際、ワイヤー状、テープ状、針状あるいはナイフ状等の電極を用いて、静電気力によりキャスティングドラム等の冷却体に密着させ急冷固化させることが好ましい。また、スリット状、スポット状、面状の装置からエアーを吹き出してキャスティングドラム等の冷却体に密着させ急冷固化させたり、ニップロールにて冷却体に密着させ急冷固化させたりする方法も好ましい。
多層積層装置としては、マルチマニホールドダイやフィードブロックやスタティックミキサー等を用いることができるが、特に、本発明のフィルムを効率よく得るためには、多数の微細スリットを有する部材を少なくとも別個に2個以上含むフィードブロックを用いることが好ましい。このようなフィードブロックを用いると、装置が極端に大型化することがないため、熱劣化による異物が少なく、層数が増加しても高精度な積層が可能となる。さらに、幅方向の積層精度も従来技術に比較して格段に向上し、任意の層厚み構成を形成することも容易となる。
また、キャスティングフィルムは、二軸配向フィルムとしたときの波長420nmの屈折率のばらつき(d420n)を0.001以上0.100以下とするために、無配向フィルムの幅方向中央部と両端部の厚み比(端部厚み/中央部厚み)は、いずれも1.0以上2.5以下であることが好ましい。このような態様とすることにより、外観や生産性を損なうことなくその後の縦延伸工程において均一な延伸が可能となる。
その後、キャスティングフィルムを長手方向に延伸(縦延伸)した後、さらに幅方向に延伸(横延伸)することにより、本発明のフィルムを得ることができる。縦延伸倍率は、本発明の効果を損なわない限り特に制限されないが、好ましくは2.8倍以上3.8倍以下、さらに好ましくは3.1倍以上3.5倍以下である。また、縦延伸時におけるフィルム温度は、80℃以上110℃以下とすることが好ましい。
さらに、外観及び生産性を損なうことなくフィルムを均一に縦延伸する観点から、縦延伸工程において、上流側の延伸ロールに近接するニップロールが2本以上であり、下流側の延伸ロールに近接するニップロールが2本以上であることが重要である。また、同様の観点から、ニップロール圧力の総和が0.1MPa以上1.0MPa以下であることが重要である。ニップロールの圧力とは、ニップロールをフィルムに押しつける加重をニップロールの面長で割った値のことをいう。さらに、同様の観点から、延伸速度が3.5×10%/min以上6.5×10%/min以下であることが重要である。このような態様とすることにより、延伸ムラに起因する分子構造の不均一化が抑制され、フィルム中の分子構造ムラが軽減されるだけでなく、フィルム破れ等の発生も軽減される。
横延伸倍率は、本発明の効果を損なわない限り特に制限されないが、好ましくは3.1倍以上4.5倍以下、さらに好ましくは3.5倍以上4.2倍以下である。横延伸は複数ゾーンに分けて段階的に昇温しながら延伸する方法が好ましく、このような方法の具体例としては、例えば、延伸前半温度を90℃以上120℃以下とし、延伸中盤温度を延伸前半温度以上かつ100℃以上130℃以下とし、さらに延伸後半温度を延伸中盤温度以上かつ110℃以上150℃以下とする方法が挙げられる。
さらに、横延伸の後にフィルムの熱処理を行うことが好ましい。熱処理はステンターや、加熱したロールなどを用いて従来公知の方法により行うことができる。この熱処理温度は、ポリエステル樹脂の結晶融解ピーク温度以下の温度であればよく、好ましくは200℃以上240℃以下、より好ましくは210℃以上235℃以下、さらに好ましくは215℃以上230℃以下である。ここでいう熱処理温度とは、二軸延伸後に行う熱処理においてで最も高温となる温度をいう。また、熱処理時間は特性を悪化させない範囲において任意とすることができ、好ましくは5秒以上60秒以下、より好ましくは10秒以上40秒以下、最も好ましくは15秒以上30秒以下である。
また、複数のゾーンに分けて段階的に昇温及び/又は降温する熱処理方法や、熱処理工程で幅方向に微延伸する方法も好ましく採用される。熱処理は、フィルムの熱収縮率を低くするために、後半に1%以上10%以下弛緩しながら実施することも好ましい。さらに、熱処理工程後に、80℃以上120℃以下で0.2%以上3.0%以下弛緩する冷却工程を含むことが好ましい。
こうして得られた二軸配向フィルムは、一旦広幅の巻き取り機で中間製品として巻き取られた後、スリッターにより、適宜必要な幅と長さに裁断されて最終製品となる。
以下、実施例に沿って本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例によって制限されるものではない。なお、諸特性は以下の方法により測定した。通常、主配向軸は分子の配向の大きさを測定することにより決定するが、本実施例のフィルムはいずれも長手方向に延伸した後、幅方向に延伸して製造したものであり、その延伸条件から幅方向が主配向軸方向であることが明らかである。そのため、測定は幅方向を主配向軸方向とみなして実施した。
(1)フィルムの積層数
フィルムの層構成は、ミクロトームを用いて断面を切り出したサンプルについて、電子顕微鏡観察により求めた。すなわち、透過型電子顕微鏡H−7100FA型((株)日立製作所製)を用い、加速電圧75kVでフィルムの断面を40,000倍に拡大観察し、断面写真を撮影、層構成および各層厚みを測定した。なお、層構成の確認が困難な場合においては、コントラストを高く得るために、公知のRuOやOsOなどを使用した染色技術を用いた。
(2)無配向フィルムのフィルム端部と中央部の厚み比
無配向フィルムの幅方向端部から5mm内側と幅方向中央部についてシンワ測定デジタルマイクロメータ79523を用いてJIS−C−2330(2001)7.4.1.1に記載の方法により、マイクロメーター法厚さを測定した。フィルムの幅方向端部から5mm内側については片側の端部を5回ずつ測定し、10点の平均をフィルム端部厚みとした。幅方向中央部厚みは5回の測定の平均値とした。また、厚み比はフィルム端部厚みの平均値を幅方向中央部厚みで割ることで算出した。
(3)波長420nmにおける屈折率のばらつき(d420n)
[サンプル処理(測定条件Iの手順1、2)]
フィルムサンプルを50mm(長手方向)×50mm(幅方向)に切り出し、フィルムの片面全体に圧力0.2MPaで研磨紙240番(JIS−R6252:2006、基材:Cw、研磨材の材質:ガーネット(G)、接着剤:にかわ(G/G))を押し付け、長手方向と平行に20回往復させた。次に、研磨紙240番を往復させた面全体に研磨紙240番を押し付け、長手方向の処理と同条件で幅方向と平行に20回往復させた。
[エリプソメーターによる測定(測定条件Iの手順3、4における偏光ビーム照射まで)]
分光エリプソメーター(J.A.Woollam社製M−2000D、解析ソフト:“CompleteEASE”(登録商標))のサンプル台上に、研磨紙240番で処理した面と反対側の面が測定面になるようにサンプルをセットした。次いで、Standard measureモードでサンプル内の重心(A1)から測定面と垂直に引いた直線(Z)と、A1に照射した偏光ビームとの成す角の大きさがそれぞれ50°、60°、及び70°となるように、同一平面上に3つの光源を配置し、各光源からA1に偏光ビームを照射して測定を実施した(手順3)。なお、反射光の強度は直線Zと偏光ビームの成す角を70°にセットしたときに入射光の強度を1.000としたときの反射光の強度が0.200以上であった。その後、A1からの直線距離が20mm以上であり、かつ互いの点の中心の間の距離が全て20mm以上となるように、4つの測定点(A2〜A5)任意に選定し、同様の条件で測定を行った(手順4)。
[エリプソメーターにおける解析方法(測定条件Iの手順3、4における偏光ビーム照射以降、手順5)]
AnalsysモードでModelのウィンドウ内にBlankモデルを選択して立ち上げ、モデルの層構成を、単層を示すSubstrateとし、初期モデルを複数の振動子から誘電関数を表現するGen−Oscモデルとし、モデルの光学異方性を示すTypeを3方向での光学異方性を表現することが可能なBiaxialとした。(手順3の(1)を満たす。)
そして、表1に示すとおり計4つの振動子の追加とパラメーター設定を行った。表1中のGaussianはガウス分布を(手順3の(2)を満たす。)、Ampはピーク強度、Brは半値幅(単位:eV)、Enは振動子のエネルギー位置(単位:eV)を示す。X方向のモデルにおいて、Enは互いに他の数値に従属しておらず、独立した値とした(振動子番号1〜4に対し、Enは順に6.200、4.900、4.200、18.000 手順3の(3)を満たす。)。
さらに、BrとEnはParameter Couplingを使用し、モデルY及びモデルZの値をそれぞれ表1中のとおりにモデルXの値に従属させた(例えば、表1中の「=x1Br」はx方向の振動子1のBrとパラメーター値が等しいことを示す。 手順3の(4)を満たす。)。また、BrとEnに関しては分子結合形態固有であるため、表1中のとおり範囲指定を行い、Ampについては結合量、及び強さが0より小さい値をとることはないため0以上とした。また、UV pole Amp、UV pole En 及び IR pole Ampは0で固定とした。
次にパラメーターフィッティングを行うパラメーターを表2のとおり設定し、偏光ビームと直線Zの成す角度がそれぞれ50°、60°、70°となるように3方向から偏光ビームを照射して測定した1.20〜6.40eVにおける振幅強度比Ψ、位相差Δの値に対してパラメーターフィッティングを実施した。なお、実測データとモデルから計算されたデータの差を数量化するのに平均2乗誤差は30.0以下であった。また、表2中の「○」で示すパラメーターについてフィッティングを実施し、「−」で示すパラメーターについてはParameter Couplingを実施しているため個別にフィッティングを実施しなかった。また前述のとおり、UV pole Amp、UV pole En 及び IR pole Ampは0で固定とした。
次に誘電関数の屈折率への変換を実施した。J.A.Woollam社解析ソフト:“CompleteEASE”(登録商標)においてはAnalysisタブのGraphTypeより容易に実施でき、波長における屈折率のプロファイルを得ることができる。d420nは、決定されたA1〜A5のXモデル、Yモデル、Zモデルそれぞれについて上記の変換を実施し、A1〜A5においてそれぞれの420nmの屈折率、X420ni、Y420ni、Z420ni(1≦i≦5、iは整数で測定番号を示す)を読み取り、式(II)〜(IV)を用いて、式(I)のd420nが最大となるよう式(II)〜(IV)を用いて、Xd420n、Yd420n、Zd420nを決定することで求めた。なお420nmにおいて屈折率が算出できない場合は420nmに最も近い波長の屈折率を420nmの屈折率として扱った(手順3の(5)を満たす。)。
d420n=(Xd420n+Yd420n+Zd420n)÷3・・・(I)
Xd420n=X420nj−X420nk・・・(II)
Yd420n=Y420nj−Y420nk・・・(III)
Zd420n=Z420nj−Z420nk・・・(IV)
(1≦j≦5、1≦k≦5、j≠k、jとkは整数で測定番号を示す。)」である。
(4)屈折率波長分散の相関係数(nR)
(3)によって求めたA1の波長196nmから800nmのそれぞれの波長に対する屈折率を変数nA1、同様にA2、A3、A4、A5の波長196nmから800nmのそれぞれの波長に対する屈折率を変数nA2、nA3、nA4、nA5としたときにnA1からnA5までのすべての2つの組み合わせの間の共分散と標準偏差から相関係数を求め、最も小さい値を示した組み合わせの相関係数をnRとした。
(5)色調ムラ(ΔE)
フィルムの任意の点において50mm×50mmの寸法でサンプルを切り出し、分光測色計コニカミノルタ(株)製CM−3600Aを用い、フィルム平面の法線と入射光が一致するようにサンプルをセットし、サンプル上の任意の箇所の色度a、色度b、明度Lを、測定径Φ8mmのターゲットマスク条件下で、透過光にて測定した。その後測定箇所の中心から20mm以上あけるようにサンプルを移動させて同様の測定を4回繰り返した。色調ムラΔEは5回の測定のうちΔEが最大となるような色度a、色度b、明度Lの組み合わせで式(VII)〜(X)を用いて求めた。求めた色差ΔEより、下記の基準で評価し、AA〜Bを合格とした。
ΔL=Ll−Lm・・・(VII)
Δa=al−am・・・(VIII)
Δb=bl−bm・・・(IX)
ΔE=((ΔL+(Δa+(Δb1/2・・・(X)
(1≦l≦5、1≦m≦5、l≠m、lとmは整数で測定番号を示す。)
AA:ΔEが2.0以下。
A:ΔEが2.0より大きく4.0以下。
B:ΔEが4.0より大きく5.0以下。
C:ΔEが5.0より大きい。
(6)外観(クロスニコル検査)
フィルムの任意の点において100mm×100mmの寸法でサンプルを切り出した後、クロスニコル条件下にてフィルムの外観を確認し、下記の基準で評価した。なお、外観はAが最も優れており、B以上を合格とした。
A:スジの発生がなかった。
B:スジが発生したが、太さ3mm未満、かつ長さ10mm未満であった。
C:太さ3mm以上、長さ10mm以上のいずれかに該当するスジが発生した。
(7)生産性
製品化をはじめてからフィルム破れにより製品採りが中断するまでの製膜継続時間から生産性を評価した。なお、生産性はAが最も優れており、B以上を合格とした。
A:6時間製膜してフィルム破れが発生しなかった。
B:6時間製膜してフィルム破れが1回発生した。
C:6時間製膜してフィルム破れが2回以上発生した。
(ポリエステル樹脂)
(樹脂A1)テレフタル酸ジメチル100質量部、エチレングリコール60質量部の混合物に、テレフタル酸ジメチル量に対して酢酸マグネシウム0.09質量部、三酸化アンチモン0.03質量部を添加して、常法により加熱昇温してエステル交換反応を行った。次いで、該エステル交換反応生成物に、テレフタル酸ジメチル量に対して、リン酸85%水溶液0.020質量部を添加した後、重縮合反応層に移行した。さらに、加熱昇温しながら反応系を徐々に減圧して1mmHgの減圧下、290℃で重縮合反応を行い、IV=0.63のポリエチレンテレフタレートを得た。屈折率1.60。
(樹脂A2)ナフタレン2,6−ジカルボン酸ジメチルエステルとエチレングリコールを重縮合して得たIV=0.43のポリエチレンナフタレート。屈折率1.65。
樹脂Bとしては、以下のものを準備した。
(樹脂B1)IV=0.75(シクロヘキサンジメタノール(CHDM)25モル%)を共重合したポリエチレンテレフタレート。屈折率1.57。
(樹脂B2)IV=0.73(シクロヘキサンジメタノール(CHDM)10モル%)を共重合したポリエチレンテレフタレート。屈折率1.59。
(樹脂B3)IV=0.78(スピログリコール成分20mol%)を共重合したポリエチレンテレフタレート。屈折率1.55。
なお、各樹脂の屈折率は、後述する実施例1と同じ条件でキャスティングフィルムを製膜して測定した。具体的には、キャスティングフィルムの幅方向中央部より40mm(長手方向)×35mm(幅方向)のサンプルを切り出し、アッベ屈折率計4T(アタゴ(株)製)を用いて、長手方向及び幅方向の屈折率をそれぞれ3回測定した。得られた計6回分の測定値の平均値を、フィルムを構成する樹脂の屈折率とした。なお、測定において、光源はナトリウムD線(波長589nm)を、浸液にはヨウ化メチレンを、テストピースは屈折率が1.74のものをそれぞれ用いた。
(実施例1)
光学特性の異なる2種類のポリエステル樹脂として、樹脂A1(以下樹脂A)と樹脂B1(以下樹脂B)をそれぞれ乾燥後、それぞれ、ベント付き二軸押出機にて280℃の溶融状態とした後、ギヤポンプ及びフィルターを介して、フィルム両表層部分が樹脂Aとなるように、909層のフィードブロックにて合流させ交互に積層した。積層方法は、特開2007−307893号公報〔0053〕〜〔0056〕段の記載に従って行った。T−ダイに導いてシート状に成形した後、静電印加にて表面温度25℃に保たれたキャスティングドラム上で急冷固化し、層数909層の無配向フィルムを得た。なお、このとき樹脂Aと樹脂Bの質量比が1.0:1.0になるように吐出量を調整した。
次いで、長手方向への延伸前に加熱ロールでフィルム温度を上昇させ、第1延伸ロールと第2延伸ロールがいずれも2本のニップロールを備え、ロール間距離が350mmのロール式延伸機で、延伸時のフィルム温度を90℃として、長手方向に延伸速度4.9×10%/min(延伸後の製膜速度78m/min、延伸に要した時間4.49÷10min)で3.2倍に延伸し、一軸配向フィルムを得た。なお、第1延伸ロール及び第2延伸ロールにおけるニップ圧力の総和は0.5MPaとした。得られた一軸配向フィルムを、すぐに40℃に制御した金属ロールで冷却した。次いで、ステンターにおいて、延伸前半温度95℃、延伸中盤温度105℃、延伸後半温度140℃の温度条件下で、一軸配向フィルムを幅方向に3.7倍に延伸し、そのままステンター内で、熱処理前半温度200℃、熱処理中盤温度225℃の温度条件で熱処理を行った。このとき、熱処理前半で幅方向に5%の微延伸を行いながら熱処理を施した。その後、熱処理後半温度180℃で、幅方向に3.0%のリラックスをかけながら熱処理を行い、フィルム厚み42μmのフィルムを得た。また、製膜終了時に、緊急停止により無配向フィルムを採取したフィルムからフィルムの端部と中央部の厚み比を求めた。得られたフィルムの評価結果を表3に示す。
(実施例2〜19、比較例1〜6)
縦延伸条件、層数、各層の組成を表3のとおりに変更した以外は、実施例1と同様にして二軸配向フィルムを得た。評価結果を表3に示す。なお実施例18、19においては、樹脂Aの溶融温度を300℃として押出し、長手方向の延伸フィルム温度は110℃、ステンターにおける、延伸前半温度、延伸中盤温度、延伸後半温度はそれぞれ、120℃、130℃、150℃とした。
本発明により、目的とする光学特性を有し、かつ色調むらの発生や表面品位の低下を軽減したフィルムを提供することができる。本発明のフィルムは、光学用途、特にLEDを光源とする画面の保護に好適に用いることができる。
a 測定面
b 測定面の重心(A1)
c A1から測定面に垂直に引いた直線(Z)
d A1から測定面上に引いた直線(X)
e Z及びXと垂直になるようにA1から測定面上に引いた直線(Y)
f 偏光ビーム
g1 XZ50
g2 XZ60
g3 XZ70
h 反射光
i 検出部
j A2〜A5
k A1〜A5の各点を中心とする半径20mmの円
1:第1延伸ロール
2:第2延伸ロール
3:フィルム
4:第1延伸ロールに近接するニップロール
5:第2延伸ロールに近接するニップロール
6:ロール間距離

Claims (8)

  1. 以下の測定条件Iでエリプソメーターにより測定した波長420nmの屈折率のばらつき(d420n)が、0.001以上0.100以下であることを特徴とする、フィルム。
    測定条件I:
    (手順1)
    50mm(主配向軸と直交する方向)×50mm(主配向軸方向)のフィルムの片面全体に圧力0.2MPaでJIS−R6252(2006)で定める研磨紙240番を押し付け、主配向軸と直交する方向と平行に20回往復させる。
    (手順2)
    手順1で前記研磨紙240番を往復させた面全体に、手順1と同様の条件で前記研磨紙240番を押し付け、主配向軸方向と平行に20回往復させる。
    (手順3)
    手順1及び手順2において前記研磨紙240番で処理した面と反対側の面を測定面とし、測定面の重心をA1、A1からフィルム面に垂直に引いた直線をZ、A1から測定面上に任意に引いた直線をX、Z及びXと垂直になるようにA1からフィルム面上に引いた直線をYとしたときに、XZ平面上の偏光ビームとZの成す角が50°となる点(XZ50)、60°となる点(XZ60)、及び70°となる点(XZ70)からA1に偏光ビームを照射し、その反射光より得られた位相差Δと振幅強度比Ψを、下記(1)〜(5)を満たすモデルと比較することにより振動子のパラメーターを決定する。
    (1)X、Y、及びZに平行な方向をそれぞれX方向、Y方向、及びZ方向とし、X方向のモデルをモデルX、Y方向のモデルをモデルY、及びZ方向のモデルをモデルZとしたときに、モデルX、モデルY、モデルZがそれぞれ異なるモデルである。
    (2)振動子にガウス分布を用い、振動子のパラメーターが、半値幅、エネルギー位置、及びピーク強度である。
    (3)モデルX、モデルY、及びモデルZそれぞれのモデル内において、振動子のエネルギー位置が互いに独立している。
    (4)モデルX、モデルY、及びモデルZそれぞれのモデル間において、振動子のエネルギー位置が互いに従属している。
    (5)モデルX、モデルY、及びモデルZ間で半値幅が互いに従属している。
    (手順4)
    測定面上に位置し、A1からの直線距離が20mm以上であり、かつ互いの点の中心の間の距離が全て20mm以上となるような4つの点(A2、A3、A4、A5)を任意に選定し、手順3に従ってA2〜A5における振動子のパラメーターを決定する。
    (手順5)
    A1〜A5における振動子のパラメーターより各点における波長420nmの屈折率を求め、その最大値と最小値の差をd420nとする。
  2. ポリエステル樹脂を主成分とすることを特徴とする、請求項1に記載のフィルム。
  3. ポリエステル樹脂Aを主成分とする層(A層)と、ポリエステル樹脂A以外の樹脂である樹脂Bを主成分とする層(B層)を有し、A層とB層が厚み方向に交互に30層以上積層されていることを特徴とする、請求項1又は2に記載のフィルム。
  4. 前記ポリエステル樹脂Aが結晶性ポリエステル樹脂であり、前記樹脂Bが非晶性ポリエステル樹脂であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載のフィルム。
  5. 測定条件IIでエリプソメーターにより測定した波長196nmから800nmにおける屈折率波長分散の相関係数(nR)が、0.600以上0.995以下であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載のフィルム。
    測定条件II:
    (手順1)〜(手順4)は測定条件Iと同様である。
    (手順5)
    A1〜A5における振動子のパラメーターより各点における波長196nmから800nmの屈折率を求め、互いの相関係数を算出し、相関係数が最小となる組み合わせをnRとする。
  6. 光学用フィルムであることを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載のフィルム。
  7. 前記光学用フィルムが、LEDを光源とする画面の保護用フィルムであることを特徴とする、請求項6に記載のフィルム。
  8. 縦延伸工程において、上流側の延伸ロールに近接するニップロールが2本以上であり、下流側の延伸ロールに近接するニップロールが2本以上であり、延伸速度が3.5×10%/min以上6.5×10%/min以下であり、かつニップ圧力の総和が0.1MPa以上1.0MPa以下であることを特徴とする、請求項1〜7のいずれかに記載のフィルムの製造方法。
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