JP2018176064A - スケール防止剤及びスケール防止方法 - Google Patents
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Abstract
Description
また、特許文献2には、ポリメタクリル酸又はその塩と、アクリル酸と2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸との共重合体(以下、PAA/AMPSと略称する場合がある。)又はその塩とを含む鉄スケール防止剤が提案されている。また、特許文献3には、アクリル酸系重合体又はその塩と、ホスホン酸、α−アミノカルボン酸又はそれらの水溶性塩とを含む亜鉛スケール防止剤が提案されている。
[1]ポリメタクリル酸及びその塩からなる群のうちから選ばれる少なくともいずれか1種の化合物である成分(A)、アクリル酸と2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸との共重合体及びその塩からなる群のうちから選ばれる少なくともいずれか1種の化合物である成分(B)、並びに1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸及びその塩からなる群のうちから選ばれる少なくともいずれか1種の化合物である成分(C)を含有する、蒸気発生設備用スケール防止剤。
[2]前記ポリメタクリル酸又はその塩は、重量平均分子量が1,000〜100,000である、上記[1]に記載のスケール防止剤。
[3]前記アクリル酸と2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸との共重合体又はその塩は、重量平均分子量が1,000〜200,000である、上記[1]又は[2]に記載のスケール防止剤。
[4]前記アクリル酸と2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸との共重合体を構成するモノマーであるアクリル酸と2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸とのモル比が、95:5〜50:50である、上記[1]〜[3]のいずれか1項に記載のスケール防止剤。
[5]前記成分(A)と前記成分(B)の質量比が、90:10〜10:90である、上記[1]〜[4]のいずれか1項に記載のスケール防止剤。
[6]前記成分(A)と前記成分(B)の合計と前記成分(C)との質量比が、50:50〜98:2である、上記[1]〜[5]のいずれか1項に記載のスケール防止剤。
[7]前記蒸気発生設備の水系のpHが11よりも高い、上記[1]〜[6]のいずれか1項に記載の蒸気発生設備用スケール防止剤。
[9]前記スケール防止剤を前記蒸気発生設備の給水系に添加する、上記[8]に記載のスケール防止方法。
[10]前記蒸気発生設備の水系のpHが11よりも高い、上記[9]に記載のスケール防止方法。
[11]前記成分(A)〜(C)の合計添加量が、給水中の硬度成分の炭酸カルシウム換算質量濃度に対して0.3〜2倍の質量濃度となるように添加する、上記[8]〜[10]のいずれか1項に記載のスケール防止方法。
したがって、本発明のスケール防止剤及びスケール防止方法は、ボイラ等の蒸気発生設備の安定的かつ安全な運転、及びエネルギーコストの低減化に寄与し得る。
本発明のスケール防止剤は、蒸気発生設備用スケール防止剤であり、ポリメタクリル酸(以下、PMAと略称する。)及びその塩からなる群のうちから選ばれる少なくともいずれか1種の化合物である成分(A)、PAA/AMPS及びその塩からなる群のうちから選ばれる少なくともいずれか1種の化合物である成分(B)、並びに1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸(以下、HEDPと略称する。)及びその塩からなる群のうちから選ばれる少なくともいずれか1種の化合物である成分(C)を含有するものである。
本発明のスケール防止剤は、前記成分(A)〜(C)の3成分を必須成分とするものであり、蒸気発生設備において、優れたスケール防止効果を発揮し得るものである。
成分(A)は、PMA及びその塩からなる群のうちから選ばれる少なくともいずれか1種の化合物、すなわち、PMA及び/又はその塩である。
なお、前記重量平均分子量、及び後述するPAA/AMPS又はその塩の重量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)法により測定することができる。
PMA又は原料モノマーであるメタクリル酸の中和剤としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム等のアルカリ金属系の中和剤の他、アンモニア、モルフォリン、ジエチルエタノールアミン等が挙げられる。これらの中和剤は、後述するPAA/AMPSもしくはその原料モノマー又はHEDPの中和剤としても用いることができる。
PMAの塩の具体例としては、PMAのナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、アンモニウム塩、アミン塩等が挙げられる。これらの塩は、該スケール防止剤が用いられる蒸気発生設備の圧力や処理方式に応じて、適したものを適宜選択して使用することができる。
成分(B)は、PAA/AMPS及びその塩からなる群のうちから選ばれる少なくともいずれか1種の化合物、すなわち、PAA/AMPS及び/又はその塩である。
PAA/AMPSを構成するモノマーであるアクリル酸と2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸とのモル比は、スケール分散効果の観点から、95:5〜50:50であることが好ましく、より好ましくは90:10〜70:30である。
PAA/AMPSの塩の具体例としては、PAA/AMPSのナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、アンモニウム塩、アミン塩等が挙げられる。これらの塩は、該スケール防止剤が用いられる蒸気発生設備の圧力や処理方式に応じて、適したものを適宜選択して使用することができる。
成分(C)は、HEDP及びその塩からなる群のうちから選ばれる少なくともいずれか1種の化合物、すなわち、HEDP又はその塩である。
HEDPの塩の具体例としては、HEDPのナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、アンモニウム塩、アミン塩等が挙げられる。これらの塩は、該スケール防止剤が用いられる蒸気発生設備の圧力や処理方式に応じて、適したものを適宜選択して使用することができる。
また、成分(A)と成分(B)の合計と成分(C)との質量比は、特に硬度成分に対するスケール防止効果の観点から、50:50〜98:2であることが好ましく、より好ましくは70:30〜95:5である。
なお、通常、HEDPは、強アルカリ性の水に対しては有効に作用しないことが知られているが、本発明のスケール防止剤によれば、強アルカリ性であっても良好なスケール防止効果が得られる。このため、前記蒸気発生設備の水系のpHが8よりも高い場合であっても、さらに、pHが11よりも高い場合であっても、HEDPを含むスケール防止剤によって、良好なスケール防止効果を得ることができる。
本発明のスケール防止方法は、蒸気発生設備において、上記の本発明のスケール防止剤を用いるスケール防止方法である。前記スケール防止剤を添加する工程を含んでいれば、通常の水系処理で行われる他の工程を含んでいてもよい。
前記方法においては、良好なスケール防止効果を得る観点から、特に、蒸気発生設備の給水系、例えば、給水タンクや給水ライン等に、前記スケール防止剤を添加することが好ましい。前記蒸気発生設備の水系のpHが8よりも高い場合、さらに、pHが11よりも高い強アルカリ性の場合においても、上述したように、本発明のスケール防止方法によれば、良好なスケール防止効果が得られる。
下記試験1,2に示す水質及び運転条件で、テストボイラにおけるスケール付着性の評価を行った。なお、下記実施例及び比較例において、スケール防止剤に用いた、PMA、PAA/AMPS及びPAAは、いずれもナトリウム塩であるが、塩である旨の表記は省略する。詳細を以下に示す。
PMA :ポリメタクリル酸ナトリウム;重量平均分子量10,000
PAA/AMPS:アクリル酸と2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸との共重合体のナトリウム塩;各モノマーのモル比80:20;重量平均分子量11,000
PAA :ポリアクリル酸ナトリウム;重量平均分子量50,000
(実施例1)
ステンレス製テストボイラ(保有水量4L)においてステンレス製伝熱チューブ(表面積200cm2×3本)を用い、給水は、純水に塩化カルシウム、硫酸マグネシウム、メタケイ酸ナトリウム及び重炭酸ナトリウムを添加して、カルシウム硬度20mgCaCO3/L、マグネシウム硬度10mgCaCO3/L、シリカ45mgSiO2/L、酸消費量(pH4.8)100mgCaCO3/Lに調整した。ボイラ缶水のpHは11.5(25℃)であった。
これに、PMA、PAA/AMPS及びHEDP(有効成分)を純分濃度(質量)比40:50:10で混合したスケール防止剤(有効成分16質量%水溶液)を125mg/L(有効成分として20mg/L)となるように添加し、圧力0.7MPa、蒸発量8L、濃縮倍数10として、64時間運転した。運転後に3本の伝熱チューブを取り出して秤量し、試験開始前との比較からスケール付着量を算出した。
実施例1のスケール防止剤に代えて、下記表1の比較例1〜10に示すものを用い、それ以外は実施例1の場合と同様に、テストボイラを運転し、伝熱チューブへのスケール付着量を求めた。
ただし、比較例2においては、スケール防止剤の添加量を60mg/Lとした。
これに対して、スケール防止剤がPAAのみ20mg/L添加の場合(比較例1)、実施例1の3成分のうち2成分を含まない場合(比較例3〜5)、前記3成分のうちHEDPを含まない場合(比較例6)、実施例1の3成分のうちPAA/AMPSに代えてPAAを用いた場合(比較例9)、また、実施例1の3成分のうちPMAに代えてPAAを用いた場合(比較例10)は、伝熱チューブに大量のスケールの付着が確認された。
上記試験1において伝熱チューブへのスケールの付着が認められなかった実施例1及び比較例2,7,8について、シリカ濃度が低い水質条件(シリカ20mgSiO2/L、酸消費量(pH4.8)50mgCaCO3/L)で、それ以外は試験1と同様にテストボイラを運転し、伝熱チューブへのスケール付着量の測定を行った。ボイラ缶水のpHは11.8(25℃)であった。
また、ブロー水中の硬度成分の濃度(全硬度)を原子吸光分光光度計(AA−6400F;株式会社島津製作所)にて測定し、ブローからの硬度成分排出率を求めた。
実施例1及び比較例2,7,8についての試験2の結果も、試験1の結果と併せて表1に示した。
これに対して、スケール防止剤がPMA、PAA/AMPS及びHEDPの3成分を含む場合(実施例1)、前記3成分のうちPMAを含まない場合(比較例8)は、伝熱チューブへのスケールの付着は認められなかった。しかし、ブローからの硬度成分の排出率は、実施例1では100%であったが、比較例8では約90%であった。なお、PAAのみ60mg/L添加の場合(比較例2)も、伝熱チューブへのスケールの付着は認められず、ブローからの硬度成分の排出率は100%であった。
以上から、実施例1のスケール防止剤は、従来のスケール防止剤よりも少ない添加量で、伝熱面におけるスケール防止のみならず、ボイラ缶内全体に対して優れたスケール防止効果を発揮し得ると言える。
Claims (11)
- ポリメタクリル酸及びその塩からなる群のうちから選ばれる少なくともいずれか1種の化合物である成分(A)、アクリル酸と2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸との共重合体及びその塩からなる群のうちから選ばれる少なくともいずれか1種の化合物である成分(B)、並びに1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸及びその塩からなる群のうちから選ばれる少なくともいずれか1種の化合物である成分(C)を含有する、蒸気発生設備用スケール防止剤。
- 前記ポリメタクリル酸又はその塩は、重量平均分子量が1,000〜100,000である、請求項1に記載のスケール防止剤。
- 前記アクリル酸と2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸との共重合体又はその塩は、重量平均分子量が1,000〜200,000である、請求項1又は2に記載のスケール防止剤。
- 前記アクリル酸と2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸との共重合体を構成するモノマーであるアクリル酸と2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸とのモル比が、95:5〜50:50である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のスケール防止剤。
- 前記成分(A)と前記成分(B)の質量比が、90:10〜10:90である、請求項1〜4のいずれか1項に記載のスケール防止剤。
- 前記成分(A)と前記成分(B)の合計と前記成分(C)との質量比が、50:50〜98:2である、請求項1〜5のいずれか1項に記載のスケール防止剤。
- 前記蒸気発生設備の水系のpHが11よりも高い、請求項1〜6のいずれか1項に記載の蒸気発生設備用スケール防止剤。
- 請求項1〜7のいずれか1項に記載のスケール防止剤を用いる、蒸気発生設備のスケール防止方法。
- 前記スケール防止剤を前記蒸気発生設備の給水系に添加する、請求項8に記載のスケール防止方法。
- 前記蒸気発生設備の水系のpHが11よりも高い、請求項9に記載のスケール防止方法。
- 前記成分(A)〜(C)の合計添加量が、給水中の硬度成分の炭酸カルシウム換算質量濃度に対して0.3〜2倍の質量濃度となるように添加する、請求項8〜10のいずれか1項に記載のスケール防止方法。
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