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JP2018174202A - 太陽電池用封止材及びこれを用いた太陽電池モジュール - Google Patents

太陽電池用封止材及びこれを用いた太陽電池モジュール Download PDF

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JP2018174202A
JP2018174202A JP2017070737A JP2017070737A JP2018174202A JP 2018174202 A JP2018174202 A JP 2018174202A JP 2017070737 A JP2017070737 A JP 2017070737A JP 2017070737 A JP2017070737 A JP 2017070737A JP 2018174202 A JP2018174202 A JP 2018174202A
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carbodiimide compound
ethylene
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Hisataka Kataoka
央尚 片岡
欣将 深川
Yoshimasa Fukagawa
欣将 深川
信一郎 庄司
Shinichiro Shoji
信一郎 庄司
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Teijin Ltd
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Bridgestone Corp
Teijin Ltd
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Abstract

【課題】高温高湿環境下及び紫外線に長期間暴露される環境下においても、酸捕捉機能を長期に亘り維持することができ、黄変が抑制され、透明性が高く、架橋効率に優れる太陽電池用封止材を提供する。【解決手段】エチレン−極性モノマー共重合体、架橋剤、紫外線吸収剤、カルボジイミド化合物を含む太陽電池用封止材であって、前記架橋剤が特定構造を有し、前記紫外線吸収剤が、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤であり、前記カルボジイミド化合物が、特定構造を有する環状カルボジイミド化合物である太陽電池用封止材。【選択図】図1

Description

本発明は新規太陽電池用封止材及びこれを用いた太陽電池モジュールに関する。
近年、資源の有効利用や環境汚染の防止等の面から、太陽光を電気エネルギーに直接変換する太陽電池モジュールが広く使用され、更に、耐久性や発電効率等の点から開発が進められている。
太陽電池モジュールの構造としては、例えば、図1に示すように、ガラス基板等からなる表面側透明保護部材11、表面側封止材13A、シリコン結晶系セル等の太陽電池素子14、裏面側封止材13B、及び裏面側保護部材(バックカバー)12をこの順で積層し、接着一体化した構造が知られている。
太陽電池モジュールでは、高い電気出力を得るために、複数の太陽電池素子14を接続タブ15で接続して用いられている。したがって、太陽電池素子14の絶縁性を確保するために、絶縁性のある封止材13A、13Bを用いて太陽電池素子14を封止している。
このような封止材としては、接着性や透明性に優れるエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)等のエチレン−極性モノマー共重合体を主成分とし、これに有機過酸化物等の架橋剤を配合したフィルムが一般に用いられている。しかしながら、エチレン−極性モノマー共重合体からなるフィルムにおいては、太陽電池内部に侵入する水分等の影響によりカルボン酸等の酸が発生する場合があり、これによって太陽電池モジュールの導線や電極が腐食するという問題がある。
そのため、酸を中和するための水酸化マグネシウム等の受酸剤や酸を捕捉するためのカルボジイミド化合物を太陽電池用封止材に添加することが行われている(例えば、特許文献1)。特に、カルボジイミド化合物を添加した場合には、水酸化マグネシウムなどの受酸剤と比較して、太陽電池用封止材の透明性が低下しにくいことから好ましく用いられている。
特許第4863812号
太陽電池モジュールは屋外の過酷な環境下で使用されるが、特許文献1に記載のカルボジイミド化合物を使用した場合には、高温高湿の環境下において長期に亘り酸捕捉機能を発揮し続けることが難しい場合があった。さらに、特許文献1に記載の太陽電池用封止材は、太陽電池モジュール製造時において架橋効率が低下したり、太陽電池モジュールの使用時に経時的に黄変が生じる場合があった。
したがって、本発明の目的は、高温高湿環境下及び紫外線に長期間暴露される環境下においても、酸捕捉機能を長期に亘り維持することができ、黄変が抑制され、透明性が高く、架橋効率に優れる太陽電池用封止材を提供することにある。
また、本発明の目的は、この太陽電池用封止材からなる太陽電池用封止材及びこの太陽電池用封止材により太陽電池素子が封止された太陽電池モジュールを提供することにある。
上記目的は、エチレン−極性モノマー共重合体、架橋剤、紫外線吸収剤、カルボジイミド化合物を含む太陽電池用封止材であって、
前記架橋剤が、下記式(I)
Figure 2018174202
(式中、R及びRは各々独立に、炭素数1〜10のアルキル基である。)
で表され、
前記紫外線吸収剤が、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤であり、
前記カルボジイミド化合物が、下記式(II)
Figure 2018174202
(式中、
Xは、下記式(II−1)〜(II−3)で表される2価の基または下記式(II−4)で表される4価の基であり、
Xが2価のときqは0で、Xが4価のときqは1であり、
Ar〜Arは、各々独立に芳香族基であり、これらは炭素数1〜6のアルキル基またはフェニル基で置換されていてもよい。)
Figure 2018174202
(式中、nは1〜6の整数である。)
Figure 2018174202
(式中、y及びzは各々独立に0〜3の整数である。)
Figure 2018174202
(式中、R及びRは各々独立に、炭素数1〜6のアルキル基、フェニル基を表す。)
Figure 2018174202
で表される環状カルボジイミド化合物であることを特徴とする太陽電池用封止材により達成される。
上記特許文献1に記載の直鎖状のカルボジイミド化合物は、分解温度が低いために分解しやすいことから酸捕捉機能が経時的に低下し、また分解により生じた低分子量化合物が架橋阻害を引き起こす原因となっていた。本発明に用いられる上記のカルボジイミド化合物は、環状構造を有するため分解しにくく安定であり、長期に亘り環状カルボジイミド化合物の酸捕捉機能を発揮し続けることが可能となるだけでなく、太陽電池用封止材の架橋阻害を引き起こすこともない。また、この環状カルボジイミド化合物を上記特定の架橋剤及び紫外線吸収剤と併用することにより黄変防止や透明性の点に優れる太陽電池用封止材が得られることが本発明者により見出された。
本発明の好ましい態様は以下のとおりである。
(1)前記紫外線吸収剤が、下記式(III)
Figure 2018174202
(式中、R及びRは各々独立に、フェニル基で置換されていてもよい炭素数1〜15のアルキル基である。)
で表される。
(2)前記式(II)において、Ar〜Arは各々独立に、炭素数1〜6のアルキル基もしくはフェニル基で置換されていてもよい、オルトフェニレン基または1,2−ナフタレン−ジイル基である。
(3)前記架橋剤が、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルモノカーボネートである。
(4)前記カルボジイミド化合物の平均粒径が1〜100μmである。
(5)前記架橋剤の含有量が、前記エチレン−極性モノマー共重合体100質量部に対して、0.1〜0.5質量部である。
(6)前記紫外線吸収剤が、前記エチレン−極性モノマー共重合体100質量部に対して、0.1〜0.5質量部である。
(7)前記カルボジイミド化合物が、前記エチレン−極性モノマー共重合体100質量部に対して、0.01〜1質量部である。
また、上記目的は、上記太陽電池用封止材からなる太陽電池用封止材、及び表面側保護部材、太陽電池素子及び裏面側保護部材を有し、前記太陽電池素子がこの太陽電池用封止材により封止されている太陽電池モジュールにより達成される。
本発明に係る太陽電池用封止材は、高温高湿環境下及び紫外線に長期間暴露される環境下においても、酸捕捉機能を長期に亘り維持することができ、更に黄変し難く、透明性及び架橋効率に優れている。したがって、長期に亘り発電効率を十分に維持することができる太陽電池もジュールを製造することができる。
一般的な太陽電池モジュールの概略断面図である。
上述したように、本発明の太陽電池用封止材は、エチレン−極性モノマー共重合体、特定の架橋剤、紫外線吸収剤及びカルボジイミド化合物を含む。以下、それぞれ詳細に説明する。
[エチレン−極性モノマー共重合体]
エチレン−極性モノマー共重合体の極性モノマーは、不飽和カルボン酸、その塩、そのエステル、そのアミド、ビニルエステル、一酸化炭素等を例示することができる。より具体的には、アクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、イタコン酸、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノエチル、無水マレイン酸、無水イタコン酸等の不飽和カルボン酸、これら不飽和カルボン酸のリチウム、ナトリウム、カリウムなどの1価金属の塩やマグネシウム、カルシウム、亜鉛などの多価金属の塩、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソオクチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸イソブチル、マレイン酸ジメチル等の不飽和カルボン酸エステル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルのようなビニルエステル、一酸化炭素、二酸化硫黄などの一種又は二種以上などを例示することができる。
エチレン−極性モノマー共重合体として、より具体的には、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体のようなエチレン−不飽和カルボン酸共重合体、前記エチレン−不飽和カルボン酸共重合体のカルボキシル基の一部又は全部が上記金属で中和されたアイオノマー、エチレン−アクリル酸メチル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体、エチレン−アクリル酸イソブチル共重合体、エチレン−アクリル酸n−ブチル共重合体のようなエチレン−不飽和カルボン酸エステル共重合体、エチレン−アクリル酸イソブチル−メタクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸n−ブチル−メタクリル酸共重合体のようなエチレン−不飽和カルボン酸エステル−不飽和カルボン酸共重合体及びそのカルボキシル基の一部又は全部が上記金属で中和されたアイオノマー、エチレン−酢酸ビニル共重合体のようなエチレン−ビニルエステル共重合体等を代表例として例示することができる。
エチレン−極性モノマー共重合体としては、JIS K7210で規定されるメルトフローレートが、35g/10分以下、特に3〜6g/10分のものを使用するのが好ましい。このようなメルトフローレートを有するエチレン−極性モノマー共重合体を用いることで、加工性に優れた太陽電池用封止材とすることができる。なお、本発明において、メルトフローレート(MFR)の値は、JIS K7210に従い、190℃、荷重21.18Nの条件に基づいて測定されたものである。
エチレン−極性モノマー共重合体としては、接着性や透明性に優れるエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)を使用することが好ましい。EVAにおける酢酸ビニルの含有率は、20〜35質量%、さらに22〜32質量%、特に24〜30質量%とするのが好ましい。酢酸ビニルの含有量が20質量%未満であると、封止材の透明性が充分でない恐れがあり、35質量%を超えるとカルボン酸やアルコールが発生しやすり黄変の原因となる場合がある。
なお、本発明において、エチレン−極性モノマー共重合体に加えて、ポリエチレン等のポリオレフィン、エチレン−α−オレフィン共重合体、ポリビニルアセタール系樹脂(例えば、ポリビニルホルマール、ポリビニルブチラール(PVB樹脂)、変性PVB)等の樹脂が含まれていてもよい。
[カルボジイミド化合物]
本発明において用いられるカルボジイミド化合物は下記式(II)で表される化合物である。
Figure 2018174202
式(II)中、Ar〜Arは各々独立に、芳香族基であり、これらは炭素数1〜6のアルキル基またはフェニル基で置換されていてもよい。Ar〜Arは各々独立に、炭素数1〜6のアルキル基もしくはフェニル基で置換されていてもよい、オルトフェニレン基または1,2−ナフタレン−ジイル基であることが好ましい。
炭素数1〜6のアルキル基として、メチル基、エチル基、n−プロピル基、sec−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基、sec−ブチル基、iso−ブチル基、n−ペンチル基、sec−ペンチル基、iso−ペンチル基、n−ヘキシル基、sec−ヘキシル基、iso−ヘキシル基等が挙げられる。かかる炭素数1〜6のアルキル基またはフェニル基の存在は、ポリマーとの相溶性を増加させ、環状カルボジイミド化合物の作用を高める効果が期待できる。また、環状カルボジイミド化合物の揮発性を抑制する効果が期待できる。
また、式(II)中、Xは2価若しくは4価の基である。Xが2価のときqは0で、Xが4価のときqは1である。
qが0であるとき、Xは、下記式(II−1)の2価の基であることが好ましい。
Figure 2018174202
式(II−1)中、nは1〜6の整数である。(II−1)の基として、メチレン基、エチレン基、1,3−プロピレン基、1,4−ブチレン基、1,5−ペンタン基、1,6−ヘキサン基が好ましい。1,3−プロピレン基、1,4−ブチレン基、1,5−ペンタン基、1,6−ヘキサン基において、酸素に直接結合していない炭素はそれぞれ炭素数1〜6のアルキル基、フェニル基の群より選択される少なくとも一種で置換されていてもよい。炭素数が1〜6のアルキル基として、メチル基、エチル基、n−プロピル基、sec−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基、sec−ブチル基、isoブチル基、n−ペンチル基、sec−ペンチル基、iso−ペンチル基、n−ヘキシル基、sec−ヘキシル基、iso−ヘキシル基等が例示される。
qが0であるとき、Xは、下記式(II−2)の基であることが好ましい。
Figure 2018174202
式(II−2)中、y及びzは各々独立に0〜3の整数である。m=0のメチレン基は単結合を表すものとする。Xが1,3−フェニレン基を有することにより、上記環状カルボジイミド化合物の安定性がより高まるという利点を有する。
qが0であるとき、Xは、下記式(II−3)の基であることが好ましい。
Figure 2018174202
式(II−3)中、RおよびRは各々独立に、炭素数1〜6のアルキル基またはフェニル基である。炭素数1〜6のアルキル基として、メチル基、エチル基、n−プロピル基、sec−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基、sec−ブチル基、iso−ブチル基、n−ペンチル基、sec−ペンチル基、iso−ペンチル基、n−ヘキシル基、sec−ヘキシル基、iso−ヘキシル基等が例示される。
qが1であるとき、Xは下記式(II−4)の4価の基であることが好ましい。
Figure 2018174202
環状カルボジイミド化合物の環状構造中の原子数は、好ましくは8〜50、より好ましくは10〜30、さらに好ましくは10〜20、特に好ましくは10〜115である。ここで、環状構造中の原子数とは、環構造を直接構成する原子の数を意味し、例えば、8員環であれば8、50員環であれば50である。環状構造中の原子数が8より小さいと、環状カルボジイミド化合物の安定性が低下して、保管、使用が困難となる場合があるためである。また反応性の観点よりは環員数の上限値に関しては特別の制限はないが、50を超える原子数の環状カルボジイミド化合物は合成上困難となり、コストが大きく上昇する場合が発生するためである。かかる観点より環状構造中の原子数は好ましくは10〜30、より好ましくは10〜20、特に好ましくは10〜15である。
環状カルボジイミド化合物の分子量は、好ましくは100〜1,000である。100より低いと、環状カルボジイミド化合物について構造の安定性や揮発性が問題となる場合がある。また1,000より高いと、環状カルボジイミドの製造上、希釈系での合成が必要となったり、収率が低下するため、コスト面で問題となる場合がある。かかる観点より、より好ましくは100〜750であり、さらに好ましくは250〜750である。
本発明の環状カルボジイミド化合物は1つ環の中に1個のカルボジイミド基を有する。1つの環の中に2個以上のカルボジイミド基を有する場合には、イソシアネート化合物が発生し、悪臭の原因となる可能性がある。
本発明の環状カルボジイミド化合物として以下の化合物が例示される。
Figure 2018174202

Figure 2018174202
上記環状カルボジイミド化合物の含有量は、エチレン−極性モノマー共重合体100質量部に対して、一般に0.01〜1質量部、好ましくは0.05〜0.75質量部、より好ましくは0.1〜0.3質量部である。この範囲であれば、十分な酸捕捉機能を確保できるだけでなく、架橋性及び透明性に優れる太陽電池用封止材とすることができる。
上記環状カルボジイミド化合物の平均粒径は、一般に1〜200μm、好ましくは1〜100μm、更に好ましくは20〜100μmである。この範囲とすることにより透明性に更に優れる太陽電池用封止材とすることができる。なお、平均粒径はレーザ回折散乱式粒度分布測定法により求められるメジアン径のことをいう。
上記環状カルボジイミド化合物は従来公知の方法により製造することができる。例えば、アミン体からイソシアネート体を経由して製造する方法、アミン体からイソチオシアネート体を経由して製造する方法、カルボン酸体からイソシアネート体を経由して製造する方法等が挙げられる。また、国際公開第2010/071211号に記載の方法によっても製造することができる。
[架橋剤]
本発明において使用する架橋剤は下記式(I)で表される有機過酸化物である。
Figure 2018174202
(式中、R及びRは各々独立に、炭素数1〜10のアルキル基である。)
及びRのアルキル基は直鎖状でも分岐状でもよい。Rは炭素数1〜6のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基が好ましく、特にt−ブチル基が好ましい。
は炭素数5〜10のアルキル基が好ましく、特に1−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、1−エチルペンチル基、2−エチルペンチル基、3−メチルペンチル基、1−メチルヘキシル基、2−メチルヘキシル基、3−メチルヘキシル基、1−エチルヘキシル基、2−エチルヘキシル基、3−エチルヘキシル基が好ましく、更に2−エチルヘキシル基が好ましい。
式(I)で表される架橋剤はt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルモノカーボネートであることが特に好ましい。
上記架橋剤を使用することにより他の架橋剤と比較して黄変が生じにくい太陽電池用封止材とすることができる。太陽電池用封止材における上記架橋剤の含有量は、エチレン−極性モノマー共重合体100質量部に対して、一般に0.1〜2.0質量部、好ましくは0.2〜1.5質量部である。この範囲より少ないと架橋効率が低下する場合があり、この範囲より多いと黄変の原因となる副生成物が多くなる恐れがある。
[紫外線吸収剤]
上述したとおり、本発明で使用する紫外線吸収剤はベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤である。ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤とは、ベンゾトリアゾール基を有する紫外線吸収剤のことをいう。好ましくは、下記式(III)で表されるベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤を使用することができる。
Figure 2018174202
式(III)中、R及びRは、それぞれ独立して、フェニル基で置換されていてもよい炭素数1〜15のアルキル基である。
フェニル基で置換されていてもよい炭素数1〜15のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基及びこれらの基の水素原子の一部がフェニル基で置換されたものが挙げられる。
式(III)において、R及びRがいずれとも2−フェニルプロピル基である化合物、又はRがn−ドデシル基であり、Rがメチル基である化合物が特に好ましい。
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤を使用することにより他の紫外線吸収剤と比較して黄変が生じにくい太陽電池用封止材とすることができる。紫外線吸収剤の含有量は、エチレン−極性モノマー共重合体100質量部に対して、一般に0.1〜0.5質量部、好ましくは0.1〜0.3質量部である。
上述したカルボジイミド化合物、架橋剤及び紫外線吸収剤の含有量については、架橋剤/カルボジイミド化合物の質量比が一般に7〜0.4、特に1〜3.5であることが好ましい。また、紫外線吸収剤/カルボジイミド化合物の質量比が一般に0.2〜4、特に0.5〜2であることが好ましい。これらの質量比の範囲内であれば、更に耐久性、黄変防止、架橋性の点で優れた効果を得ることが可能である。
本発明において、上記のカルボジイミド化合物は、環状構造を有するため分解しにくく安定であり、長期に亘り酸捕捉機能を発揮し続けることが可能となるだけでなく、太陽電池用封止材の架橋阻害を引き起こすこともない。また、この環状カルボジイミド化合物を上記特定の架橋剤及び紫外線吸収剤と併用することにより黄変防止や透明性の点に優れる太陽電池用封止材を得ることができる。
本発明の太陽電池用封止材は、上述した架橋剤、紫外線吸収剤及びカルボジイミド化合物の他、下記の他の成分を含んでいてもよい。
[架橋助剤]
本発明の太陽電池用封止材は、さらに架橋助剤を含んでいることが好ましい。架橋助剤は、エチレン−極性モノマー共重合体のゲル分率を向上させ、太陽電池用封止材の接着性、耐候性を向上させることができる。
架橋助剤(官能基としてラジカル重合性基を有する化合物)としては、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート等の3官能の架橋助剤の他、(メタ)アクリルエステル(例、NKエステル等)の単官能又は2官能の架橋助剤等を挙げることができる。なかでも、トリアリルシアヌレートおよびトリアリルイソシアヌレートが好ましく、特にトリアリルイソシアヌレートが好ましい。
架橋助剤の含有量は、エチレン−極性モノマー共重合体100質量部に対して、通常0.1〜5質量部、好ましくは0.1〜3質量部、特に好ましくは0.5〜2.5質量部で使用される。これにより、更に架橋後の硬度が向上した封止材が得られる。
[接着性向上剤]
本発明の太陽電池用封止材においては、更に、接着向上剤を含んでいても良い。接着向上剤としては、シランカップリング剤を用いることができる。これにより、更に優れた接着力を有する太陽電池用封止材とすることができる。シランカップリング剤としては、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、ビニルトリクロロシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシランを挙げることができる。これらシランカップリング剤は、単独で使用しても、又は2種以上組み合わせて使用しても良い。なかでも、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランが特に好ましく挙げられる。
本発明の太陽電池用封止材におけるシランカップリング剤の含有量は、エチレン−極性モノマー共重合体100質量部に対して5質量部以下、好ましくは0.1〜2質量部であることが好ましい。
[その他]
本発明の太陽電池用封止材は、膜の種々の物性(機械的強度、透明性等の光学的特性、耐熱性、耐光性、架橋速度等)の改良あるいは調整、特に機械的強度の改良のため、必要に応じて、可塑剤、アクリロキシ基含有化合物、メタクリロキシ基含有化合物及び/又はエポキシ基含有化合物などの各種添加剤をさらに含んでいてもよい。
[太陽電池用封止材の製造]
太陽電池用封止材を形成するには、公知の方法に準じて行えばよい。例えば、上述した各成分を含む本発明の太陽電池用封止材を、通常の押出成形、又はカレンダー成形(カレンダリング)等により成形してシート状物を得る方法により製造することができる。本発明の太陽電池用封止材の厚さは特に制限されないが、0.05〜2mm、好ましくは0.3〜0.8mm、更に好ましくは0.4〜0.7mmである。太陽電池用封止材は複層構造でも単層構造でもよい。
[太陽電池モジュール]
本発明の太陽電池モジュールの構造は、本発明の太陽電池用封止材を用いて太陽電池素子が封止された構造を含んでいれば特に制限されない。例えば、表面側透明保護部材と裏面側保護部材との間に、本発明の太陽電池用封止材を介在させて架橋一体化させることにより太陽電池素子(単結晶又は多結晶シリコンセル等)を封止させた構造などが挙げられる。
なお、本発明において、太陽電池素子の光が照射される側(表面側)を「表面側」と称し、太陽電池素子の受光面とは反対面側を「裏面側」と称する。
太陽電池モジュールにおいて、太陽電池素子を十分に封止するには、例えば、図1に示すように表面側透明保護部材11、表面側封止材13A、太陽電池素子14、裏面側封止材13B及び裏面側保護部材12を積層し、加熱加圧など常法に従って、封止材を架橋硬化させればよい。
加熱加圧するには、例えば、各部材を積層した積層体を、真空ラミネータで温度135〜180℃、さらに140〜180℃、脱気時間0.1〜5分、プレス圧力0.1〜1.5kg/cm2、プレス時間5〜15分で加熱圧着すればよい。
この加熱加圧時に、表面側封止材13Aおよび裏面側封止材13Bに含まれるエチレン−極性モノマー共重合体を架橋させることにより、表面側封止材13Aおよび裏面側封止材13Bを介して、表面側透明保護部材11、裏面側透明部材12、および太陽電池素子14を一体化させて、太陽電池素子14を封止することができる。太陽電池素子14は接続タブ15で互いに電気的に接続される。
なお、本発明の太陽電池用封止材は、図1に示したような単結晶又は多結晶のシリコン結晶系の太陽電池セルを用いた太陽電池モジュールだけでなく、薄膜シリコン系、薄膜アモルファスシリコン系太陽電池、セレン化銅インジウム(CIS)系太陽電池等の薄膜太陽電池モジュールの封止材にも使用することもできる。この場合は、例えば、ガラス基板、ポリイミド基板、フッ素樹脂系透明基板等の表面側透明保護部材の表面上に化学気相蒸着法等により形成された薄膜太陽電池素子層上に、本発明の太陽電池用封止材、裏面側保護部材を積層し、接着一体化させた構造、裏面側保護部材の表面上に形成された太陽電池素子上に、本発明の太陽電池用封止材、表面側透明保護部材を積層し、接着一体化させた構造、又は表面側透明保護部材、表面側封止材、薄膜太陽電池素子、裏面側封止材、及び裏面側保護部材をこの順で積層し、接着一体化させた構造等が挙げられる。なお、本発明において、太陽電池セルや薄膜太陽電池素子を総称して太陽電池素子という。
表面側透明保護部材11は、通常珪酸塩ガラスなどのガラス基板であるのがよい。ガラス基板の厚さは、0.1〜10mmが一般的であり、0.3〜5mmが好ましい。ガラス基板は、一般に、化学的に、或いは熱的に強化させたものであってもよい。
裏面側保護部材12は、ポリエチレンテレフタレート(PET)やポリアミドなどのプラスチックシートが好ましく用いられる。また、耐熱性、耐湿熱性を考慮してフッ化ポリエチレンシート、特にフッ化ポリエチレンシート/Al/フッ化ポリエチレンシートをこの順で積層させたフィルムでも良い。また、ガラス板でもよい。
本発明で用いられる環状カルボジイミドはPET等のポリエステルの加水分解を防止する機能も有する。したがって、裏面側保護部材としてPETなどのポリエステルフィルムを使用し、裏面側封止剤として本発明の太陽電池用封止材を使用した場合、裏面側封止材には含まれる環状カルボジイミドが裏面側封止材と接することとなるので、裏面側保護部材としてのポリエステルフィルムの劣化を防止することが可能である。
本発明において、太陽電池用封止材を架橋した後、温度121℃、相対湿度100%RH、2気圧の環境条件で240時間のプレッシャークッカー(PCT)試験を行った後、その太陽電池用封止材を取り出して0.5gの試験片を秤量し、これを2mlのアセトンに48時間浸漬した後、アセトン抽出液に含まれる遊離酢酸量は一般に250ppm以下、特に150ppm以下となり、過酷な環境下でも酸捕捉機能を十分に発揮することが可能である。
なお、本発明の太陽電池用封止材は、太陽電池モジュール(薄膜太陽電池モジュールを含む)の表面側及び/又は裏面側に用いられる封止材に特徴を有する。したがって、表面側透明保護部材、裏面側保護部材、および太陽電池素子などの封止材以外の部材については、従来公知の太陽電池モジュールと同様の構成を有していればよく、特に制限されない。
以下、本発明を実施例により詳細に説明する。
[1]太陽電池用封止材の作製
下記表に示す配合で各材料をロールミルに供給し、75℃で混練することにより、本発明の太陽電池用封止材を得た。この組成物を、70℃でカレンダー成形し、放冷後、シート状の太陽電池用封止材(厚さ:0.5mm)を作製した。
[2]評価用積層体の作製
白板ガラス(厚さ3.2mm)、上記太陽電池用封止材、白板ガラス(厚さ3.2mm)の順に積層し、得られた積層体を真空ラミネータを用いて90℃において真空時間2分、プレス時間9分で圧着した後、155℃のオーブン中で30分間加熱して架橋効果させることにより、評価用積層体を作製した。
[3]太陽電池モジュールの作製
白板ガラス(厚さ3.2mm)、上記太陽電池用封止材、太陽電池セル、上記太陽電池用封止材、バックシートの順に積層して積層体を得た後、この積層体を真空ラミネータを用いて90℃にて真空時間2分、プレス時間8分で圧着した後、155℃のオーブン中で30分間加熱した架橋硬化させることにより太陽電池モジュールを得た。
[4]光線透過率
上記評価用積層体ついて、分光光度計(日立製作所製、U−4100)を用いて400〜1000nmのスペクトル測定を面内の複数箇所で実施し、その平均値を光線透過率(%)とした。
[5]ヘイズ
上記評価用積層体ついて、JIS K 7105(2000年)に従って、ヘイズメーター(日本電色工業株式会社製 NDH 2000型)を用いてヘイズ値(%)を測定した。
[6]酢酸発生量
上記評価用積層体を温度121℃、相対湿度100%RH、2気圧の環境条件で240時間のプレッシャークッカー(PCT)試験を行い、試験後の酢酸発生量を測定した。酢酸発生量の測定は、試験後の積層体から太陽電池用封止材を取り出して0.5gの試験片を秤量し、これを2mlのアセトンに48時間浸漬した後、アセトン抽出液に含まれる酢酸量(ppm)をガスクロマトグラフを用いて測定した。
[7]黄色度(YI)
上記評価用積層体を、s−UV照射試験機(アイスーパーUVテスター(岩崎電気社製)を用いて、光源としてメタルハライドランプを使用して、照射強度1000W/mで紫外線を200時間照射した。照射後の黄色度(YI)を、色差計(カラーコンピューターSM−5−IS−2B、スガ試験機株式会社製)を用いて、JIS−K−7105(1981)に準拠して測定した。
[8]キュアトルク
[1]で製造した太陽電池用封止材を5g秤量し、温度条件150℃で加熱し、15分後のトルク値をキュラストメーター(日本合成ゴム社製)にて読み取ることにより測定した。
[9]発電効率維持率
上記太陽電池モジュールを温度121℃、相対湿度100%RH、2気圧の環境条件で160時間のプレッシャークッカー(PCT)試験を行った。試験前後で、太陽電池モジュールの最大出力(Pmax)を測定し、発電効率維持率((試験後Pmax/試験前Pmax)×100(%))を算出した。
結果を下記表に示す。使用した各材料の詳細は以下のとおりである。
・ポリマー:EVA(酢酸ビニル含有率26質量%)
・架橋剤1:t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルモノカーボネート
・架橋剤2:2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン
・架橋助剤:トリアリルイソシアヌレート
・シランカップリング剤:γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン
・紫外線吸収剤1:上記式(III)においてRがn−ドデシル基であり、Rがメチル基である化合物(BASF製チヌビン571)
・紫外線吸収剤2:上記式(III)においてR及びRがいずれとも2−フェニルプロピル基である化合物(BASF製チヌビン234)
・紫外線吸収剤3:2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン
・紫外線吸収剤4:ユビナール3049
・カルボジイミド化合物1−1:帝人(株)製「環状カルボジイミド(TCC)」(平均粒径50μm)
・カルボジイミド化合物1−2:帝人(株)製「環状カルボジイミド(TCC)」(平均粒径100μm)
・カルボジイミド化合物1−3:帝人(株)製「環状カルボジイミド(TCC)」(平均粒径180μm)
・カルボジイミド化合物1−4:帝人(株)製「環状カルボジイミド(TCC)」(平均粒径20μm)
カルボジイミド化合物1−1〜1−4は上記式(II)の化合物である。
・カルボジイミド化合物2:直鎖状カルボジイミド
・受酸剤:水酸化マグネシウム
Figure 2018174202
Figure 2018174202
11 表面側透明保護部材
12 裏面側保護部材
13A 表面側封止材
13B 裏面側封止材
14 太陽電池素子
15 接続タブ

Claims (9)

  1. エチレン−極性モノマー共重合体、架橋剤、紫外線吸収剤、カルボジイミド化合物を含む太陽電池用封止材であって、
    前記架橋剤が、下記式(I)
    Figure 2018174202
    (式中、R及びRは各々独立に、炭素数1〜10のアルキル基である。)
    で表され、
    前記紫外線吸収剤が、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤であり、
    前記カルボジイミド化合物が、下記式(II)
    Figure 2018174202
    (式中、
    Xは、下記式(II−1)〜(II−3)で表される2価の基または下記式(II−4)で表される4価の基であり、
    Xが2価のときqは0で、Xが4価のときqは1であり、
    Ar〜Arは、各々独立に芳香族基であり、これらは炭素数1〜6のアルキル基またはフェニル基で置換されていてもよい。)
    Figure 2018174202
    (式中、nは1〜6の整数である。)
    Figure 2018174202
    (式中、y及びzは各々独立に0〜3の整数である。)
    Figure 2018174202
    (式中、R及びRは各々独立に、炭素数1〜6のアルキル基、フェニル基を表す。)
    Figure 2018174202
    で表される環状カルボジイミド化合物であることを特徴とする太陽電池用封止材。
  2. 前記紫外線吸収剤が、下記式(III)
    Figure 2018174202
    (式中、R及びRは各々独立に、フェニル基で置換されていてもよい炭素数1〜15のアルキル基である。)
    で表される、請求項1に記載の太陽電池用封止材。
  3. 前記式(II)において、Ar〜Arは各々独立に、炭素数1〜6のアルキル基もしくはフェニル基で置換されていてもよい、オルトフェニレン基または1,2−ナフタレン−ジイル基である、請求項1又は2に記載の太陽電池用封止材。
  4. 前記架橋剤が、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルモノカーボネートである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の太陽電池用封止材。
  5. 前記カルボジイミド化合物の平均粒径が1〜100μmである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の太陽電池用封止材。
  6. 前記架橋剤の含有量が、前記エチレン−極性モノマー共重合体100質量部に対して、0.1〜0.5質量部である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の太陽電池用封止材。
  7. 前記紫外線吸収剤が、前記エチレン−極性モノマー共重合体100質量部に対して、0.1〜0.5質量部である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の太陽電池用封止材。
  8. 前記カルボジイミド化合物が、前記エチレン−極性モノマー共重合体100質量部に対して、0.01〜1質量部である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の太陽電池用封止材。
  9. 表面側透明保護部材、太陽電池素子及び裏面側保護部材を有する太陽電池モジュールであって、
    前記太陽電池素子が請求項1〜8のいずれか1項に記載の太陽電池用封止材により封止されていることを特徴とする太陽電池モジュール。
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