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JP2018174263A - 光電変換装置 - Google Patents

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Tetsufumi Otani
哲史 大谷
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将典 福田
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Abstract

【課題】シリコン系太陽電池を窓ガラス等に設置した場合における、光劣化による変換効率の低下を抑制する。【解決手段】本開示に係る光電変換装置は、透光性基板の裏面側に、アモルファスシリコン光電変換部と、微結晶シリコン光電変換部と、を少なくともこの順に含む光電変換装置であって、400nm〜750nmの波長領域における前記アモルファスシリコン光電変換部の分光感度積分電流値と、400nm〜750nmの波長領域における前記微結晶シリコン光電変換部の分光感度積分電流値の内、小さい方の値を大きい方の値で割った第1の値が、エアマス1.5の太陽光スペクトルに含まれる波長領域における前記アモルファスシリコン光電変換部の分光感度積分電流値と、エアマス1.5の太陽光スペクトルに含まれる波長領域における前記微結晶シリコン光電変換部の分光感度積分電流値の内、小さい方の値を大きい方の値で割った第2の値よりも大きい。【選択図】図2

Description

本発明は、光電変換装置に関する。
下記特許文献1には、ペアガラスの内側に太陽電池が配置された窓ガラスが開示されている。また、このペアガラスの内側に配置される太陽電池としてアモルファスシリコン太陽電池を用いることが開示されている。
ペアガラスの内側に配置される太陽電池は、ペアガラスの透過率によって受光できる波長範囲が制限されるが、このような受光可能な波長範囲が制限されるような状況下においても、比較的高い変換効率を得やすいアモルファスシリコン太陽電池が適していた。
国際公開第2011/158568号
しかし、従来のアモルファスシリコン太陽電池は光劣化が大きく、長期的に高い変換効率を維持することが難しかった。そのため、交換が困難である窓ガラス等への設置など、建材一体型太陽光発電(BIPV: Building-integrated photovoltaics)用途への使用については課題があった。
本開示は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、光劣化の影響が少ない、アモルファスシリコン光電変換部と微結晶シリコン光電変換部とを有するタンデム型太陽電池を窓ガラス等に設置した場合において、高い変換効率を得ることにある。
(1)本開示に係る光起電装置は、透光性基板の裏面側に、アモルファスシリコン光電変換部と、微結晶シリコン光電変換部と、を少なくともこの順に含む光電変換装置であって、400nm〜750nmの波長領域における前記アモルファスシリコン光電変換部の分光感度積分電流値と、400nm〜750nmの波長領域における前記微結晶シリコン光電変換部の分光感度積分電流値の内、小さい方の値を大きい方の値で割った第1の値が、エアマス1.5の太陽光スペクトルに含まれる波長領域における前記アモルファスシリコン光電変換部の分光感度積分電流値と、エアマス1.5の太陽光スペクトルに含まれる波長領域における前記微結晶シリコン光電変換部の分光感度積分電流値の内、小さい方の値を大きい方の値で割った第2の値よりも大きい。
(2)上記(1)における光起電装置において、前記透光性基板は、ガラス基材の裏面側に配置され、前記ガラス基材は、紫外光領域、及び赤外光領域の透過率が、可視光領域の透過率よりも低い構成としてもよい。
(3)上記(1)〜(2)における光起電装置において、前記透光性基板と前記アモルファスシリコン光電変換部との間に設けられた透明導電膜を更に含み、前記透明導電膜は、SnO又はZnOを含む構成としてもよい。
(4)上記(1)〜(3)における光電変換装置において、前記微結晶シリコン光電変換部の裏面側に設けられた裏面反射電極層を更に含み、前記裏面反射電極層は、Ag、Al、及びそれらの合金の内のいずれかを含む構成としてもよい。
(5)上記(4)における光電変換装置において、前記微結晶シリコン光電変換部と前記裏面反射電極層との間に設けられた透明電極層を更に含み、前記透明電極層は、ZnO又はITOを含む構成としてもよい。
(6)上記(1)〜(5)における光電変換装置において、前記アモルファスシリコン光電変換部の膜厚が、前記微結晶シリコン光電変換部の膜厚の7%以下である構成としてもよい。
図1は本実施形態に係る光電変換装置がガラス基材に設置された状態の概略を示す平面図である。 図2は本実施形態に係る光電変換装置の概略を示す断面図である。 図3は本実施形態に係るアモルファスシリコン光電変換部と微結晶シリコン光電変換部の分光感度特性図である。 図4は本実施形態における一実施例及び比較例の光電変換装置の標準試験条件下における特性表である。 図5は本実施形態における一実施例及び比較例の光電変換装置の紫外光、赤外光カット下における特性表である。 図6は本実施形態における一実施例及び比較例の光電変換装置のエアマス1.5の太陽光スペクトルに含まれる波長領域における分光感度積分電流値及び第2の値を示す表である。 図7は本実施形態における一実施例及び比較例の光電変換装置の400nm〜750nmの波長領域における分光感度積分電流値及び第1の値を示す表である。
本開示の実施形態について、図面を用いて以下に説明する。
図1は、窓などに用いられるガラス基材200の裏面側に本実施形態に係る光電変換装置100が設置された状態の概略を示す平面図である。
図1に示すように、ガラス基材200は、間隔を隔てて配置された複数の光電変換装置100の受光面側を覆うように設けられている。複数の光電変換装置100は、例えば一方向に延伸する形状をしており、各光電変換装置100は、例えばガラス基材200の端部領域に配置されている。光電変換装置100は、例えば封止材などによってガラス基材200に固定されている。
ここで、ガラス基材200は、建物の窓などに用いられるガラス基材であり、室内及び太陽電池の表面に太陽光を入射させるよう、一般的に透過率の高い材料により構成されている。
ただし、近年、太陽光に含まれる赤外光や紫外光をカットするタイプのガラス基材が多く用いられており、本実施形態に係るガラス基材200も、赤外光、紫外光の透過率が可視光領域の透過率と比較して著しく低いタイプのガラス基材200を用いる。本実施形態におけるガラス基材200としては、200nm〜400nmの波長領域における90%以上の波長領域の透過率が、可視光領域の透過率の最小値よりも低く、且つ750nm〜1400nmの波長領域における95%以上の波長領域の透過率が、可視光領域の透過率の最小値よりも低いものを使用している。即ち、本実施形態におけるガラス基材200は、200nm〜1400nmの波長領域において、紫外光領域における90%以上の波長領域の透過率、及び赤外光領域における95%以上の波長領域の透過率が、可視光領域の透過率の最小値よりも低い。
図2は、本実施形態に係る光電変換装置100の概略を示す断面図である。
図2に示すように、本開示の光電変換装置100は、透光性基板10を有しており、当該透光性基板10が、ガラス基材200の裏面側に配置される。透光性基板10は透過率の高いガラスなどの材料により構成している。
透光性基板10の裏面側には第1の透明導電膜20が設けられている。第1の透明導電膜20としては、例えばSnOやZnOなどを用いることができる。第1の透明導電膜20は、全波長領域において、比較的に高い透過率を有するが、赤外光成分、及び紫外光成分の一部を吸収する。
第1の透明導電膜20の裏面側には、アモルファスシリコン光電変換部30が設けられている。アモルファスシリコン光電変換部30は、第1の透明導電膜20の裏面側に設けられたp型アモルファスシリコンカーバイド層36と、このp型アモルファスシリコンカーバイド層36の裏面側に設けられたノンドープi型アモルファスシリコン光電変換層34と、ノンドープi型アモルファスシリコン光電変換層34の裏面側に設けられたn型シリコン層32とを有している。
アモルファスシリコン光電変換部30は、そのp型アモルファスシリコンカーバイド層36側から、ガラス基材200、透光性基板10、第1の透明導電膜20に透過された光を受光し、主にノンドープi型アモルファスシリコン光電変換層34において、光電変換が行われる。なお、本実施形態においては、ノンドープi型アモルファスシリコン光電変換層34の受光面側に配置されるp型アモルファスシリコン層として、p型アモルファスシリコンカーバイド層36を用いたが、本発明はこれに限定されない。
上述した通り、ガラス基材200が紫外光、及び赤外光をカットするため、アモルファスシリコン光電変換部30には、およそ400nmから750nmの光が入射する。ここで、アモルファスシリコン光電変換部30と微結晶シリコン光電変換部40の分光感度特性を示す図3に示されるように、アモルファスシリコン光電変換部30は300nmから700nm付近までの波長範囲に感度を有しており、このような紫外光、及び赤外光をカットするガラス基材200に取り付ける光電変換装置100として適していることがわかる。
一方で、アモルファスシリコン光電変換部30は、光劣化を起こすという課題を有している。
本実施形態に係る光電変換装置100は、このアモルファスシリコン光電変換部30の裏面側に、微結晶シリコン光電変換部40が設けられており、所謂タンデム型太陽電池を構成している。
微結晶シリコン光電変換部40は、アモルファスシリコン光電変換部30の裏面側に設けられたp型微結晶シリコン層46と、このp型微結晶シリコン層46の裏面側に設けられたi型微結晶シリコン光電変換層44と、i型微結晶シリコン光電変換層44の裏面側に設けられたn型微結晶シリコン層42とを有している。
この微結晶シリコン光電変換部40は、そのp型微結晶シリコン層46側から、アモルファスシリコン光電変換部30に透過された光を受光し、主にi型微結晶シリコン光電変換層44において、光電変換が行われる。
ここで、図3に示されるように、微結晶シリコン光電変換部40はアモルファスシリコン光電変換部30よりも長波長側に高い分光感度を有しており、およそ500nmから1000nm付近までの波長範囲に感度を有している。従って、微結晶シリコン光電変換部40は、アモルファスシリコン光電変換部30で吸収されなかった長波長光を効率よく吸収し、発電に寄与させることが可能である。
また、微結晶シリコン光電変換部40は、アモルファスシリコン光電変換部30と異なり、光劣化を起こさないため、微結晶シリコン光電変換部40とアモルファスシリコン光電変換部30とを接合する本開示の構成とすることにより、光劣化により変換効率が低下する割合を、アモルファスシリコン太陽電池のみで構成された光電変換装置と比較して小さくすることができる。
ただし、本開示において、この微結晶シリコン光電変換部40が効率よく発電に寄与させることができる長波長光の内、赤外光に関しては、上述したガラス基材200によりカットされている。そのため、およそ750nmよりも長波長側の光に関しては、発電に寄与させることができず、微結晶シリコン光電変換部40において発生する電流値が小さくなってしまう。
この微結晶シリコン光電変換部40において発生する電流値が小さくなってしまうと、この微結晶シリコン光電変換部40に直列接続されているアモルファスシリコン光電変換部30において発生する電流値が、微結晶シリコン光電変換部40において発生する電流値に制限されてしまい、その結果として、光電変換装置100全体として高い変換効率を期待できなくなってしまう。
そのため、本開示においては、400nm〜750nmの波長領域におけるアモルファスシリコン光電変換部30の分光感度積分電流値と、400nm〜750nmの波長領域における微結晶シリコン光電変換部40の分光感度積分電流値の内、小さい方の値を大きい方の値で割った第1の値が、エアマス1.5の太陽光スペクトルに含まれる波長領域におけるアモルファスシリコン光電変換部30の分光感度積分電流値と、エアマス1.5の太陽光スペクトルに含まれる波長領域における微結晶シリコン光電変換部40の分光感度積分電流値の内、小さい方の値を大きい方の値で割った第2の値よりも大きい構成としている。
なお、分光感度積分電流値とは、分光感度にエアマス1.5の太陽光スペクトル強度を波長毎に乗じ、所定の波長領域において積分し算出される出力電流密度のことをいう。
このような構成とすることにより、紫外光、赤外光がカットされたガラス基材200に取り付けられた光電変換装置100であっても、微結晶シリコン光電変換部40において発生する電流値によって、アモルファスシリコン光電変換部30において発生する電流値が、著しく制限されることを抑制することができ、且つアモルファスシリコン光電変換部30において発生する電流値によって、微結晶シリコン光電変換部40において発生する電流値が、著しく制限されることを抑制することができる。更に、光電変換装置100が、微結晶シリコン光電変換部40を有するため、光劣化による変換効率の低下を抑制することができ、更に広い波長範囲での発電を可能とすることができる。以下、この構成について詳述する。
まず、アモルファスシリコン光電変換部30において発生する電流値と微結晶シリコン光電変換部40において発生する電流値の内、小さい方の値を大きい方の値で割った値が大きければ大きいほど、電流マッチングが適切に行えていることを示す。そして、400nm〜750nmの波長領域の光を照射した場合において、アモルファスシリコン光電変換部30の分光感度積分電流値と、微結晶シリコン光電変換部40の分光感度積分電流値の内、小さい方の値を大きい方の値で割った第1の値は、本開示のように、紫外光、赤外光がカットされた状態の光電変換装置100における電流マッチングの度合いを示す。この第1の値が、エアマス1.5の太陽光スペクトルに含まれる波長領域における電流マッチングの度合いを示す第2の値よりも大きい値となる構成とすることにより、紫外光、及び赤外光がカットされたガラス基材200に取り付けられた光電変換装置100であっても、微結晶シリコン光電変換部40において発生する電流値によって、アモルファスシリコン光電変換部30において発生する電流値が、著しく制限されることを抑制することができる。
図4は、本実施形態における一実施例及び比較例の光電変換装置の標準試験条件(日射強度が1000W/m2、エアマスが1.5、光電変換装置の温度が25±2℃の試験条件)下における特性表である。本実施形態に係る光電変換装置100は、トップセルとしてアモルファスシリコン光電変換部30を有し、ボトムセルとして微結晶シリコン光電変換部40を有する。図4においては、本実施形態における一実施例の光電変換装置100の変換効率、及び短絡電流密度(Jsc)を1とし、比較例1〜3の光電変換装置の変換効率及び短絡電流密度を、一実施例の変換効率及び短絡電流密度に対する相対値で表示している。また、本実施形態における一実施例においては、図4に示すように、アモルファスシリコン光電変換部30の膜厚を130nmとし、微結晶シリコン光電変換部40の膜厚を2300nmとしており、アモルファスシリコン光電変換部30の膜厚が、微結晶シリコン光電変換部40の膜厚のおよそ5.7%となっている。
図6は、本実施形態における一実施例及び比較例の光電変換装置の、エアマス1.5の太陽光スペクトルに含まれる波長領域における分光感度積分電流値、及び第2の値を示す表である。この図6においては、本実施形態における一実施例の光電変換装置100の、エアマス1.5の太陽光スペクトルに含まれる波長領域におけるトップセルの分光感度積分電流値を1とし、比較例1〜3の光電変換装置のエアマス1.5の太陽光スペクトルに含まれる波長領域におけるトップセルの分光感度積分電流値を、一実施例の光電変換装置100のトップセルの分光感度積分電流値に対する相対値で表示している。また、一実施例の光電変換装置100及び比較例1〜3の光電変換装置のエアマス1.5の太陽光スペクトルに含まれる波長領域におけるボトムセルの分光感度積分電流値を、一実施例の光電変換装置100のトップセルの分光感度積分電流値に対する相対値で表示している。
また、図6においては、一実施例の光電変換装置100及び比較例2、3の光電変換装置における、エアマス1.5の太陽光スペクトルに含まれる波長領域におけるトップセルの分光感度積分電流値と、ボトムセルの分光感度積分電流値の内、小さい方の値を大きい方の値で割った第2の値を表示している。なお、比較例1の光電変換装置は、アモルファスシリコン光電変換部のみを有する構成のため、第2の値を持たない。
本実施形態における一実施例の構成においては、ボトムセルである微結晶シリコン光電変換部40の分光感度積分電流値が、トップセルであるアモルファスシリコン光電変換部30の分光感度積分電流値よりも大きくなっている。従って、トップセルであるアモルファスシリコン光電変換部30の分光感度積分電流値の相対値である1を、ボトムセルである微結晶シリコン光電変換部40の分光感度積分電流値の相対値である1.58で割った値である0.63が、エアマス1.5の太陽光スペクトルに含まれる波長領域における電流マッチングの度合いを示し、これが上述した第2の値となる。
図4に示す比較例1としては、アモルファスシリコン太陽電池のみで構成される光電変換装置を用いており、270nmの膜厚を有する。標準試験条件下において、比較例1の変換効率の相対値は0.93と、上述した実施例よりも若干低く、短絡電流密度の相対値は1.57となっている。また、図6に示すように、エアマス1.5の太陽光スペクトルに含まれる波長領域における分光感度積分電流値の相対値は1.57となっている。
図4に示す比較例2としては、本実施形態における一実施例としての光電変換装置100と同様に、トップセルとしてアモルファスシリコン光電変換部を有し、ボトムセルとして微結晶シリコン光電変換部を有するタンデム型太陽電池を用いている。アモルファスシリコン光電変換部の膜厚を230nmとしており、上述した本実施形態における一実施例よりも厚くしている。また、微結晶シリコン光電変換部の膜厚を2300nmと、本実施形態における一実施例と同じ膜厚としている。標準試験条件下において、比較例2の変換効率の相対値は1.25であり、本実施形態における一実施例よりも高く、短絡電流密度の相対値は1.31となっている。
ここで、図6に示すように、比較例2の光電変換装置においては、エアマス1.5の太陽光スペクトルに含まれる波長領域におけるトップセルの分光感度積分電流値の相対値は1.30となっており、本実施形態における一実施例の分光感度積分電流値の相対値よりも高い値となっている。これは、アモルファスシリコン光電変換部の膜厚を、一実施例よりも厚い構成としているためである。一方、エアマス1.5の太陽光スペクトルに含まれる波長領域におけるボトムセルの分光感度積分電流値の相対値は1.32となっており、本実施形態における一実施例よりも低い値となっている。これは、アモルファスシリコン光電変換部の膜厚を、一実施例よりも厚い構成としているため、アモルファスシリコン光電変換部に透過される光が減少し、微結晶シリコン光電変換部に入射する光が減少しているためである。
比較例2において、トップセルの分光感度積分電流値の相対値である1.30を、ボトムセルの分光感度積分電流値の相対値である1.32で割った第2の値が0.99となっており、本実施形態における一実施例よりも高い値となっている。即ち、この比較例2は、エアマス1.5の太陽光スペクトルに含まれる波長領域においては、本実施形態における一実施例と比較して、電流マッチング度合いが高く、微結晶シリコン光電変換部の分光感度の積分値と、アモルファスシリコン光電変換部の分光感度の積分値とが非常に近い値となっている。
図4に示す比較例3としては、本実施形態における一実施例としての光電変換装置100と同様に、トップセルとしてアモルファスシリコン光電変換部を有し、ボトムセルとして微結晶シリコン光電変換部を有するタンデム型太陽電池を用いている。アモルファスシリコン光電変換部の膜厚を180nmとしており、上述した本実施形態における一実施例よりも厚くしている。また、微結晶シリコン光電変換部40の膜厚を2300nmと、一実施例と同じ膜厚としている。標準試験条件下において、比較例3の変換効率の相対値は1.17であり、本実施形態における一実施例よりも高く、短絡電流密度の相対値は1.18となっている。
ここで、図6に示すように、比較例3の光電変換装置においては、エアマス1.5の太陽光スペクトルに含まれる波長領域におけるトップセルの分光感度積分電流値の相対値は1.18となっており、本実施形態における一実施例の分光感度積分電流値の相対値よりも高い値となっている。これは、アモルファスシリコン光電変換部の膜厚を、一実施例よりも厚い構成としているためである。一方、エアマス1.5の太陽光スペクトルに含まれる波長領域におけるボトムセルの分光感度積分電流値の相対値は1.48となっており、本実施形態における一実施例よりも低い値となっている。これは、アモルファスシリコン光電変換部の膜厚を、一実施例よりも厚い構成としているため、アモルファスシリコン光電変換部に透過される光が減少し、微結晶シリコン光電変換部に入射する光が減少しているためである。
比較例3において、トップセルの分光感度積分電流値の相対値である1.18を、ボトムセルの分光感度積分電流値の相対値である1.48で割った第2の値が0.79となっており、本実施形態における一実施例よりも高く、比較例2よりも低い値となっている。即ち、この比較例3は、エアマス1.5の太陽光スペクトルに含まれる波長領域においては、本実施形態における一実施例よりも電流マッチング度合いが高く、比較例2よりも電流マッチング度合いが低くなっている。
図5は本実施形態における一実施例及び比較例の光電変換装置の紫外光、赤外光カット下における特性表であり、各光電変換装置100を紫外光、赤外光カットガラスに設置した状態におけるシミュレーション値の相対値を表示している。この図5においては、図4に示した一実施例の光電変換装置100の標準試験条件下における、変換効率、及び短絡電流密度(Jsc)を1とし、一実施例の光電変換装置100、及び比較例1〜3の光電変換装置の紫外光、赤外光カットガラスに設置した状態における変換効率及び短絡電流密度のシミュレーション値を、一実施例の光電変換装置100の標準試験条件下における、変換効率、及び短絡電流密度に対する相対値で表示している。
図5に示すように、一実施例の光電変換装置100の紫外光、赤外光カットガラスに設置した状態における変換効率の相対値は0.50、短絡電流密度の相対値は0.51となっている。紫外光、赤外光カットガラス設置下においては、各波長域における光が吸収、又は反射され、光電変換装置100に入射する量が減少しており、特に、紫外光領域、及び赤外光領域における光の入射は略無い状態となっている。そのため、短絡電流密度が大きく低下しており、それに伴って変換効率が低下しているものと推測される。
図7は、本実施形態における一実施例及び比較例の光電変換装置の、400〜750nmの波長領域における分光感度積分電流値、及び第1の値を示す表である。この図7においては、本実施形態における一実施例の光電変換装置100の、エアマス1.5の太陽光スペクトルに含まれる波長領域におけるトップセルの分光感度積分電流値を1とし、400〜750nmの波長領域における、一実施例の光電変換装置100及び比較例1〜3の光電変換装置のトップセルの分光感度積分電流値及びボトムセル分光感度積分電流値を、エアマス1.5の太陽光スペクトルに含まれる波長領域における一実施例の光電変換装置100のトップセルの分光感度積分電流値に対する相対値で表示している。
また、図7においては、一実施例の光電変換装置100及び比較例2、3の光電変換装置における、400〜750nmの波長領域におけるトップセルの分光感度積分電流値と、ボトムセルの分光感度積分電流値の内、小さい方の値を大きい方の値で割った第1の値を表示している。なお、比較例1の光電変換装置は、アモルファスシリコン光電変換部のみを有する構成のため、第1の値を持たない。
本実施形態における一実施例の構成においては、400〜750nmまでの波長範囲において、トップセルであるアモルファスシリコン光電変換部30の分光感度積分電流値の相対値が0.93となっており、エアマス1.5の太陽光スペクトルに含まれる波長領域におけるアモルファスシリコン光電変換部30の分光感度積分電流値の相対値から若干低下していることがわかる。
一方、400〜750nmまでの波長範囲において、ボトムセルである微結晶シリコン光電変換部40の分光感度積分電流値の相対値が0.99となっており、エアマス1.5の太陽光スペクトルに含まれる波長領域における微結晶シリコン光電変換部40の分光感度積分電流値の相対値である1.58から大幅に低下していることがわかる。これは、図3における微結晶シリコンの分光感度特性に示されるように、微結晶シリコン光電変換部40はアモルファスシリコン光電変換部30よりも長波長側に高い分光感度を有しており、およそ500nmから1000nm付近までの波長範囲に感度を有しているが、この内の750nm以上の波長範囲における光が、分光感度の積分範囲から除外されたためである。
この本実施形態における一実施例に示す光電変換装置100においては、400〜750nmまでの波長範囲においても、ボトムセルである微結晶シリコン光電変換部40の分光感度積分電流値が、トップセルであるアモルファスシリコン光電変換部30の分光感度積分電流値よりも若干大きくなっている。従って、トップセルであるアモルファスシリコン光電変換部30の分光感度積分電流値の相対値である0.93を、ボトムセルである微結晶シリコン光電変換部40の分光感度積分電流値の相対値である0.99で割った値である0.94が、400nm〜750nmの波長領域における電流マッチング度合いを示し、これが上述した第1の値となる。
このように、本実施形態における一実施例においては、エアマス1.5の太陽光スペクトルに含まれる波長領域における電流マッチング度合いを示す第2の値が0.63であったのに対し、400nm〜750nmの波長領域における電流マッチング度合いを示す第1の値が0.94と高い値となっている。また、図5に示すように、紫外光、赤外光カットガラス設置下において、本実施形態における一実施例の光電変換装置100の変換効率の相対値は0.50となっており、この値は、紫外光、赤外光カットガラス設置下における比較例1〜3のいずれの変換効率の相対値よりも高い値となっている。
これは、紫外光、赤外光カットガラス設置下においては、微結晶シリコン光電変換部40において発生する電流値が減少することを見越し、標準試験条件下においては、あえてアモルファスシリコン光電変換部30において発生する電流値と、微結晶シリコン光電変換部40において発生する電流値とをアンバランスにしておくことにより、紫外光、赤外光カットガラス設置下においても、比較的高い変換効率を得ることができたことを示す。
比較例2、3については、400〜750nmまでの波長領域においては、ボトムセルである微結晶シリコン光電変換部の分光感度積分電流値が大幅に低下し、トップセルであるアモルファスシリコン光電変換部の分光感度席部電流値よりも小さくなっている。そのため、小さい方の値であるボトムセルの分光感度積分電流値を、大きい方の値であるトップセルの分光感度積分電流値で割った値が、400〜750nmまでの波長領域における、電流マッチング度合いを示す第1の値となり、この第1の値がそれぞれ比較例2においては0.57、比較例3においては0.77となっている。
比較例2、3は、共にエアマス1.5の太陽光スペクトルに含まれる波長領域における電流マッチング度合いを示す第2の値が、本実施形態の一実施例よりも高かったが、この400〜750nmまでの波長領域における電流マッチング度合いを示す第1の値が、本実施形態の一実施例よりも低い結果となっている。
この結果は、エアマス1.5の太陽光スペクトルに含まれる波長領域において、アモルファスシリコン光電変換部において発生する電流値に対してうまく整合されていた微結晶シリコン光電変換部において発生する電流値が、400〜750nmの波長範囲においては、著しく低下した結果、アモルファスシリコン光電変換部において発生する電流値を制限してしまっていることを示す。また、図5において、これを裏付けるように、紫外光、赤外光をカットするガラス基材200に取り付けた状態での変換効率の相対値も、比較例2が0.34、比較例3が0.42と、本実施形態の一実施例の変換効率の相対値よりも低くなっており、更にはアモルファスシリコン光電変換部のみからなる比較例1の変換効率の相対値0.49よりも小さい値となっている。
これに対して、本実施形態の一実施例の光電変換装置100においては、アモルファスシリコン光電変換部30の膜厚を、微結晶シリコン光電変換部40の膜厚の5.7%とし、比較例1〜3と比較して薄く形成しておき、微結晶シリコン光電変換部40で吸収できる光の量を多く設定しておくことにより、紫外光、赤外光カットガラス設置下においても、高い電流マッチング度合いを実現し、比較例1〜3よりも高い変換効率を得ることができる。アモルファスシリコン光電変換部30の膜厚は、微結晶シリコン光電変換部40の膜厚の7%以下とすることが望ましく、更には、本実施形態の一実施例に示したように5.7%以下とすることが望ましい。
なお、本実施形態においては、微結晶シリコン光電変換部40の裏面側に、第2の透明導電膜52と、裏面反射電極層50とを設けている。
第2の透明導電膜52の構成材料としては、例えばZnO、ITOなどを用いることができる。
裏面反射電極層50の構成材料としては、例えばAgやAlなどを用いることができる。裏面反射電極層50は、アモルファスシリコン光電変換部30、微結晶シリコン光電変換部40などに透過された光を、再度、微結晶シリコン光電変換部40、アモルファスシリコン光電変換部30側に反射させ、微結晶シリコン光電変換部40、アモルファスシリコン光電変換部30側において、この反射光を吸収させる役割を果たしている。
[光電変換装置100の製造方法]
以下、本実施形態に係る光電変換装置100の製造方法について説明する。
[透光性基板10準備ステップ]
まず、図2に示すように、透光性基板10を準備する。透光性基板10としては、例えば、ガラス、透明樹脂等から成る板状部材やシート状部材が用いられる。
[第1の透明導電膜20形成ステップ]
次に、図2に示すように、透光性基板10の裏面側に、導電性金属酸化物などからなる第1の透明導電膜20を形成する。導電性金属酸化物の具体例としては、SnO、ZnOなどが挙げられる。第1の透明導電膜20は、透光性基板10の裏面側に、CVD(Chemical Vapor Deposition)法、スパッタ、蒸着などの方法により形成することができる。第1の透明導電膜20はその表面において入射光の散乱を増大させる効果を有することが望ましい。具体的には、第1の透明導電膜20が、その表面に微細な凹凸を有することにより、入射光の散乱を増大させる効果を有することが望ましい。
[アモルファスシリコン光電変換部30形成ステップ]
次に、図2に示すように、第1の透明導電膜20の裏面側に、アモルファスシリコン光電変換部30を形成する。アモルファスシリコン光電変換部30は、p型アモルファスシリコンカーバイド層36、ノンドープi型アモルファスシリコン光電変換層34、n型シリコン層32を含んで形成される。アモルファスシリコン光電変換部30は、例えば高周波プラズマCVD法により形成することができる。
なお、ノンドープi型アモルファスシリコン光電変換層34の裏面側においては、n型シリコン層32の代わりに、微結晶シリコンを含むシリコンオキサイド層などの低屈折率層を設ける構成としてもよい。低屈折率層を設けることにより、ノンドープi型アモルファスシリコン光電変換層34で吸収されずに裏面側に抜けてきた光を、再度ノンドープi型アモルファスシリコン光電変換層34側に反射させ、ノンドープi型アモルファスシリコン光電変換層34において吸収させることができる。
アモルファスシリコン光電変換部30を形成方法として、高周波プラズマCVD法を利用した場合の条件としては、本実施形態においては、基板温度を100〜300℃、圧力を30〜1500Pa、高周波パワー密度を0.01〜0.5W/cm2とする。使用する原料ガスとしては、SiH、Si等のシリコン含有ガスまたは、それらのガスとHを混合したものが用いられる。p型アモルファスシリコンカーバイド層36を形成するためのドーパントガスとしては、B等が好ましく用いられる。また、n型シリコン層32を形成するためのドーパントガスとしては、PH等が好ましく用いられる。
なお、本実施形態においては、このアモルファスシリコン光電変換部30の膜厚を、微結晶シリコン光電変換部40の膜厚と比較して薄く形成しておき、微結晶シリコン光電変換部40で吸収できる光の量を多く設定しておくことにより、紫外光、赤外光カットガラス設置下においても、高い電流マッチングを実現し、比較的高い変換効率を得ることができる。
[微結晶シリコン光電変換部40形成ステップ]
次に、図2に示すように、アモルファスシリコン光電変換部30の裏面側に微結晶シリコン光電変換部40を形成する。微結晶シリコン光電変換部40は、p型微結晶シリコン層46、i型微結晶シリコン光電変換層44、n型微結晶シリコン層42を含んで形成される。微結晶シリコン光電変換部40は、例えば高周波プラズマCVD法により形成することができる。
なお、i型微結晶シリコン光電変換層44とn型微結晶シリコン層42の間には、微結晶シリコンを含むシリコンオキサイド層などの低屈折率層を介在させる構成としてもよい。低屈折率層を設けることにより、i型微結晶シリコン光電変換層44で吸収されずに裏面側に抜けてきた長波長光を、再度i型微結晶シリコン光電変換層44側に反射させ、i型微結晶シリコン光電変換層44において吸収させることができる。
微結晶シリコン光電変換部40を形成方法として、高周波プラズマCVD法を利用した場合の条件としては、上述したアモルファスシリコン光電変換部30と同様、本実施形態においては、基板温度を100〜300℃、圧力を30〜1500Pa、高周波パワー密度を0.01〜0.5W/cmとする。使用する原料ガスとしては、SiH、Si等のシリコン含有ガスまたは、それらのガスとHを混合したものが用いられる。p型微結晶シリコン層46を形成するためのドーパントガスとしては、B等が好ましく用いられる。また、n型微結晶シリコン層42を形成するためのドーパントガスとしては、PH等が好ましく用いられる。
[第2の透明導電膜52形成ステップ]
次に、図2に示すように、微結晶シリコン光電変換部40の裏面側に第2の透明導電膜52を形成する。第2の透明導電膜52を構成する材料としては、例えばZnO、ITOなどを用いることができる。第2の透明導電膜52の形成方法としては、例えばスパッタ、蒸着などを用いることができる。
[裏面反射電極層50形成ステップ]
次に、図2に示すように、第2の透明導電膜52の裏面側に裏面反射電極層50を形成する。裏面反射電極層50を構成する材料としては、例えばAg、Al、又はそれらの合金を用いることができる。裏面反射電極層50の形成方法としては、例えばスパッタ、蒸着などを用いることができる。
10 透光性基板、20 第1の透明導電膜、30 アモルファスシリコン光電変換部、32 n型シリコン層、34 ノンドープi型アモルファスシリコン光電変換層、36 p型アモルファスシリコンカーバイド層、40 微結晶シリコン光電変換部、42 n型微結晶シリコン層、44 i型微結晶シリコン光電変換層、46 p型微結晶シリコン層、50 裏面反射電極層、52 第2の透明導電膜、100 光電変換装置、200 ガラス基材。

Claims (6)

  1. 透光性基板の裏面側に、アモルファスシリコン光電変換部と、微結晶シリコン光電変換部と、を少なくともこの順に含む光電変換装置であって、
    400nm〜750nmの波長領域における前記アモルファスシリコン光電変換部の分光感度積分電流値と、400nm〜750nmの波長領域における前記微結晶シリコン光電変換部の分光感度積分電流値の内、小さい方の値を大きい方の値で割った第1の値が、
    エアマス1.5の太陽光スペクトルに含まれる波長領域における前記アモルファスシリコン光電変換部の分光感度積分電流値と、エアマス1.5の太陽光スペクトルに含まれる波長領域における前記微結晶シリコン光電変換部の分光感度積分電流値の内、小さい方の値を大きい方の値で割った第2の値よりも大きい、
    光電変換装置。
  2. 前記透光性基板は、ガラス基材の裏面側に配置され、
    前記ガラス基材は、紫外光領域、及び赤外光領域の透過率が、可視光領域の透過率よりも低い、
    請求項1に記載の光電変換装置。
  3. 前記透光性基板と前記アモルファスシリコン光電変換部との間に設けられた透明導電膜を更に含み、
    前記透明導電膜は、SnO又はZnOを含む、
    請求項1又は2に記載の光電変換装置。
  4. 前記微結晶シリコン光電変換部の裏面側に設けられた裏面反射電極層を更に含み、
    前記裏面反射電極層は、Ag、Al、及びそれらの合金の内のいずれかを含む、
    請求項1乃至3のいずれか一つに記載の光電変換装置。
  5. 前記微結晶シリコン光電変換部と前記裏面反射電極層との間に設けられた透明電極層を更に含み、
    前記透明電極層は、ZnO又はITOを含む、
    請求項4に記載の光電変換装置。
  6. 前記アモルファスシリコン光電変換部の膜厚が、前記微結晶シリコン光電変換部の膜厚の7%以下である、
    請求項1乃至5のいずれか一つに記載の光電変換装置。

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