A.第1実施例:
図1〜図4は、一実施例としての車両10を示す説明図である。図1は、車両10の右側面図を示し、図2は、車両10の上面図を示し、図3は、車両10の下面図を示し、図4は、車両10の背面図を示している。図2〜図4では、図1に示す車両10の構成のうち、説明に用いる部分が図示され、他の部分の図示が省略されている。図1〜図4には、6つの方向DF、DB、DU、DD、DR、DLが示されている。前方向DFは、車両10の前進方向であり、後方向DBは、前方向DFの反対方向である。上方向DUは、鉛直上方向であり、下方向DDは、上方向DUの反対方向である。右方向DRは、前方向DFに走行する車両10から見た右方向であり、左方向DLは、右方向DRの反対方向である。方向DF、DB、DR、DLは、いずれも、水平な方向である。右と左の方向DR、DLは、前方向DFに垂直である。
本実施例では、この車両10は、一人乗り用の小型車両である。車両10(図1、図2)は、車体90と、車体90に連結された1つの後輪12Bと、車体90に連結され車両10の幅方向(すなわち、右方向DRに平行な方向)に互いに離れて配置された2つの前輪12L、12Rと、を有する三輪車である。後輪12Bは、操舵可能な駆動輪であり、車両10の幅方向の中心に配置されている。前輪12L、12Rは、車両10の幅方向の中心に対して対称に配置されている。
車体90(図1)は、本体部20を有している。本体部20は、前部20aと、底部20bと、後部20cと、支持部20dと、前部20aに固定された接続台20eと、を有している。底部20bは、水平な方向(すなわち、上方向DUに垂直な方向)に拡がる板状の部分である。前部20aは、底部20bの前方向DF側の端部から前方向DF側かつ上方向DU側に向けて斜めに延びる板状の部分である。接続台20eは、前部20aの前方向DF側の端部に固定された部分である。後述するように、接続台20eには、ハンドル41aとシフトスイッチ47と前輪支持部70とを含む種々の部材が接続されている。後部20cは、底部20bの後方向DB側の端部から後方向DB側かつ上方向DU側に向けて斜めに延びる板状の部分である。支持部20dは、後部20cの上端から後方向DBに向かって延びる板状の部分である。後述するように、支持部20dは、操舵装置81を支持している。本体部20は、例えば、金属製のフレームと、フレームに固定されたパネルと、を有している。
車体90(図1)は、さらに、底部20b上に固定された座席11と、底部20b上の座席11よりも前方向DF側に配置されたアクセルペダル45とブレーキペダル46と、座席11の座面の下に配置され底部20bに固定された制御装置110と、底部20bのうちの制御装置110よりも下の部分に固定されたバッテリ120と、支持部20dに固定された操舵装置81と、接続台20eに取り付けられたシフトスイッチ47と、接続台20eに取り付けられたハンドル41aと、接続台20eに取り付けられた前輪支持部70と、を有している。なお、図示を省略するが、本体部20には、他の部材(例えば、屋根、前照灯など)が固定され得る。車体90は、本体部20に固定された部材を含んでいる。
アクセルペダル45は、車両10を加速するためのペダルである。アクセルペダル45の踏み込み量(「アクセル操作量」とも呼ぶ)は、ユーザの望む加速力を表している。ブレーキペダル46は、車両10を減速するためのペダルである。ブレーキペダル46の踏み込み量(「ブレーキ操作量」とも呼ぶ)は、ユーザの望む減速力を表している。シフトスイッチ47は、車両10の走行モードを選択するためのスイッチである。本実施例では、「ドライブ」と「ニュートラル」と「パーキング」との3つの走行モードから1つを選択可能である。「ドライブ」は、駆動輪12Bの駆動によって前進するモードであり、「ニュートラル」は、駆動輪12Bが回転自在であるモードであり、「パーキング」は、少なくとも1つの車輪(例えば、後輪12B)が回転不能であるモードである。
操舵装置81(図1)は、回動軸Ax1を中心に後輪12Bを左右に回動可能に支持する装置である。操舵装置81は、後輪12Bを回転可能に支持する後フォーク87と、回動軸Ax1を中心に後フォーク87(すなわち、後輪12B)を回動させる操舵モータ65と、を有している。操舵モータ65は、本体部20の支持部20dに固定されている。図1では、説明のために、後輪12Bのうち後フォーク87に隠れている部分も、実線で示されている。図2では、説明のために、本体部20に隠れている操舵装置81と後輪12Bとが、実線で示されている。
後フォーク87(図1)は、例えば、サスペンション(コイルスプリングとショックアブソーバ)を内蔵したテレスコピックタイプのフォークである。操舵モータ65は、例えば、ステータとロータとを有する電気モータである。ステータとロータとのうちの一方は、本体部20に固定され、他方は、後フォーク87の上方向DU側の端部に固定されている。
後輪12B(図1)は、リムを有するホイール12Baと、ホイール12Baのリムに装着されたタイヤ12Bbと、を有している。後輪12Bは、後フォーク87の下方向DD側の端部に、回転可能に支持されている。また、ホイール12Baと後フォーク87との間には、駆動用の電気モータ51が設けられている(駆動モータ51とも呼ぶ)。駆動モータ51は、ステータとロータとを有している(図示省略)。ロータとステータとのうちの一方は、ホイール12Baに固定され、他方は、後フォーク87に固定されている。駆動モータ51の回転軸は、ホイール12Baの回転軸と同じであり、右方向DRに平行である。駆動モータ51は、後輪12Bを直接的に駆動するインホイールモータである。
接続台20eに取り付けられたハンドル41aは、ユーザによる操作によってユーザの望む旋回方向と操作量とが入力される操作入力部の例である。ハンドル41a(図1)は、ハンドル41aの回転軸に沿って延びる支持棒41axを中心に回動可能である。ハンドル41aの回動方向(右、または、左)は、ユーザの望む旋回方向を示している。直進を示す所定方向からのハンドル41aの操作量(ここでは、回動角度。以下「ハンドル角」とも呼ぶ)は、操舵角AF(図2)の大きさを示している。操舵角AFは、下方向DDを向いて車両10を見る場合に、前方向DFを基準とする、回転する後輪12Bの進む方向D12Bの角度である。この方向D12Bは、後輪12Bの回転軸に垂直な方向である。本実施例では、操舵輪は、前輪12L、12Rではなく、後輪12Bであるので、後輪12Bの方向D12Bは、旋回方向とは反対側に向かって回動する。本実施例では、「AF=ゼロ」は、「方向D12B=前方向DF」を示し、「AF>ゼロ」は、旋回方向が右方向DRであること(すなわち、方向D12Bが左方向DL側を向いている)を示し、「AF<ゼロ」は、旋回方向が左方向DLであること(すなわち、方向D12Bが右方向DR側を向いている)を示している。制御装置110(図1)は、ユーザによってハンドル41aの向きが変更された場合に、後フォーク87の向き(すなわち、後輪12Bの操舵角AF(図2))をハンドル41aの向きに合わせて変更するように、操舵モータ65を制御する。
図1に示すように、本実施例では、車両10が水平な地面GL上に配置されている場合、操舵装置81の回動軸Ax1は、地面GLに対しておおよそ垂直である。そして、後輪12Bの地面GLとの接触中心PBは、回動軸Ax1と地面GLとの交点と、おおよそ同じ位置にある。図1、図3に示すように、接触中心PBは、後輪12Bと地面GLとの接触領域CABの中心である。接触領域の中心は、接触領域の重心の位置を示している。領域の重心は、領域内に質量が均等に分布していると仮定した場合の重心の位置である。
2つの前輪12L、12R(図4)は、前輪支持部70に回動可能に支持されている。前輪支持部70は、リンク機構30と、リンク機構30の上部に固定されたリーンモータ25と、リンク機構30を回動可能に支持する軸支持部75と、リンク機構30に固定されたサスペンション17L、17Rと、サスペンション17L、17Rにそれぞれ固定された支持部171L、171Rと、を有している。図1では、説明のために、右サスペンション17Rのうち右前輪12Rに隠れている部分も、実線で示されている。また、図1〜図3では、リンク機構30が簡略化して示されている。
リンク機構30(図4)は、いわゆる、平行リンクである。リンク機構30は、右方向DRに向かって順番に並ぶ3つの縦リンク部材33L、21、33Rと、下方向DDに向かって順番に並ぶ2つの横リンク部材31U、31Dと、を有している。縦リンク部材33L、21、33Rは、互いに平行に、上方向DU側から下方向DD側に向かって、延びている。横リンク部材31U、31Dは、互いに平行に延びている。図中では、横リンク部材31U、31Dは、水平な方向に延びている。
2つの縦リンク部材33L、33Rと、2つの横リンク部材31U、31Dとは、平行四辺形リンク機構を形成している。上横リンク部材31Uは、縦リンク部材33L、33Rの上端を連結している。下横リンク部材31Dは、縦リンク部材33L、33Rの下端を連結している。中縦リンク部材21は、横リンク部材31U、31Dの中央部分を連結している。
中縦リンク部材21は、上横リンク部材31Uよりも鉛直上方向DU側まで延びている。中縦リンク部材21の上方向DU側の端部は、軸支持部75に支持されている。軸支持部75は、本体部20の接続台20eに固定されている。軸支持部75は、中縦リンク部材21を支持する軸受けを含んでいる。軸支持部75は、中縦リンク部材21(ひいては、リンク機構30)を、回動軸Ax2を中心に、左右に回動可能に、支持している。
図1に示すように、本実施例では、車両10が水平な地面GL上に配置されている場合、前輪支持部70の回動軸Ax2は、地面GLに対して斜めに傾斜しており、具体的には、回動軸Ax2に平行に下方向DD側へ向かう方向は、斜め前方を向いている。リンク機構30(図4)の縦リンク部材33L、21、33Rは、それぞれ、回動軸Ax2に平行に延びている。リンク機構30を構成するリンク部材33L、33R、31U、31D、21は、互いに回動可能に連結されており、回動軸は、回動軸Ax2に垂直である。リンク部材33L、21、33R、31U、31Dは、例えば、金属で形成されている。
左縦リンク部材33Lの下方向DD側の端部には、左サスペンション17Lが固定されている。左サスペンション17Lは、左縦リンク部材33Lに平行に、下方向DD側に向かって延びる棒状の部材である。左サスペンション17Lの下方向DD側の端には、左前輪12Lを回転可能に支持する左支持部171Lが固定されている。同様に、右縦リンク部材33Rの下方向DD側の端部には、右サスペンション17Rが固定されている。右サスペンション17Rは、右縦リンク部材33Rに平行に、下方向DD側に向かって延びる部材である。右サスペンション17Rの下方向DD側の端には、右前輪12Rを回転可能に支持する右支持部171Rが固定されている。本実施例では、これらのサスペンション17L、17Rは、コイルスプリングとショックアブソーバとを内蔵したテレスコピックタイプのサスペンションである。サスペンション17L、17Rは、それぞれ、サスペンション17L、17Rの延びる方向の振動を、吸収できる。
右前輪12R(図1)は、リムを有するホイール12Raと、ホイール12Raのリムに装着されたタイヤ12Rbと、を有している。図4に示すように、ホイール12Raは、右支持部171Rの右方向DR側に配置され、右支持部171Rに、回転可能に支持されている。左前輪12Lの構成は、右前輪12Rの構成と、同様である。具体的には、左前輪12Lは、ホイール12Laとタイヤ12Lbとを有している。ホイール12Laは、左支持部171Lの左方向DL側に配置され、左支持部171Lに、回転可能に支持されている。右前輪12Rの回転軸ArRと、左前輪12Lの回転軸ArLとは、互いに平行であり、また、回動軸Ax1に垂直である。リンク機構30が回動軸Ax2を中心に回動すると、前輪12R、12Lの回転軸ArR、ArLも、同じ方向に、回動する。これにより、回転する前輪12R、12Lの進行方向も、同じ方向に回動する。図4は、前輪12R、12Lの回転軸ArR、ArLが、前方向DFに垂直な状態を示している。すなわち、図4の状態では、前輪12R、12Lの進行方向は、前方向DFである。
リーンモータ25は、例えば、ステータとロータとを有する電気モータである。リーンモータ25のステータとロータのうちの一方は、中縦リンク部材21に固定され、他方は、上横リンク部材31Uに固定されている。リーンモータ25の回動軸は、これらのリンク部材31U、21の連結部分の回動軸と同じであり、車両10の幅方向の中心に位置している。リーンモータ25のロータがステータに対して回動すると、上横リンク部材31Uが、中縦リンク部材21に対して、傾斜する。これにより、車両10が傾斜する。
図5は、車両10の状態を示す概略図である。図中には、車両10の簡略化された背面図が示されている。図5(A)は、車両10が直立している状態を示し、図5(B)は、車両10が傾斜している状態を示している。図5(A)に示すように、上横リンク部材31Uが中縦リンク部材21に対して直交する場合、全ての車輪12R、12L、12Bが、平らな地面GLに対して直立する。そして、車体90を含む車両10の全体は、地面GLに対して、直立する。図中の車両上方向DVUは、車両10の上方向である。車両10が傾斜していない状態では、車両上方向DVUは、上方向DUと同じである。本実施例では、前輪支持部70の向き(具体的には、リンク機構30の動きの基準である中縦リンク部材21の向き)を、車両上方向DVUとして採用する。
図5(B)に示すように、上横リンク部材31Uが中縦リンク部材21に対して傾斜する場合、右前輪12Rと左前輪12Lとの一方が、車両上方向DVU側に移動し、他方は、車両上方向DVUとは反対方向側に移動する。すなわち、リンク機構30とリーンモータ25とは、幅方向に互いに離れて配置された一対の車輪12L、12Rの間の回転軸に垂直な方向の相対位置を変化させる。この結果、全ての車輪12L、12R、12Bが地面GLに接触した状態で、これらの車輪12L、12R、12Bは、地面GLに対して傾斜する。そして、車体90を含む車両10の全体は、地面GLに対して、傾斜する。図5(B)の例では、右前輪12Rが車両上方向DVU側に移動し、左前輪12Lが反対側に移動している。この結果、車輪12L、12R、12B、ひいては、車体90を含む車両10の全体は、右方向DR側に、傾斜する。後述するように、車両10が右方向DR側に旋回する場合に、車両10は、右方向DR側に傾斜する。車両10が左方向DL側に旋回する場合に、車両10は、左方向DL側に傾斜する。
図5(B)では、車両上方向DVUは、上方向DUに対して、右方向DR側に傾斜している。以下、前方向DFを向いて車両10を見る場合の、上方向DUと車両上方向DVUとの間の角度を、傾斜角Tと呼ぶ。ここで、「T>ゼロ」は、右方向DR側への傾斜を示し、「T<ゼロ」は、左方向DL側への傾斜を示している。車両10が傾斜する場合、車体90も、おおよそ、同じ方向に傾斜する。車両10の傾斜角Tは、車体90の傾斜角Tということができる。
なお、リーンモータ25は、リーンモータ25を回動不能に固定する図示しないロック機構を有している。ロック機構を作動させることによって、上横リンク部材31Uは、中縦リンク部材21に対して回動不能に固定される。この結果、傾斜角Tが固定される。例えば、車両10の駐車時に、傾斜角Tはゼロに固定される。ロック機構としては、メカニカルな機構であって、リーンモータ25(ひいては、リンク機構30)を固定している最中に電力を消費しない機構が好ましい。
図5(A)、図5(B)には、傾斜軸AxLが示されている。傾斜軸AxLは、地面GL上に位置している。リンク機構30とリーンモータ25とは、車両10を、傾斜軸AxLを中心に、右と左とに傾斜させることができる。本実施例では、傾斜軸AxLは、地面GL上に位置しており、後輪12Bと地面GLとの接触中心PBを通り前方向DFに平行な直線である。前輪12L、12Rを回転可能に支持する部材(ここでは、支持部171L、171Rとサスペンション17L、17Rとリンク機構30)と、リンク機構30を作動させるアクチュエータとしてのリーンモータ25とは、車体90を車両10の幅方向に傾斜させる傾斜機構79を構成する。傾斜角Tは、傾斜機構79による傾斜角である。
図2に示す方向D12Fは、回転する前輪12R、12Lの進行方向を示している。軸支持部75は、この方向D12Fが、前方向DFを向く状態から、右方向DR側と左方向DL側とのそれぞれに、リンク機構30、ひいては、前輪12R、12Lを、回動させることができる。図中の回動角AGは、下方向DDを向いて車両10を見る場合に、前方向DFを基準とする、前輪12R、12Lの進行方向D12Fの角度である。本実施例では、「AG=ゼロ」は、「進行方向D12F=前方向DF」を示し、「AG>ゼロ」は、進行方向D12Fが右方向DR側に回動していることを示し、「AG<ゼロ」は、進行方向D12Fが左方向DL側に回動していることを示している。
図1には、傾斜角Tがゼロであり、前輪12R、12Lの進行方向D12Fが前方向DFである状態が、示されている。この状態で、左前輪12L(図4)の回転軸ArLと、右前輪12Rの回転軸ArRとは、同じ直線上に位置している。また、図1には、右前輪12Rの地面GLとの接触中心P1Rと、左前輪12Lの地面GLとの接触中心P1Lと、が示されている。図3に示すように、右の接触中心P1Rは、右前輪12Rと地面GLとの接触領域CA1Rの中心である。左の接触中心P1Lは、左前輪12Lと地面GLとの接触領域CA1Lの中心である。図1の状態では、これらの接触中心P1R、P1Lの前方向DFの位置は、おおよそ同じである。
図1に示すように、前輪支持部70の回動軸Ax2と地面GLとの交点P2は、前輪12R、12Lの地面GLとの接触中心P1R、P1Lよりも、前方向DF側に位置している。これらの点P1R、P1Lと点P2との間の後方向DBの距離Ltは、トレールと呼ばれる。正のトレールLtは、接触中心P1R、P1Lが交点P2よりも後方向DB側に位置していることを示している。また、鉛直上方向DUと、回動軸Ax2に沿って鉛直上方向DU側へ向かう方向と、のなす角度CAは、キャスター角とも呼ばれる。キャスター角CAがゼロよりも大きいことは、回動軸Ax2に沿って鉛直上方向DU側へ向かう方向が、斜め後ろに傾斜していることを、示している。
図1、図5(A)、図5(B)には、重心90cが示されている。この重心90cは、満載状態での車体90の重心である。満載状態は、車両10が、車両10の総重量が許容される車両総重量になるように、乗員(可能なら荷物も)を積んだ状態である。例えば、荷物の最大重量は規定されず、最大定員数が規定される場合がある。この場合、重心90cは、車両10に対応付けられた最大定員数の乗員が車両10に搭乗した状態の重心である。乗員の体重としては、最大定員数に予め対応付けられた基準体重(例えば、55kg)が採用される。また、最大定員数に加えて、荷物の最大重量が規定される場合がある。この場合、重心90cは、最大定員数の乗員と、最大重量の荷物と、を積んだ状態での、車体90の重心である。
一般的に、車体90の重心90cが低いほど、車両10の走行安定性を向上できる。本実施例では、重心90cを低くするために、車体90(図1)の要素のうち比較的重い要素であるバッテリ120が、低い位置に配置されている。具体的には、バッテリ120は、車体90の本体部20のうちの最も低い部分である底部20bに固定されている。従って、重心90cを、容易に、低くできる。
図6は、旋回時の力のバランスの説明図である。図中には、旋回方向が右方向である場合の前輪12L、12Rの背面図が示されている。後述するように、旋回方向が右方向である場合、制御装置110(図1)は、前輪12L、12R(ひいては、車両10)が地面GLに対して右方向DRに傾斜するように、リーンモータ25を制御する場合がある。
図中の第1力F1は、車体90に作用する遠心力である。第2力F2は、車体90に作用する重力である。ここで、車体90の質量をm(kg)とし、重力加速度をg(おおよそ、9.8m/s2)とし、鉛直方向に対する車両10の傾斜角をT(度)とし、旋回時の車両10の速度をV(m/s)とし、旋回半径をR(m)とする。第1力F1と第2力F2とは、以下の式1、式2で表される。
F1 = (mV2)/R (式1)
F2 = mg (式2)
また、図中の力F1bは、第1力F1の、車両上方向DVUに垂直な方向の成分である。力F2bは、第2力F2の、車両上方向DVUに垂直な方向の成分である。力F1bと力F2bとは、以下の式3、式4で表される。
F1b = F1 cos(T) (式3)
F2b = F2 sin(T) (式4)
力F1bは、車両上方向DVUを左方向DL側に回動させる成分であり、力F2bは、車両上方向DVUを右方向DR側に回動させる成分である。車両10が傾斜角T(さらには、速度Vと旋回半径R)を保ちつつ安定して旋回を続ける場合には、F1bとF2bとの関係は、以下の式5で表される
F1b = F2b (式5)
式5に上記の式1〜式4を代入すると、旋回半径Rは、以下の式6で表される。
R = V2/(g tan(T)) (式6)
式6は、車体90の質量mに依存せずに、成立する。
図7は、操舵角AFと旋回半径Rとの簡略化された関係を示す説明図である。図中には、下方向DDを向いて見た車輪12R、12L、12Bが示されている。図中では、後輪12Bは、左方向DLに回動しており、車両10は、右方向DRに旋回する。図中の前中心Cfは、2つの前輪12L、12Rの中心である。車体90が傾斜していない場合、前中心Cfは、前輪12L、12Rの回転軸上の、前輪12L、12Rの間の中央に位置している。下方向DDを向いて車両10を見る場合、前中心Cfの位置は、2個の前輪12L、12Rの接触中心P1L、P1Rの間の中央の位置と、同じである。後中心Cbは、後輪12Bの中心である。後中心Cbは、後輪12Bの回転軸上に位置している。下方向DDを向いて車両10を見る場合、後中心Cbは、接触中心PB(図1)とおおよそ同じ位置に位置している。中心Crは、旋回の中心である(旋回中心Crと呼ぶ)。ホイールベースLhは、前中心Cfと後中心Cbとの間の前方向DFの距離である。図1に示すように、ホイールベースLhは、前輪12R、12Lの回転軸と、後輪12Bの回転軸との間の前方向DFの距離である。
図7に示すように、前中心Cfと後中心Cbと旋回中心Crとは、直角三角形を形成する。点Cfの内角は、90度である。点Crの内角は、操舵角AFと同じである。従って、操舵角AFと旋回半径Rとの関係は、以下の式7で表される。
AF = arctan(Lh/R) (式7)
なお、現実の車両10の挙動と、図7の簡略化された挙動と、の間には、種々の差異が存在する。例えば、現実の車輪12R、12L、12Bは、地面GLに対して滑り得る。また、現実の前輪12L、12Rは、傾斜する。従って、現実の旋回半径は、式7の旋回半径Rと異なり得る。ただし、式7は、操舵角AFと旋回半径Rとの関係を示す良い近似式として、利用可能である。
前進中に図5(B)のように車両10が右方向DR側へ傾斜した場合、車体90の重心90cが右方向DR側へ移動するので、車両10の進行方向は、右方向DR側へ変化する。これにより、前輪支持部70(ひいては、回動軸Ax2)も、右方向DR側へ移動する。一方、前輪12R、12Lと地面GLとの接触中心P1R、P1Lは、摩擦によって、直ぐに右方向DR側へ移動することはできない。そして、本実施例では、図1で説明したように、前輪12L、12Rは、正のトレールLtを有する。すなわち、接触中心P1R、P1Lは、回動軸Ax2と地面GLとの交点P2よりも、後方向DB側に位置している。これらの結果、前進中に車両10が右方向DR側へ傾斜した場合、前輪12R、12Lの向き(すなわち、進行方向D12F(図2))は、自然に、車両10の新たな進行方向、すなわち、傾斜方向(図5(B)の例では、右方向DR)に、回動可能である。図5(B)中の回動方向RFは、車体90が右方向DR側へ傾斜する場合の、回動軸Ax2を中心とする前輪12R、12Lの回動方向を示している。軸支持部75は、前輪支持部70(ひいては、前輪12R、12L)を、自由に回動可能に、支持している。従って、前輪12R、12Lの向きは、傾斜角Tの変更開始に続いて、自然に、傾斜方向に回動する。そして、車両10は、傾斜方向に向かって、旋回する。
図8は、車両10の制御に関する構成を示すブロック図である。車両10は、制御に関する構成として、車速センサ122と、ハンドル角センサ123と、操舵角センサ124と、リーン角センサ125と、アクセルペダルセンサ145と、ブレーキペダルセンサ146と、シフトスイッチ47と、制御装置110と、駆動モータ51と、リーンモータ25と、操舵モータ65と、を有している。
車速センサ122は、車両10の車速を検出するセンサである。本実施例では、車速センサ122は、後フォーク87(図1)の下端に取り付けられており、後輪12Bの回転速度、すなわち、車速を検出する。
ハンドル角センサ123は、ハンドル41aの向き(すなわち、ハンドル角)を検出するセンサである。「ハンドル角=ゼロ」は、直進を示し、「ハンドル角>ゼロ」は、右旋回を示し、「ハンドル角<ゼロ」は、左旋回を示している。ハンドル角は、ユーザの望む操舵角AF、すなわち、操舵角AFの目標値を示している。本実施例では、ハンドル角センサ123は、ハンドル41a(図1)に固定された支持棒41axに取り付けられている。
操舵角センサ124は、後輪12Bの操舵角AFを検出するセンサである。本実施例では、操舵角センサ124は、操舵モータ65(図1)に取り付けられている。
リーン角センサ125は、傾斜角Tを検出するセンサである。リーン角センサ125は、リーンモータ25に取り付けられている(図4)。上述したように、中縦リンク部材21に対する上横リンク部材31Uの向きが、傾斜角Tに対応している。リーン角センサ125は、中縦リンク部材21に対する上横リンク部材31Uの向き、すなわち、傾斜角Tを検出する。
アクセルペダルセンサ145は、アクセル操作量を検出するセンサである。本実施例では、アクセルペダルセンサ145は、アクセルペダル45(図1)に取り付けられている。ブレーキペダルセンサ146は、ブレーキ操作量を検出するセンサである。本実施例では、ブレーキペダルセンサ146は、ブレーキペダル46(図1)に取り付けられている。
なお、各センサ122、123、124、125、145、146は、例えば、レゾルバ、または、エンコーダを用いて構成されている。
制御装置110(図8)は、車両制御部100と、駆動装置制御部101と、リーンモータ制御部102と、操舵モータ制御部103と、を有している。制御装置110は、バッテリ120(図1)からの電力を用いて動作する。制御部100、101、102、103は、それぞれ、コンピュータを有している。各コンピュータは、プロセッサ(例えば、CPU)と、揮発性記憶装置(例えば、DRAM)と、不揮発性記憶装置(例えば、フラッシュメモリ)と、を有している。不揮発性記憶装置には、制御部の動作のためのプログラムが、予め格納されている。プロセッサは、プログラムを実行することによって、種々の処理を実行する。
車両制御部100のプロセッサは、センサ122、123、124、125、145、146とシフトスイッチ47とからの信号を受信し、受信した信号に応じて車両10を制御する。具体的には、車両制御部100のプロセッサは、駆動装置制御部101とリーンモータ制御部102と操舵モータ制御部103とに指示を出力することによって、車両10を制御する(詳細は後述)。
駆動装置制御部101のプロセッサは、車両制御部100からの指示に従って、駆動モータ51を制御する。リーンモータ制御部102のプロセッサは、車両制御部100からの指示に従って、リーンモータ25を制御する。操舵モータ制御部103のプロセッサは、車両制御部100からの指示に従って、操舵モータ65を制御する。これらの制御部101、102、103は、それぞれ、制御対象のモータ51、25、65にバッテリ120からの電力を供給する電気回路(例えば、インバータ回路)を有している。
以下、制御部のプロセッサが処理を実行することを、単に、制御部が処理を実行する、とも表現する。
図9は、制御装置110(図8)によって実行される制御処理の例を示すフローチャートである。図9のフローチャートは、傾斜機構79と操舵装置81との制御の手順を示している。この制御は、車両10の走行モードが「ドライブ」である場合の制御を、示している。図9では、各処理に、文字「S」と、文字「S」に続く数字と、を組み合わせた符号が、付されている。
S100では、車両制御部100(図8)は、センサ122、123、124、125、145、146とシフトスイッチ47とからの信号を取得する。これにより、車両制御部100は、速度Vとハンドル角と操舵角AFと傾斜角Tとを、特定する。
S130では、車両制御部100は、ハンドル角に対応付けられた第1目標傾斜角T1を特定する。本実施例では、第1目標傾斜角T1は、ハンドル角(単位は、度)に所定の係数(例えば、1/15)を乗じて得られる値である。なお、ハンドル角と第1目標傾斜角T1との対応関係としては、比例関係に代えて、ハンドル角の絶対値が大きいほど第1目標傾斜角T1の絶対値が大きくなるような種々の関係を採用可能である。ハンドル角と第1目標傾斜角T1との対応関係を表す情報は、車両制御部100の不揮発性記憶装置に予め格納されている。車両制御部100は、この情報を参照し、参照した情報によって予め決められた対応関係に従って、ハンドル角に対応する第1目標傾斜角T1を特定する。
車両制御部100は、傾斜角Tが第1目標傾斜角T1となるようにリーンモータ25を制御するための指示を、リーンモータ制御部102に供給する。リーンモータ制御部102は、指示に従って、傾斜角Tが第1目標傾斜角T1になるように、リーンモータ25を駆動する。これにより、車両10の傾斜角Tが、ハンドル角に対応付けられた第1目標傾斜角T1に、変更される。車両10が旋回する場合、車体90は、車両10の旋回方向に向かって、傾斜する。
また、車両制御部100は、ハンドル角に対応付けられた第1目標操舵角AF1を特定する。本実施例では、車両制御部100は、上述した式6、式7と速度Vとを用いて、第1目標操舵角AF1が特定される。上述したように、式6は、傾斜角Tと速度Vと旋回半径Rとの対応関係を示し、式7は、旋回半径Rと操舵角AFとの対応関係を示している。これらの式6、7を総合すれば、傾斜角Tと速度Vと操舵角AFとの対応関係が特定される。車両制御部100は、式6、7を総合して得られる傾斜角Tと速度Vと操舵角AFとの対応関係に、第1目標傾斜角T1と速度Vとを代入することによって得られる操舵角AFを、第1目標操舵角AF1として採用する。このように、ハンドル角と第1目標傾斜角T1との対応関係は、傾斜角Tと速度Vと操舵角AFとの対応関係を通じて、ハンドル角と操舵角AFとを対応付けている、ということができる(ここで、操舵角AFは、速度Vに依存して変化し得る)。
なお、ハンドル角と第1目標傾斜角T1との対応関係とは独立に、ハンドル角と第1目標操舵角AF1との対応関係が、予め決められていてもよい。ハンドル角と第1目標操舵角AF1との対応関係を表す情報は、車両制御部100の不揮発性記憶装置に予め格納されてよい。車両制御部100は、この情報を参照して、ハンドル角に対応付けられた第1目標操舵角AF1を特定してよい。
車両制御部100は、操舵角AFが第1目標操舵角AF1となるように操舵モータ65を制御するための指示を、操舵モータ制御部103に供給する。操舵モータ制御部103は、指示に従って、操舵角AFが第1目標操舵角AF1になるように、操舵モータ65を駆動する。これにより、車両10の操舵角AFが、ハンドル角に対応付けられた第1目標操舵角AF1に、変更される。
S140では、上述したように、前輪12R、12Lは、旋回する車両10の進行方向に、自然に、回動する。前輪12R、12Lの回動は、傾斜角Tの変更に応じて、自然に始まる。すなわち、操舵角AFは、車体90の傾斜に追随して変化する。
以上により、図9の処理が終了する。制御装置110は、図9の処理を繰り返し実行する。この結果、車両10は、ハンドル角に適した進行方向に向かって、走行する。
図示を省略するが、車両制御部100(図8)と駆動装置制御部101とは、アクセル操作量とブレーキ操作量とに応じて駆動モータ51を制御する駆動制御部として機能する。本実施例では、具体的には、アクセル操作量が増大した場合には、車両制御部100は、駆動モータ51の出力パワーを増大させるための指示を、駆動装置制御部101に供給する。駆動装置制御部101は、指示に従って、出力パワーが増大するように、駆動モータ51を制御する。アクセル操作量が減少した場合には、車両制御部100は、駆動モータ51の出力パワーを減少させるための指示を、駆動装置制御部101に供給する。駆動装置制御部101は、指示に従って、出力パワーが減少するように、駆動モータ51を制御する。
ブレーキ操作量がゼロよりも大きくなった場合には、車両制御部100は、駆動モータ51の出力パワーを減少させるための指示を、駆動装置制御部101に供給する。駆動装置制御部101は、指示に従って、出力パワーが減少するように、駆動モータ51を制御する。なお、車両10は、全ての車輪12R、12L、12Bのうちの少なくとも1つの車輪の回転速度を摩擦によって低減するブレーキ装置を有することが好ましい。そして、ユーザがブレーキペダル46を踏み込んだ場合に、ブレーキ装置が、少なくとも1つの車輪の回転速度を低減することが好ましい。
以上のように、本実施例では、車両10は、車両10の幅方向に互いに離れた配置された一対の前輪12L、12Rと、車体90に対して左右に回動可能な操舵輪である後輪12Bと、を備えている。さらに、車両10は、操作することで旋回方向が入力される操作入力部の例であるハンドル41aと、車体90を幅方向に傾斜させる傾斜機構79と、一対の前輪12L、12Rのそれぞれを支持する前輪支持部70と、を備えている。ここで、図9のS130で説明したように、制御装置110(図1、図8)は、ハンドル41aへの入力に応じて後輪12Bを旋回方向に操舵するとともに、ハンドル41aへの入力に応じて傾斜機構79に車体90を旋回方向側に傾斜させる。そして、図2、図4で説明したように、前輪支持部70は、ハンドル41aに入力された旋回方向に拘わらずに、一対の前輪12L、12Rのそれぞれを、車体90に対して回動軸Ax2を中心に左右に回動可能に支持する。そして、前輪支持部70は、一対の前輪12L、12Rのそれぞれに関して、前輪12L、12Rの回動軸Ax2と地面GLとの交点P2が前輪12L、12Rと地面GLとの接触領域の中心位置P1L、P1Rよりも前方向DF側に位置するように、構成されている。以上により、一対の前輪12L、12Rは、それぞれ、車体90の傾斜方向に自然に回動する。これにより、車両10の旋回半径を、小さくできる。
また、図2、図7で説明したように、旋回時には、操舵輪である後輪12Bの進行方向D12Bは、車両10の旋回方向とは反対側に、回動する。すなわち、後輪12Bは、車体90の傾斜方向とは反対側に向かって、進行する。図5(B)のように、車両10が右方向DR側に傾斜しつつ右方向DRに向かって旋回する場合、図7に示すように、後輪12Bは、車体90の傾斜方向とは反対側である左方向DL側に向かって、進行する。これにより、車体90のうちの後輪12Bに近い部分(特に、車体90の下部)も、車体90の傾斜方向とは反対側に向かって移動する。このような車体90の動きは、傾斜角Tを大きくし得る。本実施例では、上述したように、一対の前輪12L、12Rは、それぞれ、車体90の傾斜方向に自然に回動する。これにより、車両10の旋回半径を、小さくできる。従って、車体90に作用する遠心力が強くなる。この結果、車体90が、旋回方向に向かって過度に傾斜することを抑制できる。以上により、走行安定性が低下することを抑制できる。
B.第2実施例:
図10は、前輪支持部の別の実施例の説明図である。図10(A)は、前輪支持部70aの軸支持部75aと中縦リンク部材21aとの接続部分の斜視図である。この斜視図は、斜め上を向いて見た概略を示している。図4に示す前輪支持部70との差異は、本実施例の前輪支持部70aには、取付部21p、75pL、75pRとコイルバネ78R、78Lとが追加されている点だけである。前輪支持部70aの他の部分の構成は、図4の前輪支持部70の対応する部分の構成と、同じであり、前輪支持部70aを備える車両10aの前輪支持部70a以外の部分の構成は、図1〜図4の車両10の対応する部分の構成と、同じである(同じ要素には、同じ符号を付して、説明を省略する)。
図示するように、中縦リンク部材21aは、中縦リンク部材21aの外面に固定された取付部21pを、含んでいる。取付部21pは、中縦リンク部材21aの外周側に向かって突出している。本実施例では、取付部21pは、前方向DFに向かって、突出している。軸支持部75aは、軸支持部75aの中縦リンク部材21a側の面に固定された2個の取付部75pL、75pRを、含んでいる。左取付部75pLは、取付部21pの左方向DL側に配置され、右取付部75pRは、取付部21pの右方向DR側に配置されている。以下、中縦リンク部材21aの取付部21pを、中取付部21pとも呼ぶ。取付部75pL、75pRは、それぞれ、下方向DD側に向かって突出している。中取付部21pと右取付部75pRとには、右コイルバネ78Rが接続されている。中取付部21pと左取付部75pLとには、左コイルバネ78Lが接続されている。これらのコイルバネ78R、78Lは、中縦リンク部材21aに、軸支持部75aに対して回動軸Ax2を中心に回動させる力を、作用させ得る。
図10(B)、図10(C)は、下方向DDを向いて見た、取付部21p、75pL、75pRの配置を示す概略図である。図10(B)は、2個のコイルバネ78R、78Lの力が釣り合った状態を示している。本実施例では、前輪12L、12R(図2)の進行方向D12Fが、前方向DFを向く状態で、2個のコイルバネ78R、78Lの力が釣り合っている。図10(C)は、中縦リンク部材21aが、釣り合いの位置(図10(B))から、右方向DR側に回動した状態を示している。この状態では、中縦リンク部材21aの中取付部21pは、左取付部75pLから遠ざかり、右取付部75pRに近づく。これにより、左コイルバネ78Lは、延び、右コイルバネ78Rは、縮む。この結果、コイルバネ78R、78Lは、中縦リンク部材21aに、左方向DL側へ回動する力を、作用させる。図示を省略するが、中縦リンク部材21aが、釣り合いの位置(図10(B))から、左方向DL側に回動する場合、コイルバネ78R、78Lは、中縦リンク部材21aに、右方向DR側へ回動する力を、作用させる。
このように、コイルバネ78R、78Lは、中縦リンク部材21aに、釣り合いの位置(図10(B))に向かう力を作用させる。すなわち、コイルバネ78R、78Lは、前輪の進行方向D12Fが前方向DF(すなわち、直進方向)を向くように、中縦リンク部材21aに力を作用させる。この結果、前輪支持部70aを備える車両10aの直進安定性を向上できる。
また、車両10aが旋回する場合、コイルバネ78R、78Lは、前輪の進行方向D12Fを、前方向DF(すなわち、直進方向)からずれた方向から、直進方向DFへ戻す力を、中縦リンク部材21aに付与する。この結果、車両10aの走行状態が、旋回走行から直進走行へ移行する場合に、前輪12L、12Rの進行方向D12Fが、旋回の方向(すなわち、直進方向DFからずれた方向)から直進方向DFへ戻るために要する時間を短縮できる。このように、進行方向D12Fの応答性を向上できる。この結果、走行安定性を向上できる。なお、中縦リンク部材21a(具体的には、中取付部21p)と、軸支持部75a(具体的には、取付部75pR、75pL)と、に接続されたコイルバネ78R、78Lは、前輪12L、12Rの進行方向D12Fが、直進方向DFからずれた方向から直進方向DFへ戻ることを促進する促進部の例である。
図11は、シミュレーションの結果を示すグラフである。このシミュレーションは、ハンドル角Wvを右と左との間で変化させた場合の、傾斜角TとヨーレートYRとの変化を示している。横軸は、時間TMを示し、縦軸は、ハンドル角Wvと傾斜角TとヨーレートYRとを示している。ハンドル角Wvの目盛りは、右側に示され、傾斜角TとヨーレートYRとの目盛りは、左側に示されている(ハンドル角Wvの単位は、度であり、傾斜角Tの単位は、度であり、ヨーレートYRの単位は、度/秒である)。ヨーレートは、ヨー角速度とも呼ばれ、車両10の重心を通る鉛直軸まわりの角速度である。車両が直進する場合のヨーレートYRは、ゼロである。「YR>ゼロ」は、車両が右方向に向かって旋回することを示し、「YR<ゼロ」は、車両が左方向に向かって旋回することを示している。
シミュレーションでは、速度Vが20km/hであり、コイルバネ78R、78Lのバネレートが3.6Nm/度であることとした。このバネレートは、中縦リンク部材21aの方向を1度変化させるために必要な力を示している。図11(A)は、コイルバネ78R、78Lの無い前輪支持部70(図4)を備える車両10のシミュレーション結果を示し、図11(B)は、コイルバネ78R、78Lを有する前輪支持部70a(図10(A))を備える車両10aのシミュレーション結果を示している。前輪支持部70、70aの構成以外の構成は、2つのシミュレーションの間で、同じであった。
シミュレーションでは、ハンドル角Wvを、三角関数に従って、右(Wv>ゼロ)と左(Wv<ゼロ)との間で、変化させた。図11(A)、図11(B)のいずれにおいても、ハンドル角Wvの変化に続いて、傾斜角Tが、同じ方向に変化した。そして、ハンドル角Wvの変化に続いて、ヨーレートYRが、同じ方向に変化した。
第1遅れDLY1(図11(A))と第2遅れDLY2(図11(B))とは、傾斜角Tの変化に対するヨーレートYRの変化の時間遅れを示している。ここでは、傾斜角TのピークTp1、Tp2とヨーレートYRのピークYRp1、YRp2との間の時間差を、遅れDLY1、DLY2として採用した。図示するように、第2遅れDLY2(図11(B))は、第1遅れDLY1(図11(A))よりも、小さい。この理由は、図11(B)のシミュレーションでは、ハンドル角WvがピークWvp2からゼロに向かって変化し始める場合に、中縦リンク部材21aの方向(すなわち、前輪の進行方向D12F)の直進方向DFに向かう変化が、コイルバネ78R、78L(図10(A))によって促進されるからである。
このように、コイルバネ78R、78Lが、ハンドル角Wvを変化させる場合の前輪の進行方向D12Fの応答性を向上し、そして、走行安定性を向上できることを、シミュレーションでも、確かめることができた。
C.第3実施例:
図12は、前輪支持部の別の実施例の説明図である。図10(A)は、前輪支持部70bの軸支持部75bと中縦リンク部材21bとの接続部分の斜視図である。この斜視図は、斜め上を向いて見た概略を示している。図4に示す前輪支持部70との差異は、本実施例の前輪支持部70bには、突出部21qと、ストッパ75qL、75qRが追加されている点だけである。前輪支持部70bの他の部分の構成は、図4の前輪支持部70の対応する部分の構成と、同じであり、前輪支持部70bを備える車両10bの前輪支持部70b以外の部分の構成は、図1〜図4の車両10の対応する部分の構成と、同じである(同じ要素には、同じ符号を付して、説明を省略する)。
図示するように、中縦リンク部材21bは、中縦リンク部材21bの外面に固定された突出部21qを、含んでいる。突出部21qは、中縦リンク部材21aの外周側に向かって突出している。本実施例では、突出部21qは、前方向DFに向かって、突出している。軸支持部75bは、軸支持部75bの中縦リンク部材21b側の面に固定された2個のストッパ75qL、75qRを、含んでいる。左ストッパ75qLは、突出部21qの左方向DL側に配置され、右ストッパ75qRは、突出部21qの右方向DR側に配置されている。ストッパ75qL、75qRは、それぞれ、下方向DD側に向かって突出している。
図12(B)、図12(C)は、下方向DDを向いて見た、突出部21qとストッパ75qL、75qRの配置を示す概略図である。図12(B)は、前輪の進行方向D12Fが直進方向DFをむいている状態を示している。この状態で、突出部21qは、2個のストッパ75qL、75qRの間の中間位置に(2個のストッパ75qL、75qRのそれぞれから離れた位置に)、位置している。図12(C)は、中縦リンク部材21bが、図12(B)の位置から右方向DR側に回動した状態を示している。この状態では、中縦リンク部材21bの突出部21qが、右ストッパ75qRに接触している。これにより、中縦リンク部材21bは、図12(C)の状態から更に右方向DRへ回動することはできない。図示を省略するが、中縦リンク部材21bが、図12(B)の位置から、左方向DL側に回動する場合も、突出部21qは、左ストッパ75qLに接触し得る。そして、中縦リンク部材21bは、突出部21qが左ストッパ75qLに接触する位置から更に左方向DL側へ回動することはできない。
このように、ストッパ75qL、75qRは、中縦リンク部材21bの回動可能な範囲(すなわち、回動角AGの取り得る範囲)を制限する。これにより、回動角AGが過度に大きくなることが抑制される。この結果、車両10bの走行状態が、旋回走行から直進走行へ移行する場合に、前輪の進行方向D12Fが、旋回の方向(すなわち、直進方向DFからずれた方向)から直進方向DFへ戻るために要する時間を短縮できる。このように、進行方向D12Fの応答性を向上できる。この結果、走行安定性を向上できる。また、回動角AGが過度に大きくなることが抑制されるので、車両10bの直進安定性を向上できる。なお、ストッパ75qL、75qRと突出部21qとは、回動角AGの取り得る範囲を制限することによって、前輪の進行方向D12Fが、直進方向DFからずれた方向から直進方向DFへ戻ることを促進している、といえる。
なお、進行方向D12Fを直進方向DFへ戻すことを促進するためには、ストッパ75qL、75qRによって制限される回動角AGの取り得る範囲が、狭いことが好ましい。例えば、回動角AGの取り得る範囲は、−10度以上+10度以下の範囲内であることが好ましく、−7度以上+7度以下の範囲内であることが特に好ましく、−5度以上+5度以下の範囲内であることが最も好ましい。いずれの場合も、回動角AGの取り得る範囲は、左方向DL側と右方向DR側との間で、対称であることが好ましい。
D.変形例:
(1)車体90を幅方向に傾斜させる傾斜機構の構成としては、リンク機構30(図4)を含む構成に代えて、他の種々の構成を採用可能である。例えば、傾斜機構としては、前輪12L、12Rを回転可能に支持する台と、車体90と、を幅方向に回動可能に接続するヒンジと、台に対する車体90の傾斜角度(すなわち、傾斜角T)を制御する電気モータと、を含む構成を採用してもよい。また、傾斜機構の駆動装置は、電気モータに代えて他の種類の駆動装置であってもよい。例えば、傾斜機構の駆動装置がポンプを含み、傾斜機構は、ポンプからの液圧(例えば、油圧)によって駆動されてもよい。また、操作入力部(例えば、ハンドル41a)と、傾斜機構とが、機械的に接続され、操作入力部を操作する力によって、傾斜機構が駆動されてもよい。一般的には、地面GLに対して車体90を傾斜させることが可能な種々の構成を採用可能である。ここで、単なるサスペンションとは異なり、車体90の傾斜角Tを、目標の傾斜角に維持することが可能な機構を採用することが好ましい。
また、操作入力部(例えば、ハンドル41a)への入力に応じて傾斜機構を制御する傾斜制御部は、図8で説明した車両制御部100とリーンモータ制御部102とのように、コンピュータを含む電気回路であってよい。代わりに、コンピュータを含まない電気回路が、操作入力部への入力に応じて、傾斜角Tが目標の傾斜角になるように、傾斜機構を制御してもよい。また、傾斜制御部は、操作入力部と傾斜機構とを機械的に接続する装置であってもよい。例えば、金属ワイヤが、ハンドル41aと傾斜機構(例えば、リンク機構30)とを機械的に接続してもよい。この場合、ハンドル41aを操作する力が金属ワイヤによって傾斜機構に伝達され、伝達された力によって傾斜機構が駆動される。
(2)操舵輪を左右に回動可能に支持する操舵輪支持部の構成としては、後フォーク87(図1)と操舵モータ65とを含む構成に代えて、他の種々の構成を採用可能である。例えば、後フォーク87に代えて、片持ちのサスペンションが、後輪12Bを回転可能に支持してもよい。また、操舵輪支持部の駆動装置は、電気モータに代えて他の種類の駆動装置であってもよい。例えば、操舵輪支持部の駆動装置がポンプを含み、操舵輪支持部は、ポンプからの液圧(例えば、油圧)によって、操舵輪の進行方向を回動させてもよい。また、操作入力部(例えば、ハンドル41a)と、操舵輪支持部とが、機械的に接続され、操作入力部を操作する力によって、操舵輪支持部が駆動されてもよい。一般的には、操舵輪の進行方向を回動させることが可能な種々の構成を採用可能である。
また、操作入力部(例えば、ハンドル41a)への入力に応じて操舵輪支持部を制御する操舵制御部は、図8で説明した車両制御部100と操舵モータ制御部103とのように、コンピュータを含む電気回路であってよい。代わりに、コンピュータを含まない電気回路が、操作入力部への入力に応じて、操舵角AFが目標の操舵角になるように、操舵輪支持部を制御してもよい。また、操舵制御部は、操作入力部と操舵輪支持部とを機械的に接続する装置であってもよい。例えば、操舵モータ65に代えて軸受けが後フォーク87を回動可能に支持し、そして、金属ワイヤが、ハンドル41aと後フォーク87とを機械的に接続してもよい。この場合、ハンドル41aを操作する力が金属ワイヤによって後フォーク87に伝達され、伝達された力によって後フォーク87(ひいては、後輪12Bの進行方向D12B)が回動する。
(3)図10の実施例において、一対の前輪12L、12Rの進行方向D12Fを、直進方向DFからずれた方向から直進方向DFへ戻す力を前輪支持部70aに付与する部材としては、コイルバネ78R、78Lに代えて、他の種々の弾性体を採用してよい。例えば、板バネ、トーションバー、ゴム、などを採用してもよい。また、そのような弾性体を用いる構成としては、図10で説明した構成に代えて、他の種々の構成を採用してよい。例えば、軸支持部75aに含まれる図示しない軸受けが、外輪と内輪とを含む場合に、弾性体は、外輪と内輪とに接続されてもよい。ここで、外輪と内輪との一方は、車体90に接続され、他方は、中縦リンク部材21aに接続される。
また、一対の前輪12L、12Rの進行方向D12Fが、直進方向DFからずれた方向から、直進方向DFへ戻ることを促進する促進部の構成としては、種々の構成を採用可能である。例えば、前輪12L、12Rのキャスター角CA(図1)がゼロであるように、前輪支持部70が構成されていてもよい。この構成によれば、車体90の旋回方向が変化する場合(例えば、右旋回から左旋回へ移行する場合)、車体90が新たな旋回方向へ向かって移動することによって、前輪12L、12Rの進行方向D12Fは、容易に直進方向DFに戻ることができ、さらに、新たな旋回方向へ容易に回動できる。このように、直進方向DFからずれた進行方向D12Fが直進方向DFへ戻ることが、促進される。この場合も、前輪12L、12Rの進行方向D12Fが、車体90の傾斜方向に自然に回動するためには、トレールLtがゼロよりも大きいことが好ましい。また、図10の実施例のような弾性体と、図12の実施例のようなストッパ75qL、75qRと、の両方を含む構成を採用してもよい。ただし、促進部が省略されてもよい。
(4)一対の前輪を左右に回動可能に支持する前輪支持部の構成としては、図4の実施例のように、前輪12L、12Rと傾斜機構79との両方を、回動軸Ax2を中心に回動させる構成に代えて、他の種々の構成を採用可能である。例えば、図4の実施例において、軸支持部75が省略されて、中縦リンク部材21が本体部20の接続台20eに固定されてもよい。すなわち、傾斜機構79は、本体部20に対して回動せずに、本体部20に固定されてよい。そして、左前輪12Lを回転可能に支持する左支持部171Lが、左サスペンション17Lに対して、左右に回動可能であり、右前輪12Rを回転可能に支持する右支持部171Rが、右サスペンション17Rに対して、左右に回動可能であってもよい。
いずれの場合も、前輪支持部は、特定の条件が満たされる場合に、一対の前輪を左右に回動可能に支持し、特定の条件が満たされない場合には、一対の前輪の進行方向を固定してもよい。例えば、図4の軸支持部75は、中縦リンク部材21を回動不能に固定するロック機構を有してもよい。そして、ロック機構を作動させることによって、中縦リンク部材21は、軸支持部75(ひいては、本体部20)に対して回動不能に固定される。この結果、進行方向D12Fが固定される。特定の条件は、任意の条件であってよい。特定の条件は、例えば、ユーザが、ロック機構を作動させること、であってもよい。ユーザは、例えば、車両10の駐車時に、ロック機構を作動させてよい。
また、いずれの場合も、前輪のトレール(例えば、トレールLt(図1))がゼロよりも大きいことが好ましい。すなわち、前輪支持部は、前輪の進行方向を左右に回動する場合の回動軸と地面GLとの交点が、前輪と地面との接触領域の中心位置よりも前方向DF側に位置するように、構成されていることが、好ましい。この構成によれば、前輪の進行方向が、自然に、車両の旋回方向に回動できるので、車両の走行安定性を向上できる。
(5)車両の制御方法としては、図9で説明した方法に代えて、他の種々の方法を採用可能である。例えば、車両制御部100(図8)は、車速Vに応じて、傾斜角Tの目標値を調整してもよい。例えば、車両制御部100、車速Vが予め決められた閾値以上である場合には、第1目標傾斜角T1を採用し、車速Vが閾値未満である場合には、第1目標傾斜角T1よりも絶対値が小さい第2目標傾斜角T2を採用してもよい。低速時には、高速時と比べて、進行方向が頻繁に変更される。従って、低速時には、傾斜角Tの絶対値を小さくすることによって、進行方向の頻繁な変更を伴う走行を、安定化できる。また、車両制御部100は、車速Vが閾値未満である場合には、前輪12L、12Rの進行方向D12Fが直進方向DFに固定されるように、前輪支持部(例えば、前輪支持部のロック機構)を制御してもよい。
(6)車両の構成としては、上述の構成に代えて、他の種々の構成を採用可能である。例えば、制御装置110(図8)のようなコンピュータが省略されてもよい。例えば、コンピュータを含まない電気回路が、センサ122、123、124、125、145、146とスイッチ47とからの信号に応じて、モータ51、25、65を制御してもよい。また、電気回路に代えて、油圧やモータの駆動力を利用して動作する機械が、モータ51、25、65を制御してもよい。また、複数の車輪の総数と配置としては、種々の構成を採用可能である。例えば、前輪の総数が2であり、後輪の総数が2であってもよい。一般的に、前輪の総数は、2以上であってよく、後輪の総数は、1以上であってよい。いずれの場合も、車両は、車両の幅方向に互いに離れて配置された一対の前輪と、一対の前輪よりも後方向DB側に配置される操舵輪である後輪と、を含む3以上の車輪を備えることが好ましい。この構成によれば、車両の停止時に車両が自立できる。また、駆動輪を駆動する駆動装置は、電気モータに代えて、車輪を回転させる任意の装置であってよい(例えば、内燃機関)。また、駆動装置を省略してもよい。すなわち、車両は、人力の車両であってもよい。この場合、傾斜機構は、操作入力部の操作に応じて動作する人力の傾斜機構であってよい。また、車両の最大定員数は、1人に代えて、2人以上であってもよい。
(7)上記各実施例において、ハードウェアによって実現されていた構成の一部をソフトウェアに置き換えるようにしてもよく、逆に、ソフトウェアによって実現されていた構成の一部あるいは全部をハードウェアに置き換えるようにしてもよい。例えば、図8の車両制御部100の機能を、専用のハードウェア回路によって実現してもよい。
また、本発明の機能の一部または全部がコンピュータプログラムで実現される場合には、そのプログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体(例えば、一時的ではない記録媒体)に格納された形で提供することができる。プログラムは、提供時と同一または異なる記録媒体(コンピュータ読み取り可能な記録媒体)に格納された状態で、使用され得る。「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」は、メモリーカードやCD−ROMのような携帯型の記録媒体に限らず、各種ROM等のコンピュータ内の内部記憶装置や、ハードディスクドライブ等のコンピュータに接続されている外部記憶装置も含み得る。
以上、実施例、変形例に基づき本発明について説明してきたが、上記した発明の実施の形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨並びに特許請求の範囲を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれる。