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JP2018168207A - 液晶性ポリエステル樹脂組成物およびそれからなる成形品 - Google Patents

液晶性ポリエステル樹脂組成物およびそれからなる成形品 Download PDF

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JP2018168207A JP2017064270A JP2017064270A JP2018168207A JP 2018168207 A JP2018168207 A JP 2018168207A JP 2017064270 A JP2017064270 A JP 2017064270A JP 2017064270 A JP2017064270 A JP 2017064270A JP 2018168207 A JP2018168207 A JP 2018168207A
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Yosuke Yamada
洋輔 山田
松原 知史
Tomoshi Matsubara
知史 松原
立川 浩司
Koji Tachikawa
浩司 立川
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Abstract

【課題】
耐熱性、低発塵性、帯電防止性に優れ、さらには高温環境下でのブリスター発生を低減することのできる液晶性ポリエステル樹脂組成物およびそれらからなる成形品を提供する。
【解決手段】
液晶性ポリエステル樹脂(A)50〜80重量部と非繊維状無機充填材(B)20〜50重量部の合計100重量部に対し、イオン性液体(C)を0.3〜2.0重量部を配合してなる液晶性ポリエステル樹脂組成物であって、前記イオン性液体(C)がホスホニウム型イオン性液体であることを特徴とする液晶性ポリエステル樹脂組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は耐熱性、低発塵性、帯電防止性に優れ、さらには高温環境下でのブリスター発生を低減することのできる液晶性ポリエステル樹脂組成物およびそれからなる成形品に関する。
近年、プラスチックの高性能化に対する要求がますます高まり、種々の新規性能を有する樹脂が数多く開発され、市場に供されている。中でも、分子鎖の平行な配列を特徴とする光学異方性を有する液晶性ポリエステル樹脂が、優れた流動性、耐熱性、機械的性質、寸法安定性を有する点で注目され、微細コネクターなどの精密成形品に使用されるようになっている。
カメラモジュールに代表される光学機器においても、部品の小型化や高性能化に伴い良成形性や耐熱性が求められるようになってきており、液晶性ポリエステル樹脂の活用の幅が広がってきている。一方、このような光学機器においてはわずかなゴミや埃等が機器性能に影響を与えることが知られている。液晶性ポリエステル樹脂は表面固有抵抗値が大きく、接触や摩擦などで誘起された静電気が消失し難いため、成形工程や組み立て工程においてゴミや埃が成形品に付着しやすい。このような問題に対し、液晶性ポリエステル樹脂に帯電防止剤であるイオン性液体を配合する検討が行われている(例えば、特許文献1)。特許文献1では、液晶性ポリエステル樹脂にアンモニウム型イオン性液体を配合することで成形品の表面固有抵抗値を下げ、静電気防止性能を高めている。
特表2015−532353号公報
しかしながら、特許文献1に開示された発明における静電気防止性能は、昨今求められている帯電防止特性を十分に満たすものではなかった。本発明は、上記従来技術の問題点を解決するために検討した結果達成されたものであり、耐熱性、低発塵性、帯電防止性に優れ、さらには高温環境下でのブリスター発生を低減することのできる液晶性ポリエステル樹脂組成物およびそれらからなる成形品を提供することを目的とするものである。
本発明者らは、上記の目的を達成するために誠意検討した結果、液晶性ポリエステル樹脂に対し、非繊維状無機充填材と、特定のイオン性液体を配合することにより、上記の目的が初めて達成されることを見出し、本発明に到達した。
すなわち本発明は、液晶性ポリエステル樹脂(A)50〜80重量部と非繊維状無機充填材(B)20〜50重量部の合計100重量部に対し、イオン性液体(C)を0.3〜2.0重量部を配合してなる液晶性ポリエステル樹脂組成物であって、イオン性液体(C)がホスホニウム型イオン性液体であることを特徴とする液晶性ポリエステル樹脂組成物である。
本発明によれば、耐熱性、低発塵性、帯電防止性にすぐれ、さらには高温環境下でのブリスター発生を低減することのできる液晶性ポリエステル樹脂組成物、およびそれらからなる成形品を得ることが出来る。
実施例において作製したコネクター成形品の斜視図である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明で用いられる、液晶性ポリエステル樹脂(A)は、例えば芳香族オキシカルボニル単位、芳香族および/または脂肪族ジオキシ単位、芳香族および/または脂肪族ジカルボニル単位などから選ばれた構造単位からなり、かつ異方性溶融相を形成する液晶性ポリエステル樹脂である。
芳香族オキシカルボニル単位としては、例えば、p−ヒドロキシ安息香酸、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸などから生成した構造単位が挙げられ、p−ヒドロキシ安息香酸から生成した構造単位が好ましい。芳香族および/または脂肪族ジオキシ単位としては、例えば、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、ハイドロキノン、3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ジヒドロキシビフェニル、t−ブチルハイドロキノン、フェニルハイドロキノン、2,6−ジヒドロキシナフタレン、2,7−ジヒドロキシナフタレン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、エチレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオールなどから生成した構造単位が挙げられ、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、ハイドロキノンから生成した構造単位が好ましい。芳香族および/または脂肪族ジカルボニル単位としては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、1,2−ビス(フェノキシ)エタン−4,4’−ジカルボン酸、1,2−ビス(2−クロロフェノキシ)エタン−4,4’−ジカルボン酸、4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸などから生成した構造単位が挙げられ、テレフタル酸、イソフタル酸から生成した構造単位が好ましい。
液晶性ポリエステル樹脂の具体例としては、p−ヒドロキシ安息香酸から生成した構造単位および6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸から生成した構造単位からなる液晶性ポリエステル樹脂、p−ヒドロキシ安息香酸から生成した構造単位、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸から生成した構造単位、芳香族ジヒドロキシ化合物から生成した構造単位、および芳香族ジカルボン酸および/または脂肪族ジカルボン酸から生成した構造単位からなる液晶性ポリエステル樹脂、p−ヒドロキシ安息香酸から生成した構造単位、4,4’−ジヒドロキシビフェニルから生成した構造単位、テレフタル酸、イソフタル酸等の芳香族ジカルボン酸および/またはアジピン酸、セバシン酸等の脂肪族ジカルボン酸から生成した構造単位からなる液晶性ポリエステル樹脂、p−ヒドロキシ安息香酸から生成した構造単位、4,4’−ジヒドロキシビフェニルから生成した構造単位、ハイドロキノンから生成した構造単位、テレフタル酸、イソフタル酸等の芳香族ジカルボン酸および/またはアジピン酸、セバシン酸等の脂肪族ジカルボン酸から生成した構造単位からなる液晶性ポリエステル樹脂、p−ヒドロキシ安息香酸から生成した構造単位、エチレングリコールから生成した構造単位、テレフタル酸および/またはイソフタル酸から生成した構造単位からなる液晶性ポリエステル樹脂、p−ヒドロキシ安息香酸から生成した構造単位、エチレングリコールから生成した構造単位、4,4’−ジヒドロキシビフェニルから生成した構造単位、テレフタル酸から生成した構造単位および/またはアジピン酸、セバシン酸等の脂肪族ジカルボンから生成した構造単位からなる液晶性ポリエステル樹脂、p−ヒドロキシ安息香酸から生成した構造単位、エチレングリコールから生成した構造単位、芳香族ジヒドロキシ化合物から生成した構造単位、テレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸から生成した構造単位からなる液晶性ポリエステル樹脂、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸から生成した構造単位、4,4’−ジヒドロキシビフェニルから生成した構造単位、2,6−ナフタレンジカルボン酸から生成した構造単位からなる液晶性ポリエステル樹脂などが挙げられる。
これら液晶性ポリエステル樹脂の中でも、下記構造単位(I)、(II)、(III)、(IV)および(V)から構成される液晶性ポリエステル樹脂は、低発塵性の観点から好ましい。このような液晶性ポリエステル樹脂は、共重合単位が多いため液晶性が低くなり、液晶性ポリエステル樹脂の特性であるフィブリル化を起こしにくいためである。
上記構造単位(I)はp−ヒドロキシ安息香酸から生成した構造単位を、構造単位(II)は4,4’−ジヒドロキシビフェニルから生成した構造単位を、構造単位(III)はハイドロキノンから生成した構造単位を、構造単位(IV)はテレフタル酸から生成した構造単位を、構造単位(V)はイソフタル酸から生成した構造単位を各々示す。
構造単位(I)は、構造単位(I)、(II)および(III)の合計に対して65〜80モル%が好ましい。発生ガス量が低下することから、その下限値は68モル%以上がより好ましく、靭性の観点から上限値は78モル%以下がより好ましい。
また、構造単位(II)は、構造単位(II)および(III)の合計に対して55〜85モル%が好ましい。特に発生ガス量が低下することから、その下限値は55モル%以上がより好ましく、最も好ましくは58モル%以上であり、靭性の観点から上限値は78モル%以下がより好ましく、最も好ましくは73モル%以下である。
また、構造単位(IV)は、構造単位(IV)および(V)の合計に対して50〜95モル%が好ましい。特に発生ガス量が低下することから、その下限値はより好ましくは55モル%以上がより好ましく、最も好ましくは60モル%以上であり、靭性の観点から上限値は90モル%以下がより好ましく、最も好ましくは85モル%以下である。
構造単位(II)および(III)の合計と(IV)および(V)の合計は実質的に等モルであることが好ましい。ここで、「実質的に等モル」とは、末端を除くポリマー主鎖を構成する構造単位が等モルであることを示し、末端を構成する構造単位まで含めた場合には必ずしも等モルとは限らない。ポリマーの末端基を調節するために、ジカルボン酸成分またはジヒドロキシ成分を過剰に加えてもよい。
本発明の実施形態において、(A)液晶性ポリエステル樹脂における各構造単位の含有量は、以下の処理によって算出することができる。すなわち、液晶性ポリエステル樹脂をNMR(核磁気共鳴)試験管に量りとり、液晶性ポリエステル樹脂が可溶な溶媒(例えば、ペンタフルオロフェノール/重テトラクロロエタン−d2混合溶媒)に溶解して、1H−NMRスペクトル測定を行う。各構造単位の含有量は、各構造単位由来のピーク面積比から算出することができる。
本発明における液晶性ポリエステル樹脂の融点は、加工性および流動性の点から300〜350℃が好ましく、加工性の観点からその下限値は310℃以上がより好ましく、特に320℃以上が好ましい。また、流動性の観点からその上限値は340℃以下がより好ましく、330℃以下が特に好ましい。このような融点である場合には、加工時の分解ガス発生が抑制でき、かつ流動性が充分に発揮されるため好ましい。
本発明の(A)液晶性ポリエステル樹脂の融点(Tm)は次の方法で測定することができる。示差熱量測定において、液晶性ポリエステル樹脂を室温から40℃/分の昇温条件で測定した際に観測される吸熱ピーク温度(Tm)の観測後、Tm+20℃の温度で5分間保持した後、20℃/分の降温条件で室温まで一旦冷却し、再度20℃/分の昇温条件で測定した際に観測される吸熱ピーク温度(Tm)を融点(Tm)とした。
また、本発明における(A)液晶性ポリエステル樹脂の溶融粘度は1〜100Pa・sが好ましく、加工性の観点からその下限値は3Pa・s以上がより好ましく、特に好ましくは5Pa・s以上であり、流動性の観点から上限値は50Pa・s以下がより好ましく、30Pa・s以下が特に好ましい。なお、溶融粘度は液晶性ポリエステル樹脂の融点+10℃の条件で、ずり速度1,000/sの条件下で高化式フローテスターによって測定した値である。
本発明の(A)液晶性ポリエステル樹脂は、公知のポリエステルの重縮合法により得ることができる。例えば、前述の構造単位(I)、(II)、(III)、(IV)および(V)から構成される液晶性ポリエステル樹脂の場合は、次の製造方法が好ましく挙げられる。
(1)p−アセトキシ安息香酸、4,4’−ジアセトキシビフェニル、およびジアセトキシベンゼンとテレフタル酸およびイソフタル酸とから脱酢酸重縮合反応によって液晶性ポリエステルを製造する方法。
(2)p−ヒドロキシ安息香酸、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、ハイドロキノン、テレフタル酸およびイソフタル酸に無水酢酸を反応させて、フェノール性水酸基をアシル化した後、脱酢酸重縮合反応によって液晶性ポリエステルを製造する方法。
(3)p−ヒドロキシ安息香酸のフェニルエステル、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、ハイドロキノン、ならびにテレフタル酸およびイソフタル酸のジフェニルエステルから脱フェノール重縮合反応により液晶性ポリエステルを製造する方法。
(4)p−ヒドロキシ安息香酸ならびにテレフタル酸およびイソフタル酸などの芳香族ジカルボン酸に所定量のジフェニルカーボネートを反応させて、それぞれジフェニルエステルとした後、4,4’−ジヒドロキシビフェニルおよびハイドロキノンなどの芳香族ジヒドロキシ化合物を加え、脱フェノール重縮合反応により液晶性ポリエステルを製造する方法。
本発明において、液晶性ポリエステル樹脂を脱酢酸重縮合反応により製造する際には、液晶性ポリエステル樹脂が溶融する温度で減圧下反応させ、重縮合反応を完了させる溶融重合法が好ましい。例えば、前述の構造単位(I)、(II)、(III)、(IV)および(V)から構成される液晶性ポリエステル樹脂の場合は、所定量のp−ヒドロキシ安息香酸、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、ハイドロキノン、テレフタル酸、イソフタル酸、および無水酢酸を、撹拌翼および留出管を備え、下部に吐出口を備えた反応容器中に仕込み、窒素ガス雰囲気下で撹拌しながら加熱して水酸基をアセチル化させた後、液晶性ポリエステル樹脂の溶融温度まで昇温し、減圧により重縮合して反応を完了させる方法が挙げられる。
得られたポリマーは、それが溶融する温度で反応容器内を、例えば、およそ1.0kg/cm(0.1MPa)に加圧し、反応容器下部に設けられた吐出口よりストランド状に吐出することができる。溶融重合法は均一なポリマーを製造するために有利な方法であり、ガス発生量がより少ない優れたポリマーを得ることができ、好ましい。
液晶性ポリエステル樹脂の重縮合反応は無触媒でも進行するが、酢酸第一錫、テトラブチルチタネート、酢酸カリウム、酢酸ナトリウム、三酸化アンチモン、および金属マグネシウムなどの金属化合物を使用することもできる。
本発明で用いられる非繊維状無機充填材(B)の「非繊維状」とは、繊維状以外の形態を示すものであり、板状、鱗片状、粒状、不定形状、破砕品などが挙げられる。具体的には、タルク、マイカ、カオリン、シリカ、球状シリカ、炭酸カルシウム、ガラスビーズ、ガラスフレーク、ガラスマイクロバルーン、クレー、二硫化モリブデン、酸化チタン、酸化亜鉛、ポリリン酸カルシウム、黒鉛、金属粉、金属フレーク、金属リボン、金属酸化物、カーボンブラック、カーボンフレーク、鱗片状カーボンなどが挙げられる。その中でもマイカ、タルク、球状シリカを用いると表面平滑性が向上し、摺動による発塵の発生が抑制できるため好ましく、特に球状シリカを用いると耐衝撃性が向上する効果が期待できるため、より好ましい。本発明に使用される上記の非繊維状無機充填材は、その表面を公知のカップリング剤(例えば、シラン系カップリング剤、チタネート系カップリング剤など)、その他の表面処理剤で処理されていてもよい。また、これらの非繊維状無機充填材は、1種単独または2種以上併用して使用することができ、板状と球状の非繊維状充填材を併用することで表面平滑性と耐衝撃性が両立できるため好ましく、特にマイカと球状シリカを併用することがより好ましい。
上記球状シリカは、一次粒子が球形で、真球度0.60以上であるシリカ粒子のことを指し、樹脂への高充填化および分散性の点から、その真球度が0.85以上のものが好ましく、より好ましくは0.90以上であり、更に好ましくは、0.92以上である。
真球度は、粒子の二次元画像から求めた面積と周囲長から以下の式により算出する。
(真球度)={4π×(面積)÷(周囲長)}。
真球度は、1に近づくほど真球に近い。真球度の測定は、シリカを100mg秤量し、水中に分散させ、画像処理装置(シスメックス株式会社:FPIA−3000)を用い、無作為に抽出した1000個の粒子の二次元画像から測定した面積および周囲長の平均値を用いて、上記式により求めることができる。
本発明で用いられる非繊維状無機充填材(B)の平均粒子径は、10〜50μmであり、好ましくは15〜45μm、更に好ましくは15〜40μmである。非繊維状無機充填材(B)の平均粒子径が10μm以上の場合、液晶性ポリエステル樹脂(A)に対する非繊維状無機充填材(B)のフィブリル化抑制効果が発揮され、低発塵性の効果を得ることができる。一方、非繊維状充填材(B)の平均粒子径が50μm以下であると、表面平滑性を有し、表面に収縮ムラによる凹凸が形成されないため、摺動による発塵の発生が抑制できる。
非繊維状無機充填材(B)の平均粒子径は数平均粒子径であり、例えば樹脂組成物を灰化した灰分を走査型電子顕微鏡で観察し、任意に選んだ非繊維状無機充填材粒子50個の長径を測定し、数平均粒子径を求めることができる。
本発明の液晶性ポリエステル樹脂組成物では、非繊維状無機充填材(B)の配合量は、液晶性ポリエステル樹脂(A)と非繊維状無機充填材(B)の総量を100重量部としたとき、20〜50重量部であり、好ましくは25〜45重量部である。非繊維状充填材(B)の配合量が20重量部未満の場合、液晶性ポリエステル樹脂(A)に対する非繊維状無機充填材(B)のフィブリル化抑制効果が充分でなく低発塵性が得られない。一方、非繊維状充填材(B)の配合量が50重量部を超える場合、樹脂から離脱する充填材が多く、発塵量が多くなり好ましくない。さらには、耐衝撃性が著しく低下してしまう。
本発明で用いられる、イオン性液体(C)は、ホスホニウム型イオン性液体を用いることで最良の効果を発揮する。
イオン性液体とは、カチオンおよびアニオンのみから構成される塩であって、常温で液体である一連の化合物であり、帯電防止剤として機能する。
イオン性液体を構成するカチオンとしては、イミダゾリウム、ピリジニウム、アンモニウム、ホスホニウム、スルホニウム型が挙げられる。この中でも、耐熱性に優れるホスホニウム型を用いることが本発明の液晶性ポリエステル樹脂組成物を得るために必須であり、さらにテトラアルキルホスホニウム型であることが耐熱性の点でより好ましい。
イオン性液体を構成するアニオンとしては、フッ化物イオン、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオンなどのハロゲン化物イオン、硝酸イオン(NO )、テトラフルオロホウ酸イオン(BF )、ヘキサフルオロリン酸イオン(PF )、(FSO、AlCl 、乳酸イオン、酢酸イオン(CHCOO)、トリフルオロ酢酸イオン(CFCOO)、メタンスルホン酸イオン(CHSO )、トリフルオロメタンスルホン酸イオン(CFSO )、ビス(フルオロスルホニル)イミドイオン((FSO)、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドイオン((CFSO)、ビス(ペンタフルオロエチルスルホニル)イミドイオン((CSO)、BF 、トリス(トリフルオロメタンスルホニル)炭素酸イオン((CFSO)、過塩素酸イオン(ClO )、ジシアンアミドイオン((CN))、有機硫酸イオン、有機スルホン酸イオン、RCOO、HOOCRCOOOOCRCOO、NHCHRCOO(Rは置換基であり、脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基、エーテル基、エステル基、またはアシル基であり、置換基はフッ素原子を含んでいてもよい。)などが挙げられる。
この中でも、アニオンがビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドイオンの場合は、イオン性液体の粘度が低く抑えられ、疎水性が高い特徴を有していることから、液晶性ポリエステル樹脂への分散性が良好であるため好ましい。
上記カチオンとアニオンの組み合わせにおいて、テトラアルキルホスホニウムとビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドを用いることで最良の効果を発揮する。
本発明の液晶性ポリエステル樹脂組成物では、イオン性液体(C)の配合量は、液晶性ポリエステル樹脂(A)と非繊維状無機充填材(B)の合計100重量部に対し、0.3〜2.0重量部であり、好ましくは0.5〜1.5重量部である。イオン性液体(C)の配合量が0.3重量部未満の場合は十分な帯電防止性を付加できず、一方、イオン性液体(C)の配合量が2.0重量部を超える場合は、高温環境下におけるブリスター発生を抑えることが難しい。なお、本発明の樹脂組成物は、樹脂組成物を作製する工程において一部のイオン性液体(C)が変化する可能性があり、その結果生成した物質も含む場合がある。しかしながら、当該物質の構造を特定することは実際的でない事情が存在することから、本発明は配合する成分により発明を特定するものである。
さらには、本発明の目的を損なわない範囲で、酸化防止剤および熱安定剤(たとえばヒンダードフェノール、ヒドロキノン、ホスファイト類およびこれらの置換体など)、紫外線吸収剤(たとえばレゾルシノール、サリシレート、ベンゾトリアゾール、ベンゾフェノンなど)、離型剤(モンタン酸およびその塩、そのエステル、そのハーフエステル、ステアリルアルコール、ステアラミドおよびポリエチレンワックスなど)、染料(たとえばニグロシンなど)および顔料(たとえば硫化カドミウム、フタロシアニン、カーボンブラックなど)を含む着色剤、可塑剤、難燃剤、難燃助剤、などの通常の添加剤や他の熱可塑性樹脂(フッ素樹脂など)を添加して、所定の特性を付与することができる。
本発明の液晶性ポリエステル樹脂組成物は溶融混練により製造することが好ましく、溶融混練には公知の方法を用いることができる。例えば、バンバリーミキサー、ゴムロール機、ニーダー、単軸もしくは二軸押出機などを用いることができる。これらのうち、本発明の液晶性ポリエステル樹脂組成物は、繊維状充填材の数平均長さを制御する必要があることから、押出機を用いることが好ましく、二軸押出機を用いることがより好ましく、なかでも中間添加口を有する二軸押出機を用いることが特に好ましい。ただし、高級脂肪酸金属塩は、溶融混練押出後のペレットにブレンドするのが好ましい。こうすることで、成形加工性を飛躍的に向上させることができる。高級脂肪族金属塩とペレットのブレンドには、例えばタンブラーミキサー、リボンブレンダーなどが用いられる。また、高級脂肪酸金属塩は、液晶性樹脂やその他の添加剤とともに二軸押出機中で溶融混練してもよい。
本発明の液晶性ポリエステル樹脂組成物は、公知の成形法により各種成形品に成形されるが、射出成形が好ましい。射出成形することによって、液晶性ポリエステル樹脂が、特定量配合された非繊維状無機充填材により配向を抑制された状態でスキン層を形成し、かつ粗度の小さい表面が得られ、低発塵に特異的な効果が得られる。
かくして得られる成形品は、耐熱性、低発塵性、帯電防止性、および高温環境下での耐ブリスター性に優れることから、光学機器部品に好適に用いることができ、更にはレンズ保持部を有する部品に好適であり、特にカメラモジュールのレンズユニットを構成するレンズバレルやレンズホルダー、アクチュエーターユニットを構成するスリーブや台座、ハウジング等に好適に用いられる。
以下に実施例によって本発明の効果を説明する。なお、実施例中の%及び部とは、断りのない場合、すべて重量基準である。また、例中に示される物性は次のように測定した。
各特性の評価方法は以下の通りである。
[引張強度、引張伸び]
各実施例および比較例で得られた液晶性ポリエステル樹脂組成物を、ファナックロボショットα−30C(ファナック(株)製)を用いて、シリンダ温度を液晶性ポリエステル樹脂の融点+10℃に設定し、金型温度90℃、射出速度100mm/sの条件で射出成形を行い、ASTM1号ダンベル試験片を成形した。得られた成形品をASTM D638に従い引張強度および引張伸びの測定を行った。
[Izod衝撃強度]
各実施例および比較例で得られた液晶性ポリエステル樹脂組成物を、ファナックロボショットα−30C(ファナック(株)製)を用いて、シリンダ温度を液晶性ポリエステル樹脂の融点+10℃に設定し、金型温度90℃、射出速度100mm/sの条件で射出成形を行い、64mm×12.7mm×6.4mm厚のASTM衝撃試験片を作成した。得られた成形品をASTM D256に従い、ノッチ有りでアイゾット衝撃強度の測定を行い、10回の測定の平均値を算出した。
[荷重たわみ温度]
各実施例および比較例で得られた液晶性ポリエステル樹脂組成物を、ファナックロボショットα−30C(ファナック(株)製)を用いて、シリンダ温度を液晶性ポリエステル樹脂の融点+10℃に設定し、金型温度90℃、射出速度100mm/sの条件で射出成形を行い、縦127mm×横12.5mm×厚み3mmの曲げ試験片を成形した。得られた曲げ試験片を用いて、ASTM D648に準拠して荷重たわみ温度を測定した。
[表面固有抵抗値]
各実施例および比較例で得られた液晶性ポリエステル樹脂組成物を、ファナックロボショットα−30C(ファナック(株)製)を用いて、シリンダ温度を液晶性ポリエステル樹脂の融点+10℃に設定し、金型温度90℃、射出速度100mm/sの条件で射出成形を行い、80mm×80mm×3mm厚の角板を作成した。表面固有抵抗値東亜電波工業社製"ULTRA MEGOHMMETER" model SM−10Eを使用し、得られた角板の中央部付近を印加電圧500Vの条件で表面固有抵抗値を測定した。
[耐ブリスタ性試験]
各実施例および比較例で得られた液晶性ポリエステル樹脂組成物を、ファナックロボショットα−30C(ファナック(株)社製)を用いて、シリンダ−温度を液晶性ポリエステル樹脂の融点+10℃に設定し、金型温度90℃の条件で射出成形を行い、図1に示すピッチ間距離が0.4mm、製品の最小肉厚部(図1 隔壁部3)が0.2mm、外形寸法が幅3mm×高さ2mm×長さ30mmのコネクター成形品を得た。図1は上記コネクター成形品の斜視図である。コネクター成形品の片側の短尺面2に設置したピンゲートG1(ゲート径0.3mm)から液晶性ポリエステル樹脂組成物を充填し、成形品を得た。得られたコネクター成形品を用い、コネクター成形品のリフローテストを実施し、ブリスターの発生率を算出した。
リフローテストは、以下の手順で行った。250℃に加熱されたオーブン中に上記コネクター成形品200個を10分間放置し、ブリスターが発生した成形品の個数をカウントし、不良率を計算した。(不良率が5%を超えるものは生産性に劣るものと判断した)。
[埃付着試験]
各実施例および比較例で得られた液晶性ポリエステル樹脂組成物を、ファナックロボショットα−30C(ファナック(株)製)を用いて、シリンダ温度を液晶性ポリエステル樹脂の融点+10℃に設定し、金型温度90℃、射出速度100mm/sの条件で射出成形を行い、80mm×80mm×3mm厚の角板を作成した。得られた角板の表面をウール製の布帛で100回擦り、直後に粉砕機にて平均粒子径0.5μmまで粉末化した液晶性ポリエステル樹脂(後述の参考例1により得られた液晶性ポリエステル樹脂(A−1)を粉末化したもの)に、成形品との距離が1mmとなるまで近づけ、成形品表面に粉末化した液晶性ポリエステル樹脂が付着したものを“×”、付着しなかったものを“○”とした。
[発塵性]
各実施例および比較例で得られた液晶性ポリエステル樹脂組成物を、ファナックロボショットα−30C(ファナック(株)製)を用いて、ASTM1号ダンベル試験片を成形した。シリンダ温度を液晶性ポリエステル樹脂組成物の融点Tm+10℃に設定し、金型温度を90℃に設定し成形した。上記により得られた成形品に住友3M(株)製Schotch透明粘着テープを圧着し、剥がした際の粘着テープを東洋精機製作所社製“DIRECT READING HAZE METER”にてヘイズ値(曇り)を測定した。ヘイズ値が小さいほど曇りが少ないことを示す。
(A)液晶性ポリエステル樹脂
[参考例1]液晶性ポリエステル樹脂(A−1)の合成
撹拌翼、留出管を備えた5Lの反応容器にp−ヒドロキシ安息香酸870重量部、4,4’−ジヒドロキシビフェニル327重量部、ハイドロキノン89重量部、テレフタル酸292重量部、イソフタル酸157重量部および無水酢酸1367重量部(フェノール性水酸基合計の1.03当量)を仕込み、窒素ガス雰囲気下で撹拌しながら145℃で2時間反応させた後、320℃まで4時間で。昇温した。その後、重合温度を320℃に保持し、1.0時間で1.0mmHg(133Pa)に減圧し、更に90分間反応を続け、撹拌に要するトルクが15kg・cmに到達したところで重合を完了させた。次に反応容器内を1.0kg/cm2(0.1MPa)に加圧し、直径10mmの円形吐出口を1ケ持つ口金を経由してポリマーをストランド状物に吐出し、カッターによりペレタイズして液晶性ポリエステル樹脂(A−1)を得た。
この液晶性ポリエステル樹脂(A−1)について組成分析を行なったところ、p−ヒドロキシ安息香酸由来の構造単位(構造単位(I))と4,4’−ジヒドロキシビフェニル由来の構造単位(構造単位(II))とハイドロキノン由来の構造単位(構造単位(III))の合計に対するp−ヒドロキシ安息香酸由来の構造単位(構造単位(I))の割合は、70モル%であった。4,4’−ジヒドロキシビフェニル由来の構造単位(構造単位(II))とハイドロキノン由来の構造単位(構造単位(III))の合計に対する4,4’−ジヒドロキシビフェニル由来の構造単位(構造単位(II))の割合は、70モル%であった。テレフタル酸由来の構造単位(構造単位(IV))とイソフタル酸由来の構造単位(構造単位(V))の合計に対するテレフタル酸由来の構造単位(構造単位(IV))の割合は、65モル%であった。4,4’−ジヒドロキシビフェニル由来の構造単位(構造単位(II))およびハイドロキノン由来の構造単位(構造単位(III))の合計は全構造単位に対して23モル%であり、テレフタル酸由来の構造単位(構造単位(IV))およびイソフタル酸由来の構造単位(構造単位(V))の合計全構造単位に対して23モル%であった。液晶性ポリエステル樹脂(A−2)の融点(Tm)は314℃であった。高化式フローテスター(オリフィス0.5φ×10mm)を用い、温度324℃、せん断速度1,000/sで測定した溶融粘度は20Pa・sであった。
[参考例2]液晶性ポリエステル樹脂(A−2)の合成
撹拌翼、留出管を備えた5Lの反応容器にp−ヒドロキシ安息香酸932重量部、4,4’−ジヒドロキシビフェニル251重量部、ハイドロキノン99重量部、テレフタル酸284重量部、イソフタル酸90重量部および無水酢酸1252重量部(フェノール性水酸基合計の1.09当量)を仕込み、窒素ガス雰囲気下で撹拌しながら145℃で1時間反応させた後、ジャケット温度を145℃から270℃までを平均昇温速度0.68℃/分で昇温させ、270℃から350℃までを平均昇温速度1.4℃/分で昇温させた。昇温時間は4時間であった。その後、重合温度を350℃に保持し、1.0時間で1.0mmHg(133Pa)に減圧し、更に反応を続け、撹拌に要するトルクが10kg・cmに到達したところで重合を完了させた。次に反応容器内を1.0kg/cm2(0.1MPa)に加圧し、直径10mmの円形吐出口を1ケ持つ口金を経由してポリマーをストランド状物に吐出し、カッターによりペレタイズして液晶性ポリエステル樹脂(A−2)を得た。
この液晶性ポリエステル樹脂(A−2)について組成分析を行なったところ、p−ヒドロキシ安息香酸由来の構造単位(構造単位(I))と4,4’−ジヒドロキシビフェニル由来の構造単位(構造単位(II))とハイドロキノン由来の構造単位(構造単位(III))の合計に対するp−ヒドロキシ安息香酸由来の構造単位(構造単位(I))の割合は、75モル%であった。4,4’−ジヒドロキシビフェニル由来の構造単位(構造単位(II))とハイドロキノン由来の構造単位(構造単位(III))の合計に対する4,4’−ジヒドロキシビフェニル由来の構造単位(構造単位(II))の割合は、60モル%であった。テレフタル酸由来の構造単位(構造単位(IV))とイソフタル酸由来の構造単位(構造単位(V))の合計に対するテレフタル酸由来の構造単位(構造単位(IV))の割合は、76モル%であった。4,4’−ジヒドロキシビフェニル由来の構造単位(構造単位(II))およびハイドロキノン由来の構造単位(構造単位(III))の合計は全構造単位に対して20モル%であり、テレフタル酸由来の構造単位(構造単位(IV))およびイソフタル酸由来の構造単位(構造単位(V))の合計全構造単位に対して20モル%であった。液晶性ポリエステル樹脂(A−2)の融点(Tm)は325℃であった。高化式フローテスター(オリフィス0.5φ×10mm)を用い、温度335℃、せん断速度1,000/sで測定した溶融粘度は8Pa・sであった。
(B)非繊維状無機充填材
各実施例および比較例において用いた非繊維状無機充填材を次に示す。
(B−1)ヤマグチマイカ(株)社製 “マイカ A−41S”(数平均粒子径 47μm)
(B−2)ヤマグチマイカ(株)社製 “マイカ AB−25S”(数平均粒子径 24μm)
(B−3)(株)アドマテックス社製 球状シリカ“FEB75A”(数平均粒子径15μm、真球度0.94)
(B−4)新日鉄住金マテリアルズ(株)社製 球状シリカ“HS−103” (数平均粒子径100μm、真球度0.89)
(B−5)(株)アドマテックス 社製 球状シリカ“SO−C2” (製造方法:VMC法、平均粒子径0.5μm、真球度0.90)
(B’)繊維状充填材
比較例9で用いた繊維状充填材を次に示す。
(B’−1)日本電気硝子(株)社製 チョップドストランド“T−747H”(数平均繊維長 300μm)
(C)イオン性液体
各実施例および比較例において用いたイオン性液体を次に示す。
(C−1)広栄化学工業(株)社製 “イオン性液体 IL−AP3(テトラアルキルホスホニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド)”、熱分解温度(5%重量減温度):369℃、粘度(η):338mPa・s(25℃)
(C’−2)3Mジャパン(株)社製 “イオン性液体 FC−4400(トリ−n−ブチルメチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド)”。、熱分解温度(5%重量減温度):352℃、粘度(η):531mPa・s(25℃)
[実施例1〜9、比較例1〜9]
スクリュー径44mmの同軸方向回転ベント付き2軸押出機(日本製鋼所製、TEX−44)を用いて、液晶性ポリエステル樹脂(A)およびイオン性液体(C)を表1に示す配合量でホッパーから投入し、非繊維状無機充填材(B)または繊維状充填材(B’)を表1および表2に示す配合量で中間供給口から投入した。シリンダ温度は、液晶性ポリエステル樹脂(A)の融点+10℃に設定し、溶融混練して液晶性ポリエステル樹脂組成物のペレットを得た。得られたペレットを用いて各種特性値を評価した。試験結果を表1および表2に示す。
表1、表2の結果から明らかなように、実施例の液晶性ポリエステル樹脂組成物はIzod衝撃強度、荷重たわみ温度に優れ、低い表面固有抵抗値を示し、加熱後の成形品外観や埃付着性、低発塵性に優れていることが分かる。
一方、本発明のイオン性液体(B−1)を含まない、もしくは添加量が少ないものでは表面固有抵抗値の値が大きく、埃付着性試験の結果に劣ることが分かる(比較例1〜2)。また本発明のイオン性液体(B−1)の添加量が多いものでは表面固有抵抗値の値は満足するものであるが、耐ブリスター性が悪いことが分かる(比較例3)。また、非繊維状充填剤の添加量が適切でないと発塵性が悪いことが分かる(比較例4〜5)。さらに本発明とは構造の異なるイオン性液体を用いた場合は少量の添加では表面固有抵抗値の低減効果が十分ではなく、埃付着性試験の結果も悪いことが分かる(比較例6〜8)。また添加量を増やしていくと耐ブリスタ性も悪化する(比較例6〜8)また、本発明とは異なる繊維状充填材(B’−1)を用いたものでは発塵性が劣ることが分かる(比較例9)。
本発明の液晶性ポリエステル樹脂組成物は、各種ギヤー、各種ケース、センサー、LED用部品、液晶バックライトボビン、コネクター、ソケット、抵抗器、リレーケース、リレー用スプールおよびベース、スイッチ、コイルボビン、コンデンサー、バリコンケース、光ピックアップ、発振子、各種端子板、変成器、プラグ、プリント配線板、チューナー、スピーカー、マイクロフォン、ヘッドフォン、小型モーター、磁気ヘッドベース、パワーモジュール、ハウジング、半導体、液晶ディスプレー部品、FDDキャリッジ、FDDシャーシ、HDD部品、モーターブラッシュホルダー、パラボラアンテナ、コンピューター関連部品などに代表される電気・電子部品;VTR部品、テレビ部品(プラズマ、有機EL、液晶)、アイロン、ヘアードライヤー、炊飯器部品、電子レンジ部品、音響部品、オーディオ・レーザーディスク(登録商標)・コンパクトディスクなどの音声機器部品、照明部品、冷蔵庫部品、エアコン部品などに代表される家庭、事務電気製品部品、オフィスコンピューター関連部品、電話機関連部品、ファクシミリ関連部品、複写機関連部品、洗浄用治具、オイルレス軸受、船尾軸受、水中軸受などの各種軸受、モーター部品、ライター、タイプライターなどに代表される機械関連部品、顕微鏡、双眼鏡、カメラ、時計などに代表される光学機器、精密機械関連部品;オルタネーターターミナル、オルタネーターコネクター、ICレギュレーター、ライトディマー用ポテンショメーターベース、排気ガスバルブなどの各種バルブ、燃料関係・排気系・吸気系各種パイプ、エアーインテークノズルスノーケル、インテークマニホールド、燃料ポンプ、エンジン冷却水ジョイント、キャブレターメインボディー、キャブレタースペーサー、排気ガスセンサー、冷却水センサー、油温センサー、スロットルポジションセンサー、クランクシャフトポジションセンサー、エアーフローメーター、ブレーキバット磨耗センサー、エアコン用サーモスタットベース、エアコン用モーターインシュレーター、暖房温風フローコントロールバルブ、ラジエーターモーター用ブラッシュホルダー、ウォーターポンプインペラー、タービンべイン、ワイパーモーター関係部品、デュストリビュター、スタータースィッチ、スターターリレー、トランスミッション用ワイヤーハーネス、ウィンドウオッシャーノズル、エアコンパネルスィッチ基板、燃料関係電磁気弁用コイル、ヒューズ用コネクター、ECUコネクター、ホーンターミナル、電装部品絶縁板、ステップモーターローター、ランプソケット、ランプリフレクター、ランプハウジング、ブレーキピストン、ソレノイドボビン、エンジンオイルフィルター、点火装置ケースなどの自動車・車両関連部品などに用いることができる。フィルムとして用いる場合は磁気記録媒体用フィルム、シート用途としてはドアトリム、バンパーやサイドフレームの緩衝材、座席用材、ピラー、燃料タンク、ブレーキホース、ウインドウオッシャー液用ノズル、エアコン冷媒用チューブなどを挙げることができる。
特に、本発明の液晶性ポリエステル樹脂組成物及び成形品は、耐熱性、低発塵性、帯電防止性、および高温環境下での耐ブリスター性に優れることから、光学機器部品に好適に用いることができ、更にはレンズ保持部を有する部品に好適であり、特にカメラモジュールのレンズユニットを構成するレンズバレルやレンズホルダー等のカメラモジュール部品に好適に用いられる。
1 コネクター成形品
2 短尺面
3 隔壁部
G1 ピンゲート
P ピッチ間距離
m 最小肉厚部
H 外形寸法(高さ)
W 外形寸法(幅)
L 外形寸法(長さ)

Claims (7)

  1. 液晶性ポリエステル樹脂(A)50〜80重量部と非繊維状無機充填材(B)20〜50重量部との合計100重量部に対し、イオン性液体(C)を0.3〜2.0重量部を配合してなる液晶性ポリエステル樹脂組成物であって、前記イオン性液体(C)がホスホニウム型イオン性液体であることを特徴とする液晶性ポリエステル樹脂組成物。
  2. 前記イオン性液体(C)が、テトラアルキルホスホニウム型イオン性液体であることを特徴とする請求項1に記載の液晶性ポリエステル樹脂組成物。
  3. 前記イオン性液体(C)が、テトラアルキルホスホニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドであることを特徴とする請求項1または2に記載の液晶性ポリエステル樹脂組成物。
  4. 前記非繊維状無機充填材(B)がタルク、マイカ、および球状シリカから選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の液晶性ポリエステル樹脂組成物。
  5. 前記液晶性ポリエステル樹脂(A)が下記構造単位(I)、(II)、(III)、(IV)および(V)から構成されることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の液晶性ポリエステル樹脂組成物。
  6. 前記液晶性ポリエステル樹脂(A)を構成する構造単位(I)が、構造単位(I)、(II)及び(III)の合計に対し65〜80モル%であり、構造単位(II)が構造単位(II)および(III)の合計に対して55〜85モル%であり、構造単位(IV)が構造単位(IV)及び(V)の合計に対して50〜95モル%であることを特徴とする請求項5に記載の液晶性ポリエステル樹脂組成物。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の液晶性ポリエステル樹脂組成物からなるカメラモジュール用部品。
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