JP2018164020A - 太陽電池 - Google Patents
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Abstract
Description
以下、本発明を詳述する。
本発明者らは、下部電極、光電変換層及び上部透明電極をこの順に有し、光電変換層が有機無機ペロブスカイト化合物を含む太陽電池において、上部透明電極をケイ素を含むものとすることで、光電変換効率を向上できるとともに温度サイクル試験前後での性能保持率をも向上できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
本明細書中、層とは、明確な境界を有する層だけではなく、含有元素が徐々に変化する濃度勾配のある層をも意味する。なお、層の元素分析は、例えば、太陽電池の断面のFE−TEM/EDS線分析測定を行い、特定元素の元素分布を確認する等によって行うことができる。また、本明細書中、層とは、平坦な薄膜状の層だけではなく、他の層と一緒になって複雑に入り組んだ構造を形成しうる層をも意味する。
上記下部電極は、上記金属からなる薄膜の積層体であってもよい。なかでも、比較的安価であるうえ、上記下部電極の抵抗値が低くなって太陽電池の光電変換効率が向上することから、アルミニウム薄膜とチタン薄膜とを含有する積層体、コバルト薄膜とチタン薄膜とを含有する積層体が好ましく、アルミニウム薄膜とチタン薄膜とを含有する積層体がより好ましい。
上記光電変換層に上記有機無機ペロブスカイト化合物を用いることにより、太陽電池の光電変換効率を向上させることができる。
上記Rは、具体的には例えば、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ペンチルアミン、ヘキシルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジブチルアミン、ジペンチルアミン、ジヘキシルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、トリペンチルアミン、トリヘキシルアミン、エチルメチルアミン、メチルプロピルアミン、ブチルメチルアミン、メチルペンチルアミン、ヘキシルメチルアミン、エチルプロピルアミン、エチルブチルアミン、ホルムアミジン、アセトアミジン、グアニジン、イミダゾール、アゾール、ピロール、アジリジン、アジリン、アゼチジン、アゼト、アゾール、イミダゾリン、カルバゾール及びこれらのイオン(例えば、メチルアンモニウム(CH3NH3)等)やフェネチルアンモニウム等が挙げられる。なかでも、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ペンチルアミン、ヘキシルアミン、ホルムアミジン、アセトアミジン及びこれらのイオンやフェネチルアンモニウムが好ましく、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ホルムアミジン及びこれらのイオンがより好ましい。
図1は、体心に金属原子M、各頂点に有機分子R、面心にハロゲン原子又はカルコゲン原子Xが配置された立方晶系の構造である、有機無機ペロブスカイト化合物の結晶構造の一例を示す模式図である。詳細は明らかではないが、上記構造を有することにより、結晶格子内の八面体の向きが容易に変わることができるため、上記有機無機ペロブスカイト化合物中の電子の移動度が高くなり、太陽電池の光電変換効率が向上すると推定される。
上記有機無機ペロブスカイト化合物の結晶化度の好ましい下限は30%である。結晶化度が30%以上であると、上記有機無機ペロブスカイト化合物中の電子の移動度が高くなり、太陽電池の光電変換効率が向上する。結晶化度のより好ましい下限は50%、更に好ましい下限は70%である。
また、上記有機無機ペロブスカイト化合物の結晶化度を上げる方法として、例えば、熱アニール、レーザー等の強度の強い光の照射、プラズマ照射等が挙げられる。
上記有機半導体として、例えば、ポリ(3−アルキルチオフェン)等のチオフェン骨格を有する化合物等が挙げられる。また、例えば、ポリパラフェニレンビニレン骨格、ポリビニルカルバゾール骨格、ポリアニリン骨格、ポリアセチレン骨格等を有する導電性高分子等も挙げられる。更に、例えば、フタロシアニン骨格、ナフタロシアニン骨格、ペンタセン骨格、ベンゾポルフィリン骨格等のポルフィリン骨格、スピロビフルオレン骨格等を有する化合物や、表面修飾されていてもよいカーボンナノチューブ、グラフェン、フラーレン等のカーボン含有材料も挙げられる。
上記上部透明電極をケイ素を含むものとすることで、太陽電池の光電変換効率を向上できるとともに温度サイクル試験前後での性能保持率をも向上することができる。この理由としては、上記上部透明電極をケイ素を含むものとすることで、上記有機無機ペロブスカイト化合物を含む光電変換層と上記上部透明電極との間の線膨張係数及び応力が変化するためであると推測される。
なお、上記上部透明電極におけるケイ素の含有率は、例えば、上記上部透明電極のFE−TEM/EDS線分析測定等によって求めることができる。
なお、上記上部透明電極がケイ素の含有率のグラデーションを有することは、例えば、上記上部透明電極の厚み方向にArスパッタ、Arエッチング、C60エッチング等を行いながらXPS(X線光電子分光)測定を行い、ケイ素(Si)の信号を測定すること等によって確認することができる。
例えば、スパッタリング法においては、金属ターゲットとしてケイ素を用いたり金属ターゲットにケイ素を混ぜたりすることによって、上記上部透明電極をケイ素を含むものとすることできる。この際、例えば、透明電極用ターゲット(例えば、ITOターゲット)とケイ素用ターゲットとの間で基板を移動させることにより、上記上部透明電極にケイ素の含有率のグラデーションを形成することができる。
上記電子輸送層の材料は特に限定されず、例えば、N型導電性高分子、N型低分子有機半導体、N型金属酸化物、N型金属硫化物、ハロゲン化アルカリ金属、アルカリ金属、界面活性剤等が挙げられ、具体的には例えば、シアノ基含有ポリフェニレンビニレン、ホウ素含有ポリマー、バソキュプロイン、バソフェナントレン、ヒドロキシキノリナトアルミニウム、オキサジアゾール化合物、ベンゾイミダゾール化合物、ナフタレンテトラカルボン酸化合物、ペリレン誘導体、ホスフィンオキサイド化合物、ホスフィンスルフィド化合物、フルオロ基含有フタロシアニン、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化スズ、酸化ガリウム、硫化スズ、硫化インジウム、硫化亜鉛等が挙げられる。
上記ホール輸送層の材料は特に限定されず、上記ホール輸送層が有機材料からなっていてもよい。上記ホール輸送層の材料として、例えば、P型導電性高分子、P型低分子有機半導体、P型金属酸化物、P型金属硫化物、界面活性剤等が挙げられ、具体的には例えば、ポリ(3−アルキルチオフェン)等のチオフェン骨格を有する化合物等が挙げられる。また、例えば、トリフェニルアミン骨格、ポリパラフェニレンビニレン骨格、ポリビニルカルバゾール骨格、ポリアニリン骨格、ポリアセチレン骨格等を有する導電性高分子等も挙げられる。更に、例えば、フタロシアニン骨格、ナフタロシアニン骨格、ペンタセン骨格、ベンゾポルフィリン骨格等のポルフィリン骨格、スピロビフルオレン骨格等を有する化合物、硫化モリブデン、硫化タングステン、硫化銅、硫化スズ等、フルオロ基含有ホスホン酸、カルボニル基含有ホスホン酸、CuSCN、CuI等の銅化合物等が挙げられる。
上記バリア層の材料としてはバリア性を有していれば特に限定されないが、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂又は無機材料等が挙げられる。
上記熱硬化性樹脂又は熱可塑性樹脂としては、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、ブチルゴム、ポリエステル、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ABS樹脂、ポリブタジエン、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリイソブチレン等が挙げられる。
なお、上記無機層の厚みは、光学干渉式膜厚測定装置(例えば、大塚電子社製のFE−3000等)を用いて測定することができる。
上記スパッタリング法においては、金属ターゲット、及び、酸素ガス又は窒素ガスを原料とし、上記積層体上に原料を堆積して製膜することにより、無機材料からなる無機層を形成することができる。
上記バリア層の材料は、上記熱硬化性樹脂又は熱可塑性樹脂と、上記無機材料との組み合わせでもよい。
ガラス基板上に、下部電極(陰極)として厚み100nmのアルミニウム膜と、厚み100nmのチタン膜とを電子ビーム蒸着法により立て続けに製膜した。
次に、下部電極(陰極)の表面上に酸化チタンをスパッタリング装置(アルバック社製)を用いてスパッタすることで厚み30nmの薄膜状の電子輸送層を形成した。更に、薄膜状の電子輸送層上に、酸化チタン(平均粒子径10nmと30nmとの混合物)のエタノール分散液をスピンコート法により塗布した後、200℃で10分間焼成し、厚み150nmの多孔質状の電子輸送層を形成した。
上記電子輸送層上に、得られた塗工液をスピンコート法によって400nmの厚みに積層し、その上からヨウ化メチルアンモニウムの8%イソプロパノール溶液をスピンコート法により塗工し、150℃で10分加熱して反応させることにより、有機無機ペロブスカイト化合物を含む光電変換層を形成した。
得られたイオン化合物1mg、上記Spiro−OMeTAD9mg、t−ブチルピリジン3μLをクロロベンゼン100μLに溶解させ、その溶液をスピンコート法で光電変換層上に塗布することにより、ホール輸送層を形成した。
上部透明電極におけるケイ素の含有率、グラデーションの有無、上部透明電極の種類等を表1に示すように変更したこと以外は実施例1と同様にして、太陽電池を得た。
上部透明電極における含有元素の種類、グラデーションの有無、上部透明電極の種類、下部電極の種類、光電変換層の種類等を表1に示すように変更したこと以外は実施例1と同様にして、太陽電池を得た。
なお、比較例6〜8では、下記のようにして、有機無機ペロブスカイト化合物ではなく有機半導体を含む光電変換層、及び、ホール輸送層を形成した(表中、「有機薄膜」と記載する)。
実施例及び比較例で得られた太陽電池について、以下の評価を行った。結果を表1に示した。
太陽電池の電極間に電源(KEITHLEY社製、236モデル)を接続し、強度100mW/cm2のソーラーシミュレーション(山下電装社製)を用いて光電変換効率を測定した。
また、実施例1〜7及び比較例9〜19については、比較例4で得られた光電変換効率を1としたときの相対値についても表1に示した。実施例8及び11については、比較例1で得られた光電変換効率を1としたときの相対値についても表1に示した。実施例9及び12については、比較例2で得られた光電変換効率を1としたときの相対値についても表1に示した。実施例10及び13については、比較例3で得られた光電変換効率を1としたときの相対値についても表1に示した。
太陽電池に対して、−40℃から90℃までを1サイクルとし、これを200サイクル行う温度サイクル試験を行った。
温度サイクル試験前後の太陽電池の電極間に電源(KEITHLEY社製、236モデル)を接続し、強度100mW/cm2のソーラーシミュレーション(山下電装社製)を用いて光電変換効率を測定し、温度サイクル試験前後での性能保持率を求めた。
◎ 温度サイクル試験前後での性能保持率が95%以上
○ 温度サイクル試験前後での性能保持率が90%以上95%未満
× 温度サイクル試験前後での性能保持率が90%未満
Claims (4)
- 下部電極、光電変換層及び上部透明電極をこの順に有する太陽電池であって、
前記光電変換層は、一般式R−M−X3(但し、Rは有機分子、Mは金属原子、Xはハロゲン原子又はカルコゲン原子である。)で表される有機無機ペロブスカイト化合物を含み、
前記上部透明電極は、ケイ素を含む
ことを特徴とする太陽電池。 - 上部透明電極におけるケイ素の含有率が、光電変換層から離れるにしたがって厚み方向に増加することを特徴とする請求項1記載の太陽電池。
- 下部電極及び上部透明電極のうちの陰極となる電極と、光電変換層との間に、電子輸送層を有することを特徴とする請求項1又は2記載の太陽電池。
- 下部電極及び上部透明電極のうちの陽極となる電極と、光電変換層との間に、ホール輸送層を有することを特徴とする請求項1、2又は3記載の太陽電池。
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