JP2018162773A - スクロール型流体機械及びすべり軸受けの固定方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】旋回スクロールのボス部に固定されるすべり軸受けの変形を抑制する。【解決手段】スクロール型圧縮機は、相互に噛み合わされる固定スクロール及び旋回スクロール340と、旋回スクロール340に駆動力を伝達する駆動力伝達機構と、駆動力伝達機構と旋回スクロール340の背面に形成された円環形状のボス部342Aとの間に配設されたすべり軸受けと、を備えている。そして、すべり軸受けは、旋回スクロール340のボス部342Aの開口端に形成された複数の切欠き部342A1の間に位置する爪部342A2を半径内方へと折り曲げた状態又は押し広げた状態で固定される。【選択図】図2
Description
本発明は、流体を圧縮又は膨張させるスクロール型流体機械、及び、旋回スクロールの背面に形成された円環形状のボス部にすべり軸受けを固定する方法に関する。
スクロール型流体機械の一例として、特開2002−206491号公報(特許文献1)に記載されるように、互いに噛み合わされる固定スクロール及び旋回スクロールを備えたスクロール型圧縮機が知られている。スクロール型圧縮機は、旋回スクロールが固定スクロールの軸心周りに公転旋回運動することで、固定スクロール及び旋回スクロールにより区画される圧縮室の容積を変化させ、気体冷媒を圧縮して吐出する。
旋回スクロールは、駆動軸、駆動軸に対して偏心状態で立設されたクランクピン、及び、クランクピンに対して偏心状態で相対回転可能に固定された偏心ブッシュを含む駆動力伝達機構によって、固定スクロールの軸心周りに公転旋回運動される。ここで、偏心ブッシュと旋回スクロールとの間には、ローラベアリングなどの転がり軸受けが配設され、偏心ブッシュと旋回スクロールとの相対回転が可能となっている。
ところで、スクロール型圧縮機において、例えば、高速性能、耐衝撃性、静粛性の向上などを目的として、転がり軸受けに代えて、すべり軸受けを使用することが検討されている。この場合、旋回スクロールの背面に形成された円環形状のボス部にすべり軸受けを圧入した後、ボス部の開口端を半径内方に塑性変形させて、ボス部にすべり軸受けを固定することが考えられる。しかし、ボス部の開口端を半径内方に塑性変形させると、ボス部の開口端の内周面によってすべり軸受けの一端部に変形が生じ、例えば、嵌合部品との半径方向のクリアランスが適正に保たれなくなってしまい、品質などに影響が及んでしまう。なお、旋回スクロールのボス部に転がり軸受けを圧入した後、ボス部の開口端を半径内方に塑性変形させて固定すると、転がり軸受けの外輪に変形が生じるが、その影響はころ(ローラ)に及ぶことがなかった。
そこで、本発明は、旋回スクロールのボス部に対してすべり軸受けを固定する構造を見直すことで、すべり軸受けの変形を抑制した、スクロール型流体機械及びすべり軸受けの固定方法を提供することを目的とする。
このため、スクロール型流体機械は、相互に噛み合わされる固定スクロール及び旋回スクロールと、旋回スクロールに駆動力を伝達する駆動力伝達機構と、駆動力伝達機構と旋回スクロールの背面に形成された円環形状のボス部との間に配設されたすべり軸受けと、を備えている。そして、すべり軸受けは、旋回スクロールのボス部の開口端に形成された複数の切欠き部の間に位置する爪部を半径内方へと折り曲げた状態又は押し広げた状態で固定される。
また、すべり軸受けの固定方法では、旋回スクロールの背面に形成された円環形状のボス部にすべり軸受けを圧入し、旋回スクロールのボス部の開口端に形成された複数の切欠き部の間に位置する爪部を半径内方へと折り曲げ、又は押し広げ、爪部の一面ですべり軸受けを固定する。
本発明によれば、スクロール型流体機械において、旋回スクロールのボス部に対して固定するすべり軸受けの変形を抑制することができる。
以下、添付された図面を参照し、本発明を実施するための実施形態について詳述する。
なお、スクロール型流体機械としては、圧縮機又は膨張機のどちらでも使用することができるが、ここではスクロール型圧縮機を例にとって説明する。
なお、スクロール型流体機械としては、圧縮機又は膨張機のどちらでも使用することができるが、ここではスクロール型圧縮機を例にとって説明する。
図1は、スクロール型圧縮機の一例を示す。
スクロール型圧縮機100は、例えば、車両用空調機器の冷媒回路に組み込まれ、冷媒回路の低圧側から吸入した気体冷媒(流体)を圧縮して吐出する。スクロール型圧縮機100は、ハウジング200と、低圧の気体冷媒を圧縮する圧縮機構300と、圧縮機構300に外部から駆動力を伝達する駆動力伝達機構400と、を備えている。ここで、冷媒としては、例えば、HFC冷媒R134Aなどを使用することができる。
スクロール型圧縮機100は、例えば、車両用空調機器の冷媒回路に組み込まれ、冷媒回路の低圧側から吸入した気体冷媒(流体)を圧縮して吐出する。スクロール型圧縮機100は、ハウジング200と、低圧の気体冷媒を圧縮する圧縮機構300と、圧縮機構300に外部から駆動力を伝達する駆動力伝達機構400と、を備えている。ここで、冷媒としては、例えば、HFC冷媒R134Aなどを使用することができる。
ハウジング200は、分離可能な、圧縮機構300及び駆動力伝達機構400を収容するフロントハウジング220と、フロントハウジング220の開口端に接合され、圧縮機構300により圧縮された気体冷媒の吐出室H1を形成するリアハウジング240と、を含んで構成されている。
フロントハウジング220の外周面は、リアハウジング240との接合面から離れるにつれて、その外径が4段階に縮径する段付円柱形状に形成されている。ここで、円柱形状とは、見た目で円柱形状であると認識できる程度でよく、例えば、その外周面に補強用のリブ、取付用のボスなどがあってもよい(形状については以下同様)。また、フロントハウジング220の内周面は、リアハウジング240との接合面から離れるにつれて、その外径が4段階に縮径する段付円柱形状に形成されている。従って、フロントハウジング220は、その外周面と内周面とが相似形となっており、その全体について略同一の外殻厚さを有する、4段階に縮径する円筒形状に形成されている。さらに、フロントハウジング220の周壁には、冷媒回路の低圧側から圧縮機構300の外周へと気体冷媒を吸入する、図示しない吸入ポートが形成されている。
以下の説明においては、説明の便宜上、フロントハウジング220の段付円柱形状の内周面について、その大径部から小径部にかけて、第1内周面220A、第2内周面220B、第3内周面220C及び第4内周面220Dと称することとする。
リアハウジング240は、フロントハウジング220との接合面から離れるにつれて、その中心部が外方へと膨出する半球形状をなしている。従って、リアハウジング240は、所定容積を有する内部空間を形成し、これが吐出室H1として機能する。また、リアハウジング240の周壁には、吐出室H1から冷媒回路の高圧側へと圧縮冷媒を吐出する、図示しない吐出ポートが形成されている。
フロントハウジング220及びリアハウジング240は、フロントハウジング220の大径側の開口端とリアハウジング240の開口端とを接合させた状態で、例えば、締結具としての複数のボルト500を介して分離可能に締結されている。このため、フロントハウジング220の外周面の離間した複数位置には、その大径部から小径部へと向かって軸方向に沿って延びる、ボルト500の軸部が螺合するボス部222が夫々形成されている。一方、リアハウジング240の外周面の離間した複数位置であって、フロントハウジング220のボス部222に対応した位置には、その開口端から膨出方向へと向かって軸方向に沿って延びる、ボルト500の軸部が貫通するボス部242が夫々形成されている。従って、フロントハウジング220とリアハウジング240とを接合させた状態で、リアハウジング240の外方からボス部242へとボルト500の軸部を挿入し、その軸部をフロントハウジング220のボス部222に螺合することで、フロントハウジング220とリアハウジング240とが一体化されたハウジング200が構成される。
圧縮機構300は、フロントハウジング220の第1内周面220Aにより区画される円柱形状の空間に配設される。圧縮機構300は、具体的には、フロントハウジング220の大径側の開口を閉塞するように配設される固定スクロール320と、固定スクロール320と第1内周面220A及び第2内周面220Bの段部との間に配設される旋回スクロール340と、を含んで構成されている。
固定スクロール320は、フロントハウジング220の第1内周面220Aの開口端に嵌合される円盤形状の底板322と、底板322の一面から旋回スクロール340に向かって延びる、インボリュート曲線のラップ(渦巻き形状の羽根)324と、第1内周面220Aの開口端において底板322の外周面から半径外方へと延び、フロントハウジング220とリアハウジング240との接合面に挟持される、薄板円環形状のフランジ326と、を有している。フランジ326の外周縁は、フロントハウジング220の大径側の開口端の外形に倣った形状に形成され、その板面の複数の所定箇所に、ボルト500の軸部が貫通可能な貫通孔が夫々形成されている。従って、固定スクロール320は、そのフランジ326を介して、フロントハウジング220とリアハウジング240との接合面に挟持され、フロントハウジング220の大径側の開口を閉塞すると共に、リアハウジング240と協働して吐出室H1を区画する。
旋回スクロール340は、第1内周面220A及び第2内周面220Bの段部側に配設される円盤形状の底板342と、底板342の一面から固定スクロール320に向かって延びる、インボリュート曲線のラップ344と、を有している。底板342は、固定スクロール320の底板322より小さい外径をなし、その他面が、第1内周面220A及び第2内周面220Bの段部にスラスト力を伝達するように、薄板円環形状のスラストプレート510を介して段部に当接されている。
そして、固定スクロール320及び旋回スクロール340は、ラップ324及び344の周方向の角度が互いにずれた状態で、ラップ324及び344の側壁が互いに部分的に接触するように噛み合わされる。このとき、固定スクロール320のラップ324の先端部には、旋回スクロール340の底板342とのシール性を確保する、図示しないチップシールが埋設されている。一方、旋回スクロール340のラップ344の先端部には、固定スクロール320の底板322とのシール性を確保する、図示しないチップシールが埋設されている。従って、圧縮機構300では、固定スクロール320と旋回スクロール340との間に、三日月形状の密閉空間、即ち、気体冷媒を圧縮する圧縮室H2が区画される。
固定スクロール320の底板322の中心部には、圧縮室H2により圧縮された気体冷媒を吐出室H1へと吐出する吐出孔322Aが形成されている。底板322の他面には、圧縮室H2から吐出室H1への気体冷媒の流れを許容する一方、吐出室H1から圧縮室H2への気体冷媒の流れを阻止する、例えば、リードバルブからなる一方向弁328が取り付けられている。
固定スクロール320の底板322の外周面には、その全長に亘って凹溝322Bが形成され、フロントハウジング220とのシールを確保するOリング322Cが嵌め込まれている。また、リアハウジング240の開口端面には、その全長に亘って凹溝240Aが形成され、フロントハウジング220とのシールを確保するOリング240Bが嵌め込まれている。
駆動力伝達機構400は、駆動軸410と、クランクピン420と、偏心ブッシュ430と、バランサウェイト440と、電磁クラッチ450と、プーリ460と、を含んで構成されている。
駆動軸410は、小径部410A及び大径部410Bを有する段付円柱形状をなし、その小径部410Aの先端部がフロントハウジング220の小径側端部から外部に突出するように、フロントハウジング220に回転自由に収容される。具体的には、駆動軸410の小径部410A及び大径部410Bは、夫々、第4内周面220Dの開口側端部及び第3内周面220Cに対して、ボールベアリング520及びローラベアリング530を介して回転自由に軸支されている。駆動軸410の小径部410Aであって、ボールベアリング520と大径部410Bとの間に位置する部位は、例えば、メカニカルシールやリップシールなどのシール部材540によって、フロントハウジング220の第4内周面220Dとのシール性が確保されている。
駆動軸410の大径部410Bの軸方向の一端面には、その軸心から偏心した位置に、ここから圧縮機構300に向かって突出する円柱形状のクランクピン420が立設されている。クランクピン420の外周面には、クランクピン420が相対回転可能に嵌合する嵌合孔が形成された、円柱形状の外形を有する偏心ブッシュ430が偏心状態で固定されている。偏心ブッシュ430の外周面は、旋回スクロール340の底板342の他面(背面)からフロントハウジング220の小径側へと延びる、円環形状のボス部342Aの内周面に圧入されたすべり軸受け550を介して回転自由に支持されている。
また、駆動軸410の大径部410Bの軸方向の一端面には、その軸心に対してクランクピン420の形成位置とは反対側の偏心した位置に、大径部410Bの内部に向かって延びる円形孔410Cが形成されている。大径部410Bの一端面に対面する偏心ブッシュ430の端面には、その軸心に対して偏心した位置から大径部410Bに向かって延びる、円柱形状のピン430Aが形成されている。そして、偏心ブッシュ430のピン430Aは、駆動軸410の円形孔410Cに内接しつつその軸周りに公転旋回運動するように嵌合されている。従って、旋回スクロール340は、その自転が阻止された状態で、固定スクロール320の軸心周りを公転旋回運動する。さらに、旋回スクロール340のボス部342Aの半径外方には、旋回スクロール340の公転旋回運動に起因する振動を低減するために、旋回部分の重量などに応じたバランサウェイト440が取り付けられている。
駆動軸410の先端部は、フロントハウジング220の小径部の外周面に遊転可能に取り付けられた電磁クラッチ450を介して、外部からの動力によって回転するプーリ460に連結されている。従って、電磁クラッチ450を作動させると、プーリ460と駆動軸410とが連結され、プーリ460の回転力によって駆動軸410が回転する。一方、電磁クラッチ450の作動を停止させると、プーリ460と駆動軸410との連結が解除され、駆動軸410の回転が停止する。このように、電磁クラッチ450を適宜制御することで、スクロール型圧縮機100の作動を制御することができる。
次に、スクロール型圧縮機100の作用について説明する。
外部からの動力によって駆動軸410が回転すると、その回転力がクランクピン420及び偏心ブッシュ430を介して旋回スクロール340に伝達され、旋回スクロール340を固定スクロール320の軸心周りに公転旋回運動させる。その結果、圧縮機構300の圧縮室H2の容積が変化し、フロントハウジング220の吸入ポートから内部空間へと吸入された低圧の気体冷媒は、圧縮室H2で圧縮されつつ中心部へと導かれる。圧縮機構300の中心部へと導かれた気体冷媒は、固定スクロール320の底板322に形成された吐出孔322A及び一方向弁328を介して、吐出室H1へと吐出される。吐出室H1へと吐出された気体冷媒は、リアハウジング240の吐出ポートを介して、冷媒回路の高圧側へと吐出される。
外部からの動力によって駆動軸410が回転すると、その回転力がクランクピン420及び偏心ブッシュ430を介して旋回スクロール340に伝達され、旋回スクロール340を固定スクロール320の軸心周りに公転旋回運動させる。その結果、圧縮機構300の圧縮室H2の容積が変化し、フロントハウジング220の吸入ポートから内部空間へと吸入された低圧の気体冷媒は、圧縮室H2で圧縮されつつ中心部へと導かれる。圧縮機構300の中心部へと導かれた気体冷媒は、固定スクロール320の底板322に形成された吐出孔322A及び一方向弁328を介して、吐出室H1へと吐出される。吐出室H1へと吐出された気体冷媒は、リアハウジング240の吐出ポートを介して、冷媒回路の高圧側へと吐出される。
ところで、旋回スクロール340のボス部342Aにすべり軸受け550を圧入して固定するとき、転がり軸受けと同様に、ボス部342Aの開口端を半径内方に塑性変形させると、ボス部342Aの開口端の変形によってすべり軸受け550の一端部が変形してしまうおそれがある。すべり軸受け550に変形が生じると、例えば、半径方向のクリアランスが適正に保たれなくなってしまい、品質などに影響が及んでしまう。そこで、旋回スクロール340のボス部342Aに対するすべり軸受け550の固定構造を見直し、すべり軸受け550の変形を抑制する。
図2及び図3は、すべり軸受け550の固定構造の一例を示す。
旋回スクロール340のボス部342Aの開口端(先端部)は、例えば、かしめ(加締め)によって半径内方への折り曲げが容易になるように、その外周面が肉抜きされて、他の部分よりも肉薄の円環形状に形成されている。ボス部342Aの開口端には、等間隔(等角度)ごとに、端面から軸方向に沿って延びる切欠き部342A1が複数形成されている。図示の例では、切欠き部342A1が8つ形成されているが、切欠き部342A1は少なくとも3つ形成されていればよい。また、切欠き部342A1の形状は、図示の例では半円(欠円)形状であるが、例えば、矩形形状、三角形状、楕円形状、台形形状など、任意の形状とすることもできる。ここで、旋回スクロール340のボス部342Aにおいて、その開口端に形成された複数の切欠き部342A1の間に位置する部位は、後述するように、すべり軸受け550を固定するための爪部342A2として機能する。
旋回スクロール340のボス部342Aの開口端(先端部)は、例えば、かしめ(加締め)によって半径内方への折り曲げが容易になるように、その外周面が肉抜きされて、他の部分よりも肉薄の円環形状に形成されている。ボス部342Aの開口端には、等間隔(等角度)ごとに、端面から軸方向に沿って延びる切欠き部342A1が複数形成されている。図示の例では、切欠き部342A1が8つ形成されているが、切欠き部342A1は少なくとも3つ形成されていればよい。また、切欠き部342A1の形状は、図示の例では半円(欠円)形状であるが、例えば、矩形形状、三角形状、楕円形状、台形形状など、任意の形状とすることもできる。ここで、旋回スクロール340のボス部342Aにおいて、その開口端に形成された複数の切欠き部342A1の間に位置する部位は、後述するように、すべり軸受け550を固定するための爪部342A2として機能する。
旋回スクロール340のボス部342Aにすべり軸受け550を固定する場合には、図4に示すように、旋回スクロール340の外方から、ボス部342Aの内周面にすべり軸受け550を圧入させる。そして、例えば、かしめ工具を使用して上方から、ボス部342Aの開口端に形成された爪部342A2を半径内方へと押し広げて塑性変形させ、爪部342A2の一面、即ち、ボス部342Aの内周面と連続する一面ですべり軸受け550の一端部(図中の上端部)を係止して固定する。ここで、固定とは、旋回スクロール340のボス部342Aからすべり軸受け550が脱落しないようにすることをいう。
かかる固定構造によれば、旋回スクロール340のボス部342Aに対するすべり軸受け550の固定は、ボス部342Aの開口端に形成された複数の切欠き部342A1の間に位置する爪部342A2を半径内方へと押し広げることでなされる。このため、ボス部342Aの開口端の全周を半径内方へと塑性変形させる技術と比較して、爪部342A2のみを半径内方へと塑性変形させるだけで足り、ボス部342Aの開口端の内周面によって生じるすべり軸受け550の変形を抑制することができる。従って、例えば、半径方向のクリアランスを適正に保つことが可能となり、品質などへの影響を軽減することができる。なお、ボス部342Aの開口端に形成する切欠き部342A1の数、形状、周方向の長さなどを適宜調整することで、かしめによる折り曲げに要する荷重を低減させることができ、すべり軸受け550の周辺の変形を緩和させることもできる。
すべり軸受け550に対する爪部342A2の影響を更に低減するため、以下に例示するように、爪部342A2又はすべり軸受け550の形状を工夫することもできる。なお、以下の工夫は、単独でも使用することができ、また、複数組み合わせて使用することもできる。
図5は、すべり軸受け550への影響を低減する第1の工夫を示す。
旋回スクロール340のボス部342Aにおいて、その開口端に位置する爪部342A2の内周面は、ボス部342Aの開口端に向かうにつれて内径が徐々に大きくなるテーパ形状に形成されている。テーパ形状のテーパ角度は、爪部342A2が半径内方へと折り曲げられたとき、例えば、爪部342A2によってすべり軸受け550を固定できる最小の押圧力を付与可能な角度とすることができる。なお、テーパ形状は、爪部342A2の内周面に限らず、例えば、テーパ加工を容易にすることを目的として、ボス部342Aの開口端の全周に亘って形成してもよい(以下同様)。
旋回スクロール340のボス部342Aにおいて、その開口端に位置する爪部342A2の内周面は、ボス部342Aの開口端に向かうにつれて内径が徐々に大きくなるテーパ形状に形成されている。テーパ形状のテーパ角度は、爪部342A2が半径内方へと折り曲げられたとき、例えば、爪部342A2によってすべり軸受け550を固定できる最小の押圧力を付与可能な角度とすることができる。なお、テーパ形状は、爪部342A2の内周面に限らず、例えば、テーパ加工を容易にすることを目的として、ボス部342Aの開口端の全周に亘って形成してもよい(以下同様)。
かかる第1の工夫によれば、爪部342A2の内周面がテーパ形状に形成されているため、ボス部342Aの爪部342A2を半径内方へと折り曲げたとき、爪部342A2の折り曲げ角度が抑制される。このため、爪部342A2からすべり軸受け550の半径方向に伝達される押圧力が低減し、すべり軸受け550の変形を抑制することができる。また、爪部342A2の内周面がテーパ形状に形成されているため、ボス部342Aの内周面にすべり軸受け550を圧入させる作業を容易にすることもできる。
なお、旋回スクロール340のボス部342Aにおいて、その開口端に位置する爪部342A2の外周面は、図6に示すように、ボス部342Aの開口端に向かうにつれて外径が徐々に小さくなるテーパ形状に形成されていてもよい。この場合、爪部342A2の外周面のテーパ形状は、爪部342A2の内周面のテーパ形状よりもテーパ角度を大きくすることができる。このようにすれば、ボス部342Aの軸線に沿った方向から爪部342A2を折り曲げることができ、すべり軸受け550への影響を更に低減することができる。
図7は、すべり軸受け550への影響を低減する第2の工夫を示す。
旋回スクロール340のボス部342Aの内周面に、すべり軸受け550の一端部との接触を避ける周溝342A3が形成されている。周溝342A3は、ボス部342Aに対してすべり軸受け550が所定位置まで圧入されたとき、すべり軸受け550の一端部の外周側に位置する角部との接触を避けることが可能な形状及び大きさを有している。
旋回スクロール340のボス部342Aの内周面に、すべり軸受け550の一端部との接触を避ける周溝342A3が形成されている。周溝342A3は、ボス部342Aに対してすべり軸受け550が所定位置まで圧入されたとき、すべり軸受け550の一端部の外周側に位置する角部との接触を避けることが可能な形状及び大きさを有している。
かかる第2の工夫によれば、ボス部342Aの内周面に周溝342A3が形成されているため、ボス部342Aの爪部342A2を半径内方へと折り曲げたとき、すべり軸受け550の角部が周溝342A3に収容され、ボス部342Aとの接触が避けられる。このため、爪部342A2からすべり軸受け550の半径方向へと伝達される押圧力が低減し、すべり軸受け550の変形を抑制することができる。
図8は、すべり軸受け550への影響を低減する第3の工夫を示す。
すべり軸受け550の一端部に位置する内周面は、他の部分の内周面より大径の大径部550Aに形成されている。ここで、すべり軸受け550の大径部550Aは、図示の例では円環形状をなしているが、ボス部342Aの爪部342A2を半径内方へと折り曲げたとき、その影響によってすべり軸受け550の内周面が他の部分の内周面よりも半径内方へと変形しない任意の形状とすることができる。
すべり軸受け550の一端部に位置する内周面は、他の部分の内周面より大径の大径部550Aに形成されている。ここで、すべり軸受け550の大径部550Aは、図示の例では円環形状をなしているが、ボス部342Aの爪部342A2を半径内方へと折り曲げたとき、その影響によってすべり軸受け550の内周面が他の部分の内周面よりも半径内方へと変形しない任意の形状とすることができる。
かかる第3の工夫によれば、すべり軸受け550の内周面に大径部550Aが形成されているため、ボス部342Aの爪部342A2を半径内方へと折り曲げたときに、その影響がすべり軸受け550に及んでも、すべり軸受け550の内周面が半径内方へと突出することがない。このため、すべり軸受け550が多少変形したとしても、例えば、半径方向のクリアランスを適正に保つことができる。
ところで、旋回スクロール340のボス部342Aに固定されたすべり軸受け550は、駆動力伝達機構400の偏心ブッシュ430との相対回転を可能とすれば足りるため、ボス部342Aとの相対回転を阻止することが望ましい。このため、以下に例示するように、旋回スクロール340のボス部342A又はすべり軸受け550に回転阻止機構を備えるようにする。
図9及び図10は、回転阻止機構の第1実施例を示す。
すべり軸受け550の一端部に、旋回スクロール340のボス部342Aの切欠き部342A1に係止する少なくとも1つの凸部550Bが形成されている。凸部550Bとしては、すべり軸受け550にこじる力が作用しないようにすべく、例えば、ボス部342Aの中心軸に対して軸対象の少なくとも2位置に形成することが望ましい。また、凸部550Bの形状としては、ボス部342Aの切欠き部342A1に倣った形状とすることができるが、すべり軸受け550の回転を阻止可能な任意の形状とすることもできる。
すべり軸受け550の一端部に、旋回スクロール340のボス部342Aの切欠き部342A1に係止する少なくとも1つの凸部550Bが形成されている。凸部550Bとしては、すべり軸受け550にこじる力が作用しないようにすべく、例えば、ボス部342Aの中心軸に対して軸対象の少なくとも2位置に形成することが望ましい。また、凸部550Bの形状としては、ボス部342Aの切欠き部342A1に倣った形状とすることができるが、すべり軸受け550の回転を阻止可能な任意の形状とすることもできる。
かかる回転阻止機構の第1実施例によれば、旋回スクロール340のボス部342Aにすべり軸受け550を圧入させると、図10に示すように、すべり軸受け550の一端部に形成された凸部550Bがボス部342Aの切欠き部342A1に係止する。このため、ボス部342Aの爪部342A2を半径内方へと折り曲げてすべり軸受け550を固定した状態において、凸部550Bによってボス部342Aに対するすべり軸受け550の回転を阻止することができる。
図11及び図12は、回転阻止機構の第2実施例を示す。
すべり軸受け550の一端部には、旋回スクロール340のボス部342Aの爪部342A2が半径内方へと折り曲げられたとき、爪部342A2が係止する少なくとも1つの凹部550Cが形成されている。凹部550Cとしては、すべり軸受け550にこじる力が作用しないようにすべく、例えば、すべり軸受け550の中心軸に対して軸対象の少なくとも2位置に形成することが望ましい。
すべり軸受け550の一端部には、旋回スクロール340のボス部342Aの爪部342A2が半径内方へと折り曲げられたとき、爪部342A2が係止する少なくとも1つの凹部550Cが形成されている。凹部550Cとしては、すべり軸受け550にこじる力が作用しないようにすべく、例えば、すべり軸受け550の中心軸に対して軸対象の少なくとも2位置に形成することが望ましい。
かかる回転阻止機構の第2実施例によれば、旋回スクロール340のボス部342Aにすべり軸受け550を圧入させ、ボス部342Aの爪部342A2を半径内方へと折り曲げると、図12に示すように、爪部342A2がすべり軸受け550の凹部550Cに係止する。このため、ボス部342Aの爪部342A2を半径内方へと折り曲げると、ボス部342Aに対するすべり軸受け550の回転を阻止すると共に、ボス部342Aに対してすべり軸受け550を固定することができる。
以上、本発明を実施するための実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に制限されるものではなく、下記に一例を示すように、技術的思想に基づいて種々の変形及び変更が可能である。
駆動力伝達機構400は、少なくとも、駆動軸410、クランクピン420及び偏心ブッシュ430を含んでいればよい。また、以上で説明した種々の技術的思想に関し、技術的に矛盾がないことを前提として、その一部を他の技術的思想に置き換えたり、複数の技術的思想を組み合わせたりすることもできる。
100 スクロール型圧縮機(スクロール型流体機械)
320 固定スクロール
340 旋回スクロール
342A ボス部
342A1 切欠き部
342A2 爪部
342A3 周溝
400 駆動力伝達機構
410 駆動軸
420 クランクピン
430 偏心ブッシュ
550 すべり軸受け
550A 大径部
550B 凸部
550C 凹部
320 固定スクロール
340 旋回スクロール
342A ボス部
342A1 切欠き部
342A2 爪部
342A3 周溝
400 駆動力伝達機構
410 駆動軸
420 クランクピン
430 偏心ブッシュ
550 すべり軸受け
550A 大径部
550B 凸部
550C 凹部
Claims (8)
- 相互に噛み合わされる固定スクロール及び旋回スクロールと、
前記旋回スクロールに駆動力を伝達する駆動力伝達機構と、
前記駆動力伝達機構と前記旋回スクロールの背面に形成された円環形状のボス部との間に配設されたすべり軸受けと、
を備えたスクロール型流体機械であって、
前記すべり軸受けは、前記旋回スクロールのボス部の開口端に形成された複数の切欠き部の間に位置する爪部を半径内方へと折り曲げた状態又は押し広げた状態で固定される、
スクロール型流体機械。 - 前記爪部の内周面は、当該ボス部の開口端に向かうにつれて内径が大きくなるテーパ形状に形成された、
請求項1に記載のスクロール型流体機械。 - 前記爪部の外周面は、当該ボス部の開口端に向かうにつれて外径が小さくなるテーパ形状であって、前記旋回スクロールのボス部の開口端に位置する内周面に形成されたテーパ形状よりもテーパ角度が大きいテーパ形状に形成された、
請求項2に記載のスクロール型流体機械。 - 前記旋回スクロールのボス部の内周面に、前記すべり軸受けの一端部との接触を避ける周溝が形成された、
請求項1〜請求項3のいずれか1つに記載のスクロール型流体機械。 - 前記すべり軸受けの一端部に位置する内周面は、他の部分の内周面よりも大径に形成された、
請求項1〜請求項4のいずれか1つに記載のスクロール型流体機械。 - 前記すべり軸受けの一端部に、前記旋回スクロールのボス部の切欠き部に係止する少なくとも1つの凸部が形成された、
請求項1〜請求項5のいずれか1つに記載のスクロール型流体機械。 - 前記すべり軸受けの一端部に、前記爪部が半径内方へと折り曲げられた状態において、当該爪部が係止する少なくとも1つの凹部が形成された、
請求項1〜請求項6のいずれか1つに記載のスクロール型流体機械。 - 旋回スクロールの背面に形成された円環形状のボス部にすべり軸受けを圧入し、
前記旋回スクロールのボス部の開口端に形成された複数の切欠き部の間に位置する爪部を半径内方へと折り曲げ、又は押し広げ、
前記爪部の一面で前記すべり軸受けを固定する、
すべり軸受けの固定方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2017061697A JP2018162773A (ja) | 2017-03-27 | 2017-03-27 | スクロール型流体機械及びすべり軸受けの固定方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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| JP2017061697A JP2018162773A (ja) | 2017-03-27 | 2017-03-27 | スクロール型流体機械及びすべり軸受けの固定方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2018162773A true JP2018162773A (ja) | 2018-10-18 |
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ID=63859929
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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| JP2017061697A Pending JP2018162773A (ja) | 2017-03-27 | 2017-03-27 | スクロール型流体機械及びすべり軸受けの固定方法 |
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| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2018162773A (ja) |
Citations (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2002266776A (ja) * | 2001-03-12 | 2002-09-18 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | スクロール圧縮機およびその製造方法 |
| JP2010121718A (ja) * | 2008-11-20 | 2010-06-03 | Panasonic Corp | スピンドルモータ |
| JP2012038381A (ja) * | 2010-08-05 | 2012-02-23 | Sharp Corp | 光ピックアップ装置、その製造方法および電子機器 |
| JP2016011740A (ja) * | 2014-06-30 | 2016-01-21 | シナノケンシ株式会社 | 軸受装置及びモータ |
-
2017
- 2017-03-27 JP JP2017061697A patent/JP2018162773A/ja active Pending
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