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JP2018159037A - 樹脂粒子分散液、水性インク、インクカートリッジ、記録装置、及び記録方法 - Google Patents

樹脂粒子分散液、水性インク、インクカートリッジ、記録装置、及び記録方法 Download PDF

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JP2018159037A
JP2018159037A JP2017058245A JP2017058245A JP2018159037A JP 2018159037 A JP2018159037 A JP 2018159037A JP 2017058245 A JP2017058245 A JP 2017058245A JP 2017058245 A JP2017058245 A JP 2017058245A JP 2018159037 A JP2018159037 A JP 2018159037A
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尚美 宮本
Naomi Miyamoto
尚美 宮本
石塚 孝宏
Takahiro Ishizuka
孝宏 石塚
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Abstract

【課題】濃縮した後に希釈した際における粒子の再分散性が向上した機能性液体が得られる樹脂粒子分散液を提供すること。
【解決手段】水を含む水系分散媒と、脂環式(メタ)アクリレートと2−カルボキシエチル(メタ)アクリレートとを構成単位として含む樹脂を含有する粒子と、を有する樹脂粒子分散液。
【選択図】なし

Description

本発明は、樹脂粒子分散液、水性インク、インクカートリッジ、記録装置、及び記録方法に関する。
水系分散媒に樹脂を含む粒子を分散させた水性インクとして、例えば下記が知られている。
特許文献1には、水系媒体と、顔料および水不溶性ポリマー分散剤を含む着色粒子と、親水性の構成単位、および脂環式(メタ)アクリレートに由来する疎水性の構成単位を含む自己分散ポリマー粒子と、を含有する水性インク組成物が開示されている。
特許文献2には、水不溶性ポリマー分散剤によって被覆された顔料を含む着色粒子と、親水性モノマーに由来する構成単位および疎水性モノマーに由来する構成単位を含み、ガラス転移温度が150℃以上であって、I/O値が0.20以上0.55以下である第1のポリマーを含む自己分散性ポリマー粒子と、を含有するインクジェット用インク組成物が開示されている。
特許文献3には、固溶体マゼンタ顔料を含む水不溶性ビニルポリマー粒子の水分散体を含有するインクジェット記録用水系インクであって、水不溶性ビニルポリマーが、少なくとも脂環式(メタ)アクリレート(A)及び塩生成基含有モノマー(B)を共重合した水不溶性ビニルポリマーであるインクジェット記録用水系インクが開示されている。
特開2010−77218号公報 特開2010−202773号公報 特開2005−29597号公報
樹脂を含む粒子と水系分散媒とを有する樹脂粒子分散液を含有する機能性液体(例えば水性インク等)では、濃縮されると、粒子が凝集し、水系分散媒で再度希釈して粒子の濃度を濃縮前と同じにしても粒子が再分散しにくく、濃縮前に比べて粒子の分散性が低下することがある。
本発明は、水系分散媒と、脂環構造を有さないアルキル(メタ)アクリレート及び(メタ)アクリル酸のみを構成単位として含む樹脂からなる粒子と、で構成された樹脂粒子分散液に比べ、濃縮した後に希釈した際における粒子の再分散性が向上した機能性液体が得られる樹脂粒子分散液を提供することを課題とする。
前記課題を解決するための具体的手段には、下記の態様が含まれる。
請求項1に係る発明は、
水を含む水系分散媒と、
脂環式(メタ)アクリレートと2−カルボキシエチル(メタ)アクリレートとを構成単位として含む樹脂を含有する粒子と、
を有する樹脂粒子分散液。
請求項2に係る発明は、
前記脂環式(メタ)アクリレートは、2以上の脂環構造を有する請求項1に記載の樹脂粒子分散液。
請求項3に係る発明は、
前記樹脂の酸価は、10mgKOH/g以上100mgKOH/g以下である請求項1又は請求項2に記載の樹脂粒子分散液。
請求項4に係る発明は、
前記樹脂の構成単位全体に対する2−カルボキシエチル(メタ)アクリレートの含有量は、3質量%以上30質量%以下である請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の樹脂粒子分散液。
請求項5に係る発明は、
請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の樹脂粒子分散液を含む水性インク。
請求項6に係る発明は、
請求項5に記載の水性インクを収容したインクカートリッジ。
請求項7に係る発明は、
請求項5に記載の水性インクを収容し、前記水性インクをノズルから吐出して記録媒体に付与するインク付与手段と、
前記記録媒体に付与された前記水性インクを乾燥する乾燥手段と、
を備える記録装置。
請求項8に係る発明は、
請求項5に記載の水性インクをノズルから吐出して記録媒体に付与するインク付与工程と、
前記記録媒体に付与された前記水性インクを乾燥する乾燥工程と、
を有する記録方法。
請求項1に係る発明によれば、水系分散媒と、脂環構造を有さないアルキル(メタ)アクリレート及び(メタ)アクリル酸のみを構成単位として含む樹脂からなる粒子と、で構成された樹脂粒子分散液に比べ、濃縮した後に希釈した際における粒子の再分散性が向上した機能性液体が得られる樹脂粒子分散液が提供される。
請求項2に係る発明によれば、脂環式(メタ)アクリレートが脂環構造を1つのみ有する場合に比べ、濃縮した後に希釈した際における粒子の再分散性が向上した機能性液体が得られる樹脂粒子分散液が提供される。
請求項3に係る発明によれば、樹脂の酸価が10mgKOH/g未満又は100mgKOH/gを超える場合に比べ、濃縮した後に希釈した際における粒子の再分散性が向上した機能性液体が得られる樹脂粒子分散液が提供される。
請求項4に係る発明によれば、樹脂の構成単位全体に対する2−カルボキシエチル(メタ)アクリレートの含有量が3質量%未満又は30質量%を超える場合に比べ、濃縮した後に希釈した際における粒子の再分散性が向上した機能性液体が得られる樹脂粒子分散液が提供される。
請求項5に係る発明によれば、水系分散媒と、脂環構造を有さないアルキル(メタ)アクリレート及び(メタ)アクリル酸のみを構成単位として含む樹脂からなる粒子と、で構成された樹脂粒子分散液を適用した場合に比べ、ノズル詰まりが抑制された水性インクが提供される。
請求項6に係る発明によれば、水系分散媒と、脂環構造を有さないアルキル(メタ)アクリレート及び(メタ)アクリル酸のみを構成単位として含む樹脂からなる粒子と、で構成された樹脂粒子分散液を適用した場合に比べ、ノズル詰まりが抑制された水性インクを収容したインクカートリッジが提供される。
請求項7に係る発明によれば、水系分散媒と、脂環構造を有さないアルキル(メタ)アクリレート及び(メタ)アクリル酸のみを構成単位として含む樹脂からなる粒子と、で構成された樹脂粒子分散液を適用した場合に比べ、ノズル詰まりが抑制された水性インクを用いる記録装置が提供される。
請求項8に係る発明によれば、水系分散媒と、脂環構造を有さないアルキル(メタ)アクリレート及び(メタ)アクリル酸のみを構成単位として含む樹脂からなる粒子と、で構成された樹脂粒子分散液を適用した場合に比べ、ノズル詰まりが抑制された水性インクを用いる記録方法が提供される。
本実施形態に係る画像形成装置の一例を示す概略構成図である。
以下に、発明の実施形態を説明する。これらの説明及び実施例は実施形態を例示するものであり、発明の範囲を制限するものではない。
本開示において組成物中の各成分の量について言及する場合、組成物中に各成分に該当する物質が複数種存在する場合には、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数種の物質の合計量を意味する。
本開示において、「アルカン」、「アルキル」、「アルキレン」、「アルケン」及び「アルケニル」は、鎖式炭化水素のみならず環式炭化水素をも含む。
本開示において、「(メタ)アクリル」とは、「アクリル」又は「メタクリル」のいずれでもよいことを意味し、「(メタ)アクリレート」とは、「アクリレート」又は「メタクリレート」のいずれでもよいことを意味する。また、本開示において、「(メタ)アクリロイル」とは、「アクリロイル」又は「メタクリロイル」のいずれでもよいことを意味する。
<樹脂粒子分散液>
本実施形態に係る樹脂粒子分散液は、水を含む水系分散媒と、
脂環式(メタ)アクリレートと2−カルボキシエチル(メタ)アクリレートとを構成単位として含む樹脂を含有する粒子と、
を有する。
本開示において「水系分散媒」とは、水、又は、水とその他の溶媒との混合溶媒であって、水を主たる溶媒とする混合溶媒を意味する。本開示において「主たる溶媒」とは、混合溶媒を構成する全溶媒のうち最も質量の多い溶媒を指す。
本開示において、脂環式(メタ)アクリレートと2−カルボキシエチル(メタ)アクリレートとを構成単位として含む樹脂を「特定樹脂」という。
また、本開示において「脂環式(メタ)アクリレート」とは、脂環構造を含む炭化水素基を有する(メタ)アクリル酸エステルを意味し、「脂環構造」とは、芳香族性を有さない飽和又は不飽和の炭素環を意味する。
ここで、樹脂を含む粒子(以下「樹脂粒子」ともいう)と水系分散媒とを有する樹脂粒子分散液を、例えばインクジェット方式の記録装置に用いる水性インクのように、ノズル等の吐出部から断続的に吐出される機能性液体に適用すると、ノズル詰まりが発生し、吐出安定性の低下が起こることがある。これは、機能性液体の吐出時に、例えば水系分散媒の蒸発等により濃縮されることで、樹脂粒子が凝集し、その後に吐出される液体で再度希釈されても再分散しにくく、濃縮前に比べて樹脂粒子の分散性が低下するためと考えられる。そのため、濃縮した後に、再度希釈して濃縮前と同じ濃度にした際における樹脂粒子の再分散性が良好な機能性液体が得られる樹脂粒子分散液が求められている。
そして、本実施形態に係る樹脂粒子分散液は、上記構成とすることにより、濃縮した後に希釈した際における樹脂粒子の再分散性が向上する機能性液体が得られる。その理由は定かではないが、以下のように推測される。
特定樹脂に構成単位として含まれる脂環式(メタ)アクリレートは、脂環構造を有さないアルキル(メタ)アクリレートに比べて、脂環構造を有することにより嵩高く、樹脂のガラス転移温度を上昇させる傾向がある。また、特定樹脂に構成単位として含まれる2−カルボキシエチル(メタ)アクリレートは、(メタ)アクリル酸に比べてアルキル鎖が長く、かつ、カルボキシ基の解離定数pKaが小さい。
そして、特定樹脂は、脂環式(メタ)アクリレート及び2−カルボキシエチル(メタ)アクリレートの両方を構成単位として含む。そのため、特定樹脂を含有する樹脂粒子では、脂環構造及び長いアルキル鎖による立体的反発と、カルボキシ基による静電的反発と、の両方により樹脂粒子の分散安定性が得られる。加えて、特定樹脂のガラス転移温度が高いことによって、樹脂粒子が濃縮により凝集しても、再度希釈すると樹脂粒子同士が互いに離れやすくなる。それにより、機能性液体を濃縮した後に希釈した際における樹脂粒子の再分散性が向上すると推測される。
また、本実施形態に係る樹脂粒子分散液を含む水性インクは、濃縮した後に希釈した際における樹脂粒子の再分散性が高い。そのため、例えばインクジェット方式の記録装置のように、水性インクをノズルから吐出して記録媒体に付与するインク付与手段を有する記録装置に上記水性インクを用いると、ノズル詰まりが抑制され、吐出安定性が向上する。
なお、上記特定樹脂は、水系分散媒に固体状態で分散する樹脂であることが好ましい。即ち、樹脂粒子分散液は、特定樹脂を含む樹脂粒子が固体状態で水系分散媒に分散した懸濁液(サスペンジョン)であることが好ましい。
以下、樹脂粒子分散液を構成する樹脂粒子、水系分散媒、及びその他の成分、並びに樹脂粒子分散液の製造方法等について詳細に説明する。
[樹脂粒子]
樹脂粒子は、少なくとも特定樹脂を含有し、必要に応じて他の成分を含有してもよい。
なお、樹脂粒子が他の成分を含有する場合、樹脂粒子全体に対する特定樹脂の含有量としては、例えば35質量%以上が挙げられ、40質量%以上が好ましく、50質量%以上がより好ましい。
以下、特定樹脂及び必要に応じて樹脂粒子に含まれる他の成分について説明する。
(特定樹脂)
特定樹脂は、少なくとも、脂環式(メタ)アクリレートと2−カルボキシエチル(メタ)アクリレートとを構成単位として含み、必要に応じてその他の構成単位を含んでもよい。
特定樹脂は、脂環式(メタ)アクリレートと、2−カルボキシエチル(メタ)アクリレートと、必要に応じてその他の成分と、を重合することにより得る。特定樹脂の重合法に特に制限はなく、公知の重合法によりモノマー混合物を共重合させればよい。
−脂環式(メタ)アクリレート−
脂環式(メタ)アクリレートは、脂環構造を含む炭化水素基(以下「脂環式炭化水素基」ともいう)を有する(メタ)アクリル酸エステルであり、脂環式炭化水素基を有するアルコールと(メタ)アクリル酸とのエステルである。
脂環式(メタ)アクリレートが有する脂環構造の数は特に限定されるものではないが、樹脂粒子の再分散性の観点から、2以上が好ましく、2以上5以下がより好ましく、2以上3以下がさらに好ましい。
なお、脂環式(メタ)アクリレートが脂環構造を2以上有する形態には、脂環構造を1つのみ有する脂環式炭化水素基(以下「単環式炭化水素基」ともいう)を2以上有する形態、及び2以上の脂環構造を有する脂環式炭化水素基(以下「多環式炭化水素基」ともいう)を有する形態の両方が含まれる。
単環式炭化水素基としては、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロノニル基、シクロデシル基等のシクロアルキル基;シクロプロペニル基、シクロブテニル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基、シクロヘプテニル基、シクロオクテニル基、シクロノネニル基、シクロデセニル基等のシクロアルケニル基;等が挙げられる。
多環式炭化水素基としては、例えば、ビシクロヘキシル基、ノルボルニル基、イソボルニル基、ジシクロペンタニル基、ジシクロペンテニル基、アダマンチル基、デカヒドロナフタレニル基、ペルヒドロフルオレニル基、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカニル基、及びビシクロ[4.3.0]ノニル基等が挙げられる。
脂環式炭化水素基は、更に置換基を有してもよい。脂環式炭化水素基が有する置換基としては、例えば、アルキル基、アルケニル基、アリール基、アラルキル基、アルコキシ基、水酸基、1級アミノ基、2級アミノ基、3級アミノ基、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基、及びシアノ基等が挙げられる。
脂環式(メタ)アクリレートが有する脂環構造を構成する炭素数の合計は、樹脂粒子の再分散性及び特定樹脂の合成容易性の観点から、7以上20以下が好ましく、7以上18以下がより好ましく、7以上12以下がさらに好ましい。
なお、上記脂環構造を構成する炭素数は、環を構成する炭素の数であり、環に結合する基の炭素数は含まない。また、脂環式(メタ)アクリレートが2以上の脂環構造を有する場合、上記脂環構造を構成する炭素数の合計は、前記2以上の脂環構造すべてにおける環を構成する炭素の数の合計である。具体的には、例えば、イソボルニルメタクリレートにおける脂環構造を構成する炭素数の合計は7である。
脂環式(メタ)アクリレートは、(メタ)アクリロイルオキシ基と脂環式炭化水素基とが直接結合したエステルであってもよく、(メタ)アクリロイルオキシ基と脂環式炭化水素基とが連結基を介して結合したエステルであってもよい。
上記連結基としては、例えば、アルキレン基、−O−、−S−、−NH−、カルボニル基等の二価の連結基等が挙げられ、これらの連結基を2以上組み合わせた連結基(例えば、アルキレン基と−O−とを組み合わせたオキシアルキレン基等)であってもよい。
脂環式(メタ)アクリレートの具体例としては、例えば、シクロプロピル(メタ)アクリレート、シクロブチル(メタ)アクリレート、シクロペンチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘプチル(メタ)アクリレート、シクロオクチル(メタ)アクリレート、シクロノニル(メタ)アクリレート、シクロデシル(メタ)アクリレート等のシクロアルキル(メタ)アクリレート;シクロプロペニル(メタ)アクリレート、シクロブテニル(メタ)アクリレート、シクロペンテニル(メタ)アクリレート、シクロヘキセニル(メタ)アクリレート、シクロヘプテニル(メタ)アクリレート、シクロオクテニル(メタ)アクリレート、シクロノネニル(メタ)アクリレート、シクロデセニル(メタ)アクリレート等のシクロアルケニル(メタ)アクリレート;ビシクロヘキシル(メタ)アクリレート、ノルボルニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレート、デカヒドロナフタレニル(メタ)アクリレート、ペルヒドロフルオレニル(メタ)アクリレート、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカニル(メタ)アクリレート、ビシクロ[4.3.0]ノニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート等の多環式炭化水素基を有する(メタ)アクリレート:等が挙げられる。
脂環式(メタ)アクリレートは、構成単位として1種のみ含んでもよく、2種以上を含んでもよい。
特定樹脂の構成単位全体に対する脂環式(メタ)アクリレートの含有量は、例えば7質量%以上50質量%以下が挙げられ、樹脂粒子の再分散性の観点から、12質量%以上40質量%以下が好ましく、12質量%以上35質量%以下がより好ましい。
−2−カルボキシエチル(メタ)アクリレート−
特定樹脂の構成単位全体に対する2−カルボキシエチル(メタ)アクリレートの含有量としては、例えば3質量%以上30質量%以下が挙げられ、樹脂粒子の再分散性の観点から、3質量%以上24質量%以下が好ましく、3質量%以上18質量%以下がより好ましい。
−その他の構成単位−
特定樹脂は、脂環式(メタ)アクリレート及び2−カルボキシエチル(メタ)アクリレートの他に、その他の構成単位を更に含んでもよい。その他の構成単位は、脂環式(メタ)アクリレート及び2−カルボキシエチル(メタ)アクリレートの両方と共重合する構成単位であれば特に限定されない。
その他の構成単位としては、例えば、(メタ)アクリレート類、カルボキシ基を有するモノマー類、ビニルエステル類、(メタ)アクリルアミド類、オレフィン類、ビニルエーテル類等が挙げられる。
(メタ)アクリレート類のうち、アルキル(メタ)アクリレートとしては、脂環式(メタ)アクリレート以外のアルキル(メタ)アクリレートが挙げられ、具体的には、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
上記アルキル(メタ)アクリレートにおけるアルキル基の炭素数は、水系分散媒に対する分散性の観点から、1以上8以下が好ましく、1以上4以下がより好ましい。
(メタ)アクリレート類のうち、芳香族環を有する(メタ)アクリレートとしては、例えば、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ナフチル(メタ)アクリレート、2−フェノキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
(メタ)アクリレート類のうち、アルキル(メタ)アクリレート及び芳香族環を有する(メタ)アクリレート以外の(メタ)アクリレートとしては、例えば、フルフリル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシペンチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、2,2−ジメチル−3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2,2,2−テトラフルオロエチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、2−(2−メトキシエトキシ)エチル(メタ)アクリレート、エトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(分子量200乃至1000)モノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(分子量200乃至1000)モノ(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルオキシアルカンスルホン酸(例えば、(メタ)アクリロイルオキシエタンスルホン酸、(メタ)アクリロイルオキシプロパンスルホン酸、(メタ)アクリロイルオキシブタンスルホン酸等)、リン酸モノ2−(メタ)アクリロイルオキシエチル等が挙げられる。
カルボキシ基を有するモノマー類のうち、2−カルボキシエチル(メタ)アクリレート以外のモノマーとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、クロトン酸、イタコン酸モノアルキルエステル(例えば、イタコン酸モノメチル、イタコン酸モノエチル、イタコン酸モノブチル等)、マレイン酸モノアルキルエステル(例えば、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノエチル、マレイン酸モノブチル等)等が挙げられる。
ビニルエステル類としては、例えば、ビニルアセテート、ビニルプロピオネート、ビニルブチレート、ビニルイソブチレート、ビニルカプロエート、ビニルクロロアセテート、ビニルメトキシアセテート、ビニルフェニルアセテート、安息香酸ビニル、サリチル酸ビニル等が挙げられる。
(メタ)アクリルアミド類としては、例えば、(メタ)アクリルアミド、メチル(メタ)アクリルアミド、エチル(メタ)アクリルアミド、プロピル(メタ)アクリルアミド、ブチル(メタ)アクリルアミド、tert−ブチル(メタ)アクリルアミド、tert−オクチル(メタ)アクリルアミド、シクロヘキシル(メタ)アクリルアミド、ベンジル(メタ)アクリルアミド、ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、メトキシエチル(メタ)アクリルアミド、フェニル(メタ)アクリルアミド、ジメチル(メタ)アクリルアミド、ジエチル(メタ)アクリルアミド、2−シアノエチル(メタ)アクリルアミド、N−(2−アセトアセトキシエチル)(メタ)アクリルアミド、ジアセトン(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリルアミドアルキルスルホン酸(例えば、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルエタンスルホン酸、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルブタンスルホン酸など)などが挙げられる。
オレフィン類としては、例えば、ジシクロペンタジエン、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、イソプレン、クロロプレン、ブタジエン、2,3−ジメチルブタジエン等、スチレン類(例えば、スチレン、メチルスチレン、ジメチルスチレン、トリメチルスチレン、エチルスチレン、イソプロピルスチレン、クロロメチルスチレン、メトキシスチレン、アセトキシスチレン、クロロスチレン、ジクロロスチレン、ブロモスチレン、ビニル安息香酸メチルエステル、スチレンカルボン酸、ビニルベンジルスルホン酸、ポリスチレン構造を有するスチレンマクロマー等)等が挙げられる。
ビニルエーテル類としては、例えば、メチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、ヘキシルビニルエーテル、メトキシエチルビニルエーテル等が挙げられる。
その他の成分としては、上記のほか、例えば、クロトン酸ブチル、クロトン酸ヘキシル、イタコン酸ジメチル、イタコン酸ジブチル、マレイン酸ジエチル、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジブチル、フマル酸ジエチル、フマル酸ジメチル、フマル酸ジブチル、メチルビニルケトン、フェニルビニルケトン、メトキシエチルビニルケトン、N−ビニルオキサゾリドン、N−ビニルピロリドン、ビニリデンクロライド、メチレンマロンニトリル、リン酸モノビニル等も挙げられる。
特定樹脂は、脂環式(メタ)アクリレート及び2−カルボキシエチル(メタ)アクリレートに加え、脂環式(メタ)アクリレート以外のアルキル(メタ)アクリレートをその他の構成単位として含むことが好ましい。
特定樹脂の構成単位全体に対する脂環式(メタ)アクリレート以外のアルキル(メタ)アクリレートの含有量は、20質量%以上90質量%以下が挙げられ、樹脂粒子の再分散性の観点から、35質量%以上85質量%以下が好ましく、45質量%以上85質量%以下がより好ましい。
特定樹脂は、脂環式(メタ)アクリレート及び2−カルボキシエチル(メタ)アクリレートに加え、芳香環を有する成分(例えば、芳香環を有する(メタ)アクリレート、スチレン類等)をその他の構成単位として含むことが好ましい。
特定樹脂の構成単位全体に対する芳香環を有する成分の含有量としては、例えば0質量%以上40質量%以下が挙げられ、樹脂粒子の再分散性の観点から、0質量%以上35質量%以下が好ましく、0質量%以上30質量%以下がより好ましい。
−特定樹脂の具体例−
以下に、特定樹脂の具体例を、構成単位の記載により例示する。括弧内は構成単位の質量比である。本発明は、これらの化合物P01〜P20に限定されるものではない。
・P01:イソボルニルメタクリレート/メチルメタクリレート/アクリル酸−2−カルボキシエチル共重合体(45/49/6)
・P02:イソボルニルメタクリレート/フェノキシエチルメタクリレート/メタクリル酸/アクリル酸−2−カルボキシエチル共重合体(30/50/14/6)
・P03:イソボルニルメタクリレート/エチルメタクリレート/スチレンカルボン酸/アクリル酸−2−カルボキシエチル共重合体(50/40/2/8)
・P04:イソボルニルメタクリレート/イソブチルメタクリレート/2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸/アクリル酸−2−カルボキシエチル共重合体(50/45/2/3)
・P05:イソボルニルメタクリレート/スチレン/フェノキシエチルメタクリレート/メチルメタクリレート/アクリル酸−2−カルボキシエチル共重合体(30/30/20/15/5)
・P06:イソボルニルメタクリレート/エチルアクリレート/アクリル酸−2−カルボキシエチル共重合体(45/50/5)
・P07:イソボルニルメタクリレート/ブチルアクリレート/エチルメタクリレート/アクリル酸−2−カルボキシエチル共重合体(30/15/45/10)
・P08:イソボルニルメタクリレート/スチレン/メチルメタクリレート/テトラヒドロフルフリルメタクリレート/アクリル酸−2−カルボキシエチル共重合体(30/20/25/20/5)
・P09:イソボルニルメタクリレート/ジシクロペンテニルオキシエチルメタクリレート/メチルメタクリレート/アクリル酸−2−カルボキシエチル共重合体(30/20/45/5)
・P10:イソボルニルメタクリレート/4−t−ブチルスチレン/イソブチルメタクリレート/アクリル酸−2−カルボキシエチル共重合体(50/10/30/10)
・P11:ジシクロペンタニルメタクリレート/スチレン/メチルメタクリレート/アクリル酸−2−カルボキシエチル共重合体(30/20/44/6)
・P12:ジシクロペンタニルメタクリレート/エチルメタクリレート/アクリル酸−2−カルボキシエチル共重合体(50/45/5)
・P13:ジシクロペンタニルメタクリレート/メチルメタクリレート/メタクリル酸/アクリル酸−2−カルボキシエチル共重合体(45/48/3/4)
・P14:ジシクロペンタニルメタクリレート/イソボルニルメタクリレート/メチルメタクリレート/リン酸モノ2−(メタ)アクリロイルエチル/アクリル酸−2−カルボキシエチル共重合体(32/20/40/4/4)
・P15:ジシクロペンテニルアクリレ−ト/エチルアクリレート/アクリル酸−2−カルボキシエチル共重合体(50/40/10)
・P16:ジシクロペンテニルアクリレ−ト/メチルメタクリレート/エトキシトリエチレングリコールメタクリレート/アクリル酸−2−カルボキシエチル共重合体(60/15/15/10)
・P17:ジシクロペンテニルアクリレ−ト/スチレン/メチルメタクリレート/アクリル酸−2−カルボキシエチル共重合体(40/15/39/6)
・P18:ジシクロペンテニルオキシエチルアクリレ−ト/メチルメタクリレート/ヘキシルアクリレート/アクリル酸−2−カルボキシエチル共重合体(40/40/5/15)
・P19:ジシクロペンテニルオキシエチルアクリレ−ト/エチルメタクリレート/スチレン/アクリル酸−2−カルボキシエチル共重合体(30/45/15/10)
・P20:ジシクロペンタニルアクリレ−ト/イソボルニルメタクリレート/メチルメタクリレート/アクリル酸−2−カルボキシエチル共重合体(40/10/40/10)
−特定樹脂の分子量−
特定樹脂の分子量範囲は、重量平均分子量として3000以上20万以下が好ましく、5000以上15万以下がより好ましく、1万以上10万以下が更に好ましい。重量平均分子量が3000以上であることにより、水溶性成分(すなわち水に対する溶解度の高い成分)の含有割合が低減され、水溶性成分に起因する樹脂粒子の膨潤や樹脂粒子同士の接着が抑制されるため、分散性が良好となる。一方、重量平均分子量が20万以下であることにより、有機溶剤に対する溶解性に優れ且つ有機溶剤に溶解した樹脂溶液の粘度が抑えられるので、樹脂粒子分散液を製造する際において水系分散媒への分散が容易になり、結果として樹脂粒子の分散安定性に優れる。
樹脂の重量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー(Gel Permeation Chromatography:GPC)によって測定し、ポリスチレン換算で算出する。
−特定樹脂の特性−
特定樹脂の酸価は、10mgKOH/g以上100mgKOH/g以下であることが好ましく、15mgKOH/g以上50mgKOH/g以下であることがより好ましく、15mgKOH/g以上40mgKOH/g以下であることがさらに好ましい。
特定樹脂の酸価が上記範囲であることにより、上記範囲よりも低い場合に比べて樹脂粒子の水系分散媒への分散性が高く、上記範囲よりも高い場合に比べて特定樹脂の水溶性が低くなることから樹脂粒子の分散性が高くなる。また、特定樹脂の酸価が上記範囲であることにより、特定樹脂に構成単位として含まれる脂環式(メタ)アクリレート及び2−カルボキシエチル(メタ)アクリレートの立体的反発及び静電的反発が発揮されやすくなることで、樹脂粒子の再分散性が向上する。
特定樹脂のガラス転移温度は、40℃以上150℃以下が好ましい。ガラス転移温度が40℃以上であることにより、特定樹脂を含むインクを用いて形成した画像の引っかき耐性やブロッキング耐性に優れ、ガラス転移温度が150℃以下であることにより、特定樹脂を含むインクを用いて形成した画像の耐擦性に優れる。また、樹脂粒子の再分散性の観点からは、特定樹脂のガラス転移温度が85℃以上であることが好ましく、樹脂粒子の再分散性の観点に加えて樹脂の良好な溶融性による画質向上の観点から、特定樹脂のガラス転移温度は、85℃以上140℃以下がより好ましく、85℃以上130℃以下が更に好ましい。
(樹脂粒子に含まれる他の成分)
樹脂粒子は、必要に応じて他の成分を含有してもよい。例えば樹脂粒子分散液を水性インクに用いる場合、例えば、染料、赤外線吸収剤、紫外線吸収剤等の有機機能性化合物を樹脂粒子が含有してもよい。
−有機機能性化合物−
有機機能性化合物としては、水に対して不溶又は難溶で且つ有機溶剤に対して可溶な有機化合物が挙げられ、具体的には、例えば、染料、赤外線吸収剤、紫外線吸収剤等が挙げられる。有機機能性化合物は、1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。2種以上の併用形態は、同機能の1つの化合物群から複数種でもよく(例えば、染料から複数種)、機能の異なる2つ以上の化合物群にまたがって複数種でもよい(例えば、染料から1種かつ赤外線吸収剤から1種)。
染料としては、例えば、カップリング成分としてフェノール類、ナフトール類、アニリン類、ピラゾロン類、ピリドン類、若しくは開鎖型活性メチレン化合物を有するアリールアゾ染料又はヘテリルアゾ染料;カップリング成分としてピラゾロン類、ピラゾロトリアゾール類、ピロロトリアゾール類、又は開鎖型活性メチレン化合物を有するアゾメチン染料;ベンジリデン染料、モノメチンオキソノール染料等のメチン染料;ナフトキノン染料、アントラキノン染料、アントラピリドン染料等のキノン系染料;アリーリデン染料、スチリル染料、メロシアニン染料、オキソノール染料等のメチン染料;ジフェニルメタン染料、トリフェニルメタン染料、キサンテン染料等のカルボニウム染料;キノフタロン染料、ニトロ染料、ニトロソ染料、アクリジン染料、アクリジノン染料、ジオキサジン染料、インドアニリン染料、インドフェノール染料、シアニン染料、フタロシアニン染料、インジゴ染料、チオインジゴ染料などが挙げられる。
なお、有機機能性化合物として染料を用いた場合、樹脂粒子は着色粒子であり、樹脂粒子分散液は、例えば、水性インクを構成する材料として用いられる。
赤外線吸収剤としては、例えば、スクアリリウム系色素、クロコニウム系色素、ナフタロシアニン系色素、シアニン系色素、アミニウム系色素等が挙げられる。
なお、有機機能性化合物として赤外線吸収剤を用いた場合、樹脂粒子は赤外線吸収性粒子であり、樹脂粒子分散液は、例えば、赤外線照射により記録媒体に定着する水性インクを構成する材料として用いられる。
紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾトリアゾール系化合物、ベンゾフェノン系化合物等が挙げられる。
なお、有機機能性化合物として紫外線吸収剤を用いた場合、樹脂粒子は紫外線吸収性粒子であり、樹脂粒子分散液は、例えば、画像の紫外線による退色を抑制する目的で、水性インクを構成する材料として用いられる。
[水系分散媒]
水系分散媒は、水、又は、水を主たる溶媒とする混合溶媒である。混合溶媒としては、例えば、水と水溶性有機溶剤との混合物が挙げられる。
水としては、不純物の混入又は微生物の発生を抑制する観点から、蒸留水、イオン交換水、限外濾過水などの精製水が好ましい。
水溶性有機溶剤としては、アルコール、多価アルコール、多価アルコール誘導体、含窒素溶剤、含硫黄溶剤などが挙げられる。樹脂粒子分散液に含まれる水溶性有機溶剤としては、例えば、樹脂粒子分散液の製造過程において特定樹脂の溶解に用いた有機溶剤の残存物が挙げられる。
水の含有量は、樹脂粒子分散液の全質量に対して、50質量%以上95質量%以下が好ましく、60質量%以上90質量%以下がより好ましい。
水溶性有機溶剤の含有量は、樹脂粒子分散液の全質量に対して、30質量%以下が好ましく、10質量%以下がより好ましい。
[その他の成分]
樹脂粒子分散液は、必要に応じて、特定樹脂を含む樹脂粒子及び水系分散媒のほかに、その他の成分を含んでもよい。その他の成分としては、例えば、中和剤、界面活性剤、分散安定剤、特定樹脂以外の樹脂等が挙げられる。
[樹脂粒子分散液の製造方法]
樹脂粒子分散液の製造方法としては、例えば、転相乳化法が挙げられる。
転相乳化法は、特定樹脂及び必要に応じて樹脂粒子に含まれる他の成分が有機溶剤に溶解した溶液を調製し、該溶液に中和剤を加えて特定樹脂等を中和した後、水を徐々に混合して特定樹脂等を分散状態にする方法である。ここでの分散状態は、乳化でもよく、懸濁でもよく、分散安定性の観点からは、懸濁が好ましい。有機溶剤は、該有機溶剤の水に対する溶解度が10質量%以下である場合、又は、該有機溶剤の蒸気圧が水より大きい場合には、特定樹脂を含む樹脂粒子の分散安定性の観点から除去されることが好ましい。中和は、必須の工程ではないが、特定樹脂が未中和の解離性基を有する場合、分散液のpH調製等の観点から、行うことが好ましい。
転相乳化法に用いる有機溶剤は、特定樹脂等の溶解性に基づいて選択する。具体的には、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン等のケトン系溶剤;メタノール、エタノール、2−プロパノール、1−プロパノール、1−ブタノール、tert−ブタノール等のアルコール系溶剤;クロロホルム、塩化メチレン等の塩素系溶剤;ベンゼン、トルエン等の芳香族系溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソプロピル等のエステル系溶剤;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶剤;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル等のグリコールエーテル系溶剤;などが挙げられる。これらの有機溶剤は、1種を用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
有機溶剤の使用量としては、特定樹脂及び必要に応じて樹脂粒子に含まれる他の成分の合計100質量部に対し、10質量部以上2000質量部以下が好ましく、100質量部以上1000質量部以下がより好ましい。有機溶剤の使用量が10質量部以上であると、特定樹脂を含む樹脂粒子の分散が安定し、有機溶剤の使用量が2000質量部以下であると、有機溶剤を除去する工程が不要又は短時間で済む。
転相乳化法に用いる中和剤としては、特定樹脂がアニオン性基を有することから、有機塩基、無機アルカリが挙げられる。有機塩基としては、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、ジメチルエタノールアミン等が挙げられる。無機アルカリとしては、アルカリ金属の水酸化物(例えば、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化カリウム等)、炭酸塩(例えば、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム等)、アンモニアなどが挙げられる。
中和剤の添加量は、特定樹脂を含む樹脂粒子の分散安定性の観点から、樹脂粒子分散液のpHが後述の範囲となる添加量が好ましい。
[樹脂粒子分散液の物性]
樹脂粒子分散液に含まれる樹脂粒子の体積平均粒径は、分散安定性の観点から、5nm以上150nm以下が好ましく、5nm以上120nm以下がより好ましく、10nm以上100nm以下が更に好ましく、10nm以上80nm以下が更に好ましい。粒径分布は、広い粒径分布又は単分散性の粒径分布のいずれであってもよい。樹脂粒子の平均粒径及び粒径分布は、例えば、光散乱法を用いて測定する。
樹脂粒子分散液のpHは、特定樹脂を含む樹脂粒子の分散安定性の観点から、6.0以上が好ましく、6.5以上がより好ましく、7.0以上が更に好ましい。
なお、樹脂粒子分散液のpHは、温度23±0.5℃、相対湿度55±5%の環境下で測定する。
樹脂粒子分散液の表面張力は、20mN/m以上40mN/m以下が好ましく、25mN/m以上35mN/m以下がより好ましい。表面張力は、ウィルヘルミー型表面張力計を用いて、温度23±0.5℃、相対湿度55±5%の環境下で測定する。
樹脂粒子分散液の粘度は、1mPa・s以上30mPa・s以下が好ましく、2mPa・s以上20mPa・s以下がより好ましい。粘度は、TV−20形粘度計(東機産業)を測定装置として用い、温度23±0.5℃、せん断速度1400s−1の条件で測定する。
樹脂粒子分散液に含まれる固形分量に対する水溶性成分の割合は10質量%以下であることが好ましい。
通常、ポリマーの集合体を構成する個々の分子には構成単位の組成にばらつきがあり、したがって、個々の分子には水に対する溶解度にばらつきがある。水に対する溶解度が相対的に高いポリマー分子が、ここでいう「水溶性成分」に相当する。水溶性成分、つまり水に対する溶解度が相対的に高いポリマー分子は、樹脂粒子の分散に適さないので、樹脂粒子分散液の樹脂粒子に含まれる水溶性成分が少ないほど好ましい。また、樹脂粒子の膨潤や樹脂粒子同士の接着を抑制し、安定な分散を維持する観点からも、水溶性成分が少ないほど好ましい。これらの観点から、樹脂粒子分散液に含まれる固形分量に対する水溶性成分の割合は、10質量%以下が好ましく、8質量%以下がより好ましく、5質量%以下が更に好ましく、少ないほど好ましい。
上記水溶性成分の含有割合は、下記の方法で測定する。
樹脂粒子分散液の固形分濃度(液温23±0.5℃)を10質量%に調整する。その際、樹脂粒子の分散のために必要に応じて中和剤を使用する。固形分濃度が10質量%に調整された樹脂粒子分散液を、遠心式限外濾過フィルターユニットを用いて、分散質と媒質とに遠心分離し、分離した媒質を乾燥させて乾固物の質量を測定し、樹脂粒子分散液の固形分量(=樹脂粒子分散液に含まれる樹脂粒子の量+樹脂粒子分散液の固形分濃度を10質量%に調整する過程で用いた中和剤の質量)に対する媒質の乾固物量の割合を算出し、水溶性成分の割合(質量%)とする。
本実施形態に係る樹脂粒子分散液は、機能性液体(例えば、後述する水性インク、水性塗料、コーティング材料、水性媒体の化粧品等)等に利用される。
<水性インク>
本実施形態に係る水性インクは、前述の樹脂粒子分散液を含む。
水性インクとしては、例えば、前述の樹脂粒子分散液そのもの、前述の樹脂粒子分散液の複数形態を混合した組成物、前述の樹脂粒子分散液に着色剤等を添加した組成物、公知の水性インク(例えば市販の水性インク)に前述の樹脂粒子分散液を添加した組成物、等が挙げられる。
水性インクに含まれる樹脂粒子分散液の組成、製造方法、及び物性等は前述の通りである。
水性インクの全質量に対する水の含有量は、40質量%以上80質量%以下が好ましく、50質量%以上80質量%以下がより好ましい。
水性インクの全質量に対する水溶性有機溶剤の含有量は、50質量%以下が好ましく、40質量%以下がより好ましい。
[添加剤]
水性インクは、必要に応じて、各種の添加剤を含んでいてもよい。添加剤としては、例えば、界面活性剤、浸透剤、粘度調整剤、pH調整剤、pH緩衝剤、酸化防止剤、防腐剤、防カビ剤等が挙げられる。
[水性インクの物性]
水性インクのpHは、6.5以上9.5以下が好ましく、7.0以上9.0以下がより好ましく、7.0以上8.5以下が更に好ましい。
水性インクの表面張力は、20mN/m以上40mN/m以下が好ましく、25mN/m以上35mN/m以下がより好ましい。
水性インクの粘度は、1mPa・s以上30mPa・s以下が好ましく、2mPa・s以上20mPa・s以下がより好ましい。
<インクカートリッジ>
本実施形態に係るインクカートリッジは、上述の水性インクを収容したカートリッジである。インクカートリッジは、例えば、インクジェット方式の記録装置に着脱される形態で提供される。
<記録装置、記録方法>
本実施形態に係る記録装置は、上述の水性インクを収容し、該水性インクをノズルから吐出して記録媒体に付与するインク付与手段と、記録媒体に付与された水性インクを乾燥する乾燥手段と、を備える。上記記録装置により、上述の水性インクをノズルから吐出して記録媒体に付与するインク付与工程と、記録媒体に付与された水性インクを乾燥する乾燥工程とを有する記録方法が実現される。
インク付与手段としては、例えば、インクジェット方式によりインクを吐出する吐出手段、スプレー等のノズルから水性インクを吐出する塗布手段等が挙げられる。
インク付与手段としては、インクジェット方式によりインクを吐出する吐出手段が好適である。インクジェット方式を適用した記録装置及び記録方法は、前述の水性インクを用いることにより、吐出安定性に優れる。
記録媒体に付与された水性インクを乾燥する乾燥手段としては、例えば、赤外線を照射する赤外線照射手段;加熱ロール、加熱ドラム、加熱ベルト等の接触式加熱手段;発熱体及び送風機からなる温風送風手段;これらの組合せ;等が挙げられる。
記録媒体としては、例えば、紙;樹脂でコートされた紙;樹脂、金属、ガラス、セラミックス、シリコン、ゴム等を材料とするフィルム及び板;等が挙げられる。
記録装置は、前述の水性インクを収容し、記録装置に着脱されるようカートリッジ化されたインクカートリッジを備えていてもよい。
以下、本実施形態に係る記録装置及び記録方法の一例について図面を参照しつつ説明する。
図1は、本実施形態に係る記録装置の一例を示す概略構成図である。図1に示す記録装置12は、インクジェット方式の記録装置である。
図1に示す記録装置12は、筐体14の内部に、画像記録前の記録媒体Pを収容する容器16と、駆動ロール24及び従動ロール26に支持された無端状の搬送ベルト28と、インク付与手段の一例であるインク吐出ヘッド(インク吐出ヘッド30Y、30M、30C、30K。総称するときは、インク吐出ヘッド30という。)と、乾燥手段(乾燥手段50Y、50M、50C、50K。総称するときは、乾燥手段50という。)と、画像記録後の記録媒体Pを収容する容器40とを備える。
容器16と搬送ベルト28との間は、画像記録前の記録媒体Pが搬送される搬送経路22であり、搬送経路22には、記録媒体Pを容器16から1枚ずつ取り出すロール18と、記録媒体Pを搬送する複数のロール対20とが配置されている。搬送ベルト28の上流側には、帯電ロール32が配置されている。帯電ロール32は、従動ロール26との間で搬送ベルト28及び記録媒体Pを挟みつつ従動し、接地された従動ロール26との間に電位差を生じさせ、記録媒体Pに電荷を与えて搬送ベルト28に静電吸着させる。
インク吐出ヘッド30は、搬送ベルト28の平坦部分に対向して、搬送ベルト28の上方に配置されている。インク吐出ヘッド30と搬送ベルト28とが対向した領域が、インク吐出ヘッド30からインク滴が吐出される領域である。
インク吐出ヘッド30Y、30M、30C、30Kはそれぞれ、Y(イエロー)色の画像を記録するヘッド、M(マゼンタ)色の画像を記録するヘッド、C(シアン)色の画像を記録するヘッド、K(ブラック)色の画像を記録するヘッドである。インク吐出ヘッド30Y、30M、30C、30Kは、例えばこの順に、搬送ベルト28の上流側から下流側に並べられている。インク吐出ヘッド30Y、30M、30C、30Kはそれぞれ、記録装置12に着脱される各色のインクカートリッジ31Y、31M、31C、31Kと供給管(不図示)を通じて連結され、インクカートリッジから各色のインクがインク吐出ヘッドへ供給される。
インク吐出ヘッド30としては、例えば、有効な記録領域(インクを吐出するノズルの配置領域)が記録媒体Pの幅(記録媒体Pの搬送方向と直交する方向の長さ)以上とされた長尺状のヘッド;記録媒体Pの幅よりも短尺状のヘッドであって、記録媒体Pの幅方向に移動してインクを吐出するキャリッジ方式のヘッド;が挙げられる。
インク吐出ヘッド30が採用するインクジェット方式としては、ピエゾ素子の振動圧力を利用するピエゾ方式;静電誘引力を利用してインクを吐出する電荷制御方式;電気信号を音響ビームに変えインクに照射して放射圧を利用してインクを吐出する音響インクジェット方式;インクを加熱して気泡を形成し、生じた圧力を利用するサーマルインクジェット方式;などが挙げられる。
インク吐出ヘッド30は、例えば、インク滴量10pL以上15pL以下の範囲でインク滴を吐出する低解像度用の記録ヘッド(例えば600dpiの記録ヘッド)、インク滴量10pL未満の範囲でインク滴を吐出する高解像度用の記録ヘッド(例えば1200dpiの記録ヘッド)である。dpiは「dots per inch」を意味する。
記録装置12は、4つのインク吐出ヘッドを備える形態に限られない。記録装置12は、YMCKに中間色を加えた4つ以上のインク吐出ヘッドを備える形態;1つのインク吐出ヘッドを備え1色のみの画像を記録する形態;であってもよい。
インク吐出ヘッド30の下流側には、搬送ベルト28の上方に、各色のインク吐出ヘッドごとに乾燥手段50Y、50M、50C、50Kが配置されている。乾燥手段50は、記録媒体Pに付与されたインクの乾燥を行う。
記録装置12が、赤外線吸収剤を含有する水性インクを用いる場合は、乾燥手段50としては、赤外線照射手段が好ましい。記録装置12が、赤外線吸収剤を含有しない水性インクを用いる場合は、乾燥手段50としては、接触式加熱手段及び温風送風手段の少なくともいずれかが好ましい。
乾燥手段50の一例としては、記録媒体P上のインクに赤外線を照射する赤外線照射装置60(赤外線照射手段の一例)が挙げられる。記録装置12は、例えば、インク吐出ヘッド30Y、30M、30C、30Kの下流にそれぞれ、赤外線照射装置60Y、60M、60C、60Kを備える。赤外線照射装置60の光源としては、例えば、発光ダイオード、半導体レーザ、面発光型半導体レーザ、ハロゲンランプ、キセノンランプが挙げられる。
赤外線照射装置60としては、例えば、有効な赤外線照射領域(赤外線を照射する光源の配置領域)がインク吐出ヘッド30による記録領域の幅以上とされた長尺状の赤外線照射装置;インク吐出ヘッド30による記録領域の幅よりも短尺状の赤外線照射装置であって、記録媒体Pの幅方向に移動して赤外線を照射するキャリッジ方式の赤外線照射装置;が挙げられる。
赤外線照射装置60の照射条件は、インク中に含まれる赤外線吸収剤の赤外線吸収性能、インク中の水分量などに応じて設定する。照射条件としては、記録媒体P上に付与されたインク中の水分量を10質量%以下に乾燥させる照射条件が好ましい。具体的には、例えば、中心波長が700nm以上1200nm以下(好ましくは780nm以上980nm以下)、照射強度が0.1J/cm以上10J/cm以下(好ましくは1J/cm以上3J/cm以下)、照射時間が0.1ミリ秒以上10秒以下(好ましくは10ミリ秒以上100ミリ秒以下)である。
記録装置12は、各色のインク吐出ヘッドごとに赤外線照射装置を備える形態に限られず、最下流のインク吐出ヘッドの下流側に1つのみ赤外線照射装置を備える形態であってもよい。記録装置12は、赤外線照射装置60と共に、インクの乾燥手段として接触式加熱手段及び温風送風手段の少なくともいずれかを備えていてもよい。
記録装置12において、乾燥手段50が接触式加熱手段及び温風送風手段の少なくともいずれかである場合は、例えば、記録媒体の表面温度を50℃以上120℃以下の範囲に上昇させる条件で乾燥を行う。
乾燥手段50の下流側には、駆動ロール24と対向して剥離板34が配置されている。剥離板34は、記録媒体Pを搬送ベルト28から剥離させる。
搬送ベルト28と容器40との間は、画像記録後の記録媒体Pが搬送される搬送経路36であり、搬送経路36には、記録媒体Pを搬送する複数のロール対38が配置されている。
記録装置12の動作について説明する。
画像記録前の記録媒体Pは、容器16からロール18で1枚ずつ取り出され、複数のロール対20によって搬送ベルト28へ搬送される。
次いで、記録媒体Pは、帯電ロール32によって搬送ベルト28に静電吸着され、搬送ベルト28の回転によってインク吐出ヘッド30の下方へ搬送される。
次いで、記録媒体P上に、インク吐出ヘッド30からインクが吐出され、画像が記録される。
次いで、記録媒体P上のインクが乾燥手段50によって乾燥される。乾燥手段50が赤外線照射装置60である場合、赤外線照射装置60から赤外線が照射され、赤外線吸収剤を含有しているインクにおいては、インク中の赤外線吸収剤が発熱し、インク温度が上昇し、インクが乾燥する。
次いで、インクが乾燥し画像が固定化された記録媒体Pは、剥離板34によって搬送ベルト28から剥離され、複数のロール対38によって容器40に搬送される。
本実施形態に係る記録装置は、インク付与手段から記録媒体にインクを直接付与する形態に限られず、インク付与手段から中間転写体にインクを付与した後、中間転写体上のインクを記録媒体に転写する形態であってもよい。
本実施形態に係る記録装置は、図1に示す記録装置12を一例とする枚葉機に限られず、輪転機でもよい。
以下、実施例により発明の実施形態を詳細に説明するが、発明の実施形態は、これら実施例に限定されるものではない。以下の説明において、特に断りのない限り、「部」及び「%」はすべて質量基準である。
<樹脂粒子分散液>
[樹脂01の合成]
撹拌機、温度計、還流冷却管、及び窒素ガス導入管を備えた三口フラスコに、メチルエチルケトン25部を仕込んで、80℃まで昇温した。反応容器内温度を80℃に保ちながら、イソボルニルメタクリレート(和光純薬工業(株)製)45部、メチルメタクリレート(和光純薬工業(株)製)49部、アクリル酸−2−カルボキシエチル(ソルベイ日華(株)製:Sipomer β−CEA)6部、メチルエチルケトン70部、及び重合開始剤(和光純薬工業(株)製、V−601)2部からなる混合溶液を、2時間で滴下した。滴下完了後、重合開始剤(和光純薬工業(株)製、V−601)0.4部及びメチルエチルケトン10部からなる溶液を加え、80℃で2時間攪拌後、さらに重合開始剤(和光純薬工業(株)製、V−601)0.4部及びメチルエチルケトン10部からなる溶液を加え、80℃で2時間攪拌した後、85℃に昇温して、さらに2時間攪拌を続けた。こうして、メチルエチルケトンに樹脂01(前述の特定樹脂の具体例における化合物P01)が溶解した樹脂01溶液を得た。得られた樹脂01の重量平均分子量(Mw)は30000(GPCによりポリスチレン換算で算出)、酸価は21(mgKOH/g)、ガラス転移温度(Tg)は130(℃)、樹脂01溶液における樹脂成分の濃度は48質量%であった。
[樹脂02〜樹脂16の合成]
表1及び表2に従ってモノマーの種類及び量を変更した以外は、樹脂01の合成と同様にして、各樹脂がメチルエチルケトンに溶解した樹脂溶液を得た。得られた樹脂の重量平均分子量(Mw)、酸価、及びガラス転移温度(Tg)を表1及び表2に示す。なお、表1及び表2に記載のモノマーの量の単位は質量部であり、表1及び表2中の「−」は該当する成分を含まないことを意味する。
[樹脂粒子分散液AD−1の製造]
フラスコに樹脂01溶液16.7部を入れ、そこに、メチルエチルケトン6部及びイソプロピルアルコール2部を加えて撹拌し、混合した。次いで、水酸化ナトリウムの10質量%水溶液を、樹脂01に含まれる全カルボキシ基の0.8当量、撹拌しながら加えた。次いで、撹拌を続けながら水60部を徐々に添加し、混合した。混合液が均一に近い状態になった後、フラスコに蒸留管と減圧ポンプを付け、30℃以上35℃以下となるように混合液を加熱して撹拌しながら減圧し、有機溶剤と水の一部を留去した。有機溶剤を水に置換しながら濃縮する操作を、材料から換算した固形分濃度が17質量%を超えないように水の添加量を調節しながら、有機溶剤臭が無くなるまで繰り返した。濃縮液を230メッシュのナイロンメッシュで濾過し、樹脂粒子分散液を得た。この樹脂粒子分散液について、後述する「(1)収率」に記載の方法によって、固形分量を測定し、収率を求めた。測定した固形分量に基づいて、この樹脂粒子分散液に水を添加して固形分濃度を10質量%に調製し、樹脂粒子分散液AD−1とした。
[樹脂粒子分散液AD−2〜16の製造]
表1及び表2に従って、樹脂の種類と中和度(樹脂に含まれる全カルボキシ基に対する水酸化ナトリウムの添加量(当量))を変更した以外は、樹脂粒子分散液AD−1の製造と同様にして、固形分濃度が10質量%である樹脂粒子分散液AD−2〜16を得た。
[評価]
(1)収率
樹脂粒子分散液の一部を大気圧下120℃で2時間加熱して乾燥させ、固形分量(質量)を測定し、下記の式に従って収率を求め、下記のとおり分類した。結果を表1及び表2に示す。
・式:樹脂粒子分散液の固形分量÷(樹脂粒子分散液の製造に用いたポリマー溶液の固形分量+樹脂粒子分散液の製造過程で中和に用いた水酸化ナトリウムの質量)×100
G1:収率90%以上。
G2:収率70%以上90%未満。
G3:収率70%未満。
G4:凝集物が発生し、樹脂粒子分散液を得られず。
(2)粒径
動的光散乱式粒径分布測定装置LB−500(堀場製作所)を用いて、樹脂粒子分散液(固形分濃度10質量%)に分散している粒子の体積基準のメジアン径(nm)を測定した。結果を表1及び表2に示す。
(3)水溶性成分量
樹脂粒子分散液(固形分濃度10質量%)5mLを、遠心式限外濾過フィルターユニット(ミリポア社、Amicon Ultra−15、分画分子量Mw10万)のフィルター上にのせ、小型高速冷却遠心機(トミー精工製、SRX−201)を用いて10℃下、遠心加速度4000Gで40分間遠心し、濾液(樹脂粒子分散液の媒質)を回収した。回収した濾液を、大気圧下120℃で30分加熱し、次いで、減圧下(真空度0.1MPa以下)120℃で2時間放置した後、乾固物の質量を測定した。樹脂粒子分散液の固形分量に対する濾液の乾固物量の割合を算出し、下記のとおり分類した。結果を表1及び表2に示す。
G1:濾液の乾固物量(水溶性成分量)が5質量%未満。
G2:濾液の乾固物量(水溶性成分量)が5質量%以上10質量%未満。
G3:濾液の乾固物量(水溶性成分量)が10質量%以上。
表1及び表2中の略語の意味は下記のとおりである。
・IBOMA:イソボルニルメタクリレート
・DCPMA:ジシクロペンタニルメタクリレート
・DCPA:ジシクロペンテニルアクリレ−ト
・PhOEMA:フェノキシエチルメタクリレート
・St:スチレン
・MMA:メチルメタクリレート
・EMA:エチルメタクリレート
・BA:ブチルアクリレート
・cHMA:シクロヘキシルメタクリレート
・CEA:アクリル酸−2−カルボキシエチル(2−カルボキシエチルアクリレート、Sipomer β−CEA)
・MAA:メタクリル酸
<水性インク>
[シアン顔料分散液の調製]
反応容器に、スチレン6部、ステアリルメタクリレート11部、スチレンマクロマーAS−6(東亜合成製)4部、ブレンマーPP−500(日油製)5部、メタクリル酸5部、2−メルカプトエタノール0.05部、及びメチルエチルケトン24部からなる混合溶液(混合溶液1)を調液した。
一方、スチレン14部、ステアリルメタクリレート24部、スチレンマクロマーAS−6(東亜合成製)9部、ブレンマーPP−500(日油製)9部、メタクリル酸10部、2−メルカプトエタノール0.13部、メチルエチルケトン56部、及び2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)1.2部からなる混合溶液(混合溶液2)を調液し、滴下ロートに入れた。
次いで、窒素雰囲気下、反応容器内の混合溶液(混合溶液1)を攪拌しながら75℃まで昇温し、これに滴下ロート中の混合溶液(混合溶液2)を1時間かけて徐々に滴下した。滴下終了から2時間経過後、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)1.2部をメチルエチルケトン12部に溶解した溶液を、3時間かけて滴下し、更に75℃で2時間反応させた後、80℃で2時間熟成させ、ポリマー溶液を得た。
得られたポリマー溶液の一部について、溶媒を除去することによって単離し、得られた固形分をテトラヒドロフランにて0.1質量%に希釈し、GPCにて重量平均分子量を測定した。その結果、単離された固形分は、ポリスチレン換算の重量平均分子量が25,000であった。
また、得られたポリマー溶液を固形分換算で5部、シアン顔料(ピグメントブルー15:3、大日精化工業製)10部、メチルエチルケトン40部、1mol/L水酸化ナトリウム水溶液8部、イオン交換水82部を、0.1mmジルコニアビーズ300gと共にベッセルに供給し、レディーミル分散機(アイメックス製)で1000rpm6時間分散した。
得られた分散液をエバポレーターで減圧濃縮し、メチルエチルケトンを除去して顔料濃度が10質量%になるまで濃縮した。こうして、ポリマー分散剤で表面が被覆されたシアン顔料が分散したシアン顔料分散液CD1を得た。得られたシアン顔料分散液CD1の体積平均粒径は77nmであった。
[シアンインクC−1の製造]
下記の材料を混合した後、5μmフィルターで粗大粒子を除去し、水性インクとしてシアンインクC−1を調製した。
・シアン顔料分散液CD1 ・・・ 6質量%(固形分換算)
・樹脂分散液AD−1 ・・・ 2質量%(固形分換算)
・プロピレングリコール(和光純薬製) ・・・ 25質量%
・プロピレングリコールモノブチルエーテル ・・・ 3質量%
・オルフィンE1010(日信化学工業)・・・ 0.7質量%
・オルフィンE1004(日信化学工業)・・・ 0.3質量%
・イオン交換水 ・・・ 合計が100質量%となる残量
[シアンインクC−2〜C−16の製造]
樹脂粒子分散液AD−1を樹脂粒子分散液AD−2〜16のいずれか1つに変更した以外は、シアンインクC−1の製造と同様にして、それぞれシアンインクC−2〜C−18を得た。
[評価]
(4)濃縮再分散性
樹脂粒子分散液をガラス製のシャーレに入れ、40℃で加熱濃縮した。樹脂粒子の濃度が40質量%になるまで濃縮した後、イオン交換水を添加して樹脂粒子の濃度を10質量%まで希釈した濃縮再分散液の様子を目視で観察し、以下の評価基準に基づき評価した。結果を表1及び表2に示す。
−評価基準−
G1:濃縮再分散液が液状となり、濃縮再分散液内にも、シャーレ上にも固形物がない。
G2:濃縮再分散液が液状となるが、濃縮再分散液内及びシャーレ上の少なくとも一方に固形物が見られる。
G3:濃縮再分散液が液状となるが、濃縮再分散液内及びシャーレ上の両方に固形物が見られる。
G4:濃縮再分散液は一部液状となるものの、大部分が固形物として残存する。
表1〜表4の結果から、実施例では、比較例に比べ、濃縮再分散性が良好であることがわかる。また、実施例の中でも、樹脂の酸価が10mgKOH/g以上100mgKOH/g以下である実施例は、樹脂の酸価が上記範囲から外れた実施例A−2及び実施例A−6に比べて収率が良好であった。
なお、濃縮再分散性が良好である実施例では、比較例に比べ、吐出安定性が良好であり、ノズル詰まりが抑制されることが推測される。
12 記録装置
14 筐体
16 容器
18 ロール
20 ロール対
22 搬送経路
24 駆動ロール
26 従動ロール
28 搬送ベルト
30Y,30M,30C,30K インク吐出ヘッド(インク付与手段の一例)
31Y,31M,31C,31K インクカートリッジ
32 帯電ロール
34 剥離板
36 搬送経路
38 ロール対
40 容器
50Y,50M,50C,50K 乾燥手段
60Y,60M,60C,60K 赤外線照射装置(乾燥手段の一例)
P 記録媒体

Claims (8)

  1. 水を含む水系分散媒と、
    脂環式(メタ)アクリレートと2−カルボキシエチル(メタ)アクリレートとを構成単位として含む樹脂を含有する粒子と、
    を有する樹脂粒子分散液。
  2. 前記脂環式(メタ)アクリレートは、2以上の脂環構造を有する請求項1に記載の樹脂粒子分散液。
  3. 前記樹脂の酸価は、10mgKOH/g以上100mgKOH/g以下である請求項1又は請求項2に記載の樹脂粒子分散液。
  4. 前記樹脂の構成単位全体に対する2−カルボキシエチル(メタ)アクリレートの含有量は、3質量%以上30質量%以下である請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の樹脂粒子分散液。
  5. 請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の樹脂粒子分散液を含む水性インク。
  6. 請求項5に記載の水性インクを収容したインクカートリッジ。
  7. 請求項5に記載の水性インクを収容し、前記水性インクをノズルから吐出して記録媒体に付与するインク付与手段と、
    前記記録媒体に付与された前記水性インクを乾燥する乾燥手段と、
    を備える記録装置。
  8. 請求項5に記載の水性インクをノズルから吐出して記録媒体に付与するインク付与工程と、
    前記記録媒体に付与された前記水性インクを乾燥する乾燥工程と、
    を有する記録方法。
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