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JP2018150414A - 化学修飾リグノセルロースの熱圧成形体、及びその製造方法 - Google Patents

化学修飾リグノセルロースの熱圧成形体、及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【解決課題】 本発明は、化学修飾リグノセルロースの熱圧成形体を提供することを目的とする。【解決手段】 化学修飾リグノセルロースの熱圧成形体であって、前記化学修飾リグノセルロースが、(a)及び(b)の特性を有する、熱圧成形体:特性(a)(a-1)リグノセルロース中に存在する水酸基の一部が、カルボキシ基含有アシル基でハーフエステル化されていること、又は、(a-2)リグノセルロース中に存在する水酸基の一部が、カルボキシアルキル基でエーテル化されていること、特性(b)(b-1)前記ハーフエステル化されたリグノセルロース中の水酸基の水素原子の置換度が0.01〜0.4であること、又は、(b-2)前記エーテル化されたリグノセルロース中の水酸基の水素原子の置換度が0.01〜0.4であること。【選択図】なし

Description

本発明は、化学修飾リグノセルロースの熱圧成形体、及びその製造方法に関する。
本発明の化学修飾リグノセルロースの熱圧成形体は、化学修飾リグノセルロース繊維を熱圧加工(熱圧成形)することで製造することができる。
リグノセルロースは、樹木細胞壁を構成する複合炭化水素高分子(天然高分子混合物)である。リグノセルロースは、主に多糖類のセルロース、ヘミセルロース及び芳香族高分子であるリグニンから構成されていることが知られている。
参照例1
Review Article Conversion of Lignocellulosic Biomass to Nanocellulose:
Structure and Chemical Process H. V. Lee, S. B. A. Hamid, and S. K. Zain,
Scientific World Journal Volume 2014,、Article ID 631013, 20 pages,
http://dx.doi.org/10.1155/2014/631013
参照例2
New lignocellulose pretreatments using cellulose solvents:
A review, Noppadon Sathitsuksanoh, Anthe George and Y-H Percival Zhang,
J Chem Technol Biotechnol 2013; 88: 169-180
天然のリグノセルロースは、基本骨格であるセルロースミクロフィブリル束(セルロースナノファイバー:CNF)の間隙にリグニン、ヘミセルロースが充填された構造である。この構造は、CNFをフィラーとし、リグニン・ヘミセルロースをマトリックスとするナノコンポジットであると言える。
これまでこのような木材のナノ構造を利用し、セルロースの結晶性を維持しながら、マトリックスの熱可塑性を利用したナノコンポジットの創製研究が行われてきた。
本発明者等の非特許文献1には、リグニン含量が28質量%のケミサーモメカニカルパルプ(Chemi- Thermo- Mechanical Pulp:CTMP)のスラリーを、グラインダーで処理して、繊維径が20nm〜1μmのミクロフィブリル化リグノセルロース繊維を調製し、次いで、これをろ過、乾燥、熱圧加工して、熱圧成形体を得たことが、記載されている。
本発明者等の非特許文献2には、樹木細胞壁の構造を利用した熱可塑性ナノコンポジットの創製を目指して、漂白ケミサーモメカニカルパルプ(Bleached Chemi- Thermo- Mechanical Pulp:BCTMP)を、グラインダーにより、リグノセルロースナノファイバー(リグノCNF)を得て、次いで、このリグノCNFの表面への選択的化学修飾(n-オクタノイル化)したところ、熱可塑性が大きく向上したことが、記載されている。
本発明者等の特許文献1には、リグノセルロース中のリグニンを構成するフェニルプロパン単位のα位が部分的に化学修飾された化学修飾リグノセルロース(α位化学修飾リグノセルロース)、α位化学修飾リグノセルロースを構成するセルロース、ヘミセルロースの水酸基が更に部分的に化学修飾したリグノセルロース(リグノセルロース二重修飾体)が開示され、これら化学修飾リグノセルロースの熱圧成形体も開示されている。
非特許文献1に開示された熱圧成形体では、パルプのフィブリル化工程、乾燥ミクロフィブリル化リグノセルロース繊維の製造工程、及び熱圧成形条件等、その製造方法に改良の余地がある。
また、非特許文献2に開示された熱圧成形体は、本発明者らの試験結果により強度の点において改良の余地があることが判った。
また、特許文献1に開示の熱圧成形体では、リグノパルプ又はフィブリル化リグノパルプの化学修飾基、化学修飾方法及び熱圧成形体の強度特性に改良の余地がある。
一方、セルロースやパルプの化学修飾については、ミクロフィブリル化セルロースと樹脂を含有する繊維強化樹脂複合体の製造において、セルロースの解繊性やセルロースと樹脂との親和性・混和性を向上させるために、種々の化学修飾されたセルロース、リグノセルロース繊維とそれらを製造する技術が研究されて公開されている。
本発明者等の特許文献2には、植物繊維をオクタノイルクロライド等のアルカノイルクロライドでエステル化、又は、アルキル、若しくはアルケニルコハク酸無水物でハーフエステル化した後にミクロフィブリル化して、化学修飾ミクロフィブリル化植物繊維を製造する方法、並びにこの方法で製造された化学修飾ミクロフィブリル化植物繊維が開示されている。
本発明者等の特許文献3には、アルキル、若しくはアルケニルコハク酸無水物によって化学修飾されたミクロフィブリル化植物繊維を含む樹脂組成物が開示されている。
本発明者等の特許文献4には、植物繊維を膨潤可能な液体中でアルキル若しくはアルケニルコハク酸無水物で修飾し、当該化学修飾繊維からミクロフィブリル化植物繊維を含有する樹脂組成物を製造する方法が開示されている。
特許文献5には、セルロースの水酸基の一部を多塩基酸無水物でハーフエステル化し、カルボキシ基を導入し、このハーフエステル化セルロースを微細繊維化することにより、カルボキシ基が導入されたCNFを製造する方法が開示されている。
本発明者等の特許文献6には、CNFの水酸基の一部がカルボキシ基を有する置換基で修飾されたCNFと樹脂とを含む樹脂組成物、及び、その製造方法が開示されている。
特許文献7には、アシル基置換度が0.01〜0.5の、表面アシル化セルロース繊維或いは表面アシル化リグノセルロース、及びこれを含有するプラスチック用配合材料が開示されている。
特許文献8には、カルボキシメチル基で修飾された微細なセルロース繊維が開示されている。
しかしながら、これら特許文献2〜8に記載の化学修飾植物繊維、化学修飾セルロース、化学修飾リグノセルロース及びこれらのフィブリル化繊維(ナノ化繊維)が、加熱下に圧縮すると可塑性を示すことや、これらの熱圧加工によって熱圧成形体が得られることは、特許文献2〜8には開示されていない。
High-strength nanocomposite based on fibrillated chemi -thermomechanical pulp, Kentaro Abe, Fumiaki Nakatsubo, Hiroyuki Yano, Composites Science and Technology 69 (2009) 2434-2437 樹木細胞壁ナノ構造を利用した熱可塑性ナノコンポジット の創製、渡邉勇太, 安藤大将, 阿部賢太郎, 中坪文明, 矢野浩之、 日本木材学会大会研究発表要旨集 Vol.64th Page.NO.Z14-01-1100,(2014.03.03)
特開2016-169382号公報 特開2011-213754号公報(特許第5540176号) 特開2012-214563号公報(特許第5757765号) 再公表特許WO2013/133093(特許第5496435号) 特開2009-293167号公報 特開2012-229350号公報(特許第5757779号) 特開平9-221501号公報 特開平10-251301号公報
本発明者等は、製造が容易で、且つ、強度特性等の物性に優れる、化学修飾されたリグノセルロース(化学修飾リグノセルロースとも記す)の熱圧成形体を製造すべく、種々検討を行った。
本発明の目的は、容易な方法で得られ、且つ、物性の優れる化学修飾リグノセルロースの熱圧成形体とその製造方法を提供することにある。
上記の課題を解決するために、本発明者等は化学修飾すべきリグノセルロース繊維の繊維径、化学修飾基の種類、及び化学修飾リグノセルロース繊維の熱圧加工方法について種々研究を重ねた。
その結果、特定の化学修飾基で修飾されたリグノセルロース繊維が、少ない修飾程度であっても熱可塑性を示すことを見出した。そして、このリグノセルロース繊維を熱圧加工することにより、軽量で高い強度特性と低い線熱膨張係数を有する熱圧成形体が容易に得られることを見出し、本発明を完成させた。
熱圧成形とは、加熱と加圧工程を経ることで望む形状に成形することを言う。
本発明に係る熱圧成形体は、化学修飾リグノセルロースを加熱下、加圧条件下に保持することで得ることができる。熱圧加工条件は、通常100℃以上、1kPa以上である。温度が低過ぎる場合、又は圧力が低過ぎる場合、マトリックス成分が充分に可塑化せず望む形状が得られないとの不都合が生じることがある。
本発明に係る熱圧成形体の密度は、通常、1.1〜1.5 g/cm3程度である。従来、公知の製紙工程における加熱工程は、高々120℃程度であり、加圧工程での圧力は不明ながら、得られる紙の密度が高々1.0 g/cm3程度である。そのため、公知の製紙工程では構成成分(植物繊維)の可塑化による密着は起きていないことが窺える。
本発明は、熱圧成形体及びその製造方法に関する。
詳細には、後述する(a)及び(b)の特性を有する化学修飾リグノセルロースの熱圧成形体、及びその製造方法に関する。
用語の定義
本明細書において、以下の用語は、夫々次の意味を有する。
・リグノセルロース(又はLC):リグニン含有量の多少にかかわらず植物中に存在するリグニンとセルロースが結合した物質、又は/及び、リグニンとセルロースとの混合物を意味する。
・パルプ:木材、竹、稲わら等の植物中に含まれる植物繊維を分離したものであって、セルロース又は/及びリグノセルロースを含むものを意味する。
・リグノパルプ(又はLP):リグノセルロースを含むパルプを意味する。
項1.
化学修飾リグノセルロースの熱圧成形体であって、
前記化学修飾リグノセルロースが、(a)及び(b)の特性を有する、熱圧成形体:
特性(a)
(a-1)リグノセルロース中に存在する水酸基の一部が、下式(1):
Figure 2018150414
(式中、R1及びR2は、夫々水素原子、メチル基、エチル基又は分岐鎖を有してもよい炭素数3〜20のアルケニル基若しくはアルキル基を示す。但し、R1及びR2のいずれか一方の炭素数が4〜20のときは、R1及びR2のいずれか一方は水素原子である。)
で表される、カルボキシ基含有アシル基でハーフエステル化されていること、
又は、
(a-2)リグノセルロース中に存在する水酸基の一部が、下式(2):
-(CH2n-COOH ・・・・(2)
(式中、nは1〜3の整数を示す。)
で表されるカルボキシアルキル基でエーテル化されていること、
特性(b)
(b-1)前記ハーフエステル化されたリグノセルロース中の水酸基の水素原子の置換度が0.01〜0.4であること、
又は、
(b-2)前記エーテル化されたリグノセルロース中の水酸基の水素原子の置換度が0.01〜0.4であること。
項2.
前記項1に記載の熱圧成形体であって、
前記化学修飾リグノセルロースが、(a)及び(b)の特性を有する、熱圧成形体:
特性(a)
(a-1)前記リグノセルロース中に存在する水酸基の一部が、下式(1):
Figure 2018150414
(式中、R1及びR2は、夫々水素原子、メチル基、エチル基又は分岐鎖を有してもよい炭素数3〜20のアルケニル基若しくはアルキル基を示す。但し、R1及びR2のいずれか一方の炭素数が4〜20のときは、R1及びR2のいずれか一方は水素原子である。)
で表される、カルボキシ基含有アシル基でハーフエステル化されていること、
特性(b)
(b-1)前記ハーフエステル化されたリグノセルロース中の水酸基の水素原子の置換度が0.1〜0.4であること。
項3.
前記項1に記載の熱圧成形体であって、
前記化学修飾リグノセルロースが、(a)及び(b)の特性を有する、熱圧成形体:
特性(a)
(a-2)リグノセルロース中に存在する水酸基の一部が、下式(2):
-(CH2n-COOH ・・・・(2)
(式中、nは1の整数を示す。)
で表されるカルボキシアルキル基でエーテル化されていること、
特性(b)
(b-2)前記エーテル化されたリグノセルロース中の水酸基の水素原子の置換度が0.01〜0.3であること。
項4.
前記項1〜3のいずれかに記載の熱圧成形体であって、
前記化学修飾リグノセルロースのリグニン成分含有量が、2〜40質量%である、
熱圧成形体。
項5.
前記項1〜4のいずれかに記載の熱圧成形体であって、更に熱可塑性樹脂を含有する、熱圧成形体。
項6.
化学修飾リグノセルロースの熱圧成形体の製造方法であって、
化学修飾リグノセルロース繊維からなる繊維集合体を加熱下に圧縮する工程を含み、
前記化学修飾リグノセルロース繊維が、(a)及び(b)の特性を有する、熱圧成形体の製造方法:
特性(a)
(a-1)リグノセルロース中に存在する水酸基の一部が、下式(1):
Figure 2018150414
(式中、R1及びR2は、夫々水素原子、メチル基、エチル基又は分岐鎖を有してもよい炭素数3〜20のアルケニル基若しくはアルキル基を示す。但し、R1及びR2のいずれか一方の炭素数が4〜20のときは、R1及びR2のいずれか一方は水素原子である。)
で表される、カルボキシ基含有アシル基でハーフエステル化されていること、
又は、
(a-2)リグノセルロース中に存在する水酸基の一部が、下式(2):
-(CH2n-COOH ・・・・(2)
(式中、nは1〜3の整数を示す。)
で表されるカルボキシアルキル基でエーテル化されていること、
特性(b)
(b-1)前記ハーフエステル化されたリグノセルロース中の水酸基の水素原子の置換度が0.01〜0.4であること、
又は、
(b-2)前記エーテル化されたリグノセルロース中の水酸基の水素原子の置換度が0.01〜0.4であること。
項7.
前記項6に記載の熱圧成形体の製造方法であって、
前記化学修飾リグノセルロース繊維が、(a)及び(b)の特性を有する、熱圧成形体の製造方法:
特性(a)
(a-1)前記リグノセルロース中に存在する水酸基の一部が、下式(1):
Figure 2018150414
(式中、R1及びR2は、夫々水素原子、メチル基、エチル基又は分岐鎖を有してもよい炭素数3〜20のアルケニル基若しくはアルキル基を示す。但し、R1及びR2のいずれか一方の炭素数が4〜20のときは、R1及びR2のいずれか一方は水素原子である。)
で表される、カルボキシ基含有アシル基でハーフエステル化されていること、
特性(b)
(b-1)前記ハーフエステル化されたリグノセルロース中の水酸基の水素原子の置換度が0.1〜0.4であること。
項8.
前記項6に記載の熱圧成形体の製造方法であって、
前記化学修飾リグノセルロース繊維が、(a)及び(b)の特性を有する、熱圧成形体の製造方法:
特性(a)
(a-2)リグノセルロース中に存在する水酸基の一部が、下式(2):
-(CH2n-COOH ・・・・(2)
(式中、nは1の整数を示す。)
で表されるカルボキシアルキル基でエーテル化されていること、
特性(b)
(b-2)前記エーテル化されたリグノセルロース中の水酸基の水素原子の置換度が0.01〜0.3であること。
項9.
前記項6〜8のいずれかに記載の熱圧成形体の製造方法であって、
前記化学修飾リグノセルロース繊維の平均繊維径が、20nm〜50μmである、
熱圧成形体の製造方法。
項10.
前記項6〜9のいずれかに記載の熱圧成形体の製造方法であって、
前記化学修飾リグノセルロース繊維のリグニン成分含有量が、2〜40質量%である、
熱圧成形体の製造方法。
項11.
前記項6〜10のいずれかに記載の熱圧成形体の製造方法であって、
前記化学修飾リグノセルロース繊維からなる繊維集合体を、加熱する温度が160〜240℃であり、圧縮する圧力が30〜100 MPaである、熱圧成形体の製造方法。
項12.
前記請求項6〜11のいずれかに記載の熱圧成形体の製造方法であって、
化学修飾リグノセルロース繊維からなる繊維集合体として、更に熱可塑性樹脂を含む繊維集合体を使用する、熱圧成形体の製造方法。
項13.
化学修飾リグノセルロースの熱圧成形体の製造方法であって、
下記第1工程及び第2工程を含む、熱圧成形体の製造方法:
(1)第1工程
(a-1)リグノセルロース繊維に、下式(3):
Figure 2018150414
(式中、R1及びR2は、夫々水素原子、メチル基、エチル基又は分岐鎖を有してもよい炭素数3〜20のアルケニル基若しくはアルキル基を示す。但し、R1及びR2のいずれか一方の炭素数が4〜20のときは、R1及びR2のいずれか一方は水素原子である。)
で表されるコハク酸無水物又はその誘導体を反応させて、前記リグノセルロース中に存在する水酸基の一部を、下式(1):
Figure 2018150414
(式中、R1及びR2は、夫々水素原子、メチル基、エチル基又は分岐鎖を有してもよい炭素数3〜20のアルケニル基若しくはアルキル基を示す。但し、R1及びR2のいずれか一方の炭素数が4〜20のときは、R1及びR2のいずれか一方は水素原子である。)
で表される、カルボキシ基含有アシル基でハーフエステル化することにより、
前記ハーフエステル化するリグノセルロース中の水酸基の水素原子の置換度を0.01〜0.4とすることで、化学修飾リグノセルロース繊維を製造する工程、
又は、
(a-2)リグノセルロース繊維に、下式(4):
X-(CH2n-COOH ・・・・(4)
(式中nは、1〜3の整数を示す。Xは、Cl、Br及びIからなる群から選ばれるハロゲン原子を示す。)
で表されるハロゲノアルキルカルボン酸を反応させて、前記リグノセルロース中に存在する水酸基の一部を、下式(2):
-(CH2n-COOH ・・・・(2)
(式中、nは1〜3の整数を示す。)
で表されるカルボキシアルキル基でエーテル化することにより、
前記エーテル化するリグノセルロース中の水酸基の水素原子の置換度を0.01〜0.4とすることで、化学修飾リグノセルロース繊維を製造する工程、
(2)第2工程
前記第1工程で得られた化学修飾リグノセルロース繊維からなる繊維集合体を、加熱下に圧縮する工程。
項14.
前記項13に記載の熱圧成形体の製造方法であって、
前記化学修飾リグノセルロース繊維からなる繊維集合体を、加熱する温度が160〜240℃であり、圧縮する圧力が30〜100 MPaである、熱圧成形体の製造方法。
本発明の熱圧成形体は、その構造が、(i)原料の化学修飾リグノセルロース繊維に含まれているリグニン、化学修飾されたリグニン、ヘミセルロース、及び化学修飾されたヘミセルロースをマトリックスとし、(ii)セルロースナノファイバー(CNF)及び化学修飾されたセルロースをフィラーとする、ナノコンポジットともいえる。
従って、本発明の熱圧成形体は、植物繊維と同様に、軽量であり、高い強度を有し、低い線熱膨張係数を有する。
本発明の熱圧成形体は、繊維強化プラスチックの利用分野に加えて、軽量で機械強度(例えば、高い引張り強度と弾性率)が必要な、輸送機(例えば、自動車、船舶、航空機)の内装及び外装材、並びに電化製品等の筺体として、好ましく使用することができる。
本発明の熱圧成形体は、金属類に比べて軽量であるので、例えば、輸送機に使用した場合、その燃費の節減に有効である。本発明の熱圧成形体は、その結果、排ガスは低減されて、環境の保全にも有用である。
本発明の熱圧成形体は、化学修飾リグノセルロース繊維集合体を、加熱下に圧縮するという簡単な操作で容易に製造することができる。本発明の熱圧成形体は、それ故に、従来の材料(炭素繊維強化樹脂、ガラス繊維強化樹脂、又は金属成形体)に比べて、省エネルギーで製造することができるという利点も有する。
(1)化学修飾リグノセルロースの熱圧成形体
熱圧成形体(発明1)
化学修飾リグノセルロースの熱圧成形体では、前記化学修飾リグノセルロースが下記(a)及び(b)の特性を有する:
特性(a)
(a-1)リグノセルロース中に存在する水酸基の一部が、下式(1):
Figure 2018150414
(式中、R1及びR2は、夫々水素原子、メチル基、エチル基又は分岐鎖を有してもよい炭素数3〜20のアルケニル基若しくはアルキル基を示す。但し、R1及びR2のいずれか一方の炭素数が4〜20のときは、R1及びR2のいずれか一方は水素原子である。)
で表される、カルボキシ基含有アシル基でハーフエステル化されていること、
又は、
(a-2)リグノセルロース中に存在する水酸基の一部が、下式(2):
-(CH2n-COOH ・・・・(2)
(式中、nは1〜3の整数を示す。)
で表されるカルボキシアルキル基でエーテル化されていること、
特性(b)
(b-1)前記ハーフエステル化されたリグノセルロース中の水酸基の水素原子の置換度が0.01〜0.4であること、
又は、
(b-2)前記エーテル化されたリグノセルロース中の水酸基の水素原子の置換度が0.01〜0.4であること。
本発明の熱圧成形体は、言い換えると、下記態様(1)又は(2)を含む。
態様(1)
化学修飾リグノセルロースの熱圧成形体では、前記化学修飾リグノセルロースが下記(a)及び(b)の特性を有する:
特性(a)
(a-1)リグノセルロース中に存在する水酸基の一部が、下式(1):
Figure 2018150414
(式中、R1及びR2は、夫々水素原子、メチル基、エチル基又は分岐鎖を有してもよい炭素数3〜20のアルケニル基若しくはアルキル基を示す。但し、R1及びR2のいずれか一方の炭素数が4〜20のときは、R1及びR2のいずれか一方は水素原子である。)
で表される、カルボキシ基含有アシル基でハーフエステル化されていること、
特性(b)
(b-1)前記ハーフエステル化されたリグノセルロース中の水酸基の水素原子の置換度が0.01〜0.4であること。
前記置換度は、0.1〜0.4であることが好ましい。
態様(2)
化学修飾リグノセルロースの熱圧成形体では、前記化学修飾リグノセルロースが下記(a)及び(b)の特性を有する:
特性(a)
(a-2)リグノセルロース中に存在する水酸基の一部が、下式(2):
-(CH2n-COOH ・・・・(2)
(式中、nは1〜3の整数を示す。)
で表されるカルボキシアルキル基でエーテル化されていること、
特性(b)
(b-2)前記エーテル化されたリグノセルロース中の水酸基の水素原子の置換度が0.01〜0.4であること。
前記置換度は、0.01〜0.3であることが好ましい。
化学修飾リグノセルロース繊維の原料(発明9)
熱圧成形体の製造に使用される、化学修飾リグノセルロース繊維の製造方法について説明する。
化学修飾リグノセルロース繊維の原料として、リグノパルプを使用することができる。
リグノパルプとしては、シトカスプルース、松、スギ、ヒノキ、ユーカリ、アカシア等の針葉樹又は広葉由来の木材、竹、麻、ジュート、ケナフ、バガス、藁、ビート絞りかす等に含まれる植物性原料由来の原料を機械パルプ化法、化学パルプ化法又は機械パルプ化法と化学パルプ化法との組み合わせにより処理して得られるリグノパルプを使用することができる。このようなパルプとしては、リグニンを含有する、各種クラフトパルプ(針葉樹未漂白クラフトパルプ(NUKP)、針葉樹酸素晒し未漂白クラフトパルプ(NOKP)、針葉樹漂白クラフトパルプ(NBKP)が好ましい。また、砕木パルプ(GP)、リファイナーGP(RGP)、サーモメカニカルパルプ(TMP)、ケミサーモメカニカルパルプ(CTMP)等の機械パルプ(MP)はリグニンを含有するので好ましい。
植物性原料由来のリグノパルプはリグノセルロースを含んでおり、主にセルロース、ヘミセルロース、リグニンから構成される。
本発明では、リグニンが完全には除去されずにリグニンを少量でも含有するパルプを、リグノパルプとして使用できる。従って、上記の各種パルプ化法で処理して得られるパルプも検出し得るリグニンを含むパルプは、本明細書ではリグノパルプと称する。脱墨古紙、段ボール古紙、雑誌、コピー用紙等の古紙由来のパルプもリグノパルプを含んだものはリグノパルプとして本発明に用いることもできる。
含有されるリグニン量は、クラーソン法で定量することができる。本発明では、リグニンを2〜40質量%程度含むリグノパルプを使用することが好ましい。含有されるリグニン量が、更に好ましくは2〜35質量%程度、特に好ましく2〜30質量%程度のリグノパルプを使用することが好ましい。
リグノパルプは、それに含まれるリグニン、ヘミセルロースが本発明の熱圧成形体のマトリックスとして機能することに加え、その原料からの収率が大きいこと、工程数が少ないこと及びその製造に要する化学薬剤が少ないことから、本発明に有利に使用することができる。
本発明の熱圧成形体は、化学修飾リグノセルロース繊維を熱圧加工処理して製造されるが、この化学修飾リグノセルロース繊維は、リグノパルプを解繊して得たリグノセルロース繊維を化学修飾することによって製造することができる。
化学修飾リグノセルロース繊維の平均繊維径は、20nm〜50μm程度であることが好ましい。
繊維径が小さ過ぎる場合、繊維の溶媒の保持性が高くなり過ぎ、溶媒の除去が困難になるといった不都合が生じる可能性がある。また繊維径が大き過ぎる場合、熱圧成形時に繊維同士の密着が不十分となり、優れた強度が発現しない可能性がある。これの理由から、化学修飾リグノセルロース繊維の平均繊維径は、更に好ましくは、500nm〜30μm程度である。
リグノセルロース繊維のハーフエステル(態様(1))
前記態様(1)で記した通り、化学修飾リグノセルロースの熱圧成形体では、その原料の前記化学修飾リグノセルロース繊維は、リグノセルロース中に存在する水酸基の一部が、前記式(1)で表される、カルボキシ基含有アシル基でハーフエステル化されている。
これを「本件ハーフエステル化リグノセルロース繊維」とも記す。
本件ハーフエステル化リグノセルロース繊維は、リグノセルロース繊維に、下式(3):
Figure 2018150414
(式中、R1及びR2は、夫々水素原子、メチル基、エチル基又は分岐鎖を有してもよい炭素数3〜20のアルケニル基若しくはアルキル基を示す。但し、R1及びR2のいずれか一方の炭素数が4〜20のときは、R1及びR2のいずれか一方は水素原子である。)
で表されるコハク酸無水物又はその誘導体〔以下、これら酸無水物を「式(3)の酸無水物」ということもある。〕を反応させて、前記リグノセルロース中に存在する水酸基の一部を、前記式(1)で表される、カルボキシ基含有アシル基でハーフエステル化することにより、前記ハーフエステル化するリグノセルロース中の水酸基の水素原子の置換度を0.01〜0.4とすることで、製造することができる。
式(3)の酸無水物によるリグノセルロース繊維の化学修飾は、有機溶媒に分散させたリグノセルロース繊維に式(3)の酸無水物を塩基の存在下に加熱して反応させ、リグノセルロース中に存在する水酸基の一部をハーフエステル化する。
ここで、ハーフエステルとは、式(3)の酸無水物に存在する2つのカルボニル基のうちの1つがリグノセルロース中の水酸基とエステル結合を形成し、もう1つのカルボニル基はヒドロキシカルボニル基となった状態のエステルをいう。
式(3)の酸無水物に属するアルケニルコハク酸無水物には、炭素数4〜20のオレフィン由来の骨格と無水マレイン酸骨格を持つ化合物が例示される。
これら化合物として、ペンテニルコハク酸無水物、ヘキセニルコハク酸無水物、オクテニルコハク酸無水物、デセニルコハク酸無水物、ウンデセニルコハク酸無水物、ドデセニルコハク酸無水物、トリデセニルコハク酸無水物、ヘキサデセニルコハク酸無水物、オクタデセニルコハク酸無水物等のアルケニルコハク酸無水物等を好ましく使用することができる。
アルケニルコハク酸無水物は、各化合物を単独で使用しても良く、2種類以上を併用して用いることもできる。
本願明細書では特定の炭素数のオレフィン鎖を有するアルケニルコハク酸無水物を、アルケニルコハク酸無水物の略称(ASA)とそのオレフィン鎖の炭素数とを組み合わせて表記することがある。
例えば、炭素数16のオレフィン鎖を有するアルケニルコハク酸無水物(ヘキサデセニルコハク酸無水物)を「ASA-C16」と表記することがある。また、本発明に使用するASAとして商品名又は商品コード番号で記載することもある。例えば、AS1533(星光PMC株式会社製)、TNS135(星光PMC株式会社製)、リカシッドDDSA(テトラプロペニル無水コハク酸、新日本理化学株式会社製)等を好ましく用いることができる。
アルキルコハク酸無水物としては、前記式(2)で表されるアルケニルコハク酸無水物のアルケニル基の不飽和結合が水素添加により還元されたもの(即ち、アルケニル基がアルキル基に変換されたコハク酸無水物)を使用することができる。
これら化合物として、オクチルコハク酸無水物、ドデシルコハク酸無水物、ヘキサデシルコハク酸無水物、オクタデシルコハク酸無水物等のアルキルコハク酸無水物を好ましく使用することができる。
アルキルコハク酸無水物は、各化合物を単独で使用しても良く、2種類以上を併用することもできる。また、アルキルコハク酸無水物とアルケニルコハク酸無水物とを併用することもできる。
リグノセルロース繊維の化学修飾に要する本件無水物の量は、リグノセルロース繊維(絶乾量)中に含まれる水酸基のモル数に対して0.004〜0.18倍モル程度が好ましく、より好ましくは0.04〜0.18倍モル程度が好ましい。
リグノセルロース繊維と式(3)の酸無水物の反応は、有機溶媒中で行うことが好ましい。リグノパルプ繊維を乾燥し、有機溶媒に懸濁して式(3)の酸無水物と反応させることができる。
リグノパルプ繊維は、通常、含水状態(水分散物)である。含水状態のリグノパルプに有機溶媒を加え、ろ過し、再度有機溶媒に分散しろ過する操作(溶媒置換操作)を行うことによって、リグノパルプを有機溶媒に分散させて反応を行うことができる。
使用される有機溶媒には、式(3)の酸無水物とは反応せずに、リグノパルプを膨潤させることのでき、且つ水溶性の非プロトン性の溶媒が好ましい。この条件を満たすものとして、N-メチルピロリドン(NMP)、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N-ジメチルアセトアミド(DMA)、テトラヒドロフラン(THF)を例示することができる。
リグノセルロース繊維と式(3)の酸無水物の反応では、反応を加速するために、塩基の存在下で反応を行うことが好ましい。塩基として、ピリジン、ジメチルアニリン等のアミン類、酢酸カリウム、酢酸ナトリウム等の酢酸のアルカリ金属塩、炭酸リチウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム等のアルカリ金属の炭酸塩を好適に使用することができる。
反応温度は、使用する溶媒の沸点にもよるが、20〜150℃程度が好ましく、30〜120℃程度がより好ましく、40〜100℃程度が更に好ましい。
反応時間は、式(3)の酸無水物の種類にもよる。反応途中のリグノセルロース繊維の一部を採取し、この赤外線(IR)吸収スペクトルを測定して、反応により生じるハーフエステルのカルボニル伸縮振動に基づくIR吸収ピークを追跡することによって、ハーフエステル化の程度(置換度)を確認しながら、調整することができる。
ハーフエステル化の置換度
リグノパルプ繊維中に存在する水酸基がハースエステル化された程度(ハースエステル化の置換度について説明する。
ハーフエステルとはジカルボン酸のうちの1つのカルボキシ基がアルコール性水酸基とエステル結合を形成し一方のカルボキシ基はエステル結合していない状態(即ち、遊離カルボン酸状態)のエステルをいう。従って、リグノセルロースのハーフエステル化とは、リグノセルロース中の水酸基とジカルボン酸のうち、1つのカルボキシ基でエステル結合を形成させ、もう1つのカルボキシ基は遊離状態にすることを意味する。
式(3)の酸無水物によるハーフエステル化反応では、リグノセルロース繊維中の水酸基の水素原子が、式(3)の酸無水物に存在する2つのカルボニル基のうちの1つと置換してエステル結合を形成し、ハーフエステルが生成する。
リグノセルロースのハーフエステルは、リグノセルロース中に存在する水酸基の水素原子がカルボキシ基中のカルボニル基により置換された化学結合状態になっているので、本明細書ではこれを「ハーフエステル化によるリグノセルロース中の水酸基の水素原子の置換」という。
この置換の程度(DS)を、「ハーフエステル化によるリグノセルロース中の水酸基の水素原子の置換度(DS)」、「ハーフエステル置換度(DS)」または「ハーフエステル化DS」と称し、リグノセルロースの繰り返し単位中の水酸基がエステル化された平均的な個数として定義される。
純粋なセルロースの繰り返し単位はグルコピラノース残基(グルコース残基)であり、これは水酸基3個を有している。従って、純粋なセルロースのハーフエステル化DSの上限値は3である。
一方、リグノセルロースは、セルロースと共にヘミセルロースとリグニンとを含む。へミセルロースに含まれるキシランにおけるキシロース残基やアラビノガラクタンにおけるガラクトース残基の水酸基数は2であり、また、リグニン残基の水酸基数も2であり、これらの水酸基数は3より小さい。従って、リグノセルロースの平均的な繰り返し単位中の水酸基数は3よりも小さく、その上限値は3より小さい。
このことから、リグノセルロース繊維のハーフエステル化DSの上限値は3より小さい。そのハーフエステル化DSの上限値は、リグノセルロース繊維が含有するヘミセルロース及びリグニンの含量に依存して、2.7〜2.8程度である。
本件化学修飾リグノセルロース繊維のハーフエステル化DSは、0.01〜0.4に制御することが好ましく、より好ましくは0.1〜0.4である。つまり、熱圧成形体の原料の前記化学修飾リグノセルロース繊維は、リグノセルロース中に存在する水酸基の一部は、上記式(1)で表されるカルボキシ基含有アシル基でハーフエステル化されており、前記ハーフエステル化されたリグノセルロース中の水酸基の水素原子の置換度は0.1〜0.4であることが好ましい。
このハーフエステル化DSが0.01未満では、熱圧加工時に可塑性が不十分で成型が困難となる傾向が有る。このハーフエステル化DSが0.4を超える場合には、反応混合物の粘度が上昇しゲル状態となって、反応混合物中の化学修リグノセルロース繊維を分離し洗浄することが困難となる傾向が有る。
リグノセルロース繊維のカルボキシアルキル基による化学修飾(態様(2))
前記態様(2)で記した通り、化学修飾リグノセルロースの熱圧成形体では、その原料の前記化学修飾リグノセルロース繊維は、リグノセルロース中に存在する水酸基の一部が、前記式(2)で表されるカルボキシアルキル基でエーテル化されている。
上記式(2)で表されるカルボキシアルキル基を、「本件カルボキシアルキル基」とも記す。
本件カルボキシアルキル基でエーテル化されたリグノセルロース繊維(化学修飾リグノセルロース繊維)は、リグノセルロース繊維に、下式(4):
X-(CH2n-COOH ・・・・(4)
(式中nは、1〜3の整数を示す。Xは、Cl、Br及びIからなる群から選ばれるハロゲン原子を示す。)
で表されるハロゲノアルキルカルボン酸(これを、「本件ハロゲノアルキルカルボン酸」とも記す)を反応させて、前記リグノセルロース中に存在する水酸基の一部を、前記(2)で表される、カルボキシアルキル基でエーテル化することにより、前記エーテル化するリグノセルロース中の水酸基の水素原子の置換度を0.01〜0.4とすることで、本発明熱圧成形体の原料(化学修飾リグノセルロース繊維)を製造することができる。
化学修飾リグノセルロース繊維は、ハロゲノアルキルカルボン酸又はその塩を、塩基の存在下に加熱して反応させ、リグノセルロース中に存在する水酸基の酸素原子と本件カルボキシアルキル基でエーテル結合を形成させる。このエーテル結合を形成させることを本明細書では「本件エーテル化」と称し、この反応を「本件エーテル化反応」と称する。
本件ハロゲノアルキルカルボン酸としては、X(ハロゲン原子)が塩素原子又は臭素原子のものが好ましい。
本件ハロゲノアルキルカルボン酸の塩としては、アルカリ金属塩が好ましい。
本件ハロゲノアルキルカルボン酸及びその塩の好ましいものとして、クロロ酢酸、ブロモ酢酸、3-クロロプロピオン酸、3-ブロモプロピオン酸、4-クロロ酪酸及び4-ブロモ酪酸、並びにこれらのナトリウム塩、カリウム塩及びリチウム塩を例示することができる。
本件ハロゲノアルキルカルボン酸及びその塩は、各化合物を単独で使用しても良く、2種類以上を併用することもできる。
本件エーテル化反応における本件ハロゲノアルキルカルボン酸又はその塩の使用量は、リグノセルロース繊維(絶乾量)中に含まれる水酸基のモル数に対してして、通常、0.01〜0.45倍モルが好ましく、より好ましくは0.01〜0.35倍モルが好ましい。
本件エーテル化反応は、水中又は水と水溶性有機溶媒(例えばアルコール)との混合溶媒中で行うことができる。この反応に供するリグノセルロース繊維は、通常、水懸濁液として製造される。リグノセルロース繊維に、塩基と本件ハロゲノアルキルカルボン酸及び/又はその塩を混合し加熱して行うことができる。
この反応に使用される塩基として、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸リチウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素リチウム等のアルカリ金属の水酸化物、炭酸塩、炭酸水素塩等を好適に使用することができる。
塩基の使用量は、本件ハロゲノアルキルカルボン酸に対して、通常、1〜5当量程度を使用することが好ましく、1〜4当量程度使用することがより好ましい。
エーテル化反応は、攪拌しながら、30〜90℃で行うことが好ましい。
この反応時間は、本件ハロゲノアルキルカルボン酸又はその塩の種類とその使用量により、通常0.5〜5時間程度である。
反応途中のリグノセルロース繊維の一部を採取し、この赤外線(IR)吸収スペクトルを測定して、反応により生じるカルボキシアルキルエーテルのカルボキシ基のカルボニル伸縮振動に基づくIR吸収ピークを追跡することによって本件エーテル化の程度(置換度)確認しながら、調整することができる。
エーテル化の置換度
リグノパルプ繊維中に存在する水酸基が本件ハロゲノアルキルカルボン酸によりエーテル化された程度を説明する。
本件のエーテル化反応では、リグノセルロース繊維中の水酸基の水素原子が本件カルボキシアルキル基と置換してエーテル結合を形成する。本明細書ではこれを「エーテル化によるリグノセルロース中の水酸基の水素原子の置換度(DS)」、又は「エーテル化置換度:エーテル化DS」という。これは、リグノパルプ繊維中に存在する水酸基が本件ハロゲノアルキルカルボン酸によりエーテル化された程度を表す。
このエーテル化置換度(エーテル化DS)は、リグノセルロースの繰り返し単位中の水酸基がエーテル化された平均個数として定義される。
純粋なセルロースの繰り返し単位はグルコピラノース残基(グルコース残基)であり、これは水酸基3個を有している。従って、純粋なセルロースのエーテル化のDSの上限値は3である。
一方、リグノセルロースは、セルロースと共にヘミセルロースとリグニンとを含む。へミセルロースに含まれるキシランにおけるキシロース残基やアラビノガラクタンにおけるガラクトース残基の水酸基数は2であり、また、リグニン残基の水酸基数も2であり、これらの水酸基数は3より小さい。従って、リグノセルロースの平均的な繰り返し単位中の水酸基数は3よりも小さく、その上限値は3より小さい。
このことから、リグノセルロース繊維のエーテル化DSの上限値は、前記のハーフエステル化DSと同様に、3より小さく、その上限値は、リグノセルロース繊維が含有するヘミセルロース及びリグニンの含量に依存して、2.7〜2.8程度である。
本件化学修飾リグノセルロース繊維のエーテル化DSは、0.01〜0.4に制御することが好ましく、より好ましくは0.01〜0.3であり、更に好ましくは、0.01〜0.2である。つまり、熱圧成形体の前記化学修飾リグノセルロース繊維は、リグノセルロース中に存在する水酸基の一部は、上記式(2)で表されるカルボキシアルキル基でエーテル化されており、前記エーテル化されたリグノセルロース中の水酸基の水素原子の置換度は0.01〜0.4であることが好ましい。
このエーテル化DSが0.01未満では、熱圧加工時に可塑性が不十分で成型が困難となる傾向が有る。このエーテル化DSが0.4を超える場合には、反応混合物の粘度が上昇しゲル状態となって、反応混合物中の化学修リグノセルロース繊維を分離し洗浄することが困難となる傾向が有る。
リグノセルロース繊維に対して、前記式(3)の酸無水物によりハーフエステル化反応させた後や、前記式(4)のハロゲノアルキルカルボン酸によりエーテル化反応させた後は、反応混合物を中和し、ろ過、遠心分離等の脱液装置によって化学修リグノセルロース繊維を分離し、洗浄する。
洗浄には水、必要に応じてアルコール等の溶剤を用いることができる。
洗浄後、化学修リグノセルロース繊維は次の熱圧工程に供される。
熱圧成形体(発明2及び3)
本発明の熱圧成形体は、下記態様(1)又は(2)が好ましい態様である。
態様(1)
化学修飾リグノセルロースの熱圧成形体では、前記化学修飾リグノセルロース繊維が下記(a)及び(b)の特性を有する:
特性(a)
(a-1)リグノセルロース中に存在する水酸基の一部が、下式(1):
Figure 2018150414
(式中、R1及びR2は、夫々水素原子、メチル基、エチル基又は分岐鎖を有してもよい炭素数3〜20のアルケニル基若しくはアルキル基を示す。但し、R1及びR2のいずれか一方の炭素数が4〜20のときは、R1及びR2のいずれか一方は水素原子である。)
で表される、カルボキシ基含有アシル基でハーフエステル化されていること、
特性(b)
(b-1)前記ハーフエステル化されたリグノセルロース中の水酸基の水素原子の置換度が0.1〜0.4であること。
態様(2)
化学修飾リグノセルロースの熱圧成形体では、前記化学修飾リグノセルロース繊維が下記(a)及び(b)の特性を有する:
特性(a)
(a-2)リグノセルロース中に存在する水酸基の一部が、下式(2):
-(CH2n-COOH ・・・・(2)
(式中、nは1の整数を示す。)
で表されるカルボキシアルキル基でエーテル化されていること、
特性(b)
(b-2)前記エーテル化されたリグノセルロース中の水酸基の水素原子の置換度が0.01〜0.3であること。
前記式(2)で表されるカルボキシアルキル基は、カルボキシメチル基(-CH2-COOH)であることが好ましい。
リグニン成分含有量(発明4及び10)
本発明の熱圧成形体では、前記化学修飾リグノセルロース繊維のリグニン成分含有量は、2〜40質量%程度であることが好ましい。化学修飾リグノセルロース繊維のリグニン成分含有量は、2〜35質量%程度であることがより好ましく、2〜30質量%程度であることが更に好ましい。
リグニン成分含有量は、化学修飾リグノセルロースから化学修飾基質量を除いた質量(リグノセルロース換算質量)に占めるリグニン成分質量%を意味する。化学修飾により原料リグノセルロースからリグニンは通常脱落しないか、脱落しても微量である。リグニン成分含有量(質量%)は、この化学修飾に使用したリグノセルロースに含まれていたリグニン含有質量%に相当する。
本発明の熱圧成形体は、上記態様(1)と(2)との組み合わせも含む。つまり、前記式(1)のアシル基でリグノセルロース中に存在する水酸基の一部がハーフエステル化されたリグノセルロースと、前記式(2)のカルボキシアルキル基でエーテル化されたリグノセルロースとの混合物からなる熱圧成形体は、本発明の化学修飾リグノセルロースの熱圧成形体に含まれる。
(2)化学修飾リグノセルロースの熱圧成形体の製造方法
熱圧成形体の製造方法(発明6〜8)
本発明の化学修飾リグノセルロースの熱圧成形体の製造方法は、化学修飾リグノセルロース繊維からなる繊維集合体を加熱下に圧縮する工程を含み、前記化学修飾リグノセルロースが下記(a)及び(b)の特性を有する:
特性(a)
(a-1)リグノセルロース中に存在する水酸基の一部が、下式(1):
Figure 2018150414
(式中、R1及びR2は、夫々水素原子、メチル基、エチル基又は分岐鎖を有してもよい炭素数3〜20のアルケニル基若しくはアルキル基を示す。但し、R1及びR2のいずれか一方の炭素数が4〜20のときは、R1及びR2のいずれか一方は水素原子である。)
で表される、カルボキシ基含有アシル基でハーフエステル化されていること、
又は、
(a-2)リグノセルロース中に存在する水酸基の一部が、下式(2):
-(CH2n-COOH ・・・・(2)
(式中、nは1〜3の整数を示す。)
で表されるカルボキシアルキル基でエーテル化されていること、
特性(b)
(b-1)前記ハーフエステル化されたリグノセルロース中の水酸基の水素原子の置換度が0.01〜0.4であること、
又は、
(b-2)前記エーテル化されたリグノセルロース中の水酸基の水素原子の置換度が0.01〜0.4であること。
前記式(2)で表されるカルボキシアルキル基は、カルボキシメチル基(-CH2-COOH)であることが好ましい。
熱圧成形体の製造方法では、前記化学修飾リグノセルロース繊維は、前記リグノセルロース中に存在する水酸基の一部が、前記式(1)で表されるカルボキシ基含有アシル基でハーフエステル化されており、前記ハーフエステル化されたリグノセルロース中の水酸基の水素原子の置換度が0.1〜0.4であることが好ましい。
熱圧成形体の製造方法では、前記化学修飾リグノセルロース繊維は、前記リグノセルロース中に存在する水酸基の一部が前記式(2)で表されるカルボキシアルキル基でエーテル化されており、前記エーテル化されたリグノセルロース中の水酸基の水素原子の置換度が0.01〜0.3であることが好ましい。
化学修飾リグノセルロース繊維又は繊維集合体を、必要に応じて、洗浄又は/及び分散してから加熱下に圧縮成形することが好ましい。成形の前に、均一な成形面を得ることができる。
粉砕の一つの方法として、例えば、化学修飾リグノセルロースを含む繊維又は繊維集合体に、エタノール等、好ましくは沸点が100℃以下の溶媒を添加して、ミキサー等で攪拌し、固形分(化学修飾繊維リグノセルロース繊維)濃度を調整した懸濁液を得ることが好ましい。次いで、この懸濁液を、濾過等の手段により、溶媒を除去し、乾燥して成形用の材料(化学修飾リグノセルロース繊維の繊維集合体)を得ることが好ましい。
化学修飾リグノセルロース繊維の繊維集合体は、乾燥により収縮し易く、加圧面が湾曲する傾向にある。上記のように、成形用の材料(化学修飾リグノセルロース繊維の繊維集合体)をろ過により調製する場合には、目的とする成形体の金型(成形金型)の底面と同一形状のろ過面を有するろ過器でろ過して成形用の材料を作成した後、これを金型に入れて熱圧成形することが好ましい。これにより、均一な表面を有し、強度特性の優れる成形体を製造することができる。
加熱温度及び圧縮する圧力(発明11)
化学修飾リグノセルロースの熱圧成形体の製造する際に、熱圧加工の温度は、化学修飾リグノセルロース繊維の熱分解を避けるために、160〜240℃程度が好ましい。
熱圧加工時の圧縮する圧力は、30MPa〜100MPaに設定することが好ましい。
本発明の化学修飾リグノセルロースの熱圧成形体の製造方法では、前記化学修飾リグノセルロース繊維からなる繊維集合体を、160〜240℃の温度で加熱しながら、30MPa〜100MPaの圧力で圧縮することが好ましい。化学修飾リグノセルロースが可塑性を示し、また熱分解を避けることができる。化学修飾リグノセルロース繊維の繊維集合体を、これら温度及び圧力で加工することにより、強度特性に優れる熱圧成形体を製造することができる。
第1工程及び第2工程を含む熱圧成形体の製造方法(発明13及び14)
本発明の熱圧成形体の製造方法を、リグノセルロース繊維の化学修飾工程から工程順に記載すると、本発明の化学修飾リグノセルロースの熱圧成形体の製造方法は、下記第1工程及び第2工程を含むことが好ましい。
(1)第1工程
(a-1)リグノセルロース繊維に、下式(3):
Figure 2018150414
(式中、R1及びR2は、夫々水素原子、メチル基、エチル基又は分岐鎖を有してもよい炭素数3〜20のアルケニル基若しくはアルキル基を示す。但し、R1及びR2のいずれか一方の炭素数が4〜20のときは、R1及びR2のいずれか一方は水素原子である。)
で表されるコハク酸無水物又はその誘導体を反応させて、前記リグノセルロース中に存在する水酸基の一部を、下式(1):
Figure 2018150414
(式中、R1及びR2は、夫々水素原子、メチル基、エチル基又は分岐鎖を有してもよい炭素数3〜20のアルケニル基若しくはアルキル基を示す。但し、R1及びR2のいずれか一方の炭素数が4〜20のときは、R1及びR2のいずれか一方は水素原子である。)
で表される、カルボキシ基含有アシル基でハーフエステル化することにより、
前記ハーフエステル化するリグノセルロース中の水酸基の水素原子の置換度を0.01〜0.4とすることで、化学修飾リグノセルロース繊維を製造する工程、
又は、
(a-2)リグノセルロース繊維に、下式(4):
X-(CH2n-COOH ・・・・(4)
(式中nは、1〜3の整数を示す。Xは、Cl、Br及びIからなる群から選ばれるハロゲン原子を示す。)
で表されるハロゲノアルキルカルボン酸を反応させて、前記リグノセルロース中に存在する水酸基の一部を、下式(2):
-(CH2n-COOH ・・・・(2)
(式中、nは1〜3の整数を示す。)
で表されるカルボキシアルキル基でエーテル化することにより、
前記エーテル化するリグノセルロース中の水酸基の水素原子の置換度を0.01〜0.4とすることで、化学修飾リグノセルロース繊維を製造する工程、
(2)第2工程
前記第1工程で得られた化学修飾リグノセルロース繊維からなる繊維集合体を、加熱下に圧縮する工程。
前記式(2)で表されるカルボキシアルキル基は、カルボキシメチル基(-CH2-COOH)であることが好ましい。
前記熱圧成形体の製造方法では、前記化学修飾リグノセルロース繊維からなる繊維集合体を、加熱する温度が160〜240℃であり、圧縮する圧力が30MPa〜100MPaであることが好ましい。
本発明の化学修飾リグノセルロース熱圧成形体のうち、一実施態様として、前記式(1)のアシル基でリグノセルロース中に存在する水酸基の一部がハーフエステル化されたリグノセルロースと前記式(2)のカルボキシアルキル基でエーテル化されたリグノセルロースとの混合物からなる熱圧成形体が有る。この実施態様は、前記第1工程で得られる式(1)のアシル基でリグノセルロース中に存在する水酸基の一部がハーフエステル化されたリグノセルロース繊維と前記式(2)のカルボキシアルキル基でエーテル化されたリグノセルロース繊維とを混合し、この混合繊維集合体を加熱下に圧縮することにより、製造することができる。
(3)化学修飾リグノセルロースの熱圧成形体
熱可塑性樹脂を更に含有する熱圧成形体(発明5及び12)
本発明の熱圧成形体では、前記化学修飾リグノセルロース繊維が、更に熱可塑性樹脂を含有することが好ましい。
本発明の熱圧成形体の製造方法では、前記化学修飾リグノセルロース繊維からなる繊維集合体として、更に熱可塑性樹脂を含む繊維集合体を使用することが好ましい。
本発明の熱圧成形体には、本発明の効果が損なわれない範囲で樹脂を適宜含有させてもよく、樹脂の中でも熱可塑性樹脂を用いることが好ましい。
熱可塑性樹脂として、力学的特性、耐熱性、表面平滑性及び外観に優れるという点から、ポリアミド(ナイロン樹脂、PA)、ポリアセタール(POM)、ポリオレフィン樹脂〔ポリプロピレン(PP)、無水マレイン酸変性PP(MAPP)、ポリエチレン(PE)など〕、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリ乳酸、ポリエステル、ポリ乳酸とポリエステル共重合樹脂、PBS樹脂(ポリブチレンサクシネート)、ポリスチレン、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体(ABS樹脂)等を使用することが好ましい。
また、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、フッ素樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、ポリフェニレンオキシド、(熱可塑性)ポリウレタン、ビニルエーテル樹脂、ポリスルホン系樹脂、セルロース系樹脂(例えばトリアセチル化セルロース、ジアセチル化セルロース)等も好ましく使用することができる。
ポリアミド(アミド系樹脂)として、ナイロン66(ポリヘキサメチレンアジポアミド、ポリアミド66、PA66)、ナイロン6(ε-カプロラクタムの開環重合体、ポリアミド6、PA6)、ナイロン11(ウンデカンラクタムを開環重縮合したポリアミド、ポリアミド11、PA11)、ナイロン12(ラウリルラクタムを開環重縮合したポリアミド、ポリアミド12、PA12)、ナイロン46(ポリアミド46、PA46)、ナイロン610(ポリアミド610、PA610)、ナイロン612(ポリアミド612、PA612)等の脂肪族アミド系樹脂を使用することが好ましい。ポリアミド樹脂として、フェニレンジアミン等の芳香族ジアミンと塩化テレフタロイルや塩化イソフタロイル等の芳香族ジカルボン酸又はその誘導体からなる芳香族ポリアミド等を使用することも好ましい。
これらの樹脂は、単独で使用しても良く、2種以上の混合樹脂として用いても良い。
ポリアミド樹脂(PA)は、分子構造内に極性の高いアミド結合を有するので、セルロース系材料との親和性が高いという利点が有る。ポリアミド樹脂(PA)として、PA6、PA66、PA11、PA12等、ポリアミド共重合樹脂等を用いることが好ましい。
ポリアセタール(POM)として、トリオキサン、ホルムアルデヒド、エチレンオキシド等の重合体及び共重合体を好ましく使用することができる。
ポリオレフィン樹脂として、構造部材として汎用性を有するポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE、特に高密度ポリエチレン:HDPE)等を用いることが好ましい。また、これら汎用性ポリオレフィンと相溶性の高い無水マレイン酸変性ポリプロピレン(MAPP)を用いることが好ましい。
ポリエステルとして、芳香族ポリエステル、脂肪族ポリエステル、不飽和ポリエステル等を好ましく使用することができる。
芳香族ポリエステルとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4-ブタンジオール等のジオール類とテレフタル酸等の芳香族ジカルボン酸との共重合体を好ましく使用することができる。
脂肪族ポリエステルとしては、ジオール類とコハク酸、吉草酸等の脂肪族ジカルボン酸との重合体や共重合体、グリコール酸や乳酸等のヒドロキシカルボン酸の単独重合体又は共重合体、ジオール類、脂肪族ジカルボン酸及び前記ヒドロキシカルボン酸の共重合体等を好ましく使用することができる。
不飽和ポリエステルとしては、ジオール類、無水マレイン酸等の不飽和ジカルボン酸、及び必要に応じてスチレン等のビニル単量体との共重合体を好ましく使用することができる。
本発明の熱圧成形体が前記熱可塑性樹脂を含む場合、原料である前記化学修飾リグノセルロース繊維と前記熱可塑性樹脂とを混合し、この繊維と熱可塑性樹脂との混合物を前記の条件で熱圧成形して製造することができる。
化学修飾リグノセルロース繊維と熱可塑性樹脂との混合物は、この樹脂が不溶性の溶媒中に分散した化学修飾リグノセルロース繊維に樹脂を混合して、ろ取、遠心分離等の分離手段で調製することができる。
化学修飾リグノセルロース繊維と熱可塑性樹脂との混合は、化学修飾終了後の化学修飾リグノセルロース繊維の分散液(水分散液)に樹脂を混合してろ取すると、ろ水性が良好で速やかに化学修飾リグノセルロース繊維と樹脂混合物を調製することができる。
樹脂は、微細繊維径の繊維状、微細な粉状又は粒子状で混合することが化学修飾リグノセルロースと樹脂とが均一に混合した熱圧成形を得る上で好ましい。
熱圧成形体へのその他の添加物
本発明の熱圧成形体は、本発明の効果が損なわれない範囲で、ゼオライト、セラミックス、金属粉末等の無機化合物、着色剤、導電剤、帯電防止剤、酸化防止剤等を、適宜含有することができる。これらの添加物を、熱圧成形体の製造原料(化学修飾リグノセルロース繊維集合体)に混合することで、本発明の熱圧成形体を製造することでができる。
熱圧成形体の塩
本発明の熱圧成形体は、本発明の効果が損なわれない範囲で、前記式(1)で示されるカルボキシ含有アシル基に於けるカルボキシ基、及び、前記式(2)で示されるカルボキシアルキル基含有アシル基に於けるカルボキシ基の一部または全部が、塩を形成していてもよく、このような熱圧成形体も本発明に包含される。
このような塩としてアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩又はアミンとの有機塩を例示することができる。
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明を更に詳細に説明する。
本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
実施例及び比較において、パルプ、リグノセルロース、修飾リグノセルロース中のリグニン、セルロース、ヘミセルロース等の成分含量の%は、特記しない限り質量%を示す。
分散液又は溶液中の各成分の濃度の%は、特記しない限り質量%を示す。
実施例、製造例(原料製造)において「化学修飾」又は「修飾」の代わりの用語として「化学変性」又は「変性」を使用することがある。
「化学修飾されない」、「未化学修飾」又は「未修飾」の代わりの用語として「未変性」を使用することがある。
1.用語/略号
実施例、比較例中で使用する下記の略称は次の意味を有する。
NCTMP:針葉樹由来のケミカルサーモメカニカルパルプ
NUKP:針葉樹由来の未晒クラフトパルプ
CSF:カナダ標準濾水度
MCA:モノクロロ酢酸
2.使用原料
2-1.針葉樹由来のケミカルサーモメカニカルパルプ(NCTMP)
組成(質量%):
リグニン(Lig)27
2-2.針葉樹由来の未晒クラフトパルプ(NUKP)
組成(質量%):
セルロース(Cel)74.5、
リグニン(Lig)9.9、
ヘミセルロース(Hemcel)15.6〔グルコマンナン(GlcMan)7.3、キシラン(Xy)7.4、アラビノガラクタン(AraGal)0.9(アラビナン(Ara)0.45、ガラクタン(Gal)0.45)〕
3.試験方法/測定方法及び使用機器等
(i)リグニンの定量方法(クラーソン法)
ガラスファイバーろ紙(GA55)を105℃オーブンで恒量になるまで乾燥させ、デシケータ内で放冷後、計量した。105℃で絶乾させたリグノセルロース(試料約0.2g)を精秤し、50mL容ビーカーに入れた。72%濃硫酸3mL加え、内容物が均一になるようにガラス棒で適宜押しつぶしながら、30℃の温水に1時間放置した。
次いで、内容物に蒸留水84gを加え定量的に三角フラスコに移した後、オートクレーブ中で120℃、1時間反応させた。放冷後、内容物をガラスファイバーろ紙で濾過し、200mLの蒸留水で洗浄した。105℃オーブンで恒量になるまで乾燥させ計量した。
(ii)セルロース及びへミセルロースの定量方法(糖分析)
リグノセルロースをオーブンデシケータ中に入れ、真空ポンプで減圧しながら50℃で3時間乾燥させた。乾燥試料約30mgを精秤し、耐圧試験管に入れた後に内部標準としてフコース(0.1g/mL)を200μL加えた。メスピペットを用いて72%濃硫酸0.3mLを加え、ガラス棒で押して均一にし、30℃のウォーターバスで1時間反応させた。
1時間後、蒸留水8.4mLを加え、オートクレーブ中で120℃、1時間反応させた。放冷後、超純水を添加し適宜希釈した。希釈後の溶液をサーモフィッシャーサイエンティフィック社製イオンクロマトグラフ分析に供し、試料に含まれていた糖成分を分析した。
(iii)リグノセルロース繊維の平均繊維径の測定
リグノセルロースの水懸濁液をエタノールに分散させ、ろ過によりエタノールと共に水を除去した。得られたろ過残渣のエタノール湿潤物を、室温で減圧乾燥させた。このリグノセルロース乾燥物について、500〜10,000倍の走査型電子顕微鏡(SEM)写真を撮影し、撮影した写真上において、少なくとも50本以上の繊維径を測定し、平均値を算出した。
(iv)熱圧成形体の強度試験
厚さ1mmの熱圧成形体を、カッターを用いて長さ30mm、幅5mmにカットし、サンプルを得た。このサンプルを、万能試験機(インストロン社製型式3365型 ツインコラム卓上型試験システム)を用いて、支点間距離20mm、曲げ速度5mm/minにて3点曲げ試験を行った。
4.製造例
リグノセルロース繊維(実施例及び比較例の熱圧成形体の原料)の製造
製造例1
Ref-NCTMP(NCTMPのリファイナーによる解繊)
前記NCTMP(リグニン含量:27質量%)に水を加えて、固形分濃度が3.0質量%のパルプスラリーを調製した。このパルプスラリーを、リファイナー(相川鉄工株式会社製ラボリファイナー 型式SDR14)を用いて、以下の条件にて解繊処理を行った。
解繊条件
処理量:30L
流量:600mL/min
温度:40〜60℃
時間:約10min
得られたリグノセルロース繊維をRef-NCTMPと言う。
CSFは60mLであった。
Ref-NCTMPの平均繊維径を表1に示す。
製造例2
BM-NCTMP(NCTMPのビーズミルでの解繊)
前記NCTMP(リグニン含量:27質量%)に水を加えて、固形分濃度が0.75質量%のパルプスラリーを調製した。このパルプスラリーを、ビーズミル(アイメックス株式会社製型式NVM-2)を用いて、以下の条件にて3回解繊処理を行った。
解繊条件
ビーズ:ジルコニアビーズ(直径:1mm)
ビーズ充填率:70%
回転数:2,000rpm
吐出量:600mL/min
得られたリグノセルロース繊維をBM-NCTMPと言う。
製造例3
Ref-NUKP(NUKPのリファイナーでの解繊)
原料を、前記NUKP(リグニン含量:9.9質量%)に変更した以外は、製造例1と同様にしてリグノセルロース繊維を得た。
得られたリグノセルロース繊維をRef-NUKPと言う。
Ref-NUKPの平均繊維径を第1表に示す。
CSFは50mLであった。
製造例4
ビーズミルで解繊された針葉樹由来の未晒クラフトパルプ(BM-NUKP)
原料を、針葉樹由来の未晒クラフトパルプ(NUKP、リグニン含量:9.9質量%)に変更した以外は、製造例2と同様にしてリグノセルロース繊維を得た。
得られたリグノセルロース繊維をBM-NUKPと言う。
BM-NUKPの平均繊維径を表1に示す。
製造例で得られたリグノセルロース繊維の、リグニン量、平均繊維径を表1にまとめた。
Figure 2018150414
5.実施例
実施例1:CM(BM-NUKP)の調製とその熱圧成形体
化学修飾リグノセルロースの調製
1Lの3つ口フラスコに、上記製造例4で得られたリグノセルロース繊維(BM-NUKP)を固形分で20g、水160g、イソプロパノール(IPA)480g、水酸化ナトリウム2.6gを仕込み、室温で30分間、混合攪拌した。続いて、モノクロロ酢酸2.4gを加え、更に30分間、混合攪拌した。
その後、フラスコの内温を70℃まで昇温、3時間保持し、化学修飾リグノセルロース繊維としてカルボキシメチル化(CM化)リグノセルロース繊維〔この化学修飾リグノセルロース繊維を、CM(BM-NUKP)と呼称する。〕のナトリウム塩を得た。
冷却後、2N塩酸水溶液で中和して反応混合物を取り出し、溶媒および水溶性残存成分をろ過により除去、再び水で希釈、ろ過を繰り返すことで、CM(BM-NUKP)の繊維集合体を洗浄した。
得られたCM(BM-NUKP)のCM化の置換度(DS)は0.04であった。
DSは、前記「発明を実施するための形態」の項で説明した通りの意味を有する。
CM化の置換度(DS)の求め方を以下に示す。
DSは、繰り返し単位1つあたりに付加したカルボキシメチル基の個数である。
変性によって増加したアニオン性イオン当量(重量あたりのアニオン性基量)は、このDS(α)及び未変性リグノセルロースの繰り返し単位1つあたりの見かけの式量(B)を用いて下記のように表せる。
A−A0=α×103/(B+58×α)
α:モノクロロ酢酸の付加率(DS)
A:CM化リグノセルロースのアニオン性イオン当量 [meq/g]
A0:未変性リグノセルロースのアニオン性イオン当量 [meq/g]
B:未変性リグノセルロースの見かけの式量
この式をαについて整理すると、DS(α)は次式によって求めることができる。
α=B×(A−A0)/{1,000−58×(A‐A0)}
アニオン性イオン当量(A又はA0)は、硝酸メタノール法により算出した。
CM化又は未変性リグノセルロース含有スラリーを、乾燥物の重量が約2gとなるように秤量し、300mL共栓三角フラスコに入れた。この300mL共栓三角フラスコ内に硝酸メタノール(無水メタノール1lに特級濃硝酸100mLを加えた液)を100mL加え、300mL共栓三角フラスコの内容物を3時間振盪してパルプスラリーを得た。
このパルプスラリーをろ取した後、残存する水溶性薬品を除去するために、ろ過残渣を300mLガラス容器に入れ、80%メタノール(無水メタノール80gと水20gとの混合液)100mLを加えて攪拌し、再びろ過する操作を3回繰り返した。得られたろ過残渣に80%メタノールを加えて湿潤させ、0.1N水酸化ナトリウム水溶液を100mL加えて室温で3時間攪拌しパルプスラリーを得た。
このパルプスラリーに対して、指示薬としてフェノールフタレインを用いて0.1N硫酸で過剰量の水酸化ナトリウムを滴定した。
上記アニオン性イオン当量は、次式により算出した。
CM化又は未変性リグノセルロースのアニオン性イオン当量=(F1‐F2)×0.1/W
F1:0.1N水酸化ナトリウムの添加量[mL]
F2:0.1N硫酸の滴定量[mL]
未変性リグノセルロースの見かけの式量(B)は、次式により算出した。
B={196×Lm+162×(100−Lm)}/100
Lm:未変性リグノセルロースに含まれるリグニンのモル比 [mol%]
未変性リグノセルロースに含まれるリグニンのモル比(Lm)は、次式により算出した。
Lm=(Lw/196)/{(Lw/196)+(100-Lw)/162}×100
Lw:未変性リグノセルロースに含まれるリグニンの重量比 [wt%]
未変性リグノセルロースに含まれるリグニンの重量比(Lw)は、クラーソン法により測定した。
ガラスファイバーろ紙(GA55)を、105℃オーブンで恒量になるまで乾燥させ、デシケーター内で放冷後、計量した(WF)。105℃オーブンで恒量になるまで乾燥させたリグノセルロース(試料約0.2g)を精秤し(W0)、72%硫酸3mLを加え、内容物が均一になるようにガラス棒で適宜押し潰しながら、30℃の湯浴にて1時間保持した。
次いで内容物に蒸留水84gを加え、オートクレーブ中にて120℃で1時間保持した。放冷後、内容物をガラスファイバーろ紙でろ過し、200mLの蒸留水で洗浄した。
得られたろ過残渣とガラスファイバーろ紙を105℃オーブンで恒量になるまで乾燥させて計量(Wtotal)し、ガラスファイバーろ紙の重量(WF)を差し引くことで、リグニン除去後のパルプ重量を算出した(W1=Wtotal-WF)。
未変性リグノセルロースに含まれるリグニンの重量比(Lw)は、次式により算出した。
Lw=(W0−W1)/W0×100
なお、DSの計算には、未変性リグノセルロースの式量(リグノセルロース中のセルロース、リグニン及びヘミセルロースの含有モル分率を勘案して計算)が通常使用される。上記のように、セルロースとリグニンのモル分率だけを使用して計算した見かけの式量(B)をリグノセルロースの式量の代わりに用いてDSを計算しても誤差はほとんどない(誤差約5%)。本発明では、上記の式によりDSを計算した。
化学修飾リグノセルロースの熱圧成形
上記、CM(BM-NUKP)繊維集合体を乾燥して金型内に封入し、200℃に加熱、100MPaに加圧した状態で3分間保持することで、厚さ1mmの化学修飾リグノセルロース〔CM(BM-NUKP)〕の熱圧成形体を得た。
得られた熱圧成形体を、カッターを用いて長さ30mm、幅5mmにカットしサンプルを得た。このサンプルを万能試験機(インストロン社製 型式3365型 ツインコラム卓上型試験システム)を用いて、支点間距離20mm、曲げ速度5mm/minにて3点曲げ試験を行った。
その結果、サンプルは、曲げ強さ217MPa、曲げ弾性率10.7GPaであった。
上記のCM化リグノセルロース繊維の製造条件と上記CM化リグノセルロース学修飾成形体の製造条件と物性測定結果を、夫々、表2及び表3にまとめた。
実施例2
熱圧成形における加圧条件を30MPaに変更した以外は、実施例1と同様にしてCM化リグノセルロースの熱圧成形体を得た。熱圧成形体の曲げ試験の結果、曲げ強さ207MPa、曲げ弾性率9.7GPaであった。
上記のCM化リグノセルロース繊維の製造条件と上記CM化リグノセルロース修飾成形体の製造条件と物性測定結果を、夫々、表2及び表3にまとめた。
実施例3〜6
リグノセルロース及び添加する試薬量を表2に記載の量に変更した以外は、実施例1と同様にしてCM化リグノセルロース繊維を得、次いでこれを表3に示す製造条件でCM化リグノセルロースの熱圧成形体を得た。
得られたCM化リグノセルロース繊維の物性を表2に、示す。CM化リグノセルロースの熱圧成形体の物性を表3に示す。熱圧成形体の密度も測定し表3に記載した。
表中、以下の略号の意味は下記の通りである。
CM:カルボキシメチル化
AS:アルケニルコハク酸ハーフエステル化
BM:ビーズミルで解繊したこと
Ref:リファイナーで解繊したこと
NUKP:針葉樹由来未晒クラフトパルプ
NCTMP:針葉樹由来ケミカルサーモメカニカルパルプ。
従って、CM(BM-NUKP)は、針葉樹由来未晒クラフトパルプをビーズミルで解繊してリグノセルロース繊維を得、これをカルボキシメチル化した化学修飾リグノセルロース繊維を意味する。
Figure 2018150414
Figure 2018150414
実施例7:AS(BM-NUKP)の調製とその熱圧成形体
化学修飾(AS修飾)リグノセルロース繊維の調製
1Lの3つ口フラスコに、上記製造例4で得られたリグノセルロース(BM-NUKP)繊維を固形分で20g、N-メチルピロリドン(NMP)650gを仕込み、攪拌しつつ80℃で減圧脱水した。
続いて、窒素を導入して常圧に戻し、アルケニル無水コハク酸(星光PMC株式会社製 T-NS135、無水コハク酸以外の炭素数が16)5.6g、炭酸カリウム1.2gを加え、80℃のまま3時間保持し、化学修飾リグノセルロース繊維としてAS修飾リグノセルロース〔これをAS(BM-NUKP)と呼称する〕のカリウム塩を得た。
冷却後、反応混合物を2N塩酸水溶液に入れて中和し、溶媒及び水溶性残存成分をろ過により除去した。更にアセトン、エタノール、水で順次希釈とろ過を繰り返すことで、化学修飾リグノセルロース〔AS(BM-NUKP)〕の繊維集合体を得た。
得られた化学修飾リグノセルロース〔AS(BM-NUKP)〕の置換度(DS)は、0.13であった。
化学修飾(AS化)リグノセルロースの製造条件と物性について、表4 にまとめた。
DSは、前記[発明を実施するための形態]の項で説明したとおりの意味を有する。
AS化のDSの求め方を以下に示す。
DSは、繰り返し単位1つあたりに付加したASAの個数である。
ASAの付加当量(変性リグノセルロースの重量あたりのASAの付加量)は、このDS(α)、ASAの分子量(M)、未変性リグノセルロースの繰り返し単位1つあたりの見かけの式量(B)を用いて下記のように表せる。
A=α×103/(B+M×α)
α:ASAの付加率(DS)
A:ASAの付加当量 [meq/g]
B:未変性リグノセルロースの見かけの式量
この式をαについて整理すると、DS(α)は次式によって求めることができる。
α=B×A/{1,000−M×A}
ASAの付加当量は、下記の方法により測定、算出した。
ASA付加リグノセルロース含有スラリーを、乾燥物の重量が約0.5gとなるように秤量し、100mLビーカーに入れた。ここにエタノール15mL、水5mLを加え、室温で30分攪拌してパルプスラリーを得た。続いて、0.5N水酸化ナトリウム溶液10mLを加え、70℃で15分攪拌した後、室温まで冷却して更に1晩攪拌した。
得られた混合液に対して、指示薬としてフェノールフタレインを用いて0.1N塩酸水溶液で過剰量の水酸化ナトリウムを滴定した。
上記ASAの付加当量は次式により算出した。
ASA付加当量=(F1×0.5‐F2×0.1‐A0×W)/2/W
F1:0.5N水酸化ナトリウムの添加量[mL]
F2:0.1N塩酸の滴定量[mL]
W:秤量したASA付加又は未変性リグノセルロースの乾燥重量[g]
A0:未変性リグノセルロースのアニオン性イオン当量[meq/g]
未変性リグノセルロースの見かけの式量(B)は前述の方法で算出した。
化学修飾(AS修飾)リグノセルロースの熱圧成形
上記、化学修飾リグノセルロース〔AS(BM-NUKP〕繊維の繊維集合体を乾燥して金型内に封入した。次いで、200℃に加熱、100MPaに加圧した状態で3分間保持することで、化学修飾(AS修飾)リグノセルロース〔AS(BM-NUKP〕の熱圧成形体(実施例7)を得た。
得られた熱圧成形体を、カッターを用いて長さ30mm、幅5mmにカットしサンプルを得た。このサンプルを万能試験機(インストロン社製 型式3365型 ツインコラム卓上型試験システム)を用いて、支点間距離20mm、曲げ速度5mm/minにて3点曲げ試験を行った。
その結果、熱圧成形体は、曲げ強さ197MPa、曲げ弾性率10.2GPaであった。
この結果を表5にまとめた。
実施例8〜13
リグノセルロース繊維(化学修飾繊維の原料)を変えて表4の条件で化学修飾してAS修飾リグノセルロース繊維を得た。次いで、AS修飾リグノセルロース繊維集合体を分散させた溶媒を変えて繊維集合体を得た。これを表5に示す形状と熱圧条件で加工して、実施例8〜13の熱圧成形体を得た。
実施例7と同様にして測定した曲げ試験の結果も表5に示す。
熱圧成形体の密度も測定し、表5に記載した。
Figure 2018150414
Figure 2018150414
比較例1
上記製造例2で得られたリグノセルロース繊維の水湿潤物を、エタノールでの希釈、ろ過を繰り返し、リグノセルロース繊維の集合体を得た。
得られた繊維集合体を乾燥して金型内に封入し、200℃に加熱、50MPaに加圧した状態で3分間保持することで、厚さ1mmの未修飾リグノセルロースの繊維集合体を得た。
得られたリグノセルロース繊維集合体を、カッターを用いて長さ30mm、幅5mmにカットしサンプルを得た。このサンプルを万能試験機(インストロン社製 型式3365型 ツインコラム卓上型試験システム)を用いて、支点間距離20mm、曲げ速度5mm/minにて3点曲げ試験を行った。
その結果、得られたリグノセルロース繊維集合体は、曲げ強さ166MPa、曲げ弾性率7.3GPaであった。密度は1.30g/cm3であった。
上記のリグノセルロース繊維の物性を表6に、リグノセルロース繊維集合体の製造条件と物性測定結果を表7にまとめた。
比較例2及び3
リグノセルロース繊維、及び熱圧成形体の製造条件を、表6及び7に示す通りに変更した以外は、比較例1と同様にしてリグノセルロース繊維集合体を得た。
得られたリグノセルロース繊維集合体の物性測定結果を表7にまとめた。
Figure 2018150414
Figure 2018150414
実施例と比較例の纏め
表8に実施例及び比較例の試験結果をまとめて示す。
考察
化学修飾リグノセルロース繊維を熱圧加工して優れた効果を示す本発明の熱圧成形体が得られた理由を次の通り考える。
本発明の熱圧成形体は、その構造が、(i)原料の化学修飾リグノセルロース繊維に含まれているリグニン、化学修飾されたリグニン、ヘミセルロース、及び化学修飾されたヘミセルロースをマトリックスとし、(ii)セルロースナノファイバー(CNF)及び化学修飾されたセルロースをフィラーとする、ナノコンポジットともいえる。
通常、ナノコンポジットの設計においては、マトリクス成分の熱可塑性、マトリクス成分へのフィラーの均一な分散及びマトリクス成分とフィラーとの親和性が重要である。本発明では、マトリクス成分の熱可塑性を好適にするために、リグニン及びヘミセルロースの水酸基の化学修飾が有効に機能している。未修飾の状態でもリグニンは熱可塑性を示すが、化学修飾することでその官能基がリグニン同士の相互結合作用を阻害し、熱可塑性が向上したと考える。
ヘミセルロースは、通常、水酸基による水素結合で自身同士が結びついており、熱可塑性をほぼ示さない。本発明では、この水素結合を化学修飾により阻害することにより、ヘミセルロースの熱可塑性も向上したと考える。
マトリクス成分へのフィラーの均一な分散にも、ヘミセルロースの水酸基の化学修飾が有効に機能していると考える。未修飾の状態では、ヘミセルロースはCNFを束ねる役割を果たしているが、上記の通りヘミセルロースの熱可塑性が向上したことで、CNFが束の状態から開放されたと考える。
木質材料は、複数のCNFをヘミセルロースが束ね、その集合体をリグニンが接着剤として固めることで、マトリクス成分とフィラーの親和性が保たれている。本発明では化学修飾の程度を適度に制御しているので、この天然由来の機能を損なわない程度に抑えているものと考えられる。
これらの効果が合わさって、相乗的に作用し、本発明の効果が得られたと考える。
化学修飾にて導入すべき官能基として、式(1)及び式(2)に示す官能基が優れた理由は、水素結合の阻害性、リグニン同士の相互作用の阻害性、リグニン,ヘミセルロース,CNFの親和性を損なわないこと等、バランスが優れたためであると考える。
Figure 2018150414

Claims (14)

  1. 化学修飾リグノセルロースの熱圧成形体であって、
    前記化学修飾リグノセルロースが、(a)及び(b)の特性を有する、熱圧成形体:
    特性(a)
    (a-1)リグノセルロース中に存在する水酸基の一部が、下式(1):
    Figure 2018150414
    (式中、R1及びR2は、夫々水素原子、メチル基、エチル基又は分岐鎖を有してもよい炭素数3〜20のアルケニル基若しくはアルキル基を示す。但し、R1及びR2のいずれか一方の炭素数が4〜20のときは、R1及びR2のいずれか一方は水素原子である。)
    で表される、カルボキシ基含有アシル基でハーフエステル化されていること、
    又は、
    (a-2)リグノセルロース中に存在する水酸基の一部が、下式(2):
    -(CH2n-COOH ・・・・(2)
    (式中、nは1〜3の整数を示す。)
    で表されるカルボキシアルキル基でエーテル化されていること、
    特性(b)
    (b-1)前記ハーフエステル化されたリグノセルロース中の水酸基の水素原子の置換度が0.01〜0.4であること、
    又は、
    (b-2)前記エーテル化されたリグノセルロース中の水酸基の水素原子の置換度が0.01〜0.4であること。
  2. 請求項1に記載の熱圧成形体であって、
    前記化学修飾リグノセルロースが、(a)及び(b)の特性を有する、熱圧成形体:
    特性(a)
    (a-1)前記リグノセルロース中に存在する水酸基の一部が、下式(1):
    Figure 2018150414
    で表される、カルボキシ基含有アシル基でハーフエステル化されていること、
    特性(b)
    (b-1)前記ハーフエステル化されたリグノセルロース中の水酸基の水素原子の置換度が0.1〜0.4であること。
  3. 請求項1に記載の熱圧成形体であって、
    前記化学修飾リグノセルロースが、(a)及び(b)の特性を有する、熱圧成形体:
    特性(a)
    (a-2)リグノセルロース中に存在する水酸基の一部が、下式(2):
    -(CH2n-COOH ・・・・(2)
    (式中、nは1の整数を示す。)
    で表されるカルボキシアルキル基でエーテル化されていること、
    特性(b)
    (b-2)前記エーテル化されたリグノセルロース中の水酸基の水素原子の置換度が0.01〜0.3であること。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の熱圧成形体であって、
    前記化学修飾リグノセルロースのリグニン成分含有量が、2〜40質量%である、
    熱圧成形体。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の熱圧成形体であって、更に熱可塑性樹脂を含有する、熱圧成形体。
  6. 化学修飾リグノセルロースの熱圧成形体の製造方法であって、
    化学修飾リグノセルロース繊維からなる繊維集合体を加熱下に圧縮する工程を含み、
    前記化学修飾リグノセルロース繊維が、(a)及び(b)の特性を有する、熱圧成形体の製造方法:
    特性(a)
    (a-1)リグノセルロース中に存在する水酸基の一部が、下式(1):
    Figure 2018150414
    で表される、カルボキシ基含有アシル基でハーフエステル化されていること、
    又は、
    (a-2)リグノセルロース中に存在する水酸基の一部が、下式(2):
    -(CH2n-COOH ・・・・(2)
    (式中、nは1〜3の整数を示す。)
    で表されるカルボキシアルキル基でエーテル化されていること、
    特性(b)
    (b-1)前記ハーフエステル化されたリグノセルロース中の水酸基の水素原子の置換度が0.01〜0.4であること、
    又は、
    (b-2)前記エーテル化されたリグノセルロース中の水酸基の水素原子の置換度が0.01〜0.4であること。
  7. 請求項6に記載の熱圧成形体の製造方法であって、
    前記化学修飾リグノセルロース繊維が、(a)及び(b)の特性を有する、熱圧成形体の製造方法:
    特性(a)
    (a-1)前記リグノセルロース中に存在する水酸基の一部が、下式(1):
    Figure 2018150414
    で表される、カルボキシ基含有アシル基でハーフエステル化されていること、
    特性(b)
    (b-1)前記ハーフエステル化されたリグノセルロース中の水酸基の水素原子の置換度が0.1〜0.4であること。
  8. 請求項6に記載の熱圧成形体の製造方法であって、
    前記化学修飾リグノセルロース繊維が、(a)及び(b)の特性を有する、熱圧成形体の製造方法:
    特性(a)
    (a-2)リグノセルロース中に存在する水酸基の一部が、下式(2):
    -(CH2n-COOH ・・・・(2)
    (式中、nは1の整数を示す。)
    で表されるカルボキシアルキル基でエーテル化されていること、
    特性(b)
    (b-2)前記エーテル化されたリグノセルロース中の水酸基の水素原子の置換度が0.01〜0.3であること。
  9. 請求項6〜8のいずれかに記載の熱圧成形体の製造方法であって、
    前記化学修飾リグノセルロース繊維の平均繊維径が、20nm〜50μmである、
    熱圧成形体の製造方法。
  10. 請求項6〜9のいずれかに記載の熱圧成形体の製造方法であって、
    前記化学修飾リグノセルロース繊維のリグニン成分含有量が、2〜40質量%である、
    熱圧成形体の製造方法。
  11. 請求項6〜10のいずれかに記載の熱圧成形体の製造方法であって、
    前記化学修飾リグノセルロース繊維からなる繊維集合体を、加熱する温度が160〜240℃であり、圧縮する圧力が30 MPa〜100 MPaである、熱圧成形体の製造方法。
  12. 請求項6〜11のいずれかに記載の熱圧成形体の製造方法であって、
    化学修飾リグノセルロース繊維からなる繊維集合体として、更に熱可塑性樹脂を含む繊維集合体を使用する、熱圧成形体の製造方法。
  13. 化学修飾リグノセルロースの熱圧成形体の製造方法であって、
    下記第1工程及び第2工程を含む、熱圧成形体の製造方法:
    (1)第1工程
    (a-1)リグノセルロース繊維に、下式(3):
    Figure 2018150414
    で表されるコハク酸無水物又はその誘導体を反応させて、前記リグノセルロース中に存在する水酸基の一部を、下式(1):
    Figure 2018150414
    で表される、カルボキシ基含有アシル基でハーフエステル化することにより、
    前記ハーフエステル化するリグノセルロース中の水酸基の水素原子の置換度を0.01〜0.4とすることで、化学修飾リグノセルロース繊維を製造する工程、
    又は、
    (a-2)リグノセルロース繊維に、下式(4):
    X-(CH2n-COOH ・・・・(4)
    (式中nは、1〜3の整数を示す。Xは、Cl、Br及びIからなる群から選ばれるハロゲン原子を示す。)
    で表されるハロゲノアルキルカルボン酸を反応させて、前記リグノセルロース中に存在する水酸基の一部を、下式(2):
    -(CH2n-COOH ・・・・(2)
    (式中、nは1〜3の整数を示す。)
    で表されるカルボキシアルキル基でエーテル化することにより、
    前記エーテル化するリグノセルロース中の水酸基の水素原子の置換度を0.01〜0.4とすることで、化学修飾リグノセルロース繊維を製造する工程、
    (2)第2工程
    前記第1工程で得られた化学修飾リグノセルロース繊維からなる繊維集合体を、加熱下に圧縮する工程。
  14. 請求項13に記載の熱圧成形体の製造方法であって、
    前記化学修飾リグノセルロース繊維からなる繊維集合体を、加熱する温度が160〜240℃であり、圧縮する圧力が30 MPa〜100 MPaである、熱圧成形体の製造方法。
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