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JP2018150413A - 水性インク、インクカートリッジ、及びインクジェット記録方法 - Google Patents

水性インク、インクカートリッジ、及びインクジェット記録方法 Download PDF

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JP2018150413A JP2017045714A JP2017045714A JP2018150413A JP 2018150413 A JP2018150413 A JP 2018150413A JP 2017045714 A JP2017045714 A JP 2017045714A JP 2017045714 A JP2017045714 A JP 2017045714A JP 2018150413 A JP2018150413 A JP 2018150413A
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到 辻
Itaru Tsuji
到 辻
勇輝 西野
Isateru Nishino
勇輝 西野
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Abstract

【課題】光学濃度の高い画像を記録することが可能な水性インクを提供する。【解決手段】顔料、第1の樹脂、及び第2の樹脂を含有する水性インクである。第1の樹脂が、芳香環を有する単量体に由来するユニットで構成されるブロックAと、(メタ)アクリル酸エステルに由来するユニットで構成されるブロックBと、(メタ)アクリル酸に由来するユニットで構成されるブロックCと、を有するブロック共重合体であり、第2の樹脂が、酸価が40mgKOH/g以上のウレタン樹脂であることを特徴とする。【選択図】なし

Description

本発明は、水性インク、インクカートリッジ、及びインクジェット記録方法に関する。
近年、インクジェット記録方法に用いるインクには、高いレベルの堅牢性(光、オゾンガス、水などに対する耐性)を有する画像を記録できることが要求されており、顔料を色材として用いたインク(顔料インク)が利用される機会が増加している。さらに、インクジェット記録方法に用いるインクには、銀塩写真に匹敵する高品位な画像を出力可能であることも要求されている。しかし、顔料インクには、顔料が粒子の形態であることに起因して、分子の状態で水性媒体中に溶解している染料を用いたインク(染料インク)と比べて、記録される画像の光沢性が低いといった課題がある。さらに、顔料インクを用いて画像を記録した場合には、ブロンズ現象が発生しやすいことも知られている。
上記のような課題を解決すべく、例えば、ブロック共重合体及びウレタン樹脂エマルションを含有するインクジェット用のインクが提案されている(特許文献1)。また、コート紙に記録する画像の耐擦過性及び発色性を向上すべく、ブロック共重合体及びウレタン樹脂を添加したインクジェット用のインクが提案されている(特許文献2)。
特開2012−072357号公報 特開2011−001443号公報
本発明者らは、ブロック共重合体を添加した従来のインクについて検討した。その結果、記録される画像の光学濃度はわずかに向上するものの、近年要求される高いレベルの光学濃度には至っていないことが判明した。
また、特許文献1で提案されたインクで画像を記録すると、ウレタン樹脂エマルションに起因して画像の光沢性が低下しやすいこと、及び光沢性の低下によって画像の光学濃度も低下することがわかった。さらに、特許文献2で提案されたインクを用いても、記録される画像の発色性はさほど向上しないことが判明した。
したがって、本発明の目的は、光学濃度の高い画像を記録することが可能な水性インクを提供することにある。また、本発明の別の目的は、前記水性インクを用いたインクカートリッジ、及びインクジェット記録方法を提供することにある。
上記の目的は以下の本発明によって達成される。すなわち、本発明によれば、顔料、第1の樹脂、及び第2の樹脂を含有する水性インクであって、前記第1の樹脂が、芳香環を有する単量体に由来するユニットで構成されるブロックAと、(メタ)アクリル酸エステルに由来するユニットで構成されるブロックBと、(メタ)アクリル酸に由来するユニットで構成されるブロックCと、を有するブロック共重合体であり、前記第2の樹脂が、酸価が40mgKOH/g以上のウレタン樹脂であることを特徴とする水性インクが提供される。
本発明によれば、光学濃度の高い画像を記録することが可能な水性インクを提供することができる。また、本発明によれば、この水性インクを用いたインクカートリッジ、及びインクジェット記録方法を提供することができる。
本発明のインクカートリッジの一実施形態を模式的に示す断面図である。 本発明のインクジェット記録方法に用いられるインクジェット記録装置の一例を模式的に示す図であり、(a)はインクジェット記録装置の主要部の斜視図、(b)はヘッドカートリッジの斜視図である。
以下に、好ましい実施の形態を挙げて、さらに本発明を詳細に説明する。本発明においては、化合物が塩である場合は、インク中では塩はイオンに解離して存在しているが、便宜上、「塩を含有する」と表現する。また、インクジェット用の水性インクのことを、単に「インク」と記載することがある。物性値は、特に断りのない限り、常温(25℃)における値である。樹脂の「ユニット」とは、1の単量体に由来する繰り返し単位を意味する。
種々検討した結果、本発明者らは、以下に示す構成を採用することで、光学濃度の高い画像を記録可能な水性インクが得られることを見出した。すなわち、本発明の水性インクは、顔料、第1の樹脂、及び第2の樹脂を含有する水性インクである。第1の樹脂は、以下に示すブロックAと、ブロックBと、ブロックCとを有するブロック共重合体である。そして、第2の樹脂は、酸価が40mgKOH/g以上のウレタン樹脂である。このような構成を採用することで記録される画像の光学濃度が向上する理由について、本発明者らは次のように推測している。
ブロックA:芳香環を有する単量体に由来するユニットで構成されるポリマーブロック。
ブロックB:(メタ)アクリル酸エステルに由来するユニットで構成されるポリマーブロック。
ブロックC:(メタ)アクリル酸に由来するユニットで構成されるポリマーブロック。
光沢紙などの記録媒体に顔料を含有するインクを付与すると、顔料は記録媒体に浸透せず、記録媒体の表面に残る。そして、顔料と樹脂の一部が記録媒体の表面上に残存して顔料層が形成され、画像が記録される。ここで、顔料の粒子同士がより密に詰まっている方が、顔料層における光の内部散乱が抑制され、画像の光学濃度が向上すると考えられる。ここで、疎水性ユニットであるブロックA及びブロックBと、親水性ユニットであるブロックCとが分離して配置されたブロック共重合体が顔料の粒子に密着すると、顔料の粒子同士がより密に詰まる。これにより、顔料層における光の内部散乱が抑制されて画像の光学濃度が向上する。
また、記録媒体に付与されるインクドット同士の密着性も、顔料層における光の内部散乱に影響を及ぼすと考えられる。表面エネルギーが高いウレタン樹脂をインクに含有させることで、インクドット同士の密着性を向上させることができる。このため、光沢紙などの記録媒体上に形成される顔料層の密度が上昇するとともに、光の内部散乱が抑制されて、画像の光学濃度が向上すると考えられる。
<インク>
本発明のインクは、顔料、第1の樹脂、及び第2の樹脂を含有する水性インクである。以下、本発明のインクを構成する各成分などについて詳細に説明する。
(顔料)
本発明のインクは、無機顔料や有機顔料などの顔料を色材として含有する。無機顔料としては、カーボンブラック、炭酸カルシウム、酸化チタンなどを挙げることができる。有機顔料としては、アゾ、フタロシアニン、キナクドリンなどを挙げることができる。また、調色などの目的のために、色材として染料を併用してもよい。インク中の顔料の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、0.1質量%以上10.0質量%以下であることが好ましく、1.0質量%以上10.0質量%以下であることがさらに好ましく、2.0質量%以上8.0質量%以下であることが特に好ましい。
顔料を分散方式で分類すると、樹脂分散剤を用いる樹脂分散顔料や、樹脂分散剤を必要としない自己分散顔料などを挙げることができる。本発明のインクには、いずれの分散方式の顔料であっても用いることができる。第2の樹脂であるウレタン樹脂により形成される膜の特性を効率よく発揮させて画像の耐擦過性を高めるには、ウレタン樹脂と顔料との相互作用をある程度抑制することが好ましい。このため、ウレタン樹脂以外の樹脂(例えば、アクリル樹脂など)を樹脂分散剤として用いた樹脂分散顔料や、樹脂分散剤を必要としない自己分散顔料を用いることが好ましい。
樹脂分散剤は、親水性ユニット及び疎水性ユニットを構成ユニットとして有する樹脂であることが好ましい。また、樹脂分散剤は、(メタ)アクリル酸に由来するユニットや、(メタ)アクリルエステルに由来するユニットなどのアクリル成分を少なくとも有するアクリル樹脂であることが好ましく、水溶性アクリル樹脂であることがさらに好ましい。「水溶性アクリル樹脂」とは、水及び水溶性有機溶剤の混合溶媒である水性媒体に溶解し、動的光散乱法で測定した際に粒子径を有しない状態で水性媒体中に存在しうる樹脂を意味する。なお、以下の記載における「(メタ)アクリル」とは、「アクリル」及び「メタクリル」を意味し、「(メタ)アクリレート」とは、「アクリレート」及び「メタクリレート」を意味する。
親水性ユニットは、酸基やヒドロキシ基などの親水性基を有するユニットである。親水性ユニットは、例えば、親水性基を有するモノマーを重合することで形成することができる。親水性基を有するモノマーの具体例としては、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸などのカルボキシ基を有する酸性モノマー、及びこれらの酸性モノマーの無水物や塩などのアニオン性モノマー;(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピルなどのヒドロキシ基を有するモノマー;メトキシ(モノ、ジ、トリ、ポリ)エチレングリコール(メタ)アクリレートなどのエチレンオキサイド基を有するモノマーなどを挙げることができる。アニオン性モノマーの塩を構成するカチオンとしては、リチウム、ナトリウム、カリウム、アンモニウム、有機アンモニウムなどのイオンを挙げることができる。
樹脂分散剤は、酸価を有する樹脂であることが好ましい。このため、上記のアニオン性モノマーに由来するユニットを親水性ユニットとして含む樹脂を樹脂分散剤として用いることが好ましい。樹脂分散剤は、通常、アルカリ金属(リチウム、ナトリウム、カリウムなど)の水酸化物やアンモニア水などの中和剤により中和されることで水溶性となる。
疎水性ユニットは、酸基やヒドロキシ基などの親水性基を有しないユニットである。疎水性ユニットは、例えば、疎水性基を有するモノマーを重合することで形成することができる。疎水性基を有するモノマーの具体例としては、スチレン、α−メチルスチレン、ベンジル(メタ)アクリレートなどの芳香環を有するモノマー;エチル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート、(イソ)プロピル(メタ)アクリレート、(n−、iso−、t−)ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレートなどの脂肪族基を有するモノマーなどを挙げることができる。
インク中の樹脂分散剤の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、0.1質量%以上10.0質量%以下であることが好ましく、0.2質量%以上4.0質量%以下であることがさらに好ましい。
自己分散顔料としては、顔料の粒子表面に直接又は他の原子団(−R−)を介して酸基が結合したものを用いることができる。酸基としては、カルボン酸基、スルホン酸基、リン酸基、ホスホン酸基などを挙げることができる。酸基のカウンターイオンとしては、水素原子、アルカリ金属、アンモニウム(NH4)、有機アンモニウムなどのカチオンを挙げることができる。他の原子団(−R−)としては、アルキレン基、アリーレン基、アミド基、スルホニル基、イミノ基、カルボニル基、エステル基、エーテル基、これらの基を組み合わせた基などを挙げることができる。
(第1の樹脂)
本発明のインクは、第1の樹脂として、ブロックA、ブロックB、及びブロックCを有するブロック共重合体を含有する。ブロックAは、芳香環を有する単量体に由来するユニットで構成されるポリマーブロックである。芳香環を有する単量体としては、ベンジル(メタ)アクリレート、スチレン、α−メチルスチレンなどを挙げることができる。ブロックBは、(メタ)アクリル酸エステルに由来するユニットで構成されるポリマーブロックである。(メタ)アクリル酸エステルとしては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシルなどを挙げることができる。また、ブロックCは、(メタ)アクリル酸に由来するユニットで構成されるポリマーブロックである。これらの単量体は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。本明細書における「(メタ)アクリル…」とは、「アクリル…」及び「メタクリル…」を意味する。インク中の第1の樹脂の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、0.1質量%以上5.0質量%以下であることが好ましく、0.1質量%以上0.5質量%以下であることがさらに好ましい。
第1の樹脂に占めるブロックAの割合(質量%)は、第1の樹脂全質量を基準として、50.0質量%以下であることが好ましい。ブロックAは、芳香環を有する単量体に由来するユニットで構成されているため、剛直であるとともに、π−π相互作用により顔料に強く密着しうるポリマーブロックである。第1の樹脂に占めるブロックAの割合が50.0質量%超であると、ブロックAの剛直な特性が顕著となるため、第1の樹脂自体が嵩張りやすくなる傾向にある。このため、第1の樹脂の顔料に対する密着性が低下しやすくなり、画像の光学濃度を向上させる効果がやや低くなることがある。第1の樹脂に占めるブロックAの割合(質量%)は、第1の樹脂全質量を基準として、20.0質量%以上であることが好ましい。
第1の樹脂に占めるブロックBの割合(質量%)は、第1の樹脂全質量を基準として、20.0質量%以上60.0質量%以下であることが好ましい。また、第1の樹脂に占めるブロックCの割合(質量%)は、第1の樹脂全質量を基準として、10.0質量%以上40.0質量%以下であることが好ましい。
インク中の第1の樹脂の含有量(質量%)は、顔料の含有量(質量%)に対する質量比率で、0.02倍以上0.50倍以下であることが好ましい。上記の質量比率が0.02倍未満であると、顔料に吸着する第1の樹脂の量が少なくなり、画像の光学濃度を向上させる効果がやや低くなる場合がある。一方、上記の質量比率が0.50倍超であると、第1の樹脂が光沢紙などの記録媒体上に残りやすくなり、画像の光学濃度を向上させる効果がやや低くなる場合がある。
[合成方法]
第1の樹脂として用いるブロック共重合体は、従来一般的に用いられている重合方法にしたがって合成することができる。重合方法の具体例としては、リビングラジカル重合法、リビングアニオン重合法などを挙げることができる。
[分析方法]
第1の樹脂の組成や分子量については、従来公知の方法により分析することができる。また、インクを遠心分離して得られる沈降物と上澄み液を分析することで、第1の樹脂の組成や分子量を確認することができる。インクの状態でも第1の樹脂を解析することはできるが、インクから抽出した第1の樹脂を解析すると、測定精度を高めることができるために好ましい。例えば、インクを75,000rpmで遠心分離して分取した上澄み液に、過剰の酸(塩酸など)を添加して、樹脂を析出させる。析出した樹脂にクロロホルムを添加すると、ウレタン樹脂が溶解するので、不溶分を分取することによって第1の樹脂を抽出することができる。抽出した第1の樹脂を高温ガスクロマトグラフィー/質量分析計(高温GC/MS)を用いて分析することで、ブロック共重合体を構成しているユニットの種類などを確認することができる。
また、抽出した第1の樹脂を核磁気共鳴法(13C−NMR)やフーリエ変換型赤外分光光度計(FT−IR)によって定量的に分析することで、分子量などを確認することができる。さらに、第1の樹脂の酸価は滴定法により測定することができる。後述する実施例では、樹脂をテトラヒドロフランに溶解し、電位差自動滴定装置(商品名「AT510」、京都電子工業製)を使用して、水酸化カリウムエタノール滴定液を用いた電位差滴定法により測定した。第1の樹脂の重量平均分子量及び数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定することができる。GPCの測定条件は以下に示す通りである。
・装置:Alliance GPC 2695(Waters製)
・カラム:Shodex KF−806Mの4連カラム(昭和電工製)
・移動相:テトラヒドロフラン(特級)
・流速:1.0mL/min
・オーブン温度:40.0℃
・試料溶液の注入量:0.1mL
・検出器:RI(屈折率)
・ポリスチレン標準試料:PS−1及びPS−2(Polymer Laboratories製、分子量:7,500,000、2,560,000、841,700、377,400、320,000、210,500、148,000、96,000、59,500、50,400、28,500、20,650、10,850、5,460、2,930、1,300、580の17種)
[特性]
GPCにより測定される第1の樹脂(ブロック共重合体)のポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)は、3,000以上25,000以下であることが好ましい。第1の樹脂の重量平均分子量が3,000未満であると、第1の樹脂が小さくなるため光沢紙に残りにくくなり、画像の光学濃度を向上させる効果がやや低くなる場合がある。一方、第1の樹脂の重量平均分子量が25,000超であると、光沢紙などの記録媒体上に残りすぎることがあるとともに、嵩高くなるために内部散乱が生ずる要因となる場合がある。このため、画像の光学濃度向上させる効果がやや低くなる場合がある。
第1の樹脂の分子量分布の値(Mw/Mnの値)は、1.0≦「Mw/Mn」≦2.0であることが好ましい。Mwは、GPCにより測定される第1の樹脂のポリスチレン換算の重量平均分子量を意味し、Mnは、GPCにより測定される第1の樹脂のポリスチレン換算の数平均分子量を意味する。Mw/Mnの値は、原理的に1.0以上である。Mw/Mnの値が1.0に近づくほど単分散であることを意味する。Mw/Mnの値が2.0超であると、高分子量や低分子量のブロック共重合体の混在割合が多いため、画像の光学濃度を向上させる効果がやや低くなる場合がある。
第1の樹脂の酸価は、80mgKOH/g以上250mgKOH/g以下であることが好ましい。第1の樹脂の酸価が80mgKOH/g未満であると、水溶性が低いために光沢紙などの記録媒体上に残りやすくなり、画像の光沢性を向上させる効果がやや低くなるとともに、光学濃度を向上させる効果がやや低くなる場合がある。一方、第1の樹脂の酸価が250mgKOH/g超であると、親水性が高いため、第1の樹脂が顔料の粒子表面に吸着しにくくなる。また、記録媒体上にも残りにくくなるため、画像の光学濃度を向上させる効果がやや低くなる場合がある。
(第2の樹脂)
本発明のインクは、第2の樹脂として、酸価が40mgKOH/g以上のウレタン樹脂を含有する。インク中の第2の樹脂の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、0.1質量%以上10.0質量%以下であることが好ましく、0.5質量%以上3.0質量%以下であることがさらに好ましい。第2の樹脂の含有量が0.1質量%未満であると、光沢紙などの記録媒体に記録する画像の光学濃度を向上させる効果がやや低くなる場合がある。一方、第2の樹脂の含有量が10.0質量%超であると、光沢紙などの記録媒体に記録する画像の光学濃度を向上させる効果がやや低くなる場合がある。
ウレタン樹脂としては、例えば、ポリイソシアネート、酸基を有しないポリオール、酸基を有するポリオール、及びポリアミンなどに由来するユニットを有するウレタン樹脂を用いることができる。
[ポリイソシアネート]
ポリイソシアネートは、その分子構造中に2以上のイソシアネート基を有する化合物である。ポリイソシアネートとしては、脂肪族ポリイソシアネート、芳香族ポリイソシアネートなどを用いることができる。ウレタン樹脂に占める、ポリイソシアネートに由来するユニットの割合(質量%)は、10.0質量%以上80.0質量%以下であることが好ましい。
脂肪族ポリイソシアネートとしては、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、2−メチルペンタン−1,5−ジイソシアネート、3−メチルペンタン−1,5−ジイソシアネートなどの鎖状構造を有するポリイソシアネート;イソホロンジイソシアネート、水素添加キシリレンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、メチルシクロヘキシレンジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサンなどの環状構造を有するポリイソシアネート;などを挙げることができる。
芳香族ポリイソシアネートとしては、トリレンジイソシアネート、2,2’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジベンジルジイソシアネート、1,5−ナフチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、1,3−フェニレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、ジアルキルジフェニルメタンジイソシアネート、テトラアルキルジフェニルメタンジイソシアネート、α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネートなどを挙げることができる。これらのポリイソシアネートのなかでも、脂肪族ポリイソシアネートを用いることが好ましい。さらに、脂肪族ポリイソシアネートのなかでも、環状構造を有するものが好ましく、イソホロンジイソシアネートがさらに好ましい。
[ポリオール、ポリアミン]
ポリオールは、その分子構造中に2以上のヒドロキシ基を有する化合物である。ポリオールとしては、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオールなどの酸基を有しないポリオール;酸基を有するポリオール;などを挙げることができる。また、ポリアミンは、その分子構造中に2以上のアミノ基を有する化合物である。ウレタン樹脂に占める、ポリオール及びポリアミンに由来するユニットの割合(モル%)は、10.0モル%以上80.0モル%以下であることが好ましく、20.0モル%以上60.0モル%以下であることがさらに好ましい。
〔酸基を有しないポリオール〕
ポリエーテルポリオールとしては、アルキレンオキサイド及びポリオール類の付加重合物;(ポリ)アルキレングリコールなどのグリコール類;などを挙げることができる。アルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、α−オレフィンオキサイドなどを挙げることができる。アルキレンオキサイドと付加重合させるポリオール類としては、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、4,4−ジヒドロキシフェニルプロパン、4,4−ジヒドロキシフェニルメタン、水素添加ビスフェノールA、ジメチロール尿素及びその誘導体などのジオール;グリセリン、トリメチロールプロパン、1,2,5−ヘキサントリオール、1,2,6−ヘキサントリオール、ペンタエリスリトール、トリメチロールメラミン及びその誘導体、ポリオキシプロピレントリオールなどのトリオール;などを挙げることができる。グリコール類としては、テトラメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、(ポリ)テトラメチレングリコール、ネオペンチルグリコールなどの(ポリ)アルキレングリコール;エチレングリコール−プロピレングリコール共重合体;などを挙げることができる。
ポリエステルポリオールとしては、酸エステルなどを挙げることができる。酸エステルを構成する酸成分としては、フタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ビフェニルジカルボン酸、テトラヒドロフタル酸などの芳香族ジカルボン酸;これらの芳香族ジカルボン酸の水素添加物などの脂環族ジカルボン酸;マロン酸、コハク酸、酒石酸、シュウ酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、アルキルコハク酸、リノレイン酸、マレイン酸、フマル酸、メサコン酸、シトラコン酸、イタコン酸などの脂肪族ジカルボン酸;などを挙げることができる。これらの無水物、塩、誘導体(アルキルエステル、酸ハライド)なども酸成分として用いることができる。また、酸成分とエステルを形成する成分としては、ジオール、トリオールなどのポリオール類;(ポリ)アルキレングリコールなどのグリコール類;などを挙げることができる。ポリオール類やグリコール類としては、上記のポリエーテルポリオールを構成する成分として例示したものを挙げることができる。
ポリカーボネートポリオールとしては、公知の方法で製造されるポリカーボネートポリオールを用いることができる。具体的には、ポリヘキサメチレンカーボネートジオールなどのアルカンジオール系ポリカーボネートジオールなどを挙げることができる。また、アルキレンカーボネート、ジアリールカーボネート、ジアルキルカーボネートなどのカーボネート成分やホスゲンと、脂肪族ジオール成分と、を反応させて得られるポリカーボネートジオールなどを挙げることができる。
ウレタン樹脂中の、ポリオールに由来するユニットの合計量に占める、酸基を有しないポリオールに由来するユニットの割合(モル%)は、1.0%以上100.0モル%以下であることが好ましい。また、5.0モル%以上50.0モル%以下であることがさらに好ましく、10.0モル%以上30.0モル%以下であることが特に好ましい。
〔酸基を有するポリオール〕
酸基を有するポリオールとしては、カルボン酸基、スルホン酸基、リン酸基、ホスホン酸基などの酸基を有するポリオールを挙げることができる。酸基は、カルボン酸基であることが好ましい。カルボン酸基を有するポリオールとしては、ジメチロール酢酸、ジメチロールプロピオン酸、ジメチロールブタン酸、ジメチロール酪酸などを挙げることができる。なかでも、ジメチロールプロピオン酸、ジメチロールブタン酸が好ましい。酸基を有するポリオールの酸基は塩型であってもよい。塩を形成するカチオンとしては、リチウム、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属のイオン;アンモニウムイオン、ジメチルアミンなどの有機アミンのカチオンなどを挙げることができる。汎用の酸基を有するポリオールの分子量は大きくても400程度であるので、酸基を有するポリオールに由来するユニットは、基本的にはウレタン樹脂のハードセグメントとなる。ウレタン樹脂の酸価は、酸基含有ジオールの使用量によって調整することができる。
ウレタン樹脂中の、ポリオールに由来するユニットの合計量に占める、酸基を有するポリオールに由来するユニットの割合(モル%)は、0.0モル%以上100.0モル%以下であることが好ましい。また、30.0モル%以上90.0モル%以下であることがさらに好ましく、50.0モル%以上90.0モル%以下であることが特に好ましい。
〔ポリアミン〕
ポリアミンとしては、ジメチロールエチルアミン、ジエタノールメチルアミン、ジプロパノールエチルアミン、ジブタノールメチルアミンなどの複数のヒドロキシ基を有するモノアミン;エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキシレンジアミン、イソホロンジアミン、キシリレンジアミン、ジフェニルメタンジアミン、水素添加ジフェニルメタンジアミン、ヒドラジンなどの2官能ポリアミン;ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ポリアミドポリアミン、ポリエチレンポリイミンなどの3官能以上のポリアミン;などを挙げることができる。便宜上、複数のヒドロキシ基と、1つの「アミノ基、イミノ基」を有する化合物も「ポリアミン」として列挙した。ポリアミンの分子量は大きくても400程度であるので、ポリアミンに由来するユニットは、基本的にはウレタン樹脂のハードセグメントとなる。ウレタン樹脂に占める、ポリアミンに由来するユニットの割合(モル%)は、10.0モル%以下であることが好ましく、5.0モル%以下であることがさらに好ましい。ウレタン樹脂に占める、ポリアミンに由来するユニットの割合(モル%)は、0.0モル%であってもよい。
[架橋剤、鎖延長剤]
ウレタン樹脂を合成する際には、架橋剤や鎖延長剤を用いることができる。通常、架橋剤はプレポリマーの合成の際に用いられ、鎖延長剤は予め合成されたプレポリマーに対して鎖延長反応を行う際に用いられる。基本的には、架橋剤や鎖延長剤としては、架橋や鎖延長など目的に応じて、水や、ポリイソシアネート、ポリオール、ポリアミンなどから適宜に選択して用いることができる。鎖延長剤として、ウレタン樹脂を架橋させることができるものを用いることもできる。
[ウレタン樹脂の物性、特性]
〔酸価〕
第2の樹脂(ウレタン樹脂)の酸価は、40mgKOH/g以上である。ウレタン樹脂の酸価が40mgKOH/g未満であると、インクに対するウレタン樹脂の溶解度が低下してエマルションの状態となりやすくなる。このため、画像の光学濃度が不十分となる。第2の樹脂(ウレタン樹脂)の酸価は、150mgKOH/g以下であることが好ましい。
ウレタン樹脂の酸価は、滴定法により測定することができる。後述する実施例においては、ウレタン樹脂をテトラヒドロフランに溶解したものを測定試料とて用意した。そして、流動電位滴定ユニット(PCD−500)を搭載した電位差自動滴定装置(商品名「AT510」、京都電子工業製)を使用し、水酸化カリウムエタノール滴定液で電位差滴定することで、ウレタン樹脂の酸価を測定した。
〔重量平均分子量〕
GPCにより測定される第2の樹脂(ウレタン樹脂)のポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)は、20,000以下であることが好ましい。ウレタン樹脂の重量平均分子量が20,000超であると、第2の樹脂が嵩高くなりすぎてインクドット同士の密着性を十分に向上させるの難しい場合があるため、画像の光学濃度を向上させる効果がやや低くなる場合がある。第2の樹脂(ウレタン樹脂)のポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)は、5,000以上であることが好ましい。
ウレタン樹脂の重量平均分子量は、GPCにより測定することができる。後述の実施例では、テトラヒドロフランに溶解したウレタン樹脂を測定用試料とし、前述の第1の樹脂(ブロック共重合体)の分子量を測定する条件と同様の条件にて測定した。
〔合成方法〕
ウレタン樹脂は、従来の一般的なウレタン樹脂の合成方法にしたがって合成することができる。例えば、以下に示す方法にしたがってウレタン樹脂を合成することができる。ポリイソシアネート、酸基を有しないポリオール、及び酸基を有するポリオールをイソシアネート基が過剰になるような当量比で、沸点が100℃以下の有機溶剤の存在下又は非存在下で反応させる。これにより、分子末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーを合成する。次いで、中和剤を用いて、合成したウレタンプレポリマー中のカルボン酸基やスルホン酸基などの酸性基を中和する。その後、酸性基を中和したウレタンプレポリマーを、鎖延長剤を含有する水溶液中に投入して反応させた後、系内に残存する有機溶剤を必要に応じて除去すれば、ウレタン樹脂を得ることができる。
〔分析方法〕
ウレタン樹脂の組成は、以下に示す方法により分析することができる。まず、インクからウレタン樹脂を抽出する方法について説明する。インクからウレタン樹脂を抽出するには、インクを80,000rpmで遠心分離して分取した上澄み液に、過剰の酸(塩酸など)を添加して、樹脂を析出させる。析出した樹脂にクロロホルムを添加すると、ウレタン樹脂が溶解するので、液相から第2の樹脂を抽出することができる。さらに、クロロホルム以外にも、顔料とブロック共重合体を溶解しないが、ウレタン樹脂は溶解するようなヘキサンなどのような有機溶剤を用いてもよい。インクの状態でもウレタン樹脂を解析することはできるが、インクから抽出したウレタン樹脂を解析すると、測定精度を高めることができるために好ましい。
分取したウレタン樹脂を乾燥させた後、重水素化ジメチルスルホキシド(重DMSO)に溶解し、プロトン核磁気共鳴法(1H−NMR)により分析する。そして、得られたピークの位置から、ポリイソシアネート、酸基を有しないポリオール、酸基を有するポリオール、及びポリアミンなどの種類を確認することができる。さらに、各ピークの積算値の比率から、組成比を算出することができる。また、カーボン核磁気共鳴分光法(13C−NMR)により分析し、酸基を有しないポリオールに由来するユニットの繰り返し数を求めることで、数平均分子量を算出することができる。熱分解ガスクロマトグラフィーにより分析しても、ポリイソシアネート、ポリオール、ポリアミンなどの種類を確認することができる。
(水性媒体)
本発明のインクは、水を含む水性媒体を含有する水性インクである。水としては、脱イオン水(イオン交換水)を用いることが好ましい。インク中の水の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、10.0質量%以上90.0質量%以下であることが好ましく、50.0質量%以上90.0質量%以下であることがさらに好ましい。
水性媒体には、さらに水溶性有機溶剤を含有させることができる。水溶性有機溶剤としては、1価アルコール、多価アルコール、(ポリ)アルキレングリコール、グリコールエーテル、含窒素極性溶媒、含硫黄極性溶媒などを用いることができる。インク中の水溶性有機溶剤の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、3.0質量%以上50.0質量%以下であることが好ましい。
(その他の添加剤)
本発明のインクには、上記した成分以外にも必要に応じて、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタンなどの多価アルコール類や、尿素、エチレン尿素などの尿素誘導体などの、常温で固体の水溶性有機化合物を含有させてもよい。さらに、本発明のインクには、必要に応じて、界面活性剤、pH調整剤、防錆剤、防腐剤、防黴剤、酸化防止剤、還元防止剤、蒸発促進剤、キレート化剤、及び水溶性樹脂などの種々の添加剤を含有させてもよい。
(インクの物性)
25℃におけるインクのpHは、5.0以上10.0以下であることが好ましく、7.0以上9.5以下であることがさらに好ましい。25℃におけるインクの静的表面張力は、30mN/m以上45mN/m以下であることが好ましく、35mN/m以上40mN/m以下であることが好ましい。25℃におけるインクの粘度は、1.0mPa・s以上5.0mPa・s以下であることが好ましい。
<インクカートリッジ>
本発明のインクカートリッジは、インクと、このインクを収容するインク収容部とを備える。そして、このインク収容部に収容されているインクが、上記で説明した本発明のインクである。図1は、本発明のインクカートリッジの一実施形態を模式的に示す断面図である。図1に示すように、インクカートリッジの底面には、記録ヘッドにインクを供給するためのインク供給口12が設けられている。インクカートリッジの内部はインクを収容するためのインク収容部となっている。インク収容部は、インク収容室14と、吸収体収容室16とで構成されており、これらは連通口18を介して連通している。また、吸収体収容室16はインク供給口12に連通している。インク収容室14には液体のインク20が収容されており、吸収体収容室16には、インクを含浸状態で保持する吸収体22及び24が収容されている。インク収容部は、液体のインクを収容するインク収容室を持たず、収容されるインク全量を吸収体により保持する形態であってもよい。また、インク収容部は、吸収体を持たず、インクの全量を液体の状態で収容する形態であってもよい。さらには、インク収容部と記録ヘッドとを有するように構成された形態のインクカートリッジとしてもよい。
<インクジェット記録方法>
本発明のインクジェット記録方法は、上記で説明した本発明のインクをインクジェット方式の記録ヘッドから吐出して記録媒体に画像を記録する方法である。インクを吐出する方式としては、インクに力学的エネルギーを付与する方式や、インクに熱エネルギーを付与する方式が挙げられる。本発明においては、インクに熱エネルギーを付与してインクを吐出する方式を採用することが特に好ましい。本発明のインクを用いること以外、インクジェット記録方法の工程は公知のものとすればよい。
図2は、本発明のインクジェット記録方法に用いられるインクジェット記録装置の一例を模式的に示す図であり、(a)はインクジェット記録装置の主要部の斜視図、(b)はヘッドカートリッジの斜視図である。インクジェット記録装置には、記録媒体32を搬送する搬送手段(不図示)、及びキャリッジシャフト34が設けられている。キャリッジシャフト34にはヘッドカートリッジ36が搭載可能となっている。ヘッドカートリッジ36は記録ヘッド38及び40を具備しており、インクカートリッジ42がセットされるように構成されている。ヘッドカートリッジ36がキャリッジシャフト34に沿って主走査方向に搬送される間に、記録ヘッド38及び40から記録媒体32に向かってインク(不図示)が吐出される。そして、記録媒体32が搬送手段(不図示)により副走査方向に搬送されることによって、記録媒体32に画像が記録される。
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限り、下記の実施例によって何ら限定されるものではない。成分量に関して「部」及び「%」と記載しているものは特に断らない限り質量基準である。
<ブロック共重合体の合成>
撹拌機、温度計、窒素ガス導入管、及び還流管を備えた4つ口フラスコを窒素置換した後、ジメチルホルムアミド100.0部及びペンタメチルジエチレントリアミン0.5部を入れた。表1に示す種類及び量の単量体A、及び重合開始剤(クロロエチルベンゼン)0.07部を入れ、撹拌しながら温度80℃まで加熱した。次いで、塩化銅(I)を加えて、単量体Aに由来するユニットで構成されるブロックAを重合した。分子ふるいカラムクロマトグラフィー(GPC)で分子量をモニタリングし、単量体Aの重合が完了した後、表1に示す種類及び量の単量体Bを添加して重合を続行した。
GPCで分子量をモニタリングし、単量体Bの重合が完了した後、表1に示す種類及び量の単量体Cを添加して重合を続行した。また、単量体Dについても同様の方法で添加して重合を続行した。重合を停止させた後、水酸化ナトリウムのメタノール溶液を用いてカルボン酸エステル基を加水分解してカルボン酸基とした。35.0%塩酸水溶液2.8部を添加し、25℃で10分間撹拌した後にろ過した。純水で3回洗浄後に乾燥して、ブロック共重合体1〜21を得た。
示差屈折率検出器を備えたGPC(東ソー製)を使用し、テトラヒドロフランを展開溶媒として用いて、得られたブロック共重合体のポリスチレン換算の重量平均分子量及び数平均分子量を測定した。また、1H−NMRを測定し、カルボン酸基の化学シフト(ピーク)の存在によりTMSエステルが加水分解されていることを確認した。さらに、1H−NMRを測定して各ブロックを構成する単量体の構成比を算出した。また、ブロック共重合体をテトラヒドロフランに溶解した測定用試料を調製した。そして、電位差自動滴定装置(商品名「AT510」、京都電子工業製)を使用し、滴定試薬として0.5mol/L水酸化カリウムエタノール溶液を用いてブロック共重合体の酸価を測定した。ブロック共重合体の各種特性を表2に示す。また、表1及び2中の各成分の詳細を以下に示す。
BzMA:メタクリル酸ベンジル
St:スチレン
αmSt:α−メチルスチレン
BzA:アクリル酸ベンジル
BMA:メタクリル酸n−ブチル
BA:アクリル酸n−ブチル
MMA:メタクリル酸メチル
TMS−MAA:メタクリル酸トリメチルシリル
TMS−AA:アクリル酸トリメチルシリル
MAA:メタクリル酸
AA:アクリル酸
得られたブロック共重合体をテトラヒドロフランに溶解した後、ブロック共重合体の酸基の中和率がモル基準で80%となるように水酸化カリウム水溶液を加えた。適量の水を添加して撹拌した後、減圧条件下にてテトラヒドロフランを除去した。適量の水を添加して、ブロック共重合体1〜21をそれぞれ含む液体を得た。各液体中のブロック共重合体の含有量は20.0%であった。
Figure 2018150413
Figure 2018150413
<ランダム共重合体の合成>
撹拌機、温度計、窒素ガス導入管、及び還流管を備えた4つ口フラスコを用意し、内部を窒素置換した。テトラヒドロフラン100部、スチレン10.4部、メタクリル酸n−ブチル4.7部、メタクリル酸4.5部、及びアゾビスイソブチロニトリル0.16部を入れ、撹拌しながら系内温度が70℃となるように加熱して重合した。得られた水溶液に、酸基の中和率がモル基準で80%となるように水酸化カリウム水溶液を加えた。さらに適量の水を加えて撹拌した後、減圧条件下でテトラヒドロフランを除去した。さらに水を加えて、ランダム共重合体を含む液体を得た。得られた液体中のランダム共重合体の含有量は20.0%であった。得られたランダム共重合体の酸価は150mgKOH/gであり、重量平均分子量は15,000であり、分子量分布(Mw/Mn)は2.1であった。
<ウレタン樹脂の合成>
温度計、撹拌機、窒素導入管、及び還流管を備えた4つ口フラスコに、表3に示す種類及び量のポリイソシアネート、酸基を有しないポリオール、及び酸基を有するポリオールを入れた。さらに、ジブチル錫ジラウリレート0.02部及びメチルエチルケトン120部を入れ、窒素ガス雰囲気下、80℃で6時間反応させた。次いで、表3に示す種類及び量のポリアミンを添加し、所望とする重量平均分子量となるまで80℃で反応させた。40℃まで冷却した後、メタノール及びイオン交換水を添加し、ホモミキサーで高速撹拌しながら水酸化カリウム水溶液を添加した。加熱減圧してメチルエチルケトンを留去し、ウレタン樹脂1〜9をそれぞれ含む液体を得た。各液体中のウレタン樹脂の含有量は20.0%であった。得られたウレタン樹脂の重量平均分子量及び酸価を表3に示す。また、表3中の各成分の詳細を以下に示す。
IPDI:イソホロンジイソシアネート
PPG2000:ポリプロピレングリコール(数平均分子量2,000)
PEG2000:ポリエチレングリコール(数平均分子量2,000)
PTMG2000:ポリテトラメチレングリコール(数平均分子量2,000)
PC2000:ポリカーボネートポリオール(数平均分子量2,000)
PES2000:ポリエステルポリオール(数平均分子量2,000)
DMPA:ジメチロールプロピオン酸
EDA:エチレンジアミン
Figure 2018150413
<顔料分散液の調製>
(顔料分散液1)
顔料(C.I.ピグメントブルー15:3)10.0g、水溶性樹脂3.0g、及び水87.0gを混合して混合物を得た。水溶性樹脂としては、酸価120mgKOH/g、重量平均分子量10,000のスチレン−アクリル酸共重合体を10.0%水酸化カリウム水溶液で中和したものを用いた。サンドグラインダーを用いて混合物を1時間分散した後、遠心分離して不純物を除去し、さらにポアサイズ3.0μmのミクロフィルター(富士フイルム製)にて加圧ろ過した。次いで、顔料固形分の濃度を調整して顔料分散液1を得た。得られた顔料分散液1には、水溶性樹脂(樹脂分散剤)により分散された顔料が含まれており、顔料の含有量は10.0%、樹脂分散剤の含有量は3.0%であった。
(顔料分散液2)
顔料をC.I.ピグメントレッド122に変えたこと以外は、前述の顔料分散液1の場合と同様にして顔料分散液2を得た。顔料分散液2には、水溶性樹脂(樹脂分散剤)により分散された顔料が含まれており、顔料の含有量は10.0%、樹脂分散剤の含有量は3.0%であった。
(顔料分散液3)
顔料をC.I.ピグメントイエロー74に変えたこと以外は、前述の顔料分散液1の場合と同様にして顔料分散液3を得た。顔料分散液3には、水溶性樹脂(樹脂分散剤)により分散された顔料が含まれており、顔料の含有量は10.0%、樹脂分散剤の含有量は3.0%であった。
(顔料分散液4)
顔料をカーボンブラックに変えたこと以外は、前述の顔料分散液1の場合と同様にして顔料分散液4を得た。顔料分散液4には、水溶性樹脂(樹脂分散剤)により分散された顔料が含まれており、顔料の含有量は10.0%、樹脂分散剤の含有量は3.0%であった。
<インクの調製>
表4−1〜4−3に示す各成分を混合し、十分に撹拌した後、ポアサイズ3.0μmのミクロフィルター(富士フイルム製)にて加圧ろ過を行い、各インクを調製した。表4−1〜4−3中の「アセチレノールE100」は、川研ファインケミカル製のノニオン性界面活性剤(アセチレングリコールエチレンオキサイド付加物)の商品名である。表4の下段には、インクの特性を示した。
Figure 2018150413
Figure 2018150413
Figure 2018150413
<評価>
(光学濃度)
調製したインクをそれぞれインクカートリッジに充填し、熱エネルギーの作用により記録ヘッドからインクを吐出するインクジェット記録装置(商品名「PIXUS Pro10」、キヤノン製)に搭載した。本実施例においては、600dpi×600dpiあたりのインクの付与量が16.0ngである場合の記録デューティを100%と定義する。記録条件は、温度23℃、相対湿度55%とした。A4サイズの光沢紙(商品名「キヤノン写真用紙・光沢ゴールド GL−101」、キヤノン製)に、記録デューティが100%である2cm×2cmのベタ画像を記録した。その後、蛍光分光濃度計(商品名「FD−7」、コニカミノルタ製)を使用して画像の光学濃度を測定した。一方、ブロック共重合体及びウレタン樹脂を含有しない分を、純水に置き換えたこと以外は、各インクと同一の組成である比較用インクを用意し、上記と同様の条件でベタ画像を記録するとともに、画像の光学濃度を測定した。そして、各インクで記録した画像の光学濃度と、比較用インクで記録した画像の光学濃度を比較し、以下に示す評価基準にしたがって画像の光学濃度を評価した。評価結果を表5に示す。本発明においては、以下に示す評価基準において、「AA」、「A」、及び「B」を許容できるレベル、「C」を許容できないレベルとした。
AA:光学濃度が0.10以上上昇した。
A:光学濃度が0.05以上0.10未満上昇した。
B:光学濃度が0.02以上0.05未満上昇した。
C:光学濃度の上昇が0.02未満であり、光学濃度の違いがほとんどわからなかった。
Figure 2018150413

Claims (7)

  1. 顔料、第1の樹脂、及び第2の樹脂を含有する水性インクであって、
    前記第1の樹脂が、芳香環を有する単量体に由来するユニットで構成されるブロックAと、(メタ)アクリル酸エステルに由来するユニットで構成されるブロックBと、(メタ)アクリル酸に由来するユニットで構成されるブロックCと、を有するブロック共重合体であり、
    前記第2の樹脂が、酸価が40mgKOH/g以上のウレタン樹脂であることを特徴とする水性インク。
  2. 前記第1の樹脂に占める前記ブロックAの割合(質量%)が、第1の樹脂全質量を基準として、50.0質量%以下である請求項1に記載の水性インク。
  3. 前記第1の樹脂の酸価が、80mgKOH/g以上250mgKOH/g以下である請求項1又は2に記載の水性インク。
  4. 前記第2の樹脂の重量平均分子量が、20,000以下である請求項1乃至3のいずれか1項に記載の水性インク。
  5. 前記第1の樹脂の重量平均分子量が、3,000以上25,000以下である請求項1乃至4のいずれか1項に記載の水性インク。
  6. インクと、前記インクを収容するインク収容部とを備えたインクカートリッジであって、
    前記インクが、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の水性インクであることを特徴とするインクカートリッジ。
  7. インクをインクジェット方式の記録ヘッドから吐出して記録媒体に画像を記録するインクジェット記録方法であって、
    前記インクが、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の水性インクであることを特徴とするインクジェット記録方法。
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