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JP2018038040A - 位相補償つきフィルタデバイスとこれを含む電子デバイス - Google Patents

位相補償つきフィルタデバイスとこれを含む電子デバイス Download PDF

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JP2018038040A JP2017166364A JP2017166364A JP2018038040A JP 2018038040 A JP2018038040 A JP 2018038040A JP 2017166364 A JP2017166364 A JP 2017166364A JP 2017166364 A JP2017166364 A JP 2017166364A JP 2018038040 A JP2018038040 A JP 2018038040A
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Zhiqiang Bi
チーチアン ピー、
令 後藤
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令 後藤
チュン シン ラム、
Chun Sing Lam
チュン シン ラム、
哲也 鶴成
Tetsuya Tsurunari
哲也 鶴成
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Abstract

【課題】アンテナデュプレクサのアイソレーション特性を改善する。【解決手段】フィルタ400は、入力及び出力間に接続されて第1位相特性を有する主要フィルタ回路410と、当該主要フィルタ回路に並列接続された位相シフト回路420とを含む。位相シフト回路420は、第1キャパシタ素子422と、第2キャパシタ素子428と、当該第1キャパシタ素子及び第2キャパシタ素子間に直列接続された一対の弾性波素子424、426とを含む。一対の弾性波素子は、弾性波素子を通るように弾性波が伝播する一つの弾性波経路において互いから離間して配置された一対の傾斜指IDT電極を含む。位相シフト回路は、主要フィルタ回路の阻止帯域の少なくとも一部分に対応する減衰帯域において第1位相特性とは逆の第2位相特性を有する。【選択図】図3B

Description

フィルタ、特に高周波フィルタは、多くの異なるアプリケーション及び機能を目的として多様な電子デバイスにおいて使用されている。無線通信デバイス、例えばアンテナデュプレクサ、において使用される高周波フィルタの一般的な一つの実装は、図1に示されるようなラダー型フィルタである。図1を参照すると、フィルタ100は、入/出力端子102及び104、信号線106、一以上の直列腕共振器108、並びに複数の並列腕共振器110を含む。信号線106は、図示のように入/出力端子102及び104間に接続される。直列腕共振器(複数可)108は、信号線106に沿って互いに直列に接続される。並列腕共振器(複数可)110は、信号線106及び基準電位112間に接続される。基準電位112はグランドでよい。直列腕共振器108及び並列腕共振器110は一緒になってラダー回路を形成し、通過帯域及び阻止帯域を有する帯域通過フィルタとして機能する。所定の例では、インダクタのような位相シフタ114を、特にフィルタ100がアンテナデュプレクサにおいて使用されている場合に整合コンポーネントとして含めることができる(図1に示す)。
例えば携帯電話機のような所定の現代的な通信デバイスにおいては、こうしたデバイスを小型化することが現在進行中の傾向であるから、当該デバイスの通信「フロントエンド」部分(例えば無線周波数部分)において使用されるコンポーネントの数を低減することが望ましい。所定の無線通信デバイスの無線周波数回路部分において、コンポーネントの数は、信号送信経路及び受信経路における段間フィルタの数を減らすことによって低減できる。しかしながら、これには、アンテナデュプレクサが非常に良好なアイソレーション特性を有する必要がある。その結果、アンテナデュプレクサにおいて使用される帯域通過フィルタは、阻止帯域(複数可)に非常に高い減衰を有する必要がある。こうした設計要求は難関であり、従来のラダー型フィルタによっては満たされない。
図1に示されるようなラダー型フィルタに基づく所定のアンテナデュプレクサ設計は、デュプレクサのアイソレーション特性を改善するべく位相影響回路の使用を組み入れる。例えば、特許文献1は、アンテナデュプレクサを含む電子デバイスの様々な例及び実施形態を開示する。アンテナデュプレクサは、一以上のフィルタを含む主要回路に並列接続された補助回路を組み入れる。補助回路は、所定の周波数において主要回路とは逆の位相特性を有する。特許文献1は、圧電基板に形成された一以上の弾性表面波(SAW)共振器を含み得る補助回路のいくつかのバリエーションを開示する。特許文献1に開示されるように、主要回路は、自身に含まれるフィルタの通過帯域及び阻止帯域に対応する所定の周波数応答を有し得る。その周波数応答は、通過特性とも称される。補助回路は、所定の周波数帯域内において、振幅が主要回路の通過特性の振幅に実質的に類似し、位相が主要回路の通過特性の位相とは逆になる通過特性を有するように設計することができる。その結果、所定の周波数帯域において、主要回路からの主要信号出力は、補助回路からの補助信号出力によって少なくとも部分的に相殺されるので、アンテナデュプレクサのアイソレーション特性が改善される。
米国特許第9,246,533号明細書
複数の側面及び実施形態が、様々な通信装置及びシステムに使用される一以上のフィルタを含む電子デバイスに関する。
一実施形態によれば、フィルタは、入力端子と、出力端子と、当該入力端子及び出力端子間に接続された主要フィルタ回路と、当該入力及び出力間で主要フィルタ回路に並列接続された位相シフト回路とを含む。主要フィルタ回路は、第1位相特性、第1通過帯域及び第1阻止帯域を有する。位相シフト回路は、第1キャパシタ素子と、第2キャパシタ素子と、当該第1キャパシタ素子及び第2キャパシタ素子間に直列接続された一対の弾性波素子とを含み、当該一対の弾性波素子は、弾性波素子を通るように弾性波が伝播する一つの弾性波経路において互いから離間して配置された一対の傾斜指インターディジタルトランスデューサ電極を含む。位相シフト回路は、第1阻止帯域の少なくとも一部分に対応する減衰帯域において第1位相特性とは逆の第2位相特性を有する。
フィルタの一例において、各傾斜指インターディジタルトランスデューサ電極は、互いの指が組み合わされた第1及び第2櫛形電極を含み、第1及び第2櫛形電極はそれぞれ複数の電極指を有し、各電極指は曲線形状を有する。他例において、各傾斜指インターディジタルトランスデューサ電極は、互いの指が組み合わされた第1及び第2櫛形電極を含み、第1及び第2櫛形電極はそれぞれ、バスバーと、当該バスバーから90度に等しくならない角度で延びる複数の傾斜電極指とを有する。
フィルタの一例において、主要フィルタ回路は複数のフィルタ共振器を含み、位相シフト回路の一対の弾性波素子と当該複数のフィルタ共振器とが、一つの共通圧電基板に形成される。主要フィルタ回路の複数のフィルタ共振器は、入力端子と出力端子とを接続する信号線に沿って互いに直列接続された複数の直列腕フィルタ共振器と、当該信号線と基準電位との間に接続された複数の並列腕フィルタ共振器とを含んでよい。複数の直列腕フィルタ共振器及び複数の並列腕フィルタ共振器は一緒になってラダー回路を形成する。複数の直列腕フィルタ共振器及び複数の並列腕フィルタ共振器は、例えば弾性表面波共振器又はバルク弾性波共振器でよい。
一例において、第1キャパシタ素子は一対の弾性波素子と入力端子との間に接続され、第2キャパシタ素子は当該一対の弾性波素子と出力端子との間に接続され、第1キャパシタ素子の第1容量は、第2キャパシタ素子の第2容量よりも小さい。
位相シフト回路は、一対の弾性波素子に直列接続された少なくとも一つの付加弾性波素子を含んでよい。少なくとも一つの付加弾性波素子は傾斜指インターディジタルトランスデューサ電極を含む。
他実施形態によれば、デュプレクサが、入力端子と、出力端子と、共通端子と、当該入力端子及び共通端子間に接続された送信フィルタ並びに当該共通端子及び出力端子間に接続された受信フィルタを、当該送信フィルタ及び受信フィルタが当該入力端子及び出力端子間に直列接続されるように含むフィルタ回路と、当該入力端子及び共通端子間で当該送信フィルタ回路に並列接続された位相シフト回路とを含む。送信フィルタは第1通過帯域及び第1阻止帯域を有し、受信フィルタは、当該第1通過帯域とは異なるが少なくとも一部分が当該第1阻止帯域と重複する第2通過帯域を有する。位相シフト回路は、第1キャパシタ素子、第2キャパシタ素子、第1傾斜指インターディジタルトランスデューサ電極及び第2傾斜指インターディジタルトランスデューサ電極を含む。位相シフト回路は、減衰帯域において送信フィルタの第2位相特性とは逆の第1位相特性を有する。減衰帯域は、第1阻止帯域内かつ第2通過帯域内にある。
デュプレクサの一例において、第1及び第2傾斜指インターディジタルトランスデューサ電極は、圧電基板において、第1及び第2傾斜指インターディジタルトランスデューサ電極を通るように弾性波が伝播する一つの弾性波経路に沿って互いから離間して配置される。送信フィルタは、圧電基板に配置された複数のフィルタ共振器を含んでよい。一例において、複数のフィルタ共振器は、入力端子と共通端子とを接続する信号線に沿って互いに直列接続された複数の直列腕フィルタ共振器と、当該信号線と基準電位との間に接続された複数の並列腕フィルタ共振器とを含む。複数の直列腕フィルタ共振器及び複数の並列腕フィルタ共振器は一緒になってラダー回路を形成する。基準電位は、例えばグランドでよい。
デュプレクサの一例において、第1キャパシタ素子は第1傾斜指インターディジタルトランスデューサ電極及び入力端子間に接続され、第2キャパシタ素子は第2傾斜指インターディジタルトランスデューサ電極及び出力端子間に接続される。一例において、第1キャパシタ素子の第1容量は、第2キャパシタ素子の第2容量よりも小さい。
他例において、デュプレクサはさらに、共通端子及びグランド間に接続されたインダクタを含む。
デュプレクサの他例において、位相シフト回路はさらに、第3傾斜指インターディジタルトランスデューサを含む。
他実施形態は無線デバイスに関し、当該無線デバイスは、デュプレクサの一例と、当該デュプレクサの共通端子に接続されたアンテナと、当該デュプレクサの入力端子に接続された送信器回路と、当該デュプレクサの出力端子に接続された受信器回路とを含む。送信器回路は、アンテナが送信する送信信号を生成するように構成される。送信信号は、第1通過帯域内の周波数を有する。
他実施形態によれば、電子デバイスは、入力端子と、出力端子と、当該入力端子及び出力端子間に接続された第1フィルタと、当該入力端子及び出力端子間で当該第1フィルタに並列接続された位相シフト回路とを含む。第1フィルタは、第1通過帯域、第1阻止帯域及び第1位相特性を有する。位相シフト回路は、第1キャパシタ素子、第2キャパシタ素子、第1弾性波素子及び第2弾性波素子を含み、当該第1及び第2弾性波素子は、当該第1キャパシタ素子及び第2キャパシタ素子間に接続され、弾性波素子を通るように弾性波が伝播する一つの弾性波経路において互いから離間して配置される。第1及び第2弾性波素子はそれぞれ、傾斜指インターディジタルトランスデューサ電極である。位相シフト回路は、第1阻止帯域内にある減衰帯域において第1位相特性とは逆の第2位相特性を有する。
電子デバイスの一例において、第1及び第2弾性波素子それぞれに対し、傾斜指インターディジタルトランスデューサ電極は、互いの指が組み合わされた複数の電極指を有する一対の櫛形電極を含み、各電極指は曲線形状を有する。電子デバイスの他例において、第1及び第2弾性波素子それぞれに対し、傾斜指インターディジタルトランスデューサ電極は、互いの指が組み合わされた一対の櫛形電極を有し、各櫛形電極は、バスバーから90度に等しくならない角度で延びる複数の電極指を有する。
電子デバイスの一例において、位相シフト回路はさらに、第1キャパシタ素子及び第2キャパシタ素子間に接続された第3弾性波素子を含む。
電子デバイスの他例において、第1フィルタは複数のフィルタ共振器を含み、位相シフト回路の第1及び第2弾性波素子と当該複数のフィルタ共振器とが一つの共通圧電基板に形成される。一例において、複数のフィルタ共振器は、入力端子と出力端子とを接続する信号線に沿って互いに直列接続された複数の直列腕フィルタ共振器と、当該信号線と基準電位との間に接続された複数の並列腕フィルタ共振器とを含む。複数の直列腕フィルタ共振器及び複数の並列腕フィルタ共振器は一緒になってラダー回路を形成する。基準電位は、例えばグランドでよい。
電子デバイスの一例において、第1キャパシタ素子は第1弾性波素子及び入力端子間に接続され、第2キャパシタ素子は第2弾性波素子及び出力端子間に接続され、第1キャパシタ素子の容量は、第2キャパシタ素子の容量よりも小さい。
他例において、電子デバイスはさらに、出力端子及びグランド間に接続されたインダクタを含む。
他実施形態はデュプレクサに関し、当該デュプレクサは、入力端子と、出力端子と、共通端子と、当該入力端子及び共通端子間に接続された送信フィルタと、当該共通端子及び出力端子間に接続された受信フィルタとを含む。送信フィルタは、第1通過帯域と、第1阻止帯域と、当該第1阻止帯域の少なくとも一部分に対応する減衰帯域内における第1位相特性とを有する。受信フィルタは、第1阻止帯域と重複する第2通過帯域と、第1通過帯域と重複する第2阻止帯域とを有する。デュプレクサはさらに、共通端子に接続された第1キャパシタ素子と、入力端子に接続された第2キャパシタ素子と、当該第1及び第2キャパシタ素子に接続されたトランスバーサルフィルタとを含む位相シフト回路を含む。トランスバーサルフィルタは、少なくとも2つの傾斜指インターディジタルトランスデューサ電極を含み、当該少なくとも2つの傾斜指インターディジタルトランスデューサ電極は、当該少なくとも2つの傾斜指インターディジタルトランスデューサ電極を通るように弾性波が伝播する一つの弾性波経路において互いから離間して配置される。位相シフト回路は、減衰帯域において第1位相特性とは逆の第2位相特性を有する。
デュプレクサの一例において、位相シフト回路は入力端子及び共通端子間で送信フィルタに並列接続され、トランスバーサルフィルタは第1キャパシタ素子及び第2キャパシタ素子間に直列接続される。一例において、第1キャパシタ素子の第1容量は、第2キャパシタ素子の第2容量よりも小さい。
デュプレクサの一例において、トランスバーサルフィルタは、5つの傾斜指インターディジタルトランスデューサ電極を含む。一例において、5つの傾斜指インターディジタルトランスデューサ電極は、第1キャパシタ素子に接続された第1傾斜指インターディジタルトランスデューサ電極と、第2キャパシタ素子に接続された第2傾斜指インターディジタルトランスデューサ電極とを含む。位相シフト回路はさらに、共通端子に接続された第3キャパシタ素子と、入力端子に接続された第4キャパシタ素子と、出力端子に接続された第5キャパシタ素子とを含み、トランスバーサルフィルタはさらに、当該第3キャパシタ素子に接続された第3傾斜指インターディジタルトランスデューサ電極と、当該第4キャパシタ素子に接続された第4傾斜指インターディジタルトランスデューサ電極と、当該第5キャパシタ素子に接続された第5傾斜指インターディジタルトランスデューサ電極とを含む。一例において、受信フィルタは、共通端子及び出力端子間に直列接続された2端子共振器、第1縦結合共振器及び第2縦結合共振器を含む。他例において、送信フィルタは、入力端子と出力端子とを接続する信号線に沿って互いに直列接続された複数の直列腕共振器と、当該信号線と基準電位との間に接続された複数の並列腕共振器とを含む。複数の直列腕共振器及び複数の並列腕共振器は一緒になってラダー回路を形成する。基準電位は、例えばグランドでよい。
デュプレクサ一例において、送信フィルタは複数のフィルタ共振器を含み、位相シフト回路の少なくとも2つの傾斜指インターディジタルトランスデューサ電極と当該複数のフィルタ共振器とが一つの共通圧電基板に形成される。複数のフィルタ共振器は、入力端子と出力端子とを接続する信号線に沿って互いに直列接続された複数の直列腕フィルタ共振器と、当該信号線と基準電位との間に接続された複数の並列腕フィルタ共振器とを含んでよい。複数の直列腕フィルタ共振器及び複数の並列腕フィルタ共振器は一緒になってラダー回路を形成する。基準電位は、例えばグランドでよい。
デュプレクサの他例において、少なくとも2つの傾斜指インターディジタルトランスデューサ電極はそれぞれ、互いの指が組み合わされた複数の電極指を有する一対の櫛形電極を含み、各電極指は曲線形状を有する。他例において、少なくとも2つの傾斜指インターディジタルトランスデューサ電極はそれぞれ、互いの指が組み合わされた一対の櫛形電極を含み、各櫛形電極は、バスバーから90度に等しくならない角度で延びる複数の電極指を有する。
なおも他の側面、実施形態、並びにこれらの典型的な側面及び実施形態の利点が以下に説明される。ここに開示される実施形態は、ここに開示の原理の少なくとも一つに整合する任意の態様で他実施形態と組み合わせてよく、「一実施形態」、「いくつかの実施形態」、「代替実施形態」、「様々な実施形態」、「一つの実施形態」等の言及は、必ずしも相互に排他的というわけではなく、記載された特定の特徴、構造又は特性が少なくとも一つの実施形態に含まれ得ることを示すように意図される。ここで当該用語が登場しても、必ずしもすべてが同じ実施形態を言及しているわけではない。
少なくとも一つの実施形態の様々な側面が、縮尺どおりに描かれることを意図するわけではない添付図面を参照して以下に説明される。図面は、様々な側面及び実施形態の例示及びさらなる理解を与えるべく含まれ、本明細書に組み入れられ及び本明細書の一部をなすが、本発明の制限の画定として意図されるわけではない。図面において、様々な図面に例示される同一又はほぼ同一のコンポーネントはそれぞれ、同じ参照番号によって代表される。明確性を目的として、すべてのコンポーネントを、すべての図面において標識するわけではない。
従来型ラダー型フィルタの一例のブロック図である。 本発明の複数の側面に係るアンテナデュプレクサを含む電子デバイスのための、フロントエンドモジュールの一例のブロック図である。 本発明の複数の側面に係る図2のアンテナデュプレクサに使用できるフィルタの一例の回路図である。 本発明の複数の側面に係る図3Aのフィルタの主要フィルタ回路の一例を示す回路図である。 本発明の複数の側面に係る図3A及び3Bに示されたフィルタのバリエーションを示す回路図である。 図4Aは、曲線電極指を有する傾斜指インターディジタルトランスデューサ(SFIT)電極の一例の図である。図4Bは、傾斜電極指を有するSFIT電極の他例の図である。図4Cは、段状外形を備えた電極指を有するSFIT電極の他例の図である。 本発明の複数の側面に係る一対のSFIT電極を含む位相シフト回路のシミュレーションアプローチを示す図である。 本発明の複数の側面に係る一対のSFIT電極を含む位相シフト回路の一例の図である。 本発明の複数の側面に係る送信回路に並列接続された位相シフト回路を含むアンテナデュプレクサの他例の図である。 本発明の複数の側面に係る図7のアンテナデュプレクサの一例のシミュレーション特性チャートである。 本発明の複数の側面に係る図7のアンテナデュプレクサの一例のシミュレーション特性チャートである。 本発明の複数の側面に係る図7のアンテナデュプレクサの一例のシミュレーション特性チャートである。 図8A〜Cに示されるシミュレーション結果に対応する測定データを表す特性チャートである。 図8A〜Cに示されるシミュレーション結果に対応する測定データを表す特性チャートである。 図8A〜Cに示されるシミュレーション結果に対応する測定データを表す特性チャートである。 本発明の複数の側面に係る5つのSFIT電極を含むSFIT電極アセンブリの一例の図である。 5つの従来型IDT電極を含むIDT電極アセンブリの比較例の図である。 本発明の複数の側面に係る送信回路に並列接続された位相シフト回路を含むアンテナデュプレクサの他例を示す図である。 本発明の複数の側面に係る図11Aのアンテナデュプレクサにおけるフィルタ回路の例を示す図である。 本発明の複数の側面に係る図11Bのアンテナデュプレクサの例の、シミュレーションされたアイソレーション特性を示すグラフである。 本発明の複数の側面に係る送信回路に並列接続された位相シフト回路を含むアンテナデュプレクサの他例の図である。 本発明の複数の側面に係るアンテナデュプレクサを含む電子デバイスの一例のブロック図である。
上述のように、フィルタは、無線通信デバイスを含む多くの電子デバイスにおいて広く使用されている。高度な電力増幅器及びアンテナデュプレクサモジュールでは、電子コンポーネントの少なくとも半数がフィルタである。さらに、無線通信デバイスにおいて使用される高度なフロントエンド無線周波数(RF)モジュールでは、いくつかの(例えば3〜8つの)フィルタベースのデュプレクサが存在し得る。近似的に−55dBから−70dBまでの範囲となり得る送信フィルタから受信フィルタまでの電力アイソレーション仕様は、デュプレクサにとって最も重要なパラメータの一つとなり得る。上述のように、アンテナデュプレクサにおいて、当該デュプレクサのフィルタ間の高度なアイソレーションを達成するべく補助回路を使用することは、特許文献1に開示されている。特許文献1に開示される補助回路は、電極指が直線状の従来型インターディジタルトランスデューサを備えるように形成された弾性波素子を使用する。以下に詳述されるように、複数の側面及び実施形態は、例えばフィルタ回路の特性を改善するべく、随意的にアンテナデュプレクサの、フィルタ回路と組み合わせて使用され得る位相シフト回路における傾斜指インターディジタルトランスデューサ(SFIT)電極の使用に関する。特に、所定の実施形態において、位相シフト回路は、フィルタの阻止帯域における減衰を、当該フィルタの送信帯域(通過帯域とも称する)にマイナスの影響を与えることなく改善するべく使用される。その結果、フィルタが使用されるアンテナデュプレクサのアイソレーション特性を改善することができる。SFIT電極の使用により、付加的な設計自由度が得られるので、広い周波数帯域にわたって位相形状を最適化する能力、さらにはアイソレーション特性を、他の回路設計を使用して達成され得るものを超えるように改善する能力の拡大が許容される。
わかることだが、ここに説明される方法及び装置の複数の実施形態は適用上、以下の説明に記載され又は添付図面に例示される構造の詳細及びコンポーネントの配列に限られない。本方法及び装置は、他の実施形態に実装すること、及び様々な方法で実施することが可能である。特定の実装例は、例示のみを目的としてここに与えられ、限定されることを意図しない。また、ここで使用される表現及び用語は、説明目的であって、限定としてみなすべきではない。ここでの「含む」、「備える」、「有する」、「包含する」及びこれらの変形の使用は、以降に列挙される項目及びその均等物並びに付加項目の包括を意味する。「又は(若しくは)」の言及は、「又は(若しくは)」を使用して記載される任意の用語が、当該記載の用語の一つの、一を超える、及びすべてのものを示すように解釈され得る。
図2を参照すると、例示されるのは、例えば、無線通信デバイス(例えば携帯電話機)のような電子デバイスにおいて使用されるフロントエンドモジュール200の一例のブロック図である。フロントエンドモジュール200は、共通端子302、入力端子304及び出力端子306を有するアンテナデュプレクサ300を含む。共通端子302にはアンテナ210が接続される。フロントエンドモジュール200はさらに、デュプレクサ300の入力端子304に接続された送信器回路222と、デュプレクサ300の出力端子306接続された受信器回路224とを含む。送信器回路222は、アンテナ210を介して送信される信号を生成することができる。受信器回路224は、アンテナ210を介して受信された信号を、受信及び処理することができる。いくつかの実施形態において、かかる受信及び送信機能は、図2に例示されるように別個のコンポーネントに実装可能であり、又は、さらに以下に説明されるように、共通の送受信器回路/モジュールに実装可能である。本開示の利益が与えられる当業者にわかることだが、フロントエンドモジュール200は、例示されないスイッチ、電磁結合器、増幅器、プロセッサ等のような、ただしこれらに限られない他のコンポーネントを含んでよい。
アンテナデュプレクサ300は、入力端子304及び共通端子302間に接続された一以上の送信フィルタ310と、共通端子302及び出力端子306間に接続された一以上の受信フィルタ320とを含んでよい。共通端子302には、インダクタ230又は他の整合コンポーネントを接続することができる。デュプレクサ300のアイソレーション特性とは、入力端子304から出力端子306までの通過特性のことである。アイソレーション特性の改善は、フィルタ310及び320の通過帯域において、入力端子304及び出力端子306間を通過する信号のレベルを低減することによって得ることができる。上述のように、これを達成可能とする一つの態様は、フィルタ310又は320の少なくとも一方の阻止帯域における信号減衰を改善することである。所定の実施形態によれば、このアイソレーション特性改善を達成する補助とするべく、以下に詳述されるように、送信フィルタ310、受信フィルタ320、又はこれらの組み合わせの任意の一以上に、関連フィルタの阻止帯域において減衰を改善するように構成された位相シフト回路を含ませることができる。特に、位相シフト回路が帯域通過フィルタである(それゆえ一を超える阻止帯域を有し得る)送信フィルタ310と組み合わせて使用される場合、当該位相シフト回路は、一以上の受信フィルタ320の通過帯域と周波数が重複する送信フィルタ310の阻止帯域における減衰を改善するように構成してよい。同様に、位相シフト回路が帯域通過フィルタである受信フィルタ320と組み合わせて使用される場合、当該位相シフト回路は、一以上の送信フィルタ310の通過帯域と周波数が重複する受信フィルタ310の阻止帯域における減衰を改善するように構成してよい。本開示の利益が与えられる当業者にわかることだが、様々な特徴及び機能がデュプレクサの文脈で以下に説明されるにもかかわらず、ここに開示の方法及びデバイスの側面及び利点は、ダイプレクサ又はマルチプレクサにも同等に適用可能であり、デュプレクサでの使用に限られない。
図3Aを参照すると、例示されるのは、一実施形態に係るフィルタ400の一例の模式的な回路図である。一例において、フィルタ400は、例えばアンテナデュプレクサ300の送信フィルタ310として使用可能な高周波フィルタである。フィルタ400は、例えばデュプレクサ300の入力端子304及び共通端子302に対応し得る入力端子304及び出力端子302間に接続された主要フィルタ回路410を含む。フィルタ400はまた、入力端子304及び出力端子302間で主要フィルタ回路410に並列接続された位相シフト回路420も含む。フィルタ400はさらに圧電基板402も含む。圧電基板402には、以下にさらに説明されるように、主要フィルタ回路410及び位相シフト回路420のコンポーネントが形成される。上述のように、インダクタ230は出力端子302に接続してよい。インダクタ230は、出力端子302及び基準電位404間に接続してよい。所定の例では、基準電位404はグランドである。
主要フィルタ回路410は、本開示の利益が与えられる当業者にわかるような様々な特性及び構成を有してよい。所定の例において、主要フィルタ回路410は、複数の弾性波共振器を含むラダー型フィルタ回路としてよい。しかしながら、他例において、主要フィルタ回路410はラダー型フィルタとする必要はなく、他の構成を有し得る。
図3Bは、主要フィルタ回路410がラダー型構成を有するフィルタ400の一例を示す。この例において主要フィルタ回路410は、入力端子304を出力端子302に接続する信号線412を含む。主要フィルタ回路410は、複数の直列腕共振器414、及び複数の並列腕共振器416を含む。直列腕共振器414は、入力端子304及び出力端子302間の信号線412に沿って互いに直列接続される。並列腕共振器416は、信号線412及び基準電位404間に接続される。直列腕共振器414及び並列腕共振器416は、一緒になってラダー型フィルタを形成する。本開示の利益が与えられる当業者にわかることだが、図3Aに示される直列腕共振器414及び並列腕共振器416の配列及び数は、ラダー型フィルタの一例にすぎず、一以上の直列腕共振器414及び並列腕共振器416の様々な組み合わせを含む多数の他のラダー型フィルタ構成が使用可能である。一例において、直列腕共振器414及び並列腕共振器416は、圧電基板402に形成された弾性表面波共振器である。他例において、共振器は、圧電基板402に形成された弾性境界波共振器又はバルク弾性波共振器である。一例において、主要フィルタ回路410は、通過帯域及び阻止帯域を含む周波数応答(通過特性とも称する)を有する帯域通過フィルタとして機能する。フィルタ400がアンテナデュプレクサ300の送信フィルタ310として使用されるアプリケーションにおいて、主要フィルタ回路410の阻止帯域は、受信フィルタ320の通過帯域の少なくとも一部分と周波数が重複してよい。
図3A及び3Bに示されるように、位相シフト回路420は、入力端子304及び出力端子302間で主要フィルタ回路410に並列接続される。図示の例では、位相シフト回路420には、入力端子304及び出力端子302間に、第1キャパシタ素子422、第1SFIT電極424、第2SFIT電極426、及び第2キャパシタ素子428がその順で配置される。すなわち、第1キャパシタ素子422が第1SFIT電極424及び入力端子304間に接続され、第2キャパシタ素子428が第2SFIT電極426及び出力端子302間に接続され、その結果、図3A及び3Bに示されるように2つのSFIT電極が2つのキャパシタ素子間に接続される。SFIT電極424及び426は、圧電基板402に形成された弾性波素子(すなわち圧電基板402を伝播する弾性波を使用して信号を生成する素子)としてよい。したがって、SFIT電極424及び426はそれぞれ、互いの指が組み合わされた電極指を有する一対の櫛形電極(424aと424b、426aと426b)を含む。櫛形電極の各対の一方の櫛形電極424a、426aが信号線に(すなわち第1キャパシタ素子422及び第2キャパシタ素子428それぞれに)接続され、各対の他方の櫛形電極424b、426bが基準電位404に接続される。
一実施形態によれば、位相シフト回路420は、ここでは「減衰帯域」と称される主要フィルタ回路410の阻止帯域の少なくとも一部分にわたり、主要フィルタ回路410の周波数応答の振幅に類似する振幅の周波数応答を有する。加えて、位相シフト回路420は、主要フィルタ回路410の減衰帯域において、主要フィルタ回路410の位相特性とは逆の位相特性を有し得る。主要フィルタ回路410が、入力端子304での入力信号の受信に応答して、出力端子302において主要信号を与えるように構成され、位相シフト回路420は、出力端子302において補助信号を与えるように構成される。位相シフト回路420は、特定の周波数帯域(例えば主要フィルタ回路410の減衰帯域)にわたって補助信号が、主要信号とは振幅が類似し位相が逆となるように構成される。その結果、補助信号が少なくとも部分的に主要信号を「相殺」するので、減衰帯域における信号減衰が増加し、フィルタ400が使用されている場合にデュプレクサ300のアイソレーション特性が改善可能となる。以下に詳述するように、位相シフト回路420の周波数応答の形状、周波数範囲、振幅及び位相、ひいては補助信号の特性は、SFIT電極424及び426並びにキャパシタ素子422及び428の設計によって決定することができる。特に、SFIT電極424及び426を使用することにより、従来型インターディジタル電極に対して付加的な設計自由度が得られるので、位相シフト回路の周波数応答を、広い周波数帯域にわたって細かくチューニングすることができる。これにより、所望の信号減衰特性を、主要フィルタ回路410の通過帯域にマイナスの影響を与えることなく改善することができる。
キャパシタ素子422及び428の容量を調整することによって、位相シフト回路420周波数応答の振幅、特に減衰帯域における信号減衰量を調整することができる。キャパシタ素子422及び428は、上述したように、減衰帯域において位相シフト回路420の通過特性の振幅が、主要フィルタ回路410の通過特性の振幅に類似するように適切に設計することができる。所定の例では、キャパシタ素子422及び428の容量は、SFIT電極424及び426の容量よりも小さい。加えて、所定の例では、入力端子304に近いキャパシタ素子422の容量は、出力端子302に近いキャパシタ素子428の容量よりも小さい。この配列により、位相シフト回路420からの補助信号出力の振幅を、主要フィルタ回路410からの主要信号出力の振幅に実質的に等しくすることができるので、減衰帯域における信号減衰量が増加する。
上述されかつ図3A及び3Bに図示されるように、SFIT電極424及び426は、2つのキャパシタ素子422及び428間に接続される。この配列により、第1及び第2SFIT電極424及び426を、電流が位相シフト回路420へと流れないように保護し、そうでなければ電流により引き起こされかねない潜在的な損傷から保護することができる。特に、主要フィルタ回路410から位相シフト回路420へと流れる電流は、キャパシタ素子422及び428の静電容量を調整することによって抑制することができるので、SFIT電極424及び426を損傷から保護する機能が果たされる。
なおも図3A及び3Bを参照すると、位相シフト回路420の第1及び第2SFIT電極424、426が、弾性波が伝播する一つの音響経路502に沿って所定距離だけ互いから離間して配置され、一緒になってトランスバーサルフィルタを形成する。減衰帯域における位相シフト回路420の周波数応答は、このトランスバーサルフィルタを設計することによって調整される。例えば、位相シフト回路の位相特性は、SFIT電極424、426間の音響経路502に沿った距離を調整することによって、補助信号が減衰帯域において主要信号の位相成分とは逆の位相成分を包含するように細かく調整することができる。逆の位相は、(入力端子304における信号入力への応答となる)主要フィルタ回路410からの主要信号出力と位相シフト回路420からの補助信号出力との間の、必ずしも正確に180度というわけではないが、近似的に180度となる位相差として画定される。位相シフト回路420の位相特性が主要フィルタ回路410の位相特性の逆なので、主要フィルタ回路410からの主要信号出力の、減衰帯域における振幅が少なくとも部分的に相殺され、結果的に、上述したように減衰帯域における信号減衰量が増加する。所定の例では、主要信号及び補助信号間の位相差の絶対値は、180度が理想である。しかしながら、位相差の絶対値が90度以上であれば、補助信号が主要信号の位相成分と逆の位相成分を有することとなるので、依然として、主要信号を少なくとも部分的に相殺して減衰が改善される。位相シフト回路420からの補助信号出力の位相はさらに、以下にさらに説明されるように、SFIT電極424及び426の形状又は他の設計パラメータを調整することと併せて、キャパシタ素子422及び428の容量を調整することによって調整可能である。
所定の実施形態によれば、主要フィルタ回路410及び位相シフト回路420は双方とも、弾性波素子を使用して実装される。この構成により、周囲温度の変化によりもたらされる主要フィルタ回路410の通過特性の変化を、当該周囲温度の変化によりもたらされる位相シフト回路420の通過特性の変化に類似させることができるので、周囲温度の変化に起因する減衰劣化が低減される。
上述のように、所定の実施形態において、主要フィルタ回路410及び位相シフト回路420双方の弾性波素子は、一つの圧電基板402に配置される。この構造により、主要フィルタ回路410及び位相シフト回路420の周波数応答への温度変化の影響が、特に温度変化による減衰特性の劣化が低減される。主要フィルタ回路410の通過特性と位相シフト回路420の通過特性との双方が、周囲温度の変化に応じて同様に変化するからである。加えて、この配列によりフィルタ400には、すべての弾性波素子を一つの圧電基板402に形成することによって小さなサイズ及び優れた周波数応答がもたらされる。
所定の例では、図3A及び3Bに示されるように、第1SFIT電極424の櫛形電極424bの、第2SFIT電極426に最も近い少なくとも一つの電極指が、基準電位404に接続される。この構造により、位相シフト回路420の、主要フィルタ回路410の通過帯域における減衰量を低減することができるので、フィルタ400の、主要フィルタ回路410の通過帯域における挿入損失も低減することができる。
図3Cは、フィルタ400の他例の回路図である。図3A及び3Bに示されるフィルタ400の例では、位相シフト回路420のSFIT電極424、426間には電極が配置されない。図3Cに示されるフィルタ400の例では、位相シフト回路420はさらに遮蔽電極504を含む。遮蔽電極504は、2つのSFIT電極424及び426間に配置され、かつ、基準電位404に接続される。遮蔽電極504は、位相シフト回路420の、主要フィルタ回路410の通過帯域における減衰量を低減することができるので、フィルタ400の、主要フィルタ回路410の通過帯域における挿入損失も低減することができる。
図3A〜3Cに示されるフィルタ400の所定の例では、SFIT電極424、426は、同じ数の電極指を含む。しかしながら、他例では、第1SFIT電極424の電極指の数は、第2SFIT電極426の電極指の数とは異なり得る。所定の例では、電極指の数を2つのSFIT電極424、426で変えることにより、位相シフト回路420の、主要フィルタ回路410の通過帯域における減衰量を低減することができるので、フィルタ400の、主要フィルタ回路410の通過帯域における挿入損失を低減することができる。
図3B及び3Cは、主要フィルタ回路410及び位相シフト回路420の特定例を例示する。しかしながら、ここに開示される位相シフト回路設計の、以下にさらに説明されるSFIT電極の使用も含む特徴及び利点は、図3A〜3Cに示される例を含むが、これらに限られない任意の構成を有する位相シフト回路420に適用可能である。
従来型インターディジタルトランスデューサ(IDT)電極は、互いに平行に延びるように配列された直線電極指を有する。上述のように、複数の側面及び実施形態は、位相シフト回路420における、従来型IDT電極の代わりとなる一以上のSFIT電極の使用に関する。図4A〜Cを参照すると、従来型IDT電極に類似するSFIT電極510は、それぞれが電極指512を有する2つの櫛形電極を含む。電極指512は、バスバー514から延びて互いの指が組み合わされてはいるが、電極指が直線ではない点で従来型IDT電極とは異なる。例えば、SFIT電極の電極指512は、直線となる(すなわちバスバー514から垂直に延びる)のではなく、曲線となり(例えば図4Aに図示)、傾斜し(例えば図4Bに図示)、又は「段状」外形を有する(例えば図4Cに図示)。その結果、SFIT電極の設計において、付加的な設計自由度(例えば、傾斜度/湾曲程度、段状外形における「段」の数及びサイズ等)が得られる。これは、位相シフト回路420に使用される場合のような所定のアプリケーションにおいて有利となり得る。例えば、設計の付加的自由度により、位相シフト回路420の位相特性の形状を、従来型IDT電極を使用して達成されるよりも広い周波数帯域にわたって精密にあつらえることができる。
SFIT電極は、(新たな回路設計を引き出すのに必要なシミュレーションに含まれる)設計及び製造の複雑性を増大させる。これは、当該SFIT電極が使用される電子デバイスの製造の時間及びコストも増大させ得る。したがって、従来の知恵は、多くの場合においてSFIT電極の使用を回避することが好ましいと示唆する。しかしながら、ここに開示されるように、位相シフト回路420の特定のアプリケーション及び機能に対しては、SFIT電極の使用によって得られる付加的自由度が有利となり得る。位相シフト回路420は、使用される電子デバイスのサイズ及びコンポーネント数を著しく増加させることのないように、非常に小さくされ、例えば2つのSFIT電極424、426のみを含み得る。加えて、SFIT電極424又は426もまた小さくされ、例えば各櫛形電極に少数の電極指のみを含み得る。さらに、位相シフト回路420は、極めて特定の目的を達成するように、すなわち、特定の具体的な周波数帯域内で主要フィルタ回路410の通過特性に振幅が極めて類似するが位相が逆の通過特性を与えるように設計される。したがって、高性能が所望されるとともに、特定の性能パラメータを達成するべく利用可能なコンポーネントが限られるアプリケーションにおいて、SFIT電極の使用により得られる付加的な設計自由度は非常に有利であり、関連する付加的な複雑性を正当化することができる。これとは対照的に、例えば、主要フィルタ回路410が、それぞれが大きい(多数の電極指を有する)多くの共振器108又は110を含み、(共振器の相対的に大きな数及びサイズにより達成された)十分な設計柔軟性がすでに存在すると、SFIT電極の付加的な複雑性は、このタイプの回路では正当性を欠き、従来型IDT電極が使用され得る。
位相シフト回路420において従来型IDT電極ではなくSFIT電極を使用することにより、広い周波数帯域にわたり実質的に一定の位相特性を達成することが許容され、広い周波数帯域にわたり位相形状を最適化する付加的な自由度が得られる。従来型IDT電極では、当該電極の周波数応答の振幅又は位相を改変するべく、電極指間の間隔(電極指ピッチと称する)及び電極指の数を調整することができる一方、SFIT電極では、周波数応答をチューニングするべく、様々な他の構造的特徴も調整することができる。例えば、図4Aを参照すると、曲線電極指を備えたSFIT電極510の場合、形状、方向、及び湾曲の程度を調整することができる。例えば、湾曲を双曲線状としてよく、隣接するSFIT電極の電極指を、同じ又は異なる方向に(すなわち互いに向かい合い又は互いから離れるように)曲げてよい。さらに、異なる電極指間で、形状、方向、又は湾曲の程度が変わる。図4Bを参照すると、傾斜電極指512を備えたSFIT電極510の場合、バスバー514に対する傾斜角度を変えてよく、隣接するSFIT電極の電極指を、互いに向かい合い又は互いから離れるように傾斜させてよい。例えば、図5は、傾斜電極指512が互いの方に向かうように傾斜する一対のSFIT電極510a、510bを例示する。傾斜の角度又は方向は、異なる電極指同士で異なり得る。
図5を参照すると、SFIT電極の動作がモデル化され、以下のように説明される。信号源522が電流を生成し、当該電流は、インピーダンス素子524の両端間の電圧に変換されてSFIT電極510aのバスバー514a及び514bに印加される。これにより、SFIT電極510a及び510bを通って伝播する弾性波が生成され、インピーダンス素子520の両端間で読み出される信号が生成される。各SFIT電極指512は、信号源522からの印加電圧励振に同期する表面弾性波を設定する。インターディジタルトランスデューサの周波数応答は、電極指ピッチに依存する。直線電極指を備えた従来型IDTでは、電極指ピッチは、電極指の長さにわたって一定であるから、IDTは狭い周波数帯域のみにわたって効率的に動作する。従来型IDT電極とは対照的に、SFIT電極では、電極指ピッチが電極指の長さに沿って(線A及びB間の領域にある上側バスバー514aと下側バスバー514bとの距離に沿って)、傾斜又は湾曲を構成するように変化する。したがって、SFIT電極では、同期周波数は、(各SFIT電極の2つのバスバー514a、514b間の距離により画定される)音響アパチャに沿った位置の関数となる。SFIT電極は、入力信号の周波数成分を音響アパチャにわたって空間的に分離するように作用するので、SFIT電極の周波数応答が広帯域となる。音響アパチャにわたって(電極指の長さに沿って)変化する電極指ピッチを制御することにより、異なる周波数の位相シフトを改変することができるので、相対的に広い周波数帯域にわたって位相特性をあつらえることができる。加えて、SFIT電極510a、510bから送信される音響パワーは、当該指の傾斜又は湾曲の関数となる音響アパチャの座標に沿った同期周波数の分布に依存する。すなわち、図4Aの曲線指の例に対しては、電極指512の湾曲を変えることにより、SFIT電極424及び426の周波数応答の振幅の形状を改変し、あつらえられた振幅特性を、位相シフト回路420の通過帯域又は阻止帯域にもたらすことができる。同様に、図4B及び5に示される例のような傾斜指の例に対しては、傾斜の角度を変えることにより、SFIT電極424及び426の周波数応答の位相特性及び振幅特性をあつらえることができる。
所定の実施形態によれば、SFIT電極510は、例えば図4Cに示されるように、電極指512に対する段状外形を使用して実装可能である。段状外形は、傾斜(図4Cに図示)又は曲線電極指512に近似させるべく使用可能である。図4A及び4Bの傾斜及び曲線電極指の例に対し、SFIT電極は、電極指の長さに沿った電極指ピッチの平均である有効な又は「巨視的な」電極指ピッチを有する。所定の実施形態によれば、電極指ピッチはまた、電極指512の長さに沿って変わっても良い。これにより、多数の異なる周波数のために位相をチューニングすることができる。例えば、図4Cを参照すると、各電極指512は、傾斜領域δA1、δAi等を介して互いから分離された複数の直線領域A1〜Anに「分割」することができる。ここで、nは、1よりも大きな整数であり、iは1〜nの範囲に及ぶ。図示の例では、SFIT電極510は3つの領域Aiを有する。しかしながら、任意数の領域も使用可能である。各領域Aiにおける電極指512の厚さは、同じでも異なってもよい。複数の傾斜領域δAiは同じ又は異なってよく、領域Ai間に同じ又は異なる電極指ピッチがもたらされる。図4Cに示される例において、傾斜領域δAiは、電極指512の近似的な傾斜又は湾曲をもたらすべく使用される。しかしながら、他例では、電極指の傾斜領域を作製のではなく、電極指は単に、垂直方向に切れ目のない又はほぼ切れ目のない直線セグメントに分割されてよい。当該セグメントが側方に互いにずれて近似的な傾斜又は曲線形状がもたらされる。
SFIT電極を使用して実装された多重弾性波素子は、圧電基板において互いに隣接するように配置できる。所与のSFIT電極510内で電極指ピッチを変える能力に加え、SFIT電極424及び426間のような隣接するSFIT電極間の間隔又はピッチも変えることができる。これにより、位相シフト回路420の周波数応答の位相又は振幅特性をさらにチューニングすることが可能となる。図6は、図4Aに示される例においてのように、SFIT電極424及び426が曲線電極指を有する位相シフト回路420の一例を例示する。他例では、SFIT電極424及び426は、上述のような傾斜電極指又は段状電極指を有してよい。
すなわち、側面及び実施形態は、主要フィルタ回路410からの主要信号出力を、特定の関心周波数帯域にわたって有効に相殺し得る補助信号を与えるように構成され得る位相シフト回路420を与えるので、一以上のフィルタ400を含むアンテナデュプレクサ300又は類似の電子デバイスのアイソレーション特性が大幅に改善される。位相シフト回路420において従来型IDT電極の代わりにSFIT電極を使用することにより、有利なことに位相シフト回路420のサイズを小さくかつコンポーネント数を少なく維持したまま、優れた性能を達成することができる。上述のように、SFIT電極を使用することにより、位相シフト回路420の、付加的な回路設計自由度が得られる。特に、電極指ピッチ及びSFIT電極間隔を異なる周波数に対して最適化するSFIT電極設計において多重「チャネル」を使用することにより、位相特性を広い周波数帯域にわたってあつらえることができる。その結果、位相シフト回路420の周波数応答を拡張し、主要フィルタ回路410からの信号の、広い周波数帯域にわたる所望の減衰又は相殺が可能となる。
図7は、図8A〜C及び9A〜Cを参照して以下に説明される様々な性能特性をシミュレーション及び測定するべく使用されたアンテナデュプレクサ300の特定例を示す図である。フィルタ400の一実施形態は、アンテナデュプレクサ300の送信フィルタとして使用される。この例では、主要フィルタ回路410は、図示されるように配列された複数の直列腕共振器414及び並列腕共振器416を含む。位相シフト回路420は、第1キャパシタ素子422、第1SFIT電極424、第2SFIT電極426及び第2キャパシタ素子428を含み、入力端子304及び共通端子302間で送信フィルタ410に並列接続される。この例では、受信フィルタ320は、図7示されるように、共通端子302及び出力端子306間に直列接続された2端子共振器322、第1縦結合共振器324及び第2縦結合共振器326を含む。
図8A〜Cは、図7のアンテナデュプレクサ300の一例の様々な特性シミュレーションを示すグラフである。位相シフト回路420の動作によって当該デュプレクサのアイソレーション特性が改善されることが実証される。シミュレーションに対し、SFIT電極424には23の電極指が含まれ、SFIT電極426には19の電極指が含まれた。図8A〜C及び9A〜Cはまた、図7に示されるのと同じ構成を有するが、位相シフト回路が、SFIT電極ではなく2つの従来型IDT電極を含むアンテナデュプレクサの比較例の特性シミュレーションも示す。図8A〜Cは、図7Bのアンテナデュプレクサ300の、3ポートのSパラメータに対するシミュレーション結果を示す。ポート1は(アンテナが結合される)共通端子302であり、ポート2は入力端子304であり、ポート3は出力端子306である。
図8Aは、入力端子304から共通端子302までの主要フィルタ回路410の通過特性シミュレーションS(2,1)の振幅を示す。図8Aにおいて、縦軸は、減衰量に対応する通過特性の振幅(dB)を表し、横軸は周波数(MHz)を表す。トレース602は、上述して図7に示す2つのSFIT電極424、426を含む位相シフト回路420の例(以下「位相シフト回路例」と称する)を表し、トレース604は、2つの従来型IDT電極を含む位相シフト回路の比較例(以下「比較例」と称する)を表す。図7のアンテナデュプレクサ300における送信フィルタとして作用する主要フィルタ回路410は、送信帯域すなわち送信通過帯域612及び送信阻止帯域614を有する。送信通過帯域612は、少なくとも標識m1から標識m2まで(近似的に880MHzから915MHzまで)延びる。位相ループ回路420が信号減衰の増加に寄与する減衰帯域616は、標識m3から標識m4まで(近似的に925MHzから960MHzまで)延びて主要フィルタ回路410の送信阻止帯域614と重複する。位相シフト回路シミュレーション及び比較例シミュレーションの減衰は、送信通過帯域616内で極めて類似する(実際には、図8Aにおいて、互いに重なり視覚的に区別できないくらいに類似する)が、図8Aに示されるように、位相シフト回路例シミュレーションは、減衰帯域616の少なくとも一部分において著しく改善された減衰を実証する。図8Aにおいて、トレース602aは、縦軸の縮尺がトレース602に対する増分10dBの代わりに増分1dBとなる(図8Aにかっこ書きで示す)トレース602の「拡大」図を表す。図8Aに示されるように、位相シフト回路420の存在は、送信通過帯域612において主要フィルタ回路410の周波数応答にマイナスの影響を与えてはいない。
所定の例によれば、位相シフト回路420の第1及び第2SFIT電極424、426の巨視的な電極指ピッチは、減衰帯域616を所望どおりに位置決めするように制御可能である。例えば、(図8Aに示されるように)減衰帯域616の最低周波数が、主要フィルタ回路410の送信通過帯域612の最高周波数よりも高い場合、図7に示される位相シフト回路420のSFIT電極の隣接電極指間の巨視的な電極指ピッチは、主要フィルタ回路410の共振器における電極指ピッチよりも小さい。減衰帯域616の最高周波数が、主要フィルタ回路410の送信通過帯域612の最低周波数よりも低い代替的な場合は、SFIT電極の隣接電極指間の巨視的な電極指ピッチは、主要フィルタ回路410の共振器の電極指ピッチよりも大きい。すなわち、巨視的な電極指ピッチは、減衰帯域616を位置決めするように制御可能である。加えて、電極指の湾曲又は傾斜のようなSFIT電極の他の特徴は、位相特性と同様に減衰帯域616の帯域幅も細かくチューニングするようにあつらえることができる。
図8Bは、出力端子306から共通端子302までの受信フィルタ320の通過特性シミュレーション(トレース622)S(3,1)の振幅を示す。ここで、位相シフト回路例420は、図7に示されるように主要フィルタ回路410に並列接続される。このシミュレーションでは、位相シフト回路例と比較例との結果の差異は小さすぎて、描画の縮尺で図8Bに示すことができなかった。図8Bにおいて、縦軸は、減衰量に対応する通過特性の振幅(dB)を表し、横軸は周波数(MHz)を表す。受信フィルタ回路320は、送信帯域すなわち受信通過帯域632及び受信阻止帯域634を有する。受信阻止帯域634は、少なくとも標識m5から標識m6まで(近似的に880MHzから915MHzまで)延びて主要フィルタ回路410の送信通過帯域612と重複し、受信通過帯域632は、少なくとも標識m7から標識m8まで(近似的に925MHzから960MHzまで)延びて主要フィルタ回路410の送信阻止帯域614及び減衰帯域616と重複する。トレース622aは、縦軸の縮尺がトレース622に対する増分10dBの代わりに増分1dBとなる(かっこ書きで示す)トレース622の「拡大」図を表す。図8Bに示されるように、位相シフト回路420の存在は、受信通過帯域632において受信フィルタ回路320の周波数応答にマイナスの影響を与えてはいない。
図8Cは、図7のアンテナデュプレクサ300の例に対する、入力端子304及び出力端子306間で測定されたアイソレーション特性シミュレーションS(3,2)を示す。これは、位相シフト回路例(トレース642)及び比較例(トレース644)を含む。図8Cにおいて、縦軸はアイソレーション特性の振幅(dB)を表し、横軸は周波数(MHz)を表す。図示されるように、位相シフト回路例を含むデュプレクサは、著しく大きな減衰を実証し、ひいては減衰帯域616にわたるアイソレーションの著しい改善を実証する。すなわち、これらのシミュレーション結果は、SFIT電極の使用が、位相シフト回路420の位相又は振幅特性の最適化、及びアンテナデュプレクサ300におけるアイソレーションの改善に役立つことを実証する。
図9A〜Cは、図8A〜8Cに表されたシミュレーション結果に対応する測定データを示す。図9Aは、位相シフト回路例(トレース652)及び比較例(トレース654)双方に対する入力端子304及び共通端子302間の主要フィルタ回路410の周波数応答の測定例S(2,1)を示す。トレース652aは、縦軸の縮尺がトレース652に対する増分10dBの代わりに増分1dBとなる(かっこ書きで示す)トレース652の「拡大」図を表す。図9Bは、位相シフト回路例(トレース662)及び比較例(トレース664)に対する、出力端子306及び共通端子302間の受信フィルタ320の周波数応答の測定例S(3,2)を示す。トレース662aは、縦軸の縮尺がトレース662に対する増分10dBの代わりに増分1dBとなる(かっこ書きで示す)トレース662の「拡大」図を表す。図9Cは、位相シフト回路例(トレース672)及び比較例(トレース674)に対する、入力端子304及び出力端子306間のアイソレーション特性の測定例S(3,1)を示す。図示されるように、位相シフト回路例を含むアンテナデュプレクサ300は、少なくとも減衰帯域616にわたる減衰の増大、ひいてはアイソレーションの改善を実証する。測定データは、図8A〜Cに表された対応シミュレーション結果との良好な一致を示す。
すなわち、SFIT電極を使用して実装された位相シフト回路420が、選択された周波数帯域内に位相及び振幅特性を有するように位相シフト回路からの補助信号出力をチューニングする柔軟性をもたらし、上述したように、位相シフト回路420が主要フィルタ回路410に並列接続された場合に、有利なことに、主要フィルタ回路410からの対応信号出力を有効に相殺することができる。その結果、位相シフト回路420を含むフィルタの実施形態を組み入れたデュプレクサ300(又はダイプレクサ若しくはマルチプレクサ)は、著しく改善されたアイソレーション特性を有し得る。これは、現代の多重帯域通信仕様及び要件を満たす上で重要となり得る。上述の実施形態が、送信フィルタ310として使用可能な主要フィルタ回路410に並列接続された位相シフト回路420を有するにもかかわらず、他実施形態においても、デュプレクサ又は他の電子デバイスにおいて受信フィルタ320として使用される主要フィルタ回路に位相シフト回路420を並列接続することにより、類似の利益及び改善されたフィルタ性能特性を達成することができる。
上述した所定の例では、位相シフト回路420は一対のSFIT電極424、426を含む。しかしながら、位相シフト回路420は、音響経路502に沿って圧電基板402に配置された2つを超えるSFIT電極を含んでよい。上述したように、SFIT電極のいずれか又はすべてが、曲線、傾斜又は段状の電極指を使用して実装可能である。多くのSFIT電極を使用することにより、回路の複雑性は増すが、付加的な自由度を得ることができる。
図10Aを参照すると、(位相シフト回路420の所定の例に対して使用可能な)SFIT電極アセンブリ 530の一例の模式図が例示される。これは、5つのSFIT電極510a、510b、510c、510d及び510eを含み、それぞれが、曲線形状を近似する段状外形電極指を有する。SFIT電極アセンブリ530は、(音響アパチャの寸法に対応する)垂直方向寸法534が、5つの水平方向チャネル532a〜eに「分割」される。各チャネルは、隣接するSFIT電極の隣接する電極指間に個別にカスタマイズ可能な間隔Dijを有する。ここで、iはチャネル番号(すなわち1から5)を表し、jは、隣接するSFIT電極間の順次ギャップ(すなわち1から4)を表す。すなわち、間隔D23は、第2チャネル532bにおいて、SFIT電極510c及び510d間の間隔(図面において左から数えて第3の「ギャップ」)となる。図10Aに例示される例では、間隔D11、D21、D41及びD51のいずれよりも間隔D31が大きくなる点で第1及び第2SFIT電極510a及び510bが互いから「離れる」ように湾曲する一方、第2及び第3SFIT電極510b及び510cは、間隔D3jの中で間隔D32が最も小さくなる点で互いの方に「向かう」ように湾曲する。また、この例では、第1及び第3SFIT電極510a及び510cは同じ方向に湾曲し、第2、第4及び第5SFIT電極510b、510d及び510eは同じ方向に、かつ、第1及び第3SFIT電極の湾曲方向とは逆の方向に湾曲する。SFIT電極510a〜eの湾曲方向は設計目的に応じて変えてよく、実施形態は図10Aに示される配列に限られない。加えて、間隔Dijはそれぞれ、所与のアプリケーションに対して位相シフト回路の通過特性を(周波数、振幅及び位相の点で)最適化するべく個別に選択してよい。所与のSFIT電極内の異なるチャネルにわたる間隔は対称であってよいが、対称の必要性があるわけではない。例えば、D11はD51に等しくても又は等しくなくてもよく、D21はD41に等しくても又は等しくなくてもよい。間隔Dijそれぞれを個別に選択できる能力により、SFIT電極設計に大きな柔軟性が得られるので、例えば、それぞれが相対的に少数の電極指を有する、ほんのわずかな数の(例えば1〜5つの)SFIT電極を位相シフト回路420が含む場合であっても、位相シフト回路420を、デュプレクサ300において優れたアイソレーション特性が得られるように構成することができる。
さらに、上述のように、曲線電極指512を有するSFIT電極510の場合、SFIT電極(複数可)を含む位相シフト回路の振幅特性を、電極指512の湾曲を制御することによってあつらえることができる。例えば、図10Aに示される段状外形設計では、SFIT電極サブシステム530も同様に含む位相シフト回路の位相特性を、間隔Dijを適切に調整することによってあつらえることができる。特に、異なる周波数での位相応答に「重みづけ」するべく、異なるチャネルに対して異なる間隔を使用することができる。これにより、位相シフト回路の全体的な位相特性を、関心周波数帯域にわたって制御することができる。かかるSFIT電極サブシステム530が位相シフト回路420において使用される場合、SFIT電極が与える設計柔軟性により、位相シフト回路の周波数応答を、関連するフィルタ400又はアンテナデュプレクサ300の所望の性能が達成されるように精密にあつらえることができる。
図11Aは、位相シフト回路の一実施形態を含むアンテナデュプレクサ300の他例を示す図である。位相シフト回路は、5つのSFIT電極を有するSFIT電極アセンブリ530の一例を含む。図11Bは、送信フィルタ310及び受信フィルタ320の特定例を示す。しかしながら、当業者にわかるように、これらのフィルタは様々な構成を有し、図11Bに示される例に限られない。示される例では、送信フィルタ310は、図示されるように配列された複数の直列腕共振器414及び並列腕共振器416を含み、受信フィルタ320は、図11Bに示されるように共通端子302及び出力端子306間に直列接続された2端子共振器322、第1縦結合共振器324及び第2縦結合共振器326を含む。図11A及び11Bに示される例では、位相シフト回路は、第1SFIT電極531及び共通端子302間に接続された第1キャパシタ552と、第2SFIT電極532及び入力端子304間に接続された第2キャパシタ554と、第3SFIT電極533及び共通端子302間に接続された第3キャパシタ556と、第4SFIT電極534及び入力端子間に接続された第4キャパシタ558と、第5SFIT電極535及び出力端子306間に接続された第5キャパシタ560とを含む。
図12は、図11Bに示されたアンテナデュプレクサ300の例に対する、入力端子304及び出力端子306間で測定されたアイソレーション特性シミュレーションS(3,2)を示す。図12において、縦軸はアイソレーション特性の振幅(dB)を表し、横軸は周波数(MHz)を表す。トレース682が、図10Aに示される配列を有するSFIT電極アセンブリ530を有する位相シフト回路を含む図11Bのアンテナデュプレクサ300のアイソレーション特性シミュレーションを表す。トレース684が、SFIT電極アセンブリ530が図10Bに示される従来型IDT配列に置換された比較例を表す。
すなわち、側面及び実施形態は、2以上のSFIT電極を使用して実装された位相シフト回路420を与える。位相シフト回路は、関連フィルタ回路の周波数応答を補完するように構成され、当該フィルタ回路及び位相シフト回路が使用される電子デバイスの性能改善が達成される。特に、上述のように、所定の実施形態において、位相シフト回路420は、アンテナデュプレクサ300の送信フィルタ310又は受信フィルタ320に関連して使用してよい。図13は、入力端子304及び共通端子302間で送信フィルタ310に並列接続された位相シフト回路420の一実施形態を含むアンテナデュプレクサ300の一例の図である。一例において、送信フィルタ310は、図3Bに示される主要フィルタ回路410の構成を有する。しかしながら、上述のように、多数の他構成の送信フィルタが実装可能である。同様に、受信フィルタ320は、(例えば図7及び11Bに示されるように)縦結合共振器、ラダー型フィルタ配列、又は任意の他のフィルタ構成を使用して実装可能である。送信フィルタ310及び受信フィルタ320の正確な構成は、例えば、期待される動作周波数範囲(複数可)、又は他の性能若しくは設計仕様に依存し得る。例えば、通過帯域及び阻止帯域間の遷移の「シャープネス」、通過帯域若しくは阻止帯域において許容可能な「リップル」、又は他の因子に依存し得る。位相シフト回路420においてSFIT電極を使用することにより、特に、周波数応答の位相形状及び振幅特性において相対的に広い範囲の周波数にわたって高度な設計柔軟性が得られるので、多様な異なる送信又は受信フィルタ構成に対する所望の性能仕様を満たすことができる。上述のように、2以上のSFIT電極を使用して実装された位相シフト回路420により、位相シフト回路からの補助信号出力を、入力端子304及び出力端子306間を進行する主要信号の少なくとも一部分を有効に相殺する振幅及び位相を有するようにあつらえることができる。これにより、この信号を著しく減衰させて当該2端子間の望ましくない漏洩を低減し、アンテナデュプレクサ300のアイソレーション特性を改善することができる。
上述のようにSFIT電極を使用して実装された位相シフト回路420を備えたアンテナデュプレクサ300又はフィルタ400の実施形態は、有利なことに、様々な電子デバイスに使用してよい。電子デバイスの例は、家庭用電子製品、家庭用電子製品の部品、電子試験機器、基地局のようなセルラー通信インフラストラクチャ等を含んでよいがこれらに限られない。電子デバイスの例は、スマートフォンのような携帯電話機、電話機、テレビジョン、コンピュータモニタ、コンピュータ、モデム、ハンドヘルドコンピュータ、ラップトップコンピュータ、タブレットコンピュータ、電子書籍リーダ、スマートウォッチのようなウェアラブルコンピュータ、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)、家電機器、自動車、ステレオシステム、DVDプレーヤ、CDプレーヤ、MP3プレーヤのようなデジタル音楽プレーヤ、ラジオ、ビデオカメラ、カメラ、デジタルカメラ、携帯型メモリチップ、ヘルスケアモニタリングデバイス、自動車エレクトロニクスシステム又は航空エレクトロニクスシステムのような車両電子機器、周辺デバイス、腕時計、置き時計等を含んでよいが、これらに限られない。さらに、電子デバイスは、未完成の製品を含んでよい。
図14は、アンテナデュプレクサ300を含む無線デバイス700の一例のブロック図である。アンテナデュプレクサ300は、所定の実施形態に係るSFIT電極を使用して実装された位相シフト回路420を有するフィルタ400を含む。無線デバイス700は、音声又はデータ通信のために構成されたセルラー電話機、スマートフォン、タブレット、モデム、通信ネットワーク、又は任意の他のポータブル若しくは非ポータブルデバイスであってよい。無線デバイス700は、アンテナ210から信号を受信及び送信できる。無線デバイスは、上述したデュプレクサ300を含むフロントエンドモジュール200を含む。フロントエンドモジュール200はさらにアンテナスイッチ240を含む。これは、例えば送信モード及び受信モードのような、異なる周波数帯域又はモード間の切り替えのために構成してよい。図14に例示される例では、アンテナスイッチ240は、デュプレクサ300及びアンテナ210間に位置決めされる。しかしながら、他例では、デュプレクサ300をアンテナスイッチ240及びアンテナ210間に位置決めし、又はアンテナスイッチ240及びデュプレクサ300を一つのモジュールに統合してよい。
フロントエンドモジュール200は、送信信号を生成し又は受信信号を処理するように構成された送受信器220を含む。送受信器は、図2に示されるように、デュプレクサ300の入力端子304に接続可能な送信器回路222、及びデュプレクサ300の出力端子306に接続可能な受信器回路224を含んでよい。送信器回路222による送信のために生成された信号は、電力増幅器(PA)モジュール250によって受信される。電力増幅器モジュール250は、送受信器220からの生成信号を増幅する。当業者にわかることだが、電力増幅器モジュール250は一以上の電力増幅器を含んでよい。電力増幅器モジュール250は、多様なRF又は他の周波数帯域の送信信号を増幅するべく使用してよい。例えば、電力増幅器モジュール250は、無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)信号又は任意の他の適切なパルス信号を送信する補助となるように、電力増幅器の出力をパルス化するべく使用可能なイネーブル信号を受信することができる。電力増幅器モジュール250は、例えば、GSM(Global System for Mobile)(登録商標)信号、符号分割多元接続(CDMA)信号、広帯域符号分割多元接続(W−CDMA)信号、ロングタームエボリューション(LTE)信号又はEDGE信号を含む様々なタイプの信号のいずれかを増幅するように構成可能である。所定の実施形態では、電力増幅器モジュール250、及びスイッチ等を含む関連コンポーネントは、例えば、pHEMT若しくはBiFETトランジスタを使用してGaAs基板に作製し、又はCMOSトランジスタを使用してシリコン基板に作製してよい。フロントエンドモジュール200はさらに低ノイズ増幅器モジュール260を含む。これは、アンテナ210からの受信信号を増幅し、当該増幅信号を送受信器220の受信器回路224に与える。
図14の無線デバイス700はさらに、送受信器220に接続されて当該無線デバイスの動作のための電力を管理する電力管理サブシステム710を含む。電力管理システム710はまた、無線デバイス700のベース帯域サブシステム720及び他のコンポーネントの動作も制御可能である。電力管理システム710は、無線デバイス700の様々なコンポーネントのために電力を供給する電池(図示せず)を含み又は当該電池に接続されてよい。電力管理システム710はさらに、例えば信号の送信を制御可能な一以上のプロセッサ又は制御器を含んでよい。
一実施形態において、ベース帯域サブシステム720は、ユーザとの間でやりとりされる音声又はデータの様々な入力及び出力を容易にするべくユーザインタフェイス730に接続される。ベース帯域サブシステム720はまた、無線デバイス700の動作を容易にし又はユーザのための情報記憶を与えるべく、データ又は命令を記憶するように構成されたメモリ740に接続されてよい。
少なくとも一つの実施形態のいくつかの側面を上述したが、様々な改変、修正及び改善が当業者にとって容易に想起されることを理解されたい。かかる改変、修正及び改善は、本開示の一部となることが意図され、かつ、本発明の範囲内にあることが意図される。したがって、上記説明及び図面は例示にすぎず、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲及びその均等物の適切な構築から決定するべきである。

Claims (42)

  1. フィルタであって、
    入力端子と、
    出力端子と、
    前記入力端子及び前記出力端子間に接続された主要フィルタ回路と、
    前記入力端子及び前記出力端子間で前記主要フィルタ回路に並列接続された位相シフト回路と
    を含み、
    前記主要フィルタ回路は、第1位相特性、第1通過帯域及び第1阻止帯域を含み、
    前記位相シフト回路は、第1キャパシタ素子と、第2キャパシタ素子と、前記第1キャパシタ素子及び前記第2キャパシタ素子間で直列接続された一対の弾性波素子とを含み、
    前記一対の弾性波素子は、前記弾性波素子を通るように弾性波が伝播する一つの弾性波経路において互いから離間して配置された一対の傾斜指インターディジタルトランスデューサ電極を含み、
    前記位相シフト回路は、前記第1阻止帯域の少なくとも一部分に対応する減衰帯域において前記第1位相特性とは逆の第2位相特性を含むフィルタ。
  2. 各傾斜指インターディジタルトランスデューサ電極は、互いの指が組み合わされた第1及び第2櫛形電極を含み、
    前記第1及び第2櫛形電極はそれぞれ複数の電極指を有し、
    各電極指は曲線形状を有する請求項1のフィルタ。
  3. 各傾斜指インターディジタルトランスデューサ電極は、互いの指が組み合わされた第1及び第2櫛形電極を含み、
    前記第1及び第2櫛形電極はそれぞれ、バスバーと、前記バスバーから90度に等しくならない角度で延びる複数の傾斜電極指とを有する請求項1のフィルタ。
  4. 前記主要フィルタ回路は複数のフィルタ共振器を含み、
    前記位相シフト回路の一対の弾性波素子と前記複数のフィルタ共振器とが一つの共通圧電基板に形成される請求項1のフィルタ。
  5. 前記主要フィルタ回路の複数のフィルタ共振器は、
    前記入力端子と前記出力端子とを接続する信号線に沿って互いに直列接続された複数の直列腕フィルタ共振器と、
    前記信号線と基準電位との間に接続された複数の並列腕フィルタ共振器と
    を含み、
    前記複数の直列腕フィルタ共振器及び前記複数の並列腕フィルタ共振器は一緒になってラダー回路を形成する請求項4のフィルタ。
  6. 前記複数の直列腕フィルタ共振器及び前記複数の並列腕フィルタ共振器は弾性表面波共振器である請求項5のフィルタ。
  7. 前記複数の直列腕フィルタ共振器及び前記複数の並列腕フィルタ共振器はバルク弾性波共振器である請求項5のフィルタ。
  8. 前記第1キャパシタ素子は前記一対の弾性波素子と前記入力端子との間に接続され、
    前記第2キャパシタ素子は前記一対の弾性波素子と前記出力端子との間に接続され、
    前記第1キャパシタ素子の第1容量は前記第2キャパシタ素子の第2容量よりも小さい請求項1のフィルタ。
  9. 前記位相シフト回路は、前記一対の弾性波素子に直列接続された少なくとも一つの付加弾性波素子を含み、
    前記少なくとも一つの付加弾性波素子は傾斜指インターディジタルトランスデューサ電極を含む請求項1のフィルタ。
  10. デュプレクサであって、
    入力端子と、
    出力端子と、
    共通端子と、
    前記入力端子及び前記共通端子間に接続された送信フィルタ並びに前記共通端子及び前記出力端子間に接続された受信フィルタを、前記送信フィルタ及び前記受信フィルタが前記入力端子及び前記出力端子間に直列接続されるように含むフィルタ回路と、
    前記入力端子及び前記共通端子間で前記送信フィルタに並列接続された位相シフト回路と
    を含み、
    前記送信フィルタは第1通過帯域及び第1阻止帯域を有し、
    前記受信フィルタは、前記第1通過帯域とは異なるが少なくとも一部分が前記第1阻止帯域と重複する第2通過帯域を有し、
    前記位相シフト回路は、第1キャパシタ素子、第2キャパシタ素子、第1傾斜指インターディジタルトランスデューサ電極及び第2傾斜指インターディジタルトランスデューサ電極を含み、
    前記位相シフト回路は、減衰帯域において前記送信フィルタの第2位相特性とは逆の第1位相特性を有し、
    前記減衰帯域は、前記第1阻止帯域内かつ前記第2通過帯域内にあるデュプレクサ。
  11. 前記第1及び第2傾斜指インターディジタルトランスデューサ電極は、圧電基板において、前記第1及び第2傾斜指インターディジタルトランスデューサ電極を通るように弾性波が伝播する一つの弾性波経路に沿って互いから離間して配置される請求項10のデュプレクサ。
  12. 前記送信フィルタは、前記圧電基板に配置された複数のフィルタ共振器を含む請求項11のデュプレクサ。
  13. 前記複数のフィルタ共振器は、
    前記入力端子と前記共通端子とを接続する信号線に沿って互いに直列接続された複数の直列腕フィルタ共振器と、
    前記信号線と基準電位との間に接続された複数の並列腕フィルタ共振器と
    を含み、
    前記複数の直列腕フィルタ共振器及び前記複数の並列腕フィルタ共振器は一緒になってラダー回路を形成する請求項12のデュプレクサ。
  14. 前記基準電位はグランドである請求項13のデュプレクサ。
  15. 前記第1キャパシタ素子は前記第1傾斜指インターディジタルトランスデューサ電極及び前記入力端子間に接続され、
    前記第2キャパシタ素子は前記第2傾斜指インターディジタルトランスデューサ電極及び前記出力端子間に接続される請求項10のデュプレクサ。
  16. 前記第1キャパシタ素子の第1容量は、前記第2キャパシタ素子の第2容量よりも小さい請求項15のデュプレクサ。
  17. 前記共通端子及びグランド間に接続されたインダクタをさらに含む請求項10のデュプレクサ。
  18. 前記位相シフト回路はさらに第3傾斜指インターディジタルトランスデューサを含む請求項10のデュプレクサ。
  19. 無線デバイスであって、
    請求項10〜17のいずれか一項のデュプレクサと、
    前記デュプレクサの共通端子に接続されたアンテナと、
    前記デュプレクサの入力端子に接続され、前記アンテナが送信する送信信号を生成するように構成された送信器回路と、
    前記デュプレクサの出力端子に接続された受信器回路と
    を含み、
    前記送信信号は前記第1通過帯域内の周波数を有する無線デバイス。
  20. 電子デバイスであって、
    入力端子と、
    出力端子と、
    前記入力端子及び前記出力端子間に接続された第1フィルタと、
    前記入力端子及び前記出力端子間で前記第1フィルタに並列接続された位相シフト回路と
    を含み、
    前記第1フィルタは、第1通過帯域、第1阻止帯域及び第1位相特性を有し、
    前記位相シフト回路は、第1キャパシタ素子、第2キャパシタ素子、第1弾性波素子及び第2弾性波素子を含み、
    前記第1及び第2弾性波素子は、前記第1キャパシタ素子及び前記第2キャパシタ素子間に接続され、前記弾性波素子を通るように弾性波が伝播する一つの弾性波経路において互いから離間して配置され、
    前記第1及び第2弾性波素子はそれぞれ、傾斜指インターディジタルトランスデューサ電極であり、
    前記位相シフト回路は、前記第1阻止帯域内にある減衰帯域において前記第1位相特性とは逆の第2位相特性を有する電子デバイス。
  21. 前記第1及び第2弾性波素子それぞれに対し、前記傾斜指インターディジタルトランスデューサ電極は、互いの指が組み合わされた複数の電極指を有する一対の櫛形電極を含み、
    各電極指は曲線形状を有する請求項20の電子デバイス。
  22. 前記第1及び第2弾性波素子それぞれに対し、前記傾斜指インターディジタルトランスデューサ電極は、互いの指が組み合わされた一対の櫛形電極を有し、
    各櫛形電極は、バスバーから90度に等しくならない角度で延びる複数の電極指を含む請求項20の電子デバイス。
  23. 前記位相シフト回路さらに、前記第1キャパシタ素子及び前記第2キャパシタ素子間に接続された第3弾性波素子を含む請求項20の電子デバイス。
  24. 前記第1フィルタは複数のフィルタ共振器を含み、
    前記位相シフト回路の第1及び第2弾性波素子と前記複数のフィルタ共振器とが一つの共通圧電基板に形成される請求項20の電子デバイス。
  25. 前記複数のフィルタ共振器は、
    前記入力端子と前記出力端子とを接続する信号線に沿って互いに直列接続された複数の直列腕フィルタ共振器と、
    前記信号線と基準電位との間に接続された複数の並列腕フィルタ共振器と
    を含み、
    前記複数の直列腕フィルタ共振器及び前記複数の並列腕フィルタ共振器は一緒になってラダー回路を形成する請求項24の電子デバイス。
  26. 前記基準電位はグランドである請求項25の電子デバイス。
  27. 前記第1キャパシタ素子は前記第1弾性波素子及び前記入力端子間に接続され、
    前記第2キャパシタ素子は前記第2弾性波素子及び前記出力端子間に接続され、
    前記第1キャパシタ素子の容量は、前記第2キャパシタ素子の容量よりも小さい請求項20の電子デバイス。
  28. 前記出力端子及びグランド間に接続されたインダクタをさらに含む請求項20の電子デバイス。
  29. デュプレクサであって、
    入力端子と、
    出力端子と、
    共通端子と、
    前記入力端子及び前記共通端子間に接続された送信フィルタと、
    前記共通端子及び前記出力端子間に接続された受信フィルタと、
    前記共通端子に接続された第1キャパシタ素子と、前記入力端子に接続された第2キャパシタ素子と、前記第1及び第2キャパシタ素子に接続されたトランスバーサルフィルタとを含む位相シフト回路と
    を含み、
    前記送信フィルタは、第1通過帯域と、第1阻止帯域と、前記第1阻止帯域の少なくとも一部分に対応する減衰帯域内における第1位相特性とを有し、
    前記受信フィルタは、前記第1阻止帯域と重複する第2通過帯域と、前記第1通過帯域と重複する第2阻止帯域とを有し、
    前記トランスバーサルフィルタは、少なくとも2つの傾斜指インターディジタルトランスデューサ電極を含み、
    前記少なくとも2つの傾斜指インターディジタルトランスデューサ電極は、前記少なくとも2つの傾斜指インターディジタルトランスデューサ電極を通るように弾性波が伝播する一つの弾性波経路において互いから離間して配置され、
    前記位相シフト回路は、前記減衰帯域において前記第1位相特性とは逆の第2位相特性を有するデュプレクサ。
  30. 前記位相シフト回路は前記入力端子及び前記共通端子間で前記送信フィルタに並列接続され、
    前記トランスバーサルフィルタは前記第1キャパシタ素子及び前記第2キャパシタ素子間に直列接続される請求項29のデュプレクサ。
  31. 前記第1キャパシタ素子の第1容量は、前記第2キャパシタ素子の第2容量よりも小さい請求項30のデュプレクサ。
  32. 前記トランスバーサルフィルタは、5つの傾斜指インターディジタルトランスデューサ電極を含む請求項29のデュプレクサ。
  33. 前記5つの傾斜指インターディジタルトランスデューサ電極は、
    前記第1キャパシタ素子に接続された第1傾斜指インターディジタルトランスデューサ電極と、
    前記第2キャパシタ素子に接続された第2傾斜指インターディジタルトランスデューサ電極と
    を含む請求項32のデュプレクサ。
  34. 前記位相シフト回路はさらに、
    前記共通端子に接続された第3キャパシタ素子と、
    前記入力端子に接続された第4キャパシタ素子と、
    前記出力端子に接続された第5キャパシタ素子と
    を含み、
    前記トランスバーサルフィルタはさらに、
    前記第3キャパシタ素子に接続された第3傾斜指インターディジタルトランスデューサ電極と、
    前記第4キャパシタ素子に接続された第4傾斜指インターディジタルトランスデューサ電極と、
    前記第5キャパシタ素子に接続された第5傾斜指インターディジタルトランスデューサ電極と
    を含む請求項33のデュプレクサ。
  35. 前記受信フィルタはさらに、前記共通端子及び前記出力端子間に直列接続された2端子共振器、第1縦結合共振器及び第2縦結合共振器を含む請求項34のデュプレクサ。
  36. 前記送信フィルタは、
    前記入力端子と前記出力端子とを接続する信号線に沿って互いに直列接続された複数の直列腕共振器と、
    前記信号線と基準電位との間に接続された複数の並列腕共振器と
    を含み、
    前記複数の直列腕共振器及び前記複数の並列腕共振器は一緒になってラダー回路を形成する請求項35のデュプレクサ。
  37. 前記基準電位はグランドである請求項36のデュプレクサ。
  38. 前記送信フィルタは複数のフィルタ共振器を含み、
    前記位相シフト回路の少なくとも2つの傾斜指インターディジタルトランスデューサ電極と前記複数のフィルタ共振器とが一つの共通圧電基板に形成される請求項29のデュプレクサ。
  39. 前記複数のフィルタ共振器は、
    前記入力端子と前記出力端子とを接続する信号線に沿って互いに直列接続された複数の直列腕フィルタ共振器と、
    前記信号線と基準電位との間に接続された複数の並列腕フィルタ共振器と
    を含み、
    前記複数の直列腕フィルタ共振器及び前記複数の並列腕フィルタ共振器は一緒になってラダー回路を形成する請求項38のデュプレクサ。
  40. 前記基準電位はグランドである請求項39のデュプレクサ。
  41. 前記少なくとも2つの傾斜指インターディジタルトランスデューサ電極はそれぞれ、互いの指が組み合わされた複数の電極指を有する一対の櫛形電極を含み、
    各電極指は曲線形状を有する請求項29のデュプレクサ。
  42. 前記少なくとも2つの傾斜指インターディジタルトランスデューサ電極はそれぞれ、互いの指が組み合わされた一対の櫛形電極を含み、
    各櫛形電極は、バスバーから90度に等しくならない角度で延びる複数の電極指を有する請求項29のデュプレクサ。
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