ところで、特許文献1には、エンジンの回転速度が略零になった場合にモータの発電運転を停止する旨が記載されている。しかし、エンジンの回転速度が低下してモータの発電電圧が車両に備わる電源の電圧未満になると、モータの発電運転が実施できないおそれがある。この場合、モータはエンジンに制動トルクを与えることができず、迅速にエンジンを停止することができない。仮にモータの発電運転を実施できたとしても、モータがエンジンに与える制動トルクは小さいものであると考えられ、エンジンが完全に停止するまでの時間が長くなるおそれがある。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その主たる目的は、エンジンの停止制御中において、エンジンの回転速度がより低い領域まで、エンジンに制動トルクを付与することが可能な停止制御システムを提供することにある。
第1の発明は、燃料の燃焼により駆動力を発生するエンジンと、前記エンジンの前記駆動力により発電可能な回転電機を有する回転電機モジュールと、前記回転電機モジュールにより供給される電力により充電される電源とを備え、前記エンジンを停止させる制御を実行する停止制御システムであって、前記エンジンによる前記燃料の燃焼が停止された後に、前記回転電機に生じた誘導電流が前記電源を経由せずに流れる閉回路を形成することを特徴とする。
エンジンの迅速な停止を実現するために、エンジンによる燃料の燃焼が停止された後、回転電機による発電を実施させ、エンジンに回転電機の制動トルクを付与させる場合がある。回転電機に生じる誘導起電圧の大きさは、エンジンの回転速度に依存している。このため、エンジンの回転速度が低下して回転電機に生じる誘導起電圧が電源の電圧よりも小さくなると、回転電機に生じた誘導電流を電源に流すことができなくなり、回転電機による発電が実施できないおそれがある。この場合、回転電機はエンジンに制動トルクを与えることができず、迅速にエンジンを停止することができない。仮に回転電機の発電を実施できたとしても、回転電機がエンジンに与える制動トルクは小さいものであると考えられ、エンジンが完全に停止するまでの時間が長くなるおそれがある。
この対策として、本停止制御システムでは、エンジンによる燃料の燃焼が停止された後に、回転電機に生じた誘導電流が電源を経由せずに流れる閉回路が形成される。これにより、エンジンの回転速度が低下して回転電機に生じる誘導起電圧が電源の電圧よりも小さくなっても、回転電機に生じた誘導電流は形成した閉回路内で流れるため、回転電機はエンジンに制動トルクを与えることができる。つまり、エンジンの回転速度がより低い領域まで、エンジンに制動トルクを付与することが可能となるため、エンジンを迅速に停止することができる。また、エンジンの自動停止及び自動再始動を実行するシステムでは、エンジンの迅速な停止に伴い、エンジンの再始動時期を早めることができる。よって、エンジンの再始動性を良好なものとすることができる。
第2の発明は、第1の発明において、前記回転電機は、界磁巻線と、前記界磁巻線に流れる電流の大きさを調節する電流調節部と、を備え、前記電流調節部は、前記閉回路が形成されている期間中、前記エンジンに付与する前記制動トルクが所定トルクよりも大きくならないように前記界磁巻線に流れる前記電流の大きさを調節することを特徴とする。
エンジンの回転速度が高い状態で本制御を実施した場合、電源を介さずに閉回路を形成する分、閉回路を形成しない場合と比較してエンジンに付与される制動トルクの大きさはより大きいものとなる。このため、エンジンと回転電機とが例えばベルトなどで駆動連結されている構成において、エンジンの回転速度が高い状態で本制御を実施した場合、エンジンに付与される制動トルクの大きさが過剰に大きくなり、ベルトから異音が生じる所謂「ベルト鳴き」が発生することが考えられる。この対策として、閉回路が形成されている期間中、エンジンに付与する制動トルクが所定トルクよりも大きくならないように界磁巻線に流れる電流の大きさが調節部により調節される。これにより、エンジンに付与される制動トルクの大きさを所定トルクよりも小さく調節することができ、「ベルト鳴き」などの問題が発生することを抑制することができる。
第3の発明は、第1又は2の発明において、前記回転電機は、電機子巻線と、電機子巻線に流す誘導電流の平均電流の大きさを調節する誘導電流調節部と、を備え、前記誘導電流調節部は、前記閉回路が形成されている期間中、前記エンジンに付与する前記制動トルクが所定トルクよりも大きくならないように前記電機子巻線に流す前記誘導電流の平均電流の大きさを調節することを特徴とする。
エンジンに付与する制動トルクが所定トルクよりも大きくならないように制御する別の方法として、電機子巻線に流す誘導電流の平均電流の大きさが調節されてもよい。これにより、多相回転電機に生じた誘導電流の大きさを制限でき、ひいてはエンジンに付与される制動トルクが所定トルクよりも大きくなることを抑制することができる。
第4の発明は、第1乃至3のいずれか1の発明において、前記エンジンによる前記燃料の燃焼が停止された後に、前記エンジンの回転速度が所定回転速度よりも高い場合に前記回転電機により発電を実行させ、前記エンジンの回転速度が前記所定回転速度よりも低い場合に、前記閉回路を形成することを特徴とする。
閉回路を形成することなく回転電機に充電を実施させた場合、エンジンに付与される制動トルクの大きさは、回転電機に生じる誘導電流の大きさに依存する。エンジンの回転速度が所定回転速度よりも高い状況では、回転電機により供給される電力により電源を充電していても、エンジンに与える制動トルクは十分に大きいものであると考えられる。このため、エンジンの回転速度が所定回転速度よりも高い場合には回転電機に発電を実行させることで、エンジンに制動トルクを付与するとともに、電源を充電することが可能となる。
一方で、エンジンの回転速度が所定回転速度よりも低い状況では、発電により回転電機に生じる誘導電流の大きさもまた小さく、それに伴って回転電機がエンジンに付与する制動トルクの大きさは微小なものとなると考えられる。したがって、エンジンの回転速度が所定回転速度よりも低い場合には、電源を経由しない閉回路が形成される。これにより、回転電機で生じた誘導電流が小さくなることがなく、ひいては回転電機がエンジンに付与する制動トルクがより小さくなることを抑制することができる。
第5の発明は、第1乃至4のいずれか1の発明において、所定の自動停止条件が成立することで、前記エンジンを自動停止する自動停止機能を有する車両に適用され、前記自動停止条件が成立し、且つ、前記エンジンによる前記燃料の燃焼が停止された後に、前記閉回路を形成することを特徴とする。
所定の自動停止条件が成立した場合にエンジンを自動停止させる、自動停止機能を有する車両(例えば、アイドリングストップ車両)では、交差点を曲がる際や渋滞時などで自動停止と再始動が頻発することが考えられる。本停止制御システムを搭載した自動停止車両では、このような状況においてエンジンを迅速に停止することができるとともに、エンジンを早期に再始動することができる。つまり、自動停止車両に対して本停止制御システムを適用することは特に好適であるといえる。
第6の発明は、第1乃至5のいずれか1の発明において、前記回転電機モジュールは、多相回転電機であり、前記多相回転電機が有する複数の相のうち少なくとも一部の相同士が短絡するように開閉動作することが可能な複数の第一スイッチング素子を備え、前記多相回転電機が有する複数の相のうち少なくとも一部の相同士が短絡するように前記第一スイッチング素子を開閉動作させることで、前記閉回路が形成されることを特徴とする。
多相回転電機に本停止制御システムを適用する場合を想定する。この場合、多相回転電機が有する複数の相のうち少なくとも一部の相同士が短絡するように開閉動作することが可能な複数の第一スイッチング素子を多相回転電機内に備えさせる。これにより、エンジンによる燃料の燃焼が停止された後に、多相回転電機が有する複数の相のうち少なくとも一部の相同士が短絡するように第一スイッチング素子を開閉動作させることで、電源を経由しない閉回路が形成することができる。
第7の発明は、第6の発明において、前記閉回路を形成している期間中、前記エンジンに付与する前記制動トルクが所定トルクよりも大きくならないように前記第一スイッチング素子のデューティ比を調節することを特徴とする。
エンジンに付与する制動トルクが所定トルクよりも大きくならないように制御する別の方法として、第一スイッチング素子のデューティ比が調節されてもよい。これにより、多相回転電機に生じた誘導電流の大きさを制限でき、ひいてはエンジンに付与される制動トルクが所定トルクよりも大きくなることを抑制することができる。また、第一スイッチング素子に過剰に大きい誘導電流が流れることを抑制することで、第一スイッチング素子の過熱を抑制することができる。
第8の発明は、第6又は7の発明において、前記エンジンによる前記燃料の燃焼が停止された後、前記多相回転電機の全相が短絡するように複数の前記第一スイッチング素子を開閉動作させることを特徴とする。
多相回転電機の全相が短絡するように複数の第一スイッチング素子を開閉動作させることで、エンジンに付与される制動トルクの変動を小さくすることができる。
第9の発明は、第1乃至5のいずれか1の発明において、前記回転電機モジュールは、オルタネータであり、発電により生じた前記誘導電流を整流する整流部を備え、前記整流部により整流された前記誘導電流が前記電源に流れるように構成された停止制御システムであって、前記電源と前記整流部との間を開閉する第二スイッチング素子と、前記第二スイッチング素子と前記整流部との間に、前記電源を迂回して前記整流部の正極側と負極側とを接続する接続経路と、を備え、前記接続経路は、前記接続経路を開閉する第三スイッチング素子を備え、前記第三スイッチング素子を閉動作させることで前記閉回路を形成し、前記閉回路を形成した際に前記第二スイッチング素子を開動作させることを特徴とする。
上記構成の停止制御システムでは、第三スイッチング素子を閉動作させることで、オルタネータに生じた誘導電流が電源を経由することなく接続経路に流れる閉回路を形成することができる。ただし、この状態では、電源から流れる電流もまた接続経路に流れることになる。このため、第三スイッチング素子を閉動作させることで閉回路を形成した際には、第二スイッチング素子を開動作させる。これにより、電源から接続経路への電流の流入を遮断することができる。
第10の発明は、第9の発明において、前記整流部と前記接続経路と前記オルタネータの界磁巻線とが、前記電源に並列に接続されており、前記接続経路は、抵抗体を備えることを特徴とする。
整流部と接続経路とオルタネータの界磁巻線とが、電源に並列に接続されている。この場合、界磁巻線に印加される電圧の大きさと接続経路に印加される電圧の大きさとが同じとなるため、接続経路に抵抗体が備わっていない構成の場合、界磁巻線に十分な電圧を印加できず、界磁巻線に十分な電流を流せないおそれがある。これに備え、接続経路に抵抗体を備えることで、界磁巻線に印加される電圧を大きくすることができ、界磁巻線に十分な電流を流すことができるため、エンジンの制動トルクを十分に大きくすることが可能となる。
第11の発明は、第1乃至5のいずれか1の発明において、前記回転電機モジュールは、第一系統及び第二系統においてそれぞれ、三相電機子巻線と、前記三相電機子巻線に三相ブリッジ接続された6つのスイッチング素子と、を備え、前記閉回路を形成する際に、前記第一系統及び前記第二系統において、前記6つのスイッチング素子のうち高電圧側の3つのスイッチング素子を閉じ且つ低電圧側の3つのスイッチング素子を開く、又は、前記第一系統及び前記第二系統において、前記6つのスイッチング素子のうち高電圧側の3つのスイッチング素子を開き且つ低電圧側の3つのスイッチング素子を閉じることを特徴とする。
回転電機モジュールは、第一系統及び第二系統においてそれぞれ、三相電機子巻線と、三相電機子巻線に三相ブリッジ接続された6つのスイッチング素子と、を備えている。この場合、第一系統及び第二系統において、6つのスイッチング素子のうち高電圧側の3つのスイッチング素子を閉じ且つ低電圧側の3つのスイッチング素子を開くことで、各系統においてそれぞれ閉回路を形成することができる。これにより、各系統においてエンジンに制動トルクを与えることができ、1系統あたりの熱負荷(各スイッチング素子にかかる熱負荷)を軽減することができる。また、第一系統及び第二系統において、6つのスイッチング素子のうち高電圧側の3つのスイッチング素子を開き且つ低電圧側の3つのスイッチング素子を閉じた場合も、同様の作用効果を奏することができる。
第12の発明は、第1乃至5のいずれか1の発明において、前記回転電機モジュールは、三相電機子巻線と、前記三相電機子巻線に三相ブリッジ接続された6つのスイッチング素子と、を備え、前記閉回路を形成する際に、前記6つのスイッチング素子のうち高電圧側の3つのスイッチング素子を閉じ且つ低電圧側の3つのスイッチング素子を開く第一状態と、前記高電圧側の3つのスイッチング素子を開き且つ前記低電圧側の3つのスイッチング素子を閉じる第二状態とを、交互に切り替えることを特徴とする。
回転電機モジュールは、三相電機子巻線と、三相電機子巻線に三相ブリッジ接続された6つのスイッチング素子と、を備えている。この場合、第一状態として、6つのスイッチング素子のうち高電圧側の3つのスイッチング素子を閉じ且つ低電圧側の3つのスイッチング素子を開くことで、閉回路を形成することができる。第二状態として、6つのスイッチング素子のうち高電圧側の3つのスイッチング素子を開き且つ低電圧側の3つのスイッチング素子を閉じることで、閉回路を形成することができる。そして、閉回路を形成する際に、第一状態と第二状態とを交互に切り替えるため、高電圧側の3つのスイッチング素子と低電圧側の3つのスイッチング素子とに、熱負荷を分散させることができる。
第13の発明は、第1乃至5のいずれか1の発明において、前記回転電機モジュールは、第一系統及び第二系統においてそれぞれ、三相電機子巻線と、前記三相電機子巻線に三相ブリッジ接続された6つのスイッチング素子と、を備え、前記閉回路を形成する際に、前記第一系統及び前記第二系統において、前記6つのスイッチング素子のうち高電圧側の3つのスイッチング素子を閉じ且つ低電圧側の3つのスイッチング素子を開く第一状態と、前記第一系統及び前記第二系統において、前記6つのスイッチング素子のうち高電圧側の3つのスイッチング素子を開き且つ低電圧側の3つのスイッチング素子を閉じる第二状態とを、交互に切り替えることを特徴とする。
回転電機モジュールは、第一系統及び第二系統においてそれぞれ、三相電機子巻線と、三相電機子巻線に三相ブリッジ接続された6つのスイッチング素子と、を備えている。この場合、第一状態として、第一系統及び第二系統において、6つのスイッチング素子のうち高電圧側の3つのスイッチング素子を閉じ且つ低電圧側の3つのスイッチング素子を開くことで、各系統においてそれぞれ閉回路を形成することができる。また、第二状態として、第一系統及び第二系統において、6つのスイッチング素子のうち高電圧側の3つのスイッチング素子を開き且つ低電圧側の3つのスイッチング素子を閉じることで、各系統においてそれぞれ閉回路を形成することができる。そして、閉回路を形成する際に、第一状態と第二状態とを交互に切り替えるため、各系統の高電圧側の3つのスイッチング素子と各系統の低電圧側の3つのスイッチング素子とに、熱負荷を分散させることができる。
第14の発明は、第1乃至5のいずれか1の発明において、前記回転電機モジュールは、第一系統及び第二系統においてそれぞれ、三相電機子巻線と、前記三相電機子巻線に三相ブリッジ接続された6つのスイッチング素子と、を備え、前記閉回路を形成する際に、前記第一系統において、前記6つのスイッチング素子のうち高電圧側の3つのスイッチング素子を閉じ且つ低電圧側の3つのスイッチング素子を開き、且つ前記第二系統において前記6つのスイッチング素子を開く第一状態と、前記第一系統において前記6つのスイッチング素子を開き、且つ前記第二系統において、前記6つのスイッチング素子のうち高電圧側の3つのスイッチング素子を閉じ且つ低電圧側の3つのスイッチング素子を開く第二状態とを、交互に切り替えることを特徴とする。
回転電機モジュールは、第一系統及び第二系統においてそれぞれ、三相電機子巻線と、三相電機子巻線に三相ブリッジ接続された6つのスイッチング素子と、を備えている。この場合、第一状態として、第一系統において、6つのスイッチング素子のうち高電圧側の3つのスイッチング素子を閉じ且つ低電圧側の3つのスイッチング素子を開くことで、第一系統の高電圧側において閉回路を形成することができる。また、第二状態として、第二系統において、6つのスイッチング素子のうち高電圧側の3つのスイッチング素子を閉じ且つ低電圧側の3つのスイッチング素子を開くことで、第二系統の高電圧側において閉回路を形成することができる。そして、閉回路を形成する際に、第一状態と第二状態とを交互に切り替えるため、第一系統の高電圧側の3つのスイッチング素子と第二系統の高電圧側の3つのスイッチング素子とに、熱負荷を分散させることができる。
第15の発明は、第1乃至5のいずれか1の発明において、前記回転電機モジュールは、第一系統及び第二系統においてそれぞれ、三相電機子巻線と、前記三相電機子巻線に三相ブリッジ接続された6つのスイッチング素子と、を備え、前記閉回路を形成する際に、前記第一系統において、前記6つのスイッチング素子のうち高電圧側の3つのスイッチング素子を開き且つ低電圧側の3つのスイッチング素子を閉じ、且つ前記第二系統において前記6つのスイッチング素子を開く第一状態と、前記第一系統において前記6つのスイッチング素子を開き、且つ前記第二系統において、前記6つのスイッチング素子のうち高電圧側の3つのスイッチング素子を開き且つ低電圧側の3つのスイッチング素子を閉じる第二状態とを、交互に切り替えることを特徴とする。
第15の発明では、第14の発明に準じて、第一系統の低電圧側の3つのスイッチング素子と第二系統の低電圧側の3つのスイッチング素子とに、熱負荷を分散させることができる。
第16の発明は、第12乃至15のいずれか1の発明において、前記エンジンの回転速度が周期的に極大値と極小値とになる際に、前記回転速度が前記極小値となる時期に前記第一状態と前記第二状態とを切り替えることを特徴とする。
上記第一状態と第二状態とを切り替える際に、例えば高電圧側のスイッチング素子と低電圧側のスイッチング素子との短絡を防止するためのデッドタイムを設けると、閉回路が形成されない期間が生じる。閉回路が形成されない期間は、エンジンに制動トルクを与えることができない。ところで、エンジンの回転速度は、周期的に極大値と極小値とになる。そして、エンジンの回転速度が極小値となる時期では、回転電機によりエンジンに与える制動トルクが相対的に小さくなる。この点、エンジンの回転速度が極小値となる時期に第一状態と第二状態とを切り替えるため、エンジンに制動トルクを与えることができなくなる影響を抑制しつつ、第一状態と第二状態とを切り替えることができる。また、エンジンの回転速度が0になる時期に、第一状態と第二状態とを切り替えても、同様の作用効果を奏することができる。
第17の発明は、第1乃至5のいずれか1の発明において、前記回転電機モジュールは、第一系統及び第二系統においてそれぞれ、三相電機子巻線と、前記三相電機子巻線に三相ブリッジ接続された6つのスイッチング素子と、を備え、前記閉回路を形成する際に、前記第一系統において、前記6つのスイッチング素子のうち高電圧側の3つのスイッチング素子を閉じ且つ低電圧側の3つのスイッチング素子を開き、且つ前記第二系統において前記6つのスイッチング素子を開く第一状態と、前記第一系統において前記6つのスイッチング素子を開き、且つ前記第二系統において、前記6つのスイッチング素子のうち高電圧側の3つのスイッチング素子を閉じ且つ低電圧側の3つのスイッチング素子を開く第二状態と、前記第一系統において、前記6つのスイッチング素子のうち高電圧側の3つのスイッチング素子を開き且つ低電圧側の3つのスイッチング素子を閉じ、且つ前記第二系統において前記6つのスイッチング素子を開く第三状態と、前記第一系統において前記6つのスイッチング素子を開き、且つ前記第二系統において、前記6つのスイッチング素子のうち高電圧側の3つのスイッチング素子を開き且つ低電圧側の3つのスイッチング素子を閉じる第四状態とを、所定の順序で切り替えることを特徴とする。
第17の発明では、第一状態で通電する第一系統の高電圧側の3つのスイッチング素子と、第二状態で通電する第二系統の高電圧側の3つのスイッチング素子と、第三状態で通電する第一系統の低電圧側の3つのスイッチング素子と、第四状態で通電する第二系統の低電圧側の3つのスイッチング素子とに、熱負荷を分散させることができる。
以下、本発明を具体化した本実施形態を図面に基づいて説明する。本実施形態に係る停止制御システムは、走行駆動源としてのエンジン10を備える車両に搭載されるものである。図1において、エンジン10は、ガソリンや軽油等の燃料の燃焼により駆動される多気筒内燃機関であり、周知のとおり燃料噴射弁50や点火装置等を備えている。
エンジン10の回転軸(図示略)には、プーリ及びベルトを含んで構成される動力伝達部16を介して、回転電機モジュール20が動力を伝達可能に接続されている。回転電機モジュール20は、主にエンジン10へ駆動力を供給する際には電動機として駆動したり、エンジン10の駆動力を電力に変換する際には発電機として駆動したりする。
回転電機モジュール20の構成を、図2を参照して説明する。本実施形態において、回転電機モジュール20は、ISG(Integrated Starter Generator)を想定している。回転電機モジュール20は、発電電動機21と、駆動回路25と、回転電機制御部27と、を備えている。発電電動機21は、駆動回路25を介して、バッテリ(電源に該当)30に接続されている。
発電電動機21は三相交流の電動発電機であり、発電電動機21は、三相の電機子巻線22a〜22cを含んで構成される固定子22と、界磁巻線23aを含んで構成される回転子23と、を備える構成を有している。発電電動機21には、さらに調節部(電流調節部に該当)24が備わっており、回転電機制御部27の指令に基づいて調節部24は回転子23が備える界磁巻線23aに流す励磁電流の大きさを調節する。
駆動回路25は、スイッチング素子であるMOSFET(第一スイッチング素子に該当)を複数備えるインバータ回路である。具体的には、駆動回路25は、MOSFET25a〜25fを備えている。MOSFET25a,25bの接続点には、固定子22のU相の電機子巻線22aの一端が接続されている。MOSFET25c,dの接続点には、固定子22のV相の電機子巻線22bの一端が接続されている。MOSFET25e,25fの接続点には、固定子22のW相の電機子巻線22cの一端が接続されている。電機子巻線22aの他端、電機子巻線22bの他端、及び電機子巻線22cの他端は互いに中性点で接続されている。駆動回路25には、更にスイッチ制御部26が備わっており、回転電機制御部27の指令に基づいて、スイッチ制御部26は各MOSFET25a〜25fの開閉動作を制御する。
回転電機制御部27は、回転電機ECUを想定しており、CPU、ROM、RAM、入出力インターフェース等を含むマイコンとして構成されている。回転電機制御部27は、界磁巻線23aに流す励磁電流を調節部24に調節させる。これにより、回転電機モジュール20に生じる発電電圧を調節する。また、回転電機制御部27は、駆動回路25を構成するMOSFET25a〜25fの開閉動作をスイッチ制御部26に制御させる。
図1の説明に戻る。本システムでは、システム全体を統括する主制御装置としてエンジンECU40を備えている。エンジンECU40は、マイクロコンピュータ等を備えてなる周知の電子制御装置である。
エンジンECU40は、回転電機モジュール20が備える回転電機制御部27と電気的に接続されており(図2参照)、回転電機制御部27を介して回転電機モジュール20を制御する役割を担っている。本実施形態に係る回転電機モジュール20は、図3に記載されるように、待機モード・発電機モード・電動機モード・ブレーキモードの4つの機能を有している。回転電機モジュール20に待機モードを実施させる場合、回転電機制御部27を介してスイッチ制御部26にMOSFET25a〜25fが全て開状態となるように制御させる。回転電機モジュール20に電動機モードを実施させる場合には、回転電機制御部27を介してスイッチ制御部26にMOSFET25a〜25fの開閉動作を制御させることで、バッテリ30から供給される直流電力を三相の電力へと変換し、三相の電力を固定子22へと供給する。また、回転電機モジュール20に発電機モードを実施させる場合には、回転電機制御部27を介してスイッチ制御部26にMOSFET25a〜25fの開閉動作を制御させることで、固定子22に生じた誘導電流をバッテリ30に流し、バッテリ30を充電する。ブレーキモードについては後述する。
センサ類としては、アクセル操作部材としてのアクセルペダル41の踏み込み操作量(以降、アクセル操作量と呼称)を検出するアクセルセンサ42、ブレーキペダル43の踏み込み操作量(以降、ブレーキ操作量と呼称)を検出するブレーキセンサ44、エンジン10の回転軸の回転速度を検出する回転速度センサ45等が設けられている。これらのセンサからの検出信号はエンジンECU40に逐次入力される。なお、本システムにはこれらのセンサ以外のセンサも設けられているが、図示は省略している。
エンジンECU40は、各センサの検出結果等に基づいて、燃料噴射弁50による燃料噴射量制御及び点火装置による点火制御などの制御を実施する。
また、エンジンECU40は、車両走行中において所定の自動停止条件を満たした場合にエンジン10の自動停止を実施させるアイドリングストップ制御を実施する。そして、燃料噴射弁50によるエンジン10への燃料供給を停止(以降、燃料カットと呼称)している期間中(自動停止過程)又はエンジン10の自動停止が実施された状態であり、且つ所定の再始動条件を満たした場合に、エンジン10を自動で再始動させる。なお、自動停止条件としては、例えば車速が所定以下であること、アクセルセンサ42により検出されるアクセル操作量がゼロであること(又はブレーキセンサ44により検出されるブレーキ操作量が第一所定量よりも多いこと)等が含まれる。また、エンジン再始動条件としては、例えばアクセルセンサ42により検出されるアクセル操作量が第二所定量よりも多いこと、ブレーキセンサ44により検出されるブレーキ操作量がゼロであること等が含まれる。
従来のアイドリングストップ制御では、図4に記載されるように、所定の自動停止条件が成立したことで燃料カットを実施させ、エンジン10による燃料の燃焼を停止させた際に、回転電機モジュール20による発電を実施させ、エンジン10に回転電機モジュール20の制動トルクを付与させていた(時間t1参照)。この場合、エンジン10に付与する回転電機モジュール20の制動トルクの大きさは、固定子22に流れる誘導電流の大きさに依存することになる。固定子22に流れる誘導電流の大きさは、固定子22に生じる誘導起電圧の大きさに依存しており、固定子22に生じる誘導起電圧の大きさは、エンジン10の回転速度の高さに依存している。
このため、固定子22で生じた誘導起電圧がバッテリ30の電圧よりも小さい場合には、回転電機モジュール20に生じた誘導電流をバッテリ30に流すことができなくなり、回転電機モジュール20は発電を実施することができないことになる。したがって、固定子22で生じた誘導起電圧がバッテリ30の電圧よりも小さくなる回転速度としての閾値よりもエンジン10の回転速度が下回った場合には、回転電機モジュール20に待機モードを実施させる(時間t2参照)。これにより、エンジン10の回転速度が閾値よりも低い状態となって以降は、エンジン10に回転電機モジュール20の制動トルクを付与することができず(時間t2−t3参照)、エンジン10が完全に停止するまでの時間が長くなるおそれがある。
この対策として、図3に記載されるように、エンジン10をより迅速に停止させるための機能として、回転電機モジュール20にブレーキモードを設けている。このブレーキモードは、図5に記載されるように、所定の自動停止条件が成立したことで燃料カットを実施させ、エンジン10による燃料の燃焼を停止させた際に実施される(時間t10参照)。
回転電機モジュール20にブレーキモードを実施させる場合、図6に記載されるように、MOSFET25a,25c,25e(上側アームのMOSFET)を閉状態に制御し、MOSFET25b,25d,25f(下側アームのMOSFET)を開状態に制御することで、固定子22が有する全相を短絡させる。これにより、固定子22に生じた誘導電流がバッテリ30を経由しないで流れる閉回路が駆動回路25内に形成される。この状態で回転電機モジュール20による発電を実施させることで、発電により固定子22に生じた誘導電流は閉回路内を流れることとなる。したがって、回転電機モジュール20にブレーキモードを実施させた場合のエンジン10に付与する回転電機モジュール20の制動トルクの大きさは、閉回路において固定子22に流れる誘導電流の大きさに依存することになる。このため、回転電機モジュール20にブレーキモードを実施させた場合にエンジン10に付与される制動トルクの大きさ(図5参照)は、回転電機モジュール20を発電機モードを実施させた場合にエンジン10に付与される制動トルクの大きさ(図4参照)よりも大きくなる。
ただし、エンジン10の回転速度が高い状態で回転電機モジュール20にブレーキモードを実施させた場合、固定子22から閉回路に流れる誘導電流が過剰に大きくなり、それに伴ってエンジン10に付与する回転電機モジュール20の制動トルクが過剰に大きくなるおそれがある。この場合、動力伝達部16を構成するベルトから異音が生じる所謂「ベルト鳴き」が発生することが考えられる。この対策として、閉回路が形成されている期間中、エンジン10に付与する制動トルクが所定トルクよりも大きくならないように、調節部24に回転子23が備える界磁巻線23aに流す励磁電流の大きさを調節させる。これにより、エンジン10に付与される制動トルクの大きさを所定トルクよりも小さく調節することができ、「ベルト鳴き」などの問題が発生することを抑制することができる。
一方で、図5に記載されるように、エンジン10の回転速度が閾値よりも低い状態であっても、エンジン10に回転電機モジュール20の制動トルクを付与することができる(時間t11−t14参照)。このとき、エンジン10が停止する際に発生する揺り戻し時にエンジン10が逆回転した場合でも、エンジン10に回転電機モジュール20の制動トルクを付与することができる(時間t12−t13参照)。
上記構成により、本実施形態は、以下の効果を奏する。
・所定の自動停止条件が成立したことで燃料カットを実施させ、エンジン10による燃料の燃焼を停止させた際に、回転電機モジュール20にブレーキモードを実施させることで、固定子22に生じた誘導電流がバッテリ30を経由しないで流れる閉回路が形成される。これにより、エンジン10の回転速度が低下して固定子22に生じた誘導起電圧の大きさがバッテリ30の電圧よりも小さくなっても、回転電機モジュール20に生じた誘導電流は形成した閉回路内で流れるため、回転電機モジュール20はエンジン10に制動トルクを与えることができる。つまり、エンジン10の回転速度がより低い領域まで、エンジン10に制動トルクを付与することが可能となるため、エンジン10を迅速に停止することができる。
実際に、所定の自動停止条件が成立したことで燃料カットを実施させ、エンジン10による燃料の燃焼を停止させた際に、回転電機モジュール20にブレーキモードを実施させた場合の結果が図7に示されている。図7は、エンジン10による燃料の燃焼を停止させた際に、回転電機モジュール20に発電機モードを実施させた場合のエンジン10の回転速度の変化態様と、回転電機モジュール20にブレーキモードを実施させた場合のエンジン10の回転速度の変化態様と、を示している。図7によれば、回転電機モジュール20に発電機モードを実施させた場合よりも、回転電機モジュール20にブレーキモードを実施させた場合の方がエンジン10の回転速度の減少度合いが大きいことから、回転電機モジュール20にブレーキモードを実施させた場合の方がエンジン10に付与される制動トルクが大きいことが分かる。また、回転電機モジュール20にブレーキモードを実施させた場合の方が、エンジン10が停止する際に発生する揺り戻しを小さく留め、且つ早期に収めることが出来ていることが分かる。このことから、回転電機モジュール20にブレーキモードを実施させた場合には、エンジン10の逆回転時にも制動トルクが付与されていることが示唆される。以上を要因とし、回転電機モジュール20にブレーキモードを実施させた場合の方が、回転電機モジュール20に発電機モードを実施させた場合よりも早期にエンジン10を停止させることができた。
一方で、エンジン10の迅速な停止に伴い、エンジン10の再始動時期を早めることができる。よって、エンジン10の再始動性を良好なものとすることができる。
・従来の回転電機モジュールは、エンジン10に対して制動力を付与する場合、回転子の回転角を検出し、回転子の回転角に応じて固定子の電機子巻線の適切な相に通電する必要がある。特にエンジン10の逆回転を含む場合、逆回転した瞬間にトルクを付与する向きも反転させる必要があり複雑な制御が必要となるが、本実施形態ではより簡便な制御で類似の効果を得ることが可能である。
・固定子22が有する全相が短絡するようにMOSFET25a〜25fを開閉動作させることで、固定子22に生じた誘導電流がバッテリ30を経由しないで流れる閉回路が形成することができる。
・回転電機モジュール20の全相が短絡するようにMOSFET25a〜25fを開閉動作させることで、エンジン10に付与される制動トルクの変動を小さくすることができる。
上記実施形態の記載内容に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で変更して実施してもよい。例えば以下のように変更してもよい。ちなみに、以下の別例の構成を、上記実施の形態の構成に対して、個別に適用してもよく、組み合わせて適用してもよい。
・上記実施形態において、駆動回路25にはMOSFET25a〜25fが備わっていた。このことについて、MOSFETに代わり、IGBTやパワートランジスタ、サイリスタ、トライアックなどを用いてもよい。
・上記実施形態において、発電電動機21は三相交流の電動発電機であった。このことについて、三相交流の電動発電機に限らず、単相交流の電動発電機であってもよいし、複相交流の電動発電機でもよい。
・上記実施形態において、回転子23は界磁巻線23aを含んで構成されていた。このことについて、回転子23は界磁巻線23aの代わりに界磁用の永久磁石を含んで構成されてもよい。この場合、発電電動機21は埋め込み磁石同期機(IPMSM)や表面磁石同期機(SPMSM)等となる。
・上記実施形態では、車両走行中において所定の自動停止条件を満たした場合にアイドリングストップ制御を実施し、エンジン10による燃料の燃焼を停止させた際に、回転電機モジュール20にブレーキモードを実施させていた。このことについて、アイドリングストップ制御を実施した場合に限って回転電機モジュール20にブレーキモードを実施させる必要はなく、アイドリングストップ制御以外の自動停止制御を実施した場合に回転電機モジュール20にブレーキモードを実施させてもよい。アイドリングストップ制御以外の自動停止制御の例としては、車速に関わらずアクセル操作量が0になった場合にエンジン10を自動停止させるものなどが挙げられる。あるいは、回転電機モジュール20にブレーキモードを実施させるための条件を自動停止制御の実施に限る必要はなく、例えば、ドライバがキーオフ操作することでエンジン10に停止するよう指令した場合に回転電機モジュール20にブレーキモードを実施させてもよい。
・上記実施形態では、固定子22が有する全相を短絡させることで、固定子22に生じた誘導電流がバッテリ30を経由しないで流れる閉回路を駆動回路25内に形成していた。このことについて、例えば、MOSFET25c,25eを閉状態とし、それ以外のMOSFET25a,25b,25d,25fを開状態とすることで、固定子22が有する相のうちV相とW相同士を短絡させる。これにより、固定子22に生じた誘導電流がバッテリ30を経由しないで流れる閉回路を形成してもよい。
・上記実施形態では、上側アームのMOSFET25a,25c,25eを全て閉状態に制御し、下側アームのMOSFET25b,25d,25fを全て開状態に制御することで、固定子22が有する全相を短絡させていた。このことについて、図8に記載されるように、上側アームのMOSFET25a,25c,25eを全て開状態に制御し、下側アームのMOSFET25b,25d,25fを全て閉状態に制御することで、固定子22が有する全相を短絡させてもよい。
・図6,8では、回転電機モジュール20は、電機子巻線22a,22b,22c(三相電機子巻線)と、電機子巻線22a,22b,22cに三相ブリッジ接続されたMOSFET25a〜25f(スイッチング素子)と、を備えている。ここで、図6に示すように、第一状態として、MOSFET25a〜25fのうち上側アームのMOSFET25a,25c,25e(高電圧側の3つのスイッチング素子)を閉じ、且つ下側アームのMOSFET25b,25d,25f(低電圧側の3つのスイッチング素子)を開くことで、閉回路を形成することができる。また、図8に示すように、第二状態として、MOSFET25a〜25fのうち上側アームのMOSFET25a,25c,25eを開き、且つ下側アームのMOSFET25b,25d,25fを閉じることで、閉回路を形成することができる。そして、閉回路を形成する際に、第一状態と第二状態とを交互に切り替えてもよい。これにより、MOSFET25a,25c,25eとMOSFET25b,25d,25fとに、熱負荷を分散させることができる。
・図11では、回転電機モジュール20は、駆動回路25A及び固定子22A(第一系統)並びに駆動回路25B及び固定子22B(第二系統)においてそれぞれ、電機子巻線22a,22b,22c(三相電機子巻線)と、電機子巻線22a,22b,22cに三相ブリッジ接続されたMOSFET25a〜25fと、を備えている。この場合、第一系統及び第二系統において、MOSFET25a〜25fのうち上側アームのMOSFET25a,25c,25e(高電圧側の3つのスイッチング素子)を閉じ、且つ下側アームのMOSFET25b,25d,25f(低電圧側の3つのスイッチング素子)を開くことで、各系統においてそれぞれ閉回路を形成することができる。これにより、各系統においてエンジン10に制動トルクを与えることができ、1系統あたりの熱負荷(各MOSFET25a〜25fにかかる熱負荷)を軽減することができる。また、第一系統及び第二系統において、MOSFET25a〜25fのうち上側アームのMOSFET25a,25c,25eを開き、且つ下側アームのMOSFET25b,25d,25fを閉じた場合も、同様の作用効果を奏することができる。
・図11に示すように、第一状態として、第一系統及び第二系統において、MOSFET25a〜25fのうち上側アームのMOSFET25a,25c,25e(高電圧側の3つのスイッチング素子)を閉じ、且つ下側アームのMOSFET25b,25d,25f(低電圧側の3つのスイッチング素子)を開くことで、各系統においてそれぞれ閉回路を形成することができる。また、図12に示すように、第二状態として、第一系統及び第二系統において、MOSFET25a〜25fのうち上側アームのMOSFET25a,25c,25eを開き、且つ下側アームのMOSFET25b,25d,25fを閉じることで、各系統においてそれぞれ閉回路を形成することができる。そして、閉回路を形成する際に、第一状態と第二状態とを交互に切り替えることにより、各系統のMOSFET25a,25c,25eと各系統のMOSFET25b,25d,25fとに、熱負荷を分散させることができる。
・図13に示すように、第一状態として、第一系統(駆動回路25A及び固定子22A)において、MOSFET25a〜25fのうち上側アームのMOSFET25a,25c,25e(高電圧側の3つのスイッチング素子)を閉じ、且つ下側アームのMOSFET25b,25d,25f(低電圧側の3つのスイッチング素子)を開くことで、第一系統の高電圧側において閉回路を形成することができる。このとき、第二系統(駆動回路25B及び固定子22B)において、MOSFET25a〜25fを開く。また、図14に示すように、第二状態として、第二系統において、MOSFET25a〜25fのうち上側アームのMOSFET25a,25c,25eを閉じ、且つ下側アームのMOSFET25b,25d,25fを開くことで、第二系統の高電圧側において閉回路を形成することができる。このとき、第一系統において、MOSFET25a〜25fを開く。そして、閉回路を形成する際に、第一状態と第二状態とを交互に切り替えることにより、第一系統のMOSFET25a,25c,25eと第二系統のMOSFET25a,25c,25eとに、熱負荷を分散させることができる。
・図15に示すように、第一状態として、第一系統(駆動回路25A及び固定子22A)において、MOSFET25a〜25fのうち上側アームのMOSFET25a,25c,25e(高電圧側の3つのスイッチング素子)を開き、且つ下側アームのMOSFET25b,25d,25f(低電圧側の3つのスイッチング素子)を閉じることで、第一系統の低電圧側において閉回路を形成することができる。このとき、第二系統(駆動回路25B及び固定子22B)において、MOSFET25a〜25fを開く。また、図16に示すように、第二状態として、第二系統において、MOSFET25a〜25fのうち上側アームのMOSFET25a,25c,25eを開き、且つ下側アームのMOSFET25b,25d,25fを閉じることで、第二系統の低電圧側において閉回路を形成することができる。このとき、第一系統において、MOSFET25a〜25fを開く。そして、閉回路を形成する際に、第一状態と第二状態とを交互に切り替えることにより、第一系統のMOSFET25b,25d,25fと第二系統のMOSFET25b,25d,25fとに、熱負荷を分散させることができる。
・上記の各例において、第一状態と第二状態とを切り替える際に、例えば上側アームのMOSFET25a,25c,25e(高電圧側のスイッチング素子)と下側アームのMOSFET25b,25d,25f(低電圧側のスイッチング素子)との短絡を防止するためのデッドタイムを設けると、閉回路が形成されない期間が生じる。デッドタイムとは、例えばMOSFET25aとMOSFET25bとが短絡しないように、MOSFET25a,25bを共に開いた状態にする時間である。閉回路が形成されない期間は、エンジン10に制動トルクを与えることができない。
ところで、エンジン10の回転速度は、図4,5,7に示すように、周期的に極大値と極小値とになる。そして、例えば図5の時間t11のように、エンジン10の回転速度が極小値となる時期では、発電電動機21(回転電機)によりエンジン10に与える制動トルクが相対的に小さくなる。この点、エンジン10の回転速度が極小値となる時期に第一状態と第二状態とを切り替えることにより、エンジン10に制動トルクを与えることができなくなる影響を抑制しつつ、第一状態と第二状態とを切り替えることができる。また、エンジン10の回転速度が0になる時期は、発電電動機21によりエンジン10に与える制動トルクが最も小さくなる。このため、エンジン10の回転速度が0になる時期に、第一状態と第二状態とを切り替えても、同様の作用効果を奏することができる。
・閉回路を形成する際に、図13〜16に示す各状態(第一〜第四状態)を、所定の順序で切り替えてもよい。所定の順序は、任意であるが、図13の状態と図15の状態との切り替え、及び図14の状態と図16の状態との切り替えを含まない順序であれば、デッドタイムを設ける必要がなく、発電電動機21によりエンジン10に効率的に制動トルクを与えることができる。上記制御によれば、第一系統(駆動回路25A及び固定子22A)のMOSFET25a,25c,25eと、第二系統(駆動回路25B及び固定子22B)のMOSFET25a,25c,25eと、第一系統のMOSFET25b,25d,25fと、第二系統のMOSFET25b,25d,25fとに、熱負荷を分散させることができる。
・上記実施形態では、所定の自動停止条件が成立したことで燃料カットを実施させ、エンジン10による燃料の燃焼を停止させた際に、回転電機モジュール20にブレーキモードを実施させていた。このことについて、所定の自動停止条件が成立したことで燃料カットを実施させ、エンジン10による燃料の燃焼を停止させた後、エンジン10の回転速度が所定回転速度よりも高い場合には、回転電機モジュール20に発電機モードを実施させ、エンジン10の回転速度が所定回転速度よりも低い場合には、回転電機モジュール20にブレーキモードを実施させてもよい。なお、所定回転速度は、図4,5の上記閾値よりも高い回転速度に設定される。
閉回路を形成することなく回転電機モジュール20に充電を実施させた場合、エンジン10に付与される制動トルクの大きさは、固定子22に流れる誘導電流の大きさに依存する。エンジン10の回転速度が所定回転速度よりも高い状況では、固定子22により供給される電力によりバッテリ30を充電していても、エンジン10に与える制動トルクは十分に大きいものであると考えられる。このため、エンジン10の回転速度が所定回転速度よりも高い場合には回転電機モジュール20に発電機モードを実行させることで、エンジン10に制動トルクを付与するとともに、バッテリ30を充電することが可能となる。
一方で、エンジン10の回転速度が所定回転速度よりも低い状況では、発電により固定子22に生じる誘導起電圧もまた小さく、固定子22に十分な誘導電流を流すことができず、回転電機モジュール20がエンジン10に制動トルクを付与することができないことが考えられる。又は、回転電機モジュール20がエンジン10に制動トルクを付与することができても、その大きさは微小なものとなると考えられる。したがって、エンジン10の回転速度が所定回転速度よりも低い場合には、回転電機モジュール20にブレーキモードを実施させる。これにより、固定子22で生じた誘導電流が小さくなることがなく、ひいては回転電機モジュール20がエンジン10に付与する制動トルクがより小さくなることを抑制することができる。
[1]上記実施形態では、閉回路が形成されている期間中、エンジン10に付与する制動トルクが所定トルクよりも大きくならないように、調節部24に回転子23が備える界磁巻線23aに流す励磁電流の大きさを調節させていた。このことについて、閉回路が形成されている期間中、エンジン10に付与する制動トルクが所定トルクよりも大きくならないように、MOSFET25a,25c,25eのそれぞれについて、開閉動作の周期に対する閉動作の時間の比(デューティ比)が調節される。これにより、固定子22に生じた誘導電流の大きさを制限でき、ひいてはエンジン10に付与される制動トルクが所定トルクよりも大きくなることを抑制することができる。また、MOSFET25a,25c,25eに過剰に大きい誘導電流が流れることを抑制することで、MOSFET25a,25c,25eの過熱を抑制することができる。
・エンジン10に付与する制動トルクが所定トルクよりも大きくならないようにするための制御について、上記実施形態及び[1]に記載の別例を独立して実施する必要はなく、組み合わせて実行してもよい。
・上記実施形態では、固定子22は三相の電機子巻線22a〜22cが含んで構成され、回転子23は界磁巻線23aが含んで構成されていた。このことについて、固定子22は界磁巻線が含んで構成され、回転子23は三相の電機子巻線が含んで構成されてもよい。この場合、閉回路が形成されている期間中、エンジン10に付与する制動トルクが所定トルクよりも大きくならないように、回転子23が備える三相の電機子巻線に流れる誘導電流の大きさが制限される。なお、その具体的な方法は、[1]に記載の方法に準じるため、説明を省略する。
・エンジン10に付与する制動トルクが所定トルクよりも大きくならないようにするための制御を省略してもよい。すなわち、エンジン10に付与する制動トルクが最大となるように、界磁巻線23aに流す励磁電流の大きさや、MOSFET25a,25c,25eの閉動作のューティ比を調節してもよい。
[2]上記実施形態において、回転電機モジュール20はISGを想定していた。このことについて、ISGに限る必要はなく、発電機であるオルタネータ60であってもよい。オルタネータ60である場合の構成が図9に記載されている。本別例において、整流回路61はダイオードを備える3相全波整流器である。また、バッテリ30と整流回路61との間を開閉するMOSFETなどの第二スイッチング素子62が備わっている。また、第二スイッチング素子62と整流回路61との間には、バッテリ30を迂回して整流回路61の正極側と負極側とを接続する接続経路63が分岐しており、接続経路63には、接続経路63を開閉する第三スイッチング素子64が備わっている。本別例に係る停止制御システムでは、エンジンECU66の指令に基づいてスイッチ制御部65が第二スイッチング素子62及び第三スイッチング素子64の開閉制御を行なう。
本別例に係る停止制御システムでは、第三スイッチング素子64を閉動作させることで、回転電機60に備わる固定子67に生じた誘導電流がバッテリ30を経由することなく接続経路63に流れる閉回路を形成することができる。ただし、この状態では、バッテリ30から流れる電流もまた接続経路63に流れることになる。これを防ぐため、第三スイッチング素子64を閉動作させることで閉回路を形成した際には、第二スイッチング素子62を開動作させる。これにより、バッテリ30から接続経路63への電流の流入を遮断することができる。かかる構成によっても、上記実施形態と同様の作用・効果が奏される。
・[2]に係る別例では、整流回路61と接続経路63と回転電機60に備わる回転子68とが、バッテリ30に並列接続されている。この回路において、第三スイッチング素子64を閉動作させることで閉回路を形成するとともに、第二スイッチング素子62を開動作させた場合、回転子68に備わる界磁巻線68aに印加される電圧の大きさと接続経路63に印加される電圧の大きさは同じとなる。このとき、接続経路63に第三スイッチング素子64が備わるのみであるため、界磁巻線68aに十分な電圧を印加できず、界磁巻線68aに十分な電流が流せないおそれがある。ひいては、回転子68を磁化できないおそれがある。
この対策として、図10に記載されるように、接続経路63において、第三スイッチング素子64よりも負極側に抵抗体70を設けている。なお、接続経路63において、第三スイッチング素子64よりも正極側に抵抗体70を設けてもよい。このとき、抵抗体70の抵抗値が大きいと、抵抗体70に印加される電圧が高くなる(オームの法則)ため、界磁巻線68aに印加される電圧もまた高くなり、回転子68を磁化させることが可能となる。ただし、抵抗体70の抵抗値を大きくし過ぎると、固定子22から抵抗体70に流れる誘導電流が小さくなり(オームの法則)、エンジン10に付与される制動トルクが小さくなることが考えられる。したがって、閉回路を形成した際に、界磁巻線68aに印加される電圧の高さがバッテリ30の電圧よりも低くなるように抵抗体70の抵抗値が調整される。これにより、回転電機モジュール20に発電機モードを実施させた場合よりも大きな制動トルクをエンジン10に付与させ、且つ、回転子68を磁化させることが可能となる。
・上記実施形態において、回転電機モジュール20はISGを想定していた。このことについて、回転電機モジュール20は、ISGに限らず、エンジン10の回転軸と変速機との間に設けられ、回転軸によって直接駆動され又回転軸を直接駆動するものであってもよい。また、[2]に記載の別例に係るオルタネータ60について、整流回路61が駆動回路25の様に構成されたオルタネータであってもよい。