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JP2018009115A - ホスホン酸金属塩を含む芳香族ポリエーテルケトン樹脂組成物 - Google Patents

ホスホン酸金属塩を含む芳香族ポリエーテルケトン樹脂組成物 Download PDF

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JP2018009115A JP2016139649A JP2016139649A JP2018009115A JP 2018009115 A JP2018009115 A JP 2018009115A JP 2016139649 A JP2016139649 A JP 2016139649A JP 2016139649 A JP2016139649 A JP 2016139649A JP 2018009115 A JP2018009115 A JP 2018009115A
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Abstract

【課題】結晶化速度が速く、より高い成形加工性の向上が可能なポリエーテルケトン樹脂組成物、及びこのポリエーテルケトン樹脂組成物を結晶化して得られるポリエーテルケトン樹脂成形体を提供すること。【解決手段】芳香族ポリエーテルケトン樹脂、及び式[1]で表されるフェニルホスホン酸化合物の、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩、バリウム塩、コバルト塩、銅塩、亜鉛塩、銀塩、アルミニウム塩、及びスズ塩からなる群から選ばれる少なくとも一種の金属塩からなる結晶核剤を含む、芳香族ポリエーテルケトン樹脂組成物、並びに該樹脂組成物よりも高い結晶化度を有する芳香族ポリエーテルケトン樹脂成形体。【化1】(式中、R1及びR2は、それぞれ独立して、水素原子、炭素原子数1乃至10のアルキル基、又は炭素原子数2乃至11のアルコキシカルボニル基を表す。)【選択図】なし

Description

本発明は芳香族ポリエーテルケトン樹脂とフェニルホスホン酸化合物の特定の金属塩とを含有する樹脂組成物に関するものである。
ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルケトン(PEK)などの芳香族ポリエーテルケトン樹脂は、耐熱性、耐薬品性、機械強度等に優れた代表的な半結晶性熱可塑性樹脂であり、スーパーエンジニアリングプラスチックとして、電気・電子機器、機械・自動車用部品、航空・宇宙用部品等に広く使用されている。
しかしながら、一般に結晶性のスーパーエンジニアリングプラスチックは、汎用樹脂と比較してその構造の剛直性などの理由から結晶化速度が遅く、通常の射出成形等で得られた成形物は完全に結晶化しきっていないことがある。十分に結晶化していない場合、ガラス転移点(Tg)以上の温度で軟化するといった欠点が知られている。
そのため、射出成形時に金型内で熱処理(アニール)による後結晶化を行い完全に結晶化させ、それらの特性を向上させるという手法がしばしば用いられる。しかし、製品の製造の際に熱処理工程が加わることにより、成形サイクルが悪化するだけでなく、コストアップ、時間及びエネルギーのロス等、生産性に課題がある。
これらの課題を解決するために、芳香族ポリエーテルケトン樹脂に結晶核剤を添加する方法が検討されている。結晶核剤は、結晶性高分子の1次結晶核となり、結晶成長を促進し、球晶サイズの微細化及び結晶化促進の働きをする。
これまで、芳香族ポリエーテルケトン樹脂の結晶核剤としては、例えば、相対的に分子量の小さい同種の樹脂(ポリエーテルケトン)が開示されている(特許文献1)。また、タルクをポリエーテルケトン樹脂の結晶核剤として用い、その結晶挙動を検討した報告がある(例えば非特許文献2)。
特開2014−210940号公報
Solid State Phenomena, Vol.136, p.161 (2008)
前述のように、芳香族ポリエーテルケトン樹脂の結晶化速度を高めるために様々な結晶核剤が提案されているが、近年、芳香族ポリエーテルケトン樹脂のより高い成形加工性を実現させるために、さらに有効な結晶核剤が望まれている。
従って、本発明は、芳香族ポリエーテルケトン樹脂の結晶化促進に好適な結晶核剤を添加した芳香族ポリエーテルケトン樹脂組成物であって、結晶核剤を非含有の、あるいは従来提案された結晶核剤を配合した芳香族ポリエーテルケトン樹脂に比べて、結晶化速度が速く、より高い成形加工性の向上が可能な芳香族ポリエーテルケトン樹脂組成物、及びこの芳香族ポリエーテルケトン樹脂組成物を結晶化して得られるポリエーテルケトン樹脂成形体を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討を重ねた結果、芳香族ポリエーテルケトン樹脂に結晶核剤として特定のフェニルホスホン酸金属塩を添加することにより、芳香族ポリエーテルケトン樹脂の結晶化を促進することが可能であることを見出した。
すなわち、本発明は、第1観点として、芳香族ポリエーテルケトン樹脂、及び式[1]で表されるフェニルホスホン酸化合物の、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩、バリウム塩、コバルト塩、銅塩、亜鉛塩、銀塩、アルミニウム塩、及びスズ塩からなる群から選ばれる少なくとも一種の金属塩からなる結晶核剤を含む、芳香族ポリエーテルケトン樹脂組成物に関する。
Figure 2018009115
(式中、R及びRは、それぞれ独立して、水素原子、炭素原子数1乃至10のアルキル基、又は炭素原子数2乃至11のアルコキシカルボニル基を表す。)
第2観点として、前記フェニルホスホン酸化合物の金属塩が、マグネシウム塩、カルシウム塩、バリウム塩、コバルト塩、亜鉛塩、及びスズ塩からなる群から選ばれる少なくとも一種の金属塩である、第1観点に記載の芳香族ポリエーテルケトン樹脂組成物に関する。
第3観点として、前記フェニルホスホン酸化合物の金属塩が、マグネシウム塩、バリウム塩、亜鉛塩、及びスズ塩からなる群から選ばれる少なくとも一種の金属塩である、第2観点に記載の芳香族ポリエーテルケトン樹脂組成物に関する。
第4観点として、前記フェニルホスホン酸化合物の金属塩がスズ塩である、第3観点に記載の芳香族ポリエーテルケトン樹脂組成物に関する。
第5観点として、前記結晶核剤の含有量が、前記芳香族ポリエーテルケトン樹脂100質量部に対して0.001〜10質量部である、第1観点乃至第4観点のうち何れか一項に記載の芳香族ポリエーテルケトン樹脂組成物に関する。上記“0.001〜10”とは、0.001を下限値とし10を上限値として含む範囲を意味する。
第6観点として、前記芳香族ポリエーテルケトン樹脂が、式[2]で表される繰り返し単位を有する樹脂である、第1観点乃至第5観点のうち何れか一項に記載の芳香族ポリエーテルケトン樹脂組成物に関する。
Figure 2018009115
(式中、Ar及びArはそれぞれ独立して、置換基を有していてもよい炭素原子数6乃至20の二価の芳香族基を表し、Xは芳香族基を少なくとも有する二価の有機基を表す。)
第7観点として、前記芳香族ポリエーテルケトン樹脂が、式[3]で表される繰り返し単位を有する樹脂である、第6観点に記載の芳香族ポリエーテルケトン樹脂組成物に関する。
Figure 2018009115
(式中、R乃至R13はそれぞれ独立して、水素原子又は炭素原子数1乃至10のアルキル基を表す。)
第8観点として、前記芳香族ポリエーテルケトン樹脂が、式[4]で表される繰り返し単位を有する樹脂である、第6観点に記載の芳香族ポリエーテルケトン樹脂組成物に関する。
Figure 2018009115
(式中、R乃至R18はそれぞれ独立して、水素原子又は炭素原子数1乃至10のアルキル基を表し、Lは単結合、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素原子数1乃至6のアルキレン基、又は酸素原子を表す。)
第9観点として、第1観点乃至第8観点のうち何れか一項に記載の芳香族ポリエーテルケトン樹脂組成物からなる結晶質の芳香族ポリエーテルケトン樹脂成形体に関する。
本発明の芳香族ポリエーテルケトン樹脂組成物は、フェニルホスホン酸化合物の特定の金属塩を結晶核剤として用いることにより、芳香族ポリエーテルケトン樹脂の結晶化促進効果が向上されたものとなり、ひいては、耐熱性、成形加工性に優れた芳香族ポリエーテルケトン樹脂組成物を提供することができる。
<芳香族ポリエーテルケトン樹脂組成物>
本発明の芳香族ポリエーテルケトン樹脂組成物は、フェニルホスホン酸化合物の特定の金属塩と芳香族ポリエーテルケトン樹脂組成物を含有することを特徴とする。
以下、本発明についてさらに詳しく説明する。
[芳香族ポリエーテルケトン樹脂]
本発明に用いられる芳香族ポリエーテルケトン樹脂としては、少なくとも二つの芳香族基が直鎖状に連結した繰り返し単位構造を有してなり、詳細には、隣接する芳香族基同士がエーテル結合を介して連結した構造、並びに、隣接する芳香族基同士がカルボニル基を介して連結した構造をそれぞれ少なくとも1つ含む繰り返し単位構造を有する重合体であれば、特に限定されない。また前記繰り返し単位構造は、前記2種の連結構造に加えて、さらに隣接する芳香族基同士がエステル結合を介して連結した構造を1乃至複数個含んでいてもよい。
また、芳香族ポリエーテルケトン樹脂のゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン換算で測定される数平均分子量(Mn)は、一般に5,000〜1,000,000、好ましくは10,000〜500,000、より好ましくは20,000〜100,000である。
さらに、芳香族ポリエーテルケトン樹脂の400℃、剪断速度60/sにおける溶融粘度は、一般に50〜4000Pa・s、好ましくは100〜3000Pa・s、さらに好ましくは150〜2500Pa・s、特に200〜2000Pa・s程度である。なお、溶融粘度は、慣用の装置、例えば、キャピラリーレオメーター等を用いて測定できる。
本発明における芳香族ポリエーテルケトン樹脂の具体例としては、隣接する芳香族基同士の結合として、エーテル結合とカルボニル基とを交互に配置した基本的な直鎖状の繰り
返し構造を持つポリエーテルケトン(PEK)、該結合として、エーテル結合・エーテル結合・カルボニル基の順に配置した繰り返し構造を有するポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、該結合の配置を変更したポリエーテルケトンケトン(PEKK)、及び、ポリエーテルエーテルケトンケトン(PEEKK)、さらに該結合としてエステル結合を含めたポリエーテルケトンエステル(PEKE)等を挙げることができる。
中でも、芳香族ポリエーテルケトン樹脂は、下記式[2]で表される繰り返し単位を有する樹脂であることが好ましい。
Figure 2018009115
上記式[2]中、Ar及びArはそれぞれ独立して、置換基を有していてもよい炭素原子数6乃至20の二価の芳香族基を表し、Xは芳香族基を少なくとも有する二価の有機基を表す。
Ar及びArにおける炭素原子数6乃至20の二価の芳香族基としては、例えば、ベンゼン、ナフタレン、フェナントレン、アントラセン、トリフェニレン、ピレン、クリセン、テトラセン、ビフェニレン、フルオレンから誘導される二価の基等が挙げられる。
また、上記二価の芳香族基が有していてもよい置換基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソアミル基、ネオペンチル基、tert−アミル基、sec−イソアミル基、シクロペンチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基等の炭素原子数1乃至10のアルキル基等が挙げられる。
このようなAr及びArとしては、炭素原子数1乃至10のアルキル基で置換されていてもよいフェニレン基が好ましく、1,4−フェニレン基がより好ましい。
Xにおける芳香族基を少なくとも有する二価の有機基としては、上記Ar及びArと同様の置換基を有していてもよい炭素原子数6乃至20の二価の芳香族基、及びこれらの二価の芳香族基の複数が、単結合、炭素原子数1乃至6のアルキレン基(ハロゲン原子、フェニル基で置換されていてもよい)、炭素原子数1乃至6のアルケニリデン基(ハロゲン原子、フェニル基で置換されていてもよい)、又は酸素原子で結合した基等が挙げられる。
上記炭素原子数1乃至6のアルキレン基としては、例えば、メチレン基、エチレン基、エチリデン基、トリメチレン基、1−メチルエチレン基、プロパン−2,2−ジイル基、テトラメチレン基、1−メチルトリメチレン基、1,1−ジメチルエチレン基、ブタン−2,2−ジイル基、ペンタメチレン基、1−メチルテトラメチレン基、2−メチルテトラメチレン基、1,1−ジメチルトリメチレン基、1,2−ジメチルトリメチレン基、2,2−ジメチルトリメチレン基、1−エチルトリメチレン基、ヘキサメチレン基、1−メチルペンタメチレン基、2−メチルペンタメチレン基、3−メチルペンタメチレン基、1,1−ジメチルテトラメチレン基、1,2−ジメチルテトラメチレン基、2,2−ジメチルテトラメチレン基、1−エチルテトラメチレン基、1,1,2−トリメチルトリメチレン基、1,2,2−トリメチルトリメチレン基、1−エチル−1−メチルトリメチレン基、1−エチル−2−メチルトリメチレン基、シクロヘキシリデン基、ジフェニルメチレン基、1−フェニルエタン−1,1−ジイル基、パーフルオロプロパン−2,2−ジイル基等
が挙げられる。
上記炭素原子数1乃至6のアルケニリデン基としては、例えば、ジクロロビニリデン基等が挙げられる。
上記式[2]で表される繰り返し単位を有する樹脂のうち、好ましい樹脂として下記式[3]で表される繰り返し単位を有する樹脂が挙げられる。
Figure 2018009115
上記式中、R乃至R13はそれぞれ独立して、水素原子又は炭素原子数1乃至10のアルキル基を表す。
乃至R13における炭素原子数1乃至10のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソアミル基、ネオペンチル基、tert−アミル基、sec−イソアミル基、シクロペンチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基等が挙げられる。
前記R乃至R13としては、水素原子が好ましい。
また上記式[2]で表される繰り返し単位を有する樹脂として、下記式[4]で表される繰り返し単位を有する樹脂も好ましい樹脂として挙げられる。
Figure 2018009115
上記式中、R乃至R18はそれぞれ独立して、水素原子又は炭素原子数1乃至10のアルキル基を表し、Lは単結合、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素原子数1乃至6のアルキレン基、又は酸素原子を表す。
乃至R18における炭素原子数1乃至10のアルキル基としては、上記R乃至R13と同様の基が挙げられる。
Lにおける炭素原子数1乃至6のアルキレン基としては、例えば、メチレン基、エチレン基、エチリデン基、トリメチレン基、1−メチルエチレン基、プロパン−2,2−ジイル基、テトラメチレン基、1−メチルトリメチレン基、1,1−ジメチルエチレン基、ブタン−2,2−ジイル基、ペンタメチレン基、1−メチルテトラメチレン基、2−メチル
テトラメチレン基、1,1−ジメチルトリメチレン基、1,2−ジメチルトリメチレン基、2,2−ジメチルトリメチレン基、1−エチルトリメチレン基、ヘキサメチレン基、1−メチルペンタメチレン基、2−メチルペンタメチレン基、3−メチルペンタメチレン基、1,1−ジメチルテトラメチレン基、1,2−ジメチルテトラメチレン基、2,2−ジメチルテトラメチレン基、1−エチルテトラメチレン基、1,1,2−トリメチルトリメチレン基、1,2,2−トリメチルトリメチレン基、1−エチル−1−メチルトリメチレン基、1−エチル−2−メチルトリメチレン基、シクロヘキシリデン基、パーフルオロプロパン−2,2−ジイル基等が挙げられる。
これら芳香族ポリエーテルケトン樹脂は、一種を単独で使用しても二種以上を併用してもよい。
上記の中でも、本発明の芳香族ポリエーテル樹脂組成物における芳香族ポリエーテルケトン樹脂として、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)樹脂が好ましい。
これら芳香族ポリエーテルケトン樹脂としては、市販されているものを好適に使用することができ、例えば、Victrex社製 VICTREX(登録商標)PEEKシリーズ、ダイセル・エボニック(株)製 VESTAKEEP(登録商標)シリーズ等が挙げられる。
また、本発明に用いられる芳香族ポリエーテルケトン樹脂としては、芳香族ポリエーテルケトン樹脂を主体とした、他樹脂とのブレンドポリマーであってもよい。他樹脂とは、後述する汎用の熱可塑性樹脂/熱可塑性エンジニアリングプラスチック、生分解性樹脂等が挙げられる。他樹脂とのブレンドポリマー中における他樹脂の含有量は、50質量%以下が好ましい。
前記汎用の熱可塑性樹脂/熱可塑性エンジニアリングプラスチックとしては、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリエチレンコポリマー、ポリプロピレン(PP)、ポリプロピレンコポリマー、エチレン−プロピレン共重合体、ポリブチレン(PB)、エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−アクリル酸エチル共重合体(EEA)、ポリ(4−メチル−1−ペンテン)等のポリオレフィン樹脂;ポリスチレン(PS)、高衝撃性ポリスチレン(HIPS)、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS)、メタクリル酸メチル−スチレン共重合体(MS)等のポリスチレン系樹脂;ポリメタクリル酸メチル(PMMA)等の(メタ)アクリル樹脂;ポリ塩化ビニル樹脂;ポリ塩化ビニリデン樹脂;ポリウレタン樹脂;ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリブチレンナフタレート(PBN)等のポリエステル樹脂;ポリイミド樹脂;ポリカーボネート樹脂;ポリフェニレンエーテル樹脂;変性ポリフェニレンエーテル樹脂;ポリアセタール樹脂;ポリスルホン樹脂;ポリフェニレンスルフィド樹脂などが挙げられる。
上述の生分解性樹脂としては、例えば、ポリグリコール酸(PGA)、ポリ乳酸(PLA)、ポリ−3−ヒドロキシ酪酸(PHB)、3−ヒドロキシ酪酸と3−ヒドロキシヘキサン酸の共重合体(PHBH)等のポリヒドロキシアルカン酸;ポリカプロラクトン、ポリブチレンスクシネート、ポリブチレンスクシネート/アジペート、ポリブチレンスクシネート/カーボネート、ポリエチレンスクシネート、ポリエチレンスクシネート/アジペート等のポリエステル樹脂;ポリビニルアルコール;変性でんぷん;酢酸セルロース;キチン;キトサン;リグニンなどが挙げられる。
[フェニルホスホン酸化合物金属塩]
本発明に用いられる結晶核剤は、式[1]で表されるフェニルホスホン酸化合物の金属
塩からなる。
Figure 2018009115
上記式[1]で表されるフェニルホスホン酸化合物において、式中のR及びRは、それぞれ独立して、水素原子、炭素原子数1乃至10のアルキル基、又は炭素原子数2乃至11のアルコキシカルボニル基を表す。なお、ここで炭素原子数2乃至11のアルコキシカルボニル基とは、アルコキシ基の炭素原子数が1乃至10であるアルコキシカルボニル基を指す。
及びRにおける前記炭素原子数1乃至10のアルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基等が挙げられる。
また前記炭素原子数2乃至11のアルコキシカルボニル基としては、例えばメトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基等が挙げられる。
上記式[1]で表されるフェニルホスホン酸化合物の具体例としては、フェニルホスホン酸、4−メチルフェニルホスホン酸、4−エチルフェニルホスホン酸、4−n−プロピルフェニルホスホン酸、4−イソプロピルフェニルホスホン酸、4−n−ブチルフェニルホスホン酸、4−イソブチルフェニルホスホン酸、4−tert−ブチルフェニルホスホン酸、3,5−ジメトキシカルボニルフェニルホスホン酸、3,5−ジエトキシカルボニルフェニルホスホン酸、2,5−ジメトキシカルボニルフェニルホスホン酸、2,5−ジエトキシカルボニルフェニルホスホン酸等が挙げられる。
これら化合物は市販品をそのまま好適に使用できる。
本発明の芳香族ポリエーテルケトン樹脂組成物において、結晶核剤として用いる前記フェニルホスホン酸化合物の金属塩における金属としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、バリウム、コバルト、銅、亜鉛、銀、アルミニウム、スズが挙げられる。これらのうち二種以上の金属を混合して使用することもできる。
これら金属より形成される金属塩の中でも、マグネシウム塩、カルシウム塩、バリウム塩、コバルト塩、亜鉛塩、スズ塩が好ましく、特にマグネシウム塩、バリウム塩、亜鉛塩、スズ塩が好ましい。その中でも、芳香族ポリエーテルケトン樹脂の結晶化速度を高め、成形加工性に優れた芳香族ポリエーテルケトン樹脂組成物を得られることから、特にスズ塩が最も好ましい。
なお、金属種によっては、芳香族ポリエーテルケトン樹脂の結晶化を阻害する金属塩も存在することから、本発明の芳香族ポリエーテルケトン樹脂組成物において、結晶核剤として上記フェニルホスホン酸化合物の特定の金属塩を選択することが肝要である。
前記フェニルホスホン酸化合物金属塩の製造方法は特に制限されないが、一般には、フェニルホスホン酸化合物と、前記金属の塩化物、硫酸塩、又は硝酸塩と、水酸化ナトリウム等のアルカリとを水中で混合して反応させることにより、フェニルホスホン酸化合物の金属塩を析出させ、ろ過、乾燥することで結晶性粉末として得ることができる。また、フェニルホスホン酸化合物と、前記金属の酸化物、水酸化物、炭酸塩、又は有機酸塩とを、水中又は有機溶媒中で混合して反応させ、その後溶媒をろ過又は留去、乾燥することにより得ることもできる。
得られる粉末の形態は、通常は粒状結晶、板状結晶、棒状結晶、針状結晶等となり、さらにこれらの結晶が積層した形態になることもある。
これらの化合物(結晶性粉末)は市販されている場合には、市販品を使用することができる。
上記フェニルホスホン酸化合物金属塩の形成に際し、フェニルホスホン酸化合物と金属の化学量論比は特に制限されないが、一般にはフェニルホスホン酸化合物/金属の化学量論比として、1/2〜2/1の範囲で使用すると好ましい。フェニルホスホン酸化合物金属塩中には、塩を形成していないフリーのフェニルホスホン酸化合物や金属を含まないことが好ましい。
前記フェニルホスホン酸化合物金属塩の平均粒子径は、10μm以下であることが好ましく、より好ましくは5μm以下である。ここで、平均粒子径(μm)は、Mie理論に基づくレーザー回折・散乱法により測定して得られる50%体積径(メジアン径)である。平均粒子径が小さいほど、結晶化速度は速くなる傾向があり好ましい。
フェニルホスホン酸化合物金属塩の平均粒子径を10μm以下にするために、上記の方法で得られた結晶性粉末を、必要に応じて、ホモミキサー、ヘンシェルミキサー、レーディゲミキサー等の剪断力を有する混合機や、ボールミル、ピンディスクミル、パルベライザー、イノマイザー、カウンタージェットミル等の乾式粉砕機で微粉末にすることができる。また、水、水と混合可能な有機溶媒、及びこれらの混合溶液を用いた、ボールミル、ビーズミル、サンドグラインダー、アトライター等湿式粉砕機でも微粉末にすることができる。
前記フェニルホスホン酸化合物金属塩の添加量は、芳香族ポリエーテルケトン樹脂100質量部に対して、0.001〜10質量部、好ましくは0.01〜5質量部、より好ましくは0.1〜2質量部である。添加量を0.001質量部以上とすることにより、十分な結晶化速度を得ることができる。また、添加量が10質量部を超えても、結晶化速度がさらに速くなるわけではないため、10質量部以下で使用することが経済的に有利となる。
[その他の添加剤]
本発明の芳香族ポリエーテルケトン樹脂組成物には、本発明の効果を損なわない限り、公知の無機充填剤を配合することもできる。無機充填剤としては、例えば、ガラス繊維、炭素繊維、タルク、マイカ、シリカ、カオリン、クレー、ウオラストナイト、ガラスビーズ、ガラスフレーク、チタン酸カリウム、炭酸カルシウム、硫酸マグネシウム、酸化チタン等が挙げられる。これらの無機充填剤の形状は、繊維状、粒状、板状、針状、球状、粉末の何れでもよい。これらの無機充填剤は、芳香族ポリエーテルケトン樹脂100質量部に対して、300質量部以内で使用できる。
本発明の芳香族ポリエーテルケトン樹脂組成物には、本発明の効果を損なわない限り、公知の難燃剤を配合することもできる。難燃剤としては、例えば、臭素系や塩素系等のハロゲン系難燃剤;三酸化アンチモン、五酸化アンチモン等のアンチモン系難燃剤;水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、シリコーン系化合物等の無機系難燃剤;赤リン、リン酸エステル類、ポリリン酸アンモニウム、フォスファゼン等のリン系難燃剤;メラミン、メラム、メレム、メロン、メラミンシアヌレート、リン酸メラミン、ピロリン酸メラミン、ポリリン酸メラミン、ポリリン酸メラミン・メラム・メレム複塩、アルキルホスホン酸メラミン、フェニルホスホン酸メラミン、硫酸メラミン、メタンスルホン酸メラム等のメラミン系難燃剤;PTFE等のフッ素樹脂などが挙げられる。これらの難燃剤は、芳香族ポリエーテルケトン樹脂100質量部に対して、200質量部以内で使用できる。
さらに、本発明の芳香族ポリエーテルケトン樹脂組成物には、本発明の効果を損なわない限り、必要に応じて一般的に添加される添加剤、例えば、末端封止剤、加水分解抑制剤、熱安定剤、光安定剤、熱線吸収剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、衝撃改良剤、可塑剤、
相溶化剤、シラン系、チタン系、アルミニウム系等の各種カップリング剤、発泡剤、帯電防止剤、離型剤、滑剤、抗菌抗カビ剤、顔料、染料、香料、その他の各種充填剤、その他の結晶核剤、他の熱可塑性樹脂などを適宜配合してもよい。
[芳香族ポリエーテルケトン樹脂組成物の製造方法]
本発明の芳香族ポリエーテルケトン樹脂組成物は、前記芳香族ポリエーテルケトン樹脂と前記フェニルホスホン酸化合物金属塩からなる結晶核剤とを混合することによって製造することができる。芳香族ポリエーテルケトン樹脂と結晶核剤の混合方法としては特に制限はなく、例えば、成形前に芳香族ポリエーテルケトン樹脂又は芳香族ポリエーテルケトン樹脂と他の添加剤とを含有する組成物に結晶核剤を混合する方法(例えば、溶融混練や粉体混合など)、成形時に芳香族ポリエーテルケトン樹脂又は芳香族ポリエーテルケトン樹脂と他の添加剤とを含有する組成物に結晶核剤を混合する方法(例えば、サイドフィード)等が挙げられる。また、芳香族ポリエーテルケトン樹脂を製造する際に、原料となるモノマー中に結晶核剤を混合して、芳香族ポリエーテルケトン樹脂組成物を製造することも可能である。
本発明の芳香族ポリエーテルケトン樹脂組成物としては、降温結晶化温度(溶融状態の樹脂組成物を冷却していく過程で樹脂が結晶化する温度)Tccが、例えば降温速度20℃/分において298℃以上であるものが好ましく、299℃以上であるものがより好ましい。
<芳香族ポリエーテルケトン樹脂成形体>
本発明の芳香族ポリエーテルケトン樹脂成形体は、結晶化した前記芳香族ポリエーテルケトン樹脂、及び前記フェニルホスホン酸化合物金属塩からなる結晶核剤を含みて構成される。すなわち、本発明において、芳香族ポリエーテルケトン樹脂成形体は、前記芳香族ポリエーテルケトン樹脂組成物からなる結晶質のものをさす。
また、本発明の芳香族ポリエーテルケトン樹脂成形体の球晶径としては、30μm以下が好ましく、20μm以下がより好ましい。球晶径を30μm以下とすることで、表面がより平滑な芳香族ポリエーテルケトン樹脂成形体を得ることができる。
このような芳香族ポリエーテルケトン樹脂成形体は、例えば、本発明の芳香族ポリエーテルケトン樹脂組成物を使用し、これに含まれる芳香族ポリエーテルケトン樹脂を結晶化させることによって得ることができる。芳香族ポリエーテルケトン樹脂を結晶化させる方法としては特に制限はなく、例えば、芳香族ポリエーテルケトン樹脂組成物を所定の形状に成形する過程において、前記芳香族ポリエーテルケトン樹脂組成物を結晶化温度以上に加熱した後、冷却すればよい。また、上記過程において、前記芳香族ポリエーテルケトン樹脂組成物を結晶化温度以上に加熱した後、急冷して非晶質のまま成形体とし、これを加熱することでも結晶化させることができる。
本発明の芳香族ポリエーテルケトン樹脂成形体は、優れた機械的強度及び耐熱性を有する。
本発明の芳香族ポリエーテルケトン樹脂組成物を成形する場合、一般の射出成形、ブロー成形、真空成形、圧縮成形等の慣用の成形法を使用することによって、各種成形品を容易に製造することができる。
以下、実施例を挙げて、本発明をより具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。
なお、実施例において、試料の調製及び物性の分析に用いた装置及び条件は、以下の通りである。
(1)ミルサー
装置:Fritsch社製 PULVERISETTE 14 classic line
(2)示差走査熱量測定(DSC)
装置:(株)パーキンエルマージャパン製 Diamond DSC
また、略記号は以下の意味を表す。
PEEK:ポリエーテルエーテルケトン[Victrex社製 VICTREX(登録商標)PEEK 90P]
PPA:フェニルホスホン酸[日産化学工業(株)製]
PPA−Zn:フェニルホスホン酸亜鉛[日産化学工業(株)製 エコプロモート(登録商標)]
[製造例1]フェニルホスホン酸マグネシウム(PPA−Mg)の製造
撹拌機を備えた反応容器に、塩化マグネシウム六水和物[和光純薬工業(株)製]10.2g(50mmol)及び水100gを仕込み、撹拌して均一な溶液とした。次に、室温(およそ23℃)で撹拌しているこの溶液へ、PPA7.8g(50mmol)及び水酸化ナトリウム4.2g(105mmol)を水68gに溶解させた溶液を加え、さらに1時間撹拌した。生成した固体を減圧ろ過によりろ取し、水洗した。得られた湿品を200℃で6時間乾燥することで、目的とするフェニルホスホン酸マグネシウム(PPA−Mg)を粉末として得た。
[製造例2]フェニルホスホン酸バリウム(PPA−Ba)の製造
塩化マグネシウム六水和物に替えて、塩化バリウム二水和物[和光純薬工業(株)製]12.2g(50mmol)を使用した以外は、製造例1と同様に操作し、目的とするフェニルホスホン酸バリウム(PPA−Ba)を粉末として得た。
[製造例3]フェニルホスホン酸スズ(PPA−Sn)の製造
塩化マグネシウム六水和物に替えて、塩化スズ(II)[和光純薬工業(株)製]9.5g(50mmol)を使用した以外は、製造例1と同様に操作し、目的とするフェニルホスホン酸スズ(PPA−Sn)を粉末として得た。
[製造例4]フェニルホスホン酸マンガン(PPA−Mn)の製造
塩化マグネシウム六水和物に替えて、塩化マンガン(II)四水和物[和光純薬工業(株)製]9.9g(50mmol)を使用した以外は、製造例1と同様に操作し、目的とするフェニルホスホン酸マンガン(PPA−Mn)を粉末として得た。
[製造例5]フェニルホスホン酸鉄(PPA−Fe)の製造
塩化マグネシウム六水和物に替えて、硫酸鉄(II)七水和物[和光純薬工業(株)製]13.9g(50mmol)を使用した以外は、製造例1と同様に操作し、目的とするフェニルホスホン酸鉄(PPA−Fe)を粉末として得た。
[製造例6]フェニルホスホン酸ニッケル(PPA−Ni)の製造
塩化マグネシウム六水和物に替えて、塩化ニッケル(II)六水和物[和光純薬工業(株)製]11.9g(50mmol)を使用した以外は、製造例1と同様に操作し、目的とするフェニルホスホン酸ニッケル(PPA−Ni)を粉末として得た。
[実施例1〜4]
PEEK100質量部に、結晶核剤として表1に記載の化合物1質量部を配合し、乳鉢で100回擂って混合することでPEEK樹脂組成物を得た。なお、PEEKは、予めミ
ルサー(20,000rpm)で粉砕したものの500μm篩下を使用した。
得られた樹脂組成物について、以下の手順に従い、降温結晶化温度(Tcc)及び結晶化度を測定した。結果を表1に併せて示す。
[降温結晶化温度(Tcc)]
樹脂組成物2mgを、DSCを用いて、100℃/分で410℃まで昇温し、そのまま410℃で1分間保持した後、20℃/分で冷却する際に観測される、PEEKの結晶化に由来する発熱(結晶化エンタルピーΔHc)ピーク頂点の温度を、降温結晶化温度(Tcc)として測定した。Tccの値が大きいほど同一条件での結晶化速度が速く、結晶核剤として優れた効果を有することを表す。
[結晶化度]
樹脂組成物2mgを、DSCを用いて、100℃/分で410℃まで昇温し、そのまま410℃で1分間保持した後、20℃/分で冷却したときの結晶化エンタルピーΔHcを測定し、ΔHc÷ΔH×100により算出した値を結晶化度とした。なお、ここでΔHは完全理想結晶融解エンタルピーを表し、ポリエーテルエーテルケトンの値として130J/gを使用した。
[比較例1]
結晶核剤を添加しなかった以外は実施例1と同様に操作、評価した。結果を表1に併せて示す。
[比較例2]
結晶核剤をタルク[日本タルク(株)製 ミクロエースP−8]に変更した以外は実施例1と同様に操作、評価した。結果を表1に併せて示す。
[比較例3〜5]
結晶核剤を表1に記載の化合物に変更した以外は実施例1と同様に操作、評価した。結果を表1に併せて示す。
Figure 2018009115
表1の結果より、結晶核剤として特定のフェニルホスホン酸金属塩を用いたもの(実施例1〜4)は、結晶核剤を加えないもの(比較例1)、及び従来使用されているタルクを用いたもの(比較例2)と比較して、高いTccを示し、結晶化促進効果を有することが確認された。特に、フェニルホスホン酸スズを用いたものは高いTccを示し、極めて優れた結晶化促進効果を有することが確認された。
またフェニルホスホン酸のマンガン塩、鉄塩及びニッケル塩を用いた場合(比較例3〜5)には、結晶核剤を加えないもの(比較例1)やタルクを用いたもの(比較例2)と比較してもTccが低い結果となり、金属塩の種類によっては芳香族ポリエーテルケトン樹脂の結晶化をかえって阻害することが確認された。
すなわち、芳香族ポリエーテルケトン樹脂に結晶核剤として特定のフェニルホスホン酸金属塩を添加することにより、芳香族ポリエーテルケトン樹脂の結晶化速度を高め、耐熱性、成形加工性に優れた芳香族ポリエーテルケトン樹脂組成物を提供することが可能となった。

Claims (9)

  1. 芳香族ポリエーテルケトン樹脂、及び式[1]で表されるフェニルホスホン酸化合物の、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩、バリウム塩、コバルト塩、銅塩、亜鉛塩、銀塩、アルミニウム塩、及びスズ塩からなる群から選ばれる少なくとも一種の金属塩からなる結晶核剤を含む、芳香族ポリエーテルケトン樹脂組成物。
    Figure 2018009115
    (式中、R及びRは、それぞれ独立して、水素原子、炭素原子数1乃至10のアルキル基、又は炭素原子数2乃至11のアルコキシカルボニル基を表す。)
  2. 前記フェニルホスホン酸化合物の金属塩が、マグネシウム塩、カルシウム塩、バリウム塩、コバルト塩、亜鉛塩、及びスズ塩からなる群から選ばれる少なくとも一種の金属塩である、請求項1に記載の芳香族ポリエーテルケトン樹脂組成物。
  3. 前記フェニルホスホン酸化合物の金属塩が、マグネシウム塩、バリウム塩、亜鉛塩、及びスズ塩からなる群から選ばれる少なくとも一種の金属塩である、請求項2に記載の芳香族ポリエーテルケトン樹脂組成物。
  4. 前記フェニルホスホン酸化合物の金属塩がスズ塩である、請求項3に記載の芳香族ポリエーテルケトン樹脂組成物。
  5. 前記結晶核剤の含有量が、前記芳香族ポリエーテルケトン樹脂100質量部に対して0.001〜10質量部である、請求項1乃至請求項4のうち何れか一項に記載の芳香族ポリエーテルケトン樹脂組成物。
  6. 前記芳香族ポリエーテルケトン樹脂が、式[2]で表される繰り返し単位を有する樹脂である、請求項1乃至請求項5のうち何れか一項に記載の芳香族ポリエーテルケトン樹脂組成物。
    Figure 2018009115
    (式中、Ar及びArはそれぞれ独立して、置換基を有していてもよい炭素原子数6乃至20の二価の芳香族基を表し、Xは芳香族基を少なくとも有する二価の有機基を表す。)
  7. 前記芳香族ポリエーテルケトン樹脂が、式[3]で表される繰り返し単位を有する樹脂である、請求項6に記載の芳香族ポリエーテルケトン樹脂組成物。
    Figure 2018009115
    (式中、R乃至R13はそれぞれ独立して、水素原子又は炭素原子数1乃至10のアルキル基を表す。)
  8. 前記芳香族ポリエーテルケトン樹脂が、式[4]で表される繰り返し単位を有する樹脂である、請求項6に記載の芳香族ポリエーテルケトン樹脂組成物。
    Figure 2018009115
    (式中、R乃至R18はそれぞれ独立して、水素原子又は炭素原子数1乃至10のアルキル基を表し、Lは単結合、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素原子数1乃至6のアルキレン基、又は酸素原子を表す。)
  9. 請求項1乃至請求項8のうち何れか一項に記載の芳香族ポリエーテルケトン樹脂組成物からなる結晶質の芳香族ポリエーテルケトン樹脂成形体。
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