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JP2018004291A - 原子力プラント構成部材の応力腐食割れ抑制方法 - Google Patents

原子力プラント構成部材の応力腐食割れ抑制方法 Download PDF

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JP2018004291A JP2016127306A JP2016127306A JP2018004291A JP 2018004291 A JP2018004291 A JP 2018004291A JP 2016127306 A JP2016127306 A JP 2016127306A JP 2016127306 A JP2016127306 A JP 2016127306A JP 2018004291 A JP2018004291 A JP 2018004291A
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Abstract

【課題】原子力プラント構成部材表面への放射性核種の付着が抑制され、原子力プラント構成部材に生じた応力腐食割れの進展を抑制できる原子力プラント構成部材の応力腐食割れ抑制方法を提供する。【解決手段】BWRプラントは、RPV2、及びRPV2に接続された再循環系配管6、給水配管11及び浄化系配管17を有する。グラフェン注入装置25が給水配管11に接続される。RPV2からバイパス配管33による復水器10への蒸気の導入を開始したBWRプラントの起動時において、グラフェン注入装置25から給水配管11内の給水にグラフェンを注入する。グラフェンを含む給水がRPV2に供給され、炉水にグラフェンが注入される。注入されたグラフェンを含む炉水が、RPV2及び再循環系配管6等の内面に接触することにより、それらの内面にグラフェンが付着される。【選択図】図2

Description

本発明は、原子力プラント構成部材の応力腐食割れ抑制方法に係り、特に、沸騰水型原子力発電プラントに適用するのに好適な原子力プラント構成部材の応力腐食割れ抑制方法に関する。
沸騰水型原子力発電プラント(以下、BWRプラントという)及び加圧水型原子力発電プラント(以下、PWRプラントという)等の原子力発電プラントでは、原子炉圧力容器などの主要な構成部は、腐食を抑制するために、水が接触する接水部にステンレス鋼及びニッケル基合金などを用いている。また、原子炉冷却材浄化系、余熱除去系、原子炉隔離時冷却系、炉心スプレイ系、給水系及び復水系などの構成部は、プラントの製造所要コストを低減する観点、あるいは給水系や復水系を流れる高温水に起因するステンレス鋼の応力腐食割れを避ける観点などから、主として炭素鋼部材が用いられる。
また、放射性腐食生成物の元となる腐食生成物は、RPV及び再循環系配管等の接水部からも発生することから、主要な一次系の構成部材には腐食の少ないステンレス鋼、ニッケル基合金などの不銹鋼が使用される。また、低合金鋼製のRPVは内面にステンレス鋼の肉盛りが施され、低合金鋼が、直接、炉水(RPV内に存在する冷却水)と接触することを防いでいる。炉水とは、原子炉内に存在する冷却水である。さらには、炉水の一部を原子炉浄化系のろ過脱塩装置によって浄化し、炉水中に僅かに存在する金属不純物を積極的に除去している。
しかし、上述のような腐食対策を講じても、炉水中における極僅かな金属不純物の存在は避けられないため、一部の金属不純物が、金属酸化物として、燃料集合体に含まれる燃料棒の表面に付着する。燃料棒表面に付着した金属不純物に含まれる金属元素は、燃料棒内の核燃料から放出される中性子の照射により原子核反応を起こし、コバルト60、コバルト58、クロム51、マンガン54等の放射性核種になる。これらの放射性核種は、大部分が酸化物の形態で燃料棒表面に付着したままであるが、一部の放射性核種は、取り込まれている酸化物の溶解度に応じて炉水中にイオンとして溶出したり、クラッドと呼ばれる不溶性固体として炉水中に再放出されたりする。炉水中の放射性物質は、原子炉浄化系によって取り除かれる。しかしながら、除去されなかった放射性物質は炉水とともに再循環系などを循環している間に、構成部材の炉水と接触する表面に蓄積される。その結果、構成部材表面から放射線が放射され、定検作業時の従事者の放射線被曝の原因となる。その従業者の被曝線量は、各人毎に規定値を超えないように管理されている。近年この規定値が引き下げられ、各人の被曝線量を経済的に可能な限り低くする必要が生じている。
そこで、配管への放射性核種の付着を低減する方法、及び炉水中の放射性核種の濃度を低減する方法が様々検討されている。例えば、亜鉛などの金属イオンを炉水に注入して、炉水と接触する再循環系配管内面に亜鉛を含む緻密な酸化皮膜を形成させることにより、酸化皮膜中へのコバルト60及びコバルト58等の放射性核種の取り込みを抑制する方法が提案されている(特開昭58−79196号公報参照)。
また、一度配管表面に形成された酸化皮膜に取り込まれたコバルト60やコバルト58等の放射性核種を、化学薬品を用いて配管表面から溶解して除去する化学除染法が提案されている(特開平11−344597)。
また、化学除染後の原子力プラント構成部材表面にフェライト皮膜としてマグネタイト皮膜を形成することによって、プラントの運転後においてその構成部材表面に放射性核種が付着することを抑制する方法が、特開2006−38483号公報に提案されている。この方法は、鉄(II)イオンを含むギ酸水溶液、過酸化水素及びヒドラジンを含み、常温から100℃の範囲に加熱された処理液を、その構成部材表面に接触させてその表面にフェライト皮膜を形成するものである。
特開2013−237602号公報は、グラフェン接合体を用いた工業製品の製造方法を記載している。グラフェン接合体は、グラフェンの表面に鉄微粒子を担持させ、鉄微粒子同士を金属結合させることでグラフェン同士を接合したものである。特開2013−237602号公報には、鉄微粒子の表面にPd,Ptを付着させたグラフェン接合体の例も記載されている。その工業製品の製造方法では、グラフェン接合体の被膜を内面に形成した、SUS製の配管も製造される。配管の内面に形成されたグラフェン接合体の被膜が炉水と配管内面への接触を遮断するため、SUS製の配管の応力腐食割れを防止することができる。
WO2013/058383号公報は、カーボンナノフォーンを含む多孔質材料を記載している。カーボンナノフォーンは触媒作用を有する。
特開2006−312783号公報は、構造材料の応力腐食割れを軽減する方法を記載している。この応力腐食割れ軽減方法では、炭素を含む誘電体ナノ粒子を、炉水と接触する、原子力プラントの構造部材の表面に付着させている。誘電体ナノ粒子の付着により、原子力プラントの構造部材の応力腐食割れが軽減される。
特開昭58−79196号公報 特開平11−344597号公報 特開2006−38483号公報 特開2013−237602号公報 WO2013/058383号公報 特開2006−312783号公報
Proceeding of water chemistry 2004, p1054-1059
特開2013−237602号公報に記載された、配管の内面に形成されたグラフェン接合体被膜は、炉水と配管の接触を遮断して配管の応力腐食割れを防止している。このグラフェン接合体被膜は、触媒として機能していない。また、グラフェン接合体被膜においてグラフェン同士を接合している鉄微粒子がイオン化して炉水に溶出するため、グラフェンが配管から離れる可能性がある。
WO2013/058383号公報に記載されたカーボンナノフォーンは、原子力プラント構成部材における応力腐食割れの進展を抑制できるほどには、原子力プラント構成部材の腐食電位を低減することができない。また、特開2006−312783号公報に記載された誘電体ナノ粒子を形成する炭素は、触媒作用を有していない。
本発明の目的は、原子力プラント構成部材表面への放射性核種の付着が抑制され、原子力プラント構成部材に生じた応力腐食割れの進展を抑制できる原子力プラント構成部材の応力腐食割れ抑制方法を提供することにある。
上記した目的を達成する本発明の特徴は、原子力プラントの運転時において炉水にグラフェンを注入し、グラフェンを含む炉水を、原子力プラントの構成部材の、その炉水と接触する表面に接触させ、炉水に含まれるグラフェンを構成部材の表面に0.01μg/cm2以上付着させることにある。
炉水に含まれるグラフェンを構成部材の表面に0.01μg/cm2以上付着させるので、原子力プラントの構成部材表面への放射性核種の付着が抑制され、原子力プラント構成部材に生じた応力腐食割れの進展を抑制することができる。
好ましくは、グラフェンをその構成部材の表面に0.01μg/cm2以上10μg/cm2以下の範囲で付着させることが望ましい。これにより、構成部材に付着したグラフェンの上に他のグラフェンが付着することを抑制することができ、炉水中の水素と酸素の再結合反応を促進させる触媒能力が低下して無駄になる、付着されたグラフェンの量を低減することができる。
本発明によれば、原子力プラント構成部材表面への放射性核種の付着が抑制され、さらに、原子力プラント構成部材に生じた応力腐食割れの進展を抑制することができる。
本発明の好適な一実施例である実施例1の原子力プラント構成部材の応力腐食割れ抑制方法において、原子力プラント構成部材の表面にグラフェンを付着させる手順を示すフローチャートである。 実施例1の原子力プラント構成部材の応力腐食割れ抑制方法が適用される沸騰水型原子力プラントの構成図である。 図2に示すグラフェン注入装置の詳細構成図である。 ステンレス鋼試験片におけるCo−60付着量の電位依存性を示す特性図である。 炭素鋼試験片におけるCo−60付着量の電位依存性を示す特性図である。 原子炉内の炉水環境における各試験片の腐食電位を示す説明図である。 原子炉内の環境における各ステンレス鋼試験片のCo−60付着量の実験結果を示す説明図である。 原子炉内の環境における各炭素鋼試験片のCo−60付着量の実験結果を示す説明図である。 グラフェン、カーボンナノフォーン及びナノチューブのそれぞれの触媒効率を示す説明図である。 本発明の好適な他の実施例である実施例2の原子力プラント構成部材の応力腐食割れ抑制方法が適用される沸騰水型原子力プラントの構成図である。 図10に示すグラフェン注入装置の詳細構成図である。
発明者らは、原子力プラントの運転条件を模擬した水質環境において原子力プラント構成部材へのCo−60付着に及ぼす水質及び材料の影響を調べた。この結果、その構成部材表面へのCo−60付着は、Co−60が構成部材の表面に形成される酸化皮膜に取り込まれることによって生じることが判明し、Co−60の酸化皮膜への取り込みを抑制するためには、酸化皮膜の形成量をコントロールする、構成部材の腐食電位を制御すれば良いことが分かった。この考察に基づき、発明者らは、原子プラントの運転条件で腐食電位をコントロールし、Co−60の付着実験を行った。
ステンレス鋼製試験片に対するCo−60の付着実験の結果を図4に示し、炭素鋼製試験片に対するCo−60の付着実験の結果を図5に示す。それぞれの図において、横軸は腐食電位、縦軸はCo−60付着量を示している。これらの図から明らかなように、ステンレス鋼製試験片及び炭素鋼製試験片のそれぞれでは、腐食電位の低下と共にCo−60の付着量が増加した。
一方で、ステンレス鋼製の構成部材についは、応力腐食割れが発生するという問題がある。原子力プラントの構成部材における応力腐食割れの進展を抑制するために、炉水に水素及び白金を注入し、構成部材の腐食電位を−0.23V/SHE以下に制御する技術が存在する。この白金注入技術は、Proceeding of water chemistry 2004, p1054-1059に記載されている。
つまり、原子力プラントの構成部材へのCo−60の付着を好適に抑制するためには、原子力プラント構成部材の腐食電位を−0.23V/SHE以下で、できるだけ高い電位に制御することが必要である。この腐食電位の制御によって、Co−60付着量を抑制すると共に、その構成部材における応力腐食割れの進展を抑制することができる。
そこで、発明者らは、BWRプラントの炉水環境中での腐食電位を、−0.23V/SHE以下で、できるだけ高い電位に制御する方法を検討した。
BWRプラントの定格運転における炉水を模擬した模擬水に浸漬された各試験片の腐食電位を、図6に示す。ここで、試験片Aはステンレス鋼製の試験片であり、試験片Bは炭素鋼製の試験片、試験片Cはグラフェンを表面に付着させたステンレス鋼製の試験片であり、及び試験片Dはグラフェンを表面に付着させた炭素鋼製の試験片である。試験片A及びBのそれぞれは、表面にグラフェンを付着させていない。グラフェンは、1原子の厚さのsp2結合炭素原子のシートであり、炭素原子とその結合からできた、蜂の巣状の六角形格子構造をとっている。グラフェンの一辺の長さは、1nm〜1μm(1nm以上1μm以下)の範囲にある。
試験片C及びDのそれぞれの腐食電位は、試験片A及びBのそれぞれの腐食電位よりも低く、−0.23V/SHE〜−0.27V/SHEである。つまり、グラフェンを試験片の表面に付着させることにより、試験片表面の腐食電位を−0.23V/SHE〜−0.27V/SHEの範囲に制御できることを確認することができた。
さらに、発明者らは、ステンレス鋼製試験片及び炭素鋼製試験片のそれぞれを用いて、Co−60付着に及ぼすグラフェンの影響を確認する実験を行った。この実験では、それぞれの試験片を、Co−60を含む前述の模擬水に浸漬した。これらの実験結果を図7及び図8に示す。図7から明らかであるように、表面にグラフェンを付着したステンレス鋼製試験片のCo−60付着量は、表面にグラフェンを付着していないステンレス鋼製試験片のそれよりも著しく減少した。また、図8から明らかであるように、炭素鋼製試験片においても、表面にグラフェンを付着した場合におけるCo−60付着量が、表面にグラフェンを付着していない場合におけるそれよりも著しく減少した。
グラフェン、カーボンナノフォーン及びナノチューブのそれぞれの触媒効率を、図9に示す。グラフェンの触媒効率が最も高く、カーボンナノフォーン及びナノチューブのそれぞれの触媒効率はグラフェンの触媒効率よりも著しく低くなっている。触媒効率が低いカーボンナノフォーン及びナノチューブのそれぞれを原子力プラントの構成部材の冷却水と接触する表面に付着させても、カーボンナノフォーン及びナノチューブではその構成部材の腐食電位を減少させる効果が小さく、原子力プラント構成部材に生じた応力腐食割れの進展を抑制することができない。また、カーボンナノフォーン及びナノチューブのそれぞれを原子力プラントの構成部材の冷却水と接触する表面に付着させても、その構成部材のその表面への放射性核種の付着も抑制することができない。
上記の検討結果を反映した、本発明の実施例を以下に説明する。
本発明の好適な一実施例である実施例1の、原子力プラント構成部材の応力腐食割れ抑制方法を、図1、図2および図3を用いて以下に説明する。本実施例の原子力プラント構成部材の応力腐食割れ抑制方法は、BWRプラントに適用している。
BWRプラントは、図2に示すように、原子炉1、タービン3、復水器4、再循環系、原子炉浄化系及び給水系等を備えている。原子炉1は、原子炉建屋(図示せず)内に配置された原子炉格納容器7内に設置される。原子炉1は、炉心3を内蔵する原子炉圧力容器(以下、RPVという)2を有し、RPV2内にジェットポンプ4を設置している。炉心3に装荷された多数の燃料集合体(図示せず)は、核燃料物質で製造された複数の燃料ペレットが充填された複数の燃料棒を含んでいる。炉心3は、原子炉圧力容器2内に配置された円筒状のステンレス鋼製の炉心シュラウド(図示せず)によって取り囲まれている。再循環系は、ステンレス鋼製の再循環系配管6、及び再循環系配管6に設置された再循環ポンプ5を有する。再循環系配管6の一端は、RPV2に接続されて、RPV2と炉心シュラウドの間に形成される環状の冷却水通路であるダウンカマに連絡される。再循環系配管6の他端は、ダウンカマ内に配置されるジェットポンプ4のノズル(図示せず)に連絡される。
RPV2に接続された主蒸気配管8はタービン9に接続される。蒸気加減弁34が主蒸気配管8に設けられる。蒸気加減弁34の上流側で主蒸気配管8に接続されてバイパス弁35を有するバイパス配管33は、タービン9の下方に配置された復水器10に接続される。
給水系では、復水ポンプ12、復水浄化装置(例えば、復水脱塩器)13、低圧給水加熱器14、給水ポンプ15及び高圧給水加熱器16が、復水器10からRPV2に向って、この順に復水器10とRPV2を連絡する炭素鋼製の給水配管11に設置される。原子炉浄化系では、浄化系ポンプ18、再生熱交換器19、非再生熱交換器20及び炉水浄化装置21が、この順に、再循環系配管6と給水配管11を連絡する炭素鋼製の浄化系配管17に設置される。浄化系配管17において、図2に示すように、開閉弁22が浄化系ポンプ18と再循環系配管6の間に設けられる。浄化系配管17は、再循環ポンプ5の上流で再循環系配管6に接続される。
再循環系配管6、給水配管11及び浄化系配管17は、RPV2に接続される配管系である。
RPV2内の冷却水(以下、炉水という)は、再循環ポンプ5で昇圧され、再循環系配管6を通ってジェットポンプ4内に噴出される。ダウンカマ内でジェットポンプ4のノズルの周囲に存在する炉水も、ジェットポンプ4内に吸引されて炉心3に供給される。炉心3に供給された炉水は燃料棒内の核燃料物質の核分裂で発生する熱によって加熱され、この炉水の一部が蒸気になる。蒸気加減弁34が開いてバイパス弁35が閉じているとき、その蒸気は、RPV2から主蒸気配管8を通ってタービン9に導かれ、タービン9を回転させる。タービン9に連結された発電機(図示せず)が回転し、電力が発生する。タービン9から排出された蒸気は、復水器10で凝縮されて水になる。この水は、給水として、給水配管11を通りRPV2内に供給される。給水配管11を流れる給水は、復水ポンプ12で昇圧され、復水浄化装置13で不純物が除去され、給水ポンプ15でさらに昇圧される。給水は、低圧給水加熱器14及び高圧給水加熱器16で加熱されてRPV2内に導かれる。抽気配管でタービン9から抽気された抽気蒸気が、高圧給水加熱器16及び低圧給水加熱器14にそれぞれ供給され、給水の加熱源となる。
再循環系配管6内を流れる炉水の一部は、浄化系ポンプ18の駆動によって原子炉浄化系の浄化系配管17内に流入し、再生熱交換器19及び非再生熱交換器20で冷却された後、炉水浄化装置21で浄化される。浄化された炉水は、再生熱交換器19で加熱されて浄化系配管17及び給水配管11を経てRPV2内に戻される。
グラフェン注入装置25が、復水浄化装置13と低圧給水加熱器14の間で給水配管11に接続されたサンプリング配管(図示せず)に接続される。グラフェン注入装置25は、図3に示すように、グラフェンタンク26、注入ポンプ27及び注入配管28を含んでいる。注入ポンプ27が設けられた注入配管28の一端がグラフェンタンク26に接続され、注入配管28の他端が前述のサンプリング配管に接続される。グラフェンを含む水が、グラフェンタンク26内に充填されている。グラフェンタンク26内の各グラフェンの一辺の長さは、前述したように、1nm〜1μmの範囲にある。開閉弁29が注入ポンプ27の下流側で注入配管28に設けられ、開閉弁30が注入ポンプ27の上流側で注入配管28に設けられる。
原子力プラント構成部材の応力腐食割れ抑制方法を、図1に示す手順に基づいて説明する。まず、原子力プラントの配管系にグラフェン注入装置に接続する(ステップS1)。運転を経験したBWRプラントの場合にはBWRプラントの運転が停止されているとき、または、新設のBWRプラントの場合には運転か開始される前に、グラフェン注入装置25の注入配管28が、前述のサンプリング配管に接続される。
原子力プラントを起動する(ステップS2)。蒸気加減弁34及びバイパス弁35の両者が閉じている状態で、BWRプラントの再循環ポンプ5を駆動する。RPV2内の炉水は、再循環ポンプ5の駆動により昇圧され、再循環系配管6を通ってジェットポンプ4内に噴出され、ダウンカマ内でジェットポンプ4のノズルの周囲に存在する炉水と共に、ジェットポンプ4から吐出されて炉心3に供給される。炉心3から排出された炉水は、ダウンカマ内に流入し、再び、炉心3に供給される。炉心3に炉水が供給されている状態で、複数の制御棒(図示せず)が炉心3から引き抜かれ、やがて、原子炉1は未臨界状態から臨界状態になる。さらなる制御棒の引き抜きにより、炉心3に装荷された各燃料集合体内の各燃料棒に含まれる核分裂性物質の核分裂により炉水が加熱され、炉水の温度が上昇し、RPV2内の圧力が上昇する。
炉水の温度が定格温度まで、RPV2の内圧が定格圧力まで上昇した後、蒸気加減弁34が閉じているままでバイパス弁35を開き、制御棒を炉心3からさらに引き抜いて原子炉出力を上昇させる。炉心3で発生した蒸気は、主蒸気配管8及びバイパス配管33を通って復水器10に導かれ、復水器10内で凝縮して水になる。バイパス弁35を開くとき、復水ポンプ12及び給水ポンプ15を駆動する。復水ポンプ12及び給水ポンプ15のそれぞれの回転数は、バイパス配管33を通して復水器10に流入した蒸気が凝縮して生じる水の量を、給水としてRPV2に供給できる回転数となる。このため、復水器10に流入した蒸気の凝縮により復水器10内で生じた水が、給水として、給水配管11を通ってRPV2内に供給される。原子炉出力の上昇に伴ってバイパス配管33より復水器10に流入する蒸気流量が増加するため、この蒸気流量の増加に合わせて復水ポンプ12及び給水ポンプ15の各回転数も増加し、RPV2内に供給される給水の流量が増加する。
例えば、原子炉出力が約10%まで上昇したとき、蒸気加減弁34が開いてバイパス弁35が閉じられる。このため、RPV2内で発生した蒸気の全てが、主蒸気配管8を通してタービン9に供給される。タービン9に連結された発電機(図示せず)も回転し、電気が発生する。やがて、原子炉出力が100%まで上昇し、BWRプラントが定格運転状態になる。
グラフェンを注入する(ステップS3)。BWRプラントの原子炉出力の上昇運転時、具体的には、RPV2内で発生した蒸気を復水器10に導くためにバイパス弁35を開いた後、開閉弁29及び30のそれぞれが開いて注入ポンプ27が駆動される。グラフェンタンク26内のグラフェンを含む水が、注入ポンプ27の駆動によって、注入配管28を通して給水が流れる給水配管11内に注入される。注入配管28を通して給水配管11内の給水に注入されるグラフェンの注入量は、その給水の流量に対して0.1ppbである。
RPV2内で発生した蒸気のバイパス配管33による復水器10への導入が開始されてからBWRプラントの定格運転状態(100%出力の運転状態)になるまで、原子炉出力が上昇するので、RPV2から主蒸気配管8に吐出される蒸気の流量が増大し、それに伴って、給水配管11を通してRPV2に供給される給水の流量も増加する。給水流量に対して0.1ppbの量のグラフェンを注入するためには、グラフェンタンク26内の水に含まれるグラフェンの濃度が一様であるため、グラフェンタンク26から注入配管28を通して給水配管11に供給する、グラフェンを含む水の流量を、給水配管11内の給水流量の増加に合わせて増加させる必要がある。
このようなグラフェンを含む水の流量の増加は、制御装置(図示せず)によって注入ポンプの27の回転数を制御することによって行われる。この制御装置は、給水配管11に設けられた第1流量計(図示せず)で測定された給水流量、及び注入配管28に設けられた第2流量計(図示せず)で測定された、注入される水の流量をそれぞれ入力し、第1流量計で測定された給水流量に対して0.1ppbの量のグラフェンを注入する、グラフェンを含む水の流量になるように、注入ポンプ27の回転数を制御する。このため、原子炉出力の上昇に伴って給水流量が増加しても、RPV2に供給される給水のグラフェン濃度を0.1ppbに維持することができる。
給水に注入されたグラフェンは、給水配管11を通して、給水と共にRPV2内に供給され、RPV2内の炉水に注入される。注入されたグラフェンを含む炉水は、BWRプラントの構成部材である再循環系配管6及びRPV2等の内部を流動し、それらの内面に接触する。このため、グラフェンは、再循環系配管6、RPV2及び炉浄化系配管17等の内面、RPV2内に設置されて炉心3を取り囲む炉心シュラウドの内外面、および炉心3に装荷された燃料集合体の炉水との接触面等に付着する。炉浄化系配管17では、グラフェンは、炉水浄化装置21よりも上流で炉浄化系配管17の内面に付着する。燃料集合体では、グラフェンが、燃料棒の外面、燃料スペーサの炉水との接触面、上部タイプレート及び下部タイプレートのそれぞれの炉水との接触面、さらには、チャンネルボックスの内外面にそれぞれ付着する。グラフェンの熱伝導が良好であるため、燃料棒の外面に付着したグラフェンは、燃料棒内の核燃料物質の除熱を阻害することはない。
再循環系配管6から炉浄化系配管17に流入した炉水に含まれるグラフェンは、炉水浄化装置21で除去されるため、炉水浄化装置21よりも下流側では炉浄化系配管17内を流れる炉水に含まれていない。図示されていないが、炉水浄化装置21の内部には、上流側にフィルタ及びこのフィルタの下流にイオン交換樹脂層が配置される。炉水に含まれるグラフェンはそのフィルタで除去され、炉水に含まれるイオンは、フィルタを通過した後にイオン交換樹脂層のイオン交換樹脂で除去される。注入配管28から給水配管11内に注入されるグラフェンの注入量は、炉水浄化装置21で除去されるグラフェンの量を考慮して決められている。
グラフェンを含む水の、グラフェンタンク26から給水配管11内への注入は、例えば、前述のグラフェンの注入量で約10日間、行われる。グラフェンの注入は、RPV2内で発生した蒸気を復水器10に導くためにバイパス弁35が開いてから原子炉出力が100%に達するまでの期間及び原子炉出力が100%に達した後の期間を含む約10日間に亘って実施される。このグラフェンの注入により、グラフェンは、0.01μg/cm2〜10μg/cm2(0.01μg/cm2以上10μg/cm2以下)の範囲で、再循環系配管6、RPV2及び炉心3内の燃料集合体等の、BWRプラントの構成部材の表面、すなわち、炉水と接触するその表面に付着される。
その構成部材表面へのグラフェンの付着量が0.01μg/cm2未満である場合には、その構成部材の、炉水と接触する表面への放射性核種の付着を抑制する効果が著しく低減され、BWRプラント構成部材に生じた応力腐食割れの進展を抑制することができない。その構成部材表面へのグラフェンの付着量が0.01μg/cm2以上になることによって、BWRプラント構成部材表面への放射性核種の付着が著しく抑制され、BWRプラント構成部材に生じた応力腐食割れの進展を抑制することができる。しかしながら、その構成部材表面へのグラフェンの付着量が10μg/cm2を超えた場合には、その構成部材の表面に直接付着したグラフェンの上にさらに他のグラフェンが付着する確率が増大する。このため、他のグラフェンで覆われた、構成部材の表面に直接付着したグラフェンに、炉水に含まれる水素が接触しにくくなり、構成部材の表面に直接付着したグラフェンの作用による、その水素と炉水に含まれる酸素の再結合反応が生じにくくなる。これは、構成部材の表面に直接付着したグラフェンの触媒能力が活用されないことを意味しており、触媒作用の観点からは、他のグラフェンに覆うわれたグラフェンは無駄なグラフェンである。触媒能力を活用できない無駄なグラフェンを低減し、BWRプラント構成部材に生じた応力腐食割れの進展を効率良く抑制するためには、その構成部材の表面へのグラフェンの付着量を10μg/cm2以下にする必要がある。
グラフェンの注入を停止する(ステップS4)。BWRプラントの構成部材の、炉水と接触する表面に、グラフェンを0.01μg/cm2〜10μg/cm2の範囲で付着させる所定量のグラフェンの、原子炉1内の炉水への注入が終了した後、注入ポンプ27の駆動が停止されて開閉弁29及び30が閉じられる。これにより、原子炉1内へのグラフェンの注入が停止する。
本実施例によれば、グラフェンを炉水に注入して、BWRプラントの構成部材の、炉水と接触する表面にグラフェンを0.01μg/cm2以上付着させるので、その構成部材の炉水と接触する表面への放射性核種の付着が抑制され、その構成部材に生じた応力腐食割れの進展を抑制することができる。
本実施例では、BWRプラントの構成部材の、炉水と接触する表面にグラフェンを0.01μg/cm2以上10μg/cm2以下の範囲で付着させるので、放射性核種(例えば、Co−60)を含む酸化皮膜が、その構成部材の、炉水と接触する表面に形成されることを抑制することができる。その構成部材の、炉水と接触する表面にグラフェンを0.01μg/cm2以上10μg/cm2以下の範囲で付着させることにより、その構成部材の腐食電位が低下する。この腐食電位の低下は、その構成部材の炉水と接触する表面への放射性核種の付着を抑制し、その構成部材に生じた応力腐食割れの進展を抑制することができる。
本実施例では、その構成部材へのグラフェンの付着量を10μg/cm2以下にしているので、構成部材に付着したグラフェンの上に他のグラフェンが付着することを抑制することができ、炉水中の水素と酸素の再結合反応を促進させる触媒能力が低下して無駄になる、付着されたグラフェンの量を低減することができる。
BWRプラントの運転時においては、BWRプラント内の炉水がRPV2及びRPV2に接続された配管系内で流動している。本実施例では、BWRプラントの運転時に、グラフェンを炉水に注入するので、流動している炉水により、BWRプラントにおける炉水と接触するあらゆる構成部材の、炉水と接触する表面にグラフェンを付着させることができる。このため、BWRプラントの広範囲の構成部材において、その表面への放射性核種の付着を抑制することができ、さらに、発生した応力腐食割れの進展を抑制することができる。
本実施例では、BWRプラントの起動時でRPV2内で発生した蒸気の復水器10への導入を開始した後、すなわち、原子炉出力の上昇運転時に、グラフェンを炉水に注入するため、その起動時の早い時期においてグラフェンを構成部材の炉水に接触する表面に付着させることができる。このため、BWRプラントの起動時における、構成部材への放射性核種の付着を抑制することができ、さらに、BWRプラントの定格運転時においても、構成部材への放射性核種の付着を抑制することができる。構成部材の表面線量率が著しく低減され、BWRプラントの運転停止時に実施される保守点検における作業員の被ばくを著しく低減することができる。
なお、BWRプラントの構成部材の、炉水と接触する表面に付着したグラフェンは、その構成部材の表面から剥離することがない。構成部材の表面に一旦付着したグラフェンは、通常であれば、BWRプラントの運転サイクルが変わっても、構成部材の表面に付着したままである。しかしながら、BWRプラントに対して化学除染が実施された場合には、構成部材の表面に付着しているグラフェンは、この化学除染によってその表面から除去される。このため、化学除染の終了後の次の運転サイクルにおける、BWRプラントの起動時における前述の期間において、前述したグラフェンの炉水への注入が実施され、化学除染が実施された構成部材の、炉水と接触する表面にグラフェンが付着される。このように、化学除染が実施された構成部材の、炉水と接触する表面にグラフェンが付着されるので、化学除染が実施された構成部材への放射性核種の付着が抑制され、さらに、その構成部材に生じた応力腐食割れの進展を抑制することができる。
また、炉心3に装荷された全ての燃料集合体は、例えば、毎年、1/4ずつ、BWRプラントの運転停止中の燃料交換作業時において炉心3から使用済燃料集合体として取り出され、代わりに、取り出された体数と同じ体数の、燃焼度0GWd/tの新燃料集合体が炉心3に装荷される。炉心3に装荷されたこれらの新燃料集合体の表面にはグラフェンが付着していないので、前述したように、BWRプラントの起動時において、炉水にグラフェンを注入し、新たに炉心3に装荷された各燃料集合体の、炉水と接触する表面にグラフェンを付着させる。新燃料集合体の、炉水と接触する表面には、0.01μg/cm2以上10μg/cm2以下の範囲でグラフェンが付着される。
グラフェン注入装置25は、給水配管11に常に接続されていてもよいし(常設)、仮設で、グラフェンを炉水に注入する運転サイクルで給水配管11に接続されてもよい。仮設のグラフェン注入装置25は、グラフェンを注入する運転サイクルの直前のBWRプラントの運転停止期間で給水配管11に接続され、グラフェンを注入する運転サイクルでのBWRプラントの運転が停止された後のBWRプラントの運転停止期間で給水配管11から取り外される。
本発明の好適な他の実施例である実施例2の、原子力プラント構成部材の応力腐食割れ抑制方法を、図10および図11を用いて以下に説明する。本実施例の原子力プラント構成部材の応力腐食割れ抑制方法は、BWRプラントに適用している。
本実施例の原子力プラント構成部材の応力腐食割れ抑制方法に用いられるグラフェン注入装置25Aの構成を、図11を用いて説明する。グラフェン注入装置25と構成が異なるグラフェン注入装置25Aは、グラフェンタンク26及び注入配管28Bを含んでいる。開閉弁32が設けられた注入配管28Bの一端がグラフェンタンク26に接続され、注入配管28Bの他端が、復水浄化装置13と低圧給水加熱器14の間で、給水配管11に接続される。開閉弁31が設けられた給水供給管28Aの一端がグラフェンタンク26に接続され、給水供給管28Aの他端が、注入配管28Bと給水配管11の接続点と復水浄化装置13との間で、給水配管11に接続される。弁36が、給水供給管28Aと給水配管11の接続点と注入配管28Bと給水配管11の接続点の間で給水配管11に設けられる。
本実施例の原子力プラント構成部材の応力腐食割れ抑制方法においても、実施例1の原子力プラント構成部材の応力腐食割れ抑制方法で行われるステップS1〜S4の各工程が実施される。原子力プラントの配管系にグラフェン注入装置に接続する(ステップS1)。BWRプラントの運転が停止されているときに、前述のように、注入配管28Bが給水配管11に接続され、給水供給管28Aが給水配管11に接続される。この結果、グラフェン注入装置25Aが、2本の配管(注入配管28B及び給水供給管28A)によって給水配管11に接続される。
実施例1と同様に、原子力プラントを起動する(ステップS2)。その後、グラフェンを注入する(ステップS3)。このグラフェンンの炉水への注入は、開閉弁31及び32を開き、開いている弁36を少し閉じることによって行われる。弁36が少し閉じられるので、給水供給管28Aと給水配管11の接続点と注入配管28Bと給水配管11の接続点との間で圧力差が生じ、前者の接続点での圧力が後者の接続点での圧力よりも高くなる。このため、弁36よりも上流で給水配管11内を流れる給水の一部が、給水供給管28Aを通してグラフェンタンク26内に流入する。グラフェンタンク26内のグラフェンを含む水が、注入配管28Bを通して給水配管11に注入される。グラフェンが注入された給水は、給水配管11を通してRPV2内に供給される。このようにして、グラフェンがRPV2内の炉水に注入される。注入配管28Bからのグラフェンの注入により給水のグラフェン濃度が0.1ppbになるように、弁36の開度が調節される。この結果、実施例1と同様に、BWRプラントの構成部材の、炉水と接触する表面に、0.01μg/cm2〜10μg/cm2の範囲のグラフェンが付着される。所定量のグラフェンが注入された後、グラフェンの注入を停止する(ステップS4)。
本実施例は、実施例1で生じる各効果を得ることができる。さらに、本実施例では、注入ポンプ27を備えていないグラフェン注入装置25Aを用いるので、グラフェン注入装置をコンパクト化することができる。
実施例1で用いられるグラフェン注入装置25及び実施例2で用いられるグラフェン注入装置25Aは、炉水浄化装置21よりも下流で浄化系配管17に接続してもよい。
実施例1及び2のそれぞれの原子力プラント構成部材の応力腐食割れ抑制方法は、加圧水型原子力プラントに適用してもよい。加圧水型原子力プラント(PWRプラント)に適用する場合には、グラフェン注入装置25及び25Aのそれぞれは、給水配管ではなく、炉心を内蔵する原子炉圧力容器と蒸気発生器を連絡し、炉心で加熱された炉水を蒸気発生器に導く一次冷却系配管に接続される。グラフェンがグラフェン注入装置25または25Aから一次冷却系配管内を流れる炉水に注入され、注入されたグラフェンが、PWRプラントの構成部材である原子炉圧力容器、一次冷却系配管、蒸気発生器及び炉心内の燃料集合体の、炉水と接触する内面に付着される。PWRプラントでは、原子炉出力の上昇運転時に炉水にグラフェンが注入される。一次冷却系配管は、原子炉圧力容器に接続される配管系である。
1…原子炉、2…原子炉圧力容器、3…炉心、6…再循環系配管、8…主蒸気配管、10…復水器、11…給水配管、17…浄化系配管、21…炉水浄化装置、25,25A…グラフェン注入装置、26…グラフェンタンク、27…注入ポンプ、28,28B…注入配管、28A…給水供給管。

Claims (4)

  1. 原子力プラントの運転時において炉水にグラフェンを注入し、グラフェンを含む前記炉水を、前記原子力プラントの構成部材の、前記炉水と接触する表面に接触させ、前記炉水に含まれる前記グラフェンを前記構成部材の前記表面に0.01μg/cm2以上付着させることを特徴とする原子力プラント構成部材の応力腐食割れ抑制方法。
  2. 前記グラフェンを前記構成部材の前記表面に0.01μg/cm2以上10μg/cm2以下の範囲で付着させる請求項1に記載の原子力プラント構成部材の応力腐食割れ方法。
  3. 前記原子力プラントの起動時において、前記グラフェンを前記炉水に注入する請求項1または2に記載の原子力プラント構成部材の応力腐食割れ抑制方法。
  4. 前記構成部材に対する化学除染が実施されるとき、前記化学除染後に前記グラフェンの前記炉水への注入を実施し、前記化学除染が実施される前記構成部材の表面への前記グラフェンの付着を実施する請求項1ないし3のいずれか1項に記載の原子力プラント構成部材の応力腐食割れ抑制方法。
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