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JP2018060064A - 塗膜式光学積層体及びその製造方法 - Google Patents

塗膜式光学積層体及びその製造方法 Download PDF

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JP2018060064A
JP2018060064A JP2016197465A JP2016197465A JP2018060064A JP 2018060064 A JP2018060064 A JP 2018060064A JP 2016197465 A JP2016197465 A JP 2016197465A JP 2016197465 A JP2016197465 A JP 2016197465A JP 2018060064 A JP2018060064 A JP 2018060064A
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strontium carbonate
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optical laminate
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篤志 池上
Atsushi Ikegami
篤志 池上
健 川岸
Ken Kawagishi
健 川岸
里花 野北
Rika Nokita
里花 野北
武史 日元
Takeshi Himoto
武史 日元
達也 庄司
Tatsuya Shoji
達也 庄司
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Abstract

【課題】透明性及びヘイズに優れ、面外位相差を制御可能な樹脂組成物が塗布された透明基材からなる塗膜式光学積層体を提供する。
【解決手段】塗膜式光学積層体は、透明基材と、透明基材上に塗膜された樹脂組成物と、からなる。樹脂組成物は、少なくとも炭酸ストロンチウム粒子及び樹脂を含む。炭酸ストロンチウム粒子の平均長径が100nm未満である。光学積層体の面外位相差(Rth)が、透明基材単体の面外位相差(Rth)よりも低い。
【選択図】なし

Description

本発明は、透明基材上に塗膜された樹脂組成物からなる塗膜式光学積層体と、当該光学積層体の製造方法に関する。
現在、例えば液晶表示装置のような様々な装置に、光の位相差を制御するための光学フィルムが使用されている。光学フィルムの特性を調節するため、光学フィルムの位相差(面内位相差)及び複屈折(面内複屈折)を制御する試みが成されている。特許文献1〜5は、高分子樹脂からなる光学材料に、微粒子状の炭酸ストロンチウムを含有させることによって、複屈折を調節することを開示している。
光学フィルムにおいて、面内複屈折の他に、面外複屈折の制御が求められることがある。特許文献3〜5では、光学フィルムの面内位相差及び面外位相差について言及されている。
特開2004−35347号 特開2005−156863号 特開2007−140011号 特開2008−15118号 特開2008−156479号
特許文献1及び特許文献2では、フィルムの面内位相差が検討されているが、フィルムの面外位相差は検討されていない。特許文献3〜5では、フィルムの面外位相差について言及されている。しかしながら、特許文献1〜4は、透明基材上に塗布形成されたフィルムからなる積層体全体の位相差又は複屈折については検討されていない。したがって、透明基材に塗布形成された塗布膜が、透明基材の位相差又は複屈折にどのような影響を及ぼすかについての知見は得られない。
また、特許文献1〜5に記載されたように、高分子材料に屈折率異方性を有する微粒子を含有させると、微粒子による光散乱によってヘイズが低下する可能性がある。特に、特許文献1〜5で実施例として使用されている炭酸ストロンチウムの粒子径は、比較的大きいため、光散乱による透明性の低下を引き起こす懸念がある。
なお、特許文献4,5は、ヘイズについての言及はあるものの、ヘイズの値は示されておらず、実用に適した光学フィルムが得られているかどうか不明である。
本発明の目的は、透明性及びヘイズに優れ、面外位相差を制御可能な樹脂組成物が塗布された透明基材を有する光学積層体を提供することにある。
一態様に係る塗膜式光学積層体は、透明基材と、透明基材上に塗膜された樹脂組成物とからなる。樹脂組成物は、少なくとも炭酸ストロンチウム粒子及び樹脂を含む。炭酸ストロンチウム粒子の平均長径が100nm未満である。光学積層体の面外位相差(Rth)は、透明基材単体の面外位相差(Rth)よりも低い。
好ましい一態様によれば、前記樹脂組成物の全重量に対する前記炭酸ストロンチウムの重量が、50質量%より多く、前記光学積層体のヘイズが3%以下である。
好ましい一態様では、トルエンに対する前記炭酸ストロンチウム粒子の沈降速度が、0.2g/h以下である。
好ましい一態様では、炭酸ストロンチウム粒子に界面活性剤が付着している。
好ましい一態様では、界面活性剤がカルボン酸系界面活性剤である。
好ましい一態様では、炭酸ストロンチウム粒子は、少なくとも水を含む溶液中で合成され、溶液中で前記界面活性剤を施されたものである。
好ましい一態様では、樹脂組成物の膜厚は5〜50μmである。
好ましい一態様では、樹脂組成物の全重量に対する炭酸ストロンチウムの重量が、150質量%以下である。
好ましい一態様では、樹脂組成物の全重量に対する前記炭酸ストロンチウムの重量が、80質量%以下である。
好ましい一態様では、樹脂組成物がアクリル系硬化樹脂を含む。
好ましい一態様では、透明基材が、透明樹脂又はガラスである。
好ましい一態様では、透明基材単体の面外位相差の符号が正であり、光学積層体の面外位相差の符号が負である。
好ましい一態様では、樹脂組成物は、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物である。
一態様に係る光学積層体の製造方法は、少なくとも炭酸ストロンチウム粒子及び樹脂を有する樹脂組成物を含んだコーティング液を、透明基材上に塗布する第1ステップと、コーティング液から溶媒を除去する第2ステップと、を有する。炭酸ストロンチウム粒子の平均長径が100nm未満である。
好ましい一態様では、上記の樹脂組成物は、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を含み、第2ステップは、コーティング液中の樹脂組成物を活性エネルギー線で硬化し、乾燥させることを含む。
好ましい一態様では、樹脂組成物を活性エネルギー線で硬化した後に、樹脂組成物を乾燥させる。
好ましい一態様では、炭酸ストロンチウム粒子は、少なくとも水を含む溶液中で合成され、溶液中で界面活性剤を施される。
好ましい一態様では、樹脂組成物の全重量に対する前記炭酸ストロンチウムの重量が50質量%以上である。また、第1ステップでは、樹脂組成物の膜厚が5〜50μmとなるように、コーティング液を透明基材上に塗布する。
透明基材に塗布形成する樹脂組成物に含まれる炭酸ストロンチウム粒子の平均長径を100nm未満とし、光学積層体の面外位相差(Rth)が透明基材単体の面外位相差(Rth)よりも低くなるようにすることで、様々な光学用途、例えば液晶表示装置に好適に適用可能な塗膜式光学積層体を提供することができ、特に、3%以下のへイズを有する塗膜式光学積層体を提供することができる。
以下、一実施形態に係る塗膜式光学積層体(以下、単に「光学積層体」と称する。)について説明する。
<光学積層体>
光学積層体は、透明基材と、透明基材上に塗膜された樹脂組成物と、からなる。光学積層体は、透明基材上に樹脂組成物を塗布形成することによって得られる。樹脂組成物は、少なくとも炭酸ストロンチウム粒子及び樹脂を含む。
本実施形態では、光学積層体の面外複屈折(厚み方向の複屈折)は、透明基材単体の面外複屈折よりも低い。高分子材料を含む透明基材の面外位相差は正であることが多い。この場合、本実施形態に係る光学積層体の面外位相差の符号は負であることが好ましい。面外位相差の符号を逆転させることにより、光学積層体の用途を広げることができる。
上述した炭酸ストロンチウム粒子は、屈折率異方性を有する針状又は紡錘状の微粒子であることが好ましい。炭酸ストロンチウムの平均長径は、好ましくは10〜100nm、より好ましくは15〜75nm、特に好ましくは20〜50nmの範囲内である。
光学積層体のヘイズは3.0%以下、好ましくは1.5%以下、より好ましくは1.0%以下である。光学積層体の面外位相差を負にし、かつヘイズが3.0%以下であることによって、光学用途、例えば液晶表示装置に好適に適用することができる。特にIPSモードで動作する液晶表示装置に適用することにより、広範囲にわたり高いコントラスト比を有する液晶表示装置を提供することができるようになる。
樹脂組成物の全重量に対する炭酸ストロンチウムの重量は、50質量%以上であることが好ましい。光学積層体のヘイズの増大を抑制する観点からは、樹脂組成物の全重量に対する炭酸ストロンチウムの重量は、150質量%以下であることが好ましい。光学積層体のヘイズを十分に小さくするという観点からは、樹脂組成物の全重量に対する炭酸ストロンチウムの重量は、80質量%以下であることがより好ましい。
透明基材上に形成される樹脂組成物の膜厚は5〜50μmであることが好ましく、5〜40μmであることがより好ましい。前述したように樹脂組成物の全重量に対する炭酸ストロンチウムの重量を50質量%以上と大きくしつつ、樹脂組成物の膜厚を薄くすることによって、面外位相差を効果的に調節しつつも光学積層体のヘイズを小さい値に維持することができる。
<透明基材>
上述した透明基材は、透明な樹脂基材又は透明なガラス基材から構成されていてよい。透明な樹脂基材としては、例えば、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリスルフォン、ポリエーテルスルフォン、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、フルオレン系ポリエステル、フルオレン系ポリカーボネート、環状ポリオレフィン、セルロース系樹脂、マレイミド系共重合体、ポリスチレン、ポリスチレン共重合体、ポリメチルメタクリレート、メタクリレート系共重合体などが挙げられる。
<炭酸ストロンチウム>
上述したように、炭酸ストロンチウムの平均長径は、好ましくは10〜100nm、より好ましくは15〜75nm、特に好ましくは20〜50nmの範囲内である。
炭酸ストロンチウムの平均長径が大きくなりすぎないようにすることによって、コーティング組成物(及び光学積層体)のヘイズの増大を防止することができる。
ここで、平均長径は、炭酸ストロンチウム粒子の走査型電子顕微鏡(SEM)写真を目視又は自動的に画像処理する方法で測定することができる。炭酸ストロンチウム粒子の長径は、炭酸ストロンチウム粒子を長方形とみなしたときの長手方向の長さ(長辺の長さ)として測定することができる。また、炭酸ストロンチウム粒子の短径は、炭酸ストロンチウム粒子を長方形と見立てたときの短手方向の長さ(短辺の長さ)として測定することができる。
具体的には画像中で、炭酸ストロンチウム粒子に外接する、最少の面積を持つ長方形を算出し、その長方形の長辺と短辺の長さから長径と短径が求められる。さらに、「平均」とは、統計学上の信頼性のある個数(N数)の炭酸ストロンチウム粒子を測定して得られた平均値を意味する。その個数(N数)としては通常は300以上、好ましくは500以上、より好ましくは1000以上である。
炭酸ストロンチウム粒子の平均アスペクト比は、特に限定されないが、好ましくは1.0〜5.0、より好ましくは2.0〜4.5、特に好ましくは2.5〜4.0の範囲内である。
炭酸ストロンチウム粒子の平均アスペクト比が大きくなりすぎないようにすることで、針状又は紡錘状の炭酸ストロンチウム粒子が折れることを抑制することができる。また、炭酸ストロンチウム粒子の平均アスペクト比が小さくなりすぎないようにすることで、後述する複屈折の効果を高めることができる。
なお、ここでいうアスペクト比とは、粒子の「長径/短径」を意味する。また、平均アスペクト比とは、アスペクト比の平均値を意味する。すなわち、平均アスペクト比は、複数の粒子のアスペクト比を測定し、複数の粒子から得られたアスペクト比の平均値によって算出される。なお、平均値を算出するための粒子数(N数)は、上述したとおりである。
さらに、トルエン等溶媒に対する炭酸ストロンチウム粒子の沈降速度が、0.2g/h以下であることが好ましい。これにより、透明基材上に、炭酸ストロンチウムを含む樹脂組成物を塗布した際に、樹脂組成物が硬化する前に多量の炭酸ストロンチウムが沈降してしまうことを抑制することができる。これは、微粒子であっても、炭酸ストロンチウムの表面を界面活性剤でコーティングしていることにより微粒子の凝集を抑制でき、一次粒子を維持できるからである。炭酸ストロンチウム微粒子の沈降を抑制することで、塗工中に微粒子の溶媒中での分散状態を維持できる。したがって、光学積層体内で安定的に位相差を調節でき、かつ光学積層体のヘイズの増大を抑制することができる。
<界面活性剤>
上述した炭酸ストロンチウム粒子に界面活性剤が付着していることが好ましい。これにより、樹脂組成物中、又は樹脂組成物に混入する前の溶媒中での炭酸ストロンチウム粒子の分散性を向上させることができる。したがって、炭酸ストロンチウム粒子の凝集を抑制し、光学積層体のヘイズの増大を抑制することができる。
界面活性剤の種類は、特には限定されないが、アニオン型界面活性剤が好ましい。アニオン型界面活性剤は、親水性基と疎水性基とを含み、かつ水中でアニオンを形成する基を有する化合物であることがより好ましい。親水性基は、炭素原子数が1〜8のオキシアルキレン基を含むポリオキシアルキレン基であることが好ましい。疎水性基は、アルキル基又はアリール基が好ましい。アルキル基及び/又はアリール基は置換基を有していてもよい。アルキル基の炭素原子数は、好ましくは3〜30であり、より好ましくは10〜18の範囲内である。アリール基の炭素原子数は6〜30であってよい。水中でアニオンを形成する基は、カルボン酸基(−COOH)、硫酸基(−OSOH)、リン酸基(−OPO(OH)、−OPO(OH)O−)からなる群より選ばれた少なくとも1つの酸基であることが好ましい。これらの酸基に含まれる水素原子は、ナトリウムやカリウムなどのアルカリ金属イオン又はアンモニウムイオンで置換されていてもよい。
樹脂組成物中、又は樹脂組成物に混入する前の溶媒中での炭酸ストロンチウム粒子の分散性の観点から、界面活性剤は、ポリカルボン酸系のアニオン型界面活性剤又はポリリン酸系のアニオン型界面活性剤が好ましい。水性媒体中での炭酸ストロンチウムの分散性をより向上させる観点から、界面活性剤は、ポリカルボン酸系のアニオン型界面活性剤であることがより好ましい。
ポリカルボン酸系のアニオン型界面活性剤としては、下記の式(I)で示される化合物を挙げることができる。
Figure 2018060064
(ここで、「R」は置換若しくは無置換のアルキル基、又は置換若しくは無置換のアリール基を意味する。「E」は、炭素原子数が1〜8の範囲内にあるアルキレン基を意味する。「a」は、1〜20、好ましくは2〜6の範囲内の正数を意味する。なお、「R」は、炭素原子数が10以上、好ましくは10〜18の範囲内にあるアルキル基であることが好ましい。)
ポリリン酸系のアニオン型界面活性剤としては、下記の式(II)で示される化合物(モノ体)、下記の式(III)で示される化合物(ジ体)、又は式(II)で示される化合物と式(III)で示される化合物の混合物を挙げることができる。
Figure 2018060064
(ここで、「R」は、置換若しくは無置換のアルキル基、又は置換若しくは無置換のアリール基を意味する。「E」は、炭素原子数が1〜8の範囲内にあるアルキレン基を意味する。「b」は、1〜20、好ましくは2〜6の範囲内の正数を意味する。なお、「R」は、炭素原子数が10以上、好ましくは10〜18の範囲内にあるアルキル基であることが好ましい。)
Figure 2018060064
(ここで、「R」及び「R」は、置換若しくは無置換のアルキル基、又は置換若しくは無置換のアリール基を意味する。「R」と「R」は、互いに異なっていてもよい。「E」及び「E」は、炭素原子数が1〜8の範囲内にあるアルキレン基を意味する。「E」と「E」は、互いに異なっていてもよい。「c」及び「d」は、1〜20、好ましくは2〜6の範囲内の正数を意味する。「c」と「d」は、互いに異なる数であってもよい。なお、「R」及び「R」は、いずれも炭素原子数が10以上、好ましくは10〜18の範囲内にあるアルキル基であることが好ましい。)
ましい。)
炭酸ストロンチウム粒子に対して、1種類の界面活性剤が単独で用いられてもよく、2種類以上の界面活性剤が混合して用いられてもよい。また、界面活性剤は、炭酸ストロンチウム粒子の表面に1層のみ付着させてもよく、2層以上を付着させてもよい。2層以上の界面活性剤を付着させる場合、同一種の界面活性剤を各層に用いてもよく、異なる種類の界面活性剤を各層に用いてもよい。なお、炭酸ストロンチウム粒子の表面に界面活性剤が付着しているかどうかは、フーリエ変換赤外分光測定装置(FT−IR)を用い、粒子表面の赤外吸収スペクトルを測定することにより確認することができる。
<樹脂組成物>
炭酸ストロンチウムを含有する樹脂組成物は、透明性を有する樹脂を含むことが好ましい。透明性を有する樹脂としては、例えば、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリスルフォン、ポリエーテルスルフォン、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、フルオレン系ポリエステル、フルオレン系ポリカーボネート、環状ポリオレフィン、セルロース系樹脂、マレイミド系共重合体、ポリスチレン、ポリスチレン共重合体、ポリメチルメタクリレート、メタクリレート系共重合体などが挙げられる。透明性という観点から、樹脂組成物に含まれる樹脂は、アクリル系樹脂であることが好ましい。
前述の樹脂は、活性エネルギー線硬化型の樹脂又は熱硬化型の樹脂であってよい。活性エネルギー線としては、電子線などの粒子線、X線や紫外線等の電磁波が挙げられる。取り扱いの容易性及び製造コストの観点から、樹脂は、紫外線硬化型の樹脂であることが好ましい。
樹脂自体が硬化性を有していてもよいが、樹脂組成物が樹脂を硬化させる構成成分を含んでいてもよい。樹脂組成物は、例えば、紫外線硬化性を与える構成成分として、目的に応じて、光ラジカル重合性成分や、光イオン重合性成分等を適宜含んでいてよい。
紫外線硬化性を与える構成成分の例として、アクリル系モノマーやアクリル系オリゴマーがある。具体的には、(メタ)アクリロイル基を有する多官能オリゴマー、1分子中に3個以上の(メタ)アクリロイル基を有する多官能モノマー、(メタ)アクリロイル基を有する1〜2官能モノマーが挙げられる。
(メタ)アクリロイル基を有する多官能オリゴマーの例としては、ポリエステル(メタ)アクリレート、ポリウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
1分子中に3個以上の(メタ)アクリロイル基を有する多官能モノマーの例としては、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、グリセロールトリ(メタ)アクリレート、トリス((メタ)アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、トリス((メタ)アクリロイルオキシプロピル)イソシアヌレート、ぺンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールへプタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールオクタ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
(メタ)アクリロイル基を有する1〜2官能モノマーの例としては、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、イソボニル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシエトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシエトキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、等の1官能(メタ)アクリレートモノマー;エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1、6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1、9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、シクロヘキサン−1、4−ジメタノールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコール変性トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ビス−(2−メタアクリロイルオキシエチル)フタレート等の2官能(メタ)アクリレートモノマーが挙げられる。
樹脂組成物は、必要に応じて、さらに増粘剤、光増感剤、硬化触媒、紫外線吸収剤、光安定剤、消泡剤、可塑剤、表面調整剤、沈降防止剤等の添加剤を含んでいてもよい。1種類の添加剤が単独で使用されていてもよく、複数種の添加剤が併用して使用されていてもよい。なお、これらの添加剤は、一般に用いられる範囲の量で使用することができる。
<炭酸ストロンチウム粒子の製造方法>
次に、炭酸ストロンチウム粒子の製造方法について説明する。
原料となる水酸化ストロンチウムの水溶液若しくは水性懸濁液(以下、水性スラリー)を撹祥しながら、酒石酸等の結晶成長抑制剤の存在下で二酸化炭素ガスを導入することによって、水酸化ストロンチウムを炭酸化させる。これにより、小さいアスペクト比を有する略球状の炭酸ストロンチウム微粒子が生成される。なお、略球状の炭酸ストロンチウム微粒子を製造する方法は、国際公開第2011/052680号に記載されている。
次に、略球状の炭酸ストロンチウム微粒子を含む水性スラリーを所定の温度、時間で熟成させることにより針状の炭酸ストロンチウム微粒子に粒成長させる。針状の炭酸ストロンチウム微粒子を製造する方法は、国際公開第2016/047757号に記載されている。
また、溶媒中での高い分散性を付与するため、炭酸ストロンチウム微粒子に界面活性剤を付与してもよい。上記のように、少なくとも水を含む水性溶媒中で合成された炭酸ストロンチウム粒子に、当該溶液中で表面処理を施すことが好ましい。例えば上記熟成後の水性スラリーに対して、撹拌羽根ミキサーなど公知の撹拌装置でせん断力を与えながら水性スラリーに界面活性剤を添加する。これにより、水性スラリー中に炭酸ストロンチウムを含む一次粒子を分散させて、該一次粒子と該界面活性剤とを接触させる。これにより、炭酸ストロンチウム微粒子に界面活性剤を付着させることができる。
上記のように水性溶媒中で炭酸ストロンチウムに界面活性剤を付与することができ、塩化メチレンやアルコール等の有機溶媒が用いる必要がない。そのため、製造時コストの削減や、安全性の向上を図ることができる。
そして、上記方法で得られた水性スラリーを、スプレードライヤーなどの熱乾燥機を用いた乾燥方法によって加熱乾燥させて高分散性の炭酸ストロンチウム微粒子の乾燥物(粉末)を得ることができる。
<光学積層体の製造方法>
炭酸ストロンチウム微粒子を例えば水のような溶媒中に分散させ、その溶媒中に樹脂組成物を加え、所定の時間撹拌することによって、炭酸ストロンチウムを含有する樹脂組成物を含むコーティング液を生成する。コーティング液を、透明基材上に塗布し、コーティング液を乾燥して溶媒を除去することによって、透明基材上に、炭酸ストロンチウム微粒子を含有する樹脂組成物を形成する。これにより、光学積層体が得られる。
コーティング液の塗布方法は、如何なる方法でもよい。塗布方法の例として、Tダイ法、ドクターブレード法、バーコーター法、ロールコーター法、リップコーター法などが挙げられる。
樹脂組成物が活性エネルギー線によって硬化するものである場合、コーティング液を透明基材上に塗布した後、活性エネルギー線を照射することで樹脂を硬化させ、かつ加熱乾燥によって溶媒の除去を行えばよい。炭酸ストロンチウム粒子の面配向性を向上させるという観点から、活性エネルギー線で樹脂組成物を硬化した後に、溶媒を除去することが好ましい。
コーティング液に対する樹脂の濃度が低く、溶媒の量が多い程、乾燥時に塗布膜の膜厚が大きく減少する。これにより、樹脂又は炭酸ストロンチウム粒子の面配向性をより向上させることができる。
コーティング液、すなわち樹脂組成物を透明基材に塗布する前に、透明基材の表面に対してプラズマ処理、コロナ処理又はプライマー処理等の表面処理を行っても良い。これにより、透明基材に対する樹脂組成物の接着性を向上させることができる。
面外位相差(面外複屈折)だけでなく、面内位相差(面内複屈折)を制御する場合は、樹脂組成物を速いせん断速度で塗布し、急速に乾燥させることで特定の方向に炭酸ストロンチウム粒子が配向させることも可能である。また、磁界もしくは電界を用い炭酸ストロンチウム粒子を配向させた後、塗膜を硬化させることによって、特定の方向に炭酸ストロンチウム粒子が配向した光学積層体を得ることも可能である。
[実施例]
以下、実施例及び比較例について説明する。なお、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(炭酸ストロンチウム粒子の表面処理)
(製造例A1)
溶液全体の質量に対する炭酸ストロンチウム粒子(平均長径35nm、平均アスペクト比2.1)の質量が5%の水スラリー300mLをビーカーに入れ、ポリカルボン酸アニオン型界面活性剤5.25gを加え、5分間スターラーで撹拌した。なお、本例で使用されたポリカルボン酸アニオン型界面活性剤は、ポリエチレングリコールアルキルエーテル酢酸である。そのスラリー溶液を、クレアミックス(エム・テクニック社製)を使用して、チラー設定温度4℃で、20000rpm(1分あたりの回転数)で20分間撹拌した。その後、クレアミックスを止めて水スラリーを回収し、水スラリーを130℃に加熱した鉄板上に吹き付ける。鉄板の表面に付着した粉末をすぐにそぎ取ることによって、表面処理粉末を得た。
(製造例A2)
炭酸ストロンチウム粒子(平均長径200nm、平均アスペクト比2.9)を含む水スラリーを用いた以外は、製造例A1と同様の方法で、表面処理粉末を得た。
(製造例A3)
溶液全体の質量に対する炭酸ストロンチウム粒子(平均長径35nm、平均アスペクト比2.1)の質量が5%の水スラリー300mLを回収し、水スラリーを130℃に加熱した鉄板上に吹き付ける。鉄板の表面に付着した粉末をすぐにそぎ取ることによって、表面未処理粉末を得た。
(炭酸ストロンチウム分散液の製造)
(製造例B1)
水8gに、製造例A1で得られた表面処理粉末2gを添加し、マグネチック超音波スターラー(株式会社日本精機製作所製、ヨウカイくん)を用いて5分間分散処理を施した。その後、孔径1μmのメンブレンフィルターで加圧せずにろ過して、炭酸ストロンチウム分散液を作製した。
(製造例B2)
孔径1μmのメンブレンフィルターでろ過しなかったこと以外は、製造例B1と同様の方法で、炭酸ストロンチウム分散液を作製した。
(製造例B3)
製造例A2で得られた表面処理粉末を用いたこと以外は、製造例B1と同様の方法で、炭酸ストロンチウム分散液を作製した。
(製造例B4)
製造例A2で得られた表面処理粉末を用いたこと以外は、製造例B2と同様の方法で、炭酸ストロンチウム分散液を作製した。
(製造例B5)
製造例A3で得られた表面未処理粉末2gをエタノール40gに分散し、グリセリンステアレート(花王株式会社 エキセルT−95)を0.1g添加し、50℃で10時間撹拌して表面処理を行った。この溶液をろ過、乾燥した。乾燥後の表面処理粉末1.4gをトルエン8g中に入れ、マグネチック超音波スターラーを用いて5分間粒子の表面処理を行い、炭酸ストロンチウム分散液を作製した。
(製造例B6)
製造例A3で得られた表面未処理粉末を用いたこと以外は、製造例B2と同様の方法で、炭酸ストロンチウム分散液を作製した。
(実施例1)
0.52gのアクリル系UV硬化樹脂バインダー(荒川化学株式会社製 OPT3)に、製造例B1で得られた炭酸ストロンチウム分散液を4g加え、マグネチック超音波スターラーを用いて5分間分散処理を施した。分散処理を行った溶液に、紫外線硬化用のラジカル開始剤(IrgacureTPO:BASFジャパン株式会社製)を0.052g添加し、マグネチック超音波スターラーで1分間撹持することで、樹脂バインダーに対して炭酸ストロンチウムが100wt%のコーティング液を作製した。得られたコーティング液を、ドクターブレードを用い、セルロース系樹脂であるTACフィルム(セルローストリアセテートフィルム)上にウェット厚200μmで塗布した。コーティング液の塗布後、直ちに超高圧水銀ランプ(ML−501D/B UHISO製)で40秒(積算照射エネルギー:1956mJ/cm)UV照射した。その後、コーティング液が塗布された透明基材を100℃で5分間乾燥することによって光学積層体を得た。
(実施例2)
コーティング液をTACフィルム上にウェット厚500μmで塗布した点以外は、実施例1と同様の方法で光学積層体を得た。
(実施例3)
樹脂バインダーに対して炭酸ストロンチウムが60wt%となるようにコーティング液を作製したこと以外は、実施例2と同様の方法で光学積層体を得た。
(実施例4)
製造例B2で得られた炭酸ストロンチウム分散液を用いたこと以外は、実施例1と同様の方法で光学積層体を得た。
(比較例1)
実施例1で用いたTACフィルム単体の光学特性を測定した。
(比較例2)
炭酸ストロンチウム分散液の代わりにトルエンを用いたこと以外は、実施例1と同様の方法で光学積層体を得た。
(比較例3)
製造例B3で得られた炭酸ストロンチウム分散液を用いたこと以外は、実施例1と同様の方法で光学積層体を得た。
(比較例4)
製造例B4で得られた炭酸ストロンチウム分散液を用いたこと以外は、実施例1と同様の方法で光学積層体を得た。
(比較例5)
製造例B5で得られた炭酸ストロンチウム分散液を用いたこと以外は、実施例1と同様の方法で光学積層体を得た。
(比較例6)
製造例B6で得られた炭酸ストロンチウム分散液を用いたこと以外は、実施例4と同様の方法で光学積層体を得た。
(可視光透過率及びへイズ測定の測定)
分光光度計(日本電色工業社製、NDH5000)を用いて、上記実施例及び比較例で得られた光学積層体又はTACフィルム単体の可視光透過率及びへイズを測定した。
(面外複屈折の測定)
位相測定装置(王子計測機器株式会社製 KOBRA−WR)を用いて、TACフィルム単体と光学積層体の面外位相差(厚み方向の位相差/厚み方向のレターデーション)Rthを測定した。TACフィルム単体とは、樹脂組成物が塗膜されていない状態のものを意味する。
上記の位相測定装置は、測定対象物(TACフィルム単体又は光学積層体)に垂直入射した光によって測定した面内位相差(レターデーション)R0と、測定対象物に入射角40°で入射した光によって測定した位相差(レターデーション)Rθと、測定対象物の厚みd(入力値)と、測定対象物の平均屈折率Navr(入力値)とから、面外位相差Rthを算出する。ここで、本明細書に記載の実施例及び比較例では、面外位相差Rthは、586.5nmの波長を有する光に対する値によって規定される。
平均屈折率Navrは、互いに直交する3方向の屈折率の平均値を意味し、「Navr=(Nx+Ny+Nz)/3」によって定義される。ここで、Nx、Ny、Nzは、それぞれX軸方向、Y軸方向、Z軸方向の測定対象物の屈折率を意味する。本明細書において、X軸方向は、透明基材(例えばTACフィルム)のTD方向(幅方向)である。Y軸方向は、透明基材(例えばTACフィルム)のMD方向(機械方向)である。ここで、MD方向は、透明基材の製造時の透明基材の搬送方向に相当する。また、TD方向は、MD方向に直交する方向に相当する。Z軸方向は、測定対象物の厚み方向である。
本明細書において、面外位相差Rthを測定する際に利用される平均屈折率の値は、透明基材の平均屈折率によって規定するものとする。透明基材は、光学積層体に塗布形成された樹脂組成物よりも十分に厚いため、光学積層体の平均屈折率は透明基材の平均屈折率に近似している。このため、本実施例では、透明基材はTACフィルムであり、TACフィルムの平均屈折率と光学積層体の平均屈折率を1.48と仮定した。
一般に、面外位相差Rthは、次の式により定義される:Rth=(Nx+Ny)/2−Nz)×d。ここで、「d」は、測定対象物の厚みを意味する。
測定された面外位相差Rthの値から面外複屈折値ΔPを算出した。面外複屈折値ΔPは、次の式によって算出される:ΔP=Rth/d
なお、測定対象物の厚みdは、マイクロメータによって測定することができる。
(TACフィルム及び光学積層体の物性)
実施例及び比較例について、TACフィルム及び光学積層体の物性を表1に示す。なお、表1中の「全膜厚」は、積層体全体の膜厚を意味する。「塗膜厚」は、TACフィルム上に塗膜された樹脂組成物の膜厚を意味する。
Figure 2018060064
実施例1〜4で得られた光学積層体は、面外位相差(Rth)及び面外屈折率(ΔP)が低く、かつヘイズが十分に小さかった。特に、TACフィルム単体の面外位相差(Rth)及び面外屈折率(ΔP)は正符号であるにもかかわらず、実施例1〜4では、積層体全体の面外位相差(Rth)及び面外屈折率(ΔP)を負符号にすることができた。なお、透明基板上に塗布によって樹脂組成物を形成する場合、透明基板の複屈折性(配向性)に対して、樹脂組成物の複屈折性(配向性)を適切に調整するためには、透明基材上への樹脂組成物の形成の仕方が重要になり得る。すなわち、透明基材に密着した塗布膜のみをX−Y面内で回転させることができないため、光学積層体全体としての複屈折性(配向性)の調節は、一般に困難である。本実施例1〜4では、透明基材上に該透明基材の配向性を考慮しコーティング液を塗布乾燥するだけで、光学積層体の面外位相差(Rth)及び面外屈折率(ΔP)を負にすることができる。
また、実施例4に示すように、メンブレンフィルターでろ過しないものであっても、面外位相差(Rth)及び面外屈折率(ΔP)が低く、十分にヘイズを小さくすることができた。
また、樹脂組成物の全重量に対する炭酸ストロンチウムの重量を50質量%以上と大きくしつつ、樹脂組成物の膜厚を薄くすることによって、面外位相差を効果的に調節しつつも光学積層体のヘイズを小さい値に維持することができることがわかった。
光学フィルムの用途から、ヘイズは2%以下にすることがより好ましい。この点、実施例1,3は、2%以下のヘイズを実現しており、より好ましい光学積層体を提供することができた。
(炭酸ストロンチウム粒子の沈降速度)
次に、樹脂組成物(アクリル系UV硬化樹脂バインダー)中に分散させた炭酸ストロンチウム粒子の沈降速度について測定する。
(実施例5)
トルエン4.75gに、製造例A1で得られた表面処理粉末0.25gを添加し、マグネチック超音波スターラー(株式会社日本精機製作所製、ヨウカイくん)を用いて5分間分散処理を施し、3時間静置した。その後、沈殿物の質量を測定することによって、炭酸ストロンチウムの沈降速度を算出した。
(比較例7)
製造例A2で得られた表面処理粉末0.25gを使用したこと以外は、実施例5と同様の方法で、炭酸ストロンチウムの沈降速度を算出した。
Figure 2018060064
表2から、平均長径の小さい炭酸ストロンチウムの沈降速度が大幅に小さくなることがわかった。これは、微粒子であっても、炭酸ストロンチウムの表面を界面活性剤でコーティングしていることにより微粒子の凝集を抑制でき、一次粒子を維持できるからである。炭酸ストロンチウム微粒子の沈降を抑制することで塗工中に微粒子の溶媒中での分散状態を維持できる。したがって、光学積層体内で安定的に位相差を調節でき、かつ光学積層体のヘイズの増大を抑制することができる。このように炭酸ストロンチウム粒子の沈降速度が小さいことにより、樹脂組成物中で炭酸ストロンチウムをより均一に分散させることができる。したがって、上記実施例1〜4で示したように、光学積層体内で安定的に位相差を調節でき、かつ光学積層体のヘイズの増大を抑制することができると考えられる。
上述の実施形態及び実施例を用いて本発明について詳細に説明したが、当業者にとっては、本発明が本明細書中に説明した実施形態及び実施例に限定されるものではないということは明らかである。本発明は、特許請求の範囲の記載により定まる本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。従って、本明細書の記載は、例示説明を目的とするものであり、本発明に対して何ら制限的な意味を有するものではない。

Claims (18)

  1. 透明基材と、前記透明基材上に塗膜された樹脂組成物と、からなる塗膜式光学積層体であって、
    前記樹脂組成物は、少なくとも炭酸ストロンチウム粒子及び樹脂を含み、
    前記炭酸ストロンチウム粒子の平均長径が100nm未満であり、
    前記光学積層体の面外位相差(Rth)が、前記透明基材単体の面外位相差(Rth)よりも低い、塗膜式光学積層体。
  2. 前記樹脂組成物の全重量に対する前記炭酸ストロンチウムの重量が、50質量%より多く、前記光学積層体のヘイズが3%以下である、請求項1に記載の塗膜式光学積層体。
  3. トルエンに対する前記炭酸ストロンチウム粒子の沈降速度が、0.1g/h以下である、請求項1又は2に記載の塗膜式光学積層体。
  4. 前記炭酸ストロンチウム粒子に界面活性剤が付着している、請求項1から3のいずれか1項に記載の塗膜式光学積層体。
  5. 前記界面活性剤がカルボン酸系界面活性剤である、請求項4に記載の塗膜式光学積層体。
  6. 前記炭酸ストロンチウム粒子は、少なくとも水を含む溶液中で合成され、前記溶液中で前記界面活性剤を施されたものである、請求項1から5のいずれか1項に記載の塗膜式光学積層体。
  7. 前記樹脂組成物の膜厚は、5〜50μmである、請求項1から6のいずれか1項に記載の塗膜式光学積層体。
  8. 前記樹脂組成物の全重量に対する前記炭酸ストロンチウムの重量が、150質量%以下である、請求項1から7のいずれか1項に記載の塗膜式光学積層体。
  9. 前記樹脂組成物の全重量に対する前記炭酸ストロンチウムの重量が、80質量%以下である、請求項8に記載の塗膜式光学積層体。
  10. 前記樹脂組成物がアクリル系硬化樹脂を含む、請求項1から9のいずれか1項に記載の塗膜式光学積層体。
  11. 前記透明基材が、透明樹脂又はガラスである、請求項1から10のいずれか1項に記載の塗膜式光学積層体。
  12. 前記透明基材単体の面外位相差の符号が正であり、
    前記光学積層体の面外位相差の符号が負である、請求項1から11のいずれか1項に記載の塗膜式光学積層体。
  13. 前記樹脂組成物は、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物である、請求項1から12のいずれか1項に記載の塗膜式光学積層体。
  14. 少なくとも炭酸ストロンチウム粒子及び樹脂を有する樹脂組成物を含んだコーティング液を、透明基材上に塗布する第1ステップと、
    前記コーティング液から溶媒を除去する第2ステップと、を有し、
    前記炭酸ストロンチウム粒子の平均長径が100nm未満である、塗膜式光学積層体の製造方法。
  15. 前記樹脂組成物は、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を含み、
    前記第2ステップは、前記コーティング液中の前記樹脂組成物を活性エネルギー線で硬化し、乾燥させることを含む、請求項14に記載の塗膜式光学積層体の製造方法。
  16. 前記樹脂組成物を活性エネルギー線で硬化した後に、前記樹脂組成物を乾燥させる、請求項15に記載の塗膜式光学積層体の製造方法。
  17. 前記炭酸ストロンチウム粒子は、少なくとも水を含む溶液中で合成され、前記溶液中で前記界面活性剤を施される、請求項14から16のいずれか1項に記載の塗膜式光学積層体の製造方法。
  18. 前記樹脂組成物の全重量に対する前記炭酸ストロンチウムの重量が、50質量%以上であり、
    前記第1ステップでは、前記樹脂組成物の膜厚が5〜50μmとなるように、前記コーティング液を前記透明基材上に塗布する、請求項14から17のいずれか1項に記載の塗膜式光学積層体の製造方法。
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