以下、本発明を適用した画像形成装置の実施の形態を、図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の実施の形態における画像形成装置1の全体構成を概略的に示す図である。図2は、本実施の形態における画像形成装置1の制御系の主要部を示す。図1、2に示す画像形成装置1は、電子写真プロセス技術を利用した中間転写方式のカラー画像形成装置である。すなわち、画像形成装置1は、感光体ドラム413上に形成されたY(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、K(ブラック)の各色トナー像を中間転写ベルト421に一次転写し、中間転写ベルト421上で4色のトナー像を重ね合わせた後、用紙Sに二次転写することにより、トナー像を形成する。
また、画像形成装置1には、YMCKの4色に対応する感光体ドラム413を中間転写ベルト421の走行方向に直列配置し、中間転写ベルト421に一回の手順で各色トナー像を順次転写させるタンデム方式が採用されている。
図2に示すように、画像形成装置1は、画像読取部10、操作表示部20、画像処理部30、画像形成部40、用紙搬送部50、定着部60および制御部100等を備える。
制御部100は、CPU(Central Processing Unit)101、ROM(Read Only Memory)102、RAM(Random Access Memory)103等を備える。CPU101は、ROM102から処理内容に応じたプログラムを読み出してRAM103に展開し、展開したプログラムと協働して画像形成装置1の各ブロックの動作を集中制御する。このとき、記憶部72に格納されている各種データが参照される。記憶部72は、例えば不揮発性の半導体メモリ(いわゆるフラッシュメモリ)やハードディスクドライブで構成される。
制御部100は、通信部71を介して、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)等の通信ネットワークに接続された外部の装置(例えばパーソナルコンピューター)との間で各種データの送受信を行う。制御部100は、例えば、外部の装置から送信された画像データを受信し、この画像データ(入力画像データ)に基づいて用紙Sにトナー像を形成させる。通信部71は、例えばLANカード等の通信制御カードで構成される。
画像読取部10は、ADF(Auto Document Feeder)と称される自動原稿給紙装置11および原稿画像走査装置12(スキャナー)等を備えて構成される。
自動原稿給紙装置11は、原稿トレイに載置された原稿Dを搬送機構により搬送して原稿画像走査装置12へ送り出す。自動原稿給紙装置11は、原稿トレイに載置された多数枚の原稿Dの画像(両面を含む)を連続して一挙に読み取ることができる。
原稿画像走査装置12は、自動原稿給紙装置11からコンタクトガラス上に搬送された原稿またはコンタクトガラス上に載置された原稿を光学的に走査し、原稿からの反射光をCCD(Charge Coupled Device)センサー12aの受光面上に結像させ、原稿画像を読み取る。画像読取部10は、原稿画像走査装置12による読取結果に基づいて入力画像データを生成する。この入力画像データには、画像処理部30において所定の画像処理が施される。
操作表示部20は、例えばタッチパネル付の液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)で構成され、表示部21および操作部22として機能する。表示部21は、制御部100から入力される表示制御信号に従って、各種操作画面、画像の状態表示、各機能の動作状況等の表示を行う。操作部22は、テンキー、スタートキー等の各種操作キーを備え、ユーザーによる各種入力操作を受け付けて、操作信号を制御部100に出力する。
画像処理部30は、入力画像データに対して、初期設定またはユーザー設定に応じたデジタル画像処理を行う回路等を備える。例えば、画像処理部30は、制御部100の制御下で、記憶部72内の階調補正データ(階調補正テーブルLUT)に基づいて階調補正を行う。かかる階調補正の処理の詳細については後述する。また、画像処理部30は、入力画像データに対して、階調補正の他、色補正、シェーディング補正等の各種補正処理や、圧縮処理等を施す。これらの処理が施された画像データに基づいて、画像形成部40が制御される。
画像形成部40は、入力画像データに基づいて、Y成分、M成分、C成分、K成分の各有色トナーによる画像を形成するための画像形成ユニット41Y、41M、41C、41K、中間転写ユニット42等を備える。
Y成分、M成分、C成分、K成分用の画像形成ユニット41Y、41M、41C、41Kは、同様の構成を有する。図示及び説明の便宜上、共通する構成要素は同一の符号で示し、それぞれを区別する場合には符号にY、M、C、又はKを添えて示す。図1では、Y成分用の画像形成ユニット41Yの構成要素についてのみ符号が付され、その他の画像形成ユニット41M、41C、41Kの構成要素については符号が省略されている。
画像形成ユニット41は、露光装置411、現像装置412、感光体ドラム413、帯電装置414、およびドラムクリーニング装置415等を備える。
感光体ドラム413は、例えばアルミニウム製の導電性円筒体(アルミ素管)の周面に、アンダーコート層(UCL:Under Coat Layer)、電荷発生層(CGL:Charge Generation Layer)、電荷輸送層(CTL:Charge Transport Layer)を順次積層した負帯電型の有機感光体(OPC:Organic Photo-conductor)である。電荷発生層は、電荷発生材料(例えばフタロシアニン顔料)を樹脂バインダー(例えばポリカーボネイト)に分散させた有機半導体からなり、露光装置411による露光により一対の正電荷と負電荷を発生する。電荷輸送層は、正孔輸送性材料(電子供与性含窒素化合物)を樹脂バインダー(例えばポリカーボネイト樹脂)に分散させたものからなり、電荷発生層で発生した正電荷を電荷輸送層の表面まで輸送する。
制御部100は、感光体ドラム413を回転させる駆動モーター(図示略)に供給される駆動電流を制御することにより、感光体ドラム413を一定の周速度(線速度)で回転させる。
帯電装置414は、光導電性を有する感光体ドラム413の表面を一様に負極性に帯電させる。露光装置411は、例えば半導体レーザーで構成され、感光体ドラム413に対して各色成分の画像に対応するレーザー光を照射する。感光体ドラム413の電荷発生層で正電荷が発生し、電荷輸送層の表面まで輸送されることにより、感光体ドラム413の表面電荷(負電荷)が中和される。感光体ドラム413の表面には、周囲との電位差により各色成分の静電潜像が形成される。
現像装置412は、例えば現像スリーブ(図示略)などを有する二成分現像方式の現像装置であり、現像スリーブから感光体ドラム413の表面に各色成分のトナーを付着させることにより、静電潜像を可視化してトナー像を形成する。
ドラムクリーニング装置415は、感光体ドラム413の表面に摺接されるクリーニング部材としてのドラムクリーニングブレード(以下、単にクリーニングブレードと称する。)416等を有する。ドラムクリーニング装置415は、一次転写後に感光体ドラム413の表面に残存する転写残トナーをクリーニングブレード416によって除去する。ドラムクリーニング装置415のより詳しい構成については後述する。
中間転写ユニット42は、像担持体としての中間転写ベルト421、一次転写ローラー422、複数の支持ローラー423、二次転写ローラー424、及びベルトクリーニング装置426等を備える。
中間転写ベルト421は、無端状ベルトで構成され、複数の支持ローラー423にループ状に張架される。複数の支持ローラー423のうちの少なくとも1つは駆動ローラーで構成され、その他は従動ローラーで構成される。例えば、K成分用の一次転写ローラー422よりもベルト走行方向下流側に配置されるローラー423Aが駆動ローラーであることが好ましい。これにより、一次転写部におけるベルトの走行速度を一定に保持しやすくなる。駆動ローラー423Aが回転することにより、中間転写ベルト421は矢印A方向に一定速度で走行する。
一次転写ローラー422は、各色成分の感光体ドラム413に対向して、中間転写ベルト421の内周面側に配置される。中間転写ベルト421を挟んで、一次転写ローラー422が感光体ドラム413に圧接されることにより、感光体ドラム413から中間転写ベルト421へトナー像を転写するための一次転写ニップが形成される。
二次転写ローラー424は、駆動ローラー423Aのベルト走行方向下流側に配置されるバックアップローラー423Bに対向して、中間転写ベルト421の外周面側に配置される。中間転写ベルト421を挟んで、二次転写ローラー424がバックアップローラー423Bに圧接されることにより、中間転写ベルト421から用紙Sへトナー像を転写するための二次転写ニップが形成される。
一次転写ニップを中間転写ベルト421が通過する際、感光体ドラム413上のトナー像が中間転写ベルト421に順次重ねて一次転写される。具体的には、一次転写ローラー422に一次転写バイアスを印加し、中間転写ベルト421の裏面側(一次転写ローラー422と当接する側)にトナーと逆極性の電荷を付与することにより、トナー像は中間転写ベルト421に静電的に転写される。
その後、用紙Sが二次転写ニップを通過する際、中間転写ベルト421上のトナー像が用紙Sに二次転写される。具体的には、二次転写ローラー424に二次転写バイアスを印加し、用紙Sの裏面側(二次転写ローラー424と当接する側)にトナーと逆極性の電荷を付与することにより、トナー像は用紙Sに静電的に転写される。トナー像が転写された用紙Sは定着部60に向けて搬送される。
ベルトクリーニング装置426は、中間転写ベルト421の表面に摺接するベルトクリーニングブレード等を有し、二次転写後に中間転写ベルト421の表面に残留する転写残トナーを除去する。なお、二次転写ローラー424に代えて、二次転写ローラーを含む複数の支持ローラーに、二次転写ベルトがループ状に張架された構成(いわゆるベルト式の二次転写ユニット)を採用してもよい。
定着部60は、用紙Sの定着面(トナー像が形成されている面)側に配置される定着面側部材を有する上側定着部60A、用紙Sの裏面(定着面の反対の面)側に配置される裏面側支持部材を有する下側定着部60B、及び加熱源60C等を備える。定着面側部材に裏面側支持部材が圧接されることにより、用紙Sを狭持して搬送する定着ニップが形成される。
定着部60は、トナー像が二次転写され、搬送されてきた用紙Sを定着ニップで加熱、加圧することにより、用紙Sにトナー像を定着させる。定着部60は、定着器F内にユニットとして配置される。また、定着器Fには、エアを吹き付けることにより、定着面側部材から用紙Sを分離させるエア分離ユニット60Dが配置されている。
用紙搬送部50は、給紙部51、排紙部52および搬送経路部53等を備える。給紙部51を構成する3つの給紙トレイユニット51a〜51cには、坪量やサイズ等に基づいて識別された用紙S(規格用紙、特殊用紙)が予め設定された種類ごとに収容される。搬送経路部53は、レジストローラー対53a等の複数の搬送ローラー対を有する。
給紙トレイユニット51a〜51cに収容されている用紙Sは、最上部から一枚ずつ送出され、搬送経路部53により画像形成部40に搬送される。このとき、レジストローラー対53aが配設されたレジストローラー部により、給紙された用紙Sの傾きが補正されるとともに搬送タイミングが調整される。そして、画像形成部40において、中間転写ベルト421のトナー像が用紙Sの一方の面に一括して二次転写され、定着部60において定着工程が施される。画像形成された用紙Sは、排紙ローラー52aを備えた排紙部52により機外に排紙される。
図3は、本実施の形態に係るクリーニング装置としてのドラムクリーニング装置415の要部構成を示す図である。図3に示すように、ドラムクリーニング装置415は、クリーニングブレード416、トナー回収スクリュー417、潤滑剤塗布ブラシ104、固形潤滑剤(滑剤)105、付勢部材106、固定化ブレード107、および支持板金108等を備えている。これら各部品は、ドラムクリーニング装置415の枠体となる収容ケース109に適当な方法により取り付けられている。
クリーニングブレード416は、ウレタンゴム等を平板状に成形した弾性部材であり、感光体ドラム413の軸方向(主走査方向)の幅とほぼ同等の幅を有する。本実施の形態では、クリーニングブレード416の先端(エッジ)を感光体ドラム413の回転方向に対向するように当接させるカウンター方式の構成となっている。具体的には、クリーニングブレード416は、感光体ドラム413に対してカウンター方向(感光体ドラム413が回転するときエッジ部分が突っ張ることとなる方向)から所定の当接角(例えば22°)及び侵入量で摺接するように配置される。
画像形成時には、感光体ドラム413が図3の矢印方向(反時計方向)に回転することに伴い、クリーニングブレード416によって感光体ドラム413の表面に残存する転写残トナーが掻き取られる。
トナー回収スクリュー417は、クリーニングブレード416で掻き取られた転写残トナーを回収して、廃トナー回収容器(図示略)に搬送する。
潤滑剤塗布ブラシ104は、固形潤滑剤105の滑剤を感光体ドラム(像担持体)413上に供給する役割を有する。潤滑剤塗布ブラシ104は、例えばポリエステル等の繊維が植設された基布を芯金に巻き付けたローラー状のブラシであり、感光体ドラム413の軸方向の幅とほぼ同等の幅を有する。潤滑剤塗布ブラシ104は、固形潤滑剤105の表面および感光体ドラム413の表面に接触するように配置され、図3中に矢印で示すように、感光体ドラム413の回転とは反対向き(反時計方向)に回転して、感光体ドラム413上に滑剤を供給する。
固形潤滑剤105は、潤滑剤を固形化して棒状に成形したものであり、以下は滑剤棒と称する。滑剤棒105は、付勢部材106に接続されたホルダー(図示略)に固定されている。滑剤棒105の幅は、クリーニングブレード416や固定化ブレード107の幅よりも狭い。滑剤棒105は、例えば鉛筆硬度でF〜HB相当の硬度を有している。滑剤棒105に使用される潤滑剤としては、例えばステアリン酸亜鉛(ZnSt)である。
付勢部材106は、例えば圧縮スプリングで構成され、滑剤棒105を潤滑剤塗布ブラシ104に向けて所定の押圧荷重(例えば1.2〜2.6N)で押圧する。これにより、滑剤棒105は、潤滑剤塗布ブラシ104と接触した状態で保持される。
固定化ブレード107は、クリーニングブレード416と同様に、ウレタンゴム等を平板状に成形した弾性部材であり、感光体ドラム413の軸方向(主走査方向)の幅とほぼ同等の幅を有する。固定化ブレード107は、感光体ドラム413に対してウィズ方向(感光体ドラム413が回転するときにエッジ部分が引きずられることとなる方向)から所定の当接角(例えば50°)及び侵入量で摺接するように配置される。
支持板金108は、固定化ブレード107を固定して固定化ブレード107を支持する部材である。図3の例では、支持板金108は、断面「L」字形に屈折した形状となっている。支持板金108は、固定化ブレード107の片面(感光体ドラム413の回転方向下流側を臨む面)に接着等により固定され、固定化ブレード107の上端側を自由端(ブレード長すなわち実効長)とするように、固定化ブレード107を取り付ける。かかる固定化ブレード107の自由端における先端側の部位(エッジ部分)は、感光体ドラム413に当接する。以下、感光体ドラム413に当接する固定化ブレード107の先端側の部位を「当接端」とも称する。
画像形成時には、潤滑剤塗布ブラシ104が回転することにより滑剤棒105の表面から潤滑剤が削り取られ、この削り取られた潤滑剤(以下、滑剤と称する。)が感光体ドラム413との接触部位において感光体ドラム413の表面に塗布される。塗布された感光体ドラム413上の滑剤は、固定化ブレード107のエッジ部分と接触して滑剤溜りとなり、かかる滑剤溜りが固定化ブレード107により均されて、感光体ドラム413上に略均一な厚さの潤滑膜が形成される。
ところで、このようなカウンター方式のクリーニング装置415では、クリーニングブレード416と感光体ドラム413との間の摩擦やトルク(ねじりモーメント)が部分的に大きくなると、クリーニングブレード416の当該部位での捲れが発生しやすくなる。
かかる捲れの発生しやすいクリーニングブレード416の領域として、像担持体である感光体ドラム413上に滑剤棒105による滑剤が十分に供給されていない領域が挙げられる。具体的には、クリーニングブレード416の端部側(両端側)は、クリーニング装置415の構造上、対応して位置する感光体ドラム413上の端部側(両端側)で滑剤が供給されにくいことから、捲れが発生しやすい。
以下、滑剤の不十分な供給によりクリーニングブレード416にめくれが発生する理由等について、さらに詳しく説明する。
画像形成装置1の稼働中(印刷ジョブの実行中)は、回転駆動される感光体ドラム413および摺接するクリーニングブレード416との間で摩擦が生じ、かかる摩擦による発熱すなわち摩擦熱が生じる。この摩擦熱が大幅に上昇すると、クリーニングブレード416のめくれ発生の原因となる。
ここで、実際に感光体ドラム413およびクリーニングブレード416との間で発生する摩擦熱は、感光体ドラム413における主走査方向すなわちクリーニングブレード416の幅方向において均一ではなく、特定の領域において部分的に上昇しやすい。かかる摩擦熱が部分的に上昇すると、当該上昇した箇所でクリーニングブレード416がめくれやすくなり、実際にめくれが発生すると、感光体ドラム413を駆動する駆動モーターのトルクが過大になる等のトルク異常により、機械停止の要因にもなる。
具体的には、感光体ドラム413の主走査方向における端部側の領域は、滑剤が塗布されない滑剤未塗布領域となり、クリーニングブレード416および感光体ドラム413間での摩擦熱が上昇しやすい領域となる。
より詳細に説明すると、まず、部材の幅の大小関係につき、クリーニングブレード416の幅は、現像幅すなわち感光体ドラム413上において印刷画像としてのトナーが供給される幅よりも大きい。すなわち、現像幅は、クリーニングブレード416幅よりも狭い。これは、クリーニングブレード416で除去すべき余分なトナーは、感光体ドラム413の回転軸方向の全域に渡って発生するからである。言い換えると、クリーニングブレード416の端部(両端側)は、印刷画像の作像領域外である非画像作像域に摺接する。
また、滑剤棒105の幅は、上述した現像幅よりも狭い。言い換えると、現像幅は、滑剤棒105幅よりも大きい。これは、現像装置412で現像剤(トナー及びキャリア)を現像するプロセスにおいて、現像スリーブ上のキャリアが磁気力によって穂立ちし、かかる穂の先端で、感光体ドラム413上に塗布された滑剤を回転軸方向の全域に渡って均一に削るようにするためである。
以上により、部材の幅の大小関係を表すと、
クリーニングブレード幅>現像幅>滑剤棒幅となる。したがって、クリーニングブレード416と滑剤棒105との間では、
クリーニングブレード幅>滑剤棒幅
の関係になる。
このように、滑剤棒105は、クリーニング装置の構造上、クリーニングブレード416よりも幅を小さく(短く)設定する必要がある。このため、感光体ドラム413上のクリーニングブレード416の幅内において、滑剤が塗布される部位(滑剤塗布領域)と塗布されない部位(滑剤未塗布領域)とが発生し、かかる2つの領域間で滑剤塗布の有無による段差が生じる。そして、感光体ドラム413の非画像作像域に摺接するクリーニングブレード416の幅方向端部側の領域は、滑剤未塗布領域に対応し、感光体ドラム413との間の摩擦やトルク(ねじりモーメント)が部分的に大きくなり、めくれが生じやすい領域となる。
かかる問題に鑑みて、本実施の形態のドラムクリーニング装置415は、固定化ブレード107及び支持板金108の形状に特徴を持たせることで、クリーニングブレード416の捲れを防止する。特に、本実施の形態では、固定化ブレード107及び支持板金108の幅方向端部側(滑剤未塗布領域に対応する領域)の形状に特徴を持たせることで、印刷される画像の濃度むらの発生及びクリーニングブレードの捲れ発生の両方を回避することを実現する。
具体的には、本実施の形態では、固定化ブレード107の幅(長手方向の寸法)は、滑剤棒105の幅よりも広い幅とされる。固定化ブレード107は、滑剤棒105の幅に対応した長さを有する直線状の中央部と、中央部から連続し、滑剤棒105の幅方向両端の外側に配置される端部と、に大別される。そして、固定化ブレード107の端部は、感光体ドラム413に当接する当接端が中央部の当接端よりも感光体ドラム413の移動方向下流側に位置する構成となっている。以下、かかる構成を有する固定化ブレード107の具体例を、図4〜図8を参照して説明する。
図4に、本実施の形態における固定化ブレード107及び支持板金108の一例を示す。図4では、固定化ブレード107が支持板金108に固定(固着)された状態を示している。
図4に示す例では、支持板金108の幅は、滑剤棒105の幅と略同一であり、かつ、固定化ブレード107の幅よりも狭く(小さく)形成されている。
また、固定化ブレード107は、全体が平板状(直線状)とされ、図4に示すように、幅方向における端部107bは、支持板金108に支持されない自由端であり、支持板金108の幅方向の端部から突出するように露呈している。図4では固定化ブレード107及び支持板金108の幅方向における一端側だけを示しているが、他端側も同様に、支持板金108の端部(他端)から固定化ブレード107の端部が自由端として露呈している。上述のように、固定化ブレード107の幅は、感光体ドラム413の幅とほぼ等しい。また、固定化ブレード107の幅は、クリーニングブレード416の幅とほぼ等しい。
本実施の形態では、弾性体である固定化ブレード107の中央部107aおよび端部107bのエッジ部分(当接端)は、感光体ドラム413に当接し、感光体ドラム413の回転方向下流側(以下、単に下流側という。)に変位する部位となる。また、本実施の形態では、固定化ブレード107の端部107bは、図4中の上下方向のいずれの領域も支持板金108に支持されていない自由端であるため、感光体ドラム413表面との摩擦により、かかる自由端の全体が感光体ドラム413の回転方向下流側に変形する。かかる変形により、固定化ブレード107の端部107bの当接端は、感光体ドラム413に当接し、感光体ドラム413の回転に伴って、中央部107aの当接端よりも下流側の位置に移動する。
以下、かかる変形動作等を、図5(図5A〜図5C)を参照して詳述する。図5Aは、印刷動作前すなわち感光体ドラム413の静止時における固定化ブレード107の状態を示し、図5B及び図5Cは印刷動作中すなわち感光体ドラム413の回転時における状態を示す。簡明のため、図5A及び図5Cでは支持板金108等の図示を省略している。また、図5Bでは、固定化ブレード107の中央部107aの断面と端部107bの先端側を抽出して示している。図5C中、感光体ドラム413の移動(回転)方向を矢印Rで示す。
図5Aに示すように、感光体ドラム413の表面は、滑剤が塗布される滑剤塗布領域413aの幅方向の両端側に、滑剤が塗布されない滑剤未塗布領域413bが発生する。図中、滑剤塗布領域413aと滑剤未塗布領域413bとの境界を一点鎖線で示す。ここで、滑剤塗布領域413aの幅は、滑剤棒105の幅とほぼ等しい。
図5Aの例では、支持板金108の幅は、滑剤塗布領域413aの幅および滑剤棒105の幅とほぼ等しい。また、支持板金108の幅方向における両端は、滑剤塗布領域413aと滑剤未塗布領域413bとの境界(図中の一点鎖線)の位置に設けられている。
図5Aに示す状態から、印刷ジョブの実行により感光体ドラム413が回転を開始すると、上述のように、固定化ブレード107の幅方向全体(中央部107aおよび端部107b)の当接端は、下流側に変位する。
このとき、図5B及び図5Cに示すように、固定化ブレード107の端部107b(自由端)の全体は、支持板金108に支持されていないので、固定化ブレード107の回転方向下流側に移動するように変形する。より具体的には、固定化ブレード107の端部107bは、感光体ドラム413との当接端が感光体ドラム413との摺接状態を維持しながら、かかる当接端が中央部107aの当接端よりも下流側に移動するように変形する。したがって、固定化ブレード107の両端は、感光体ドラム413との当接端が中央部107aの当接端よりも感光体ドラム413の移動方向下流側に位置する(図5B参照)。
このような端部107bの変形により、図5Cに示すように、固定化ブレード107の中央部107aの当接端(エッジ部)に集まっている滑剤溜まりLは、変形した端部107bの当接端(エッジ部)を伝わって感光体ドラム413の滑剤未塗布領域413bに送り出される。言い換えると、固定化ブレード107の変形された端部107bは、滑剤溜まりLの滑剤を横走りさせて、感光体ドラム413の両端側に供給する。
このように、本実施の形態によれば、潤滑剤塗布ブラシ104により感光体ドラム413上に塗布された滑剤棒105の潤滑剤が、固定化ブレード107の端部107bを通じて感光体ドラム413の両端側に供給されることで、ドラム両端側にも潤滑膜が形成されるようになる。かくして、潤滑膜が形成された感光体ドラム413の両端側は、クリーニングブレード416との間の摩擦やトルク(ねじりモーメント)が可及的に小さくなり、この結果、対応するクリーニングブレード416の端部側での捲れが防止される。
他方、本実施の形態とは異なり、支持板金108が固定化ブレード107の端部107b(両端)まで伸びている従来の構成では、固定化ブレード107の端部107bは、支持板金108に支持されているため、端部107bの当接端は中央部107aの当接端と同様に変形する。この場合、固定化ブレード107の中央部107aのエッジ部に集まっている滑剤溜まりLは、端部107bには全くないし殆ど伝わらない。したがって、この場合、滑剤溜まりLは、感光体ドラム413の滑剤未塗布領域413bには全く或いは殆ど供給されず、滑剤未塗布領域413bに位置するクリーニングブレード416の端部での捲れが生じやすくなる。
このように、本実施の形態の固定化ブレード107は、滑剤棒105の幅の外側に位置する端部107bにおける感光体ドラム413との当接端が、中央部107aの当接端よりも感光体ドラム413の回転方向下流側に位置する構成としている。かかる構成を有する画像形成装置1によれば、クリーニングブレード416の端部側の捲れが効果的に防止される。
また、本実施の形態では、固定化ブレード107および支持板金108の中央側は、支持板金108によって自由端(ブレード長)が一定の長さになるように支持されている。したがって、固定化ブレード107の中央側の自由端は、画像形成時に感光体ドラム413との当接端が下流側の一定位置に移動し(図5B参照)、かかる領域には滑剤が均等に供給される。したがって、本実施の形態の画像形成装置1によれば、印刷される画像に関し、滑剤の不均一な供給を原因とする濃度むらの発生を回避することができる。
このように、本実施の形態によれば、印刷される画像の濃度むらの発生及びクリーニングブレードの捲れ発生の両方を回避することが可能なクリーニング装置および画像形成装置を提供することができる。
〔固定化ブレードおよび支持板金の変形例〕
次に、図6〜図8を参照して、固定化ブレードおよび支持板金の他の構成例について説明する。以下は、主に、図4および図5に示す本実施の形態(第1の構成例)と異なる部分について説明し、同一ないし同等の部分については適宜説明を省略する。
図6(図6AおよびB)、図7(図7AおよびB)、図8(図8AおよびB)は、各々、固定化ブレードおよび支持板金の第2、第3、第4の構成例を示す。
最初に概略的に説明すると、図6に示す第2の構成例では、固定化ブレード107は図4および図5の例と同様であり、支持板金の端部の形状に特徴を持たせている。すなわち、第2の構成例では、支持板金の端部の高さが低くされることにより、固定化ブレード107の端部107bの自由端(ブレード長)が中央部107aのブレード長よりも長い構成となっている。
また、図7に示す第3の構成例は、固定化ブレードの端部の形状に特徴を持たせている。すなわち、第3の構成例では、固定化ブレードの端部107bの高さが中央部107aよりも高くされることで、端部107bの自由端(ブレード長)が中央部107aのブレード長よりも長い構成となっている。
図8に示す第4の構成例は、固定化ブレード及び支持板金の端部が感光体ドラム413の移動方向における下流側に湾曲している構成である。以下、これら各構成例についてより詳しく説明する。
〔第2の構成例〕
図6を参照して、固定化ブレードおよび支持板金の第2の構成例について説明する。ここで、図6Aは固定化ブレードおよび支持板金の中央側から一端側を抽出して示す要部外観図であり、図6Bは印刷ジョブ実行時における固定化ブレードの変形状態を側面側から示す図である。
上述した第1の構成例では、支持板金108の幅は、固定化ブレード107の幅よりも狭く、滑剤棒105の幅と略同一とした。また、支持板金108の高さは一定であり、言い換えると、支持板金108の中央側の高さと端部側の高さは同一であった。
これに対し、図6に示す第2の構成例の支持板金108Aは、固定化ブレード107の幅とほぼ等しい幅である。また、支持板金108Aの端部108bの高さは、中央部108aの高さよりも低くなっている。
より詳しくは、支持板金108Aは、図6Aに示すように、端部108bすなわち固定化ブレード107の端部107bに対応する部位が平面テーパー状に傾斜することで、両端が低くされている。図6の例では、支持板金108Aは、傾斜の始点すなわち幅方向においてテーパー状に傾斜の開始する位置が、図5Cに一点鎖線で示した境界位置、すなわち滑剤棒105の幅方向の端部と対応する位置に配置される。
図6の例では、支持板金108Aの幅は、固定化ブレード107の幅とほぼ等しい幅とした。他の構成として、例えば、支持板金108Aの幅を、固定化ブレード107の幅より多少短くすることもできる。
総じて、支持板金108Aの形状は、滑剤棒105の幅方向両端より外側に配置される固定化ブレード107のエッジ高さ(先端から支持板金108Aまでの距離)が、滑剤棒105の幅内における固定化ブレード107のエッジ高さ(先端から支持板金108Aまでの距離)より長くなる形状であればよい。
第2の構成例では、固定化ブレード107の端部107bは、支持板金108Aで支持されつつ、支持板金108Aによる支持部分が端側になるほど短くなるので、端側になるほど自由端(ブレード長)が長くなる。このため、第2の構成例では、図6Bに示すように、画像形成時すなわち感光体ドラム413の回転時に、固定化ブレード107の端部107bは、中央部107aよりも、感光体ドラム413移動方向側へのブレードの倒れ角が大きくなる。
このようにして、第2の構成例でも、固定化ブレード107の端部107bは、画像形成時に移動して、感光体ドラム413との当接端が固定化ブレード107の中央部の当接端よりも固定化ブレード107の回転方向下流側に位置する。したがって、第2の構成例の固定化ブレード107および支持板金108Aを使用する画像形成装置でも、上述した第1の構成例と同様の作用効果が奏される。
〔第3の構成例〕
図7を参照して固定化ブレードおよび支持板金の第3の構成例を説明する。ここで、図7Aは固定化ブレードおよび支持板金の中央側から一端側を抽出して示す要部外観図であり、図7Bは印刷ジョブ実行時における固定化ブレードの変形状態を側面側から示す図である。
第3の構成例の固定化ブレード107Bは、図7Aに示すように、端部107bの高さが中央部107aの高さよりも高くなっている。また、第3の構成例の支持板金108Bの幅は、第2の構成例の支持板金108Aの幅と同一である。支持板金108Bの高さは一定であり、中央側と端側とで等しい高さを有する。したがって、第3の構成例では、固定化ブレード107Bの端部107bの自由端の高さ(ブレード長)は、中央部107aのブレード長よりも長い。
より詳しくは、固定化ブレード107Bは、図7Aに示すように、両端が中央側よりも高くなるように端部107bが傾斜している。かかる構成例では、固定化ブレード107Bは、幅方向におけるかかる傾斜の開始する位置が、図5Cに一点鎖線で示した境界位置、すなわち滑剤棒105の幅方向の端部と対応する位置に配置される。
このため、第3の構成例では、図7Bに示すように、画像形成時にブレード先端が感光体ドラム413に引き込まれてドラム回転方向下流側に移動する。この動作により、感光体ドラム413と固定化ブレード107の端部107bの当接点は、中央部107aにおける当接点よりも、感光体ドラム413の回転方向下流側に移動する。
このようにして、第3の構成例でも、固定化ブレード107Bの端部107bは、画像形成時に図7Bに示すように移動して、感光体ドラム413との当接端が固定化ブレード107Bの中央部107aとの当接端よりも固定化ブレード107Bの回転方向下流側に位置する。したがって、第3の構成例の固定化ブレード107Bおよび支持板金108Bを使用する画像形成装置でも、上述した第1の構成例と同様の作用効果が奏される。
〔第4の構成例〕
図8を参照して、固定化ブレードおよび支持板金の第4の構成例について説明する。ここで、図8Aは固定化ブレードおよび支持板金の中央側から一端側を抽出して示す要部外観図であり、図8Bは印刷ジョブ実行時における固定化ブレードの変形状態を側面側から示す図である。
第4の構成例では、固定化ブレード107Cの端部107bおよび支持板金108の端部108bは、図8Aおよび図8Bに示すように、感光体ドラム413の回転方向下流側に湾曲している。すなわち、第4の構成例では、固定化ブレード107Cの端部107bおよび支持板金108の端部108bは、予め感光体ドラム413の移動方向下流側を向くように配置されている。したがって、第4の構成例では、固定化ブレード107Cの端部107bにおける感光体ドラム413との当接点は、常に感光体ドラム413移動方向下流に位置している。
本構成例では、固定化ブレード107Cは、幅方向における湾曲の開始する位置が、図5Cに一点鎖線で示した境界位置、すなわち滑剤棒105の幅方向の端部と対応する位置に配置される。
かかる構成を有する第4の構成例の固定化ブレード107Cおよび支持板金108Cを使用する画像形成装置でも、上述した第1の構成例と同様の作用効果が奏される。
このように、上述した各構成例では、固定化ブレード及び支持板金の形状に特徴を持たせることにより、画像形成時に滑剤溜まりの滑剤を固定化ブレードの端部に供給して、クリーニングブレード416の端部側の捲れを効果的に防止することができる。したがって、感光体ドラム413およびクリーニングブレード416間のトルク異常に起因する機械停止等を抑止することが可能になる。
また、各構成例によれば、固定化ブレードの中央部が直線状であり、画像形成時にエッジ部(自由端の部分)以外は変形しないことから、かかる中央部の領域には滑剤が均等に供給される。したがって、画像形成装置1によれば、印刷される画像に関し、滑剤の不均一な供給を原因とする濃度むらの発生を回避することができる。
上述した各種構成における固定化ブレードや支持板金の端部の形状や幅等は、適宜組み合わせることができる。
このように、本発明に係る実施の形態によれば、印刷される画像の濃度むらの発生及びクリーニングブレードの捲れ発生の両方を回避することが可能なクリーニング装置および画像形成装置を提供することができる。
以下、より具体的な実施例として、本発明者らが行った実験の結果を説明する。
本実施例では、上述した構成を有する画像形成装置を使用し、室温環境35℃および湿度環境90%RHの共通条件下で、クリーニングブレードの捲れおよび濃度ムラについて実験した。
実験にあたり、図4および図5に示す固定化ブレードおよび支持板金を本対策例1とし、図6,図7,および図8に示す固定化ブレードおよび支持板金を、各々、本対策例2,3,および4として作った。
また、これらの比較例として、上述した特許文献1(特開2005−315912号公報)の図19等で開示された構成の固定化ブレード(θ=20°の「<」形状のもの)を、先行例として作った。また、本対策例1〜4または先行例に該当しない既存の固定化ブレードおよび支持板金も、未対策例として実験を行った。
固定化ブレードの自由長に関し、上記いずれの例も、支持板金に対する中央部の自由長(エッジ部の高さ)を7mmとした。また、本対策例2および3では、端部の自由長(エッジ部の高さの最大値)を9mmとした。本対策例4では、支持板金の端部の曲げ量の最大値を2.5mmとし、かかる支持板金に固定化ブレードを固着させた。
クリーニングブレードの捲れの有無は、上記の室温および湿度環境下において、白紙通紙すなわち印字を行わずに1000枚の用紙を画像形成部に搬送および排出させて実験した。他方、濃度ムラは、上記の室温および湿度環境下において、1000枚の用紙を各々10%の印字面積率で印刷した後、ハーフトーン画像を感光体ドラム上に出力して、感光体ドラムの軸方向における中央部と端部との色差を測定する実験を行った。かかる実験結果を表1に示す。
表1に示すように、本対策例1から4のいずれにおいても、クリーニングブレードの捲れは発生しなかった。また、本対策例1から4のいずれにおいても、主走査方向の色差の値は1.25と低い値を示した。これに対して、未対策例の固定化ブレードおよび支持板金の実験では、主走査方向の色差の値は本対策例1〜4の場合と同一値(1.25)であったが、クリーニングブレードの捲れが発生した。
他方、先行例では、クリーニングブレードの捲れは発生しなかったが、主走査方向(感光体ドラムの軸方向)における濃度むらが顕著に表れ、かかる軸方向における中央部の濃度が薄く、端部の濃度が濃くなった。この結果、先行例における主走査方向の色差の値は、本対策例1〜4および未対策例よりも大きい値(3.00)となった。
以上のように、本発明に係る実施の形態によれば、印刷される画像の濃度むらの発生及びクリーニングブレードの捲れ発生の両方を回避することが可能になる。
上記実施の形態等は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の一例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその要旨、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。