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JP2018058010A - ホウ素溶離液の精製方法 - Google Patents

ホウ素溶離液の精製方法 Download PDF

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JP2018058010A
JP2018058010A JP2016196282A JP2016196282A JP2018058010A JP 2018058010 A JP2018058010 A JP 2018058010A JP 2016196282 A JP2016196282 A JP 2016196282A JP 2016196282 A JP2016196282 A JP 2016196282A JP 2018058010 A JP2018058010 A JP 2018058010A
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貴司 石川
Takashi Ishikawa
貴司 石川
俊哉 池住
Toshiya Ikesumi
俊哉 池住
裕久 狩野
Hirohisa Kano
裕久 狩野
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Abstract

【課題】鉱酸を含むホウ素溶離液を陰イオン交換塔4中の陰イオン交換樹脂によって精製するに際し、陰イオン交換塔4から、ホウ素と鉱酸をともに含む液が流出することがない、ホウ素溶離液の精製方法を提供する。【解決手段】陰イオン交換樹脂を充填した陰イオン交換塔4に、鉱酸を含むホウ素溶離液をホウ素溶離液槽1から通液するに際し、陰イオン交換樹脂が破過する前の予め定めた積算流量において通液を停止し、その後工水槽2から水を通液する。通液したホウ素溶離液中に含まれる鉱酸がすべて陰イオン交換樹脂に吸着されるため、その後水を通液して陰イオン交換塔4に残留するホウ素を含有する液を押し出す時に、陰イオン交換塔4中に含まれるホウ素含有液のみが流出し、一方イオン交換樹脂に吸着した鉱酸は全く漏れ出さず、ホウ素精製液中に鉱酸を全く混入させないで、ホウ素精製液回収槽5に回収される。【選択図】図1

Description

本発明は、鉱酸を含むホウ素溶離液の精製方法であって、ホウ素純度の高いホウ素精製液を効率よく回収するための方法に関する。
ニッケルめっき液やアルミニウムの表面処理液中には、一般にホウ素化合物(ホウ酸等)が含まれており、これらを扱う工場ではホウ素を含有する排水が発生する。ホウ素化合物は植物にとっては必須元素であり、海水には4〜5mg/L程度含まれていることは周知である。一方、ホウ素の人体に与える影響については必ずしも明確ではないものの、低濃度の継続摂取において生殖器能の低下などの健康障害を起こす可能性が指摘されている。平成11年2月、ホウ素の環境基準として1mg/L以下が告示され、平成13年7月には、一律排水基準としてホウ素10mg/L以下(海域排出は230mg/L以下)も定められたため、上記ホウ素を扱う工場では工程排水中のホウ素除去処理が必要になる。
排水中のホウ素を除去する方法として、種々の方法が提案されており、ホウ素選択樹脂を用いる方法も知られている。この方法では、ホウ素を含有する排水を、たとえばN−メチルグルカミン基を有するホウ素選択吸着樹脂を充填したホウ素選択吸着塔に通液してホウ素をホウ素選択吸着樹脂に吸着させてホウ素を含有しない処理水とし、しかる後ホウ素を吸着した樹脂に塩酸、硫酸などの鉱酸を通液して樹脂を再生する操作が行われる。この操作に伴ってホウ素溶離液も発生し、ホウ素溶離液回収タンクに回収される。ホウ素溶離液は、ホウ素とともに鉱酸を含有している。
発生したホウ素溶離液をホウ素資源として利用する提案もなされている。たとえば特許文献1には、鉱酸を含有するホウ素溶離液を、OH形弱塩基性陰イオン交換樹脂が充填された酸吸着塔に通液して鉱酸を含まないホウ素溶液(以下、鉱酸を含まないホウ素溶液を「ホウ素精製液」ともいう。)と鉱酸とホウ素を含む溶液とに分画し、分画した該鉱酸を含まないホウ素溶液を回収することよりなるホウ素の回収方法が開示されている。酸吸着塔からはまず鉱酸を含まないホウ素溶液が流出し、次いで鉱酸を含むホウ素溶液が流出するのでそれぞれを分画採取する。鉱酸を含まないホウ素含有流出液(ホウ素精製液)のpHは6〜7であり、鉱酸含有流出液のpHは1〜6であることから、pH計を設置することによって分画時期を決定できる。分画した鉱酸溶液はホウ素を含有しているので、ホウ素を吸着したホウ素選択性樹脂のホウ素の脱離に再利用することにより、鉱酸溶液中のホウ素と鉱酸を有効活用することができる。さらに特許文献1には、鉱酸が硫酸であること、弱塩基性陰イオン交換樹脂は、スチレン系架橋共重合体を母体とするポーラス型イオン交換樹脂であることが挙げられている。
特許文献2には、根酸(鉱酸)を含むホウ素溶離液を精製する方法が開示されている。ホウ素を吸着させたホウ素選択性樹脂に鉱酸を通液することにより、鉱酸を含むホウ素溶離液が得られる。このホウ素溶離液を、OH形I型強塩基性陰イオン交換樹脂、OH形II型強塩基性陰イオン交換樹脂、もしくはOH形弱塩基性陰イオン交換樹脂の群から選択された陰イオン交換樹脂を充填したイオン交換塔(陰イオン交換塔)に通液し、鉱酸が漏洩してイオン交換塔出口のpHが下がった時点で通液を停止して純度の高いホウ素精製液(ホウ素精製液)を回収する。ホウ素溶離液の通液停止後は水を通液する。水を通液した際に回収される液は、ホウ素の他に鉱酸を含むため、陰イオン交換塔に通液する原液として使用する。これにより、高純度のホウ素精製液を回収できることが記載されている。
特許第3913939号公報 特許第4733807号公報
特許文献1,2に記載の方法はいずれも、鉱酸を含むホウ素溶離液を酸吸着塔(特許文献1)や陰イオン交換塔(特許文献2)に通液してホウ素溶離液を精製するに際し、酸吸着塔(陰イオン交換塔)から流出する液のpHを計測することによって鉱酸の流出開始を検知し、流出液を分画している。流出する液のpHが低下する時点は、陰イオン交換塔内のイオン交換樹脂が破過したことを意味する。pH低下前までに流出した液をホウ素精製液とし、pH低下後に流出した液を鉱酸とホウ素を含有する液として回収する。陰イオン交換樹脂が破過するまでホウ素溶離液の通液を続けて、流出液中に鉱酸が漏洩した後で通液を停止するとともに流出液の回収先を切り替えて分画を行うため、この分画操作について、切り替えの際にホウ素精製液側にわずかに鉱酸が混入してしまい、回収したホウ素精製液の純度が下がる。
ホウ素溶離液の通液停止はイオン交換塔下部に設置されたpH計によって制御され、pHが急激に低下することで鉱酸が漏洩したと判断してホウ素溶離液の通液を停止するが、その管理が複雑になる。
鉱酸が流出して液のpHが低下した以降、鉱酸を含むホウ素溶離液の通液を停止し、水を通液して陰イオン交換塔に残留する液を押出す操作を実施する。鉱酸を含むホウ素溶離液期通液を停止した時点において、陰イオン交換塔内には、ホウ素と鉱酸を含む液が残留している。そのため、水の通液を開始した後の流出液中には、ホウ素と鉱酸とをともに含有する。発生した鉱酸を含んだホウ素溶液を廃棄するとホウ素の回収率が下がり、好ましくない。一方、当該液中のホウ素を回収するためには、分画した、鉱酸とホウ素を含有する液を貯蔵する液槽を設置するとともに、前段のホウ素溶離液の精製工程(ホウ素吸着工程)に戻す工程が必要となり、処理工程が1段階増える。鉱酸とホウ素を含有する液を、ホウ素溶離液を貯蔵する液槽に送る配管を設置するが、ホウ素溶離液の精製工程に戻す場合は、鉱酸量の増加に伴い陰イオン交換樹脂の必要量の増加につながる、またホウ素吸着工程に戻す場合は処理するホウ素成分の量が増え、その処理に必要な樹脂量が増えることとなる。いずれの場合もこれらの要因により、鉱酸とホウ素を含有する液を前工程に戻し処理することはコスト増加につながる。
本発明は、上記問題を解決することのできるホウ素溶離液の精製方法を提供することを目的とする。
本発明は上記課題を解決するものであり、その要旨は、陰イオン交換樹脂を充填した陰イオン交換塔に鉱酸を含むホウ素溶離液を通液するに際し、陰イオン交換樹脂が破過する前の所定の通液量でホウ素溶離液の通液を停止することで、通液したホウ素溶離液中に含まれる鉱酸がすべて陰イオン交換樹脂に吸着されるため、その後水を通液してイオン交換塔に残留するホウ素を含有する液を押し出す時に、陰イオン交換塔中に含まれるホウ素含有液のみが流出し、一方陰イオン交換樹脂に吸着した鉱酸は全く漏れ出さず、ホウ素精製液中に鉱酸を全く混入させない方法に存ずる。
(1)陰イオン交換塔に鉱酸を含むホウ素溶離液を通液させる通液量を、当該鉱酸を含むホウ素溶離液の通液によって陰イオン交換樹脂が破過する通液量よりも少ない量である積算流量で通液し、鉱酸を含まないホウ素溶液を回収することを特徴とするホウ素溶離液の精製方法。
(2)前記鉱酸を含むホウ素溶離液の積算流量を、ホウ素溶離液中の鉱酸含有量に基づいて予め定めることを特徴とする(1)に記載のホウ素溶離液の精製方法。
(3)OH形に調整したI型強塩基性陰イオン交換樹脂、OH形に調整したII型強塩基性陰イオン交換樹脂、及びOH形に調整した弱塩基性陰イオン交換樹脂の群(以下「陰イオン交換樹脂群」という。)から選択された陰イオン交換樹脂を充填したイオン交換塔(以下「陰イオン交換塔」という。)を使用し、陰イオン交換塔に鉱酸を含むホウ素溶離液を通液させる通液量を、鉱酸を含むホウ素溶離液の積算流量として予め定めておき、陰イオン交換塔に鉱酸を含むホウ素溶離液を通液し、当該鉱酸を含むホウ素溶離液の通液量が前記予め定めた鉱酸を含むホウ素溶離液の積算流量に到達したとき又は到達する前に停止し、その後陰イオン交換塔に水を通液することにより、ホウ素を回収する工程と、前記ホウ素を回収した後の陰イオン交換塔にアルカリ溶液を通液して陰イオン交換塔に充填されたイオン交換樹脂のイオン形をOH形に調整する工程とを備えたことを特徴とするホウ素溶離液の精製方法。
(4)前記陰イオン交換樹脂群を充填した陰イオン交換塔の手前に、H形に調整した強酸性陽イオン交換樹脂を充填した陽イオン交換塔を配置し、前記ホウ素を回収する工程において、陽イオンと鉱酸を含んだホウ素溶液に含まれる陽イオンを前記陽イオン交換塔中のイオン交換樹脂に吸着し、その後、陽イオン交換塔に再生剤を通液して陽イオン交換塔に充填されたイオン交換樹脂のイオン形をH形に調整する工程を備えたことを特徴とする(1)〜(3)のいずれか一つに記載のホウ素溶離液の精製方法。
(5)前記鉱酸が硫酸であることを特徴とする(1)〜(4)のいずれか一つに記載のホウ素溶離液の精製方法。
(6)前記陰イオン交換樹脂群及び強酸性陽イオン交換樹脂は、スチレン系架橋共重合体を母体とするポーラス型イオン交換樹脂であることを特徴とする(1)〜(5)のいずれか一つに記載のホウ素溶離液の精製方法。
(7)前記ホウ素を回収する工程で得られた高純度のホウ素溶液を濃縮、固化してホウ酸固体とすることを特徴とする(1)〜(6)のいずれか一つに記載のホウ素溶離液の精製方法。
本発明によってもたらされる効果は第1に、鉱酸が全く混ざっていない高純度のホウ素精製液を得ることができる。また第2に、ホウ素溶離液の通液停止を積算流量でできるため、管理が容易である。さらに第3に、陰イオン交換塔に鉱酸を含むホウ素溶離液を通水し、その後に水を通液する工程(ホウ素を回収する工程)において、陰イオン交換塔から流出する液には、鉱酸を含んだホウ素精製液が全く発生しないため、その分の処理工程をなくすことでコストを削減できる。
本発明のホウ素溶離液の精製方法を示す図であり、(A)は陽イオン交換塔を配置していない場合、(B)は陽イオン交換塔を配置している場合である。 陰イオン交換樹脂の再生工程を示す図である。 陽イオン交換樹脂の再生工程を示す図である。 本発明のホウ素を回収する工程において、陰イオン交換塔からの流出液中の成分時間変化を示す図である。 本発明のホウ素を回収する工程において、陰イオン交換塔からの流出液中の成分時間変化を示す図である。 比較例のホウ素を回収する工程において、陰イオン交換塔からの流出液中の成分時間変化を示す図である。
本発明は、鉱酸を含むホウ素溶離液を精製して、鉱酸を含まないホウ素精製液とする精製方法に関するものである。本発明が対象とする鉱酸を含むホウ素溶離液は前述のように、例えば以下のような工程によって生成する。
排水中に含まれるホウ素を除去する方法として、ホウ素選択性樹脂を用いる方法においては、ホウ素を含有する排水を、たとえばN−メチルグルカミン基を有するホウ素選択性樹脂を充填したホウ素吸着塔に通液して、ホウ素をホウ素選択性樹脂に吸着させてホウ素を含有しない処理水とする。しかる後ホウ素を吸着した樹脂に塩酸、硫酸などの鉱酸を通液して吸着したホウ素を樹脂から脱離する操作と、ホウ素脱離を行った樹脂に苛性ソーダを通液して樹脂を再生する操作が行われる。この脱離操作に伴って、鉱酸を含有するホウ素溶離液が発生し、ホウ素溶離液槽に回収される。
本発明者らはホウ素溶離液を精製する過程において、ホウ酸は酸性領域においてはイオン化することなくホウ酸分子H3BO3として溶解しており、OH形に調整した陰イオン交換樹脂には吸着せず、そのため陰イオン交換樹脂を充填した陰イオン交換塔にホウ素溶離液を通液すると、ホウ酸以外の陰イオンが吸着され、ホウ酸のみが漏洩することを過去の事例から確認したうえで、本発明に至った。本明細書においてこれ以降、ホウ素はホウ酸及びホウ酸塩の総称を意味する。
本発明は例えば、図1(A)、図2〜3に示すように、ホウ素溶離液槽1、工水槽2、陰イオン交換塔4、ホウ素精製液回収槽5、リサイクル水回収槽6、苛性ソーダ槽7、処理液放流管8、塩酸槽9を有する装置を用いて実施される。
《ホウ素を回収する工程》
ホウ素溶離液槽1に収容されたホウ素溶離液は、ホウ素濃度が濃縮されている一方、不純物となるイオンが含まれ、中でも鉱酸濃度が特に高い。このホウ素溶離液から鉱酸を取り除くことにより高純度のホウ素精製液を回収することを目的として、上記方法を利用して陰イオン交換樹脂に通液することによって鉱酸を吸着除去する。
陰イオン交換樹脂を充填した陰イオン交換塔4に、鉱酸を含むホウ素溶離液を通液すると、液中の鉱酸が陰イオン交換樹脂に吸着されるので、陰イオン交換塔から流出する液中には鉱酸が含有されない。通液を続けるに従って、陰イオン交換樹脂への鉱酸の吸着が進行する。やがて陰イオン交換樹脂が鉱酸を吸着しきれなくなり、イオン交換樹脂が破過すると、それ以降は陰イオン交換塔からは鉱酸を含有する液が流出することとなる。鉱酸が漏洩すると液中のpHが低下するので、従来は流出液のpHを検知し、pHが低下した時点で陰イオン交換樹脂が破過したと認識し、陰イオン交換塔へのホウ素溶離液の通液を停止し、水の通液を開始する。また、pHが低下する前までの流出液には鉱酸がほとんど含有しないので、ホウ素精製液として回収する。pHが低下した以降の流出液は、鉱酸を含むとともにホウ素も含有するので、特許文献1に記載のように、ホウ素回収工程にリサイクルしてホウ素を回収していた。
陰イオン交換塔内には陰イオン交換樹脂が充填されており、陰イオン交換塔の上部には空間が存在している。また、陰イオン交換樹脂は内部に空隙を有しており、通常は空隙率が30%程度となる。そして、陰イオン交換塔にホウ素溶離液を通液している際には、上部の空間と陰イオン交換樹脂の空隙部分には通液されたホウ素溶離液が充満している。陰イオン交換樹脂の陰イオン吸着能力がまだ破過に達していない時期においては、流出液(処理液)は鉱酸を含有していないので、ホウ素精製液として回収する。一方、陰イオン交換樹脂が破過した直後から、処理液に鉱酸が少しずつ漏洩し始める。このとき処理液のpHが下がるため、従来法ではこのタイミングで、陰イオン交換塔へ通液する液をホウ素溶離液から工水に切り替えるとともに、陰イオン交換塔から流出する処理液の回収先を、ホウ素精製液向けから、鉱酸とホウ素を含有する液向けへの切り替えを行う。そのため、回収したホウ素精製液中にわずかに鉱酸が含まれることとなる。また、切替後の陰イオン交換塔内の充水の押出しを行う際には、陰イオン交換塔上部の空間と陰イオン交換樹脂の空隙部分に充満されているホウ素と鉱酸の両方を含んだ液が処理液として排出される。
それに対して本発明では、ホウ素溶離液の通液をイオン交換樹脂が破過する前の予め定めた積算通液量において通液を停止することを特徴とする。その状態で陰イオン交換塔に水を通液すると、陰イオン交換塔内の空間と樹脂の空隙に充満する液が押されて移動し、イオン交換樹脂のうちでまだ鉱酸が吸着していない部分に移行するに従い、液中の鉱酸は陰イオン交換樹脂に吸着される。従って、陰イオン交換樹脂に陰イオン吸着能力が十分に残存しているときにホウ素溶離液の通液を停止して水の通液に切り替えれば、通液したホウ素溶離液中に含まれる鉱酸がすべてイオン交換樹脂に吸着され、水を通液してイオン交換塔に残留するホウ素含有水を押し出すときに、陰イオン交換塔の空間と陰イオン交換樹脂の空隙に充満された液中に含まれるホウ素のみが流出し、陰イオン交換樹脂に吸着した鉱酸が全く漏れ出さないため、高純度のホウ素精製液が得られる。ホウ素溶離液または水を通液する工程(ホウ素を回収する工程)において、陰イオン交換塔から流出する液には鉱酸が全く含まれない。従来は、ホウ素と鉱酸を含有する液が流出していたため、当該液のホウ素を有効利用するためには、当該液をリサイクルする必要があった。これに対して本発明方法では、陰イオン交換塔に通液したホウ素溶離液に含まれるすべてのホウ素が流出するに至るまで、ホウ素と鉱酸をともに含有する液が流出しないので、従来のようなリサイクルを行う必要がない。
本発明の陰イオン交換塔は、OH形に調整したI型強塩基性陰イオン交換樹脂、II型強塩基性陰イオン交換樹脂、及び弱塩基性陰イオン交換樹脂の群(陰イオン交換樹脂群)から選択された陰イオン交換樹脂を充填する。上記陰イオン交換樹脂群から選択した陰イオン交換樹脂であれば、鉱酸を含むホウ素溶離液を通液することにより、鉱酸を効率的に分離し、高純度のホウ素精製溶液を得ることができるからである。
本発明では、鉱酸を含むホウ素溶離液の通液を陰イオン交換樹脂が破過する前の予め定めた積算通液量において通液を停止し、その後陰イオン交換塔に水を通液してホウ素を回収する。ホウ素溶離液の通液を停止するまでの鉱酸を含むホウ素溶離液の通液量(鉱酸を含むホウ素溶離液の積算流量)について具体的には、停止後に水を通液したときに流出液中に鉱酸が含有されない所定の時期とする。
ホウ素溶離液の通液量は、以下のように定めることができる。即ち、あらかじめイオン交換樹脂が飽和する通液量(V0)(L/L-Resin)を計算により導き出し、飽和する通液量(V0)の90%を超える場合にイオン交換樹脂の破過が起こるという経験上の予測から、鉱酸が確実に漏れ出さないホウ素溶離液の通液量(V)(L/L-Resin)を規定して、陰イオン交換塔出口の積算流量計によって制御する。鉱酸が確実に漏れ出さないホウ素溶離液の通液量(V)の目安は、イオン交換樹脂が飽和する通液量(Vo)の60〜90%、より好ましくは80〜90%である。また、処理液のpHが低下し、イオン交換樹脂が破過したときの通液量をVCと呼ぶ。このイオン交換樹脂が破過したときの通液量(VC)は、飽和点までの通液量(V0)の90〜100%の範囲となる。一般にV<Vc<Voという関係がある。
本発明においてより好ましくは、ホウ素溶離液の通液を停止するまでの鉱酸を含むホウ素溶離液の通液量([鉱酸を含むホウ素溶離液の積算流量])は、通液するホウ素溶離液のイオン負荷(eq/L)によって決定することができる。ホウ素溶離液のイオン負荷(eq/L)は、ホウ素溶離液に含まれる鉱酸のイオン濃度(mg/L)より計算される。例えば、ホウ素溶離液に含まれる硫酸のイオン濃度が10000mg/Lであれば、
10000mg/L(濃度)÷96(分子量)×2(価数)/1000=0.21
により、ホウ素溶離液のイオン負荷は0.21eq/Lと計算できる。ホウ素溶離液のイオン負荷(eq/L)とイオン交換樹脂の吸着能力(eq/L-Resin)を比較することで、イオン交換樹脂が飽和する通液量(V0)(L/L-Resin)が求められる。理論的にはこの通液量(L/L-Resin)のホウ素溶離液を通液し、その後に水を通液することで、陰イオン交換塔内の空間と陰イオン交換樹脂内の空隙に充満していた液中の鉱酸が陰イオン交換樹脂に吸着されることにより、陰イオン交換樹脂が破過し、やがて飽和に達する。この陰イオン交換塔内の空間と陰イオン交換樹脂内の空隙に充満する鉱酸の量を把握したうえで、鉱酸が確実に漏れ出さないホウ素溶離液の通液量(V)をV<Voの範囲で前もって決めておき、陰イオン交換塔出口の積算流量計によって制御する。鉱酸が確実に漏れ出さないホウ素溶離液の通液量(V)の目安は、イオン交換樹脂が飽和する通液量(Vo)の60〜90%、より好ましくは80〜90%である。ホウ素溶離液中の鉱酸含有量が高くなるほど、イオン交換樹脂が飽和する通液量(V0)は低い値となる。
又、ホウ素溶離液の通液停止後、陰イオン交換塔内にはホウ素が残留している。このままイオン交換樹脂の再生を開始するとホウ素に再生排水が混ざりホウ素回収率の低下、及び再生排水のホウ素濃度が高くなるためホウ素除去処理が必要という問題が発生する。そのため、再生工程開始前に工水槽2から陰イオン交換塔4に工水を通液することで、イオン交換塔内に残留しているホウ素を水押しする。陰イオン交換樹脂が破過する前の所定の通液量で鉱酸を含むホウ素溶離液の通液を停止するため、陰イオン交換樹脂はイオン吸着能力を残しているので、その後の水押しによって陰イオン交換塔内の空間と陰イオン交換樹脂の空隙に充満していた液中の鉱酸は陰イオン交換樹脂に吸着され、また陰イオン交換樹脂に吸着した鉱酸が漏れ出さず、分子として存在しているH3BO3のみがイオン交換樹脂に吸着されることなくイオン交換塔下部から放出される。このホウ素溶液はそのままホウ素精製液回収槽5、もしくはリサイクル水回収槽6に送られる。
陰イオン交換塔4を通過した液はホウ素精製液回収槽5に送られる。送られるホウ素精製液はホウ素濃度が10mg/L以上、鉱酸(SO4)濃度は0.05mg/L以下の溶液とする。ホウ素濃度の低い溶液についてはそのまま放流することが可能だが、別途リサイクル水回収槽6を設けることでこの後の陰イオン交換樹脂の再生工程で水洗水として用いることもできる。
ホウ素溶離液の通液を開始してから、通液量の推移とともに処理液中の含有成分の推移を評価した。ホウ素溶離液中の成分は、下記表1に示すとおりである。ホウ素溶離液を4BV(陰イオン交換樹脂の樹脂量の4倍量)通液し、その後は工水を通水した。なお、イオン交換樹脂が飽和する通液量(V0)が4.4BVであり、鉱酸が確実に漏れ出さないホウ素溶離液の通液量Vを上限である90%(V=V0 ×0.9BV=4.0BV)とし、その後に工水を通液すれば、陰イオン交換塔の流出液中に鉱酸が混入しないことをあらかじめ確認している。また、ホウ素溶離液を継続して通液すると、ホウ素溶離液をイオン交換樹脂が破過したときの通液量VC=4.2BV通液した時点で陰イオン交換樹脂が破過することを確認している。詳細な試験条件は後述の実施例1に記載する。
その試験の結果を図4に示す。図4において、横軸はホウ素溶離液を通液開始してからの通液量であり、縦軸(左)及び丸印は処理液中のホウ素濃度、縦軸(右)及び白四角印は処理液中の鉱酸(SO4)濃度である。図4に示すように、ホウ素溶離液の通液を開始してしばらくすると、排水中のホウ素濃度が上昇を開始する。その後、ホウ素溶離液通水量が4BVに達したときに通液を停止して工水を通液し始めてしばらくすると、ホウ素が押し流されて行きホウ素濃度が低下する。本発明では、図4中の「ホウ素精製液回収区間」に排出された処理液をホウ素精製液回収槽5に回収する。回収したホウ素精製液の成分を表1に示す。図4中の「第1放流区間」「第2放流区間」に排出された処理液は、ホウ素濃度、鉱酸(SO4)濃度ともに低いので、リサイクル水として使用、または放流水として放流することができる。第1、第2放流区間のホウ素濃度は200mg/L未満とする。
ホウ素を回収する工程として本発明の上記工程を採用することにより、以下のような効果を得ることができる。即ち、従来のように陰イオン交換塔からの流出水のpHを実測してホウ素溶離液の通液を停止する方法では、通液停止直前のホウ素精製液回収水中に鉱酸の混入が避けられなかったが、本発明により、ホウ素を回収する回収水中には鉱酸が全く混入することなく、高純度のホウ素精製液を回収することができる。また、ホウ素溶離液の通液停止を積算流量でできるため、管理が容易となる。さらに、陰イオン交換塔から流出する液には、ホウ素と鉱酸をともに含有する液が全く発生しないので、ホウ素を無駄にすることがなく、またホウ素を有効利用するためのリサイクルを実施する必要もないので、コストを削減することができる。
《陽イオン吸着工程》
ホウ素溶離液中に多量の陽イオンが含まれることがある。このような場合、図1(B)に示すように、陰イオン交換塔4の前に、H形に調整した強酸性陽イオン交換樹脂を充填した陽イオン交換塔3を配置することができる。これによりNaやCa等の陽イオンは強酸性陽イオン交換樹脂に吸着することで取り除かれ、より高純度のホウ素精製液が得られる。
《再生工程》
鉱酸を吸着した陰イオン交換樹脂、陽イオンを吸着した強酸性陽イオン交換樹脂は、再生剤を通液することによって元のOH形、H形にそれぞれ再生される。再生された陰イオン交換塔は、前記「ホウ素を回収する工程」に戻り、再びホウ素溶離液を通水することができる。
鉱酸を吸着した陰イオン交換樹脂に対し、図2に示すように、苛性ソーダ槽7より再生剤として苛性ソーダを通液し、吸着していた鉱酸を脱離させてOH形に再生させる。陰イオン交換樹脂に吸着していた鉱酸は、苛性ソーダ(NaOH)のOHイオンとイオン交換され、その後Naイオンと反応して塩になることで、陰イオン交換樹脂から溶離する。その後工水で水洗をして苛性ソーダ及び塩を洗い流すことで、再びホウ素溶離液を通液することができるようになる。このとき、工水の代わりにリサイクル水回収槽6に回収したリサイクル水を使用することもできる。
陽イオンを吸着した強酸性陽イオン交換樹脂に対し、図3に示すように、鉱酸槽(塩酸槽9)より再生剤として鉱酸を通液し、吸着していた陽イオンを脱離させてH形に再生させる。強酸性陽イオン交換樹脂に付着していた陽イオンは、鉱酸のHイオンとイオン交換され、鉱酸イオンと反応して塩になることで強酸性陽イオン交換樹脂から溶離する。その後工水で水洗をして鉱酸と塩を洗い流すことで、前記「ホウ素を回収する工程」に戻り、再びホウ素溶離液を通液することができるようになる。
再生工程で発生した鉱酸やそのナトリウム塩、カリウム塩、または陽イオンを含む排水は、処理液放流管8に送られて放流することができる。このとき、必要に応じてpH調整槽を設けpH調整後放流する。また処理水に重金属等が含まれているおそれがある場合には、さらにキレート樹脂による処理、或いはカセイソーダ、消石灰等のアルカリ剤により金属水酸化物を形成させて固液分離処理する等の後処理工程に付した後放流するのが好ましい。
陰イオン交換塔4、強酸性陽イオン交換塔3の再生工程終了後、通液開始直後にリサイクル水として回収することになる、イオン交換塔や配管に充填された水をよりきれいにするために、2つのイオン交換塔を接続した状態で水洗を行うこともできる。このとき発生した排水の成分は工水に近いため、リサイクル水回収槽6に送ることもできる。
イオン交換樹脂の再生工程において、前述のホウ素溶離液通液終了時期の制御と同様、再生剤と工水の切り替えも積算流量計に従い通液量を制御すると好ましい。具体的には、再生剤は樹脂の吸着能力が完全に再生できるだけの量、工水は再生剤を完全に洗うことができる量とすることができる。
《その他》
本発明において、ホウ素溶離液中に含まれる鉱酸が硫酸であるとき、本発明を好ましく用いることができる。硫酸は塩酸と比較して吸着効率が高いため、イオン交換樹脂の再生をより効率的に行うことができる。また、硫酸は塩酸と比較すると腐食性は低いため、塩酸を使用した場合使用できない種類の素材を設備に用いることができる。ただし、硫酸の腐食性は温度や濃度によって大きく変化するため、使用環境に適応した素材を吟味して選択することが必要となる。
塩基性陰イオン交換樹脂、酸性陽イオン交換樹脂としては、スチレン系架橋共重合体を母体とするポーラス型イオン交換樹脂を用いることができる。具体的には、塩基性陰イオン交換樹脂としてI型強塩基性陰イオン交換樹脂、II型強塩基性陰イオン交換樹脂、弱塩基性陰イオン交換樹脂を、酸性陽イオン交換樹脂としては強酸性陽イオン交換樹脂を好適に用いることができる。
前記ホウ素を回収する工程で得られた高純度のホウ素精製液は、そのまま、あるいは必要に応じ濃縮、固化した後に再利用することができる。濃縮・固化する方法としては、得られたホウ素精製液を完全に蒸発させる乾燥固化法や、ある程度濃縮した後濃縮液を冷却し、ホウ酸の溶解度を下げ、ホウ酸の結晶を析出させる冷却晶析などの通常の濃縮結晶化が用いることができる。
各樹脂塔を2系列設置することで、ホウ素溶離液の精製工程と精製工程に使用した樹脂の再生工程を同時に行うことができる。すなわち、ホウ素溶離液の精製工程を行っている間に、前のサイクルで使用した樹脂塔を再生することで、ホウ素溶離液の通液停止後に配管の切り替えのみでホウ素溶離液の通液を再開することができ、1日の処理サイクルを増やすことができる。
[実施例1]
図1(B)に示す装置を構成した。内径72mm×高さ1000mmのアクリル製カラムを用意し、H形に調整した強酸性陽イオン交換樹脂を2.4L-Resin充填して陽イオン交換塔3とする。また、内径150mm×高さ1000mmのアクリル製カラムを用意し、OH形に調整した弱塩基性陰イオン交換樹脂を12L-Resin充填して陰イオン交換塔4とする。イオン交換樹脂の吸着能力は1.7eq/L-Resinである。
また、ホウ素を吸着したN−メチルグルカミン基を有するホウ素選択性吸着樹脂に硫酸を通液することにより、硫酸を含むホウ素溶離液を得て、ホウ素溶離液槽1に収容した。ホウ素溶離液の成分は、ホウ素が2100mg/L、SO4濃度が18400mg/Lであった。ホウ素溶離液のイオン負荷は0.38eq/Lである。
以上より、イオン交換樹脂が飽和する通液量(V0)は、
0=1.7(eq/L-Resin)/0.38(eq/L) =4.4(L/L-Resin)
と計算される。単位(L/L-Resin)と単位BVは同じ意味であるから、V0=4.4BVとなる。よって、ホウ素溶離液が絶対に漏れない通液量(V)はV0の60〜90%の2.6〜4.0BV、より好ましくは80〜90%の3.5〜4.0BVと試算される。
今回は、V=4.4BV×0.9=4BVとした。
次に、ホウ素溶離液槽1に収容したホウ素溶離液を、上記陽イオン交換塔3、陰イオン交換塔4の順に24L/hの速さで、弱塩基性陰イオン交換樹脂の樹脂量の4倍量(4BV)を通液した。通液終了後、さらに工水を弱塩基性陰イオン交換樹脂の樹脂量の7倍量(7BV)を通液した。
陰イオン交換塔4から流出する液のうち、通液開始から2.5BV〜9BVまで(図4中の「ホウ素精製液回収区間」)の6.5BVの液をホウ素精製液回収槽5に回収し、それ以外の部分はリサイクル水回収槽6に回収した。その結果、ホウ素精製液回収槽5に回収して得られたホウ素精製液のホウ素濃度は1,130mg/Lで、ホウ素回収率は
{1130(mg/L)×6.5(BV)}/{2100(mg/L)×4(BV)}×100=87.4(%)
だった。また、ホウ素精製液の硫酸濃度は0.1mg/L未満だった。その結果を表1に示す。
[実施例2]
図1(B)に示す装置を構成した。内径14mm×高さ550mmのガラス製カラムを用意し、H形に調整した強酸性陽イオン交換樹脂を30mL-Resin充填して陽イオン交換塔3とする。また、内径26mm×高さ550mmのガラス製カラムを用意し、OH形に調整した弱塩基性陰イオン交換樹脂を150mL-Resin充填して陰イオン交換塔4とする。イオン交換樹脂の吸着能力は1.7eq/L-Resinである。
また、ホウ素を吸着したN−メチルグルカミン基を有するホウ素選択性吸着樹脂に硫酸を通液することにより、硫酸を含むホウ素溶離液を得て、ホウ素溶離液槽1に収容した。ホウ素溶離液の成分は、ホウ素が2200mg/L、SO4濃度が18400mg/Lであった。ホウ素溶離液のイオン負荷は0.38eq/Lである。
以上より、イオン交換樹脂が飽和するまでの通液量(V0)は、
0=4.4(L/L-Resin)=1.7(eq/L-Resin)/0.38(eq/L)
と計算される。単位(L/L-Resin)と単位BVは同じ意味であるから、V0=4.4BVとなる。よって、ホウ素溶離液が絶対に漏れない通液量(V)はV0の60〜90%の2.6〜4.0BV、より好ましくは80〜90%の3.5〜4.0BVと試算される。
今回は、V=4.4BV×0.9=4BVとした。
次に、ホウ素溶離液槽1に収容したホウ素溶離液を、上記陽イオン交換塔3、陰イオン交換塔4の順に0.3L/hの速さで、弱塩基性陰イオン交換樹脂の樹脂量の4倍量(4BV)を通液した。通液終了後、さらに工水を弱塩基性陰イオン交換樹脂の樹脂量の8倍量(8BV)を通液した。
結果を図5に示す。図5の縦軸、横軸は前記図4と同様であり、縦軸(左)及び丸印は処理液中のホウ素濃度、縦軸(右)及び白四角印は処理液中の鉱酸(SO4)濃度である。通液開始以降のホウ素濃度の挙動、及び硫酸濃度の挙動は、前述の図4と同様の挙動を示している。陰イオン交換塔4から流出する液のうち、通液開始から2BV〜8BVまで(図5中の「ホウ素精製液回収区間」)の6BVの液をホウ素精製液回収槽5に回収し、それ以外の部分(図5中の「第1放流区間」「第2放流区間」)はリサイクル水回収槽6に回収した。その結果、ホウ素精製液回収槽5に回収して得られたホウ素精製液のホウ素濃度は1460mg/Lで、ホウ素回収率は、
{1460(mg/L)×6(BV)}/{2200(mg/L)×4(BV)}×100=99.5(%)
だった。また、ホウ素精製液の硫酸濃度は0.1mg/L未満だった。その結果を表2に示す。
[比較例1]
実施例2と同じ陽イオン交換塔、陰イオン交換塔、ホウ素溶離液を準備した。ホウ素溶離液の成分は、ホウ素が2200mg/L、SO4濃度が18400mg/Lであった。ホウ素溶離液のイオン負荷は0.38eq/Lである。イオン交換樹脂が飽和する通液量(V0)は、実施例2と同様、V0=4.4BVとなる。ホウ素溶離液を、上記陽イオン交換塔3、陰イオン交換塔4の順に0.3L/hの速さで、通液し、陰イオン交換塔出口から排出されたホウ素精製液のpHが低下したことを確認して通液を終了した。イオン交換樹脂が破過するまで通液したことから、通液量(V)=イオン交換樹脂が破過したときの通液量(VC)と表すことができ、通液量を測定したところ弱塩基性陰イオン交換樹脂の樹脂量の4.2倍量(4.2BV)だった。通液終了後、さらに工水を弱塩基性陰イオン交換樹脂の樹脂量の5倍量(5BV)を通液した。
結果を図6に示す。図6の縦軸、横軸は前記図4と同様であり、縦軸(左)及び丸印は処理液中のホウ素濃度、縦軸(右)及び白四角印は処理液中の鉱酸(SO4)濃度である。通液開始から2BV〜8.2BVでホウ素の濃度が高く、また、通液開始から4.2BVで処理液(流出液)中に鉱酸が混入した結果として鉱酸(SO4)濃度が上昇するとともに、pHが低下する。陰イオン交換塔4から流出する液のうち、通液開始から2BV〜4.2BVまで(図6中の「ホウ素精製液回収区間」)の2.2BVの液をホウ素精製液回収槽5に回収し、4.2BV〜8.2BVまで(図6中の「鉱酸回収区間」)の4BVの液を硫酸回収液として個別に回収し、それ以外の部分(図6中の「第1放流区間」「第2放流区間」)はリサイクル水回収槽6に回収した。その結果、ホウ素精製液回収槽5に回収して得られたホウ素精製液のホウ素濃度は1270mg/Lで、ホウ素回収率は
{1270(mg/L)×2.2(BV)}/{2200(mg/L)×4.2(BV)}×100=30.2(%)
だった。また、ホウ素精製液の硫酸濃度は120mg/Lだった。ホウ素溶離液の通液終了を、イオン交換樹脂が破過するまでの通液量(VC=4.2BV)を超えた以降で行ったため、硫酸回収液中にホウ素が含有しており、個別に回収した硫酸回収液のホウ素濃度は1600mg/L、硫酸濃度は9300mg/Lで、当該液に回収されたホウ素回収率は
{1600(mg/L)×4(BV)}/{2200(mg/L)×4.2(BV)}×100=69.3(%)
だった。硫酸液に回収されたホウ素を分離して有効利用するためには、従来技術同様、当該液を陰イオン交換塔にリサイクルすることが必要となる。その結果を表3に示す。
1 ホウ素溶離液槽
2 工水槽
3 陽イオン交換塔
4 陰イオン交換塔
5 ホウ素精製液回収槽
6 リサイクル水回収槽
7 苛性ソーダ槽
8 処理液放流管
9 塩酸槽

Claims (7)

  1. 陰イオン交換塔に鉱酸を含むホウ素溶離液を通液させる通液量を、当該鉱酸を含むホウ素溶離液の通液によって陰イオン交換樹脂が破過する通液量よりも少ない量である積算流量で通液し、鉱酸を含まないホウ素溶液を回収することを特徴とするホウ素溶離液の精製方法。
  2. 前記鉱酸を含むホウ素溶離液の積算流量を、ホウ素溶離液中の鉱酸含有量に基づいて予め定めることを特徴とする請求項1に記載のホウ素溶離液の精製方法。
  3. OH形に調整したI型強塩基性陰イオン交換樹脂、OH形に調整したII型強塩基性陰イオン交換樹脂、及びOH形に調整した弱塩基性陰イオン交換樹脂の群(以下「陰イオン交換樹脂群」という。)から選択された陰イオン交換樹脂を充填したイオン交換塔(以下「陰イオン交換塔」という。)を使用し、
    陰イオン交換塔に鉱酸を含むホウ素溶離液を通液させる通液量を、鉱酸を含むホウ素溶離液の積算流量として予め定めておき、
    陰イオン交換塔に鉱酸を含むホウ素溶離液を通液し、当該鉱酸を含むホウ素溶離液の通液量が前記予め定めた鉱酸を含むホウ素溶離液の積算流量に到達したとき又は到達する前に停止し、その後陰イオン交換塔に水を通液することにより、ホウ素を回収する工程と、
    前記ホウ素を回収した後の陰イオン交換塔にアルカリ溶液を通液して陰イオン交換塔に充填されたイオン交換樹脂のイオン形をOH形に調整する工程とを備えたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のホウ素溶離液の精製方法。
  4. 前記陰イオン交換樹脂群を充填した陰イオン交換塔の手前に、H形に調整した強酸性陽イオン交換樹脂を充填した陽イオン交換塔を配置し、前記ホウ素を回収する工程において、陽イオンと鉱酸を含んだホウ素溶液に含まれる陽イオンを前記陽イオン交換塔中のイオン交換樹脂に吸着し、その後、陽イオン交換塔に再生剤を通液して陽イオン交換塔に充填されたイオン交換樹脂のイオン形をH形に調整する工程を備えたことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載のホウ素溶離液の精製方法。
  5. 前記鉱酸が硫酸であることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載のホウ素溶離液の精製方法。
  6. 前記陰イオン交換樹脂群及び強酸性陽イオン交換樹脂は、スチレン系架橋共重合体を母体とするポーラス型イオン交換樹脂であることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載のホウ素溶離液の精製方法。
  7. 前記ホウ素を回収する工程で得られた高純度のホウ素溶液を濃縮、固化してホウ酸固体とすることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載のホウ素溶離液の精製方法。
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