次に、図面を参照して、本発明の第1の実施の形態を説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、厚みと平面寸法との関係、各層の厚みの比率等は現実のものとは異なることに留意すべきである。したがって、具体的な厚みや寸法は以下の説明を参酌して判断すべきものである。又、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることはもちろんである。
又、以下に示す第1〜第4の実施の形態は、この発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、この発明の実施の形態は、構成部品の材質、形状、構造、配置等を下記のものに特定するものでない。この発明の実施の形態は、特許請求の範囲において、種々の変更を加えることができる。
なお、以下の説明において、(AlxGa1-x)yIn1-yP(0<=x<1,0<y<=1)層を、簡単化してAlInGaP層と表示し、x=0に相当するGayIn1-yP(0<y<=1)層を、簡単化してInGaP層と表示する。
[第1の実施の形態]
(素子構造)
第1の実施の形態に係る半導体発光素子の模式的平面パターン構成は、図1に示すように表され、図1のI−I線に沿う模式的断面構造は、図2に示すように表され、図1のII−II線に沿う模式的断面構造は、図3に示すように表され、図1のIII−III線に沿う模式的断面構造は、図4に示すように表される。
第1の実施の形態に係る半導体発光素子は、図1〜図4に示すように、基板構造(基板102)と、基板構造(基板102)上に配置された第1導電型の第1クラッド層16CLと、第1クラッド層16CL上に配置された多重量子井戸層14と、多重量子井戸層14上に配置された第2導電型の第2クラッド層12CLと、第2クラッド層12CL上に配置された第2導電型のウィンドウ層12Wと、ウィンドウ層12W上に配置された第2導電型のコンタクト層12Cと、コンタクト層12C若しくはウィンドウ層12Wの表面若しくはエッチング表面に配置されたフロスト処理層30DFとを備える。
また、フロスト処理層30DFは、コンタクト層12C若しくはウィンドウ層12Wの表面若しくはエッチング表面を複数回ウェットエッチングすることによって形成可能である。
また、フロスト処理層30DFは、コンタクト層12C若しくはウィンドウ層12Wの表面若しくはエッチング表面を2回ウェットエッチングすることによって形成され、第2回目のフロスト処理のエッチング温度は、第1回目のフロスト処理のエッチング温度よりも低い条件によって形成可能である。
また、第1の実施の形態に係る半導体発光素子において、基板構造は、基板102と、基板102上に配置される金属層151・152と、金属層152上に配置され,パターニングされた金属コンタクト層11および絶縁層17とを備えていても良い。
(平面パターン構成)
第1の実施の形態に係る半導体発光素子において、n型ウィンドウ層12Wに形成されたダブルフロスト処理層30DFは、図1に示すように、例えば、矩形の平面パターンを有し、表面電極層(20・20a)は、矩形の平面パターン上の中心部に配置された中心部の表面電極層20と、表面電極層20に接続され、表面電極層20から矩形の4辺方向に延伸するT字形状の表面電極層20aとを備える。
中心部の表面電極層20の直径DWは、例えば、約100μm、T字形状の表面電極層20aのストライプの幅MWは、約7μmである。また、内部のODR(Omni-directional reflector)金属層11は、破線で示されており、その直径は、例えば、約12μm、その数は、例えば、約44個である。第1の実施の形態に係る半導体発光素子においては、内部のODR金属層11と表面側の表面電極層20・20a間を電流が導通することで、効率良く発光が行われる。
また、第1の実施の形態に係る半導体発光素子においては、図1に示すように、周辺部は、メサ構造Mを有し、絶縁層17が露出している。
ODR金属層11のパターン幅が広い場合には、実質的な発光領域が制限されるため、面積効率が低下し発光効率が減少する。一方、ODR金属層11のパターン幅が狭い場合には、ODR金属層11の面積抵抗が増大し、LEDの順方向電圧Vfが上昇する。このため、最適なパターン幅およびパターンピッチが存在する。幾つかのパターン例では、六角形を基本とするハニカムパターン構造、或いは、円形ドット形状を基本構造とする円形ドットパターン構造が存在する。
また、ODR金属層11の模式的平面パターン構造は、六角形ハニカムパターン、円形ドットパターンに限定されるものではなく、三角形パターン、矩形パターン、六角形パターン、八角形パターン、円形ドットパターンなどをランダムに配置するランダムパターンを適用することもできる。
ODR金属層11の模式的平面パターン構造は、導光領域の面積を確保してLEDからの発光輝度を低下させず、かつLEDの順方向電圧Vfが上昇しない程度の金属配線パターン幅を確保できればよい。
第1の実施の形態に係る半導体発光素子の模式的断面構造は、図1〜図4に示すように、基板102と、基板102上に配置されたp型コンタクト層16Cと、p型コンタクト層16C上に配置されたp型クラッド層16CLと、p型クラッド層16CL上に配置されたMQW層14と、MQW層14上に配置されたn型クラッド層12CLと、n型クラッド層12CL上に配置されたn型ウィンドウ層12Wと、n型ウィンドウ層12W上に配置されたn型コンタクト層12Cとを備える。
n型ウィンドウ層12Wの表面若しくはエッチングされた段差表面にはダブルフロスト処理された凹凸形状のダブルフロスト処理層30DFが形成されている。
基板102はGaAsで形成され、基板102の表面には、所定のパターンピッチで段差構造40Dが形成される。段差構造40Dは、基板102をエッチングした構造、或いはエアギャップ構造であっても良い。
基板102および段差構造40D上には、金属層152が配置される。更に、金属層152は、金属層151とボンディング接合される。
金属層151上には、絶縁層17およびODR金属層11が所定のパターンで配置される。
基板10の裏面には、裏面電極層22が配置され、n型コンタクト層((Al0.5Ga0.5)0.5In0.5P層)12Cの表面には、表面電極層20・20aが配置されている。表面電極層20・20aおよび裏面電極層22は、いずれも、例えばAu層で形成されている。
p型コンタクト層16Cは、例えば膜厚約900nmのGaP層で形成されている。
p型クラッド層16CLは、例えば膜厚約400nmのAlInP層および膜厚約400nmのAlInP層で形成されている。
MQW層14は、InGaP/(Al0.03Ga0.97)0.5In0.5Pのペアで形成されている。ペア数は約100ペア、ウェル/バリアの膜厚は、約3.5nm/約3nmであり、MQW層14全体の厚さは、約650nmである。
n型クラッド層12CLは、例えば膜厚約800nmのAlInP層で形成されている。
n型ウィンドウ層12Wは、例えば膜厚約900nmの(Al0.7Ga0.3)0.5In0.5P層で形成されている。
n型コンタクト層12Cは、例えば膜厚約900nmの(Al0.5Ga0.5)0.5In0.5P層で形成されている。
フロスト処理層30DFは、n型ウィンドウ層12Wと同様に材料、AlInGaP層((Al0.7Ga0.3)0.5In0.5P層)で形成されている。
さらに、図示は省略されているが、n型クラッド層12CLとMQW層14との間には、n型ガイド層((Al0.85Ga0.15)0.5In0.5P層:厚さ約90nm)、p型クラッド層16CLとMQW層14との間には、p型ガイド層((Al0.85Ga0.15)0.5In0.5P層:厚さ約90nm)を備えていても良い。
また、p型コンタクト層16Cからn型コンタクト層12Cまでのエピタキシャル構造全体の厚さは、約5,130nmである。
第1の実施の形態に係る半導体発光素子のLED構造部分の模式的断面構造は、図5に示すように表され、GaAs基板構造部分の模式的断面構造は、図6に示すように表される。
第1の実施の形態に係る半導体発光素子は、ボンディング技術を用いて形成することができる。
金属層151・152を用いて、GaAs基板102と、エピタキシャル成長層からなるLED構造を貼り付けることにより、反射率のよい金属反射層を形成することを可能にしている。金属反射層は、金属層151によって形成される。LEDからの放射光は、絶縁層17と、金属層151との界面によってミラー面が形成されるため、ミラー面において反射される。ODR金属層11は、金属層151とp型コンタクト層16Cとのオーミックコンタクトを取るための層であり、金属層151とp型コンタクト層16Cの界面に介在し、絶縁層17と同程度の厚さを有する。
第1の実施の形態に係る半導体発光素子において、LED構造は、図5に示すように、GaAs基板101上に、n型コンタクト層12C・n型ウィンドウ層12W・p型コンタクト層16C・n型クラッド層12CL・MQW層14・p型クラッド層16CL・p型コンタクト層16Cを順次形成した後、p型コンタクト層16C上に、絶縁層17およびODR金属層11をパターン形成し、さらに金属層151を形成している。
第1の実施の形態に係る半導体発光素子において、GaAs基板構造は、図6に示すように、GaAs基板102上に、所定のパターンピッチで段差構造40Dを形成後、金属層152を形成している。
第1の実施の形態に係る半導体発光素子は、GaAs基板102上に配置される金属層152およびLED側に配置される金属層151をともにAu層によって形成することで、金属層152と金属層151を熱圧着によって貼り付けることができる。
貼付けの条件は、例えば、約250℃〜700℃、望ましくは300℃〜400℃であり、熱圧着の圧力は、例えば、約10MPa〜20MPa程度である。
第1の実施の形態に係る半導体発光素子においては、金属層152と金属層151を貼り付け後、GaAs基板101をウェットエッチングにより除去し、n型コンタクト層12C上に表面電極層(20・20a)を形成する。
その後、ウェットエッチングによりn型コンタクト層12Cを除去し、n型ウィンドウ層12Wの表面若しくはエッチングされた段差表面にダブルフロスト処理された凹凸形状のダブルフロスト処理層30DFを形成する。
図5および図6の構造において、金属層151および152は、例えばAu層で形成され、例えば厚さは約2.5〜5μmである。また、ODR金属層11は、例えばAuBe層あるいはAuBeとNiとの合金層などで形成され、例えば厚さは、絶縁層17と同程度であり、約450nmである。絶縁層17は、例えばシリコン酸化膜、シリコン窒化膜、SiON膜、SiOxNy膜、或いはこれらの多層膜などで形成される。
Au層からなる金属層151は青色光、紫外光を吸収するため、このような短波長側の光を反射するためには、例えばAg、Al、Ni、Cr若しくはW層などからなる金属バッファ層を金属層151とODR金属層11および絶縁層17との間に備えていても良い。
第1の実施の形態に係る半導体発光素子によれば、金属反射層となる金属層151と、p型コンタクト層16Cとの間に透明な絶縁層17を形成することにより、p型コンタクト層16Cと金属層151との接触領域を低減して、光の吸収を防ぎ、反射率の良い金属反射層を形成することができる。
第1の実施の形態によれば、n型ウィンドウ層12Wの表面若しくはエッチングされた段差表面には、ウェットエッチングによるダブルフロスト処理技術を用いて凹凸形状のダブルフロスト処理層30DFを形成し、光の取り出し効率の改善された半導体発光素子を提供することができる。
第1の実施の形態によれば、さらにボンディング技術を用いてGaAs基板構造とLED構造の密着性を良好に保ちつつ貼り付けることができ、かつGaAs基板102への光の吸収を防ぐために、反射層に金属層151を用いて光を全反射させ、GaAs基板102への吸収を防ぎ、あらゆる角度の光を反射することが可能になるので、光の取り出し効率の改善された半導体発光素子を提供することができる。
第1の実施の形態においては、各層の導電型を反対にしても良い。
第1の実施の形態においては、基板102として、GaAs基板を適用する例が示されているが、シリコン基板、SiC基板、GaP基板、サファイア基板などを適用することも可能である。
(フロスト処理)
第1の実施の形態において、フロスト処理は、2回行う例をダブルフロスト処理DFとして記載する。ただし、2回に限定されるものではなく、複数回実施しても良い。この場合には、マルチフロスト(MF)処理モードとなる。
第1回目のフロスト処理(フロスト処理温度TF1、フロスト処理時間tF1)では、フロスト処理面は、ランダムな粗い凹凸面として形成される。
第1回目のフロスト処理に連続する第2回目のフロスト処理(フロスト処理温度TF2、フロスト処理時間tF2)では、第1回目のランダムな粗い凹凸面のフロスト処理面に、更に、微細構造の凹凸面を形成する。また、第2回目のフロスト処理条件およびエッチング対象材料によっては、第1回目のランダムな粗い凹凸面の凹凸深さも深く形成される。
また、さらにMF処理モードにおいて、エッチング処理モードEMとフロスト処理モードFMを複数回繰り返しても良い。エッチング処理モードEMでは、エッチング処理時間の経過とともにフロスト処理面が相対的に滑らかな面に移行する。フロスト処理モードFMにおいては、上記の第1回目のフロスト処理(フロスト処理温度TF1、フロスト処理時間tF1)および第2回目のフロスト処理(フロスト処理温度TF2、フロスト処理時間tF2)が連続して実施される。
第1の実施の形態によれば、LED素子表面に複数回フロスト処理を導入することによって、輝度が向上した半導体発光素子を提供することができる。
第1の実施の形態に係る半導体発光素子の製造工程において、第1回目のフロスト処理後の模式的断面構造は、図7に示すように表され、第2回目のフロスト処理後の模式的断面構造は、図8に示すように表される。
第1回目のフロスト処理では、フロスト処理層30Fは、図7に示すように、ランダムな粗い凹凸面として形成される。図7の例では、第1回目のフロスト処理におけるウェットエッチングによって、n型コンタクト層12Cがエッチングで除去され、さらにn型ウィンドウ層12Wの途中までエッチングされている。一方、表面電極層20の周辺部分は、非形成領域20Dが存在している。
第2回目のフロスト処理では、図8に示すように、フロスト処理層30Fのランダムな粗い凹凸面に、更に、微細構造の凹凸面が形成されたダブルフロスト処理層30DFが形成される。微細構造の凹凸面は、図8の領域A部分の拡大図に模式的に示されるように、フロスト処理層30Fのランダムな粗い凹凸面に対して、微細構造の突起構造として形成される。
第1の実施の形態に係る半導体発光素子の製造工程において、第1回目と第2回目のフロスト処理を比較するTEGパターンの模式的平面構成は、図9に示すように表される。すなわち、ウェハ100において、第1回目のフロスト処理後のエッチングマスク領域100Aと、第1回目のフロスト処理および第2回目のフロスト処理のエッチング領域100Bとを形成し、それぞれの第1回目のフロスト処理・第2回目のフロスト処理の表面状態を比較可能である。
第1回目のフロスト処理後の模式的断面構造は、図10(a)に示すように表される、第1回目のフロスト処理後、さらに第2回目のフロスト処理後の模式的断面構造は、図10(b)に示すように表される。また、第1回目のフロスト処理後、さらに図10(b)とは別の条件で第2回目のフロスト処理を行った後の模式的断面構造は、図10(c)に示すように表される。
第1回目のフロスト処理(フロスト処理温度TF1、フロスト処理時間tF1)では、フロスト処理層30Fは、図10(a)に示すように、粗い凹凸面のフロスト処理面を有する。これに対して、第1回目のフロスト処理の後に第2回目のフロスト処理(フロスト処理温度TF2、フロスト処理時間tF2)を行った場合では、図10(b)に示すように、ダブルフロスト処理層30DF1は、第1回目のフロスト処理層30Fの粗い凹凸面に対して、更に、微細構造の凹凸面を有する。
また、第2回目のフロスト処理条件およびエッチング対象材料によっては、図10(c)に示すように、第1回目の粗い凹凸面の凹凸深さが更に深く形成されたダブルフロスト処理層30DF2を有する。ダブルフロスト処理層30DF2も、図10(c)に示すように、微細構造の凹凸面を有する。
第1回目のフロスト処理におけるエッチング処理モード(EM)とフロスト処理モード(FM)を比較した模式的断面構造は、図11(a)に示すように表される。すなわち、第1回目のフロスト処理において、ランダムな粗い凹凸面のフロスト処理層30Fが得られる条件が、フロスト処理モード(FM)であるのに対して、フロスト処理モード(FM)のエッチング時間に対して相対的に長いエッチング時間に移行し、ランダムな粗い凹凸面が相対的に滑らかな面に移行する条件が、エッチング処理モード(EM)である。エッチング処理モードになってしまうと、凹凸による光取り出し効果が弱まってしまうので好ましくない。図11(a)、図11(b)、図11(c)は全てエッチング処理モードを示しており、図10(a)、(b)、(c)の微細凹凸がエッチング処理モードによって消滅してしまっている例である。
一方、第2回目のフロスト処理におけるエッチング処理モード(EM)後の模式的断面構造は、図11(b)に示すように表される。すなわち、ダブルフロスト処理層30DF1が得られたダブルフロスト処理モード(DFM1:図10(b)および図11(c)参照)のエッチング時間に対して相対的に長いエッチング時間に移行し、ランダムな粗い凹凸面が相対的に滑らかな面に移行する条件が、図11(b)に示すエッチング処理モード(EM)である。
第2回目のフロスト処理におけるダブルフロスト処理モードDFM1およびダブルフロスト処理モードDFM2を比較した模式的断面構造は、図11(c)に示すように表される。ダブルフロスト処理モードDFM2は、ダブルフロスト処理モードDFM1に比べて、凹凸面の谷の深さが相対的に深く形成される処理モードである。
第2回目のフロスト処理条件およびエッチング対象材料によっては、図10(c)に示すように、第1回目の粗い凹凸面の凹凸深さが更に深く形成されたダブルフロスト処理層30DF2が形成される。ダブルフロスト処理モードDFM2(図11(c)参照)では、図10(c)に示されるダブルフロスト処理層30DF2の微細凹凸面は、相対的に長いエッチング時間に移行する条件によって、微細凹凸面が滑らかな面に処理されてエッチング処理モード(EM)に移行している。
第1の実施の形態に係る半導体発光素子の製造工程において、n型コンタクト層12Cの表面をフロスト処理した状態の模式的断面構造は、図12(a)に示すように表され、n型コンタクト層12Cの内部まで深くフロスト処理した状態の模式的断面構造は、図12(b)に示すように表され、n型コンタクト層12Cをすべてエッチングした状態の模式的断面構造は、図12(c)に示すように表される。
第1の実施の形態に係る半導体発光素子の製造工程において、図12(a)の例では、n型コンタクト層12Cの表面が、例えば、ピークツーピークでF1の凹凸高さにフロスト処理されている。また、図12(b)の例では、エッチング時間を調整して、図12(a)の例よりも更に長くウェットエッチング処理することによって、n型コンタクト層12Cの内部まで深く、例えば、ピークツーピークでF2(>F1)の凹凸高さにフロスト処理されている。一方、図12(c)の例では、フロスト処理モードからエッチング処理モードに移行しており、n型コンタクト層12Cがすべてエッチングされて、n型ウィンドウ層12Wのエッチング表面ES1が露出されている。
第1の実施の形態に係る半導体発光素子の製造工程においては、図12(a)および図12(b)の構造において、ダブルフロスト処理を実施して、微細構造の凹凸面を形成することができる。すなわち、上記の第1回目のフロスト処理(フロスト処理温度TF1、フロスト処理時間tF1)および第2回目のフロスト処理(フロスト処理温度TF2、フロスト処理時間tF2)が連続して実施される。
第1の実施の形態に係る半導体発光素子の製造工程において、n型ウィンドウ層12Wの内部までフロスト処理した状態の模式的断面構造は、図13(a)に示すように表され、n型ウィンドウ層12Wをすべてエッチングした状態の模式的断面構造は、図13(b)に示すように表される。
第1の実施の形態に係る半導体発光素子の製造工程において、図13(a)の例では、n型ウィンドウ層12Wの表面ES1に対して、更に、フロスト処理を実施して、n型ウィンドウ層12Wの内部までフロスト処理することによって、例えば、ピークツーピークでF3の凹凸高さにフロスト処理されている。ここで、図13(a)の構造において、ダブルフロスト処理を実施して、微細構造の凹凸面を形成することができる。一方、図13(c)の例では、フロスト処理モードFMからエッチング処理モードEMに移行しており、n型ウィンドウ層12Wがすべてエッチングされて、n型クラッド層12CLのエッチング表面ES2が露出されている。
第1の実施の形態に係る半導体発光素子の拡大された模式的平面パターンであって表面電極層20・20a近傍にはフロスト処理層が形成されない様子を示す模式的平面パターン構成は、図14に示すように表される。すなわち、第1の実施の形態に係る半導体発光素子において、フロスト処理を実施しても表面電極層20・20a近傍にはフロスト処理層の非形成領域20Dが存在する。これは、表面電極層20・20a近傍では、フロスト処理のためのエッチング液の回り込みが阻害されて、フロスト処理が十分に実施されないためである。フロスト処理層の非形成領域20Dは、図2〜図4、図7〜図8、および図12〜図13においても図示されている通りである。
(電流の様子)
第1の実施の形態に係る半導体発光素子において、内部のODR金属層11と表面側の表面電極層20・20a間を導通する電流の様子は、例えば、模式的に図15に示すように表される。
第1の実施の形態に係る半導体発光素子において、表面電極層20は平面パターン上の中心部に配置され、表面電極層20に接続されT字形状の表面電極層20aは、表面電極層20から矩形の4辺方向に延伸する。このため、内部のODR金属層11を、介して裏面電極層22と表面電極層20・20a間に、模式的に図15に示すように、電流が導通することで、効率良く発光が行われる。
試作された第1の実施の形態に係る半導体発光素子の表面光学顕微鏡写真例は、図16(a)に示すように表され、発光輝度パターン分布は、図16(b)に示すように表される。図1に対応して、デバイス表面のダブルフロスト処理層30DF部分から相対的に多くの光が取り出されている。一方、表面電極層20・20aおよび内部のODR金属層11に対応するデバイス表面は、相対的に輝度が低い。尚、左下部分には、ボンディングワイヤが存在するため、輝度が低いように見られるが、実際上は他の部分と同様に発光している。
(第1回目のフロスト処理時間と輝度上昇率との関係)
第1の実施の形態に係る半導体発光素子の製造工程において、エッチング液の温度をパラメータとする第1回目のフロスト処理時間tF1と輝度上昇率とΔIL(%)の関係は、図17に示すように表される。図17に示すように、エッチング液の温度は、40℃、45℃、50℃、55℃、60℃と変化させており、フロスト処理時間tF1もエッチング液の温度の上昇とともに相対的に短くなる傾向がある。一方、エッチング液の温度を一定にした状態でフロスト処理時間tF1を増加すると、エッチング液の温度が45℃、50℃、60℃では、特定のフロスト処理時間tF1から輝度上昇率ΔIL(%)のピークレベルの急激な低下が見られる。これは、フロスト処理モードFMからエッチング処理モードEMに移行するためである。一方、エッチング液の温度が55℃の例では、輝度上昇率ΔIL(%)のピークレベルは、例えば、3.5分〜4分の特定のフロスト処理時間tF1の範囲内で、高い状態が保持されている。
第1の実施の形態に係る半導体発光素子の製造工程において、第1回目のフロスト処理後の表面SEM写真であって、エッチング液の温度40℃、フロスト処理時間3分の例は、図18(a)に示すように表され、エッチング液の温度45℃、フロスト処理時間3分の例は、図18(b)に示すように表され、エッチング液の温度50℃、フロスト処理時間3分の例は、図18(c)に示すように表され、エッチング液の温度55℃、フロスト処理時間3分の例は、図18(d)に示すように表される。図18(a)〜図18(d)において、1ミクロン角の範囲内における第1回目のフロスト処理後の表面凹凸数は、それぞれ98個、27個、8個、6個である。
図17に示すように、エッチング液の温度によって、最適なフロスト処理時間tF1が異なる傾向があり、エッチング液の温度が高くなるにつれて、フロスト処理時間tF1が短い時間で輝度上昇率ΔIL(%)のピークレベルが得られる傾向がある。
また、エッチング液の温度が高くなるにつれて、図17に示すように、輝度上昇率ΔIL(%)のピークレベルが高くなる傾向が見られる。たとえば、40℃の場合のピークは約1.29だが、50℃の場合は約1.33であり、60℃の場合は約1.35となっている。
また、図18(a)〜図18(d)に示すように、エッチング液の温度が高くなるにつれて、粗面化されたデバイス表面の凹凸が大きくなる傾向が見られる。
(第2回目のフロスト処理時間と輝度上昇率との関係)
第1の実施の形態に係る半導体発光素子の製造工程において、第1回目のフロスト処理条件をエッチング液の温度55℃、フロスト処理時間tF1を3分30秒とし、エッチング液の温度を40℃とする第2回目のフロスト処理時間tF2と輝度上昇率ΔIL(%)との関係は、図19に示すように表される。
第1の実施の形態に係る半導体発光素子の製造工程において、第2回目のフロスト処理無しの基準例(第1回目のフロスト処理:エッチング液の温度55℃、フロスト処理時間3.5分)の表面SEM写真は、図20(a)に示すように表される。また、第2回目のフロスト処理(エッチング液の温度40℃、フロスト処理時間1分)の表面SEM写真例は、図20(b)に示すように表され、第2回目のフロスト処理(エッチング液の温度40℃、フロスト処理時間2分)の表面SEM写真例は、図20(c)に示すように表され、第2回目のフロスト処理(エッチング液の温度40℃、フロスト処理時間3分)の表面SEM写真例は、図20(d)に示すように表される。
また、図20(b)に対応する拡大された表面SEM写真は、図21(a)に示すように表され、図20(c)に対応する拡大された表面SEM写真は、図21(b)に示すように表され、図20(d)に対応する拡大された表面SEM写真は、図21(c)に示すように表される。
図20(a)に示される相対的に大きな凹凸構造に対して、図20(b)〜図20(d)に示すように、ダブルフロスト処理によって、相対的に大きな凹凸構造の中に相対的に小さな凹凸形状が形成されている。尚、相対的に大きい凹凸も相対的に小さい凹凸も、フロスト処理領域に全体的に均一に形成されている。
第1の実施の形態に係る半導体発光素子の製造工程において、図20(a)に示される第2回目のフロスト処理無しの基準例(第1回目のフロスト処理:エッチング液の温度55℃、フロスト処理時間3.5分)に対して、図20(c)に示される第2回目のフロスト処理(エッチング液の温度40℃、フロスト処理時間2分)条件においては、ダブルフロスト処理の効果によって、輝度上昇率ΔIL(%)は、約15%上昇している。
第1の実施の形態に係る半導体発光素子の製造工程において、n型コンタクト層12Cの表面を第1回目のフロスト処理する状態を説明する模式的断面構造は、図22(a)に示すように表され、図22(a)に対応するエッチングの進行状況を説明する模式的断面構造は、図22(b)に示すように表される。
フロスト処理に適用されるエッチング液は、例えば、酢酸、塩酸、水、および添加剤からなる。添加剤としては、例えば、酢酸ナトリウムなどを用いることができる。ここで、塩酸は、エッチングを促進し、酢酸は、エッチングレートを緩和する働きがある。添加剤は、エッチング核として作用し、エッチング時のマスクとなる。添加剤としては、例えば、酢酸ナトリウムの他、数種類を混合して用いることも可能である。
n型コンタクト層12Cの表面を第1回目のフロスト処理する際には、図22(a)に示すように、添加剤31がn型コンタクト層12Cの表面に所定の間隔で付着される。このため、第1回目のフロスト処理では、添加剤31がマスクとしての効果を発揮して、図22(b)中の矢印に示すように、n型コンタクト層12Cの表面からエッチングが進行して、フロスト処理層30Fが形成される。ここで、フロスト処理に適用されるエッチング液内の塩酸によって、エッチングが進行する。
第1の実施の形態に係る半導体発光素子の製造工程において、n型コンタクト層12Cの内部まで深く第2回目のフロスト処理する状態を説明する模式的断面構造は、図23(a)に示すように表される。ここで、ダブルフロスト処理層30DFは、図12(b)と同様に、ピークツーピークでF2の凹凸高さを有する。また、図23(a)に対応するエッチングの進行状況を説明する模式的断面構造は、図23(b)に示すように表される。
n型コンタクト層12Cの内部まで深く第2回目のフロスト処理する際には、図23(a)に示すように、添加剤31がn型コンタクト層12Cの表面に所定の間隔で配置されると共に、添加剤31がマスクとしての効果を発揮して、図23(b)に示すように、n型コンタクト層12Cの表面から深くエッチングが進行して、ダブルフロスト処理層30DFが形成される。
第1の実施の形態に係る半導体発光素子の製造工程において、n型ウィンドウ層12Wの内部まで深く第2回目のフロスト処理する状態を説明する模式的断面構造は、図24(a)に示すように表される。ここで、ダブルフロスト処理層30DFは、図13(a)と同様に、ピークツーピークでF3の凹凸高さを有する。また、図24(a)に対応するエッチングの進行状況を説明する模式的断面構造は、図24(b)に示すように表される。
n型ウィンドウ層12Wの内部まで深く第2回目のフロスト処理する際には、図24(a)に示すように、添加剤31がn型コンタクト層12Cの表面に所定の間隔で配置されると共に、添加剤31がマスクとしての効果を発揮して、図24(b)に示すように、n型ウィンドウ層12Wの表面から深くエッチングが進行して、ダブルフロスト処理層30DFが形成される。図24(b)においては、凹凸の谷の深さも深くなる場合も模式的に示されている。
図23の構造から更にエッチングが進み、n型コンタクト層12Cが完全に除去され、更にエッチングが進むと、n型ウィンドウ層12Wのエッチングされた面に再度添加剤31が付着し、凹凸構造が形成される。フロスト処理モードFMとエッチング処理モードEMが繰り返し実施されることによって、凹凸が大きくなる。
(素子断面SEM写真)
第1回フロスト処理(エッチング液の温度50℃、フロスト処理時間3分)後の第1の実施の形態に係る半導体発光素子の素子断面SEM写真例は、図25(a)に示すように表され、図25(a)の拡大された素子断面SEM写真例は、図25(b)に示すように表される。
図25(a)および図25(b)に示すように、表面電極層20の周辺部は、フロスト処理においてエッチングされていない。すなわち、表面電極層20の周辺部には、約数μm幅の非形成領域20Dが観測されている。一方、表面電極層20から非形成領域20Dを離隔した範囲では、n型コンタクト層12Cの表面には第1回目のフロスト処理層30Fが形成されている。
(フロスト処理モードとエッチング処理モード)
第1の実施の形態に係る半導体発光素子の製造工程において、フロスト処理モードFMとエッチング処理モードEMにおけるフロスト処理時間tF2と輝度上昇率ΔIL(%)との関係は、模式的に図26(a)に示すように表される。また、n型ウィンドウ層12Wをダブルフロスト処理する際のウェットエッチングの進行状況を説明する模式的断面構造は、図26(b)〜図26(e)に示すように表される。
第1の実施の形態に係る半導体発光素子の製造工程において、n型ウィンドウ層12Wの表面エッチングは、図26(b)に示すように、ウェットエッチングが等方性エッチングのため、下方向のエッチングと横方向のエッチングが均一に実施される。
n型ウィンドウ層12Wのウェットエッチングが進行した様子は、図26(c)に示すように表される。
n型ウィンドウ層12Wのウェットエッチングが進行し、添加剤31が新たな箇所に付着した様子は、図26(d)に示すように表される。
n型ウィンドウ層12Wのウェットエッチングが更に進行し、クラッド層12CLまで到達した様子は、図26(e)に示すように表される。
第1の実施の形態に係る半導体発光素子の製造工程において、エッチング液の温度を一定にした状態でフロスト処理時間tF2を増加すると、特定のフロスト処理時間t2から輝度上昇率ΔIL(%)のピークレベルの急激な低下が見られる。これは、フロスト処理モードFMからエッチング処理モードEMに移行するためである。特に、図26(b)〜図26(e)に例示するように、ダブルフロスト処理におけるエッチング処理モードEMが進行し、n型ウィンドウ層12Wの底部までエッチングされて、n型クラッド層12CLまで到達すると、輝度上昇率ΔIL(%)のピークレベルの急激な低下が見られる。
一方、フロスト処理モードFMの例では、輝度上昇率ΔIL(%)のピークレベルは、例えば、特定のフロスト処理時間t1〜t4の範囲内で、高い状態が保持される。
第1の実施の形態によれば、LED素子の輝度向上の手法として、一度、素子表面を粗面化した面に、再度、粗面化処理を行うことで、光の取り出し効率を向上することができる。その手法は、1回目の粗面化処理を相対的に高温で処理することにより、相対的に大きな凹凸形状を素子表面に形成し、2回目の粗面化処理では、1回目よりも相対的に低い温度で粗面化処理を行うことで、1回目で形成された相対的に大きな凹凸形状の中に相対的に小さな凹凸形状を形成することである。これにより、1回目の粗面化処理では、フロストによる輝度上昇率ΔILが約30%〜約40%であるのに対して、2回目の粗面化処理を行うことで、輝度上昇率ΔILは、約45%〜約55%となる。
すなわち、第1の実施の形態によれば、素子表面の光取り出し効率を上昇するために、新たなフロスト形状の形成方法を確立し、1回目の粗面化処理を相対的に高温で処理することで、素子表面に大きな凹凸形状を形成し、2回目の粗面化処理において、1回目よりも相対的に低い温度で粗面化処理することで、相対的に大きな凹凸形状(ピークツーピークで約0.3μm〜約1.0μm)の中に、相対的に小さな凹凸形状(ピークツーピークで約0.05μm〜約0.2μm)を形成することができる。処理条件としては、例えば、1回目の粗面化処理では、エッチング処理の温度55℃、時間3.5minであり、2回目の粗面化処理では、エッチング処理の温度40℃、時間2.0minである場合に、フロスト形状の微細化により、輝度が、約15%上昇している。
第1の実施の形態によれば、LED素子表面に複数回フロスト処理を導入することによって、輝度が向上した半導体発光素子およびその製造方法を提供することができる。
(変形例1)
第1の実施の形態の変形例1に係る半導体発光素子の模式的断面構造は、図27に示すように表される。第1の実施の形態の変形例1に係る半導体発光素子は、GaP系の半導体発光素子であり、可視光を発光する。
第1の実施の形態の変形例1に係る半導体発光素子は、図27に示すように、基板102と、基板102上に配置された第1導電型の第1クラッド層12CLと、第1クラッド層12CL上に配置されたMQW層14と、MQW層14上に配置された第2導電型の第2クラッド層16CLと、第2クラッド層16CL上に配置された第2導電型のコンタクト層16Cと、コンタクト層16Cの表面に配置されたフロスト処理層30DFとを備える。
フロスト処理層30DFは、コンタクト層16Cの表面若しくは段差表面を複数回フロスト処理することによって形成されていても良い。
また、複数回フロスト処理は、コンタクト層16Cを複数回ウェットエッチングすることによって実施される。
また、複数回フロスト処理は、コンタクト層16Cを2回ウェットエッチングすることによって実施され、第2回目のフロスト処理のエッチング温度は、第1回目のフロスト処理のエッチング温度よりも低く設定されていても良い。
また、フロスト処理層30DFは、GaP層で形成されている。
また、基板102はGaAsで形成され、第1クラッド層12CLおよび第2クラッド層16CLは、AlInP層で形成され、MQW層14は、InGaP/AlGaInPのペアで形成されていても良い。
また、基板102と第1クラッド層12CL間には、分布ブラック反射(DBR)層13を備える。DBR層13は、例えば、GaP/AlInP、GaAs/AlGaAs、GaAs/AlInPの内、いずれかのペアで形成可能である。
第1の実施の形態の変形例1に係る半導体発光素子において、フロスト処理は、ダブルフロスト処理若しくはマルチフロスト処理によって実施可能であるが、フロスト処理の条件は、第1の実施の形態と同様である。
第1の実施の形態の変形例1によれば、第1の実施の形態と同様に、LED素子表面に複数回フロスト処理を導入することによって、輝度が向上した半導体発光素子を提供することができる。
(変形例2)
第1の実施の形態の変形例2に係る半導体発光素子の模式的断面構造は、図28に示すように表される。第1の実施の形態の変形例2に係る半導体発光素子は、AlGaAs系の半導体発光素子であり、赤外光を発光する。
第1の実施の形態の変形例2に係る半導体発光素子の模式的断面構造は、図28に示すように、基板102と、基板102上に配置されたp型コンタクト層16Cと、p型コンタクト層16C上に配置されたp型クラッド層16CLと、p型クラッド層16CL上に配置されたMQW層14と、MQW層14上に配置されたn型クラッド層12CLと、n型クラッド層12CL上に配置されたn型ウィンドウ層12Wと、n型ウィンドウ層12W上に配置されたn型コンタクト層12Cとを備える。
n型ウィンドウ層12Wの表面若しくはエッチングされた段差表面にはダブルフロスト処理された凹凸形状のダブルフロスト処理層30DFが形成されている。
基板102はGaAsで形成され、基板102の表面には、所定のパターンピッチで段差構造40Dが形成される。段差構造40Dは、基板102をエッチングした構造、或いはエアギャップ構造であっても良い。
基板102および段差構造40D上には、金属層152が配置される。更に、金属層152は、金属層151とボンディング接合される。
金属層151上には、絶縁層17およびODR金属層11が所定のパターンで配置される。
基板10の裏面には、裏面電極層22が配置され、n型コンタクト層(GaAs層)12Cの表面には、表面電極層20が配置されている。表面電極層20および裏面電極層22は、いずれも、例えばAu層で形成されている。
p型コンタクト層16Cは、GaP層で形成され、p型クラッド層16CLは、AlGaAs層で形成され、MQW層14は、InGaAs/AlGaAsのペアで形成されていても良い。また、n型クラッド層12CLは、AlGaAs層で形成され、n型ウィンドウ層12Wは、AlGaAs層で形成され、n型コンタクト層12Cは、GaAs層で形成されている。
フロスト処理層30DFは、AlGaAs層で形成されている。
第1の実施の形態の変形例2に係る半導体発光素子において、フロスト処理は、ダブルフロスト処理若しくはマルチフロスト処理によって実施可能であるが、フロスト処理の条件は、第1の実施の形態と同様である。
第1の実施の形態の変形例2によれば、第1の実施の形態と同様に、LED素子表面に複数回フロスト処理を導入することによって、輝度が向上した半導体発光素子を提供することができる。
(変形例3)
第1の実施の形態の変形例3に係る半導体発光素子の模式的断面構造は、図29に示すように表される。第1の実施の形態の変形例3に係る半導体発光素子は、AlInP系の半導体発光素子であり、可視光を発光する。
第1の実施の形態の変形例3に係る半導体発光素子の模式的断面構造は、図29に示すように、基板102と、基板102上に配置されたp型コンタクト層16Cと、p型コンタクト層16C上に配置されたp型クラッド層16CLと、p型クラッド層16CL上に配置されたMQW層14と、MQW層14上に配置されたn型クラッド層12CLと、n型クラッド層12CL上に配置されたn型ウィンドウ層12Wと、n型ウィンドウ層12W上に配置されたn型コンタクト層12Cとを備える。
n型ウィンドウ層12Wの表面若しくはエッチングされた段差表面にはダブルフロスト処理された凹凸形状のダブルフロスト処理層30DFが形成されている。
基板102はGaAsで形成され、基板102の表面には、所定のパターンピッチで段差構造40Dが形成される。段差構造40Dは、基板102をエッチングした構造、或いはエアギャップ構造であっても良い。
基板102および段差構造40D上には、金属層152が配置される。更に、金属層152は、金属層151とボンディング接合される。
金属層151上には、絶縁層17およびODR金属層11が所定のパターンで配置される。
基板10の裏面には、裏面電極層22が配置され、n型コンタクト層(AlInP層)12Cの表面には、表面電極層20が配置されている。表面電極層20および裏面電極層22は、いずれも、例えばAu層で形成されている。
p型コンタクト層16Cは、GaP層で形成され、p型クラッド層16CLは、AlInP層で形成され、MQW層14は、InGaP/AlGaInPのペアで形成されていても良い。また、n型クラッド層12CLは、AlInP層で形成され、n型ウィンドウ層12Wは、AlInP層で形成され、n型コンタクト層12Cは、AlInP層で形成されている。
フロスト処理層30DFは、AlInP層で形成されている。
第1の実施の形態の変形例3に係る半導体発光素子において、フロスト処理は、ダブルフロスト処理若しくはマルチフロスト処理によって実施可能であるが、フロスト処理の条件は、第1の実施の形態と同様である。
第1の実施の形態の変形例3によれば、第1の実施の形態と同様に、LED素子表面に複数回フロスト処理を導入することによって、輝度が向上した半導体発光素子を提供することができる。
[第2の実施の形態]
第2の実施の形態に係る半導体発光素子の模式的断面構造は、図30に示すように、基板10と、基板10上に配置されたn型コンタクト層12Cと、n型コンタクト層12C上に配置されたn型クラッド層12CLと、n型クラッド層12CL上に配置されたMQW層14と、MQW層14上に配置されたp型クラッド層16CLと、p型クラッド層6CL上に配置されたp型ウィンドウ層/コンタクト層16とを備える。
p型ウィンドウ層/コンタクト層16の表面にはダブルフロスト処理された凹凸形状のダブルフロスト処理層30DFが形成されている。ここで、ダブルフロスト処理については、第1の実施の形態と同様のウェットエッチング技術による多重フロスト処理技術を適用することができる。
基板10はGaAsで形成され、n型コンタクト層12Cおよびn型クラッド層12CLは、AlInGaP層で形成され、MQW層14は、InGaP/AlInGaPのペアで形成されている。p型クラッド層16CLおよびp型ウィンドウ層/コンタクト層16は、AlInGaP層で形成される。
基板10の裏面には、裏面電極層22が配置され、p型ウィンドウ層/コンタクト層16の表面には、表面電極層20が配置されている。表面電極層20および裏面電極層22は、いずれも、例えばAu層で形成されている。
第2の実施の形態によれば、p型ウィンドウ層/コンタクト層16の表面にウェットエッチングによるダブルフロスト処理技術を用いて凹凸形状を形成し、光の取り出し効率の改善された半導体発光素子を提供することができる。
なお、p型ウィンドウ層/コンタクト層16の構成は、p型AlGaInP層(第2クラッド層)16CLと同様の構成を採用しても良い。p型ウィンドウ層/コンタクト層16は、コンタクト層とウィンドウ層の積層構造であっても良い。例えば、MQW層14が赤色発光の場合、クラッド層を(Al0.5Ga0.5)0.5In0.5Pとし、ウィンドウ層を(AlxGa1-x)0.5In0.5P(x>0.5)としても良い。
(変形例1)
第2の実施の形態の変形例1に係る半導体発光素子の模式的断面構造は、図31に示すように、さらにダブルフロスト処理層30DF上に透明電極層24を備える。透明電極層24は、ITOなどで形成される。さらに、透明電極層24上に、表面電極層20が配置されている。尚、ダブルフロスト処理層30DFは、平面的に見て表面電極層20と重なる領域を避けて形成される。
(変形例2)
第2の実施の形態の変形例2に係る半導体発光素子の模式的断面構造は、図32に示すように、基板構造(基板10)とn型クラッド層12CL間に、DBR層13を備える。その他の構成は、第2の実施の形態と同様であるため、重複説明は省略する。
DBR層13は、例えば、AlInGaP/AlInP、GaAs/AlGaAs、G
aAs/AlInPの内、いずれかのペアで形成することができる。
(変形例3)
第2の実施の形態の変形例3に係る半導体発光素子の模式的断面構造は、図33に示すように、p型ウィンドウ層/コンタクト層16の表面全面にダブルフロスト処理されて、凹凸形状のダブルフロスト処理層30DFが形成され、さらにダブルフロスト処理層30DF上には透明電極層24を備える。透明電極層24は、ITOなどで形成される。さらに、透明電極層24上に、表面電極層20が配置されている。
p型ウィンドウ層/コンタクト層16の表面のダブルフロスト処理では、第1の実施の形態と同様のウェットエッチング技術による多重フロスト処理技術を適用することができる。
第2の実施の形態によれば、AlInGaP層で形成されたp型ウィンドウ層/コンタクト層16の表面にダブルフロスト処理を用いて凹凸形状を形成し、さらに、基板10とn型クラッド層12CL間に、DBR層13を備える構造によって、光の取り出し効率の改善された半導体発光素子を提供することができる。
(変形例4)
第2の実施の形態の変形例4に係る半導体発光素子の模式的断面構造は、図34に示すように、基板10と、基板10上に配置される金属層15と、金属層15上に配置され,パターニングされた金属コンタクト層11および絶縁層17と、金属コンタクト層11および絶縁層17上に配置されるp型コンタクト層16Cと、p型コンタクト層16C上に配置されるp型クラッド層16CLと、p型クラッド層16CL上に配置されるMQW層14と、MQW層14上に配置されたn型クラッド層12CLと、n型クラッド層12CL上に配置されたn型ウィンドウ層/コンタクト層12とを備える。
n型ウィンドウ層/コンタクト層12の表面にはダブルフロスト処理された凹凸形状のダブルフロスト処理層30DFが形成されている。ここで、ダブルフロスト処理については、第1の実施の形態と同様のウェットエッチング技術による多重フロスト処理技術を適用することができる。
基板10はGaAsで形成され、n型AlGaInP層12およびp型AlGaInP層16は、AlInGaP層で形成され、多重量子井戸層14は、InGaP/AlInGaPのペアで形成されている。
基板10はGaAsで形成され、p型コンタクト層16Cおよびp型クラッド層16CLは、AlInGaP層で形成され、MQW層14は、InGaP/AlInGaPのペアで形成されている。n型クラッド層12CLおよびn型ウィンドウ層/コンタクト層12は、AlInGaP層で形成される。
基板10の裏面には、裏面電極層22が配置され、n型ウィンドウ層/コンタクト層12の表面には、表面電極層20が配置されている。表面電極層20および裏面電極層22は、いずれも、例えばAu層で形成されている。
(変形例5)
第2の実施の形態の変形例5に係る半導体発光素子の模式的断面構造は、図35に示すように、n型ウィンドウ層/コンタクト層12の表面全面にダブルフロスト処理されて、凹凸形状のダブルフロスト処理層30DFが形成され、さらにダブルフロスト処理層30DF上には透明電極層24を備える。透明電極層24は、ITOなどで形成される。さらに、透明電極層24上に、表面電極層20が配置されている。
n型ウィンドウ層/コンタクト層12の表面のフロスト処理では、ウェットエッチング技術によるダブルフロスト処理技術を適用することができる。
図34および図35の構造において、金属層15は、例えばAu層で形成され、例えば厚さは約2.5〜5μmである。また、金属コンタクト層11は、例えばAuBe層あるいはAuBeとNiとの合金層などで形成され、例えば厚さは、絶縁層17と同程度であり、約450nmである。絶縁層17は、例えばシリコン酸化膜、シリコン窒化膜、SiON膜、SiOxNy膜、或いはこれらの多層膜などで形成される。
Au層からなる金属層15は青色光、紫外光を吸収するため、このような短波長側の光を反射するためには、例えばAg、Al、Ni、Cr若しくはW層などからなる金属バッファ層を金属層15と金属コンタクト層11および絶縁層17との間に備えていても良い。
第2の実施の形態の変形例4および変形例5に係る半導体発光素子は、ボンディング技術を用いて形成することができる。
金属層15を用いて、GaAs基板10と、エピタキシャル成長層からなるLED構造を貼り付けることにより、反射率のよい金属反射層を形成することを可能にしている。金属反射層は、金属層15によって形成される。LEDからの放射光は、絶縁層17と、金属層15との界面によってミラー面が形成されるため、当該ミラー面において反射される。金属コンタクト層11は、金属層15とp型コンタクト層16Cとのオーミックコンタクトを取るための層であり、金属層15とp型コンタクト層16Cの界面に介在し、絶縁層17と同程度の厚さを有する。
金属コンタクト層11のパターン幅が広い場合には、実質的な発光領域が制限されるため、面積効率が低下し発光効率が減少する。一方、金属コンタクト層11のパターン幅が狭い場合には、金属コンタクト層11の面積抵抗が増大し、LEDの順方向電圧Vfが上昇するため、最適なパターン幅およびパターン構造が存在する。幾つかのパターン例では、六角形を基本とするハニカムパターン構造、或いは、円形を基本とするドットパターン構造が存在する。これらのパターン形状については、変形例6に関連して、図41よび図42を用いて説明する。
第2の実施の形態の変形例5に係る半導体発光素子は、GaAs基板10上に配置される金属層(図示省略)、およびLED側に配置される金属層15をともにAu層によって形成することで、GaAs基板10側の金属層(図示省略)とエピタキシャル成長層からなるLED構造側の金属層15を熱圧着によって貼り付けることができる。
貼付けの条件は、例えば、約250℃〜700℃、望ましくは300℃〜400℃であり、熱圧着の圧力は、例えば、約10MPa〜20MPa程度である。
第2の実施の形態の変形例5に係る半導体発光素子によれば、金属反射層となる金属層15と、p型コンタクト層16Cとの間に透明な絶縁層17を形成することにより、p型コンタクト層16Cと金属層15との接触を避け、光の吸収を防ぎ、反射率の良い金属反射層を形成することができる。
第2の実施の形態の変形例5によれば、n型ウィンドウ層/コンタクト層12の表面にダブルフロスト処理を用いて凹凸形状を形成し、さらに金属層15を用いて、反射率のよい金属反射層を形成することによって、光の取り出し効率の改善された半導体発光素子を提供することができる。
なお、n型ウィンドウ層/コンタクト層12の構成は、n型クラッド層12CLと同様の構成を採用しても良い。n型ウィンドウ層/コンタクト層12は、コンタクト層とウィンドウ層の積層構造であっても良い。例えば、MQW層14が赤色発光の場合、クラッド層を(Al0.5Ga0.5)0.5In0.5Pとし、ウィンドウ層を(AlxGa1-x)0.5In0.5P(x>0.5)としても良い。
(変形例6・変形例7)
第2の実施の形態の変形例6に係る半導体発光素子の模式的断面構造は、図36に示すように表される。
第2の実施の形態の変形例6に係る半導体発光素子において、基板構造は、表面に溝部を形成した基板10と、基板10の表面,溝部の側壁および溝部の底面に配置された金属バッファ層42と、金属バッファ層42上に配置された金属層41と、金属層41上に配置され、パターニングされた金属コンタクト層11および絶縁層17とを備えていても良い。
第2の実施の形態の変形例6に係る半導体発光素子の模式的断面構造は、図36に示すように、表面に複数の溝部40を形成した基板10と、基板10の表面,溝部40の側壁および底面に配置された金属バッファ層42と、金属バッファ層42上に配置された金属層41と、金属層41上に配置された金属層15と、金属層15上に配置され、パターニングされた金属コンタクト層11および絶縁層17と、金属コンタクト層11および絶縁層17上に配置されるp型コンタクト層16Cと、p型コンタクト層16C上に配置されるp型クラッド層16CLと、p型クラッド層16CL上に配置されるMQW層14と、MQW層14上に配置されたn型クラッド層12CLと、n型クラッド層12CL上に配置されるn型ウィンドウ層/コンタクト層12とを備える。
n型ウィンドウ層/コンタクト層12の表面にはダブルフロスト処理された凹凸形状のダブルフロスト処理層30DFが形成されている。ここで、ダブルフロスト処理については、第1の実施の形態と同様のウェットエッチング技術による多重フロスト処理技術を適用することができる。
基板はGaAsで形成され、p型コンタクト層16Cとp型クラッド層16CLは、AlInGaP層で形成され、多重量子井戸層は、InGaP/AlInGaPのペアで形成され、n型クラッド層12CLおよびn型ウィンドウ層/コンタクト層12は、AlInGaP層で形成されている。
第2の実施の形態の変形例7に係る半導体発光素子の模式的断面構造は、図37に示すように、n型ウィンドウ層/コンタクト層12の表面全面にダブルフロスト処理されて、凹凸形状のダブルフロスト処理層30DFが形成され、さらにダブルフロスト処理層30DF上には透明電極層24を備える。
n型ウィンドウ層/コンタクト層12の表面のフロスト処理では、ウェットエッチング技術によるダブルフロスト処理技術を用いて、凹凸形状のダブルフロスト処理層30DFを形成することができる。
第2の実施の形態の変形例6および変形例7に係る半導体発光素子の構造において、金属層15は、例えばAu層で形成され、例えば厚さは約2.5〜5μm程度である。また、金属コンタクト層11は、例えばAuBe層あるいはAuBeとNiとの合金層などで形成され、例えば厚さは、絶縁層17と同程度であり、約450nm程度である。絶縁層17は、例えばシリコン酸化膜、シリコン窒化膜、SiON膜、SiOxNy膜、或いはこれらの多層膜などで形成される。
Au層からなる金属層15は青色光、紫外光を吸収するため、このような短波長側の光を反射するためには、例えばAg、Al、Ni、Cr若しくはW層などからなる金属バッファ層を金属層15と金属コンタクト層11および絶縁層17との間に備えていても良い。
第2の実施の形態の変形例6に係る半導体発光素子に適用されるGaAs基板10は、図36に示すように、表面に複数の溝部40を形成し、GaAs基板10の表面,溝部40の側壁および底面上に配置されたチタン(Ti)層からなる金属バッファ層42と、金属バッファ層42の表面に配置されたAu層からなる金属層41を備える。
第2の実施の形態の変形例6に係る半導体発光素子は、GaAs基板10と、LEDをボンディング技術によって互いに貼り付けて形成することができる。
LED構造側に配置された金属層15によって金属反射層が形成される。LEDからの放射光は、p型コンタクト層16Cと、金属層15との界面によってミラー面が形成されるため、当該ミラー面において反射される。
第2の実施の形態の変形例6に係る半導体発光素子は、図36に示すように、金属層41および金属層15をともにAu層によって形成することで、GaAs基板10側の金属層41とエピタキシャル成長層からなるLED構造側の金属層15を熱圧着によって貼り付けると共に、溝部の金属層41と金属層15との間には、エアギャップが存在する。
貼付けの条件は、例えば、約250℃〜700℃、望ましくは300℃〜400℃であり、熱圧着の圧力は、例えば、約10MPa〜20MPa程度である。エアギャップを設けたことにより、金属層41と金属層15の接触面積は、全面を密着させる構造に比較して、減少している。上記熱圧着の圧力は、結果として、エアギャップを設けたことにより、相対的に接触面積が低下した金属層41と金属層15の接触面積に加圧されることになり、金属層41と金属層15の熱圧着時において、貼り付け強度が高くなる。したがって、GaAs基板10と、LED構造を貼り付けるに際して、エアギャップが存在することにより、GaAs基板10の表面に配置された金属層41と金属層15との密着性を良好に保つことができる。
第2の実施の形態の変形例6に係る半導体発光素子によれば、金属層41と金属層15との密着性を良好に保ちつつ、GaAs基板10への光の吸収を防ぐために、反射層に金属を用いて光を全反射させ、GaAs基板10への吸収を防ぐようにしている。半導体基板の材料としては、GaAs他に、Siなどの不透明な半導体基板材料を用いることができる。
(製造方法)
第2の実施の形態の変形例6に係る半導体発光素子の製造方法を以下に説明する。
(a)まず、貼付け用のGaAs基板構造、および貼付け用のLED構造を準備する。
まず、GaAs基板10の表面に反応性イオンエッチング(RIE:Reactive Ion Etching)、もしくはウェットエッチング技術により、所定のピッチと幅を有するストライプ状の溝を形成する。ストライプ溝の幅は、例えば約10μm,約30μm,或いは約60μm程度であり、ピッチは、例えば約100μm,200μm,410μm,1000μm,或いは2000μm程度である。尚、溝部40は、ストライプ形状に限定されるものではなく、格子状、ドット状、渦巻き状、六角形パターン形状などであってもよい。また、溝部40の深さは、ストライプの幅と同程度若しくは、浅くてもよい。上記エッチングの代りに、YAGレーザなどを用いて、レーザ光によるカッティング技術、ダイサーによるカッティング技術などを適用して、所定の深さに溝部をしてもよい。
(b)さらに、表面に複数の溝部40を形成したGaAs基板10上にチタン合金からなる金属バッファ層42およびAuなどからなる金属層41をスパッタリング法、真空蒸着法などを用いて順次形成する。
(c)LED構造においては、GaAs基板(図示省略)上に分子線エピタキシャル成長法(MBE:Molecular Beam Epitaxy)、MOCVD(Metal Organic Chemical Vapor Deposition)法などを用いて、p型コンタクト層16C、p型クラッド層16CL、MQW層14およびn型クラッド層12CL、n型ウィンドウ層/コンタクト層12を順次形成する。次に、p型コンタクト層16C上にリフトオフ法を用いて、パターニングされた絶縁層17に対して、金属コンタクト層11および金属層15を形成する。
(d)次に、貼付け用のGaAs基板構造、および貼付け用のLED構造を貼り付ける。貼り付け工程においては、例えばプレス機を用いて、熱圧着温度として約340℃程度、熱圧着の圧力として約18MPa程度、熱圧着の時間として約10分程度の条件で実施する。結果として、図36に示すように、溝部40の金属層41と金属層15との間には、エアギャップが形成される。
(e)次に、図36に示すように、GaAs基板10の裏面に対して、チタン層およびAuなどからなる裏面電極層22をスパッタリング法、真空蒸着法などを用いて形成する。
(f)次に、裏面電極層22をレジストなどで保護した後、GaAs基板(図示省略)をエッチングにより除去する。例えばアンモニア/過酸化水素水からなるエッチング液を用い、エッチング時間は、約65〜85分程度である。
(g)次に、図36に示すように、n型ウィンドウ層/コンタクト層12上に、表面電極層20をスパッタリング法、真空蒸着法などを用いて形成後、パターニングする。表面電極層20のパターンは絶縁層17のパターンに略一致させているが、金属コンタクト層11のパターンに一致させても良い。表面電極層20の材料としては、例えばAu/AuGe−Ni合金/Auからなる積層構造を用いることができる。
(h)次に、ウェットエッチングによるダブルフロスト処理を実施して、表面電極層20の直下のn型ウィンドウ層/コンタクト層12以外の、n型ウィンドウ層/コンタクト層12の表面処理を行う。ウェットエッチングによるダブルフロスト処理の条件としては、第1の実施の形態と同様である。
尚、金属バッファ層42の材料としては、チタン合金の代りとして、例えばタングステン(W)バリアメタル、白金(Pt)バリアメタルなどを用いることもできる。
以上の説明により、図36に示すように、表面に複数の溝部40を形成したGaAs基板10を用いた第2の実施の形態の変形例6に係る半導体発光素子が完成される。
また、第2の実施の形態の変形例7に係る半導体発光素子の製造方法では、図37に示すように、ウェットエッチングによるダブルフロスト処理技術を用いて、n型ウィンドウ層/コンタクト層12の表面全面上にダブルフロスト処理を行った後、ITOからなる透明電極層24を形成する。さらに透明電極層24上に、表面電極層20を形成することによって、図37の構造を形成することができる。
(平面パターン構成)
第2の実施の形態の変形例6に係る半導体発光素子の模式的平面パターン構成例を図38〜図40に示す。
n型ウィンドウ層/コンタクト層12は、図38に示すように、例えば、矩形の平面パターンを有し、表面電極層20は、矩形の平面パターン上の中心部に配置された中心電極27と、中心電極27に接続され,中心電極27から矩形の対角線方向に延伸する結合電極26と、結合電極26に接続され,かつ矩形の四隅に配置された周辺電極25とを備える。
周辺電極25は、開口部28を有する。図38の例では、開口部28は矩形である。
図39は、第2の実施の形態の変形例6に係る半導体発光素子の表面電極層の別の平面パターン構成図を示す。また、図40は、第2の実施の形態の変形例6に係る半導体発光素子の表面電極層の更に別の平面パターン構成図を示す。
図39に示すように、開口部28は、真円、実質的に円形であっても良く、また楕円、長円などであっても良い。
また、図40に示すように、周辺電極32は、結合電極26に直交する部分を備えていても良い。また、周辺電極32は、複数本配置されていても良い。また、複数本配置されている場合、周辺電極32の長さは互いに異なっていても良い。
さらに、ここでは図示されていないが、周辺電極32は、フラクタル図形の構造に配置されていても良い。
(金属コンタクト層11の平面パターン構造)
第2の実施の形態の変形例6に係る半導体発光素子の金属コンタクト層11および絶縁層17の模式的平面パターン構成例を図41〜図42に示す。
金属コンタクト層11のパターン幅が広い場合には、実質的な発光領域が制限されるため、面積効率が低下し発光効率が減少する。一方、金属コンタクト層11のパターン幅が狭い場合には、金属コンタクト層11の面積抵抗が増大し、LEDの順方向電圧Vfが上昇する。このため、最適なパターン幅WおよびパターンピッチD1が存在する。幾つかのパターン例では、六角形を基本とするハニカムパターン構造、或いは、円形ドット形状を基本構造とする円形ドットパターン構造が存在する。
第2の実施の形態の変形例6に係る半導体発光素子に適用される金属コンタクト層11の模式的平面パターン構造は、例えば、図41に示すように、六角形を基本構造とするハニカムパターン構造を有する。図41において、パターン幅Wで示される形状部分が図36における例えばAuBe層あるいはAuBeとNiとの合金層などで形成される金属コンタクト層11のパターンを示し、幅D1を有する六角形パターンは、絶縁層17の部分に相当し、LEDからの放射光が導光する領域を表す。幅D1は、例えば約100μm程度であり、パターン幅Wは、約5μm〜約11μm程度である。
第2の実施の形態の変形例6に係る半導体発光素子に適用される金属コンタクト層11の別の模式的平面パターン構造は、例えば図42に示すように、円形を基本とするドットパターン構造を有する。図42において、幅dで示される形状部分が図36における例えばAuBe層あるいはAuBeとNiとの合金層などで形成される金属コンタクト層11のパターンを示し、幅D2を有するパターンピッチで配置されている。図42において、幅d、パターンピッチD2を有する円形のパターン部分以外の領域が、絶縁層17の部分に相当し、LEDからの放射光が導光する領域を表す。パターンピッチD2は、例えば約100μm程度であり、幅dは、約5μm〜約11μm程度である。
また、第2の実施の形態の変形例6に係る半導体発光素子に適用される金属コンタクト層11の模式的平面パターン構造は、六角形ハニカムパターン、円形ドットパターンに限定されるものではなく、三角形パターン、矩形パターン、六角形パターン、八角形パターン、円形ドットパターンなどをランダムに配置するランダムパターンを適用することもできる。
第2の実施の形態の変形例6に係る半導体発光素子に適用される金属コンタクト層11の模式的平面パターン構造は、導光領域の面積を確保してLEDからの発光輝度を低下させず、かつLEDの順方向電圧Vfが上昇しない程度の金属配線パターン幅を確保できればよい。
第2の実施の形態の変形例6によれば、n型ウィンドウ層/コンタクト層12の表面にダブルフロスト処理技術を用いて凹凸形状のダブルフロスト処理層30DFを形成し、さらにボンディング技術を用いてGaAs基板構造とLED構造の密着性を良好に保ちつつ貼り付けることができ、かつGaAs基板への光の吸収を防ぐために、反射層に金属を用いて光を全反射させ、GaAs基板への吸収を防ぎ、あらゆる角度の光を反射することが可能になるので、光の取り出し効率の改善された半導体発光素子を提供することができる。
第2の実施の形態および変形例1〜7においては、導電型を反対に構成しても良い。
第2の実施の形態および変形例1〜7においては、基板10として、主として、GaAs基板を適用する例が開示されているが、シリコン基板、SiC基板、GaP基板、サファイア基板などを適用することも可能である。
[第3の実施の形態]
(素子構造)
図43は、第3の実施の形態に係る半導体発光素子の原理説明図である。図43(a)は、GaAs基板の模式的断面構造図を示す。
第3の実施の形態に係る半導体発光素子に適用されるp型若しくはn型GaAs基板は、図43(a)に示すように、p型若しくはn型GaAs層(3、6)と、ピッチL,幅Wを有するストライプ状の溝が形成されたp型若しくはn型GaAs層(3、6)の表面に配置された金属層1とを備える。ストライプ溝の幅Wは、例えば約10μm,約30μm,或いは約60μm程度であり、ピッチLは、例えば約100μm,200μm,410μm,1000μm,或いは2000μm程度である。尚、溝部は、ストライプ形状に限定されるものではなく、格子状、ドット状、渦巻き状、六角形パターン形状などであってもよい。また、溝部の深さは、ストライプの幅Wと同程度若しくは、浅く形成される。
図43(b)は、図43(a)に示したGaAs基板と、LEDをウェハボンディング技術によって互いに貼り付けて形成した半導体発光素子の模式的断面構造を示す。LED側は、例えばエピタキシャル成長によって形成されたp型クラッド層16CLと、p型クラッド層16CL上に形成された金属層15で示されており、その他の活性層などは図示を省略している。GaAs層(3,6)の表面に配置された金属層1を用いて、GaAs基板と、LEDを貼り付けるとともに、溝部の金属層1と金属層15との間にはエアギャップ(空隙)40が存在する。
すなわち、このような溝部をGaAs基板表面に形成することによって、LEDをウェハボンディング技術によってGaAs基板に貼り付ける時に、空気の逃げ道を作り、さらに高温加熱時の熱膨張で生じる応力を緩和させることができる。結果として、半導体基板、絶縁膜、金属層の熱膨張係数の違いによる各層間の剥がれを防止することができる。
図43(c)は、さらにチップ化後の模式的断面構造図を示す。p型若しくはn型GaAs基板の表面に形成したストライプ状の溝部に形成されたエアギャップ40が完成したチップ内に含まれている。ピッチLが大きい場合には、エアギャップ40が完成したチップ内に含まれない場合もある。
第3の実施の形態に係る半導体発光素子に適用されるGaAs基板の導電型としては、p型、n型のいずれにおいても適用可能である。図44は、第3の実施の形態に係る半導体発光素子に適用されるp型GaAs基板構造の模式的断面構造を示し、図45は、n型GaAs基板構造の模式的断面構造を示す。また、図46は、第3の実施の形態に係る半導体発光素子に適用されるLEDの模式的断面構造を示す。
図47は、図44乃至図45に示したp型乃至n型GaAs基板3(6)と、図46に示したLEDをウェハボンディング技術によって互いに貼り付けて形成した第3の実施の形態に係る半導体発光素子の模式的断面構造を示す。
第3の実施の形態に係る半導体発光素子に適用されるp型GaAs基板構造は、図44に示すように、表面に溝部を形成したp型GaAs層3と、p型GaAs層3の表面、溝部の側壁および溝部の底面に配置された金属バッファ層2と、金属バッファ層2上に配置された金属層1と、p型GaAs層3の裏面に配置された金属バッファ層4と、金属バッファ層4のp型GaAs層3と反対側の表面に配置された金属層5とを備える。
第3の実施の形態に係る半導体発光素子に適用されるn型GaAs基板構造は、図45に示すように、表面に溝部を形成したn型GaAs層6と、n型GaAs層6の表面、溝部の側壁および溝部の底面に配置された金属バッファ層2と、金属バッファ層2上に配置された金属層1と、n型GaAs層6の裏面に配置された金属バッファ層4と、金属バッファ層4のn型GaAs層6と反対側の表面に配置された金属層5とを備える。
図44の構造において、金属層1、5はいずれもAu層によって形成され、金属バッファ層2、4は、p型GaAs層3とコンタクトを取るために、例えばAuBe層によって形成可能である。また、図45の構造において、金属層1、5はいずれもAu層によって形成され、金属バッファ層2、4は、n型GaAs層6とコンタクトを取るために、例えばAuGe層によって形成可能である。
第3の実施の形態に係る半導体発光素子に適用されるLEDの模式的断面構造は、図46に示すように、金属層15と、金属層15上に配置される金属コンタクト層11と、金属コンタクト層11上に配置されるp型クラッド層16CLと、p型クラッド層16CL上に配置されるMQW層14と、MQW層14上に配置されるn型クラッド層12CLと、n型クラッド層12CL上に配置されるn型ウィンドウ層/コンタクト層12とを備える。
図46の構造において、金属層15は、例えばAu層で形成される。また、金属コンタクト層は、例えばAuBe層あるいはAuBeとNiとの合金層などで形成される。p型クラッド層16CLは、例えばAlGaAs層若しくは導電型をp-型とするAlGaAs層と導電型をp+型とするAlGaAs層との多層構造によって形成され、厚さは、例えば約0.1μm程度である。MQW層14は、例えばGaAs/AlGaAs層からなるヘテロ接合ペアを約100ペア積層した多重量子井戸構造からなり、厚さは、例えば約1.6μm程度に形成される。n型クラッド層12CLは、例えばn型AlGaAs層によって形成され、厚さは、例えば約0.1μm程度である。n型ウィンドウ層/コンタクト層12は、例えばAlGaAs層の多層構造とAlGaAs層の多層構造上に形成されたGaAs層からなり、全体の厚さは、約0.95μm程度である。
第3の実施の形態に係る半導体発光素子は、図47に示すように、図44乃至図45に示したp型乃至n型GaAs基板と、図46に示したLED構造をウェハボンディング技術によって互いに貼り付けて形成する。
第3の実施の形態に係る半導体発光素子は、図47に示すように、表面に溝部を形成した基板3(6)と、基板3(6)の溝部が形成された表面上に形成された第1金属層2と、第1金属層2上に形成された第2金属層1と、第2金属層1上に形成された第3金属層15と、第3金属層15上に形成され、発光層14を含む半導体層(16CL・14・12CL・12)と、半導体層(16CL・14・12CL・12)上に配置されたフロスト処理層30DFとを備える。
また、フロスト処理層30DFは、コンタクト層/ウィンドウ層12の表面若しくはエッチング表面を複数回ウェットエッチングすることによって形成可能である。
また、フロスト処理層30DFは、コンタクト層/ウィンドウ層12の表面若しくはエッチング表面を2回ウェットエッチングすることによって形成され、第2回目のフロスト処理のエッチング温度は、第1回目のフロスト処理のエッチング温度よりも低い条件によって形成可能である。
また、第1金属層2の表面は、溝部が形成された基板3(6)の表面の形状を反映した凹凸部が形成されていても良い。
また、第2金属層1の第1金属層2側の表面は平面状であり、第1金属層2の凸部と第2金属層1との接触面において接着されていても良い。
また、第2金属層1および第3金属層15は、熱圧着されていても良い。
また、第1金属層2は、溝部が形成された基板3(6)の裏面上に形成された金属バッファ層4と、金属バッファ層4上に形成された第4金属層5とを含んでいても良い。
金属バッファ層4は、Auを含む合金層であり、第4金属層5は、Auで形成可能である。
溝部の第2金属層1と第3金属層と15の間にはエアギャップ40が存在する。
溝部の幅は、例えば、約10μm以上約60μm以下である。
溝部の深さは、溝部の幅以下である。
溝部は、互いに隣り合う部分を有しており、隣り合う溝部の間隔は、例えば、約100μm〜約2000μmである。
溝部のパターン形状は、ストライプ状、格子状、ドット状、渦巻き状、六角形パターン形状を含む。
基板3(6)は、不透明な材料で形成されていても良い。また、基板3(6)は、GaAsまたはSiで形成されていても良い。或いは、基板3(6)は、Ge、SiGe、SiC、またはGaNで形成されていても良い。
すなわち、第3の実施の形態に係る半導体発光素子は、図47に示すように、表面に溝部を形成したp(n)型GaAs層3(6)と、p(n)型GaAs層3(6)の表面、溝部の側壁および溝部の底面に配置された金属バッファ層2と、金属バッファ層2上に配置された金属層1と、p(n)型GaAs層3(6)の裏面に配置された金属バッファ層4と、金属バッファ層4のp(n)型GaAs層3(6)と反対側の表面に配置された金属層5とを備えるp(n)型GaAs基板構造と、当該p(n)型GaAs基板構造上に配置され、金属層15と、金属層15上に配置される金属コンタクト層11と、金属コンタクト層11上に配置されるp型クラッド層16CLと、p型クラッド層16CL上に配置されるMQW層14と、MQW層14上に配置されるn型クラッド層12CLと、n型クラッド層12CL上に配置されるn型ウィンドウ層/コンタクト層12を備えるLED構造とから構成される。
n型ウィンドウ層/コンタクト層12の表面にはダブルフロスト処理された凹凸形状のダブルフロスト処理層30DFが形成されている。ここで、ダブルフロスト処理については、第1の実施の形態と同様のウェットエッチング技術による多重フロスト処理技術を適用することができる。
p(n)型GaAs層3(6)の表面に配置された金属層1および金属層15を用いて、p(n)型GaAs基板構造と、エピタキシャル成長層からなるLED構造を貼り付けると共に、溝部の金属層1と金属層15との間にはエアギャップ40が存在することにより、p(n)型GaAs層3(6)の表面に配置された金属層1と金属層15との密着性を良好に保つことができ、バリアメタルが不要で、反射率のよい金属反射層を形成することを可能にしている。
金属反射層は、予め、LED構造側に配置された金属層15によって形成される。LEDからの放射光は、p型クラッド層16CLと、金属層15との界面によってミラー面が形成されるため、当該ミラー面において反射される。金属コンタクト層11は金属層15とp型クラッド層16CLとのオーミックコンタクトを取るための層であるが、金属層15とp型クラッド層16CLとの界面に介在し、ミラー面の一部を形成している。
第3の実施の形態に係る半導体発光素子は、図47に示すように、金属層1および金属層15をともにAu層によって形成することで、GaAs基板側の金属層1とエピタキシャル成長層からなるLED構造側の金属層15を熱圧着によって貼り付けることができる。
貼付けの条件は、例えば、約250℃〜700℃、望ましくは300℃〜400℃であり、熱圧着の圧力は、例えば、約10MPa〜20MPa程度である。エアギャップ40を設けたことにより、金属層1と金属層15の接触面積は、全面を密着させる構造に比較して、減少している。上記熱圧着の圧力は、結果として、エアギャップ40を設けたことにより、相対的に接触面積が低下した金属層1と金属層15の接触面積に加圧されることになり、金属層1と金属層15の熱圧着時において、貼り付け強度が高くなる。したがって、p(n)型GaAs基板構造と、エピタキシャル成長層からなるLED構造を貼り付けるに際して、エアギャップ40が存在することにより、p(n)型GaAs層3(6)の表面に配置された金属層1と金属層15との密着性を良好に保つことができる。
第3の実施の形態に係る半導体発光素子によれば、n型ウィンドウ層/コンタクト層12の表面にダブルフロスト処理技術を用いて凹凸形状のダブルフロスト処理層30DFを形成し、LEDの高輝度化を図ることができる。
また、第3の実施の形態に係る半導体発光素子によれば、ウェハボンディング技術を用いてGaAs基板構造とLED構造を密着性を良好に保ちつつ貼り付けることができ、かつ、Auからなる金属層15を用いることで光の反射率の良い金属反射層をLED側の構造に形成することができるので、LEDの高輝度化を図ることができる。
(変形例1・2)
(素子構造)
図48は、第3の実施の形態の変形例1に係る半導体発光素子に適用されるLEDの模式的断面構造を示す。また、図49は、第3の実施の形態の変形例2に係る半導体発光素子に適用されるLEDの模式的断面構造を示す。
図50は、p型乃至n型GaAs基板10と、図49に示したLEDをウェハボンディング技術によって互いに貼り付けて形成した第3の実施の形態の変形例2に係る半導体発光素子の模式的断面構造を示す。尚、図50において、GaAs基板10上に配置される、例えばAu層からなる金属層は、図示を省略している。或いはまた、GaAs基板10上にはAu層などの金属層を配置せず、金属層15のみでGaAs基板10とLED構造を貼り付けることも可能である。
第3の実施の形態の変形例1に係る半導体発光素子に適用されるLEDは、図48に示すように、金属層15と、金属層15上に配置され,パターニングされた金属コンタクト層11および絶縁層17と、パターニングされた金属コンタクト層11および絶縁層17上に配置されるp型クラッド層16CLと、p型クラッド層16CL上に配置されるMQW層14と、MQW層14上に配置されるn型クラッド層12CLと、n型クラッド層12CL上に配置されるn型ウィンドウ層/コンタクト層12を備える。
図48の構造において、金属層15は、例えばAu層で形成され、例えば厚さは約2.5〜5μm程度である。また、金属コンタクト層11は、例えばAuBe層あるいはAuBeとNiとの合金層などで形成され、例えば厚さは、絶縁層17と同程度であり、約450nm程度である。絶縁層17は、例えばシリコン酸化膜、シリコン窒化膜、SiON膜、SiOxNy膜、或いはこれらの多層膜などで形成される。p型クラッド層16CLは、例えばAlGaAs層若しくは導電型をp-型とするAlGaAs層と導電型をp+型とするAlGaAs層との多層構造によって形成され、厚さは、例えば約0.1μm程度である。MQW層14は、例えばGaAs/GaAlAs層からなるヘテロ接合ペアを約100ペア積層した多重量子井戸構造からなり、厚さは、例えば約1.6μm程度に形成される。n型クラッド層12CLは、例えばn型AlGaAs層によって形成され、厚さは、例えば約0.1μm程度である。n型ウィンドウ層/コンタクト層12は、例えばAlGaAs層の多層構造とAlGaAs層の多層構造上に形成されたGaAs層からなり、全体の厚さは、約0.95μm程度である。
第3の実施の形態の変形例2に係る半導体発光素子に適用されるLEDは、図49に示すように、金属層15と、金属層15上に配置される金属バッファ層18と、金属バッファ層18上に配置され,パターニングされた金属コンタクト層11および絶縁層17と、パターニングされた金属コンタクト層11および絶縁層17上に配置されるp型クラッド層16CLと、p型クラッド層16CL上に配置されるMQW層14と、MQW層14上に配置されるn型クラッド層12CLと、n型クラッド層12CL上に配置されるn型ウィンドウ層/コンタクト層12とを備える。
図49の構造において、金属バッファ層18は、例えばAg、Al、Ni、Cr若しくはW層で形成される。Au層からなる金属層15は青色光、紫外光を吸収するため、このような短波長側の光を反射するためには、Ag、Alなどからなる金属バッファ層18を備えることが望ましい。図49の構造において、金属バッファ層18以外の各層は、図48の構造と同様に形成されるため、説明を省略する。
第3の実施の形態の変形例2に係る半導体発光素子は、図50に示すように、図48乃至図49に示したLED構造と、GaAs基板10をウェハボンディング技術によって互いに貼り付けて形成する。
すなわち、第3の実施の形態の変形例2に係る半導体発光素子は、図50に示すように、GaAs基板10と、GaAs基板10上に配置される金属層15と、金属層15上に配置される金属バッファ層18と、金属バッファ層18上に配置され,パターニングされた金属コンタクト層11および絶縁層17と、パターニングされた金属コンタクト層11および絶縁層17上に配置されるp型クラッド層16CLと、p型クラッド層16CL上に配置されるMQW層14と、MQW層14上に配置されるn型クラッド層12CLと、n型クラッド層12CL上に配置されるn型ウィンドウ層/コンタクト層12を備えるLED構造とから構成される。
n型ウィンドウ層/コンタクト層12の表面にはダブルフロスト処理された凹凸形状のダブルフロスト処理層30DFが形成されている。ここで、ダブルフロスト処理については、第1の実施の形態と同様のウェットエッチング技術による多重フロスト処理技術を適用することができる。
金属層15を用いて、GaAs基板10と、エピタキシャル成長層からなるLED構造を貼り付けることにより、反射率のよい金属反射層を形成することを可能にしている。金属反射層は、予め、LED構造側に配置された金属層15によって形成される。LEDからの放射光は、絶縁層17と、金属層15若しくは金属バッファ層18との界面によってミラー面が形成されるため、当該ミラー面において反射される。金属コンタクト層11は、金属層15若しくは金属バッファ層18とp型クラッド層16CLとのオーミックコンタクトを取るための層であるが、金属層15とp型クラッド層16CLとの界面に介在し、絶縁層17と同程度の厚さを有する。
金属コンタクト層11のパターン幅が広い場合には、実質的な発光領域が制限されるため、面積効率が低下し発光効率が減少する。一方、金属コンタクト層11のパターン幅が狭い場合には、金属コンタクト層11の面積抵抗が増大し、LEDの順方向電圧Vfが上昇するため、最適なパターン幅およびパターン構造が存在する。幾つかのパターン例では、六角形を基本とするハニカムパターン構造、或いは、円形を基本とするドットパターン構造が存在する。これらのパターン形状については、第2の実施の形態に関連して、図41および図42において説明した通りである。
第3の実施の形態に係る半導体発光素子は、図47に示すように、GaAs基板上に配置される金属層、およびLED側に配置される金属層15をともにAu層によって形成することで、GaAs基板側の金属層(図示省略)とエピタキシャル成長層からなるLED構造側の金属層15を熱圧着によって貼り付けることができる。
貼付けの条件は、例えば、約250℃〜700℃、望ましくは300℃〜400℃であり、熱圧着の圧力は、例えば、約10MPa〜20MPa程度である。
第3の実施の形態の変形例1・2に係る半導体発光素子によれば、金属反射層となる金属層15若しくは金属バッファ層18と、p型クラッド層16CLなどの半導体層との間に透明な絶縁層17を形成することにより、p型クラッド層16CLなどの半導体層と金属層15との接触を避け、光の吸収を防ぎ、反射率の良い金属反射層を形成することができる。
透明な絶縁層17をパターニング形成し、オーミックをとるために、AuBeなどからなる金属コンタクト層11をリフトオフによって蒸着する。
その後、絶縁層17の上にGaAs基板10と貼付けるために用いるAu層を蒸着し、金属層15を形成する。
第3の実施の形態の変形例1・2に係る半導体発光素子によれば、n型ウィンドウ層/コンタクト層12の表面にダブルフロスト処理技術を用いて凹凸形状のダブルフロスト処理層30DFを形成し、LEDの高輝度化を図ることができる。
第3の実施の形態の変形例1・2に係る半導体発光素子によれば、金属反射層と半導体層との間に透明な絶縁層17を介在させることにより、p型クラッド層16CLなどの半導体層と金属層15との接触を避け、光の吸収を防ぎ、反射率の良い金属反射層を形成することができるので、LEDの高輝度化を図ることができる。
また、第3の実施の形態の変形例1・2に係る半導体発光素子によれば、絶縁層17と金属層15との間に、AgやAlなどからなる金属バッファ層18を形成することで、Auでは反射率の低い紫外線などの短波長の光を効率よく反射することができ、LEDの高輝度化を図ることができる。
また、第3の実施の形態の変形例1・2に係る半導体発光素子によれば、p型クラッド層と金属反射層の界面において光が吸収されないため、LEDの高輝度化を図ることができる。
(変形例3)
(素子構造)
図51は、第3の実施の形態の変形例3に係る半導体発光素子に適用されるGaAs基板の模式的断面構造を示す。また、図52は、第3の実施の形態の変形例3に係る半導体発光素子に適用されるLEDの模式的断面構造を示す。
図53は、図51に示した金属層200を備えるGaAs基板10と、図52に示したLEDをウェハボンディング技術によって互いに貼り付けて形成した本発明の第3の実施の形態に係る半導体発光素子の模式的断面構造を示す。
第3の実施の形態の変形例3に係る半導体発光素子に適用されるp型若しくはn型GaAs基板構造は、図51に示すように、表面に溝部を形成したGaAs基板10と、GaAs基板10の表面、溝部の側壁および溝部の底面に配置された金属層200を備える。
図51の構造において、金属層200は、例えばAu層によって形成される。
第3の実施の形態の変形例3に係る半導体発光素子に適用されるLEDの模式的断面構造は、図52に示すように、金属層15と、金属層15上に配置されるp型クラッド層16CLと、p型クラッド層16CL上に配置されるMQW層14と、MQW層14上に配置されるn型クラッド層12CLと、n型クラッド層12CL上に配置されるn型ウィンドウ層/コンタクト層12を備える。
図52の構造において、金属層15は、例えばAu層で形成され、厚さは例えば、約1μm程度である。また、p型クラッド層16CLは、例えばAlGaAs層若しくは導電型をp-型とするAlGaAs層と導電型をp+型とするAlGaAs層との多層構造によって形成され、全体の厚さは、例えば約0.1μm程度に形成される。MQW層14は、例えばGaAs/GaAlAs層からなるヘテロ接合ペアを約80〜100ペア積層した多重量子井戸構造からなり、全体の厚さは、例えば約1.6μm程度に形成される。n型クラッド層12CLは、例えばn型AlGaAs層によって形成され、厚さは、例えば約0.1μm程度である。n型ウィンドウ層/コンタクト層12は、例えばAlGaAs層の多層構造とAlGaAs層の多層構造上に形成されたGaAs層からなり、全体の全体の厚さは、約0.95μm程度である。
第3の実施の形態の変形例3に係る半導体発光素子は、図53に示すように、図51に示したp型乃至n型GaAs基板と、図52に示したLED構造をウェハボンディング技術によって互いに貼り付けて形成する。
すなわち、第3の実施の形態の変形例3に係る半導体発光素子は、図53に示すように、表面に溝部を形成したGaAs基板10と、GaAs基板10の表面、溝部の側壁および溝部の底面に配置された金属層200とを備えるGaAs基板構造と、当該GaAs基板構造上に配置され、金属層15と、金属層15上に配置されるp型クラッド層16CLと、p型クラッド層16CL上に配置されるMQW層14と、MQW層14上に配置されるn型クラッド層12CLと、n型クラッド層12CL上に配置されるn型ウィンドウ層/コンタクト層12を備えるLED構造とから構成される。
n型ウィンドウ層/コンタクト層12の表面にはダブルフロスト処理された凹凸形状のダブルフロスト処理層30DFが形成されている。ここで、ダブルフロスト処理については、第1の実施の形態と同様のウェットエッチング技術による多重フロスト処理技術を適用することができる。
金属反射層は、予め、LED構造側に配置された金属層15によって形成される。LEDからの放射光は、p型クラッド層16CLと、金属層15との界面によってミラー面が形成されるため、当該ミラー面において反射される。
第3の実施の形態の変形例3に係る半導体発光素子は、図53に示すように、金属層200および金属層15をともにAu層によって形成することで、GaAs基板側の金属層200とエピタキシャル成長層からなるLED構造側の金属層15を熱圧着によって貼り付けると共に、溝部の金属層200と金属層15との間には、エアギャップ40が存在する。
貼付けの条件は、例えば、約250℃〜700℃、望ましくは300℃〜400℃であり、熱圧着の圧力は、例えば、約10MPa〜20MPa程度である。エアギャップ40を設けたことにより、金属層200と金属層15の接触面積は、全面を密着させる構造に比較して、減少している。上記熱圧着の圧力は、結果として、エアギャップ40を設けたことにより、相対的に接触面積が低下した金属層200と金属層15の接触面積に加圧されることになり、金属層200と金属層15の熱圧着時において、貼り付け強度が高くなる。したがって、GaAs基板と、LED構造を貼り付けるに際して、エアギャップ40が存在することにより、GaAs基板の表面に配置された金属層200と金属層15との密着性を良好に保つことができる。
第3の実施の形態の変形例3に係る半導体発光素子およびその製造方法によれば、金属層200と金属層15との密着性を良好に保ちつつ、GaAs基板への光の吸収を防ぐために、反射層に金属を用いて光を全反射させ、GaAs基板への吸収を防ぐようにした点に特徴を有する。貼付ける半導体基板の材料としては、GaAs、Siなどの不透明な半導体基板材料を用いる。
GaAs基板10側の金属層200としてAu層を用い、エピタキシャル成長層を備えるLED側の金属層15としてもAu層を用い、金属層200と金属層15を結合させ、結合に用いた金属層15を金属反射層として光の反射層とする。
第3の実施の形態の変形例3に係る半導体発光素子によれば、ウェハボンディング技術を用いてGaAs基板構造とLED構造を密着性を良好に保ちつつ貼り付けることができ、かつGaAs基板への光の吸収を防ぐために、反射層に金属を用いて光を全反射させ、GaAs基板への吸収を防ぎ、あらゆる角度の光を反射することが可能になるので、LEDを高輝度化することができる。
第3の実施の形態の変形例3に係る半導体発光素子によれば、n型ウィンドウ層/コンタクト層12の表面にダブルフロスト処理技術を用いて凹凸形状のダブルフロスト処理層30DFを形成し、LEDの高輝度化を図ることができる。
(変形例4)
(素子構造)
図54は、第3の実施の形態の変形例4に係る半導体発光素子に適用されるシリコン基板構造の模式的断面構造を示す。また、図55は、第3の実施の形態の変形例4に係る半導体発光素子に適用されるLED構造の模式的断面構造を示す。
第3の実施の形態の変形例4に係る半導体発光素子に適用されるシリコン基板構造は、図54に示すように、表面に複数の溝部を形成したシリコン基板21と、シリコン基板21の表面,溝部の側壁および溝部の底面上に配置されたチタン(Ti)層220と、チタン(Ti)層220をの表面に配置された金属層200を備える。
図54の構造において、シリコン基板21の厚さは、例えば約130μm程度であり、金属層200は、例えばAu層によって形成され、厚さは約2.5μm程度である。
第3の実施の形態の変形例4に係る半導体発光素子に適用されるLED構造は、図55に示すように、GaAs基板23と、GaAs基板23上に配置されるAlInGaP層240と、AlInGaP層240上に配置されるn型GaAs層250と、n型GaAs層250上に配置されるエピタキシャル成長層260と、エピタキシャル成長層260上に配置され,パターニングされた金属コンタクト層11および絶縁層17と、パターニングされた金属コンタクト層11および絶縁層17上に配置される金属層15とを備える。
図55の構造において、GaAs基板23は、厚さは、例えば約300μm程度であり、AlInGaP層240は、厚さは、例えば約350nm程度である。また、n型GaAs層250は、AlInGaP層240を介して、GaAs基板23とエピタキシャル成長層260との間のコンタクト層として働き、厚さは、例えば約500nm程度である。エピタキシャル成長層260は、AlGaAs層からなるn型ウィンドウ層およびn型クラッド層、GaAs/AlGaAsのヘテロ接合の複数の対からなるMQW層と、AlGaAs層からなるn型クラッド層およびAlGaAs層/GaP層からなるp型ウィンドウ層とを備える。MQW層は、例えばGaAs/GaAlAs層からなるヘテロ接合ペアを約100ペア積層した多重量子井戸構造からなり、厚さは、例えば約1.6μm程度に形成される。
また、金属コンタクト層11は、例えばAuBe層あるいはAuBeとNiとの合金層などで形成され、例えば厚さは、絶縁層17と同程度であり、約450nm程度である。
金属コンタクト層11は、例えばAu/AuBe−Ni合金/Auなどの積層構造として形成してもよい。絶縁層17は、例えばシリコン酸化膜、シリコン窒化膜、SiON膜、SiOxNy膜、或いはこれらの多層膜などで形成される。
金属層15は、例えばAu層で形成され、例えば厚さは約2.5〜5μm程度である。エピタキシャル成長層260内のp型クラッド層は、例えばAlGaAs層若しくは導電型をp-型とするAlGaAs層と導電型をp+型とするAlGaAs層との多層構造によって形成され、厚さは、例えば約0.1μm程度である。エピタキシャル成長層260内のn型クラッド層は、例えばn型AlGaAs層によって形成され、厚さは、例えば約0.1μm程度である。n型ウィンドウ層は、例えばAlGaAs層の多層構造とAlGaAs層の多層構造上に形成されたGaAs層からなり、全体の厚さは、例えば、約0.95μm程度である。p型ウィンドウ層は、例えばAlGaAs層の多層構造とAlGaAs層の多層構造上に形成されたGaP層からなり、全体の厚さは、例えば、約0.32μm程度である。
第3の実施の形態の変形例4に係る半導体発光素子は、図61に示すように、図54に示したシリコン基板構造と、図55に示したLED構造をウェハボンディング技術によって互いに貼り付けて形成する。
すなわち、第3の実施の形態の変形例4に係る半導体発光素子は、図61に示すように、表面に複数の溝部を形成したシリコン基板21と、シリコン基板21の表面,溝部の側壁および溝部の底面上に配置されるチタン層220と、チタン層220上に配置される金属層200とから構成されるシリコン基板構造と、金属層200上に配置される金属層15と、金属層15上に配置され,パターニングされた金属コンタクト層11および絶縁層17と、パターニングされた金属コンタクト層11および絶縁層17上に配置され,露出された表面にダブルフロスト処理層30DF(露出されたn型GaAs層250をフロスト処理して形成された領域)を有するエピタキシャル成長層260と、エピタキシャル成長層260上に配置され,パターニングされたn型GaAs層250と、n型GaAs層250上に配置され,同様にパターニングされた表面電極層29とから構成されるLED構造を備える。尚、シリコン基板構造において、シリコン基板21の裏面には、チタン層270と、裏面電極層280が配置される。また、エピタキシャル成長層260とn型GaAs層250の間には、後述する図62、図63に示すように、電流集中を防止するための阻止層310を配置しても良い。この場合の阻止層310の材料としては、GaAsを適用することができ、厚さは、例えば約500nm程度である。
第3の実施の形態の変形例4に係る半導体発光素子においても、図61に示すように、金属層15を用いて、シリコン基板構造と、エピタキシャル成長層からなるLED構造を貼り付けると共に、溝部の金属層200と金属層15との間にはエアギャップ40が存在することにより、シリコン基板21の表面に配置された金属層200と金属層15との密着性を良好に保つことができ、反射率のよい金属反射層を形成することを可能にしている。
エアギャップ40を設けたことにより、金属層200と金属層15の接触面積は、全面を密着させる構造に比較して、減少している。熱圧着の圧力は、結果として、エアギャップ40を設けたことにより、相対的に接触面積が低下した金属層200と金属層15の接触面積に加圧されることになり、金属層200と金属層15の熱圧着時において、貼り付け強度が高くなる。したがって、シリコン基板構造と、LED構造を貼り付けるに際して、エアギャップ40が存在することにより、シリコン基板の表面に配置された金属層200と金属層15との密着性を良好に保つことができる。
第3の実施の形態の変形例4に係る半導体発光素子によれば、エピタキシャル成長層260の表面にダブルフロスト処理技術を用いて凹凸形状のダブルフロスト処理層30DFを形成し、LEDの高輝度化を図ることができる。
第3の実施の形態の変形例4に係る半導体発光素子によれば、ウェハボンディング技術を用いてシリコン基板構造とLED構造を密着性を良好に保ちつつ貼り付けることができ、かつAuからなる金属層15を用いることで光の反射率の良い金属反射層をLED側の構造に形成することができるので、LEDの高輝度化を図ることができる。
金属反射層は、予め、LED構造側に配置された金属層15によって形成される。LEDからの放射光は、絶縁層17と金属層15との界面によってミラー面が形成されるため、当該ミラー面において反射される。金属コンタクト層11は、金属層15とエピタキシャル成長層260とのオーミックコンタクトを取るための層であるが、金属層15とエピタキシャル成長層260との界面に介在し、絶縁層17と同程度の厚さを有する。
(平面パターン構造)
第3の実施の形態に係る半導体発光素子およびその製造方法に適用されるLEDの模式的平面パターン構造も、図41或いは図42と同様の構造を適用可能である。
(製造方法)
第3の実施の形態の変形例4に係る半導体発光素子の製造方法を以下に説明する。
図56乃至図61は、第3の実施の形態の変形例4に係る半導体発光素子の製造方法の一工程を説明する模式的断面構造を示す。
(a)まず、図54に示すように、貼付け用のシリコン基板構造、および図55に示すように、貼付け用のLED構造を準備する。
シリコン基板21の表面にRIE、もしくはウェットエッチングにより、ピッチL,幅Wを有するストライプ状の溝部を形成する。ストライプ状の溝部の幅Wは、例えば約10μm,約30μm,或いは約60μm程度であり、ピッチLは、例えば約100μm,200μm,410μm,1000μm,或いは2000μm程度である。尚、溝部は、ストライプ形状に限定されるものではなく、格子状、ドット状、渦巻き状、六角形パターン形状などであってもよい。また、溝部の深さは、ストライプの幅Wと同程度若しくは、浅くてもよい。上記エッチングの代りに、YAGレーザなどを用いて、レーザ光によるカッティング技術、ダイサーによるカッティング技術などを適用して、所定の深さに溝部をしてもよい。
シリコン基板構造においては、表面に複数の溝部を形成したシリコン基板21上にチタン層220およびAuなどからなる金属層200をスパッタリング法、真空蒸着法などを用いて順次形成する。
LED構造においては、GaAs基板23上のAlInGaP層240、n型GaAs層250、エピタキシャル成長層260は、MBE法、MOCVD法などを用いて順次形成する。次に、エピタキシャル成長層260上にリフトオフ法を用いて、パターニングされた絶縁層17に対して、金属コンタクト層11および金属層15を形成する。
(b)次に、図56に示すように、図54に示す貼付け用のシリコン基板構造、および図55に示す貼付け用のLED構造を貼り付ける。貼り付け工程においては、例えばプレス機を用いて、熱圧着温度として約340℃程度、熱圧着の圧力として約18MPa程度、熱圧着の時間として約10分程度の条件で実施する。
結果として、図56に示すように、溝部の金属層200と金属層15との間には、エアギャップ40が形成される。
(c)次に、図57に示すように、シリコン基板21の裏面に対して、チタン層270およびAuなどからなる裏面電極層280をスパッタリング法、真空蒸着法などを用いて順次形成する。チタン層270をAu層とシリコン基板21との間に介在させない場合、オーミックコンタクトをとるためにシンタリングを実施するとシリコン基板21とAu層との接合部のAuがAuSiシリサイドとなり反射率が低下する。したがって、チタン層270は、シリコン基板21とAu層との接着用の金属である。AuSiシリサイド化を防ぐためには、バリアメタルとしてタングステン(W)が必要であり、そのときの構造として、基板側から、シリコン基板/Ti/W/Auで金属層を形成する必要がある。
(d)次に、図58に示すように、裏面電極層280をレジストなどで保護した後、GaAs基板23をエッチングにより除去する。例えばアンモニア/過酸化水素水からなるエッチング液を用い、エッチング時間は、約65〜85分程度である。ここで、AllnGaP層240がエッチングストッパとして重要な働きをする。
(e)次に、図59に示すように、塩酸系のエッチング液を用いて、AllnGaP層240を除去する。エッチング時間は、例えば約1分半程度である。
(f)次に、図60に示すように、表面電極層29をスパッタリング法、真空蒸着法などを用いて形成後、パターニングする。表面電極層29のパターンは金属コンタクト層11のパターンに略一致させている。表面電極層29の材料としては、例えばAu/AuGe−Ni合金/Auからなる積層構造を用いることができる。ここで、n型GaAs層250は表面電極層29の剥がれ防止機能を有する。
(g)次に、図61に示すように、ウェットエッチング技術によりダブルフロスト処理を実施する。その結果、表面電極層29の直下のn型GaAs層250以外のn型GaAs層250の除去およびエピタキシャル成長層260表面に、ダブルフロスト処理層30DFを形成する。ダブルフロスト処理条件は、第1の実施の形態と同様に実施することができる。
尚、チタン層220およびチタン層270の代りとして、例えばタングステン(W)バリアメタル、白金(Pt)バリアメタルなどを用いることもできる。
以上の説明により、図61に示すように、表面に複数の溝部を形成したシリコン基板21を用いた第3の実施の形態の変形例4に係る半導体発光素子が完成される。
(変形例5・6)
図62は、第3の実施の形態の変形例5に係る半導体発光素子の製造方法の一工程を説明する模式的断面構造を示す。また、図63は、第3の実施の形態の変形例6に係る半導体発光素子の製造方法の一工程を説明する模式的断面構造を示す。
第3の実施の形態の変形例5に係る半導体発光素子は、図62に示すように、図54に示したシリコン基板構造と同様の構造を有するGaAs基板構造と、図55に示したLED構造をウェハボンディング技術によって互いに貼り付けて形成する。
すなわち、第3の実施の形態の変形例5に係る半導体発光素子は、図62に示すように、表面に複数の溝部を形成したGaAs基板10と、GaAs基板10の表面,溝部の側壁および溝部の底面上に配置される金属バッファ層(AuGe−Ni合金層)320と、金属バッファ層320上に配置される金属層(Au層)330とから構成されるGaAs基板構造と、金属層330上に配置される金属層15と、金属層15上に配置され,パターニングされた金属コンタクト層11および絶縁層17と、パターニングされた金属コンタクト層11および絶縁層17上に配置され,露出された表面にダブルフロスト処理層30DF(露出されたn型GaAs層250をダブルフロスト処理して形成された層)を有するエピタキシャル成長層260と、エピタキシャル成長層260上に配置され,パターニングされたn型GaAs層250と、n型GaAs層250上に配置され,同様にパターニングされた表面電極層29とから構成されるLED構造を備える。
尚、GaAs基板構造において、GaAs基板10の裏面には、金属バッファ層(AuGe−Ni合金層)340と、裏面電極層350が配置される。また、エピタキシャル成長層260とn型GaAs層250の間には、図63に示すように、電流集中を防止するための阻止層310を配置しても良い。この場合の阻止層310の材料としては、GaAsを適用することができ、厚さは、例えば約500nm程度である。
第3の実施の形態の変形例5に係る半導体発光素子においても、図62に示すように、GaAs基板10の表面上の金属層(Au層)330と金属層15を用いて、GaAs基板構造と、エピタキシャル成長層からなるLED構造を貼り付けると共に、溝部の金属層330と金属層15との間にはエアギャップ40が存在することにより、GaAs基板10の表面に配置された金属層330と金属層15との密着性を良好に保つことができ、反射率のよい金属反射層を形成することを可能にしている。エアギャップ40を設けたことにより、金属層330と金属層15の接触面積は、全面を密着させる構造に比較して、減少している。熱圧着の圧力は、結果として、エアギャップ40を設けたことにより、相対的に接触面積が低下した金属層330と金属層15の接触面積に加圧されることになり、金属層330と金属層15の熱圧着時において、貼り付け強度が高くなる。
したがって、GaAs基板構造と、LED構造を貼り付けるに際して、エアギャップ40が存在することにより、GaAs基板の表面に配置された金属層330と金属層15との密着性を良好に保つことができる。
金属反射層は、予め、LED構造側に配置された金属層15によって形成される。LEDからの放射光は、絶縁層17と金属層15との界面によってミラー面が形成されるため、当該ミラー面において反射される。金属コンタクト層11は、金属層15とエピタキシャル成長層260とのオーミックコンタクトを取るための層であるが、金属層15とエピタキシャル成長層260との界面に介在し、絶縁層17と同程度の厚さを有する。
図62および図63の構造において、GaAs基板10の裏面に形成される金属バッファ層340は、例えばAuGe−Ni合金層で形成され、厚さは約100nm程度である。また、裏面電極層350は、Au層で形成され、厚さは約500nm程度である。GaAs基板10の表面に形成される金属バッファ層320は、例えばAuGe−Ni合金層で形成され、厚さは約100nm程度である。さらに金属層330は、Au層で形成され、厚さは約1μm程度である。
図54乃至図61に示された第3の実施の形態の変形例4に係る半導体発光素子の製造方法の各工程は、第3の実施の形態の変形例5・6に係る半導体発光素子の製造方法においても同様であるため説明を省略する。
第3の実施の形態の変形例5・6に係る半導体発光素子およびその製造方法に適用されるLEDの模式的平面パターン構造も、図41或いは図42と同様の構造を適用可能である。
第3の実施の形態の変形例5・6に係る半導体発光素子によれば、エピタキシャル成長層260の表面にダブルフロスト処理技術を用いて凹凸形状のダブルフロスト処理層30DFを形成し、LEDの高輝度化を図ることができる。
第3の実施の形態の変形例5・6に係る半導体発光素子によれば、ウェハボンディング技術を用いてGaAs基板構造とLED構造を密着性を良好に保ちつつ貼り付けることができ、かつAuからなる金属層15を用いることで光の反射率の良い金属反射層をLED側の構造に形成することができるので、LEDの高輝度化を図ることができる。
また、第3の実施の形態の変形例4および変形例5・6に係る半導体発光素子においても第3の実施の形態の変形例2において説明した、絶縁層17と金属層15との間に、AgやAlなどからなる金属バッファ層18(図49参照)を形成することも有効である。AgやAlなどからなる金属バッファ層18を形成することで、Auでは反射率の低い紫外線などの短波長の光を効率よく反射することができるからである。
第3の実施の形態の変形例4および変形例5・6に係る半導体発光素子およびその製造方法によれば、金属反射層と半導体層との間に透明な絶縁層17を介在させることにより、エピタキシャル成長層260と金属層15との接触を避け、光の吸収を防ぎ、反射率の良い金属反射層を形成することができるので、LEDの高輝度化を図ることができる。
また、第3の実施の形態の変形例4および変形例5・6に係る半導体発光素子およびその製造方法によれば、絶縁層17と金属層15・200との間に、AgやAlなどからなる金属バッファ層を形成することで、Auでは反射率の低い紫外線などの短波長の光を効率よく反射することができ、LEDの高輝度化を図ることができる。
また、第3の実施の形態の変形例4および変形例5・6に係る半導体発光素子およびその製造方法によれば、エピタキシャル成長層260と金属層15との接触を避け、エピタキシャル成長層260と金属反射層の界面において光が吸収されないため、LEDの高輝度化を図ることができる。
第3の実施の形態の変形例4および変形例5・6に係る半導体発光素子およびその製造方法によれば、シリコン基板若しくはGaAs基板への光の吸収を防ぐために、反射層に金属を用いて光を全反射させ、シリコン基板若しくはGaAs基板への吸収を防ぎ、あらゆる角度の光を反射することが可能になるので、LEDを高輝度化することができる。
[第4の実施の形態]
(素子構造)
図64は、第4の実施の形態に係る半導体発光素子に適用されるシリコン基板の模式的断面構造を示す。また、第4の実施の形態に係る半導体発光素子に適用されるLEDの模式的断面構造は、図55と同様であるため、図示を省略する。
第4の実施の形態に係る半導体発光素子に適用されるシリコン基板21は、図64に示すように、シリコン基板21と、シリコン基板21の表面に配置されたチタン(Ti)層220と、チタン(Ti)層220をの表面に配置された金属層200を備える。
図64の構造において、シリコン基板21の厚さは、例え押しば約130μm程度であり、金属層200は、例えばAu層によって形成され、厚さは約2.5μm程度である。
h4の実施の形態に係る半導体発光素子は、図70に示すように、図64に示したシリコン基板構造と、図55に示したLED構造をウェハボンディング技術によって互いに貼り付けて形成する。
すなわち、第4の実施の形態に係る半導体発光素子は、図70に示すように、シリコン基板21と、シリコン基板21上に配置されるチタン層220と、チタン層220上に配置される金属層200とから構成されるシリコン基板構造と、金属層200上に配置される金属層15と、金属層15上に配置され,パターニングされた金属コンタクト層11および絶縁層17と、パターニングされた金属コンタクト層11および絶縁層17上に配置され,露出された表面にダブルフロスト処理層30DF(露出されたn型GaAs層250をダブルフロスト処理して形成された層)を有するエピタキシャル成長層260と、エピタキシャル成長層260上に配置され,パターニングされたn型GaAs層250と、n型GaAs層250上に配置され,同様にパターニングされた表面電極層29とから構成されるLED構造を備える。尚、シリコン基板構造において、シリコン基板21の裏面には、チタン層270と、裏面電極層280が配置される。また、エピタキシャル成長層260とn型GaAs層250の間には、後述する図71、図72に示すように、電流集中を防止するための阻止層310を配置しても良い。この場合の阻止層310の材料としては、GaAsを適用することができ、厚さは、例えば約500nm程度である。
第4の実施の形態に係る半導体発光素子においても、図70に示すように、金属層15を用いて、シリコン基板構造と、エピタキシャル成長層からなるLED構造を貼り付けることにより、反射率のよい金属反射層を形成することを可能にしている。金属反射層は、予め、LED構造側に配置された金属層15によって形成される。LEDからの放射光は、絶縁層17と金属層15との界面によってミラー面が形成されるため、当該ミラー面において反射される。金属コンタクト層11は、金属層15とエピタキシャル成長層260とのオーミックコンタクトを取るための層であるが、金属層15とエピタキシャル成長層260との界面に介在し、絶縁層17と同程度の厚さを有する。
(平面パターン構造)
第4の実施の形態に係る半導体発光素子およびその製造方法に適用されるLEDの模式的平面パターン構造も、図41或いは図42と同様の構造を適用可能である。
(製造方法)
第4の実施の形態に係る半導体発光素子の製造方法を以下に説明する。
図65乃至図70は、第4の実施の形態に係る半導体発光素子の製造方法の一工程を説明する模式的断面構造を示す。
(a)まず、図64に示すように、貼付け用のシリコン基板構造、および図55に示すように、貼付け用のLED構造を準備する。
シリコン基板構造においては、シリコン基板21上にチタン層220およびAuなどからなる金属層200をスパッタリング法、真空蒸着法などを用いて順次形成する。
LED構造においては、GaAs基板23上のAlInGaP層240、n型GaAs層250、エピタキシャル成長層260は、MBE法、MOCVD法などを用いて順次形成する。次に、エピタキシャル成長層260上にリフトオフ法を用いて、パターニングされた絶縁層17に対して、金属コンタクト層11および金属層15を形成する。
(b)次に、図65に示すように、図64に示す貼付け用のシリコン基板構造、および図55に示す貼付け用のLED構造を貼り付ける。貼り付け工程においては、例えばプレス機を用いて、熱圧着温度として約340℃程度、熱圧着の圧力として約18MPa程度、熱圧着の時間として約10分程度の条件で実施する。
(c)次に、図66に示すように、シリコン基板21の裏面に対して、チタン層270およびAuなどからなる裏面電極層280をスパッタリング法、真空蒸着法などを用いて順次形成する。チタン層270をAu層とシリコン基板21との間に介在させない場合、オーミックコンタクトをとるためにシンタリングを実施するとシリコン基板21とAu層との接合部のAuがAuSiシリサイドとなり反射率が低下する。したがって、チタン層270は、シリコン基板21とAu層との接着用の金属である。AuSiシリサイド化を防ぐためには、バリアメタルとしてタングステン(W)が必要であり、そのときの構造として、基板側から、シリコン基板/Ti/W/Auで金属層を形成する必要がある。
(d)次に、図67に示すように、裏面電極層280をレジストなどで保護した後、GaAs基板23をエッチングにより除去する。例えばアンモニア/過酸化水素水からなるエッチング液を用い、エッチング時間は、約65〜85分程度である。ここで、AllnGaP層240がエッチングストッパとして重要な働きをする。
(e)次に、図68に示すように、塩酸系のエッチング液を用いて、AllnGaP層240を除去する。エッチング時間は、例えば約1分半程度である。
(f)次に、図69に示すように、表面電極層29をスパッタリング法、真空蒸着法などを用いて形成後、パターニングする。表面電極層29のパターンは金属コンタクト層11のパターンに略一致させている。表面電極層29の材料としては、例えばAu/AuGe−Ni合金/Auからなる積層構造を用いることができる。ここで、n型GaAs層250は表面電極層29の剥がれ防止機能を有する。
(g)次に、図70に示すように、フロスト処理を実施して、表面電極層29の直下のn型GaAs層250以外のn型GaAs層250の除去およびエピタキシャル成長層260表面に、ダブルフロスト処理層30DFを形成する。ダブルフロスト処理条件は、第1の実施の形態と同様に実施することができる。
尚、チタン層220およびチタン層270の代りとして、例えばタングステン(W)バリアメタル、白金(Pt)バリアメタルなどを用いることもできる。
以上の説明により、図70に示すように、シリコン基板21を用いた本発明の第4の実施の形態に係る半導体発光素子が完成される。
第4の実施の形態に係る半導体発光素子によれば、エピタキシャル成長層260の表面にダブルフロスト処理技術を用いて凹凸形状のダブルフロスト処理層30DFを形成し、LEDの高輝度化を図ることができる。
(変形例1・2)
第4の実施の形態の変形例1に係る半導体発光素子の製造方法の一工程を説明する模式的断面構造は、図71に示すように表され、変形例2に係る半導体発光素子の製造方法の一工程を説明する模式的断面構造は、図72に示すように表される。
第4の実施の形態の変形例1に係る半導体発光素子は、図72に示すように、図64に示したシリコン基板構造と、図55に示したLED構造をウェハボンディング技術によって互いに貼り付けて形成する。
すなわち、第4の実施の形態の変形例1に係る半導体発光素子は、図70に示すように、GaAs基板10と、GaAs基板10上に配置される金属バッファ層(AuGe−Ni合金層)320と、金属バッファ層320上に配置される金属層(Au層)330とから構成されるGaAs基板構造と、金属層330上に配置される金属層15と、金属層15上に配置され,パターニングされた金属コンタクト層11および絶縁層17と、パターニングされた金属コンタクト層11および絶縁層17上に配置され,露出された表面にダブルフロスト処理層30DF(露出されたn型GaAs層250をダブルフロスト処理して形成された領域)を有するエピタキシャル成長層260と、エピタキシャル成長層260上に配置され,パターニングされたn型GaAs層250と、n型GaAs層250上に配置され,同様にパターニングされた表面電極層29とから構成されるLED構造を備える。尚、GaAs基板構造において、GaAs基板10の裏面には、金属バッファ層(AuGe−Ni合金層)340と、裏面電極層350が配置される。また、エピタキシャル成長層260とn型GaAs層250の間には、図72に示すように、電流集中を防止するための阻止層310を配置しても良い。この場合の阻止層310の材料としては、GaAsを適用することができ、厚さは、例えば約500nm程度である。
第4の実施の形態の変形例1に係る半導体発光素子においても、図71に示すように、金属層15を用いて、GaAs基板構造と、エピタキシャル成長層からなるLED構造を貼り付けることにより、反射率のよい金属反射層を形成することを可能にしている。金属反射層は、予め、LED構造側に配置された金属層15によって形成される。LEDからの放射光は、絶縁層17と金属層15との界面によってミラー面が形成されるため、当該ミラー面において反射される。金属コンタクト層11は、金属層15とエピタキシャル成長層260とのオーミックコンタクトを取るための層であるが、金属層15とエピタキシャル成長層260との界面に介在し、絶縁層17と同程度の厚さを有する。
図71および図72の構造において、GaAs基板10の裏面に形成される金属バッファ層340は、例えばAuGe−Ni合金層で形成され、厚さは約100nm程度である。また、裏面電極層350は、Au層で形成され、厚さは約500nm程度である。GaAs基板10の表面に形成される金属バッファ層320は、例えばAuGe−Ni合金層で形成され、厚さは約100nm程度である。さらに金属層330は、Au層で形成され、厚さは約1μm程度である。
図65乃至図70に示された第4の実施の形態に係る半導体発光素子の製造方法の各工程は、第4の実施の形態の変形例1・2に係る半導体発光素子の製造方法においても同様である。
第4の実施の形態の変形例1・2に係る半導体発光素子に適用されるLEDの模式的平面パターン構造も、図41或いは図42と同様の構造を適用可能である。
また、第4の実施の形態およびその変形例に係る半導体発光素子においても第2の実施の形態の変形例において説明した、絶縁層17と金属層15との間に、AgやAlなどからなる金属バッファ層18(図49参照)を形成することも有効である。AgやAlなどからなる金属バッファ層18を形成することで、Auでは反射率の低い紫外線などの短波長の光を効率よく反射することができ、LEDの高輝度化を図ることができる。
第4の実施の形態およびその変形例に係る半導体発光素子によれば、金属反射層と半導体層との間に透明な絶縁層17を介在させることにより、エピタキシャル成長層260と金属層15との接触を避け、光の吸収を防ぎ、反射率の良い金属反射層を形成することができるので、LEDの高輝度化を図ることができる。
第4の実施の形態およびその変形例1・2に係る半導体発光素子によれば、エピタキシャル成長層260と金属層15との接触を避け、エピタキシャル成長層260と金属反射層の界面において光が吸収されないため、LEDの高輝度化を図ることができる。
第4の実施の形態の変形例1・2に係る半導体発光素子によれば、エピタキシャル成長層260の表面にダブルフロスト処理技術を用いて凹凸形状のダブルフロスト処理層30DFを形成し、LEDの高輝度化を図ることができる。
第4の実施の形態およびその変形例1・2に係る半導体発光素子によれば、シリコン基板若しくはGaAs基板への光の吸収を防ぐために、反射層に金属を用いて光を全反射させ、シリコン基板若しくはGaAs基板への吸収を防ぎ、あらゆる角度の光を反射することが可能になるので、LEDを高輝度化することができる。
第1〜第4の実施の形態において、フロスト処理は、2回行う例をダブルフロスト処理DFとして記載したが、2回に限定されるものではない。複数回実施しても良い。この場合には、マルチフロスト処理MFモードとなる。また、さらにMF処理モードにおいても、エッチング処理モードEMとフロスト処理モードFMを複数回繰り返しても良い。
以上説明したように、本発明によれば、LED素子表面に複数回フロスト処理を導入することによって、輝度が向上した半導体発光素子を提供することができる。
[その他の実施の形態]
上記のように、本発明は第1乃至第4の実施の形態によって記載したが、この開示の一部をなす論述および図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例および運用技術が明らかとなろう。
本発明の第1乃至第4の実施の形態に係る半導体発光素子およびその製造方法においては、半導体基板として主としてシリコン基板、GaAs基板を例に説明したが、Ge、SiGe、SiC、GaN基板、或いはSiC上のGaNエピタキシャル基板なども充分に利用可能である。
本発明の第1乃至第4の実施の形態に係る半導体発光素子として、主としてLEDを例に説明したが、レーザダイオード(LD:Laser Diode)を構成してもよく、その場合には、分布帰還型(DFB:Distributed Feedback)LD、分布ブラッグ反射型(DBR)LD、面発光LDなどを構成しても良い。
このように、本発明はここでは記載していない様々な実施の形態などを含むことは勿論である。したがって、本発明の技術的範囲は上記の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。