JP2017119362A - ガスバリアフィルムおよびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】プラスチックフィルム11と、プラスチックフィルム11の少なくとも一方の面11aに形成され、アルミニウム、酸化アルミニウム、珪素、酸化珪素、酸素および炭素を含むガスバリア層12と、を備え、アルミニウムおよび酸化アルミニウムに対する珪素および酸化珪素のat%比が、0.01以上、0.03以下、ガスバリア層12を構成する全物質に対する炭素のat%比が、0.5以上、3以下であるガスバリアフィルム10。
【選択図】図1
Description
「ガスバリアフィルム」
図1は、本発明の実施形態に係るガスバリアフィルムの概略断面図である。
本実施形態に係るガスバリアフィルム10は、図1に示すように、基材となるプラスチックフィルム11と、プラスチックフィルム11の一方の面11aに形成されたガスバリア層12と、を備える。
保護層としては、金属アルコキシドを用いた塗布膜を設けることが好ましい。金属アルコキシドとしては、具体的には、一般式R1(M−OR2)(ただし、R1、R2は炭素原子数1〜8の有機基、Mは金属原子である。)で表される化合物が好ましい。この化合物において、金属原子としては、Si、Ti、Al、Zr等が挙げられる。
また、上記金属アルコキシドに、アクリル酸、ポリビニルアルコール、ウレタン化合物、ポリエステル化合物等を混合してもよいが、これらの中でも膨潤性の材料を混合することが好ましい。このように、保護層を形成する材料に、膨潤性の材料を混合することより、ガスバリア層12が一方向(例えば、プラスチックフィルム11の一方の面11aとは反対方向)に膨潤することにより、ガスバリア層12に亀裂等が生じて、ガスバリア層12が劣化することを防止できる。
ラミネーションを行なう場合、ウレタン系の接着剤を用いることが好ましい。また、ラミネートする方法としては、ドライラミネーション法、ノンソルベントラミネーション法、押出しラミネーション法、ニーラムラミネーション法等が好ましい。
また、プラスチックフィルム11の厚さは、特に限定されるものではなく、ガスバリアフィルム10を製造する場合の加工性を考慮すると、実用的には9μm〜100μmの範囲が好ましい。
ガスバリア層12が珪素や炭素を含むことにより、フィルムが延伸・屈曲を受けるような加工工程後でも、ガスバリア層12のガスバリア性の維持または抑制が実現される。
アルミニウムおよび酸化アルミニウムに対する珪素および酸化珪素のat%比が、0.01未満では、フィルムが延伸・屈曲を受けるような加工工程後に、ガスバリア層12のガスバリアの劣化が大きくなる。一方、アルミニウムおよび酸化アルミニウムに対する珪素および酸化珪素のat%比が、0.03を超えると、加工工程前のガスバリア層12のガスバリア性が確保できない。
また、ガスバリア性、耐久性を確保するためには、アルミニウムおよび酸化アルミニウムに対する珪素および酸化珪素のat%比が、0.01以上、0.02以下であることが好ましい。
ガスバリア層12を構成する全物質に対する炭素のat%比が、0.5未満では、フィルムが延伸・屈曲を受けるような加工工程後に、ガスバリア層12のガスバリアの劣化が大きくなる。一方、ガスバリア層12を構成する全物質に対する炭素のat%比が、3を超えると、加工工程前のガスバリア層12のガスバリア性が確保できない。
これらの値を制御する手法としては、ガスバリア層12の材料として、有機シラン系モノマーを導入する手法が挙げられる。有機シラン系モノマーの導入量を大きくすることで、これらの値は大きくなっていく。
ガスバリア層12を構成する全物質に対する酸素のat%比が、0.5未満では、透明性を確保できない。一方、ガスバリア層12を構成する全物質に対する酸素のat%比が、0.7を超えると、ガスバリア性低下の要因となる可能性がある。
ガスバリア層12の厚みが5nm未満では、安定したガスバリア性を得ることが困難である。一方、ガスバリア層12の厚みが30nmを超えると、生産速度が遅くなり、コストが高くなる恐れがある。
ガスバリアフィルム10の透過率が70%未満では、透明性を確保できず、外観を損ねてしまう。
本実施形態に係るガスバリアフィルムの製造方法は、基材となるプラスチックフィルム11の一方の面11aに、真空蒸着法により、アルミニウム、酸化アルミニウム、珪素、酸化珪素、酸素および炭素を含むガスバリア層12を形成する工程を有する。
このガスバリアフィルム製造装置を用いたガスバリアフィルムの製造方法では、真空チャンバー20内において、巻き出しローラー22からプラスチックフィルム21(11)を巻き出し、成膜ロール23を通過させて、巻取りローラー24に巻き取る。
ガスバリア層12を形成するには、真空チャンバー20の成膜室25内に設置された坩堝26内にガスバリア層12を成膜するためのアルミニウムを含む蒸着材料27を配置する。
成膜室25内には、蒸着手段として、直進電子ビーム銃28が設置されている。
さらに、成膜室25内には、反応性ガスを導入する手段として、反応性ガス導入パイプ31が設置されている。この反応性ガス導入パイプ31は、真空チャンバー20の外に設置され、反応性ガスを貯蔵しておく反応性ガスボンベ32と接続されている。
また、本実施形態のガスバリアフィルムの製造方法では、真空蒸着法は、電子ビーム蒸着法、抵抗加熱法および高周波誘導加熱法からなる群から選択される少なくとも1つの方法、すなわち、これらの方法の1つまたは2つ以上を用いることができる。
また、ロールの配置、有機シラン系モノマー導入パイプ29および反応性ガス導入パイプ31等の配置も、特に限定されるものではない。
蒸着材料27としては、例えば、アルミニウム、有機シラン系モノマーが挙げられる。有機シラン系モノマーとしては、ヘキサメチルジシロキサンが好ましい。
また、蒸着粒子33の酸化反応を促進するために、成膜室25内に、反応性ガスとして、酸素を導入してもよいし、また、珪素と炭素からなる有機シラン系モノマーと酸素を導入してもよい。反応性ガスとして、酸素を用いることにより、アルミニウムの酸化を促進して、ガスバリア層12をより効率的に成膜することができる。
上記の高密度プラズマ発生手段を用いた場合、ガスバリア層12の膜質を向上させることができるため、従来よりも優れたガスバリア性を得ることができる。さらに、ガスバリア層12の膜厚変動に対するガスバリア性の変動を小さく抑えることができるため、生産速度向上に伴う、ガスバリア層12の膜厚減少に起因するガスバリア性の劣化に関しても、その影響を小さくすることができる。また、有機シラン系モノマーと蒸着粒子33の反応を高めるためにもプラズマを用いることが好ましく、プラズマ密度が高い程、ガスバリア性の劣化を小さくする効果は大きい。
図2に示したガスバリアフィルム製造装置を用いて、厚さ12μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(商品名:P60、東レ社製)の一方の面に、酸化アルミニウムからなるガスバリア層を形成し、実施例のガスバリアフィルムを得た。
その際、蒸着材料としてアルミニウムを用い、成膜室内に、有機シラン系モノマーとしてのヘキサメチルジシロキサンと、反応性ガスとしての酸素とを導入し、電流を100Aに制御したホロカソード放電による高密度プラズマを併用した。
その際、マスフローコントローラー(商品名:MC−3102E、リンテック社製)を用いて、成膜室内にヘキサメチルジシロキサンを50sccm導入し、ガスバリア層の蒸着後のガスバリアフィルムの透過率が、ポリエチレンテレフタレートフィルムと同等となるように、マスフローコントローラー(商品名:SEC−E40MK3、堀場エステック社製)を用いて、成膜室内に酸素を3500sccm導入した。(※sccm=0℃、1atmでのcc/minのこと。1sccm=1.69×10−3Pa・m3/secに相当する。)
図2に示したガスバリアフィルム製造装置を用いて、厚さ12μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(商品名:P60、東レ社製)の一方の面に、酸化アルミニウムからなるガスバリア層を形成し、比較例1のガスバリアフィルムを得た。
その際、蒸着材料としてアルミニウムを用い、成膜室内に、反応性ガスとしての酸素を導入し、電流を100Aに制御したホロカソード放電による高密度プラズマを併用した。
その際、ガスバリア層の蒸着後のガスバリアフィルムの透過率が、ポリエチレンテレフタレートフィルムと同等となるように、マスフローコントローラー(商品名:SEC−E40MK3、堀場エステック社製)を用いて、成膜室内に酸素を3500sccm導入した。
図2に示したガスバリアフィルム製造装置を用いて、厚さ12μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(商品名:P60、東レ社製)の一方の面に、酸化アルミニウムからなるガスバリア層を形成し、比較例2のガスバリアフィルムを得た。
その際、蒸着材料としてアルミニウムを用い、成膜室内に、有機シラン系モノマーとしてのヘキサメチルジシロキサンと、反応性ガスとしての酸素とを導入し、電流を100Aに制御したホロカソード放電による高密度プラズマを併用した。
その際、マスフローコントローラー(商品名:MC−3102E、リンテック社製)を用いて、成膜室内にヘキサメチルジシロキサンを100sccm導入し、ガスバリア層の蒸着後のガスバリアフィルムの透過率が、ポリエチレンテレフタレートフィルムと同等となるように、マスフローコントローラー(商品名:SEC−E40MK3、堀場エステック社製)を用いて、成膜室内に酸素を3500sccm導入した。
図2に示したガスバリアフィルム製造装置を用いて、厚さ12μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(商品名:P60、東レ社製)の一方の面に、酸化アルミニウムからなるガスバリア層を形成し、比較例3のガスバリアフィルムを得た。
その際、蒸着材料としてアルミニウムを用い、成膜室内に、有機シラン系モノマーとしてのヘキサメチルジシロキサンと、反応性ガスとしての酸素とを導入した。
なお、高密度プラズマを併用しなかった。
その際、マスフローコントローラー(商品名:MC−3102E、リンテック社製)を用いて、成膜室内にヘキサメチルジシロキサンを50sccm導入し、ガスバリア層の蒸着後のガスバリアフィルムの透過率が、ポリエチレンテレフタレートフィルムと同等となるように、マスフローコントローラー(商品名:SEC−E40MK3、堀場エステック社製)を用いて、成膜室内に酸素を3500sccm導入した。
水蒸気透過度測定装置(商品名:MOCON PERMATRAN 3/21、モダンコントロール社製)を用い、40℃90%RHの雰囲気にて、実施例および比較例1〜3のガスバリアフィルムの水蒸気透過率(WVTR)を測定した。その結果を、図3に示す。
なお、図3に示すのは、形成したガスバリアフィルムを20cm長に切り出し、その両端を保持して、ガスバリアフィルムに11.8Nの張力を加え、100μ/secの速度で延伸させた後のWVTR測定結果であり、耐延伸性試験の結果である。
実施例および比較例1〜3のガスバリアフィルムで形成したガスバリア層の組成を、光電子分光装置(商品名:JPS−9010MX、日本電子社製)を用いて測定した。その結果を、表1に示す。
なお、表1において、C(at%)はガスバリア層12を構成する全物質に対する炭素のat%比を示し、O(at%)はガスバリア層12を構成する全物質に対する酸素のat%比を示し、Si/Aはガスバリア層12におけるアルミニウムおよび酸化アルミニウムに対する珪素および酸化珪素のat%比を示す。
これに対して、比較例1のガスバリアフィルムは、延伸率が2%以上では、水蒸気透過率が大幅に劣化した。
比較例2のガスバリアフィルムは、延伸率が3%までは、水蒸気透過率がほとんど劣化しないものの、延伸率が4%以上では、水蒸気透過率が大幅に劣化した。
比較例3のガスバリアフィルムは、延伸前から水蒸気透過率が高く、延伸率が3%以上では、水蒸気透過率が大幅に劣化した。
比較例1のガスバリアフィルムは、ガスバリア層におけるアルミニウムおよび酸化アルミニウムに対する珪素および酸化珪素のat%比が0.00であるから、上記の延伸による水蒸気透過率の劣化が大きかったと考えられる。
比較例2のガスバリアフィルムは、ガスバリア層における炭素のat%比が3.10であるから、上記の延伸による水蒸気透過率の劣化が大きかったと考えられる。
比較例3のガスバリアフィルムは、ガスバリア層におけるアルミニウムおよび酸化アルミニウムに対する珪素および酸化珪素のat%比が0.00であるから、上記の延伸による水蒸気透過率の劣化が大きかったと考えられる。
11…プラスチックフィルム
12…ガスバリア層
20…真空チャンバー
21…プラスチックフィルム
22…巻き出しローラー
23…成膜ロール
24…巻取りローラー
25…成膜室
26…坩堝
27…蒸着材料
28…直進電子ビーム銃
29…有機シラン系モノマー導入パイプ
30…有機シラン系モノマーボンベ
31…反応性ガス導入パイプ
32…反応性ガスボンベ
33…蒸着粒子
34…プラズマ
Claims (4)
- 基材となるプラスチックフィルムと、該プラスチックフィルムの少なくとも一方の面に形成され、アルミニウム、酸化アルミニウム、珪素、酸化珪素、酸素および炭素を含むガスバリア層と、を備え、
前記アルミニウムおよび前記酸化アルミニウムに対する前記珪素および前記酸化珪素のat%比が、0.01以上、0.03以下、
前記ガスバリア層を構成する全物質に対する前記炭素のat%比が、0.5以上、3以下であることを特徴とするガスバリアフィルム。 - 基材となるプラスチックフィルムの少なくとも一方の面に、真空蒸着法により、アルミニウム、酸化アルミニウム、珪素、酸化珪素、酸素および炭素を含むガスバリア層を形成する工程を有し、
前記真空蒸着法は、電子ビーム蒸着法、抵抗加熱法および高周波誘導加熱法からなる群から選択される少なくとも1つの方法であることを特徴とするガスバリアフィルムの製造方法。 - 前記真空蒸着法において、成膜中に、酸化ガスおよび有機シラン系モノマーの少なくともいずれか一方を導入することを特徴とする請求項2に記載のガスバリアフィルムの製造方法。
- 前記真空蒸着法は、ICPプラズマ、ヘリコン波プラズマ、マイクロ波プラズマまたはホロカソード放電のいずれか1つを高密度プラズマ発生手段として用いる活性化蒸着法であることを特徴とする請求項2または3に記載のガスバリアフィルムの製造方法。
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| JP2015255916A JP2017119362A (ja) | 2015-12-28 | 2015-12-28 | ガスバリアフィルムおよびその製造方法 |
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|---|---|---|---|---|
| WO2024176674A1 (ja) * | 2023-02-22 | 2024-08-29 | 日東電工株式会社 | 積層体、積層体の製造方法、及びガスバリア層付偏光板 |
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