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JP2017110072A - 熱可塑性樹脂組成物、及び太陽光発電モジュール用接続構造体 - Google Patents

熱可塑性樹脂組成物、及び太陽光発電モジュール用接続構造体 Download PDF

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JP2017110072A JP2015244452A JP2015244452A JP2017110072A JP 2017110072 A JP2017110072 A JP 2017110072A JP 2015244452 A JP2015244452 A JP 2015244452A JP 2015244452 A JP2015244452 A JP 2015244452A JP 2017110072 A JP2017110072 A JP 2017110072A
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Abstract

【課題】本発明の目的は、耐衝撃性、耐トラッキング性、耐光変色性、難燃性に優れる熱可塑性樹脂組成物を提供するにある。【解決手段】本発明の熱可塑性樹脂組成物は、(A)ポリフェニレンエーテル系樹脂と(B)スチレン系樹脂と(C)有機リン系化合物との合計100質量部に対して、前記(A)ポリフェニレンエーテル系樹脂を40〜95質量部、前記(B)スチレン系樹脂を0〜45質量部、前記(C)有機リン系化合物を5〜30質量部、(D)ジルコニウム化合物及び/又はハフニウム化合物を0.1〜8.0質量部含有することを特徴としている。【選択図】なし

Description

本発明は、熱可塑性樹脂組成物、及び太陽光発電モジュール用接続構造体に関する。
従来、ポリフェニレンエーテル(以下、「PPE」ともいう)系樹脂は、他の樹脂等と混合して樹脂組成物として用いることで、樹脂の各種特性を向上させている。例えば、ポリフェニレンエーテル系樹脂とスチレン系樹脂とをベースとする混合樹脂(以下、「m−PPE樹脂」ともいう)は、ポリフェニレンエーテル系樹脂と比較して成形加工性が改善されており、ポリフェニレンエーテル系樹脂と同様に優れた耐熱性を有し、さらには寸法安定性、耐酸性、及び耐アルカリ性等に優れ、吸水性が低く、低比重であるという特徴を有している。
また、上記m−PPE樹脂は、有害なハロゲン系化合物やアンチモン化合物を用いずに難燃化を図ることができるため、環境面や安全衛生面にも優れているという特徴を有している。そのため、上記m−PPE樹脂は、各種の電気・電子部品、事務機器部品、自動車部品、建材、その他各種外装材や工業用品等の広範囲の用途に利用されている。
ここで、近年電気部品においては、太陽電池、燃料電池や蓄電池、電気自動車やLED照明、スマートメーター等の多岐の用途で絶縁樹脂成形体が利用されている。これらの用途における絶縁樹脂成形体においては、耐トラッキング性に代表される電気絶縁特性に優れていることが求められてきている。
しかしながら、上述したポリフェニレンエーテル系樹脂は、誘電正接及び誘電率が非常に小さく環境温度、湿度、周波数による影響が小さく、また、体積固有抵抗及び表面固有抵抗も極めて高い値を示し、温度、湿度による影響を受けにくいという観点から、上述の用途に用いる絶縁樹脂組成物としては、ポリフェニレンエーテル系樹脂を含む組成物が考えられる。しかし、ポリフェニレンエーテル系樹脂は、例えば、耐トラッキング性等の点で十分とは言えなかった。
そこで、絶縁樹脂成形体の耐トラッキング性等を向上させるために、例えばポリフェニレンエーテル系樹脂に酸化チタンを配合した樹脂組成物が提案されている(例えば特許文献1を参照)。
国際公開第2015/002145号
特許文献1に記載の樹脂組成物によれば、絶縁樹脂組成物を用いた絶縁樹脂成形体の耐トラッキング性等の性能を向上させることができる優れた樹脂組成物である。しかしながら、近年、絶縁性樹脂の分野においては、一層優れた耐トラッキング性、耐衝撃性に加え、長期使用後の色調の変化が少なく、難燃性にも優れているものが求められてきている。耐衝撃性、耐トラッキング性、耐光変色性(長期間光に暴露されても色調が変化しにくい性質)、及び難燃性に優れる熱可塑性樹脂組成物は知られていないのが現状である。
本発明は上記事情に鑑みなされたものであり、耐衝撃性、耐トラッキング性、耐光変色性、難燃性に優れる熱可塑性樹脂組成物を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、活電部に接する絶縁樹脂成形体等として、ポリフェニレンエーテル系樹脂、有機リン系化合物、ジルコニウム化合物及び/又はハフニウム化合物、並びに任意にスチレン系樹脂を、特定の割合で含む熱可塑性樹脂組成物からなる成形体を用いることにより、従来の優れた樹脂性能に加え、耐衝撃性、耐トラッキング性、耐光変色性、難燃性の飛躍的な向上効果が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は以下の通りである。
[1](A)ポリフェニレンエーテル系樹脂と(B)スチレン系樹脂と(C)有機リン系化合物との合計100質量部に対して、上記(A)ポリフェニレンエーテル系樹脂を40〜95質量部、上記(B)スチレン系樹脂を0〜45質量部、上記(C)有機リン系化合物を5〜30質量部、(D)ジルコニウム化合物及び/又はハフニウム化合物を0.1〜8.0質量部含有することを特徴とする、熱可塑性樹脂組成物。
[2]上記(C)有機リン系化合物が、下記一般式(I)で示されるリン酸エステル系化合物である、上記[1]の熱可塑性樹脂組成物。
Figure 2017110072
(一般式(I)中、Q1、Q2、Q3、Q4は、各々独立して炭素数1から6のアルキル基を表し、R1、R2は、メチル基を表し、R3、R4は、各々独立して水素原子又はメチル基を表す。nは、1以上の整数を示し、n1、n2は、各々独立して0から2の整数を示し、m1、m2、m3、m4は、各々独立して0から3の整数を示す。)
[3]上記(D)ジルコニウム化合物及び/又はハフニウム化合物が、酸化ジルコニウム及び/又は酸化ハフニウムである、[1]又は[2]の熱可塑性樹脂組成物。
[4]上記(A)ポリフェニレンエーテル系樹脂と上記(B)スチレン系樹脂と上記(C)有機リン系化合物との合計100質量部に対して、(E)水添ブロック共重合体を1〜25質量部さらに含有する、[1]〜[3]のいずれかの熱可塑性樹脂組成物。
[5]国際電気標準会議規格IEC−60112に準拠する測定において、250V以上の比較トラッキング指数を示す、[1]〜[4]のいずれかの熱可塑性樹脂組成物。
[6][1]〜[5]のいずれかの熱可塑性樹脂組成物からなることを特徴とする、太陽光発電モジュール用接続構造体。
[7][1]〜[5]のいずれかの熱可塑性樹脂組成物からなることを特徴とする、太陽光発電モジュール用ジャンクションボックス。
[8][1]〜[5]のいずれかの熱可塑性樹脂組成物からなることを特徴とする、太陽光発電モジュール用コネクタ。
本発明によれば、耐衝撃性、耐トラッキング性、耐光変色性、難燃性に優れた熱可塑性樹脂組成物を提供できる。
以下、本発明を実施するための形態(以下、「本実施形態」という。)について詳細に説明する。
以下の本実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明を以下の内容に限定する趣旨ではない。本発明は、その要旨の範囲内で適宜変形して実施することができる。
〔熱可塑性樹脂組成物〕
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、(A)ポリフェニレンエーテル系樹脂と(B)スチレン系樹脂と(C)有機リン系化合物との合計100質量部に対して、(A)ポリフェニレンエーテル系樹脂を40〜95質量部、(B)スチレン系樹脂を0〜45質量部、(C)有機リン系化合物を5〜30質量部、(D)ジルコニウム化合物及び/又はハフニウム化合物を0.1〜8.0質量部含有する。
また、本明細書において、(A)ポリフェニレンエーテル系樹脂を「(A)成分」、(B)スチレン系樹脂を「(B)成分」、(C)有機リン系化合物を「(C)成分」、(D)ジルコニウム化合物及び/又はハフニウム化合物を「(D)成分」と称する場合がある。
以下、熱可塑性樹脂組成物を構成する各成分について詳細に説明する。
<(A)ポリフェニレンエーテル系樹脂>
本実施形態の熱可塑性樹脂組成物は、(A)ポリフェニレンエーテル系樹脂を含有する。(A)ポリフェニレンエーテル系樹脂としては、特に限定されるものではないが、下記一般式(1)及び/又は一般式(2)で表される繰り返し単位を有する単独重合体、あるいは共重合体であることが好ましい。なお、後述するように、(A)ポリフェニレンエーテル系樹脂は、所定の変性基を有する変性体であってもよい。
(A)ポリフェニレンエーテル系樹脂は1種類のみを単独で用いてもよいし、2種類以上を混合して用いてもよい。
Figure 2017110072
一般式(1)
Figure 2017110072
一般式(2)
(一般式(1)及び(2)中、R5、R6、R7、R8、R9、R10は、各々独立して、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数6〜9のアリール基、又はハロゲン原子を表す。但し、R9、R10は同時に水素原子ではない。)
ポリフェニレンエーテルの単独重合体としては、以下に限定されるものではないが、例えば、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−メチル−6−エチル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2,6−ジエチル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−エチル−6−n−プロピル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2,6−ジ−n−プロピル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−メチル−6−n−ブチル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−エチル−6−イソプロピル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−メチル−6−クロロエチル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−メチル−6−ヒドロキシエチル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−メチル−6−クロロエチル−1,4−フェニレン)エーテル等が挙げられる。中でも、熱安定性の観点から、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレン)エーテルが好ましい。
ポリフェニレンエーテルの共重合体とは、一般式(1)及び/又は一般式(2)で表される繰り返し単位を主たる繰り返し単位とする共重合体である。
なお、「主たる」とは、ポリフェニレンエーテル共重合体中、一般式(1)及び/又は一般式(2)で表される繰り返し単位を、60質量%以上含有することを言う。
当該共重合体としては、特に限定されるものではないが、例えば、2,6−ジメチルフェノールと2,3,6−トリメチルフェノールとの共重合体、2,6−ジメチルフェノールとo−クレゾールとの共重合体、及び2,6−ジメチルフェノールと2,3,6−トリメチルフェノールとo−クレゾールとの共重合体等が挙げられる。
(A)ポリフェニレンエーテル系樹脂としては、熱可塑性樹脂組成物の耐熱性が低下しすぎない程度であれば、上記一般式(1)、(2)以外の他の種々のフェニレンエーテル単位を部分構造として含むポリフェニレンエーテルを含んでいてもよい。かかるフェニレンエーテル単位としては、以下に限定されるものではないが、例えば、特開平01−297428号公報及び特開昭63−301222号公報に記載されている、2−(ジアルキルアミノメチル)−6−メチルフェニレンエーテルに由来する単位や、2−(N−アルキル−N−フェニルアミノメチル)−6−メチルフェニレンエーテルに由来する単位等が挙げられる。
(A)ポリフェニレンエーテル系樹脂の還元粘度(ηsp/c、クロロホルム溶液、30℃測定)は、流動性、靱性、耐薬品性の観点から、0.25〜0.60dL/gであることが好ましく、0.35〜0.55dL/gであることがより好ましい。
なお、還元粘度の測定は、試料0.5g/クロロホルム100mLの溶液を作製し、ウベローデ型粘度計を用いて30℃で測定した値である。単位はdL/gで表す。
(A)ポリフェニレンエーテル系樹脂は、下記一般式(3)で表される構造(末端水酸基含有部分)を含むことが好ましく、(A)ポリフェニレンエーテル系樹脂中の下記一般式(3)で表される構造の量(水酸基量)が、(A)ポリフェニレンエーテル系樹脂を構成する繰り返し単位100単位当たり0.8個以上含まれることが好ましく、1.0個以上含まれることがより好ましい。
Figure 2017110072
一般式(3)
(式中、2つのR11、2つのR12は、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数6〜9のアリール基、又はハロゲン原子を表す。)
なお、水酸基量は、Journal of Applied Polymer Science: Applied Polymer Symposium 34, 103-117(1978)に記載された方法に基づき、日立ハイテクノロジー社製のU3310型分光光度計で測定することができる。水酸基量の単位は、ポリフェニレンエーテル系樹脂を構成する繰り返し単位(例えば、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレン)エーテルを構成する2,6−ジメチルフェノールに由来する繰り返し単位等)100単位当たりの、下記一般式(3)で表される水酸基の個数で表す。
(A)ポリフェニレンエーテル系樹脂の水酸基量は、例えばフェノール性化合物を重合する条件と重合停止後のキノン反応の条件によって変化する。重合の例としては、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレン)エーテルについて特開2000−281776号公報、特開2000−281778号公報に記載されており、重合時にPPE系樹脂のモノマー(例えば、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレン)エーテルであれば2,6−ジメチルフェノール)を追添する量及び時間によって生成するキノン化合物量が変化する。一般に、追添する量が多いほど、また、追添時間が短いほどキノン化合物の生成量が多くなる。重合停止後のキノン反応は、温度と時間によって末端水酸基濃度が変化し、温度が高いほど、また、時間が長いほど水酸基濃度が高くなる。本発明においては、フェノール性化合物を重合する条件と重合停止後のキノン反応の条件を限定するものではなく、一般に重合して得られたPPE系樹脂にキノン化合物を添加してキノン反応して水酸基量を高くすることもできる。
本実施形態においては、(A)ポリフェニレンエーテル系樹脂は、任意の方法にて合成することができる。例えば、触媒として銅原子を有するものを用いる場合には、残存触媒に起因する銅含有率が、ポリフェニレンエーテル系樹脂の質量基準で、2.0ppm以下であるものが好ましい。ポリフェニレンエーテル系樹脂の銅含有率が2.0ppmを超えると、熱可塑性樹脂組成物の熱安定性が低下し、長時間高温にさらされた場合に耐衝撃強度の低下を引き起こすことがある。ポリフェニレンエーテル系樹脂の銅含有率は、好ましくは1.0ppm以下、更に好ましくは0.5ppm以下である。
本実施形態においては、(A)ポリフェニレンエーテル系樹脂として、ポリフェニレンエーテルの一部又は全部を、不飽和若しくは飽和カルボン酸又はその誘導体で変性した変性ポリフェニレンエーテルを用いることができる。
変性ポリフェニレンエーテルとしては、特開平2−276823号公報(米国特許第5159027号明細書、米国再発行特許発明第35695号明細書)、特開昭63−108059号公報(米国特許第5214109号明細書、第5216089号明細書)、特開昭59−59724号公報等に記載のものが挙げられる。
変性ポリフェニレンエーテルは、例えば、ラジカル開始剤の存在下又は非存在下において、ポリフェニレンエーテルに、不飽和若しくは飽和カルボン酸又はその誘導体を溶融混練して反応させることによって製造することができる。あるいは、ポリフェニレンエーテルと、不飽和若しくは飽和カルボン酸又はその誘導体とをラジカル開始剤存在下又は非存在下で有機溶剤に溶かし、溶液下で反応させることによって製造することができる。
上記不飽和カルボン酸又はその誘導体としては、以下に限定されるものではないが、例えば、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、ハロゲン化マレイン酸、シス−4−シクロヘキセン1,2−ジカルボン酸、エンド−シス−ビシクロ(2,2,1)−5−ヘプテン−2,3−ジカルボン酸、これらジカルボン酸の酸無水物、これらジカルボン酸のエステル、これらジカルボン酸のアミド、及びこれらジカルボン酸のイミド;アクリル酸、メタクリル酸、これらモノカルボン酸のエステル、これらモノカルボン酸のアミド;等が挙げられる。
また、飽和カルボン酸又はその誘導体としては、本実施形態では、変性ポリフェニレンエーテルを製造する際の反応温度でそれ自身が熱分解し、変性ポリフェニレンエーテルの誘導体となり得る化合物、具体的にはリンゴ酸、クエン酸等が挙げられる。
これらは1種のみを単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記ポリフェニレンエーテル系樹脂は、一般に粉体として入手できる。
上記ポリフェニレンエーテル系樹脂の粒子サイズは、平均粒子径が1〜1000μmであることが好ましく、10〜700μmであることがより好ましく、100〜500μmであることがさらに好ましい。
加工時の取り扱い性の観点からポリフェニレンエーテル系樹脂の粉体の平均粒子径は1μm以上が好ましく、溶融混練時に未溶融物の発生を抑制する観点から1000μm以下が好ましい。
なお、ポリフェニレンエーテル系樹脂の粉体の平均粒子径は、例えばレーザー粒度計により測定することができる。
本実施形態の熱可塑性樹脂組成物において、(A)成分の含有量は、(A)成分と(B)成分と(C)成分との合計100質量部に対して、40〜95質量部であり、55〜90質量部であることが好ましく、60〜85質量部であることがより好ましい。
(A)成分の含有量が40質量部以上であると、耐熱温度が高く、難燃性が優れ、耐熱エージング特性が優れ、95質量部以下であると、流動性が良好となり、耐光変色性が優れる。また、(E)水添ブロック共重合体を含む場合(特に、(A)成分と(B)成分と(C)成分との合計100質量部に対して、(E)水添ブロック共重合体を1〜25質量部含む場合)、(A)成分の含有量が40質量部以上であると、一層耐衝撃性に優れる。
<(B)スチレン系樹脂>
本実施形態の熱可塑性樹脂組成物は、任意に(B)スチレン系樹脂を含む。本実施形態において(B)スチレン系樹脂とは、スチレン系化合物、又はスチレン系化合物とスチレン系化合物に共重合可能な化合物とを、ゴム質重合体存在下又は非存在下に重合して得られる重合体をいう。
(B)スチレン系樹脂は1種類のみを単独で用いてもよいし、2種類以上を混合して用いてもよい。
上記スチレン系化合物としては、以下に限定されるものではないが、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、モノクロロスチレン、p−メチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、エチルスチレン等が挙げられ、中でもスチレンが好ましい。
また、スチレン系化合物と共重合可能な化合物としては、以下に限定されるものではないが、例えば、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート等のメタクリル酸エステル類;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等の不飽和ニトリル化合物類;無水マレイン酸等の酸無水物;等が挙げられる。スチレン系化合物と共重合可能な化合物の使用量は、スチレン系化合物とスチレン系化合物と共重合可能な化合物との合計量に対して、20質量%以下が好ましく、15質量%以下がより好ましい。
上記ゴム質重合体としては、共役ジエン系ゴム、共役ジエンと芳香族ビニル化合物との共重合体、エチレン−プロピレン共重合体ゴム等が挙げられる。中でも、ポリブタジエン、スチレン−ブタジエン共重合体が好ましく、部分的に水素添加された不飽和度80〜20%のポリブタジエン、1,4−シス結合を90%以上含有するポリブタジエンがより好ましい。
(B)スチレン系樹脂としては、以下に限定されるものではないが、例えば、ポリスチレン、ゴム補強ポリスチレン(ハイインパクトポリスチレン(HIPS))、スチレン−アクリロニトリル共重合体(AS樹脂)、ゴム補強スチレン−アクリロニトリル共重合体(ABS樹脂)、その他のスチレン系共重合体等が挙げられる。特に、ポリスチレン及び1,4−シス結合を90%以上含有するポリブタジエンを用いたゴム補強ポリスチレンの組合せが好ましい。また、ホモポリスチレンも好ましく、アタクチックポリスチレン、シンジオタクチックポリスチレンのいずれも使用できる。
本実施形態において(B)成分の含有量は、(A)成分と(B)成分と(C)成分との合計100質量部に対して、0〜45質量部であり、0〜30質量部であることが好ましく、0〜20質量部であることがより好ましい。
(B)成分の含有量に応じて熱可塑性樹脂組成物の流動性は向上し、45質量部以下とすることにより耐熱性及び難燃性に優れた熱可塑性樹脂組成物が得られ、無添加の場合は、特に耐熱性及び耐熱エージング性に優れた熱可塑性樹脂組成物が得られる。
また、本実施形態の熱可塑性樹脂組成物において、(A)成分〜(C)成分の含有量が前述の範囲であって、相対的に、(A)成分の含有量を少なくし、(B)成分の含有量を多くすると、耐衝撃性に一層優れた熱可塑性樹脂組成物が得られる。
<(C)有機リン系化合物>
本実施形態の熱可塑性樹脂組成物は、(C)有機リン系化合物を含有する。(C)有機リン系化合物は、熱可塑性樹脂組成物の難燃性を向上するのに添加されるものであり、難燃性を向上させるものとして一般的に用いられる有機リン系化合物であればいずれも用いることができる。(C)有機リン系化合物としては、特に限定されるものではないが、リン酸エステル化合物、ホスファゼン化合物等が挙げられる。
(C)有機リン系化合物は1種類のみを単独で用いてもよいし、2種類以上を混合して用いてもよい。
上記リン酸エステル化合物としては、特に限定されるものではないが、例えば、トリフェニルホスフェート、トリスノニルフェニルホスフェート、レゾルシノールビス(ジフェニルホスフェート)、レゾルシノールビス[ジ(2,6−ジメチルフェニル)ホスフェート]、2,2−ビス{4−[ビス(フェノキシ)ホスホリルオキシ]フェニル}プロパン、2,2−ビス{4−[ビス(メチルフェノキシ)ホスホリルオキシ]フェニル}プロパン等が挙げられる。
さらに上記以外のリン酸エステル化合物としては、特に限定されるものではないが、例えば、トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリブチルホスフェート、トリオクチルホスフェート、トリブトキシエチルホスフェート、トリクレジルホスフェート、クレジルフェニルホスフェート、オクチルジフェニルホスフェート、ジイソプロピルフェニルホスフェート等のリン酸エステル系難燃剤、ジフェニル−4−ヒドロキシ−2,3,5,6−テトラブロモベンジルホスフォネート、ジメチル−4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモベンジルホスフォネート、ジフェニル−4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモベンジルホスフォネート、トリス(クロロエチル)ホスフェート、トリス(ジクロロプロピル)ホスフェート、トリス(クロロプロピル)ホスフェート、ビス(2、3−ジブロモプロピル)−2、3−ジクロロプロピルホスフェート、トリス(2,3−ジブロモプロピル)ホスフェート、及びビス(クロロプロピル)モノオクチルホスフェート、ハイドロキノニルジフェニルホスフェート、フェニルノニルフェニルハイドロキノニルホスフェート、フェニルジノニルフェニルホスフェート等のモノリン酸エステル化合物、及び芳香族縮合リン酸エステル化合物等が挙げられる。
中でも、加工時のガス発生が少なく、熱安定性等に優れることから、芳香族縮合リン酸エステル化合物が好ましい。
上記芳香族縮合リン酸エステル化合物は、一般に市販されており、例えば、大八化学工業(株)製の「CR741」、「CR733S」、「PX200」、(株)ADEKA製の「FP600」、「FP700」、「FP800」等を用いることができる。
上記芳香族縮合リン酸エステル化合物としては、下記式(I)、又は式(II)で表される縮合リン酸エステル化合物が好ましい。
Figure 2017110072
Figure 2017110072
(一般式(I)及び(II)中、Q1、Q2、Q3及びQ4は、各々独立して炭素数1〜6のアルキル基を表す。R1及びR2は、メチル基を表す。R3及びR4は、各々独立して水素原子又はメチル基を表す。nは、1以上の整数であり、n1及びn2は、各々独立して0〜2の整数を示す。m1、m2、m3及びm4は、各々独立して0〜3の整数を示す。)
上記一般式(I)及び(II)において、nは1から3の整数であることが好ましい。
また、(C)有機リン系化合物が、nが1以上である一般式(I)又は(II)で表される複数種類の縮合リン酸エステル化合物からなる場合には、各縮合リン酸エステル化合物間のモル比から算出されるnの平均値が、1〜3であることが好ましい。
(C)有機リン系化合物としては、式(I)で表される縮合リン酸エステル化合物が好ましく、中でも、式(I)におけるm1、m2、m3、m4、n1及びn2が0であって、R3及びR4がメチル基である縮合リン酸エステル化合物;式(I)におけるQ1、Q2、Q3、Q4、R3及びR4がメチル基であり、n1、n2が0であり、m1、m2、m3及びm4が1〜3の整数であり、nが1〜3の整数(特に好ましくは、nが1である)である縮合リン酸エステル化合物を(C)有機リン系化合物中に50質量%以上含有するもの;がより好ましい。
上記芳香族縮合リン酸エステル化合物としては、耐熱エージング性の観点から、酸価(JIS K2501に準拠して得られた値)が、0.3以下の芳香族縮合リン酸エステル化合物であることが好ましく、0.1以下の芳香族縮合リン酸エステル化合物であることがより好ましい。
また、(C)有機リン系化合物として用いることができるホスファゼン化合物としては、フェノキシホスファゼン及びその架橋体が好ましく、耐熱エージング性の観点から、酸価(JIS K2501に準拠して得られた値)が、0.3以下のフェノキシホスファゼン化合物がより好ましく、0.1以下のフェノキシホスファゼン化合物がさらに好ましい。
本実施形態の熱可塑性樹脂組成物において、(C)成分の含有量は、必要な難燃性レベルにより異なるが、(A)成分と(B)成分と(C)成分との合計100質量部に対して、5〜30質量部であり、8〜25質量部であることが好ましく、10〜20質量部であることがより好ましい。
(C)成分の含有量を、5質量部以上とすることにより、優れた難燃性が得られ、30質量部以下とすることにより、実用上十分な難燃性が得られるとともに、良好な耐熱性および耐衝撃性も得られる。
<(D)ジルコニウム化合物及び/又はハフニウム化合物>
本実施形態の熱可塑性樹脂組成物は、(D)ジルコニウム化合物及び/又はハフニウム化合物を含有する。(D)ジルコニウム化合物及び/又はハフニウム化合物を含有することにより、耐トラッキング性に優れた熱可塑性樹脂組成物が得られる。
(D)ジルコニウム化合物及び/又はハフニウム化合物としては、以下に限定されるものではないが、酸化ジルコニウム、硫酸ジルコニウム、酸塩化ジルコニウム、ステアリン酸ジルコニウム、酢酸ジルコニウム、炭酸ジルコニウム、酸化ハフニウム、炭化ハフニウム、塩化ハフニウム、ジルコニウムアルミニウムシリケート、ハフニウムシリケート、ハフニウムアルミニウムシリケート、及び酸化ジルコニウム及び酸化ハフニウムを主成分とする複合物等が挙げられる。中でも、特に耐トラッキング性が優れることから、酸化ジルコニウム、酸化ハフニウム、酸化ジルコニウム及び酸化ハフニウムを主成分とする複合物が好ましく、酸化ジルコニウム及び/又は酸化ハフニウムがより好ましい。
(D)ジルコニウム化合物及び/又はハフニウム化合物は、1種類のみを単独で用いてもよいし、2種類以上を混合して用いてもよい。
(D)ジルコニウム化合物及び/又はハフニウム化合物の平均粒子径は、耐トラッキング性と耐衝撃性の観点から、0.01〜5.0μmであることが好ましく、0.05〜3.0μmであることがより好ましく、0.15〜1.0μmであることがさらに好ましい。
なお、(D)ジルコニウム化合物及び/又はハフニウム化合物の平均粒子径は、後述の実施例に記載の方法で測定される値をいう。
本実施形態の熱可塑性樹脂組成物において、(D)成分の含有量は、(A)成分と(B)成分と(C)成分との合計100質量部に対して、0.1〜8.0質量部であり、0.5〜6.0質量部であることが好ましく、1.0〜5.0質量部であることがより好ましい。(D)成分の含有量が0.1質量部以上であると、耐トラッキング性に優れ、8.0質量部以下であると優れた衝撃強度及び耐光変色性を確保することができる。
<(E)水添ブロック共重合体>
本実施形態の熱可塑性樹脂組成物は、(E)水添ブロック共重合体をさらに含んでいてもよい。(E)水添ブロック共重合体としては、ポリスチレンブロックと共役ジエン化合物重合体ブロックとからなるブロック共重合体を水素添加して得られる水添ブロック共重合体等が挙げられる。
本実施形態の熱可塑性樹脂組成物において、(E)水添ブロック共重合体は、粒子状に分散している。
なお、本明細書において、(E)水添ブロック共重合体を「(E)成分」と称する場合がある。
水素添加前のブロック共重合体の構造としては、特に限定されず、例えば、ポリスチレンブロック鎖をS、共役ジエン化合物重合体ブロック鎖をBと表すと、S−B−S、S−B−S−B、(S−B−)4−S、S−B−S−B−S等の構造が挙げられる。
(E)水添ブロック共重合体において、共役ジエン化合物由来の不飽和結合の水添率(水素添加率)は60%以上が好ましく、より好ましくは80%以上、更に好ましくは95%以上である。ここでいう、水添率は、核磁気共鳴装置(NMR)により求めることができる。
(E)水添ブロック共重合体における、共役ジエン化合物重合体ブロックのミクロ構造は、特に限定されず、任意に選ぶことができる。通常、共役ジエン化合物重合体ブロックにおけるビニル結合量(共役ジエンの1,2−結合、3,4−結合及び1,4−結合の結合様式で組み込まれているうちの、1,2−結合と3,4−結合として組み込まれているものの割合)は、好ましくは2〜60%であり、より好ましくは8〜40%である。ここでいう、ビニル結合量は、核磁気共鳴装置(NMR)により求めることができる。
(E)水添ブロック共重合体の重量平均分子量は10万〜100万であり、好ましくは15万〜50万であり、より好ましくは20万〜40万である。(E)水添ブロック共重合体の重量平均分子量が10万以上であると、耐衝撃性に一層優れ、かつ(E)水添ブロック共重合体の劣化度を十分に制御することができる。(E)水添ブロック共重合体の重量平均分子量が100万以下であると、溶融押出時の負荷が高くならず、(E)水添ブロック共重合体の溶融混練や劣化度の制御が容易となる。ここでいう重量平均分子量は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)によりスチレン換算分子量として求めることができる。
(E)水添ブロック共重合体は、(E)水添ブロック共重合体中に含まれる少なくとも1個のポリスチレンブロックの重量平均分子量が15,000以上であることが好ましく、20,000〜70,000であることがより好ましい。特に、(E)水添ブロック共重合体中に含まれる全てのポリスチレンブロックの重量平均分子量が15,000以上であることが好ましい。
(E)水添ブロック共重合体中のポリスチレンブロックの重量平均分子量を上記範囲とすることにより、一層優れた耐衝撃性を得ることができ、かつ、(E)水添ブロック共重合体の劣化度を十分かつ容易に制御することができる。ここでいうポリスチレンブロックの重量平均分子量は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)によりスチレン換算分子量として測定することができる。
(E)水添ブロック共重合体におけるポリスチレンブロックの含有量は、特に限定されないが、より容易に耐衝撃性を発現させる観点から、20〜50質量%であることが好ましく、20〜40質量%であることがより好ましい。
(E)水添ブロック共重合体におけるポリスチレンブロックの含有量は、例えば、以下の方法により測定することができる。
四酸化オスミウムを触媒として水添前の共重合体をtert−ブチルハイドロパーオキサイドにより酸化分解する方法(I. M. Kolthoff,et al.,J.Polym.Sci.1,429(1946)に記載の方法)により得たポリスチレンブロックの質量(ここで、平均重合度が約30以下のスチレン重合体は除かれている)から、下記式に基づきポリスチレンブロックの含有量を求めることができる。
ポリスチレンブロックの含有量(質量%)=(水添前の共重合体中のポリスチレンブロックの質量/水添前の共重合体の質量)×100
(E)水添ブロック共重合体は、組成や構造の異なる2種以上の水添ブロック共重合体を併用することもできる。例えば、ポリスチレンブロックの含有量が50質量%以上の水添ブロック共重合体と、ポリスチレンブロックの含有量が30質量%以下の水添ブロック共重合体との併用といったようなブロック含有量が異なる水添ブロック共重合体の併用;分子量の異なる水添ブロック共重合体の併用;スチレンと共役ジエンのランダム共重合体ブロックを含有するブロック共重合体を水添して得られる水添ランダムブロック共重合体同士の併用;等が可能である。
(E)水添ブロック共重合体の製造方法としては、例えば、特公昭36−19286号公報、特公昭43−17979号公報、特公昭48−2423号公報、特公昭49−36957号公報、特公昭57−49567号公報、特公昭58−11446号公報等に記載の方法があげられる。
本実施形態の熱可塑性樹脂組成物において、(E)成分の含有量は、(A)成分と(B)成分と(C)成分との合計100質量部に対して、1〜25質量部であることが好ましく、5〜20質量部であることがより好ましく、10〜15質量部であることがさらに好ましい。
(E)水添ブロック共重合体の含有量を1質量部以上とすることにより、耐衝撃性に一層優れた熱可塑性樹脂組成物が得られ、25質量部以下とすることにより、曲げ弾性率や曲げ強度等の剛性に優れた熱可塑性樹脂組成物が得られる。また、(E)水添ブロック共重合体の含有量が25質量部以下であると、上述した(A)成分と(B)成分との相溶性が一層良好となり、成形体において層状の剥離の発生を防止できる。
<チタン化合物>
本実施形態の熱可塑性樹脂組成物は、酸化チタン、チタン酸塩等のチタン化合物を含んでいてもよい。チタン化合物を含むことにより、更に優れた耐トラッキング性を有する熱可塑性樹脂組成物が得られる。
上記チタン化合物としては、以下に限定されるものではないが、例えば、二酸化チタン(IV)、酸化チタン(II)、酸化チタン(III)、チタン酸バリウム、チタン酸鉛、チタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ビスマス、チタン酸マグネシウム、チタン酸マグネシウムカリウム、チタン酸リチウムカリウム等が挙げられる。
中でも、耐トラッキング性が特に優れた熱可塑性樹脂組成物が得られる観点から、二酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸鉛、チタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ビスマス及びチタン酸マグネシウムからなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましく、二酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウムであることがより好ましく、二酸化チタン、チタン酸バリウムであることがさらに好ましい。
上記チタン化合物は、1種類のみを単独で用いてもよいし、2種類以上を混合して用いてもよい。
上記チタン化合物の平均粒子径は、耐トラッキング性と耐衝撃強度の観点から、0.01〜3.0μmであることが好ましく、0.02〜1.0μmであることがより好ましい。
なお、チタン化合物の平均粒子径は、例えばレーザー粒度計により測定することができる。
本実施形態の熱可塑性樹脂組成物において、上記チタン化合物の含有量は、一層優れた耐トラッキング性が得られる観点から、(A)成分と(B)成分と(C)成分との合計100質量部に対して、0.1〜3.0質量部であることが好ましく、0.3〜2.0質量部であることがより好ましく、0.5〜1.5質量部であることがさらに好ましい。
<その他の添加剤>
本実施形態の熱可塑性樹脂組成物に添加可能な上記以外のその他の添加剤としては、無機添加剤、(C)成分以外の難燃性を有する化合物(本明細書において、「難燃性化合物」と称する場合がある。)、滴下防止剤、オレフィン系熱可塑性エラストマー、熱安定剤、紫外線吸収剤、光吸収剤、可塑剤、酸化防止剤、各種安定剤、帯電防止剤、離型剤、染顔料(染料、顔料、カーボンブラック等)、エポキシ化合物等が挙げられ、本発明の効果を損なわない範囲で添加することができる。
上記無機添加剤としては、特に限定されないが、例えば、ガラス繊維、チタン酸カリウム繊維、石膏繊維、黄銅繊維、ステンレス繊維、スチール繊維、セラミックス繊維、ボロンウィスカ繊維、マイカ、タルク、シリカ、炭酸カルシウム、カオリン、焼成カオリン、ウォラストナイト、ゾノトライト、アパタイト、ガラスビーズ、フレーク状ガラス等の繊維状、粒状、板状、あるいは針状の無機質強化剤等が挙げられる。中でも、タルク、ウォラストナイト、ガラス繊維が好ましい。
これら無機添加剤は、1種のみを単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
また、上記無機添加剤としては、シランカップリング剤等の表面処理剤を用いて公知の方法で表面処理したものを用いてもよい。
上記無機添加剤の含有量は、熱可塑性樹脂組成物(100質量%)に対して、5〜80質量%であることが好ましく、10〜70質量%であることがより好ましく、15〜60質量%であることがさらに好ましい。
上記難燃性化合物としては、成分(C)以外の、実質的にハロゲンを含まない無機又は有機の難燃剤が好ましい。
上記難燃性化合物としては、特に限定されないが、例えば、ジメチルホスフィン酸カルシウム、ジメチルホスフィン酸アルミニウム、ジメチルホスフィン酸亜鉛、エチルメチルホスフィン酸カルシウム、エチルメチルホスフィン酸アルミニウム、エチルメチルホスフィン酸亜鉛、ジエチルホスフィン酸カルシウム、ジエチルホスフィン酸アルミニウム、ジエチルホスフィン酸亜鉛等のホスフィン酸塩類;水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム等の公知の無機難燃剤;ポリリン酸アンモニウム、ポリリン酸メラミン、ポリリン酸メレム、ポリリン酸メラム、ポリリン酸メロン等のリン酸系含窒素化合物;メロンやメレムのような環状窒素化合物;シリコーンオイル類、赤燐、ホウ酸亜鉛やその他公知の難燃剤が挙げられる。
上記滴下防止剤としては、テトラフルオロエチレン等に代表されるフッ素系ポリマー等が挙げられる。
上記滴下防止剤の含有量は、熱可塑性樹脂組成物(100質量%)に対して、2質量%未満であることが好ましい。
上記オレフィン系熱可塑性エラストマーとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン単独重合体;エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ブチレン共重合体、エチレン−オクテン共重合体等のポリオレフィン共重合体等が挙げられる。本実施形態の熱可塑性樹脂組成物に、上記熱可塑性エラストマーが含まれることにより、熱可塑性樹脂組成物を成形する際の、金型からの離型性が向上する。
上記オレフィン系熱可塑性エラストマーは、特に、上記スチレン系化合物以外の芳香族ビニル化合物を主体とする重合体ブロックと共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックとからなるブロック共重合体と併用することが好ましい。
上記オレフィン系熱可塑性エラストマーの含有量は、熱可塑性樹脂組成物(100質量%)に対して、0.1〜10質量%であることが好ましく、0.5〜5質量%であることがより好ましく、1.0〜3.0質量%であることがさらに好ましい。
本実施形態の熱可塑性樹脂組成物には、上記以外の他のポリマーやオリゴマーが含まれていてもよい。当該他のポリマーやオリゴマーとしては、特に限定されないが、例えば、流動性改良剤としての石油樹脂、テルペン樹脂及びその水添樹脂、クマロン樹脂、クマロンインデン樹脂、あるいは難燃性を改善するためのシリコーン樹脂やフェノール樹脂等が挙げられる。
<熱可塑性樹脂組成物の物性>
本実施形態の熱可塑性樹脂組成物は、太陽光発電モジュール用途の絶縁性樹脂成形体として特に好適に用いることができる観点から、国際電気標準会議規格IEC−60112に準拠する測定において、250V以上の比較トラッキング指数を示すことが好ましく、300Vを超える比較トラッキング指数を示すことがより好ましい。
なお、本明細書において、比較トラッキング指数は、後述の実施例に記載の方法で測定することができる。
本実施形態の熱可塑性樹脂組成物は、太陽光発電モジュール用途の絶縁性樹脂成形体として特に好適に用いることができる観点から、ISO179/1eAに準拠して測定される、23℃におけるシャルピー衝撃強度が、10kJ/m2以上であることが好ましく、15kJ/m2以上であることがより好ましい。
なお、本明細書において、シャルピー衝撃強度は、後述の実施例に記載の方法で測定することができる。
本実施形態の熱可塑性樹脂組成物は、太陽光発電モジュール用途の絶縁性樹脂成形体として特に好適に用いることができる観点から、90mm×50mm×2.5mmの平板試験片の、波長313nm、温度62℃、時間50hrの条件で暴露した後の国際照明委員会(CIE)表色系に基づく色調変化が、7以下であることが好ましく、5以下であることがより好ましい。
なお、本明細書において、色調変化は、後述の実施例に記載の方法で測定することができる。
本実施形態の熱可塑性樹脂組成物は、太陽光発電モジュール用途の絶縁性樹脂成形体として特に好適に用いることができる観点から、UL規格のUL−94に規定されている垂直燃焼試験おける難燃性が、V−0であることが好ましい。
なお、本明細書において、難燃性は、後述の実施例に記載の方法で測定することができる。
〔熱可塑性樹脂組成物の製造方法〕
本実施形態の熱可塑性樹脂組成物は、上述した各成分を用いて、従来公知の溶融混練法により製造することができる。
上記製造方法としては、例えば、単軸押出機、二軸押出機、ロール、ニーダー、ブラベンダープラストグラフ、バンバリーミキサー等を用いて溶融混練する方法が挙げられるが、中でも二軸押出機を用いた方法が好ましい。
押出機としては、二軸押出機が好ましい。二軸押出機としては、特に限定されないが、例えば、スクリュー直径58mm、バレル数13、減圧ベント口付の二軸押出機が挙げられる。
上記二軸押出機を用いて、熱可塑性樹脂組成物を製造する方法について、具体的に説明する。
溶融混練する際に(A)成分、(D)成分、任意の(B)成分及び任意の(E)成分を、上記二軸押出機の流れ方向に対して上流側のバレル1にある第1供給口より供給する。その後、(C)成分を、第1供給口より下流側にある第2(液体)供給口よりギアポンプを使って押出機のサイドに注入ノズルを通してフィードして押出する。
上記二軸押出機のスクリュー構成は、未溶融混合ゾーンを、全バレル長を100%としたとき、バレルの上流側から45〜75%とすることが好ましく、60〜70%とすることがより好ましい。
上記二軸押出機中の溶融混練ゾーンには、位相45度のニーディングエレメント(通常Rと表示)、位相90度のニーディングエレメント(通常Nと表示)、負位相45度のニーディングエレメント(通常Lと表示)を使用することが好ましく、上記未溶融混合ゾーンには、(C)成分を第2供給口よりフィードした後に位相45度のニーディングエレメント(通常Rと表示)を用いることが好ましい。
上記溶融混練ゾーンのスクリューとしては、以下に限定されるものではないが、例えば、ニーディングディスクR(3〜7枚のディスクを捻れ角度15〜75度で組み合わせた、L/D(スクリュー軸方向長さ/スクリュー直径)が0.5〜2.0である正ネジスクリューエレメント)、ニーディングディスクN(3〜7枚のディスクを捻れ角度90度で組み合わせた、L/Dが0.5〜2.0であるニュートラルスクリューエレメント)、ニーディングディスクL(3〜7枚のディスクを捻れ角度15〜75度で組み合わせた、L/Dが0.5〜1.0である逆ネジスクリューエレメント)等を適宜組み合わせたスクリュー構成を有することが好ましい。上記に加え、逆ネジスクリュー(L/Dが0.5〜1.0である二条の逆ネジスクリューエレメント)、SMEスクリュー(正ネジスクリューに切り欠きをつけて混練性を良くした、L/Dが0.5〜1.5であるスクリューエレメント)、ZMEスクリュー(逆ネジスクリューに切り欠きをつけて混練性を向上させた、L/Dが0.5〜1.5であるスクリューエレメント)等のスクリューエレメントを、スクリュー構成中に適宜組み入れて混練を行ってもよい。
本実施形態の熱可塑性樹脂組成物の製造方法では、溶融混練においてさらに減圧脱気を行うことが好ましい。
本実施形態の熱可塑性樹脂組成物の製造方法において、溶融混練時の樹脂温度は、290〜350℃であることが好ましい。具体的には、二軸押出機の前段(全バレルのうち押出流れ上流側のバレル)の設定温度を100〜250℃とすることが好ましく、後段(全バレルのうち押出流れ下流側のバレル)の設定温度を250〜330℃とすることが好ましく、ダイ出口樹脂温度を290〜350℃とすることが好ましい。
二軸押出機のスクリュー回転数は、150〜600rpmであることが好ましい。
上述した方法により、熱可塑性樹脂組成物を製造することにより、耐衝撃性、耐トラッキング性、耐光変色性、難燃性に優れる熱可塑性樹脂組成物が得られる。
本実施形態の樹脂組成物を成形することにより、所望の成形品(絶縁成形体)が得られる。
上記樹脂組成物の成形方法としては、以下に限定されるものではないが、例えば、射出成形、金属インモールド成形、アウトサート成形、押出成形、シート成形、フィルム成形、プレス成形、回転成形、積層成形、ブロー成形、カレンダー成形、流延成形等の成形方法が挙げられる。
例えば、シリンダー温度が350℃以下の範囲内に調整された射出成形機のシリンダー内で熱可塑性樹脂組成物溶融させ、所定の形状の金型内に射出することによって、所定の形状の成形品を製造することができる。
また、シリンダー温度が上記の範囲内に調整された押出機内で熱可塑性樹脂組成物を溶融させ、口金ノズルより紡出することによって、繊維状の成形品を製造することができる。
さらに、シリンダー温度が上記の範囲内に調整された押出機内で熱可塑性樹脂組成物を溶融させ、Tダイから押し出すことにより、フィルム状やシート状の成形品を製造することができる。
さらにまた、このような方法で製造された成形品は、表面に、塗料、金属、他種のポリマー等からなる被覆層が形成された形態としてもよい。
本実施形態の熱可塑性樹脂を成形した成形品は、電気部品中の部品として用いることができる。上記電気部品としては、例えば、産業用機器である事務機、計測器、シャーシ、電気機器の内部パーツ部品、家電関連機器等の電源アダプター、記録媒体やそのドライブ、センサー機器、端子台、エネルギー・環境分野における二次電池、燃料電池や太陽光発電(太陽電池)、太陽熱発電、地熱発電、風力発電、スマートメーター等に使用される電気電子部品、送電設備を構成する電気部品、ケーブル端末、自動車部品、等が挙げられる。中でも、本実施形態の熱可塑性樹脂を成形した成形品は、耐衝撃性、耐トラッキング性、耐光変色性、難燃性に優れるため、太陽光発電モジュール用コネクタ、太陽電池モジュール用ジャンクションボックス等の太陽光発電モジュール用接続体、ハイブリッド自動車・電気自動車用部品として特に好適である。
以下、本発明について、具体的な実施例及び比較例を挙げて説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
各実施例及び各比較例で用いた成分は、以下のとおりである。
〔(A)成分〕
(PPE:ポリフェニレンエーテル系樹脂)
2,6−ジメチルフェノール(2,6−キシレノール)を酸化重合して得られたポリフェニレンエーテル
還元粘度(ηsp/c)は、0.51dL/g
水酸基量は、単量体100単位当たり0.88個
銅含有率は、0.6ppm
〔(B)成分〕
ハイインパクトポリスチレン(PSジャパン株式会社製、商品名「PSJ−ポリスチレンH9302」)
〔(C)成分〕
ビスフェノールA系縮合リン酸エステル(大八化学株式会社製、商品名「CR−741」、以下の一般式においてn=1のものを主成分(84質量%)とする、酸価0.01)
Figure 2017110072
〔(D)成分〕
D−1:酸化ジルコニウム(第一稀元素化学工業株式会社製、商品名「UEP 酸化ジルコニウム」、平均粒子径:0.5μm)
D−2:酸化ハフニウム(和光純薬工業株式会社製、平均粒子径:0.9μm)
なお、(D)成分の平均粒子径は、以下の方法により測定した。
(D)成分を3%イソプロパノール水溶液の分散媒に添加し、超音波を1分間照射して分散させた。レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置LA−910(堀場製作所(株)製)を用いて、3%イソプロパノール水溶液の分散媒でブランク測定を行った後、(D)成分の含有量が規定の透過率(95%〜70%)になるよう調整して、測定した粒子径分布から、平均粒子径(d50%)を測定した。
〔(E)成分〕
スチレン−ブタジエンブロック共重合体(ポリスチレン−ポリブタジエン−ポリスチレンの結合構造)を水素添加して得られた、以下の水添ブロック共重合体(ポリスチレン−ポリ(エチレン−ブチレン)−ポリスチレンの結合構造)を用いた。
数平均分子量250,000、ポリスチレンブロック33質量%、ブタジエン重合体ブロックの水素添加率98%以上の水添ブロック共重合体(Kraton Polymers LLC製、商品名「クレイトン G1651」)
〔チタン化合物〕
二酸化チタン(HUNTSMAN株式会社製、商品名「TIOXIDER−TC30」)
〔その他の添加剤〕
F−1:ヒンダードフェノール系酸化防止剤(BASFジャパン株式会社製、商品名「IRGANOX 565」)
F−2:ホスファイト系酸化防止剤(BASFジャパン株式会社製、商品名「IRGFOS 168」)
F−3:カーボンブラック(三菱化学株式会社製、商品名「三菱カーボンブラック#960」)
〔評価〕
後述する実施例及び比較例において製造した熱可塑性樹脂組成物の特性評価を、以下の方法及び条件で行った。
(1)耐衝撃性
耐衝撃性の評価としてシャルピー衝撃試験を行った。具体的には、実施例及び比較例で製造した熱可塑性樹脂組成物のペレットを、100℃で2時間乾燥した後、IS−100GN型射出成形機(東芝機械(株)製、シリンダー温度280℃、金型温度80℃に設定)を用いて、ISO−15103に準じた試験片を成形した。上記試験片をシャルピー衝撃試験規格であるISO179/1eAに準拠して、23℃におけるシャルピー衝撃強度(kJ/m2)を測定した。測定値が高い値であるほど、耐衝撃性に優れていると判定した。
(2)耐トラッキング性
耐トラッキング性の評価として比較トラッキング指数(CTI)(V)を算出した。具体的には、実施例及び比較例で製造した熱可塑性樹脂組成物のペレットを、100℃で2時間乾燥した後、IS−100GN型射出成形機(東芝機械(株)製、シリンダー温度280℃、金型温度80℃に設定)を用いて、100mm×100mm×3mmの平板試験片を成形した。
上記試験片を、IEC−60112に準拠した試験装置にて、電圧を印加した状態の試験片に、塩化アンモニウム0.1質量%水溶液を30秒ごとに滴下し、トラッキングが生じるまでの滴下数を測定した。滴下数の測定試験は5回行った。5回全てが50滴の滴下でトラッキングを発生せず、且つ、発火しない電圧(V)を測定した。
測定値が高い値であるほど、耐トラッキング性が優れていると判定した。
(3)耐光変色性
実施例及び比較例で製造した熱可塑性樹脂組成物のペレットを、100℃で2時間乾燥した後、IS−100GN型射出成形機(東芝機械(株)製、シリンダー温度280℃、金型温度80℃に設定)を用いて、90mm×50mm×2.5mmの平板試験片を成形した。
上記試験片を、蛍光灯暴露装置(アルタス(株)社製、「ユーブコン」)を用いて、波長313nm、温度62℃、時間50hrの条件で暴露後、分光光度計(マクベス社製、「MS2020型」)を用い、キセノンランプD65光源、10度視野、d/8受光、SCE(正反射光除去)で測定し、国際照明委員会(CIE)表色系に基づいて、暴露前の試験片との色調変化をΔ*値で表した測定値が低い値であるほど、耐光変色性が優れていると判定
した。
(4)難燃性
実施例及び比較例で製造した熱可塑性樹脂組成物のペレットを、100℃で2時間乾燥した後、IS−100GN型射出成形機(東芝機械(株)製、シリンダー温度300℃、金型温度80℃に設定)にて、燃焼試験用試験片を成形した。
UL規格のUL−94に規定されている垂直燃焼試験に基づき、1.5mm厚みの射出成形試験片を用いて燃焼試験を行った。試験片5本について、接炎を各2回、合計10回行い、消炎時間の平均秒数及び最大秒数を測定し、以下の基準で難燃性を評価した。
(基準)
V−0:試験片5本1組の試験で、合計10回の燃焼時間を測定して、いずれの燃焼時間も10秒以内であり、10回の燃焼時間の合計が50秒以内であり、且つ、滴下物が綿着火をおこさなかったもの。
V−1:試験片5本1組の試験で、合計10回の燃焼時間を測定して、いずれの燃焼時間も30秒以内であり、10回の燃焼時間の合計が250秒以内であり、且つ、滴下物が綿着火をおこさなかったもの。
V−2:試験片5本1組の試験で、合計10回の燃焼時間を測定して、いずれの燃焼時間も30秒以内であり、10回の燃焼時間の合計が250秒以内であり、且つ、滴下物が綿着火をおこしたもの。
notV:上記評価基準V−2以下のもの。
〔実施例1〕
二軸押出機(コペリオン社製、「ZSK−26MC」)を用い、各成分を溶融混練した。具体的には、シリンダー温度を上流側320℃〜下流側280℃に設定し、溶融混練する際に、(A)ポリフェニレンエーテル系樹脂を65.0質量部、(B)ハイインパクトポリスチレンを22.5質量部、(D)酸化ジルコニウムを0.5質量部、(E)水添ブロック共重合体を2.5質量部、(F−1)ヒンダードフェノール系酸化防止剤を0.1質量部(F−2)ホスファイト系酸化防止剤を0.1質量部、(F−3)カーボンブラックを0.5質量部の含有量で押出機の流れ方向に対して上流側のバレルにある第1供給口より供給した。
その後、(C)ビスフェノールA系縮合リン酸エステル12.5質量部を、第1供給口より下流側にある第2(液体)供給口よりギアポンプを使って押出機のサイドに注入ノズルからフィードして、ストランドを押出した。なお、このときのスクリュー回転数は300回転/分とし、吐出量は15kg/hとした。
また、シリンダーブロックに開口部(ベント)を設け、減圧吸引することにより残存揮発の除去を行った。この時の減圧度(圧力)は0.09MPaであった。
ダイから押し出されたストランドを冷却し、カッターにて連続切断して約3mm長さ×3mm径の熱可塑性樹脂組成物ペレットを得た。
得られたペレットを用いて、上述の各種評価を実施した。評価結果を下記表1に示す。
なお、表1において、各成分の含有量は、(A)成分と(B)成分と(C)成分との合計100質量部に対する質量部で示している。
〔実施例2〜6、比較例1〜5〕
表1に示すように、各成分及びその含有量を変えたこと以外、実施例1と同様にして熱可塑性樹脂組成物ペレットを製造した。
得られたペレットを用いて、上述の各種評価を実施した。評価結果を下記表1に示す。
Figure 2017110072
表1に示すように、本実施例1〜6により、耐衝撃性、耐トラッキング性、難燃性に優れ、色調変化の少ない、熱可塑性樹脂からなる絶縁樹脂成形体が得られることがわかった。
本発明によれば、耐衝撃性、耐トラッキング性、耐光変色性、難燃性に優れる熱可塑性樹脂組成物を提供することができる。
本実施形態の熱可塑性樹脂組成物は、電気部品、産業用機器である事務機、計測器、シャーシ、電気機器の内部パーツ部品、家電関連機器等の電源アダプター、記録媒体やそのドライブ、センサー機器、端子台、エネルギー・環境分野における二次電池、燃料電池や太陽電池、太陽熱発電、地熱発電、風力発電、スマートメーター等に使用される電気電子部品、送電設備を構成する電気部品、ケーブル端末、自動車部品として、産業上の利用可能性を有する。
特に、本実施形態の熱可塑性樹脂組成物は、例えば、太陽光発電モジュールを含む太陽電池に好適に用いることができ、具体的には、太陽電池用接続構造体、太陽電池用ジャンクションボックス、太陽電池用コネクタ、ハイブリッド自動車・電気自動車用部品として、産業上の利用可能性を有する。

Claims (8)

  1. (A)ポリフェニレンエーテル系樹脂と(B)スチレン系樹脂と(C)有機リン系化合物との合計100質量部に対して、前記(A)ポリフェニレンエーテル系樹脂を40〜95質量部、前記(B)スチレン系樹脂を0〜45質量部、前記(C)有機リン系化合物を5〜30質量部、(D)ジルコニウム化合物及び/又はハフニウム化合物を0.1〜8.0質量部含有することを特徴とする、熱可塑性樹脂組成物。
  2. 前記(C)有機リン系化合物が、下記一般式(I)で示されるリン酸エステル系化合物である、請求項1に記載の熱可塑性樹脂組成物。
    Figure 2017110072
    (一般式(I)中、Q1、Q2、Q3、Q4は、各々独立して炭素数1から6のアルキル基を表し、R1、R2は、メチル基を表し、R3、R4は、各々独立して水素原子又はメチル基を表す。nは、1以上の整数を示し、n1、n2は、各々独立して0から2の整数を示し、m1、m2、m3、m4は、各々独立して0から3の整数を示す。)
  3. 前記(D)ジルコニウム化合物及び/又はハフニウム化合物が、酸化ジルコニウム及び/又は酸化ハフニウムである、請求項1又は2に記載の熱可塑性樹脂組成物。
  4. 前記(A)ポリフェニレンエーテル系樹脂と前記(B)スチレン系樹脂と前記(C)有機リン系化合物との合計100質量部に対して、(E)水添ブロック共重合体を1〜25質量部さらに含有する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の熱可塑性樹脂組成物。
  5. 国際電気標準会議規格IEC−60112に準拠する測定において、250V以上の比較トラッキング指数を示す、請求項1〜4のいずれか一項に記載の熱可塑性樹脂組成物。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の熱可塑性樹脂組成物からなることを特徴とする、太陽光発電モジュール用接続構造体。
  7. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の熱可塑性樹脂組成物からなることを特徴とする、太陽光発電モジュール用ジャンクションボックス。
  8. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の熱可塑性樹脂組成物からなることを特徴とする、太陽光発電モジュール用コネクタ。
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