JP2017110072A - 熱可塑性樹脂組成物、及び太陽光発電モジュール用接続構造体 - Google Patents
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Abstract
Description
[1](A)ポリフェニレンエーテル系樹脂と(B)スチレン系樹脂と(C)有機リン系化合物との合計100質量部に対して、上記(A)ポリフェニレンエーテル系樹脂を40〜95質量部、上記(B)スチレン系樹脂を0〜45質量部、上記(C)有機リン系化合物を5〜30質量部、(D)ジルコニウム化合物及び/又はハフニウム化合物を0.1〜8.0質量部含有することを特徴とする、熱可塑性樹脂組成物。
以下の本実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明を以下の内容に限定する趣旨ではない。本発明は、その要旨の範囲内で適宜変形して実施することができる。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、(A)ポリフェニレンエーテル系樹脂と(B)スチレン系樹脂と(C)有機リン系化合物との合計100質量部に対して、(A)ポリフェニレンエーテル系樹脂を40〜95質量部、(B)スチレン系樹脂を0〜45質量部、(C)有機リン系化合物を5〜30質量部、(D)ジルコニウム化合物及び/又はハフニウム化合物を0.1〜8.0質量部含有する。
また、本明細書において、(A)ポリフェニレンエーテル系樹脂を「(A)成分」、(B)スチレン系樹脂を「(B)成分」、(C)有機リン系化合物を「(C)成分」、(D)ジルコニウム化合物及び/又はハフニウム化合物を「(D)成分」と称する場合がある。
本実施形態の熱可塑性樹脂組成物は、(A)ポリフェニレンエーテル系樹脂を含有する。(A)ポリフェニレンエーテル系樹脂としては、特に限定されるものではないが、下記一般式(1)及び/又は一般式(2)で表される繰り返し単位を有する単独重合体、あるいは共重合体であることが好ましい。なお、後述するように、(A)ポリフェニレンエーテル系樹脂は、所定の変性基を有する変性体であってもよい。
(A)ポリフェニレンエーテル系樹脂は1種類のみを単独で用いてもよいし、2種類以上を混合して用いてもよい。
(一般式(1)及び(2)中、R5、R6、R7、R8、R9、R10は、各々独立して、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数6〜9のアリール基、又はハロゲン原子を表す。但し、R9、R10は同時に水素原子ではない。)
なお、「主たる」とは、ポリフェニレンエーテル共重合体中、一般式(1)及び/又は一般式(2)で表される繰り返し単位を、60質量%以上含有することを言う。
なお、還元粘度の測定は、試料0.5g/クロロホルム100mLの溶液を作製し、ウベローデ型粘度計を用いて30℃で測定した値である。単位はdL/gで表す。
(式中、2つのR11、2つのR12は、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数6〜9のアリール基、又はハロゲン原子を表す。)
なお、水酸基量は、Journal of Applied Polymer Science: Applied Polymer Symposium 34, 103-117(1978)に記載された方法に基づき、日立ハイテクノロジー社製のU3310型分光光度計で測定することができる。水酸基量の単位は、ポリフェニレンエーテル系樹脂を構成する繰り返し単位(例えば、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレン)エーテルを構成する2,6−ジメチルフェノールに由来する繰り返し単位等)100単位当たりの、下記一般式(3)で表される水酸基の個数で表す。
また、飽和カルボン酸又はその誘導体としては、本実施形態では、変性ポリフェニレンエーテルを製造する際の反応温度でそれ自身が熱分解し、変性ポリフェニレンエーテルの誘導体となり得る化合物、具体的にはリンゴ酸、クエン酸等が挙げられる。
これらは1種のみを単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記ポリフェニレンエーテル系樹脂の粒子サイズは、平均粒子径が1〜1000μmであることが好ましく、10〜700μmであることがより好ましく、100〜500μmであることがさらに好ましい。
加工時の取り扱い性の観点からポリフェニレンエーテル系樹脂の粉体の平均粒子径は1μm以上が好ましく、溶融混練時に未溶融物の発生を抑制する観点から1000μm以下が好ましい。
なお、ポリフェニレンエーテル系樹脂の粉体の平均粒子径は、例えばレーザー粒度計により測定することができる。
(A)成分の含有量が40質量部以上であると、耐熱温度が高く、難燃性が優れ、耐熱エージング特性が優れ、95質量部以下であると、流動性が良好となり、耐光変色性が優れる。また、(E)水添ブロック共重合体を含む場合(特に、(A)成分と(B)成分と(C)成分との合計100質量部に対して、(E)水添ブロック共重合体を1〜25質量部含む場合)、(A)成分の含有量が40質量部以上であると、一層耐衝撃性に優れる。
本実施形態の熱可塑性樹脂組成物は、任意に(B)スチレン系樹脂を含む。本実施形態において(B)スチレン系樹脂とは、スチレン系化合物、又はスチレン系化合物とスチレン系化合物に共重合可能な化合物とを、ゴム質重合体存在下又は非存在下に重合して得られる重合体をいう。
(B)スチレン系樹脂は1種類のみを単独で用いてもよいし、2種類以上を混合して用いてもよい。
(B)成分の含有量に応じて熱可塑性樹脂組成物の流動性は向上し、45質量部以下とすることにより耐熱性及び難燃性に優れた熱可塑性樹脂組成物が得られ、無添加の場合は、特に耐熱性及び耐熱エージング性に優れた熱可塑性樹脂組成物が得られる。
本実施形態の熱可塑性樹脂組成物は、(C)有機リン系化合物を含有する。(C)有機リン系化合物は、熱可塑性樹脂組成物の難燃性を向上するのに添加されるものであり、難燃性を向上させるものとして一般的に用いられる有機リン系化合物であればいずれも用いることができる。(C)有機リン系化合物としては、特に限定されるものではないが、リン酸エステル化合物、ホスファゼン化合物等が挙げられる。
(C)有機リン系化合物は1種類のみを単独で用いてもよいし、2種類以上を混合して用いてもよい。
さらに上記以外のリン酸エステル化合物としては、特に限定されるものではないが、例えば、トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリブチルホスフェート、トリオクチルホスフェート、トリブトキシエチルホスフェート、トリクレジルホスフェート、クレジルフェニルホスフェート、オクチルジフェニルホスフェート、ジイソプロピルフェニルホスフェート等のリン酸エステル系難燃剤、ジフェニル−4−ヒドロキシ−2,3,5,6−テトラブロモベンジルホスフォネート、ジメチル−4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモベンジルホスフォネート、ジフェニル−4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモベンジルホスフォネート、トリス(クロロエチル)ホスフェート、トリス(ジクロロプロピル)ホスフェート、トリス(クロロプロピル)ホスフェート、ビス(2、3−ジブロモプロピル)−2、3−ジクロロプロピルホスフェート、トリス(2,3−ジブロモプロピル)ホスフェート、及びビス(クロロプロピル)モノオクチルホスフェート、ハイドロキノニルジフェニルホスフェート、フェニルノニルフェニルハイドロキノニルホスフェート、フェニルジノニルフェニルホスフェート等のモノリン酸エステル化合物、及び芳香族縮合リン酸エステル化合物等が挙げられる。
中でも、加工時のガス発生が少なく、熱安定性等に優れることから、芳香族縮合リン酸エステル化合物が好ましい。
また、(C)有機リン系化合物が、nが1以上である一般式(I)又は(II)で表される複数種類の縮合リン酸エステル化合物からなる場合には、各縮合リン酸エステル化合物間のモル比から算出されるnの平均値が、1〜3であることが好ましい。
(C)成分の含有量を、5質量部以上とすることにより、優れた難燃性が得られ、30質量部以下とすることにより、実用上十分な難燃性が得られるとともに、良好な耐熱性および耐衝撃性も得られる。
本実施形態の熱可塑性樹脂組成物は、(D)ジルコニウム化合物及び/又はハフニウム化合物を含有する。(D)ジルコニウム化合物及び/又はハフニウム化合物を含有することにより、耐トラッキング性に優れた熱可塑性樹脂組成物が得られる。
(D)ジルコニウム化合物及び/又はハフニウム化合物は、1種類のみを単独で用いてもよいし、2種類以上を混合して用いてもよい。
なお、(D)ジルコニウム化合物及び/又はハフニウム化合物の平均粒子径は、後述の実施例に記載の方法で測定される値をいう。
本実施形態の熱可塑性樹脂組成物は、(E)水添ブロック共重合体をさらに含んでいてもよい。(E)水添ブロック共重合体としては、ポリスチレンブロックと共役ジエン化合物重合体ブロックとからなるブロック共重合体を水素添加して得られる水添ブロック共重合体等が挙げられる。
本実施形態の熱可塑性樹脂組成物において、(E)水添ブロック共重合体は、粒子状に分散している。
なお、本明細書において、(E)水添ブロック共重合体を「(E)成分」と称する場合がある。
(E)水添ブロック共重合体中のポリスチレンブロックの重量平均分子量を上記範囲とすることにより、一層優れた耐衝撃性を得ることができ、かつ、(E)水添ブロック共重合体の劣化度を十分かつ容易に制御することができる。ここでいうポリスチレンブロックの重量平均分子量は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)によりスチレン換算分子量として測定することができる。
(E)水添ブロック共重合体におけるポリスチレンブロックの含有量は、例えば、以下の方法により測定することができる。
四酸化オスミウムを触媒として水添前の共重合体をtert−ブチルハイドロパーオキサイドにより酸化分解する方法(I. M. Kolthoff,et al.,J.Polym.Sci.1,429(1946)に記載の方法)により得たポリスチレンブロックの質量(ここで、平均重合度が約30以下のスチレン重合体は除かれている)から、下記式に基づきポリスチレンブロックの含有量を求めることができる。
ポリスチレンブロックの含有量(質量%)=(水添前の共重合体中のポリスチレンブロックの質量/水添前の共重合体の質量)×100
(E)水添ブロック共重合体の含有量を1質量部以上とすることにより、耐衝撃性に一層優れた熱可塑性樹脂組成物が得られ、25質量部以下とすることにより、曲げ弾性率や曲げ強度等の剛性に優れた熱可塑性樹脂組成物が得られる。また、(E)水添ブロック共重合体の含有量が25質量部以下であると、上述した(A)成分と(B)成分との相溶性が一層良好となり、成形体において層状の剥離の発生を防止できる。
本実施形態の熱可塑性樹脂組成物は、酸化チタン、チタン酸塩等のチタン化合物を含んでいてもよい。チタン化合物を含むことにより、更に優れた耐トラッキング性を有する熱可塑性樹脂組成物が得られる。
中でも、耐トラッキング性が特に優れた熱可塑性樹脂組成物が得られる観点から、二酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸鉛、チタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ビスマス及びチタン酸マグネシウムからなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましく、二酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウムであることがより好ましく、二酸化チタン、チタン酸バリウムであることがさらに好ましい。
上記チタン化合物は、1種類のみを単独で用いてもよいし、2種類以上を混合して用いてもよい。
なお、チタン化合物の平均粒子径は、例えばレーザー粒度計により測定することができる。
本実施形態の熱可塑性樹脂組成物に添加可能な上記以外のその他の添加剤としては、無機添加剤、(C)成分以外の難燃性を有する化合物(本明細書において、「難燃性化合物」と称する場合がある。)、滴下防止剤、オレフィン系熱可塑性エラストマー、熱安定剤、紫外線吸収剤、光吸収剤、可塑剤、酸化防止剤、各種安定剤、帯電防止剤、離型剤、染顔料(染料、顔料、カーボンブラック等)、エポキシ化合物等が挙げられ、本発明の効果を損なわない範囲で添加することができる。
これら無機添加剤は、1種のみを単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
上記難燃性化合物としては、特に限定されないが、例えば、ジメチルホスフィン酸カルシウム、ジメチルホスフィン酸アルミニウム、ジメチルホスフィン酸亜鉛、エチルメチルホスフィン酸カルシウム、エチルメチルホスフィン酸アルミニウム、エチルメチルホスフィン酸亜鉛、ジエチルホスフィン酸カルシウム、ジエチルホスフィン酸アルミニウム、ジエチルホスフィン酸亜鉛等のホスフィン酸塩類;水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム等の公知の無機難燃剤;ポリリン酸アンモニウム、ポリリン酸メラミン、ポリリン酸メレム、ポリリン酸メラム、ポリリン酸メロン等のリン酸系含窒素化合物;メロンやメレムのような環状窒素化合物;シリコーンオイル類、赤燐、ホウ酸亜鉛やその他公知の難燃剤が挙げられる。
上記滴下防止剤の含有量は、熱可塑性樹脂組成物(100質量%)に対して、2質量%未満であることが好ましい。
上記オレフィン系熱可塑性エラストマーは、特に、上記スチレン系化合物以外の芳香族ビニル化合物を主体とする重合体ブロックと共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックとからなるブロック共重合体と併用することが好ましい。
本実施形態の熱可塑性樹脂組成物は、太陽光発電モジュール用途の絶縁性樹脂成形体として特に好適に用いることができる観点から、国際電気標準会議規格IEC−60112に準拠する測定において、250V以上の比較トラッキング指数を示すことが好ましく、300Vを超える比較トラッキング指数を示すことがより好ましい。
なお、本明細書において、比較トラッキング指数は、後述の実施例に記載の方法で測定することができる。
なお、本明細書において、シャルピー衝撃強度は、後述の実施例に記載の方法で測定することができる。
なお、本明細書において、色調変化は、後述の実施例に記載の方法で測定することができる。
なお、本明細書において、難燃性は、後述の実施例に記載の方法で測定することができる。
本実施形態の熱可塑性樹脂組成物は、上述した各成分を用いて、従来公知の溶融混練法により製造することができる。
押出機としては、二軸押出機が好ましい。二軸押出機としては、特に限定されないが、例えば、スクリュー直径58mm、バレル数13、減圧ベント口付の二軸押出機が挙げられる。
溶融混練する際に(A)成分、(D)成分、任意の(B)成分及び任意の(E)成分を、上記二軸押出機の流れ方向に対して上流側のバレル1にある第1供給口より供給する。その後、(C)成分を、第1供給口より下流側にある第2(液体)供給口よりギアポンプを使って押出機のサイドに注入ノズルを通してフィードして押出する。
上記樹脂組成物の成形方法としては、以下に限定されるものではないが、例えば、射出成形、金属インモールド成形、アウトサート成形、押出成形、シート成形、フィルム成形、プレス成形、回転成形、積層成形、ブロー成形、カレンダー成形、流延成形等の成形方法が挙げられる。
例えば、シリンダー温度が350℃以下の範囲内に調整された射出成形機のシリンダー内で熱可塑性樹脂組成物溶融させ、所定の形状の金型内に射出することによって、所定の形状の成形品を製造することができる。
また、シリンダー温度が上記の範囲内に調整された押出機内で熱可塑性樹脂組成物を溶融させ、口金ノズルより紡出することによって、繊維状の成形品を製造することができる。
さらに、シリンダー温度が上記の範囲内に調整された押出機内で熱可塑性樹脂組成物を溶融させ、Tダイから押し出すことにより、フィルム状やシート状の成形品を製造することができる。
さらにまた、このような方法で製造された成形品は、表面に、塗料、金属、他種のポリマー等からなる被覆層が形成された形態としてもよい。
〔(A)成分〕
(PPE:ポリフェニレンエーテル系樹脂)
2,6−ジメチルフェノール(2,6−キシレノール)を酸化重合して得られたポリフェニレンエーテル
還元粘度(ηsp/c)は、0.51dL/g
水酸基量は、単量体100単位当たり0.88個
銅含有率は、0.6ppm
ハイインパクトポリスチレン(PSジャパン株式会社製、商品名「PSJ−ポリスチレンH9302」)
D−1:酸化ジルコニウム(第一稀元素化学工業株式会社製、商品名「UEP 酸化ジルコニウム」、平均粒子径:0.5μm)
D−2:酸化ハフニウム(和光純薬工業株式会社製、平均粒子径:0.9μm)
なお、(D)成分の平均粒子径は、以下の方法により測定した。
(D)成分を3%イソプロパノール水溶液の分散媒に添加し、超音波を1分間照射して分散させた。レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置LA−910(堀場製作所(株)製)を用いて、3%イソプロパノール水溶液の分散媒でブランク測定を行った後、(D)成分の含有量が規定の透過率(95%〜70%)になるよう調整して、測定した粒子径分布から、平均粒子径(d50%)を測定した。
スチレン−ブタジエンブロック共重合体(ポリスチレン−ポリブタジエン−ポリスチレンの結合構造)を水素添加して得られた、以下の水添ブロック共重合体(ポリスチレン−ポリ(エチレン−ブチレン)−ポリスチレンの結合構造)を用いた。
数平均分子量250,000、ポリスチレンブロック33質量%、ブタジエン重合体ブロックの水素添加率98%以上の水添ブロック共重合体(Kraton Polymers LLC製、商品名「クレイトン G1651」)
二酸化チタン(HUNTSMAN株式会社製、商品名「TIOXIDER−TC30」)
F−1:ヒンダードフェノール系酸化防止剤(BASFジャパン株式会社製、商品名「IRGANOX 565」)
F−2:ホスファイト系酸化防止剤(BASFジャパン株式会社製、商品名「IRGFOS 168」)
F−3:カーボンブラック(三菱化学株式会社製、商品名「三菱カーボンブラック#960」)
後述する実施例及び比較例において製造した熱可塑性樹脂組成物の特性評価を、以下の方法及び条件で行った。
耐衝撃性の評価としてシャルピー衝撃試験を行った。具体的には、実施例及び比較例で製造した熱可塑性樹脂組成物のペレットを、100℃で2時間乾燥した後、IS−100GN型射出成形機(東芝機械(株)製、シリンダー温度280℃、金型温度80℃に設定)を用いて、ISO−15103に準じた試験片を成形した。上記試験片をシャルピー衝撃試験規格であるISO179/1eAに準拠して、23℃におけるシャルピー衝撃強度(kJ/m2)を測定した。測定値が高い値であるほど、耐衝撃性に優れていると判定した。
耐トラッキング性の評価として比較トラッキング指数(CTI)(V)を算出した。具体的には、実施例及び比較例で製造した熱可塑性樹脂組成物のペレットを、100℃で2時間乾燥した後、IS−100GN型射出成形機(東芝機械(株)製、シリンダー温度280℃、金型温度80℃に設定)を用いて、100mm×100mm×3mmの平板試験片を成形した。
上記試験片を、IEC−60112に準拠した試験装置にて、電圧を印加した状態の試験片に、塩化アンモニウム0.1質量%水溶液を30秒ごとに滴下し、トラッキングが生じるまでの滴下数を測定した。滴下数の測定試験は5回行った。5回全てが50滴の滴下でトラッキングを発生せず、且つ、発火しない電圧(V)を測定した。
測定値が高い値であるほど、耐トラッキング性が優れていると判定した。
実施例及び比較例で製造した熱可塑性樹脂組成物のペレットを、100℃で2時間乾燥した後、IS−100GN型射出成形機(東芝機械(株)製、シリンダー温度280℃、金型温度80℃に設定)を用いて、90mm×50mm×2.5mmの平板試験片を成形した。
上記試験片を、蛍光灯暴露装置(アルタス(株)社製、「ユーブコン」)を用いて、波長313nm、温度62℃、時間50hrの条件で暴露後、分光光度計(マクベス社製、「MS2020型」)を用い、キセノンランプD65光源、10度視野、d/8受光、SCE(正反射光除去)で測定し、国際照明委員会(CIE)表色系に基づいて、暴露前の試験片との色調変化をΔE*値で表した測定値が低い値であるほど、耐光変色性が優れていると判定
した。
実施例及び比較例で製造した熱可塑性樹脂組成物のペレットを、100℃で2時間乾燥した後、IS−100GN型射出成形機(東芝機械(株)製、シリンダー温度300℃、金型温度80℃に設定)にて、燃焼試験用試験片を成形した。
UL規格のUL−94に規定されている垂直燃焼試験に基づき、1.5mm厚みの射出成形試験片を用いて燃焼試験を行った。試験片5本について、接炎を各2回、合計10回行い、消炎時間の平均秒数及び最大秒数を測定し、以下の基準で難燃性を評価した。
(基準)
V−0:試験片5本1組の試験で、合計10回の燃焼時間を測定して、いずれの燃焼時間も10秒以内であり、10回の燃焼時間の合計が50秒以内であり、且つ、滴下物が綿着火をおこさなかったもの。
V−1:試験片5本1組の試験で、合計10回の燃焼時間を測定して、いずれの燃焼時間も30秒以内であり、10回の燃焼時間の合計が250秒以内であり、且つ、滴下物が綿着火をおこさなかったもの。
V−2:試験片5本1組の試験で、合計10回の燃焼時間を測定して、いずれの燃焼時間も30秒以内であり、10回の燃焼時間の合計が250秒以内であり、且つ、滴下物が綿着火をおこしたもの。
notV:上記評価基準V−2以下のもの。
二軸押出機(コペリオン社製、「ZSK−26MC」)を用い、各成分を溶融混練した。具体的には、シリンダー温度を上流側320℃〜下流側280℃に設定し、溶融混練する際に、(A)ポリフェニレンエーテル系樹脂を65.0質量部、(B)ハイインパクトポリスチレンを22.5質量部、(D)酸化ジルコニウムを0.5質量部、(E)水添ブロック共重合体を2.5質量部、(F−1)ヒンダードフェノール系酸化防止剤を0.1質量部(F−2)ホスファイト系酸化防止剤を0.1質量部、(F−3)カーボンブラックを0.5質量部の含有量で押出機の流れ方向に対して上流側のバレルにある第1供給口より供給した。
その後、(C)ビスフェノールA系縮合リン酸エステル12.5質量部を、第1供給口より下流側にある第2(液体)供給口よりギアポンプを使って押出機のサイドに注入ノズルからフィードして、ストランドを押出した。なお、このときのスクリュー回転数は300回転/分とし、吐出量は15kg/hとした。
また、シリンダーブロックに開口部(ベント)を設け、減圧吸引することにより残存揮発の除去を行った。この時の減圧度(圧力)は0.09MPaであった。
ダイから押し出されたストランドを冷却し、カッターにて連続切断して約3mm長さ×3mm径の熱可塑性樹脂組成物ペレットを得た。
得られたペレットを用いて、上述の各種評価を実施した。評価結果を下記表1に示す。
なお、表1において、各成分の含有量は、(A)成分と(B)成分と(C)成分との合計100質量部に対する質量部で示している。
表1に示すように、各成分及びその含有量を変えたこと以外、実施例1と同様にして熱可塑性樹脂組成物ペレットを製造した。
得られたペレットを用いて、上述の各種評価を実施した。評価結果を下記表1に示す。
本実施形態の熱可塑性樹脂組成物は、電気部品、産業用機器である事務機、計測器、シャーシ、電気機器の内部パーツ部品、家電関連機器等の電源アダプター、記録媒体やそのドライブ、センサー機器、端子台、エネルギー・環境分野における二次電池、燃料電池や太陽電池、太陽熱発電、地熱発電、風力発電、スマートメーター等に使用される電気電子部品、送電設備を構成する電気部品、ケーブル端末、自動車部品として、産業上の利用可能性を有する。
特に、本実施形態の熱可塑性樹脂組成物は、例えば、太陽光発電モジュールを含む太陽電池に好適に用いることができ、具体的には、太陽電池用接続構造体、太陽電池用ジャンクションボックス、太陽電池用コネクタ、ハイブリッド自動車・電気自動車用部品として、産業上の利用可能性を有する。
Claims (8)
- (A)ポリフェニレンエーテル系樹脂と(B)スチレン系樹脂と(C)有機リン系化合物との合計100質量部に対して、前記(A)ポリフェニレンエーテル系樹脂を40〜95質量部、前記(B)スチレン系樹脂を0〜45質量部、前記(C)有機リン系化合物を5〜30質量部、(D)ジルコニウム化合物及び/又はハフニウム化合物を0.1〜8.0質量部含有することを特徴とする、熱可塑性樹脂組成物。
- 前記(D)ジルコニウム化合物及び/又はハフニウム化合物が、酸化ジルコニウム及び/又は酸化ハフニウムである、請求項1又は2に記載の熱可塑性樹脂組成物。
- 前記(A)ポリフェニレンエーテル系樹脂と前記(B)スチレン系樹脂と前記(C)有機リン系化合物との合計100質量部に対して、(E)水添ブロック共重合体を1〜25質量部さらに含有する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の熱可塑性樹脂組成物。
- 国際電気標準会議規格IEC−60112に準拠する測定において、250V以上の比較トラッキング指数を示す、請求項1〜4のいずれか一項に記載の熱可塑性樹脂組成物。
- 請求項1〜5のいずれか一項に記載の熱可塑性樹脂組成物からなることを特徴とする、太陽光発電モジュール用接続構造体。
- 請求項1〜5のいずれか一項に記載の熱可塑性樹脂組成物からなることを特徴とする、太陽光発電モジュール用ジャンクションボックス。
- 請求項1〜5のいずれか一項に記載の熱可塑性樹脂組成物からなることを特徴とする、太陽光発電モジュール用コネクタ。
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