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JP2017082044A - 熱可塑性樹脂組成物及びそれを用いる太陽光発電モジュール用接続構造体 - Google Patents

熱可塑性樹脂組成物及びそれを用いる太陽光発電モジュール用接続構造体 Download PDF

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JP2017082044A
JP2017082044A JP2015209088A JP2015209088A JP2017082044A JP 2017082044 A JP2017082044 A JP 2017082044A JP 2015209088 A JP2015209088 A JP 2015209088A JP 2015209088 A JP2015209088 A JP 2015209088A JP 2017082044 A JP2017082044 A JP 2017082044A
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Mihoko Yamamoto
美穂子 山本
忠幸 石井
Tadayuki Ishii
忠幸 石井
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Abstract

【課題】本発明は、難燃性、機械的特性、耐熱性を備えつつ、さらには絶縁距離低減を可能とする耐トラッキング性をも併せ持つ熱可塑性樹脂組成物を提供することを目的とする。【解決手段】(A)ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物100質量部に対して、(B)ハロゲン化バリウム化合物、及びハロゲン化銀化合物からなる群より選ばれる1種以上のハロゲン化金属化合物0.05〜3質量部を含有することを特徴とする、熱可塑性樹脂組成物、及び該熱可塑性樹脂組成物を用いる太陽光発電モジュール用接続構造体。【選択図】なし

Description

本発明は、ポリフェニレンエーテル系樹脂を含有する熱可塑性樹脂組成物に関する。
ポリフェニレンエーテルをベースとするポリフェニレンエーテル系樹脂組成物は、電気特性、寸法安定性、耐衝撃性、耐酸性、及び耐アルカリ性等にも優れ、吸水性が低く、低比重であるという特徴を有している。
そのため、前記ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物は、各種の電気・電子部品、事務機器部品、自動車部品、建材、その他各種外装材や工業用品等の用途に広範囲に利用されている。
近年、耐トラッキング性能に代表される電気絶縁特性を必要とした電気部品に用いられる絶縁樹脂成形体においては、単に絶縁性が優れているだけではなく、優れた難燃性、機械的特性、耐衝撃特性、長期耐熱性も有していることが求められる。
このような問題を解決するものとして、特定量のポリフェニレンエーテル、スチレン系樹脂、水添ブロック共重合体とを配合したもの(特許文献1)等が例示される。
国際公開第2010/047122号
近年、電気エネルギー分野における電気部品に用いられる絶縁樹脂成形体の使用形態は、太陽電池、燃料電池や蓄電池、電気自動車やLED照明、スマートメーターのように多岐に広がることとなり、これに伴い、電気部品の小型化、多機能化への要求が高まっている。
一方で、電気部品に組み込まれている絶縁樹脂成形体においては、トラッキングによる作動不良を避けるために、活電部間、及び活電部と当該絶縁樹脂成形体の外表部との間に、十分な絶縁距離を確保することが必要となる。
そのため、絶縁樹脂成形体は、電気部品の小型化、多機能化を達成しようとしたときにも、十分な絶縁性を備えていることが望まれる。
そして、前述の従来の絶縁樹脂成形体は、小型・多機能の電子部品において十分な絶縁を可能にする諸性能について、向上の余地を有していた。
本発明は、上記事情に鑑みなされたものであり、難燃性、機械的特性、耐熱性を備えつつ、さらには絶縁距離低減を可能とする耐トラッキング性をも併せ持つ熱可塑性樹脂組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、活電部に接する絶縁樹脂成形体として、ポリフェニレンエーテル系樹脂にハロゲン化金属化合物を添加した熱可塑性樹脂組成物の成形体を用いることによって、従来の優れた樹脂性能の維持に加え、耐トラッキング性の飛躍的な向上の効果が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は以下の通りである。
[1](A)ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物100質量部に対して、(B)ハロゲン化バリウム化合物、及びハロゲン化銀化合物からなる群より選ばれる1種以上のハロゲン化金属化合物0.05〜3質量部を含有することを特徴とする、熱可塑性樹脂組成物。
[2]前記(A)ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物が、(a1)成分、(a2)成分、(a3)成分、(a4)成分の合計を100質量部としたとき、(a1)ポリフェニレンエーテル50〜80質量部、(a2)スチレン系樹脂0〜25質量部、(a3)水添ブロック共重合体1〜25質量部、(a4)有機リン系化合物2〜30質量部を含有する、[1]に記載の熱可塑性樹脂組成物。
[3](C)有機顔料、無機顔料、及び有機染料からなる群より選ばれる1種以上の着色剤をさらに含む、[1]または[2]に記載の熱可塑性樹脂組成物。
[4]前記(C)成分が、カーボンブラックであり、前記熱可塑性樹脂組成物中の前記カーボンブラックの含有量が、0.01〜2質量%である、[3]に記載の熱可塑性樹脂組成物。
[5]前記(a4)有機リン系化合物が、下記一般式(1)で示されるリン酸エステル系化合物、下記一般式(2)で示されるホスフィン酸塩、下記一般式(3)で示されるジホスフィン酸塩からなる群より選ばれる1種以上である、[2]に記載の熱可塑性樹脂組成物。
Figure 2017082044
・・・・・・(1)
(式(1)中、Ra、Rb、Rc、及びRdは、それぞれ独立して、アリール基であり、ここで、アリール基の1つ以上の水素が置換されていても置換されていなくてもよく;nは、自然数であり;Xは、フェノール類より誘導される2価の芳香族基であり;j、k、l、及びmは、それぞれ独立して、0又は1である。)
Figure 2017082044
・・・・・・(2)
[式中、R11及びR12は、各々独立して、直鎖状若しくは分岐状の炭素原子数1〜6のアルキル基及び/又は炭素原子数6〜10のアリール基であり;M1は、カルシウムイオン、マグネシウムイオン、アルミニウムイオン、亜鉛イオン、ビスマスイオン、マンガンイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン、及びプロトン化された窒素塩基からなる群より選ばれる少なくとも1種であり;aは、1〜3の整数であり;mは、1〜3の整数であり;a=mである]
Figure 2017082044
・・・・・・(3)
[式中、R21及びR22は、各々独立して、直鎖状若しくは分岐状の炭素原子数1〜6のアルキル基及び/又は炭素原子数6〜10のアリール基であり;R23は、直鎖状若しくは分岐状の炭素原子数1〜10のアルキレン基、炭素原子数6〜10のアリーレン基、炭素原子数6〜10のアルキルアリーレン基又は炭素原子数6〜10のアリールアルキレン基であり;M2は、カルシウムイオン、マグネシウムイオン、アルミニウムイオン、亜鉛イオン、ビスマスイオン、マンガンイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン、及びプロトン化された窒素塩基からなる群より選ばれる少なくとも1種であり;bは、1〜3の整数であり;nは、1〜3の整数であり;jは、1又は2の整数であり;b・j=2nである]
[6][1]〜[5]のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物からなることを特徴とする、太陽光発電モジュール用接続構造体。
[7][1]〜[5]のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物からなることを特徴とする、太陽光発電モジュール用ジャンクションボックス。
[8][1]〜[5]のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物からなることを特徴とする、太陽光発電モジュール用コネクタ。
本発明によれば、優れた難燃性、耐衝撃性、耐熱性を維持しつつ、耐トラッキング性に優れた、熱可塑性樹脂組成物を得られる。
以下、本発明を実施するための形態(以下、「本実施形態」と言う。)について、詳細に説明する。以下の本実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明を以下の内容に限定する趣旨ではない。本発明は、その要旨の範囲内で適宜変形して実施できる。
(熱可塑性樹脂組成物)
本実施形態の熱可塑性樹脂組成物は、(A)ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物100質量部に対して、(B)ハロゲン化バリウム化合物、及びハロゲン化銀化合物からなる群より選ばれる1種以上のハロゲン化金属化合物0.05〜3質量部を含有する。
−(A)ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物−
本実施形態における(A)ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物は、(a1)成分、(a2)成分、(a3)成分、(a4)成分の合計を100質量部としたとき、(a1)ポリフェニレンエーテル50〜80質量部、(a2)スチレン系樹脂0〜25質量部、(a3)水添ブロック共重合体1〜25質量部、(a4)有機リン系化合物2〜30質量部を含有するものとすることが好ましい。
−−(a1)ポリフェニレンエーテル−−
(a1)ポリフェニレンエーテルとしては、以下に限定されるものではないが、例えば、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(2−メチル−6−エチル−1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(2−メチル−6−フェニル−1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(2,6−ジクロロ−1,4−フェニレンエーテル)等が挙げられる。さらに、2,6−ジメチルフェノールと他のフェノール類との共重合体(例えば、特公昭52−017880号公報に記載されている、2,6−ジメチルフェノールと2,3,6−トリメチルフェノールとの共重合体や、2,6−ジメチルフェノールと2−メチル−6−ブチルフェノールとの共重合体等)のようなポリフェニレンエーテル共重合体も挙げられる。
これらの中でも、機械的強度の観点から、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)、2,6−ジメチルフェノールと2,3,6−トリメチルフェノールとの共重合体、これらの混合物が好ましい。
これらは1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
(a1)ポリフェニレンエーテルの製造方法は、特に限定されず、公知の方法を採用することもできる。
具体例としては、例えば、米国特許第3306874号明細書、米国特許第3306875号、米国特許第3257357号明細書、米国特許第3257358号明細書、特開昭50−051197号公報、特公昭52−017880号公報、及び特開昭63−152628号公報等に記載された製造方法等が挙げられる。
(a1)ポリフェニレンエーテルの還元粘度(0.5g/dLのクロロホルム溶液、30℃、ウベローデ型粘度管を用いて測定)の下限値は、0.30dL/g以上であることが好ましく、0.35dL/g以上であることがより好ましく、0.38dL/g以上であることが更に好ましい。ポリフェニレンエーテルの還元粘度の上限値は、0.80dL/g以下であることが好ましく、0.75dL/g以下であることがより好ましく、0.55dL/g以下であることが更に好ましい。
ポリフェニレンエーテルの還元粘度の下限値と上限値との組合せとしては、0.30〜0.80dL/gであることが好ましく、0.35〜0.75dL/gであることがより好ましく、0.38〜0.55dL/gであることが更に好ましい。(a1)ポリフェニレンエーテルの還元粘度が上記範囲であると、耐衝撃性及び耐熱性が一層向上する。
(a1)ポリフェニレンエーテルは、2種以上の還元粘度の異なるポリフェニレンエーテルの混合物であってもよい。(a1)ポリフェニレンエーテルの還元粘度は、重合時の触媒量、重合時間等の生産条件等により制御することができる。
本実施形態の(a1)ポリフェニレンエーテルにおいては、下記一般式(4)で表される末端水酸基含有部分の濃度(以下、単に「水酸基濃度」ともいう。)が、ポリフェニレンエーテルを構成する単量体ユニット100個当たり、0.5個以上が好ましく、0.7個以上がより好ましい。
Figure 2017082044
・・・・・・(4)
(式(4)中、2つのR1、2つのR2は、それぞれ独立して、水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基である、但し、2つのR1が共に水素原子であることはない。)
なお、上記水酸基濃度は、Journal of Applied Polymer Science: Applied Polymer Symposium 34, 103−117(1978)に記載された方法に基づき、日立ハイテクノロジー社製のU3310型分光光度計で測定した値である。単位は、ポリフェニレンエーテルを構成する単量体ユニット100個当たりの水酸基の個数である。
ポリフェニレンエーテルの水酸基濃度は、フェノール性化合物を重合する条件と重合停止後のキノン反応の条件とによって変化する。
重合の例としては、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレン)エーテルについて特開2000―281776号公報、特開2000―281778号公報に記載されており、重合時に2,6−ジメチルフェノールを追添する量、及び時間によって、生成するキノン化合物量が変化する。一般に、追添する量が多いほど、追添時間が短いほど、キノン化合物の生成量が多くなる。重合停止後のキノン反応では、温度及び時間により末端水酸基濃度が変化し、温度が高いほど、時間が長いほど、水酸基濃度が高くなる。本発明においては、フェノール性化合物を重合する条件と重合停止後のキノン反応の条件とを限定するものではなく、一般に重合して得られたPPEにキノン化合物を添加してキノン反応することによって、水酸基濃度を高くすることもできる。
ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物は、電気絶縁特性を必要とした電気部品として使用される場合には、黒色に着色されることが多い。しかし、カーボンブラックとその他の有機顔料、無機顔料を用いて発色する場合、成形体に加工した際に色調の不良が発生(成形体のウエルド付近に、異なる色調の部分が発生する)する場合がある。ポリフェニレンエーテルの水酸基濃度が、単量体ユニット100個当たり0.5個以上である場合には、この色調不良の発生を抑制する効果が得られる。
本実施形態においては、(A)ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物において、残存触媒に起因する銅含有率が、(a1)ポリフェニレンエーテルの重量を基準として、2.0ppm以下であることが好ましい。ポリフェニレンエーテルの銅含有率が2.0ppmを超えると、樹脂組成物の熱安定性が低下し、長時間高温にさらされた場合に耐衝撃強度の低下を引き起こすことがある。(a1)ポリフェニレンエーテルの銅含有率は、好ましくは1.0ppm以下、更に好ましくは0.5ppm以下である。
本実施形態においては、(a1)ポリフェニレンエーテルの安定化のために、公知の各種安定剤を、熱可塑性樹脂組成物に配合してもよい。安定剤としては、例えば、酸化亜鉛、硫化亜鉛等の金属系安定剤;ヒンダードフェノール系安定剤、リン系安定剤、ヒンダードアミン系安定剤等の有機安定剤等が挙げられる。安定剤の含有量は、(a1)ポリフェニレンエーテル100質量部に対して、5質量部未満であることが好ましい。
さらに、本実施形態においては、上述した安定剤以外に、(a1)ポリフェニレンエーテルに添加可能な、その他の添加剤も、熱可塑性樹脂組成物に配合することができる。その場合、その他の添加剤の含有量は、合計で、(a1)ポリフェニレンエーテル100質量部に対して、10質量部未満であることが好ましい。
−−変性ポリフェニレンエーテル−−
本実施形態においては、前述の(a1)ポリフェニレンエーテルとして、ポリフェニレンエーテルの一部又は全部を不飽和カルボン酸又はその誘導体で変性した変性ポリフェニレンエーテルを用いることができる。
この変性ポリフェニレンエーテルは、特開平2−276823号公報(米国特許第5159027号明細書、米国再発行特許発明第35695号明細書)、特開昭63−108059号公報(米国特許第5214109号明細書、第5216089号明細書)、特開昭59−59724号公報等に記載されている。
変性ポリフェニレンエーテルは、例えば、ラジカル開始剤の存在下又は非存在下において、ポリフェニレンエーテルに不飽和カルボン酸やその誘導体を溶融混練して反応させることによって製造することができる。あるいは、ポリフェニレンエーテルと、不飽和カルボン酸やその誘導体とをラジカル開始剤存在下又は非存在下で有機溶剤に溶かし、溶液下で反応させることによって製造することができる。
前述の不飽和カルボン酸又はその誘導体としては、以下に限定されるものではないが、例えば、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、ハロゲン化マレイン酸、シス−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸、エンド−シス−ビシクロ(2,2,1)−5−ヘプテン−2,3−ジカルボン酸等;これらジカルボン酸の、酸無水物、エステル、アミド、イミド等;さらには、アクリル酸、メタクリル酸;これらモノカルボン酸のエステル、アミド等;が挙げられる。
また、変性ポリフェニレンエーテルの製造には、飽和カルボン酸であったとしても、変性ポリフェニレンエーテルを製造する際の反応温度においてそれ自身が熱分解し、本実施形態で用いる(a1)ポリフェニレンエーテルをその誘導体である変性ポリフェニレンエーテルとし得る化合物も用いることができる。かかる化合物の具体例としては、リンゴ酸、クエン酸等が挙げられる。これらは1種のみを単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
前述のポリフェニレンエーテルは、一般に粉体として入手できる。
前述のポリフェニレンエーテルの粉体の平均粒子径は、平均粒子径が1〜1000μmであることが好ましく、より好ましくは10〜700μm、さらに好ましくは100〜500μmである。ポリフェニレンエーテルの平均粒子径は、加工時の取り扱い性の観点から、1μm以上が好ましく、後述する溶融混練における未溶融物の発生を抑制する観点から、1000μm以下が好ましい。
なお、ポリフェニレンエーテルの粉体の平均粒子径は、例えば、レーザー粒度計により測定することができる。
本実施形態に用いる熱可塑性樹脂組成物において、(a1)ポリフェニレンエーテルの含有量は、(a1)成分、(a2)成分、(a3)成分、(a4)成分の合計を100質量部としたとき、50質量部〜80質量部であることが好ましく、さらに好ましくは55質量部〜80質量部であり、より好ましくは60質量部〜80質量部である。
−−(a2)スチレン系樹脂−−
スチレン系樹脂とは、スチレン系化合物、又はスチレン系化合物とスチレン系化合物と共重合可能な化合物とを、ゴム質重合体存在下または非存在下で重合して得られる重合体をいう。
前記スチレン系化合物としては、以下に限定されるものではないが、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、モノクロロスチレン、p−メチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、エチルスチレン等が挙げられ、スチレンが好ましい。
また、スチレン系化合物と共重合可能な化合物としては、以下に限定されるものではないが、例えば、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート等のメタクリル酸エステル類;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等の不飽和ニトリル化合物類;無水マレイン酸等の酸無水物等が挙げられ、スチレン系化合物とともに使用される。
スチレン系化合物と共重合可能な化合物の使用量は、スチレン系化合物とスチレン系化合物と共重合可能な化合物との合計100質量%に対して、20質量%以下であることが好ましく、より好ましくは15質量%以下である。
また、前記ゴム質重合体としては、共役ジエン系ゴム、共役ジエンと芳香族ビニル化合物との共重合体、エチレン−プロピレン共重合体ゴム等が挙げられる。具体的には、ポリブタジエン及びスチレン−ブタジエン共重合体が好ましい。
また、ゴム質重合体としては、部分的に水素添加された不飽和度80〜20%のポリブタジエン、または1,4−シス結合を90%以上含有するポリブタジエンを用いることがより好ましい。
前記スチレン系樹脂としては、以下に限定されるものではないが、例えば、ポリスチレン、ゴム補強ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体(AS樹脂)、ゴム補強スチレン−アクリロニトリル共重合体(ABS樹脂)、その他のスチレン系共重合体等が挙げられる。特に、ポリスチレンと部分的に水素添加された不飽和度80〜20%のポリブタジエンを用いたゴム補強ポリスチレンとの組み合わせが好ましい。
本実施形態に用いる、熱可塑性樹脂組成物を構成する(A)成分中のスチレン系樹脂としては、ホモポリスチレンが好ましく、アタクチックポリスチレン、シンジオタクチックポリスチレンのいずれも使用できる。
本実施形態に用いる熱可塑性樹脂組成物において、(a2)スチレン系樹脂の含有量は、(a1)成分、(a2)成分、(a3)成分、(a4)成分の合計を100質量部としたとき、25質量部以下であることが好ましい。(a2)成分の含有量に応じて樹脂組成物の流動性は向上し、25質量部以下とすることにより、耐熱性及び難燃性に優れた熱可塑性樹脂組成物が得られ、無添加の場合は、特に耐熱性及び耐熱エージング性に優れた熱可塑性樹脂組成物が得られる。
−−(a3)水添ブロック共重合体−−
本実施形態で用いられる(a3)水添ブロック共重合体は、ポリスチレンブロックと共役ジエン化合物重合体ブロックとからなるブロック共重合体を水素添加して得られるブロック共重合体である。
水素添加前のブロック共重合体の構造は、特に限定されず、例えば、ポリスチレンブロック鎖をS、共役ジエン化合物重合体ブロック鎖をBと表すと、S−B−S、S−B−S−B、(S−B−)4−S、S−B−S−B−S等とすることができる。
共役ジエン化合物由来の不飽和結合の水添率(水素添加率)は60%以上が好ましく、より好ましくは80%以上、更に好ましくは95%以上である。ここでいう、水添率は、核磁気共鳴装置(NMR)により求めることができる。
共役ジエン化合物重合体ブロックのミクロ構造は、特に限定されず、任意に選ぶことができる。通常、ビニル結合量(共役ジエンの1,2−結合、3,4−結合、及び1,4−結合の結合様式で組み込まれているうちの、1,2−ビニル結合と3,4−ビニル結合として組み込まれているものの割合)は、好ましくは2〜60%であり、より好ましくは8〜40%である。ここでいう、ビニル結合量は、核磁気共鳴装置(NMR)により求めることができる。
(a3)成分の重量平均分子量は10万〜50万であり、好ましくは15万〜40万であり、より好ましくは20万〜40万である。
(a3)成分の重量平均分子量が10万未満であると、十分な耐衝撃性を得ることができず、かつ、(a3)成分の劣化度を十分に制御することができない。(a3)成分の重量平均分子量が50万を超えると、溶融押出時の負荷が高くなるため、(a3)成分の溶融混練や劣化度の制御が困難となる。
ここでいう重量平均分子量は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)によりスチレン換算分子量として求めることができる。
(a3)成分は、少なくとも1個のポリスチレンブロック鎖の重量平均分子量が15,000以上であることが好ましく、20,000〜70,000であることがより好ましい。さらに好ましくは全てのポリスチレンブロック鎖の重量平均分子量が15,000以上である。
(a3)成分のポリスチレンブロック鎖の重量平均分子量を上記範囲とすることにより、十分な耐衝撃性を得ることができ、かつ、(a3)成分の劣化度を十分かつ容易に制御することができる。
ここでいうポリスチレンブロック鎖の重量平均分子量は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)によりスチレン換算分子量として測定することができる。
(a3)水添ブロック共重合体におけるポリスチレンブロックの含有量は、特に限定されないが、より容易に耐衝撃性を発現させる観点から、20〜50質量%であることが好ましく、20〜40質量%であることがより好ましい。
(a3)成分におけるポリスチレンブロックの含有量は、例えば、以下の方法により測定することができる。四酸化オスミウムを触媒として水添前の共重合体をtert−ブチルハイドロパーオキサイドにより酸化分解する方法(I.M.Kolthoff et al.,J.Polym.Sci.1,429(1946)に記載の方法、以下、「四酸化オスミウム分解法」ともいう。)により得たポリスチレンブロックの質量(ここで、平均重合度が約30以下のスチレン重合体は除かれている)から、下記式に基づいて、求めることができる。
ポリスチレンブロックの含有量(質量%)=(水添前の共重合体中のポリスチレンブロックの質量/水添前の共重合体の質量)×100
(a3)成分には、組成や構造の異なる2種以上の水添ブロック共重合体を併用することもできる。例えば、ポリスチレンブロックの含有量が50%以上の水添ブロック共重合体と、ポリスチレンブロックの含有量が30%以下の水添ブロック共重合体との併用といったような、ブロック含有量が異なる水添ブロック共重合体の併用;あるいはスチレンと共役ジエンのランダム共重合体ブロックを含有するブロック共重合体を水添して得られる水添ランダムブロック共重合体同士の併用が可能である。
(a3)成分の製造方法としては、例えば、特公昭36−19286号公報、特公昭43−17979号公報、特公昭48−2423号公報、特公昭49−36957号公報、特公昭57−49567号公報,特公昭58−11446号公報等に記載された方法が挙げられる。
本実施形態に用いる熱可塑性樹脂組成物において、(a3)水添ブロック共重合体の含有量は、(a1)成分、(a2)成分、(a3)成分、(a4)成分との合計を100質量部としたとき、好ましくは1〜25質量部の範囲であり、さらに好ましくは5〜20質量部であり、より好ましくは10〜15質量部である。
(a3)水添ブロック共重合体の含有量を1質量部以上とすることにより、耐衝撃性に優れた熱可塑性樹脂組成物が得られ、25質量部以下とすることにより、曲げ弾性率や曲げ強度等の剛性に優れた熱可塑性樹脂組成物が得られる。また、(a3)水添ブロック共重合体の含有量が25質量部以下であると、上述した(a1)成分と(a2)成分との相溶性が良好となり、成形体において層状の剥離の発生を防止できる。
本実施形態に用いる熱可塑性樹脂組成物において、(a3)水添ブロック共重合体は、粒子状に分散している。
−−(a4)有機リン系化合物−−
本実施形態で用いられる(a4)有機リン系化合物としては、以下に限定されるものではないが、リン酸エステル系化合物、ホスファゼン化合物、ホスフィン酸塩類等が挙げられる。
(a4)有機リン系化合物は、樹脂組成物の難燃性を向上させるために添加されるものであり、難燃剤として一般的に用いられる有機リン系化合物であれば、いずれも用いることができる。
より具体的には、下記一般式(1)で示されるリン酸エステル系化合物が挙げられる。
Figure 2017082044
・・・・・・(1)
(式(1)中、Ra、Rb、Rc、及びRdは、それぞれ独立して、アリール基であり、ここで、アリール基の1つ以上の水素が置換されていても置換されていなくてもよく;nは、自然数であり、1〜3としてよく;Xは、フェノール類より誘導される2価の芳香族基であり;j、k、l、及びmは、それぞれ独立して、0又は1である。)
リン酸エステル系化合物としては、以下に限定されるものではないが、例えば、トリフェニルホスフェート、トリスノニルフェニルホスフェート、レゾルシノールビス(ジフェニルホスフェート)、レゾルシノールビス[ジ(2,6−ジメチルフェニル)ホスフェート]、2,2−ビス{4−[ビス(フェノキシ)ホスホリルオキシ]フェニル}プロパン、2,2−ビス{4−[ビス(メチルフェノキシ)ホスホリルオキシ]フェニル}プロパン等が挙げられる。
さらに上記以外のリン酸エステル系化合物としては、以下に限定されるものではないが、例えば、トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリブチルホスフェート、トリオクチルホスフェート、トリブトキシエチルホスフェート、トリクレジルホスフェート、クレジルフェニルホスフェート、オクチルジフェニルホスフェート、ジイソプロピルフェニルホスフェート等のリン酸エステル系難燃剤;ジフェニル−4−ヒドロキシ−2,3,5,6−テトラブロモベンジルホスフォネート、ジメチル−4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモベンジルホスフォネート、ジフェニル−4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモベンジルホスフォネート、トリス(クロロエチル)ホスフェート、トリス(ジクロロプロピル)ホスフェート、トリス(クロロプロピル)ホスフェート、ビス(2、3−ジブロモプロピル)−2、3−ジクロロプロピルホスフェート、トリス(2,3−ジブロモプロピル)ホスフェート、ビス(クロロプロピル)モノオクチルホスフェート、ハイドロキノニルジフェニルホスフェート、フェニルノニルフェニルハイドロキノニルホスフェート、フェニルジノニルフェニルホスフェート等のモノリン酸エステル化合物;芳香族縮合リン酸エステル化合物等が挙げられる。
これらの中、加工時のガス発生が少なく、熱安定性等に優れることから、芳香族縮合リン酸エステル化合物が好ましい。
ホスファゼン化合物は、例えば、下記一般式(5)で示される環状ホスファゼン化合物、下記一般式(6)で示される鎖状ホスファゼン化合物が挙げられる。
Figure 2017082044
・・・・・・(5)
Figure 2017082044
・・・・・・(6)
(式(5)及び式(6)中、nは、3〜25の整数であり;mは、3〜10000の整数であり;置換基Xは、炭素数が1〜6のアルキル基、炭素数が6〜11のアリール基、フッ素原子、下記一般式(7)で示されるアリールオキシ基、ナフチルオキシ基、炭素数が1〜6のアルコキシ基及びアルコキシ置換アルコキシ基で表される置換基からなる群から選ばれる置換基であり、それぞれ異なっていても、同じでもよく、ここで、置換基上の水素は、その一部又は全部が、フッ素、水酸基、シアノ基に置換されていてもよく;置換基Yは、−N=P(O)(X)又は−N=P(X)3であり;置換基Zは、−P(X)4又は−P(O)(X)2である。)
Figure 2017082044
・・・・・・(7)
(式(7)中、のY1、Y2、Y3、Y4、及びY5は、それぞれ独立して、水素原子、フッ素原子、炭素数が1〜5のアルキル基、炭素数が1〜5のアルコキシ基、フェニル基、ヘテロ元素含有基からなる群より選ばれる置換基を表す。)
そして、ホスファゼン化合物としては、式(5)及び/又は式(6)の構造を有するホスファゼン化合物を95質量%以上含有するものが好ましい。
これらの中でも、ホスファゼン化合物としては、難燃性に特に優れることから、環状構造を有するホスファゼン化合物が好ましく、式(5)で示される環状ホスファゼン化合物を95質量%以上含有するものが好ましい。
ホスフィン酸塩類は、より具体的には、下記一般式(2)で示されるホスフィン酸、下記式(3)で示されるジホスフィン酸が挙げられる。
Figure 2017082044
・・・・・・(2)
[式中、R11及びR12は、各々独立して、直鎖状若しくは分岐状の炭素原子数1〜6のアルキル基及び/又は炭素原子数6〜10のアリール基であり;M1は、カルシウムイオン、マグネシウムイオン、アルミニウムイオン、亜鉛イオン、ビスマスイオン、マンガンイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン、及びプロトン化された窒素塩基からなる群より選ばれる少なくとも1種であり;aは、1〜3の整数であり;mは、1〜3の整数であり;a=mである]
Figure 2017082044
・・・・・・(3)
[式中、R21及びR22は、各々独立して、直鎖状若しくは分岐状の炭素原子数1〜6のアルキル基及び/又は炭素原子数6〜10のアリール基であり;R23は、直鎖状若しくは分岐状の炭素原子数1〜10のアルキレン基、炭素原子数6〜10のアリーレン基、炭素原子数6〜10のアルキルアリーレン基又は炭素原子数6〜10のアリールアルキレン基であり;M2は、カルシウムイオン、マグネシウムイオン、アルミニウムイオン、亜鉛イオン、ビスマスイオン、マンガンイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン、及びプロトン化された窒素塩基からなる群より選ばれる少なくとも1種であり;bは、1〜3の整数であり;nは、1〜3の整数であり;jは、1又は2の整数であり;b・j=2nである]
ホスフィン酸塩類は、例えば、特開2005−179362号公報、欧州特許出願公開第699708号明細書、特開平08−073720号公報等に記載されているように、ホスフィン酸と、金属炭酸塩と、金属水酸化物又は金属酸化物とを用いて、水溶液中で製造することもできる。
ホスフィン酸塩類は、通常、モノマー性化合物であるが、例えば、反応条件や環境により、縮合度が1〜3の縮合物であるポリマー性ホスフィン酸塩を含んでいてもよい。
前述の一般式(2)中のホスフィン酸や前述の一般式(3)中のジホスフィン酸としては、例えば、ジメチルホスフィン酸、エチルメチルホスフィン酸、ジエチルホスフィン酸、メチル−n−プロピルホスフィン酸、メタンジ(メチルホスフィン酸)、ベンゼン−1,4−(ジメチルホスフィン酸)、メチルフェニルホスフィン酸、ジフェニルホスフィン酸等が挙げられる。これらは1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
一般式(2)及び一般式(3)中のM1及びM2は、成形品の表面外観の観点から、カルシウムイオン、マグネシウムイオン、アルミニウムイオン、亜鉛イオンからなる群より選ばれる1種以上であることが好ましい。
ホスフィン酸塩類の具体例としては、例えば、ジメチルホスフィン酸カルシウム、ジメチルホスフィン酸マグネシウム、ジメチルホスフィン酸アルミニウム、ジメチルホスフィン酸亜鉛、エチルメチルホスフィン酸カルシウム、エチルメチルホスフィン酸マグネシウム、エチルメチルホスフィン酸アルミニウム、エチルメチルホスフィン酸亜鉛、ジエチルホスフィン酸カルシウム、ジエチルホスフィン酸マグネシウム、ジエチルホスフィン酸アルミニウム、ジエチルホスフィン酸亜鉛、メチル−n−プロピルホスフィン酸カルシウム、メチル−n−プロピルホスフィン酸マグネシウム、メチル−n−プロピルホスフィン酸アルミニウム、メチル−n−プロピルホスフィン酸亜鉛、メタンジ(メチルホスフィン酸)カルシウム、メタンジ(メチルホスフィン酸)マグネシウム、メタンジ(メチルホスフィン酸)アルミニウム、メタンジ(メチルホスフィン酸)亜鉛、ベンゼン−1,4−(ジメチルホスフィン酸)カルシウム、ベンゼン−1,4−(ジメチルホスフィン酸)マグネシウム、ベンゼン−1,4−(ジメチルホスフィン酸)アルミニウム、ベンゼン−1,4−(ジメチルホスフィン酸)亜鉛、メチルフェニルホスフィン酸カルシウム、メチルフェニルホスフィン酸マグネシウム、メチルフェニルホスフィン酸アルミニウム、メチルフェニルホスフィン酸亜鉛、ジフェニルホスフィン酸カルシウム、ジフェニルホスフィン酸マグネシウム、ジフェニルホスフィン酸アルミニウム、ジフェニルホスフィン酸亜鉛等が挙げられる。
上記の中でも、難燃性や成形品の表面外観の観点から、ジメチルホスフィン酸カルシウム、ジメチルホスフィン酸アルミニウム、ジメチルホスフィン酸亜鉛、エチルメチルホスフィン酸カルシウム、エチルメチルホスフィン酸アルミニウム、エチルメチルホスフィン酸亜鉛、ジエチルホスフィン酸カルシウム、ジエチルホスフィン酸アルミニウム、ジエチルホスフィン酸亜鉛が好ましく、ジエチルホスフィン酸アルミニウムがより好ましい。
本実施形態の熱可塑性樹脂組成物における(a4)有機リン系化合物の含有量は、(a1)成分、(a2)成分、(a3)成分、(a4)成分との合計を100質量部としたとき、2〜30質量部であることが好ましく、5〜25質量部であることがより好ましく、5〜20質量部であることが更に好ましい。
(a4)有機リン系化合物の含有量を、上記下限値以上とすることにより、難燃性を一層向上させることができる。また、(a4)有機リン系化合物の含有量を、上記上限値以下とすることにより、機械的強度と成形性と成形品の表面外観とのバランスを一層高いレベルで維持することができる。
(a4)有機リン系化合物には、本実施形態の効果が得られる範囲内であれば、未反応物や製造時の副生成物が残存していてもよい。
本実施形態の熱可塑性樹脂組成物における(A)ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物の含有量は、熱可塑性樹脂組成物100質量%に対して、60〜99.94質量%であることが好ましく、65〜99.94質量%であることがより好ましく、65〜99.85質量%であることが更に好ましい。
[(B)ハロゲン化金属化合物]
本実施形態の熱可塑性樹脂組成物は、ハロゲン化バリウム化合物、及びハロゲン化銀化合物から選ばれる1種以上のハロゲン化金属化合物を含有する。
ハロゲン化バリウムとしては、臭素化バリウム、塩素化バリウム、ヨウ化バリウム等が挙げられ、この中で塩化バリウムが好ましい。これらは無水物であっても結晶水を含んでいてもよい。
ハロゲン化銀としては、臭化銀、塩化銀、ヨウ化銀等が挙げられ、この中で塩化銀が好ましい。
本実施形態の熱可塑性樹脂組成物における(B)ハロゲン化金属化合物の含有量は、(A)ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物100質量部に対して、0.05〜3質量部であり、0.05〜2.5質量部であることが好ましく、0.1〜2.5質量部であることがより好ましく、0.1〜2質量部であることが更に好ましい。
(B)ハロゲン化金属塩の含有量を、上記下限値以上とすることにより、耐トラッキング性に優れる組成物を得られる。また、(B)ハロゲン化金属塩の含有量を上記上限以下とすることにより、機械的強度と成形性と成形品の表面外観とのバランスを一層高いレベルで維持することができる。
[(C)着色剤]
本実施形態の熱可塑性樹脂組成物は、必要に応じて、(C)有機顔料、無機顔料、及び有機染料からなる群より選ばれる少なくとも1種の着色剤(以下、「(C)着色剤」等と総称する場合がある。)を含有してよい。
(C)着色剤としては、例えば、公知の有機顔料、無機顔料、及び有機染料を使用することができる。
有機顔料及び有機染料としては、以下に限定されないが、例えば、アゾレーキ顔料、ベンズイミダゾロン顔料、ジアリリド顔料、縮合アゾ顔料等のアゾ系顔料;フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン等のフタロシアニン系顔料;イソインドリノン顔料、キノフタロン顔料、キナクリドン顔料、ペリレン顔料、アントラキノン顔料、ペリノン顔料、ジオキサジンバイオレット等の縮合多環系顔料;アジン系染料、カーボンブラック等が挙げられる。これらは、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
特に、カーボンブラックとしては、ジブチルフタレート(DBP)吸収量が250mL/100g未満であるものが好ましく、150mL/100g未満であることがより好ましい。そして、カーボンブラックの窒素吸着比表面積は、900m2/g未満であることが好ましく、400m2/g未満であることがより好ましい。さらには、カーボンブラックのDBP吸収量が上記範囲内であり、かつ、窒素吸着比表面積が上記範囲内であることが特に好ましい。DBP吸収量及び窒素吸着比表面積が、それぞれ、上記範囲にあると、着色性、機械的強度、及び難燃性が一層向上する。なお、DBP吸収量は、ASTM D2414に準拠した方法により測定できる。また、窒素吸着比表面積は、JIS K6217に準拠した方法により測定できる。
アジン系染料としては、例えば、カラーインデックスにおけるソルベントブラック5(C.I.50415、CAS No.11099−03−9)、ソルベントブラック7(C.I.50415:1、CAS No.8005−20−5/101357−15−7)、アシッドブラック2(C.I.50420、CAS No.8005−03−6/68510−98−5)等が挙げられる。これらは、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
無機顔料としては、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化クロム、酸化鉄等の金属酸化物、チタンイエロー、コバルト青、群青等の複合金属酸化物等が挙げられる。これらは、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
本実施形態の熱可塑性樹脂組成物における(C)着色剤の含有量は、熱可塑性樹脂組成物100質量%に対して、0.01〜5質量%であることが好ましく、0.01〜3質量%であることがより好ましく、0.01〜2質量%であることが更に好ましく、0.05〜2質量%であることが特に好ましい。
[その他の材料]
本実施形態の熱可塑性樹脂組成物は、必要に応じて、その他の成分(例えば、上述した以外の無機充填剤や各種添加剤等)を更に含んでもよい。
無機充填剤としては、例えば、ガラス繊維、チタン酸カリウム繊維、石膏繊維、黄銅繊維、セラミックス繊維、ボロンウィスカ繊維、マイカ、タルク、シリカ、炭酸カルシウム、カオリン、焼成カオリン、ウォラストナイト、ゾノトライト、アパタイト、ガラスビーズ、フレーク状ガラス、酸化チタン等の繊維状、粒状、板状、あるいは針状の無機質強化材が挙げられる。これらは、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、無機充填剤としては、ガラス繊維、炭素繊維、ガラスビーズが好ましい。
また、無機充填剤としては、シランカップリング剤等の表面処理剤によって表面処理されていてもよい。
添加剤としては、例えば、ポリエステル、ポリオレフィン等の他の熱可塑性樹脂、可塑剤(低分子量オレフィン、ポリエチレングリコール、脂肪酸エステル類等)、帯電防止剤、核剤、流動性改良剤、補強剤、各種過酸化物、展着剤、銅系熱安定剤、ヒンダードフェノール系酸化劣化防止剤に代表される有機系熱安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤等が挙げられる。
本実施形態の熱可塑性樹脂組成物における上述したその他の成分の含有量は、熱可塑性樹脂組成物100質量%に対して、無機充填剤の場合には、30質量%以下であることが好ましく、添加剤の場合には、それぞれ、10質量%以下であることが好ましく、5質量%未満であることがより好ましく、3質量%以下であることが更に好ましい。
[熱可塑性樹脂組成物の製造方法]
本実施形態の熱可塑性樹脂組成物は、上述した(A)成分、(B)成分、必要に応じて(C)成分(着色剤)、及びその他の材料を用いて、従来公知の溶融混練法により製造することができる。
製造方法としては、例えば、単軸押出機、二軸押出機、ロール、ニーダー、ブラベンダープラストグラフ、バンバリーミキサー等を用いて溶融混練する方法が挙げられるが、中でも二軸押出機を用いた方法が好ましい。
二軸押出機としては、以下に限定されるものではないが、例えば、スクリュー直径58mm、バレル数13、減圧ベント口付二軸押出機が挙げられる。
当該二軸押出機を用いて、熱可塑性樹脂組成物を製造する方法について、具体的に説明する。例えば、溶融混練する際に(a1)成分、(a2)成分、(a3)成分、及び(B)成分を、前記二軸押出機の流れ方向に対して上流側のバレル1にある第1供給口より供給する。その後、(a4)成分を、第1供給口より下流側にある第2(液体)供給口よりギアポンプを使って押出機のサイドに注入ノズルを通してフィードして押出する。
前記二軸押出機のスクリュー構成は、未溶融混合ゾーンを、全バレル長を100%としたとき、バレルの上流側から45〜75%とすることが好ましく、60〜70%とすることがより好ましい。
前記二軸押出機中の、溶融混練ゾーンには、位相45度のニーディングエレメント(通常Rと表示)、位相90度のニーディングエレメント(通常Nと表示)、負位相45度のニーディングエレメント(通常Lと表示)を使用することが好ましく、前記未溶融混合ゾーンには、(a4)難燃剤を第2供給口よりフィードした後に位相45度のニーディングエレメント(通常Rと表示)を使用することが好ましい。
前記溶融混練ゾーンのスクリューにおいては、以下に限定されるものではないが、例えば、ニーディングディスクR(3〜7枚のディスクを捻れ角度15〜75度で組み合わせた、L(スクリュー長さ)/D(スクリュー径)が0.5〜2.0である正ネジスクリューエレメント)、ニーディングディスクN(3〜7枚のディスクを捻れ角度90度で組み合わせた、L/Dが0.5〜2.0であるニュートラルスクリューエレメント)、ニーディングディスクL(3〜7枚のディスクを捻れ角度15〜75度で組み合わせた、L/Dが0.5〜1.0である逆ネジスクリューエレメント)等を適宜組み合わせたスクリュー構成を有することが好ましく、逆ネジスクリュー(L/Dが0.5〜1.0である二条の逆ネジスクリューエレメント)、SMEスクリュー(正ネジスクリューに切り欠きをつけて混練性を良くした、L/Dが0.5〜1.5であるスクリューエレメント)、ZMEスクリュー(逆ネジスクリューに切り欠きをつけて混練性を向上させた、L/Dが0.5〜1.5であるスクリューエレメント)等のスクリューエレメントを、スクリュー構成中に適宜組み入れて混練を行ってもよい。
本実施形態に用いる熱可塑性樹脂組成物の製造工程における溶融混練においては、さらに減圧脱気を行うことが好ましい。
また、溶融混練時の樹脂温度は、290〜350℃の範囲とすることが好ましい。具体的には、二軸押出機の前段(全バレルのうち押出流れ上流側のバレル)の設定温度を150〜250℃の範囲とすることが好ましく、後段(全バレルのうち押出流れ下流側のバレル)の設定温度を250〜330℃の範囲とすることが好ましく、ダイ出口樹脂温度は特に限定されないが290〜350℃の範囲とすることが好ましい。
二軸押出機のスクリュー回転数は、150〜600rpmの範囲であることが好ましい。
上述した製造方法に従い、熱可塑性樹脂組成物を製造することにより、耐トラッキング性、耐衝撃性、難燃性に優れた熱可塑性樹脂組成物が得られる。
(成形品)
本実施形態の成形品は、上述した本実施形態の熱可塑性樹脂組成物を用いて、射出成形、押出成形、プレス成形、ブロー成形、カレンダー成形及び流延成形等の、従来公知の成形方法を用いて成形することにより、製造することができる。
例えば、シリンダー温度が350℃以下の範囲内に調整された射出成形機のシリンダー内で熱可塑性樹脂組成物溶融させ、所定の形状の金型内に射出することによって、所定の形状の成形品を製造することができる。
また、シリンダー温度が上記の範囲内に調整された押出機内で熱可塑性樹脂組成物を溶融させ、口金ノズルより紡出することによって、繊維状の成形品を製造することができる。
さらに、シリンダー温度が上記の範囲内に調整された押出機内で熱可塑性樹脂組成物を溶融させ、Tダイから押し出すことにより、フィルム状やシート状の成形品を製造することができる。
さらにまた、このような方法で製造された成形品は、表面に、塗料、金属、他種のポリマー等からなる被覆層が形成された形態としてもよい。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、電気部品、産業用機器である事務機、計測器、シャーシ、電気機器の内部パーツ部品、家電関連機器等の電源アダプター、記録媒体やそのドライブ、センサー機器、端子台、エネルギー・環境分野における二次電池、燃料電池や太陽電池、太陽熱発電、地熱発電、風力発電、スマートメーター等に使用される電気電子部品、送電設備を構成する電気部品、ケーブル端末、自動車部品として、用いることができる。
特に、本発明の熱可塑性樹脂組成物は、例えば、太陽光発電モジュールを含む太陽電池に好適に用いることができ、具体的には、太陽電池用接続構造体、太陽電池用ジャンクションボックス、太陽電池用コネクタ、ハイブリッド自動車・電気自動車用部品として、用いることができる。
以下、本発明について、具体的な実施例及び比較例を挙げて説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例及び比較例に用いた測定方法及び原材料を以下に示す。
[特性の測定方法]
(1)難燃性(UL−94規格)
UL94(米国Under Writers Laboratories Inc.で定められた規格)の方法を用いて、1サンプル当たりそれぞれ5本ずつ測定を行った。
なお、燃焼試験用試験片としては、長さ127mm、幅12.7mm、厚み1.5mmのものと、長さ127mm、幅12.7mm、厚み2.0mmのものの2種類を用いた。
後述する実施例及び比較例で製造した樹脂組成物ペレットを、射出成形機(東芝機械社製:IS−80EPN)を用いて、シリンダー温度を320℃、金型温度を80℃に設定して、燃焼試験用試験片を成形した。
特に、難燃レベルV−0以上の判定の場合に、望ましい樹脂組成物と判定した。
(2)ノッチ付シャルピー衝撃強さ
後述する実施例及び比較例で製造した樹脂組成物ペレットを100℃にて2時間乾燥した後、射出成形機(東芝機械(株)製:IS−80EPN)により、シリンダー温度を280℃、金型温度を80℃に設定して、JIS K7139 A型の多目的試験片を成形した。当該多目的試験片からさらに試験片を切り出し、ISO179に準じて、23℃の温度条件下で、シャルピー衝撃強さ(kJ/m2)を評価した。測定値が高い値であるほど、耐衝撃性に優れていると判定した。
(3)DTUL(荷重たわみ温度)
後述する実施例及び比較例で製造した樹脂組成物ペレットを100℃にて2時間乾燥した後、射出成形機(東芝機械(株)製:IS−80EPN)により、シリンダー温度を280℃、金型温度を80℃に設定して、JIS K7139 A型の多目的試験片を成形した。当該多目的試験片からさらに試験片を切り出し、ISO75に準じて、1.8MPa条件下、フラットワイズ法にて、荷重たわみ温度(℃)を評価した。測定値が高い値であるほど、耐熱性が優れていると判定した。
(4)耐トラッキング性
後述する実施例及び比較例で製造した樹脂組成物ペレットを100℃にて2時間乾燥した後、射出成形機(東芝機械(株)製:IS−80EPN)により、シリンダー温度を280℃、金型温度を80℃に設定して、65mm×90mm×3.0mmの試験片を成形し、IEC60112規格に準拠して、比較トラッキング指数(CTI)(V)を測定した。なお、印加電圧は25V単位で変化させて行った。測定値が高い値であるほど、耐トラッキング性が優れていると判定した。
[実施例及び比較例で使用した原材料]
(A)ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物
(a1)ポリフェニレンエーテル
ポリ−2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル(還元粘度=0.52g/dL、水酸基濃度=0.80個/PPE単量体ユニット100個、銅含有量=0.4ppm)
(a2)スチレン系樹脂
ハイインパクトポリスチレン:PSジャパン(株)製、商品名「PSJ−ポリスチレンH9302」
(a3)水添ブロック共重合体)
スチレン−ブタジエンブロック共重合体(ポリスチレン−ポリブタジエン−ポリスチレンの結合構造)を水素添加して得られた水添ブロック共重合体:Kraton Polymers LLC製、商品名「クレイトン G1651」(数平均分子量:約250,000、スチレン重合体ブロック含有量:約33質量%、ブタジエンユニットの水素添加率:98%以上)
(a4)有機リン化合物
ビスフェノールA系縮合リン酸エステル:大八化学(株)製、商品名「CR−741」(下記一般式(8)で、n=1のものが主成分(液体クロマトグラフィー分析による面積比で約85%、酸価=0.2))
Figure 2017082044
・・・・・・(8)
(B)ハロゲン化金属化合物
(B−1)塩化バリウム二水和物)
和光純薬工業製、一級(純度:98.5wt%)
(B−2)塩化銀
和光純薬工業製、特級(純度:99.5wt%)
(B−3)臭化バリウム
和光純薬工業製、一級(純度:98.5wt%)
(B−4)臭化銀
和光純薬工業製(純度:99.5wt%)
(C)着色剤
三菱カーボンブラック#960(三菱化学(株)製)50質量部を、GPPS(PSJポリスチレン 680、PSジャパン社製)47質量部、及びステアリン酸マグネシウム3質量部とともに溶融混練して分散処理したマスターバッチペレット。
[実施例1〜6、及び比較例1〜3]
スクリュー直径58mm、バレル数13、減圧ベント口付二軸押出機(TEM58SS:東芝機械社製)を用いて、下記表1に記載の組成に従い、それぞれの原材料を供給し、溶融混練した。
押出機ダイ先端から出たストランドは、冷却用水を張ったSUS製ストランドバス中を通して冷却し、その後、ストランドカッターにて切断して樹脂組成物ペレットを得た。
なお、上記二軸押出機のスクリュー構成等は、以下の通りとした。
上記二軸押出機の構成は、上流側から順に、熱可塑性樹脂を溶融させない未溶融混練ゾーン(前段)、及び溶融混練ゾーン(後段)を設けた構成とした。ここで、前記未溶融混練ゾーンは、前記押出機のバレル全長を100%としたときに、70%の長さとした。
なお、前記溶融混練する際の各成分の供給方法は以下の通りとした。
まず、未溶融混練ゾーンにおいて、(a1)成分、(a2)成分、(a3)成分、(B)成分、及び(C)成分を押出機の流れ方向に対して上流側のバレル1にある第1供給口より供給した後に、未溶融混練ゾーンにおいて、(a4)成分を第1供給口より下流側のバレル5にある第2(液体)供給口よりギアポンプを使って押出機のサイドに注入ノズルを通して供給した。
前記未溶融混練ゾーンのスクリュー構成は、上流側から順に、順送りスクリューエレメント、順送り(位相45度)ニーディングディスクエレメント(Rと表示)を2個とした。また、未溶融混練ゾーンにおいて、(a4)成分を第2供給口よりフィードし、当該(a4)成分のフィード後に、順送り(位相45度)ニーディングディスクエレメント(Rと表示)を配置した。
前記溶融混練ゾーンのスクリュー構成は、上流側から順に、順送り(位相45度)ニーディングディスクエレメント(Rと表示)を2個、直交(位相90度)ニーディングディスクエレメント(Nと表示)を1個、逆送り(負位相45度)ニーディングディスクエレメント(Lと表示)を1個とした。
真空脱気ゾーンをバレル11に設け、−900hPaで減圧脱気した。また、(a4)成分を供給する第2供給口をバレル5に設けた。バレル設定温度は、バレル1:水冷、バレル2:100℃、バレル3〜6:200℃、バレル7:250℃、バレル8:270℃、バレル9〜13:280℃、ダイス:290℃とした。スクリュー回転数は350rpm、吐出量(押出レート)は400kg/hrとした。以上の条件で押出を行った。
実施例及び比較例で得られた樹脂組成物ペレットを用いて、上述の(1)〜(4)の評価を行った。その結果を下記表1に示す。
Figure 2017082044
実施例1〜6においては、衝撃強度、耐熱性、難燃性を維持しつつ、耐トラッキング性に優れていることが判った。
一方、比較例1、2は耐トラッキング性に劣ったものとなり、比較例3は衝撃強度に劣ったものとなった。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、電気部品、産業用機器である事務機、計測器、シャーシ、電気機器の内部パーツ部品、家電関連機器等の電源アダプター、記録媒体やそのドライブ、センサー機器、端子台、エネルギー・環境分野における二次電池、燃料電池や太陽電池、太陽熱発電、地熱発電、風力発電、スマートメーター等に使用される電気電子部品、送電設備を構成する電気部品、ケーブル端末、自動車部品として、産業上の利用可能性を有する。
特に、本発明の熱可塑性樹脂組成物は、例えば、太陽光発電モジュールを含む太陽電池に好適に用いることができ、具体的には、太陽電池用接続構造体、太陽電池用ジャンクションボックス、太陽電池用コネクタ、ハイブリッド自動車・電気自動車用部品として、産業上の利用可能性を有する。

Claims (8)

  1. (A)ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物100質量部に対して、(B)ハロゲン化バリウム化合物、及びハロゲン化銀化合物からなる群より選ばれる1種以上のハロゲン化金属化合物0.05〜3質量部を含有することを特徴とする、熱可塑性樹脂組成物。
  2. 前記(A)ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物が、(a1)成分、(a2)成分、(a3)成分、(a4)成分の合計を100質量部としたとき、(a1)ポリフェニレンエーテル50〜80質量部、(a2)スチレン系樹脂0〜25質量部、(a3)水添ブロック共重合体1〜25質量部、(a4)有機リン系化合物2〜30質量部を含有する、請求項1に記載の熱可塑性樹脂組成物。
  3. (C)有機顔料、無機顔料、及び有機染料からなる群より選ばれる1種以上の着色剤をさらに含む、請求項1または2に記載の熱可塑性樹脂組成物。
  4. 前記(C)成分が、カーボンブラックであり、
    前記熱可塑性樹脂組成物中の前記カーボンブラックの含有量が、0.01〜2質量%である、
    請求項3に記載の熱可塑性樹脂組成物。
  5. 前記(a4)有機リン系化合物が、下記一般式(1)で示されるリン酸エステル系化合物、下記一般式(2)で示されるホスフィン酸塩、下記一般式(3)で示されるジホスフィン酸塩からなる群より選ばれる1種以上である、請求項2に記載の熱可塑性樹脂組成物。
    Figure 2017082044
    ・・・・・・(1)
    (式(1)中、Ra、Rb、Rc、及びRdは、それぞれ独立して、アリール基であり、ここで、アリール基の1つ以上の水素が置換されていても置換されていなくてもよく;nは、自然数であり;Xは、フェノール類より誘導される2価の芳香族基であり;j、k、l、及びmは、それぞれ独立して、0又は1である。)
    Figure 2017082044
    ・・・・・・(2)
    [式中、R11及びR12は、各々独立して、直鎖状若しくは分岐状の炭素原子数1〜6のアルキル基及び/又は炭素原子数6〜10のアリール基であり;M1は、カルシウムイオン、マグネシウムイオン、アルミニウムイオン、亜鉛イオン、ビスマスイオン、マンガンイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン、及びプロトン化された窒素塩基からなる群より選ばれる少なくとも1種であり;aは、1〜3の整数であり;mは、1〜3の整数であり;a=mである]
    Figure 2017082044
    ・・・・・・(3)
    [式中、R21及びR22は、各々独立して、直鎖状若しくは分岐状の炭素原子数1〜6のアルキル基及び/又は炭素原子数6〜10のアリール基であり;R23は、直鎖状若しくは分岐状の炭素原子数1〜10のアルキレン基、炭素原子数6〜10のアリーレン基、炭素原子数6〜10のアルキルアリーレン基又は炭素原子数6〜10のアリールアルキレン基であり;M2は、カルシウムイオン、マグネシウムイオン、アルミニウムイオン、亜鉛イオン、ビスマスイオン、マンガンイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン、及びプロトン化された窒素塩基からなる群より選ばれる少なくとも1種であり;bは、1〜3の整数であり;nは、1〜3の整数であり;jは、1又は2の整数であり;b・j=2nである]
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の熱可塑性樹脂組成物からなることを特徴とする、太陽光発電モジュール用接続構造体。
  7. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の熱可塑性樹脂組成物からなることを特徴とする、太陽光発電モジュール用ジャンクションボックス。
  8. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の熱可塑性樹脂組成物からなることを特徴とする、太陽光発電モジュール用コネクタ。
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