以下、本発明の実施の態様について図面を用いて詳細に説明する。但し、本発明は以下の説明に限定されず、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更し得ることが可能である。従って、本発明は以下に示す実施の形態の記載内容に限定して解釈されない。
なお、図面等において示す各構成の、位置、大きさ、範囲などは、理解の簡単のため、実際の位置、大きさ、範囲などを表していない場合がある。このため、開示する発明は、必ずしも、図面等に開示された位置、大きさ、範囲などに限定されない。
また、本明細書等において、第1、第2等として付される序数詞は便宜上用いており、工程順又は積層順を示さない場合がある。そのため、例えば、「第1の」を「第2の」又は「第3の」などと適宜置き換えて説明することができる。また、本明細書等に記載されている序数詞と、本発明の一態様を特定するために用いられる序数詞は一致しない場合がある。
また、本明細書等において、図面を用いて発明の構成を説明するにあたり、同じものを指す符号は異なる図面間でも共通して用いる場合がある。
また、本明細書等において、「膜」という用語と、「層」という用語とは、互いに入れ替えることが可能である。例えば、「導電層」という用語を、「導電膜」という用語に変更することが可能な場合がある。または、例えば、「絶縁膜」という用語を、「絶縁層」という用語に変更することが可能な場合がある。
なお、本明細書等において、一重項励起状態(S*)は、励起エネルギーを有する一重項状態のことである。また、S1準位は、一重項励起エネルギー準位の最も低い準位であり、最も低い一重項励起状態の励起エネルギー準位のことである。また、三重項励起状態(T*)は、励起エネルギーを有する三重項状態のことである。また、T1準位は、三重項励起エネルギー準位の最も低い準位であり、最も低い三重項励起状態の励起エネルギー準位のことである。なお、本明細書等において、単に一重項励起状態および一重項励起エネルギー準位と表記した場合であっても、最も低い一重項励起状態およびS1準位を表す場合がある。また、三重項励起状態および三重項励起エネルギー準位と表記した場合であっても、最も低い三重項励起状態およびT1準位を表す場合がある。
また、本明細書等において、蛍光材料とは、一重項励起状態から基底状態へ緩和する際に可視光領域に発光を与える材料である。一方、燐光材料とは、三重項励起状態から基底状態へ緩和する際に、室温において可視光領域に発光を与える材料である。換言すると燐光材料とは、三重項励起エネルギーを可視光へ変換可能な材料の一つである。
また、燐光発光エネルギーまたは三重項励起エネルギーは、燐光発光の最も短波長側の発光ピーク(ショルダーを含む)または立ち上がりの波長から導出することができる。なお、該燐光発光は、低温(例えば、10K)環境下において、時間分解フォトルミネッセンス法を行うことで観測することができる。また、熱活性化遅延蛍光の発光エネルギーは、熱活性化遅延蛍光の最も短波長側の発光ピーク(ショルダーを含む)または立ち上がりの波長から導出することができる。
なお、本明細書等において、室温とは、0℃以上40℃以下のいずれかの温度をいう。
また、本明細書等において、青色の波長領域とは、400nm以上505nm未満の波長領域であり、青色の発光とは該領域に少なくとも一つの発光スペクトルピークを有する発光である。また、緑色の波長領域とは、505nm以上580nm未満の波長領域であり、緑色の発光とは該領域に少なくとも一つの発光スペクトルピークを有する発光である。また、赤色の波長領域とは、580nm以上680nm以下の波長領域であり、赤色の発光とは該領域に少なくとも一つの発光スペクトルピークを有する発光である。
(実施の形態1)
本実施の形態では、本発明の一態様の発光素子について、図1乃至図4を用いて以下説明する。
<発光素子の構成例1>
まず、本発明の一態様の発光素子の構成について、図1(A)及び(B)を用いて、以下説明する。
図1(A)は、本発明の一態様の発光素子150の断面模式図である。
発光素子150は、一対の電極(電極101及び電極102)を有し、該一対の電極間に設けられたEL層100を有する。EL層100は、少なくとも発光層130を有する。
また、図1(A)に示すEL層100は、発光層130の他に、正孔注入層111、正孔輸送層112、電子輸送層118、及び電子注入層119等の機能層を有する。
なお、本実施の形態においては、一対の電極のうち、電極101を陽極として、電極102を陰極として説明するが、発光素子150の構成としては、その限りではない。つまり、電極101を陰極とし、電極102を陽極とし、当該電極間の各層の積層を、逆の順番にしてもよい。すなわち、陽極側から、正孔注入層111と、正孔輸送層112と、発光層130と、電子輸送層118と、電子注入層119と、が積層する順番とすればよい。
なお、EL層100の構成は、図1(A)に示す構成に限定されず、正孔注入層111、正孔輸送層112、電子輸送層118、及び電子注入層119の中から選ばれた少なくとも一つを有する構成とすればよい。あるいは、EL層100は、正孔または電子の注入障壁を低減する、正孔または電子の輸送性を向上する、正孔または電子の輸送性を阻害する、または電極による消光現象を抑制する、ことができる等の機能を有する機能層を有する構成としてもよい。なお、機能層はそれぞれ単層であっても、複数の層が積層された構成であってもよい。
図1(B)は、図1(A)に示す発光層130の一例を示す断面模式図である。図1(B)に示す発光層130は、少なくともゲスト材料131と、ホスト材料132と、を有する。ゲスト材料131が三重項励起エネルギーを発光に変換することができる機能を有する第1の材料であり、ホスト材料132が第2の材料であることが好ましい。
また、発光層130中では、ホスト材料132が重量比で最も多く存在し、ゲスト材料131は、ホスト材料132中に分散される。
また、ゲスト材料131としては、発光性の有機材料を用いればよく、該発光性の有機材料としては、三重項励起エネルギーを発光に変換することができる機能を有すると好ましく、燐光を発することができる材料(以下、燐光材料ともいう)であると好適である。以下の説明においては、ゲスト材料131として、燐光材料を用いる構成について説明する。したがって、ゲスト材料131を燐光材料として読み替えてもよい。
<発光素子の発光機構1>
次に、発光層130の発光機構について、以下説明を行う。
本発明の一態様の発光素子150においては、一対の電極(電極101及び電極102)間に電圧を印加することにより、陰極から電子が、陽極から正孔(ホール)が、それぞれEL層100に注入され、電流が流れる。そして、注入された電子及び正孔が再結合することによって、EL層100が有する発光層130内のゲスト材料131が励起状態となり、励起されたゲスト材料131から発光を得ることができる。
なお、以下の2つの過程により、ゲスト材料131からの発光が得られる。
・(α)直接再結合過程
・(β)エネルギー移動過程
≪(α)直接再結合過程≫
まず、ゲスト材料131における直接再結合過程を説明する。キャリア(電子および正孔)が、ゲスト材料131において再結合し、ゲスト材料131の励起状態が形成される。この場合、キャリアの直接再結合過程によってゲスト材料131を励起するために必要なエネルギーは、ゲスト材料131の最低空軌道(Lowest Unoccupied Molecular Orbital、LUMOともいう)準位と最高被占軌道(Highest Occupied Molecular Orbital、HOMOともいう)準位とのエネルギー差に相当し、概ね一重項励起状態のエネルギーに相当する。一方、ゲスト材料131は燐光材料であるため、三重項励起状態のエネルギーが発光に変換される。したがって、ゲスト材料131が形成する一重項励起状態と三重項励起状態とでエネルギー差が大きい場合、ゲスト材料131を励起するために必要なエネルギーは、該エネルギー差に相当するエネルギーの分だけ、発光のエネルギーより高くなる。
ゲスト材料131を励起するために必要なエネルギーと、発光のエネルギーとのエネルギー差は、発光素子において駆動電圧の差として素子特性に影響を与える。そのため、(α)直接再結合過程においては、発光素子の発光開始電圧は、ゲスト材料131における発光のエネルギーに相当する電圧より大きくなってしまう。
また、ゲスト材料131が高い発光エネルギーを有する場合、ゲスト材料131のLUMO準位が高くなるため、キャリアである電子がゲスト材料131に注入されにくくなり、ゲスト材料131においてキャリア(電子および正孔)の直接再結合が生じにくくなる。したがって、発光素子において高い発光効率が得られにくい。
≪(β)エネルギー移動過程≫
次に、ホスト材料132及びゲスト材料131のエネルギー移動過程を説明するために、図2(A)にエネルギー準位の相関を説明する模式図を示す。なお、図2(A)における表記及び符号は、以下の通りである。
・Guest(131):ゲスト材料131(燐光材料)
・Host(132):ホスト材料132
・SPG:ゲスト材料131(燐光材料)のS1準位
・TPG:ゲスト材料131(燐光材料)のT1準位
・SPH:ホスト材料132のS1準位
・TPH:ホスト材料132のT1準位
キャリアが、ホスト材料132において再結合し、ホスト材料132の一重項励起状態および三重項励起状態が形成される場合、図2(A)のルートE1及びルートE2に示すように、ホスト材料132の一重項励起エネルギー及び三重項励起エネルギーの双方が、ゲスト材料131のT1準位(TPG)に移動し、ゲスト材料131が三重項励起状態となる。三重項励起状態となったゲスト材料131からは、燐光発光が呈される。
なお、ホスト材料132のS1準位(SPH)およびT1準位(TPH)の双方は、ゲスト材料131のT1準位(TPG)以上であると好ましい。このようなエネルギー準位の相関とすることで、生成したホスト材料132の一重項励起エネルギーおよび三重項励起エネルギーを、ホスト材料132のS1準位(SPH)およびT1準位(TPH)からゲスト材料131のT1準位(TPG)へ効率よくエネルギー移動させることができる。
別言すると、発光層130では、ホスト材料132からゲスト材料131への励起エネルギーの供与がある。
なお、発光層130がホスト材料132およびゲスト材料131以外の材料を有する場合においては、発光層130が、ホスト材料132のT1準位(TPH)よりも高いT1準位を有する材料を有することが好ましい。これにより、ホスト材料132の三重項励起エネルギーのクエンチが生じにくくなり、効率よくゲスト材料131へエネルギー移動が発生する。
また、ホスト材料132の一重項励起エネルギーがゲスト材料131のT1準位(TPG)に移動する際のエネルギー損失を低減するためには、ホスト材料132においてS1準位(SPH)とT1準位(TPH)のエネルギー差が小さいことが好ましい。
また、図2(B)に示すエネルギーバンド図のように、ゲスト材料131のLUMO準位は、ホスト材料132のLUMO準位より高く、且つ、ゲスト材料131のHOMO準位は、ホスト材料132のHOMO準位より低いことが好ましい。すなわち、ゲスト材料131のLUMO準位とHOMO準位とのエネルギー差(ΔEG)は、ホスト材料132のLUMO準位とHOMO準位とのエネルギー差(ΔEH)より大きい。このようなエネルギー準位の関係とすることで、ゲスト材料131とホスト材料132とで励起錯体を形成する反応を抑制することができる。なお、図2(B)において、Guest(131)はゲスト材料131を表し、Host(132)はホスト材料132を表し、ΔEGはゲスト材料131のLUMO準位とHOMO準位とのエネルギー差を表し、ΔEHはホスト材料132のLUMO準位とHOMO準位とのエネルギー差を表す、表記及び符号である。
ゲスト材料131が呈する発光の発光波長が短波長で、発光エネルギーが大きい発光となるためには、ゲスト材料131のLUMO準位とHOMO準位とのエネルギー差(ΔEG)は大きい方が好ましい。一方、発光素子150において、駆動電圧を低減するためには、できるだけ小さい励起エネルギーで励起することが好ましく、そのためには、ホスト材料132が形成する励起状態の励起エネルギーは、小さい方が好ましい。したがって、ホスト材料132のLUMO準位とHOMO準位とのエネルギー差(ΔEH)は、小さい方が好ましい。
なお、ゲスト材料131は燐光性の発光材料であるため、三重項励起エネルギーを発光に変換することができる機能を有する。また、三重項励起状態は、一重項励起状態よりエネルギーが安定である。そのため、ゲスト材料131は、LUMO準位とHOMO準位とのエネルギー差(ΔEG)よりエネルギーが小さい発光を呈することができる。ここで、このゲスト材料131のLUMO準位とHOMO準位とのエネルギー差(ΔEG)が、ホスト材料132のLUMO準位とHOMO準位とのエネルギー差(ΔEH)より大きい場合においても、ゲスト材料131が呈する発光エネルギー(略称:ΔEEm)あるいは吸収スペクトルにおける吸収端から算出される遷移エネルギー(略称:ΔEabs)が、ΔEHと同等か、より小さい場合であれば、ホスト材料132が形成する励起状態から、ゲスト材料131への励起エネルギーの移動が可能となり、ゲスト材料131から発光を得ることができることを本発明者らは見出した。ゲスト材料131のΔEGが、ゲスト材料131が呈する発光エネルギー(ΔEEm)あるいは吸収スペクトルにおける吸収端から算出される遷移エネルギー(ΔEabs)よりも大きい場合、ゲスト材料131を直接電気励起するのには、ΔEGに相当する大きな電気エネルギーが必要となり、発光素子の駆動電圧が上昇する。しかし、本発明の一態様においては、ΔEH(ΔEGよりも小さい)に相当する電気エネルギーによりホスト材料132を電気励起し、そこからのエネルギー移動によってゲスト材料131の励起状態が生成するため、低い駆動電圧、且つ高効率で、ゲスト材料131からの発光を得ることができる。そのため、本発明の一態様の発光素子は、発光開始電圧(輝度が1cd/m2より大きくなる電圧)を、ゲスト材料が呈する発光のエネルギー(ΔEEm)に相当する電圧より小さくすることができる。つまり、ΔEGが、ゲスト材料131が呈する発光エネルギー(ΔEEm)あるいは吸収スペクトルにおける吸収端から算出される遷移エネルギー(ΔEabs)よりもかなり大きい場合(例えばゲスト材料が青色発光材料の場合)において、本発明の一態様は特に有益である。なお、発光のエネルギー(ΔEEm)は、発光スペクトルの最も短波長側の発光ピーク(極大値、またはショルダーを含む)の波長から導出することができる。
なお、ゲスト材料131が重金属を有する場合、スピン軌道相互作用(電子のスピン角運動量と軌道角運動量との相互作用)により、一重項状態と三重項状態との項間交差が促進されるため、ゲスト材料131において一重項基底状態と三重項励起状態との間の遷移が許容となる場合がある。すなわち、ゲスト材料131の一重項基底状態と三重項励起状態との間の遷移に係わる発光の効率および吸収の確率を高めることができる。そのため、ゲスト材料131は、スピン軌道相互作用の大きい金属元素を有すると好ましく、特に白金族元素(ルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)、パラジウム(Pd)、オスミウム(Os)、イリジウム(Ir)、または白金(Pt))を有することが好ましく、中でもイリジウムを有することで、一重項基底状態と三重項励起状態との間の直接遷移に係わる吸収確率を高めることができ、好ましい。
ここで、例えば、ゲスト材料131のHOMO準位が、ホスト材料132のHOMO準位以上であって、発光層130が有する材料のうち、最も高いHOMO準位を有する材料がゲスト材料131であり、最も低いLUMO準位を有する材料がホスト材料132である場合、一対の電極(電極101および電極102)から注入されたキャリア(正孔および電子)のうち、陰極から注入された電子は、発光層130においてホスト材料132に注入されやすく、陽極から注入された正孔は、ゲスト材料131に注入されやすくなる。そのため、ゲスト材料131とホスト材料132とで、励起錯体を形成してしまう場合がある。特に、ゲスト材料131のHOMO準位とホスト材料132のLUMO準位とのエネルギー差が、ゲスト材料131の発光のエネルギーよりも小さくなるにつれて、ゲスト材料131とホスト材料132とで形成される励起錯体の生成が支配的となる。この場合、ゲスト材料131単体で励起状態が生成されにくくなるため、発光素子の発光効率が低下してしまう。
また、ゲスト材料131のLUMO準位が、ホスト材料132のLUMO準位以下であって、発光層130が有する材料のうち、最も低いLUMO準位を有する材料がゲスト材料131であり、最も高いHOMO準位を有する材料がホスト材料132である場合、一対の電極(電極101および電極102)から注入されたキャリア(正孔および電子)のうち、陰極から注入された電子は、発光層130においてゲスト材料131に注入されやすく、陽極から注入された正孔は、ホスト材料132に注入されやすくなる。そのため、ゲスト材料131とホスト材料132とで、励起錯体を形成してしまう場合がある。特に、ゲスト材料131のLUMO準位とホスト材料132のHOMO準位とのエネルギー差が、ゲスト材料131の発光のエネルギーよりも小さくなるにつれて、ゲスト材料131とホスト材料132とで形成される励起錯体の生成が支配的となる。この場合、ゲスト材料131単体で励起状態が生成されにくくなるため、発光素子の発光効率が低下してしまう。
しかしながら、本発明の一態様の発光素子においては、ゲスト材料131と、ホスト材料132と、で励起錯体を形成する反応を抑制することができるため、高い発光効率を示す発光素子を作製することができる。なお、このような観点からは、ゲスト材料131のLUMO準位とホスト材料132のLUMO準位、あるいはゲスト材料131のHOMO準位とホスト材料132のHOMO準位は、同等であっても良く、本発明の一態様である。ただし、以下に述べる理由により、ゲスト材料131のLUMO準位とHOMO準位とのエネルギー差(ΔEG)が、ホスト材料132のLUMO準位とHOMO準位とのエネルギー差(ΔEH)より大きいことが好ましい。
すなわち、上述した通りであるが、ゲスト材料131のLUMO準位とHOMO準位とのエネルギー差(ΔEG)が、ホスト材料132のLUMO準位とHOMO準位とのエネルギー差(ΔEH)より大きい場合であっても、ゲスト材料131の吸収端から算出される遷移エネルギー(ΔEabs)が、ΔEHと同等か、より小さければ、ホスト材料132が形成する励起状態から、ゲスト材料131へ効率よく励起エネルギーが移動する。その結果、低電圧かつ高効率な発光素子が得られることが本発明の一態様の特徴の一つである。この場合、ΔEG>ΔEH≧ΔEabs(ΔEGはΔEHより大きく、ΔEHはΔEabs以上)となっている。したがって、ゲスト材料131のLUMO準位とHOMO準位とのエネルギー差(ΔEG)が、ゲスト材料131の吸収端から算出される遷移エネルギー(ΔEabs)より大きい場合に、本発明の一態様のメカニズムは好適である。より具体的には、ゲスト材料131のLUMO準位とHOMO準位とのエネルギー差(ΔEG)は、ゲスト材料131の吸収端から算出される遷移エネルギー(ΔEabs)より、0.4eV以上大きいと好ましい。また、ゲスト材料131が呈する発光のエネルギー(ΔEEm)は、ΔEabsと同等か、それよりも小さいため、ゲスト材料131のLUMO準位とHOMO準位とのエネルギー差(ΔEG)が、ゲスト材料131が呈する発光のエネルギー(ΔEEm)より、0.4eV以上大きいと好ましい。
また、ホスト材料132のLUMO準位とHOMO準位とのエネルギー差(ΔEH)は、ホスト材料132のS1準位(SPH)と同等かやや大きい。また、ホスト材料132のS1準位(SPH)はT1準位(TPH)より大きい。また、ホスト材料132のT1準位(TPH)は、ゲスト材料131のT1準位(TPG)以上である。したがって、ΔEG>ΔEH≧SPH>TPH≧TPG(ΔEGはΔEHより大きく、ΔEHはSPH以上であり、SPHはTPHより大きく、TPHはTPG以上)となる。なお、ゲスト材料131の吸収スペクトルにおける吸収端に係る吸収が、ゲスト材料131の一重項基底状態と三重項励起状態との間の遷移に係る吸収である場合、ΔTPGはΔEabsと同等かやや小さいエネルギーとなる。そのため、ΔEGがΔEabsより少なくとも0.4eV以上大きくなるためには、ΔEGとΔEabsとのエネルギー差より、SPHとTPHとのエネルギー差は小さいことが好ましく、具体的には、SPHとTPHとのエネルギー差は、好ましくは0eVより大きく0.2eV以下であり、より好ましくは0eVより大きく0.1eV以下である。
一重項励起エネルギー準位と三重項励起エネルギー準位のエネルギー差が小さく、ホスト材料132に好適な材料としては、熱活性化遅延蛍光(Thermally activated delayed fluorescence:TADF)材料が挙げられる。熱活性化遅延蛍光材料は、一重項励起エネルギー準位と三重項励起エネルギー準位のエネルギー差が小さく、逆項間交差によって三重項励起エネルギーを一重項励起エネルギーに変換することができる機能を有する。なお、本発明の一態様に係るホスト材料132としては、必ずしもTPHからSPHへの逆項間交差効率が高い必要はなく、SPHからの発光量子収率が高い必要もないため、材料を幅広く選択することが可能である。
また、一重項励起エネルギー準位と三重項励起エネルギー準位とのエネルギー差を小さくするためには、ホスト材料132は、正孔を輸送する機能(正孔輸送性)を有する骨格と、電子を輸送する機能(電子輸送性)を有する骨格とを有することが、好ましい。この場合、ホスト材料132の励起状態は、正孔輸送性を有する骨格にHOMOの分子軌道を有し、電子輸送性を有する骨格にLUMOの分子軌道を有するため、HOMOの分子軌道とLUMOの分子軌道との重なりが極めて小さくなる。すなわち、単一分子内でのドナー−アクセプター型の励起状態を形成しやすくなり、一重項励起エネルギー準位と三重項励起エネルギー準位とのエネルギー差が小さくなる。なお、ホスト材料132において、一重項励起エネルギー準位(SPH)と三重項励起エネルギー準位(TPH)との差は、好ましくは0eVより大きく0.2eV以下である。
なお、分子軌道は、分子中の電子の空間分布を表し、電子を見出す確率を表すことができる。分子軌道によって、分子の電子配置(電子の空間的分布ならびにエネルギー)を詳細に記述することが可能である。
また、ホスト材料132がドナー性の強い骨格を有する場合、発光層130に注入された正孔が、ホスト材料132に注入され輸送されやすくなる。また、ホスト材料132がアクセプター性の強い骨格を有する場合、発光層130に注入された電子が、ホスト材料132に注入され輸送されやすくなる。ホスト材料132に正孔及び電子の双方が注入されることで、ホスト材料132で励起状態を形成しやすくなるため好ましい。
なお、ゲスト材料131の発光波長が短波長になり、発光エネルギー(ΔEEm)が大きくなるほど、ゲスト材料131のLUMO準位とHOMO準位とのエネルギー差(ΔEG)は大きくなるため、それに伴い、ゲスト材料を直接電気励起するためには大きなエネルギーが必要となる。しかしながら、本発明の一態様においては、ゲスト材料131の吸収スペクトルにおける吸収端から算出される遷移エネルギー(ΔEabs)が、ΔEHと同等か、より小さければ、ΔEGよりも遥かに小さいΔEH程度のエネルギーでゲスト材料131を励起することができるため、発光素子の消費電力を低減することができる。したがって、ゲスト材料131の吸収スペクトルにおける吸収端から算出される遷移エネルギー(ΔEabs)と、ゲスト材料131のLUMO準位とHOMO準位とのエネルギー差(ΔEG)と、のエネルギー差がより大きい方が(すなわち、特に青色の発光を呈するゲスト材料の場合は)、本発明の機構の効果が顕著となる。
ただし、ゲスト材料131の吸収スペクトルにおける吸収端から算出される遷移エネルギー(ΔEabs)が小さくなると、ゲスト材料131が呈する発光のエネルギー(ΔEEm)も小さくなってしまうため、青色の発光のような高いエネルギーを有する発光を得ることが難しくなってしまう。すなわち、ΔEabsとΔEGの差が大きくなりすぎると、青色の発光のような高いエネルギーを有する発光が得られにくくなる。
これらのことから、ゲスト材料131のLUMO準位とHOMO準位とのエネルギー差(ΔEG)は、ゲスト材料131の吸収スペクトルにおける吸収端から算出される遷移エネルギー(ΔEabs)より、0.4eV以上0.8eV以下の範囲で大きいと好ましく、0.5eV以上0.8eV以下の範囲で大きいと、より好ましい。また、ゲスト材料131が呈する発光のエネルギー(ΔEEm)は、ΔEabsと同等か、それよりも小さいため、ゲスト材料131のLUMO準位とHOMO準位とのエネルギー差(ΔEG)は、ゲスト材料131が呈する発光のエネルギー(ΔEEm)より、0.4eV以上0.8eV以下の範囲で大きいと好ましく、0.5eV以上0.8eV以下の範囲で大きいと、より好ましい。
また、ゲスト材料131のLUMO準位は、ホスト材料132のLUMO準位より高く、ゲスト材料131のHOMO準位は、ホスト材料132のHOMO準位より低いため、一対の電極(電極101および電極102)から注入されたキャリア(正孔および電子)のうち、陽極から注入された正孔および陰極から注入された電子の双方が、発光層130においてホスト材料132に注入されやすい。なお、電子および正孔の双方が、効率よくホスト材料132に注入されるためには、ゲスト材料131のLUMO準位と、ホスト材料132のLUMO準位との差が、好ましくは0.05eV以上であり、より好ましくは0.1eV以上であり、さらに好ましくは0.2eV以上である。また、ゲスト材料131のHOMO準位と、ホスト材料132のHOMO準位との差が、好ましくは0.05eV以上であり、より好ましくは0.1eV以上であり、さらに好ましくは0.2eV以上である。
また、ホスト材料132のLUMO準位とHOMO準位とのエネルギー差(ΔEH)は、ゲスト材料131のLUMO準位とHOMO準位とのエネルギー差(ΔEG)より小さいため、発光層130に注入されたキャリア(正孔および電子)が再結合して形成する励起状態としては、ホスト材料132が形成する励起状態の方がエネルギー的に安定である。そのため、発光層130で生成される励起状態のほとんどが、ホスト材料132が形成する励起状態として存在することになる。したがって、本発明の一態様の構成によって、ホスト材料132の励起状態からゲスト材料131への励起エネルギーの移動を生じやすくすることで、発光素子の駆動電圧を低減することができ、発光効率を高めることができる。
また、上述したLUMO準位とHOMO準位との関係から、ゲスト材料131とホスト材料132との組み合わせとしては、ゲスト材料131の酸化電位は、ホスト材料132の酸化電位より高く、且つ、ゲスト材料131の還元電位は、ホスト材料132の還元電位より低いことが好ましい。このような酸化電位および還元電位の関係とすることで、上記と同様に、ゲスト材料131と、ホスト材料132と、で励起錯体を形成する反応を抑制することができる。なお、酸化電位および還元電位については、サイクリックボルタンメトリ(CV)法によって測定することができる。
発光層130を上述の構成とすることで、発光層130のゲスト材料131からの発光を効率よく得ることができる。
<エネルギー移動機構>
次に、ホスト材料132と、ゲスト材料131との分子間のエネルギー移動過程の支配因子について説明する。分子間のエネルギー移動の機構としては、フェルスター機構(双極子−双極子相互作用)と、デクスター機構(電子交換相互作用)の2つの機構が提唱されている。
≪フェルスター機構≫
フェルスター機構では、エネルギー移動に、分子間の直接的接触を必要とせず、ホスト材料132及びゲスト材料131間の双極子振動の共鳴現象を通じてエネルギー移動が起こる。双極子振動の共鳴現象によってホスト材料132がゲスト材料131にエネルギーを受け渡し、励起状態のホスト材料132が基底状態になり、基底状態のゲスト材料131が励起状態になる。なお、フェルスター機構の速度定数kh*→gを数式(1)に示す。
数式(1)において、νは、振動数を表し、f’h(ν)は、ホスト材料132の規格化された発光スペクトル(一重項励起状態からのエネルギー移動を論じる場合は蛍光スペクトル、三重項励起状態からのエネルギー移動を論じる場合は燐光スペクトル)を表し、εg(ν)は、ゲスト材料131のモル吸光係数を表し、Nは、アボガドロ数を表し、nは、媒体の屈折率を表し、Rは、ホスト材料132とゲスト材料131の分子間距離を表し、τは、実測される励起状態の寿命(蛍光寿命や燐光寿命)を表し、cは、光速を表し、φは、発光量子収率(一重項励起状態からのエネルギー移動を論じる場合は蛍光量子収率、三重項励起状態からのエネルギー移動を論じる場合は燐光量子収率)を表し、K2は、ホスト材料132とゲスト材料131の遷移双極子モーメントの配向を表す係数(0から4)である。なお、ランダム配向の場合はK2=2/3である。
≪デクスター機構≫
デクスター機構では、ホスト材料132とゲスト材料131が軌道の重なりを生じる接触有効距離に近づき、励起状態のホスト材料132の電子と、基底状態のゲスト材料131との電子の交換を通じてエネルギー移動が起こる。なお、デクスター機構の速度定数kh*→gを数式(2)に示す。
数式(2)において、hは、プランク定数であり、Kは、エネルギーの次元を持つ定数であり、νは、振動数を表し、f’h(ν)は、ホスト材料132の規格化された発光スペクトル(一重項励起状態からのエネルギー移動を論じる場合は蛍光スペクトル、三重項励起状態からのエネルギー移動を論じる場合は燐光スペクトル)を表し、ε’g(ν)は、ゲスト材料131の規格化された吸収スペクトルを表し、Lは、実効分子半径を表し、Rは、ホスト材料132とゲスト材料131の分子間距離を表す。
ここで、ホスト材料132からゲスト材料131へのエネルギー移動効率φETは、数式(3)で表される。krは、ホスト材料132の発光過程(一重項励起状態からのエネルギー移動を論じる場合は蛍光、三重項励起状態からのエネルギー移動を論じる場合は燐光)の速度定数を表し、knは、ホスト材料132の非発光過程(熱失活や項間交差)の速度定数を表し、τは、実測されるホスト材料132の励起状態の寿命を表す。
数式(3)より、エネルギー移動効率φETを高くするためには、エネルギー移動の速度定数kh*→gを大きくし、他の競合する速度定数kr+kn(=1/τ)が相対的に小さくなれば良いことがわかる。
≪エネルギー移動を高めるための概念≫
フェルスター機構によるエネルギー移動においては、エネルギー移動効率φETは、量子収率φ(一重項励起状態からのエネルギー移動を論じている場合は蛍光量子収率、三重項励起状態からのエネルギー移動を論じる場合は燐光量子収率)が高い方が良い。また、ホスト材料132の発光スペクトル(一重項励起状態からのエネルギー移動を論じる場合は蛍光スペクトル)とゲスト材料131の吸収スペクトル(一重項基底状態から三重項励起状態への遷移に相当する吸収)との重なりが大きいことが好ましい。さらに、ゲスト材料131のモル吸光係数も高い方が好ましい。このことは、ホスト材料132の発光スペクトルと、ゲスト材料131の吸収スペクトルの最も長波長側に現れる吸収帯とが重なることを意味する。
また、デクスター機構によるエネルギー移動において、速度定数kh*→gを大きくするにはホスト材料132の発光スペクトル(一重項励起状態からのエネルギー移動を論じる場合は蛍光スペクトル、三重項励起状態からのエネルギー移動を論じる場合は燐光スペクトル)とゲスト材料131の吸収スペクトル(一重項基底状態から三重項励起状態への遷移に相当する吸収)との重なりが大きい方が良い。したがって、エネルギー移動効率の最適化は、ホスト材料132の発光スペクトルと、ゲスト材料131の吸収スペクトルの最も長波長側に現れる吸収帯とが重なることによって実現される。
<発光素子の構成例2>
次に、図1(A)(B)に示す構成と異なる構成を有する発光素子について、図3(A)(B)を用いて、以下説明する。
図3(A)は、本発明の一態様の発光素子152の断面模式図である。なお、図3(A)において、図1(A)に示す符号と同様の機能を有する箇所には、同様のハッチパターンとし、符号を省略する場合がある。また、同様の機能を有する箇所には同様の符号を付し、その詳細な説明を省略する場合がある。
発光素子152は、一対の電極(電極101及び電極102)を有し、該一対の電極間に設けられたEL層100を有する。EL層100は、少なくとも発光層135を有する。
図3(B)は、図3(A)に示す発光層135の一例を示す断面模式図である。図3(B)に示す発光層135は、少なくともゲスト材料131と、ホスト材料132と、ホスト材料133と、を有する。
また、発光層135中では、ホスト材料132またはホスト材料133が重量比で最も多く存在し、ゲスト材料131は、ホスト材料132およびホスト材料133中に分散される。ここでは、ゲスト材料131が三重項励起エネルギーを発光に変換することができる機能を有する第1の材料であり、ホスト材料132が第2の材料であり、ホスト材料133が第3の材料であることが好ましい。
<発光素子の発光機構2>
次に、発光層135の発光機構について、以下説明を行う。
本発明の一態様の発光素子152においても、一対の電極(電極101及び電極102)より注入された正孔及び電子が再結合することによって、EL層100が有する発光層135内のゲスト材料131が励起状態となり、励起されたゲスト材料131から発光を得ることができる。
なお、以下の2つの過程により、ゲスト材料131からの発光が得られる。
・(α)直接再結合過程
・(β)エネルギー移動過程
なお、(α)直接再結合過程については、上記発光層130の発光機構で説明した直接再結合過程と同様であるため、ここでの説明は省略する。
≪(β)エネルギー移動過程≫
ホスト材料132、ホスト材料133、及びゲスト材料131のエネルギー移動過程を説明するために、図4(A)にエネルギー準位の相関を説明する模式図を示す。なお、図4(A)における表記及び符号は、以下の通りであり、他の表記及び符号については、図2(A)と同様である。
・Host(133):ホスト材料133
・SH:ホスト材料133のS1準位
・TH:ホスト材料133のT1準位
キャリアが、ホスト材料132において再結合し、ホスト材料132の一重項励起状態および三重項励起状態が形成される場合、図4(A)のルートE1及びルートE2に示すように、ホスト材料132の一重項励起エネルギー及び三重項励起エネルギーの双方が、ゲスト材料131のT1準位(TPG)に移動し、ゲスト材料131が三重項励起状態となる。三重項励起状態となったゲスト材料131からは、燐光発光が呈される。
なお、ホスト材料132からゲスト材料131へ効率よく励起エネルギーを移動させるためには、ホスト材料133のT1準位(TH)が、ホスト材料132のT1準位(TPH)よりも高いことが好ましい。これにより、ホスト材料132の三重項励起エネルギーのクエンチが生じにくくなり、効率よくゲスト材料131へエネルギー移動が発生する。
また、図4(B)に示すエネルギーバンド図のように、ゲスト材料131のLUMO準位は、ホスト材料132のLUMO準位より高く、且つ、ゲスト材料131のHOMO準位は、ホスト材料132のHOMO準位より低いことが好ましい。すなわち、ゲスト材料131のLUMO準位とHOMO準位とのエネルギー差(ΔEG)は、ホスト材料132のLUMO準位とHOMO準位とのエネルギー差(ΔEH)より大きい。このようなエネルギー準位の関係にすることで、ゲスト材料131とホスト材料132とで励起錯体を形成する反応を抑制することができる。なお、このような観点からは、発光素子の発光機構1で述べたのと同様、ゲスト材料131のLUMO準位とホスト材料132のLUMO準位、あるいはゲスト材料131のHOMO準位とホスト材料132のHOMO準位は、同等であっても良く、本発明の一態様である。
また、ホスト材料133のLUMO準位は、ホスト材料132のLUMO準位より高く、且つ、ホスト材料133のHOMO準位は、ホスト材料132のHOMO準位より低いことが好ましい。すなわち、ホスト材料133のLUMO準位とHOMO準位とのエネルギー差は、ホスト材料132のLUMO準位とHOMO準位とのエネルギー差(ΔEH)より大きい。このようなエネルギー準位の関係にすることで、ホスト材料132とホスト材料133とで励起錯体を形成する反応、を抑制することができる。なお、図4(B)において、Host(133)はホスト材料133を表し、他の表記及び符号は、図2(B)と同様である。
なお、ホスト材料132のHOMO準位とホスト材料133のHOMO準位との差、及びホスト材料132のLUMO準位とホスト材料133のLUMO準位との差はそれぞれ、好ましくは0.1eV以上であり、より好ましくは0.2eV以上である。該エネルギー差を有することで、一対の電極(電極101および電極102)から注入された電子キャリアおよび正孔キャリアの双方が、ホスト材料132に注入されやすくなるため好適である。
なお、ホスト材料133のLUMO準位は、ゲスト材料131のLUMO準位よりも高くても低くても良く、ホスト材料133のHOMO準位は、ゲスト材料131のHOMO準位よりも高くても低くても良い。
また、ホスト材料132のLUMO準位とHOMO準位とのエネルギー差(ΔEH)は、ホスト材料133のLUMO準位とHOMO準位とのエネルギー差より小さく、ホスト材料132のLUMO準位とHOMO準位とのエネルギー差(ΔEH)は、ゲスト材料131のLUMO準位とHOMO準位とのエネルギー差(ΔEG)より小さいため、発光層135に注入されたキャリア(正孔および電子)が再結合して形成する励起状態としては、ホスト材料133またはゲスト材料131が形成する励起状態より、ホスト材料132が形成する励起状態の方がエネルギー的に安定である。そのため、発光層135で生成される励起状態のほとんどが、ホスト材料132が形成する励起状態として存在することになる。したがって、発光層135においても、上記の発光層130の構成と同様に、ホスト材料132の励起状態からゲスト材料131への励起エネルギーの移動を生じやすくすることで、発光素子152の駆動電圧を低減することができ、発光効率を高めることができる。
また、ホスト材料133において、正孔および電子が再結合してホスト材料133が励起状態を形成する場合であっても、ホスト材料133のLUMO準位とHOMO準位とのエネルギー差は、ホスト材料132のLUMO準位とHOMO準位とのエネルギー差より大きいため、ホスト材料133の励起エネルギーは速やかにホスト材料132にエネルギー移動することができる。その後、該励起エネルギーは、上記の発光層130の発光機構と同様の過程を経て、ゲスト材料131にエネルギー移動することで、ゲスト材料131からの発光を得ることができる。なお、ホスト材料133においても正孔および電子が再結合し得ることを考慮すると、ホスト材料133もホスト材料132と同様、一重項励起エネルギー準位と三重項励起エネルギー準位のエネルギー差が小さい材料、特に熱活性化遅延蛍光材料であることが好ましい。
なお、ゲスト材料131から効率よく発光を得るためには、ホスト材料133のS1準位(SH)は、ホスト材料132のS1準位(SPH)以上であり、ホスト材料133のT1準位(TH)は、ホスト材料132のT1準位(TPH)以上であると好ましい。
また、上述したLUMO準位とHOMO準位との関係から、ホスト材料133とホスト材料132との組み合わせとしては、ホスト材料133の酸化電位は、ホスト材料132の酸化電位より高く、且つ、ホスト材料133の還元電位は、ホスト材料132の還元電位より低いことが好ましい。このような酸化電位および還元電位の関係にすることで、上記と同様に、ホスト材料133と、ホスト材料132と、で励起錯体を形成する反応を抑制することができる。
また、ホスト材料132とホスト材料133との組み合わせが、正孔を輸送する機能を有する材料と電子を輸送する機能を有する材料との組み合わせである場合、その混合比によってキャリアバランスを容易に制御することが可能となる。具体的には、正孔を輸送する機能を有する材料:電子を輸送する機能を有する材料=1:9から9:1(重量比)の範囲が好ましい。また、該構成を有することで、容易にキャリアバランスを制御することができることから、キャリア再結合領域の制御も簡便に行うことができる。
発光層135を上述の構成とすることで、発光層135のゲスト材料131からの発光を効率よく得ることができる。
<材料>
次に、本発明の一態様に係わる発光素子の構成要素の詳細について、以下説明を行う。
≪発光層≫
発光層130および発光層135中では、ホスト材料132が少なくともゲスト材料131より重量比で多く存在し、ゲスト材料131(燐光材料)は、ホスト材料132中に分散される。
≪ホスト材料132≫
ホスト材料132のS1準位とT1準位とのエネルギー差は小さいことが好ましく、具体的には0eVより大きく0.2eV以下である。
ホスト材料132は、正孔輸送性を有する骨格と、電子輸送性を有する骨格と、を有することが好ましい。あるいは、ホスト材料132は、π電子過剰型複素芳香環骨格または芳香族アミン骨格と、π電子不足型複素芳香環骨格と、を有することが好ましい。ホスト材料132が上述の骨格を有することで、分子内でドナー−アクセプター型の励起状態を形成しやすくなる。さらに、ホスト材料132の分子内でドナー性とアクセプター性が共に強くなるよう、電子輸送性を有する骨格と、正孔輸送性を有する骨格と、が直接結合する構造を有することが好ましい。あるいは、π電子過剰型複素芳香環骨格または芳香族アミン骨格と、π電子不足型芳香環骨格と、が直接結合する構造を有すると好ましい。分子内でのドナー性とアクセプター性を共に強くすることで、ホスト材料132のHOMOにおける分子軌道が分布する領域と、LUMOにおける分子軌道が分布する領域との重なりを小さくすることができ、ホスト材料132の一重項励起エネルギー準位と三重項励起エネルギー準位とのエネルギー差を小さくすることが可能となる。また、ホスト材料132の三重項励起エネルギー準位を高いエネルギーに保つことが可能となる。
一重項励起エネルギー準位と三重項励起エネルギー準位とのエネルギー差が小さい材料としては、熱活性化遅延蛍光材料が挙げられる。なお、熱活性化遅延蛍光材料は、三重項励起エネルギー準位と一重項励起エネルギー準位との差が小さいため、逆項間交差によって三重項励起状態から一重項励起状態へエネルギーを変換する機能を有する材料である。そのため、三重項励起状態をわずかな熱エネルギーによって一重項励起状態にアップコンバート(逆項間交差)が可能で、一重項励起状態からの発光(蛍光)を効率よく呈することができる。また、熱活性化遅延蛍光が効率良く得られる条件としては、三重項励起エネルギー準位と一重項励起エネルギー準位のエネルギー差が、好ましくは0eVより大きく0.2eV以下、さらに好ましくは0eVより大きく0.1eV以下であることが挙げられる。
熱活性化遅延蛍光材料が、一種類の材料から構成される場合、例えば以下の材料を用いることができる。
まず、フラーレンやその誘導体、プロフラビン等のアクリジン誘導体、エオシン等が挙げられる。また、マグネシウム(Mg)、亜鉛(Zn)、カドミウム(Cd)、スズ(Sn)、白金(Pt)、インジウム(In)、もしくはパラジウム(Pd)等を含む金属含有ポルフィリンが挙げられる。該金属含有ポルフィリンとしては、例えば、プロトポルフィリン−フッ化スズ錯体(SnF2(Proto IX))、メソポルフィリン−フッ化スズ錯体(SnF2(Meso IX))、ヘマトポルフィリン−フッ化スズ錯体(SnF2(Hemato IX))、コプロポルフィリンテトラメチルエステル−フッ化スズ錯体(SnF2(Copro III−4Me))、オクタエチルポルフィリン−フッ化スズ錯体(SnF2(OEP))、エチオポルフィリン−フッ化スズ錯体(SnF2(Etio I))、オクタエチルポルフィリン−塩化白金錯体(PtCl2OEP)等が挙げられる。
また、一種の材料から構成される熱活性化遅延蛍光材料としては、π電子過剰型複素芳香環及びπ電子不足型複素芳香環を有する複素環化合物も用いることができる。具体的には、2−(ビフェニル−4−イル)−4,6−ビス(12−フェニルインドロ[2,3−a]カルバゾール−11−イル)−1,3,5−トリアジン(略称:PIC−TRZ)、2−{4−[3−(N−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)−9H−カルバゾール−9−イル]フェニル}−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン(略称:PCCzPTzn)、2−[4−(10H−フェノキサジン−10−イル)フェニル]−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン(略称:PXZ−TRZ)、3−[4−(5−フェニル−5,10−ジヒドロフェナジン−10−イル)フェニル]−4,5−ジフェニル−1,2,4−トリアゾール(略称:PPZ−3TPT)、3−(9,9−ジメチル−9H−アクリジン−10−イル)−9H−キサンテン−9−オン(略称:ACRXTN)、ビス[4−(9,9−ジメチル−9,10−ジヒドロアクリジン)フェニル]スルホン(略称:DMAC−DPS)、10−フェニル−10H,10’H−スピロ[アクリジン−9,9’−アントラセン]−10’−オン(略称:ACRSA)等が挙げられる。該複素環化合物は、π電子過剰型複素芳香環及びπ電子不足型複素芳香環を有するため、電子輸送性及び正孔輸送性が高く、好ましい。中でも、π電子不足型複素芳香環を有する骨格のうち、ジアジン骨格(ピリミジン骨格、ピラジン骨格、ピリダジン骨格)、またはトリアジン骨格は、安定で信頼性が良好なため、好ましい。また、π電子過剰型複素芳香環を有する骨格の中でも、アクリジン骨格、フェノキサジン骨格、フェノチアジン骨格、フラン骨格、チオフェン骨格、及びピロール骨格は、安定で信頼性が良好なため、当該骨格の中から選ばれるいずれか一つまたは複数を有することが、好ましい。なお、フラン骨格としてはジベンゾフラン骨格が、チオフェン骨格としてはジベンゾチオフェン骨格が、それぞれ好ましい。なお、ピロール骨格としては、インドール骨格、カルバゾール骨格、及び3−(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)−9H−カルバゾール骨格、が特に好ましい。なお、π電子過剰型複素芳香環とπ電子不足型複素芳香環とが直接結合した物質は、π電子過剰型複素芳香環のドナー性とπ電子不足型複素芳香環のアクセプター性が共に強く、一重項励起状態の準位と三重項励起状態の準位の差が小さくなるため、特に好ましい。
また、π電子不足型複素芳香環を有する骨格としては、ジアジン骨格を有する縮合複素環骨格が、より安定で信頼性が良好なため好ましく、中でもベンゾフロピリミジン骨格およびベンゾチエノピリミジン骨格は、アクセプター性が高いため特に好ましい。ベンゾフロピリミジン骨格としては例えば、ベンゾフロ[3,2−d]ピリミジン骨格が挙げられる。また、ベンゾチエノピリミジン骨格としては、例えば、ベンゾチエノ[3,2−d]ピリミジン骨格が挙げられる。
π電子過剰型複素芳香環を有する骨格としては、ビカルバゾール骨格が、励起エネルギーが高く、安定で信頼性が良好なため好ましい。ビカルバゾール骨格としては例えば、2位乃至4位のいずれかにおいて2つのカルバゾリル基が互いに結合したビカルバゾール骨格は、ドナー性が高いため特に好ましい。当該ビカルバゾール骨格としては、例えば、2,2’−ビ−9H−カルバゾール骨格、3,3’−ビ−9H−カルバゾール骨格、4,4’−ビ−9H−カルバゾール骨格、2,3’−ビ−9H−カルバゾール骨格、2,4’−ビ−9H−カルバゾール骨格、3,4’−ビ−9H−カルバゾール骨格、等が挙げられる。
なお、バンドギャップをより広くし、三重項励起エネルギーをより高くする観点では、当該ビカルバゾール骨格のうち一方のカルバゾリル基の9位が、直接ベンゾフロピリミジン骨格もしくはベンゾチエノピリミジン骨格に結合した化合物が好ましい。また、当該ビカルバゾール骨格と、ベンゾフロピリミジン骨格またはベンゾチエノピリミジン骨格とが直接結合する場合、比較的低分子量の化合物となるため、真空蒸着に適した(比較的低温で真空蒸着できる)構造となり好ましい。なお、一般には、分子量が低いと成膜後の耐熱性が低くなることが多いが、ベンゾフロピリミジン骨格、ベンゾチエノピリミジン骨格、及びビカルバゾール骨格が剛直な骨格であるため、当該骨格を有する化合物は分子量が比較的低くても十分な耐熱性を有することが可能となる。また、当該構造は、バンドギャップが大きくなり励起エネルギー準位が高くなるため、好ましい。
また、ビカルバゾール骨格と、ベンゾフロピリミジン骨格またはベンゾチエノピリミジン骨格とがアリーレン基を介して結合する場合であって、かつ当該アリーレン基の炭素数が6乃至25、好ましくは炭素数が6乃至13である場合、バンドギャップおよび三重項励起エネルギーの双方を高く保つことができるだけでなく、比較的低分子量の化合物となるため、真空蒸着に適した(比較的低温で真空蒸着できる)構造となる。
また、ビカルバゾール骨格が、直接またはアリーレン基を介して、ベンゾフロ[3,2−d]ピリミジン骨格またはベンゾチエノ[3,2−d]ピリミジン骨格に結合する、より好ましくは、ベンゾフロ[3,2−d]ピリミジン骨格またはベンゾチエノ[3,2−d]ピリミジン骨格の4位に結合することで、当該化合物のキャリア輸送性が優れた輸送性となる。したがって、当該化合物を用いた発光素子は、低い電圧で駆動することができる。
≪化合物の例≫
上記で示した本発明の一態様の化合物は、下記一般式(G0)で表される化合物である。
上記一般式(G0)において、Aは、置換もしくは無置換のベンゾフロピリミジン骨格、またはベンゾチエノピリミジン骨格を表す。当該ベンゾフロピリミジン骨格またはベンゾチエノピリミジン骨格が置換基を有する場合、当該置換基としては、炭素数1乃至6のアルキル基、炭素数3乃至7のシクロアルキル基、または炭素数6乃至13の置換もしくは無置換のアリール基も置換基として選択することができる。炭素数1乃至6のアルキル基としては具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、n−ヘキシル基などを挙げることができる。また、炭素数3乃至7のシクロアルキル基、としては具体的には、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などを挙げることができる。また、炭素数6乃至13のアリール基としては、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、フルオレニル基などを具体例として挙げることができる。
また、R1乃至R15は、それぞれ独立に、水素、置換もしくは無置換の炭素数1乃至6のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数3乃至7のシクロアルキル基、または置換もしくは無置換の炭素数6乃至13のアリール基のいずれかを表す。炭素数1乃至6のアルキル基としては具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、n−ヘキシル基などを挙げることができる。また、炭素数3乃至7のシクロアルキル基、としては具体的には、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などを挙げることができる。また、炭素数6乃至13のアリール基としては、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、フルオレニル基などを具体例として挙げることができる。さらに、上述したアルキル基、シクロアルキル基、及びアリール基は置換基を有していてもよく、前記置換基は互いに結合して環を形成してもよい。当該置換基としては、炭素数1乃至6のアルキル基、炭素数3乃至7のシクロアルキル基、または炭素数6乃至13のアリール基も置換基として選択することができる。炭素数1乃至6のアルキル基としては具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、n−ヘキシル基などを挙げることができる。また、炭素数3乃至7のシクロアルキル基としては具体的には、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などを挙げることができる。また、炭素数6乃至13のアリール基としては、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、フルオレニル基などを具体例として挙げることができる。
また、Ar1は、炭素数6乃至25のアリーレン基または単結合を表し、前記アリーレン基は置換基を有していてもよく、前記置換基は互いに結合して環を形成してもよい。このような例としては、例えば、フルオレニル基の9位の炭素が置換基としてフェニル基を二つ有し、当該フェニル基同士が結合することによって、スピロフルオレン骨格を形成するような場合が挙げられる。炭素数6乃至25のアリーレン基としては、フェニレン基、ナフチレン基、ビフェニルジイル基、フルオレンジイル基などを具体例として挙げることができる。なお、前記アリーレン基が置換基を有する場合、当該置換基としては、炭素数1乃至6のアルキル基、炭素数3乃至7のシクロアルキル基、または炭素数6乃至13のアリール基も置換基として選択することができる。炭素数1乃至6のアルキル基としては具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、n−ヘキシル基などを挙げることができる。また、炭素数3乃至7のシクロアルキル基としては具体的には、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などを挙げることができる。また、炭素数6乃至13のアリール基としては、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、フルオレニル基などを具体例として挙げることができる。
また、本実施の形態における化合物において、ベンゾフロピリミジン骨格は、ベンゾフロ[3,2−d]ピリミジン骨格であると好ましい。
また、本実施の形態における化合物において、ベンゾチエノピリミジン骨格は、ベンゾチエノ[3,2−d]ピリミジン骨格であると好ましい。
また、本実施の形態における化合物において、ビカルバゾール骨格の一方のカルバゾリル基の9位において、直接またはアリーレン基を介して、ベンゾフロ[3,2−d]ピリミジン骨格またはベンゾチエノ[3,2−d]ピリミジン骨格の4位と、結合した構成を有する化合物は、ドナー性とアクセプター性とが共に強く、広いバンドギャップを有するため、特に青色などエネルギーの高い発光を呈する発光素子に好適に用いることができ好ましい構成である。上記化合物は、下記一般式(G1)で表される化合物である。
上記一般式(G1)において、Qは、酸素または硫黄を表す。
また、R1乃至R20は、それぞれ独立に、水素、置換もしくは無置換の炭素数1乃至6のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数3乃至7のシクロアルキル基、または置換もしくは無置換の炭素数6乃至13のアリール基のいずれかを表す。炭素数1乃至6のアルキル基としては具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、n−ヘキシル基などを挙げることができる。また、炭素数3乃至7のシクロアルキル基、としては具体的には、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などを挙げることができる。また、炭素数6乃至13のアリール基としては、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、フルオレニル基などを具体例として挙げることができる。さらに、上述したアルキル基、シクロアルキル基、及びアリール基は置換基を有していてもよく、前記置換基は互いに結合して環を形成してもよい。当該置換基としては、炭素数1乃至6のアルキル基、炭素数3乃至7のシクロアルキル基、または炭素数6乃至13のアリール基も置換基として選択することができる。炭素数1乃至6のアルキル基としては具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、n−ヘキシル基などを挙げることができる。また、炭素数3乃至7のシクロアルキル基としては具体的には、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などを挙げることができる。また、炭素数6乃至13のアリール基としては、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、フルオレニル基などを具体例として挙げることができる。
また、Ar1は、炭素数6乃至25のアリーレン基または単結合を表し、前記アリーレン基は置換基を有していてもよく、前記置換基は互いに結合して環を形成してもよい。このような例としては、例えば、フルオレニル基の9位の炭素が置換基としてフェニル基を二つ有し、当該フェニル基同士が結合することによって、スピロフルオレン骨格を形成するような場合が挙げられる。炭素数6乃至25のアリーレン基としては、フェニレン基、ナフチレン基、ビフェニルジイル基、フルオレンジイル基などを具体例として挙げることができる。なお、前記アリーレン基が置換基を有する場合、当該置換基としては、炭素数1乃至6のアルキル基、炭素数3乃至7のシクロアルキル基、または炭素数6乃至13のアリール基も置換基として選択することができる。炭素数1乃至6のアルキル基としては具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、n−ヘキシル基などを挙げることができる。また、炭素数3乃至7のシクロアルキル基としては具体的には、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などを挙げることができる。また、炭素数6乃至13のアリール基としては、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、フルオレニル基などを具体例として挙げることができる。
また、本実施の形態における化合物において、ビカルバゾール骨格は、3,3’−ビ−9H−カルバゾール骨格であり、当該ビカルバゾール骨格の一方のカルバゾリル基が9位において、直接またはアリーレン基を介してベンゾフロ[3,2−d]ピリミジン骨格またはベンゾチエノ[3,2−d]ピリミジン骨格の4位と結合した構成を有する化合物は、キャリア輸送性に優れるため、これを用いた発光素子は低い電圧で駆動できるため、好ましい構成である。上記化合物は、下記一般式(G2)で表される化合物である。
上記一般式(G2)において、Qは、酸素または硫黄を表す。
また、R1乃至R20は、それぞれ独立に、水素、置換もしくは無置換の炭素数1乃至6のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数3乃至7のシクロアルキル基、または置換もしくは無置換の炭素数6乃至13のアリール基のいずれかを表す。炭素数1乃至6のアルキル基としては具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、n−ヘキシル基などを挙げることができる。また、炭素数3乃至7のシクロアルキル基、としては具体的には、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などを挙げることができる。また、炭素数6乃至13のアリール基としては、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、フルオレニル基などを具体例として挙げることができる。さらに、上述したアルキル基、シクロアルキル基、及びアリール基は置換基を有していてもよく、前記置換基は互いに結合して環を形成してもよい。当該置換基としては、炭素数1乃至6のアルキル基、炭素数3乃至7のシクロアルキル基、または炭素数6乃至13のアリール基も置換基として選択することができる。炭素数1乃至6のアルキル基としては具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、n−ヘキシル基などを挙げることができる。また、炭素数3乃至7のシクロアルキル基としては具体的には、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などを挙げることができる。また、炭素数6乃至13のアリール基としては、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、フルオレニル基などを具体例として挙げることができる。
また、Ar1は、炭素数6乃至25のアリーレン基または単結合を表し、前記アリーレン基は置換基を有していてもよく、前記置換基は互いに結合して環を形成してもよい。このような例としては、例えば、フルオレニル基の9位の炭素が置換基としてフェニル基を二つ有し、当該フェニル基同士が結合することによって、スピロフルオレン骨格を形成するような場合が挙げられる。炭素数6乃至13のアリーレン基としては、フェニレン基、ナフチレン基、ビフェニルジイル基、フルオレンジイル基などを具体例として挙げることができる。なお、前記アリーレン基が置換基を有する場合、当該置換基としては、炭素数1乃至6のアルキル基、炭素数3乃至7のシクロアルキル基、または炭素数6乃至13のアリール基も置換基として選択することができる。炭素数1乃至6のアルキル基としては具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、n−ヘキシル基などを挙げることができる。また、炭素数3乃至7のシクロアルキル基としては具体的には、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などを挙げることができる。また、炭素数6乃至13のアリール基としては、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、フルオレニル基などを具体例として挙げることができる。
また、本実施の形態における化合物において、ビカルバゾール骨格と、ベンゾフロピリミジン骨格またはベンゾチエノピリミジン骨格とが、直接結合する構成を有する場合、バンドギャップが広くなり、また、純度良く合成することが可能であるため、好ましい構成である。また、当該化合物は、キャリア輸送性に優れるため、これを用いた発光素子は低い電圧で駆動できる。
また、上記一般式(G1)または(G2)において、R1乃至R14、及びR16乃至R20が、すべて水素である場合、合成の容易さや原料の価格の面でも有利であり、さらに、比較的低分子量の化合物となるため、真空蒸着に適した構造となり、特に好ましい。該化合物は、下記一般式(G3)または一般式(G4)で表される化合物である。
上記一般式(G3)において、Qは、酸素または硫黄を表す。
また、R15は、水素、置換もしくは無置換の炭素数1乃至6のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数3乃至7のシクロアルキル基、または置換もしくは無置換の炭素数6乃至13のアリール基のいずれかを表す。炭素数1乃至6のアルキル基としては具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、n−ヘキシル基などを挙げることができる。また、炭素数3乃至7のシクロアルキル基、としては具体的には、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などを挙げることができる。また、炭素数6乃至13のアリール基としては、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、フルオレニル基などを具体例として挙げることができる。さらに、上述したアルキル基、シクロアルキル基、及びアリール基は置換基を有していてもよく、前記置換基は互いに結合して環を形成してもよい。当該置換基としては、炭素数1乃至6のアルキル基、炭素数3乃至7のシクロアルキル基、または炭素数6乃至13のアリール基も置換基として選択することができる。炭素数1乃至6のアルキル基としては具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、n−ヘキシル基などを挙げることができる。また、炭素数3乃至7のシクロアルキル基としては具体的には、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などを挙げることができる。また、炭素数6乃至13のアリール基としては、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、フルオレニル基などを具体例として挙げることができる。
また、Ar1は、炭素数6乃至25のアリーレン基または単結合を表し、前記アリーレン基は置換基を有していてもよく、前記置換基は互いに結合して環を形成してもよい。このような例としては、例えば、フルオレニル基の9位の炭素が置換基としてフェニル基を二つ有し、当該フェニル基同士が結合することによって、スピロフルオレン骨格を形成するような場合が挙げられる。炭素数6乃至25のアリーレン基としては、フェニレン基、ナフチレン基、ビフェニルジイル基、フルオレンジイル基などを具体例として挙げることができる。なお、前記アリーレン基が置換基を有する場合、当該置換基としては、炭素数1乃至6のアルキル基、炭素数3乃至7のシクロアルキル基、または炭素数6乃至13のアリール基も置換基として選択することができる。炭素数1乃至6のアルキル基としては具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、n−ヘキシル基などを挙げることができる。また、炭素数3乃至7のシクロアルキル基としては具体的には、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などを挙げることができる。また、炭素数6乃至13のアリール基としては、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、フルオレニル基などを具体例として挙げることができる。
上記一般式(G4)において、Qは、酸素または硫黄を表す。
また、R15は、水素、置換もしくは無置換の炭素数1乃至6のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数3乃至7のシクロアルキル基、または置換もしくは無置換の炭素数6乃至13のアリール基のいずれかを表す。炭素数1乃至6のアルキル基としては具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、n−ヘキシル基などを挙げることができる。また、炭素数3乃至7のシクロアルキル基、としては具体的には、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などを挙げることができる。また、炭素数6乃至13のアリール基としては、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、フルオレニル基などを具体例として挙げることができる。さらに、上述したアルキル基、シクロアルキル基、及びアリール基は置換基を有していてもよく、前記置換基は互いに結合して環を形成してもよい。当該置換基としては、炭素数1乃至6のアルキル基、炭素数3乃至7のシクロアルキル基、または炭素数6乃至13のアリール基も置換基として選択することができる。炭素数1乃至6のアルキル基としては具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、n−ヘキシル基などを挙げることができる。また、炭素数3乃至7のシクロアルキル基としては具体的には、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などを挙げることができる。また、炭素数6乃至13のアリール基としては、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、フルオレニル基などを具体例として挙げることができる。
また、Ar1は、炭素数6乃至25のアリーレン基または単結合を表し、前記アリーレン基は置換基を有していてもよく、前記置換基は互いに結合して環を形成してもよい。このような例としては、例えば、フルオレニル基の9位の炭素が置換基としてフェニル基を二つ有し、当該フェニル基同士が結合することによって、スピロフルオレン骨格を形成するような場合が挙げられる。炭素数6乃至25のアリーレン基としては、フェニレン基、ナフチレン基、ビフェニルジイル基、フルオレンジイル基などを具体例として挙げることができる。なお、前記アリーレン基が置換基を有する場合、当該置換基としては、炭素数1乃至6のアルキル基、炭素数3乃至7のシクロアルキル基、または炭素数6乃至13のアリール基も置換基として選択することができる。炭素数1乃至6のアルキル基としては具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、n−ヘキシル基などを挙げることができる。また、炭素数3乃至7のシクロアルキル基としては具体的には、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などを挙げることができる。また、炭素数6乃至13のアリール基としては、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、フルオレニル基などを具体例として挙げることができる。
一般式(G0)において、Aとして表されるベンゾフロピリミジン骨格またはベンゾチエノピリミジン骨格としては、例えば、下記構造式(Ht−1)乃至(Ht−24)で表される構造を適用することができる。なお、Aとしては用いることのできる構造はこれらに限られない。
上記構造式(Ht−1)乃至(Ht−24)において、R16乃至R20は、それぞれ独立に、水素、置換もしくは無置換の炭素数1乃至6のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数3乃至7のシクロアルキル基、または置換もしくは無置換の炭素数6乃至13のアリール基のいずれかを表す。炭素数1乃至6のアルキル基としては具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、n−ヘキシル基などを挙げることができる。また、炭素数3乃至7のシクロアルキル基、としては具体的には、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などを挙げることができる。また、炭素数6乃至13のアリール基としては、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、フルオレニル基などを具体例として挙げることができる。さらに、上述したアルキル基、シクロアルキル基、及びアリール基は置換基を有していてもよく、前記置換基は互いに結合して環を形成してもよい。当該置換基としては、炭素数1乃至6のアルキル基、炭素数3乃至7のシクロアルキル基、または炭素数6乃至13のアリール基も置換基として選択することができる。炭素数1乃至6のアルキル基としては具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、n−ヘキシル基などを挙げることができる。また、炭素数3乃至7のシクロアルキル基としては具体的には、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などを挙げることができる。また、炭素数6乃至13のアリール基としては、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、フルオレニル基などを具体例として挙げることができる。
また、一般式(G0)及び(G1)において、ビカルバゾール骨格として用いることができる構造としては、例えば、下記構造式(Cz−1)乃至(Cz−9)で表される構造を適用することができる。なお、ビカルバゾール骨格として用いることのできる構造はこれらに限られない。
上記構造式(Cz−1)乃至(Cz−9)において、R1乃至R15は、それぞれ独立に、水素、置換もしくは無置換の炭素数1乃至6のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数3乃至7のシクロアルキル基、または置換もしくは無置換の炭素数6乃至13のアリール基のいずれかを表す。炭素数1乃至6のアルキル基としては具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、n−ヘキシル基などを挙げることができる。また、炭素数3乃至7のシクロアルキル基、としては具体的には、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などを挙げることができる。また、炭素数6乃至13のアリール基としては、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、フルオレニル基などを具体例として挙げることができる。さらに、上述したアルキル基、シクロアルキル基、及びアリール基は置換基を有していてもよく、前記置換基は互いに結合して環を形成してもよい。当該置換基としては、炭素数1乃至6のアルキル基、炭素数3乃至7のシクロアルキル基、または炭素数6乃至13のアリール基も置換基として選択することができる。炭素数1乃至6のアルキル基としては具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、n−ヘキシル基などを挙げることができる。また、炭素数3乃至7のシクロアルキル基としては具体的には、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などを挙げることができる。また、炭素数6乃至13のアリール基としては、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、フルオレニル基などを具体例として挙げることができる。
また、上記一般式(G0)乃至(G4)において、Ar1で表されるアリーレン基は、例えば、下記構造式(Ar−1)乃至(Ar−27)で表される基を適用することができる。なお、Ar1として用いることのできる基は、これらに限られず、置換基を有していても良い。
また、上記一般式(G1)及び(G2)のR1乃至R20、一般式(G0)のR1乃至R15、一般式(G3)及び(G4)のR15、で表されるアルキル基、シクロアルキル基、またはアリール基は、例えば、下記構造式(R−1)乃至(R−29)で表される基を適用することができる。なお、アルキル基、シクロアルキル基、またはアリール基として用いることのできる基は、これらに限られず、置換基を有していても良い。
≪化合物の具体例≫
上記一般式(G0)乃至(G4)として表される化合物の具体的な構造としては、下記構造式(100)乃至(147)で表される化合物などが挙げられる。なお、一般式(G0)乃至(G4)として表される化合物は下記例示に限られない。
なお、ホスト材料132は、一重項励起エネルギー準位と三重項励起エネルギー準位とのエネルギー差が小さいことが好ましいが、必ずしも逆項間交差効率が高い必要はなく、発光量子収率が高くなくてもよく、熱活性化遅延蛍光を呈する機能を有さなくてもよい。その場合、ホスト材料132は、π電子過剰型複素芳香環を有する骨格または芳香族アミン骨格の少なくとも一方と、π電子不足型複素芳香環を有する骨格とが、m−フェニレン基またはo−フェニレン基の少なくとも一つを有する構造を介して結合する構造を有することが好ましい。あるいは、ビフェニルジイル基を介して結合することが好ましい。あるいは、m−フェニレン基またはo−フェニレン基の少なくとも一つを有するアリーレン基を介して結合する構造を有することが好ましく、該アリーレン基はビフェニルジイル基であるとさらに好ましい。ホスト材料132が上述の構造を有することで、ホスト材料132のT1準位を高くすることができる。なお、この場合においても、π電子不足型複素芳香環を有する骨格は、ジアジン骨格(ピリミジン骨格、ピラジン骨格、ピリダジン骨格)、またはトリアジン骨格を有することが好ましい。また、π電子過剰型複素芳香環を有する骨格は、アクリジン骨格、フェノキサジン骨格、フェノチアジン骨格、フラン骨格、チオフェン骨格、及びピロール骨格の中から選ばれるいずれか一つまたは複数を有することが、好ましい。なお、フラン骨格としてはジベンゾフラン骨格が、チオフェン骨格としてはジベンゾチオフェン骨格が、それぞれ好ましい。なお、ピロール骨格としては、インドール骨格、カルバゾール骨格、及び3−(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)−9H−カルバゾール骨格、が特に好ましい。また、芳香族アミン骨格としては、NH結合を有さない、いわゆる3級アミンが好ましく、特にトリアリールアミン骨格が好ましい。トリアリールアミン骨格のアリール基としては、環を形成する炭素数が6乃至炭素数13の置換又は無置換のアリール基が好ましく、フェニル基、ナフチル基、フルオレニル基等が挙げられる。
上記の芳香族アミン骨格およびπ電子過剰型複素芳香環を有する骨格の一例としては、下記一般式(401)乃至(417)で表される骨格である。なお、一般式(413)乃至(416)中のXは、酸素原子または硫黄原子を表す。
また、上記のπ電子不足型複素芳香環を有する骨格の一例としては、下記一般式(201)乃至(218)で表される骨格である。
正孔輸送性を有する骨格(具体的にはπ電子過剰型複素芳香環骨格または芳香族アミン骨格の少なくとも一方)と、電子輸送性を有する骨格(具体的にはπ電子不足型複素芳香環骨格)とが、m−フェニレン基またはo−フェニレン基の少なくとも一つを有する結合基を介して結合する場合、ビフェニルジイル基を結合基として介して結合する場合、またはm−フェニレン基またはo−フェニレン基の少なくとも一つを有するアリーレン基を有する結合基を介して結合する場合、該結合基の一例としては、下記一般式(301)乃至(315)で表される骨格である。なお、上記のアリーレン基としては、フェニレン骨格、ビフェニルジイル骨格、ナフタレンジイル骨格、フルオレンジイル骨格、フェナントレンジイル骨格等が挙げられる。
上述した芳香族アミン骨格(具体的にはトリアリールアミン骨格)、π電子過剰型複素芳香環骨格(具体的にはアクリジン骨格、フェノキサジン骨格、フェノチアジン骨格、フラン骨格、チオフェン骨格、ピロール骨格を有する環)、π電子不足型複素芳香環骨格(具体的にはジアジン骨格またはトリアジン骨格を有する環)、あるいは上記の一般式(401)乃至(417)、一般式(201)乃至(218)、及び一般式(301)乃至(315)は、置換基を有していてもよい。当該置換基としては、炭素数1乃至炭素数6のアルキル基、炭素数3乃至炭素数6のシクロアルキル基、または炭素数6乃至炭素数12の置換もしくは無置換のアリール基も置換基として選択することができる。炭素数1乃至炭素数6のアルキル基としては具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、n−ヘキシル基などを挙げることができる。また、炭素数3乃至炭素数6のシクロアルキル基、としては具体的には、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などを挙げることができる。また、炭素数6乃至炭素数12のアリール基としては、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基などを具体例として挙げることができる。また、上記置換基は互いに結合して環を形成してもよい。このような例としては、例えば、フルオレン骨格における9位の炭素が置換基としてフェニル基を二つ有する場合、当該フェニル基同士が結合することによって、スピロフルオレン骨格を形成するような場合が挙げられる。なお、無置換の場合、合成の容易さや原料の価格の面で有利である。
また、Ar2は、炭素数6乃至炭素数13のアリーレン基を表し、該アリーレン基は置換基を有していてもよく、該置換基は互いに結合して環を形成してもよい。このような例としては、例えば、フルオレニル基の9位の炭素が置換基としてフェニル基を二つ有し、当該フェニル基同士が結合することによって、スピロフルオレン骨格を形成するような場合が挙げられる。炭素数6乃至炭素数13のアリーレン基としては、フェニレン基、ナフチレン基、ビフェニレン基、フルオレンジイル基などを具体例として挙げることができる。なお、該アリーレン基が置換基を有する場合、当該置換基としては、炭素数1乃至炭素数6のアルキル基、炭素数3乃至炭素数6のシクロアルキル基、または炭素数6乃至炭素数12のアリール基も置換基として選択することができる。炭素数1乃至炭素数6のアルキル基としては具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、n−ヘキシル基などを挙げることができる。また、炭素数3乃至炭素数6のシクロアルキル基としては具体的には、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などを挙げることができる。また、炭素数6乃至炭素数12のアリール基としては、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基などを具体例として挙げることができる。
また、Ar2で表されるアリーレン基は、例えば、上記構造式(Ar−1)乃至(Ar−18)で表される基を適用することができる。なお、Ar2として用いることのできる基はこれらに限られない。
また、R21及びR22は、それぞれ独立に、水素、炭素数1乃至炭素数6のアルキル基、炭素数3乃至炭素数6のシクロアルキル基、または炭素数6乃至炭素数13の置換もしくは無置換のアリール基のいずれかを表す。炭素数1乃至炭素数6のアルキル基としては具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、n−ヘキシル基などを挙げることができる。また、炭素数3乃至炭素数6のシクロアルキル基、としては具体的には、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などを挙げることができる。また、炭素数6乃至炭素数13のアリール基としては、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、フルオレニル基などを具体例として挙げることができる。さらに、上述したアリール基やフェニル基は置換基を有していてもよく、該置換基は互いに結合して環を形成してもよい。当該置換基としては、炭素数1乃至炭素数6のアルキル基、炭素数3乃至炭素数6のシクロアルキル基、または炭素数6乃至炭素数12のアリール基も置換基として選択することができる。炭素数1乃至炭素数6のアルキル基としては具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、n−ヘキシル基などを挙げることができる。また、炭素数3乃至炭素数6のシクロアルキル基としては具体的には、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などを挙げることができる。また、炭素数6乃至炭素数12のアリール基としては、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基などを具体例として挙げることができる。
また、R21及びR22で表されるアルキル基またはアリール基は、例えば、上記構造式(R−1)乃至(R−29)で表される基を適用することができる。なお、アルキル基またはアリール基として用いることのできる基はこれらに限られない。
また、一般式(401)乃至(417)、一般式(201)乃至(218)、一般式(301)乃至(315)、及びAr2、R21及びR22が有することができる置換基は、例えば、上記構造式(R−1)乃至(R−24)で表されるアルキル基またはアリール基を適用することができる。なお、アルキル基またはアリール基として用いることのできる基はこれらに限られない。
また、ホスト材料132が呈する発光ピークが、ゲスト材料131(燐光材料)の三重項MLCT(Metal to Ligand Charge Transfer)遷移の吸収帯、より具体的には、最も長波長側の吸収帯と重なるように、ホスト材料132およびゲスト材料131(燐光材料)を選択することが好ましい。これにより、発光効率が飛躍的に向上した発光素子とすることができる。ただし、燐光材料に替えて熱活性化遅延蛍光材料を用いる場合においては、最も長波長側の吸収帯は一重項の吸収帯であることが好ましい。
≪ゲスト材料131≫
ゲスト材料131(燐光材料)としては、イリジウム、ロジウム、または白金系の有機金属錯体、あるいは金属錯体が挙げられ、中でも有機イリジウム錯体、例えばイリジウム系オルトメタル錯体が好ましい。オルトメタル化する配位子としては4H−トリアゾール配位子、1H−トリアゾール配位子、イミダゾール配位子、ピリジン配位子、ピリミジン配位子、ピラジン配位子、あるいはイソキノリン配位子などが挙げられる。金属錯体としては、ポルフィリン配位子を有する白金錯体などが挙げられる。
また、ゲスト材料131(燐光材料)としては、ホスト材料132のLUMO準位より高いLUMO準位を有し、ホスト材料132のHOMO準位より低いHOMO準位を有するよう、ホスト材料132およびゲスト材料131(燐光材料)を選択することが好ましい。これにより、発光効率が高く、低い電圧で駆動する発光素子とすることができる。
緑色または黄色に発光ピークを有する物質としては、例えば、トリス(4−メチル−6−フェニルピリミジナト)イリジウム(III)(略称:Ir(mppm)3)、トリス(4−t−ブチル−6−フェニルピリミジナト)イリジウム(III)(略称:Ir(tBuppm)3)、(アセチルアセトナト)ビス(6−メチル−4−フェニルピリミジナト)イリジウム(III)(略称:Ir(mppm)2(acac))、(アセチルアセトナト)ビス(6−tert−ブチル−4−フェニルピリミジナト)イリジウム(III)(略称:Ir(tBuppm)2(acac))、(アセチルアセトナト)ビス[4−(2−ノルボルニル)−6−フェニルピリミジナト]イリジウム(III)(略称:Ir(nbppm)2(acac))、(アセチルアセトナト)ビス[5−メチル−6−(2−メチルフェニル)−4−フェニルピリミジナト]イリジウム(III)(略称:Ir(mpmppm)2(acac))、(アセチルアセトナト)ビス{4,6−ジメチル−2−[6−(2,6−ジメチルフェニル)−4−ピリミジニル−κN3]フェニル−κC}イリジウム(III)(略称:Ir(dmppm−dmp)2(acac))、(アセチルアセトナト)ビス(4,6−ジフェニルピリミジナト)イリジウム(III)(略称:Ir(dppm)2(acac))のようなピリミジン骨格を有する有機金属イリジウム錯体や、(アセチルアセトナト)ビス(3,5−ジメチル−2−フェニルピラジナト)イリジウム(III)(略称:Ir(mppr−Me)2(acac))、(アセチルアセトナト)ビス(5−イソプロピル−3−メチル−2−フェニルピラジナト)イリジウム(III)(略称:Ir(mppr−iPr)2(acac))のようなピラジン骨格を有する有機金属イリジウム錯体や、トリス(2−フェニルピリジナト−N,C2’)イリジウム(III)(略称:Ir(ppy)3)、ビス(2−フェニルピリジナト−N,C2’)イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:Ir(ppy)2(acac))、ビス(ベンゾ[h]キノリナト)イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:Ir(bzq)2(acac))、トリス(ベンゾ[h]キノリナト)イリジウム(III)(略称:Ir(bzq)3)、トリス(2−フェニルキノリナト−N,C2’)イリジウム(III)(略称:Ir(pq)3)、ビス(2−フェニルキノリナト−N,C2’)イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:Ir(pq)2(acac))のようなピリジン骨格を有する有機金属イリジウム錯体や、ビス(2,4−ジフェニル−1,3−オキサゾラト−N,C2’)イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:Ir(dpo)2(acac))、ビス{2−[4’−(パーフルオロフェニル)フェニル]ピリジナト−N,C2’}イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:Ir(p−PF−ph)2(acac))、ビス(2−フェニルベンゾチアゾラト−N,C2’)イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:Ir(bt)2(acac))など有機金属イリジウム錯体の他、トリス(アセチルアセトナト)(モノフェナントロリン)テルビウム(III)(略称:Tb(acac)3(Phen))のような希土類金属錯体が挙げられる。上述した中でも、ピリミジン骨格を有する有機金属イリジウム錯体は、信頼性や発光効率にも際だって優れるため、特に好ましい。
また、黄色または赤色に発光ピークを有する物質としては、例えば、(ジイソブチリルメタナト)ビス[4,6−ビス(3−メチルフェニル)ピリミジナト]イリジウム(III)(略称:Ir(5mdppm)2(dibm))、ビス[4,6−ビス(3−メチルフェニル)ピリミジナト](ジピバロイルメタナト)イリジウム(III)(略称:Ir(5mdppm)2(dpm))、ビス[4,6−ジ(ナフタレン−1−イル)ピリミジナト](ジピバロイルメタナト)イリジウム(III)(略称:Ir(d1npm)2(dpm))のようなピリミジン骨格を有する有機金属イリジウム錯体や、(アセチルアセトナト)ビス(2,3,5−トリフェニルピラジナト)イリジウム(III)(略称:Ir(tppr)2(acac))、ビス(2,3,5−トリフェニルピラジナト)(ジピバロイルメタナト)イリジウム(III)(略称:Ir(tppr)2(dpm))、(アセチルアセトナト)ビス[2,3−ビス(4−フルオロフェニル)キノキサリナト]イリジウム(III)(略称:Ir(Fdpq)2(acac))のようなピラジン骨格を有する有機金属イリジウム錯体や、トリス(1−フェニルイソキノリナト−N,C2’)イリジウム(III)(略称:Ir(piq)3)、ビス(1−フェニルイソキノリナト−N,C2’)イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:Ir(piq)2(acac))のようなピリジン骨格を有する有機金属イリジウム錯体の他、2,3,7,8,12,13,17,18−オクタエチル−21H,23H−ポルフィリン白金(II)(略称:PtOEP)のような白金錯体や、トリス(1,3−ジフェニル−1,3−プロパンジオナト)(モノフェナントロリン)ユーロピウム(III)(略称:Eu(DBM)3(Phen))、トリス[1−(2−テノイル)−3,3,3−トリフルオロアセトナト](モノフェナントロリン)ユーロピウム(III)(略称:Eu(TTA)3(Phen))のような希土類金属錯体が挙げられる。上述した中でも、ピリミジン骨格を有する有機金属イリジウム錯体は、信頼性や発光効率にも際だって優れるため、特に好ましい。また、ピラジン骨格を有する有機金属イリジウム錯体は、色度の良い赤色発光が得られる。
また、青色または緑色に発光ピークを有する物質としては、例えば、トリス{2−[5−(2−メチルフェニル)−4−(2,6−ジメチルフェニル)−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル−κN2]フェニル−κC}イリジウム(III)(略称:Ir(mpptz−dmp)3)、トリス(5−メチル−3,4−ジフェニル−4H−1,2,4−トリアゾラト)イリジウム(III)(略称:Ir(Mptz)3)、トリス[4−(3−ビフェニル)−5−イソプロピル−3−フェニル−4H−1,2,4−トリアゾラト]イリジウム(III)(略称:Ir(iPrptz−3b)3)、トリス[3−(5−ビフェニル)−5−イソプロピル−4−フェニル−4H−1,2,4−トリアゾラト]イリジウム(III)(略称:Ir(iPr5btz)3)、のような4H−トリアゾール骨格を有する有機金属イリジウム錯体や、トリス[3−メチル−1−(2−メチルフェニル)−5−フェニル−1H−1,2,4−トリアゾラト]イリジウム(III)(略称:Ir(Mptz1−mp)3)、トリス(1−メチル−5−フェニル−3−プロピル−1H−1,2,4−トリアゾラト)イリジウム(III)(略称:Ir(Prptz1−Me)3)のような1H−トリアゾール骨格を有する有機金属イリジウム錯体や、fac−トリス[1−(2,6−ジイソプロピルフェニル)−2−フェニル−1H−イミダゾール]イリジウム(III)(略称:Ir(iPrpmi)3)、トリス[3−(2,6−ジメチルフェニル)−7−メチルイミダゾ[1,2−f]フェナントリジナト]イリジウム(III)(略称:Ir(dmpimpt−Me)3)のようなイミダゾール骨格を有する有機金属イリジウム錯体や、ビス[2−(4’,6’−ジフルオロフェニル)ピリジナト−N,C2’]イリジウム(III)テトラキス(1−ピラゾリル)ボラート(略称:FIr6)、ビス[2−(4’,6’−ジフルオロフェニル)ピリジナト−N,C2’]イリジウム(III)ピコリナート(略称:FIrpic)、ビス{2−[3’,5’−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ピリジナト−N,C2’}イリジウム(III)ピコリナート(略称:Ir(CF3ppy)2(pic))、ビス[2−(4’,6’−ジフルオロフェニル)ピリジナト−N,C2’]イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:FIr(acac))のような電子吸引基を有するフェニルピリジン誘導体を配位子とする有機金属イリジウム錯体が挙げられる。上述した中でも、4H−トリアゾール骨格、1H−トリアゾール骨格およびイミダゾール骨格のような含窒素五員複素環骨格を有する有機金属イリジウム錯体は、高い三重項励起エネルギーを有し、信頼性や発光効率にも優れるため、特に好ましい。
また、含窒素五員複素環骨格を有する有機金属イリジウム錯体のうち、少なくともシアノ基を含む置換基を有するイリジウム錯体は、シアノ基の強い電子吸引性により、LUMO準位およびHOMO準位が低下するため、本発明の一態様の発光素子に好適に用いることができる。また、当該イリジウム錯体は高い三重項励起エネルギー準位を有することから、当該イリジウム錯体を発光素子に用いることで、発光効率の良好な青色を呈する発光素子を作製することができる。また、当該イリジウム錯体は酸化および還元の繰返しに良好な耐性を有することから、当該イリジウム錯体を発光素子に用いることで、駆動寿命の良好な発光素子を作製することができる。
なお、素子特性の安定性及び信頼性の観点から、含窒素五員複素環骨格に、シアノ基を含むアリール基が結合した配位子を有するイリジウム錯体であることが好ましく、該アリール基の炭素数は6乃至13であることが好ましい。この場合、当該イリジウム錯体は、比較的低温で真空蒸着できるため、蒸着時の熱分解等の劣化が起こりにくい。
また、含窒素五員複素環骨格が有する窒素原子と、アリーレン基を介してシアノ基が結合した配位子を有するイリジウム錯体は、三重項励起エネルギー準位を高く保つことができるため、特に青色などエネルギーの高い発光を呈する発光素子に好適に用いることができる。また、シアノ基を有さない場合に比べ、青色のようなエネルギーの高い発光を示しつつ、効率の高い発光素子が得られる。さらに、このような特定の位置にシアノ基を導入することで、青色のようなエネルギーの高い発光を示しつつ、信頼性の良い発光素子が得られるという特徴もある。なお、上記含窒素五員複素環骨格とシアノ基との間には、フェニレン基などのアリーレン基を介して結合することが好ましい。
なお、当該アリーレン基の炭素数が6乃至13である場合、当該イリジウム錯体は比較的低分子量の化合物となるため、真空蒸着に適した(比較的低温で真空蒸着できる)化合物となる。また、一般には分子量が低いと成膜後の耐熱性が乏しくなることが多いが、当該イリジウム錯体は、複数の配位子を有するため、配位子の分子量が低くても十分な耐熱性を確保できる利点がある。
すなわち、当該イリジウム錯体は、上述した蒸着の容易性、電気化学的安定性に加え、三重項励起エネルギー準位が高いという特性をも有する。したがって、本発明の一態様の発光素子において、発光層のゲスト材料として当該イリジウム錯体を用いることが好適である。その中でも特に、青色発光素子のゲスト材料として用いることがより好適である。
≪イリジウム錯体の例≫
上記のイリジウム錯体は、下記一般式(G11)で表されるイリジウム錯体である。
上記一般式(G11)において、Ar11及びAr12は、それぞれ独立に、炭素数6乃至13の置換または無置換のアリール基を表す。炭素数6乃至13のアリール基としては、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、フルオレニル基などを具体例として挙げることができる。当該アリール基が置換基を有する場合、当該置換基としては、炭素数1乃至6のアルキル基、炭素数3乃至6のシクロアルキル基、または炭素数6乃至13の置換もしくは無置換のアリール基も置換基として選択することができる。炭素数1乃至6のアルキル基としては具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、n−ヘキシル基などを挙げることができる。また、炭素数3乃至6のシクロアルキル基、としては具体的には、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などを挙げることができる。また、炭素数6乃至13のアリール基としては、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、フルオレニル基などを具体例として挙げることができる。
また、Q1及びQ2は、それぞれ独立に、NまたはC−Rを表し、Rは、水素、炭素数1乃至6のアルキル基、炭素数1乃至6のハロアルキル基、または炭素数6乃至13の置換もしくは無置換のアリール基を表す。なお、Q1及びQ2の少なくとも一方は、C−Rを有する。炭素数1乃至6のアルキル基としては具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、n−ヘキシル基などを挙げることができる。また、炭素数1乃至6のハロアルキル基、としては、少なくとも一つの水素が第17族元素(フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、アスタチン)によって置換されたアルキル基であって、フッ化アルキル基、塩化アルキル基、臭化アルキル基、ヨウ化アルキル基などが挙げられ、具体的には、フッ化メチル基、塩化メチル基、フッ化エチル基、塩化エチル基などを挙げることができるが、含まれるハロゲン元素の数または種類は、それぞれ一であっても複数であってもよい。また、炭素数6乃至13のアリール基としては、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、フルオレニル基などを具体例として挙げることができる。さらに、当該アリール基は置換基を有していてもよく、前記置換基は互いに結合して環を形成してもよい。当該置換基としては、炭素数1乃至6のアルキル基、炭素数3乃至6のシクロアルキル基、または炭素数6乃至13のアリール基も置換基として選択することができる。炭素数1乃至6のアルキル基としては具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、n−ヘキシル基などを挙げることができる。また、炭素数3乃至6のシクロアルキル基としては具体的には、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などを挙げることができる。また、炭素数6乃至13のアリール基としては、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、フルオレニル基などを具体例として挙げることができる。
また、Ar11及びAr12が表すアリール基、及びRが表すアリール基、の少なくとも一は、シアノ基を有する。
また、本発明の一態様の発光素子に好適に用いることができるイリジウム錯体としては、オルトメタル錯体であると好ましい。上記のイリジウム錯体は、下記一般式(G12)で表されるイリジウム錯体である。
上記一般式(G12)において、Ar11は、炭素数6乃至13の置換または無置換のアリール基を表す。炭素数6乃至13のアリール基としては、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、フルオレニル基などを具体例として挙げることができる。当該アリール基が置換基を有する場合、当該置換基としては、炭素数1乃至6のアルキル基、炭素数3乃至6のシクロアルキル基、または炭素数6乃至13の置換もしくは無置換のアリール基も置換基として選択することができる。炭素数1乃至6のアルキル基としては具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、n−ヘキシル基などを挙げることができる。また、炭素数3乃至6のシクロアルキル基、としては具体的には、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などを挙げることができる。また、炭素数6乃至13のアリール基としては、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、フルオレニル基などを具体例として挙げることができる。
また、R31乃至R34は、それぞれ独立に、水素、炭素数1乃至6のアルキル基、炭素数3乃至6のシクロアルキル基、炭素数6乃至13の置換もしくは無置換のアリール基、またはシアノ基のいずれかを表す。炭素数1乃至6のアルキル基としては具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、n−ヘキシル基などを挙げることができる。また、炭素数3乃至6のシクロアルキル基、としては具体的には、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などを挙げることができる。また、炭素数6乃至13のアリール基としては、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、フルオレニル基などを具体例として挙げることができる。なお、R31乃至R34はすべて水素であることが、合成の容易さや原料の価格の面で有利である。
また、Q1及びQ2は、それぞれ独立に、NまたはC−Rを表し、Rは、水素、炭素数1乃至6のアルキル基、炭素数1乃至6のハロアルキル基、または炭素数6乃至13の置換もしくは無置換のアリール基を表す。なお、Q1及びQ2の少なくとも一方は、C−Rを有する。炭素数1乃至6のアルキル基としては具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、n−ヘキシル基などを挙げることができる。また、炭素数1乃至6のハロアルキル基、としては、少なくとも一つの水素が第17族元素(フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、アスタチン)によって置換されたアルキル基であって、フッ化アルキル基、塩化アルキル基、臭化アルキル基、ヨウ化アルキル基などが挙げられ、具体的には、フッ化メチル基、塩化メチル基、フッ化エチル基、塩化エチル基などを挙げることができるが、含まれるハロゲン元素の数または種類は、それぞれ一であっても複数であってもよい。また、炭素数6乃至13のアリール基としては、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、フルオレニル基などを具体例として挙げることができる。さらに、当該アリール基は置換基を有していてもよく、前記置換基は互いに結合して環を形成してもよい。当該置換基としては、炭素数1乃至6のアルキル基、炭素数3乃至6のシクロアルキル基、または炭素数6乃至13のアリール基も置換基として選択することができる。炭素数1乃至6のアルキル基としては具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、n−ヘキシル基などを挙げることができる。また、炭素数3乃至6のシクロアルキル基としては具体的には、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などを挙げることができる。また、炭素数6乃至13のアリール基としては、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、フルオレニル基などを具体例として挙げることができる。
また、Ar11及びR31乃至R34が表すアリール基、Rが表すアリール基、及びR31乃至R34の少なくとも一は、シアノ基を有する。
また、本発明の一態様の発光素子に好適に用いることができるイリジウム錯体においては、4H−トリアゾール骨格を配位子として有することで、高い三重項励起エネルギー準位を有することができ、特に青色などのエネルギーの高い発光を呈する発光素子に好適に用いることができるため、好ましい。上記イリジウム錯体は、下記一般式(G13)で表されるイリジウム錯体である。
上記一般式(G13)において、Ar11は、炭素数6乃至13の置換または無置換のアリール基を表す。炭素数6乃至13のアリール基としては、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、フルオレニル基などを具体例として挙げることができる。当該アリール基が置換基を有する場合、当該置換基としては、炭素数1乃至6のアルキル基、炭素数3乃至6のシクロアルキル基、または炭素数6乃至13の置換もしくは無置換のアリール基も置換基として選択することができる。炭素数1乃至6のアルキル基としては具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、n−ヘキシル基などを挙げることができる。また、炭素数3乃至6のシクロアルキル基、としては具体的には、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などを挙げることができる。また、炭素数6乃至13のアリール基としては、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、フルオレニル基などを具体例として挙げることができる。
また、R31乃至R34は、それぞれ独立に、水素、炭素数1乃至6のアルキル基、炭素数3乃至6のシクロアルキル基、炭素数6乃至13の置換もしくは無置換のアリール基、またはシアノ基のいずれかを表す。炭素数1乃至6のアルキル基としては具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、n−ヘキシル基などを挙げることができる。また、炭素数3乃至6のシクロアルキル基、としては具体的には、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などを挙げることができる。また、炭素数6乃至13のアリール基としては、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、フルオレニル基などを具体例として挙げることができる。なお、R31乃至R34はすべて水素であることが、合成の容易さや原料の価格の面で有利である。
また、R35は、水素、炭素数1乃至6のアルキル基、炭素数1乃至6のハロアルキル基、または炭素数6乃至13の置換もしくは無置換のアリール基のいずれかを表す。炭素数1乃至6のアルキル基としては具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、n−ヘキシル基などを挙げることができる。また、炭素数1乃至6のハロアルキル基、としては、少なくとも一つの水素が第17族元素(フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、アスタチン)によって置換されたアルキル基であって、フッ化アルキル基、塩化アルキル基、臭化アルキル基、ヨウ化アルキル基などが挙げられ、具体的には、フッ化メチル基、塩化メチル基、フッ化エチル基、塩化エチル基などを挙げることができるが、含まれるハロゲン元素の数または種類は、それぞれ一であっても複数であってもよい。また、炭素数6乃至13のアリール基としては、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、フルオレニル基などを具体例として挙げることができる。さらに、当該アリール基は置換基を有していてもよく、前記置換基は互いに結合して環を形成してもよい。当該置換基としては、炭素数1乃至6のアルキル基、炭素数3乃至6のシクロアルキル基、または炭素数6乃至13のアリール基も置換基として選択することができる。炭素数1乃至6のアルキル基としては具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、n−ヘキシル基などを挙げることができる。また、炭素数3乃至6のシクロアルキル基としては具体的には、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などを挙げることができる。また、炭素数6乃至13のアリール基としては、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、フルオレニル基などを具体例として挙げることができる。
また、Ar11及びR31乃至R35が表すアリール基、及びR31乃至R34の少なくとも一は、シアノ基を有する。
また、本発明の一態様の発光素子に好適に用いることができるイリジウム錯体においては、イミダゾール骨格を配位子として有することで、高い三重項励起エネルギー準位を有することができ、特に青色などのエネルギーの高い発光を呈する発光素子に好適に用いることができるため、好ましい。上記イリジウム錯体は、下記一般式(G14)で表されるイリジウム錯体である。
上記一般式(G14)において、Ar11は、炭素数6乃至13の置換または無置換のアリール基を表す。炭素数6乃至13のアリール基としては、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、フルオレニル基などを具体例として挙げることができる。当該アリール基が置換基を有する場合、当該置換基としては、炭素数1乃至6のアルキル基、炭素数3乃至6のシクロアルキル基、または炭素数6乃至13の置換もしくは無置換のアリール基も置換基として選択することができる。炭素数1乃至6のアルキル基としては具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、n−ヘキシル基などを挙げることができる。また、炭素数3乃至6のシクロアルキル基、としては具体的には、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などを挙げることができる。また、炭素数6乃至13のアリール基としては、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、フルオレニル基などを具体例として挙げることができる。
また、R31乃至R34は、それぞれ独立に、水素、炭素数1乃至6のアルキル基、炭素数3乃至6のシクロアルキル基、または炭素数6乃至13の置換もしくは無置換のアリール基のいずれかを表す。炭素数1乃至6のアルキル基としては具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、n−ヘキシル基などを挙げることができる。また、炭素数3乃至6のシクロアルキル基、としては具体的には、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などを挙げることができる。また、炭素数6乃至13のアリール基としては、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、フルオレニル基などを具体例として挙げることができる。なお、R31乃至R34はすべて水素であることが、合成の容易さや原料の価格の面で有利である。
また、R35及びR36は、それぞれ独立に、水素、炭素数1乃至6のアルキル基、炭素数1乃至6のハロアルキル基、または炭素数6乃至13の置換もしくは無置換のアリール基のいずれかを表す。炭素数1乃至6のアルキル基としては具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、n−ヘキシル基などを挙げることができる。また、炭素数1乃至6のハロアルキル基、としては、少なくとも一つの水素が第17族元素(フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、アスタチン)によって置換されたアルキル基であって、フッ化アルキル基、塩化アルキル基、臭化アルキル基、ヨウ化アルキル基などが挙げられ、具体的には、フッ化メチル基、塩化メチル基、フッ化エチル基、塩化エチル基などを挙げることができるが、含まれるハロゲン元素の数または種類は、それぞれ一であっても複数であってもよい。また、炭素数6乃至13のアリール基としては、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、フルオレニル基などを具体例として挙げることができる。さらに、当該アリール基は置換基を有していてもよく、前記置換基は互いに結合して環を形成してもよい。当該置換基としては、炭素数1乃至6のアルキル基、炭素数3乃至6のシクロアルキル基、または炭素数6乃至13のアリール基も置換基として選択することができる。炭素数1乃至6のアルキル基としては具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、n−ヘキシル基などを挙げることができる。また、炭素数3乃至6のシクロアルキル基としては具体的には、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などを挙げることができる。また、炭素数6乃至13のアリール基としては、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、フルオレニル基などを具体例として挙げることができる。
また、Ar11及びR31乃至R36が表すアリール基、R31乃至R34の少なくとも一は、シアノ基を有する。
また、本発明の一態様の発光素子に好適に用いることができるイリジウム錯体においては、含窒素五員複素環骨格の窒素に結合するアリール基は、置換または無置換のフェニル基であると、比較的低温で真空蒸着でき、且つ、三重項励起エネルギー準位が高くなるため、特に青色などエネルギーの高い発光を呈する発光素子に好適に用いることができ、好ましい。上記イリジウム錯体は、下記一般式(G15)及び(G16)で表されるイリジウム錯体である。
上記一般式(G15)において、R37及びR41は、炭素数1乃至6のアルキル基を表し、R37及びR41は互いに同じ構造を有する。炭素数1乃至6のアルキル基としては具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、n−ヘキシル基などを挙げることができる。
また、R38乃至R40は、それぞれ独立に、水素、炭素数1乃至6のアルキル基、炭素数3乃至6のシクロアルキル基、置換もしくは無置換のフェニル基、またはシアノ基のいずれかを表す。炭素数1乃至6のアルキル基としては具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、n−ヘキシル基などを挙げることができる。また、炭素数3乃至6のシクロアルキル基、としては具体的には、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などを挙げることができる。なお、R38乃至R40の少なくとも一は、シアノ基を有することが好ましい。
また、R31乃至R34は、それぞれ独立に、水素、炭素数1乃至6のアルキル基、炭素数3乃至6のシクロアルキル基、または炭素数6乃至13の置換もしくは無置換のアリール基のいずれかを表す。炭素数1乃至6のアルキル基としては具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、n−ヘキシル基などを挙げることができる。また、炭素数3乃至6のシクロアルキル基、としては具体的には、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などを挙げることができる。また、炭素数6乃至13のアリール基としては、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、フルオレニル基などを具体例として挙げることができる。なお、R31乃至R34はすべて水素であることが、合成の容易さや原料の価格の面で有利である。
また、R35は、水素、炭素数1乃至6のアルキル基、炭素数1乃至6のハロアルキル基、または炭素数6乃至13の置換もしくは無置換のアリール基のいずれかを表す。炭素数1乃至6のアルキル基としては具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、n−ヘキシル基などを挙げることができる。また、炭素数1乃至6のハロアルキル基、としては、少なくとも一つの水素が第17族元素(フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、アスタチン)によって置換されたアルキル基であって、フッ化アルキル基、塩化アルキル基、臭化アルキル基、ヨウ化アルキル基などが挙げられ、具体的には、フッ化メチル基、塩化メチル基、フッ化エチル基、塩化エチル基などを挙げることができるが、含まれるハロゲン元素の数または種類は、それぞれ一であっても複数であってもよい。また、炭素数6乃至13のアリール基としては、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、フルオレニル基などを具体例として挙げることができる。さらに、当該アリール基は置換基を有していてもよく、前記置換基は互いに結合して環を形成してもよい。当該置換基としては、炭素数1乃至6のアルキル基、炭素数3乃至6のシクロアルキル基、または炭素数6乃至13のアリール基も置換基として選択することができる。炭素数1乃至6のアルキル基としては具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、n−ヘキシル基などを挙げることができる。また、炭素数3乃至6のシクロアルキル基としては具体的には、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などを挙げることができる。また、炭素数6乃至13のアリール基としては、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、フルオレニル基などを具体例として挙げることができる。
上記一般式(G16)において、R37及びR41は、炭素数1乃至6のアルキル基を表し、R37及びR41は互いに同じ構造を有する。炭素数1乃至6のアルキル基としては具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、n−ヘキシル基などを挙げることができる。
R38乃至R40は、それぞれ独立に、水素、炭素数1乃至6のアルキル基、炭素数3乃至6のシクロアルキル基、置換もしくは無置換のフェニル基、またはシアノ基のいずれかを表す。炭素数1乃至6のアルキル基としては具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、n−ヘキシル基などを挙げることができる。また、炭素数3乃至6のシクロアルキル基、としては具体的には、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などを挙げることができる。なお、R38乃至R40の少なくとも一は、シアノ基を有することが好ましい。
また、R31乃至R34は、それぞれ独立に、水素、炭素数1乃至6のアルキル基、炭素数3乃至6のシクロアルキル基、または炭素数6乃至13の置換もしくは無置換のアリール基のいずれかを表す。炭素数1乃至6のアルキル基としては具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、n−ヘキシル基などを挙げることができる。また、炭素数3乃至6のシクロアルキル基、としては具体的には、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などを挙げることができる。また、炭素数6乃至13のアリール基としては、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、フルオレニル基などを具体例として挙げることができる。なお、R31乃至R34はすべて水素であることが、合成の容易さや原料の価格の面で有利である。
また、R35及びR36は、それぞれ独立に、水素、炭素数1乃至6のアルキル基、炭素数1乃至6のハロアルキル基、または炭素数6乃至13の置換もしくは無置換のアリール基のいずれかを表す。炭素数1乃至6のアルキル基としては具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、n−ヘキシル基などを挙げることができる。また、炭素数1乃至6のハロアルキル基、としては、少なくとも一つの水素が第17族元素(フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、アスタチン)によって置換されたアルキル基であって、フッ化アルキル基、塩化アルキル基、臭化アルキル基、ヨウ化アルキル基などが挙げられ、具体的には、フッ化メチル基、塩化メチル基、フッ化エチル基、塩化エチル基などを挙げることができるが、含まれるハロゲン元素の数または種類は、それぞれ一であっても複数であってもよい。また、炭素数6乃至13のアリール基としては、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、フルオレニル基などを具体例として挙げることができる。さらに、当該アリール基は置換基を有していてもよく、前記置換基は互いに結合して環を形成してもよい。当該置換基としては、炭素数1乃至6のアルキル基、炭素数3乃至6のシクロアルキル基、または炭素数6乃至13のアリール基も置換基として選択することができる。炭素数1乃至6のアルキル基としては具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、n−ヘキシル基などを挙げることができる。また、炭素数3乃至6のシクロアルキル基としては具体的には、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などを挙げることができる。また、炭素数6乃至13のアリール基としては、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、フルオレニル基などを具体例として挙げることができる。
また、本発明の一態様の発光素子に好適に用いることができるイリジウム錯体においては、1H−トリアゾール骨格を配位子として有することで、高い三重項励起エネルギー準位を有することができるため、特に青色などのエネルギーの高い発光を呈する発光素子に好適に用いることができるため、好ましい。上記イリジウム錯体は、下記一般式(G17)及び(G18)で表されるイリジウム錯体である。
上記一般式(G17)において、Ar11は、炭素数6乃至13の置換または無置換のアリール基を表す。炭素数6乃至13のアリール基としては、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、フルオレニル基などを具体例として挙げることができる。当該アリール基が置換基を有する場合、当該置換基としては、炭素数1乃至6のアルキル基、炭素数3乃至6のシクロアルキル基、または炭素数6乃至13の置換もしくは無置換のアリール基も置換基として選択することができる。炭素数1乃至6のアルキル基としては具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、n−ヘキシル基などを挙げることができる。また、炭素数3乃至6のシクロアルキル基、としては具体的には、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などを挙げることができる。また、炭素数6乃至13のアリール基としては、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、フルオレニル基などを具体例として挙げることができる。
また、R31乃至R34は、それぞれ独立に、水素、炭素数1乃至6のアルキル基、炭素数3乃至6のシクロアルキル基、または炭素数6乃至13の置換もしくは無置換のアリール基のいずれかを表す。炭素数1乃至6のアルキル基としては具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、n−ヘキシル基などを挙げることができる。また、炭素数3乃至6のシクロアルキル基、としては具体的には、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などを挙げることができる。また、炭素数6乃至13のアリール基としては、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、フルオレニル基などを具体例として挙げることができる。なお、R31乃至R34はすべて水素であることが、合成の容易さや原料の価格の面で有利である。
また、R36は、水素、炭素数1乃至6のアルキル基、炭素数1乃至6のハロアルキル基、または炭素数6乃至13の置換もしくは無置換のアリール基のいずれかを表す。炭素数1乃至6のアルキル基としては具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、n−ヘキシル基などを挙げることができる。また、炭素数1乃至6のハロアルキル基、としては、少なくとも一つの水素が第17族元素(フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、アスタチン)によって置換されたアルキル基であって、フッ化アルキル基、塩化アルキル基、臭化アルキル基、ヨウ化アルキル基などが挙げられ、具体的には、フッ化メチル基、塩化メチル基、フッ化エチル基、塩化エチル基などを挙げることができるが、含まれるハロゲン元素の数または種類は、それぞれ一であっても複数であってもよい。また、炭素数6乃至13のアリール基としては、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、フルオレニル基などを具体例として挙げることができる。さらに、当該アリール基は置換基を有していてもよく、前記置換基は互いに結合して環を形成してもよい。当該置換基としては、炭素数1乃至6のアルキル基、炭素数3乃至6のシクロアルキル基、または炭素数6乃至13のアリール基も置換基として選択することができる。炭素数1乃至6のアルキル基としては具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、n−ヘキシル基などを挙げることができる。また、炭素数3乃至6のシクロアルキル基としては具体的には、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などを挙げることができる。また、炭素数6乃至13のアリール基としては、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、フルオレニル基などを具体例として挙げることができる。
また、Ar11、R31乃至R34、及びR36が表すアリール基、及びR31乃至R34の少なくとも一は、シアノ基を有する。
上記一般式(G18)において、R37及びR41は、炭素数1乃至6のアルキル基を表し、R37及びR41は互いに同じ構造を有する。炭素数1乃至6のアルキル基としては具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、n−ヘキシル基などを挙げることができる。
また、R38乃至R40は、それぞれ独立に、水素、炭素数1乃至6のアルキル基、炭素数3乃至6のシクロアルキル基、置換もしくは無置換のフェニル基、またはシアノ基のいずれかを表す。炭素数1乃至6のアルキル基としては具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、n−ヘキシル基などを挙げることができる。また、炭素数3乃至6のシクロアルキル基、としては具体的には、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などを挙げることができる。なお、R38乃至R40の少なくとも一は、シアノ基を有することが好ましい。
また、R31乃至R34は、それぞれ独立に、水素、炭素数1乃至6のアルキル基、炭素数3乃至6のシクロアルキル基、または炭素数6乃至13の置換もしくは無置換のアリール基のいずれかを表す。炭素数1乃至6のアルキル基としては具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、n−ヘキシル基などを挙げることができる。また、炭素数3乃至6のシクロアルキル基、としては具体的には、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などを挙げることができる。また、炭素数6乃至13のアリール基としては、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、フルオレニル基などを具体例として挙げることができる。なお、R31乃至R34はすべて水素であることが、合成の容易さや原料の価格の面で有利である。
また、R36は、水素、炭素数1乃至6のアルキル基、炭素数1乃至6のハロアルキル基、または炭素数6乃至13の置換もしくは無置換のアリール基のいずれかを表す。炭素数1乃至6のアルキル基としては具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、n−ヘキシル基などを挙げることができる。また、炭素数1乃至6のハロアルキル基、としては、少なくとも一つの水素が第17族元素(フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、アスタチン)によって置換されたアルキル基であって、フッ化アルキル基、塩化アルキル基、臭化アルキル基、ヨウ化アルキル基などが挙げられ、具体的には、フッ化メチル基、塩化メチル基、フッ化エチル基、塩化エチル基などを挙げることができるが、含まれるハロゲン元素の数または種類は、それぞれ一であっても複数であってもよい。また、炭素数6乃至13のアリール基としては、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、フルオレニル基などを具体例として挙げることができる。さらに、当該アリール基は置換基を有していてもよく、前記置換基は互いに結合して環を形成してもよい。当該置換基としては、炭素数1乃至6のアルキル基、炭素数3乃至6のシクロアルキル基、または炭素数6乃至13のアリール基も置換基として選択することができる。炭素数1乃至6のアルキル基としては具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、n−ヘキシル基などを挙げることができる。また、炭素数3乃至6のシクロアルキル基としては具体的には、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などを挙げることができる。また、炭素数6乃至13のアリール基としては、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、フルオレニル基などを具体例として挙げることができる。
上記一般式(G12)乃至(G18)のR31乃至R34で表されるアルキル基およびアリール基は、例えば、上記構造式(R−1)乃至(R−29)で表される基を適用することができる。なお、アルキル基およびアリール基として用いることのできる基はこれらに限られない。
また、一般式(G11)乃至(G14)、及び(G17)において、Ar11として表されるアリール基、及び一般式(G11)において、Ar12で表されるアリール基としては、例えば、上記構造式(R−12)乃至(R−29)で表される基を適用することができる。なお、Ar11及びAr12として用いることのできる基はこれらに限られない。
また、一般式(G15)、(G16)、及び(G18)のR37及びR41で表されるアルキル基は、例えば、上記構造式(R−1)乃至(R−10)で表される基を適用することができる。なお、アルキル基として用いることのできる基はこれらに限られない。
また、一般式(G15)、(G16)、及び(G18)のR38乃至R40で表されるアルキル基または置換または無置換のフェニル基は、例えば、上記構造式(R−1)乃至(R−22)で表される基を適用することができる。なお、アルキル基またはフェニル基として用いることのできる基はこれらに限られない。
また、上記一般式(G13)乃至(G16)のR35、及び一般式(G14)、(G16)乃至(G18)のR36で表されるアルキル基、アリール基、またはハロアルキル基は、例えば、上記構造式(R−1)乃至(R−29)、及び下記構造式(R−30)乃至(R−37)で表される基を適用することができる。なお、アルキル基、アリール基、またはハロアルキル基として用いることのできる基はこれらに限られない。
≪イリジウム錯体の具体例≫
上記一般式(G11)乃至(G18)として表されるイリジウム錯体の具体的な構造としては、下記構造式(500)乃至(534)で表される化合物などが挙げられる。なお、一般式(G11)乃至(G18)として表されるイリジウム錯体は下記例示に限られない。
以上のように、上記に例示したイリジウム錯体は、比較的低いHOMO準位およびLUMO準位を有することから、本発明の一態様の発光素子のゲスト材料として好適である。これにより、発光効率の良好な発光素子を作製することができる。また、上記に例示したイリジウム錯体は、高い三重項励起エネルギー準位を有することから、特に青色の発光素子のゲスト材料として好適である。これにより、発光効率の良好な青色発光素子を作製することができる。また、上記に例示したイリジウム錯体は、酸化および還元の繰返しに良好な耐性を有することから、該イリジウム錯体を発光素子に用いることで、駆動寿命の良好な発光素子を作製することができる。
また、発光層130および発光層135に含まれる発光材料としては、三重項励起エネルギーを発光に変換できる材料であればよい。該三重項励起エネルギーを発光に変換できる材料としては、燐光材料の他に、熱活性化遅延蛍光材料が挙げられる。したがって、燐光材料と記載した部分に関しては、熱活性化遅延蛍光材料と読み替えても構わない。
≪ホスト材料133≫
ホスト材料133としては、ホスト材料132のLUMO準位より高いLUMO準位を有し、ホスト材料132のHOMO準位より低いHOMO準位を有するよう、ホスト材料133およびホスト材料132を選択することが好ましい。これにより、発光効率が高く、低い電圧で駆動する発光素子とすることができる。なお、ホスト材料133として、ホスト材料132として例示した材料を用いてもよい。
ホスト材料133としては、正孔よりも電子の輸送性の高い材料を用いることができ、1×10−6cm2/Vs以上の電子移動度を有する材料であることが好ましい。電子を受け取りやすい材料(電子輸送性を有する材料)としては、含窒素複素芳香族化合物のようなπ電子不足型複素芳香環骨格を有する化合物、及び亜鉛やアルミニウム系金属錯体などを用いることができる。具体的には、キノリン配位子、ベンゾキノリン配位子、オキサゾール配位子、あるいはチアゾール配位子を有する金属錯体や、オキサジアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、ベンゾイミダゾール誘導体、キノキサリン誘導体、ジベンゾキノキサリン誘導体、フェナントロリン誘導体、ピリジン誘導体、ビピリジン誘導体、ピリミジン誘導体、トリアジン誘導体などの化合物が挙げられる。
具体的には、例えば、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム(III)(略称:Alq)、トリス(4−メチル−8−キノリノラト)アルミニウム(III)(略称:Almq3)、ビス(10−ヒドロキシベンゾ[h]キノリナト)ベリリウム(II)(略称:BeBq2)、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)(4−フェニルフェノラト)アルミニウム(III)(略称:BAlq)、ビス(8−キノリノラト)亜鉛(II)(略称:Znq)など、キノリン骨格またはベンゾキノリン骨格を有する金属錯体等が挙げられる。また、この他ビス[2−(2−ベンゾオキサゾリル)フェノラト]亜鉛(II)(略称:ZnPBO)、ビス[2−(2−ベンゾチアゾリル)フェノラト]亜鉛(II)(略称:ZnBTZ)などのオキサゾール系、またはチアゾール系配位子を有する金属錯体なども用いることができる。さらに、金属錯体以外にも、2−(4−ビフェニリル)−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール(略称:PBD)や、1,3−ビス[5−(p−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル]ベンゼン(略称:OXD−7)、9−[4−(5−フェニル−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)フェニル]−9H−カルバゾール(略称:CO11)、3−(4−ビフェニリル)−4−フェニル−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,2,4−トリアゾール(略称:TAZ)、9−[4−(4,5−ジフェニル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)フェニル]−9H−カルバゾール(略称:CzTAZ1)、2,2’,2’’−(1,3,5−ベンゼントリイル)トリス(1−フェニル−1H−ベンゾイミダゾール)(略称:TPBI)、2−[3−(ジベンゾチオフェン−4−イル)フェニル]−1−フェニル−1H−ベンゾイミダゾール(略称:mDBTBIm−II)、バソフェナントロリン(略称:BPhen)、バソキュプロイン(略称:BCP)などの複素環化合物や、2−[3−(ジベンゾチオフェン−4−イル)フェニル]ジベンゾ[f,h]キノキサリン(略称:2mDBTPDBq−II)、2−[3’−(ジベンゾチオフェン−4−イル)ビフェニル−3−イル]ジベンゾ[f,h]キノキサリン(略称:2mDBTBPDBq−II)、2−[3’−(9H−カルバゾール−9−イル)ビフェニル−3−イル]ジベンゾ[f,h]キノキサリン(略称:2mCzBPDBq)、2−[4−(3,6−ジフェニル−9H−カルバゾール−9−イル)フェニル]ジベンゾ[f,h]キノキサリン(略称:2CzPDBq−III)、7−[3−(ジベンゾチオフェン−4−イル)フェニル]ジベンゾ[f,h]キノキサリン(略称:7mDBTPDBq−II)、及び、6−[3−(ジベンゾチオフェン−4−イル)フェニル]ジベンゾ[f,h]キノキサリン(略称:6mDBTPDBq−II)、2−[3−(3,9’−ビ−9H−カルバゾール−9−イル)フェニル]ジベンゾ[f,h]キノキサリン(略称:2mCzCzPDBq)、4,6−ビス[3−(フェナントレン−9−イル)フェニル]ピリミジン(略称:4,6mPnP2Pm)、4,6−ビス[3−(4−ジベンゾチエニル)フェニル]ピリミジン(略称:4,6mDBTP2Pm−II)、4,6−ビス[3−(9H−カルバゾール−9−イル)フェニル]ピリミジン(略称:4,6mCzP2Pm)などのジアジン骨格を有する複素環化合物や、2−{4−[3−(N−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)−9H−カルバゾール−9−イル]フェニル}−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン(略称:PCCzPTzn)などのトリアジン骨格を有する複素環化合物や、3,5−ビス[3−(9H−カルバゾール−9−イル)フェニル]ピリジン(略称:35DCzPPy)、1,3,5−トリ[3−(3−ピリジル)フェニル]ベンゼン(略称:TmPyPB)などのピリジン骨格を有する複素環化合物、4,4’−ビス(5−メチルベンゾオキサゾール−2−イル)スチルベン(略称:BzOs)などの複素芳香族化合物も用いることができる。上述した複素環化合物の中でも、トリアジン骨格、ジアジン(ピリミジン、ピラジン、ピリダジン)骨格、またはピリジン骨格を有する複素環化合物は、安定で信頼性が良好であり好ましい。また、当該骨格を有する複素環化合物は、電子輸送性が高く、駆動電圧低減にも寄与する。また、ポリ(2,5−ピリジンジイル)(略称:PPy)、ポリ[(9,9−ジヘキシルフルオレン−2,7−ジイル)−co−(ピリジン−3,5−ジイル)](略称:PF−Py)、ポリ[(9,9−ジオクチルフルオレン−2,7−ジイル)−co−(2,2’−ビピリジン−6,6’−ジイル)](略称:PF−BPy)のような高分子化合物を用いることもできる。ここに述べた物質は、主に1×10−6cm2/Vs以上の電子移動度を有する物質である。なお、正孔よりも電子の輸送性の高い物質であれば、上記以外の物質を用いても構わない。
また、ホスト材料133としては、以下の正孔輸送性材料を用いることができる。
正孔輸送性材料としては、電子よりも正孔の輸送性の高い材料を用いることができ、1×10−6cm2/Vs以上の正孔移動度を有する材料であることが好ましい。具体的には、芳香族アミン、カルバゾール誘導体、芳香族炭化水素、スチルベン誘導体などを用いることができる。また、該正孔輸送性材料は高分子化合物であっても良い。
これら正孔輸送性の高い材料として、具体的には、芳香族アミン化合物としては、N,N’−ジ(p−トリル)−N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン(略称:DTDPPA)、4,4’−ビス[N−(4−ジフェニルアミノフェニル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:DPAB)、N,N’−ビス{4−[ビス(3−メチルフェニル)アミノ]フェニル}−N,N’−ジフェニル−(1,1’−ビフェニル)−4,4’−ジアミン(略称:DNTPD)、1,3,5−トリス[N−(4−ジフェニルアミノフェニル)−N−フェニルアミノ]ベンゼン(略称:DPA3B)等を挙げることができる。
また、カルバゾール誘導体としては、具体的には、3−[N−(4−ジフェニルアミノフェニル)−N−フェニルアミノ]−9−フェニルカルバゾール(略称:PCzDPA1)、3,6−ビス[N−(4−ジフェニルアミノフェニル)−N−フェニルアミノ]−9−フェニルカルバゾール(略称:PCzDPA2)、3,6−ビス[N−(4−ジフェニルアミノフェニル)−N−(1−ナフチル)アミノ]−9−フェニルカルバゾール(略称:PCzTPN2)、3−[N−(9−フェニルカルバゾール−3−イル)−N−フェニルアミノ]−9−フェニルカルバゾール(略称:PCzPCA1)、3,6−ビス[N−(9−フェニルカルバゾール−3−イル)−N−フェニルアミノ]−9−フェニルカルバゾール(略称:PCzPCA2)、3−[N−(1−ナフチル)−N−(9−フェニルカルバゾール−3−イル)アミノ]−9−フェニルカルバゾール(略称:PCzPCN1)等を挙げることができる。
また、カルバゾール誘導体としては、他に、4,4’−ジ(N−カルバゾリル)ビフェニル(略称:CBP)、1,3,5−トリス[4−(N−カルバゾリル)フェニル]ベンゼン(略称:TCPB)、9−[4−(10−フェニル−9−アントリル)フェニル]−9H−カルバゾール(略称:CzPA)、1,4−ビス[4−(N−カルバゾリル)フェニル]−2,3,5,6−テトラフェニルベンゼン等を用いることができる。
また、芳香族炭化水素としては、例えば、2−tert−ブチル−9,10−ジ(2−ナフチル)アントラセン(略称:t−BuDNA)、2−tert−ブチル−9,10−ジ(1−ナフチル)アントラセン、9,10−ビス(3,5−ジフェニルフェニル)アントラセン(略称:DPPA)、2−tert−ブチル−9,10−ビス(4−フェニルフェニル)アントラセン(略称:t−BuDBA)、9,10−ジ(2−ナフチル)アントラセン(略称:DNA)、9,10−ジフェニルアントラセン(略称:DPAnth)、2−tert−ブチルアントラセン(略称:t−BuAnth)、9,10−ビス(4−メチル−1−ナフチル)アントラセン(略称:DMNA)、2−tert−ブチル−9,10−ビス[2−(1−ナフチル)フェニル]アントラセン、9,10−ビス[2−(1−ナフチル)フェニル]アントラセン、2,3,6,7−テトラメチル−9,10−ジ(1−ナフチル)アントラセン、2,3,6,7−テトラメチル−9,10−ジ(2−ナフチル)アントラセン、9,9’−ビアントリル、10,10’−ジフェニル−9,9’−ビアントリル、10,10’−ビス(2−フェニルフェニル)−9,9’−ビアントリル、10,10’−ビス[(2,3,4,5,6−ペンタフェニル)フェニル]−9,9’−ビアントリル、アントラセン、テトラセン、ルブレン、ペリレン、2,5,8,11−テトラ(tert−ブチル)ペリレン等が挙げられる。また、この他、ペンタセン、コロネン等も用いることができる。このように、1×10−6cm2/Vs以上の正孔移動度を有し、炭素数14乃至炭素数42である芳香族炭化水素を用いることがより好ましい。
なお、芳香族炭化水素は、ビニル骨格を有していてもよい。ビニル基を有している芳香族炭化水素としては、例えば、4,4’−ビス(2,2−ジフェニルビニル)ビフェニル(略称:DPVBi)、9,10−ビス[4−(2,2−ジフェニルビニル)フェニル]アントラセン(略称:DPVPA)等が挙げられる。
また、ポリ(N−ビニルカルバゾール)(略称:PVK)やポリ(4−ビニルトリフェニルアミン)(略称:PVTPA)、ポリ[N−(4−{N’−[4−(4−ジフェニルアミノ)フェニル]フェニル−N’−フェニルアミノ}フェニル)メタクリルアミド](略称:PTPDMA)、ポリ[N,N’−ビス(4−ブチルフェニル)−N,N’−ビス(フェニル)ベンジジン](略称:Poly−TPD)等の高分子化合物を用いることもできる。
さらに、正孔輸送性の高い材料としては、例えば、4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:NPBまたはα−NPD)やN,N’−ビス(3−メチルフェニル)−N,N’−ジフェニル−[1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジアミン(略称:TPD)、4,4’,4’’−トリス(カルバゾール−9−イル)トリフェニルアミン(略称:TCTA)、4,4’,4’’−トリス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]トリフェニルアミン(略称:1’−TNATA)、4,4’,4’’−トリス(N,N−ジフェニルアミノ)トリフェニルアミン(略称:TDATA)、4,4’,4’’−トリス[N−(3−メチルフェニル)−N−フェニルアミノ]トリフェニルアミン(略称:MTDATA)、4,4’−ビス[N−(スピロ−9,9’−ビフルオレン−2−イル)−N―フェニルアミノ]ビフェニル(略称:BSPB)、4−フェニル−4’−(9−フェニルフルオレン−9−イル)トリフェニルアミン(略称:BPAFLP)、4−フェニル−3’−(9−フェニルフルオレン−9−イル)トリフェニルアミン(略称:mBPAFLP)、N−(9,9−ジメチル−9H−フルオレン−2−イル)−N−{9,9−ジメチル−2−[N’−フェニル−N’−(9,9−ジメチル−9H−フルオレン−2−イル)アミノ]−9H−フルオレン−7−イル}フェニルアミン(略称:DFLADFL)、N−(9,9−ジメチル−2−ジフェニルアミノ−9H−フルオレン−7−イル)ジフェニルアミン(略称:DPNF)、2−[N−(4−ジフェニルアミノフェニル)−N−フェニルアミノ]スピロ−9,9’−ビフルオレン(略称:DPASF)、4−フェニル−4’−(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)トリフェニルアミン(略称:PCBA1BP)、4,4’−ジフェニル−4’’−(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)トリフェニルアミン(略称:PCBBi1BP)、4−(1−ナフチル)−4’−(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)トリフェニルアミン(略称:PCBANB)、4,4’−ジ(1−ナフチル)−4’’−(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)トリフェニルアミン(略称:PCBNBB)、4−フェニルジフェニル−(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)アミン(略称:PCA1BP)、N,N’−ビス(9−フェニルカルバゾール−3−イル)−N,N’−ジフェニルベンゼン−1,3−ジアミン(略称:PCA2B)、N,N’,N’’−トリフェニル−N,N’,N’’−トリス(9−フェニルカルバゾール−3−イル)ベンゼン−1,3,5−トリアミン(略称:PCA3B)、N−(4−ビフェニル)−N−(9,9−ジメチル−9H−フルオレン−2−イル)−9−フェニル−9H−カルバゾール−3−アミン(略称:PCBiF)、N−(1,1’−ビフェニル−4−イル)−N−[4−(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)フェニル]−9,9−ジメチル−9H−フルオレン−2−アミン(略称:PCBBiF)、9,9−ジメチル−N−フェニル−N−[4−(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)フェニル]フルオレン−2−アミン(略称:PCBAF)、N−フェニル−N−[4−(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)フェニル]スピロ−9,9’−ビフルオレン−2−アミン(略称:PCBASF)、2−[N−(9−フェニルカルバゾール−3−イル)−N−フェニルアミノ]スピロ−9,9’−ビフルオレン(略称:PCASF)、2,7−ビス[N−(4−ジフェニルアミノフェニル)−N−フェニルアミノ]スピロ−9,9’−ビフルオレン(略称:DPA2SF)、N−[4−(9H−カルバゾール−9−イル)フェニル]−N−(4−フェニル)フェニルアニリン(略称:YGA1BP)、N,N’−ビス[4−(カルバゾール−9−イル)フェニル]−N,N’−ジフェニル−9,9−ジメチルフルオレン−2,7−ジアミン(略称:YGA2F)などの芳香族アミン化合物等を用いることができる。また、3−[4−(1−ナフチル)−フェニル]−9−フェニル−9H−カルバゾール(略称:PCPN)、3−[4−(9−フェナントリル)−フェニル]−9−フェニル−9H−カルバゾール(略称:PCPPn)、3,3’−ビス(9−フェニル−9H−カルバゾール)(略称:PCCP)、1,3−ビス(N−カルバゾリル)ベンゼン(略称:mCP)、3,6−ビス(3,5−ジフェニルフェニル)−9−フェニルカルバゾール(略称:CzTP)、3,6−ジ(9H−カルバゾール−9−イル)−9−フェニル−9H−カルバゾール(略称:PhCzGI)、2,8−ジ(9H−カルバゾール−9−イル)−ジベンゾチオフェン(略称:Cz2DBT)、4−{3−[3−(9−フェニル−9H−フルオレン−9−イル)フェニル]フェニル}ジベンゾフラン(略称:mmDBFFLBi−II)、4,4’,4’’−(ベンゼン−1,3,5−トリイル)トリ(ジベンゾフラン)(略称:DBF3P−II)、1,3,5−トリ(ジベンゾチオフェン−4−イル)ベンゼン(略称:DBT3P−II)、2,8−ジフェニル−4−[4−(9−フェニル−9H−フルオレン−9−イル)フェニル]ジベンゾチオフェン(略称:DBTFLP−III)、4−[4−(9−フェニル−9H−フルオレン−9−イル)フェニル]−6−フェニルジベンゾチオフェン(略称:DBTFLP−IV)、4−[3−(トリフェニレン−2−イル)フェニル]ジベンゾチオフェン(略称:mDBTPTp−II)等のアミン化合物、カルバゾール化合物、チオフェン化合物、フラン化合物、フルオレン化合物、トリフェニレン化合物、フェナントレン化合物等を用いることができる。上述した化合物の中でも、ピロール骨格、フラン骨格、チオフェン骨格、または芳香族アミン骨格を有する化合物は、安定で信頼性が良好であり好ましい。また、当該骨格を有する化合物は、正孔輸送性が高く、駆動電圧低減にも寄与する。
なお、発光層130および発光層135は2層以上の複数層でもって構成することもできる。例えば、第1の発光層と第2の発光層を正孔輸送層側から順に積層して発光層130または発光層135とする場合、第1の発光層のホスト材料として正孔輸送性を有する物質を用い、第2の発光層のホスト材料として電子輸送性を有する物質を用いる構成などがある。また、第1の発光層と第2の発光層とが有する発光材料は、同じ材料であっても異なる材料であってもよく、同じ色の発光を呈する機能を有する材料であっても、異なる色の発光を呈する機能を有する材料であってもよい。2層の発光層に、互いに異なる色の発光を呈する機能を有する発光材料をそれぞれ用いることで、複数の発光を同時に得ることができる。特に、2層の発光層が呈する発光により、白色になるよう、各発光層に用いる発光材料を選択すると好ましい。
また、発光層130において、ホスト材料132およびゲスト材料131以外の材料を有していても良い。また、発光層135において、ホスト材料133、ホスト材料132、及びゲスト材料131以外の材料を有していても良い。
なお、発光層130及び発光層135は、蒸着法(真空蒸着法を含む)、インクジェット法、塗布法、グラビア印刷等の方法で形成することができる。また、上述した材料の他、量子ドットなどの無機化合物または高分子化合物(オリゴマー、デンドリマー、ポリマー等)を有してもよい。
なお、量子ドットとしては、コロイド状量子ドット、合金型量子ドット、コア・シェル型量子ドット、コア型量子ドット、などを用いてもよい。また、2族と16族、13族と15族、13族と17族、11族と17族、または14族と15族の元素グループを含む量子ドットを用いてもよい。または、カドミウム(Cd)、セレン(Se)、亜鉛(Zn)、硫黄(S)、リン(P)、インジウム(In)、テルル(Te)、鉛(Pb)、ガリウム(Ga)、ヒ素(As)、アルミニウム(Al)、等の元素を有する量子ドットを用いてもよい。
≪正孔注入層≫
正孔注入層111は、一対の電極の一方(電極101または電極102)からのホール注入障壁を低減することでホール注入を促進する機能を有し、例えば遷移金属酸化物、フタロシアニン誘導体、あるいは芳香族アミンなどによって形成される。遷移金属酸化物としては、モリブデン酸化物やバナジウム酸化物、ルテニウム酸化物、タングステン酸化物、マンガン酸化物などが挙げられる。フタロシアニン誘導体としては、フタロシアニンや金属フタロシアニンなどが挙げられる。芳香族アミンとしてはベンジジン誘導体やフェニレンジアミン誘導体などが挙げられる。ポリチオフェンやポリアニリンなどの高分子化合物を用いることもでき、例えば自己ドープされたポリチオフェンであるポリ(エチレンジオキシチオフェン)/ポリ(スチレンスルホン酸)などがその代表例である。
正孔注入層111として、正孔輸送性材料と、これに対して電子受容性を示す材料の複合材料を有する層を用いることもできる。あるいは、電子受容性を示す材料を含む層と正孔輸送性材料を含む層の積層を用いても良い。これらの材料間では定常状態、あるいは電界存在下において電荷の授受が可能である。電子受容性を示す材料としては、キノジメタン誘導体やクロラニル誘導体、ヘキサアザトリフェニレン誘導体などの有機アクセプターを挙げることができる。具体的には、7,7,8,8−テトラシアノ−2,3,5,6−テトラフルオロキノジメタン(略称:F4−TCNQ)、クロラニル、2,3,6,7,10,11−ヘキサシアノ−1,4,5,8,9,12−ヘキサアザトリフェニレン(略称:HAT−CN)等の電子吸引基(ハロゲン基やシアノ基)を有する化合物である。また、遷移金属酸化物、例えば第4族から第8族金属の酸化物を用いることができる。具体的には、酸化バナジウム、酸化ニオブ、酸化タンタル、酸化クロム、酸化モリブデン、酸化タングステン、酸化マンガン、酸化レニウムなどである。中でも酸化モリブデンは大気中でも安定であり、吸湿性が低く、扱いやすいため好ましい。
正孔輸送性材料としては、電子よりも正孔の輸送性の高い材料を用いることができ、1×10−6cm2/Vs以上の正孔移動度を有する材料であることが好ましい。具体的には、発光層に用いることができる正孔輸送性材料として挙げた芳香族アミン、カルバゾール誘導体、芳香族炭化水素、スチルベン誘導体などを用いることができる。また、該正孔輸送性材料は高分子化合物であっても良い。
≪正孔輸送層≫
正孔輸送層112は正孔輸送性材料を含む層であり、正孔注入層111の材料として例示した正孔輸送性材料を使用することができる。正孔輸送層112は正孔注入層111に注入された正孔を発光層へ輸送する機能を有するため、正孔注入層111の最高被占軌道(Highest Occupied Molecular Orbital、HOMOともいう)準位と同じ、あるいは近いHOMO準位を有することが好ましい。
また、1×10−6cm2/Vs以上の正孔移動度を有する物質であることが好ましい。但し、電子よりも正孔の輸送性の高い物質であれば、これら以外の物質を用いてもよい。なお、正孔輸送性の高い物質を含む層は、単層だけでなく、上記物質からなる層が二層以上積層してもよい。
≪電子輸送層≫
電子輸送層118は、電子注入層119を経て一対の電極の他方(電極101または電極102)から注入された電子を発光層へ輸送する機能を有する。電子輸送性材料としては、正孔よりも電子の輸送性の高い材料を用いることができ、1×10−6cm2/Vs以上の電子移動度を有する材料であることが好ましい。電子を受け取りやすい化合物(電子輸送性を有する材料)としては、含窒素複素芳香族化合物のようなπ電子不足型複素芳香族や金属錯体などを用いることができる。具体的には、発光層に用いることができる電子輸送性材料として挙げたキノリン配位子、ベンゾキノリン配位子、オキサゾール配位子、あるいはチアゾール配位子を有する金属錯体、オキサジアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、ベンゾイミダゾール誘導体、キノキサリン誘導体、ジベンゾキノキサリン誘導体、フェナントロリン誘導体、ピリジン誘導体、ビピリジン誘導体、ピリミジン誘導体、トリアジン誘導体などが挙げられる。また、1×10−6cm2/Vs以上の電子移動度を有する物質であることが好ましい。なお、正孔よりも電子の輸送性の高い物質であれば、上記以外の物質を電子輸送層として用いても構わない。また、電子輸送層118は、単層だけでなく、上記物質からなる層が二層以上積層してもよい。
また、電子輸送層118と発光層との間に電子キャリアの移動を制御する層を設けても良い。電子キャリアの移動を制御する層は上述したような電子輸送性の高い材料に、電子トラップ性の高い物質を少量添加した層であって、電子キャリアの移動を抑制することによって、キャリアバランスを調節することが可能となる。このような構成は、発光層を電子が突き抜けてしまうことにより発生する問題(例えば素子寿命の低下)の抑制に大きな効果を発揮する。
≪電子注入層≫
電子注入層119は電極102からの電子注入障壁を低減することで電子注入を促進する機能を有し、例えば第1族金属、第2族金属、あるいはこれらの酸化物、ハロゲン化物、炭酸塩などを用いることができる。また、先に示す電子輸送性材料と、これに対して電子供与性を示す材料の複合材料を用いることもできる。電子供与性を示す材料としては、第1族金属、第2族金属、あるいはこれらの酸化物などを挙げることができる。具体的には、フッ化リチウム(LiF)、フッ化ナトリウム(NaF)、フッ化セシウム(CsF)、フッ化カルシウム(CaF2)、リチウム酸化物(LiOx)等のようなアルカリ金属、アルカリ土類金属、またはそれらの化合物を用いることができる。また、フッ化エルビウム(ErF3)のような希土類金属化合物を用いることができる。また、電子注入層119にエレクトライドを用いてもよい。該エレクトライドとしては、例えば、カルシウムとアルミニウムの混合酸化物に電子を高濃度添加した物質等が挙げられる。また、電子注入層119に、電子輸送層118で用いることが出来る物質を用いても良い。
また、電子注入層119に、有機化合物と電子供与体(ドナー)とを混合してなる複合材料を用いてもよい。このような複合材料は、電子供与体によって有機化合物に電子が発生するため、電子注入性および電子輸送性に優れている。この場合、有機化合物としては、発生した電子の輸送に優れた材料であることが好ましく、具体的には、例えば上述した電子輸送層118を構成する物質(金属錯体や複素芳香族化合物等)を用いることができる。電子供与体としては、有機化合物に対し電子供与性を示す物質であればよい。具体的には、アルカリ金属やアルカリ土類金属や希土類金属が好ましく、リチウム、ナトリウム、セシウム、マグネシウム、カルシウム、エルビウム、イッテルビウム等が挙げられる。また、アルカリ金属酸化物やアルカリ土類金属酸化物が好ましく、リチウム酸化物、カルシウム酸化物、バリウム酸化物等が挙げられる。また、酸化マグネシウムのようなルイス塩基を用いることもできる。また、テトラチアフルバレン(略称:TTF)等の有機化合物を用いることもできる。
なお、上述した、発光層、正孔注入層、正孔輸送層、電子輸送層、及び電子注入層は、それぞれ、蒸着法(真空蒸着法を含む)、インクジェット法、塗布法、グラビア印刷等の方法で形成することができる。また、上述した、発光層、正孔注入層、正孔輸送層、電子輸送層、及び電子注入層には、上述した材料の他、量子ドットなどの無機化合物や、高分子化合物(オリゴマー、デンドリマー、ポリマー等)を用いてもよい。
≪一対の電極≫
電極101及び電極102は、発光素子の陽極または陰極としての機能を有する。電極101及び電極102は、金属、合金、導電性化合物、およびこれらの混合物や積層体などを用いて形成することができる。
電極101または電極102の一方は、光を反射する機能を有する導電性材料により形成されると好ましい。該導電性材料としては、アルミニウム(Al)またはAlを含む合金等が挙げられる。Alを含む合金としては、AlとL(Lは、チタン(Ti)、ネオジム(Nd)、ニッケル(Ni)、及びランタン(La)の一つまたは複数を表す)とを含む合金等が挙げられ、例えばAlとTi、またはAlとNiとLaを含む合金等である。アルミニウムは、抵抗値が低く、光の反射率が高い。また、アルミニウムは、地殻における存在量が多く、安価であるため、アルミニウムを用いることによる発光素子の作製コストを低減することができる。また、銀(Ag)、またはAgとN(Nは、イットリウム(Y)、Nd、マグネシウム(Mg)、イッテルビウム(Yb)、Al、Ti、ガリウム(Ga)、亜鉛(Zn)、インジウム(In)、タングステン(W)、マンガン(Mn)、スズ(Sn)、鉄(Fe)、Ni、銅(Cu)、パラジウム(Pd)、イリジウム(Ir)、または金(Au)の一つまたは複数を表す)とを含む合金等を用いても良い。銀を含む合金としては、例えば、銀とパラジウムと銅を含む合金、銀と銅を含む合金、銀とマグネシウムを含む合金、銀とニッケルを含む合金、銀と金を含む合金、銀とイッテルビウムを含む合金等が挙げられる。その他、タングステン、クロム(Cr)、モリブデン(Mo)、銅、チタンなどの遷移金属を用いることができる。
また、発光層から得られる発光は、電極101及び電極102の一方または双方を通して取り出される。したがって、電極101及び電極102の少なくとも一方は、光を透過する機能を有する導電性材料により形成されると好ましい。該導電性材料としては、可視光の透過率が40%以上100%以下、好ましくは60%以上100%以下であり、かつその抵抗率が1×10−2Ω・cm以下の導電性材料が挙げられる。
また、電極101及び電極102は、光を透過する機能と、光を反射する機能と、を有する導電性材料により形成されても良い。該導電性材料としては、可視光の反射率が20%以上80%以下、好ましくは40%以上70%以下であり、かつその抵抗率が1×10−2Ω・cm以下の導電性材料が挙げられる。例えば、導電性を有する金属、合金、導電性化合物などを1種又は複数種用いて形成することができる。具体的には、例えば、インジウム錫酸化物(Indium Tin Oxide、以下ITO)、珪素または酸化珪素を含むインジウム錫酸化物(略称:ITSO)、酸化インジウム−酸化亜鉛(Indium Zinc Oxide)、チタンを含有した酸化インジウム−錫酸化物、インジウム−チタン酸化物、酸化タングステン及び酸化亜鉛を含有した酸化インジウムなどの金属酸化物を用いることができる。また、光を透過する程度(好ましくは、1nm以上30nm以下の厚さ)の金属薄膜を用いることができる。金属としては、例えば、Ag、またはAgとAl、AgとMg、AgとAu、AgとYbなどの合金等を用いることができる。
なお、本明細書等において、光を透過する機能を有する材料は、可視光を透過する機能を有し、且つ導電性を有する材料であればよく、例えば上記のようなITOに代表される酸化物導電体に加えて、酸化物半導体、または有機物を含む有機導電体を含む。有機物を含む有機導電体としては、例えば、有機化合物と電子供与体(ドナー)とを混合してなる複合材料、有機化合物と電子受容体(アクセプター)とを混合してなる複合材料等が挙げられる。また、グラフェンなどの無機炭素系材料を用いても良い。また、当該材料の抵抗率としては、好ましくは1×105Ω・cm以下、さらに好ましくは1×104Ω・cm以下である。
また、上記の材料の複数を積層することによって電極101及び電極102の一方または双方を形成してもよい。
また、光取り出し効率を向上させるため、光を透過する機能を有する電極と接して、該電極より屈折率の高い材料を形成してもよい。このような材料としては、可視光を透過する機能を有する材料であればよく、導電性を有する材料であっても有さない材料であってもよい。例えば、上記のような酸化物導電体に加えて、酸化物半導体、有機物が挙げられる。有機物としては、例えば、発光層、正孔注入層、正孔輸送層、電子輸送層、または電子注入層に例示した材料が挙げられる。また、無機炭素系材料や光が透過する程度の薄膜の金属も用いることができる。これら屈折率の高い材料を用いて、数nm乃至数十nmの層を複数積層させてもよい。
電極101または電極102が陰極としての機能を有する場合には、仕事関数が小さい(3.8eV以下)材料を有することが好ましい。例えば、元素周期表の第1族又は第2族に属する元素(リチウム、ナトリウム、セシウム等のアルカリ金属、カルシウム、ストロンチウム等のアルカリ土類金属、マグネシウム等)、これら元素を含む合金(例えば、AgとMg、AlとLi)、ユーロピウム(Eu)、Yb等の希土類金属、これら希土類金属を含む合金、アルミニウム、銀を含む合金等を用いることができる。
また、電極101または電極102を陽極として用いる場合、仕事関数の大きい(4.0eV以上)材料を用いることが好ましい。
また、電極101及び電極102は、光を反射する機能を有する導電性材料と、光を透過する機能を有する導電性材料との積層としてもよい。その場合、電極101及び電極102は、各発光層からの所望の波長の光を共振させ、その波長の光を強めることができるように、光学距離を調整する機能を有することができるため好ましい。
電極101及び電極102の成膜方法は、スパッタリング法、蒸着法、印刷法、塗布法、MBE(Molecular Beam Epitaxy)法、CVD法、パルスレーザ堆積法、ALD(Atomic Layer Deposition)法等を適宜用いることができる。
≪基板≫
また、本発明の一態様に係る発光素子は、ガラス、プラスチックなどからなる基板上に作製すればよい。基板上に作製する順番としては、電極101側から順に積層しても、電極102側から順に積層しても良い。
なお、本発明の一態様に係る発光素子を形成できる基板としては、例えばガラス、石英、又はプラスチックなどを用いることができる。また可撓性基板を用いてもよい。可撓性基板とは、曲げることができる(フレキシブル)基板のことであり、例えば、ポリカーボネート、ポリアリレート、からなるプラスチック基板等が挙げられる。また、フィルム、無機蒸着フィルムなどを用いることもできる。なお、発光素子、及び光学素子の作製工程において支持体として機能するものであれば、これら以外のものでもよい。あるいは、発光素子、及び光学素子を保護する機能を有するものであればよい。
例えば、本発明等においては、様々な基板を用いて発光素子を形成することが出来る。基板の種類は、特に限定されることはない。その基板の一例としては、半導体基板(例えば単結晶基板又はシリコン基板)、SOI基板、ガラス基板、石英基板、プラスチック基板、金属基板、ステンレス・スチル基板、ステンレス・スチル・ホイルを有する基板、タングステン基板、タングステン・ホイルを有する基板、可撓性基板、貼り合わせフィルム、繊維状の材料を含む紙、又は基材フィルムなどがある。ガラス基板の一例としては、バリウムホウケイ酸ガラス、アルミノホウケイ酸ガラス、又はソーダライムガラスなどがある。可撓性基板、貼り合わせフィルム、基材フィルムなどの一例としては、以下が挙げられる。例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)に代表されるプラスチックがある。または、一例としては、アクリル等の樹脂などがある。または、一例としては、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリフッ化ビニル、又はポリ塩化ビニルなどがある。または、一例としては、ポリアミド、ポリイミド、アラミド、エポキシ、無機蒸着フィルム、又は紙類などがある。
また、基板として、可撓性基板を用い、可撓性基板上に直接、発光素子を形成してもよい。または、基板と発光素子との間に剥離層を設けてもよい。剥離層は、その上に発光素子を一部あるいは全部完成させた後、基板より分離し、他の基板に転載するために用いることができる。その際、耐熱性の劣る基板や可撓性の基板にも発光素子を転載できる。なお、上述の剥離層には、例えば、タングステン膜と酸化シリコン膜との無機膜の積層構造の構成や、基板上にポリイミド等の樹脂膜が形成された構成等を用いることができる。
つまり、ある基板を用いて発光素子を形成し、その後、別の基板に発光素子を転置し、別の基板上に発光素子を配置してもよい。発光素子が転置される基板の一例としては、上述した基板に加え、セロファン基板、石材基板、木材基板、布基板(天然繊維(絹、綿、麻)、合成繊維(ナイロン、ポリウレタン、ポリエステル)若しくは再生繊維(アセテート、キュプラ、レーヨン、再生ポリエステル)などを含む)、皮革基板、又はゴム基板などがある。これらの基板を用いることにより、壊れにくい発光素子、耐熱性の高い発光素子、軽量化された発光素子、または薄型化された発光素子とすることができる。
また、上述した基板上に、例えば電界効果トランジスタ(FET)を形成し、FETと電気的に接続された電極上に発光素子150を作製してもよい。これにより、FETによって発光素子150の駆動を制御するアクティブマトリクス型の表示装置を作製できる。
なお、本実施の形態において、本発明の一態様について述べた。または、他の実施の形態において、本発明の一態様について述べる。ただし、本発明の一態様は、これらに限定されない。つまり、本実施の形態および他の実施の形態では、様々な発明の態様が記載されているため、本発明の一態様は、特定の態様に限定されない。例えば、本発明の一態様として、発光素子に適用した場合の例を示したが、本発明の一態様は、これに限定されない。例えば、場合によっては、または、状況に応じて、本発明の一態様は、発光素子に適用しなくてもよい。または、例えば、本発明の一態様では、三重項励起エネルギーを発光に変換することができる機能を有するゲスト材料と、少なくとも一つのホスト材料とを有し、ゲスト材料のLUMO準位が、ホスト材料のLUMO準位より高く、ゲスト材料のHOMO準位が、ホスト材料のHOMO準位より低い場合の例を示したが、本発明の一態様は、これに限定されない。場合によっては、または、状況に応じて、本発明の一態様では、例えば、ゲスト材料のLUMO準位が、ホスト材料のLUMO準位より高くなくてもよい。あるいは、ゲスト材料のHOMO準位が、ホスト材料のHOMO準位より低くなくてもよい。または、例えば、本発明の一態様では、ホスト材料は、一重項励起エネルギー準位と三重項励起エネルギー準位との差が0eVより大きく0.2eV以下である場合の例を示したが、本発明の一態様は、これに限定されない。場合によっては、または、状況に応じて、本発明の一態様では、例えば、ホスト材料は、一重項励起エネルギー準位と三重項励起エネルギー準位との差が0.2eVより大きくてもよい。
以上、本実施の形態に示す構成は、他の実施の形態と適宜組み合わせて用いることができる。
(実施の形態2)
本実施の形態においては、実施の形態1に示す発光素子の構成と異なる構成の発光素子について、図5を用いて、以下説明を行う。なお、図5(A)において、図1(A)に示す符号と同様の機能を有する箇所には、同様のハッチパターンとし、符号を省略する場合がある。また、同様の機能を有する箇所には、同様の符号を付し、その詳細な説明は省略する場合がある。
<発光素子の構成例>
図5(A)は、発光素子250の断面模式図である。
図5(A)に示す発光素子250は、一対の電極(電極101及び電極102)の間に、複数の発光ユニット(図5(A)においては、発光ユニット106及び発光ユニット108)を有する。複数の発光ユニットのうちいずれか一つの発光ユニットは、図1または図3で示すEL層100と同様な構成を有すると好ましい。つまり、図1で示した発光素子150及び図3で示した発光素子152は、1つの発光ユニットを有し、発光素子250は、複数の発光ユニットを有すると好ましい。なお、発光素子250において、電極101が陽極として機能し、電極102が陰極として機能するとして、以下説明するが、発光素子250の構成としては、逆であっても構わない。
また、図5(A)に示す発光素子250において、発光ユニット106と発光ユニット108とが積層されており、発光ユニット106と発光ユニット108との間には電荷発生層115が設けられる。なお、発光ユニット106と発光ユニット108は、同じ構成でも異なる構成でもよい。例えば、発光ユニット108に、図1または図3で示すEL層100を用いると好ましい。
また、発光素子250は、発光層120と、発光層170と、を有する。また、発光ユニット106は、発光層120の他に、正孔注入層111、正孔輸送層112、電子輸送層113、及び電子注入層114を有する。また、発光ユニット108は、発光層170の他に、正孔注入層116、正孔輸送層117、電子輸送層118、及び電子注入層119を有する。
電荷発生層115は、正孔輸送性材料に電子受容体であるアクセプター性物質が添加された構成であっても、電子輸送性材料に電子供与体であるドナー性物質が添加された構成であってもよい。また、これらの両方の構成が積層されていても良い。
電荷発生層115に、有機化合物とアクセプター性物質の複合材料が含まれる場合、該複合材料には実施の形態1に示す正孔注入層111に用いることができる複合材料を用いればよい。有機化合物としては、芳香族アミン化合物、カルバゾール化合物、芳香族炭化水素、高分子化合物(オリゴマー、デンドリマー、ポリマー等)など、種々の化合物を用いることができる。なお、有機化合物としては、正孔移動度が1×10−6cm2/Vs以上である物質を適用することが好ましい。ただし、電子よりも正孔の輸送性の高い物質であれば、これら以外の物質を用いてもよい。有機化合物とアクセプター性物質の複合材料は、キャリア注入性、キャリア輸送性に優れているため、低電圧駆動、低電流駆動を実現することができる。なお、発光ユニット108のように、発光ユニットの陽極側の面が電荷発生層115に接している場合は、電荷発生層115が該発光ユニットの正孔注入層または正孔輸送層の役割も担うことができるため、該発光ユニットには正孔注入層または正孔輸送層を設けない構成であっても良い。
なお、電荷発生層115は、有機化合物とアクセプター性物質の複合材料を含む層と他の材料により構成される層を組み合わせた積層構造として形成してもよい。例えば、有機化合物とアクセプター性物質の複合材料を含む層と、電子供与性物質の中から選ばれた一の化合物と電子輸送性の高い化合物とを含む層とを組み合わせて形成してもよい。また、有機化合物とアクセプター性物質の複合材料を含む層と、透明導電膜を含む層とを組み合わせて形成してもよい。
なお、発光ユニット106と発光ユニット108とに挟まれる電荷発生層115は、電極101と電極102とに電圧を印加した場合に、一方の発光ユニットに電子を注入し、他方の発光ユニットに正孔を注入するものであれば良い。例えば、図5(A)において、電極101の電位の方が電極102の電位よりも高くなるように電圧を印加した場合、電荷発生層115は、発光ユニット106に電子を注入し、発光ユニット108に正孔を注入する。
なお、電荷発生層115は、光取出し効率の点から、可視光に対して透光性(具体的には、電荷発生層115に対する可視光の透過率が40%以上)を有することが好ましい。また、電荷発生層115は、一対の電極(電極101及び電極102)よりも低い導電率であっても機能する。
上述した材料を用いて電荷発生層115を形成することにより、発光層が積層された場合における駆動電圧の上昇を抑制することができる。
また、図5(A)においては、2つの発光ユニットを有する発光素子について説明したが、3つ以上の発光ユニットを積層した発光素子についても、同様に適用することが可能である。発光素子250に示すように、一対の電極間に複数の発光ユニットを電荷発生層で仕切って配置することで、電流密度を低く保ったまま、高輝度発光を可能とし、さらに長寿命な発光素子を実現できる。また、消費電力が低い発光素子を実現することができる。
なお、複数のユニットのうち、少なくとも一つのユニットに、実施の形態1で示した構成を適用することによって、発光効率の高い、発光素子を提供することができる。
また、発光ユニット108が有する発光層170は、実施の形態1で示した発光層130または発光層135と同様の構成を有すると好ましい。発光層170が実施の形態1で示した発光層130または発光層135と同様の構成を有することで、発光素子250は、発光効率の高い発光素子となり好適である。
また、発光ユニット106が有する発光層120は、図5(B)に示すように、ゲスト材料121と、ホスト材料122とを有する。なお、ゲスト材料121は蛍光材料として、以下説明する。
≪発光層120の発光機構≫
発光層120の発光機構について、以下説明を行う。
一対の電極(電極101及び電極102)あるいは電荷発生層から注入された電子および正孔が発光層120において再結合することにより、励起子が生成する。ゲスト材料121と比較してホスト材料122は大量に存在するので、励起子の生成により、ホスト材料122の励起状態が形成される。
なお、励起子はキャリア(電子および正孔)対のことである。励起子はエネルギーを有するため、励起子が生成した材料は励起状態となる。
形成されたホスト材料122の励起状態が一重項励起状態である場合、ホスト材料122のS1準位からゲスト材料121のS1準位へ一重項励起エネルギーがエネルギー移動し、ゲスト材料121の一重項励起状態が形成される。
ゲスト材料121は蛍光材料であるため、ゲスト材料121において一重項励起状態が形成されると、ゲスト材料121は速やかに発光する。この場合、高い発光効率を得るためには、ゲスト材料121の蛍光量子収率は高いことが好ましい。なお、ゲスト材料121において、キャリアが再結合し、生成した励起状態が一重項励起状態である場合も同様である。
次に、キャリアの再結合によってホスト材料122の三重項励起状態が形成される場合について説明する。この場合のホスト材料122およびゲスト材料121のエネルギー準位の相関を図5(C)に示す。また、図5(C)における表記および符号は、以下の通りである。なお、ホスト材料122のT1準位がゲスト材料121のT1準位より低いことが好ましいため、図5(C)では、この場合を図示するが、ホスト材料122のT1準位がゲスト材料121のT1準位よりも高くてもよい。
・Guest(121):ゲスト材料121(蛍光材料)
・Host(122):ホスト材料122
・SFG:ゲスト材料121(蛍光材料)のS1準位
・TFG:ゲスト材料121(蛍光材料)のT1準位
・SFH:ホスト材料122のS1準位
・TFH:ホスト材料122のT1準位
図5(C)に示すように、三重項−三重項消滅(TTA:triplet−triplet annihilation)によって、キャリアの再結合によって生成した三重項励起子同士が相互作用し、互いに励起エネルギーの受け渡し及びスピン角運動量の交換を行うことで、結果としてホスト材料122のS1準位(SFH)のエネルギーを有する一重項励起子に変換される反応が生じる(図5(C) TTA参照)。ホスト材料122の一重項励起エネルギーは、SFHから、それよりもエネルギーの低いゲスト材料121のS1準位(SFG)へエネルギー移動が生じ(図5(C) ルートE3参照)、ゲスト材料121の一重項励起状態が形成され、ゲスト材料121が発光する。
なお、発光層120における三重項励起子の密度が十分に高い場合(例えば、1×10−12cm−3以上)では、三重項励起子単体の失活を無視し、2つの近接した三重項励起子による反応のみを考えることができる。
また、ゲスト材料121においてキャリアが再結合し三重項励起状態が形成される場合、ゲスト材料121の三重項励起状態は熱失活するため、発光に利用することが困難となる。しかしながら、ホスト材料122のT1準位(TFH)がゲスト材料121のT1準位(TFG)より低い場合、ゲスト材料121の三重項励起エネルギーは、ゲスト材料121のT1準位(TFG)からホスト材料122のT1準位(TFH)へエネルギー移動する(図5(C) ルートE4参照)ことが可能であり、その後TTAに利用される。
すなわち、ホスト材料122は、三重項励起エネルギーをTTAによって一重項励起エネルギーに変換する機能を有すると好ましい。そうすることで、発光層120で生成した三重項励起エネルギーの一部を、ホスト材料122におけるTTAによって一重項励起エネルギーに変換し、該一重項励起エネルギーをゲスト材料121に移動することで、蛍光発光として取り出すことが可能となる。そのためには、ホスト材料122のS1準位(SFH)は、ゲスト材料121のS1準位(SFG)より高いことが好ましい。また、ホスト材料122のT1準位(TFH)は、ゲスト材料121のT1準位(TFG)より低いことが好ましい。
なお、特に、ゲスト材料121のT1準位(TFG)がホスト材料122のT1準位(TFH)よりも低い場合においては、ホスト材料122とゲスト材料121との重量比は、ゲスト材料121の重量比が低い方が好ましい。具体的には、ホスト材料122が1に対するゲスト材料121の重量比は、0より大きく0.05以下が好ましい。このような重量比の関係にすることで、ゲスト材料121でキャリアが再結合する確率を低減させることができる。また、ホスト材料122のT1準位(TFH)からゲスト材料121のT1準位(TFG)へのエネルギー移動が生じる確率を低減させることができる。
なお、ホスト材料122は単一の化合物で構成されていても良く、複数の化合物から構成されていても良い。
なお、上記各構成において、発光ユニット106および発光ユニット108に用いるゲスト材料が呈する発光色としては、同じであっても異なっていてもよい。発光ユニット106と発光ユニット108とで同じ色の発光を呈する機能を有するゲスト材料を有する場合、発光素子250は少ない電流値で高い発光輝度を呈する発光素子となり好ましい。また、発光ユニット106と発光ユニット108とで互いに異なる色の発光を呈する機能を有するゲスト材料を有する場合、発光素子250は多色発光を呈する発光素子となり好ましい。この場合、発光層120及び発光層170のいずれか一方または双方に発光波長の異なる複数の発光材料を用いることによって、発光素子250が呈する発光スペクトルは異なる発光ピークを有する発光が合成された光となるため、少なくとも二つの極大値を有する発光スペクトルとなる。
上記の構成は白色発光を得るためにも好適である。発光層120と発光層170との光を互いに補色の関係とすることによって、白色発光を得ることができる。特に、演色性の高い白色発光、あるいは少なくとも赤色と緑色と青色とを有する発光、になるようゲスト材料を選択することが好適である。
また、発光層120及び発光層170のいずれか一方または双方を層状にさらに分割し、当該分割した層ごとに異なる発光材料を含有させるようにしても良い。すなわち、発光層120及び発光層170のいずれか一方または双方は、2層以上の複数層でもって構成することもできる。例えば、第1の発光層と第2の発光層を正孔輸送層側から順に積層して発光層とする場合、第1の発光層のホスト材料として正孔輸送性を有する物質を用い、第2の発光層のホスト材料として電子輸送性を有する物質を用いる構成などがある。この場合、第1の発光層と第2の発光層とが有する発光材料は、同じ材料であっても異なる材料であってもよく、同じ色の発光を呈する機能を有する材料であっても、異なる色の発光を呈する機能を有する材料であってもよい。互いに異なる色の発光を呈する機能を有する複数の発光材料を有する構成により、三原色や、4色以上の発光色からなる演色性の高い白色発光を得ることもできる。
また、発光ユニット106と発光ユニット108とで発光色が異なるゲスト材料を有する場合、発光層120からの発光が、発光層170からの発光よりも短波長側に発光のピークを有する構成とすることが好ましい。高い三重項励起エネルギー準位を有する材料を用いた発光素子は輝度劣化が早い傾向がある。そこで、短波長な発光を呈する発光層にTTAを用いることによって、輝度劣化の小さい発光素子を提供することができる。
<発光層に用いることができる材料の例>
次に、発光層120、及び発光層170に用いることのできる材料について、以下説明する。
≪発光層120に用いることのできる材料≫
発光層120中では、ホスト材料122が重量比で最も多く存在し、ゲスト材料121(蛍光材料)は、ホスト材料122中に分散される。ホスト材料122のS1準位は、ゲスト材料121(蛍光材料)のS1準位よりも高く、ホスト材料122のT1準位は、ゲスト材料121(蛍光材料)のT1準位よりも低いことが好ましい。
発光層120において、ゲスト材料121としては、特に限定はないが、アントラセン誘導体、テトラセン誘導体、クリセン誘導体、フェナントレン誘導体、ピレン誘導体、ペリレン誘導体、スチルベン誘導体、アクリドン誘導体、クマリン誘導体、フェノキサジン誘導体、フェノチアジン誘導体などが好ましく、例えば以下の材料を用いることができる。
具体的には、5,6−ビス[4−(10−フェニル−9−アントリル)フェニル]−2,2’−ビピリジン(略称:PAP2BPy)、5,6−ビス[4’−(10−フェニル−9−アントリル)ビフェニル−4−イル]−2,2’−ビピリジン(略称:PAPP2BPy)、N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス[4−(9−フェニル−9H−フルオレン−9−イル)フェニル]ピレン−1,6−ジアミン(略称:1,6FLPAPrn)、N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−N,N’−ビス[3−(9−フェニル−9H−フルオレン−9−イル)フェニル]ピレン−1,6−ジアミン(略称:1,6mMemFLPAPrn)、N,N’−ビス[4−(9−フェニル−9H−フルオレン−9−イル)フェニル]−N,N’−ビス(4−tert−ブチルフェニル)ピレン−1,6−ジアミン(略称:1,6tBu−FLPAPrn)、N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス[4−(9−フェニル−9H−フルオレン−9−イル)フェニル]−3,8−ジシクロヘキシルピレン−1,6−ジアミン(略称:ch−1,6FLPAPrn)、N,N’−ビス[4−(9H−カルバゾール−9−イル)フェニル]−N,N’−ジフェニルスチルベン−4,4’−ジアミン(略称:YGA2S)、4−(9H−カルバゾール−9−イル)−4’−(10−フェニル−9−アントリル)トリフェニルアミン(略称:YGAPA)、4−(9H−カルバゾール−9−イル)−4’−(9,10−ジフェニル−2−アントリル)トリフェニルアミン(略称:2YGAPPA)、N,9−ジフェニル−N−[4−(10−フェニル−9−アントリル)フェニル]−9H−カルバゾール−3−アミン(略称:PCAPA)、ペリレン、2,5,8,11−テトラ(tert−ブチル)ペリレン(略称:TBP)、4−(10−フェニル−9−アントリル)−4’−(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)トリフェニルアミン(略称:PCBAPA)、N,N’’−(2−tert−ブチルアントラセン−9,10−ジイルジ−4,1−フェニレン)ビス[N,N’,N’−トリフェニル−1,4−フェニレンジアミン](略称:DPABPA)、N,9−ジフェニル−N−[4−(9,10−ジフェニル−2−アントリル)フェニル]−9H−カルバゾール−3−アミン(略称:2PCAPPA)、N−[4−(9,10−ジフェニル−2−アントリル)フェニル]−N,N’,N’−トリフェニル−1,4−フェニレンジアミン(略称:2DPAPPA)、N,N,N’,N’,N’’,N’’,N’’’,N’’’−オクタフェニルジベンゾ[g,p]クリセン−2,7,10,15−テトラアミン(略称:DBC1)、クマリン30、N−(9,10−ジフェニル−2−アントリル)−N,9−ジフェニル−9H−カルバゾール−3−アミン(略称:2PCAPA)、N−[9,10−ビス(1,1’−ビフェニル−2−イル)−2−アントリル]−N,9−ジフェニル−9H−カルバゾール−3−アミン(略称:2PCABPhA)、N−(9,10−ジフェニル−2−アントリル)−N,N’,N’−トリフェニル−1,4−フェニレンジアミン(略称:2DPAPA)、N−[9,10−ビス(1,1’−ビフェニル−2−イル)−2−アントリル]−N,N’,N’−トリフェニル−1,4−フェニレンジアミン(略称:2DPABPhA)、9,10−ビス(1,1’−ビフェニル−2−イル)−N−[4−(9H−カルバゾール−9−イル)フェニル]−N−フェニルアントラセン−2−アミン(略称:2YGABPhA)、N,N,9−トリフェニルアントラセン−9−アミン(略称:DPhAPhA)、クマリン6、クマリン545T、N,N’−ジフェニルキナクリドン(略称:DPQd)、ルブレン、2,8−ジ−tert−ブチル−5,11−ビス(4−tert−ブチルフェニル)−6,12−ジフェニルテトラセン(略称:TBRb)、ナイルレッド、5,12−ビス(1,1’−ビフェニル−4−イル)−6,11−ジフェニルテトラセン(略称:BPT)、2−(2−{2−[4−(ジメチルアミノ)フェニル]エテニル}−6−メチル−4H−ピラン−4−イリデン)プロパンジニトリル(略称:DCM1)、2−{2−メチル−6−[2−(2,3,6,7−テトラヒドロ−1H,5H−ベンゾ[ij]キノリジン−9−イル)エテニル]−4H−ピラン−4−イリデン}プロパンジニトリル(略称:DCM2)、N,N,N’,N’−テトラキス(4−メチルフェニル)テトラセン−5,11−ジアミン(略称:p−mPhTD)、7,14−ジフェニル−N,N,N’,N’−テトラキス(4−メチルフェニル)アセナフト[1,2−a]フルオランテン−3,10−ジアミン(略称:p−mPhAFD)、2−{2−イソプロピル−6−[2−(1,1,7,7−テトラメチル−2,3,6,7−テトラヒドロ−1H,5H−ベンゾ[ij]キノリジン−9−イル)エテニル]−4H−ピラン−4−イリデン}プロパンジニトリル(略称:DCJTI)、2−{2−tert−ブチル−6−[2−(1,1,7,7−テトラメチル−2,3,6,7−テトラヒドロ−1H,5H−ベンゾ[ij]キノリジン−9−イル)エテニル]−4H−ピラン−4−イリデン}プロパンジニトリル(略称:DCJTB)、2−(2,6−ビス{2−[4−(ジメチルアミノ)フェニル]エテニル}−4H−ピラン−4−イリデン)プロパンジニトリル(略称:BisDCM)、2−{2,6−ビス[2−(8−メトキシ−1,1,7,7−テトラメチル−2,3,6,7−テトラヒドロ−1H,5H−ベンゾ[ij]キノリジン−9−イル)エテニル]−4H−ピラン−4−イリデン}プロパンジニトリル(略称:BisDCJTM)、5,10,15,20−テトラフェニルビスベンゾ[5,6]インデノ[1,2,3−cd:1’,2’,3’−lm]ペリレン、などが挙げられる。
また、発光層120において、ホスト材料122に用いることが可能な材料としては、特に限定はないが、例えば、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム(III)(略称:Alq)、トリス(4−メチル−8−キノリノラト)アルミニウム(III)(略称:Almq3)、ビス(10−ヒドロキシベンゾ[h]キノリナト)ベリリウム(II)(略称:BeBq2)、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)(4−フェニルフェノラト)アルミニウム(III)(略称:BAlq)、ビス(8−キノリノラト)亜鉛(II)(略称:Znq)、ビス[2−(2−ベンゾオキサゾリル)フェノラト]亜鉛(II)(略称:ZnPBO)、ビス[2−(2−ベンゾチアゾリル)フェノラト]亜鉛(II)(略称:ZnBTZ)などの金属錯体、2−(4−ビフェニリル)−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール(略称:PBD)、1,3−ビス[5−(p−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル]ベンゼン(略称:OXD−7)、3−(4−ビフェニリル)−4−フェニル−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,2,4−トリアゾール(略称:TAZ)、2,2’,2’’−(1,3,5−ベンゼントリイル)トリス(1−フェニル−1H−ベンゾイミダゾール)(略称:TPBI)、バソフェナントロリン(略称:BPhen)、バソキュプロイン(略称:BCP)、9−[4−(5−フェニル−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)フェニル]−9H−カルバゾール(略称:CO11)などの複素環化合物、4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:NPBまたはα−NPD)、N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−N,N’−ジフェニル−[1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジアミン(略称:TPD)、4,4’−ビス[N−(スピロ−9,9’−ビフルオレン−2−イル)−N―フェニルアミノ]ビフェニル(略称:BSPB)などの芳香族アミン化合物が挙げられる。また、アントラセン誘導体、フェナントレン誘導体、ピレン誘導体、クリセン誘導体、ジベンゾ[g,p]クリセン誘導体等の縮合多環芳香族化合物が挙げられ、具体的には、9,10−ジフェニルアントラセン(略称:DPAnth)、N,N−ジフェニル−9−[4−(10−フェニル−9−アントリル)フェニル]−9H−カルバゾール−3−アミン(略称:CzA1PA)、4−(10−フェニル−9−アントリル)トリフェニルアミン(略称:DPhPA)、4−(9H−カルバゾール−9−イル)−4’−(10−フェニル−9−アントリル)トリフェニルアミン(略称:YGAPA)、N,9−ジフェニル−N−[4−(10−フェニル−9−アントリル)フェニル]−9H−カルバゾール−3−アミン(略称:PCAPA)、N,9−ジフェニル−N−{4−[4−(10−フェニル−9−アントリル)フェニル]フェニル}−9H−カルバゾール−3−アミン(略称:PCAPBA)、N,9−ジフェニル−N−(9,10−ジフェニル−2−アントリル)−9H−カルバゾール−3−アミン(略称:2PCAPA)、6,12−ジメトキシ−5,11−ジフェニルクリセン、N,N,N’,N’,N’’,N’’,N’’’,N’’’−オクタフェニルジベンゾ[g,p]クリセン−2,7,10,15−テトラアミン(略称:DBC1)、9−[4−(10−フェニル−9−アントリル)フェニル]−9H−カルバゾール(略称:CzPA)、3,6−ジフェニル−9−[4−(10−フェニル−9−アントリル)フェニル]−9H−カルバゾール(略称:DPCzPA)、9,10−ビス(3,5−ジフェニルフェニル)アントラセン(略称:DPPA)、9,10−ジ(2−ナフチル)アントラセン(略称:DNA)、2−tert−ブチル−9,10−ジ(2−ナフチル)アントラセン(略称:t−BuDNA)、9,9’−ビアントリル(略称:BANT)、9,9’−(スチルベン−3,3’−ジイル)ジフェナントレン(略称:DPNS)、9,9’−(スチルベン−4,4’−ジイル)ジフェナントレン(略称:DPNS2)、1,3,5−トリ(1−ピレニル)ベンゼン(略称:TPB3)などを挙げることができる。また、これら及び公知の物質の中から、上記ゲスト材料121のエネルギーギャップより大きなエネルギーギャップを有する物質を、一種もしくは複数種選択して用いればよい。
なお、発光層120は2層以上の複数層でもって構成することもできる。例えば、第1の発光層と第2の発光層を正孔輸送層側から順に積層して発光層120とする場合、第1の発光層のホスト材料として正孔輸送性を有する物質を用い、第2の発光層のホスト材料として電子輸送性を有する物質を用いる構成などがある。
また、発光層120において、ホスト材料122は、一種の化合物から構成されていても良く、複数の化合物から構成されていても良い。あるいは、発光層120において、ホスト材料122およびゲスト材料121以外の材料を有していても良い。
≪発光層170に用いることのできる材料≫
発光層170に用いることのできる材料としては、先の実施の形態1に示す発光層に用いることのできる材料を援用すればよい。実施の形態1に示す発光層に用いることのできる材料を発光層170に援用することで、発光効率の高い発光素子を作製することができる。
また、発光層120、及び発光層170に含まれる発光材料の発光色に限定は無く、それぞれ同じでも異なっていても良い。各々から得られる発光が混合されて素子外へ取り出されるので、例えば両者の発光色が互いに補色の関係にある場合、発光素子は白色の光を与えることができる。発光素子の信頼性を考慮すると、発光層120に含まれる発光材料の発光ピーク波長は発光層170に含まれる発光材料のそれよりも短いことが好ましい。
なお、発光ユニット106、発光ユニット108、及び電荷発生層115は、蒸着法(真空蒸着法を含む)、インクジェット法、塗布法、グラビア印刷等の方法で形成することができる。
以上、本実施の形態に示す構成は、他の実施の形態に示した構成と適宜組み合わせて用いることができる。
(実施の形態3)
本実施の形態では、実施の形態1及び実施の形態2に示す構成と異なる構成の発光素子の例について、図6乃至図9を用いて以下に説明する。
<発光素子の構成例1>
図6(A)(B)は、本発明の一態様の発光素子を示す断面図である。なお、図6(A)(B)において、図1(A)に示す符号と同様の機能を有する箇所には、同様のハッチパターンとし、符号を省略する場合がある。また、同様の機能を有する箇所には、同様の符号を付し、その詳細な説明は省略する場合がある。
図6(A)(B)に示す発光素子260a及び発光素子260bは、基板200側に光を取り出す下面射出(ボトムエミッション)型の発光素子であってもよく、基板200と反対方向に光を取り出す上面射出(トップエミッション)型の発光素子であってもよい。なお、本発明の一態様はこれに限定されず、発光素子が呈する光を基板200の上方および下方の双方に取り出す両面射出(デュアルエミッション)型の発光素子であっても良い。
発光素子260a及び発光素子260bが、ボトムエミッション型である場合、電極101は、光を透過する機能を有することが好ましい。また、電極102は、光を反射する機能を有することが好ましい。あるいは、発光素子260a及び発光素子260bが、トップエミッション型である場合、電極101は、光を反射する機能を有することが好ましい。また、電極102は、光を透過する機能を有することが好ましい。
発光素子260a及び発光素子260bは、基板200上に電極101と、電極102とを有する。また、電極101と電極102との間に、発光層123Bと、発光層123Gと、発光層123Rと、を有する。また、正孔注入層111と、正孔輸送層112と、電子輸送層118と、電子注入層119と、を有する。
また、発光素子260bは、電極101の構成の一部として、導電層101aと、導電層101a上の導電層101bと、導電層101a下の導電層101cとを有する。すなわち、発光素子260bは、導電層101aが、導電層101bと、導電層101cとで挟持された電極101の構成を有する。
発光素子260bにおいて、導電層101bと、導電層101cとは、異なる材料で形成されてもよく、同じ材料で形成されても良い。電極101が、同じ導電性材料で挟持される構成を有する場合、電極101の形成過程におけるエッチング工程によるパターン形成が容易になるため好ましい。
なお、発光素子260bにおいて、導電層101bまたは導電層101cにおいて、いずれか一方のみを有する構成としてもよい。
なお、電極101が有する導電層101a、101b、及び101cは、それぞれ実施の形態1で示した電極101または電極102と同様の構成および材料を用いることができる。
図6(A)(B)においては、電極101と電極102とで挟持された領域221B、領域221G、及び領域221R、の間に隔壁145を有する。隔壁145は、絶縁性を有する。隔壁145は、電極101の端部を覆い、該電極と重畳する開口部を有する。隔壁145を設けることによって、各領域の基板200上の電極101を、それぞれ島状に分離することが可能となる。
なお、発光層123Bと、発光層123Gとは、隔壁145と重畳する領域において、互いに重なる領域を有していてもよい。あるいは、発光層123Gと、発光層123Rとは、隔壁145と重畳する領域において、互いに重なる領域を有していてもよい。あるいは、発光層123Rと、発光層123Bとは、隔壁145と重畳する領域において、互いに重なる領域を有していてもよい。
隔壁145としては、絶縁性であればよく、無機材料または有機材料を用いて形成される。該無機材料としては、酸化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコン、窒化シリコン、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム等が挙げられる。該有機材料としては、例えば、アクリル樹脂、またはポリイミド樹脂等の感光性の樹脂材料が挙げられる。
なお、酸化窒化シリコン膜とは、その組成として、窒素よりも酸素の含有量が多い膜を指し、好ましくは酸素が55原子%以上65原子%以下、窒素が1原子%以上20原子%以下、シリコンが25原子%以上35原子%以下、水素が0.1原子%以上10原子%以下の範囲で含まれる膜をいう。窒化酸化シリコン膜とは、その組成として、酸素よりも窒素の含有量が多い膜を指し、好ましくは窒素が55原子%以上65原子%以下、酸素が1原子%以上20原子%以下、シリコンが25原子%以上35原子%以下、水素が0.1原子%以上10原子%以下の濃度範囲で含まれる膜をいう。
また、発光層123R、発光層123G、発光層123Bは、それぞれ異なる色を呈する機能を有する発光材料を有することが好ましい。例えば、発光層123Rが赤色を呈する機能を有する発光材料を有することで、領域221Rは赤色の発光を呈し、発光層123Gが緑色を呈する機能を有する発光材料を有することで、領域221Gは緑色の発光を呈し、発光層123Bが青色を呈する機能を有する発光材料を有することで、領域221Bは青色の発光を呈する。このような構成を有する発光素子260aまたは発光素子260bを、表示装置の画素に用いることで、フルカラー表示が可能な表示装置を作製することができる。また、それぞれの発光層の膜厚は、同じであっても良いし、異なっていても良い。
また、発光層123B、発光層123G、発光層123R、のいずれか一つまたは複数の発光層は、実施の形態1で示した発光層130および発光層135のうち少なくとも一つの構成を有することが好ましい。そうすることで、発光効率の良好な発光素子を作製することができる。
なお、発光層123B、発光層123G、発光層123R、のいずれか一つまたは複数の発光層は、2層以上が積層された構成としても良い。
以上のように、少なくとも一つの発光層が実施の形態1及び実施の形態2で示した発光層の構成を有し、該発光層を有する発光素子260aまたは発光素子260bを、表示装置の画素に用いることで、発光効率の高い表示装置を作製することができる。すなわち、発光素子260aまたは発光素子260bを有する表示装置は、消費電力を低減することができる。
なお、光を取り出す電極の光を取り出す方向に、光学素子(例えば、カラーフィルタ、偏光板、反射防止膜等)を設けることで、発光素子260a及び発光素子260bの色純度を向上させることができる。そのため、発光素子260aまたは発光素子260bを有する表示装置の色純度を高めることができる。あるいは、発光素子260a及び発光素子260bの外光反射を低減することができる。そのため、発光素子260aまたは発光素子260bを有する表示装置のコントラスト比を高めることができる。
なお、発光素子260a及び発光素子260bにおける他の構成については、実施の形態1、及び実施の形態2における発光素子の構成を参酌すればよい。
<発光素子の構成例2>
次に、図6(A)(B)に示す発光素子と異なる構成例について、図7(A)(B)を用いて、以下説明を行う。
図7(A)(B)は、本発明の一態様の発光素子を示す断面図である。なお、図7(A)(B)において、図6(A)(B)に示す符号と同様の機能を有する箇所には、同様のハッチパターンとし、符号を省略する場合がある。また、同様の機能を有する箇所には、同様の符号を付し、その詳細な説明は省略する場合がある。
図7(A)(B)は、一対の電極間に、発光層を有する発光素子の構成例である。図7(A)に示す発光素子262aは、基板200と反対の方向に光を取り出す上面射出(トップエミッション)型の発光素子、図7(B)に示す発光素子262bは、基板200側に光を取り出す下面射出(ボトムエミッション)型の発光素子である。ただし、本発明の一態様はこれに限定されず、発光素子が呈する光を発光素子が形成される基板200の上方および下方の双方に取り出す両面射出(デュアルエミッション)型であっても良い。
発光素子262a及び発光素子262bは、基板200上に電極101と、電極102と、電極103と、電極104とを有する。また、電極101と電極102との間、及び電極102と電極103との間、及び電極102と電極104との間に、少なくとも発光層170と、発光層190と、電荷発生層115とを有する。また、正孔注入層111と、正孔輸送層112と、電子輸送層113と、電子注入層114と、正孔注入層116と、正孔輸送層117と、電子輸送層118と、電子注入層119と、を有する。
また、電極101は、導電層101aと、導電層101a上に接する導電層101bと、を有する。また、電極103は、導電層103aと、導電層103a上に接する導電層103bと、を有する。電極104は、導電層104aと、導電層104a上に接する導電層104bと、を有する。
図7(A)に示す発光素子262a、及び図7(B)に示す発光素子262bは、電極101と電極102とで挟持された領域222B、電極102と電極103とで挟持された領域222G、及び電極102と電極104とで挟持された領域222R、の間に、隔壁145を有する。隔壁145は、絶縁性を有する。隔壁145は、電極101、電極103、及び電極104の端部を覆い、該電極と重畳する開口部を有する。隔壁145を設けることによって、各領域の基板200上の該電極を、それぞれ島状に分離することが可能となる。
また、電荷発生層115としては、正孔輸送性材料に電子受容体(アクセプター)が添加された材料、または電子輸送性材料に電子供与体(ドナー)が添加された材料により、形成することができる。なお、電荷発生層115の導電率が一対の電極と同程度に高い場合、電荷発生層115によって発生したキャリアが、隣接する画素に流れて、隣接する画素が発光してしまう場合がある。したがって、隣接する画素が不正に発光することを抑制するためには、電荷発生層115は、一対の電極よりも導電率が低い材料で形成されると好ましい。
また、発光素子262a及び発光素子262bは、領域222B、領域222G、及び領域222Rから呈される光が取り出される方向に、それぞれ光学素子224B、光学素子224G、及び光学素子224Rを有する基板220を有する。各領域から呈される光は、各光学素子を介して発光素子外部に射出される。すなわち、領域222Bから呈される光は、光学素子224Bを介して射出され、領域222Gから呈される光は、光学素子224Gを介して射出され、領域222Rから呈される光は、光学素子224Rを介して射出される。
また、光学素子224B、光学素子224G、及び光学素子224Rは、入射される光から特定の色を呈する光を選択的に透過する機能を有する。例えば、光学素子224Bを介して射出される領域222Bから呈される光は、青色を呈する光となり、光学素子224Gを介して射出される領域222Gから呈される光は、緑色を呈する光となり、光学素子224Rを介して射出される領域222Rから呈される光は、赤色を呈する光となる。
光学素子224R、光学素子224G、及び光学素子224Bには、例えば、着色層(カラーフィルタともいう)、バンドパスフィルタ、多層膜フィルタなどを適用できる。また、光学素子に色変換素子を適用することができる。色変換素子は、入射される光を、当該光の波長より長い波長の光に変換する光学素子である。色変換素子として、量子ドットを用いる素子であると好適である。量子ドットを用いることにより、表示装置の色再現性を高めることができる。
なお、光学素子224R、光学素子224G、及び光学素子224B上に他の光学素子を一または複数、重ねて設けてもよい。他の光学素子としては、例えば円偏光板や反射防止膜などを設けることができる。円偏光板を、表示装置の発光素子が発する光が取り出される側に設けると、表示装置の外部から入射した光が、表示装置の内部で反射されて、外部に射出される現象を防ぐことができる。また、反射防止膜を設けると、表示装置の表面で反射される外光を弱めることができる。これにより、表示装置が発する発光を、鮮明に観察できる。
なお、図7(A)(B)において、各光学素子を介して各領域から射出される光を、青色(B)を呈する光、緑色(G)を呈する光、赤色(R)を呈する光、として、それぞれ破線の矢印で模式的に図示している。
また、各光学素子の間には、遮光層223を有する。遮光層223は、隣接する領域から発せられる光を遮光する機能を有する。なお、遮光層223を設けない構成としても良い。
遮光層223としては、外光の反射を抑制する機能を有する。または、遮光層223としては、隣接する発光素子から発せられる光の混色を防ぐ機能を有する。遮光層223としては、金属、黒色顔料を含んだ樹脂、カーボンブラック、金属酸化物、複数の金属酸化物の固溶体を含む複合酸化物等を用いることができる。
なお、光学素子224Bと、光学素子224Gとは、遮光層223と重畳する領域において、互いに重なる領域を有していても良い。あるいは、光学素子224Gと、光学素子224Rとは、遮光層223と重畳する領域において、互いに重なる領域を有していても良い。あるいは、光学素子224Rと、光学素子224Bとは、遮光層223と重畳する領域において、互いに重なる領域を有していても良い。
また、基板200、及び光学素子を有する基板220の構成としては、実施の形態1を参酌すればよい。
さらに、発光素子262a及び発光素子262bは、マイクロキャビティ構造を有する。
≪マイクロキャビティ構造≫
発光層170、及び発光層190から射出される光は、一対の電極(例えば、電極101と電極102)の間で共振される。また、発光層170及び発光層190は、射出される光のうち所望の波長の光が強まる位置に形成される。例えば、電極101の反射領域から発光層170の発光領域までの光学距離と、電極102の反射領域から発光層170の発光領域までの光学距離と、を調整することにより、発光層170から射出される光のうち所望の波長の光を強めることができる。また、電極101の反射領域から発光層190の発光領域までの光学距離と、電極102の反射領域から発光層190の発光領域までの光学距離と、を調整することにより、発光層190から射出される光のうち所望の波長の光を強めることができる。すなわち、複数の発光層(ここでは、発光層170及び発光層190)を積層する発光素子の場合、発光層170及び発光層190のそれぞれの光学距離を最適化することが好ましい。
また、発光素子262a及び発光素子262bにおいては、各領域で導電層(導電層101b、導電層103b、及び導電層104b)の厚さを調整することで、発光層170及び発光層190から呈される光のうち所望の波長の光を強めることができる。なお、各領域で正孔注入層111及び正孔輸送層112のうち、少なくとも一つの厚さを異ならせることで、発光層170及び発光層190から呈される光を強めても良い。
例えば、電極101乃至電極104において、光を反射する機能を有する導電性材料の屈折率が、発光層170または発光層190の屈折率よりも小さい場合においては、電極101が有する導電層101bの膜厚を、電極101と電極102との間の光学距離がmBλB/2(mBは自然数、λBは領域222Bで強める光の波長を、それぞれ表す)となるよう調整する。同様に、電極103が有する導電層103bの膜厚を、電極103と電極102との間の光学距離がmGλG/2(mGは自然数、λGは領域222Gで強める光の波長を、それぞれ表す)となるよう調整する。さらに、電極104が有する導電層104bの膜厚を、電極104と電極102との間の光学距離がmRλR/2(mRは自然数、λRは領域222Rで強める光の波長を、それぞれ表す)となるよう調整する。
なお、電極101乃至電極104の反射領域を厳密に決定することが困難な場合、電極101乃至電極104の任意の領域を反射領域と仮定することで、発光層170または発光層190から射出される光を強める光学距離を導出してもよい。また、発光層170および発光層190の発光領域を厳密に決定することは困難な場合、発光層170および発光層190の任意の領域を発光領域と仮定することで、発光層170および発光層190から射出される光を強める光学距離を導出してもよい。
上記のように、マイクロキャビティ構造を設け、各領域の一対の電極間の光学距離を調整することで、各電極近傍における光の散乱および光の吸収を抑制し、高い光取り出し効率を実現することができる。
なお、上記構成においては、導電層101b、導電層103b、導電層104bは、光を透過する機能を有することが好ましい。また、導電層101b、導電層103b、導電層104b、を構成する材料は、互いに同じであっても良いし、異なっていても良い。導電層101b、導電層103b、及び導電層104bに同じ材料を用いる場合、電極101、電極103、電極104の形成過程におけるエッチング工程によるパターン形成が容易になるため好ましい。また、導電層101b、導電層103b、導電層104bは、それぞれ2層以上の層が積層された構成であっても良い。
なお、図7(A)に示す発光素子262aは、上面射出型の発光素子であるため、導電層101a、導電層103a、及び導電層104aは、光を反射する機能を有することが好ましい。また、電極102は、光を透過する機能と、光を反射する機能とを有することが好ましい。
また、図7(B)に示す発光素子262bは、下面射出型の発光素子であるため、導電層101a、導電層103a、導電層104aは、光を透過する機能と、光を反射する機能と、を有することが好ましい。また、電極102は、光を反射する機能を有することが好ましい。
また、発光素子262a及び発光素子262bにおいて、導電層101a、導電層103a、または導電層104a、に同じ材料を用いても良いし、異なる材料を用いても良い。導電層101a、導電層103a、導電層104a、に同じ材料を用いる場合、発光素子262a及び発光素子262bの製造コストを低減できる。なお、導電層101a、導電層103a、導電層104aは、それぞれ2層以上の層が積層された構成であっても良い。
また、発光素子262a及び発光素子262bにおける発光層170及び発光層190の少なくとも一方には、実施の形態1及び実施の形態2で示した構成のうち少なくとも一を有することが好ましい。そうすることで、高い発光効率を示す発光素子を作製することができる。
また、発光層170及び発光層190は、例えば発光層190a及び発光層190bのように、一方または双方で2層が積層された構成としてもよい。2層の発光層に、第1の化合物及び第2の化合物という、異なる色を呈する機能を有する2種類の発光材料をそれぞれ用いることで、複数の発光を同時に得ることができる。特に発光層170と、発光層190と、が呈する発光により、白色となるよう、各発光層に用いる発光材料を選択すると好ましい。
また、発光層170または発光層190は、一方または双方で3層以上が積層された構成としても良く、発光材料を有さない層が含まれていても良い。
以上のように、実施の形態1及び実施の形態2で示した発光層の構成を少なくとも一つ有する発光素子262aまたは発光素子262bを、表示装置の画素に用いることで、発光効率の高い表示装置を作製することができる。すなわち、発光素子262aまたは発光素子262bを有する表示装置は、消費電力を低減することができる。
なお、発光素子262a及び発光素子262bにおける他の構成については、発光素子260aまたは発光素子260b、あるいは実施の形態1、及び実施の形態2で示した発光素子の構成を参酌すればよい。
<発光素子の作製方法>
次に、本発明の一態様の発光素子の作製方法について、図8及び図9を用いて以下説明を行う。なお、ここでは、図7(A)に示す発光素子262aの作製方法について説明する。
図8及び図9は、本発明の一態様の発光素子の作製方法を説明するための断面図である。
以下で説明する発光素子262aの作製方法は、第1乃至第7の7つのステップを有する。
≪第1のステップ≫
第1のステップは、発光素子の電極(具体的には、電極101を構成する導電層101a、電極103を構成する導電層103a、及び電極104を構成する導電層104a)を、基板200上に形成する工程である(図8(A)参照)。
本実施の形態においては、基板200上に、光を反射する機能を有する導電層を形成し、該導電層を所望の形状に加工することで、導電層101a、導電層103a、及び導電層104aを形成する。上記光を反射する機能を有する導電層としては、銀とパラジウムと銅の合金膜(Ag−Pd−Cu膜、またはAPCともいう)を用いる。このように、導電層101a、導電層103a、及び導電層104aを、同一の導電層を加工する工程を経て形成することで、製造コストを安くすることができるため好適である。
なお、第1のステップの前に、基板200上に複数のトランジスタを形成してもよい。また、該複数のトランジスタと、導電層101a、導電層103a、及び導電層104aとを、それぞれ電気的に接続させてもよい。
≪第2のステップ≫
第2のステップは、電極101を構成する導電層101a上に光を透過する機能を有する導電層101bを、電極103を構成する導電層103a上に光を透過する機能を有する導電層103bを、電極104を構成する導電層104a上に光を透過する機能を有する導電層104bを、形成する工程である(図8(B)参照)
本実施の形態においては、光を反射する機能を有する導電層101a、103a、及び104a、の上にそれぞれ、光を透過する機能を有する導電層101b、103b、及び104bを形成することで、電極101、電極103、及び電極104を形成する。上記の導電層101b、103b、及び104bとしては、ITSO膜を用いる。
なお、光を透過する機能を有する導電層101b、103b、及び104bは、複数回に分けて形成してもよい。複数回に分けて形成することで、各領域で適したマイクロキャビティ構造となる膜厚で、導電層101b、103b、及び104bを形成することができる。
≪第3のステップ≫
第3のステップは、発光素子の各電極の端部を覆う隔壁145を形成する工程である(図8(C)参照)。
隔壁145は、電極と重なるように開口部を有する。該開口部によって露出する導電膜が発光素子の陽極として機能する。本実施の形態では、隔壁145として、ポリイミド樹脂を用いる。
なお、第1乃至第3のステップにおいては、EL層(有機化合物を含む層)を損傷するおそれがないため、さまざまな成膜方法及び微細加工技術を適用できる。本実施の形態では、スパッタリング法を用いて反射性の導電層を成膜し、リソグラフィ法を用いて、該導電層にパターンを形成し、その後ドライエッチング法またはウエットエッチング法を用いて、該導電層を島状に加工することで、電極101を構成する導電層101a、電極103を構成する導電層103a、及び電極104を構成する導電層104a、を形成する。その後、スパッタリング法を用いて透明性を有する導電膜を成膜し、リソグラフィ法を用いて、該透明性を有する導電膜にパターンを形成し、その後ウエットエッチング法を用いて、該透明導電膜を島状に加工して、電極101、電極103、及び電極104を形成する。
≪第4のステップ≫
第4のステップは、正孔注入層111、正孔輸送層112、発光層190、電子輸送層113、電子注入層114、及び電荷発生層115を形成する工程である(図9(A)参照)。
正孔注入層111としては、正孔輸送性材料とアクセプター性物質を含む材料とを共蒸着することで形成することができる。なお、共蒸着とは、異なる複数の物質をそれぞれ異なる蒸発源から同時に蒸発させる蒸着法である。また、正孔輸送層112としては、正孔輸送性材料を蒸着することで形成することができる。
発光層190としては、紫色、青色、青緑色、緑色、黄緑色、黄色、橙色、または赤色の中から選ばれる少なくともいずれか一つの発光を呈するゲスト材料を蒸着することで形成することができる。ゲスト材料としては、蛍光または燐光を呈する発光性の有機材料を用いることができる。また、実施の形態1及び実施の形態2で示した発光層の構成を用いることが好ましい。また、発光層190として、2層の構成としてもよい。その場合、2層の発光層は、それぞれ互いに異なる発光色を呈する発光材料を有することが好ましい。
電子輸送層113としては、電子輸送性の高い物質を蒸着することで形成することができる。また、電子注入層114としては、電子注入性の高い物質を蒸着することで形成することができる。
電荷発生層115としては、正孔輸送性材料に電子受容体(アクセプター)が添加された材料、または電子輸送性材料に電子供与体(ドナー)が添加された材料を蒸着することで形成することができる。
≪第5のステップ≫
第5のステップは、正孔注入層116、正孔輸送層117、発光層170、電子輸送層118、電子注入層119、及び電極102を形成する工程である(図9(B)参照)。
正孔注入層116としては、先に示す正孔注入層111と同様の材料及び同様の方法により形成することができる。また、正孔輸送層117としては、先に示す正孔輸送層112と同様の材料及び同様の方法により形成することができる。
発光層170としては、紫色、青色、青緑色、緑色、黄緑色、黄色、橙色、または赤色の中から選ばれる少なくともいずれか一つの発光を呈するゲスト材料を蒸着することで形成することができる。ゲスト材料としては、蛍光または燐光を呈する発光性の有機化合物を用いることができる。また、実施の形態1及び実施の形態2で示した発光層の構成を用いることが好ましい。なお、発光層170及び発光層190の少なくとも一方が、実施の形態1で示した発光層の構成を有することが好ましい。また、発光層170及び発光層190は、互いに異なる発光を呈する機能を有する発光性の有機化合物を有すると好ましい。
電子輸送層118としては、先に示す電子輸送層113と同様の材料及び同様の方法により形成することができる。また、電子注入層119としては、先に示す電子注入層114と同様の材料及び同様の方法により形成することができる。
電極102としては、反射性を有する導電膜と、透光性を有する導電膜を積層することで形成することができる。また、電極102としては、単層構造、または積層構造としてもよい。
上記工程を経て、電極101、電極103、及び電極104上に、それぞれ領域222B、領域222G、及び領域222Rを有する発光素子が基板200上に形成される。
≪第6のステップ≫
第6のステップは、基板220上に遮光層223、光学素子224B、光学素子224G、及び光学素子224Rを形成する工程である(図9(C)参照)。
遮光層223としては、黒色顔料の含んだ樹脂膜を所望の領域に形成する。その後、基板220及び遮光層223上に、光学素子224B、光学素子224G、及び光学素子224Rを形成する。光学素子224Bとしては、青色顔料の含んだ樹脂膜を所望の領域に形成する。また、光学素子224Gとしては、緑色顔料の含んだ樹脂膜を所望の領域に形成する。また、光学素子224Rとしては、赤色顔料の含んだ樹脂膜を所望の領域に形成する。
≪第7のステップ≫
第7のステップは、基板200上に形成された発光素子と、基板220上に形成された遮光層223、光学素子224B、光学素子224G、及び光学素子224Rと、を貼り合わせ、シール材を用いて封止する工程である(図示しない)。
以上の工程により、図7(A)に示す発光素子262aを形成することができる。
なお、本実施の形態に示す構成は、他の実施の形態に示した構成と適宜組み合わせて用いることができる。
(実施の形態4)
本実施の形態では、本発明の一態様の表示装置について、図10乃至図18を用いて説明する。
<表示装置の構成例1>
図10(A)は表示装置600を示す上面図、図10(B)は図10(A)の一点鎖線A−B、及び一点鎖線C−Dで切断した断面図である。表示装置600は、駆動回路部(信号線駆動回路部601、及び走査線駆動回路部603)、並びに画素部602を有する。なお、信号線駆動回路部601、走査線駆動回路部603、及び画素部602は、発光素子の発光を制御する機能を有する。
また、表示装置600は、素子基板610と、封止基板604と、シール材605と、シール材605で囲まれた領域607と、引き回し配線608と、FPC609と、を有する。
なお、引き回し配線608は、信号線駆動回路部601及び走査線駆動回路部603に入力される信号を伝送するための配線であり、外部入力端子となるFPC609からビデオ信号、クロック信号、スタート信号、リセット信号等を受け取る。なお、ここではFPC609しか図示されていないが、FPC609にはプリント配線基板(PWB:Printed Wiring Board)が取り付けられていても良い。
また、信号線駆動回路部601は、Nチャネル型のトランジスタ623とPチャネル型のトランジスタ624とを組み合わせたCMOS回路が形成される。なお、信号線駆動回路部601または走査線駆動回路部603は、種々のCMOS回路、PMOS回路、またはNMOS回路を用いることが出来る。また、本実施の形態では、基板上に駆動回路部を形成したドライバと画素とを同一の表面上に設けた表示装置を示すが、必ずしもその必要はなく、駆動回路部を基板上ではなく外部に形成することもできる。
また、画素部602は、スイッチング用のトランジスタ611と、電流制御用のトランジスタ612と、電流制御用のトランジスタ612のドレインに電気的に接続された下部電極613と、を有する。なお、下部電極613の端部を覆って隔壁614が形成されている。隔壁614としては、ポジ型の感光性アクリル樹脂膜を用いることができる。
また、被覆性を良好にするため、隔壁614の上端部または下端部に曲率を有する曲面が形成されるようにする。例えば、隔壁614の材料としてポジ型の感光性アクリルを用いた場合、隔壁614の上端部のみに曲率半径(0.2μm以上3μm以下)を有する曲面を持たせることが好ましい。また、隔壁614として、ネガ型の感光性樹脂、またはポジ型の感光性樹脂のいずれも使用することができる。
なお、トランジスタ(トランジスタ611、612、623、624)の構造は、特に限定されない。例えば、スタガ型のトランジスタを用いてもよい。また、トランジスタの極性についても特に限定はなく、Nチャネル型およびPチャネル型のトランジスタを有する構造、及びNチャネル型のトランジスタまたはPチャネル型のトランジスタのいずれか一方のみからなる構造を用いてもよい。また、トランジスタに用いられる半導体膜の結晶性についても特に限定はない。例えば、非晶質半導体膜、結晶性半導体膜を用いることができる。また、半導体材料としては、14族(ケイ素等)半導体、化合物半導体(酸化物半導体を含む)、有機半導体等を用いることができる。トランジスタとしては、例えば、エネルギーギャップが2eV以上、好ましくは2.5eV以上、さらに好ましくは3eV以上の酸化物半導体を用いることで、トランジスタのオフ電流を低減することができるため好ましい。該酸化物半導体としては、In−Ga酸化物、In−M−Zn酸化物(Mは、アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)、イットリウム(Y)、ジルコニウム(Zr)、ランタン(La)、セリウム(Ce)、錫(Sn)、ハフニウム(Hf)、またはネオジム(Nd)を表す)等が挙げられる。
下部電極613上には、EL層616、および上部電極617がそれぞれ形成されている。なお、下部電極613は、陽極として機能し、上部電極617は、陰極として機能する。
また、EL層616は、蒸着マスクを用いた蒸着法、インクジェット法、スピンコート法等の種々の方法によって形成される。また、EL層616を構成する材料としては、低分子化合物、または高分子化合物(オリゴマー、デンドリマーを含む)であっても良い。
なお、下部電極613、EL層616、及び上部電極617により、発光素子618が形成される。発光素子618は、実施の形態1乃至実施の形態3の構成を有する発光素子であると好ましい。なお、画素部に複数の発光素子が形成される場合、実施の形態1乃至実施の形態3に記載の発光素子と、それ以外の構成を有する発光素子の両方が含まれていても良い。
また、シール材605で封止基板604を素子基板610と貼り合わせることにより、素子基板610、封止基板604、およびシール材605で囲まれた領域607に発光素子618が備えられた構造になっている。なお、領域607には、充填材が充填されており、不活性気体(窒素やアルゴン等)が充填される場合の他、シール材605に用いることができる紫外線硬化樹脂または熱硬化樹脂で充填される場合もあり、例えば、PVC(ポリビニルクロライド)系樹脂、アクリル系樹脂、ポリイミド系樹脂、エポキシ系樹脂、シリコーン系樹脂、PVB(ポリビニルブチラル)系樹脂、またはEVA(エチレンビニルアセテート)系樹脂を用いることができる。封止基板には凹部を形成し、そこに乾燥剤を設けると水分の影響による劣化を抑制することができ、好ましい構成である。
また、発光素子618と互いに重なるように、光学素子621が封止基板604の下方に設けられる。また、封止基板604の下方には、遮光層622が設けられる。光学素子621及び遮光層622としては、それぞれ、実施の形態3に示す光学素子、及び遮光層と同様の構成とすればよい。
なお、シール材605にはエポキシ系樹脂やガラスフリットを用いるのが好ましい。また、これらの材料はできるだけ水分や酸素を透過しにくい材料であることが望ましい。また、封止基板604に用いる材料としてガラス基板や石英基板の他、FRP(Fiber Reinforced Plastics)、PVF(ポリビニルフロライド)、ポリエステルまたはアクリル等からなるプラスチック基板を用いることができる。
以上のようにして、実施の形態1乃至実施の形態3に記載の発光素子及び光学素子を有する表示装置を得ることができる。
<表示装置の構成例2>
次に、表示装置の別の一例について、図11(A)(B)及び図12を用いて説明を行う。なお、図11(A)(B)及び図12は、本発明の一態様の表示装置の断面図である。
図11(A)には基板1001、下地絶縁膜1002、ゲート絶縁膜1003、ゲート電極1006、1007、1008、第1の層間絶縁膜1020、第2の層間絶縁膜1021、周辺部1042、画素部1040、駆動回路部1041、発光素子の下部電極1024R、1024G、1024B、隔壁1025、EL層1028、発光素子の上部電極1026、封止層1029、封止基板1031、シール材1032などが図示されている。
また、図11(A)では、光学素子の一例として、着色層(赤色の着色層1034R、緑色の着色層1034G、及び青色の着色層1034B)を透明な基材1033に設けている。また、遮光層1035をさらに設けても良い。着色層及び遮光層が設けられた透明な基材1033は、位置合わせし、基板1001に固定する。なお、着色層、及び遮光層は、オーバーコート層1036で覆われている。また、図11(A)においては、着色層を透過する光は赤、緑、青となることから、3色の画素で映像を表現することができる。
図11(B)では、光学素子の一例として、着色層(赤色の着色層1034R、緑色の着色層1034G、青色の着色層1034B)をゲート絶縁膜1003と第1の層間絶縁膜1020との間に形成する例を示している。このように、着色層は基板1001と封止基板1031の間に設けられていても良い。
図12では、光学素子の一例として、着色層(赤色の着色層1034R、緑色の着色層1034G、青色の着色層1034B)を第1の層間絶縁膜1020と第2の層間絶縁膜1021との間に形成する例を示している。このように、着色層は基板1001と封止基板1031の間に設けられていても良い。
また、以上に説明した表示装置では、トランジスタが形成されている基板1001側に光を取り出す構造(ボトムエミッション型)の表示装置としたが、封止基板1031側に発光を取り出す構造(トップエミッション型)の表示装置としても良い。
<表示装置の構成例3>
トップエミッション型の表示装置の断面図の一例を図13(A)(B)に示す。図13(A)(B)は、本発明の一態様の表示装置を説明する断面図であり、図11(A)(B)及び図12に示す駆動回路部1041、周辺部1042等を省略して例示している。
この場合、基板1001は光を通さない基板を用いることができる。トランジスタと発光素子の陽極とを接続する接続電極を作製するまでは、ボトムエミッション型の表示装置と同様に形成する。その後、電極1022を覆うように、第3の層間絶縁膜1037を形成する。この絶縁膜は平坦化の役割を担っていても良い。第3の層間絶縁膜1037は第2の層間絶縁膜と同様の材料の他、他の様々な材料を用いて形成することができる。
発光素子の下部電極1024R、1024G、1024Bはここでは陽極とするが、陰極であっても構わない。また、図13(A)(B)のようなトップエミッション型の表示装置である場合、下部電極1024R、1024G、1024Bは光を反射する機能を有することが好ましい。また、EL層1028上に上部電極1026が設けられる。上部電極1026は光を反射する機能と、光を透過する機能を有し、下部電極1024R、1024G、1024Bと、上部電極1026との間で、マイクロキャビティ構造を採用し、特定波長における光強度を増加させると好ましい。
図13(A)のようなトップエミッションの構造では、着色層(赤色の着色層1034R、緑色の着色層1034G、及び青色の着色層1034B)を設けた封止基板1031で封止を行うことができる。封止基板1031には画素と画素との間に位置するように遮光層1035を設けても良い。なお、封止基板1031は透光性を有する基板を用いると好適である。
また、図13(A)においては、複数の発光素子と、該複数の発光素子にそれぞれ着色層を設ける構成を例示したが、これに限定されない。例えば、図13(B)に示すように、緑色の着色層を設けずに、赤色の着色層1034R、及び青色の着色層1034Bを設けて、赤、緑、青の3色でフルカラー表示を行う構成としてもよい。図13(A)に示すように、発光素子と、該発光素子にそれぞれ着色層を設ける構成とした場合、外光反射を抑制できるといった効果を奏する。一方で、図13(B)に示すように、発光素子と、緑色の着色層を設けずに、赤色の着色層、及び青色の着色層を設ける構成とした場合、緑色の発光素子から射出された光のエネルギー損失が少ないため、消費電力を低くできるといった効果を奏する。
<表示装置の構成例4>
以上に示す表示装置は、3色(赤色、緑色、青色)の副画素を有する構成を示したが、4色(赤色、緑色、青色、黄色、あるいは赤色、緑色、青色、白色)の副画素を有する構成としてもよい。図14乃至図16は、下部電極1024R、1024G、1024B、及び1024Yを有する表示装置の構成である。図14(A)(B)及び図15は、トランジスタが形成されている基板1001側に光を取り出す構造(ボトムエミッション型)の表示装置であり、図16(A)(B)は、封止基板1031側に発光を取り出す構造(トップエミッション型)の表示装置である。
図14(A)は、光学素子(着色層1034R、着色層1034G、着色層1034B、着色層1034Y)を透明な基材1033に設ける表示装置の例である。また、図14(B)は、光学素子(着色層1034R、着色層1034G、着色層1034B、着色層1034Y)をゲート絶縁膜1003と第1の層間絶縁膜1020との間に形成する表示装置の例である。また、図15は、光学素子(着色層1034R、着色層1034G、着色層1034B、着色層1034Y)を第1の層間絶縁膜1020と第2の層間絶縁膜1021との間に形成する表示装置の例である。
着色層1034Rは赤色の光を透過し、着色層1034Gは緑色の光を透過し、着色層1034Bは青色の光を透過する機能を有する。また、着色層1034Yは黄色の光を透過する機能、あるいは青色、緑色、黄色、赤色の中から選ばれる複数の光を透過する機能を有する。着色層1034Yが青色、緑色、黄色、赤色の中から選ばれる複数の光を透過する機能を有する場合、着色層1034Yを透過した光は白色であってもよい。黄色あるいは白色の発光を呈する発光素子は発光効率が高いため、着色層1034Yを有する表示装置は、消費電力を低減することができる。
また、図16に示すトップエミッション型の表示装置においては、下部電極1024Yを有する発光素子においても、図13(A)の表示装置と同様に、上部電極1026との間で、マイクロキャビティ構造を有する構成が好ましい。また、図16(A)の表示装置では、着色層(赤色の着色層1034R、緑色の着色層1034G、青色の着色層1034B、及び黄色の着色層1034Y)を設けた封止基板1031で封止を行うことができる。
マイクロキャビティ、及び黄色の着色層1034Yを介して呈される発光は、黄色の領域に発光スペクトルを有する発光となる。黄色は視感度が高い色であるため、黄色の発光を呈する発光素子は発光効率が高い。すなわち、図16(A)の構成を有する表示装置は、消費電力を低減することができる。
また、図16(A)においては、複数の発光素子と、該複数の発光素子にそれぞれ着色層を設ける構成を例示したが、これに限定されない。例えば、図16(B)に示すように、黄色の着色層を設けずに、赤色の着色層1034R、緑色の着色層1034G、及び青色の着色層1034Bを設けて、赤、緑、青、黄の4色、または赤、緑、青、白の4色でフルカラー表示を行う構成としてもよい。図16(A)に示すように、発光素子と、該発光素子にそれぞれ着色層を設ける構成とした場合、外光反射を抑制できるといった効果を奏する。一方で、図16(B)に示すように、発光素子と、黄色の着色層を設けずに、赤色の着色層、緑色の着色層、及び青色の着色層を設ける構成とした場合、黄色または白色の発光素子から射出された光のエネルギー損失が少ないため、消費電力を低くできるといった効果を奏する。
<表示装置の構成例5>
次に、本発明の他の一態様の表示装置について、図17に示す。図17は、図10(A)の一点鎖線A−B、及び一点鎖線C−Dで切断した断面図である。なお、図17において、図10(B)に示す符号と同様の機能を有する箇所には同様の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
図17に示す表示装置600は、素子基板610、封止基板604、及びシール材605で囲まれた領域607に、封止層607a、封止層607b、封止層607cを有する。封止層607a、封止層607b、封止層607cのいずれか一つまたは複数には、例えば、PVC(ポリビニルクロライド)系樹脂、アクリル系樹脂、ポリイミド系樹脂、エポキシ系樹脂、シリコーン系樹脂、PVB(ポリビニルブチラル)系樹脂、またはEVA(エチレンビニルアセテート)系樹脂等の樹脂を用いることができる。また、酸化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコン、窒化シリコン、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム等の無機材料を用いてもよい。封止層607a、封止層607b、封止層607cを形成することで、水などの不純物による発光素子618の劣化を抑制することができ好ましい。なお、封止層607a、封止層607b、封止層607cを形成する場合、シール材605を設けなくてもよい。
また、封止層607a、封止層607b、封止層607cは、いずれか一つまたは二つであってもよく、4つ以上の封止層が形成されてもよい。封止層を多層にすることで、水などの不純物が、表示装置600の外部から表示装置内部の発光素子618まで侵入するのを効果的に防ぐことができるため好ましい。なお、封止層が多層の場合、樹脂と無機材料とを積層させると好ましい構成である。
<表示装置の構成例6>
また、本実施の形態における構成例1乃至構成例4に示す表示装置は、光学素子を有する構成を例示したが、本発明の一態様としては、光学素子を設けなくてもよい。
図18(A)(B)に示す表示装置は、封止基板1031側に発光を取り出す構造(トップエミッション型)の表示装置である。図18(A)は、発光層1028R、発光層1028G、発光層1028B、を有する表示装置の例である。また、図18(B)は、発光層1028R、発光層1028G、発光層1028B、発光層1028Y、を有する表示装置の例である。
発光層1028Rは、赤色の発光を呈し、発光層1028Gは、緑色の発光を呈し、発光層1028Bは、青色の発光を呈する機能を有する。また、発光層1028Yは、黄色の発光を呈する機能、または青色、緑色、赤色の中から選ばれる複数の発光を呈する機能を有する。発光層1028Yが呈する発光は、白色であってもよい。黄色あるいは白色の発光を呈する発光素子は発光効率が高いため、発光層1028Yを有する表示装置は、消費電力を低減することができる。
図18(A)及び図18(B)に示す表示装置は、異なる色の発光を呈するEL層を副画素に有するため、光学素子となる着色層を設けなくてもよい。
また、封止層1029は、例えば、PVC(ポリビニルクロライド)系樹脂、アクリル系樹脂、ポリイミド系樹脂、エポキシ系樹脂、シリコーン系樹脂、PVB(ポリビニルブチラル)系樹脂、またはEVA(エチレンビニルアセテート)系樹脂等の樹脂を用いることができる。また、酸化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコン、窒化シリコン、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム等の無機材料を用いてもよい。封止層1029を形成することで、水などの不純物による発光素子の劣化を抑制することができ好ましい。
また、封止層1029は、いずれか一つまたは二つであってもよく、4つ以上の封止層が形成されてもよい。封止層を多層にすることで、水などの不純物が、表示装置の外部から表示装置内部まで侵入するのを効果的に防ぐことができるため好ましい。なお、封止層が多層の場合、樹脂と無機材料とを積層させると好ましい構成である。
なお、封止基板1031は、発光素子を保護する機能を有するものであればよい。そのため、封止基板1031には、可撓性を有する基板やフィルムを用いることができる。
なお、本実施の形態に示す構成は、他の実施の形態や本実施の形態中の他の構成と適宜組み合わせることが可能である。
(実施の形態5)
本実施の形態では、本発明の一態様の発光素子を有する表示装置について、図19乃至図21を用いて説明を行う。
なお、図19(A)は、本発明の一態様の表示装置を説明するブロック図であり、図19(B)は、本発明の一態様の表示装置が有する画素回路を説明する回路図である。
<表示装置に関する説明>
図19(A)に示す表示装置は、表示素子の画素を有する領域(以下、画素部802という)と、画素部802の外側に配置され、画素を駆動するための回路を有する回路部(以下、駆動回路部804という)と、素子の保護機能を有する回路(以下、保護回路806という)と、端子部807と、を有する。なお、保護回路806は、設けない構成としてもよい。
駆動回路部804の一部、または全部は、画素部802と同一基板上に形成されていることが望ましい。これにより、部品数や端子数を減らすことが出来る。駆動回路部804の一部、または全部が、画素部802と同一基板上に形成されていない場合には、駆動回路部804の一部、または全部は、COGやTAB(Tape Automated Bonding)によって、実装することができる。
画素部802は、X行(Xは2以上の自然数)Y列(Yは2以上の自然数)に配置された複数の表示素子を駆動するための回路(以下、画素回路801という)を有し、駆動回路部804は、画素を選択する信号(走査信号)を出力する回路(以下、走査線駆動回路804aという)、画素の表示素子を駆動するための信号(データ信号)を供給するための回路(以下、信号線駆動回路804b)などの駆動回路を有する。
走査線駆動回路804aは、シフトレジスタ等を有する。走査線駆動回路804aは、端子部807を介して、シフトレジスタを駆動するための信号が入力され、信号を出力する。例えば、走査線駆動回路804aは、スタートパルス信号、クロック信号等が入力され、パルス信号を出力する。走査線駆動回路804aは、走査信号が与えられる配線(以下、走査線GL_1乃至GL_Xという)の電位を制御する機能を有する。なお、走査線駆動回路804aを複数設け、複数の走査線駆動回路804aにより、走査線GL_1乃至GL_Xを分割して制御してもよい。または、走査線駆動回路804aは、初期化信号を供給することができる機能を有する。ただし、これに限定されず、走査線駆動回路804aは、別の信号を供給することも可能である。
信号線駆動回路804bは、シフトレジスタ等を有する。信号線駆動回路804bは、端子部807を介して、シフトレジスタを駆動するための信号の他、データ信号の元となる信号(画像信号)が入力される。信号線駆動回路804bは、画像信号を元に画素回路801に書き込むデータ信号を生成する機能を有する。また、信号線駆動回路804bは、スタートパルス、クロック信号等が入力されて得られるパルス信号に従って、データ信号の出力を制御する機能を有する。また、信号線駆動回路804bは、データ信号が与えられる配線(以下、データ線DL_1乃至DL_Yという)の電位を制御する機能を有する。または、信号線駆動回路804bは、初期化信号を供給することができる機能を有する。ただし、これに限定されず、信号線駆動回路804bは、別の信号を供給することも可能である。
信号線駆動回路804bは、例えば複数のアナログスイッチなどを用いて構成される。信号線駆動回路804bは、複数のアナログスイッチを順次オン状態にすることにより、画像信号を時分割した信号をデータ信号として出力できる。また、シフトレジスタなどを用いて信号線駆動回路804bを構成してもよい。
複数の画素回路801のそれぞれは、走査信号が与えられる複数の走査線GLの一つを介してパルス信号が入力され、データ信号が与えられる複数のデータ線DLの一つを介してデータ信号が入力される。また、複数の画素回路801のそれぞれは、走査線駆動回路804aによりデータ信号のデータの書き込み及び保持が制御される。例えば、m行n列目の画素回路801は、走査線GL_m(mはX以下の自然数)を介して走査線駆動回路804aからパルス信号が入力され、走査線GL_mの電位に応じてデータ線DL_n(nはY以下の自然数)を介して信号線駆動回路804bからデータ信号が入力される。
図19(A)に示す保護回路806は、例えば、走査線駆動回路804aと画素回路801の間の配線である走査線GLに接続される。または、保護回路806は、信号線駆動回路804bと画素回路801の間の配線であるデータ線DLに接続される。または、保護回路806は、走査線駆動回路804aと端子部807との間の配線に接続することができる。または、保護回路806は、信号線駆動回路804bと端子部807との間の配線に接続することができる。なお、端子部807は、外部の回路から表示装置に電源及び制御信号、及び画像信号を入力するための端子が設けられた部分をいう。
保護回路806は、自身が接続する配線に一定の範囲外の電位が与えられた場合に、該配線と別の配線とを導通状態にする回路である。
図19(A)に示すように、画素部802と駆動回路部804にそれぞれ保護回路806を設けることにより、ESD(Electro Static Discharge:静電気放電)などにより発生する過電流に対する表示装置の耐性を高めることができる。ただし、保護回路806の構成はこれに限定されず、例えば、走査線駆動回路804aに保護回路806を接続した構成、または信号線駆動回路804bに保護回路806を接続した構成とすることもできる。あるいは、端子部807に保護回路806を接続した構成とすることもできる。
また、図19(A)においては、走査線駆動回路804aと信号線駆動回路804bによって駆動回路部804を形成している例を示しているが、この構成に限定されない。例えば、走査線駆動回路804aのみを形成し、別途用意された信号線駆動回路が形成された基板(例えば、単結晶半導体膜、多結晶半導体膜で形成された駆動回路基板)を実装する構成としても良い。
<画素回路の構成例>
図19(A)に示す複数の画素回路801は、例えば、図19(B)に示す構成とすることができる。
図19(B)に示す画素回路801は、トランジスタ852、854と、容量素子862と、発光素子872と、を有する。
トランジスタ852のソース電極及びドレイン電極の一方は、データ信号が与えられる配線(データ線DL_n)に電気的に接続される。さらに、トランジスタ852のゲート電極は、ゲート信号が与えられる配線(走査線GL_m)に電気的に接続される。
トランジスタ852は、データ信号のデータの書き込みを制御する機能を有する。
容量素子862の一対の電極の一方は、電位が与えられる配線(以下、電位供給線VL_aという)に電気的に接続され、他方は、トランジスタ852のソース電極及びドレイン電極の他方に電気的に接続される。
容量素子862は、書き込まれたデータを保持する保持容量としての機能を有する。
トランジスタ854のソース電極及びドレイン電極の一方は、電位供給線VL_aに電気的に接続される。さらに、トランジスタ854のゲート電極は、トランジスタ852のソース電極及びドレイン電極の他方に電気的に接続される。
発光素子872のアノード及びカソードの一方は、電位供給線VL_bに電気的に接続され、他方は、トランジスタ854のソース電極及びドレイン電極の他方に電気的に接続される。
発光素子872としては、実施の形態1乃至実施の形態3に示す発光素子を用いることができる。
なお、電位供給線VL_a及び電位供給線VL_bの一方には、高電源電位VDDが与えられ、他方には、低電源電位VSSが与えられる。
図19(B)の画素回路801を有する表示装置では、例えば、図19(A)に示す走査線駆動回路804aにより各行の画素回路801を順次選択し、トランジスタ852をオン状態にしてデータ信号のデータを書き込む。
データが書き込まれた画素回路801は、トランジスタ852がオフ状態になることで保持状態になる。さらに、書き込まれたデータ信号の電位に応じてトランジスタ854のソース電極とドレイン電極の間に流れる電流量が制御され、発光素子872は、流れる電流量に応じた輝度で発光する。これを行毎に順次行うことにより、画像を表示できる。
また、画素回路に、トランジスタのしきい値電圧等の変動の影響を補正する機能を持たせてもよい。図20(A)(B)及び図21(A)(B)に画素回路の一例を示す。
図20(A)に示す画素回路は、6つのトランジスタ(トランジスタ303_1乃至303_6)と、容量素子304と、発光素子305と、を有する。また、図20(A)に示す画素回路には、配線301_1乃至301_5、並びに配線302_1及び配線302_2が電気的に接続されている。なお、トランジスタ303_1乃至303_6については、例えばPチャネル型のトランジスタを用いることができる。
図20(B)に示す画素回路は、図20(A)に示す画素回路に、トランジスタ303_7を追加した構成である。また、図20(B)に示す画素回路には、配線301_6及び配線301_7が電気的に接続されている。ここで、配線301_5と配線301_6とは、それぞれ電気的に接続されていてもよい。なお、トランジスタ303_7については、例えばPチャネル型のトランジスタを用いることができる。
図21(A)に示す画素回路は、6つのトランジスタ(トランジスタ308_1乃至308_6)と、容量素子304と、発光素子305と、を有する。また、図21(A)に示す画素回路には、配線306_1乃至306_3、並びに配線307_1乃至307_3が電気的に接続されている。ここで配線306_1と配線306_3とは、それぞれ電気的に接続されていてもよい。なお、トランジスタ308_1乃至308_6については、例えばPチャネル型のトランジスタを用いることができる。
図21(B)に示す画素回路は、2つのトランジスタ(トランジスタ309_1及びトランジスタ309_2)と、2つの容量素子(容量素子304_1及び容量素子304_2)と、発光素子305と、を有する。また、図21(B)に示す画素回路には、配線311_1乃至配線311_3、配線312_1、及び配線312_2が電気的に接続されている。また、図21(B)に示す画素回路の構成とすることで、例えば、電圧入力−電流駆動方式(CVCC方式ともいう)とすることができる。なお、トランジスタ309_1及び309_2については、例えばPチャネル型のトランジスタを用いることができる。
また、本発明の一態様の発光素子は、表示装置の画素に能動素子を有するアクティブマトリクス方式、または、表示装置の画素に能動素子を有しないパッシブマトリクス方式のそれぞれの方式に適用することができる。
アクティブマトリクス方式では、能動素子(アクティブ素子、非線形素子)として、トランジスタだけでなく、さまざまな能動素子(アクティブ素子、非線形素子)を用いることが出来る。例えば、MIM(Metal Insulator Metal)、又はTFD(Thin Film Diode)などを用いることも可能である。これらの素子は、製造工程が少ないため、製造コストの低減、又は歩留まりの向上を図ることができる。または、これらの素子は、素子のサイズが小さいため、開口率を向上させることができ、低消費電力化や高輝度化をはかることが出来る。
アクティブマトリクス方式以外のものとして、能動素子(アクティブ素子、非線形素子)を用いないパッシブマトリクス型を用いることも可能である。能動素子(アクティブ素子、非線形素子)を用いないため、製造工程が少ないため、製造コストの低減、又は歩留まりの向上を図ることができる。または、能動素子(アクティブ素子、非線形素子)を用いないため、開口率を向上させることができ、低消費電力化、又は高輝度化などを図ることが出来る。
本実施の形態に示す構成は、他の実施の形態に示す構成と適宜組み合わせて用いることができる。
(実施の形態6)
本実施の形態においては、本発明の一態様の発光素子を有する表示装置、及び該表示装置に入力装置を取り付けた電子機器について、図22乃至図26を用いて説明を行う。
<タッチパネルに関する説明1>
なお、本実施の形態において、電子機器の一例として、表示装置と、入力装置とを合わせたタッチパネル2000について説明する。また、入力装置の一例として、タッチセンサを有する場合について説明する。
図22(A)(B)は、タッチパネル2000の斜視図である。なお、図22(A)(B)において、明瞭化のため、タッチパネル2000の代表的な構成要素を示す。
タッチパネル2000は、表示装置2501とタッチセンサ2595とを有する(図22(B)参照)。また、タッチパネル2000は、基板2510、基板2570、及び基板2590を有する。なお、基板2510、基板2570、及び基板2590はいずれも可撓性を有する。ただし、基板2510、基板2570、及び基板2590のいずれか一つまたは全てが可撓性を有さない構成としてもよい。
表示装置2501は、基板2510上に複数の画素及び該画素に信号を供給することができる複数の配線2511を有する。複数の配線2511は、基板2510の外周部にまで引き回され、その一部が端子2519を構成している。端子2519はFPC2509(1)と電気的に接続する。また、複数の配線2511は、信号線駆動回路2503s(1)からの信号を複数の画素に供給することができる。
基板2590は、タッチセンサ2595と、タッチセンサ2595と電気的に接続する複数の配線2598とを有する。複数の配線2598は、基板2590の外周部に引き回され、その一部は端子を構成する。そして、該端子はFPC2509(2)と電気的に接続される。なお、図22(B)では明瞭化のため、基板2590の裏面側(基板2510と対向する面側)に設けられるタッチセンサ2595の電極や配線等を実線で示している。
タッチセンサ2595として、例えば静電容量方式のタッチセンサを適用できる。静電容量方式としては、表面型静電容量方式、投影型静電容量方式等がある。
投影型静電容量方式としては、主に駆動方式の違いから自己容量方式、相互容量方式などがある。相互容量方式を用いると同時多点検出が可能となるため好ましい。
なお、図22(B)に示すタッチセンサ2595は、投影型静電容量方式のタッチセンサを適用した構成である。
なお、タッチセンサ2595には、指等の検知対象の近接または接触を検知することができる、様々なセンサを適用することができる。
投影型静電容量方式のタッチセンサ2595は、電極2591と電極2592とを有する。電極2591は、複数の配線2598のいずれかと電気的に接続し、電極2592は複数の配線2598の他のいずれかと電気的に接続する。
電極2592は、図22(A)(B)に示すように、一方向に繰り返し配置された複数の四辺形が角部で接続される形状を有する。
電極2591は四辺形であり、電極2592が延在する方向と交差する方向に繰り返し配置されている。
配線2594は、電極2592を挟む二つの電極2591と電気的に接続する。この場合、電極2592と配線2594の交差部の面積ができるだけ小さくなる形状が好ましい。これにより、電極が設けられていない領域の面積を低減でき、透過率のバラツキを低減できる。その結果、タッチセンサ2595を透過する光の輝度のバラツキを低減することができる。
なお、電極2591及び電極2592の形状はこれに限定されず、様々な形状を取りうる。例えば、複数の電極2591をできるだけ隙間が生じないように配置し、絶縁層を介して電極2592を、電極2591と重ならない領域ができるように離間して複数設ける構成としてもよい。この場合、隣接する2つの電極2592の間に、これらとは電気的に絶縁されたダミー電極を設けると、透過率の異なる領域の面積を低減できるため好ましい。
<表示装置に関する説明>
次に、図23(A)を用いて、表示装置2501の詳細について説明する。図23(A)は、図22(B)に示す一点鎖線X1−X2間の断面図に相当する。
表示装置2501は、マトリクス状に配置された複数の画素を有する。該画素は表示素子と、該表示素子を駆動する画素回路とを有する。
以下の説明においては、白色の光を射出する発光素子を表示素子に適用する場合について説明するが、表示素子はこれに限定されない。例えば、隣接する画素毎に射出する光の色が異なるように、発光色が異なる発光素子を適用してもよい。
基板2510及び基板2570としては、例えば、水蒸気の透過率が1×10−5g・m−2・day−1以下、好ましくは1×10−6g・m−2・day−1以下である可撓性を有する材料を好適に用いることができる。または、基板2510の熱膨張率と、基板2570の熱膨張率とが、およそ等しい材料を用いると好適である。例えば、線膨張率が1×10−3/K以下、好ましくは5×10−5/K以下、より好ましくは1×10−5/K以下である材料を好適に用いることができる。
なお、基板2510は、発光素子への不純物の拡散を防ぐ絶縁層2510aと、可撓性基板2510bと、絶縁層2510a及び可撓性基板2510bを貼り合わせる接着層2510cと、を有する積層体である。また、基板2570は、発光素子への不純物の拡散を防ぐ絶縁層2570aと、可撓性基板2570bと、絶縁層2570a及び可撓性基板2570bを貼り合わせる接着層2570cと、を有する積層体である。
接着層2510c及び接着層2570cとしては、例えば、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリアミド(ナイロン、アラミド等)、ポリイミド、ポリカーボネートまたはアクリル樹脂、ポリウレタン、エポキシ樹脂を用いることができる。もしくは、シリコーンなどのシロキサン結合を有する樹脂を含む材料を用いることができる。
また、基板2510と基板2570との間に封止層2560を有する。封止層2560は、空気より大きい屈折率を有すると好ましい。また、図23(A)に示すように、封止層2560側に光を取り出す場合は、封止層2560は光学的な接合層を兼ねることができる。
また、封止層2560の外周部にシール材を形成してもよい。当該シール材を用いることにより、基板2510、基板2570、封止層2560、及びシール材で囲まれた領域に発光素子2550Rを有する構成とすることができる。なお、封止層2560として、不活性気体(窒素やアルゴン等)を充填してもよい。また、当該不活性気体内に、乾燥剤を設けて、水分等を吸着させる構成としてもよい。あるいは、アクリルやエポキシ等の樹脂によって充填してもよい。また、上述のシール材としては、例えば、エポキシ系樹脂やガラスフリットを用いるのが好ましい。また、シール材に用いる材料としては、水分や酸素を透過しない材料を用いると好適である。
また、表示装置2501は、画素2502Rを有する。また、画素2502Rは発光モジュール2580Rを有する。
画素2502Rは、発光素子2550Rと、発光素子2550Rに電力を供給することができるトランジスタ2502tとを有する。なお、トランジスタ2502tは、画素回路の一部として機能する。また、発光モジュール2580Rは、発光素子2550Rと、着色層2567Rとを有する。
発光素子2550Rは、下部電極と、上部電極と、下部電極と上部電極の間にEL層とを有する。発光素子2550Rとして、例えば、実施の形態1乃至実施の形態3に示す発光素子を適用することができる。
また、下部電極と上部電極との間で、マイクロキャビティ構造を採用し、特定波長における光強度を増加させてもよい。
また、封止層2560が光を取り出す側に設けられている場合、封止層2560は、発光素子2550Rと着色層2567Rに接する。
着色層2567Rは、発光素子2550Rと重なる位置にある。これにより、発光素子2550Rが発する光の一部は着色層2567Rを透過して、図中に示す矢印の方向の発光モジュール2580Rの外部に射出される。
また、表示装置2501には、光を射出する方向に遮光層2567BMが設けられる。遮光層2567BMは、着色層2567Rを囲むように設けられている。
着色層2567Rとしては、特定の波長領域の光を透過する機能を有していればよく、例えば、赤色の波長領域の光を透過するカラーフィルタ、緑色の波長領域の光を透過するカラーフィルタ、青色の波長領域の光を透過するカラーフィルタ、黄色の波長領域の光を透過するカラーフィルタなどを用いることができる。各カラーフィルタは、様々な材料を用いて、印刷法、インクジェット法、フォトリソグラフィ技術を用いたエッチング方法などで形成することができる。
また、表示装置2501には、絶縁層2521が設けられる。絶縁層2521はトランジスタ2502tを覆う。なお、絶縁層2521は、画素回路に起因する凹凸を平坦化するための機能を有する。また、絶縁層2521に不純物の拡散を抑制できる機能を付与してもよい。これにより、不純物の拡散によるトランジスタ2502t等の信頼性の低下を抑制できる。
また、発光素子2550Rは、絶縁層2521の上方に形成される。また、発光素子2550Rが有する下部電極には、該下部電極の端部に重なる隔壁2528が設けられる。なお、基板2510と、基板2570との間隔を制御するスペーサを、隔壁2528上に形成してもよい。
走査線駆動回路2503g(1)は、トランジスタ2503tと、容量素子2503cとを有する。なお、駆動回路を画素回路と同一の工程で同一基板上に形成することができる。
また、基板2510上には、信号を供給することができる配線2511が設けられる。また、配線2511上には、端子2519が設けられる。また、端子2519には、FPC2509(1)が電気的に接続される。また、FPC2509(1)は、ビデオ信号、クロック信号、スタート信号、リセット信号等を供給する機能を有する。なお、FPC2509(1)にはプリント配線基板(PWB)が取り付けられていても良い。
また、表示装置2501には、様々な構造のトランジスタを適用することができる。図23(A)においては、ボトムゲート型のトランジスタを適用する場合について、例示しているが、これに限定されず、例えば、図23(B)に示す、トップゲート型のトランジスタを表示装置2501に適用する構成としてもよい。
また、トランジスタ2502t及びトランジスタ2503tの極性については、特に限定はなく、Nチャネル型およびPチャネル型のトランジスタを有する構造、Nチャネル型のトランジスタまたはPチャネル型のトランジスタのいずれか一方のみからなる構造を用いてもよい。また、トランジスタ2502t及び2503tに用いられる半導体膜の結晶性についても特に限定はない。例えば、非晶質半導体膜、結晶性半導体膜を用いることができる。また、半導体材料としては、14族の半導体(例えば、ケイ素を有する半導体)、化合物半導体(酸化物半導体を含む)、有機半導体等を用いることができる。トランジスタ2502t及びトランジスタ2503tのいずれか一方または双方に、エネルギーギャップが2eV以上、好ましくは2.5eV以上、さらに好ましくは3eV以上の酸化物半導体を用いることで、トランジスタのオフ電流を低減することができるため好ましい。当該酸化物半導体としては、In−Ga酸化物、In−M−Zn酸化物(Mは、Al、Ga、Y、Zr、La、Ce、Sn、Hf、またはNdを表す)等が挙げられる。
<タッチセンサに関する説明>
次に、図23(C)を用いて、タッチセンサ2595の詳細について説明する。図23(C)は、図22(B)に示す一点鎖線X3−X4間の断面図に相当する。
タッチセンサ2595は、基板2590上に千鳥状に配置された電極2591及び電極2592と、電極2591及び電極2592を覆う絶縁層2593と、隣り合う電極2591を電気的に接続する配線2594とを有する。
電極2591及び電極2592は、透光性を有する導電材料を用いて形成する。透光性を有する導電性材料としては、酸化インジウム、インジウム錫酸化物、インジウム亜鉛酸化物、酸化亜鉛、ガリウムを添加した酸化亜鉛などの導電性酸化物を用いることができる。なお、グラフェンを含む膜を用いることもできる。グラフェンを含む膜は、例えば膜状に形成された酸化グラフェンを含む膜を還元して形成することができる。還元する方法としては、熱を加える方法等を挙げることができる。
例えば、透光性を有する導電性材料を基板2590上にスパッタリング法により成膜した後、フォトリソグラフィ法等の様々なパターン形成技術により、不要な部分を除去して、電極2591及び電極2592を形成することができる。
また、絶縁層2593に用いる材料としては、例えば、アクリル樹脂、エポキシ樹脂などの樹脂、シリコーンなどのシロキサン結合を有する樹脂の他、酸化シリコン、酸化窒化シリコン、酸化アルミニウムなどの無機絶縁材料を用いることもできる。
また、電極2591に達する開口が絶縁層2593に設けられ、配線2594が隣接する電極2591と電気的に接続する。透光性の導電性材料は、タッチパネルの開口率を高めることができるため、配線2594に好適に用いることができる。また、電極2591及び電極2592より導電性の高い材料は、電気抵抗を低減できるため配線2594に好適に用いることができる。
電極2592は、一方向に延在し、複数の電極2592がストライプ状に設けられている。また、配線2594は電極2592と交差して設けられている。
一対の電極2591が1つの電極2592を挟んで設けられる。また、配線2594は一対の電極2591を電気的に接続している。
なお、複数の電極2591は、1つの電極2592と必ずしも直交する方向に配置される必要はなく、0度より大きく90度未満の角度をなすように配置されてもよい。
また、配線2598は、電極2591または電極2592と電気的に接続される。また、配線2598の一部は、端子として機能する。配線2598としては、例えば、アルミニウム、金、白金、銀、ニッケル、チタン、タングステン、クロム、モリブデン、鉄、コバルト、銅、またはパラジウム等の金属材料や、該金属材料を含む合金材料を用いることができる。
なお、絶縁層2593及び配線2594を覆う絶縁層を設けて、タッチセンサ2595を保護してもよい。
また、接続層2599は、配線2598とFPC2509(2)を電気的に接続させる。
接続層2599としては、異方性導電フィルム(ACF:Anisotropic Conductive Film)や、異方性導電ペースト(ACP:Anisotropic Conductive Paste)などを用いることができる。
<タッチパネルに関する説明2>
次に、図24(A)を用いて、タッチパネル2000の詳細について説明する。図24(A)は、図22(A)に示す一点鎖線X5−X6間の断面図に相当する。
図24(A)に示すタッチパネル2000は、図23(A)で説明した表示装置2501と、図23(C)で説明したタッチセンサ2595と、を貼り合わせた構成である。
また、図24(A)に示すタッチパネル2000は、図23(A)及び図23(C)で説明した構成の他、接着層2597と、反射防止層2567pと、を有する。
接着層2597は、配線2594と接して設けられる。なお、接着層2597は、タッチセンサ2595が表示装置2501に重なるように、基板2590を基板2570に貼り合わせている。また、接着層2597は、透光性を有すると好ましい。また、接着層2597としては、熱硬化性樹脂、または紫外線硬化樹脂を用いることができる。例えば、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、またはシロキサン系樹脂を用いることができる。
反射防止層2567pは、画素に重なる位置に設けられる。反射防止層2567pとして、例えば円偏光板を用いることができる。
次に、図24(A)に示す構成と異なる構成のタッチパネルについて、図24(B)を用いて説明する。
図24(B)は、タッチパネル2001の断面図である。図24(B)に示すタッチパネル2001は、図24(A)に示すタッチパネル2000と、表示装置2501に対するタッチセンサ2595の位置が異なる。ここでは異なる構成について詳細に説明し、同様の構成を用いることができる部分は、タッチパネル2000の説明を援用する。
着色層2567Rは、発光素子2550Rと重なる位置にある。また、図24(B)に示す発光素子2550Rは、トランジスタ2502tが設けられている側に光を射出する。これにより、発光素子2550Rが発する光の一部は、着色層2567Rを透過して、図中に示す矢印の方向の発光モジュール2580Rの外部に射出される。
また、タッチセンサ2595は、表示装置2501の基板2510側に設けられている。
接着層2597は、基板2510と基板2590の間にあり、表示装置2501とタッチセンサ2595を貼り合わせる。
図24(A)(B)に示すように、発光素子から射出される光は、基板2510及び基板2570のいずれか一方または双方を通して射出されればよい。
<タッチパネルの駆動方法に関する説明>
次に、タッチパネルの駆動方法の一例について、図25(A)(B)を用いて説明を行う。
図25(A)は、相互容量方式のタッチセンサの構成を示すブロック図である。図25(A)では、パルス電圧出力回路2601、電流検出回路2602を示している。なお、図25(A)では、パルス電圧が与えられる電極2621をX1−X6として、電流の変化を検知する電極2622をY1−Y6として、それぞれ6本の配線で例示している。また、図25(A)は、電極2621と、電極2622とが重畳することで形成される容量2603を示している。なお、電極2621と電極2622とはその機能を互いに置き換えてもよい。
パルス電圧出力回路2601は、X1−X6の配線に順にパルスを印加するための回路である。X1−X6の配線にパルス電圧が印加されることで、容量2603を形成する電極2621と電極2622との間に電界が生じる。この電極間に生じる電界が遮蔽等により容量2603の相互容量に変化を生じさせることを利用して、被検知体の近接、または接触を検出することができる。
電流検出回路2602は、容量2603での相互容量の変化による、Y1−Y6の配線での電流の変化を検出するための回路である。Y1−Y6の配線では、被検知体の近接、または接触がないと検出される電流値に変化はないが、検出する被検知体の近接、または接触により相互容量が減少する場合には電流値が減少する変化を検出する。なお電流の検出は、積分回路等を用いて行えばよい。
次に、図25(B)には、図25(A)で示す相互容量方式のタッチセンサにおける入出力波形のタイミングチャートを示す。図25(B)では、1フレーム期間で各行列での被検知体の検出を行う。また図25(B)では、被検知体を検出しない場合(非タッチ)と被検知体を検出する場合(タッチ)との2つの場合について示している。なお、図25(B)では、Y1−Y6の配線で検出される電流値に対応する電圧値の波形を示している。
X1−X6の配線には、順にパルス電圧が与えられ、該パルス電圧にしたがってY1−Y6の配線での波形が変化する。被検知体の近接または接触がない場合には、X1−X6の配線の電圧の変化に応じてY1−Y6の波形が一様に変化する。一方、被検知体が近接または接触する箇所では、電流値が減少するため、これに対応する電圧値の波形も変化する。
このように、相互容量の変化を検出することにより、被検知体の近接または接触を検知することができる。
<センサ回路に関する説明>
また、図25(A)ではタッチセンサとして配線の交差部に容量2603のみを設けるパッシブマトリクス型のタッチセンサの構成を示したが、トランジスタと容量とを有するアクティブマトリクス型のタッチセンサとしてもよい。アクティブマトリクス型のタッチセンサに含まれるセンサ回路の一例を図26に示す。
図26に示すセンサ回路は、容量2603と、トランジスタ2611と、トランジスタ2612と、トランジスタ2613とを有する。
トランジスタ2613はゲートに信号G2が与えられ、ソースまたはドレインの一方に電圧VRESが与えられ、他方が容量2603の一方の電極およびトランジスタ2611のゲートと電気的に接続する。トランジスタ2611は、ソースまたはドレインの一方がトランジスタ2612のソースまたはドレインの一方と電気的に接続し、他方に電圧VSSが与えられる。トランジスタ2612は、ゲートに信号G1が与えられ、ソースまたはドレインの他方が配線MLと電気的に接続する。容量2603の他方の電極には電圧VSSが与えられる。
次に、図26に示すセンサ回路の動作について説明する。まず、信号G2としてトランジスタ2613をオン状態とする電位が与えられることで、トランジスタ2611のゲートが接続されるノードnに電圧VRESに対応した電位が与えられる。次に、信号G2としてトランジスタ2613をオフ状態とする電位が与えられることで、ノードnの電位が保持される。
続いて、指等の被検知体の近接または接触により、容量2603の相互容量が変化することに伴い、ノードnの電位がVRESから変化する。
読み出し動作は、信号G1にトランジスタ2612をオン状態とする電位を与える。ノードnの電位に応じてトランジスタ2611に流れる電流、すなわち配線MLに流れる電流が変化する。この電流を検出することにより、被検知体の近接または接触を検出することができる。
トランジスタ2611、トランジスタ2612、及びトランジスタ2613としては、酸化物半導体層をチャネル領域が形成される半導体層に用いることが好ましい。とくにトランジスタ2613にこのようなトランジスタを適用することにより、ノードnの電位を長期間に亘って保持することが可能となり、ノードnにVRESを供給しなおす動作(リフレッシュ動作)の頻度を減らすことができる。
本実施の形態に示す構成は、他の実施の形態に示す構成と適宜組み合わせて用いることができる。
(実施の形態7)
本実施の形態では、本発明の一態様の発光素子を有する表示モジュール及び電子機器について、図27乃至図31を用いて説明を行う。
<表示モジュールに関する説明>
図27に示す表示モジュール8000は、上部カバー8001と下部カバー8002との間に、FPC8003に接続されたタッチセンサ8004、FPC8005に接続された表示装置8006、フレーム8009、プリント基板8010、バッテリ8011を有する。
本発明の一態様の発光素子は、例えば、表示装置8006に用いることができる。
上部カバー8001及び下部カバー8002は、タッチセンサ8004及び表示装置8006のサイズに合わせて、形状や寸法を適宜変更することができる。
タッチセンサ8004は、抵抗膜方式または静電容量方式のタッチセンサを表示装置8006に重畳して用いることができる。また、表示装置8006の対向基板(封止基板)に、タッチセンサ機能を持たせるようにすることも可能である。また、表示装置8006の各画素内に光センサを設け、光学式のタッチセンサとすることも可能である。
フレーム8009は、表示装置8006の保護機能の他、プリント基板8010の動作により発生する電磁波を遮断するための電磁シールドとしての機能を有する。またフレーム8009は、放熱板としての機能を有していてもよい。
プリント基板8010は、電源回路、ビデオ信号及びクロック信号を出力するための信号処理回路を有する。電源回路に電力を供給する電源としては、外部の商用電源であっても良いし、別途設けたバッテリ8011による電源であってもよい。バッテリ8011は、商用電源を用いる場合には、省略可能である。
また、表示モジュール8000は、偏光板、位相差板、プリズムシートなどの部材を追加して設けてもよい。
<電子機器に関する説明>
図28(A)乃至図28(G)は、電子機器を示す図である。これらの電子機器は、筐体9000、表示部9001、スピーカ9003、操作キー9005(電源スイッチ、又は操作スイッチを含む)、接続端子9006、センサ9007(力、変位、位置、速度、加速度、角速度、回転数、距離、光、液、磁気、温度、化学物質、音声、時間、硬度、電場、電流、電圧、電力、放射線、流量、湿度、傾度、振動、におい又は赤外線を測定する機能を含むもの)、マイクロフォン9008、等を有することができる。また、センサ9007は、脈拍センサや指紋センサ等のように生体情報を測定する機能を有してもよい。
図28(A)乃至図28(G)に示す電子機器は、様々な機能を有することができる。例えば、様々な情報(静止画、動画、テキスト画像など)を表示部に表示する機能、タッチセンサ機能、カレンダー、日付または時刻などを表示する機能、様々なソフトウェア(プログラム)によって処理を制御する機能、無線通信機能、無線通信機能を用いて様々なコンピュータネットワークに接続する機能、無線通信機能を用いて様々なデータの送信または受信を行う機能、記録媒体に記録されているプログラムまたはデータを読み出して表示部に表示する機能、等を有することができる。なお、図28(A)乃至図28(G)に示す電子機器が有することのできる機能はこれらに限定されず、様々な機能を有することができる。また、図28(A)乃至図28(G)には図示していないが、電子機器には、複数の表示部を有する構成としてもよい。また、該電子機器にカメラ等を設け、静止画を撮影する機能、動画を撮影する機能、撮影した画像を記録媒体(外部またはカメラに内蔵)に保存する機能、撮影した画像を表示部に表示する機能、等を有していてもよい。
図28(A)乃至図28(G)に示す電子機器の詳細について、以下説明を行う。
図28(A)は、携帯情報端末9100を示す斜視図である。携帯情報端末9100が有する表示部9001は、可撓性を有する。そのため、湾曲した筐体9000の湾曲面に沿って表示部9001を組み込むことが可能である。また、表示部9001はタッチセンサを備え、指やスタイラスなどで画面に触れることで操作することができる。例えば、表示部9001に表示されたアイコンに触れることで、アプリケーションを起動することができる。
図28(B)は、携帯情報端末9101を示す斜視図である。携帯情報端末9101は、例えば電話機、手帳又は情報閲覧装置等から選ばれた一つ又は複数の機能を有する。具体的には、スマートフォンとして用いることができる。なお、携帯情報端末9101は、スピーカ9003、接続端子9006、センサ9007等を省略して図示しているが、図28(A)に示す携帯情報端末9100と同様の位置に設けることができる。また、携帯情報端末9101は、文字や画像情報をその複数の面に表示することができる。例えば、3つの操作ボタン9050(操作アイコンまたは単にアイコンともいう)を表示部9001の一の面に表示することができる。また、破線の矩形で示す情報9051を表示部9001の他の面に表示することができる。なお、情報9051の一例としては、電子メールやSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)や電話などの着信を知らせる表示、電子メールやSNSなどの題名、電子メールやSNSなどの送信者名、日時、時刻、バッテリの残量、電波等の受信信号の強度を示す表示などがある。または、情報9051が表示されている位置に、情報9051の代わりに、操作ボタン9050などを表示してもよい。
図28(C)は、携帯情報端末9102を示す斜視図である。携帯情報端末9102は、表示部9001の3面以上に情報を表示する機能を有する。ここでは、情報9052、情報9053、情報9054がそれぞれ異なる面に表示されている例を示す。例えば、携帯情報端末9102の使用者は、洋服の胸ポケットに携帯情報端末9102を収納した状態で、その表示(ここでは情報9053)を確認することができる。具体的には、着信した電話の発信者の電話番号又は氏名等を、携帯情報端末9102の上方から観察できる位置に表示する。使用者は、携帯情報端末9102をポケットから取り出すことなく、表示を確認し、電話を受けるか否かを判断できる。
図28(D)は、腕時計型の携帯情報端末9200を示す斜視図である。携帯情報端末9200は、移動電話、電子メール、文章閲覧及び作成、音楽再生、インターネット通信、コンピュータゲームなどの種々のアプリケーションを実行することができる。また、表示部9001はその表示面が湾曲して設けられ、湾曲した表示面に沿って表示を行うことができる。また、携帯情報端末9200は、通信規格された近距離無線通信を実行することが可能である。例えば無線通信可能なヘッドセットと相互通信することによって、ハンズフリーで通話することもできる。また、携帯情報端末9200は、接続端子9006を有し、他の情報端末とコネクターを介して直接データのやりとりを行うことができる。また接続端子9006を介して充電を行うこともできる。なお、充電動作は接続端子9006を介さずに無線給電により行ってもよい。
図28(E)(F)(G)は、折り畳み可能な携帯情報端末9201を示す斜視図である。また、図28(E)が携帯情報端末9201を展開した状態の斜視図であり、図28(F)が携帯情報端末9201を展開した状態または折り畳んだ状態の一方から他方に変化する途中の状態の斜視図であり、図28(G)が携帯情報端末9201を折り畳んだ状態の斜視図である。携帯情報端末9201は、折り畳んだ状態では可搬性に優れ、展開した状態では、継ぎ目のない広い表示領域により表示の一覧性に優れる。携帯情報端末9201が有する表示部9001は、ヒンジ9055によって連結された3つの筐体9000に支持されている。ヒンジ9055を介して2つの筐体9000間を屈曲させることにより、携帯情報端末9201を展開した状態から折りたたんだ状態に可逆的に変形させることができる。例えば、携帯情報端末9201は、曲率半径1mm以上150mm以下で曲げることができる。
また、電子機器としては、例えば、テレビジョン装置(テレビ、又はテレビジョン受信機ともいう)、コンピュータ用などのモニタ、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、デジタルフォトフレーム、携帯電話機(携帯電話、携帯電話装置ともいう)、ゴーグル型ディスプレイ(ヘッドマウントディスプレイ)、携帯型ゲーム機、携帯情報端末、音響再生装置、パチンコ機などの大型ゲーム機などが挙げられる。
また、本発明の一態様の電子機器は、二次電池を有していてもよく、非接触電力伝送を用いて、二次電池を充電することができると好ましい。
二次電池としては、例えば、ゲル状電解質を用いるリチウムポリマー電池(リチウムイオンポリマー電池)等のリチウムイオン二次電池、リチウムイオン電池、ニッケル水素電池、ニカド電池、有機ラジカル電池、鉛蓄電池、空気二次電池、ニッケル亜鉛電池、銀亜鉛電池などが挙げられる。
本発明の一態様の電子機器は、アンテナを有していてもよい。アンテナで信号を受信することで、表示部で映像や情報等の表示を行うことができる。また、電子機器が二次電池を有する場合、アンテナを、非接触電力伝送に用いてもよい。
図29(A)は携帯型ゲーム機であり、筐体7101、筐体7102、表示部7103、表示部7104、マイク7105、スピーカ7106、操作キー7107、スタイラス7108等を有する。表示部7103または表示部7104に本発明の一態様に係る発光装置を用いることで、ユーザーの使用感に優れ、品質の低下が起こりにくい携帯型ゲーム機を提供することができる。なお、図29(A)に示した携帯型ゲーム機は、2つの表示部7103と表示部7104とを有しているが、携帯型ゲーム機が有する表示部の数は、これに限定されない。
図29(B)はビデオカメラであり、筐体7701、筐体7702、表示部7703、操作キー7704、レンズ7705、接続部7706等を有する。操作キー7704およびレンズ7705は筐体7701に設けられており、表示部7703は筐体7702に設けられている。そして、筐体7701と筐体7702とは、接続部7706により接続されており、筐体7701と筐体7702の間の角度は、接続部7706により変更が可能である。表示部7703における映像を、接続部7706における筐体7701と筐体7702との間の角度にしたがって切り替える構成としてもよい。
図29(C)はノート型パーソナルコンピュータであり、筐体7121、表示部7122、キーボード7123、ポインティングデバイス7124等を有する。なお、表示部7122は、非常に画素密度が高く高精細とすることができるため、中小型でありながら8kの表示を行うことができ、非常に鮮明な画像を得ることができる。
図29(D)には、ヘッドマウントディスプレイ7200の外観を示している。
ヘッドマウントディスプレイ7200は、装着部7201、レンズ7202、本体7203、表示部7204、ケーブル7205等を有している。また装着部7201には、バッテリ7206が内蔵されている。
ケーブル7205は、バッテリ7206から本体7203に電力を供給する。本体7203は無線受信機等を備え、受信した画像データ等の映像情報を表示部7204に表示させることができる。また、本体7203に設けられたカメラで使用者の眼球やまぶたの動きを捉え、その情報をもとに使用者の視点の座標を算出することにより、使用者の視点を入力手段として用いることができる。
また、装着部7201には、使用者に触れる位置に複数の電極が設けられていてもよい。本体7203は使用者の眼球の動きに伴って電極に流れる電流を検知することにより、使用者の視点を認識する機能を有していてもよい。また、当該電極に流れる電流を検知することにより、使用者の脈拍をモニタする機能を有していてもよい。また、装着部7201には、温度センサ、圧力センサ、加速度センサ等の各種センサを有していてもよく、使用者の生体情報を表示部7204に表示する機能を有していてもよい。また、使用者の頭部の動きなどを検出し、表示部7204に表示する映像をその動きに合わせて変化させてもよい。
図29(E)に、カメラ7300の外観を示す。カメラ7300は、筐体7301、表示部7302、操作ボタン7303、シャッターボタン7304、結合部7305等を有する。またカメラ7300には、レンズ7306を取り付けることができる。
結合部7305は、電極を有し、後述するファインダー7400のほか、ストロボ装置等を接続することができる。
ここではカメラ7300として、レンズ7306を筐体7301から取り外して交換することが可能な構成としたが、レンズ7306と筐体7301が一体となっていてもよい。
シャッターボタン7304を押すことにより、撮像することができる。また、表示部7302はタッチセンサを有し、表示部7302を操作することにより撮像することも可能である。
表示部7302に、本発明の一態様の表示装置、またはタッチセンサを適用することができる。
図29(F)には、カメラ7300にファインダー7400を取り付けた場合の例を示している。
ファインダー7400は、筐体7401、表示部7402、ボタン7403等を有する。
筐体7401には、カメラ7300の結合部7305と係合する結合部を有しており、ファインダー7400をカメラ7300に取り付けることができる。また当該結合部には電極を有し、当該電極を介してカメラ7300から受信した映像等を表示部7402に表示させることができる。
ボタン7403は、電源ボタンとしての機能を有する。ボタン7403により、表示部7402の表示のオンとオフとを切り替えることができる。
なお、図29(E)(F)では、カメラ7300とファインダー7400とを別の電子機器とし、これらを脱着可能な構成としたが、カメラ7300の筐体7301に、本発明の一態様の表示装置、またはタッチセンサを備えるファインダーが内蔵されていてもよい。
図30(A)にテレビジョン装置の一例を示す。テレビジョン装置9300は、筐体9000に表示部9001が組み込まれている。ここでは、スタンド9301により筐体9000を支持した構成を示している。
図30(A)に示すテレビジョン装置9300の操作は、筐体9000が備える操作スイッチや、別体のリモコン操作機9311により行うことができる。または、表示部9001にタッチセンサを備えていてもよく、指等で表示部9001に触れることで操作してもよい。リモコン操作機9311は、当該リモコン操作機9311から出力する情報を表示する表示部を有していてもよい。リモコン操作機9311が備える操作キー又はタッチパネルにより、チャンネルや音量の操作を行うことができ、表示部9001に表示される映像を操作することができる。
なお、テレビジョン装置9300は、受信機やモデムなどを備えた構成とする。受信機により一般のテレビ放送の受信を行うことができる。また、モデムを介して有線又は無線による通信ネットワークに接続することにより、一方向(送信者から受信者)又は双方向(送信者と受信者間、あるいは受信者間同士など)の情報通信を行うことも可能である。
また、本発明の一態様の電子機器又は照明装置は可撓性を有するため、家屋やビルの内壁もしくは外壁、又は、自動車の内装もしくは外装の曲面に沿って組み込むことも可能である。
図30(B)に自動車9700の外観を示す。図30(C)に自動車9700の運転席を示す。自動車9700は、車体9701、車輪9702、ダッシュボード9703、ライト9704等を有する。本発明の一態様の表示装置又は発光装置等は、自動車9700の表示部などに用いることができる。例えば、図30(C)に示す表示部9710乃至表示部9715に本発明の一態様の表示装置又は発光装置等を設けることができる。
表示部9710と表示部9711は、自動車のフロントガラスに設けられた表示装置である。本発明の一態様の表示装置又は発光装置等は、電極や配線を、透光性を有する導電性材料で作製することによって、反対側が透けて見える、いわゆるシースルー状態とすることができる。表示部9710や表示部9711がシースルー状態であれば、自動車9700の運転時にも視界の妨げになることがない。よって、本発明の一態様の表示装置又は発光装置等を自動車9700のフロントガラスに設置することができる。なお、表示装置又は発光装置等を駆動するためのトランジスタなどを設ける場合には、有機半導体材料を用いた有機トランジスタや、酸化物半導体を用いたトランジスタなど、透光性を有するトランジスタを用いるとよい。
表示部9712はピラー部分に設けられた表示装置である。例えば、車体に設けられた撮像手段からの映像を表示部9712に映し出すことによって、ピラーで遮られた視界を補完することができる。表示部9713はダッシュボード部分に設けられた表示装置である。例えば、車体に設けられた撮像手段からの映像を表示部9713に映し出すことによって、ダッシュボードで遮られた視界を補完することができる。すなわち、自動車の外側に設けられた撮像手段からの映像を映し出すことによって、死角を補い、安全性を高めることができる。また、見えない部分を補完する映像を映すことによって、より自然に違和感なく安全確認を行うことができる。
また、図30(D)は、運転席と助手席にベンチシートを採用した自動車の室内を示している。表示部9721は、ドア部に設けられた表示装置である。例えば、車体に設けられた撮像手段からの映像を表示部9721に映し出すことによって、ドアで遮られた視界を補完することができる。また、表示部9722は、ハンドルに設けられた表示装置である。表示部9723は、ベンチシートの座面の中央部に設けられた表示装置である。なお、表示装置を座面や背もたれ部分などに設置して、当該表示装置を、当該表示装置の発熱を熱源としたシートヒーターとして利用することもできる。
表示部9714、表示部9715、または表示部9722はナビゲーション情報、スピードメーターやタコメーター、走行距離、給油量、ギア状態、エアコンの設定など、その他様々な情報を提供することができる。また、表示部に表示される表示項目やレイアウトなどは、使用者の好みに合わせて適宜変更することができる。なお、上記情報は、表示部9710乃至表示部9713、表示部9721、表示部9723にも表示することができる。また、表示部9710乃至表示部9715、表示部9721乃至表示部9723は照明装置として用いることも可能である。また、表示部9710乃至表示部9715、表示部9721乃至表示部9723は加熱装置として用いることも可能である。
図31(A)(B)に示す表示装置9500は、複数の表示パネル9501と、軸部9511と、軸受部9512と、を有する。また、複数の表示パネル9501は、表示領域9502と、透光性を有する領域9503と、を有する。
また、複数の表示パネル9501は、可撓性を有する。また、隣接する2つの表示パネル9501は、それらの一部が互いに重なるように設けられる。例えば、隣接する2つの表示パネル9501の透光性を有する領域9503を重ね合わせることができる。複数の表示パネル9501を用いることで、大画面の表示装置とすることができる。また、使用状況に応じて、表示パネル9501を巻き取ることが可能であるため、汎用性に優れた表示装置とすることができる。
また、図31(A)(B)においては、表示領域9502が隣接する表示パネル9501で離間する状態を図示しているが、これに限定されず、例えば、隣接する表示パネル9501の表示領域9502を隙間なく重ねあわせることで、連続した表示領域9502としてもよい。
本実施の形態において述べた電子機器は、何らかの情報を表示するための表示部を有する。ただし、本発明の一態様の発光素子は、表示部を有さない電子機器にも適用することができる。また、本実施の形態において述べた電子機器の表示部においては、可撓性を有し、湾曲した表示面に沿って表示を行うことができる構成、または折り畳み可能な表示部の構成について例示したが、これに限定されず、可撓性を有さず、平面部に表示を行う構成としてもよい。
本実施の形態に示す構成は、他の実施の形態に示す構成と適宜組み合わせて用いることができる。
(実施の形態8)
本実施の形態では、本発明の一態様の発光素子を有する発光装置について、図32及び図33を用いて説明する。
本実施の形態で示す、発光装置3000の斜視図を図32(A)に、図32(A)に示す一点鎖線E−F間に相当する断面図を図32(B)に、それぞれ示す。なお、図32(A)において、図面の煩雑さを避けるために、構成要素の一部を破線で表示している。
図32(A)(B)に示す発光装置3000は、基板3001と、基板3001上の発光素子3005と、発光素子3005の外周に設けられた第1の封止領域3007と、第1の封止領域3007の外周に設けられた第2の封止領域3009と、を有する。
また、発光素子3005からの発光は、基板3001及び基板3003のいずれか一方または双方から射出される。図32(A)(B)においては、発光素子3005からの発光が下方側(基板3001側)に射出される構成について説明する。
また、図32(A)(B)に示すように、発光装置3000は、発光素子3005が第1の封止領域3007と、第2の封止領域3009とに、囲まれて配置される二重封止構造である。二重封止構造とすることで、発光素子3005側に入り込む外部の不純物(例えば、水、酸素など)を、好適に抑制することができる。ただし、第1の封止領域3007及び第2の封止領域3009を、必ずしも設ける必要はない。例えば、第1封止領域3007のみの構成としてもよい。
なお、図32(B)において、第1の封止領域3007及び第2の封止領域3009は、基板3001及び基板3003と接して設けられる。ただし、これに限定されず、例えば、第1の封止領域3007及び第2の封止領域3009の一方または双方は、基板3001の上方に形成される絶縁膜、あるいは導電膜と接して設けられる構成としてもよい。または、第1の封止領域3007及び第2の封止領域3009の一方または双方は、基板3003の下方に形成される絶縁膜、あるいは導電膜と接して設けられる構成としてもよい。
基板3001及び基板3003としては、それぞれ先の実施の形態に記載の基板200と、基板220と同様の構成とすればよい。発光素子3005としては、先の実施の形態に記載の発光素子と同様の構成とすればよい。
第1の封止領域3007としては、ガラスを含む材料(例えば、ガラスフリット、ガラスリボン等)を用いればよい。また、第2の封止領域3009としては、樹脂を含む材料を用いればよい。第1の封止領域3007として、ガラスを含む材料を用いることで、生産性や封止性を高めることができる。また、第2の封止領域3009として、樹脂を含む材料を用いることで、耐衝撃性や耐熱性を高めることができる。ただし、第1の封止領域3007と、第2の封止領域3009とは、これに限定されず、第1の封止領域3007が樹脂を含む材料で形成され、第2の封止領域3009がガラスを含む材料で形成されてもよい。
また、上述のガラスフリットとしては、例えば、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化ストロンチウム、酸化バリウム、酸化セシウム、酸化ナトリウム、酸化カリウム、酸化ホウ素、酸化バナジウム、酸化亜鉛、酸化テルル、酸化アルミニウム、二酸化珪素、酸化鉛、酸化スズ、酸化リン、酸化ルテニウム、酸化ロジウム、酸化鉄、酸化銅、二酸化マンガン、酸化モリブデン、酸化ニオブ、酸化チタン、酸化タングステン、酸化ビスマス、酸化ジルコニウム、酸化リチウム、酸化アンチモン、ホウ酸鉛ガラス、リン酸スズガラス、バナジン酸塩ガラス又はホウケイ酸ガラス等を含む。赤外光を吸収させるため、少なくとも一種類以上の遷移金属を含むことが好ましい。
また、上述のガラスフリットとしては、例えば、基板上にフリットペーストを塗布し、これに加熱処理、またはレーザ照射などを行う。フリットペーストには、上記ガラスフリットと、有機溶媒で希釈した樹脂(バインダとも呼ぶ)とが含まれる。また、ガラスフリットにレーザ光の波長の光を吸収する吸収剤を添加したものを用いても良い。また、レーザとして、例えば、Nd:YAGレーザや半導体レーザなどを用いることが好ましい。また、レーザ照射の際のレーザの照射形状は、円形でも四角形でもよい。
また、上述の樹脂を含む材料としては、例えば、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリアミド(ナイロン、アラミド等)、ポリイミド、ポリカーボネートまたはアクリル樹脂、ポリウレタン、エポキシ樹脂を用いることができる。もしくは、シリコーンなどのシロキサン結合を有する樹脂を含む材料を用いることができる。
なお、第1の封止領域3007及び第2の封止領域3009のいずれか一方または双方にガラスを含む材料を用いる場合、当該ガラスを含む材料と、基板3001との熱膨張率が近いことが好ましい。上記構成とすることで、熱応力によりガラスを含む材料または基板3001にクラックが入るのを抑制することができる。
例えば、第1の封止領域3007にガラスを含む材料を用い、第2の封止領域3009に樹脂を含む材料を用いる場合、以下の優れた効果を有する。
第2の封止領域3009は、第1の封止領域3007よりも、発光装置3000の外周部に近い側に設けられる。発光装置3000は、外周部に向かうにつれ、外力等による歪みが大きくなる。よって、歪みが大きくなる発光装置3000の外周部側、すなわち第2の封止領域3009に、樹脂を含む材料によって封止し、第2の封止領域3009よりも内側に設けられる第1の封止領域3007にガラスを含む材料を用いて封止することで、外力等の歪みが生じても発光装置3000が壊れにくくなる。
また、図32(B)に示すように、基板3001、基板3003、第1の封止領域3007、及び第2の封止領域3009に囲まれた領域には、第1の領域3011が形成される。また、基板3001、基板3003、発光素子3005、及び第1の封止領域3007に囲まれた領域には、第2の領域3013が形成される。
第1の領域3011及び第2の領域3013としては、例えば、希ガスまたは窒素ガス等の不活性ガスが充填されていると好ましい。あるいは、アクリルやエポキシ等の樹脂が充填されていると好ましい。なお、第1の領域3011及び第2の領域3013としては、大気圧状態よりも減圧状態であると好ましい。
また、図32(B)に示す構成の変形例を図32(C)に示す。図32(C)は、発光装置3000の変形例を示す断面図である。
図32(C)は、基板3003の一部に凹部を設け、該凹部に乾燥剤3018を設ける構成である。それ以外の構成については、図32(B)に示す構成と同じである。
乾燥剤3018としては、化学吸着によって水分等を吸着する物質、または物理吸着によって水分等を吸着する物質を用いることができる。例えば、乾燥剤3018として用いることができる物質としては、アルカリ金属の酸化物、アルカリ土類金属の酸化物(酸化カルシウムや酸化バリウム等)、硫酸塩、金属ハロゲン化物、過塩素酸塩、ゼオライト、シリカゲル等が挙げられる。
次に、図32(B)に示す発光装置3000の変形例について、図33(A)(B)(C)(D)を用いて説明する。なお、図33(A)(B)(C)(D)は、図32(B)に示す発光装置3000の変形例を説明する断面図である。
図33(A)(B)(C)(D)に示す発光装置は、第2の封止領域3009を設けずに、第1の封止領域3007とした構成である。また、図33(A)(B)(C)(D)に示す発光装置は、図32(B)に示す第2の領域3013の代わりに領域3014を有する。
領域3014としては、例えば、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリアミド(ナイロン、アラミド等)、ポリイミド、ポリカーボネートまたはアクリル樹脂、ポリウレタン、エポキシ樹脂を用いることができる。もしくは、シリコーンなどのシロキサン結合を有する樹脂を含む材料を用いることができる。
領域3014として、上述の材料を用いることで、いわゆる固体封止の発光装置とすることができる。
また、図33(B)に示す発光装置は、図33(A)に示す発光装置の基板3001側に、基板3015を設ける構成である。
基板3015は、図33(B)に示すように凹凸を有する。凹凸を有する基板3015を、発光素子3005の光を取り出す側に設ける構成とすることで、発光素子3005からの光の取出し効率を向上させることができる。なお、図33(B)に示すような凹凸を有する構造の代わりに、拡散板として機能する基板を設けてもよい。
また、図33(C)に示す発光装置は、図33(A)に示す発光装置が基板3001側から光を取り出す構造であったのに対し、基板3003側から光を取り出す構造である。
図33(C)に示す発光装置は、基板3003側に基板3015を有する。それ以外の構成は、図33(B)に示す発光装置と同様である。
また、図33(D)に示す発光装置は、図33(C)に示す発光装置の基板3003、3015を設けずに、基板3016を設ける構成である。
基板3016は、発光素子3005の近い側に位置する第1の凹凸と、発光素子3005の遠い側に位置する第2の凹凸と、を有する。図33(D)に示す構成とすることで、発光素子3005からの光の取出し効率をさらに、向上させることができる。
したがって、本実施の形態に示す構成を実施することにより、水分や酸素などの不純物による発光素子の劣化が抑制された発光装置を実現することができる。または、本実施の形態に示す構成を実施することにより、光取出し効率の高い発光装置を実現することができる。
なお、本実施の形態に示す構成は、他の実施の形態に示す構成と適宜組み合わせることができる。
(実施の形態9)
本実施の形態では、本発明の一態様の発光素子を様々な照明装置及び電子機器に適用する一例について、図34及び図35を用いて説明する。
本発明の一態様の発光素子を、可撓性を有する基板上に作製することで、曲面を有する発光領域を有する電子機器、照明装置を実現することができる。
また、本発明の一態様を適用した発光装置は、自動車の照明にも適用することができ、例えば、ダッシュボードや、フロントガラス、天井等に照明を設置することもできる。
図34(A)は、多機能端末3500の一方の面の斜視図を示し、図34(B)は、多機能端末3500の他方の面の斜視図を示している。多機能端末3500は、筐体3502に表示部3504、カメラ3506、照明3508等が組み込まれている。本発明の一態様の発光装置を照明3508に用いることができる。
照明3508は、本発明の一態様の発光装置を用いることで、面光源として機能する。したがって、LEDに代表される点光源と異なり、指向性が少ない発光が得られる。例えば、照明3508とカメラ3506とを組み合わせて用いる場合、照明3508を点灯または点滅させて、カメラ3506により撮像することができる。照明3508としては、面光源としての機能を有するため、自然光の下で撮影したような写真を撮影することができる。
なお、図34(A)、(B)に示す多機能端末3500は、図28(A)乃至図28(G)に示す電子機器と同様に、様々な機能を有することができる。
また、筐体3502の内部に、スピーカ、センサ(力、変位、位置、速度、加速度、角速度、回転数、距離、光、液、磁気、温度、化学物質、音声、時間、硬度、電場、電流、電圧、電力、放射線、流量、湿度、傾度、振動、におい又は赤外線を測定する機能を含むもの)、マイクロフォン等を有することができる。また、多機能端末3500の内部に、ジャイロ、加速度センサ等の傾きを検出するセンサを有する検出装置を設けることで、多機能端末3500の向き(縦か横か)を判断して、表示部3504の画面表示を自動的に切り替えるようにすることができる。
表示部3504は、イメージセンサとして機能させることもできる。例えば、表示部3504に掌や指で触れ、掌紋、指紋等を撮像することで、本人認証を行うことができる。また、表示部3504に近赤外光を発光するバックライト又は近赤外光を発光するセンシング用光源を用いれば、指静脈、掌静脈などを撮像することもできる。なお、表示部3504に本発明の一態様の発光装置を適用してもよい。
図34(C)は、防犯用のライト3600の斜視図を示している。ライト3600は、筐体3602の外側に照明3608を有し、筐体3602には、スピーカ3610等が組み込まれている。本発明の一態様の発光装置を照明3608に用いることができる。
ライト3600としては、例えば、照明3608を握持する、掴持する、または保持することで発光することができる。また、筐体3602の内部には、ライト3600からの発光方法を制御できる電子回路を備えていてもよい。該電子回路としては、例えば、1回または間欠的に複数回、発光が可能なような回路としてもよいし、発光の電流値を制御することで発光の光量が調整可能なような回路としてもよい。また、照明3608の発光と同時に、スピーカ3610から大音量の警報音が出力されるような回路を組み込んでもよい。
ライト3600としては、あらゆる方向に発光することが可能なため、例えば、暴漢等に向けて光、または光と音で威嚇することができる。また、ライト3600にデジタルスチルカメラ等のカメラ、撮影機能を有する機能を備えてもよい。
図35は、発光素子を室内の照明装置8501として用いた例である。なお、発光素子は大面積化も可能であるため、大面積の照明装置を形成することもできる。その他、曲面を有する筐体を用いることで、発光領域が曲面を有する照明装置8502を形成することもできる。本実施の形態で示す発光素子は薄膜状であり、筐体のデザインの自由度が高い。したがって、様々な意匠を凝らした照明装置を形成することができる。さらに、室内の壁面に大型の照明装置8503を備えても良い。また、照明装置8501、8502、8503に、タッチセンサを設けて、電源のオンまたはオフを行ってもよい。
また、発光素子をテーブルの表面側に用いることによりテーブルとしての機能を備えた照明装置8504とすることができる。なお、その他の家具の一部に発光素子を用いることにより、家具としての機能を備えた照明装置とすることができる。
以上のようにして、本発明の一態様の発光装置を適用して照明装置及び電子機器を得ることができる。なお、適用できる照明装置及び電子機器は、本実施の形態に示したものに限らず、あらゆる分野の電子機器に適用することが可能である。
また、本実施の形態に示す構成は、他の実施の形態に示した構成と適宜組み合わせて用いることができる。
本実施例では、本発明の一態様である発光素子(発光素子1、及び発光素子2)と比較発光素子(比較発光素子1)の作製例を示す。本実施例で作製した発光素子の断面模式図を図36に、素子構造の詳細を表1及び表2に、それぞれ示す。また、使用した化合物の構造と略称を以下に示す。
<発光素子の作製>
≪発光素子1の作製≫
基板200上に電極101として、ITSO膜を厚さが70nmになるように形成した。なお、電極101の電極面積は、4mm2(2mm×2mm)とした。
次に、電極101上に正孔注入層111として、4,4’,4’’−(ベンゼン−1,3,5−トリイル)トリ(ジベンゾチオフェン)(略称:DBT3P−II)と、酸化モリブデン(MoO3)と、を重量比(DBT3P−II:MoO3)が1:0.5になるように、且つ厚さが20nmになるように共蒸着した。
次に、正孔注入層111上に正孔輸送層112として、3,3’−ビス(9−フェニル−9H−カルバゾール)(略称:PCCP)を厚さが20nmになるように蒸着した。
次に、正孔輸送層112上に発光層160として、2−{4−[3−(N−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)−9H−カルバゾール−9−イル]フェニル}−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン(略称:PCCzPTzn)と、(OC−6−22)−トリス{5−シアノ−2−[4−(2,6−ジイソプロピルフェニル)−5−(2−メチルフェニル)−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル−κN2]フェニル−κC}イリジウム(III)(略称:fac−Ir(mpCNptz−diPrp)3)と、を重量比(PCCzPTzn:fac−Ir(mpCNptz−diPrp)3)が1:0.05になるように、且つ厚さが40nmになるように共蒸着した。なお、発光層160において、fac−Ir(mpCNptz−diPrp)3がゲスト材料(第1の材料)であり、PCCzPTznがホスト材料(第2の材料)である。
次に、発光層160上に、電子輸送層118として、4,6−ビス[3−(9H−カルバゾール−9−イル)フェニル]ピリミジン(略称:4,6mCzP2Pm)を厚さが10nmになるように、続いて、バソフェナントロリン(略称:BPhen)を厚さが15nmとになるように、順次蒸着した。次に、電子輸送層118上に、電子注入層119として、フッ化リチウム(LiF)を厚さが1nmになるように蒸着した。
次に、電子注入層119上に、電極102として、アルミニウム(Al)を厚さが200nmになるように形成した。
次に、窒素雰囲気のグローブボックス内において、有機EL用シール材を用いて封止するための基板220を、有機材料を形成した基板200に固定することで、発光素子1を封止した。具体的には、基板200に形成した有機材料の周囲にシール材を塗布し、該基板200と基板220とを貼り合わせ、波長が365nmの紫外光を6J/cm2照射し、80℃にて1時間熱処理した。以上の工程により発光素子1を得た。
≪発光素子2の作製≫
発光素子2は、先に示す発光素子1と、発光層160の形成工程のみ異なり、それ以外の工程は発光素子1と同様の作製方法とした。
発光素子2の発光層160として、PCCzPTznと、3,3’−ビス(9H−カルバゾール−9−イル)ビフェニル(略称:mCBP)と、fac−Ir(mpCNptz−diPrp)3とを重量比(PCCzPTzn:mCBP:fac−Ir(mpCNptz−diPrp)3)が0.6:0.4:0.05になるように、且つ厚さが20nmになるように共蒸着し、続いて、重量比(PCCzPTzn:mCBP:fac−Ir(mpCNptz−diPrp)3)が0.4:0.6:0.05になるように、且つ厚さが20nmになるように共蒸着した。なお、発光層160において、fac−Ir(mpCNptz−diPrp)3がゲスト材料(第1の材料)であり、PCCzPTznがホスト材料(第2の材料)であり、mCBPがホスト材料(第3の材料)である。
≪比較発光素子1の作製≫
基板200上に電極101として、ITSO膜を厚さが110nmになるように形成した。なお、電極101の電極面積は、4mm2(2mm×2mm)とした。
次に、電極101上に正孔注入層111として、DBT3P−IIと、MoO3とを重量比(DBT3P−II:MoO3)が1:0.5になるように、且つ厚さが60nmになるように共蒸着した。次に、正孔注入層111上に正孔輸送層112として、2,8−ジ(9H−カルバゾール−9−イル)−ジベンゾチオフェン(略称:Cz2DBT)を厚さが20nmになるように蒸着した。
次に、正孔輸送層112上に発光層160として、Cz2DBTと、PCCzPTznと、を重量比(Cz2DBT:PCCzPTzn)が0.9:0.1になるように、且つ厚さが30nmになるように共蒸着した。
次に、発光層160上に電子輸送層118として、BPhenを厚さが30nmになるように蒸着した。次に、電子輸送層118上に、電子注入層119として、LiFを厚さが1nmになるよう蒸着した。
次に電子注入層119上に電極102として、アルミニウム(Al)を、厚さが200nmになるように形成した。
次に、窒素雰囲気のグローブボックス内において、有機EL用シール材を用いて封止するための基板220を、有機材料を形成した基板200に固定することで、比較発光素子1を封止した。なお、具体的な方法は、発光素子1と同様である。以上の工程により比較発光素子1を得た。
<発光素子の特性>
次に、上記作製した発光素子1及び2の特性を測定した。輝度およびCIE色度の測定には色彩輝度計(トプコン社製、BM−5A)を用い、電界発光スペクトルの測定にはマルチチャンネル分光器(浜松ホトニクス社製、PMA−11)を用いた。
発光素子1、及び発光素子2の電流効率−輝度特性を図37に示す。また、輝度−電圧特性を図38に示す。また、外部量子効率−輝度特性を図39に示す。また、電力効率−輝度特性を図40に示す。なお、各発光素子の測定は室温(23℃に保たれた雰囲気)で行った。
また、1000cd/m2付近における、発光素子1、及び発光素子2の素子特性を表3に示す。
また、発光素子1及び発光素子2に2.5mA/cm2の電流密度で電流を流した際の発光スペクトルを図41に示す。
図37乃至図40、及び表3で示すように、発光素子1及び発光素子2は、高い電流効率および外部量子効率を示した。また、発光素子2の外部量子効率の最大値は24.5%と優れた値を示した。発光素子2が発光素子1より高い効率が得られた理由は、発光素子2の発光層が有するmCBPによって、キャリアバランスが改善したためである。
また、図41に示すように、発光素子1と発光素子2の電界発光スペクトルは非常に良く重なっており、概ね同等の電界発光スペクトルを示した。発光素子1及び発光素子2は、電界発光スペクトルのピーク波長がそれぞれ508nmであり、半値全幅が60nmである緑色の発光を示した。
また、発光素子1及び発光素子2は、1000cd/m2付近で3V以下と極めて低い駆動電圧で駆動したため、優れた電力効率を示した。また、発光素子1及び発光素子2の発光開始電圧(輝度が1cd/m2より大きくなる電圧)はそれぞれ2.3V、2.4Vであった。この電圧値は、後に示すように、ゲスト材料であるfac−Ir(mpCNptz−diPrp)3のLUMO準位とHOMO準位とのエネルギー差に相当する電圧より小さい。したがって、発光素子1及び発光素子2においては、ゲスト材料においてキャリアが直接再結合して発光しているのではなく、より小さいエネルギーギャップを有する材料において、キャリアが再結合していることが示唆される。
<ホスト材料の発光スペクトル>
ここで、上記作製した発光素子(発光素子1、及び発光素子2)のホスト材料として用いた、PCCzPTznの薄膜の発光スペクトルの測定結果を図42に示す。
上記の発光スペクトルを測定するため、石英基板上に真空蒸着法により薄膜サンプルを作製した。また、発光スペクトルの測定には顕微PL装置 LabRAM HR−PL((株)堀場製作所)を用い、測定温度は10K、励起光としてHe−Cdレーザ(325nm)を用い、検出器にはCCD検出器を用いた。測定から得られた発光スペクトルにおける最も短波長側のピーク(ショルダーを含む)および短波長側の立ち上がりより、一重項励起エネルギー準位及び三重項励起エネルギー準位を求めた。なお、薄膜の膜厚は50nmとした。
なお、該発光スペクトルの測定は、通常の発光スペクトルの測定に加えて、発光寿命が長い発光に着目した時間分解発光スペクトルの測定も行った。本発光スペクトルの測定は、低温(10K)で行ったため、通常の発光スペクトルの測定では、主な発光成分である蛍光に加えて、一部燐光も観測された。また、発光寿命が長い発光に着目した時間分解発光スペクトルの測定では、主に燐光が観測された。すなわち、通常の発光スペクトルの測定では、PCCzPTznの発光の蛍光成分が主に観測され、時間分解発光スペクトルの測定では、PCCzPTznの発光の燐光成分が主に観測された。
図42に示すように、PCCzPTznの発光の蛍光成分及び燐光成分を示す発光スペクトルの最も短波長側のピーク(ショルダーを含む)の波長は、それぞれ472nm及び491nmであることから、ピーク(ショルダーを含む)の波長から算出した一重項励起エネルギー準位及び三重項励起エネルギー準位は、それぞれ2.63eV及び2.53eVと導出することができた。すなわち、PCCzPTznは、ピーク(ショルダーを含む)の波長から算出した一重項励起エネルギー準位と三重項励起エネルギー準位のエネルギー差が0.1eVと非常に小さい材料である。
また、図42に示すように、PCCzPTznの発光の蛍光成分及び燐光成分を示す発光スペクトルの短波長側の立ち上がりの波長は、それぞれ450nm及び477nmであることから、立ち上がりの波長から算出した一重項励起エネルギー準位及び三重項励起エネルギー準位は、それぞれ2.76eV及び2.60eVと導出することができた。すなわち、PCCzPTznは、発光スペクトルの立ち上がりの波長から算出した一重項励起エネルギー準位と三重項励起エネルギー準位のエネルギー差も0.16eVと非常に小さい材料である。なお、発光スペクトルの短波長側の立ち上がりの波長としては、当該スペクトルにおける接線の傾きが極大値を有する波長において接線を引き、該接線と横軸との交点の波長とした。
また、PCCzPTznの発光の燐光成分を示す発光スペクトルの最も短波長側のピーク波長(491nm)は、発光素子1及び発光素子2に用いたゲスト材料(fac−Ir(mpCNptz−diPrp)3)の電界発光スペクトルより短波長である。ゲスト材料であるfac−Ir(mpCNptz−diPrp)3は燐光材料であるため、三重項励起状態から発光する。すなわち、PCCzPTznの三重項励起エネルギーは、ゲスト材料の三重項励起エネルギーより高いと言える。
また、後に示すように、fac−Ir(mpCNptz−diPrp)3の吸収スペクトルにおける最も低エネルギー側(長波長側)の吸収帯は500nm付近であり、PCCzPTznが呈する発光と重なる領域を有している。したがって、PCCzPTznをホスト材料として有する発光素子は、効果的にゲスト材料へ励起エネルギーを移動することができる。
<ホスト材料の過渡蛍光特性>
次に、PCCzPTznについて、時間分解発光測定による過渡蛍光特性の測定を行った。
時間分解発光測定は、石英基板上にPCCzPTznを厚さが50nmになるよう蒸着した薄膜サンプルを用いて測定を行った。
測定にはピコ秒蛍光寿命測定システム(浜松ホトニクス社製)を用いた。本測定では、薄膜が呈する蛍光発光の寿命を測定するため、薄膜にパルスレーザを照射し、レーザ照射後から減衰していく発光をストリークカメラにより時間分解測定した。パルスレーザには波長が337nmの窒素ガスレーザを用い、500psのパルスレーザを10Hzの周期で薄膜に照射し、繰り返し測定したデータを積算することにより、S/N比の高いデータを得た。また、測定は室温(23℃に保たれた雰囲気)で行った。
測定によって得られたPCCzPTznの過渡蛍光特性を図43に示す。
また、図43に示す減衰曲線について、以下の数式(4)を用いてフィッティングを行った。
数式(4)において、Lは、規格化した発光強度を表し、tは、経過時間を表す。減衰曲線のフィッティングを行った結果、PCCzPTznの薄膜サンプルの発光成分には、蛍光寿命が0.015μsの蛍光成分と、1.5μsの遅延蛍光成分が少なくとも含まれていることが分かった。すなわち、PCCzPTznは、室温で遅延蛍光を示す、熱活性化遅延蛍光材料であるといえる。
<比較発光素子の特性>
ここで、PCCzPTznを発光材料として用いた発光素子である、比較発光素子1の電流効率−輝度特性を図44に示す。また、輝度−電圧特性を図45に示す。また、外部量子効率−輝度特性を図46に示す。また、電力効率−輝度特性を図47に示す。なお、発光素子の測定は室温(23℃に保たれた雰囲気)で行った。
また、1000cd/m2付近における、比較発光素子1の素子特性を表4に示す。
また、比較発光素子1に2.5mA/cm2の電流密度で電流を流した際の発光スペクトルを図48に示す。
図44乃至図47、及び表4で示すように、比較発光素子1は、電流効率および外部量子効率が高い効率を示した。また、比較発光素子1の外部量子効率の最大値は23.4%と優れた値を示した。なお、一対の電極から注入されたキャリア(正孔及び電子)の再結合によって生成する一重項励起子の生成確率が最大で25%であるため、外部への光取り出し効率を25%とした場合の外部量子効率は、最大で6.25%となる。比較発光素子1の外部量子効率が、6.25%より高い値となっている理由は、上記のように、PCCzPTznは、一重項励起エネルギー準位と三重項励起エネルギー準位とのエネルギー差が小さく、熱活性化遅延蛍光を示す材料であり、一対の電極から注入されたキャリア(正孔及び電子)の再結合によって生成した一重項励起子に由来する発光に加えて、三重項励起子からの逆項間交差によって生成した一重項励起子に由来する発光を呈する機能を有しているためである。
また、図48に示すように、比較発光素子1の電界発光スペクトルのピーク波長は472nmであり、発光素子1及び発光素子2の電界発光スペクトルよりピーク波長が短波長なスペクトルであった。比較発光素子1の電界発光スペクトルは、PCCzPTznの蛍光および熱活性化遅延蛍光に由来する発光である。そのため、比較発光素子1の電界発光スペクトルのピーク波長(472nm)から、PCCzPTznの一重項励起エネルギー準位が2.63eVと算出された。また、発光素子1及び発光素子2の電界発光スペクトルは、ゲスト材料(Ir(mpptz−diBuCNp)3)の燐光に由来する発光である。そのため、発光素子1及び発光素子2の電界発光スペクトルの最も短波長側のピーク波長(508nm)から、ゲスト材料(Ir(mpptz−diBuCNp)3)の三重項励起エネルギー準位が2.44eVと算出された。なお、先に示したように、PCCzPTznは一重項励起エネルギー準位と三重項励起エネルギー準位とのエネルギー差が0.1eVと小さい。したがって、発光素子1、発光素子2、及び比較発光素子1の電界発光スペクトルの測定結果からも、PCCzPTznの三重項励起エネルギー準位が、ゲスト材料(Ir(mpptz−diBuCNp)3)の三重項励起エネルギー準位より高いことが示された。すなわち、PCCzPTznが発光素子1及び発光素子2のホスト材料として好適に用いることができることが示された。
<CV測定結果>
ここで、上記発光素子のゲスト材料(第1の材料)、ホスト材料(第2の材料、及び第3の材料)として用いた化合物の電気化学的特性(酸化反応特性および還元反応特性)をサイクリックボルタンメトリ(CV)測定によって測定した。なお、測定には、電気化学アナライザー(ビー・エー・エス(株)製、型番:ALSモデル600Aまたは600C)を用いた。測定では、参照電極に対する作用電極の電位を適切な範囲で変化させて各々酸化ピーク電位、還元ピーク電位を得た。また、参照電極のレドックスポテンシャルが−4.94eVであることが見積もられているため、この数値と得られたピーク電位から、各化合物のHOMO準位およびLUMO準位を算出した。
ホスト材料(PCCzPTzn及びmCBP)については、ホスト材料をN,N−ジメチルホルムアミド(略称:DMF)に溶解させた溶液を用いて酸化反応特性および還元反応特性を測定した。なお、一般に有機EL素子に用いられる有機化合物の屈折率は1.7から1.8程度であり、その比誘電率は3程度である。そのため、極性の高い溶媒であるDMF(比誘電率が38)を用いて、シアノ基のような極性の高い(特に電子吸引性の高い)置換基を有する化合物の酸化反応特性を測定すると、正確さに欠ける場合がある。したがって、本実施例においては、極性の低いクロロホルム(比誘電率が4.8)にゲスト材料(fac−Ir(mpCNptz−diPrp)3)を溶解させた溶液を用いて酸化反応特性を測定した。また、ゲスト材料の還元反応特性は、ゲスト材料をDMFに溶解させた溶液を用いて測定した。
CV測定の結果より得られた酸化電位および還元電位、及びCV測定より算出した各化合物のHOMO準位およびLUMO準位を、表5に示す。
表5に示すように、発光素子1及び発光素子2においては、第1の材料(fac−Ir(mpCNptz−diPrp)3)の還元電位は、第2の材料(PCCzPTzn)の還元電位より低く、第1の材料(fac−Ir(mpCNptz−diPrp)3)の酸化電位は、第2の材料(PCCzPTzn)の酸化電位より高い。また、第3の材料(mCBP)の還元電位は、第2の材料(PCCzPTzn)の還元電位より低く、第3の材料(mCBP)の酸化電位は、第2の材料(PCCzPTzn)の酸化電位より高い。また、第1の材料(fac−Ir(mpCNptz−diPrp)3)のLUMO準位は、第2の材料(PCCzPTzn)のLUMO準位より高く、第1の材料(fac−Ir(mpCNptz−diPrp)3)のHOMO準位は、第2の材料(PCCzPTzn)のHOMO準位より低い。また、第3の材料(mCBP)のLUMO準位は、第2の材料(PCCzPTzn)のLUMO準位より高く、第3の材料(mCBP)のHOMO準位は、第2の材料(PCCzPTzn)のHOMO準位より低い。そのため、第1の材料(fac−Ir(mpCNptz−diPrp)3)のLUMO準位とHOMO準位とのエネルギー差は、第2の材料(PCCzPTzn)のLUMO準位とHOMO準位とのエネルギー差より大きく、第3の材料(mCBP)のLUMO準位とHOMO準位とのエネルギー差は、第2の材料(PCCzPTzn)のLUMO準位とHOMO準位とのエネルギー差より大きく、一対の電極から注入されたキャリア(電子および正孔)が、効率よくホスト材料である第2の材料(PCCzPTzn)に注入される。すなわち、第3の材料であるmCBPは、第1の材料(fac−Ir(mpCNptz−diPrp)3)および第2の材料(PCCzPTzn)の双方と励起錯体を形成しにくい材料である。
なお、mCBPの三重項励起エネルギー準位を算出するため、燐光スペクトルを測定したところ、mCBPの燐光スペクトルの最も短波長側のピークの波長は、447nmであることから、三重項励起エネルギー準位は、2.77eVと導出することができた。すなわち、mCBPは、三重項励起エネルギー準位が、PCCzPTznよりも高い材料である。なお、mCBPにおける燐光スペクトルの測定方法は、先に示したPCCzPTznにおける測定方法と同様である。
<ゲスト材料の吸収スペクトル及び発光スペクトル>
次に、上記発光素子に用いたゲスト材料であるfac−Ir(mpCNptz−diPrp)3の吸収スペクトル及び発光スペクトルの測定結果を図49に示す。
吸収スペクトル及び発光スペクトルを測定するため、fac−Ir(mpCNptz−diPrp)3を溶解させたジクロロメタン溶液を作製し、石英セルを用いて吸収スペクトル及び発光スペクトルを測定した。吸収スペクトルの測定には紫外可視分光光度計(日本分光株式会社製、V550型)を用いた。測定したサンプルのスペクトルから石英セルの吸収スペクトルを差し引いた。発光スペクトルの測定は、PL−EL測定装置(浜松ホトニクス社製)を用いて該溶液を測定した。上記測定は、室温(23℃に保たれた雰囲気)で行った。
図49に示すように、fac−Ir(mpCNptz−diPrp)3の吸収スペクトルにおける最も低エネルギー側(長波長側)の吸収帯は、500nm付近である。また、吸収スペクトルのデータより、吸収端を求め、直接遷移を仮定した遷移エネルギーを見積もった結果、fac−Ir(mpCNptz−diPrp)3の吸収端は513nmであり、遷移エネルギーは2.42eVと算出された。
一方、表5に示したCV測定の結果より算出されたLUMO準位とHOMO準位とのエネルギー差については、fac−Ir(mpCNptz−diPrp)3は3.22eVであった。
したがって、fac−Ir(mpCNptz−diPrp)3においては、LUMO準位とHOMO準位とのエネルギー差が、吸収端から算出される遷移エネルギーより、0.8eV大きい結果であった。
また、fac−Ir(mpCNptz−diPrp)3の発光エネルギーは、図41に示した発光素子1及び発光素子2の電界発光スペクトルの最も短波長側のピークの波長が508nmであったことから、2.44eVと算出された。
したがって、fac−Ir(mpCNptz−diPrp)3においては、LUMO準位とHOMO準位とのエネルギー差が、発光エネルギーより、0.78eV大きい結果であった。
すなわち、上記発光素子に用いたゲスト材料においては、LUMO準位とHOMO準位とのエネルギー差が、吸収端から算出される遷移エネルギーより0.4eV以上大きい。また、LUMO準位とHOMO準位とのエネルギー差が、発光エネルギーより0.4eV以上大きい。そのため、一対の電極から注入されたキャリアが、該ゲスト材料において直接再結合する場合には、LUMO準位とHOMO準位とのエネルギー差に相当する大きなエネルギーが必要となり、高い電圧が必要となる。
一方、発光素子1及び発光素子2におけるホスト材料である第2の材料(PCCzPTzn)のLUMO準位とHOMO準位とのエネルギー差は、表5より2.67eVと算出された。すなわち、発光素子1及び発光素子2のホスト材料(第2の材料)のLUMO準位とHOMO準位とのエネルギー差は、ゲスト材料(fac−Ir(mpCNptz−diPrp)3)のLUMO準位とHOMO準位とのエネルギー差(3.22eV)より小さく、吸収端から算出される遷移エネルギー(2.42eV)より大きく、発光エネルギー(2.44eV)より大きい。したがって、発光素子1及び発光素子2においては、ゲスト材料においてキャリアが直接再結合することなく、ホスト材料の励起状態を経由したエネルギー移動によってゲスト材料を励起させることが可能であるため、駆動電圧を低減することができる。したがって、本発明の一態様の発光素子は消費電力を低減することができる。
すなわち、発光素子1及び発光素子2のように、第1の材料のLUMO準位が、第2の材料のLUMO準位より高く、第1の材料のHOMO準位が、第2の材料のHOMO準位より低く、第3の材料のLUMO準位が、第2の材料のLUMO準位より高く、第3の材料のHOMO準位が、第2の材料のHOMO準位より低く、第2の材料のLUMO準位とHOMO準位とのエネルギー差が、第1の材料の吸収端から算出される遷移エネルギー以上または第1の材料が呈する発光エネルギー以上であることで、高い発光効率と低い駆動電圧を両立する発光素子を作製することができる。
以上、本発明の一態様の構成を有することで、発光効率が高い発光素子を作製することができる。また、消費電力が低減された発光素子を作製することができる。また、発光効率が高く、緑色の発光を呈する発光素子を作製することができる。
本実施例に示す構成は、他の実施例または実施の形態と適宜組み合わせて用いる事ができる。
本実施例では、本発明の一態様である発光素子(発光素子3、及び発光素子4)の作製例を示す。本実施例で作製した発光素子の断面模式図は図36と同様である。素子構造の詳細を表6に示す。また、使用した化合物の構造と略称を以下に示す。なお、他の化合物については、先の実施例を参酌すればよい。
<発光素子の作製>
≪発光素子3の作製≫
基板200上に電極101として、ITSO膜を厚さが70nmになるように形成した。なお、電極101の電極面積は、4mm2(2mm×2mm)とした。
次に、電極101上に正孔注入層111として、DBT3P−IIと、酸化モリブデン(MoO3)と、を重量比(DBT3P−II:MoO3)が1:0.5になるように、且つ厚さが20nmになるように共蒸着した。
次に、正孔注入層111上に正孔輸送層112として、4,4’−ビス(9−カルバゾール)−2,2’−ジメチルビフェニル(略称:dmCBP)を厚さが20nmになるように蒸着した。
次に、正孔輸送層112上に発光層160として、4,6mCzP2Pmと、トリス{4−シアノ−2−[4−(2,6−ジイソプロピルフェニル)−5−(2―メチルフェニル)−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル−κN2]フェニル−κC}イリジウム(III)(略称:Ir(mp5CNptz−diPrp)3)と、を重量比(4,6mCzP2Pm:Ir(mp5CNptz−diPrp)3)が1:0.125になるように、且つ厚さが40nmになるように共蒸着した。なお、発光層160において、Ir(mp5CNptz−diPrp)3がゲスト材料(第1の材料)であり、4,6mCzP2Pmがホスト材料(第2の材料)である。
次に、発光層160上に、電子輸送層118として、4,6mCzP2Pmを厚さが10nmになるように、続いて、BPhenを厚さが15nmとになるように、順次蒸着した。次に、電子輸送層118上に、電子注入層119として、フッ化リチウム(LiF)を厚さが1nmになるように蒸着した。
次に、電子注入層119上に、電極102として、アルミニウム(Al)を厚さが200nmになるように形成した。
次に、窒素雰囲気のグローブボックス内において、発光素子3を封止した。具体的な方法は、実施例1と同様である。以上の工程により発光素子3を得た。
≪発光素子4の作製≫
発光素子4は、先に示す発光素子3と、正孔注入層111、及び発光層160の形成工程のみ異なり、それ以外の工程は発光素子3と同様の作製方法とした。
発光素子4の正孔注入層111として、電極101上に、DBT3P−IIと、酸化モリブデン(MoO3)と、を重量比(DBT3P−II:MoO3)が1:0.5になるように、且つ厚さが15nmになるように共蒸着した。
発光素子4の発光層160として、正孔輸送層112上に4,6mCzP2Pmと、ビス[2−(4’,6’−ジフルオロフェニル)ピリジナト−N,C2’]イリジウム(III)テトラキス(1−ピラゾリル)ボラート(略称:FIr6)と、を重量比(4,6mCzP2Pm:FIr6)が1:0.06になるように、且つ厚さが40nmになるように共蒸着した。なお、発光層160において、FIr6がゲスト材料(第1の材料)であり、4,6mCzP2Pmがホスト材料(第2の材料)である。
<発光素子の特性>
次に、上記作製した発光素子3及び4の特性を測定した。測定方法は、実施例1と同様である。
発光素子3、及び発光素子4の電流効率−輝度特性を図50に示す。また、輝度−電圧特性を図51に示す。また、外部量子効率−輝度特性を図52に示す。また、電力効率−輝度特性を図53に示す。また、発光素子3及び発光素子4に2.5mA/cm2の電流密度で電流を流した際の発光スペクトルを図54に示す。なお、各発光素子の測定は室温(23℃に保たれた雰囲気)で行った。
また、1000cd/m2付近における、発光素子3、及び発光素子4の素子特性を表7に示す。
図54に示すように、発光素子3及び発光素子4は電界発光スペクトルのピーク波長がそれぞれ465nm及び459nmであり、半値全幅が61nm及び55nmである青色の発光を示した。
図50乃至図53、及び表7で示すように、発光素子3及び発光素子4は、高い電流効率および外部量子効率を示した。また、発光素子3及び発光素子4の外部量子効率の最大値はそれぞれ28.2%及び23.8%と優れた値を示した。
また、発光素子3及び発光素子4は、1000cd/m2付近で3.2V及び3.3Vと低い駆動電圧で駆動したため、優れた電力効率を示した。また、発光素子3及び発光素子4の発光開始電圧(輝度が1cd/m2より大きくなる電圧)はそれぞれ2.7V及び2.8Vであった。この電圧値は、後に示すように、ゲスト材料であるIr(mp5CNptz−diPrp)3及びFIr6のLUMO準位とHOMO準位とのエネルギー差に相当する電圧より小さい。したがって、発光素子3及び発光素子4においては、ゲスト材料においてキャリアが直接再結合して発光しているのではなく、より小さいエネルギーギャップを有する材料において、キャリアが再結合していることが示唆される。
<ホスト材料の発光スペクトル>
ここで、上記作製した発光素子(発光素子3及び発光素子4)のホスト材料として用いた、4,6mCzP2Pmの薄膜の発光スペクトルの測定結果を図55に示す。
上記の発光スペクトルを測定するため、石英基板上に真空蒸着法により薄膜サンプルを作製した。また、発光スペクトルの測定には顕微PL装置 LabRAM HR−PL((株)堀場製作所)を用い、測定温度は10K、励起光としてHe−Cdレーザ(325nm)を用い、検出器にはCCD検出器を用いた。測定から得られた発光スペクトルにおける最も短波長側のピーク(ショルダーを含む)および短波長側の立ち上がりより、一重項励起エネルギー準位及び三重項励起エネルギー準位を求めた。なお、薄膜の膜厚は50nmとした。
なお、該発光スペクトルの測定は、通常の発光スペクトルの測定に加えて、発光寿命が長い発光に着目した時間分解発光スペクトルの測定も行った。本発光スペクトルの測定は、低温(10K)で行ったため、通常の発光スペクトルの測定では、主な発光成分である蛍光に加えて、一部燐光も観測された。また、発光寿命が長い発光に着目した時間分解発光スペクトルの測定では、主に燐光が観測された。すなわち、通常の発光スペクトルの測定では、4,6mCzP2Pmの発光の蛍光成分が主に観測され、時間分解発光スペクトルの測定では、4,6mCzP2Pmの発光の燐光成分が主に観測された。
図55に示すように、4,6mCzP2Pmの発光スペクトルの蛍光成分及び燐光成分の最も短波長側のピーク(ショルダーを含む)の波長は、それぞれ436nm及び459nmであることから、ピーク(ショルダーを含む)の波長から算出した一重項励起エネルギー準位及び三重項励起エネルギー準位は、それぞれ2.84eV及び2.70eVと導出することができた。すなわち、4,6mCzP2Pmは、ピーク(ショルダーを含む)の波長から算出した一重項励起エネルギー準位と三重項励起エネルギー準位のエネルギー差が0.14eVと小さい材料である。
また、4,6mCzP2Pmの発光スペクトルの燐光成分の最も短波長側のピーク波長(459nm)は、発光素子3及び発光素子4で得られたゲスト材料(Ir(mp5CNptz−diPrp)3及びFIr6)の電界発光スペクトルより短波長であるか同等である。ゲスト材料であるIr(mp5CNptz−diPrp)3及びFIr6は燐光材料であるため、三重項励起状態から発光する。すなわち、4,6mCzP2Pmの三重項励起エネルギーは、ゲスト材料の三重項励起エネルギーより高いか同等であると言える。
また、後に示すように、Ir(mp5CNptz−diPrp)3及びFIr6の吸収スペクトルにおける最も低エネルギー側(長波長側)の吸収帯は450nm付近であり、4,6mCzP2Pmが呈する発光と重なる領域を有している。したがって、4,6mCzP2Pmをホスト材料として有する発光素子は、効果的にゲスト材料へ励起エネルギーを移動することができる。
<CV測定結果>
ここで、上記発光素子のゲスト材料(第1の材料)、ホスト材料(第2の材料)として用いた化合物の電気化学的特性(酸化反応特性および還元反応特性)をサイクリックボルタンメトリ(CV)測定によって測定した。なお、測定方法は、実施例1と同様である。
4,6mCzP2Pm及びFIr6については、各化合物をN,N−ジメチルホルムアミド(略称:DMF)に溶解させた溶液を用いて酸化反応特性および還元反応特性を測定した。また、Ir(mp5CNptz−diPrp)3についてはクロロホルムに溶解させた溶液を用いて酸化反応特性を測定し、還元反応特性はDMFに溶解させた溶液を用いて測定した。
CV測定の結果より得られた酸化電位および還元電位、及びCV測定より算出した各化合物のHOMO準位およびLUMO準位を、表8に示す。
表8に示すように、発光素子3及び発光素子4においては、第1の材料(Ir(mp5CNptz−diPrp)3及びFIr6)の還元電位は、第2の材料(4,6mCzP2Pm)の還元電位より低く、第1の材料(Ir(mp5CNptz−diPrp)3及びFIr6)の酸化電位は、第2の材料(4,6mCzP2Pm)の酸化電位より高い。また、第1の材料(Ir(mp5CNptz−diPrp)3及びFIr6)のLUMO準位は、第2の材料(4,6mCzP2Pm)のLUMO準位より高く、第1の材料(Ir(mp5CNptz−diPrp)3及びFIr6)のHOMO準位は、第2の材料(4,6mCzP2Pm)のHOMO準位より低い。そのため、第1の材料(Ir(mp5CNptz−diPrp)3及びFIr6)のLUMO準位とHOMO準位とのエネルギー差は、第2の材料(4,6mCzP2Pm)のLUMO準位とHOMO準位とのエネルギー差より大きく、一対の電極から注入されたキャリア(電子および正孔)が、効率よくホスト材料である第2の材料(4,6mCzP2Pm)に注入される。
<ゲスト材料の吸収スペクトル>
次に、上記発光素子に用いたゲスト材料であるIr(mp5CNptz−diPrp)3及びFIr6の吸収スペクトルの測定結果を図56及び図57にそれぞれ示す。
吸収スペクトルを測定するため、Ir(mp5CNptz−diPrp)3及びFIr6をそれぞれ溶解させたジクロロメタン溶液を作製し、石英セルを用いて吸収スペクトルを測定した。吸収スペクトルの測定には紫外可視分光光度計(日本分光株式会社製、V550型)を用いた。測定したサンプルのスペクトルから石英セル及びジクロロメタンの吸収スペクトルを差し引いた。上記測定は、室温(23℃に保たれた雰囲気)で行った。
図56に示すIr(mp5CNptz−diPrp)3の吸収スペクトル、及び図57に示すFIr6の吸収スペクトル、における最も低エネルギー側(長波長側)の吸収帯は、それぞれ450nm付近である。また、吸収スペクトルのデータより、吸収端を求め、直接遷移を仮定した遷移エネルギーを見積もった結果、Ir(mp5CNptz−diPrp)3の吸収端は467nmであり、遷移エネルギーは2.65eVと算出され、FIr6の吸収端は454nmであり、遷移エネルギーは2.73eVと算出された。
一方、表8に示したCV測定の結果より算出されたLUMO準位とHOMO準位とのエネルギー差については、Ir(mp5CNptz−diPrp)3は3.55eVであり、FIr6は3.51eVであった。
したがって、Ir(mp5CNptz−diPrp)3及びFIr6においては、LUMO準位とHOMO準位とのエネルギー差が、吸収端から算出される遷移エネルギーより、それぞれ0.9eV及び0.78eV大きい結果であった。
また、Ir(mp5CNptz−diPrp)3の発光エネルギーは、図54に示した発光素子3の電界発光スペクトルの最も短波長側のピークの波長が465nmであったことから、2.67eVと算出された。また、FIr6の発光エネルギーは、図54に示した発光素子4の電界発光スペクトルの最も短波長側のピークの波長が459nmであったことから、2.70eVと算出された。
したがって、Ir(mp5CNptz−diPrp)3及びFIr6においては、LUMO準位とHOMO準位とのエネルギー差が、発光エネルギーより、それぞれ0.88eV及び0.81eV大きい結果であった。
すなわち、上記発光素子に用いたゲスト材料においては、LUMO準位とHOMO準位とのエネルギー差が、吸収端から算出される遷移エネルギーより0.4eV以上大きい。また、LUMO準位とHOMO準位とのエネルギー差が、発光エネルギーより0.4eV以上大きい。そのため、一対の電極から注入されたキャリアが、該ゲスト材料において直接再結合する場合には、LUMO準位とHOMO準位とのエネルギー差に相当する大きなエネルギーが必要となり、高い電圧が必要となる。
一方、発光素子3及び発光素子4におけるホスト材料である第2の材料(4,6mCzP2Pm)のLUMO準位とHOMO準位とのエネルギー差は、表8より3.01eVと算出された。すなわち、発光素子3及び発光素子4のホスト材料(第2の材料)のLUMO準位とHOMO準位とのエネルギー差は、ゲスト材料(Ir(mp5CNptz−diPrp)3及びFIr6)のLUMO準位とHOMO準位とのエネルギー差(3.55eV及び3.51eV)より小さく、吸収端から算出される遷移エネルギー(2.65及び2.73eV)より大きく、発光エネルギー(2.67eV及び2.70eV)より大きい。したがって、発光素子3及び発光素子4においては、ゲスト材料においてキャリアが直接再結合することなく、ホスト材料の励起状態を経由したエネルギー移動によってゲスト材料を励起させることが可能であるため、駆動電圧を低減することができる。したがって、本発明の一態様の発光素子は消費電力を低減することができる。
すなわち、発光素子3及び発光素子4のように、第1の材料のLUMO準位が、第2の材料のLUMO準位より高く、第1の材料のHOMO準位が、第2の材料のHOMO準位より低く、第2の材料のLUMO準位とHOMO準位とのエネルギー差が、第1の材料の吸収端から算出される遷移エネルギー以上または第1の材料が呈する発光エネルギー以上であることで、高い発光効率と低い駆動電圧を両立する発光素子を作製することができる。
以上、本発明の一態様の構成を有することで、発光効率が高い発光素子を作製することができる。また、消費電力が低減された発光素子を作製することができる。また、発光効率が高く、青色の発光を呈する発光素子を作製することができる。
本実施例に示す構成は、他の実施例または実施の形態と適宜組み合わせて用いる事ができる。
(参考例1)
本参考例では、実施例1でゲスト材料として用いた有機金属錯体である、(OC−6−22)−トリス{5−シアノ−2−[4−(2,6−ジイソプロピルフェニル)−5−(2−メチルフェニル)−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル−κN2]フェニル−κC}イリジウム(III)(略称:fac−Ir(mpCNptz−diPrp)3)の合成方法について説明する。
<合成例1>
≪ステップ1:N−4−シアノベンゾイル−N’−2−メチルベンゾイルヒドラジドの合成≫
o−トルイル酸ヒドラジド13g(89mmol)と、N−メチル−2−ピロリジノン(NMP)60mLと、を300mLの三口フラスコに加え、窒素気流下、氷浴で撹拌した。この混合溶液に4−シアノベンゾイルクロリド15g(91mmol)とNMP30mLの混合溶液をゆっくり滴下し、16時間撹拌し反応させた。反応後、この反応溶液を水500mLにゆっくり加えると、固体が析出した。析出した固体を水と1M塩酸で交互に2回ずつ超音波洗浄した。その後、エタノールで超音波洗浄を行い、20gの白色固体を、収率82%で得た。得られた白色固体がN−4−シアノベンゾイル−N’−2−メチルベンゾイルヒドラジドであることを、核磁気共鳴法(NMR)により確認した。ステップ1の合成スキームを下記式(a−0)に示す。
≪ステップ2:N−クロロ−4−シアノフェニルメチリデン−N’−クロロ−2−メチルフェニルメチリデンヒドラゾンの合成≫
ステップ1で合成したN−4−シアノベンゾイル−N’−2−メチルベンゾイルヒドラジド20g(73mmol)と、トルエン500mLと、を1000mLの三口フラスコに入れた。この混合溶液に五塩化リン50g(240mmol)を加え、窒素気流下、120℃で7時間撹拌し反応させた。反応後、この反応溶液を水300mLにゆっくりと加え、室温で30分撹拌した。この混合物の水層と有機層を分液し、水層をトルエンで抽出した。得られた抽出溶液と有機層を合わせた混合物を1M水酸化カリウム水溶液400mLにゆっくりと加え、室温で30分撹拌した。この混合物の水層と有機層を分液し、水層をトルエンで抽出した。得られた抽出溶液と有機層を合わせて、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、次いで飽和食塩水で洗浄した。洗浄後、有機層に無水硫酸マグネシウムを加えて乾燥させ、得られた混合物を自然ろ過して、ろ液を得た。得られたろ液を濃縮して油状物を得た。得られた油状物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製した。展開溶媒には、トルエンを用いた。得られたフラクションを濃縮して、固体を得た。得られた固体にヘキサンを加えて超音波を照射し、固体を吸引ろ過により濾取したところ、17gの黄色固体を、収率72%で得た。得られた黄色固体がN−クロロ−4−シアノフェニルメチリデン−N’−クロロ−2−メチルフェニルメチリデンヒドラゾンであることを、核磁気共鳴法(NMR)により確認した。ステップ2の合成スキームを下記式(b−0)に示す。
≪ステップ3:HmpCNptz−diPrpの合成≫
ステップ2で合成したN−クロロ−4−シアノフェニルメチリデン−N’−クロロ−2−メチルフェニルメチリデンヒドラゾン4.7g(16mmol)と、2,6−ジイソプロピルアニリン17g(95mmol)と、N,N−ジメチルアニリン100mLと、を500mLの三口フラスコに入れ、窒素気流下、160℃で8時間撹拌し反応させた。反応後、反応溶液を300mLの1M塩酸に入れ、1時間撹拌した。有機層と水層を分液し、水層を酢酸エチルで抽出した。有機層と得られた抽出溶液とを合わせて、飽和炭酸水素ナトリウム、及び飽和食塩水で洗浄し、有機層に無水硫酸マグネシウムを加えて乾燥させた。得られた混合物を自然ろ過し、ろ液を濃縮して油状物を得た。得られた油状物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製した。展開溶媒には、ヘキサン:酢酸エチル=5:1の混合溶媒を用いた。得られたフラクションを濃縮して、固体を得た。得られた固体に酢酸エチルを加えて超音波を照射し、吸引ろ過することで、4.7gの白色固体を、収率35%で得た。得られた白色固体が5−(4−シアノフェニル)−4−(2,6−ジイソプロピルフェニル)−3−(2−メチルフェニル)−4H−1,2,4−トリアゾール(略称:HmpCNptz−diPrp)であることを、核磁気共鳴法(NMR)により確認した。ステップ3の合成スキームを下記式(c−0)に示す。
≪ステップ4:fac−Ir(mpCNptz−diPrp)3の合成≫
ステップ3で合成したHmpCNptz−diPrp4.7g(11mmol)と、トリス(アセチルアセトナト)イリジウム(III)1.1g(2.2mmol)とを、三方コックを付けた反応容器に入れ、アルゴン気流下、250℃にて40時間撹拌した。得られた反応混合物をジクロロメタンに加えてろ過し、不溶物を取り除いた。得られたろ液を濃縮し、固体を得た。得られた固体をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製した。展開溶媒はジクロロメタン:ヘキサン=4:1を用いた。得られたフラクションを濃縮して、固体を得た。得られた固体は、fac体および、mer体の異性体混合物であることを確認した。1H−NMRによる異性体比はfac体:mer体=2:3の割合であることを確認した。異性体を分離するために、再度、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製した。展開溶媒には、まずジクロロメタン:ヘキサン=1:1の混合溶媒を用い、次いで、ジクロロメタン:ヘキサン=4:1を用い、mer体のフラクションがなくなったことをシリカゲル薄層クロマトグラフィー(TLC)で確認した後、展開溶媒をジクロロメタンに変えた。得られたフラクションを濃縮して、固体を得た。得られた固体を酢酸エチル/ヘキサンで再結晶し、0.31gの黄色固体を、収率10%で得た。得られた黄色固体のうち0.30gをトレインサブリメーション法により昇華精製した。圧力2.6Pa、アルゴン流量5.0mL/minの条件で、320℃で24時間加熱して行った。昇華精製後、0.21gの黄色固体を、回収率70%で得た。ステップ4の合成スキームを下記式(d−0)に示す。
上記ステップ4で得られた黄色固体のプロトン(1H)を核磁気共鳴法(NMR)により測定した。以下に得られた値を示す。
1H−NMR δ(CD2Cl2):0.72−0.79(m,27H),0.96(d,9H),2.11−2.17(m,3H),2.25(s,9H),2.64−2.69(m,3H),6.23(d,3H),6.80(d,3H),6.87−6.91(m,6H),7.05(s,3H),7.18−7.29(m,12H),7.53(t,3H)。
(参考例2)
本参考例では、実施例2でゲスト材料として示した有機金属錯体である、トリス{4−シアノ−2−[4−(2,6−ジイソプロピルフェニル)−5−(2−メチルフェニル)−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル−κN2]フェニル−κC}イリジウム(III)(略称:Ir(mp5CNptz−diPrp)3)の合成方法について説明する。
<合成例2>
≪ステップ1:N−3−ブロモベンゾイル−N’−2−メチルベンゾイルヒドラジドの合成≫
25g(166mmol)のO−トルイル酸ヒドラジドと、120mLのN−メチル−2−ピロリジノン(NMP)と、を500mLの三口フラスコに加え、フラスコ内を窒素置換し、氷冷下で撹拌した。この混合溶液に37g(166mmol)の3−ブロモベンゾイルクロリドと50mLのNMPとの混合溶液をゆっくり滴下し、20時間撹拌し反応させた。反応後、この反応溶液を300mLの水にゆっくり加えると、固体が析出した。析出した固体を水と1M塩酸で交互に超音波洗浄した。その後、固体をエタノールで超音波洗浄し、白色固体を40g、収率71%で得た。核磁気共鳴法(NMR)により得られた白色固体がN−3−ブロモベンゾイル−N’−2−メチルベンゾイルヒドラジドであることを確認した。ステップ1の合成スキームを下記式(a−5)に示す。
≪ステップ2:N−クロロ−3−ブロモフェニルメチリデン−N’−クロロ−2−メチルフェニルメチリデンヒドラゾンの合成≫
ステップ1で合成した40g(119mmol)のN−3−ブロモベンゾイル−N’−2−メチルベンゾイルヒドラジドと、800mLのトルエンと、を2000mLの三口フラスコに入れた。この混合溶液に75g(360mmol)の五塩化リンを加え、窒素気流下、120℃で8時間加熱撹拌し反応させた。反応後、この反応溶液を400mLの水にゆっくりと加え、室温で30分撹拌した。撹拌後、析出した固体をろ過で取り除き、得られたろ液を水層と有機層に分液し、水層をトルエンで抽出した。得られた抽出溶液と有機層を合わせた溶液を、400mLの2M水酸化カリウム水溶液にゆっくりと加え、室温で48時間撹拌した。この混合物の水層と有機層を分液し、水層をトルエンで抽出した。得られた抽出溶液と有機層とを合わせた溶液を飽和食塩水で洗浄した。洗浄後の溶液に無水硫酸マグネシウムを加えて乾燥させ、得られた混合物を自然ろ過して、ろ液を得た。得られたろ液を濃縮して油状物を得た。得られた油状物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製した。展開溶媒には、トルエンを用いた。得られたフラクションを濃縮して、黄色固体を43g、収率97%で得た。核磁気共鳴法(NMR)により得られた黄色固体がN−クロロ−3−ブロモフェニルメチリデン−N’−クロロ−2−メチルフェニルメチリデンヒドラゾンであることを確認した。ステップ2の合成スキームを下記式(b−5)に示す。
≪ステップ3:3−(3−ブロモフェニル)−4−(2,6−ジイソプロピルフェニル)−5−(2−メチルフェニル)−4H−1,2,4−トリアゾールの合成≫
ステップ2で合成したN−クロロ−3−ブロモフェニルメチリデン−N’−クロロ−2−メチルフェニルメチリデンヒドラゾンのうち30g(81.0mmol)と、43g(243mmol)の2,6−ジイソプロピルアニリンと、250mLのN,N−ジメチルアニリンと、を1000mLの三口フラスコに入れ、窒素気流下、160℃で13時間加熱撹拌し反応させた。反応後、反応溶液を500mLの3M塩酸に入れ、30分間撹拌した。ここにトルエンを入れ、有機層と水層を分液し、水層をトルエンで抽出した。有機層と得られた抽出溶液を合わせて、水、飽和炭酸水素ナトリウム、及び飽和食塩水で洗浄し、ここに無水硫酸マグネシウムを加えて乾燥させた。得られた混合物を自然ろ過し、ろ液を濃縮して油状物を得た。得られた油状物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製した。展開溶媒には、ヘキサン:酢酸エチル=5:1の混合溶媒を用いた。得られたフラクションを濃縮して、固体を得た。得られた固体を酢酸エチル/ヘキサンの混合溶媒で再結晶し、白色固体を18g、収率46%で得た。核磁気共鳴法(NMR)により得られた白色固体が3−(3−ブロモフェニル)−4−(2,6−ジイソプロピルフェニル)−5−(2−メチルフェニル)−4H−1,2,4−トリアゾールであることを確認した。ステップ3の合成スキームを下記式(c−5)に示す。
≪ステップ4:トリス{4−ブロモ−2−[4−(2,6−ジイソプロピルフェニル)−5−(2−メチルフェニル)−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル−κN2]フェニル−κC}イリジウム(III)の合成≫
次に、上記ステップ3で得られた3−(3−ブロモフェニル)−4−(2,6−ジイソプロピルフェニル)−5−(2−メチルフェニル)−4H−1,2,4−トリアゾールのうち4.8g(10mmol)と、1.0g(2.0mmol)のトリス(アセチルアセトナト)イリジウム(III)とを、三方コックを付けた反応容器に入れ、250℃にて40時間加熱し反応させた。得られた反応混合物をジクロロメタンに溶解し、不溶固体を吸引ろ過にて除去した。得られたろ液を、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製した。展開溶媒には、ジクロロメタンを用いた。得られたフラクションを濃縮して、固体を得た。この固体をジクロロメタンとヘキサンの混合溶媒で洗浄し、黄色固体を1.7g、収率53%で得た。核磁気共鳴法(NMR)により得られた黄色固体がトリス{4−ブロモ−2−[4−(2,6−ジイソプロピルフェニル)−5−(2−メチルフェニル)−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル−κN2]フェニル−κC}イリジウム(III)であることを確認した。ステップ4の合成スキームを下記式(d−5)に示す。
≪ステップ5:トリス{4−シアノ−2−[4−(2,6−ジイソプロピルフェニル)−5−(2−メチルフェニル)−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル−κN2]フェニル−κC}イリジウム(III)(略称:Ir(mp5CNptz−diPrp)3)の合成≫
次に、上記ステップ4で得られたトリス{4−ブロモ−2−[4−(2,6−ジイソプロピルフェニル)−5−(2−メチルフェニル)−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル−κN2]フェニル−κC}イリジウム(III)のうち1.2g(0.74mmol)と、10mLのジメチルホルムアミド(DMF)と、を50mLの三口フラスコに入れ、この混合物に0.30g(3.4mmol)のシアン化銅を加えて、窒素気流下150℃で44時間加熱撹拌し反応させた。反応後、反応溶液に10mLのアンモニア水、10mLの水を加え、室温で撹拌した。得られた混合溶液をジクロロメタンで抽出し、抽出溶液を水、及び飽和食塩水で洗浄した。この溶液に無水硫酸マグネシウムを加えて乾燥し、得られた混合物を自然ろ過してろ液を得た。得られたろ液を濃縮して油状物を得た。この油状物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製した。展開溶媒にはジクロロメタンを用いた。得られたフラクションを濃縮して固体を得た。この固体を酢酸エチルにて再結晶し、黄色固体を0.61g、収率57%で得た。ステップ5の合成スキームを下記式(e−5)に示す。
上記ステップ5で得られた黄色固体のプロトン(1H)を核磁気共鳴法(NMR)により測定した。以下に得られた値を示す。
1H−NMR δ(CDCl3):0.74−0.80(m,27H),0.93(d,9H),2.13−2.17(m,3H),2.32(s,9H),2.65−2.70(m,3H),6.33(d,3H),6.81(d,3H),6.91(t,3H),6.96−7.01(m,6H),7.12−7.27(m,9H),7.30(d,3H),7.56(t,3H)。