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JP2017193468A - 無鉛低融点組成物,封止材及び電子部品 - Google Patents

無鉛低融点組成物,封止材及び電子部品 Download PDF

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JP2017193468A
JP2017193468A JP2016085641A JP2016085641A JP2017193468A JP 2017193468 A JP2017193468 A JP 2017193468A JP 2016085641 A JP2016085641 A JP 2016085641A JP 2016085641 A JP2016085641 A JP 2016085641A JP 2017193468 A JP2017193468 A JP 2017193468A
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moles
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low melting
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JP2016085641A
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拓朗 池田
Takuro Ikeda
拓朗 池田
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Nihon Yamamura Glass Co Ltd
Original Assignee
Nihon Yamamura Glass Co Ltd
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Abstract

【課題】低い温度領域における熱処理により無機酸化物表面を,又は無機酸化物表面と金属表面との双方を良好な封止できる無鉛低融点組成物の提供。【解決手段】Mo及びPからなる群M1より選ばれる1種又は2種と,Mg,Ca,Sr,Ba,Y,ランタノイド,Ti,Zr,Nb,Ta,Mn,Fe,Ni,Zn,Ga,In,Si,Sn,及びBiからなる群M2より選ばれる1種又は2種以上と,Ag,I,及びOとを含んでなる低融点組成物であって,所定質量中,(a) 正のイオン価を有する原子の総モル数に対し群M1に属する原子の総モル数の割合が5〜30%であり,群M2に属する原子の総モル数の割合が0.1〜10%であり,Ag原子の総モル数の割合が69.9〜92%であり,(b) 負のイオン価を有する原子の総モル数に対し,I原子のモル数の割合が15〜65%,及びO原子のモル数の割合が35〜85%であり,(c) 負のイオン価を有する原子の総モル数に対しI及びOの各原子の総モル数の割合が少なくとも80%であり,そして(d) Pb原子の含有量が1000ppm未満である,低融点組成物。【選択図】なし

Description

本発明は,無機組成物に関し,より具体的には無鉛低融点組成物,該組成物を含んでなる無鉛低融点封止材,及びこれを用いた電子部品に関する。
種々の無機低融点組成物が電気・電子機器業界において様々な用途で用いられている。例えば,水晶振動子,LED素子のような電気・電子部品の封止において,低融点(例えば,250℃)のAu−Sn合金はんだペーストや封止用ガラスフリットが,これをそれらの部品に塗布し焼成するという方法で用いられている。
Au−Sn合金(特許文献1)は以前より用いられてきた材料であり信頼性はあるが,金を成分に含むため非常に高価である。
このため,封止材の調製に用いられる低融点ガラスとしては,より安価なPbO系ガラスやV系ガラスも知られている。例えば,400℃未満の温度で封止可能なPbO系ガラス(特許文献2)や350℃以下で焼成可能なV系ガラス(特許文献3)が知られている。
他方,酸化銀及び/又はハロゲン化銀と他の金属酸化物(Pb,Vであってよい)を含んでなる,300〜330℃で使用できる封止材料が知られている(特許文献4)。
また,酸化銀,五酸化燐及びヨウ化銀を含んでなる封止材料が知られている(特許文献5,6)。
このような状況において,近年,電気・電子材料の回路構成等の益々の微細化が進むのに伴い,より信頼性が高く且つ安価な封止材が求められるようになっているが,その要請には未だ十分に応えられていない。
特開平9−122969号公報 特開昭61−261233号公報 特開2013−32255号公報 特開平5−147974号公報 特開2000−183560号公報 特開2001−328837号公報
本発明の一目的は,無機酸化物及び/又は金属からなる表面を有する封止対象に適用して,大気中で,350℃を超えない,好ましくは300℃を超えない低い温度領域において熱処理するとき,それらの表面に対し良好な濡れ性を示してよく拡がり,その後の冷却固化により当該表面に良好に接着(密着)した状態となることでこれを封止でき,また重ね合わせたそれら表面同士を接合もできる,無鉛の無機低融点組成物を提供することである。本発明の更なる一目的は,無機酸化物表面を選択的に封止するのに適した低融点組成物を提供することである。本発明の更なる一目的は,そのような組成物を含む低融点封止材を提供することである。本発明の尚も更なる一目的は,それらの封止材で封止又は接合された電子部品を提供することである。
本発明者は,Mo及びPからなる群より選ばれる1種又は2種の構成要素と,Mg,Ca,Sr,Ba,Y,ランタノイド,Ti,Zr,Nb,Ta,Mn,Fe,Ni,Zn,Ga,In,Si,Sn,及びBiからなる群より選ばれる1種又は2種以上の構成要素と,構成要素Ag,I及びOとを所定範囲内の割合で含んでなる組成物が,低い融点を有することを見出した。またそれらの低融点組成物が,大気中,上記の温度領域において良好なフロー性(流れて拡がり易いという性質)を示すこと,それらの組成物を無機酸化物表面や金属表面を有する封止対象に適用してそのような温度領域で熱処理して融解させた後,冷却させ固化させることでそれらの表面によく密着した封止が可能であること,及び組成の調整により,無機酸化物表面に対する選択的な封止も可能であることを見出した。本発明は,これらの発見に更に検討を加えて完成するに至ったものである。すなわち,本発明は以下を提供する。
(1)Mo及びPからなる群M1より選ばれる1種又は2種の構成要素と,
Mg,Ca,Sr,Ba,Y,ランタノイド,Ti,Zr,Nb,Ta,Mn,Fe,Ni,Zn,Ga,In,Si,Sn,及びBiからなる群M2より選ばれる1種又は2種以上の構成要素と,
構成要素Ag,I,及びOと
を含んでなる低融点組成物であって,
所定質量の該組成物中,
(a) 正のイオン価を有する全原子のモル数の和に対し,群M1に属する原子のモル数の合計の占める割合が5〜30%,群M2に属する原子のモル数の合計の占める割合が0.1〜10%,Ag原子のモル数の占める割合が69.9〜92%であり,
(b) 負のイオン価を有する全原子のモル数の和に対し,I原子のモル数の占める割合が15〜65%,及びO原子のモル数の占める割合が35〜85%であり,
(c) 負のイオン価を有する全原子のモル数の和に対しI及びOの各原子のモル数の和の占める割合が少なくとも80%であり,そして
(d) Pb原子の含有量が1000ppm未満である,
低融点組成物。
(2)Mo及びPからなる群M1より選ばれる1種又は2種の構成要素と,
Ce,Ni及びBiからなる群M3より選ばれる1種又は2種以上の構成要素と,
構成要素Ag,I,及びOと
を含んでなる低融点組成物であって,
所定質量の該組成物中,
(a) 正のイオン価を有する全原子のモル数の和に対し,群M1に属する原子のモル数の合計の占める割合が5〜30%,群M3に属する原子のモル数の合計の占める割合が0.1〜10%,Ag原子のモル数の占める割合が69.9〜92%であり,
(b) 負のイオン価を有する全原子のモル数の和に対し,I原子のモル数の占める割合が15〜65%,O原子のモル数の占める割合が35〜85%であり,
(c) 負のイオン価を有する全原子のモル数の和に対しI及びOの各原子のモル数の和の占める割合が少なくとも80%であり,そして
(d) Pb原子の含有量が1000ppm未満である,
低融点組成物。
(3)Mo及びPからなる群M1より選ばれる1種又は2種の構成要素と,
Mg,Ca,Sr,Ba,Y,La,Ti,Zr,Nb,Ta,Mn,Fe,Zn,Ga,In,Si,及びSnからなる群M4より選ばれる1種又は2種以上の構成要素と,
構成要素Ag,I,及びOと
を含んでなる低融点組成物であって,
所定質量の該組成物中,
(a) 正のイオン価を有する全原子のモル数の和に対し,群M1に属する原子のモル数の合計の占める割合が5〜30%,群M4に属する原子のモル数の合計の占める割合が0.1〜10%,Ag原子のモル数の占める割合が69.9〜92%であり,
(b) 負のイオン価を有する全原子のモル数の和に対し,I原子のモル数の占める割合が15〜65%,O原子のモル数の占める割合が35〜85%であり,
(c) 負のイオン価を有する全原子のモル数の和に対しBr,I,及びOの各原子のモル数の和の占める割合が少なくとも80%であり,そして
(d) Pb原子,F原子及びCl原子の各含有量が,何れも1000ppm未満である,
低融点組成物。
(4)Moを含有するものである,上記1〜3の何れかの低融点組成物。
(5)上記1〜4の何れかの低融点組成物を含んでなる低融点封止材。
(6)上記5の低融点封止材で封止された電子部品。
(7)上記5の低融点封止材を介して互いに接合された2以上の部材を含んでなる,電子部品。
(8)水晶振動子,半導体素子,SAW素子又は有機EL素子である,上記6又は7の電子部品。
本発明の上記1の低融点組成物は,これを含んでなる低融点封止材を封止対象の無機酸化物及び/又は金属からなる表面に適用し,大気中で350℃を超えない幅広い温度領域において加熱融解させて適宜広げた後,冷却させ固化させることで,当該表面に対し密着性の良好な封止を達成できる。また,無機酸化物に対する融解時の濡れ性が特に高く,このため,無機酸化物表面を含む封止対象の封止に取り分け適している。
本発明の上記2の低融点組成物も,これを含んでなる低融点封止材として,大気中で350℃を超えない幅広い温度領域において封止に使用することができる。当該封止材は,融解時において,金属に対するよりも無機酸化物に対して高い濡れ性を示す。このため,封止対象の無機酸化物表面同士のみを封止材で接合しようとする際,接合部の周囲に金属表面が存在しても,無機酸化物表面に適用された封止材が金属表面に流れて拡がるのを抑制でき,高い信頼性を以て無機酸化物表面に選択的な封止の実施を可能にする。
本発明の上記3の低融点組成物も,これを含んでなる低融点封止材として,大気中で350℃を超えない幅広い温度領域において封止に使用することができる。当該封止材は,融解時に無機酸化物表面と金属表面の両方に対する良好な濡れ性を示し,このため無機酸化物表面有する部材と金属表面を有する部材との封止により接合(異種材料接合)を高い信頼性を以て達成することを可能にする。
図1は,液滴の接触角θと,θを算出するために用いるパラメータを示す模式図である。 図2は,組成物2の低融点組成物が付着した状態の金属キャップを示す図面代用写真である。 図3は,組成物2の低融点組成物で封止され且つ石英ガラスに固着もした状態の金属キャップを示す図面代用写真である。 図4は,封止材を用いた水晶振動子の構造を分解した状態で示す模式図である。
本明細書において,「低融点」の語は,融点が350℃を超えないことを意味し,より好ましくは,融点が300℃を超えないことを意味する。本発明の組成物は,その融点に適した用途に使用できる。例えば,250〜300℃の融点を有する組成物は,Au−Sn合金封止材の安価な代替材料として用いることができる。また,融点が250℃を超えない組成物は,Au−Sn合金はんだが既に用いられている電子部品に更に封止を施す場合にも好都合に使用できる。
本発明の組成物についてその構成要素の割合を規定するに際し,「所定質量」の該組成物というとき,「所定質量」の語は特定の固定された質量を意味せず,任意の質量であってよい。本発明は,特定の1種又は2種以上の原子について,当該原子と同じ符号のイオン価を有する全原子のモル数の和に対する当該特定の原子(1種又は2種以上)のモル数の割合(%)が求まればよいからである。
本明細書において,正のイオン価を有する全原子のモル数の和に対する同符号のイオン価を有する特定の原子(1種又は2種以上)のモル数の占める割合を,便宜上それ(ら)特定の原子の「カチオン%」ともいう。負のイオン価を有する原子の場合,同様に「アニオン%」ともいう。
本発明の組成物は,
Mo及びPからなる群M1より選ばれる1種又は2種の構成要素と,
Mg,Ca,Sr,Ba,Y,ランタノイド,Ti,Zr,Nb,Ta,Mn,Fe,Ni,Zn,Ga,In,Si,Sn,及びBiからなる群M2より選ばれる1種又は2種以上の構成要素と,
構成要素Ag,I,及びOと
を含んでなる低融点組成物であって,
所定質量の該組成物中,
(a) 正のイオン価を有する全原子のモル数の和に対し群M1に属する原子のモル数の合計の占める割合が5〜30%であり,群M2に属する原子のモル数の合計の占める割合が0.1〜10%であり,Ag原子のモル数の占める割合が69.9〜92%であり,
(b) 負のイオン価を有する全原子のモル数の和に対し,I原子のモル数の占める割合が15〜65%,及びO原子のモル数の占める割合が35〜85%であり,
(c) 負のイオン価を有する全原子のモル数の和に対しI及びOの各原子のモル数の和の占める割合が少なくとも80%であり,そして
(d) Pb原子の含有量が1000ppm未満である。
当該組成物は,350℃を超えない,好ましくは300℃を超えない温度領域で良好なフロー性を有している。従って,当該組成物を,例えば粒子(例えば,粉末)の形で,封止対象の無機酸化物又は金属からなる表面に適用しそのような領域の温度に加熱することで,封止対象の表面に流れ拡がるから,これを冷却して固化させることにより,封止対象の表面に強く密着した状態となってこれを封止することができる。
Agは本発明の組成物の必須成分である。Agには組成物の液相線温度を低下させる効果やガラス相を形成させる効果がある。これらの効果の利用のため,Agの含有量は,好ましくは69.9〜92カチオン%,より好ましくは73〜89カチオン%,更に好ましくは75〜87カチオン%である。
Mo及びPからなる群M1より選ばれる構成要素には,組成物の液相線温度を低下させる効果やガラス相を形成させる効果がある。これらの効果の利用のため群M1のうち1種又は2種を含有させる。群M1に属する構成要素の含有量は合計で,好ましくは5〜30カチオン%,より好ましくは8〜28カチオン%,更に好ましくは10〜25カチオン%である。
耐水性の高い組成物を得るためには,群M1の構成要素のうちMoを含有させることが好ましく,Moのみを含有させることがより好ましい。
Mg,Ca,Sr,Ba,Y,ランタノイド,Ti,Zr,Nb,Ta,Mn,Fe,Ni,Zn,Ga,In,Si,Sn,及びBiからなる群M2より選ばれる構成要素は,組成物の接触角を変化させる効果,特に無機酸化物表面への接触角を小さくさせる(即ち,濡れ性を高める)効果がある。この効果の利用のため,群M2に属する構成要素のうち1種又は2種以上を含有させる。それらの構成要素の含有量は,合計で,好ましくは0.1〜10カチオン%,より好ましくは0.3〜9カチオン%,更に好ましくは0.5〜7カチオン%である。
群M2に属する構成要素のうち,Ce,Ni,及びBiからなる群M3から選ばれる構成要素は,無機酸化物表面に対するのに比べ金属表面に対する組成物の接触角を小さくさせる効果が弱い。このため,封止対象の表面の無機酸化物部分同士を接合する場合において,接合部の周囲に金属表面が存在するときに金属表面側に低融点組成物がフローするのを抑制したいなら,群M3に属する構成要素のうち1種又は2種以上を,群M2に属する他の構成要素よりも優先して含有させることが好ましい。
群M2に属する構成要素のうち,Mg,Ca,Sr,Ba,Y,La,Ti,Zr,Nb,Ta,Mn,Fe,Zn,Ga,In,Si,及びSnからなる群M4より選ばれる構成要素は,金属表面への組成物の接触角も小さくする効果を有する。このため,無機酸化物表面と金属表面とを接合させる場合においては,群M4のうち1種又は2種以上の構成要素を含有させることが好ましい。
Iは本発明の組成物の必須成分である。Iは,組成物の液相線温度を低下させる効果やガラス相を形成させる効果がある。本発明の組成物におけるIの含有量は,好ましくは15〜65アニオン%,より好ましくは17〜60アニオン%,更に好ましくは20〜57アニオン%である。
Oは本発明の組成物の必須成分である。Oは組成物の耐水性及び無機酸化物表面や金属表面との密着性を飛躍的に高める効果がある。この効果を利用するには,Oの含有量は,好ましくは35〜85アニオン%,より好ましくは40〜83アニオン%,更に好ましくは43〜80アニオン%である。
I及びOの含有量は合計で,好ましくは80アニオン%以上,より好ましくは90アニオン%以上,更に好ましくは99アニオン%以上である。
本発明の組成物は,Pbを実質的に含まない。Pbは環境に有害な成分である。ここに,Pbを「実質的に含まない」とは,不純物として微量が混入する場合でも,Pbの含有量が1000ppm未満であることをいう。Pbの含有量はより好ましくは100ppm未満である。
F,Clは本発明の組成物においては任意成分である。Clは無機酸化物表面に対する組成物の濡れ性を向上させる一方,封止対象表面が金属である場合にその腐食を招くおそれがある。本発明の組成物におけるClの含有量は,好ましくは0〜10アニオン%である。但し,金属表面の封止に使用される場合の本発明の組成物は,F及びClを実質的に含まない。ここに,F及びClを「実質的に含まない」とは,不純物としてそれらが微量に混入する場合でも,含有量がそれぞれ1000ppm未満であることをいう。F及びClの合計含有量はより好ましくはそれぞれ100ppm未満である。
Brは本発明の組成物の任意成分である。Brには,組成物の固相線温度を高め,更に無機酸化物に対する濡れ性を向上させる効果があり,そのため,組成物の耐熱温度を高めつつ比較的低い温度での封止を可能にする。また,Brは,ハロゲンの中では本発明の低融点組成物から揮発しにくい成分である。更にBrは,封止対象における金属材料の腐食を起こしにくい成分である。これらの効果との関係から,Brの含有量は好ましくは0〜10アニオン%である。
本発明の組成物は,上記したAg,群M1及び群M2に属する以外の正のイオン価を有する原子を含んでもよい。それらの原子は,少量の含有であれば本発明の組成物の固相線温度及び液相線温度を低下させる効果が期待できるが,濡れ性を悪化させるおそれがある。このため,それらの合計含有量は,好ましくは14.5カチオン%以下,より好ましくは7カチオン%以下,更に好ましくは3カチオン%以下である。
本発明の組成物は,加熱し融解することで目的の低融点組成物を与えることになるように予め調合された各種原料試薬粉末の混合物の形で提供してもよい。また,そのような混合物を加熱し溶融した後に冷却することで得られる,固溶体や複ハロゲン化物,ガラス相が形成されている形態の材料とすることもできる。固溶体や複ハロゲン化物,ガラス相が形成されていると,より短時間の加熱で融解しやすい組成物となることから,そのような形態の組成物であることがより好ましい。また,本発明の組成物は,酸,塩基,又は塩を含んだ水溶液を反応させ沈殿させることによっても製造することができる。
また,本発明の組成物は,粉末やビーズ,シート状,ロッド状等に加工して封止材として用いることができる。作業性の向上という点から水,有機溶剤,分散剤,増粘剤等と混合してペースト状の封止材としても用いることができる。有機溶剤としてはターピネオール,セロソルブ,イソボルニルシクロヘキサノール等を用いることができる。また,種々の特性の向上或いは性能付加の観点から,フィラーを含んだ形態のものとすることもできる。例えば,導電性の付与のためには,金属(例えば,金属銀等),カーボンナノチューブ等の導電性フィラーを含んだ形態のものとすることができ,熱伝導性の付与のためには,高い熱伝導性を有するフィラー(例えば,窒化アルミニウム,炭化ケイ素等)を含んだ形態のものとすることができ,熱膨張の抑制のためには,熱膨張率の小さいフィラー(例えば,ZrWやインバー合金等)を含んだ形態のものとすることができ,また,脆性の改善のためには耐熱性のある有機高分子材料(例えば,ポリイミド,シリコーン,ポリテトラフルオロエチレン,ポリフェニレンスルファイド,フッ素ゴム等)を含んだ形態のものとすることができる。これらのフィラーは,本発明の組成物が用いられる封止対象の使用態様・使用環境に応じて求められる性能に合わせ,本発明の組成物の構成要素の一部をなすものとして配合すればよい。但し,それらフィラーは,封止のための熱処理においても,更には封止後の封止対象(電子機器等)の使用環境においても,一貫して固体粒子であり,フィラー以外の部分の組成に影響を及ぼさないから,フィラーを構成する原子の正又は負のイオン価は,本発明の組成物の定義には関与しない。
本発明の組成物を封止に用いる場合,封止対象は,その表面が,種々の金属,非金属(無機酸化物,フッ化物,窒化物,炭化物,有機ポリマー材料等)で構成されたものであることができる。但し,本発明の組成物には,無機酸化物を濡らす性質があるため,封止対象の少なくとも一部が無機酸化物である場合に用いるのが特に好ましい。
本発明の組成物は,封止対象の表面の材質及び封止の目的に応じて,以下のように選択することができる。
(1)本発明の組成物を,無機酸化物からなる表面に適用する場合:次の条件Aを満たす組成物であること。
条件A:250℃におけるガラス板への接触角が50°以下,又は300℃におけるガラス板への接触角が35°以下。
(2)無機酸化物からなる表面と金属からなる表面の双方を有する封止対象に本発明の組成物を適用する場合において,無機酸化物表面に適用された組成物の金属表面にフローするのを抑制しようとする場合:次の条件Bを満たす組成物であること。
条件B:250℃におけるガラス板への接触角が50°以下で且つガラス板への接触角とコバール(Kovar)板への接触角との差(Δガラス−Kovar)が−5°未満であるか,又は300℃におけるガラス板への接触角が35°以下で且つガラス板への接触角とコバール板への接触角との差(Δガラス−Kovar)が−5°未満。
(3)無機酸化物からなる表面と金属からなる表面の双方に同時に適用して無機酸化物表面と金属表面とを接合する場合:上記条件Aを満たすが条件Bは満たさない組成物であること。
本発明の組成物を用いて封止するとき,作業雰囲気は酸素を含んでいてもいなくてもよい。封止に際しては,封止対象に圧力をかけて接着性を更に高めることもでき,また,封止材に超音波等の振動を与えて融解を促進させることもできる。
本発明の封止材は種々の電子部品,例えば,水晶振動子,半導体素子,SAW素子,有機EL素子に使用できる。
本発明の封止材12を用いた水晶振動子の構造を,分解した状態で図4に模式的に示す。
以下,実施例を参照して本発明の特徴をより具体的に説明するが,本発明がそれらの実施例に限定されることは意図しない。
〔組成物1〜39〕
表1−1〜1−3に従い,各組成物につき示された配合割合で合計5gとなるように原料を秤取・配合し,乳鉢で粉砕・混合して粉末とした。得られた粉末5gを磁製ルツボに入れた。ルツボを大気中,表に示した溶融温度(500℃又は600℃)に加熱した炉内へ入れ,10分間保持して原料混合物を溶融した。融液を室温にてグラファイト板上へ流し出して冷却させることにより,バルクとして各組成物を得た。
〔物性の評価〕
上記で得られた各バルクについて,下記の方法により物性を評価した。
1.濡れ性の評価
組成物1〜39の各バルクを,直径3mm×高さ5mmの円柱状に切削加工してサンプルとした。各サンプルを25mm角,1.3mm厚のガラス板(ソーダライムガラス)の非錫面(フロートガラス製造時の空気側の面)に立てて載せ電気炉へ入れた。5℃/分で250℃又は300℃まで昇温した後,同温度で1時間保持し,加熱を止め,サンプルを放冷した。ガラス板上のサンプルの形状を観察し,図1に記載の各パラメータを計測し,それらを用いてθ/2法により接触角θを算出した。
上記と同様の評価を,ガラス板に代えて10mm角,0.2mm厚のコバール板を用いても行うと共に,ガラス板及びコバール板での接触角の間の差〔Δ(ガラス−Kovar)〕も求めた。
<結果>
各組成物について,ガラス板との接触角,コバール板との接触角,及び両接触角の差を表2−1〜2−3に示す。
表2−1〜2−3に見られるように,組成物2〜10,12〜13,16〜17,19〜20,22〜24,26,29,32,36,及び38〜39(実施例)は,何れも250℃又は300℃におけるガラス板との接触角が小さく(条件Aを満たす),このことはそれら実施例の組成物がこれらの温度において無機酸化物の封止に好適に使用できるものであることを示している。他方,組成物1,11,14〜15,18,21,25,27〜28,30〜31,33〜35,及び37(比較例)は,ガラス板への接触角が大きく,無機酸化物に対する封止材としては好ましくない。
実施例の組成物のうち,特に組成物8,19,及び29(条件Bを満たす)は,250℃及び300℃の双方においてガラス板への接触角が小さく且つ250℃においてガラス板とコバール板のそれぞれに対する接触角の差が−5°未満であり,当該温度での金属に対する濡れ性が相対的に低い。このためこれらの実施例の組成物は,封止対象の表面の無機酸化物表面同士を封止により接合させる場合において,接合部の周囲に金属表面が存在しても,金属表面に低融点組成物がフローするのを抑制することができる。
また,特に組成物2〜7,9〜10,12〜13,16〜17,20,22〜24,26,32,36,及び38〜39(条件Aを満たし条件Bを満たさない)は,酸化物と金属との異種材料接合において,信頼性の高い封止を行うことを可能にする。
2.Heリーク試験
標準の金属製半導体パッケージの規格によるTO−5型で,上部に開口のある金属キャップ(本体はコバール製であり,表面にNiメッキを施したもの)の上部を,300℃に加熱した上記組成物2の融液に漬け,次いで組成物が付着した上部を上側に向けて金属キャップを台上に置いた(図2)。石英ガラス板を金属キャップ上に載せ,その状態でそれらを300℃に設定した炉に投入した。炉を300℃で10分間保持後,組成物により封止された金属キャップを炉から取り出し放冷した。金属キャップと石英ガラスは固着していた(図3)。
<Heリーク評価方法>
Heリーク試験には,JIS Z 2331:2006に規定された真空吹付け法を用いた。リークディテクタにはHELIOT700((株)ULVAC製)を用いた。
<結果>
5×10−11Pa・m/秒の感度にてHeのリークは確認できなかった。このことは当該組成物がコバール(金属)表面とガラス(無機酸化物)表面の両方に隙間なく密着して優れた密封状態を作り出したことを示している。
本発明の低融点組成物は,水晶振動子,LED素子その他の電気電子部品に用いる封止材に用いることができ,有用である。
10 蓋
12 封止材
14 セラミック基板
16 水晶振動子

Claims (8)

  1. Mo及びPからなる群M1より選ばれる1種又は2種の構成要素と,
    Mg,Ca,Sr,Ba,Y,ランタノイド,Ti,Zr,Nb,Ta,Mn,Fe,Ni,Zn,Ga,In,Si,Sn,及びBiからなる群M2より選ばれる1種又は2種以上の構成要素と,
    構成要素Ag,I,及びOと
    を含んでなる低融点組成物であって,
    所定質量の該組成物中,
    (a) 正のイオン価を有する全原子のモル数の和に対し,群M1に属する原子のモル数の合計の占める割合が5〜30%,群M2に属する原子のモル数の合計の占める割合が0.1〜10%,Ag原子のモル数の占める割合が69.9〜92%であり,
    (b) 負のイオン価を有する全原子のモル数の和に対し,I原子のモル数の占める割合が15〜65%,O原子のモル数の占める割合が35〜85%であり,
    (c) 負のイオン価を有する全原子のモル数の和に対しI及びOの各原子のモル数の和の占める割合が少なくとも80%であり,そして
    (d) Pb原子の含有量が1000ppm未満である,
    低融点組成物。
  2. Mo及びPからなる群M1より選ばれる1種又は2種の構成要素と,
    Ce,Ni及びBiからなる群M3より選ばれる1種又は2種以上の構成要素と,
    構成要素Ag,I,及びOと
    を含んでなる低融点組成物であって,
    所定質量の該組成物中,
    (a) 正のイオン価を有する全原子のモル数の和に対し,群M1に属する原子のモル数の合計の占める割合が5〜30%,群M3に属する原子のモル数の合計の占める割合が0.1〜10%,Ag原子のモル数の占める割合が69.9〜92%であり,
    (b) 負のイオン価を有する全原子のモル数の和に対し,I原子のモル数の占める割合が15〜65%,O原子のモル数の占める割合が35〜85%であり,
    (c) 負のイオン価を有する全原子のモル数の和に対しI及びOの各原子のモル数の和の占める割合が少なくとも80%であり,そして
    (d) Pb原子の含有量が1000ppm未満である,
    低融点組成物。
  3. Mo及びPからなる群M1より選ばれる1種又は2種の構成要素と,
    Mg,Ca,Sr,Ba,Y,La,Ti,Zr,Nb,Ta,Mn,Fe,Zn,Ga,In,Si,及びSnからなる群M4より選ばれる1種又は2種以上の構成要素と,
    構成要素Ag,I,及びOと
    を含んでなる低融点組成物であって,
    所定質量の該組成物中,
    (a) 正のイオン価を有する全原子のモル数の和に対し,群M1に属する原子のモル数の合計の占める割合が5〜30%,群M4に属する原子のモル数の合計の占める割合が0.1〜10%,Ag原子のモル数の占める割合が69.9〜92%であり,
    (b) 負のイオン価を有する全原子のモル数の和に対し,I原子のモル数の占める割合が15〜65%,O原子のモル数の占める割合が35〜85%であり,
    (c) 負のイオン価を有する全原子のモル数の和に対しBr,I,及びOの各原子のモル数の和の占める割合が少なくとも80%であり,そして
    (d) Pb原子,F原子及びCl原子の各含有量が,何れも1000ppm未満である,
    低融点組成物。
  4. Moを含有するものである,請求項1〜3の何れかの低融点組成物。
  5. 請求項1〜4の何れかの低融点組成物を含んでなる低融点封止材。
  6. 請求項5の低融点封止材で封止された電子部品。
  7. 請求項5の低融点封止材を介して互いに接合された2以上の部材を含んでなる,電子部品。
  8. 水晶振動子,半導体素子,SAW素子又は有機EL素子である,請求項6又は7の電子部品。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2018181110A1 (ja) * 2017-03-27 2018-10-04 日本山村硝子株式会社 低融点封止材及び電子部品

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