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JP2017190765A - 圧縮機 - Google Patents

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JP2017190765A
JP2017190765A JP2016082444A JP2016082444A JP2017190765A JP 2017190765 A JP2017190765 A JP 2017190765A JP 2016082444 A JP2016082444 A JP 2016082444A JP 2016082444 A JP2016082444 A JP 2016082444A JP 2017190765 A JP2017190765 A JP 2017190765A
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Masaaki Adachi
将彬 足立
増田 正典
Masanori Masuda
正典 増田
東 洋文
Hirofumi Azuma
洋文 東
伸広 野島
Nobuhiro Nojima
伸広 野島
木村 孝
Takashi Kimura
孝 木村
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Daikin Industries Ltd
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Abstract

【課題】油溜まり部の油面切れが生じるのを抑制する。
【解決手段】圧縮機構10は、圧縮室31を有するシリンダ30と、シリンダ30の上端面32に配置されるフロントヘッド20と、シリンダ30の下端面33に配置されるリアヘッド50と、フロントヘッド20に形成された油戻し孔28とを有している。油戻し孔28の内周面28aの算術平均表面粗さRaが、25以下である。
【選択図】図1

Description

本発明は、冷媒を圧縮するための圧縮機に関する。
従来、圧縮機としては、密閉容器と、この密閉容器内に配置され、上ベアリング、シリンダ、ピストン、下ベアリング及び分離板などで構成された圧縮機構と、密閉容器内に配置されると共にシャフトを介して圧縮機構を駆動するモータとを備え、密閉容器の下部には潤滑油が溜められた油溜まり部が形成されていた(特許文献1参照)。
特開昭61−087984号公報
上記特許文献1には、圧縮機構の潤滑油と接する面における表面粗さ(算術平均表面粗さ)Raについて、特に記載されていない。本発明者らは、例えば、潤滑油を戻すための油戻し孔としての小孔が形成された分離板が、鋳物から構成され、当該小孔の内周面の表面粗さRaが25を大幅に越えるような鋳肌である場合、液冷媒が混ざった潤滑油が小孔の内周面と接すると、潤滑油に多くの気泡が発生することを知見した。さらに、本発明者らは、圧縮機構に分離板が設けられていない場合でも、圧縮機構に形成され上下に連通する油戻し孔の内周面の表面粗さRaが25を越えている場合、上記と同様に、潤滑油が油戻し孔の内周面と接するときに多くの気泡が発生することも知見した。つまり、本発明者らは、液冷媒が混ざった潤滑油は、表面粗さRaが25を越えるような粗い面と接したときに生じる気泡の発生量が、表面粗さRaが25以下の面と接したときに生じる気泡の発生量よりも多くなることを知見した。
このように圧縮機構の潤滑油と接する面において、表面粗さRaが25を越える面を多く有していると、圧縮機の起動時等に生じるオイルフォーミングにおける全体の気泡量が多くなる。さらには、油戻し孔で気泡が発生しやすいと、潤滑油が油戻し孔に侵入しにくくなって油溜まり部に戻りにくくなる。この結果、オイルフォーミングによって体積の増加した潤滑油が吐出冷媒ガスと一緒に圧縮機の外部に流出しやすくなって、油面切れが発生する問題が生じる。なお、オイルフォーミングとは、圧縮機の起動時等に潤滑油に混ざった液冷媒が気化することで、潤滑油が泡立つ現象である。
そこで、本発明の目的は、油溜まり部の油面切れが生じるのを抑制することが可能な圧縮機を提供することである。
第1の発明にかかる圧縮機は、下部に潤滑油が溜められる油溜まり部を有する密閉容器と、前記密閉容器の内部に配置される圧縮機構とを備えている。そして、前記圧縮機構は、圧縮室を有するシリンダと、前記シリンダの上端面に配置される上端部材と、前記シリンダの下端面に配置される下端部材と、前記シリンダ、前記上端部材、及び、前記下端部材の少なくともいずれか1つに形成された、上下に連通する油戻し孔とを有しており、前記油戻し孔の内周面の少なくとも一部の算術平均表面粗さRaが、25以下であることを特徴とする。
この圧縮機では、液冷媒が混ざった潤滑油が油戻し孔を通る際に生じる気泡の発生量が抑制される。このため、圧縮機の起動時等に生じるオイルフォーミングにおける全体の気泡量が少なくなるとともに、潤滑油が油戻し孔を通って油溜まり部に戻りやすくなる。この結果、潤滑油が圧縮機の外部に流出しにくくなって、油面切れが生じにくくなる。
第2の発明にかかる圧縮機は、第1の発明にかかる圧縮機において、前記油戻し孔の前記内周面の少なくとも上端部の算術平均表面粗さRaが、25以下であることを特徴とする。
この圧縮機では、油戻し孔の内周面の上端部で生じる気泡の発生量が抑制される。このため、潤滑油は、油戻し孔に侵入しやすくなって油溜まり部に戻りやすくなる。
第3の発明にかかる圧縮機は、第2の発明にかかる圧縮機において、前記油戻し孔の前記内周面全体の算術平均表面粗さRaが、25以下であることを特徴とする。
この圧縮機では、油戻し孔の内周面で生じる気泡の発生量がより抑制される。このため、潤滑油は、油戻し孔に侵入しやすくなって油溜まり部により一層戻りやすくなる。
第4の発明にかかる圧縮機は、第1〜第3のいずれかの発明にかかる圧縮機において、前記圧縮機構は、前記上端部材の上面の一部を覆うように当該上端部材に取り付けられ、前記上端部材との間にマフラ空間を形成するマフラ部材をさらに有しており、前記上端部材の上面のうち、少なくとも前記マフラ部材によって覆われた前記一部以外の部分の算術平均表面粗さRaが、25以下であることを特徴とする。
この圧縮機では、圧縮機構の上面で生じる気泡の発生量が抑制される。このため、圧縮機の起動時等に生じるオイルフォーミングにおける全体の気泡量がより一層少なくなる。さらに、潤滑油は、油戻し孔に侵入しやすくなって油溜まり部に戻りやすくなる。
第5の発明にかかる圧縮機は、第1〜第4のいずれかの発明にかかる圧縮機において、前記算術平均表面粗さRaが、12.5以下であることを特徴とする。
この圧縮機では、圧縮機の起動時等に生じるオイルフォーミングにおける全体の気泡量がより一層少なくなる。さらに、潤滑油は、油戻し孔に侵入しやすくなって油溜まり部に戻りやすくなる。
以上の説明に述べたように、本発明によれば、以下の効果が得られる。
第1の発明では、液冷媒が混ざった潤滑油が油戻し孔を通る際に生じる気泡の発生量が抑制される。このため、圧縮機の起動時等に生じるオイルフォーミングにおける全体の気泡量が少なくなるとともに、潤滑油が油戻し孔を通って油溜まり部に戻りやすくなる。この結果、潤滑油が圧縮機の外部に流出しにくくなって、油面切れが生じにくくなる。
第2の発明では、油戻し孔の内周面の上端部で生じる気泡の発生量が抑制される。このため、潤滑油は、油戻し孔に侵入しやすくなって油溜まり部に戻りやすくなる。
第3の発明では、油戻し孔の内周面で生じる気泡の発生量がより抑制される。このため、潤滑油は、油戻し孔に侵入しやすくなって油溜まり部により一層戻りやすくなる。
第4の発明では、圧縮機構の上面で生じる気泡の発生量が抑制される。このため、圧縮機の起動時等に生じるオイルフォーミングにおける全体の気泡量がより一層少なくなる。さらに、潤滑油は、油戻し孔に侵入しやすくなって油溜まり部に戻りやすくなる。
第5の発明では、圧縮機の起動時等に生じるオイルフォーミングにおける全体の気泡量がより一層少なくなる。さらに、潤滑油は、油戻し孔に侵入しやすくなって油溜まり部に戻りやすくなる。
本発明の一実施形態に係る圧縮機の断面図である。 図1に示すII−II線に沿った断面図である。 図1に示すIII−III線に沿った断面図である。
以下、本実施形態について説明する。
本実施形態は、1シリンダ型のロータリ圧縮機に本発明を適用した一例である。
図1に示すように、本実施形態の圧縮機1は、密閉ケーシング(密閉容器)2と、密閉ケーシング2内に配置される圧縮機構10と、駆動機構6とを備えている。なお、図1は、駆動機構6の断面を示すハッチングを省略して表示している。この圧縮機1は、例えば、空調装置などの冷凍サイクルに組み込まれて使用され、後述する吸入管3から導入された冷媒(例えばR32)を圧縮して排出管4から排出する。図1の上下方向を単に上下方向として、圧縮機1について以下説明する。
密閉ケーシング2は、上下方向に開口する円筒形状のケーシング本体2aと、ケーシング本体2aの上部開口を塞ぐ上蓋2bと、ケーシング本体2aの下部開口を塞ぐ下蓋2cとで構成されている。つまり、密閉ケーシング2は、上下の両端が塞がれた円筒状の密閉容器である。上蓋2bには、圧縮された冷媒を排出するための排出管4と、駆動機構6の後述する固定子7bのコイルに電流を供給するためのターミナル端子5が設けられている。
なお、図1では、コイルとターミナル端子5とを接続する配線は省略して表示している。また。ケーシング本体2aの側部には、圧縮機1に冷媒を導入するための吸入管3が設けられている。また、密閉ケーシング2内の下部には、圧縮機構10の摺動部の動作を滑らかにするための潤滑油Lが溜められる油溜まり部2dが形成されている。密閉ケーシング2の内部には、駆動機構6と、圧縮機構10とが上下に並んで配置されている。
駆動機構6は、圧縮機構10を駆動するために設けられており、駆動源となるモータ7と、このモータ7に取り付けられたシャフト8とから構成されている。
モータ7は、ケーシング本体2aの内周面に固定されている略円環状の固定子7bと、この固定子7bの径方向内側にエアギャップを介して配置される回転子7aとを有している。回転子7aは磁石(図示省略)を有し、固定子7bはコイルを有している。モータ7は、コイルに電流を流すことによって発生する電磁力によって、回転子7aを回転させる。また、固定子7bの外周面は、全周にわたってケーシング本体2aの内周面に密着しているわけではなく、固定子7bの外周面には、上下方向に延び且つモータ7の上下の空間を連通させる複数の凹部(図示省略)が、周方向に並んで形成されている。
シャフト8は、上下方向に沿って延在し、回転子7aの内周面に固定されて、回転子7aと一体的に回転する。つまり、シャフト8は、モータ7の駆動力を圧縮機構10に伝達するために設けられている。また、シャフト8は、後述する圧縮室31内となる位置に、偏心部8aを有している。偏心部8aは、円柱状に形成されており、その軸心がシャフト8の回転中心から偏心している。この偏心部8aには、圧縮機構10の後述するローラ41が装着されている。
また、シャフト8の下側略半分の内部には、上下方向に延びる給油路8bが形成されている。この給油路8bの下端部には、シャフト8の回転に伴って潤滑油Lを給油路8b内に吸い上げるための螺旋羽根形状のポンプ部材(図示省略)が挿入されている。さらに、シャフト8には、給油路8b内の潤滑油Lをシャフト8の外側に排出するための複数の排出孔8cが形成されている。
圧縮機構10は、ケーシング本体2aの内周面に固定されるフロントヘッド(上端部材)20と、フロントヘッド20の上側に配置されるマフラ部材11と、フロントヘッド20の下側に配置されるシリンダ30と、シリンダ30の内部に配置されるピストン40と、シリンダ30の下側に配置されるリアヘッド(下端部材)50とを備えている。これらは全て金属材料で形成されており、マフラ部材11以外は、焼結や鋳造や削り出しなどによって製造されている。また、マフラ部材11は絞り加工などで製造されている。
シリンダ30は、図2に示すように、略円環状の部材であって、その中央部に圧縮室31が形成されている。シリンダ30は、リアヘッド50と共に、フロントヘッド20の下側にボルトにより固定されている。なお、図2は、シリンダ30に形成されているボルト孔は省略して表示している。圧縮室31上方の開口は、フロントヘッド20の下面で閉塞されており、圧縮室31の下方の開口は、リアヘッド50の上面で閉塞されている。
また、シリンダ30には、圧縮室31内に冷媒を導入するための吸入孔32が形成されている。この吸入孔32は、径方向に延在している。図1に示すように、吸入孔32の径方向外側の端部には、吸入管3の先端が内嵌されている。さらに、図2に示すように、シリンダ30には、圧縮室31の周壁面から径方向外側に凹んだ形状のブレード収容部33が形成されている。ブレード収容部33は、シリンダ30を上下方向に貫通している。
図2に示すように、シリンダ30の外径は、一定ではなく、ブレード収容部33と吸入孔32の径方向外側の部分の径が、他の部分30a(以下、小径面30aという)の径R1よりも大きくなっている。
図2に示すように、ピストン40は、円環状のローラ41と、このローラ41の外周面から径方向外側に延在するブレード42とから構成されている。ローラ41は、偏心部8aの外周面に対して相対回転可能に、偏心部8aに装着されており、圧縮室31内に配置されている。ブレード42は、ブレード収容部33に配置された一対のブッシュ34の間に、進退可能に配置されている。一対のブッシュ34は、略円柱状の部材を半分に分割した形状である。一対のブッシュ34は、ブッシュ34間にブレード42を配置した状態で、ブレード収容部33内において揺動可能となっている。したがって、ブレード42は、ブレード収容部33内において、進退可能であると共に、一対のブッシュ34を中心として揺動可能となっている。
図1に示すように、フロントヘッド20は、シリンダ30の上端面32に配置され、ケーシング本体2aの内周面に固定されている。フロントヘッド20は、本体部21と、ボス部25と、支持部26とから構成されている。
また、図3に示すように、本体部21には、圧縮室31内で圧縮された冷媒を吐出するための吐出孔22が形成されている。本体部21の上面21aには、凹部23が形成されており、吐出孔22の出口は、この凹部23の底面に形成されている。凹部23内には、吐出孔22の出口を開閉する弁機構24が配置されている。弁機構24は、板バネを有しており、圧縮室31内の圧力が所定の圧力以上のときに、吐出孔22の出口を開放するように構成されている。なお、図3では、マフラ部材11の略半分を省略して表示している。
図1に示すように、ボス部25は、本体部21の上面21aの中央から上方に突出しており、円筒状に形成されている。ボス部25の内径は、本体部21の中央の孔と同径であって、ボス部25内には、シャフト8が回転可能に挿通されている。
図1に示すように、支持部26は、本体部21の外周端からケーシング本体2aの内周面に向かって延在している。支持部26は、図3に示すように、環状に形成されている。支持部26と本体部21との境界の下端の位置は、シリンダ30の小径面30aの上端の位置と一致している。また、支持部26の外周面は、スポット溶接などによってケーシング本体2aの内周面に固定されている。
図1及び図3に示すように、支持部26には、圧縮機構10の上部空間と下部空間とを連通させ、当該上部空間から下部空間へと潤滑油Lを戻すための複数の油戻し孔28が形成されている。複数の油戻し孔28は、支持部26の周方向に沿って並んで配置され、且つ周方向に沿って延在している。
本実施形態におけるフロントヘッド20は、鋳造によって形成されたフロントヘッド前躯体が機械加工されることで、その表面全体の算術平均表面粗さRaが、25以下となっている。つまり、フロントヘッド20の上面20a全体は、算術平均表面粗さRaが25以下である。なお、算術平均表面粗さRaとは、測定対象物表面の基準長さにおける粗さ曲線(山の高さ)の絶対値の平均である。算術平均表面粗さRaは、JIS B0601−2001に準拠するものとする。
より詳細には、図3に示すように、フロントヘッド20の上面20aのうち、マフラ部材11によって覆われた部分21a1以外の部分であって、図3中ハッチングで示す本体部21の上面21aのうちの周縁部21a2、及び、支持部26の上面26aの算術平均表面粗さRaが12.5以下となっている。なお、部分21a1は、本体部21の上面21aのうちの周縁部21a2以外の部分である。また、各油戻し孔28の内周面28a全体も機械加工によって、その算術平均表面粗さRaが、12.5以下となっている。なお、フロントヘッド20の算術平均表面粗さが、12.5以下の部分は、図1において、太線で示している。
マフラ部材11は、冷媒の吐出に伴う騒音を低減するために設けられている。図1に示すように、マフラ部材11は、フロントヘッド20の上面20a上に配置され、ボルトによって本体部21に固定されている。マフラ部材11は、本体部21の上面21aのうち、周縁部21a2以外の部分21a1を覆っている。また、マフラ部材11の表面全体の算術平均表面粗さRaが、25以下となっている。マフラ部材11は、フロントヘッド20との間にマフラ空間Mを形成している。また、図3に示すように、マフラ部材11には、マフラ空間M内の冷媒を排出するためのマフラ吐出孔12が形成されている。
図1に示すように、リアヘッド50は、略円環状の部材であって、シリンダ30の下端面33に配置され、ボルトによってシリンダ30に固定されている。リアヘッド50には、シャフト8が回転可能に挿通されている。
次に、本実施形態の圧縮機1の動作について説明する。
吸入管3から吸入孔32を介して圧縮室31内に冷媒を供給しつつ、モータ7の駆動によりシャフト8を回転させると、偏心部8aに装着されたローラ41は、圧縮室31の周壁面に沿って周方向に移動する。これにより、ピストン40の側面と圧縮室31の周壁面とによって形成される空間の容積が変化するため、圧縮室31内で冷媒が圧縮される。
圧縮室31内の圧力が所定の圧力以上になると、フロントヘッド20に設けられた弁機構24が開弁して、圧縮室31内の冷媒が吐出孔22を介してマフラ空間Mに吐出される。マフラ空間Mに吐出された冷媒は、マフラ部材11のマフラ吐出孔12から圧縮機構10の外(圧縮機構10の上部)に吐出された後、固定子7bと回転子7aとの間のエアギャップなどを通過して、最終的に、排出管4から密閉ケーシング2の外に排出される。
このとき、シャフト8の排出孔8cから圧縮室31内に排出された潤滑油Lの一部は、冷媒と共に圧縮機構10の外に吐出される。圧縮機構10の外に吐出された潤滑油Lの一部は、フロントヘッド20の油戻し孔28を通過して、密閉ケーシング2の下部、すなわち、油溜まり部2dに戻る。また、圧縮機構10の外に吐出された潤滑油Lの他の一部は、冷媒と共にモータ7の上方の空間まで移動した後、固定子7bの外周面に形成された凹部(図示省略)と、フロントヘッド20の油戻し孔28を通過して、同様に、油溜まり部2dに戻る。
[本実施形態の圧縮機の特徴]
本実施形態の圧縮機1には以下の特徴がある。
圧縮機1の起動時は、ポンプ部材によって油溜まり部2dの潤滑油Lが撹拌される。潤滑油Lには液冷媒が混ざっていることがあり、この液冷媒が混ざった潤滑油Lが撹拌されると、液冷媒が気化しやすくなって潤滑油Lに多くの気泡が生じる。このようなオイルフォーミングによって潤滑油Lの油面が、図1中二点鎖線で示す位置であって圧縮機構10の上部に達するまで上昇することがある。
本実施形態の圧縮機1では、油戻し孔28の内周面28aの少なくとも一部の算術平均表面粗さRaが25以下である。このため、圧縮機構10の上部にまで達した液冷媒が混ざった潤滑油L(起動時のオイルフォーミングによるもの及び冷媒と共に圧縮機構10の外に吐出されたもの)が油戻し孔28を通過する際に生じる気泡の発生量が抑制される。これは、液冷媒が混ざった潤滑油Lは、算術平均表面粗さRaが25以下の面と接したときに生じる気泡の発生量が、当該表面粗さRaが25を越えるような粗い面と接したときに生じる気泡の発生量よりも、小さくなるからである。これにより、圧縮機1の起動時等に生じるオイルフォーミングにおける全体の気泡量が少なくなるとともに、潤滑油Lが油戻し孔28を通って油溜まり部2dに戻りやすくなる。この結果、潤滑油Lが圧縮機1の外部に流出しにくくなって、油溜まり部2dにおける油面切れが生じにくくなる。
本実施形態の圧縮機1では、油戻し孔28の内周面28aの少なくとも上端部の算術平均表面粗さRaが、25以下である。これにより、油戻し孔28の内周面28aの上端部で生じる気泡の発生量が抑制される。このため、潤滑油Lは、油戻し孔28に侵入しやすくなって油溜まり部2dに戻りやすくなる。
本実施形態の圧縮機1では、油戻し孔28の内周面28a全体の算術平均表面粗さRaが、25以下である。これにより、油戻し孔28の内周面28aで生じる気泡の発生量がより抑制される。このため、潤滑油Lは、油戻し孔28に侵入しやすくなって油溜まり部2dにより一層戻りやすくなる。
本実施形態の圧縮機1では、フロントヘッド20の上面20aのうち、少なくともマフラ部材11によって覆われた部分21a1以外の部分(周縁部21a2及び支持部26の上面26a)の算術平均表面粗さRaが、25以下である。これにより、圧縮機構10の上面(フロントヘッド20の上面20aのうちマフラ部材11で覆われていない部分とマフラ部材11の上面)で生じる気泡の発生量が抑制される。このため、圧縮機1の起動時等に生じるオイルフォーミングにおける全体の気泡量がより一層少なくなる。さらに、潤滑油Lは、油戻し孔28に侵入しやすくなって油溜まり部2dに戻りやすくなる。
本実施形態の圧縮機1では、さらに、周縁部21a2、支持部26の上面26a及び油戻し孔28の内周面28aの算術平均表面粗さRaが、12.5以下である。これにより、圧縮機1の起動時等に生じるオイルフォーミングにおける全体の気泡量がより一層少なくなる。さらに、潤滑油Lは、油戻し孔28に侵入しやすくなって油溜まり部2dに戻りやすくなる。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明の具体的な構成は、上記実施形態に限定されるものでないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記実施形態の説明だけではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。なお、後述する変更形態は、適宜組み合わせて実施することも可能である。
フロントヘッド20の表面全体の算術平均表面粗さRaが、12.5以下であってもよい。これにより、圧縮機1の起動時等に生じるオイルフォーミングにおける全体の気泡量がより一層少なくなる。さらに、潤滑油Lは、油戻し孔28に侵入しやすくなって油溜まり部2dに戻りやすくなる。また、フロントヘッド20の表面全体の算術平均表面粗さRaが、12.5を越え25以下であってもよい。
また、周縁部21a2、支持部26の上面26a及び油戻し孔28の内周面28aのいずれかの算術平均表面粗さRaだけが、12.5以下であってもよい。また、フロントヘッド20の表面のうち、マフラ部材11によって覆われた部分21a1以外の部分(周縁部21a2、支持部26の上面26a及び油戻し孔28の内周面28a)の算術平均表面粗さRaだけ、12.5を越え25以下であってもよい。いずれの場合においても、内周面28aの少なくとも一部の算術平均表面粗さRaが、25以下であればよい。
フロントヘッド20の表面のうち、油戻し孔28の内周面28aの一部(上端部、下端部、上端部及び下端部の間の中間部のいずれか)の算術平均表面粗さRaが25以下であれば、これ以外の部分の算術平均表面粗さRaが25を越えていてもよい。これにおいても、液冷媒が混ざった潤滑油Lが油戻し孔28を通過する際に生じる気泡の発生量が抑制される。これにより、圧縮機1の起動時等に生じるオイルフォーミングにおける全体の気泡量が少なくなるとともに、潤滑油Lが油戻し孔28を通って油溜まり部2dに戻りやすくなる。この結果、潤滑油Lが圧縮機1の外部に流出しにくくなって、油面切れが生じにくくなる。なお、フロントヘッド20の下面のうち、シリンダ30と対向する部分の算術平均表面粗さRaが25以下であり、これ以外の部分の算術平均表面粗さRaが25を越えていてもよい。
フロントヘッド20に代えて、リアヘッド50がケーシング本体2aの側部に固定され、油戻し孔がリアヘッド50にのみ形成される場合、リアヘッド50に形成された油戻し孔の内周面の少なくとも一部の算術平均表面粗さRaが、25以下であればよい。また、シリンダ30がケーシング本体2aの側部に固定され、油戻し孔がシリンダ30にのみ形成される場合、シリンダ30に形成された油戻し孔の内周面の少なくとも一部の算術平均表面粗さRaが、25以下であればよい。油戻し孔は、フロントヘッド20、シリンダ30、リアヘッド50の2つ又は3つを貫通し、圧縮機構10の上下に連通していてもよい。この場合も、当該油戻し孔の内周面の少なくとも一部の算術平均表面粗さRaが、25以下であればよい。これらにおいても、上述と同様な効果を得ることができる。
また、マフラ部材11の表面の算術平均表面粗さRaが25を越えていてもよい。
上述の実施形態では、1シリンダ型のロータリ圧縮機に適用しているが、2シリンダ型のロータリ圧縮機に適用してもよい。この場合、上方のシリンダの上端面に配置されるフロントヘッドが上端部材に対応し、2つのシリンダ間に配置され上方のシリンダの下端面に配置されるミドルプレートが下端部材に対応する。また、2つのシリンダ間に配置され下方のシリンダの上端面に配置されるミドルプレートが上端部材に対応し、下方のシリンダの下面に配置されるリアヘッドが下端部材に対応する。ミドルプレートに、上下に連通する油戻し孔が形成されている場合は、上記と同様に、当該油戻し孔の少なくとも一部の算術平均表面粗さRaが、25以下であることが好ましい。これにおいても、上述の実施形態と同様な効果を得ることができる。
上述の実施形態及び変形例においては、算術平均表面粗さRaが25以下の部分が、機械加工によって形成された金属母材の表面であったが、表面に樹脂などのコーティング加工を行い、そのコーティング層の表面における算術平均表面粗さRaが、25以下であってもよい。つまり、油戻り孔の内周面28aの少なくとも一部にコーティング加工を行って、そのコーティング層の表面(すなわち、内周面28aの一部)の算術平均表面粗さRaが25以下であればよい。
本発明を利用すれば、潤滑油が圧縮機の外部に流出しにくくなって、油面切れが生じにくくなる。
1 圧縮機
2 密閉ケーシング(密閉容器)
2d 油溜まり部
10 圧縮機構
11 圧縮室
20 フロントヘッド(上端部材)
20a 上面
21a2 周縁部
26a 上面
28 油戻し孔
28a 内周面
30 シリンダ
32 上端面
33 下端面
50 リアヘッド(下端部材)
L 潤滑油
M マフラ空間

Claims (5)

  1. 下部に潤滑油が溜められる油溜まり部を有する密閉容器と、
    前記密閉容器の内部に配置される圧縮機構とを備えており、
    前記圧縮機構は、
    圧縮室を有するシリンダと、
    前記シリンダの上端面に配置される上端部材と、
    前記シリンダの下端面に配置される下端部材と、
    前記シリンダ、前記上端部材、及び、前記下端部材の少なくともいずれか1つに形成された、上下に連通する油戻し孔とを有しており、
    前記油戻し孔の内周面の少なくとも一部の算術平均表面粗さRaが、25以下であることを特徴とする圧縮機。
  2. 前記油戻し孔の前記内周面の少なくとも上端部の算術平均表面粗さRaが、25以下であることを特徴とする請求項1に記載の圧縮機。
  3. 前記油戻し孔の前記内周面全体の算術平均表面粗さRaが、25以下であることを特徴とする請求項2に記載の圧縮機。
  4. 前記圧縮機構は、前記上端部材の上面の一部を覆うように当該上端部材に取り付けられ、前記上端部材との間にマフラ空間を形成するマフラ部材をさらに有しており、
    前記上端部材の上面のうち、少なくとも前記マフラ部材によって覆われた前記一部以外の部分の算術平均表面粗さRaが、25以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の圧縮機。
  5. 前記算術平均表面粗さRaが、12.5以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の圧縮機。
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