JP2017165618A - 圧電磁器組成物および圧電磁器組成物製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】次化学式:
A[Pb1−x(SrzLa1−z)x(Zr1−yTiy)O3]+(1−A)[Pb(Mn1/3Nb2/3)O3]
により組成が示される圧電磁器組成物であり、化学式における値Aと値xと値yと値zとは、次式:
0.94<A<0.98
0.02≦x<0.10
0.45≦y<0.53
0≦z<1
を満たしている。このような圧電磁器組成物は、機械的品質係数Qmが1500以上であり、かつ、比誘電率ε33 T/ε0が1300以上であり、かつ、電気機械結合係数Kpが50%以上であり、かつ、N定数Nrが2200Hz・m以上であり、圧電特性が良好である。
【選択図】なし
Description
V=20.5・π・Fr・ξ
により表されることが記載されている。熱による損失および熱暴走を抑制するには、低電圧駆動か断続的な電圧印加による駆動といった手法が採用される。これらの問題は、特に圧電トランスで重要視されていたが、電子部品の高性能化に伴い、超音波モータに対しても振動速度を向上させるため、熱損失・暴走の抑制が重要視されている。この振動速度Vは、ヤング率CE、密度ρ、圧電d定数d31、機械的品質係数Qm、電界Eを用いて次式:
V=4/π(CE/ρ)0.5・d31・Qm・E
により表現される。振動速度Vは、この数式のように、圧電素子の材料定数である圧電d定数d31と機械的品質係数Qmとの積に比例することが知られている。より高い振動振幅を得るためには、圧電d定数d31と機械的品質係数Qmとを共に大きくすることが必要である。
d=K・(εT・SE)0.5
で表される関係があり、電気機械結合係数Kおよび比誘電率εTの0.5乗に比例することから、比較的高い電気機械結合係数Kおよび比誘電率εTが必要となる。
A[Pb1−x(SrzLa1−z)x(Zr1−yTiy)O3]+(1−A)[Pb(Mn1/3Nb2/3)O3]
により組成が示されている。この化学式における値Aと値xと値yと値zとは、次式:
0.94<A<0.98
0.02≦x<0.10
0.45≦y<0.53
0≦z<1
を満足している。
[実施形態]
<圧電磁器組成物>
実施形態にかかる圧電磁器組成物は、次化学式:
A[Pb1−x(SrzLa1−z)x(Zr1−yTiy)O3]+(1−A)[Pb(Mn1/3Nb2/3)O3]
により組成が表現される。この化学式における値Aと値xと値yと値zとは、次式:
0.94<A<0.98
0.02≦x<0.10
0.45≦y<0.53
0≦z<1
を満足している。すなわち、この圧電磁器組成物は、次化学式:
A[Pb1−xSrx(Zr1−yTiy)O3]+(1−A)[Pb(Mn1/3Nb2/3)O3]
により表現される他の圧電磁器組成物のストロンチウムSrの一部がランタンLaに置換された材料である。
図1は、実施形態の圧電磁器組成物の製造方法を示すフローチャートである。まず、圧電磁器組成物の複数の原料粉末が準備される。複数の原料粉末は、図1に示されているように、圧電磁器組成物の組成に基づいて換算された重量が秤量され、調合される。調合された複数の原料粉末は、溶媒となるエタノールなどのアルコールとアルミナボールまたは磁器質ボールとともにボールミル中に入れられ、湿式混合される(ステップS1)。複数の原料粉末は、このように湿式混合されることにより、粉体状に粉砕される。粉砕された混合物は、950℃の温度の雰囲気で2.5時間仮焼成される(ステップS2)。仮焼成された粉末は、24時間、湿式混合され、解砕される(ステップS3)。解砕された混合物は、バインダーとしてポリビニルアルコールPVA水溶液が加えられて混合されることにより、所定の大きさの粒子径の粉末に造粒される(ステップS4)。その造粒された粉末は、目的とする形状の成形物に成形される(ステップS5)。成形された成形物は、1300℃以上の温度の大気中雰囲気で1時間焼成される(ステップS6)。焼成された成形物は、さらに、所定の形状に加工されることにより、所定の形状の圧電磁器組成物に形成される(ステップS7)。このように形成された圧電磁器組成物は、さらに、両面に銀ペーストが塗布され、680℃の温度の雰囲気で1分間保持されることにより、両面に銀電極が焼き付けられる(ステップS8)。銀電極が焼き付けられた圧電磁器組成物は、120℃のシリコンオイル中において、4kV/mmの電界で30分間分極処理が施され、圧電素子に形成される(ステップS9)。
図2は、圧電磁器組成物の圧電特性を評価する試験片を示す斜視図である。試験片1は、図1のフローチャートにより製造された圧電素子であり、図2に示されているように、圧電磁器組成物2と銀電極3と銀電極5とを備えている。圧電磁器組成物2は、円板状に形成されている。その円板の直径は、17±1mmであり、その円板の厚さは、1±0.05mmである。圧電磁器組成物2は、図1のフローチャートのステップS6で、マグネシアMgO製の匣鉢に敷かれた供粉の上に置かれ、匣鉢のフタが閉められた状態で、焼成されたものである。圧電磁器組成物2は、このような状態で焼成されることにより、鉛Pbの揮発が抑制され、供粉により揮発分が保障されている。圧電磁器組成物2は、次いで、図1のフローチャートのステップS7で、このような円板状に形成されたものである。
圧電磁器組成物は、比誘電率ε33 T/ε0と機械的品質係数Qmと電気機械結合係数KpとN定数Nrとを測定することにより圧電特性を評価することができる。比誘電率ε33 T/ε0は、圧電磁器組成物の誘電率ε33 Tを真空中の誘電率ε0で除算した商を示している。機械的品質係数Qmは、圧電磁器組成物が固有振動を起こしたときの共振周波数付近における機械的な振動の鋭さを示す定数である。電気機械結合係数Kpは、圧電磁器組成物が電気的エネルギーを機械的エネルギーに変換する変換効率を示し、または、圧電磁器組成物が機械的エネルギーを電気的エネルギーに変換する変換効率を示している。N定数Nrは、径方向の振動の共振周波数が試験片1の直径で乗算された積により表される。圧電磁器組成物は、比誘電率ε33 T/ε0が1300以上であり、かつ、機械的品質係数Qmが1500以上であり、かつ、電気機械結合係数Kpが50%以上であり、かつ、N定数Nrが2200Hz・m以上であるときに、圧電特性が良好である。
0.94<A<0.98
0.02≦x<0.10
0.45≦y<0.53
0≦z<1
の全部を満足する組成の圧電磁器組成物の圧電特性が良好であることを示している。
0.94<A<0.98
0.02≦x<0.10
0.45≦y<0.53
0≦z<1
のいずれかを満たさない組成の圧電磁器組成物の圧電特性が良好でないことを示している。
表2は、サンプルナンバー3の圧電磁器組成物の焼成温度と重量変化率との関係を示し、焼成温度と密度との関係を示している。
図4は、サンプルナンバー1の圧電磁器組成物の微構造観察結果を示す写真である。図4の写真は、サンプルナンバー1の圧電磁器組成物の表面の一部の画像を示し、すなわち、ランタンLaが添加されていない圧電磁器組成物の表面の一部の画像を示している。その一部の表面は、サンプルナンバー1の圧電磁器組成物がケミカルエッチングされることにより粒界が現出した部分である。図5は、サンプルナンバー3の圧電磁器組成物の微構造観察結果を示す写真である。図5の写真は、サンプルナンバー3の圧電磁器組成物の表面の一部の画像を示し、ランタンLaが添加されている圧電磁器組成物の表面の一部の画像を示している。その一部の表面は、サンプルナンバー3の圧電磁器組成物がケミカルエッチングされることにより粒界が現出した部分である。図4と図5とは、サンプルナンバー3の圧電磁器組成物の粒子径がサンプルナンバー1の圧電磁器組成物の粒子径より小さいことを示している。
0≦z<1
を満足する圧電磁器組成物の粒子径が小さいことを示している。すなわち、曲線8は、値zが1.00である圧電磁器組成物に比較して、値zが次式:
0≦z<1
を満足する圧電磁器組成物の圧電特性がより良好であることを示している。すなわち、サンプルナンバー2〜5の圧電磁器組成物は、サンプルナンバー1の圧電磁器組成物に含まれるストロンチウムSrの一部がランタンLaに置換されることにより、高温焼成における粒子成長が抑制されるものと考えられる。
0≦z≦0.75
を満足する圧電磁器組成物の粒子径が小さいことを示している。すなわち、曲線8は、値zが0.75より大きい圧電磁器組成物に比較して、値zが次式:
0≦z≦0.75
を満足する圧電磁器組成物の圧電特性がより良好であることを示している。
0.25≦z≦0.5
を満足する圧電磁器組成物の粒子径が、値zがその範囲外の値を示す圧電磁器組成物の粒子径より小さいことを示している。すなわち、曲線8は、値zが次式:
0.25≦z≦0.5
を満足する圧電磁器組成物の圧電特性が、値zがその範囲外の値を示す圧電磁器組成物の圧電特性より良好であることを示している。
図7は、圧電磁器組成物の発熱特性を評価する試験片を示す斜視図である。試験片11は、図1のフローチャートにより製造された圧電素子であり、図7に示されているように、圧電磁器組成物12と銀電極14と銀電極15とを備えている。圧電磁器組成物12は、帯状に形成された角板に形成されている。その角板の長さは、43±0.5mmであり、その角板の幅は、7±0.1mmであり、その角板の厚さは、2±0.1mmである。銀電極14は、金属銀Agから形成され、圧電磁器組成物12の一方の表面を被覆している。銀電極15は、金属銀Agから形成され、圧電磁器組成物12の銀電極14が被覆されている面の反対側の他方の表面を被覆している。試験片11は、銀電極14と銀電極15との間に所定の電圧が印加されることにより、圧電磁器組成物12に所定の電界が加えられる。
圧電磁器組成物は、共振周波数で駆動試験が行われることにより測定される限界振動速度に基づいて発熱特性の程度を評価することができる。限界振動速度は、試験片11が共振駆動するように圧電磁器組成物12に交番電界が印加されたときに、駆動開始前の圧電磁器組成物12の基準温度に+20℃が加算された温度まで圧電磁器組成物12が発熱するときの試験片11の振動速度を示している。
実施形態の圧電磁器組成物は、次化学式:
A[Pb1−x(SrzLa1−z)x(Zr1−yTiy)O3]+(1−A)[Pb(Mn1/3Nb2/3)O3]
により組成が示されている。この化学式における値Aと値xと値yと値zとは、次式:
0.94<A<0.98
0.02≦x<0.10
0.45≦y<0.53
0≦z<1
を満足している。このような圧電磁器組成物は、比誘電率ε33 T/ε0が1300以上であり、かつ、機械的品質係数Qmが1500以上であり、かつ、電気機械結合係数Kpが50%以上であり、かつ、N定数Nrが2200Hz・m以上である。すなわち、このような圧電磁器組成物は、圧電特性が良好である。このような圧電磁器組成物は、さらに、限界振動速度が0.6m/s以上であり、発熱特性が良好であるという副次的効果も奏する。
0≦z≦0.75
を満足するように作製されてもよい。このような圧電磁器組成物は、さらに、値zが0.75より大きい圧電磁器組成物に比較して、粒子径が小さく、圧電特性がより良好である。
0.25≦z≦0.5
を満足するように作製されてもよい。このような圧電磁器組成物は、さらに、値zが0.25より小さく、または、値zが0.5より大きい圧電磁器組成物に比較して、粒子径が小さく、圧電特性がより良好である。
A[Pb1−x(SrzLa1−z)x(Zr1−yTiy)O3]+(1−A)[Pb(Mn1/3Nb2/3)O3]
により組成が示されている。この化学式における値Aと値xと値yと値zとは、次式:
0.94<A<0.98
0.02≦x<0.10
0.45≦y<0.53
0≦z<1
を満足している。このとき、圧電磁器組成物製造方法は、組成が化学式で示される成形物を作製するステップと、1300℃以上の温度でその成形物を焼成することにより圧電磁器組成物を作製するステップとを備えている。このような圧電磁器組成物製造方法により作製された圧電磁器組成物は、1300℃以上の温度で焼成されることにより、密度が所定の密度以上を示すように形成されることができる。すなわち、このような圧電磁器組成物製造方法により作製された圧電磁器組成物は、適切に緻密化され、圧電特性が良好である。
2 :圧電磁器組成物
3 :銀電極
5 :銀電極
11:試験片
12:圧電磁器組成物
14:銀電極
15:銀電極
Claims (4)
- 次化学式:
A[Pb1−x(SrzLa1−z)x(Zr1−yTiy)O3]+(1−A)[Pb(Mn1/3Nb2/3)O3]
により組成が示される圧電磁器組成物であり、
前記化学式における値Aと値xと値yと値zとは、次式:
0.94<A<0.98
0.02≦x<0.10
0.45≦y<0.53
0≦z<1
を満足する
圧電磁器組成物。 - 前記値zは、次式:
0≦z≦0.75
を満足する
請求項1に記載の圧電磁器組成物。 - 前記値zは、次式:
0.25≦z≦0.5
を満足する
請求項2に記載の圧電磁器組成物。 - 次化学式:
A[Pb1−x(SrzLa1−z)x(Zr1−yTiy)O3]+(1−A)[Pb(Mn1/3Nb2/3)O3]
により組成が示される圧電磁器組成物であり、
前記化学式における値Aと値xと値yと値zとは、次式:
0.94<A<0.98
0.02≦x<0.10
0.45≦y<0.53
0≦z<1
を満足する
圧電磁器組成物
を製造する圧電磁器組成物製造方法であり、
前記化学式により組成が示される成形物を作製するステップと、
1300℃以上の温度で前記成形物を焼成することにより前記圧電磁器組成物を作製するステップ
とを備える圧電磁器組成物製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2016052798A JP2017165618A (ja) | 2016-03-16 | 2016-03-16 | 圧電磁器組成物および圧電磁器組成物製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2016052798A JP2017165618A (ja) | 2016-03-16 | 2016-03-16 | 圧電磁器組成物および圧電磁器組成物製造方法 |
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| Publication Number | Publication Date |
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| JP2017165618A true JP2017165618A (ja) | 2017-09-21 |
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| JP2016052798A Pending JP2017165618A (ja) | 2016-03-16 | 2016-03-16 | 圧電磁器組成物および圧電磁器組成物製造方法 |
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| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2017165618A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2020017325A1 (ja) | 2018-07-17 | 2020-01-23 | 株式会社村田製作所 | 圧電セラミックス、セラミックス電子部品、及び、圧電セラミックスの製造方法 |
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| JP2011068516A (ja) * | 2009-09-25 | 2011-04-07 | Tdk Corp | 圧電磁器組成物、圧電磁器、圧電素子及び発振子 |
| JP2015224175A (ja) * | 2014-05-29 | 2015-12-14 | Fdk株式会社 | 圧電磁器組成物および圧電磁器組成物の製造方法 |
-
2016
- 2016-03-16 JP JP2016052798A patent/JP2017165618A/ja active Pending
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