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JP2017149005A - 積層フィルムおよびその製造方法 - Google Patents

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Kazuyoshi Ota
一善 太田
恵子 澤本
Keiko Sawamoto
恵子 澤本
高田 育
Hagumu Takada
育 高田
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Abstract

【課題】幅広いケン化度を有するPVAに対して、汎用接着性を有し、またPVA積層時の加工温度が低温条件下においても、その接着性を維持することができる樹脂層を有する積層フィルムを提供すること。
【解決手段】ポリエステルフィルムの少なくとも一面に樹脂層(X)を有する積層フィルムであって、当該樹脂層(X)の表面ゼータ電位が−20mV以上、0mV未満である積層フィルム。
【選択図】なし

Description

本発明は、ポリエステルフィルムの少なくとも一面に樹脂層が積層された積層フィルムに関する。
熱可塑性樹脂フィルム、中でもポリエステルフィルムは、機械的性質、電気的性質、寸法安定性、透明性、耐薬品性などに優れた性質を有することから磁気記録材料、包装材料などの多くの用途において基材フィルムとして広く使用されている。特に近年、フラットパネルディスプレイやタッチパネル分野において、偏光板保護フィルムや透明導電フィルムなど、各種光学用フィルムの需要が高まっている。特に、偏光板保護フィルム用途では、低コスト化を目的として、従来のTAC(トリアセチルセルロース)フィルムからポリエステルフィルムへの置換えが盛んに検討されている。偏光板保護フィルム用途でTAC代替としてポリエステルフィルムを用いる場合は、偏光板の素材として広く用いられているPVA(ポリビニルアルコール)との接着性が必須となる。
しかしながら、従来検討されているポリエステルフィルムでは、PVAとの接着性が十分ではなく、また加工温度や環境試験にてPVAとの接着性が悪化するなどの課題を有しており、最終製品として実用に適用できないことがあった。
上記の課題を解決するため、ポリエステルフィルム上にガラス転移点の低い樹脂層を積層し、加工性や耐高湿性の付与する方法(特許文献1)や、ポリエステルフィルム上に親水基を有する共重合樹脂を用いた樹脂層を積層する方法(特許文献2)、ポリエステルフィルムに積層する樹脂層の中にPVAなどの水溶性高分子を入れて、接着させる相手と表面エネルギー近似させる方法(特許文献3)、ポリエステルフィルムの製造の工程内で塗布を行うインラインコート法により親水性の樹脂層を積層させる方法(特許文献4)などが提案されている。
特開2011−156848号公報 特開平5−279502号公報 特開2000−336309号公報 特表2001−179913号公報
しかしながら、特許文献1では、ポリエステルフィルム表面にガラス転移点の低い樹脂層を積層しているため、樹脂層がガラス転移点以上の温度になると、樹脂層が変化し、樹脂層が白化したり、親水性材料との接着性が劣る場合がある。またガラス転移点以下の低温加工では、PVAとの密着性が低下したり、ポリエステルフィルムをロール状態で保管した場合、ポリエステルフィルム同士がブロッキングすることがあり、実用に適さないことがある。また、特許文献2のように、ポリエステルフィルム上に親水基を有する共重合樹脂を用いた樹脂層を積層する方法は、樹脂層に含まれる親水基とPVAが形成する水素結合によって一定の接着性を向上させることができるが、低温加工での接着性は十分ではない。また、特許文献3のように、ポリエステルフィルム上に積層する樹脂層の中に水溶性高分子を入れる方法は、樹脂層とPVAとの表面自由エネルギーを近似させることによって接着性を向上させるというものなので、あるケン化度を有するPVAとの接着性が良好だったとしても、ケン化度が異なるPVAとの接着性は悪化するなど汎用接着性に課題がある。特許文献4のように、ポリエステルフィルムの製造の工程内で塗布を行うインラインコート法により親水性の樹脂層を積層させる方法は、特許文献3と同様の課題を有している。
そこで、本発明では上記の欠点を解消し、幅広いケン化度を有するPVAに対して、汎用接着性を有し、またPVA積層時の加工温度が100℃以下の低温条件下であっても、PVAとの接着性を高く維持することができる樹脂層を有する積層フィルムを提供することを目的とする。
本発明は次の構成からなる。すなわち、
[I]ポリエステルフィルムの少なくとも一面に樹脂層(X)を有する積層フィルムであって、当該樹脂層(X)の表面ゼータ電位が−20mV以上、0mV未満である積層フィルム。
[II]前記樹脂層(X)が以下の(1)(2)を満たす[I]に記載の積層フィルム。
(1)樹脂層(X)の表面エネルギー(分散力、極性力、水素結合力の和)が50mN/m以上、65mN/m以下であること。
(2)樹脂層(X)の表面エネルギーの各成分が以下の値であること。
分散力 :25mN/m以上、35mN/m以下
極性力 :15mN/m以上、25mN/m以下
水素結合力:10mN/m以上、20mN/m以下
[III]前記樹脂層(X)が、下記(式1)に示されるアクリルアミド構造を含有している[I]または[II]のいずれかに記載の積層フィルム。
Figure 2017149005
[IV]前記樹脂層(X)が、オキサゾリン基含有アクリル樹脂(A)を含有した樹脂組成物(α)の反応生成物(β)を含有する[I]または[II]に記載の積層フィルム。
[V]前記オキサゾリン含有アクリル樹脂(A)がカルボキシル基を有する[IV]に記載の積層フィルム。
[VI]前記反応生成物(β)が、オキサゾリン基含有アクリル樹脂(A)を60質量%以上含む樹脂組成物(α)から反応生成される[IV]に記載の積層フィルム。
[VII]前記樹脂層(X)中におけるポリビニルアルコール成分の含有量(ポリビニルアルコールとその誘導体の含有量の和)が、5質量%未満である[I]〜[VI]のいずれかに記載の積層フィルム。
[VIII]ポリエステルフィルムの少なくとも一面に、オキサゾリン基含有アクリル樹脂(A)を含む樹脂組成物(α)を塗布する工程と、該樹脂組成物を塗布されたポリエステルフィルムを少なくとも一軸に延伸する延伸工程と、該樹脂組成物(α)を加熱し、表面ゼータ電位が−20mV以上、0mV未満である樹脂層(X)を作成する加熱工程とを、この順に有する積層フィルムの製造方法。
[IX]前記樹脂組成物(α)中における、オキサゾリン基含有アクリル樹脂(A)の含有量が60質量%以上、100質量%以下である[VIII]に記載の積層フィルムの製造方法。
である。
本発明の積層フィルムは、幅広いケン化度を有するPVAに対して、汎用接着性を有し、またPVA積層時の加工温度が100℃以下の低温条件下であっても、PVAとの接着性を高く維持する効果を奏する。
以下、本発明の積層フィルムについて詳細に説明する。
本発明は、熱可塑性樹脂フィルムの少なくとも一面に樹脂層(X)を有する積層フィルムである。本発明の積層フィルムは、幅広いケン化度を有するPVAに対して、100℃以下の低温加工温度において良好な汎用接着性を発現する。
(1)樹脂層(X)
本発明の積層フィルムは、ポリエステルフィルムの少なくとも一面に樹脂層(X)を有しており、該樹脂層(X)の表面ゼータ電位が−20mV以上、0mV未満であることが必要である。表面ゼータ電位が、−10mV以上、0mV未満がより好ましい。樹脂層(X)の表面ゼータ電位を−20mV以上とすることで、樹脂層(X)上へPVAからなる親水性溶液を塗布した際に、電気的な反発が少なく良好な接着性を発現させることができる。また、樹脂層(X)の表面ゼータ電位を0mV未満とすることで、樹脂層(X)を均一に形成せしめることが可能となる。樹脂層(X)の表面ゼータ電位を0mV以上となる場合、後述する樹脂組成物(α)を溶媒(D)に溶解または分散せしめ塗布して形成せしめる工程において、樹脂組成物(α)を溶媒(D)に均一に溶解または分散せしめることが困難となる。上記のように該樹脂層(X)の表面ゼータ電位が−20mV以上、0mV未満をすることで、幅広いケン化度を有するPVAに対して、基材となるポリエステルフィルムの寸法や平面性が維持できる100℃以下の低温加工温度において良好な汎用接着性を発現させることが可能となる。
また、本発明の積層フィルムの樹脂層(X)は、樹脂層(X)の表面エネルギー(分散力、極性力、水素結合力の和)が50mN/m以上、65mN/m以下であり、且つ樹脂層(X)の分散力が、25mN/m以上、35mN/m以下、極性力が15mN/m以上、25mN/m以下、水素結合力が10mN/m以上、20mN/m以下であることが好ましい。本発明でいう表面エネルギー、分散力、極性力、水素結合力とは、後述する測定方法によって算出される値をいう。樹脂層(X)の表面エネルギーを50N/m以上とすることで、樹脂層(X)上にPVAからなる親水性溶液を塗布した際に、ハジキや塗布ムラは発生せず樹脂層(X)上にPVAを均一に積層することができる。一方、樹脂層(X)の表面エネルギーを65mN/m以下とすることで、樹脂層(X)の吸湿による白化やブロッキングを抑制させることができる。
また、樹脂層(X)の分散力、極性力、水素結合力の各成分を、それぞれ分散力は25mN/m以上、35mN/m以下、極性力が15mN/m以上、25mN/m以下、水素結合力が10mN/m以上、20mN/m以下とすることで、PVAの疎水成分である炭化水素鎖部分と親水成分である水酸基の構成比率に関係なく、良好なPVAとの接着性を発現させることができるため、幅広いケン化度のPVAを用いることが可能となる。
本発明において、分散力とは、樹脂層(X)の表面エネルギーを構成する力の一つであり、炭化水素鎖などの主鎖によって発生する分子間力の程度を表す指標であり、疎水的な相互作用の大きさを示している。また、極性力とは、樹脂層(X)の表面エネルギーを構成する力の一つであり、分子内の極性基によって発生する分子間力の程度を表す指標である。また、水素結合力とは、樹脂層(X)の電気陰性度による分子間力の程度を表す指標である。この極性力と水素結合力は、水酸基やカルボキシル基、アミノ基などの水素を有する極性基によって発生するため、分散力に対して親水的な疎水的な相互作用の大きさを示している。
本発明において、樹脂層(X)の分散力、極性力、水素結合力の和、及び、各成分を特定の範囲に制御することで、樹脂層(X)上にPVAからなる親水性溶液をはじきなく均一塗布することが可能となり、またPVAの疎水成分である炭化水素鎖部分と親水成分である水酸基の構成比率に関係なく、良好なPVAとの接着性を発現させることが可能となる。
本発明の樹脂層(X)は、オキサゾリン基含有アクリル樹脂(A)を含む樹脂組成物(α)の反応生成物(β)を含有することが好ましい。オキサゾリン基含有アクリル樹脂(A)、樹脂組成物(α)、反応生成物(β)については、後述する。
本発明の樹脂層(X)は、下記(式1)で示されるアミドエステル構造を含有していることが好ましい。樹脂層(X)が、アミドエステル構造を有していることで、PVAの水酸基と水素結合することによる相互作用によって、PVAとの接着性をより向上させることができる。なお、反応性生物(β)の項でも後述するが、このアミドエステル構造は、オキサゾリン含有アクリル樹脂(A)のオキサゾリン基と、樹脂組成物(α)中に存在するカルボキシル基との架橋反応により形成されたものであることが好ましい。特に、オキサゾリン含有アクリル樹脂(A)がカルボキシル基を有しており、オキサゾリン含有アクリル樹脂(A)が有するオキサゾリン基とカルボキシル基が自己架橋することでアミドエステル構造を形成すると、樹脂層(X)の耐水性や耐湿熱接着性を付与することができる。
Figure 2017149005
さらに、本発明の樹脂層(X)中におけるポリビニルアルコール成分の含有量(ポリビニルアルコールとその誘導体の含有量の和)は、5質量%未満であることが好ましい。ポリビニルアルコール成分の含有量(ポリビニルアルコールとその誘導体の含有量の和)を5質量%未満とすることで、PVAからなる親水性溶液を樹脂層(X)上へ塗布した場合でも、積層フィルムが白化することなく加工することが可能となる。ポリビニルアルコール成分の含有量(ポリビニルアルコールとその誘導体の含有量の和)が5質量%以上であると、PVAからなる親水性溶液を樹脂層(X)上へ塗布した際に、樹脂層(X)からPVAが溶出し、積層フィルムが白化する場合がある。
(2)オキサゾリン基含有アクリル樹脂(A)
本発明で用いることのできるオキサゾリン基含有アクリル樹脂(A)は、アクリル樹脂の側鎖や末端に、オキサゾリン基が結合したものであり、例えば、グラフトタイプ、ブロック共重合タイプを包含する。
本発明で用いられるオキサゾリン基含有アクリル樹脂(A)は、どのような製造方法により得られたものであるか制限されないが、例えば特許第2644161号の記載されているようなアクリルモノマーと付加重合性オキサゾリンを重合反応させることによって製造することができる。
アクリルモノマーとしては、メタクリル酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸n−ヘキシル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸ヒドロキシプロピル、アクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−ヘキシル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸2−エチルヘキシル等を用いるのが好ましい。これらは1種もしくは2種以上を用いることができる。
付加重合性オキサゾリンとしては、2−ビニル−2−オキサゾリン、2−ビニル−4−メチル−オキサゾリン、2−イソプロペニル−2−オキサゾリンなどを用いるのが好ましい。これらは1種もしくは2種以上を用いることができる。
(3)樹脂組成物(α)
本発明の樹脂組成物(α)は、オキサゾリン含有アクリル樹脂(A)を含有していることが好ましい。また樹脂組成物(α)中における、オキサゾリン基含有アクリル樹脂(A)の含有量が60質量%以上、100質量%以下であることが好ましい。オキサゾリン基含有アクリル樹脂(A)の含有量が60質量%以上とすることで、樹脂層(X)の表面ゼータ電位を−20mV以上、0mV未満にすることが可能となり、PVAとの良好な接着性を付与することが可能となる。
その他、ポリエステル樹脂やウレタン樹脂、アクリル樹脂などの各種バインダー樹脂やメラミン化合物やカルボジイミド化合物などの架橋剤、易滑剤や無機粒子、有機粒子、界面活性剤、酸化防止剤、熱開始剤などの各種添加剤を、樹脂層(X)の特性を悪化させない程度に添加してもよい。
(4)反応生成物(β)
本発明の反応生成物(β)は、(1)項で記載した通り、オキサゾリン含有アクリル樹脂(A)のオキサゾリン基と、樹脂組成物(α)中に含有しているカルボキシル基と架橋反応することにより生成されることが好ましい。特に、オキサゾリン含有アクリル樹脂(A)がカルボキシル基を有していることが好ましい。オキサゾリン含有アクリル樹脂(A)が有するオキサゾリン基とカルボキシル基が自己架橋することアミドエステル構造を形成すると、樹脂層(X)に良好な耐水性や耐湿熱接着性を付与することができる。また、その他として、ポリエステル樹脂やウレタン樹脂、アクリル樹脂などの各種バインダー樹脂やメラミン化合物やカルボジイミド化合物などの架橋剤が含有しているカルボキシル基による反応生成物でもよい。
(5)ポリエステルフィルム
本発明の積層フィルムは、ポリエステルフィルムの少なくとも一面に樹脂層(X)を有する積層フィルムである。ポリエステルとは、エステル結合を主鎖の主要な結合鎖とする高分子の総称であって、エチレンテレフタレート、プロピレンテレフタレート、エチレン−2,6−ナフタレート、ブチレンテレフタレート、プロピレン−2,6−ナフタレート、エチレン−α,β−ビス(2−クロロフェノキシ)エタン−4,4‘−ジカルボキシレートなどから選ばれた少なくとも1種の構成成分を主要構成成分とするものを好ましく用いることができる。本発明では、ポリエステルフィルムとしてポリエチレンテレフタレートを用いることが好ましい。また熱可塑性樹脂フィルムに熱や収縮応力などが作用する場合には、耐熱性や剛性に優れたポリエチレン−2,6−ナフタレートを用いることが好ましい。
上記ポリエステルフィルムは、二軸配向されたものであるのが好ましい。二軸配向ポリエステルフィルムとは、一般に、未延伸状態のポリエステルシート又はフィルムを長手方向および長手方向に直行する幅方向に各々2.5〜5倍程度延伸され、その後、熱処理を施されて、結晶配向が完了されたものであり、広角X線回折で二軸配向のパターンを示すものをいう。ポリエステルフィルムが二軸配向していない場合には、積層フィルムの熱安定性、特に寸法安定性や機械的強度が不十分であったり、平面性の悪いものとなるので好ましくない。
また、ポリエステルフィルム中には、各種添加剤、例えば、酸化防止剤、耐熱安定剤、耐候安定剤、紫外線吸収剤、有機系易滑剤、顔料、染料、有機又は無機の微粒子、充填剤、帯電防止剤、核剤などがその特性を悪化させない程度に添加されていてもよい。
ポリエステルフィルムの厚みは特に限定されるものではなく、用途や種類に応じて適宜選択されるが、機械的強度、ハンドリング性などの点から、通常は好ましくは10〜500μm、より好ましくは20〜250μm、最も好ましくは30〜150μmである。また、ポリエステルフィルムは、共押出しによる複合フィルムであってもよいし、得られたフィルムを各種の方法で貼り合わせたフィルムであっても良い。
(6)樹脂層(X)の形成方法
本発明の樹脂層(X)を形成させる方法は、ポリエステルフィルムの少なくとも一面に、オキサゾリン基含有アクリル樹脂(A)を含む樹脂組成物(α)を塗布して、樹脂層(X)を形成せしめる工程によって得られる。この形成方法において、樹脂組成物(α)はオキサゾリン基含有アクリル樹脂(A)に加えて、ポリエステル樹脂やウレタン樹脂、アクリル樹脂などの各種バインダー樹脂やメラミン化合物やカルボジイミド化合物などの架橋剤、易滑剤や無機粒子、有機粒子、界面活性剤、酸化防止剤、熱開始剤などの各種添加剤を含んでいてもよい。
また、オキサゾリン基含有アクリル樹脂(A)を含む樹脂組成物(α)をポリエステルフィルム上に塗布する際に、樹脂組成物(α)には溶媒(D)が含まれていても良い。すなわち、オキサゾリン基含有アクリル樹脂(A)を含む樹脂組成物(α)を溶媒(D)に溶解または分散せしめて、塗液とし、これをポリエステルフィルムに塗布しても良い。塗布後に、溶媒を乾燥させ、かつ加熱することで樹脂層(X)が積層されたフィルムを得ることができる。
ここで、水系溶媒(D)とは水、または水とメタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール等のグリコール類など水に可溶である有機溶媒が任意の比率で混合させているものを指す。本発明では、溶媒として水系溶媒(D)を用いることが好ましい。水系溶媒を用いることで、加熱工程での溶媒の急激な蒸発を抑制でき、均一な樹脂層を形成できるだけでなく、環境負荷の点で優れているためである。
樹脂組成物(α)のポリエステルフィルムへの塗布方法はインラインコート法、オフコート法のどちらでも用いることができるが、好ましくはインラインコート法である。インラインコート法とは、ポリエステルフィルムの製造の工程内で塗布を行う方法である。具体的には、ポリエステル樹脂を溶融押し出ししてから二軸延伸後熱処理して巻き上げるまでの任意の段階で塗布を行う方法を指し、通常は、溶融押出し後・急冷して得られる実質的に非晶状態の未延伸(未配向)ポリエステルフィルム(Aフィルム)、その後に長手方向に延伸された一軸延伸(一軸配向)ポリエステルフィルム(Bフィルム)、またはさらに幅方向に延伸された熱処理前の二軸延伸(二軸配向)ポリエステルフィルム(Cフィルム)の何れかのフィルムに塗布する。
本発明では、結晶配向が完了する前のポリエステルフィルムのAフィルム、Bフィルム、の何れかのフィルムに、樹脂組成物(α)を塗布し、溶媒を蒸発させ、その後、ポリエステルフィルムを一軸方向又は二軸方向に延伸し、加熱し、ポリエステルフィルムの結晶配向を完了させるとともに、樹脂層を設ける方法を採用することが好ましい。この方法によれば、ポリエステルフィルムの製膜と、樹脂組成物(α)の塗布と溶媒の乾燥、および加熱(すなわち、樹脂層の形成)を同時に行うことができるために製造コスト上のメリットがある。また、塗布後に延伸を行うために樹脂層の厚みをより薄くすることが容易である。
中でも、長手方向に一軸延伸されたフィルム(Bフィルム)に、樹脂組成物(α)を塗布し、溶媒を乾燥させ、その後、幅方向に延伸し、加熱する方法が優れている。未延伸フィルムに塗布した後、二軸延伸する方法に比べ、延伸工程が1回少ないため、延伸による樹脂層の欠陥や亀裂が発生しづらく、透明性や平滑性に優れた樹脂層を形成できるためである。
一方、オフラインコート法とは、上記Aフィルムを一軸又は二軸に延伸し、加熱処理を施しポリエステルフィルムの結晶配向を完了させた後のフィルム、またはAフィルムに、フィルムの製膜工程とは別工程で樹脂組成物を塗布する方法である。本発明では、上述した種々の利点から、インラインコート法により設けられることが好ましい。
よって、本発明において最良の樹脂層(X)の形成方法は、水系溶媒(D)を用いた樹脂組成物(α)を、ポリエステルフィルム上にインラインコート法を用いて塗布し、水系溶媒(D)を乾燥させ、加熱することによって形成する方法である。
(7)樹脂組成物(α)の調整方法
樹脂組成物(α)を作成する場合、溶媒は水系溶媒(D)を用いることが好ましい。樹脂組成物(α)は、必要に応じて水分散化または水溶化したオキサゾリン基含有アクリル樹脂(A)とその他バインダー樹脂および水系溶媒(D)を任意の順番で所望の重量比で混合、撹拌することで作製することができる。次いで必要に応じて易滑剤や無機粒子、有機粒子、界面活性剤、酸化防止剤、熱開始剤などの各種添加剤を、樹脂組成物により設けた樹脂層の特性を悪化させない程度に任意の順番で混合、撹拌することができる。混合、撹拌する方法は、容器を手で振って行ったり、マグネチックスターラーや撹拌羽根を用いたり、超音波照射、振動分散などを行うことができる。
(8)塗布方式
ポリエステルフィルムへの樹脂組成物(α)の塗布方式は、公知の塗布方式、例えばバーコート法、リバースコート法、グラビアコート法、ダイコート法、ブレードコート法等の任意の方式を用いることができる。
(9)積層フィルム製造方法
本発明の積層フィルムは、熱可塑性樹脂フィルムの少なくとも一面に、オキサゾリン基含有アクリル樹脂(A)を含む樹脂組成物(α)を塗布して、樹脂層(X)を形成せしめる工程を有する製造方法であって、樹脂層(X)の表面ゼータ電位が−20mV以上、0mV未満である積層フィルムの製造方法によって得られる。
以下に本発明の積層フィルムの製造方法について、ポリエステルフィルムとしてポリエチレンテレフタレート(以下、PETと略す。)フィルムを用いた場合を例として詳述するが、本発明はかかる例に限定して解釈されるものではない。
まず、PETのペレットを十分に真空乾燥した後、押出機に供給し、約280℃でシート状に溶融押し出し、冷却固化せしめて未延伸(未配向)PETフィルム(Aフィルム)を作製する。このフィルムを80〜120℃に加熱したロールで長手方向に2.5〜5.0倍延伸して一軸配向PETフィルム(Bフィルム)を得る。このBフィルムの片面に所定の濃度に調製した樹脂組成物(α)を塗布する。この時、塗布前にPETフィルムの塗布面にコロナ放電処理等の表面処理を行ってもよい。コロナ放電処理等の表面処理を行うことで、樹脂組成物(α)のPETフィルムへの濡れ性を向上させ、樹脂組成物のはじきを防止し、均一な塗布厚みを達成することができる。
塗布後、PETフィルムの端部をクリップで把持して80〜130℃の熱処理ゾーン(予熱ゾーン)へ導き、塗液の溶媒を乾燥させる。乾燥後幅方向に1.1〜5.0倍延伸する。引き続き150〜250℃の加熱ゾーン(熱処理ゾーン)へ導き1〜30秒間の熱処理を行い、結晶配向を完了させるとともに、樹脂層の形成を完了させる。この加熱工程(熱処理工程)で、必要に応じて幅方向、あるいは長手方向に3〜15%の弛緩処理を施してもよい。かくして得られた積層フィルムは、樹脂層(X)の表面ゼータ電位が−20mV以上、0mV未満である特性を満たし、透明且つ、PVAとの汎用接着性に優れたものになる。
(特性の測定方法および効果の評価方法)
本発明における特性の測定方法、および効果の評価方法は次のとおりである。
(1)全光線透過率・ヘイズの測定
一辺が5cmの正方形状の積層フィルムサンプルを3点(3個)準備する。次にサンプルを常態(23℃、相対湿度50%)において、40時間放置する。それぞれのサンプルを日本電色工業(株)製濁度計「NDH5000」を用いて、全光線透過率の測定はJIS「プラスチック透明材料の全光線透過率の試験方法」(K7361−1、1997年版)、ヘイズの測定はJIS「透明材料のヘーズの求め方」(K7136 2000年版)に準ずる方式で実施する。それぞれの3点(3個)の全光線透過率およびヘイズの値を平均して、積層フィルムの全光線透過率およびヘイズの値とする。
(2)表面ゼータ電位の測定
まず、積層フィルムを、固体表面ゼータ電位測定用セルのサイズに合うように3cm×1cmにサンプリングし、測定面が積層ポリエステルフィルムの樹脂層(X)面になるように、ゼータ電位計(大塚電子(株)製、ELSZ−1000、Flat Surface Cell使用)にセットし、溶媒として水(温度:25℃、屈折率:1.3328、粘度:0.8878(cP)、誘電率:78.3)で3回測定を行い、Smoluchowskiの式によって算出された値の3回の平均値を表面ゼータ電位の値とした。
(3)表面自由エネルギー及び極性力の算出方法
まず、積層フィルムを室温23℃相対湿度65%の雰囲気中に24時間放置後した。その後、同雰囲気下で、樹脂層に対して、純水、エチレングリコール、ホルムアミド、ジヨードメタンの4種の溶液のそれぞれの接触角を、接触角計CA−D型(協和界面科学(株)社製)により、それぞれ5点測定する。5点の測定値の最大値と最小値を除いた3点の測定値の平均値をそれぞれの溶液の接触角とする。
次に、得られた4種類の溶液の接触角を用いて、畑らによって提案された「固体の表面自由エネルギー(γ)を分散力成分(γ )、極性力成分(γ )、および水素結合力成分(γ )の3成分に分離し、Fowkes式を拡張した式(拡張Fowkes式)」に基づく幾何平均法により、本発明の分散力、極性力、及び分散力と極性力の和である表面自由エネルギーを算出する。
具体的な算出方法を示す。各記号の意味について下記する。γ は固体と液体の界面での張力である場合、数式(1)が成立する。
γ : 樹脂層と表1に記載の既知の溶液の表面自由エネルギー
γ: 樹脂層の表面自由エネルギー
γ: 表1に記載の既知の溶液の表面自由エネルギー
γ : 樹脂層の表面自由エネルギーの分散力成分
γ : 樹脂層の表面自由エネルギーの極性力成分
γ : 樹脂層の表面自由エネルギーの水素結合力成分
γL : 表1に記載の既知の溶液の表面自由エネルギーの分散力成分
γL : 表1に記載の既知の溶液の表面自由エネルギーの極性力成分
γL : 表1に記載の既知の溶液の表面自由エネルギーの水素結合力成分
γ =γ+γ−2(γ ・γ )1/2−2(γ ・γp)1/2−2(γ ・γ )1/2 ・・・ 数式(1)。
また、平滑な固体面と液滴が接触角(θ)で接しているときの状態は次式で表現される(Youngの式)。
γ=γ +γcosθ ・・・ 数式(2)。
これら数式(1)、数式(2)を組み合わせると、次式が得られる。
・γ )1/2+(γ ・γ )1/2+(γ ・γ )1/2=γ(1+cosθ)/2 ・・・ 数式(3)。
実際には、水、エチレングリコール、ホルムアミド、及びジヨードメタンの4種類の溶液に接触角(θ)と、表1に記載の既知の溶液の表面張力の各成分(γL 、γL 、γL )を数式(3)に代入し、4つの連立方程式を解く。その結果、固体の表面自由エネルギー(γ)、分散力成分(γ )、極性力成分(γ )、および水素結合力成分(γ )が算出される。尚、本願発明の分散力は分散力成分(γ )に該当し、本願発明の極性力は極性力成分(γ )と水素結合力成分(γ )の和に該当する。
(4) 樹脂層(X)に含まれる式(1)の構造確認
樹脂層(X)に含まれる式(1)の構造の確認方法は、特に特定の手法に限定されないが、以下のような方法が例示できる。例えば、フーリエ変換型赤外分光(FT−IR)にて、式(1)の構造が有する各原子間の結合に由来するピークの有無を確認する。さらに、プロトン核磁気共鳴分光(H−NMR)にて、式(1)の構造が有する水素原子の位置に由来する化学シフトの位置と水素原子の個数に由来するプロトン吸収線面積を確認する。これらの結果を合わせて総合的に確認する手法が好ましい。
(5)接着性評価
まず、ケン化度の異なるPVAをそれぞれ水に溶かし、固形分濃度5%のPVA溶液を4種調整した。以下に4種のPVA溶液に使用したPVAを示す。
PVAa:完全ケン化型PVA(ケン化度:98〜99mol%)「PVA−117」((株)クラレ製)
PVAb:準完全ケン化型PVA(ケン化度:91〜94mol%)「AL−06」(日本合成化学工業(株)製)
PVAc:アセチル基変性PVA(ケン化度:92〜94mol%)「Z−320」(日本合成化学工業(株)製)
PVAd:部分ケン化型PVA(ケン化度:78〜82mol%)「KL−06」(日本合成化学工業(株)製)。
次に、積層フィルムの樹脂層(X)上に、バーコーター(松尾産業(株)製、番手:4番、wet厚み:約8μm)を用いて、それぞれ4種のPVA溶液をそれぞれ塗布し、熱風オーブン「HIGH−TEMP−OVEN PHH−200(エスペック(株)製)」を用いて80℃で2分間乾燥させ、4種類の接着性評価用フィルムを得る。得られた接着性評価用サンプルに、JIS5600−5−6(1999年制定)に準拠し、カット間隔2mmで5×5の25マスの切れ目を入れる。次に、切れ目を入れた部分に、ニチバン18mmセロテープ(登録商標)(品番:CT−18S)を、切れ目が見えるようにしっかりと指でセロテープ(登録商標)を擦る。そして、樹脂層に対して約60°の角度でセロテープ(登録商標)を瞬間的に引き剥がす。マスの剥離数をカウントする。評価回数は5回とし、その平均値を求める。評価基準は以下のように定める。評価基準「A」「B」を良好な接着性と判定する。
A:マスの剥離数が1マス以下
B:マスの剥離数が1マスを超えて3マス以下
C:マスの剥離数が3マスを超えて5マス以下
D:マスの剥離数が5マスを超える。
(実施例1)
・オキサゾリン基含有アクリル樹脂(A)、及び樹脂組成物(α):
攪拌機、還流冷却器、窒素導入管、温度計及び滴下ロートを備えたフラスコに、脱イオン水116部及びV−50を4部仕込み、ゆるやかに窒素ガスを流しながら70℃に加熱した。そこへ予め調製しておいた、メトキシポリエチレングリコールアクリレート(エチレングリコールが平均9量体、新中村化学株式会社製NKエステルAM−90G)64部及び2ーイソプロペニル−2−オキサゾリン16部からなる単量体混合物を滴下ロートより1時間で滴下した。反応中は窒素ガスを流し続け、フラスコ内の温度を70±1℃に保った。滴下終了後も9時間同じ温度に保った後冷却し、不揮発分40%のオキサゾリン基含有アクリル樹脂(a−1)を含む水溶液を得た。
得られたオキサゾリン基含有アクリル樹脂(a−1)を含む水溶液に、樹脂層表面に易滑性を付与させるために、無機粒子として数平均粒子径170nmのシリカ粒子(日産化学工業(株)製 スノーテックス(登録商標)MP−2040)をオキサゾリン基含有アクリル樹脂(A)100質量部に対して、2質量部添加した。さらに、ポリエステルフィルム上への塗布性を向上させるために、フッ素系界面活性剤(互応化学(株)製 プラスコート(登録商標)RY−2)を、樹脂組成物(α)と溶媒(D)である水の合計100質量部に対して0.03質量部になるよう添加した。以上の調合作業によって樹脂組成物(α)を含む水溶液を得た。
・積層フィルム:
実質的に粒子を含有しないPETペレット(極限粘度0.63dl/g)を充分に真空乾燥した後、押し出し機に供給し285℃で溶融し、T字型口金よりシート状に押し出し、静電印加キャスト法を用いて表面温度25℃の鏡面キャスティングドラムに巻き付けて冷却固化せしめた。この未延伸フィルムを90℃に加熱して長手方向に3.3倍延伸し、一軸延伸フィルム(Bフィルム)とした。
次いで、樹脂組成物(α)を含む水溶液を一軸延伸フィルムにバーコートを用いて塗布厚み約6μmで塗布した。続いて、樹脂組成物(II)を塗布した一軸延伸フィルムの幅方向の両端部をクリップで把持して予熱ゾーンに導いた。予熱ゾーンの雰囲気温度は90℃〜100℃にし、樹脂組成物(α)を含む水溶液に含まれる溶媒を乾燥させた。引き続き、連続的に100℃の延伸ゾーンで幅方向に3.5倍延伸し、続いて235℃の熱処理ゾーンで20秒間熱処理を施し、樹脂層(X)を形成せしめ、ポリエステルフィルムの結晶配向の完了した積層フィルムを得た。得られた積層フィルムにおいてPETフィルムの厚みは100μmであった。
得られた積層フィルムの特性等を表に示す。表面ゼータ電位は−4mV、表面エネルギーは60mN/m、(分散力:27mN/m、極性力:23mN/m、水素結合力:13mN/m)であった。PVAa〜dに対する接着性評価、及び耐湿熱接着性ともに評価はすべて「A」または「B」であり、幅広いケン化度のPVAとの接着性評価は良好であった。
(実施例2〜5)
・親水性ポリエステル樹脂(B)
攪拌機、還流冷却器、窒素導入管、温度計及び滴下ロートを備えたフラスコに、テレフタル酸50質量部、イソフタル酸50質量部、エチレングリコール50質量部、ネオペンチルグリコール30質量部を重合触媒である三酸化アンチモン0.3質量部と酢酸亜鉛0.3質量部とともに窒素パージしながら仕込み、水を除去しながら常圧下で190〜220℃で12時間重合反応を行い、ポリエステルグリコールを得た。次に、得られたポリエステルグリコールに5−ナトリウムスルホイソフタル酸を5質量部、溶媒としてキシレンを反応器に仕込み、0.2mmHgの減圧下、260℃にてキシレンを留去しつつ、3時間重合させ、親水性官能基を有するポリエスエル樹脂(b−1)を得た。このポリエステル樹脂(b−1)を、アンモニア水およびブチルセルロースを含む水系溶媒に溶解させた。
前述した(a−1)、(b−1)を表に記載の質量比に変更した以外は、実施例1と同様の方法で、積層フィルムを得た。得られた積層フィルムの特性等を表に示す。実施例2〜4では親水性ポリエステル樹脂(B)の質量を増加させたため、樹脂層(X)の表面ゼータ電位が減少したが、PVAa〜dに対する接着性評価は良好な結果であった。
(実施例6)
5−ナトリウムスルホイソフタル酸を3質量部に変更した以外は実施例2〜4と同様の方法でポリエステル樹脂(b−2)を得た。得られた(b−2)を(b−1)から変更した以外は、実施例4と同様の方法で、積層フィルムを得た。得られた積層フィルムの特性等を表に示す。実施例6は親水性ポリエステル樹脂(B)の親水基が減少したため、樹脂層(X)の表面ゼータ電位は実施例4よりも減少したが、PVAa〜dに対する接着性評価は良好な結果であった。
(比較例1)
前述した(a−1)、(b−1)を表に記載の質量比に変更した以外は、実施例1と同様の方法で、積層フィルムを得た。得られた積層フィルムの特性等を表に示す。実施例2〜4では親水性ポリエステル樹脂(B)の質量をさらに増加させたため、樹脂層(X)の表面ゼータ電位が−20mVよりも減少したためPVAa〜dに対する接着性評価が不良となった。
(比較例2)
前述した(b−1)の代わりに、PVAa(完全ケン化型PVA(ケン化度:98〜99mol%)「PVA−117」((株)クラレ製))を添加した以外は、実施例2と同様の方法で、積層フィルムを得た。得られた積層フィルムの特性等を表に示す。実施例2〜4では親水性ポリエステル樹脂(B)の質量をさらに増加させたため、樹脂層(X)の表面ゼータ電位が−20mVよりも減少したためPVAa〜dに対する接着性評価が不良となった。
(比較例3)
前述した(a−1)、(b−1)を表に記載の質量比に変更した以外は、実施例1と同様の方法で、積層フィルムを得た。得られた積層フィルムの特性等を表に示す。比較例3ではオキサゾリン基含有アクリル樹脂(A)の質量を0質量%としたため、樹脂層(X)の表面ゼータ電位が−20mVよりも減少したためPVAa〜dに対する接着性評価が不良となった。
(比較例4)
前述した比較例3の記載の積層フィルムへ、樹脂層(X)へ大気中のコロナ放電処理を実施した以外は比較例3と同様の方法で積層フィルムを得た。樹脂層(X)上へコロナ放電処理を施したところ、表面エネルギーは処理前よりも上昇したが、合わせて表面ゼータ電位がより小さくなってしまい、PVAa〜dに対する接着性評価が不良となった。
Figure 2017149005
Figure 2017149005
本発明は、水酸基などの親水基を有する各種親水性材料、特に幅広いケン化度を有するPVAと低温加工でも良好な接着性を有する樹脂層を有する積層フィルムに関するものであり、ディスプレイやタッチパネル用途の光学用フィルム、特に偏光板保護フィルムへの利用が可能である。

Claims (9)

  1. ポリエステルフィルムの少なくとも一面に樹脂層(X)を有する積層フィルムであって、当該樹脂層(X)の表面ゼータ電位が−20mV以上、0mV未満である積層フィルム。
  2. 前記樹脂層(X)が以下の(1)(2)を満たす請求項1に記載の積層フィルム。
    (1)樹脂層(X)の表面エネルギー(分散力、極性力、水素結合力の和)が50mN/m以上、65mN/m以下であること。
    (2)樹脂層(X)の表面エネルギーの各成分が以下の値であること。
    分散力 :25mN/m以上、35mN/m以下
    極性力 :15mN/m以上、25mN/m以下
    水素結合力:10mN/m以上、20mN/m以下
  3. 前記樹脂層(X)が、下記(式1)に示されるアミドエステル構造を含有している請求項1または2に記載の積層フィルム。
    Figure 2017149005
  4. 前記樹脂層(X)が、オキサゾリン基含有アクリル樹脂(A)を含む樹脂組成物(α)の反応生成物(β)を含有する請求項1〜3のいずれかに記載の積層フィルム。
  5. 前記オキサゾリン含有アクリル樹脂(A)がカルボキシル基を有する請求項4に記載の積層フィルム。
  6. 前記反応生成物(β)が、オキサゾリン基含有アクリル樹脂(A)を60質量%以上含む樹脂組成物(α)から反応生成される請求項4に記載の積層フィルム。
  7. 前記樹脂層(X)中におけるポリビニルアルコール成分の含有量(ポリビニルアルコールとその誘導体の含有量の和)が、5質量%未満である請求項1〜6のいずれかに記載の積層フィルム。
  8. ポリエステルフィルムの少なくとも一面に、オキサゾリン基含有アクリル樹脂(A)を含む樹脂組成物(α)を塗布する工程と、該樹脂組成物を塗布されたポリエステルフィルムを少なくとも一軸に延伸する延伸工程と、該樹脂組成物(α)を加熱し、表面ゼータ電位が−20mV以上、0mV未満である樹脂層(X)を作成する加熱工程とを、この順に有する積層フィルムの製造方法。
  9. 前記樹脂組成物(α)中における、オキサゾリン基含有アクリル樹脂(A)の含有量が60質量%以上、100質量%以下である請求項7に記載の積層フィルムの製造方法。
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