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JP2017141778A - 無機粒子担持ハニカムフィルタ及び無機粒子担持ハニカムフィルタの製造方法 - Google Patents

無機粒子担持ハニカムフィルタ及び無機粒子担持ハニカムフィルタの製造方法 Download PDF

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JP2017141778A JP2016024746A JP2016024746A JP2017141778A JP 2017141778 A JP2017141778 A JP 2017141778A JP 2016024746 A JP2016024746 A JP 2016024746A JP 2016024746 A JP2016024746 A JP 2016024746A JP 2017141778 A JP2017141778 A JP 2017141778A
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中山 篤
Atsushi Nakayama
篤 中山
友也 黒田
Yuya Kuroda
友也 黒田
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Sumitomo Chemical Co Ltd
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Abstract

【課題】煤などの粒子が溜まっても圧力損失が高くなりにくく、かつ、煤などの粒子を高い効率で煤捕できる無機粒子担持ハニカムフィルタ及びその製造方法を提供する。
【解決手段】ハニカムフィルタは、複数の流路110a,110bを有する多孔質のハニカム構造体120と、複数の流路の内の一部の流路の一端、及び、複数の流路の内の残部の流路の他端を閉じる複数の封口部と、ハニカム構造体120に担持された無機粒子層M3と、を備える。ハニカム構造体120の断面写真において、無機粒子層M3の輪郭線CLの内のハニカム構造体120と接していない部分の総長さをa[μm]、断面写真において無機粒子層M3の総面積をb[μm]としたときに、a/bが0.15〜0.3[1/μm]である、無機粒子担持ハニカムフィルタ。
【選択図】図5

Description

本発明は、無機粒子担持ハニカムフィルタ及び無機粒子担持ハニカムフィルタの製造方法に関する。
従来より、多孔質ハニカムフィルタと、このフィルタに担持された触媒としての無機粒子とを有する無機粒子担持ハニカムフィルタが知られている。触媒は、煤の燃焼、NOx処理等を促進する。
特開2007−130637号公報 特開2009−273961号公報 特開平8−332329号公報 特開2009−663号公報 特開2009−72693号公報
しかしながら、ハニカムフィルタに無機粒子を担持すると、フィルタに煤などの粒子が溜まった場合の圧力損失が高くなりやすいという問題があった。また、これを踏まえて、あらかじめハニカムフィルタの空隙率を高くしておくことも考えられるが、その場合、煤などの粒子を十分に捕集できずに通過させ易くなるという問題が生じる。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、煤などの粒子が溜まっても圧力損失が高くなりにくく、かつ、煤などの粒子を高い効率で捕集できる無機粒子担持ハニカムフィルタ及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明に係る無機粒子担持ハニカムフィルタは、複数の流路を有する多孔質のハニカム構造体と、前記複数の流路の内の一部の流路の一端、及び、前記複数の流路の内の残部の流路の他端を閉じる複数の封口部と、前記ハニカム構造体に担持された無機粒子層と、を備える。そして、前記ハニカム構造体の断面において、前記無機粒子層の輪郭線の内の前記ハニカム構造体と接していない部分の総長さをa[μm]、前記断面において、前記無機粒子層の総面積をb[μm]としたときに、a/bが0.15〜0.3[1/μm]である。
本発明に係る無機粒子担持ハニカムフィルタは、従来に比べてa/bが十分高い。a/bが高いことは細孔を閉塞させずに細孔の空隙を一部残すように細孔の内壁に沿って層状に形成された無機粒子層が多いことを意味する。これにより、無機粒子担持後でもガスが細孔を通りやすく煤が溜まっても圧力損失が高くなりにくい。また、無機粒子層担持前のハニカム構造体の空隙率が大きくても、その細孔が無機粒子層により適切に狭くなるので煤の捕集効率も高くなる。
ここで、前記無機粒子層の空隙率が47〜65%であることができる。
これによれば、無機粒子層内において無機粒子間に隙間が形成されるので、触媒の有効利用も可能となる。
また、前記ハニカム構造体の空隙率は40〜75%であることができる。このような空隙率であると効果が高い。
また、前記ハニカム構造体の見掛け単位体積あたりの無機粒子の合計体積が、30〜110cm/L、であることができる。
本発明に係る無機粒子担持ハニカムフィルタの製造方法は、ハニカムフィルタに、分散媒、熱可塑性樹脂粒子、及び、無機粒子を含有する混合物を含浸させる工程と、
前記ハニカムフィルタに含浸した前記混合物から前記分散媒を除去して粒子付着ハニカムフィルタを得る工程と、
前記粒子付着ハニカムフィルタを加熱して熱可塑性樹脂成分を熱分解及び/又は燃焼により除去する工程と、を備える。
本発明によれば、まず、含浸及び溶媒の除去によりハニカム構造体内に無機粒子及び熱可塑性樹脂粒子を含む多孔質材料が形成される。この多孔質材料は概ねハニカム構造体の大部分の細孔を塞ぐように形成される。つぎに、加熱工程で、この多孔質材料が付着したハニカム構造体(即ち、粒子付着ハニカムフィルタ)を加熱することにより、まず、多孔質材料中の熱可塑性樹脂粒子が溶融して流動すると考えられ、ハニカム構造体の表面に沿って無機粒子を含む薄い熱可塑性樹脂層が形成される。熱可塑性樹脂層は、流動前の多孔質材料と違い、多孔質ではなく緻密な構造を有するので、見かけの体積が減り、ハニカム構造体の細孔内には熱可塑性樹脂層の存在しない残空間が確保される。加熱工程で、さらに温度が上がると、無機粒子を含む熱可塑性樹脂層から熱可塑性樹脂が熱分解及び/又は燃焼により除去され、前記残空間が残されつつ、細孔の壁に沿うように無機粒子層が形成される。さらに、この加熱工程では、無機粒子を含む熱可塑性樹脂層から熱可塑性樹脂が除去されるので、無機粒子層において無機粒子間に適切な隙間を与えることも可能となる。
ここで、前記熱可塑性樹脂粒子の平均粒径D50は0.1〜10μmであることができる。
また、前記熱可塑性樹脂粒子の樹脂はエチレン酢酸ビニル系樹脂を含むことができる。
さらに、前記無機粒子の平均粒径D50は0.1〜10μmであることができる。
本発明の前記方法においては、前記熱可塑性樹脂粒子の平均粒径と前記無機粒子の平均粒径との比は、0.1〜10であることが好ましい。このように、前記熱可塑性樹脂粒子と無機粒子との粒径が近いと、前記加熱工程の初期に前記熱可塑性樹脂が溶融して流動する際に、前記無機粒子を伴って前記熱可塑性樹脂が流動しやすくなると考えられるので、本発明の無機粒子担持ハニカムフィルタの製造に好適である。
本発明によれば、煤などの粒子が溜まっても圧力損失が高くなりにくく、かつ、煤などの粒子を高い効率で捕集できる無機粒子担持ハニカムフィルタ及びその製造方法が提供される。
図1は、無機粒子担持ハニカムフィルタの概略断面図である。 図2は、図1のハニカムフィルタの拡大図である。 図3の(a)及び(b)は、図1の無機粒子担持ハニカムフィルタの製造方法を示す概略断面図である。 図4は、実施例1における含浸及び乾燥後のハニカム構造体の断面SEM写真の一例である。(倍率:1500倍) 図5の(a)及び(b)は、実施例1における加熱及び熱分解/燃焼後の無機粒子担持ハニカムフィルタのハニカム構造体の断面SEM写真の一例である。((a)倍率1500倍、(b)倍率150倍) 図6は、比較例1における加熱及び熱分解/燃焼後の無機粒子担持ハニカムフィルタのハニカム構造体の断面SEM写真の一例である。((a)倍率1500倍、(b)倍率150倍) 図7は、実施例1における加熱及び熱分解/燃焼後の無機粒子担持ハニカムフィルタのハニカム構造体の画像解析に用いた断面SEM写真である。(倍率:150倍) 図8は、図7の断面SEM写真から、ハニカム構造体の部分のみを黒色として抽出し他の部分を白色とした画像を取得し、続いて、黒色の部分の膨張処理を外側1ピクセル分行った画像Aの例である。 図9は、図7の断面SEM写真から、無機粒子層M3の部分のみを抽出した画像を取得し、無機粒子層M3の輪郭線を抽出し、黒背景に輪郭線を白で表現した画像Bの例である。 図10、画像Aと画像Bを透過率50%で重ね合わせた画像Cの例である。 図11の(a)は、実施例1の無機粒子層の拡大断面SEM写真、図11の(b)は、比較例1の無機粒子層の拡大断面SEM写真である。 図12は、比較例2における加熱及び熱分解/燃焼後の無機粒子担持ハニカムフィルタのハニカム構造体の断面SEM写真の一例である。((a)倍率1500倍、(b)倍率150倍)
本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
(無機粒子担持ハニカムフィルタ)
図1に示すように、無機粒子担持ハニカムフィルタ200は、多孔質のハニカム構造体120、複数の封口部130、及び、ハニカム構造体120に担持された無機粒子層(図1では不図示)を有する。ここで、多孔質のハニカム構造体120、及び、複数の封口部130をハニカムフィルタ100と呼ぶ。
ハニカム構造体120は、柱形状を有し、入口端面(一端面)100a及び出口端面(他端面)100bを有する。ハニカム構造体120の外形形状は、例えば、円柱、角柱、楕円柱であることができる。
ハニカム構造体120は、複数の入口流路110a及び複数の出口流路110bを有する。入口流路110a及び出口流路110bの断面形状は、例えば、円形、楕円形、四角形、六角形、八角形であることができる。ハニカム構造体120は、互いに隣接する入口流路110a及び出口流路110bをそれぞれ隔てる隔壁として機能する。
各入口流路110aは、入口端面100aにおいて開口され、出口端面100bにおいて封口部130により封口されている。また、各出口流路110bは、出口端面100bにおいて開口され、入口端面100aにおいて封口部130により封口されている。なお、図1では、封口部130はプラグ形状であるが、封口部130は、ハニカム構造体120の一部を変形することによって形成したもの(例えば円錐形状部)であってもよい。封口部130は、多孔質であることができるが、非多孔質であってもよい。
ハニカム構造体120及び封口部130の材質はセラミックである。セラミックの例は、チタン酸アルミニウム系セラミック、炭化ケイ素系セラミック、コージェライト系セラミックである。チタン酸アルミニウム系セラミックは、マグネシウムやケイ素などを含むことができる。セラミックは、原料由来の微量成分又は製造工程において不可避的に含まれる微量成分を含有し得る。
ハニカム構造体120の空隙率(後述する無機粒子層も空隙の一部であるとして計算する)としては、40〜75%であることができる。圧損性能の保持および触媒活性を向上させる上で、空隙率は55〜70%であることが好ましく、55〜65%であることがより好ましい。空隙率が75%を超えるとハニカム構造体120の強度が低下する場合がある。空隙率は断面SEM像を画像解析することにより求めることができる。具体的には、隔壁の断面SEM画像を取得し(倍率150倍)、画像解析ソフト(例えばImageJ)を用いて、断面SEM画像の細孔部(空隙)と、基材部とを分けるように2値化処理を行い、細孔部のみを抽出する。この抽出画像について、一辺は隔壁の厚み方向をほぼ含み、もう一辺は厚み方向の2倍程度になるような解析領域を設定し、この解析領域における細孔部の面積割合から空隙率を測定することができる。
ハニカム構造体120における、平均細孔径(無機粒子層も細孔の一部であるとみなす)は10〜30μmであることができる。平均細孔径は、断面SEM画像を用いて、画像解析により算出できる。具体的には、隔壁の断面SEM画像を取得し(倍率150倍)、画像解析ソフト(例えばImageJ)を用いて、断面SEM画像の細孔部(空隙)と、基材部とを分けるように2値化処理を行い、細孔部のみを抽出する。この抽出画像について、Watershed(領域分割)処理を行い、分割化された細孔を楕円近似した場合の楕円の長径分布における中央値を求めることにより、平均細孔径を測定することができる。中央値とは、長径の数値が小さいものから順番に並べたとき、中央にくる数値を意味する。
ハニカム構造体120における流路の密度、すなわち、セル密度は、例えば、35〜80cell/cmとすることができる。
このようなハニカムフィルタは、セラミック源及び造孔材を含む原料によりグリーンハニカム構造体を成形し、その後、各流路の一端又は他端を封口して封口部を形成し、その後、焼成することにより得られる。
(無機粒子層)
図2は、ハニカム構造体120の断面の拡大模式図であり、細孔P、入口流路110a/出口流路110bの表面を示す。ハニカム構造体120の表面に無機粒子層M3が設けられている。ハニカム構造体120の表面として、ハニカム構造体120の細孔Pの内面、及び、ハニカム構造体120の入口流路110a、出口流路110bの内面が挙げられる。
無機粒子層M3は、多数の無機粒子から構成される。
無機粒子は、触媒として、又は、触媒担体として機能しうる無機粒子であれば特に限定されない。無機粒子の例は、アルミナ粒子、シリカ粒子、マグネシア粒子、チタニア粒子、ジルコニア粒子、セリア粒子、La粒子、BaO粒子、ゼオライト粒子等の無機酸化物、あるいは、これらの内の1種以上を含む複合酸化物である。
これらの無機粒子には、Pt、Pd、Rh、銀、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅からなる群より選択される少なくとも1つの金属元素の微粒子が担持されていてもよい。ハニカム構造体120の細孔P内には、無機粒子が存在しない空間である残空間P2が存在する。
無機粒子の平均粒径D50は、0.1〜10μmであることができる。平均粒径D50は、1μm以上であることができ、3μm以下であることもできる。平均粒径D50は、断面SEM写真の定方向径(Feret接線径)分布の中央値とすることができる。中央値とは、長径の数値が小さいものから順番に並べたとき、中央にくる数値を意味する。具体的には、隔壁における無機粒子層の断面SEM画像を取得し(倍率2000倍)、画像解析ソフト(例えば、ImageJ)を用いて、二値化処理により無機粒子を抽出した画像を取得する。抽出された無機粒子について、Feret接線径を求め、その中央値を求めることにより、無機粒子の平均粒径D50を測定することができる。中央値とは、Feret接線径の数値が小さいものから順番に並べたとき、中央にくる数値を意味する。
本実施形態において、無機粒子層M3は、ハニカム構造体120の細孔Pの内面及び流路110a、110bの内面に沿って形成されている。無機粒子層M3の厚みは例えば、2μm〜30μmとすることができる。
ハニカム構造体120の細孔P内には、無機粒子層M3以外に、残空間P2が残されている。断面において、細孔Pに占める残空間の割合は、10〜45%であることができる。
ハニカム構造体120の断面において、無機粒子層M3の輪郭線CLの内のハニカム構造体120と接していない部分、すなわち、残空間P2又は入口流路110a、出口流路110bに接している部分の総長さをa[μm]、上記断面において、無機粒子層M3の総面積をb[μm]としたときに、a/bが0.15〜0.3[1/μm]である。
a及びbの測定は、倍率150倍程度の無機粒子担持ハニカムフィルタ200の断面SEM画像に基づいて行うことができる。通常、ハニカム構造体120と無機粒子層M3とでは、コントラストが異なるので、無機粒子層M3の輪郭線CL、及び、この輪郭線CLの内のハニカム構造体120と接触していない部分を容易に抽出できる。a及びbを測定する範囲は、例えば、一辺200〜700μm程度の四角形とすることができる。当該範囲には、入口流路110a及び出口流路110bが入らなくてもよいが、これらが入っていてもよい。
また、無機粒子層M3の空隙率は、47〜65%であってもよい。
また、ハニカム構造体120の見掛け単位体積あたりの無機粒子の合計体積が30〜110cm/Lであってもよい。
本実施形態に係る無機粒子担持ハニカムフィルタによれば、a/bが十分大きい、すなわち、ハニカム構造体120の細孔Pを閉塞させずに、残空間P2を形成するように層状に形成された無機粒子層M3が多い。これにより、無機粒子の担持後でもガスが細孔Pを流れやすくなって、煤が溜まっても圧力損失が高くなりにくい。また、無機粒子担持前のハニカム構造体120の空隙率が大きくても、当該ハニカム構造体の細孔Pが無機粒子層M3により適切に狭くされるので、煤等の粒子の捕集効率も高くなる。
また、無機粒子層M3における、空隙率が高い場合には、触媒の利用効率が上昇する。
一方、従来の無機粒子担持ハニカムフィルタでは、a/bが0.15未満、すなわち、細孔Pを埋めるように無機粒子が部分的に塊状に不均一に担持されているため、ガス流通可能な細孔が減っており、煤等の粒子が溜まると圧力損失が高くなりやすい。また、無機粒子により流路が狭くなっていない細孔も多く残るので、煤等の粒子の捕集効率も高くならない。
(無機粒子担持ハニカムフィルタの製造方法)
続いて、このような無機粒子担持ハニカムフィルタの好適な製造方法の一例について説明する。
まず、無機粒子担持前のハニカムフィルタ100を用意する。ハニカムフィルタ100は公知の方法により得ることができる。
続いて、無機粒子コート用の混合物を用意する。無機粒子コート用の混合物は、分散媒、熱可塑性樹脂粒子、及び、無機粒子を含有する液体である。
分散媒は熱可塑性樹脂粒子及び無機粒子を分散する。分散媒の例は、例えば、水や、エタノール、メタノールなどの有機溶媒である。
熱可塑性樹脂粒子を構成する熱可塑性樹脂の例は、エチレン酢酸ビニル共重合体;酢酸ビニル系樹脂;ポリメチルメタクリレートなどのアクリル系樹脂;ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル樹脂である。
水などの分散媒への分散性を向上させるため、いわゆる熱可塑性樹脂エマルジョンを用いることができる。熱可塑性樹脂エマルジョンは、モノマーを分散剤中で乳化剤の存在下で乳化重合により重合させることにより得られ、水などの分散媒中に乳化剤に覆われた熱可塑性樹脂粒子が分散している。即ち、無機粒子コート用の混合物として、無機粒子を含有する熱可塑性樹脂エマルジョンを、好適に用いることができる。
ハニカムフィルタの細孔内において熱可塑性樹脂を好適に流動化させる観点から、熱可塑性樹脂粒子の平均粒径D50は、0.1〜10μmであることができる。この平均粒径D50は、0.5μm以上とすることができ、5μm以下とすることもできる。本明細書において、平均粒径D50とは、レーザー回折式粒度分布測定法により測定して得られる体積基準粒度分布におけるメジアン径である。
無機粒子は、触媒として、又は、触媒担体として機能しうる無機粒子であれば特に限定されない。無機粒子の例は、アルミナ粒子、シリカ粒子、マグネシア粒子、チタニア粒子、ジルコニア粒子、セリア粒子、La粒子、BaO粒子、ゼオライト粒子等の無機酸化物、あるいは、これらの内の1種以上を含む複合酸化物である。
細孔内において層状の無機粒子層を形成する観点から、無機粒子の平均粒径D50は、0.1〜10μmであることができる。平均粒径D50は、1μm以上であることができ、3μm以下であることもできる。
前記熱可塑性樹脂粒子の平均粒径と前記無機粒子の平均粒径との比、即ち(熱可塑性樹脂粒子の平均粒径D50)/(無機粒子の平均粒径D50)は、0.1〜10であることが好ましく、0.2〜5であることがより好ましい。
これらの無機粒子には、Pt、Pd、Rh、銀、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅からなる群より選択される少なくとも1つの金属元素の微粒子が担持されていてもよい。無機粒子コート用の混合物は、これらの金属元素の前駆体を含有していてもよい。
熱可塑性樹脂粒子及び無機粒子を分散媒に好適に分散させるために、上記混合物は公知の界面活性剤等の分散/乳化剤を含むことができる。
更に、無機粒子コート用の混合物は、粘度調整剤等の添加剤を含むことができる。
混合物における、熱可塑性樹脂粒子の量は、3〜30質量%とすることができる。混合物における、無機粒子の量は、15〜30質量%とすることができる。無機粒子の質量に対する、熱可塑性樹脂粒子の質量の比は、0.1〜2.0とすることができる。混合物における、固形分割合、即ち、熱可塑性樹脂粒子及び無機粒子の合計質量の割合は、17〜33質量%とすることができる。
(含浸工程)
続いて、ハニカムフィルタ100に上記の無機粒子コート用の混合物を含浸させる。含浸法としては、ディップ法、塗布法等の公知の方法を採用できる。これにより、ハニカムフィルタ100の流路の表面や細孔内に混合物が供給される。
(分散媒除去工程)
続いて、ハニカムフィルタ100に含浸した無機粒子コート用の混合物から分散媒を除去して、粒子付着ハニカムフィルタを得る。分散媒の除去方法としては、自然乾燥、加熱乾燥、通風乾燥、マイクロウエーブ乾燥、減圧乾燥などがある。これにより、図3の(a)に示すように、ハニカムフィルタの細孔内に無機粒子及び熱可塑性樹脂粒子を含み空隙の多い多孔質材料M1が形成されることになる。ここで、図3の(a)は、ハニカム構造体120の細孔P及び入口流路110a、出口流路110bの模式図である。多孔質材料M1は細孔の大部分を塞ぐように分布している。
(加熱工程)
続いて、粒子付着ハニカムフィルタを加熱する。これにより、まず、図3の(b)に示すように、温度が熱可塑性樹脂の融点を超えると、多孔質材料M1中の熱可塑性樹脂粒子が溶融して流動し、ハニカム構造体120の表面に沿って、無機粒子を含む薄い熱可塑性樹脂層M2が形成されると考えられる。この熱可塑性樹脂層M2は、流動前の多孔質材料M1と違い、多孔質ではなく緻密な構造を有し、見かけ体積が減るため、ハニカム構造体120の細孔P内には残空間P2が確保される。
続いて、更に、温度が上がると、熱分解及び/又は燃焼が生じて熱可塑性樹脂層M2中の熱可塑性樹脂が消失する。通常、雰囲気中に酸素がなければ熱分解のみが生じ、雰囲気中に酸素があれば熱分解及び燃焼が生じる。熱分解性の高い樹脂であれば、非酸素雰囲気でも熱分解可能であるが、大気雰囲気等の酸素雰囲気で行うと樹脂の除去が容易である。
この工程により、熱可塑性樹脂層M2から樹脂部分が除去されて、ハニカム構造体120の細孔Pの内壁の表面及び流路110a、110bの内面に、無機粒子から構成される無機粒子層M3が形成される(図2参照)。このとき、残空間P2は閉塞されずに維持される。
また、無機粒子層M3においては、樹脂の除去により無機粒子間に隙間が形成される。
最大加熱温度は、例えば、400℃〜600℃とすることができる。また、最大加熱温度までの昇温速度は、100℃/時間〜500℃/時間とすることができる。最大加熱温度の維持時間は30分〜2時間とすることができる。
本実施形態によれば、無機粒子及び熱可塑性樹脂粒子を含む混合物を含浸させることにより、加熱過程で熱可塑性樹脂粒子の流動に合わせて無機粒子が好適に移動して上述の構造を有する無機粒子担持ハニカムフィルタが得られる。なお、粒子状の無機物でなく、無機物が溶解した水溶液及び熱可塑性樹脂粒子を含む溶液を含浸させた場合、加熱工程において無機物が動かないためか、上述の構造が得られない傾向がある。
また、熱可塑性樹脂粒子でなく、非熱可塑性樹脂粒子を用いると樹脂の流動が生じない。さらに、粒子でなく水に溶解する熱可塑性樹脂を用いると、コート液の粘度が高くなるために十分に細孔内にコート液を含浸させることが困難である。
続いて、本発明の実施例を説明する。
(実施例1)
チタン酸アルミニウム製のハニカムフィルタ100を用意した。外径は25.4mm、長さは50mm、セル密度は300cpsi、ハニカム構造体120の空隙率は58%であった。
(1)スラリー(無機粒子コート用の混合物)調整工程
平均粒径1.0μmの無機粒子(ゼオライト粒子)を含む水スラリーと、熱可塑性樹脂エマルジョンとを用意した。次いで、無機粒子:熱可塑性樹脂粒子:水分=25:13:92(質量比)となるようにこれらの混合物を調製し、プロペラ攪拌機で10分間拡散することにより、固形分29質量%のスラリーを得た。熱可塑性樹脂エマルジョンとして、平均粒径0.9μmのエチレン−酢酸ビニル系樹脂粒子のエマルジョンを用いた。
(2)含浸及び乾燥工程
得られたスラリー中に上記のハニカムフィルタを沈めた後、ハニカムフィルタをスラリーから引き上げ、余分なスラリーをハニカムフィルタから吸引して除去し、ハニカムフィルタを乾燥させた。この工程を3回繰り返した。含浸及び乾燥後のハニカム構造体の断面SEM写真を図4に示す。Eの部分がハニカム構造体120、Eの細孔内に存在するFの部分(明るいグレー)が無機粒子、Eの細孔内に存在するGの部分(暗いグレー)が熱可塑性樹脂粒子であり、F及びGの部分が多孔質材料M1を形成している。多孔質材料M1は一部の細孔を概ね閉塞させるように形成されている。
(3)加熱工程
大気雰囲気中でハニカムフィルタを650℃で3時間熱処理することにより、樹脂の流動及び熱分解/燃焼を行い、無機粒子層を有するハニカムフィルタを得た。650℃までは300℃/hのスピードで昇温した。得られた無機粒子担持ハニカムフィルタのハニカム構造体の断面SEM写真を図5に示す。白い部分がハニカム構造体120、グレーの部分が無機粒子層M3、黒い部分がハニカム構造体の細孔Pの内の無機粒子層M3が存在しない部分である。触媒としての無機粒子の担持量は、ハニカム構造体の単位体積あたり62cm/Lであった。
(実施例2)
スラリー調整工程において、無機粒子:熱可塑性樹脂粒子:水=25:38:140(重量比)とし、固形分31%のスラリーを調整したこと、および含浸及び乾燥工程の繰り返し回数を2回とする以外は実施例1と同様とした。得られたハニカムフィルタの無機粒子の担持量はハニカム構造体の単位体積あたり43cm/Lであった。
(実施例3)
含浸及び乾燥工程の繰り返し回数を4回とした以外は実施例1と同様とした。得られたハニカムフィルタの無機粒子の担持量はハニカム構造体の単位体積当たり70cm/Lであった。
(比較例1)
スラリー調整工程において、熱可塑性樹脂粒子を添加しなかったこと、及び、対応して水を60質量部に減らして固形分割合を29.4%にし、含浸及び乾燥工程を1回にした以外は、実施例1と同様とした。得られた無機粒子担持ハニカムフィルタのハニカム構造体の断面SEM写真を図6に示す。
(比較例2)
スラリー調整工程において、熱可塑性樹脂粒子であるエチレン酢酸ビニル系樹脂の代わりに、非熱可塑性樹脂粒子である架橋ポリメタクリル酸メチル粒子(平均粒径0.9μm)を添加したこと以外は、実施例1と同様とした。得られた無機粒子担持ハニカムフィルタのハニカム構造体の断面SEM写真を図12に示す。
(無機粒子層の解析)
得られたハニカム構造体の無機粒子層M3の解析には、図7のようなハニカム構造体の断面SEM画像(例えば倍率150、具体的には、横幅が約850μmで1280ピクセル、縦幅が600μmで960ピクセル)、及び、画像解析ソフト(ImageJ(フリーソフト))を用いた。
無機粒子層M3の面積a[μm]の計算においては、縦方向においてハニカム構造体の隔壁の厚み方向をほぼ全体含み、横方向が隔壁の厚み方向の約2倍の長さを有する矩形の解析領域Fを設定し(具体的には265×530μm)、この解析領域におけるグレーの部分の面積を求めることにより、無機粒子層の面積aを求めた。
つぎに、上記の解析領域Fにおいて、無機粒子層M3の輪郭線の内のハニカムフィルタ100と接していない部分の求め方について図7の場合を例として説明する。図7の断面SEM写真から、ハニカム構造体120の部分のみ(図7の白い部分)を黒色として抽出し他の部分を白色とした画像を取得し、続いて、ハニカム構造体120の黒色の部分の膨張処理を外側1ピクセル分(0.66μm)行ってハニカム構造体120の画像A(図8)を取得する。つぎに、図7の断面SEM写真から、無機粒子層M3の部分のみ(図7の灰色の部分)を抽出した画像を取得し、無機粒子層M3の輪郭線を抽出し、黒背景に輪郭線のみを白で表現した画像B(図9)を取得する。続いて、画像Aと画像Bを透過率50%で重ね合わせ、画像C(図10)を取得する。画像Cにおいて、グレーの領域中に白点で表される線が、図7の無機粒子層M3の輪郭線の内、ハニカム構造体120と接していない部分である。したがって、図10において上記と同じ解析領域Fにおける白点で表される線の長さを測定することにより、上記のb[μm]を求められる。
続いて、得られた値に基づいて、a/bを求めた。結果を表1に示す。
(堆積した煤による圧力損失の測定)
煤発生速度10g/h、ガス流量6m/h、ガス温度室温にて各フィルタに対して煤を徐々に堆積させ圧力損失の変化を測定しハニカムフィルタの見かけの体積あたり煤を4.5g/L堆積したときの圧力損失を求めた。結果を表1に示す。
(煤の捕集効率の測定)
煤の捕集効率測定は、煤を含むガスをフィルタの入口側から供給し、出口側から排出されるガスを粒子カウンタに導いて、漏れ出る粒子の数を測定することにより行った。煤の煤捕集効率は、煤を含むガスをフィルタに流し始めたタイミングをt=0sとして、t=360sでのフィルタ出口側から排出されたガス中の煤の個数濃度から、以下の式にて求めた。
煤の捕集効率(%)=100(1−N360s/N0)
N0:供給したガス中の煤の個数濃度(個/cm
N360s:t=360sでのフィルタ出口側から排出されるガス中の煤の個数濃度(個/cm
結果を表1に示す。ここで、煤の捕集効率80%以上の場合を○、80%未満の場合を×とした。
(無機粒子の担持量)
ハニカム構造体の見かけの体積あたりの無機粒子の担持量(cm/L)は、無機粒子の担持工程前後の重量差から、ハニカム構造体の見かけ体積1Lあたりの無機粒子量(g)を算出し、この値を無機粒子の真密度(g/cm)で割ることにより求めることができる。結果を表1に示す。
(無機粒子層の空隙率)
無機粒子層の断面の5000倍程度の写真を撮影し、画像処理により無機粒子層の空隙率を求めた。図11の(a)及び(b)にそれぞれ、実施例1及び比較例1の無機粒子層の5000倍の拡大写真を示す。白い部分が無機粒子である。
実施例1〜3では、比較例1、2に対して煤溜圧損が上がりにくく、煤捕集効率も高かった。なお、比較例2では、粒子の流動が起こらなかったためか、無機粒子層中に架橋PMMA粒子に由来する空孔が観察された(図12)。
100…ハニカムフィルタ、110a…入口流路、110b…出口流路、120…ハニカム構造体、130…封口部、M1…多孔質材料、M2…熱可塑性樹脂層、M3…無機粒子層、200…無機粒子担持ハニカムフィルタ。

Claims (9)

  1. 複数の流路を有する多孔質のハニカム構造体と、
    前記複数の流路の内の一部の流路の一端、及び、前記複数の流路の内の残部の流路の他端を閉じる複数の封口部と、
    前記ハニカム構造体に担持された無機粒子層と、を備え、
    前記ハニカム構造体の断面において、前記無機粒子層の輪郭線の内の前記ハニカム構造体と接していない部分の総長さをa[μm]、
    前記断面において、前記無機粒子層の総面積をb[μm]としたときに、
    a/bが0.15〜0.3[1/μm]である、無機粒子担持ハニカムフィルタ。
  2. 前記無機粒子層の空隙率が47〜65%である、請求項1記載の無機粒子担持ハニカムフィルタ。
  3. 前記ハニカム構造体の空隙率は40〜75%である、請求項1又は2記載の無機粒子担持ハニカムフィルタ。
  4. 前記ハニカム構造体の見掛け単位体積あたりの無機粒子の合計体積が、30〜110cm/Lである、請求項1〜3のいずれか1項記載の無機粒子担持ハニカムフィルタ。
  5. ハニカムフィルタに、分散媒、熱可塑性樹脂粒子、及び、無機粒子を含有する混合物を含浸させる工程と、
    前記ハニカムフィルタに含浸した前記混合物から前記分散媒を除去して粒子付着ハニカムフィルタを得る工程と、
    前記粒子付着ハニカムフィルタを加熱して、熱可塑性樹脂を熱分解及び/又は燃焼により除去する工程と、を備える、無機粒子担持ハニカムフィルタの製造方法。
  6. 前記熱可塑性樹脂粒子の平均粒径D50は0.1〜10μmである、請求項5記載の方法。
  7. 前記熱可塑性樹脂粒子の樹脂はエチレン酢酸ビニル系樹脂を含む、請求項5又は6記載の方法。
  8. 前記無機粒子の平均粒径D50は0.1〜10μmである、請求項5〜7のいずれか1項に記載の方法。
  9. 前記熱可塑性樹脂粒子の平均粒径と前記無機粒子の平均粒径との比が、0.1〜10である、請求項5〜8のいずれか1項に記載の方法。
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