本願発明は、ネット又はシートに連結したロープ、ゴンドラ用に用いるロープを移動するためのエンドレス方式のウインチ、及び該エンドレス方式のウインチを用いたロープの移動方法に関する。
従来例えば、ネット又はシートに連結したロープ(以後、金属製、又は樹脂製ワイヤロープ等の総称として記載)を移動する際に用いるエンドレス方式のウインチ(以後、ロープをウインチの一方側より取り入れ他方側へ取り出し移動するのに用いるウインチの総称として記載)の一般的な構成は、ウインチ本体に回転自在に軸支し、駆動源(電源モータ、又は手動式のハンドルを含む)に連結することで回転駆動する駆動軸と、該駆動軸に取り付けられ、外周面に沿って円形状に溝の形成された巻回用ドラムと、該巻回用ドラムの近傍でウインチ本体に回転自在に軸支され、前記溝へのロープの取り入れ及び溝よりのロープの取り出し移動を案内補助するための一対の案内ローラと、該案内ローラ側をそれぞれの両端側として溝の外側に沿って巻回すべく取り付けられ、複数個のローラを回転自在に連結することで形成された移動用ローラ体と、該移動用ローラ体の両端側の端部ローラに連結されたバネ等の弾性体とから構成されている。
前記エンドレス方式のウインチを用いてネット等に連結されたロープを移動する場合は、先ず駆動源を用いて駆動軸を回転駆動し巻回用ドラムを回転した状態で、一方の案内ローラを介してロープを前記移動用ローラ体の先端側へ取り入れ、移動用ローラ体に連結された弾性体の付勢及び巻回用ドラムの回転を利用して該移動用ローラ体を溝に沿って所望量を移動し、移動した位置を起点として先端側の端部ローラ部分で前記ロープを溝側へ押圧しながらロープを順次取り入れ移動した後、前記ロープを移動用ローラ体で溝側に押圧しながら溝に沿って回転方向に巻回移動し、移動用ローラ体の他方側に連結した弾性体の付勢を利用して他方の端部ローラを溝側に押圧した状態で順次溝よりロープを離反し、案内ローラを介してウインチ本体より取り出し移動する。
前記エンドレス方式のウインチに用いる移動用ローラ体は、ロープの取り入れ側より取り出し側の溝に沿って一本で構成されているために、ロープの溝への取り入れ側の端部ローラと溝よりのロープの取り出し側の端部ローラとの溝に沿っての移動量が連動し、取り入れ側の端部ローラ部分の移動量が大きい場合は、取り出し側では端部ローラが弾性体側に大きく移動し該弾性体による付勢が弱く溝側への端部ローラによる押圧力が不十分となり、逆に取り入れ側の端部ローラの移動量が小さい場合は、取り出し側の端部ローラの移動が小さく、端部ローラによる溝側への押圧力が強すぎる。このため、ロープにかかるテンションの強弱に自在に対応することができず、ロープのスムーズな移動ができない欠点があった。
そこで、移動用ローラ体を中央部分で二分割した移動用ローラ体が考えられた。二分割された移動用ローラ体の具体的な構成は、二分割された移動用ローラ体のそれぞれの先端側(案内ローラ側)の端部ローラを直接、又は案内ローラの支軸に連結板を介して連結するとともに、前記各移動用ローラ体の後端側の端部をそれぞれ巻回用ドラムの近傍でウインチ本体に軸支することで、ロープ取り入れ側及びロープ取り出し側で各移動用ローラ体による溝側への押圧移動をそれぞれ独立して行う構成である。
これにより、一方の移動用ローラ体と他方の移動用ローラ体とがそれぞれロープにかかるテンションの強弱に応じて連動することなく自在に対応することができる。
特開2012−56769号
発明が解決しようとする課題
しかしながら上記従来のエンドレス方式のウインチは、移動用ローラ体が二分割された各移動用ローラ体で形成され、ロープのテンションの強弱に対してそれぞれ独立して対応する構成であるが、二分割された移動用ローラ体の後端側がそれぞれウインチ本体に軸支しているために、軸支した2点間における溝部分が押圧移動に対して空白部分となり、ロープの溝に沿っての巻回移動をスムーズに行えないという欠点があった。
特に、テンションの弱い場合は、ロープの弛み等が発生するために、上記空白部分で溝よりロープが離反、弛み等の問題が発生し、溝に沿ってのロープの適切な巻回移動ができない欠点があった。
また、各移動用ローラ体の後端側がそれぞれウインチ本体に軸支しているために、後端側の端部ローラは軸支方向には移動できなくて、該端部ローラ部分による溝側への押圧移動が不十分であるという欠点があった。
さらに、二分割された移動用ローラ体で溝に沿っての押圧移動する場合は、各移動用ローラ体の等分した長さで所望の距離を有さなければ、テンションの強弱に対しロープを溝側に適切に押圧できないために、各移動用ローラ体の先端側と連結板との弾性体を介しての調整が煩雑である。
そこで、本願発明はロープのテンションの強弱に応じて巻回用ドラムの溝に沿って適切にロープを移動することができ、また、スムーズで確実なロープの押圧移動が可能なエンドレス方式のウインチ及び該エンドレス方式のウインチを用いたロープの移動方法を提供することを課題とする。
課題を解決するための手段
上記課題を解決する手段としてのエンドレス方式のウインチは、請求項1に記載のように、ウインチ本体に回転自在に取り付けられ、駆動源により回転駆動する駆動軸と、該駆動軸に取り付けられ外周面に沿ってロープを巻回する溝の形成された巻回用ドラムと、該巻回用ドラムの近傍でウインチ本体に回転自在に軸支され、ロープを前記溝側へ取り入れ及び溝側より取り出し移動する案内ローラと、該案内ローラ側を先端側として前記巻回用ドラムの溝に沿って回転方向に巻回して取り付けられ、複数個の回転自在なローラを連結して形成された移動用ローラ体とから構成されたエンドレス方式のウインチにおいて、前記移動用ローラ体の後端側は巻回用ドラムの近傍でウインチ本体に直接又は間接的に軸支され、且つ該移動用ローラ体の後端側の端部ローラに連続して前記溝に沿ってロープを溝側に押圧する巻回弾性体が設けられていることを特徴とする。
また、上記課題を解決する手段としてのエンドレス方式のウインチを用いたロープの移動方法は、請求項2に記載のように、ウインチ本体に回転自在に取り付けられた駆動軸を回転駆動し、該駆動軸に取り付けられ外周面に沿ってロープを巻回する溝の形成された巻回用ドラムを回転しながら、該巻回用ドラムの近傍でウインチ本体に回転自在に軸支された一方の案内ローラを介してロープを前記溝側に取り入れ前記案内ローラ側を先端側として溝に沿って取り付けられた移動用ローラ体で前記ロープを溝側に押圧しながら溝に沿って回転方向に巻回し、その後他方の案内ローラを介して溝より取り出し移動するエンドレス方式のウインチを用いたロープの移動方法において、前記移動用ローラ体の先端側又は後端側をロープにかかるテンションの強弱に応じて押圧調整しながら溝側への取り入れ及び溝に沿っての巻回移動した後、前記移動用ローラ体の後端側に連続して溝に沿って回転方向に設けられた巻回弾性体で巻回されたロープを溝側に一定の力で押圧しながら溝より取り出し移動することを特徴とする。
発明の作用効果
次に、本願発明のエンドレス方式のウインチ及び該エンドレス方式のウインチを用いたロープの移動方法の作用効果について説明する。
先ず、請求項1のエンドレス方式のウインチは、ウインチ本体に回転自在に取り付けられた駆動軸と、該駆動軸に取り付けられ外周面に沿ってロープを巻回する溝の形成された巻回用ドラムと、該巻回用ドラムの近傍でウインチ本体に回転自在に軸支された案内ローラと、該案内ローラ側を先端側として前記巻回用ドラムの溝に沿って取り付けられ、複数の移動自在なローラを連結して形成された移動用ローラ体とから構成されている。
前記各移動用ローラ体の後端側は巻回用ドラムの近傍でウインチ本体に直接又は間接的に軸支されているために、移動用ローラ体の後端側の軸支する位置を調整(ウインチ本体への取り付け位置の変更により該移動用ローラ体に連結した弾性体の付勢力を調整する)することで、前記移動用ローラ体の先端側でロープを誘導移動する際、前記移動用ローラ体の回転方向に付勢する力、ロープの取り入れ側の端部ローラを巻回用ドラムの回転方向に所望量移動する量を調整することができ、ロープの溝側への誘導移動を補助するとともに、溝に取り入れられたロープを前記移動用ローラ体の全体で溝側に巻回押圧しながら溝に沿って巻回することができる。
即ち、ロープにかかるテンションが強い場合は、ロープのテンションにより移動用ローラ体の先端側の端部ローラを溝側より離反する方向に強く付勢するために、前記先端側の端部ローラは少しだけ溝側へ移動しながらロープを押圧して溝へロープを取り入れる。これに対して、ロープのかかるテンションが弱い場合は、前記先端側の端部ローラに働く付勢力が弱いために、先端側の端部ローラは大きく移動しながらロープを溝側に押圧しながらロープを溝に取り入れる。
このため、テンションが強い場合は、移動用ローラ体の後端側のウインチ本体への取り付け位置を案内ローラより離反する方向に移動して軸支して移動用ローラ体に働く付勢力を強め、テンションが弱い場合は、案内ローラに近接する方向に移動して軸支して移動用ローラ体に働く付勢力を弱めることで、テンションの強弱に対応する。
また、前記移動用ローラ体の後端側の端部ローラ側には、該端部ローラに連続して溝に沿って回転方向に巻回弾性体が設けられているために、移動用ローラ体で溝側に押圧されたロープを、すき間なく連続して巻回弾性体で一定の押圧力で溝側に巻回押圧することができる。
このため、ロープにかかるテンションの強弱に応じて移動用ローラ体の移動量の調整で自在に対応するとともに、移動用ローラ体の後端側の端部ローラに連設された巻回弾性体で溝側へ連続して押圧することで、ロープにかかるテンションの強弱の相違に対応し、確実に溝側に押圧して巻回しながら移動することができる。
また、上記のように移動用ローラ体の後端側に連続して巻回弾性体が設けられているために、移動用ローラ体の長さ方向の距離を自在に調整可能であり、移動用ローラ体の長さ調整することで、ロープにかかるテンションの強弱の更なる柔軟な対応を可能とする。
従って、ロープにかかるテンションの強弱に対応して、最も適切で簡易な構成の移動用ローラ体と巻回弾性体とを組み合わせでロープを巻回移動できるので、頻繁なメンテナンス作業を必要としない。
次に、本願発明の請求項2に記載のエンドレス方式のウインチを用いたロープの移動方法は、ウインチ本体に回転自在に取り付けられた駆動軸を回転駆動し、該駆動軸に取り付けられた巻回用ドラムを回転した状態で、一方の案内ローラを介してロープを前記巻回用ドラムの外周面に形成され溝に取り入れ移動するとともに、該溝に沿って巻回した後、溝より離反し他方の案内ローラを介してロープを取り出し移動する。
前記巻回用ドラムの溝にロープを取り入れる際、前記案内ローラ側を先端側として溝に沿って取り付けられた移動用ローラ体を用いて取り入れ及び巻回移動する。
即ち、ロープを前記移動用ローラ体の先端側に取り付けられた一方の案内ローラを介して溝側へ誘導しながら溝に取り入れ移動するとともに、前記移動用ローラ体の先端側又は後端側を押圧調整(ウインチ本体への軸支する位置の調整、取り付け方法を調整)することにより、巻回用ドラムの回転方向への付勢を利用して前記移動用ローラ体を回転方向に同期して移動しながらロープを溝側に押圧調整(巻回用ドラムの回転と移動用ローラ体の押圧調整方向が同じ方向であることの相乗効果を利用した調整)してロープを溝に沿って巻回する。
即ち、移動用ローラ体の先端側を弾性体を介してウインチ本体へ軸支することで、先端側の端部ローラの溝側への押圧位置の調整(先端側の端部ローラのロープにかかるテンションの強弱による位置の移動)、押圧力(先端側の端部ローラによる溝側への付勢力)、及び移動用ローラ体による溝側への巻回押圧(溝よりのロープの離脱を防止する押圧)を調整でき、また、移動用ローラ体の後端側を弾性体を介してウインチ本体へ軸支することで、先端側の端部ローラは溝側への押圧力、移動用ローラ体による溝側への巻回押圧、及び後端側の端部ローラの押圧位置の調整(巻回弾性体への連続して押圧移動する位置の調整)を調整することができる。
次に、前記溝に取り入れられたロープは、移動用ローラ体の後端側の端部ローラに連続して溝に沿って設けられた巻回弾性体を用いて、前記端部ローラ部分に連続して溝側にロープを一定の力で巻回押圧し、溝に沿ってロープを安定した状態で巻回移動することができる。
このため、前記移動用ローラ体による押圧調整で溝に巻回されたロープを巻回弾性体による押圧で連続して溝に沿ってすき間なく押圧しながら溝に沿って巻回することができる。
このように、本願発明のエンドレス方式のウインチを用いたロープの移動方法は、移動用ローラ体の誘導及び押圧移動と、巻回弾性体による押圧とを利用してロープをスムーズに移動することができる。
また、移動用ローラ体と連設した巻回弾性体で押圧するために、ロープへの誘導及び押圧が常に最適な状態に調整され、ロープの摩耗も従来のエンドレス方式のウインチを使用する場合に比し、格段に減少することができる利点がある。
従って、本願発明のエンドレス方式のウインチ及び該エンドレス方式のウインチを用いたロープの移動方法は、移動用ローラ体と巻回弾性体とを連設することで、ロープにかかるテンションの強弱に対応して移動用ローラ体の押圧調整しながら巻回弾性体で確実に溝に沿ってロープを移動することができ、安定したロープの移動を可能とし、頻繁なメンテナンス作業を必要としない。
本願発明のエンドレス方式のウインチ、及び該エンドレス方式のウインチを用いたロープの移動方法について説明する。
本願発明のエンドレス方式のウインチ及び該エンドレス方式のウインチを用いたロープの移動方法を図示する図面について説明する。図1は本願発明のエンドレス方式のウインチで移動用ローラ体の後端側に弾性体を連結した構成の一実施例を示す概略説明平面図であり、図2は図1のロープ取り入れ側の移動用ローラ体の移動状態を示す概略説明平面図であり、図3は図1のロープ取り出し側の移動用ローラ体の移動状態を示す概略説明平面図であり、図4、図5、図6、図7及び図8は本願発明のエンドレス方式のウインチで移動用ローラ体の後端側に弾性体を連結した構成の他実施例を示す概略説明平面図であり、図9は図1の移動用ローラ体の後端側を間接的に軸支した構成を示す概略説明平面図であり、図10は本願発明のエンドレス方式のウインチで移動用ローラ体の先端側に弾性体を連結した構成の一実施例を示す概略説明平面図であり、図11は図10の他実施を示す概略説明平面図である。
図12及び図13は本願発明のエンドレス方式のウインチを用いたロープの移動方法を示すフローチャートである。
本願発明のエンドレス方式のウインチ及び該エンドレス方式のウインチを用いたロープの移動方法の一実施例について図面を用いて説明する。
本願発明のエンドレス方式のウインチ1は、矩形状のウインチ本体2と、該ウインチ本体2の略中心部分に回転自在に軸支され、駆動源(手動、電動式を含む図示せず)に連結することで回転駆動する駆動軸3と、該駆動軸3に取り付けられ、円盤状に形成された巻回用ドラム4と、該巻回用ドラム4の近傍でウインチ本体2に並行位置で取り付けられた支軸8A,8Bに回転自在に軸支された一対の案内ローラ7A,7Bと、前記巻回用ドラム4の外周面に沿って断面形状が略V字状に形成され、ロープ20を巻回するための溝5と、該溝5に沿って全体が二分割された移動用ローラ体6A,6Bとから構成されている。
前記二分割された移動用ローラ体6A,6Bの案内ローラ7A,7B側(以後、先端側と記載)の端部ローラ9A,9Zは、それぞれ前記支軸8A,8Bに軸支され、一端側を弾性手段としてのバネ11A,11Bに連結され、弓状に形成された連結板10A,10Bの他端側に連結されている。
これにより、連結板10A,10Bは、バネ11A,11Bの付勢(矢印a、矢印z)により端部ローラ9A,9Zを溝5側に押圧(支軸8A,8Bを中心に回動移動)する方向に付勢(矢印f、矢印v)される。
また、前記連結板10A、10Bの回動移動により端部ローラ9A,9Zが溝側に押圧されることで各移動用ローラ体6A,6Bは、それぞれ案内ローラ9A,9Z側に付勢される作用が働くこととなる。
前記各移動用ローラ体6A,6Bの案内ローラ7A,7Bと逆方向側(以後、後端側と記載)の端部ローラ9B,9Yは弾性手段としてのバネ12A、12Bを介して巻回用ドラム4の近傍で所望の間隔を維持してウインチ本体2に軸支している。
これにより、各移動用ローラ体6A,6Bは端部ローラ9B,9Y側方向に付勢(矢印m、矢印n)されることとなり、常時(巻回用ドラム4が回転していない状態)においては、前記各移動用ローラ体6A,6Bは、前記連結板10A,10Bのバネ11A,11Bによる各案内ローラ7A,7B側への付勢とバネ12A,12Bによる端部ローラ9B,9Y側への付勢とにより均等化された状態で位置している。
前記各移動用ローラ体6A,6Bの端部ローラ9B,9Y間には、それぞれの端部を該端部ローラ9B,9Yに近接した位置に配置し、前記端部ローラ9B,9Y間のすき間となる溝5部分に沿って巻回弾性体14が連設されている。
前記巻回弾性体14は、前記溝5に沿って一本で板状に形成されたバネで、ウインチ本体2に固定して取り付けられている。
尚、巻回弾性体14の構成はこれに限定されるものでなく、例えば、複数個に分割された板バネを連設して構成することも可能である。
従って、前記端部ローラ9B,9Yに連結したバネ12A,12Bの付勢を利用(バネによる弾性力の選択、又はバネのウインチ本体2への取り付け位置の調整)してロープ20の溝5側への押圧力を調整するとともに、該移動用ローラ体6Aの押圧に連動して巻回弾性体14で溝5側へロープ20を一定の位置で巻回押圧することができる。
このため、ロープ20にかかるテンションの強弱の影響を受け易い溝5への取り入れ側、及び取り出し側では、ロープ20への押圧を調整しながら移動し、テンションの強弱の影響を受け難い溝5部分では、ロープ20を押圧して移動できるので、溝5に沿ってスムーズに巻回移動することができる。
また、巻回弾性体14の両端側はそれぞれ前記端部ローラ9B,9Yの近傍に位置しているために、巻回弾性体14の長さ方向を自在に調整することができ、前記二分割された移動用ローラ体6A,6Bのそれぞれの長さ方向を調整でき、ロープ20にかかるテンションの強弱に対応して、テンションの強い側の移動用ローラ体6A,6Bの長さを長さ方向に伸して形成することで、押圧調整する範囲を拡張して対応し、テンションの弱い側の移動用ローラ体6A,6Bの長さ方向を短く形成することで、押圧調整する範囲を少なくして対応する。
又は、一方の移動用ローラ体6Aの長さ方向(多数個のローラを連結)を長く形成し、他方の移動用ローラ体6Bの長さ方向(ローラを1個又は2個等を連結)を短く形成し、各移動用ローラ体6A,6Bの端部ローラ9B,9Yの間の距離に応じて溝5に沿って巻回弾性体14を設けることで、ロープ20にかかるテンションが弱い場合のロープ20に発生する弛み等を溝5に沿って長い範囲で押圧移動することも可能であり、また、各移動用ローラ体6A,6Bの長さ方向(ローラを1個又は2個等)を短く形成し、溝5に沿って広い範囲で巻回弾性体14を設けることで、テンションの強弱の変化の少ない場合に対応することができる。
さらに、前記各移動用ローラ体6A,6Bの端部ローラ9B,9Y間に、巻回弾性体14を設けているために、前記各移動用ローラ体6A,6Bの端部ローラ9B,9Yに連結されるバネ12A,12Bの付勢方向を自在に設定でき、より簡易な各移動用ローラ体6A,6Bの取り付けを可能とする。
また、上記巻回弾性体14に、すき間調整機構を取り付けることで、ロープ20の溝5への初期の取り入れをスムーズに行うことができる。即ち、巻回弾性体14を溝5側に近接する量を調整することで、例えば、溝5との距離を離反してロープ20を溝5に沿って取り入れ、その後、溝5側に近接することで、ロープ20を強く押圧するように調整することができる。
本願発明のエンドレス方式のウインチ1は上記のように構成され、次に、該エンドレス方式のウインチ1を用いて、ネットに連結されたロープ20を移動する場合について説明する。
先ず、駆動源を用いてエンドレス方式のウインチ1の駆動軸3を回転駆動し該駆動軸3に取り付けられた巻回用ドラム4を回転した状態で、ネット又はシートに連結したロープ20をウインチ本体2へ一方の案内ローラ7Aを介して取り入れる。
前記案内ローラ7Aを介して取り入れられたロープ20は、前記案内ローラ7Aの支軸8Aに取り付けられた連結板10Aにおける弾性体11Aの付勢(矢印a)で、前記連結板10Aに連結された端部ローラ9Aにより溝5側に押圧(矢印f)されながら溝5側へ誘導移動される。
この際、ロープ20にかかるテンションの強弱に応じて連結板10Aの回転移動が調整される。
即ち、ロープ20にかかるテンションの強い場合は、該ロープ20が直線状に強く引っ張られ、バネ11Aの付勢に対抗して端部ローラ9Aを強く外方向(溝5より離反する方向(矢印e))に押圧するために、連結板10Aの溝5側への回転移動が小さく前記案内ローラ7Aから離反した位置の溝5側へロープ20を押圧(矢印f)した状態で誘導移動するとともに、連動する移動用ローラ体6Aを案内ローラ7A側へ強く(バネ12Aの付勢(矢印m)に対して)引っ張りながら移動用ローラ体6Aで溝5側に押圧して移動する。
また、ロープ20にかかるテンションの弱い場合は、該ロープ20の引っ張り力が弱く、バネ11Aによる付勢力(矢印a)が強く連結板10Aの溝5側への回動が大きく前記案内ローラ7A側の近い位置の溝5側へロープ20を押圧(矢印f)した状態で誘導移動するとともに、連動する移動用ローラ体6Aを案内ローラ7A側へ弱く(バネ12Aの付勢(矢印m)に対して)引っ張りながら移動用ローラ体6Aで溝5側に巻回押圧して移動する。
次に、前記巻回用ドラム4の溝5に誘導移動されたロープ20は、前記ロープ20にかかるテンションの強弱に対応したバネ11Aによる連結板10Aの付勢(矢印a)の強弱と、巻回用ドラム4の回転方向(矢印d)と、バネ12Aによる付勢(矢印m)との組み合わせにより、移動用ローラ体6Aを溝5に沿って所望量移動させる。
即ち、巻回用ドラム4の回転方向(矢印d)とバネ12Aによる付勢方向(矢印m)とは同一方向で相乗効果を有し、バネ11Aによる付勢の強弱方向(矢印a)は逆方向で相殺効果を有し、これら各力の作用の大きさの組み合わせにより、移動用ローラ体6Aの巻回用ドラム4の回転方向に同期した移動用ローラ体6Aの移動量がそれぞれ微調整されることとなる。
このため、ロープ20にかかるテンションの強弱に対応して前記移動用ローラ体6Aによる溝5側への押圧位置及び押圧力が調整され、溝5に沿って後端側の端部ローラ9B部分まで巻回用ドラム4に巻回移動する。
その後、前記移動用ローラ体6Aの端部ローラ9Bに一端側を近接し、他端側を移動用ローラ体6Bの端部ローラ9Yに近接して溝5に沿って取り付けられた巻回弾性体14により、前記ロープ20を端部ローラ9Bに連続して溝5側に巻回押圧しながら他方の移動用ローラ体6Bの端部ローラ9Y部分に移動する。
この際、前記移動用ローラ体6Bは、巻回用ドラム4の回転方向(矢印d)と、バネ11Bによる巻回用ドラム4の回転方向への付勢(矢印z)と、バネ12Bにより付勢(矢印n)との組み合わせにより、移動用ローラ体6Bの巻回用ドラム4の回転方向に同期した移動量が微調整されている。
このため、前記巻回弾性体14で溝5側に押圧されたロープ20を前記移動用ローラ体6Bの端部ローラ9Y側より溝5側への押圧力を調整しながら溝5側に沿って移動用ローラ体6B部分に巻回移動する。
そして、前記溝5に沿って巻回移動されたロープ20は、前記移動用ローラ体6Bの付勢により端部ローラ9Z部分が溝5側に押圧(矢印v)された状態で溝5より離反し、案内ローラ7Bを介してウインチ本体2より取り出し移動する。
このように、各移動用ローラ体6A,6Bと巻回弾性体14とが連設して溝5に沿ってロープ20を押圧移動するために、ロープ20にかかるテンションの強弱に対応して確実に押圧しながら、スムーズにロープ20を移動することができる。
また、各移動用ローラ体6A,6Bと巻回弾性体14とが連設して位置するために、それぞれの溝5に沿っての長さを自在に調整して、ロープ20にかかるテンションの強弱に対応(テンションが強い場合は、溝5に沿って長い範囲に設け、テンションが弱い場合は、案内ローラ7A,7B側のみの短い長さで対応できる。)することができ、スムーズなロープ20の移動が可能である。
また、前記一方の移動用ローラ体6Aと他方の移動用ローラ体6Bとはそれぞれ独立した状態でウインチ本体2に取り付けられているために、取り入れ側のロープ20にかかるテンションの強弱、取り出し側のロープ20にかかるテンションの強弱にそれぞれ独自にその強弱に対応すべく構成し、スムーズなロープ20の移動を可能とする。
また、それぞれの移動用ローラ体6A,6Bの案内ローラ7A,7Bと反対側の端部ローラ9B,9Yはバネ12A,12Bに連結し、バネ12A,12B側に付勢されているために、端部ローラ9B,9Y側でもバネ12A,12Bの付勢を利用して確実に溝5側に押圧しながらロープ20を溝5に巻回でき、ロープ20のスムーズな移動を行うことができる。
尚、上記実施例1では、バネ11A,11Bに付勢された連結板10A、10Bは支軸8A,8Bを中心に回動したが、本願発明において、前記連結板10A,10Bの構成はこれに限定されるものでなく、例えば、支軸10A,10Bに長孔を介して遊動自在に嵌入することで、連結板10A,10Bにかかるロープ20のテンションの強弱に応じて連結板10A,10Bを遊動移動させ溝4側への端部ローラ9A,9Zの位置を更なる微調整を行うとともに、該連結板10A,10Bに連動する移動用ローラ体6A,6Bの移動量の更なる微調整を行うことも可能とする。
また、上記実施例1では、二分割された移動用ローラ体6A,6Bは等分された長さに形成されたが、本願発明のエンドレス方式のウインチ1において、各移動用ローラ体6A,6Bの長さはこれに限定されるものでなく、巻回弾性体14の長さ方向を調整することで、例えば、一方の移動用ローラ体6Aを長く形成し、他方の移動用ローラ体6Bを短く形成することで、取り入れられたロープ20を適切に押圧移動し、よりテンションの強弱に対応することも可能である。
さらに、上記実施例1では、連結板10A、10Bに移動用ローラ体6A,6Bの端部ローラ9A,9Zを連結(軸支)したが、本願発明のエンドレス方式のウインチにおいて、連結板10A,10Bと移動用ローラ体6A,6Bとの連結はこれに限定されるものでなく、例えば、連結板10A,10Bに別体のローラ(図示せず)を回転自在に軸支し、該ローラと移動用ローラ体6A,6Bの端部ローラ9A,9Zを連結することも可能である。
また、上記実施例1では、二分割された移動用ローラ体6A,6Bを用いたが、本願発明のエンドレス方式のウインチ1において、移動用ローラ体6A,6Bの形状はこれに限定されるものでなく、例えば、案内ローラ7Aの一方側のみ移動用ローラ体6Aを設け、該移動用ローラ体6Aの端部ローラ9Bの近傍より他方の案内ローラ7Bに沿って巻回弾性体14を設けることで、ロープ20を溝5側に押圧移動することも可能である。
また、上記実施例1では、連結板10A、10Bを介して移動用ローラ体6A,6Bの端部ローラ9A,9Zと連結したが、本願発明のエンドレス方式のウインチ1において、移動用ローラ体6A,6Bの一端側に移動すべく構成することは、必須条件ではなく、端部ローラ9A,9Zをそれぞれウインチ本体2に直接軸支することも可能である。
さらに、上記実施例1では、一対の案内ローラ7A,7Bはそれぞれウインチ本体2に取り付けられた支軸8A,8Bに回転自在に取り付けたが、本願発明のエンドレス方式のウインチ1において、案内ローラ7A,7Bの構成はこれに限定されるものでなく、それぞれの案内ローラ7A,7Bを一つの連結板10Cに回転自在に軸支(固定軸8C)するとともに、該連結板10Cに一端側に移動用ローラ体6A,6Bの端部ローラ9A,9Zを回転連結することで、各移動用ローラ体6A,6Bと案内ローラ7A,7Bをそれぞれ連結することも可能である。
また、上記実施例1では、移動用ローラ体6A,6Bの後端側の端部ローラ9B、9Yにそれぞれ弾性体としてのバネ12A,12Bを連結し、一方の移動用ローラ体6Aを巻回用ドラム4の回転方向に付勢し、他方の移動用ローラ体6Bを巻回用ドラム4の回転方向と逆方向に付勢したが、本発明において、バネ12A,12Bの取り付け位置はこれに限定されるものでなく、例えば、移動用ローラ体6A、6Bの後端側の端部ローラ9B,9Yを直接又は間接的にウインチ本体2に軸支し、先端側の端部ローラ9A,9Zにバネ12A,12Bを連結することで、先端側の端部ローラ9A,9Zの誘導の範囲を拡大し、さらに溝5側に押圧調整、及び溝に沿って巻回押圧しての移動が開放され、ロープ20にかかるテンションの強弱の対応がスムーズに行える。また、ウインチ本体2に軸支した後端側の端部ローラ9B,9Yの間が確定し易く、連設する巻回弾性体14の取り付けが容易となり、該巻回弾性体14による溝5側への巻回押圧が容易に行える。
さらに、前記移動用ローラ体6Bは後端側の端部ローラ9Yにバネ12Bを連結し、移動用ローラ体6Aは先端側の端部ローラ9Aにバネ12Aを連結することで、先端側の端部ローラ9Aでロープ20を溝5側に押圧調整しながら溝5に沿って所望量移動するとともに、端部ローラ9B,9Y間に設けられた巻回弾性体14で固定して溝5側へロープ20を押圧し、他方の移動用ローラ体6Bの後端側の端部ローラ9Yを溝5側に押圧調整しながら溝5に沿って所望量移動して巻回することで、ロープ5の取り入れ側のテンションが強い場合に溝5への取り入れ側、及び回転方向に沿っての溝5へ巻回押圧を強化してスムーズなロープ20の移動を可能とする。
このように、移動用ローラ体6A,6Bの先端側又は後端側へのバネ12A、12Bへの取り付け位置の選択は、ロープ20にかかるテンションの強弱に対応して自在に選択可能である。
また、上記実施例1では後端側の端部ローラ9B,9Yはバネ12A,12Bを連結してウインチ本体2に直接軸支したが、本願発明のエンドレス方式のウインチ1において、軸支する方法はこれに限定されるものでなく、例えば、ウインチ本体2に複数個穿孔した孔(図示せず)より選択することで、ウインチ本体2に直接軸支する位置を調整することで、移動用ローラ体6A,6Bの押圧調整を行うことができる。
さらに、移動用ローラ体6A,6Bの後端側のウインチ本体2への軸支は直接軸支に限定されるものでなく、例えば、ウインチ本体2に固定した固定軸25に沿って移動自在な移動板24を介して後端側の端部ローラ9B,9Yを軸支することで、バネ12A,12Bの取り付け位置との組み合わせることでバネ12A、12Bによる付勢する位置を調整しながら付勢できるので、更なる微調整を行うことができる。
このように、本願発明のエンドレス方式のウインチ1は移動用ローラ体6A,6Bと巻回弾性体14の組み合わせにより、ロープ20かかるテンションの強弱に自在に対応して、ロープ20をスムーズな移動でき、頻繁なメンテナンス作業を必要としない。
本願発明のエンドレス方式のウインチで移動用ローラ体の後端側に弾性体を連結した構成の一実施例を示す概略説明平面図
図1の取り入れ側の移動用ローラ体の移動状態を示す概略説明平面図
図1の取り出し側の移動用ローラ体の移動状態を示す概略説明平面図
本願発明のエンドレス方式のウインチで移動用ローラ体の後端側に弾性体を連結した構成の他実施を示す概略説明平面図
本願発明のエンドレス方式のウインチで移動用ローラ体の後端側に弾性体を連結した構成の他実施を示す概略説明平面図
本願発明のエンドレス方式のウインチで移動用ローラ体の後端側に弾性体を連結した構成の他実施を示す概略説明平面図
本願発明のエンドレス方式のウインチで移動用ローラ体の後端側に弾性体を連結した構成の他実施を示す概略説明平面図
本願発明のエンドレス方式のウインチで移動用ローラ体の後端側に弾性体を連結した構成の他実施を示す概略説明平面図
図1の移動用ローラ体の後端側を間接的に軸支した構成を示す概略説明平面図
本願発明のエンドレス方式のウインチで移動用ローラ体の先端側に弾性体を連結した構成の実施例を示す概略説明平面図
図10の本願発明のエンドレス方式のウインチで移動用ローラ体の先端側に弾性体を連結した構成の他実施を示す概略説明平面図
本願発明のエンドレス方式のウインチを用いたロープの移動方法を示すフローチャート
本願発明のエンドレス方式のウインチを用いたロープの移動方法を示すフローチャート
1…エンドレス方式のウインチ、2…ウインチ本体、3…駆動軸、4…巻回用ドラム
6A・6B…移動用ローラ体、7A・7B…案内ローラ、14…巻回弾性体