JP2017005148A - 半導体膜、積層構造体および半導体装置 - Google Patents
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Abstract
Description
また、本発明者らは、上記知見を得た後、さらに検討を重ねて、本発明を完成させるに至った。
[1] ガリウムを含有する酸化物半導体を主成分として含む半導体膜であって、膜の一部または全部における水素濃度が2×1017(atoms/cm3)以下であることを特徴とする半導体膜。
[2] 水素濃度が1×1017(atoms/cm3)以下である前記[1]記載の半導体膜。
[3] 膜の一部または全部におけるハロゲン濃度が1×1016(atoms/cm3)以下である前記[1]または[2]に記載の半導体膜。
[4] 酸化物半導体がコランダム構造を有する前記[1]〜[3]のいずれかに記載の半導体膜。
[5] 酸化物半導体が、α−Ga2O3を含む前記[1]〜[4]のいずれかに記載の半導体膜。
[6] 基体上に半導体膜が積層されている積層構造体であって、前記半導体膜が、前記[1]〜[5]のいずれかに記載の半導体膜であることを特徴とする積層構造体。
[7] 基体が、コランダム構造を有する前記[6]記載の積層構造体。
[8] 基体が、アルミニウムを含む前記[6]または[7]に記載の積層構造体。
[9] 基体が、酸化物を含む前記[6]〜[8]のいずれかに記載の積層構造体。
[10] 前記[1]〜[5]のいずれかに記載の半導体膜または前記[6]〜[9]のいずれかに記載の積層構造体を含む半導体装置。
[11] ダイオードまたはトランジスタである前記[10]記載の半導体装置。
霧化・液滴化工程は、前記原料溶液を霧化または液滴化する。前記原料溶液の霧化手段または液滴化手段は、前記原料溶液を霧化または液滴化できさえすれば特に限定されず、公知の手段であってよいが、本発明においては、超音波を用いる霧化手段または液滴化手段が好ましい。超音波を用いて得られたミストまたは液滴は、初速度がゼロであり、空中に浮遊するので好ましく、例えば、スプレーのように吹き付けるのではなく、空間に浮遊してガスとして搬送することが可能なミストであるので衝突エネルギーによる損傷がないため、非常に好適である。液滴サイズは、特に限定されず、数mm程度の液滴であってもよいが、好ましくは50μm以下であり、より好ましくは1〜10μmである。
前記原料溶液は、霧化または液滴化が可能な材料を含んでおり、重水素を含有していれば特に限定されず、無機材料であっても、有機材料であってもよいが、本発明においては、金属または金属化合物であるのが好ましく、ガリウム、鉄、インジウム、アルミニウム、バナジウム、チタン、クロム、ロジウム、ニッケル、コバルト、亜鉛、マグネシウム、カルシウム、シリコン、イットリウム、ストロンチウムおよびバリウムから選ばれる1種または2種以上の金属を含むのがより好ましい。
搬送工程では、キャリアガスでもって前記ミストまたは前記液滴を成膜室内に搬送する。前記キャリアガスとしては、本発明の目的を阻害しない限り特に限定されず、例えば、酸素、オゾン、窒素やアルゴン等の不活性ガス、または水素ガスやフォーミングガス等の還元ガスなどが好適な例として挙げられる。また、キャリアガスの種類は1種類であってよいが、2種類以上であってもよく、流量を下げた希釈ガス(例えば10倍希釈ガス等)などを、第2のキャリアガスとしてさらに用いてもよい。また、キャリアガスの供給箇所も1箇所だけでなく、2箇所以上あってもよい。キャリアガスの流量は、特に限定されないが、0.01〜20L/分であるのが好ましく、1〜10L/分であるのがより好ましい。希釈ガスの場合には、希釈ガスの流量が、0.001〜2L/分であるのが好ましく、0.1〜1L/分であるのがより好ましい。
成膜工程では、成膜室内で前記ミストまたは液滴を熱反応させることによって、基体上に、半導体膜を成膜する。熱反応は、熱でもって前記ミストまたは液滴が反応すればそれでよく、反応条件等も本発明の目的を阻害しない限り特に限定されない。本工程においては、前記熱反応を、通常、溶媒の蒸発温度以上の温度で行うが、高すぎない温度(例えば1000℃)以下が好ましく、650℃以下がより好ましく、300℃〜650℃が最も好ましい。また、熱反応は、本発明の目的を阻害しない限り、真空下、非酸素雰囲気下、還元ガス雰囲気下および酸素雰囲気下のいずれの雰囲気下で行われてもよいが、非酸素雰囲気下または酸素雰囲気下で行われるのが好ましい。また、大気圧下、加圧下および減圧下のいずれの条件下で行われてもよいが、本発明においては、大気圧下で行われるのが好ましい。なお、膜厚は、成膜時間を調整することにより、設定することができる。
前記基体は、前記半導体膜を支持できるものであれば特に限定されない。前記基体の材料も、本発明の目的を阻害しない限り特に限定されず、公知の基体であってよく、有機化合物であってもよいし、無機化合物であってもよい。前記基体の形状としては、どのような形状のものであってもよく、あらゆる形状に対して有効であり、例えば、平板や円板等の板状、繊維状、棒状、円柱状、角柱状、筒状、螺旋状、球状、リング状などが挙げられるが、本発明においては、基板が好ましい。基板の厚さは、本発明においては特に限定されない。
本発明においては、前記成膜工程の後、アニール処理を行うのが好ましい。アニール処理を行うことにより、軽水素のみを用いて成膜した場合に比べ、より水素濃度を低減させることができる。アニールの処理温度は、本発明の目的を阻害しない限り特に限定されず、通常、300℃〜650℃であり、好ましくは350℃〜550℃である。また、アニールの処理時間は、通常、1分間〜48時間であり、好ましくは10分間〜24時間であり、より好ましくは30分間〜12時間である。なお、アニール処理は、本発明の目的を阻害しない限り、どのような雰囲気下で行われてもよいが、好ましくは非酸素雰囲気下であり、より好ましくは窒素雰囲気下である。
1.成膜装置
図1を用いて、本実施例で用いたミストCVD装置1を説明する。ミストCVD装置1は、キャリアガスを供給するキャリアガス源2aと、キャリアガス源2aから送り出されるキャリアガスの流量を調節するための流量調節弁3aと、キャリアガス(希釈)を供給するキャリアガス(希釈)源2bと、キャリアガス(希釈)源2bから送り出されるキャリアガス(希釈)の流量を調節するための流量調節弁3bと、原料溶液4aが収容されるミスト発生源4と、水5aが入れられる容器5と、容器5の底面に取り付けられた超音波振動子6と、成膜室7と、ミスト発生源4から成膜室7までをつなぐ供給管9と、成膜室7内に設置されたホットプレート8と、熱反応後のミスト、液滴および排気ガスを排出する排気口11とを備えている。なお、ホットプレート8上には、基板10が設置されている。
臭化ガリウムと臭化スズを重水に混合し、ガリウムに対するスズの原子比が1:0.08となるように水溶液を調整し、この際、臭化重水素酸を体積比で10%を含有させ、これを原料溶液とした。
上記2.で得られた原料溶液4aをミスト発生源4内に収容した。次に、基板10として、サファイア基板をホットプレート8上に設置し、ホットプレート8を作動させて成膜室7内の温度を600℃にまで昇温させた。次に、流量調節弁3a、3bを開いて、キャリアガス源であるキャリアガス供給手段2a、2bからキャリアガスを成膜室7内に供給し、成膜室7の雰囲気をキャリアガスで十分に置換した後、キャリアガスの流量を5.0L/分に、キャリアガス(希釈)の流量を0.5L/分にそれぞれ調節した。なお、キャリアガスとして酸素を用いた。
次に、超音波振動子6を2.4MHzで振動させ、その振動を、水5aを通じて原料溶液4aに伝播させることによって、原料溶液4aを霧化させてミスト4bを生成させた。このミスト4bが、キャリアガスによって、供給管9内を通って、成膜室7内に導入され、大気圧下、600℃にて、成膜室7内でミストが熱反応して、基板10上に膜が形成された。なお、膜厚は3.2μmであり、成膜時間は240分間であった。
XRD回折装置を用いて、上記4.にて得られた膜の相の同定を行ったところ、得られた膜はα−Ga203であり、抵抗率は8mΩcmであった。また、得られた膜につき、二次イオン質量分析装置を用いて、膜中の水素濃度を測定した。SIMSの結果を図2に示す。図2から明らかなとおり、水素濃度が2×1017(atoms/cm3)以下であった。また、得られた膜につき、ホール効果測定を実施したところ、キャリア密度7.80×1018cm−3において、移動度が13.81cm2/Vsであった。これは、重水素を用いずに成膜した場合に比べ、約5倍以上の効果の差があり、本発明の半導体膜の電気特性が優れていることがわかる。
実施例1で得られた膜を窒素雰囲気中500℃にて1時間アニール処理した。アニール処理で得られた膜を実施例2の膜とし、実施例1と同様に評価した。得られた膜の相の同定を行ったところ、得られた膜はα−Ga203であり、抵抗率は10mΩcmであった。また、得られた膜につき、二次イオン質量分析装置を用いて、膜中の水素濃度を測定した。SIMSの結果を図2に示す。図2から明らかなとおり、水素濃度が1×1017(atoms/cm3)以下であった。
1.成膜装置
図3を用いて、実施例3で用いたミストCVD装置19を説明する。ミストCVD装置19は、基板20を載置するサセプタ21と、キャリアガスを供給するキャリアガス供給手段22aと、キャリアガス供給手段22aから送り出されるキャリアガスの流量を調節するための流量調節弁23aと、キャリアガス(希釈)を供給するキャリアガス(希釈)供給手段22bと、キャリアガス(希釈)供給手段22bから送り出されるキャリアガスの流量を調節するための流量調節弁23bと、原料溶液24aが収容されるミスト発生源24と、水25aが入れられる容器25と、容器25の底面に取り付けられた超音波振動子26と、内径40mmの石英管からなる供給管27と、供給管27の周辺部に設置されたヒーター28とを備えている。サセプタ21は、石英からなり、基板20を載置する面が水平面から傾斜している。成膜室となる供給管27とサセプタ21をどちらも石英で作製することにより、基板20上に形成される膜内に装置由来の不純物が混入することを抑制している。
臭化ガリウムと臭化スズを重水に混合し、ガリウムに対するスズの原子比が1:0.08となるように水溶液を調整し、この際、臭化重水素酸を体積比で10%を含有させ、これを原料溶液とした。
上記2.で得られた原料溶液24aをミスト発生源24内に収容した。次に、基板20として、サファイア基板をサセプタ21上に設置し、ヒーター28を作動させて成膜室27内の温度を550℃にまで昇温させた。次に、流量調節弁23a、23bを開いて、キャリアガス源であるキャリアガス供給手段22a、22bからキャリアガスを成膜室27内に供給し、成膜室27の雰囲気をキャリアガスで十分に置換した後、キャリアガスの流量を5L/分に、キャリアガス(希釈)の流量を0.5L/分にそれぞれ調節した。なお、キャリアガスとして酸素を用いた。
次に、超音波振動子26を2.4MHzで振動させ、その振動を、水25aを通じて原料溶液24aに伝播させることによって、原料溶液24aを霧化させてミストを生成した。このミストが、キャリアガスによって成膜室27内に導入され、大気圧下、550℃にて、成膜室27内でミストが反応して、基板20上に半導体膜が形成された。なお、膜厚は3.6μmであり、成膜時間は170分間であった。
XRD回折装置を用いて、上記4.にて得られた膜の相の同定を行ったところ、得られた膜はα−Ga203であり、抵抗率は10mΩcmであった。また、得られた膜につき、二次イオン質量分析装置を用いて、膜中の水素濃度を測定した。SIMSの結果を図4に示す。図4から明らかなとおり、膜中の水素濃度が2×1017(atoms/cm3)以下であった。また、水素濃度を測定した場合と同様に、二次イオン質量分析装置を用いて、膜中のハロゲン(臭素、塩素)の濃度も測定した。臭素濃度の測定結果を図5に示し、塩素濃度の測定結果を図6に示す。図5および図6から明らかなとおり、膜中の臭素濃度が、3×1015(atoms/cm3)以下であり、塩素濃度が、2×1015(atoms/cm3)以下であり、ハロゲンの濃度が低いことがわかる。
実施例3で得られた膜を窒素雰囲気中400℃にて10時間アニール処理した。アニール処理で得られた膜を実施例4の膜とし、実施例3と同様に評価した。得られた膜の相の同定を行ったところ、得られた膜はα−Ga2O3であった。また、得られた膜につき、二次イオン質量分析装置を用いて、膜中のハロゲン(塩素、臭素)の濃度を測定した。臭素濃度の測定結果を図5に示し、塩素濃度の測定結果を図6に示す。図5および図6から明らかなとおり、塩素濃度が、2×1015(atoms/cm3)以下であり、臭素濃度も2×1015(atoms/cm3)以下であり、ハロゲンの不純物が2×1015(atoms/cm3)以下と低いことがわかる。しかしながら、ハロゲンの場合は、アニール処理前と処理後では、例えばハロゲン不純物が低減する等の変化を確認することはできなかった。
2a キャリアガス源
2b キャリアガス(希釈)源
3a 流量調節弁
3b 流量調節弁
4 ミスト発生源
4a 前駆体溶液
4b ミスト
5 容器
5a 水
6 超音波振動子
7 成膜室
8 ホットプレート
9 供給管
10 基板
11 排気口
19 ミストCVD装置
20 基板
21 サセプタ
22a キャリアガス供給手段
22b キャリアガス(希釈)供給手段
23a 流量調節弁
23b 流量調節弁
24 ミスト発生源
24a 原料溶液
25 容器
25a 水
26 超音波振動子
27 供給管
28 ヒーター
29 排気口
Claims (11)
- ガリウムを含有する酸化物半導体を主成分として含む半導体膜であって、膜の一部または全部における水素濃度が2×1017(atoms/cm3)以下であることを特徴とする半導体膜。
- 水素濃度が1×1017(atoms/cm3)以下である請求項1記載の半導体膜。
- 膜の一部または全部におけるハロゲン濃度が1×1016(atoms/cm3)以下である請求項1または2に記載の半導体膜。
- 酸化物半導体がコランダム構造を有する請求項1〜3のいずれかに記載の半導体膜。
- 酸化物半導体が、α−Ga2O3を含む請求項1〜4のいずれかに記載の半導体膜。
- 基体上に半導体膜が積層されている積層構造体であって、前記半導体膜が、請求項1〜5のいずれかに記載の半導体膜であることを特徴とする積層構造体。
- 基体が、コランダム構造を有する請求項6記載の積層構造体。
- 基体が、アルミニウムを含む請求項6または7に記載の積層構造体。
- 基体が、酸化物を含む請求項6〜8のいずれかに記載の積層構造体。
- 請求項1〜5のいずれかに記載の半導体膜または請求項6〜9のいずれかに記載の積層構造体を含む半導体装置。
- ダイオードまたはトランジスタである請求項10記載の半導体装置。
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