以下では、本明細書に開示する発明の実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。ただし、本明細書に開示する発明は以下の説明に限定されず、その形態および詳細を様々に変更し得ることは、当業者であれば容易に理解される。また、本明細書に開示する発明は以下に示す実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。なお、第1、第2として付される序数詞は便宜上用いるものであり、工程順または積層順を示すものではない。また、本明細書において発明を特定するための事項として固有の名称を示すものではない。
また、本明細書等において「電極」や「配線」の用語は、これらの構成要素を機能的に限定するものではない。例えば、「電極」は「配線」の一部として用いられることがあり、その逆もまた同様である。さらに、「電極」や「配線」の用語は、複数の「電極」や「配線」が一体となって形成されている場合なども含む。
また、「ソース」および「ソース電極層」ならびに「ドレイン」および「ドレイン電極層」の機能は、異なる極性のトランジスタを採用する場合や、回路動作において電流の方向が変化する場合などには入れ替わることがある。このため、本明細書等においては、「ソース」や「ドレイン」の用語は、入れ替えて用いることができるものとする。
なお、本明細書等において、「電気的に接続」には、「何らかの電気的作用を有するもの」を介して接続されている場合が含まれる。ここで、「何らかの電気的作用を有するもの」は、接続対象間での電気信号の授受を可能とするものであれば、特に制限を受けない。
本明細書等において、「トランジスタがオン(状態)」と記載する場合、トランジスタのゲート電圧がしきい値電圧以上である状態を指す。なお、例えばn型トランジスタにおいてしきい値電圧が複数あるときは、最も小さなしきい値電圧以上である状態を指す。また、「トランジスタがオフ(状態)」と記載する場合、トランジスタのゲート電圧がしきい値電圧よりも低い状態を指す。さらに、「ノーマリ−オン」の電気的特性を有するトランジスタとは、トランジスタのゲート電圧が0Vのときに、トランジスタがオンであることをいう。即ち、「ノーマリーオンのトランジスタ」は、しきい値電圧が0V以下のトランジスタである。また、「ノーマリーオフ」の電気的特性を有するトランジスタとは、トランジスタのゲート電圧が0Vのときに、トランジスタがオフであることをいう。即ち、「ノーマリーオフのトランジスタ」は、しきい値電圧が0Vよりも高いトランジスタである。
(実施の形態1)
本実施の形態では、半導体装置の一形態の構成について、図1乃至図6を参照して説明する。
図1(A)はトランジスタ201の平面図であり、図1(B)は図1(A)の一点鎖線A−Bの断面図である。なお、図1(A)では煩雑になることを避けるために、トランジスタ201の構成要素の一部(例えば、ゲート絶縁膜112など)を省略して図示する。
図1に示すトランジスタ201は、絶縁表面を有する基板100上に、ゲート電極層106と、ゲート電極層106上に設けられたゲート絶縁膜112と、ゲート絶縁膜112上に設けられた酸化物半導体膜114と、を有する。さらに酸化物半導体膜114上に、ゲート電極層106と重畳するように設けられたドレイン電極層116aと、酸化物半導体膜114の外周端部を覆うように設けられたソース電極層116bを有し、ドレイン電極層116aの外周端部は、ゲート電極層106の外周端部の内側に位置する。
さらに、トランジスタ201上に絶縁膜122、絶縁膜124、平坦化絶縁膜126が設けられていてもよい。
このようにドレイン電極層116aの外周端部を、ゲート電極層106の外周端部の内側に位置させることで、ドレイン電極層116aと、酸化物半導体膜114の外周端部とが電気的に接続されない構造としている。そのため、酸化物半導体膜114の外周端部の影響を受けない。その結果、トランジスタ201のしきい値電圧がマイナスにシフトすることを防止できる。
また、図1のように酸化物半導体膜114の外周端部を覆うようにソース電極層116bを設けることが好ましい。酸化物半導体膜114の外周端部をソース電極層116bで覆うことで、酸化物半導体膜114に不純物が混入すること、または酸化物半導体膜114から酸素が脱離することを防ぐことができる。
なお、酸化物半導体膜にとっては、水素、アルカリ金属元素、アルカリ土類元素、銅などの金属元素、その他、酸化物半導体膜を構成する元素ではない元素等が不純物となりうる。また、これらを含む分子(たとえば水、水素化合物)等も不純物となりうる。そのため本明細書等において、酸化物半導体膜にとっての不純物とは上記の元素と分子を指すこととする。
ゲート電極層106としては、モリブデン、チタン、タンタル、タングステン、アルミニウム、銅、クロム、ネオジム、スカンジウム等の金属材料またはこれらを主成分とする合金材料を用いることができる。また、ゲート電極層106は、酸化インジウム酸化スズ、酸化タングステンを含むインジウム酸化物、酸化タングステンを含むインジウム亜鉛酸化物、酸化チタンを含むインジウム酸化物、酸化チタンを含むインジウムスズ酸化物、酸化インジウム酸化亜鉛、酸化ケイ素を添加したインジウムスズ酸化物などの導電性材料を用いることもできる。また、ゲート電極層106は、上記の導電材料を用いて、単層構造または積層構造で形成される。
ゲート電極層106を単層構造で形成する場合は、例えば、膜厚100nmのタングステン膜とすることができる。
ゲート電極層106の一部に銅膜やアルミニウム膜を用いる場合、銅やアルミニウムが酸化物半導体膜114に達することを防止するためのバリア層を設けることが好ましい。銅やアルミニウムの移動を阻害するバリア層としては、窒化タンタル膜、タングステン膜、窒化タングステン膜、モリブデン膜、窒化モリブデン膜、チタン膜、窒化チタン膜、クロム膜、窒化クロム膜が挙げられる。これらを適宜選択して、銅膜やアルミニウム膜と接して設けることで、銅やアルミニウムが酸化物半導体膜114に達することを防止することができる。
ゲート電極層106を2層の積層構造とする場合は、例えば、膜厚30nmの窒化タンタル膜と膜厚200nmの銅膜を積層してゲート電極層106とすることができる。銅膜を用いることにより、配線抵抗を低減することができる。また膜厚30nmの窒化タンタル膜に代えて、タングステン膜、窒化タングステン膜、窒化モリブデン膜、窒化チタン膜を用いてもよい。
またゲート電極層106を3層の積層構造とする場合は、膜厚30nmの窒化タンタル膜、膜厚200nmの銅膜、膜厚30nmのタングステン膜を積層してゲート電極層106とすることができる。また、膜厚30nmの窒化タンタル膜に代えて、タングステン膜、窒化タングステン膜、窒化モリブデン膜、窒化チタン膜を用いてもよい。また、膜厚30nmのタングステン膜に代えて、モリブデン膜を形成してもよい。銅膜を用いることにより、配線抵抗を低減することができる。また、銅膜上に、タングステン膜またはモリブデン膜を積層することで、銅が酸化物半導体膜114に達することを防止できる。また、タングステン膜またはモリブデン膜は、仕事関数が比較的高いため、ゲート電極層106として用いると、トランジスタのしきい値電圧がプラスになりやすい(すなわちノーマリ−オフのトランジスタとしやすい)ため、好適である。なお、ゲート絶縁膜112によって、銅が酸化物半導体膜114に達することを防止することができれば、タングステン膜およびモリブデン膜は形成しなくともよい。
また、ゲート絶縁膜112としては、酸化シリコン、酸化ガリウム、酸化アルミニウム、窒化シリコン、酸化窒化シリコン、酸化窒化アルミニウム、または窒化酸化シリコンを用いて形成することができる。また、ゲート絶縁膜112として、酸化ハフニウム、酸化イットリウム、ハフニウムシリケート(HfSixOy(x>0、y>0))、窒素が添加されたハフニウムシリケート(HfSiOxNy(x>0、y>0))、ハフニウムアルミネート(HfAlxOy(x>0、y>0))、酸化ランタンなどのhigh−k材料を用いることでゲートリーク電流を低減できる。また、ゲート絶縁膜112は、上記の材料を用いて、単層構造または積層構造で形成する。
ゲート絶縁膜112を単層構造とする場合は、膜厚200nmの酸化窒化シリコン膜を用いればよい。
また、ゲート絶縁膜112を積層構造とする場合は、膜厚50nmの窒化シリコン膜、膜厚200nmの酸化窒化シリコン膜を積層して用いればよい。窒化シリコン膜を用いることにより、金属(たとえば銅、ナトリウム、リチウム等)や水などが、基板やゲート電極層106から、後に形成される酸化物半導体膜に浸入することを抑制できる。
酸化物半導体膜114は、少なくともインジウムを含む。特に、インジウムと亜鉛を含むことが好ましい。また、トランジスタの電気的特性のばらつきを減らすためのスタビライザーとして、インジウムまたは/および亜鉛に加えてガリウム(Ga)、スズ(Sn)、ハフニウム(Hf)、アルミニウム(Al)、ジルコニウム(Zr)のいずれか一種または複数種を含む。
なお、ここで、例えば、In−Ga−Zn系酸化物とは、In、GaおよびZnを主成分として有する酸化物という意味であり、In、GaおよびZnの比率は問わない。また、In、GaおよびZn以外の金属元素が入っていてもよい。
酸化物半導体膜114は、例えば非単結晶を有してもよい。非単結晶は、例えば、CAAC(C Axis Aligned Crystal)、多結晶、微結晶、非晶質部を有する。非晶質部は、微結晶、CAACよりも欠陥準位密度が高い。また、微結晶は、CAACよりも欠陥準位密度が高い。なお、CAACを有する酸化物半導体を、CAAC−OS(C Axis Aligned Crystalline Oxide Semiconductor)と呼ぶ。
酸化物半導体膜114は、例えばCAAC−OSを有してもよい。CAAC−OSは、例えば、c軸配向し、a軸または/およびb軸はマクロに揃っていない。
酸化物半導体膜114は、例えば微結晶を有してもよい。なお、微結晶を有する酸化物半導体を、微結晶酸化物半導体と呼ぶ。微結晶酸化物半導体膜は、例えば、1nm以上10nm未満のサイズの微結晶(ナノ結晶ともいう。)を膜中に含む。または、微結晶酸化物半導体膜は、例えば、1nm以上10nm未満の結晶部を有する結晶−非晶質混相構造の酸化物半導体を有している。
酸化物半導体膜114は、例えば非晶質部を有してもよい。なお、非晶質部を有する酸化物半導体を、非晶質酸化物半導体と呼ぶ。非晶質酸化物半導体膜は、例えば、原子配列が無秩序であり、結晶成分を有さない。または、非晶質酸化物半導体膜は、例えば、完全な非晶質であり、結晶部を有さない。
なお、酸化物半導体膜114が、CAAC−OS、微結晶酸化物半導体、非晶質酸化物半導体の混合膜であってもよい。混合膜は、例えば、非晶質酸化物半導体の領域と、微結晶酸化物半導体の領域と、CAAC−OSの領域と、を有する。また、混合膜は、例えば、非晶質酸化物半導体の領域と、微結晶酸化物半導体の領域と、CAAC−OSの領域と、の積層構造を有してもよい。
なお、酸化物半導体膜114は、例えば、単結晶を有してもよい。
酸化物半導体膜114は、複数の結晶部を有し、当該結晶部のc軸が被形成面の法線ベクトルまたは表面の法線ベクトルに平行な方向に揃っていることが好ましい。なお、異なる結晶部間で、それぞれa軸およびb軸の向きが異なっていてもよい。そのような酸化物半導体膜の一例としては、CAAC−OS膜がある。
CAAC−OS膜は、完全な非晶質ではない。CAAC−OS膜は、例えば、結晶部および非晶質部を有する結晶−非晶質混相構造の酸化物半導体を有している。なお、当該結晶部は、一辺が100nm未満の立方体内に収まる大きさであることが多い。また、透過型電子顕微鏡(TEM:Transmission Electron Microscope)による観察像では、CAAC−OS膜に含まれる非晶質部と結晶部との境界、結晶部と結晶部との境界は明確ではない。また、TEMによってCAAC−OS膜には明確な粒界(グレインバウンダリーともいう。)は確認できない。そのため、CAAC−OS膜は、粒界に起因する電子移動度の低下が抑制される。
CAAC−OS膜に含まれる結晶部は、例えば、c軸がCAAC−OS膜の被形成面の法線ベクトルまたは表面の法線ベクトルに平行な方向になるように揃い、かつab面に垂直な方向から見て金属原子が三角形状または六角形状に配列し、c軸に垂直な方向から見て金属原子が層状または金属原子と酸素原子とが層状に配列している。なお、異なる結晶部間で、それぞれa軸およびb軸の向きが異なっていてもよい。本明細書において、単に垂直と記載する場合、80°以上100°以下、好ましくは85°以上95°以下の範囲も含まれることとする。また、単に平行と記載する場合、−10°以上10°以下、好ましくは−5°以上5°以下の範囲も含まれることとする。
なお、CAAC−OS膜において、結晶部の分布が一様でなくてもよい。例えば、CAAC−OS膜の形成過程において、酸化物半導体膜の表面側から結晶成長させる場合、被形成面の近傍に対し表面の近傍では結晶部の占める割合が高くなることがある。また、CAAC−OS膜へ不純物を添加することにより、当該不純物添加領域において結晶部が非晶質化することもある。
CAAC−OS膜に含まれる結晶部のc軸は、CAAC−OS膜の被形成面の法線ベクトルまたは表面の法線ベクトルに平行な方向になるように揃うため、CAAC−OS膜の形状(被形成面の断面形状または表面の断面形状)によっては互いに異なる方向を向くことがある。また、結晶部は、成膜したとき、または成膜後に加熱処理などの結晶化処理を行ったときに形成される。従って、結晶部のc軸は、CAAC−OS膜が形成されたときの被形成面の法線ベクトルまたは表面の法線ベクトルに平行な方向になるように揃う。
CAAC−OS膜を用いたトランジスタは、可視光や紫外光の照射による電気特性の変動が小さい。よって、当該トランジスタは、信頼性が高い。
なお、本実施の形態では、酸化物半導体膜114がCAAC−OS膜であるとして説明を行うが、酸化物半導体膜114が単結晶、多結晶(ポリクリスタルともいう)、または非晶質であってもよい。
酸化物半導体膜114は、不純物が低減され、かつ酸素欠損が低減されることで高純度化された領域であることが好ましい。高純度化された酸化物半導体(purified OS)は、i型(真性半導体)またはi型に限りなく近い。そのため、上記酸化物半導体をチャネルが形成される領域に用いたトランジスタは、オフ電流が著しく低く、しきい値電圧がマイナスにシフトすることが少ない(すなわちノーマリ−オフの特性が得られやすい)という特性を有する。
具体的に、酸化物半導体膜114は、二次イオン質量分析法(SIMS:Secondary Ion Mass Spectrometry)による水素濃度の測定値が、5×1018/cm3未満、より好ましくは5×1017/cm3以下、更に好ましくは1×1016/cm3以下とすることが好ましい。また、ホール効果測定により測定できる酸化物半導体膜のキャリア密度は、1×1014/cm3未満、好ましくは1×1012/cm3未満、更に好ましくは1×1011/cm3未満とすることが好ましい。また、酸化物半導体のバンドギャップは、2eV以上、好ましくは2.5eV以上、より好ましくは3eV以上である。不純物濃度が十分に低減され、かつ酸素欠損が低減されることで高純度化された酸化物半導体をチャネルが形成される領域に用いることにより、トランジスタのオフ電流を下げ、しきい値電圧のマイナスにシフトすることを少なくする(すなわちノーマリ−オフの特性を得る)ことができる。
酸化物半導体膜114において、不純物や酸素欠損が低減されていることにより、キャリアの発生を抑制することができる。キャリア密度が高まることを抑制することで、しきい値電圧のマイナス方向のシフトを小さくすることができる。なお酸化物半導体膜114の端部では不純物が集中しやすく、また酸素が脱離しやすいため、キャリア密度が高まりやすい。
従って、トランジスタのソース電極およびドレイン電極が酸化物半導体膜の外周端部と電気的に接続することで、酸化物半導体膜の外周端部を介した電流経路が形成されることがある。
そこで、本発明の一態様では、図1に示すように、ドレイン電極層116aの外周端部を、ゲート電極層106の外周端部の内側に位置させることで、ドレイン電極層116aと、酸化物半導体膜114の外周端部とが電気的に接続されない構造としている。そのため、酸化物半導体膜114の外周端部の影響を受けない。その結果、トランジスタ201のしきい値電圧がマイナスにシフトすることを防止できる。
ドレイン電極層116aおよびソース電極層116bとしては、モリブデン、チタン、タンタル、タングステン、アルミニウム、銅、クロム、ネオジム、スカンジウム等の金属材料またはこれらを主成分とする合金材料を用いることができる。また、ドレイン電極層116aおよびソース電極層116bは、窒化タングステン、窒化タンタル、窒化チタン、窒化モリブデン等の窒化金属材料を用いて形成することもできる。また、ドレイン電極層116aおよびソース電極層116bは、酸化インジウム酸化スズ、酸化タングステンを含むインジウム酸化物、酸化タングステンを含むインジウム亜鉛酸化物、酸化チタンを含むインジウム酸化物、酸化チタンを含むインジウムスズ酸化物、酸化インジウム酸化亜鉛、酸化ケイ素を添加したインジウムスズ酸化物などの導電性材料を適用することもできる。ドレイン電極層116aおよびソース電極層116bは、単層構造または積層構造とする。
ドレイン電極層116aおよびソース電極層116bの一部に銅膜やアルミニウム膜を用いる場合、銅やアルミニウムが酸化物半導体膜114に達することを防止するためのバリア層を設けることが好ましい。銅やアルミニウムの移動を阻害するバリア層としては、窒化タンタル膜、タングステン膜、窒化タングステン膜、モリブデン膜、窒化モリブデン膜、チタン膜、窒化チタン膜、クロム膜、窒化クロム膜が挙げられる。これらを適宜選択して、銅膜やアルミニウム膜と接して設けることで、銅やアルミニウムが酸化物半導体膜114に達することを防止することができる。
図1のトランジスタ201では、ゲート電極層106、酸化物半導体膜114、ドレイン電極層116aおよびソース電極層116bの平面形状を矩形としている。また、矩形は、正方形も含むものとする。
本発明の一態様に係るトランジスタとしては、たとえば、図2に示すトランジスタ202のように、ゲート電極層106、酸化物半導体膜114、ドレイン電極層116aおよびソース電極層116bの平面形状を円形としてもよい。
さらに図3のトランジスタ203のように、ゲート電極層106の外周端部が、酸化物半導体膜114の外周端部の外側に位置するように配置してもよい。図3のような構造では、酸化物半導体膜114に、基板100側から入射する光がゲート電極層106で遮られるため、光によるキャリアの生成が起こりにくい。さらに、酸化物半導体膜114がゲート電極層106によって形成される凹凸を乗り越えない構造であるため、酸化物半導体膜114近傍に不純物として特に水素や水などが蓄積されにくく好ましい。なお、ソース電極層116bが酸化物半導体膜114の外周端部と接して設けられる例を示したが、これに限定されるものではない。ドレイン電極層116aおよびソース電極層116bが酸化物半導体膜114の外周端部の内側に設けられてもよい。
また、図4のトランジスタ204のように、ゲート電極層106に開口部が設けられていてもよい。
図4のトランジスタ204は、絶縁表面を有する基板100上に、開口部が設けられたゲート電極層106と、ゲート電極層106上に設けられたゲート絶縁膜112と、ゲート絶縁膜112上に設けられた酸化物半導体膜114を有する。さらに酸化物半導体膜114上に、ゲート電極層106の内周端部と重畳するように設けられたドレイン電極層116aと、酸化物半導体膜114の外周端部を覆うように設けられたソース電極層116bとを有し、ドレイン電極層116aの外周端部は、ゲート電極層106の外周端部の内側に位置する。
図4のようにゲート電極層106とドレイン電極層116aとが重畳する面積を小さくすることで、ゲート電極層106とドレイン電極層116aとの寄生容量を低減することができる。また、ゲート電極層106の内周端部と重畳するようにドレイン電極層116aを設けることを、ゲート電極層106の開口部と重畳するようにドレイン電極層116aを設けると言い換えてもよい。
また図5のトランジスタ205のように、ゲート電極層106の内周端部の内側に位置するようにドレイン電極層116aを設け、かつ酸化物半導体膜114、ドレイン電極層116aおよびソース電極層116bを円形としてもよい。
また図示しないが、ゲート電極層106を酸化物半導体膜114より広くし、かつゲート電極層106の内周端部と重畳するようにドレイン電極層116aを設けてもよい。さらに酸化物半導体膜114、ドレイン電極層116aおよびソース電極層116bを円形としてもよい。
なお、図1乃至図5に示す構造を有するトランジスタは、ソース電極およびドレイン電極が一辺でのみ対向しているトランジスタと比べて、チャネル幅を大きくしても面積の増大が抑えられる。そのため、チャネル幅の大きいトランジスタとして特に好適である。
またトランジスタ201乃至トランジスタ205では、ドレイン電極層116aおよびソース電極層116bを単層としたがこれに限らない。たとえば図6(A)および図6(B)に示すように複数の層を積層させたドレイン電極層116aおよびソース電極層116bとしてもよい。
たとえば図6(A)のように、導電層140a、導電層142aおよび導電層144aの3層を積層させてドレイン電極層116aとしてもよい。同様に導電層140b、導電層142bおよび導電層144bの3層を積層させてソース電極層116bとしてもよい。
たとえば図6(A)のトランジスタ206では、導電層140aおよび導電層140bとして膜厚50nmのタングステン、導電層142aおよび導電層142bとして膜厚400nmのアルミニウム、導電層144aおよび導電層144bとして膜厚100nmのチタンを積層させることでドレイン電極層116aおよびソース電極層116bとすることができる。
ドレイン電極層116aおよびソース電極層116bとして、たとえば銅のみを用いた場合でも配線抵抗を低減することができるが、酸化物半導体膜114との密着性が十分でなくなる、または銅が酸化物半導体膜114に達して電気的特性を劣化させる不純物となる等の恐れがある。またドレイン電極層116aおよびソース電極層116bとしてアルミニウムのみを用いた場合、同様に配線抵抗を低減することができるが、アルミニウムと酸化物半導体膜114との界面に酸化アルミニウム膜が形成され、電気的接続が困難となる恐れがある。
そこで導電層142aおよび導電層142bに銅やアルミニウムを用い、導電層142aおよび導電層142bと重畳して導電層140aおよび導電層140bならびに導電層144aおよび導電層144bを設けることで、配線抵抗を低減しつつ、密着性を確保し、不純物が酸化物半導体膜114に達することを抑え、電気的接続を良好にすることができる。
さらに図6(B)のように、導電層142bを封止するように導電層140bおよび導電層144bを設けたソース電極層116bとしてもよい。このような構成とすることで、導電層142bに用いられる金属が、酸化物半導体膜114に達することをさらに抑制できる。ここで、導電層140bおよび導電層144bは、導電層142bのバリア層として機能を有する。
なお図6(B)ではドレイン電極層116aは導電層140aおよび導電層144aの2層を有する構成となっているがこれに限らない。ソース電極層116bと同様に、導電層142aを覆うように導電層140aおよび導電層144aを設けたドレイン電極層116aとしてもよい。
たとえば図6(B)のトランジスタ207では、導電層140bとしてタングステン、導電層142bとして銅、導電層144bとして窒化タンタルを積層させてソース電極層116bとすることができる。
さらに、導電層140a、導電層140b、導電層142b、導電層144aおよび導電層144bはそれぞれ積層構造を有していてもよい。
たとえば、導電層140aとしてタングステンと窒化タングステンを積層させて用い、導電層142aとして銅、導電層144aとして窒化タンタルを用いてドレイン電極層116aとしてもよい。
また、図6(A)および図6(B)のソース電極層116bおよびドレイン電極層116aのような積層構造は、ゲート電極層106に適用してもよい。
また図6(C)のトランジスタ208のように、酸化物半導体膜114において、ソース電極層116bおよびドレイン電極層116aと重畳する領域の厚さが、ソース電極層116bおよびドレイン電極層116aと重畳しない領域の厚さより大きいトランジスタとしてもよい。また、酸化物半導体膜114の中央に開口部が設けられていてもよい。
また、図1乃至図6のトランジスタ201乃至トランジスタ208の特徴の一部の組み合わせを有するトランジスタとしてもよい。
(実施の形態2)
本実施の形態では、図1の半導体装置の作製方法の一例について、図7乃至図9を参照して説明する。また配線接続部の形成方法の一例について、各図の右側に併せて示す。
まず、絶縁表面を有する基板100を用意する。
基板100に使用することができる基板に大きな制限はないが、少なくとも、後の加熱処理に耐えうる程度の耐熱性を有することが必要となる。例えば、バリウムホウケイ酸ガラスやアルミノホウケイ酸ガラスなどのガラス基板、セラミック基板、石英基板、サファイア基板などを用いることができる。また、シリコンや炭化シリコンなどの単結晶半導体基板、多結晶半導体基板、シリコンゲルマニウムなどの化合物半導体基板、SOI基板などを適用することもでき、これらの基板上に半導体素子が設けられたものを、基板100として用いてもよい。
また、基板100として、可撓性基板を用いて半導体装置を作製してもよい。可撓性を有する半導体装置を作製するには、可撓性基板上に酸化物半導体膜114を含むトランジスタ201を直接作製してもよいし、他の作製基板に酸化物半導体膜114を含むトランジスタ201を作製し、その後、可撓性基板に剥離、転置してもよい。なお、作製基板から可撓性基板に剥離、転置するために、作製基板と酸化物半導体膜114を含むトランジスタ201との間に剥離層(例えば、タングステン)を設けるとよい。
次に、基板100上に、下地膜として機能する絶縁膜を形成してもよい。絶縁膜としては、PECVD法またはスパッタリング法により、酸化シリコン、酸化窒化シリコン、酸化アルミニウム、酸化窒化アルミニウム、酸化ハフニウム、酸化ガリウムなどの酸化物絶縁材料、窒化シリコン、窒化酸化シリコン、窒化アルミニウム、窒化酸化アルミニウムなどの窒化物絶縁材料、またはこれらの混合材料を用いて、単層構造または積層構造で、形成することができる。
絶縁膜として、例えば、窒化シリコン膜と酸化窒化シリコン膜との積層構造を用いることが好ましい。窒化シリコン膜を用いることにより、基板から金属や水素などが、後に形成される酸化物半導体膜に達することを抑制できる。
次に、基板100上に、ゲート電極層(これと同じ層で形成される配線を含む)となる導電膜を形成する。
導電膜は、スパッタリング法やPECVD法により形成することができる。導電膜として、モリブデン、チタン、タンタル、タングステン、アルミニウム、銅、クロム、ネオジム、スカンジウム等の金属材料またはこれらを主成分とする合金材料を用いることができる。また、導電膜は、酸化インジウム酸化スズ、酸化タングステンを含むインジウム酸化物、酸化タングステンを含むインジウム亜鉛酸化物、酸化チタンを含むインジウム酸化物、酸化チタンを含むインジウムスズ酸化物、酸化インジウム酸化亜鉛、酸化ケイ素を添加したインジウムスズ酸化物などの導電性材料を用いることもできる。また、導電膜は、上記の導電材料を用いて、単層構造または積層構造で形成される。
導電膜を単層構造で形成する場合は、例えば、膜厚100nmのタングステン膜を形成すればよい。
導電膜を2層の積層構造で形成する場合は、例えば、膜厚30nmの窒化タンタル膜と膜厚200nmの銅膜を積層して形成すればよい。銅膜を用いることにより、配線抵抗を低減することができる。また膜厚30nmの窒化タンタル膜に代えて、タングステン膜、窒化タングステン膜、窒化モリブデン膜、窒化チタン膜を用いてもよい。また膜厚200nmの銅膜に代えて、タングステン膜を用いてもよい。
また導電膜を3層の積層構造で形成する場合は、例えば、膜厚30nmの窒化タンタル膜、膜厚200nmの銅膜、膜厚30nmのタングステン膜を形成すればよい。また、膜厚30nmの窒化タンタル膜に代えて、タングステン膜、窒化タングステン膜、窒化モリブデン膜、窒化チタン膜を用いてもよい。また、膜厚30nmのタングステン膜に代えて、モリブデン膜を形成してもよい。銅膜を用いることにより、配線抵抗を低減することができる。また、銅膜上に、タングステン膜またはモリブデン膜を積層することで、銅が酸化物半導体膜114に達することを抑制できる。
また、タングステン膜またはモリブデン膜は、仕事関数が比較的高いため、ゲート電極層として用いると、トランジスタのしきい値電圧がプラスになりやすい(すなわちノーマリーオフのトランジスタとしやすい)ため、好適である。なお、後に形成されるゲート絶縁膜によって、銅が酸化物半導体膜114に達することを防止することができれば、タングステン膜およびモリブデン膜は形成しなくともよい。
次に、図7(A)に示すように、フォトリソグラフィ工程により導電膜上にレジストマスクを形成し、選択的にエッチングを行ってゲート電極層106を形成する。本実施の形態では、ゲート電極層106として、膜厚30nmの窒化タンタル膜と膜厚200nmの銅膜を積層させたものを形成することとする。
ゲート電極層106を形成した後、レジストマスクを除去する。導電膜のエッチングは、ドライエッチングでもウェットエッチングでもよく、両方を用いてもよい。
ここで、レジストマスクを除去する際に汚染物が生成する場合がある。この生成した汚染物を除去する処理(不純物除去処理ともいう)を行ってもよい。不純物除去処理は、酸素、一酸化二窒素、もしくは希ガス(代表的にはアルゴン)を用いたプラズマ処理、または希フッ化水素酸、水、現像液もしくはTMAH溶液を用いた溶液処理などを好適に用いることができる。
また、ゲート電極層106の形成と同一工程で、配線接続部において配線107を形成することができる。
次に、基板100、およびゲート電極層106に加熱処理を行ってもよい。例えば、電気炉により、350℃以上500℃以下、30分〜1時間、加熱処理を行ってもよい。加熱処理を行うことにより、基板100やゲート電極層106に含まれる水素や水などを除去することができる。
なお、加熱処理装置は電気炉に限られず、抵抗発熱体などの発熱体からの熱伝導または熱輻射によって、被処理物を加熱する装置を用いてもよい。例えば、LRTA(Lamp Rapid Thermal Anneal)装置、GRTA(Gas Rapid Thermal Anneal)装置等のRTA(Rapid Thermal Anneal)装置を用いることができる。LRTA装置は、ハロゲンランプ、メタルハライドランプ、キセノンアークランプ、カーボンアークランプ、高圧ナトリウムランプ、高圧水銀ランプなどのランプから発する光(電磁波)の輻射により、被処理物を加熱する装置である。GRTA装置は、高温のガスを用いて加熱処理を行う装置である。高温のガスには、アルゴンなどの希ガス、または窒素のような、加熱処理によって被処理物と反応しない不活性気体が用いられる。例えば、GRTA装置を用いて加熱処理を行う場合には、650℃、1分〜5分間、加熱処理を行えばよい。
次に、図7(B)に示すように、ゲート電極層106上にゲート絶縁膜112を形成する。
なお、ゲート絶縁膜112の被覆性を向上させるために、ゲート電極層106表面に平坦化処理を行ってもよい。特に、ゲート絶縁膜112として膜厚の薄い絶縁膜を用いる場合、ゲート電極層106表面の平坦性が良好であることが好ましい。
ゲート絶縁膜112の膜厚は、1nm以上300nm以下とし、スパッタリング法、MBE法、LPCVD法、PECVD法、ミストCVD法等のCVD法、パルスレーザ堆積法、ALD(Atomic Layer Deposition)法等を適宜用いることができる。
ゲート絶縁膜112としては、酸化シリコン、酸化ガリウム、酸化アルミニウム、窒化シリコン、酸化窒化シリコン、酸化窒化アルミニウム、または窒化酸化シリコンを用いて形成することができる。また、ゲート絶縁膜112として、酸化ハフニウム、酸化イットリウム、ハフニウムシリケート(HfSixOy(x>0、y>0))、窒素が添加されたハフニウムシリケート(HfSiOxNy(x>0、y>0))、ハフニウムアルミネート(HfAlxOy(x>0、y>0))、酸化ランタンなどのhigh−k材料を用いることでゲートリーク電流を低減できる。また、ゲート絶縁膜112は、上記の材料を用いて、単層構造または積層構造で形成することができる。
ゲート絶縁膜112を単層構造で形成する場合は、例えば膜厚200nmの酸化窒化シリコン膜を形成すればよい。
また、ゲート絶縁膜112を積層構造で形成する場合は、例えば膜厚50nmの窒化シリコン膜と、膜厚200nmの酸化窒化シリコン膜を形成すればよい。窒化シリコン膜を用いることにより、金属(たとえば、銅、ナトリウム、リチウム等)や水などが、基板やゲート電極層106から、後に形成される酸化物半導体膜に浸入することを抑制できる。
この場合の膜厚50nmの窒化シリコン膜は、例えばPECVD法を用いてガス流量SiH4/N2=50sccm/5000sccm、電極面積が6000cm2のとき成膜電力150W(RF)、成膜圧力40Pa、基板温度350℃として形成することができる。膜厚200nmの酸化窒化シリコン膜は、例えばPECVD法を用いて、ガス流量SiH4/N2O=20sccm/3000sccm、電極面積が6000cm2のとき成膜電力100W(RF)、成膜圧力40Pa、基板温度350℃として形成することができる。
また、RF電源電力(電源出力)を高く、たとえば電極面積が6000cm2のとき、300W以上、または500W以上、または1000W以上としてもよい。RF電源電力(電源出力)を高くすることで、緻密なゲート絶縁膜112を形成でき、不純物が後に形成される酸化物半導体膜に侵入することを抑制できる。
次に、基板100、ゲート電極層106、およびゲート絶縁膜112に加熱処理を行ってもよい。例えば、GRTA装置により、650℃、1分〜10分間、加熱処理を行えばよい。また、電気炉により、350℃以上500℃以下、30分〜1時間、加熱処理を行ってもよい。加熱処理を行うことにより、ゲート絶縁膜112に含まれる水素や水等を除去することができる。
次に、ゲート絶縁膜112に対して、酸素を添加する処理(酸素添加処理や、酸素注入処理ともいう)を行ってもよい。酸素を添加する処理を行うことによって、酸素過剰領域を有するゲート絶縁膜112が形成される。
酸素には、少なくとも、酸素ラジカル、オゾン、酸素原子、酸素イオン(分子イオン、クラスタイオンを含む)、のいずれかが含まれている。脱水化または脱水素化処理を行ったゲート絶縁膜112に酸素添加処理を行うことにより、ゲート絶縁膜112中に酸素を含有させることができ、先の熱処理によって脱離した酸素を補填するとともに、酸素過剰領域を形成することができる。
ゲート絶縁膜112への酸素の添加は、例えば、イオン注入法、イオンドーピング法、プラズマイマージョンイオンインプランテーション法、プラズマ処理等を用いることができる。なお、イオン注入法として、ガスクラスタイオンビームを用いてもよい。また、酸素の添加は、基板100の全面を一度に処理してもよいし、例えば、被照射面が線状であるイオンビーム(線状のイオンビーム)を用いてもよい。線状のイオンビームを用いる場合には、基板またはイオンビームを移動(スキャン)させることで、ゲート絶縁膜112全面に酸素を添加することができる。また、プラズマ処理として、アッシング処理を用いてもよい。
酸素の供給ガスとしては、Oを含有するガスを用いればよく、例えば、O2ガス、N2Oガス、CO2ガス、COガス、NO2ガス等を用いることができる。なお、酸素の供給ガスに希ガス(例えばAr)を含有させてもよい。
また、例えば、イオン注入法で酸素の添加を行う場合、酸素のドーズ量は1×1013ions/cm2以上5×1016ions/cm2以下とするのが好ましく、酸素添加処理後のゲート絶縁膜112中の酸素の含有量は、ゲート絶縁膜112の化学量論的組成を超える程度とするのが好ましい。なお、このような化学量論的組成よりも酸素を過剰に含む領域は、ゲート絶縁膜112の一部に存在していればよい。なお、酸素の注入深さは、注入条件により適宜制御すればよい。
酸素の供給源となる酸素を過剰に含むゲート絶縁膜112を、後に形成される酸化物半導体膜113と接して設けることによって、さらに後に行う加熱処理により、ゲート絶縁膜112から酸素が脱離し、酸化物半導体膜113へ酸素を供給することができる。これにより、酸化物半導体膜113中の酸素欠損を低減することができる。
なお、ゲート絶縁膜112に対して、酸素を添加する処理は、ゲート絶縁膜112の加熱処理前に行ってもよく、ゲート絶縁膜112の加熱処理の前後に行ってもよい。
次に、図7(C)に示すように、ゲート絶縁膜112上にフォトリソグラフィ工程によりレジストマスクを形成し、選択的にエッチングを行ってゲート絶縁膜112の配線接続部となる領域に開口を形成する。
次に、ゲート絶縁膜112上に酸化物半導体膜113を形成する(図7(D)参照)。
酸化物半導体膜113は、スパッタリング法、MBE(Molecular Beam Epitaxy)法、LPCVD法、PECVD法、ミストCVD法等のCVD法、パルスレーザ堆積法、ALD法等を適宜用いて形成することができる。
酸化物半導体膜113に用いる酸化物半導体としては、少なくともインジウム(In)を含む。特に、インジウムと亜鉛(Zn)を含むことが好ましい。また、該酸化物半導体を用いたトランジスタの電気的特性のばらつきを減らすためのスタビライザーとして、インジウムまたは/および亜鉛に加えてガリウム(Ga)を有することが好ましい。また、スタビライザーとしてスズ(Sn)、ハフニウム(Hf)、アルミニウム(Al)、ジルコニウム(Zr)のいずれか一種または複数種を有することが好ましい。
また、他のスタビライザーとして、ランタノイドである、ランタン(La)、セリウム(Ce)、プラセオジム(Pr)、ネオジム(Nd)、サマリウム(Sm)、ユウロピウム(Eu)、ガドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)、ジスプロシウム(Dy)、ホルミウム(Ho)、エルビウム(Er)、ツリウム(Tm)、イッテルビウム(Yb)、ルテチウム(Lu)のいずれか一種または複数種を有してもよい。
例えば、酸化物半導体として、三元系金属の酸化物であるIn−Ga−Zn系酸化物(IGZOとも表記する)、In−Al−Zn系酸化物、In−Sn−Zn系酸化物、In−Hf−Zn系酸化物、In−La−Zn系酸化物、In−Ce−Zn系酸化物、In−Pr−Zn系酸化物、In−Nd−Zn系酸化物、In−Sm−Zn系酸化物、In−Eu−Zn系酸化物、In−Gd−Zn系酸化物、In−Tb−Zn系酸化物、In−Dy−Zn系酸化物、In−Ho−Zn系酸化物、In−Er−Zn系酸化物、In−Tm−Zn系酸化物、In−Yb−Zn系酸化物、In−Lu−Zn系酸化物、四元系金属の酸化物であるIn−Sn−Ga−Zn系酸化物、In−Hf−Ga−Zn系酸化物、In−Al−Ga−Zn系酸化物、In−Sn−Al−Zn系酸化物、In−Sn−Hf−Zn系酸化物、In−Hf−Al−Zn系酸化物を用いることができる。
なお、図7(D)では単層構造の酸化物半導体膜113を形成しているが、積層構造の酸化物半導体膜を形成してもよい。たとえば、構成元素が異なる酸化物半導体膜を積層させてもよいし、構成元素が同じで組成が異なる酸化物半導体膜を積層させてもよいし、膜中の水素濃度の異なる酸化物半導体膜を積層させてもよい。
また、酸化物半導体膜113は、CAAC−OS(C Axis Aligned Crystalline Oxide Semiconductor)膜とすることが好ましい。また、酸化物半導体膜113は、単結晶または多結晶(ポリクリスタルともいう)であってもよい。
また、CAAC−OS膜のように結晶部を有する酸化物半導体膜では、よりバルク内欠陥を低減することができ、形成面の平坦性を高めればアモルファス状態の酸化物半導体以上のキャリア移動度を得ることができる。表面の平坦性を高めるためには、平坦な表面上に酸化物半導体膜113を形成することが好ましく、具体的には、平均面粗さ(Ra)が1nm以下、好ましくは0.3nm以下、より好ましくは0.1nm以下の表面上に形成するとよい。
なお、Raとは、JIS B 0601:2001(ISO4287:1997)で定義されている算術平均粗さを曲面に対して適用できるよう三次元に拡張したものであり、「基準面から指定面までの偏差の絶対値を平均した値」で表現でき、以下の式にて定義される。
ここで、指定面とは、粗さ計測の対象となる面であり、座標(x1,y1,f(x1,y1)),(x1,y2,f(x1,y2)),(x2,y1,f(x2,y1)),(x2,y2,f(x2,y2))の4点で表される四角形の領域とし、指定面をxy平面に投影した長方形の面積をS0、基準面の高さ(指定面の平均の高さ)をZ0とする。Raは原子間力顕微鏡(AFM:Atomic Force Microscope)にて測定可能である。
酸化物半導体膜113形成面の平坦性を高めるために、ゲート絶縁膜112において、酸化物半導体膜113が接して形成される領域に、平坦化処理を行うことが好ましい。平坦化処理としては、特に限定されないが、研磨処理(例えば、化学的機械研磨法(Chemical Mechanical Polishing:CMP))、ドライエッチング処理、プラズマ処理を用いることができる。
プラズマ処理としては、例えば、アルゴンガスを用いてプラズマを発生させる逆スパッタリングを行うことができる。逆スパッタリングとは、アルゴン雰囲気下で基板側にRF電源を用いて電圧を印加して基板近傍にプラズマを形成して表面を改質する方法である。なお、アルゴン雰囲気に代えて窒素、ヘリウム、酸素などを用いてもよい。逆スパッタリングを行うと、ゲート絶縁膜112の表面に付着している粉状物質(パーティクル、ごみともいう)を除去することができる。
平坦化処理として、研磨処理、ドライエッチング処理、プラズマ処理は複数回行ってもよく、それらを組み合わせて行ってもよい。また、組み合わせて行う場合、工程順も特に限定されず、ゲート絶縁膜112表面の凹凸状態に合わせて適宜設定すればよい。
酸化物半導体膜113の膜厚は、1nm以上200nm以下、好ましくは5nm以上50nm以下とすることが好ましい。また、酸化物半導体膜113は、スパッタリング法、MBE法、CVD法、パルスレーザ堆積法、ALD法等を適宜用いて成膜することができる。
また、酸化物半導体膜113に含まれる水素または水は、できる限り低いことが好ましい。水素濃度が高いと、酸化物半導体に含まれる元素と水素との結合により、キャリアである電子が生じてしまうことがあるためである。
したがって、酸化物半導体膜113の成膜工程において、酸化物半導体膜113に不純物がなるべく含まれないようにするために、酸化物半導体膜113の成膜の前処理として、スパッタリング装置の予備加熱室でゲート絶縁膜112が形成された基板を予備加熱し、基板およびゲート絶縁膜112中の不純物を脱離させ、排気することが好ましい。予備加熱室に設ける排気手段は、クライオポンプが好ましい。
また、酸化物半導体膜113は、成膜時に酸素が多く含まれるような条件(例えば、酸素が30%〜100%の雰囲気下でスパッタリング法により成膜を行うなど)で成膜して、酸素を多く含む(好ましくは酸化物半導体が結晶状態における化学量論的組成に対し、酸素の含有量が過剰な領域が含まれている)膜とすることが好ましい。
酸化物半導体膜113を、成膜する際に用いるガスは不純物が除去された高純度ガスを用いることが好ましい。
減圧状態に保持された成膜室内に基板を保持する。そして、成膜室内の残留水分を除去しつつ不純物の少ないガスを用い、下記で説明するターゲットを用いて、温度を130℃以上700℃以下として、基板100上に酸化物半導体膜113を成膜する。成膜室内の残留水分を除去するためには、吸着型の真空ポンプ、例えば、クライオポンプ、イオンポンプ、チタンサブリメーションポンプを用いることが好ましい。また、排気手段としては、ターボ分子ポンプにコールドトラップを加えたものであってもよい。特に、クライオポンプまたはコールドトラップを用いることで、例えば、残留水分が効率よく排気されるため、当該成膜室で成膜した酸化物半導体膜113に含まれる不純物の濃度を低減できる。
なお、本実施の形態において、酸化物半導体膜113として、AC電源装置を有するスパッタリング装置を用いたスパッタリング法を用い、膜厚35nmのIn−Ga−Zn系酸化物膜(IGZO膜ともいう)を成膜する。本実施の形態において、In:Ga:Zn=3:1:2の原子数比のIn−Ga−Zn系酸化物ターゲットを用いる。なお、成膜条件は、酸素およびアルゴン雰囲気下(酸素流量比率50%)、圧力0.4Pa、電極面積が6000cm2のとき電源電力0.5kW、基板温度200℃とする。
また、ゲート絶縁膜112を成膜後、大気曝露せずにゲート絶縁膜112と酸化物半導体膜113を連続的に形成することが好ましい。ゲート絶縁膜112を大気に曝露せずにゲート絶縁膜112と酸化物半導体膜113を連続して形成すると、ゲート絶縁膜112表面に不純物が含まれることを防止することができる。
ここで、酸化物半導体膜113に、過剰な水素(水や水酸基を含む)を除去(脱水化または脱水素化)するための加熱処理を行ってもよい。加熱処理の温度は、300℃以上700℃以下、または基板の歪み点未満とする。加熱処理は減圧下、酸素雰囲気下または窒素雰囲気下などで行うことができる。なお、酸素雰囲気は、広く酸化性ガス雰囲気と読み替えることができる。例えば、酸化性ガスである酸素、一酸化二窒素およびオゾン、または超乾燥エア(CRDS(キャビティリングダウンレーザー分光法)方式の露点計を用いて測定した場合の水分量が20ppm(露点換算で−55℃)以下、好ましくは1ppm以下、より好ましくは10ppb以下の空気)を含む雰囲気であってもよい。
本実施の形態では、加熱処理装置の一つである電気炉を用いて、酸化物半導体膜113に対して窒素雰囲気下450℃において1時間、さらに窒素および酸素の混合雰囲気下450℃において1時間の加熱処理を行う。
なお、加熱処理装置は電気炉に限られず、抵抗発熱体などの発熱体からの熱伝導または熱輻射によって、被処理物を加熱する装置を用いてもよい。例えば、LRTA装置、GRTA装置等のRTA装置を用いることができる。例えば、加熱処理として、650℃〜700℃の高温に加熱した不活性ガス中に基板を入れ、数分間加熱した後、基板を不活性ガス中から出すGRTAを行ってもよい。
なお、加熱処理においては、窒素、酸素、またはヘリウム、ネオン、アルゴン等の希ガスに、水、水素などが含まれないことが好ましい。または、加熱処理装置に用いるガスの純度を、6N(99.9999%)以上好ましくは7N(99.99999%)以上(即ち不純物濃度を1ppm以下、好ましくは0.1ppm以下)とすることが好ましい。
また、減圧下、不活性雰囲気下で酸化物半導体膜113を加熱した後、酸素雰囲気下で加熱しても構わない。減圧下、不活性雰囲気下による加熱処理によって、酸化物半導体膜113中の不純物を排除するとともに酸素欠損が生じる場合、後に行う酸素雰囲気下の加熱処理によって酸化物半導体膜113の酸素欠損を低減することができる。
なお、脱水化または脱水素化のための加熱処理は、酸化物半導体膜を島状に加工する前、または島状に加工した後に行えばよい。また、脱水化または脱水素化のための加熱処理は、複数回行ってもよく、他の加熱処理と兼ねてもよい。また、酸化物半導体膜113に加熱処理を行うことにより、酸化物半導体膜113の結晶性を高めることができる。
脱水化または脱水素化のための加熱処理を、酸化物半導体膜113が島状に加工される前、つまり、酸化物半導体膜がゲート絶縁膜112を覆った状態で行うと、ゲート絶縁膜112に含まれる酸素が加熱処理によって外部に放出されてしまうことを防止できる。
次に、図7(E)に示すように、フォトリソグラフィ工程により酸化物半導体膜113上にレジストマスクを形成し、酸化物半導体膜113に選択的にエッチングを行って島状の酸化物半導体膜114を形成する。島状の酸化物半導体膜114を形成した後、レジストマスクを除去する。島状の酸化物半導体膜114を形成するためのレジストマスクをインクジェット法で形成してもよい。レジストマスクをインクジェット法で形成すると、フォトマスクを使用しないため、製造コストを低減できる。
酸化物半導体膜113のエッチングは、ドライエッチングでもウェットエッチングでもよく、両方を用いてもよい。例えば、酸化物半導体膜113のウェットエッチングに用いるエッチング液としては、燐酸と酢酸と硝酸を混ぜた溶液などを用いることができる。また、ITO−07N(関東化学社製)を用いてもよい。また、ICP(Inductively Coupled Plasma:誘導結合型プラズマ)エッチング法によるドライエッチングによってエッチング加工してもよい。
酸化物半導体膜113のエッチングの際、ゲート絶縁膜112が過剰にエッチングされないよう、十分にエッチング比のある条件で行うことが好ましい。
次に、ゲート絶縁膜112および酸化物半導体膜114上に、後にソース電極層およびドレイン電極層(これと同じ層で形成される配線を含む)となる導電膜116を形成する(図8(A)参照)。
導電膜116は、スパッタリング法やPECVD法により形成することができる。導電膜116として、モリブデン、チタン、タンタル、タングステン、アルミニウム、銅、クロム、ネオジム、スカンジウム等の金属材料またはこれらを主成分とする合金材料を用いて形成することができる。また、導電膜116は、窒化タングステン、窒化タンタル、窒化チタン、窒化モリブデン等の窒化金属材料を用いて形成することもできる。また、導電膜116は、酸化インジウム酸化スズ、酸化タングステンを含むインジウム酸化物、酸化タングステンを含むインジウム亜鉛酸化物、酸化チタンを含むインジウム酸化物、酸化チタンを含むインジウムスズ酸化物、酸化インジウム酸化亜鉛、酸化ケイ素を添加したインジウムスズ酸化物などの導電性材料を適用することもできる。導電膜116は、単層構造または積層構造で成膜される。
本実施の形態では、導電膜116は、膜厚50nmのタングステン膜、膜厚400nmの銅膜、膜厚100nmの窒化タンタル膜の3層構造で形成することとする。
次に、図8(B)に示すように、フォトリソグラフィ工程により導電膜116上にレジストマスクを形成し、選択的にエッチングを行って、ソース電極層116bおよびドレイン電極層116aを形成する。このとき、酸化物半導体膜114の一部は、露出される。
このとき、ドレイン電極層116aの外周端部が、ゲート電極層106の外周端部の内側に位置するように形成する。ドレイン電極層116aの外周端部を、ゲート電極層106の外周端部の内側に位置させることで、ドレイン電極層116aと、酸化物半導体膜114の端部とが電気的に接続されることを防止できる。
また酸化物半導体膜114の外周端部を覆うようにソース電極層116bを形成することが好ましい。酸化物半導体膜114の外周端部をソース電極層116bで覆うことで、酸化物半導体膜114の外周端部に不純物が混入すること、または酸化物半導体膜114から酸素が脱離することを防ぐことができる。
上記のようにソース電極層116bおよびドレイン電極層116aを形成した後、レジストマスクを除去する。
またソース電極層116bおよびドレイン電極層116aの形成と同一の工程で、配線接続部において、配線107と電気的に接続される配線116cを形成することができる。
なお、ソース電極層116bおよびドレイン電極層116aの形成により露出した酸化物半導体膜114の表面には、ソース電極層116bおよびドレイン電極層116aを構成する元素や、処理室内に存在する元素、エッチングに用いたエッチングガスを構成する元素が不純物として付着する場合がある。
不純物が付着すると、トランジスタのオフ電流の増加、またはトランジスタの電気的特性の劣化がもたらされやすい。また、酸化物半導体膜114に寄生チャネルが生じやすくなり、電気的に分離されるべき電極が酸化物半導体膜114を介して電気的に接続されやすくなる。
そこで、ソース電極層116bおよびドレイン電極層116aを形成するためのエッチングが終了した後、酸化物半導体膜114の表面や側面に付着した不純物を除去するための洗浄処理(不純物除去処理)を行ってもよい。
不純物除去処理は、プラズマ処理、または溶液による処理によって行うことができる。プラズマ処理としては、酸素プラズマ処理または一酸化二窒素プラズマ処理などを用いることができる。また、プラズマ処理として希ガス(代表的にはアルゴン)を用いてもよい。
また、溶液による洗浄処理としては、TMAH溶液などのアルカリ性の溶液、水、希フッ化水素酸などの酸性の溶液を用いて行うことができる。例えば、希フッ化水素酸を用いる場合、50wt%フッ化水素酸を、水で1/105乃至1/102程度、好ましくは1/105乃至1/103程度に希釈した希フッ化水素酸を使用する。すなわち、濃度が5×10−4重量%乃至0.5重量%の希フッ化水素酸、好ましくは5×10−4重量%乃至5×10−2重量%の希フッ化水素酸を洗浄処理に用いることが望ましい。洗浄処理により、露出した酸化物半導体膜114の表面に付着した上記不純物を除去することができる。
また、希フッ化水素酸溶液を用いて不純物除去処理を行うと、露出した酸化物半導体膜114の表面をエッチングすることができる。すなわち、露出した酸化物半導体膜114の表面に付着した不純物や、酸化物半導体膜114内の表面近傍に混入した不純物を、酸化物半導体膜114の一部とともに除去することができる。これにより、たとえば図6(C)のトランジスタ208における酸化物半導体膜114のように、ソース電極層116bおよびドレイン電極層116aと重畳する領域の厚さが、ソース電極層116bおよびドレイン電極層116aと重畳しない領域の厚さより大きくなる。
不純物除去処理を行うことで、SIMSを用いた分析により得られる濃度ピークにおいて、酸化物半導体層表面における塩素濃度を1×1019/cm3以下(好ましくは5×1018/cm3以下、さらに好ましくは1×1018/cm3以下)とすることができる。また、ホウ素濃度を1×1019/cm3以下(好ましくは5×1018/cm3以下、さらに好ましくは1×1018/cm3以下)とすることができる。また、アルミニウム濃度を1×1019/cm3以下(好ましくは5×1018/cm3以下、さらに好ましくは1×1018/cm3以下)とすることができる。
以上の工程により、トランジスタ201を作製することができる(図8(B)参照)。
次いで、トランジスタ201上に絶縁膜122を形成する。絶縁膜122は、1つの工程で形成してもよいし、複数の工程を経て形成してもよい。また異なる材料からなる膜を積層させてもよい。本実施の形態では、絶縁層118および絶縁層120の2層を積層させた絶縁膜122を形成することとする。
まず酸化物半導体膜114の一部に接し、ソース電極層116bおよびドレイン電極層116a上に、絶縁層118を20nm乃至50nmの厚さで形成する(図8(C)参照)。絶縁層118はゲート絶縁膜112と同様の材料および方法で形成することができる。例えば、酸化シリコンや、酸化窒化シリコンなどをスパッタリング法やCVD法で形成し、絶縁層118として用いることができる。
本実施の形態では、絶縁層118として、PECVD法により厚さ30nm乃至50nmの酸化窒化シリコンを形成する。絶縁層118の形成は、例えば、ガス流量をSiH4/N2O=20sccm/3000sccmとし、圧力を40Paとし、電極面積が6000cm2のときRF電源電力(電源出力)を100Wとし、基板温度を350℃とすればよい。
次に、絶縁層118に酸素119を添加し、絶縁層118を、酸素を過剰に含む絶縁層118とする。酸素119には、少なくとも、酸素ラジカル、オゾン、酸素原子、酸素イオン(分子イオン、クラスタイオンを含む)、のいずれかが含まれている。酸素119の添加は、酸素添加処理により行うことができる。
また、酸素119の添加は、絶縁層118の全面を一度に処理してもよいし、例えば、線状のイオンビームを用いてもよい。線状のイオンビームを用いる場合には、基板100またはイオンビームを相対的に移動(スキャン)させることで、絶縁層118の全面に酸素119を添加することができる。
酸素119の供給ガスとしては、酸素原子を含有するガスを用いればよく、例えば、O2ガス、N2Oガス、CO2ガス、COガス、NO2ガス等を用いることができる。なお、酸素119の供給ガスに希ガス(例えばAr)を含有させてもよい。
また、例えば、イオン注入法で酸素119の添加を行う場合、酸素のドーズ量は1×1013ions/cm2以上5×1016ions/cm2以下とするのが好ましく、絶縁層118の酸素の含有量は、化学量論的組成を超える程度とするのが好ましい。なお、このような化学量論的組成よりも酸素を過剰に含む領域は、絶縁層118の一部に存在していればよい。なお、酸素119の注入深さは、注入条件により適宜制御すればよい。
本実施の形態では、酸素119の添加を、酸素雰囲気下で行うプラズマ処理で行う。なお、絶縁層118は、酸化物半導体膜114と接する絶縁層であるため、可能な限り不純物が含まれないことが好ましい。したがって、酸素の添加の前に、絶縁層118中の過剰な水素(水や水酸基を含む)を除去するための加熱処理を行うことが好ましい。脱水化または脱水素化処理を目的とした加熱処理の温度は、300℃以上700℃以下、または基板の歪み点未満とする。脱水化または脱水素化処理を目的とした加熱処理は、前述の加熱処理と同様に行うことができる。
酸素119の添加のためのプラズマ処理(酸素プラズマ処理)は、酸素流量を250sccmとし、ICP電源電力を0Wとし、バイアス電力を4500Wとし、圧力を15Paとして行う。この時、酸素プラズマ処理により絶縁層118に添加された酸素119の一部は、絶縁層118を通過して酸化物半導体膜114に添加される。酸化物半導体膜114中に絶縁層118を介して酸素119が添加されるため、酸化物半導体膜114の表面にプラズマによるダメージが入りにくく、半導体装置の信頼性を向上することができる。絶縁層118は、10nmより厚く、100nmより薄くすることが好ましい。絶縁層118の厚さを10nm以下とすると、酸化物半導体膜114が酸素プラズマ処理時のダメージを受けやすくなる。また、絶縁層118の厚さを100nm以上とすると、酸素プラズマ処理により添加された酸素119が、十分に酸化物半導体膜114に供給されない恐れがある。また、絶縁層118の脱水化または脱水素化処理を目的とした加熱処理または/および酸素119の添加は、複数回行ってもよい。絶縁層118に酸素119を添加することにより、絶縁層118を酸素供給層として機能させることができる。
次に、絶縁層118上に絶縁層120を200nm乃至500nmの厚さで形成する(図8(D)参照)。絶縁層120は、ゲート絶縁膜112と同様の材料および方法で形成することができる。例えば、酸化シリコンや酸化窒化シリコンなどをスパッタリング法やCVD法で形成し、絶縁層120として用いることができる。
本実施の形態では、絶縁層120として、PECVD法により厚さ370nmの酸化窒化シリコンを形成する。絶縁層120の形成は、例えば、ガス流量をSiH4/N2O=30sccm/4000sccmとし、圧力を200Paとし、電極面積が6000cm2のときRF電源電力(電源出力)を150Wとし、基板温度を220℃乃至350℃とすればよい。
また、RF電源電力(電源出力)を高く、たとえば電極面積が6000cm2のとき、300W以上、または500W以上、または1000W以上としてもよい。RF電源電力(電源出力)を高くすることで、緻密な絶縁層120を形成できる。
なお、絶縁層120の形成後、不活性ガス雰囲気下、酸素雰囲気下、または不活性ガスと酸素の混合雰囲気下で250℃以上650℃以下、好ましくは300℃以上600℃以下の温度で加熱処理を行ってもよい。より具体的には窒素および酸素の混合雰囲気下で加熱処理を行ってもよいし、窒素雰囲気下で加熱処理を行ってからさらに窒素および酸素の混合雰囲気下で加熱処理を行ってもよい。当該加熱処理によって、絶縁層118に含まれる酸素が、絶縁層118と酸化物半導体膜114の界面に拡散して酸化物半導体膜114へと供給され、酸化物半導体膜114の酸素欠損を補填することができる。
また、絶縁層120に酸素添加処理を行い、酸素過剰な状態としてもよい。絶縁層120への酸素の添加は、絶縁層118への酸素の添加と同様に行ってもよい。また、絶縁層120への酸素の添加後、不活性ガス雰囲気下、酸素雰囲気下、または不活性ガスと酸素の混合雰囲気下で250℃以上650℃以下、好ましくは300℃以上600℃以下の温度で加熱処理を行ってもよい。
次に、絶縁膜122上にアルミニウム膜を成膜する。
アルミニウム膜は、スパッタリング法、蒸着法、CVD法等によって形成することが好ましい。また、アルミニウム膜の膜厚は3nm以上20nm以下(好ましくは3nm以上10nm以下、より好ましくは4nm以上5nm以下)とすることが好ましい。
アルミニウム膜として、チタン、またはマグネシウムが添加されたアルミニウム膜を用いてもよい。また、アルミニウム膜として、アルミニウム膜と、チタン膜またはマグネシウム膜との積層を用いてもよい。
次に、図9(A)に示すようにアルミニウム膜に対して、酸素添加処理を行う。酸素添加処理は、絶縁膜122に、酸素添加処理を行う場合を参照すればよいため、詳細な説明は省略する。アルミニウム膜に対して、酸素添加処理を行うことにより、アルミニウム膜の酸化物である、酸化アルミニウム膜が形成される。該酸化アルミニウム膜を、絶縁膜124として用いる。
絶縁膜124は、トランジスタ201に不純物が侵入することを防止すると共に、絶縁膜122中の酸素が外部に離脱することを防止する、バリア膜として機能する。
酸素を、絶縁膜122およびアルミニウム膜に添加した後、加熱処理を行ってもよい。加熱処理は250℃以上600℃以下、例えば300℃で行えばよい。
酸化物半導体を用いたトランジスタの場合、絶縁膜から酸化物半導体膜に酸素が供給されることで、酸化物半導体膜と絶縁膜との界面準位密度を低減できる。この結果、トランジスタの動作などに起因して、酸化物半導体膜と絶縁膜との界面にキャリアが捕獲されることを抑制することができ、信頼性の高いトランジスタを得ることができる。
また、絶縁膜122および絶縁膜124への、脱水化または脱水素化処理、または/および酸素添加処理は、複数回行ってもよい。
また、絶縁膜122上に接して設けられる絶縁膜124は、アルミニウム膜を酸化させることによって形成された膜である。アルミニウム膜の酸化によって、酸化アルミニウム膜を形成することで、スパッタリング法によって酸化アルミニウム膜を成膜する場合と比較して生産性を向上させることができる。また、絶縁膜122への酸素添加処理とアルミニウム膜の酸化処理を同一工程によっても行ってもよい。この場合、工程の簡略化を図ることができる。よって、半導体装置の製造コストを低減することができる。
なお、絶縁膜122として酸化物絶縁膜(例えば、酸化シリコン、酸化窒化シリコン)を用いる場合、該酸化物絶縁膜において、酸素は主たる成分材料の一つである。このため、酸化物絶縁膜中の酸素濃度を、SIMSなどの方法を用いて、正確に見積もることは難しい。つまり、酸化物絶縁膜に酸素が意図的に添加されたか否かを判別することは困難であるといえる。また、絶縁膜122に含まれる過剰な酸素が後の工程で酸化物半導体膜114へと供給される場合においても同様のことがいえる。
ところで、酸素には17Oや18Oといった同位体が存在し、自然界におけるこれらの存在比率はそれぞれ酸素原子全体の0.038%、0.2%程度であることが知られている。つまり、酸化物半導体膜と接する絶縁膜中または酸化物半導体膜中におけるこれら同位体の濃度は、SIMSなどの方法によって見積もることができる程度になるから、これらの濃度を測定することで、酸化物半導体膜と接する絶縁膜中、または酸化物半導体膜中の酸素濃度をより正確に見積もることが可能な場合がある。よって、これらの濃度を測定することで、酸化物半導体膜と接する絶縁膜に意図的に酸素が添加されたか否かを判別してもよい。
絶縁膜124上に層間絶縁膜(保護絶縁膜、平坦化絶縁膜)となる絶縁膜を形成してもよい。層間絶縁膜(保護絶縁膜、平坦化絶縁膜)を設けることで薄膜の絶縁膜124に対する応力を緩和することができる。よって、絶縁膜124の破損を防止することができる。
保護絶縁膜は、絶縁膜122と同様な材料および方法を用いて形成することができる。例えば、スパッタリング法により形成した酸化シリコン膜を400nm形成する。また、保護絶縁膜の形成後、加熱処理を行ってもよい。例えば、窒素雰囲気下300℃で1時間加熱処理を行う。
本実施の形態では、図9(B)に示すように絶縁膜124上に、平坦化絶縁膜126を形成する。平坦化絶縁膜126を形成することにより、トランジスタ201起因の表面凹凸を低減することができる。平坦化絶縁膜126としては、ポリイミド樹脂、アクリル樹脂、ベンゾシクロブテン樹脂、等の有機材料を用いることができる。また上記有機材料の他に、低誘電率材料(low−k材料)等を用いることができる。なお、これらの材料で形成される絶縁膜を複数積層させることで、平坦化絶縁膜126を形成してもよい。
例えば、平坦化絶縁膜126として、膜厚1.5μmのアクリル樹脂膜を形成すればよい。アクリル樹脂膜は塗布法による塗布後、焼成(例えば窒素雰囲気下250℃1時間)して形成することができる。
平坦化絶縁膜126を形成後、加熱処理を行ってもよい。例えば、窒素雰囲気下250℃で1時間加熱処理を行う。
このように、トランジスタ201形成後、加熱処理を行ってもよい。また、加熱処理は複数回行ってもよい。
次に、図9(C)に示すように、平坦化絶縁膜126に開口部を形成し、ドレイン電極層116aと電気的に接続される電極130を形成する。電極130の形成には、ゲート電極層106と同様の材料、方法を用いることができる。またこれと同一工程で、配線接続部において、配線116cと電気的に接続される配線131を形成することができる。
以上の工程により、トランジスタ201を有する半導体装置を作製することができる。
本発明の一態様により、酸化物半導体膜を用いたトランジスタ201に安定した電気的特性を付与し、信頼性の高い半導体装置を提供することができる。
本実施の形態では図1に示すトランジスタ201の作製方法について詳述したが、図2乃至図6に記載のトランジスタ202乃至トランジスタ208もトランジスタ201の作製方法を参酌して作製することができる。
たとえば図2乃至図5のトランジスタ202乃至トランジスタ205は、ゲート電極層106、酸化物半導体膜114、ドレイン電極層116aおよびソース電極層116b等の上面形状を変更することで作製することができる。
また、図6(A)のトランジスタ206のドレイン電極層116aおよびソース電極層116bは、複数の導電層を同一のマスクを用いてエッチングすることで形成することができる。
また、図6(B)のトランジスタ207のドレイン電極層116aおよびソース電極層116bは、複数の導電層を、たとえば以下のような工程でエッチングすることで形成することができる。
まず導電層140aおよび導電層140bとなる導電層を形成する。
次に導電層142bとなる導電層を形成し、該導電層をウェットエッチングして導電層142bを形成する。
最後に導電層144aおよび導電層144bとなる導電層を形成し、導電層140aおよび導電層140bとなる導電層と、導電層144aおよび導電層144bとなる導電層をドライエッチングして、導電層140a、導電層140b、導電層144aおよび導電層144bを形成する。
導電層140aおよび導電層140bのドライエッチングと、導電層144aおよび導電層144bのドライエッチングには、同一のマスクを用いることができる。導電層142bのウェットエッチングには、導電層140a、導電層140b、導電層144aおよび導電層144bのドライエッチングと異なるマスクを用いてもよい。
このような工程で、導電層142bを覆うように導電層140bおよび導電層144bを形成することができる。このような構成とすることで、導電層142bに用いられる金属が、酸化物半導体膜114に達することを抑制できる。
また、図6(A)および図6(B)のソース電極層116bおよびドレイン電極層116aのような積層構造は、ゲート電極層106に適用してもよい。
本実施の形態に示す構成、方法などは、他の実施の形態に示す構成、方法などと適宜組み合わせて用いることができる。
(実施の形態3)
本実施の形態では、本発明の一態様に係る表示装置について説明する。なお、表示装置に設けられるトランジスタは、先の実施の形態で示したトランジスタを適用することができる。先の実施の形態で示したトランジスタは、安定した電気的特性を有するため、表示装置の信頼性を高めることができる。
本発明の一態様に係る表示装置は、駆動回路の一部または/および画素の一部に、先の実施の形態で示したトランジスタを適用すればよい。なお、駆動回路のみ、画素のみに先の実施の形態で示したトランジスタを適用しても構わない。駆動回路に設けられるトランジスタは、大電流が求められるためチャネル幅の大きいトランジスタであることが多い。そのため、特に駆動回路に先の実施の形態で示したトランジスタを適用すると、駆動回路の面積を縮小する効果が大きいため好ましい。
<表示装置の構成例>
図10は、表示装置の構成例を示す図である。図10に示す表示装置は、m行n列に配設された複数の画素10と、走査線駆動回路1と、信号線駆動回路2と、電流源3と、各々が複数の画素10のうちいずれか1行に配設された画素に電気的に接続され、かつ走査線駆動回路1によって電位が制御される、m本の走査線4、m本の走査線5、およびm本の走査線6、ならびにm本の反転走査線7と、各々が複数の画素10のうちいずれか1列に配設された画素に電気的に接続され、かつ信号線駆動回路2によって電位が制御される、n本の信号線8と、複数の支線が設けられ、かつ電流源3に電気的に接続される電源線9と、を有する。
<走査線駆動回路の構成例>
図11は、図10に示す表示装置が有する走査線駆動回路1の構成例を示す図である。図11に示す走査線駆動回路1は、第1の走査線駆動回路用クロック信号(GCK−1)を供給する配線〜第6の走査線駆動回路用クロック信号(GCK−6)を供給する配線と、第1のパルス幅制御信号A(PWC−A1)を供給する配線および第2のパルス幅制御信号A(PWC−A2)を供給する配線と、第1のパルス幅制御信号B(PWC−B1)を供給する配線〜第6のパルス幅制御信号B(PWC−B6)を供給する配線と、第1のパルス幅制御信号C(PWC−C1)を供給する配線〜第3のパルス幅制御信号C(PWC−C3)を供給する配線と、走査線4_1、走査線5_1、および走査線6_1を介して1行に配設された画素10に電気的に接続された第1のパルス出力回路20_1〜走査線4_m、走査線5_m、および走査線6_mを介してm行に配設された画素10に電気的に接続された第mのパルス出力回路20_mと、反転走査線7_1を介して1行に配設された画素10に電気的に接続された第1の反転パルス出力回路60_1〜反転走査線7_mを介してm行に配設された画素10に電気的に接続された第mの反転パルス出力回路60_mとを有する。
なお、第1のパルス出力回路20_1〜第mのパルス出力回路20_mは、第1のパルス出力回路20_1に入力される走査線駆動回路用スタートパルス(GSP)をきっかけとしてシフトパルスを順次シフトする機能を有する。詳述すると、第1のパルス出力回路20_1は、走査線駆動回路用スタートパルス(GSP)が入力された後に第2のパルス出力回路20_2に対してシフトパルスを出力する。次いで、第2のパルス出力回路20_2は、第1のパルス出力回路20_1が出力するシフトパルスが入力された後に第3のパルス出力回路20_3に対してシフトパルスを出力する。以後、第mのパルス出力回路に対してシフトパルスが入力されるまで上記動作が行われる。
さらに、第1のパルス出力回路20_1〜第mのパルス出力回路20_mのそれぞれは、走査線駆動回路用スタートパルス(GSP)またはシフトパルスが入力された際に走査線4_1〜走査線4_mのいずれか一、走査線5_1〜走査線5_mのいずれか一、および走査線6_1〜走査線6_mのいずれか一のそれぞれに対して選択信号を出力する機能を有する。なお、選択信号とは、走査線4_1〜走査線4_m、走査線5_1〜走査線5_m、および走査線6_1〜走査線6_mのそれぞれの電位によってスイッチングが制御されるスイッチをオン状態とする信号を指す。
図12は、上記信号の具体的な波形の一例を示す図である。
図12に示す第1の走査線駆動回路用クロック信号(GCK−1)は、周期的にハイレベルの電位(高電源電位(Vdd))とロウレベルの電位(低電源電位(Vss))を繰り返す、デューティ比が1/2の信号である。また、第2の走査線駆動回路用クロック信号(GCK−2)は、第1の走査線駆動回路用クロック信号(GCK−1)から1/6周期位相がずれた信号であり、第3の走査線駆動回路用クロック信号(GCK−3)は、第1の走査線駆動回路用クロック信号(GCK−1)から1/3周期位相がずれた信号であり、第4の走査線駆動回路用クロック信号(GCK−4)は、第1の走査線駆動回路用クロック信号(GCK−1)から1/2周期位相がずれた信号であり、第5の走査線駆動回路用クロック信号(GCK−5)は、第1の走査線駆動回路用クロック信号(GCK−1)から2/3周期位相がずれた信号であり、第6の走査線駆動回路用クロック信号(GCK−6)は、第1の走査線駆動回路用クロック信号(GCK−1)から5/6周期位相がずれた信号である。
図12に示す第1のパルス幅制御信号A(PWC−A1)は、周期的にハイレベルの電位(高電源電位(Vdd))とロウレベルの電位(低電源電位(Vss))を繰り返す、デューティ比が2/5の信号である。また、第2のパルス幅制御信号A(PWC−A2)は、第1のパルス幅制御信号A(PWC−A1)から1/2周期位相がずれた信号である。
図12に示す第1のパルス幅制御信号B(PWC−B1)は、周期的にハイレベルの電位(高電源電位(Vdd))とロウレベルの電位(低電源電位(Vss))を繰り返す、デューティ比が2/15の信号である。また、第2のパルス幅制御信号B(PWC−B2)は、第1のパルス幅制御信号B(PWC−B1)から1/6周期位相がずれた信号であり、第3のパルス幅制御信号B(PWC−B3)は、第1のパルス幅制御信号B(PWC−B1)から1/3周期位相がずれた信号であり、第4のパルス幅制御信号B(PWC−B4)は、第1のパルス幅制御信号B(PWC−B1)から1/2周期位相がずれた信号であり、第5のパルス幅制御信号B(PWC−B5)は、第1のパルス幅制御信号B(PWC−B1)から2/3周期位相がずれた信号であり、第6のパルス幅制御信号B(PWC−B6)は、第1のパルス幅制御信号B(PWC−B1)から5/6周期位相がずれた信号である。
図12に示す第1のパルス幅制御信号C(PWC−C1)は、周期的にハイレベルの電位(高電源電位(Vdd))とロウレベルの電位(低電源電位(Vss))を繰り返す、デューティ比が4/15の信号である。なお、第1のパルス幅制御信号C(PWC−C1)は、第2のパルス幅制御信号B(PWC−B2)がハイレベルの電位となる期間および第5のパルス幅制御信号B(PWC−B5)がハイレベルの電位となる期間においてハイレベルの電位となる信号であると表現することもできる。また、第2のパルス幅制御信号C(PWC−C2)は、第1のパルス幅制御信号C(PWC−C1)から1/3周期位相がずれた信号であり、第3のパルス幅制御信号C(PWC−C3)は、第1のパルス幅制御信号C(PWC−C1)から2/3周期位相がずれた信号である。
図11に示す表示装置においては、第1のパルス出力回路20_1〜第mのパルス出力回路20_mとして、同一の構成を有する回路を適用することができる。ただし、パルス出力回路が有する複数の端子の電気的な接続関係は、パルス出力回路毎に異なる。具体的な接続関係について図11および図13(A)を参照して説明する。
第1のパルス出力回路20_1〜第mのパルス出力回路20_mのそれぞれは、端子21〜端子30を有する。なお、端子21〜端子25および端子29は入力端子であり、端子26〜28および端子30は出力端子である。
まず、端子21について述べる。第1のパルス出力回路20_1の端子21は、走査線駆動回路用スタートパルス(GSP)を供給する配線に電気的に接続され、第2のパルス出力回路20_2〜第mのパルス出力回路20_mの端子21は、前段のパルス出力回路の端子30に電気的に接続されている。
次いで、端子22について述べる。第(6a−5)のパルス出力回路20_6a−5(aはm/6以下の自然数)の端子22は、第1の走査線駆動回路用クロック信号(GCK−1)を供給する配線に電気的に接続され、第(6a−4)のパルス出力回路20_6a−4の端子22は、第2の走査線駆動回路用クロック信号(GCK−2)を供給する配線に電気的に接続され、第(6a−3)のパルス出力回路20_6a−3の端子22は、第3の走査線駆動回路用クロック信号(GCK−3)を供給する配線に電気的に接続され、第(6a−2)のパルス出力回路20_6a−2の端子22は、第4の走査線駆動回路用クロック信号(GCK−4)を供給する配線に電気的に接続され、第(6a−1)のパルス出力回路20_6a−1の端子22は、第5の走査線駆動回路用クロック信号(GCK−5)を供給する配線に電気的に接続され、第6aのパルス出力回路20_6aの端子22は、第6の走査線駆動回路用クロック信号(GCK−6)を供給する配線に電気的に接続されている。
次いで、端子23について述べる。第(6a−5)のパルス出力回路20_6a−5の端子23、第(6a−3)のパルス出力回路20_6a−3の端子23、および第(6a−1)のパルス出力回路20_6a−1の端子23は、第1のパルス幅制御信号A(PWC−A1)を供給する配線に電気的に接続され、第(6a−4)のパルス出力回路20_6a−4の端子23、第(6a−2)のパルス出力回路20_6a−2の端子23、および第6aのパルス出力回路20_6aの端子23は、第2のパルス幅制御信号A(PWC−A2)を供給する配線に電気的に接続されている。
次いで、端子24について述べる。第(6a−5)のパルス出力回路20_6a−5の端子24は、第1のパルス幅制御信号B(PWC−B1)を供給する配線に電気的に接続され、第(6a−4)のパルス出力回路20_6a−4の端子24は、第2のパルス幅制御信号B(PWC−B2)を供給する配線に電気的に接続され、第(6a−3)のパルス出力回路20_6a−3の端子24は、第3のパルス幅制御信号B(PWC−B3)を供給する配線に電気的に接続され、第(6a−2)のパルス出力回路20_6a−2の端子24は、第4のパルス幅制御信号B(PWC−B4)を供給する配線に電気的に接続され、第(6a−1)のパルス出力回路20_6a−1の端子24は、第5のパルス幅制御信号B(PWC−B5)を供給する配線に電気的に接続され、第6aのパルス出力回路20_6aの端子24は、第6のパルス幅制御信号B(PWC−B6)を供給する配線に電気的に接続されている。
次いで、端子25について述べる。第(6a−5)のパルス出力回路20_6a−5の端子25および第(6a−2)のパルス出力回路20_6a−2の端子25は、第1のパルス幅制御信号C(PWC−C1)を供給する配線に電気的に接続され、第(6a−4)のパルス出力回路20_6a−4の端子25および第(6a−1)のパルス出力回路20_6a−1の端子25は、第2のパルス幅制御信号C(PWC−C2)を供給する配線に電気的に接続され、第(6a−3)のパルス出力回路20_6a−3の端子25および第6aのパルス出力回路20_6aの端子25は、第3のパルス幅制御信号C(PWC−C3)を供給する配線に電気的に接続されている。
次いで、端子26について述べる。第xのパルス出力回路20_x(xはm以下の自然数)の端子26は、x行目に配設された走査線4_xに電気的に接続されている。
次いで、端子27について述べる。第xのパルス出力回路20_xの端子27は、x行目に配設された走査線5_xに電気的に接続されている。
次いで、端子28について述べる。第xのパルス出力回路20_xの端子28は、x行目に配設された走査線6_xに電気的に接続されている。
次いで、端子29について述べる。第yのパルス出力回路20_y(yは、(m−3)以下の自然数)の端子29は、第(y+3)のパルス出力回路20_y+3の端子30に電気的に接続され、第(m−2)のパルス出力回路20_m−2の端子29は、第(m−2)のパルス出力回路用ストップ信号(STP1)を供給する配線に電気的に接続され、第(m−1)のパルス出力回路20_m−1の端子29は、第(m−1)のパルス出力回路用ストップ信号(STP2)を供給する配線に電気的に接続され、第mのパルス出力回路20_mの端子29は、第mのパルス出力回路用ストップ信号(STP3)を供給する配線に電気的に接続されている。なお、第(m−2)のパルス出力回路用ストップ信号(STP1)は、仮に第(m+1)のパルス出力回路が設けられていれば、当該第(m+1)のパルス出力回路の端子30から出力される信号に相当する信号であり、第(m−1)のパルス出力回路用ストップ信号(STP2)は、仮に第(m+2)のパルス出力回路が設けられていれば、当該第(m+2)のパルス出力回路の端子30から出力される信号に相当する信号であり、第mのパルス出力回路用ストップ信号(STP3)は、仮に第(m+3)のパルス出力回路が設けられていれば、当該第(m+3)のパルス出力回路の端子30から出力される信号に相当する信号である。具体的には、実際にダミー回路として第(m+1)のパルス出力回路〜第(m+3)のパルス出力回路を設けること、または外部から当該信号を直接入力することなどによって、これらの信号を得ることができる。
各パルス出力回路の端子30の接続関係は既出である。そのため、ここでは前述の説明を援用することとする。
また、図11に示す表示装置においては、第1の反転パルス出力回路60_1〜第mの反転パルス出力回路60_mとして、同一の構成を有する回路を適用することができる。ただし、反転パルス出力回路が有する複数の端子の電気的な接続関係は、反転パルス出力回路毎に異なる。具体的な接続関係について図11および図13(B)を参照して説明する。
第1の反転パルス出力回路60_1〜第mの反転パルス出力回路60_mのそれぞれは、端子61〜端子65を有する。なお、端子61〜端子64は入力端子であり、端子65は出力端子である。
まず、端子61について述べる。第1の反転パルス出力回路60_1の端子61は、走査線駆動回路用スタートパルス(GSP)を供給する配線に電気的に接続され、第2の反転パルス出力回路60_2〜第mの反転パルス出力回路60_mの端子61は、前段のパルス出力回路の端子30に電気的に接続されている。
次いで、端子62について述べる。第xの反転パルス出力回路60_xの端子62は、第xのパルス出力回路20_xの端子30に電気的に接続されている。
次いで、端子63について述べる。第(6a−5)の反転パルス出力回路60_6a−5の端子63は、第4のパルス幅制御信号B(PWC−B4)を供給する配線に電気的に接続され、第(6a−4)の反転パルス出力回路60_6a−4の端子63は、第5のパルス幅制御信号B(PWC−B5)を供給する配線に電気的に接続され、第(6a−3)の反転パルス出力回路60_6a−3の端子63は、第6のパルス幅制御信号B(PWC−B6)を供給する配線に電気的に接続され、第(6a−2)の反転パルス出力回路60_6a−2の端子63は、第1のパルス幅制御信号B(PWC−B1)を供給する配線に電気的に接続され、第(6a−1)の反転パルス出力回路60_6a−1の端子63は、第2のパルス幅制御信号B(PWC−B2)を供給する配線に電気的に接続され、第6aの反転パルス出力回路60_6aの端子63は、第3のパルス幅制御信号B(PWC−B3)を供給する配線に電気的に接続されている。
次いで、端子64について述べる。第yの反転パルス出力回路60_yの端子64は、第(y+3)のパルス出力回路20_y+3の端子30に電気的に接続され、第(m−2)の反転パルス出力回路60_m−2の端子64は、第(m−2)のパルス出力回路用ストップ信号(STP1)を供給する配線に電気的に接続され、第(m−1)の反転パルス出力回路60_m−1の端子64は、第(m−1)のパルス出力回路用ストップ信号(STP2)を供給する配線に電気的に接続され、第mの反転パルス出力回路60_mの端子64は、第mのパルス出力回路用ストップ信号(STP3)を供給する配線に電気的に接続されている。
次いで、端子65について述べる。第xの反転パルス出力回路60_xの端子65は、x行目に配設された反転走査線7_xに電気的に接続されている。
<パルス出力回路の構成例>
図14(A)は、図11および図13(A)に示すパルス出力回路の構成例を示す図である。図14(A)に示すパルス出力回路は、トランジスタ31〜トランジスタ42を有する。
トランジスタ31では、ソースおよびドレインの一方が高電源電位(Vdd)を供給する配線(以下、高電源電位線ともいう)に電気的に接続され、ゲートが端子21に電気的に接続されている。
トランジスタ32では、ソースおよびドレインの一方が低電源電位(Vss)を供給する配線(以下、低電源電位線ともいう)に電気的に接続され、ソースおよびドレインの他方がトランジスタ31のソースおよびドレインの他方に電気的に接続されている。
トランジスタ33では、ソースおよびドレインの一方が端子22に電気的に接続され、ソースおよびドレインの他方が端子30に電気的に接続され、ゲートがトランジスタ31のソースおよびドレインの他方ならびにトランジスタ32のソースおよびドレインの他方に電気的に接続されている。
トランジスタ34では、ソースおよびドレインの一方が低電源電位線に電気的に接続され、ソースおよびドレインの他方が端子30に電気的に接続され、ゲートがトランジスタ32のゲートに電気的に接続されている。
トランジスタ35では、ソースおよびドレインの一方が低電源電位線に電気的に接続され、ソースおよびドレインの他方がトランジスタ32のゲートおよびトランジスタ34のゲートに電気的に接続され、ゲートが端子21に電気的に接続されている。
トランジスタ36では、ソースおよびドレインの一方が高電源電位線に電気的に接続され、ソースおよびドレインの他方がトランジスタ32のゲート、トランジスタ34のゲート、およびトランジスタ35のソースおよびドレインの他方に電気的に接続され、ゲートが端子29に電気的に接続されている。
トランジスタ37では、ソースおよびドレインの一方が端子23に電気的に接続され、ソースおよびドレインの他方が端子26に電気的に接続され、ゲートがトランジスタ31のソースおよびドレインの他方、トランジスタ32のソースおよびドレインの他方、およびトランジスタ33のゲートに電気的に接続されている。
トランジスタ38では、ソースおよびドレインの一方が低電源電位線に電気的に接続され、ソースおよびドレインの他方が端子26に電気的に接続され、ゲートがトランジスタ32のゲート、トランジスタ34のゲート、トランジスタ35のソースおよびドレインの他方、およびトランジスタ36のソースおよびドレインの他方に電気的に接続されている。
トランジスタ39では、ソースおよびドレインの一方が端子24に電気的に接続され、ソースおよびドレインの他方が端子27に電気的に接続され、ゲートがトランジスタ31のソースおよびドレインの他方、トランジスタ32のソースおよびドレインの他方、トランジスタ33のゲート、およびトランジスタ37のゲートに電気的に接続されている。
トランジスタ40では、ソースおよびドレインの一方が低電源電位線に電気的に接続され、ソースおよびドレインの他方が端子27に電気的に接続され、ゲートがトランジスタ32のゲート、トランジスタ34のゲート、トランジスタ35のソースおよびドレインの他方、トランジスタ36のソースおよびドレインの他方、およびトランジスタ38のゲートに電気的に接続されている。
トランジスタ41では、ソースおよびドレインの一方が端子25に電気的に接続され、ソースおよびドレインの他方が端子28に電気的に接続され、ゲートがトランジスタ31のソースおよびドレインの他方、トランジスタ32のソースおよびドレインの他方、トランジスタ33のゲート、トランジスタ37のゲート、およびトランジスタ39のゲートに電気的に接続されている。
トランジスタ42では、ソースおよびドレインの一方が低電源電位線に電気的に接続され、ソースおよびドレインの他方が端子28に電気的に接続され、ゲートがトランジスタ32のゲート、トランジスタ34のゲート、トランジスタ35のソースおよびドレインの他方、トランジスタ36のソースおよびドレインの他方、トランジスタ38のゲート、およびトランジスタ40のゲートに電気的に接続されている。
なお、以下においては、トランジスタ31のソースおよびドレインの他方、トランジスタ32のソースおよびドレインの他方、トランジスタ33のゲート、トランジスタ37のゲート、トランジスタ39のゲート、ならびにトランジスタ41のゲートが電気的に接続するノードをノードAと呼ぶ。また、トランジスタ32のゲート、トランジスタ34のゲート、トランジスタ35のソースおよびドレインの他方、トランジスタ36のソースおよびドレインの他方、トランジスタ38のゲート、トランジスタ40のゲート、およびトランジスタ42のゲートが電気的に接続するノードをノードBと呼ぶ。
<パルス出力回路の動作例>
上述したパルス出力回路の動作例について図14(B)を参照して説明する。なお、図14(B)には、第1のパルス出力回路20_1からシフトパルスが入力される際の第2のパルス出力回路20_2の各端子に入力される信号、および各端子から出力される信号の電位、ならびにノードAおよびノードBの電位を示している。また、図中において、Gout4は、パルス出力回路の走査線4に対する出力信号を表し、Gout5は、パルス出力回路の走査線5に対する出力信号を表し、Gout6は、パルス出力回路の走査線6に対する出力信号を表し、SRoutは、当該パルス出力回路の、後段のパルス出力回路に対する出力信号を表している。
まず、図14(B)を参照して、第2のパルス出力回路20_2に第1のパルス出力回路20_1からシフトパルスが入力される場合について説明する。
期間t1において、端子21にハイレベルの電位(高電源電位(Vdd))が入力される。これにより、トランジスタ31、35がオン状態となる。そのため、ノードAの電位がハイレベルの電位(高電源電位(Vdd)からトランジスタ31のしきい値電圧分下降した電位)に上昇し、かつノードBの電位が低電源電位(Vss)に下降する。これに付随して、トランジスタ33、37、39、41がオン状態となり、トランジスタ32、34、38、40、42がオフ状態となる。以上により、期間t1において、端子26から出力される信号は、端子23に入力される信号となり、端子27から出力される信号は、端子24に入力される信号となり、端子28から出力される信号は、端子25に入力される信号となり、端子30から出力される信号は、端子22に入力される信号となる。ここで、期間t1において、端子22〜端子25に入力される信号は、ロウレベルの電位(低電源電位(Vss))である。そのため、期間t1において、第2のパルス出力回路20_2は、第3のパルス出力回路20_3の端子21、ならびに画素部において2行目に配設された走査線4_2、走査線5_2、および走査線6_2にロウレベルの電位(低電源電位(Vss))を出力する。
期間t2において、端子23にハイレベルの電位(高電源電位(Vdd))が入力される。なお、ノードAの電位(トランジスタ31のソースの電位)は、期間t1においてハイレベルの電位(高電源電位(Vdd)からトランジスタ31のしきい値電圧分下降した電位)まで上昇している。そのため、トランジスタ31はオフ状態となっている。この時、端子23にハイレベルの電位(高電源電位(Vdd))が入力されることで、トランジスタ37のゲートおよびソース間の容量結合によって、ノードAの電位(トランジスタ37のゲートの電位)がさらに上昇する(ブートストラップ動作)。また、当該ブートストラップ動作を行うことによって、端子26から出力される信号が端子23に入力されるハイレベルの電位(高電源電位(Vdd))から下降することがない(端子23に入力される信号と同一または略同一の信号を端子26から出力する)。そのため、期間t2において、第2のパルス出力回路20_2は、画素部において2行目に配設された走査線4_2にハイレベルの電位(高電源電位(Vdd)=選択信号)を出力する。また、第3のパルス出力回路20_3の端子21ならびに画素部において2行目に配設された走査線5_2および走査線6_2にロウレベルの電位(低電源電位(Vss))を出力する。
期間t3において、少なくとも端子22にハイレベルの電位(高電源電位(Vdd))が入力される。そのため、ノードAの電位は、期間t2と同様に、期間t1におけるノードAの電位よりも高い電位を維持する。これにより、端子26から出力される信号が端子23に入力される信号と同一または略同一の信号となり、端子27から出力される信号が端子24に入力される信号と同一または略同一の信号となり、端子28から出力される信号が端子25に入力される信号と同一または略同一の信号となり、端子30から出力される信号が端子22に入力される信号と同一または略同一の信号となる。すなわち、期間t3において、第2のパルス出力回路20_2は、第3のパルス出力回路20_3の端子21に対して端子22に入力される信号と同一または略同一の信号を出力し、走査線4_2に対して端子23に入力される信号と同一または略同一の信号を出力し、走査線5_2に対して端子24に入力される信号と同一または略同一の信号を出力し、走査線6_2に対して端子25に入力される信号と同一または略同一の信号を出力する。
期間t4において、端子29にハイレベルの電位(高電源電位(Vdd))が入力される。これにより、トランジスタ36がオン状態となる。そのため、ノードBの電位がハイレベルの電位(高電源電位(Vdd)からトランジスタ36のしきい値電圧分下降した電位)に上昇する。つまり、トランジスタ32、34、38、40、42がオン状態となる。また、これに付随して、ノードAの電位がロウレベルの電位(低電源電位(Vss))へと下降する。つまり、トランジスタ33、37、39、41がオフ状態となる。以上により、期間t4において、端子26、端子27、端子28、および端子30から出力される信号は、共に低電源電位(Vss)となる。すなわち、期間t4において、第2のパルス出力回路20_2は、第3のパルス出力回路20_3の端子21、ならびに画素部において2行目に配設された走査線4_2、走査線5_2、および走査線6_2に低電源電位(Vss)を出力する。
<反転パルス出力回路の構成例>
図15(A)は、図11および図13(B)に示す反転パルス出力回路の構成例を示す図である。図15(A)に示す反転パルス出力回路は、トランジスタ71〜トランジスタ77を有する。
トランジスタ71では、ソースおよびドレインの一方が高電源電位線に電気的に接続され、ゲートが端子63に電気的に接続されている。
トランジスタ72では、ソースおよびドレインの一方が高電源電位線に電気的に接続され、ソースおよびドレインの他方がトランジスタ71のソースおよびドレインの他方に電気的に接続され、ゲートが端子64に電気的に接続されている。
トランジスタ73では、ソースおよびドレインの一方が低電源電位線に電気的に接続され、ソースおよびドレインの他方がトランジスタ71のソースおよびドレインの他方、およびトランジスタ72のソースおよびドレインの他方に電気的に接続され、ゲートが端子61に電気的に接続されている。
トランジスタ74では、ソースおよびドレインの一方が低電源電位線に電気的に接続され、ソースおよびドレインの他方がトランジスタ71のソースおよびドレインの他方、トランジスタ72のソースおよびドレインの他方、およびトランジスタ73のソースおよびドレインの他方に電気的に接続され、ゲートが端子62に電気的に接続されている。
トランジスタ75では、ソースおよびドレインの一方が高電源電位線に電気的に接続され、ソースおよびドレインの他方が端子65に電気的に接続され、ゲートがトランジスタ71のソースおよびドレインの他方、トランジスタ72のソースおよびドレインの他方、トランジスタ73のソースおよびドレインの他方、およびトランジスタ74のソースおよびドレインの他方に電気的に接続されている。
トランジスタ76では、ソースおよびドレインの一方が低電源電位線に電気的に接続され、ソースおよびドレインの他方が端子65に電気的に接続され、ゲートが端子61に電気的に接続されている。
トランジスタ77では、ソースおよびドレインの一方が低電源電位線に電気的に接続され、ソースおよびドレインの他方が端子65に電気的に接続され、ゲートが端子62に電気的に接続されている。
なお、以下においては、トランジスタ71のソースおよびドレインの他方、トランジスタ72のソースおよびドレインの他方、トランジスタ73のソースおよびドレインの他方、トランジスタ74のソースおよびドレインの他方、およびトランジスタ75のゲートが電気的に接続するノードをノードCと呼ぶ。
<反転パルス出力回路の動作例>
上述した反転パルス出力回路の動作例について図15(B)を参照して説明する。なお、図15(B)には、図15(B)に示す期間t1〜期間t4において第2の反転パルス出力回路20_2の各端子に入力される信号、および出力される信号の電位、ならびにノードCの電位を示している。また、図15(B)における期間t1〜期間t4は、図14(B)における期間t1〜t4と同じ期間である。また、図15(B)では、各端子に入力される信号を括弧書きで付記している。なお、図中において、GBoutは、反転パルス出力回路の反転走査線に対する出力信号を表している。
期間t1〜期間t3において、端子61および端子62の少なくとも一方にハイレベルの電位(高電源電位(Vdd))が入力される。これにより、トランジスタ73、74、76、77がオン状態となる。そのため、ノードCの電位は、ロウレベルの電位(低電源電位(Vss))へと下降する。これに付随して、トランジスタ75がオフ状態となる。以上により、期間t1〜期間t3において、端子65から出力される信号は、ロウレベルの電位(低電源電位(Vss))となる。そのため、期間t1〜期間t3において、第2の反転パルス出力回路60_2は、画素部において2行目に配設された反転走査線7_2にロウレベルの電位(低電源電位(Vss))を出力する。
期間t4において、端子61および端子62にロウレベルの電位(低電源電位(Vss))が入力され、端子64にハイレベルの電位(高電源電位(Vdd))が入力される。これにより、トランジスタ73、74、76、77がオフ状態となり、トランジスタ72がオン状態となる。そのため、ノードCの電位がハイレベルの電位(高電源電位(Vdd)からトランジスタ72のしきい値電圧分下降した電位)に上昇し、トランジスタ75がオン状態となる。なお、トランジスタ72は、ノードCの電位が高電源電位(Vdd)からトランジスタ72のしきい値電圧分下降した電位まで上昇した段階でオフ状態となる。そして、トランジスタ72がオフ状態となる段階においては、トランジスタ75はオン状態を維持している。この場合、ノードCの電位は、トランジスタ72がオフ状態となった後もさらに上昇する。トランジスタ75のゲート(ノードC)及びソース間の容量結合が生じるためである。その結果、端子65から出力される信号が高電源電位(Vdd)から下降することがない。
以上により、期間t4において、端子65から出力される信号は、高電源電位(Vdd)となる。すなわち、期間t4において、第2の反転パルス出力回路60_2は、画素部において2行目に配設された反転走査線7_2に高電源電位(Vdd)を出力する。
<画素の構成例>
図16(A)は、図10に示す画素10の構成例を示す回路図である。ここでは、表示素子として、一対の電極間に電流励起によって発光する有機物を備えた素子(以下、有機エレクトロルミネッセンス(EL)素子ともいう)を用いる場合について説明する。
図16(A)に示す画素10は、トランジスタ11〜16と、キャパシタ17、18と、有機EL素子19とを有する。
トランジスタ11では、ソースおよびドレインの一方が信号線8に電気的に接続され、ゲートが走査線6に電気的に接続されている。
トランジスタ12では、ソースおよびドレインの一方が電位V1を供給する配線に電気的に接続され、ゲートが走査線5に電気的に接続されている。なお、ここでは、電位V1は、高電源電位(Vdd)よりも低電位でありかつ低電源電位(Vss)よりも高電位であることとする。
トランジスタ13では、ソースおよびドレインの一方が電源線9に電気的に接続され、ゲートがトランジスタ12のソースおよびドレインの他方に電気的に接続されている。
トランジスタ14では、ソースおよびドレインの一方がトランジスタ11のソースおよびドレインの他方に電気的に接続され、ソースおよびドレインの他方がトランジスタ13のソースおよびドレインの他方に電気的に接続され、ゲートが走査線5に電気的に接続されている。
トランジスタ15では、ソースおよびドレインの一方が電位V0を供給する配線に電気的に接続され、ソースおよびドレインの他方がトランジスタ13のソースおよびドレインの他方、およびトランジスタ14のソースおよびドレインの他方に電気的に接続され、ゲートが走査線4に電気的に接続されている。なお、ここでは、電位V0は、電位V1よりも低電位でありかつ低電源電位(Vss)よりも高電位であることとする。
トランジスタ16では、ソースおよびドレインの一方がトランジスタ13のソースおよびドレインの他方、トランジスタ14のソースおよびドレインの他方、およびトランジスタ15のソースおよびドレインの他方に電気的に接続され、ゲートが反転走査線7に電気的に接続されている。
キャパシタ17では、一方の電極がトランジスタ12のソースおよびドレインの他方、およびトランジスタ13のゲートに電気的に接続され、他方の電極がトランジスタ11のソースおよびドレインの他方、およびトランジスタ14のソースおよびドレインの一方に電気的に接続されている。
キャパシタ18では、一方の電極がトランジスタ11のソースおよびドレインの他方、トランジスタ14のソースおよびドレインの一方、およびキャパシタ17の他方の電極に電気的に接続され、他方の電極がトランジスタ13のソースおよびドレインの他方、トランジスタ14のソースおよびドレインの他方、トランジスタ15のソースおよびドレインの他方、およびトランジスタ16のソースおよびドレインの一方に電気的に接続されている。
有機EL素子19では、アノードがトランジスタ16のソースおよびドレインの他方、に電気的に接続され、カソードが共通電位を供給する配線に電気的に接続されている。なお、上述のトランジスタ12のソースおよびドレインの一方が電気的に接続する配線に与えられる共通電位と、有機EL素子19のカソードに与えられる共通電位とが異なる電位であってもよい。
なお、ここでは、電源線9が供給する電位は、高電源電位(Vdd)よりも低電位でありかつ電位V1よりも高電位であり、共通電位は、低電源電位(Vss)よりも低電位であることとする。
また、以下においては、トランジスタ12のソースおよびドレインの他方、トランジスタ13のゲート、およびキャパシタ17の一方の電極が電気的に接続するノードをノードDと呼び、トランジスタ11のソースおよびドレインの他方、トランジスタ14のソースおよびドレインの一方、キャパシタ17の他方の電極、およびキャパシタ18の一方の電極が電気的に接続するノードをノードEと呼び、トランジスタ13のソースおよびドレインの他方、トランジスタ14のソースおよびドレインの他方、トランジスタ15のソースおよびドレインの他方、トランジスタ16のソースおよびドレインの一方、およびキャパシタ18の他方の電極が電気的に接続するノードをノードFと呼ぶこととする。
図17(A)に、画素10の断面の一部を示す。なお、簡単のため、トランジスタ16以外のトランジスタは省略して示す。
図17(A)には、トランジスタ16とキャパシタ18とが、同一平面に設けられた例を示す。このような構造とすることで、キャパシタ18を構成する容量電極の一方、誘電体層および容量電極の他方を、それぞれトランジスタ16のゲート電極、ゲート絶縁膜およびソース電極(ドレイン電極)と同一層かつ同一材料を用いて形成することができる。
トランジスタ16とキャパシタ18とを同一平面に設けることにより、表示装置の作製工程を短縮化し、生産性を高めることができる。
トランジスタ16としては、先の実施の形態で示したトランジスタを適用することができる。図17(A)においては、図1に示すトランジスタと同様の構造および作製方法で得られるトランジスタを適用する例を示す。
トランジスタ16およびキャパシタ18上には、トランジスタ16のドレイン電極に達する開口部を有する平坦化絶縁膜80が設けられる。
平坦化絶縁膜80上には、アノード81が設けられる。アノード81は、平坦化絶縁膜80の有する開口部でトランジスタ16のドレイン電極と接する。
アノード81上には、アノード81に達する開口部を有する隔壁84が設けられる。
隔壁84上には、隔壁84に設けられた開口部でアノード81と接する発光層82が設けられる。
発光層82上には、カソード83が設けられる。
アノード81、発光層82およびカソード83の重畳する領域が、有機EL素子19となる。
なお、平坦化絶縁膜80は、平坦化絶縁膜126として示した材料から選択して用いればよい。
発光層82は、一層に限定されず、複数種の発光材料などを積層して設けてもよい。例えば、図17(B)に示すような構造とすればよい。図17(B)は、中間層85a、発光層86a、中間層85b、発光層86b、中間層85c、発光層86cおよび中間層85dの順番で積層した構造である。このとき、発光層86a、発光層86bおよび発光層86cに適切な発光色の材料を用いると演色性の高い、または発光効率の高い、有機EL素子19を形成することができる。
発光材料を複数種積層して設けることで、白色光を得てもよい。図17(A)には示さないが、白色光を着色層を介して取り出す構造としても構わない。
ここでは発光層を3層および中間層を4層設けた構造を示しているが、これに限定されるものではなく、適宜発光層の数および中間層の数を変更することができる。例えば、中間層85a、発光層86a、中間層85b、発光層86bおよび中間層85cのみで構成することもできる。また、中間層85a、発光層86a、中間層85b、発光層86b、発光層86cおよび中間層85dで構成し、中間層85cを省いた構造としても構わない。
また、中間層は、正孔注入層、正孔輸送層、電子輸送層および電子注入層などを積層構造で用いることができる。なお、中間層は、これらの層を全て備えなくてもよい。これらの層は適宜選択して設ければよい。なお、同様の機能を有する層を重複して設けてもよい。また、中間層としてキャリア発生層のほか、電子リレー層などを適宜加えてもよい。
アノード81は、可視光透過性を有する導電膜を用いればよい。可視光透過性を有するとは、可視光領域(例えば400nm〜800nmの波長範囲)における平均の透過率が70%以上、特に80%以上であることをいう。
アノード81としては、例えば、In−Zn−W系酸化物膜、In−Sn系酸化物膜、In−Zn系酸化物膜、In系酸化物膜、Zn系酸化物膜およびSn系酸化物膜などの酸化物膜を用いればよい。また、前述の酸化物膜は、Al、Ga、Sb、Fなどが微量添加されてもよい。また、光を透過する程度の金属薄膜(好ましくは、5nm〜30nm程度)を用いることもできる。例えば5nmの膜厚を有するAg膜、Mg膜またはAg−Mg合金膜を用いてもよい。
または、アノード81は、可視光を効率よく反射する膜が好ましい。アノード81は、例えば、リチウム、アルミニウム、チタン、マグネシウム、ランタン、銀、シリコンまたはニッケルを含む膜を用いればよい。
カソード83は、アノード81として示した膜から選択して用いることができる。ただし、アノード81が可視光透過性を有する場合は、カソード83が可視光を効率よく反射すると好ましい。また、アノード81が可視光を効率よく反射する場合は、カソード83が可視光透過性を有すると好ましい。
なお、アノード81およびカソード83を図17(A)に示す構造で設けているが、アノード81とカソード83を入れ替えても構わない。アノードとして機能する電極には、仕事関数の大きい材料を用いることが好ましく、カソードとして機能する電極には仕事関数の小さい材料を用いることが好ましい。ただし、アノードと接してキャリア発生層を設ける場合には、仕事関数を考慮せずに様々な導電性材料を陽極に用いることができる。
隔壁84は、平坦化絶縁膜126として示した材料から選択して用いればよい。
有機EL素子19と接続するトランジスタ16は、電気的特性のばらつきが小さいため、表示装置の表示品質を高めることができる。
<画素の動作例>
上述した画素の動作例について図16(A)、(B)を参照して説明する。具体的には、以下では、図14(B)および図15(B)に示す期間t1〜期間t4に含まれる期間である期間ta〜期間thにおける画素の動作例について、図16(A)、(B)を参照して説明する。なお、図16(B)には、画素部において2行目に配設された走査線4_2、走査線5_2、および走査線6_2、ならびに反転走査線7_2の電位、ならびにノードD〜ノードFの電位を示している。また、図16(B)では、各配線に入力される信号を括弧書きで付記している。
期間taにおいて、走査線4_2に選択信号が入力され、かつ走査線5_2、走査線6_2、および反転走査線7_2に選択信号が入力されない。これにより、トランジスタ15がオン状態となり、かつトランジスタ11、12、14、16がオフ状態となる。その結果、ノードFの電位が、電位V0となる。
期間tbにおいて、走査線5_2に選択信号が入力されるようになる。これにより、トランジスタ12、14がオン状態となる。その結果、ノードDの電位が、電位V1となり、ノードEの電位が、電位V0となる。さらに、ノードDの電位が電位V1になったことに付随して、トランジスタ13がオン状態となる。
期間tcにおいて、走査線4_2に選択信号が入力されなくなる。これにより、トランジスタ15がオフ状態となる。ここで、トランジスタ13は、ゲートとソース間の電圧がしきい値電圧以下となるまでオン状態を維持する。すなわち、トランジスタ13は、ノードE、F(トランジスタ13のソース)の電位が、ノードDの電位(電位V1)からトランジスタ13のしきい値電圧(Vth13)分低い値となるまでオン状態を維持する。その結果、ノードE、Fの電位が、当該値となる。
期間tdにおいて、走査線5_2に選択信号が入力されなくなる。これにより、トランジスタ12、14がオフ状態となる。
期間teにおいて、走査線6_2に選択信号が入力されるようになる。これにより、トランジスタ11がオン状態となる。なお、信号線8には、画像信号に応じた電位(Vdata)が供給されていることとする。その結果、ノードEの電位が当該画像信号に応じた電位(Vdata)となる。さらに、ノードDとノードFの電位もノードEの電位によって変動する。具体的には、浮遊状態にあるノードDの電位が、キャパシタ17を介したノードEとの容量結合によりノードEの電位の変動分(画像信号に応じた電位(Vdata)と、電位V1からトランジスタ13のしきい値電圧(Vth13)分低い値との差分)上昇または下降し(ノードDの電位が、V1+[Vdata−(V1−Vth13)]=Vdata+Vth13となる)、かつ浮遊状態にあるノードFの電位が、キャパシタ18を介したノードEとの容量結合により当該ノードEの電位の変動分上昇または下降する(ノードFの電位が、V1−Vth13+[Vdata−(V1−Vth13)]=Vdataとなる)。
期間tfにおいて、走査線4_2に選択信号が入力されるようになる。これにより、トランジスタ15がオン状態となる。その結果、ノードFの電位が、電位V0となる。
期間tgにおいて、走査線4_2に選択信号が入力されなくなる。これにより、トランジスタ15がオフ状態となる。
期間thにおいて、反転走査線7_2に選択信号が入力されるようになる。これにより、トランジスタ16がオン状態となる。その結果、トランジスタ13のゲートとソース間の電圧に応じた電流が有機EL素子19に供給される。ここで、当該電圧は、ノードDの電位(Vdata+Vth13)とノードFの電位の差である。この場合、有機EL素子19に供給される電流(トランジスタ13の飽和領域におけるドレイン電流)は、トランジスタ13のしきい値電圧に依存することがない。
以上の動作によって、画素10において、画像信号に応じた電位(Vdata)に応じた表示が行われる。上述した画素の動作例においては、画素10に設けられるトランジスタ13のしきい値電圧に依存することなく、有機EL素子19に対して電流を供給することが可能である。これにより、本明細書で開示される表示装置においては、複数の画素のそれぞれが有するトランジスタ13のしきい値電圧がばらつく場合であっても、表示品質の低下を抑制することが可能である。
以上に示す表示装置は、反転パルス出力回路の動作を複数種の信号によって制御する。これにより、当該反転パルス出力回路において生じる貫通電流を低減することが可能となる。また、当該複数種の信号として複数のパルス出力回路の動作に用いられる信号を適用する。すなわち、別途に信号を生成することなく、当該反転パルス出力回路を動作させることが可能である。
<液晶素子を用いた表示装置の例>
なお、本実施の形態では、表示素子として、有機EL素子を用いた表示装置について詳細に示したが、これに限定されるものではない。例えば、表示素子として、液晶素子を用いた表示装置に本実施の形態を適用することは、当業者であれば容易に想到しうるものである。具体的な例として、液晶素子を用いた表示装置に適用可能な画素の構成について、以下に説明する。
図18(A)は、液晶素子を用いた表示装置の画素の構成例を示す回路図である。図18(A)に示す画素50は、トランジスタ51と、キャパシタ52と、一対の電極間に液晶材料の充填された素子(以下液晶素子ともいう)53とを有する。
トランジスタ51では、ソースおよびドレインの一方が信号線55に電気的に接続され、ゲートが走査線54に電気的に接続されている。
キャパシタ52では、一方の電極がトランジスタ51のソースおよびドレインの他方に電気的に接続され、他方の電極が共通電位を供給する配線に電気的に接続されている。
液晶素子53では、一方の電極がトランジスタ51のソースおよびドレインの他方に電気的に接続され、他方の電極が共通電位を供給する配線に電気的に接続されている。なお、上述のキャパシタ52の他方の電極が電気的に接続する配線に与えられる共通電位と、液晶素子53の他方の電極に与えられる共通電位とが異なる電位であってもよい。
図18(B)に、画素50の断面の一部を示す。
図18(B)には、トランジスタ51とキャパシタ52とが、同一平面に設けられた例を示す。このような構造とすることで、キャパシタ52を構成する容量電極の一方、誘電体層および容量電極の他方を、それぞれトランジスタ51のゲート電極、ゲート絶縁膜およびソース電極(ドレイン電極)と同一層かつ同一材料を用いて形成することができる。
トランジスタ51とキャパシタ52とを同一平面に設けることにより、表示装置の作製工程を短縮化し、生産性を高めることができる。
トランジスタ51としては、先の実施の形態で示したトランジスタを適用することができる。図18(B)においては、図1に示すトランジスタと同様の構造および作製方法で得られるトランジスタを適用する例を示す。
トランジスタ51およびキャパシタ52上には、トランジスタ51のドレイン電極に達する開口部を有する平坦化絶縁膜90が設けられる。
平坦化絶縁膜90上には、電極91が設けられる。電極91は、平坦化絶縁膜90の有する開口部でトランジスタ51のドレイン電極と接する。
電極91上には、配向膜として機能する絶縁膜92が設けられる。
絶縁膜92上には、液晶層93が設けられる。
液晶層93上には、配向膜として機能する絶縁膜94が設けられる。
絶縁膜94上には、スペーサ95が設けられる。
スペーサ95および絶縁膜94上には、電極96が設けられる。
電極96上には、基板97が設けられる。
なお、平坦化絶縁膜90は、実施の形態2の平坦化絶縁膜126として示した材料から選択して用いればよい。
液晶層93は、サーモトロピック液晶、低分子液晶、高分子液晶、高分子分散型液晶、強誘電性液晶、反強誘電性液晶などを用いればよい。これらの液晶材料は、条件により、コレステリック相、スメクチック相、キュービック相、カイラルネマチック相、等方相などを示す。
なお、液晶層93として、ブルー相を示す液晶材料を用いてもよい。その場合、配向膜として機能する絶縁膜92、94を設けない構成とすればよい。
電極91は、可視光透過性を有する導電膜を用いればよい。
電極91としては、例えば、In−Zn−W系酸化物膜、In−Sn系酸化物膜、In−Zn系酸化物膜、In系酸化物膜、Zn系酸化物膜およびSn系酸化物膜などの酸化物膜を用いればよい。また、前述の酸化物膜は、Al、Ga、Sb、Fなどが微量添加されてもよい。また、光を透過する程度の金属薄膜(好ましくは、5nm〜30nm程度)を用いることもできる。
または、電極91は、可視光を効率よく反射する膜が好ましい。電極91は、例えば、アルミニウム、チタン、クロム、銅、モリブデン、銀、タンタルまたはタングステンを含む膜を用いればよい。
電極96は、電極91として示した膜から選択して用いることができる。ただし、電極91が可視光透過性を有する場合は、電極96が可視光を効率よく反射すると好ましい。また、電極91が可視光を効率よく反射する場合は、電極96が可視光透過性を有すると好ましい。
なお、電極91および電極96を図18(B)に示す構造で設けているが、電極91と電極96を入れ替えても構わない。
絶縁膜92、94は、有機化合物材料または無機化合物材料から選択して用いればよい。
スペーサ95は、有機化合物材料または無機化合物材料から選択して用いればよい。
なお、スペーサ95の形状は、柱状、球状など様々にとることができる。
液晶素子53と接続するトランジスタ51は、電気的特性のばらつきが小さいため、表示装置の表示品質を高めることができる。
電極91、絶縁膜92、液晶層93、絶縁膜94および電極96の重畳する領域が、液晶素子53となる。
基板97は、ガラス材料、樹脂材料または金属材料などを用いればよい。基板97は可撓性を有してもよい。
トランジスタ51は、電気的特性のばらつきが小さいため、表示装置の表示品質を高めることができる。
本実施の形態に示したように、先の実施の形態で示したトランジスタを表示装置の一部に適用することができる。当該トランジスタは電気的特性のばらつきが小さいため、表示装置の表示品質を高めることができる。
(実施の形態4)
本明細書に開示する半導体装置は、さまざまな電子機器(遊技機も含む)に適用することができる。電子機器としては、テレビジョン装置(テレビ、またはテレビジョン受信機ともいう)、コンピュータ用などのモニタ、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、デジタルフォトフレーム、携帯電話機、携帯型ゲーム機、携帯情報端末、音響再生装置、遊技機(パチンコ機、スロットマシン等)、ゲーム筐体が挙げられる。これらの電子機器の具体例を図19及び図20に示す。
図19(A)は、表示部を有するテーブル9000を示している。テーブル9000は、筐体9001に表示部9003が組み込まれており、表示部9003により映像を表示することが可能である。なお、4本の脚部9002により筐体9001を支持した構成を示している。また、電力供給のための電源コード9005を筐体9001に有している。
先の実施の形態に示す半導体装置は、表示部9003に用いることが可能であり、電子機器に高い信頼性を付与することができる。
表示部9003は、タッチ入力機能を有しており、テーブル9000の表示部9003に表示された表示ボタン9004を指などで触れることで、画面操作や、情報を入力することができ、また他の家電製品との通信を可能とする、または制御を可能とすることで、画面操作により他の家電製品をコントロールする制御装置としてもよい。例えば、イメージセンサ機能を有する半導体装置を用いれば、表示部9003にタッチ入力機能を持たせることができる。
また、筐体9001に設けられたヒンジによって、表示部9003の画面を床に対して垂直に立てることもでき、テレビジョン装置としても利用できる。狭い部屋においては、大きな画面のテレビジョン装置は設置すると自由な空間が狭くなってしまうが、テーブルに表示部が内蔵されていれば、部屋の空間を有効に利用することができる。
図19(B)は、テレビジョン装置9100を示している。テレビジョン装置9100は、筐体9101に表示部9103が組み込まれており、表示部9103により映像を表示することが可能である。なお、ここではスタンド9105により筐体9101を支持した構成を示している。
テレビジョン装置9100の操作は、筐体9101が備える操作スイッチや、別体のリモコン操作機9110により行うことができる。リモコン操作機9110が備える操作キー9109により、チャンネルや音量の操作を行うことができ、表示部9103に表示される映像を操作することができる。また、リモコン操作機9110に、当該リモコン操作機9110から出力する情報を表示する表示部9107を設ける構成としてもよい。
図19(B)に示すテレビジョン装置9100は、受信機やモデムなどを備えている。テレビジョン装置9100は、受信機により一般のテレビ放送の受信を行うことができ、さらにモデムを介して有線または無線による通信ネットワークに接続することにより、一方向(送信者から受信者)または双方向(送信者と受信者間、または受信者間同士など)の情報通信を行うことも可能である。
先の実施の形態に示す半導体装置は、表示部9103、9107に用いることが可能であり、テレビジョン装置、およびリモコン操作機に高い信頼性を付与することができる。
図19(C)はコンピュータであり、本体9201、筐体9202、表示部9203、キーボード9204、外部接続ポート9205、ポインティングデバイス9206等を含む。
先の実施の形態に示す半導体装置は、表示部9203に用いることが可能であり、信頼性の高いコンピュータとすることが可能となる。
図20(A)および図20(B)は2つ折り可能なタブレット型端末である。図20(A)は、開いた状態であり、タブレット型端末は、筐体9630、表示部9631a、表示部9631b、表示モード切り替えスイッチ9034、電源スイッチ9035、省電力モード切り替えスイッチ9036、留め具9033、操作スイッチ9038、を有する。
先の実施の形態に示す半導体装置は、表示部9631a、表示部9631bに用いることが可能であり、信頼性の高いタブレット型端末とすることが可能となる。
表示部9631aは、一部をタッチパネルの領域9632aとすることができ、表示された操作キー9638にふれることでデータ入力をすることができる。なお、表示部9631aにおいては、一例として半分の領域が表示のみの機能を有する構成、もう半分の領域がタッチパネルの機能を有する構成を示しているが該構成に限定されない。表示部9631aの全ての領域がタッチパネルの機能を有する構成としてもよい。例えば、表示部9631aの全面をキーボードボタン表示させてタッチパネルとし、表示部9631bを表示画面として用いることができる。
また、表示部9631bにおいても表示部9631aと同様に、表示部9631bの一部をタッチパネルの領域9632bとすることができる。また、タッチパネルのキーボード表示切り替えボタン9639が表示されている位置に指やスタイラスなどでふれることで表示部9631bにキーボードボタン表示することができる。
また、タッチパネルの領域9632aとタッチパネルの領域9632bに対して同時にタッチ入力することもできる。
また、表示モード切り替えスイッチ9034は、縦表示または横表示などの表示の向きを切り替え、白黒表示やカラー表示の切り替えなどを選択できる。省電力モード切り替えスイッチ9036は、タブレット型端末に内蔵している光センサで検出される使用時の外光の光量に応じて表示の輝度を最適なものとすることができる。タブレット型端末は光センサだけでなく、ジャイロ、加速度センサ等の傾きを検出するセンサなどの他の検出装置を内蔵させてもよい。
また、図20(A)では表示部9631bと表示部9631aの表示面積が同じ例を示しているが特に限定されず、一方のサイズともう一方のサイズが異なっていてもよく、表示の品質も異なっていてもよい。例えば一方が他方よりも高精細な表示を行える表示パネルとしてもよい。
図20(B)は、閉じた状態であり、タブレット型端末は、筐体9630、太陽電池9633、充放電制御回路9634、バッテリー9635、DCDCコンバータ9636を有する。なお、図20(B)では充放電制御回路9634の一例としてバッテリー9635、DCDCコンバータ9636を有する構成について示している。
なお、タブレット型端末は2つ折り可能なため、未使用時に筐体9630を閉じた状態にすることができる。従って、表示部9631a、表示部9631bを保護できるため、耐久性に優れ、長期使用の観点からも信頼性の優れたタブレット型端末を提供できる。
また、この他にも図20(A)および図20(B)に示したタブレット型端末は、様々な情報(静止画、動画、テキスト画像など)を表示する機能、カレンダー、日付または時刻などを表示部に表示する機能、表示部に表示した情報をタッチ入力操作または編集するタッチ入力機能、様々なソフトウェア(プログラム)によって処理を制御する機能、等を有することができる。
タブレット型端末の表面に装着された太陽電池9633によって、電力をタッチパネル、表示部、または映像信号処理部等に供給することができる。なお、太陽電池9633は、筐体9630の片面又は両面に設けることができ、バッテリー9635の充電を効率的に行う構成とすることができる。なお、バッテリー9635としては、リチウムイオン電池を用いると、小型化を図れる等の利点がある。
また、図20(B)に示す充放電制御回路9634の構成、および動作について図20(C)にブロック図を示し説明する。図20(C)には、太陽電池9633、バッテリー9635、DCDCコンバータ9636、コンバータ9637、スイッチSW1乃至SW3、表示部9631について示しており、バッテリー9635、DCDCコンバータ9636、コンバータ9637、スイッチSW1乃至SW3が、図20(B)に示す充放電制御回路9634に対応する箇所となる。
まず、外光により太陽電池9633により発電がされる場合の動作の例について説明する。太陽電池で発電した電力は、バッテリー9635を充電するための電圧となるようDCDCコンバータ9636で昇圧または降圧がなされる。そして、表示部9631の動作に太陽電池9633からの電力が用いられる際にはスイッチSW1をオンにし、コンバータ9637で表示部9631に必要な電圧に昇圧または降圧をすることとなる。また、表示部9631での表示を行わない際には、SW1をオフにし、SW2をオンにしてバッテリー9635の充電を行う構成とすればよい。
なお、太陽電池9633については、発電手段の一例として示したが、特に限定されず、圧電素子(ピエゾ素子)や熱電変換素子(ペルティエ素子)などの他の発電手段によるバッテリー9635の充電を行う構成であってもよい。例えば、無線(非接触)で電力を送受信して充電する無接点電力伝送モジュールや、また他の充電手段を組み合わせて行う構成としてもよい。
本実施の形態に示す構成、方法などは、他の実施の形態に示す構成、方法などと適宜組み合わせて用いることができる。
本実施例では、本発明の一態様に係るトランジスタおよび比較のためのトランジスタの電気的特性について評価した結果について説明する。
本実施例では、本発明の一態様として図21に示すトランジスタ1100と、比較のための図22に示すトランジスタ1200とを、それぞれ2条件作製した。図21(A)は、トランジスタ1100の平面図であり、図21(B)は、図21(A)のX1−X2における断面図である。図22(A)は、トランジスタ1200の平面図であり、図22(B)は、図22(A)のY1−Y2における断面図である。
以下、トランジスタ1100およびトランジスタ1200の作製工程について図21および図22を参照して説明する。なお、トランジスタ1100およびトランジスタ1200は、同一基板上で作製した。
基板1010上に、スパッタリング法により、膜厚100nmのタングステン膜を成膜し、フォトリソグラフィ工程により、タングステン膜上にレジストマスクを形成し、選択的にタングステン膜のエッチングを行って、ゲート電極層1011およびゲート電極層1021を形成した。その後、レジストマスクを除去した。
次に、基板1010、ゲート電極層1011、およびゲート電極層1021を覆うように、PECVD法により、膜厚50nmの窒化シリコン膜(成膜条件:SiH4/N2=50sccm/5000sccm、成膜電力150W(RF)、成膜圧力40Pa、基板温度350℃)と、膜厚200nmの酸化窒化シリコン膜(成膜条件:SiH4/N2O=20sccm/3000sccm、電極面積が6000cm2のとき成膜電力100W(RF)、成膜圧力40Pa、基板温度350℃)とを成膜して、ゲート絶縁膜1012を形成した。
次に、窒素雰囲気下、650℃で6分間、加熱処理を行った。当該加熱処理により、ゲート絶縁膜1012中に含まれる水素や水等を除去した。
次に、ゲート絶縁膜1012上に、酸化物半導体膜として、In:Ga:Zn=1:1:1[原子数比]の酸化物ターゲットを用いたスパッタリング法により、膜厚35nmのIGZO膜を形成した。成膜条件は、アルゴンおよび酸素(アルゴン/酸素=50sccm/50sccm)雰囲気下、圧力0.6Pa、電源電力5kW、基板温度170℃とした。
次に、フォトリソグラフィ工程により、酸化物半導体膜上にレジストマスクを形成し、選択的に酸化物半導体膜のエッチングを行い、ゲート電極層1011と重畳するように酸化物半導体膜1013を形成し、ゲート電極層1021と重畳するように酸化物半導体膜1023を形成した。その後、レジストマスクを除去した。
次に、窒素雰囲気下、450℃で1時間、加熱処理を行った後、さらに、窒素および酸素の混合雰囲気下、450℃で1時間、加熱処理を行った。
次に、酸化物半導体膜1013および酸化物半導体膜1023上に、スパッタリング法により、膜厚50nmのタングステン膜と、膜厚400nmのアルミニウム膜と、膜厚100nmのチタン膜とを成膜した。
次に、フォトリソグラフィ工程により、チタン膜上にレジストマスクを形成し、選択的にチタン膜、アルミニウム膜、タングステン膜のエッチングを行い、ソース電極層1014、ドレイン電極層1015、ソース電極層1024、ドレイン電極層1025を形成した。その後、レジストマスクを除去した。
次に、窒素および酸素の混合雰囲気下、300℃で1時間加熱処理を行った。
次に、ソース電極層1014、ドレイン電極層1015、ソース電極層1024、ドレイン電極層1025等を覆うように、PECVD法により、膜厚30nmの酸化窒化シリコン膜を成膜した。成膜条件は、SiH4/N2O=20sccm/3000sccm、成膜電力100W(RF)、電極面積が6000cm2のとき成膜圧力200Pa、基板温度350℃とした。
次に、酸化窒化シリコン膜に、酸素添加処理を行った。酸素添加処理は、アッシング装置を用いて、ICP(Inductively Coupled Plasma:誘導結合型プラズマ)電力を0W、バイアス電力を4500W、圧力を15.0Pa、O2ガスを流量250sccmとして、10分間行った。
次に、酸化窒化シリコン膜上に、さらに、PECVD法により、膜厚370nmの酸化窒化シリコン膜を成膜した。成膜条件は、SiH4/N2O=230sccm/4000sccm、電極面積が6000cm2のとき成膜電力150W(RF)、成膜圧力200Pa、基板温度220℃とした。このように、酸素が添加された膜厚30nmの酸化窒化シリコン膜と、膜厚370nmの酸化窒化シリコン膜とを積層することで、絶縁膜1016を形成した。
次に、窒素および酸素の混合雰囲気下、350℃で1時間加熱処理を行った。
次に、以下に示す2つの条件に従って、トランジスタ1100およびトランジスタ1200を作製した。条件1と条件2の違いは、絶縁膜1017の有無である。
条件1においては、加熱処理を行った後、酸化窒化シリコン膜上に、膜厚1.5μmのアクリル樹脂を塗布して、窒素雰囲気下、250℃で1時間、アクリル樹脂の焼成を行った。このようにして平坦化絶縁膜1018を形成した。
以上の工程により、条件1に係るトランジスタ1100およびトランジスタ1200を作製した。
条件2においては、加熱処理を行った後、スパッタリング法により、膜厚5nmのアルミニウム膜を成膜した。次に、アルミニウム膜に酸素添加処理を行うことにより、アルミニウム膜を酸化し、酸化アルミニウム膜を形成した。酸素添加処理は、アッシング装置を用いて、ICP電力を0W、バイアス電力を4500W、圧力を15.0Pa、O2ガスを流量250sccmとして、10分間行った。このようにして、絶縁膜1017を形成した。
次に、絶縁膜1017(酸化アルミニウム膜)上に、膜厚1.5μmのアクリル樹脂を塗布して、窒素雰囲気下、250℃で1時間、アクリル樹脂の焼成を行った。このようにして平坦化絶縁膜1018を形成した。なお、電気的特性を評価するために、平坦化絶縁膜1018、絶縁膜1017、及び絶縁膜1016に開口部を設け、針を当てることによって行った。
以上の工程により、条件2に係るトランジスタ1100およびトランジスタ1200を作製した。
次に、条件1または条件2の工程に従って作製したトランジスタ1100およびトランジスタ1200の電気的特性をそれぞれ評価した。なお、電気的特性を評価するために、平坦化絶縁膜1018、絶縁膜1017、および絶縁膜1016に開口部を設けた。
図23(A)に、条件1の工程に従って作製したトランジスタ1100およびトランジスタ1200におけるVg−Id特性を測定した結果を示し、図23(B)に、条件2の工程に従って作製したトランジスタ1100およびトランジスタ1200におけるVg−Id特性を測定した結果を示す。図23(A)(B)において、太い線はトランジスタ1100の特性であり、細い線はトランジスタ1200の特性である。なお、トランジスタ1100のチャネル長Lは4μm、チャネル幅Wは41μmであり、トランジスタ1200のチャネル長Lは4μm、チャネル幅Wは50μmである。また、Vdは、+1V、+10V、Vsは0Vとした。
トランジスタ1100は、条件1に従って作製された場合、条件2に従って作製された場合のいずれの場合であっても、しきい値電圧が0Vよりも高く、ノーマリ−オフの電気的特性が得られた。これに対し、トランジスタ1200は、条件2に従って作製された場合は、しきい値電圧が0Vより高いものの、条件1に従って作製された場合は、しきい値電圧がマイナスとなってしまい、ノーマリーオンの電気的特性となってしまった。
条件1に従って作製されたトランジスタ1200においては、酸化物半導体膜1023の端部における水素の除去や、酸素欠損の補償が不十分であったため、酸化物半導体膜1023の端部のキャリア密度が高まってしまい、当該端部に、低抵抗化された領域が形成されてしまったと考えられる。また、酸化物半導体膜1023の端部がゲート電極層1021と重畳することで、しきい値電圧がマイナスである寄生チャネルが形成されてしまったと考えられる。この結果、図23(A)に示すように、トランジスタ1200のしきい値電圧がマイナスとなってしまい、ノーマリーオンの電気的特性になってしまったと考えられる。
条件2に従って作製されたトランジスタ1200においては、絶縁膜1016上に、絶縁膜1017として、酸化アルミニウム膜が形成されている。酸化アルミニウム膜は、酸素を透過させにくいため、絶縁膜1016(酸化窒化シリコン膜)に添加された酸素が脱離して、酸化アルミニウム膜の外部に放出されるのを防止することができる。そのため、酸化窒化シリコン膜に添加された酸素を、酸化物半導体膜1023に供給することができたため、酸化物半導体膜1023の端部の酸素欠損を低減できたと考えられる。これにより、酸化物半導体膜1023の端部の低抵抗化が抑制され、酸化物半導体膜1023の端部がゲート電極層1021と重畳しても、寄生チャネルの形成を抑制できたと考えられる。この結果、図23(B)に示すように、トランジスタ1200のしきい値電圧が0Vより高い、ノーマリ−オフの電気的特性が得られたと考えられる。
これに対し、トランジスタ1100の場合は、ソース電極層1014とドレイン電極層1015の対向する領域(チャネル領域)が酸化物半導体膜1013の端部に掛からない。そのため、たとえ、酸化物半導体膜1013の端部が低抵抗化したとしても、寄生チャネルは形成されない。この結果、図23(A)(B)に示すように、条件1および条件2においても、トランジスタ1100のしきい値電圧は、0Vより高い、ノーマリーオフの電気的特性が得られたと考えられる。
以上の結果から、酸化物半導体膜の端部に形成される寄生チャネルは、トランジスタのしきい値電圧に影響することがわかった。
また、以上の結果から、本発明の一態様に係るトランジスタは、電気的特性に優れたトランジスタであることが示された。