以下、本発明の好適な実施形態を説明する。
ここで、本明細書において特に言及している事項以外の事柄であって本発明の実施に必要な事柄は、本明細書に記載された発明の実施についての教示と出願時の技術常識とに基づいて当業者に理解され得る。本発明は、本明細書に開示されている内容と当該分野における技術常識とに基づいて実施することができる。
なお、以下の図面において、同じ作用を奏する部材・部位には同じ符号を付して説明することがあり、重複する説明は省略または簡略化することがある。また、図面に記載の実施形態は、本発明を明瞭に説明するために模式化されており、製品として実際に提供される本発明の固定部材等のサイズや縮尺を正確に表したものではない。
この明細書において「粘着剤」とは、前述のように、室温付近の温度域において柔らかい固体(粘弾性体)の状態を呈し、圧力により簡単に被着体に接着する性質を有する材料をいう。ここでいう粘着剤は、「C. A. Dahlquist, “Adhesion: Fundamental and Practice”, McLaren & Sons, (1966) P. 143」に定義されているように、一般的に、複素引張弾性率E*(1Hz)<107dyne/cm2を満たす性質を有する材料(典型的には、25℃において上記性質を有する材料)であり得る。また、粘着剤の「ベースポリマー」とは、該粘着剤に含まれるゴム状ポリマー(室温付近の温度域においてゴム弾性を示すポリマー)のうちの主成分(すなわち、該ゴム状ポリマーの50重量%以上を占める成分)をいう。なお、本明細書において「主成分」とは、特記しない場合、50重量%以上を占める成分をいう。
この明細書において「携帯電子機器」とは、携帯して使用する電子機器一般のことをいい、それ以外特に限定されない。ここで「携帯」とは、単に携帯することが可能であるだけでは十分ではなく、個人(標準的な成人)が相対的に容易に持ち運び可能なレベルの携帯性を有することを意味するものとする。ここでいう「携帯電子機器」の例には、携帯電話、スマートフォン、タブレット型PC、ノートPC等が含まれる。このような携帯電子機器は、いわゆるウェアラブル型(例えば、腕時計型等のリストバンド型、メガネ型等のヘッドマウント型等)の端末であってもよい。上記携帯電子機器は、例えば、電話、時計、カメラ、メガネ、パソコンその他の情報端末、血圧計や脈拍計、歩数計等の健康管理ツール、音楽プレーヤー、動画プレーヤー、録音、録画等の1または2以上の機能を有するものであり得る。
ここに開示される固定部材は、このような携帯電子機器において、該携帯電子機器の表示部(液晶表示装置の表示部であり得る。)または表示部保護部材と筐体との接合に用いられ得る。特に、液晶表示装置を有する携帯電子機器において、表示部または表示部保護部材と筐体とを接合する用途に好適である。
なお、上記表示部保護部材は、典型的には厚さ方向への光透過性を示す領域を有する部材(以下「光透過性部材」ともいう。)であり、レンズと称されることもある。ここで、本明細書において「レンズ」とは、光の屈折作用を示すものと光の屈折作用を示さないものとの両方を包含する概念である。つまり、本明細書における「レンズ」には、屈折作用がない光透過性部材、例えば携帯電子機器の表示部を単に保護する保護パネル等も含まれる。上記保護パネルは、光透過性を有する表示部保護部材または表示部カバー部材としても把握され得る。上記保護パネルの材質がガラスである場合、該保護パネルは「カバーガラス」とも称することができる。ただし、上記保護パネルまたは上記レンズの材質はガラスに限定されず、光透過性を示し得る材質であればよい。
<固定部材>
ここに開示される固定部材は、発泡体基材と、該発泡体基材の少なくとも一方の面に配置された粘着剤層とを含む。したがって、ここに開示される固定部材は、携帯電子機器の表示部または表示部保護部材(以下「固定対象部品」ともいう。)を筐体に固定する接合部材としての形状(外形)に加工された粘着シートとしても把握され得る。
ここに開示される固定部材は、典型的には、発泡体基材の両面に粘着剤層を有する両面粘着シート(発泡体基材付き両面粘着シート)の形態、すなわち両面粘着性固定部材の形態で好ましく実施される。このような両面粘着性固定部材は、例えば、固定対象部品と筐体との接合操作の簡便性や、接合品質の向上、品質安定性等の観点から有利である。ここに開示される固定部材は、また、発泡体基材の一方の面にのみ粘着剤層を有し、該一方の面のみが粘着性表面(粘着面)となっている片面粘着シートの形態、すなわち片面粘着性固定部材として構成されていてもよい。片面粘着性固定部材を用いて固定対象部品を筐体に固定する場合、粘着剤層を有しない側の面は、粘着以外の手法(例えば、接着剤を用いる方法、熱融着させる方法等)により被着体に固定することができる。
ここに開示される固定部材は、少なくとも一部に幅2.0mm未満の細幅部を有する形状であればよい。すなわち、幅2.0mm未満の部分のみからなる形状(すなわち、全体が細幅部に該当する形状)であってもよく、幅2.0mm未満の部分と幅2.0mm以上の部分(非細幅部)とを有する形状であってもよい。上記細幅部の形状は、典型的には線状である。ここで線状とは、直線状、曲線状、折線状(例えばL字型)等の他、枠状や円状等の環状や、これらの複合的または中間的な形状を包含する概念である。細幅部の幅は、一定であってもよく、場所によって異なってもよい。
ここに開示される固定部材は、該固定部材の100%モジュラスM[N/mm2基材]および発泡体基材の厚さHs[mm]との関係で、細幅部の平均幅W[mm]が0.4/(M×Hs)以上となるように構成されている。このように構成することにより、固定対象部品と筐体とを信頼性よく接合することができる。例えば、上記細幅部においても耐衝撃性のよい接合部を形成することができる。細幅部の平均幅W[mm]が0.5/(M×Hs)以上(さらに好ましくは0.6/(M×Hs)以上、例えば0.7/(M×Hs)以上)である固定部材によると、より良好な性能(例えば、落下衝撃を受けても防水性や防塵性が損なわれ難い接合部を形成し得る性能)が実現され得る。
ここで、固定部材の細幅部の平均幅W[mm]は、当該固定部材に含まれる細幅部の合計面積を合計長さで除算して得られる。細幅部の幅が一定である場合、該細幅部の幅と上記平均幅とは一致する。ここに開示される固定部材における細幅部の平均幅Wは、該細幅部の定義から、常に2.0mm未満である。ここに開示される固定部材は、細幅部の平均幅Wが1.5mm未満(より好ましくは1.0mm以下、典型的には1.0mm未満、例えば0.8mm未満)である態様で好ましく実施され得る。このような態様の固定部材では、ここに開示される技術を適用して細幅化と接合信頼性(例えば、落下衝撃に対する耐久性)とを好適に両立させることが特に有意義である。細幅部の平均幅Wの下限は特に制限されないが、通常は0.1mm以上が適当であり、0.2mm以上が好ましい。細幅部の平均幅Wが0.3mm以上であってもよい。
固定部材の100%モジュラスM[N/mm2基材]は、典型的には、該固定部材の原反である粘着シート(すなわち、裁断や打ち抜き等により固定部材の形状に加工される前の粘着シート)を用いて測定される。
具体的には、測定対象のサンプル(粘着シート)を幅10mm、長さ40mmのサイズにカットして試験片を作製する。このとき、試験片の長さ方向がサンプルの流れ方向(MD)と一致する向きとなるようにする。この試験片を、温度23℃、50%RHの測定環境下において、試験長(チャック間長さ)を10mmとして引張試験機に垂直にセットし、50mm/分の引張速度で垂直方向に引き伸ばす。上記試験長の変化率が100%となったとき(20mmまで伸びたとき)の強度を発泡体基材の断面積当たりに換算した値[N/mm2基材]を、上記サンプルのMDについての100%モジュラスとする(以下「MDモジュラス」ともいう。)。
また、試験片の長さ方向をサンプルのMDと直交する幅方向(TD)とする他は上記MD100%モジュラスの測定と同様にして、該サンプルのTDについての100%モジュラス[N/mm2基材]を求める(以下「TDモジュラス」ともいう。)。
上記MDモジュラスおよび上記TDモジュラスを平均することにより、上記サンプルの100%モジュラスM[N/mm2基材]が求められる。
なお、固定部材が十分なサイズを有する場合には、該固定部材の原反である粘着シートから試験片を作製する代わりに、該固定部材を幅10mm、長さ40mmのサイズにカットして試験片を作製してもよい。
耐衝撃性の方向依存性を低減する観点からは、MDモジュラスとTDモジュラスとが極端には異ならないことが好ましい。特に限定するものではないが、TDモジュラス[N/mm2基材]に対するMDモジュラス[N/mm2基材]の比は、例えば0.3〜3とすることができ、通常は0.5〜2の範囲にあることが好ましく、0.6〜1.5の範囲にあることがより好ましい。
特に限定するものではないが、ここに開示される固定部材の100%モジュラスMは、例えば2.0N/mm2基材以上(典型的には3.0N/mm2基材以上)であり得る。100%モジュラスMは、通常、4.0N/mm2基材よりも高いことが好ましく、より好ましくは4.5N/mm2基材以上、さらに好ましくは5.0N/mm2基材以上(典型的には5.0N/mm2基材超、例えば5.5N/mm2基材以上)である。100%モジュラスMが高くなると、細幅でも良好な接合信頼性が得られやすくなる傾向にある。また、衝撃等の外力による固定部材の損傷(例えば発泡体基材の損傷)がよりよく防止される傾向にある。好ましい一態様に係る固定部材は、100%モジュラスMが6.0N/mm2基材以上であり得る。また、柔軟性等の観点から、固定部材の100%モジュラスMは、通常、12.0N/mm2基材以下が適当であり、好ましくは10.0N/mm2基材以下、より好ましくは8.0N/mm2基材以下である。固定部材の100%モジュラスMは、例えば、発泡体基材の架橋度や密度(見掛け密度)、気泡のサイズや形状等により制御することができる。
なお、発泡体基材と粘着剤層とを有する固定部材の100%モジュラスMを発泡体基材の断面積当たり(/mm2基材)の数値として表す理由は、ここに開示される固定部材の100%引き伸ばし強度に占める粘着剤層の寄与は通常極めて小さいため、上記引き伸ばし強度を断面積当たりに換算する際に粘着剤層の断面積を含めると、本願の目的に適う固定部材の特性の把握が却って困難となるためである。
ここに開示される固定部材は、一の部材(典型的には1枚のシート、すなわちひとつながりのシート)から構成されていてもよく、二以上の部材(サブ固定部材、典型的には2枚以上のシート)から構成されていてもよい。形状精度や貼付け作業性の観点から、1枚のシートからなる固定部材(典型的には、一体成形された発泡体基材を有する固定部材)を好ましく採用し得る。防水性や防塵性の観点からは、1枚のシートからなる継ぎ目のない環状の固定部材が好ましい。一方、二以上のサブ固定部材からなる構成の固定部材は、該固定部材の製造において原材料(例えば発泡体基材)を効率よく利用し得るため、生産性やコストの面で有利となり得る。
ひとつの固定部材(二以上のサブ固定部材からなる固定部材であり得る。以下同じ。)に含まれる細幅部の数は特に限定されない。ここで、細幅部の数とは、2.0mm未満の幅で連続する部分の数をいう。ひとつの固定部材には、細幅部に該当しない部分(以下、「非細幅部」または「ランド部」ともいう。)により隔てられるか、または物理的な間隙により隔てられた複数の細幅部が含まれ得る。あるいは、単一の(ひとつながりの)細幅部のみを含む固定部材であってもよい。そのような固定部材の一例として、全体が細幅部からなる固定部材が挙げられる。
好ましい一態様に係る固定部材は、少なくともひとつの細幅部の長さが1cm以上(典型的には3cm以上、より好ましくは5cm以上、例えば7cm以上、さらには10cm以上)である。ここに開示される技術は、このような形状の固定部材に好ましく適用されて、細幅化と接合信頼性を好適に両立し得る。細幅部の長さの上限は特に制限されないが、通常は150cm以下であり、典型的には100cm以下(例えば50cm以下、さらには35cm以下)である。
ここに開示される固定部材の平面形状における中央部には、典型的には、上記固定部材の内縁により区画された窓部が形成されている。特に限定するものではないが、上記窓部の面積Aoは、上記固定部材の面積Afの例えば3倍以上であり得る。好ましい一態様に係る固定部材では、上記窓部の面積Aoが上記固定部材の面積Afの5倍以上である。すなわち、Ao/Afが5以上である。このように固定部材の面積の割に窓部の面積が大きい表示部等用の固定部材では、相対的に大面積の表示部または表示部保護部材が相対的に狭い接合面積で筐体に固定されることとなるため、ここに開示される技術を適用することが特に有意義である。ここに開示される技術は、Ao/Afが10以上(より好ましくは20以上、例えば30以上、さらには50以上)である態様でも好ましく実施され得る。Ao/Afの上限は特に限定されないが、通常は100以下が適当である。なお、上記固定部材の面積Afとは、該固定部材の平面形状における実体部分の面積を意味し、窓部の面積Aoは含まない。窓部の面積Aoは特に限定されない。ここに開示される技術は、例えば、窓部の面積Aoが20cm2以上(典型的には20〜2000cm2、好ましくは40〜1000cm2)である固定部材の態様で実施することができる。このように広い窓部を有する態様では、ここに開示される技術を適用する意義が大きい。
ここに開示される固定部材の厚さHf[mm]は特に限定されない。通常は、凡そ0.07mm以上(典型的には凡そ0.08mm以上、好ましくは凡そ0.09mm以上、より好ましくは凡そ0.10mm以上、例えば凡そ0.12mm以上)が適当であり、凡そ0.15mm以上であってもよい。また、固定部材の厚さHfは、通常、凡そ0.80mm以下(典型的には凡そ0.50mm以下、好ましくは凡そ0.40mm以下、より好ましくは凡そ0.35mm以下)が適当であり、凡そ0.30mm以下(例えば凡そ0.25mm以下、さらには凡そ0.20mm以下)であってもよい。固定部材の厚さHfを上述した上限値以下にすることにより、製品の薄膜化、小型化、軽量化、省資源化等の点で有利となり得る。また、固定部材の厚さHfを上述した下限値以上にすることにより、優れた耐衝撃性や防水性、防塵性等を示すものとなり得る。ここでHfは、固定部材の厚さをmmの単位で表したときの数値部分であって、Hf自体は無次元数である(本明細書に記載された他の式中のHfにおいて同じ。)。一態様において、固定部材の厚さHfは、0.07mm〜0.80mm程度(例えば0.08mm〜0.50mm程度)の範囲であってよく、0.09mm〜0.40mm(典型的には0.10mm〜0.35mm程度、例えば0.12mm〜0.30mm程度、さらには0.12mm〜0.25mm程度)の範囲であってもよく、あるいは0.15mm〜0.35mm程度の範囲であってもよい。
ここに開示される固定部材は、細幅部の平均幅W[mm]が厚さHf[mm]の1.0倍以上であることが好ましい。すなわち、W/Hfが1.0以上であることが好ましい。かかる構成の固定部材は、衝撃(特に細幅部の幅方向からの衝撃)に対してより良好な耐久性を示す傾向にあり、上記細幅部を含む形状の固定部材の成形性(例えば、粘着シート原反からの打抜き性)の観点からも有利である。W/Hfが1.2以上であることがより好ましく、1.5以上(例えば2.0以上)であることがさらに好ましい。W/Hfの上限は特に限定されない。通常は、衝撃吸収性等の観点から、W/Hfを20以下とすることが適当であり、15以下(例えば10以下)とすることが好ましい。
ここに開示される固定部材は、典型的には環状の平面形状を呈する。ここで環状とは、曲線のみにより構成されるものの他、例えば四角形の外周に沿う形状(枠状)や扇型の外周に沿う形状のように、一部または全部が直線状に形成された環状を包含する概念である。つまり、上記環状の固定部材の環形状は特に限定されず、例えば矩形(枠状)、円形、矩形以外の多角形(例えば三角形)、その他異形状等であり得る。また、上記環状の概念には、1枚のシートからなり完全に閉じた環状(すなわち、継ぎ目のない環状)の他、1枚のシートまたは複数枚のシートの端と端とを重ね合わせることで閉じた環を形成し得る形状や、1枚のシートまたは複数枚のシートの端と端とを近接するように配置し、上記近接して配置した箇所を必要に応じて封止することで閉じた環を形成し得る形状が含まれ得る。なお、ここで近接とは、当接(距離がゼロである状態)を含む概念であり、例えば、互いの距離が0〜10mm(典型的には0.1〜10mm)、好ましくは0〜5mm(典型的には0.1〜5mm)、より好ましくは0〜2mm(典型的には0.1〜2mm)、さらに好ましくは0〜1mm(典型的には0.1〜1mm)であることをいう。上記重ね合わせた箇所や近接(例えば当接)させた箇所を封止する方法としては、接着剤等の封止材で塞ぐ方法や、端同士を溶着(例えば熱溶着)する方法等を採用することができる。
特に限定するものではないが、ここに開示される固定部材は、環状の平面形状であって、該環の長さのうち細幅部(すなわち、幅が2.0mm未満の部分)の長さの占める割合が20%以上である形態で実施され得る。上記細幅部の長さの占める割合が30%以上(好ましくは40%以上、より好ましくは50%以上、さらに好ましくは60%以上、例えば70%以上)である固定部材によると、ここに開示される技術の適用意義がよりよく発揮され得る。
ここに開示される固定部材の好適な形態のひとつとして、枠状(矩形環状)の形態が挙げられる。このような形状は汎用性が高く有用である。なお、ここでいう枠状の固定部材には、外周形状が長方形状であるもの(すなわち、長方形枠状の固定部材)と外周形状が正方形状であるもの(すなわち、正方形枠状の固定部材)とが包含される。
このような枠状の固定部材において、縦の長さと横の長さとの比は特に限定されず、当該固定部材を用いて固定される固定対象部品および筐体の形状に応じて適宜設定することができる。ここで、固定部材の「縦の長さ」および「横の長さ」とは、当該固定部材に外接する最小の長方形(正方形であり得る。)の長辺および短辺の長さをいう。上記最小の長方形が正方形である場合、固定部材の縦の長さと横の長さとは一致する。固定部材の縦の長さと横の長さとの比は、例えば1:1〜1:5(典型的には1:1〜1:3)であり得る。このような長さ比の固定部材では、上述したAo/Afの値が大きくなる傾向にあるので、ここに開示される技術を適用する意義が大きい。
特に限定するものではないが、ここに開示される固定部材は、上記長辺の長さが3cm以上の枠状であり得る。好ましい一態様に係る固定部材は、上記長辺の長さが5cm以上(より好ましくは7cm以上、さらに好ましくは10cm以上)の枠状であり得る。このように長辺が長い固定部材では、ここに開示される技術を適用する意義が大きい。上記長辺の長さの上限は特に限定されない。上記長辺の長さは、通常は50cm以下、典型的には30cm以下、例えば20cm以下であり得る。
ここに開示される固定部材は、長方形の枠状であって、少なくとも一方(好ましくは両方)の長辺は、該長辺の長さのうち25%以上の長さが細幅部である。好ましい一態様に係る固定部材は、長方形の枠状であって、少なくとも一方(好ましくは両方)の長辺は、該長辺の長さのうち細幅部の長さが50%以上(より好ましくは60%以上、さらに好ましくは70%、例えば80%以上)を占めている。上記長辺の長さのうち細幅部の長さの占める割合の上限は特に限定されないが、典型的には98%以下、通常は95%以下、例えば90%以下である。
好ましい一態様に係る固定部材は、長方形の枠状であって、少なくとも一方(好ましくは両方)の長辺のうち3cm以上(より好ましくは5cm以上、例えば7cm以上)の長さが細幅部として形成されている。上記長辺の有する細幅部の長さの上限は特に限定されず、該長辺の長さ以下(典型的には該長辺の長さの99%以下、例えば95%以下)であればよい。このような形状の固定部材では、ここに開示される技術を適用する効果が好適に発揮される傾向にある。
好ましい他の一態様に係る固定部材は、長方形の枠状であって、該固定部材の有する細幅部の長さのうち50%以上(より好ましくは60%以上、例えば70%以上)の長さが該固定部材の長辺に配置されている。このような形状の固定部材では、ここに開示される技術を適用する効果が好適に発揮される傾向にある。細幅部の85%以上が長辺に配置されていてもよく、細幅部が長辺にのみ配置された形状(すなわち、短辺の全体が非細幅部である形状)の固定部材であってもよい。
ここに開示される固定部材は、枠状であって、該枠状における4つの角部のうち少なくとも1つは外縁が丸く形成されていることが好ましい。少なくとも2つ(より好ましくは3つ)の角部の外縁が丸く形成されていることが好ましく、4つの角部がいずれも丸く形成されていることが特に好ましい。このような形状の固定部材は、対応する角部が丸く形成された表示部または表示部保護部材を筐体に接合する用途に適している。このように角部を丸く形成することは、携帯電子機器を手で持ちやすくなる、上記角部が衝撃等による損傷を受けにくくなる等の観点から好ましい。また、固定部材の角部を丸く形成することは該固定部材の成形性(例えば打抜き性)の観点からも有利となり得る。
ここに開示される固定部材は、細幅部に続いて形成された少なくともひとつの非細幅部(ランド部)を含んでもよい。このような構成によると、相対的に幅の広いランド部の強度を利用して細幅部に加わる負荷を減らすことができるので、固定部材全体としての接合信頼性を向上させることができる。ランド部は、細幅部の一端または両端に配置することができる。例えば、細幅部の両端にランド部が配置された構成(すなわち、細幅部の両端がランド部につながっている構成)とすることができる。大画面化の観点から好ましい形状の一例として、環状の固定部材における角部または屈曲部にランド部を配置した形状(例えば、枠状の固定部材の対向する角部にランド部を配置した形状)が挙げられる。接合信頼性を向上させる効果の観点から好ましい形状の一例として、枠状の固定部材におけるいずれかの辺の中央部にランド部を配置した形状が挙げられる。
以下、図面を参照しつつ、ここに開示される技術に係る固定部材のいくつかの具体的な構造例を説明する。
(第1実施形態)
図1に示す固定部材100は、1枚のシートから形成された継ぎ目のない枠状(長方形の閉環状)に構成されている。固定部材100の各辺(長辺および各短辺)の中央部は、それぞれ幅2.0mm未満の細幅部102a,102b,102c,102dとなっている。上記枠状における4つの角部には、幅2.0mm以上のランド部104a,104b,104c,104dが形成されている。言い換えると、図1に示す固定部材100は、四隅に配置されたランド部104a〜104dによって隔てられた4つの細幅部102a〜102dを有する。また、上記4つの角部は、いずれも外縁が丸くなるように形成されている。具体的には、上記4つの角部では、固定部材100の外縁が、長辺の延長線と短辺の延長線との交点よりも内側に位置し、かつ外側に膨らむ滑らかな曲線により構成されている。細幅部102a,102bの長さL1および細幅部102c,102dの長さL2は、いずれも3cm以上である。細幅部102a〜102dの合計長さを合計面積で除算して得られる平均幅Wは、1.0mm未満である。固定部材100の内縁100aの内側には窓部110が形成されている。窓部110の面積Aoは、固定部材100の面積Afの10倍以上である。
固定部材100は、図2に示すように、発泡体基材122と、その第1面および第2面にそれぞれ形成された第1粘着剤層124および第2粘着剤層126とを有する。発泡体基材122の厚さHsは、例えば0.15mm程度であり得る。第1粘着剤層124および第2粘着剤層を含めた固定部材100の厚さHfは、例えば0.25mm程度であり得る。固定部材100は、上記平均幅Wが固定部材の厚さHfの1.0倍以上となるように構成されている。このような断面構造を有する連続シート状の発泡体基材両面粘着シート(粘着シート原反)を図1に示す平面形状に加工(打抜き、切断等)することにより、固定部材100を好適に形成することができる。
固定部材100は、例えば図3に示すように、携帯電子機器1(例えば携帯電話)のレンズ(光透過性を有する表示部保護部材、例えばカバーガラス等の保護パネル)10と筐体20との間に介在させて用いられる。より詳しくは、固定部材100の第1粘着剤層124の表面(第1粘着面)124Aがレンズ10に圧着され、第2粘着剤層126の表面(第2粘着面)126Aが筐体20に圧着されることにより、携帯電子機器1のレンズ10と筐体20とを液密に(典型的は水密に、すなわち水を通さないように)接合するシール部30が構成される。なお、図3において、符号22は液晶モジュールユニット、符号24はレンズ10と液晶モジュールユニット22とを隔てるスペーサ、符号26はバックライトユニットを示す。その他、携帯電子機器1は、図示しない回路基板やバッテリユニット等の一般的な携帯電子機器構成要素を必要に応じて備えていてもよい。
(第2実施形態)
図4に示す固定部材200は、1枚のシートから形成された継ぎ目のない形状であって、対向する2つの短辺のうち一方の短辺の端に開口部206を有する枠状に構成されている。固定部材200は、各短辺の中央部に幅2.0mm以上のランド部204a,204bを有し、それ以外の部分は幅2.0mm未満の細幅部202a,202b,202cとなっている。固定部材200の内縁200aの内側には窓部210が形成されている。固定部材200の断面構造は、図2に示す固定部材100の断面構造と同様であり得る。
このような形状の固定部材200は、図5に示すように、開口部206を適切な封止材230で塞ぐ(封止する)ことによって閉じた環状とすることができる。これにより、固定部材200および封止材230からなりレンズと筐体とを液密に接合するシール部が構成される。なお、開口部206を封止材230で塞ぐ操作は、典型的には固定部材200をレンズおよび筐体に貼り付けた後に行われるが、固定部材200の片面のみを被着体に貼り付けた後で行ってもよい。封止材230としては、公知の接着剤、粘着剤、シーリング材などを利用することができる。あるいは、固定部材200とは別体の粘着シートを封止材230として用いてもよい。
(第3実施形態)
ここに開示される固定部材は、複数のサブ固定部材を含んで構成されていてもよい。例えば、枠状の固定部材の場合、各々隣接する2辺からなる形状(L字状)に形成された2枚のサブ固定部材に分割された形態とすることができる。枠状の固定部材を分割する他の形態としては、1対の長辺の各中央部または1対の短辺の各中央部で2つに分割する形態、隣接する3辺と残りの1辺とに分割する形態、各辺がそれぞれひとつのサブ固定部材となるように4つに分割する形態等が例示される。それらのサブ固定部材の端部を互いに近接させて配置することにより、枠状の固定部材を形成することができる。上記近接させて配置した箇所は、上述のような封止材の配置または溶着により封止されてもよい。
図6は、それぞれ隣接する2辺からなる形状(L字状)に形成された2枚のサブ固定部材300A,300Bからなる枠状の固定部材300について、サブ固定部材300A,300Bの端部を互いに接触させて配置した箇所を示す平面図である。好ましい一態様において、サブ固定部材300A,300Bは、例えばこのように、一方のサブ固定部材の側面に他方のサブ固定部材の端面が当接するように配置して、閉環状の固定部材300を構成することができる。この固定部材300をレンズおよび筐体に圧着することにより、固定部材300(サブ固定部材300A,300B)からなりレンズと筐体とを液密に接合するシール部が構成される。さらにシール性を向上させるために、サブ固定部材300A,300Bの合わせ目300eを溶着(例えば熱溶着)してもよく、合わせ目300eに接着剤等の封止材を配置してもよい。
図6に示す形態の変形例として、図7に示すように、サブ固定部材300Aの一端を、隣接する辺に沿う方向に少し延長し、その延長部分をサブ固定部材300Bの端部の外周に回り込むように配置してもよい。サブ固定部材300A,300Bの端部をこのように径方向に重複させて配置することにより、より良好なシール性が実現され得る。この場合にも、サブ固定部材300A,300Bの合わせ目300eを溶着または封止材により封止してもよい。
<発泡体基材>
ここに開示される固定部材を構成する発泡体基材は、気泡(気泡構造)を有する部分を備えた基材であって、典型的には、層状の発泡体(発泡体層)を少なくとも1層含む基材である。上記発泡体基材は、1層または2層以上の発泡体層により構成された基材であり得る。上記発泡体基材は、例えば、1層または2層以上の発泡体層のみにより実質的に構成された基材であり得る。特に限定するものではないが、ここに開示される技術における発泡体基材の一好適例として、単層(1層)の発泡体層からなる発泡体基材が挙げられる。
発泡体基材の厚さHs[mm]は、特に限定されず、固定部材の強度や柔軟性、使用目的等に応じて適宜設定することができる。接合部を薄型化する観点から、発泡体基材の厚さHsとしては、通常、0.70mm以下が適当であり、0.40mm以下が好ましく、0.30mm以下がより好ましい。ここに開示される技術は、固定部材を細幅に加工する際の加工性等の観点から、発泡体基材の厚さHsが0.20mm以下(典型的には0.18mm以下、例えば0.16mm以下)である態様で好ましく実施され得る。また、本固定部材による接合部の耐衝撃性等の観点から、発泡体基材の厚さHsとしては、0.05mm以上が適当であり、0.06mm以上が好ましく、0.08mm以上がより好ましい。ここに開示される技術は、発泡体基材の厚さHsが0.10mm以上(典型的には0.10mm超、より好ましくは0.12mm以上、例えば0.13mm以上)である態様で好ましく実施され得る。なお、接合部の耐衝撃性は、例えば、後述する落下耐久性試験により評価することができる。
ここに開示される固定部材において、該固定部材の厚さHf[mm]に占める発泡体基材の厚さHs[mm]の割合は特に限定されない。耐衝撃性と粘着性能を効果的に両立しやすくする観点から、通常は、Hs/Hfを20〜80%程度とすることが適当であり、30〜70%程度(例えば40〜60%程度)とすることが好ましい。
特に限定するものではないが、ここに開示される固定部材は、該固定部材の100%モジュラスM[N/mm2基材]と、該固定部材を構成する発泡体基材の厚さHs[mm]との関係が、0.50≦M×Hsを満たすことが好ましい。このような固定部材は、細幅部においても良好な耐衝撃性(例えば、落下衝撃に対する耐久性)を発揮する傾向にある。その理由を解明する必要はないが、例えば以下のように考えられる。すなわち、M×Hsの値が大きい固定部材は、概して引張変形に対して高い抵抗を示す。ここで、固定部材が引張応力により変形すると、一般に、該固定部材の粘着剤層と被着体との接触面積(粘着面積)は減少する。細幅部では粘着面積が当初から小さいため、引張変形による粘着面積の減少が粘着性能に及ぼす影響が殊に大きくなる傾向にある。M×Hsが0.5以上である固定部材は、引張応力による粘着面積の減少が生じにくく、このことが細幅部における耐衝撃性向上に有利に寄与しているものと考えられる。
特に限定するものではないが、細幅部の耐衝撃性をより向上させる観点から、M×Hsの値は、0.60以上であることが好ましく、0.70以上がより好ましく、0.80以上(例えば0.90以上)がさらに好ましい。M×Hsの値の上限は特に制限されないが、柔軟性等の観点から、通常は10.0以下が適当であり、3.0以下が好ましく、2.0以下(例えば1.5以下)がより好ましい。
発泡体基材の密度D(見掛け密度をいう。以下、特記しない場合において同じ。)は特に限定されず、例えば0.1〜0.9g/cm3であり得る。耐衝撃性の観点から、発泡体基材の密度Dは、0.8g/cm3以下が適当であり、0.7g/cm3以下(例えば0.6g/cm3以下)が好ましい。また、耐衝撃性の観点から、発泡体基材の密度Dは、0.12g/cm3以上が好ましく、0.15g/cm3以上がより好ましく、0.2g/cm3以上(例えば0.3g/cm3以上)がさらに好ましい。なお、発泡体基材の密度D(見掛け密度)はJIS K 6767に準拠して測定することができる。
ここに開示される固定部材は、100%モジュラスM[N/mm2基材]と発泡体基材の密度D[g/cm3]との関係が9.0≦(M/D)を満たすことが好ましい。このような固定部材によると、細幅部において、より良好な耐衝撃性(例えば、落下衝撃に対する接合部の耐久性)が発揮される傾向にある。これは、M/Dが大きい固定部材は引張変形に対して発泡体基材の密度の割に高い抵抗を示す傾向にあり、したがって細幅部においても衝撃時に粘着面積の減少が生じにくくいためと考えられる。好ましい一態様において、M/Dの値は、9.5以上であってもよく、10.0超、さらには10.5超(例えば11.0以上)であってもよい。M/Dの上限は特に制限されないが、材料の製造容易性または入手容易性等の観点から、通常は50以下が適当であり、40以下が好ましく、30以下(例えば25以下)がより好ましい。好ましい一態様において、M/Dが20以下であってもよく、15以下であってもよい。
発泡体基材の平均気泡径は特に限定されないが、細幅部における防水信頼性、防塵信頼性等の観点からは、300μm以下が好ましく、200μm以下がより好ましく、150μm以下がさらに好ましい。より高性能な防水性や防塵性を発揮する観点からは、発泡体基材の平均気泡径は、120μm以下であることが好ましく、100μm以下(典型的には90μm以下、例えば80μm以下、さらには70μm以下)がより好ましい。ここに開示される技術において、発泡体基材の平均気泡径を小さくすることにより、細幅において衝撃(例えば落下衝撃)を受けても防水性や防塵性が維持されやすくなる傾向にある。また、平均気泡径を小さくすることは、上述したM/Dの値を大きくするひとつの手法としても有効となり得るので好ましい。平均気泡径の下限は特に限定されないが、耐衝撃性の観点から、通常は10μm以上が適当であり、20μm以上が好ましく、30μm以上がより好ましく、40μm以上(例えば50μm以上)がさらに好ましい。一態様において、平均気泡径は、55μm以上であってよく、60μm以上であってもよい。なお、ここでいう平均気泡径は、発泡体基材の断面を電子顕微鏡で観察して得られる、真球換算の平均気泡径をいう。
発泡体基材に含まれる気泡は、該発泡体基材の平面視において比較的円に近い形状であることが好ましい。すなわち、発泡体基材の流れ方向(以下「MD」ともいう。)の平均気泡径と幅方向(以下「CD」ともいう。)の平均気泡径とが異なりすぎないことが好ましい。上記気泡の形状の円形状からの隔たりの程度は、該発泡体基材のCDについての平均気泡径(CD平均気泡径)に対するMDについての平均気泡径(MD平均気泡径)の比、すなわち下記式で表される「アスペクト比(MD/CD)」を指標として把握され得る。このアスペクト比(MD/CD)がより1に近ければ、発泡体基材に含まれる気泡の平面視における形状がより円に近いといえる。
アスペクト比(MD/CD)=MD平均気泡径/CD平均気泡径
ここに開示される技術の一態様において、発泡体基材に含まれる気泡のアスペクト比(MD/CD)は、好ましくは0.7以上、より好ましくは0.75以上、さらに好ましくは0.8以上であり、例えば0.85以上であり得る。一態様において、アスペクト比は、0.9以上であってよく、0.95以上(例えば凡そ1.0以上)であってもよい。また、上記アスペクト比(MD/CD)は、好ましくは1.3以下、より好ましくは1.25以下、さらに好ましくは1.2以下であり、例えば1.15以下であり得る。上記アスペクト比(MD/CD)が1より小さすぎないことにより、上記発泡体基材を用いた粘着シートおよび固定部材の取扱性が向上し得る。また、上記アスペクト比(MD/CD)が1より大きすぎないことにより、上記発泡体基材を用いた固定部材の防水性(例えば、後述する落下後防水性)や防塵性が向上し得る。後述するように細幅部を有する形態(特に、細幅部を有する環状部材の形態)の固定部材を構成する発泡体基材では、上記アスペクト比(MD/CD)が1に近いことが特に有意義である。
ここで、発泡体基材のMDとは、該発泡体基材の製造工程における押出方向を指す。特に限定するものではないが、テープ状等の長尺状の発泡体基材におけるMDは、通常、その長尺方向に一致する。また、発泡体基材のCDとは、該発泡体基材のMDに直交し、かつ該発泡体基材の表面に沿う方向を指す。この発泡体基材の厚さ方向(以下「VD」ともいう。)は、上記MDと上記CDのいずれとも直交する方向となる。
発泡体基材のMD平均気泡径は、以下のようにして測定される。
すなわち、上記発泡体基材を、そのCDにおけるほぼ中央部において、MDおよびVDに平行する平面(すなわち垂線の向きがCDと一致するような平面)に沿って切断し、その切断面の中央部を走査型電子顕微鏡(SEM)にて撮影する。撮影した画像をA4サイズの用紙に印刷し、画像上にMDに平行する長さ60mmの直線を一本、描く。このとき、60mmの直線上に気泡が10〜20個程度存在するようにSEMの拡大倍率を調整する。上記直線上に存在する気泡数を目視により数え、下記の式によりMD平均気泡径を算出する。
MD平均気泡径(μm)=60(mm)×103/(気泡数(個)×拡大倍率)
発泡体基材のCD平均気泡径は、以下のようにして測定される。
すなわち、上記発泡体基材を、そのCDおよびVDに平行する平面(すなわち垂線の向きがMDと一致するような平面)に沿って切断し、その切断面の中央部をSEMにて撮影する。撮影した画像をA4サイズの用紙に印刷し、画像上にCDに平行する長さ60mmの直線を一本、描く。このとき、60mmの直線上に気泡が10〜20個程度存在するようにSEMの拡大倍率を調整する。上記直線上に存在する気泡数を目視により数え、下記の式によりCD平均気泡径を算出する。
CD平均気泡径(μm)=60(mm)×103/(気泡数(個)×拡大倍率)
なお、直線を描くにあたっては、できるだけ直線が気泡に点接触することなく貫通した状態となるようにする。一部の気泡が直線に点接触してしまう場合には、この気泡を1個として数える。さらに、直線の両端部が気泡を貫通することなく、気泡内に位置した状態となる場合には、この気泡を0.5個として数える。
発泡体基材の各方向の平均気泡径は、例えば、該発泡体基材の組成(発泡剤の使用量等)や製造条件(発泡工程、延伸工程等における条件)を調整することにより制御することができる。
好ましい一態様に係る固定部材は、100%モジュラスM[N/mm2基材]と、発泡体基材の密度D[g/cm3]と、発泡体基材の平均気泡径P[μm]との関係が、次式:70≦(M/D)/(P×10−3);を満たす。上記式を満たす固定部材は、例えば後述する落下後防水性のように細幅において衝撃を受けても防水性や防塵性を維持する性能に優れたものとなり得る。より好適な効果を得る観点から、(M/D)/(P×10−3)の値は、90以上が好ましく、120以上がより好ましく、150以上がさらに好ましく、170以上であってもよい。(M/D)/(P×10−3)の値の上限は特に制限されないが、材料の入手容易性または製造容易性等の観点から、通常は700以下であり、500以下が適当であり、典型的には300以下であり、250以下であってもよい。なお、上記式中のPは、上述した真球換算の平均気泡径を[μm]の単位で表したときの数値部分であって、P自体は無次元数である(本明細書に記載された他の式中のPにおいて同じ。)。
ここに開示される技術における発泡体基材としては、10%圧縮強度C10[kPa]と30%圧縮強度C30[kPa]との関係が次式:(C30/C10)≦5.0;を満たすものを好ましく採用することができる。ここで、発泡体基材の10%圧縮強度は、該発泡体基材を30mm角の正方形状にカットしたものを積み重ねて約2mmの厚さとした測定試料を一対の平板で挟み、それを当初の厚さの10%に相当する厚さ分だけ圧縮したときの荷重(圧縮率10%における荷重)をいう。すなわち、上記測定試料を当初の厚さの90%に相当する厚さまで圧縮したときの荷重をいう。30%圧縮強度C30[kPa]および後述する25%圧縮強度C25[kPa]についても同様に、測定試料を当初の厚さの30%または25%に相当する厚さ分だけ圧縮したときの荷重をいう。
発泡体基材の任意の圧縮率における圧縮強度は、JIS K 6767に準拠して測定される。具体的な測定手順としては、上記一対の平板の中央部に上記測定試料をセットし、上記平板の間隔を狭めることで連続的に任意の圧縮率まで圧縮し、そこで平板を停止させて10秒経過後の荷重を測定する。発泡体基材の圧縮強度は、例えば、発泡体基材を構成する材料の架橋度や密度、気泡のサイズや形状等により制御することができる。
圧縮強度比(C30/C10)が小さいということは、圧縮の程度の違いが圧縮強度に及ぼす影響が小さいことを意味する。例えば、ここに開示される固定部材による接合面に段差やキズ等の凹凸がある場合や、固定部材の幅が部分的に異なっている場合、あるいは固定部材による接合部の一部が他部よりも大きな応力を受けた場合等において、固定部材の一部が他部よりも大きく圧縮されることがあり得る。圧縮の程度の違いによる圧縮強度の違いが大きすぎると、圧縮の程度が変化する部分に歪が集中し、当該部分が固定部材の剥がれや発泡体基材の損傷の起点となることがあり得る。(C30/C10)が小さい発泡体基材を用いた固定部材は、上記圧縮の程度の違いに起因する圧縮強度の違いが小さいことから、上記剥がれや発泡体基材の損傷が生じにくい。このことは耐衝撃性向上の観点から有利となり得る。より良好な効果を得る観点から、(C30/C10)は、4.5以下であることがより好ましく、4.0以下であることがさらに好ましい。(C30/C10)が3.5以下であってもよい。(C30/C10)の下限は特に限定されないが、例えば2.5以上が適当であり、3.0以上であってもよい。
発泡体基材の25%圧縮強度C25は特に限定されず、例えば20kPa以上(典型的には40kPa以上)であり得る。C25は、通常、250kPa以上が適当であり、300kPa以上(例えば400kPa以上)が好ましい。このような発泡体基材を備える固定部材は、細幅であっても、落下等の衝撃に対して良好な耐久性を発揮するものとなり得る。例えば、衝撃による固定部材の千切れがよりよく防止されたものとなり得る。C25の上限は特に制限されないが、通常は1300kPa以下(例えば1200kPa以下)が適当である。一態様において、C25は、1000kPa以下であってもよく、800kPaであってもよく、さらには600kPa以下(例えば500kPa以下)であってもよい。C25[kPa]と見掛け密度D[g/cm3]との関係が次式:150≦C25×D≦400(例えば200≦C25×D≦350、好ましくは240≦C25×D≦300);を満たす発泡体基材を備える固定部材によると、より良好な結果が実現され得る。
好ましい他の一態様において、発泡体基材のC25は、20kPa〜200kPa(典型的には30kPa〜150kPa、例えば40kPa〜120kPa)とすることができる。このような発泡体基材を備える固定部材は、密度の割に圧縮強度が低いことから、細幅部においてもクッション性に優れたものとなり得る。例えば、落下衝撃を発泡体基材が吸収することにより、固定部材の剥がれがよりよく防止され得る。C25[kPa]と見掛け密度D[g/cm3]との関係が次式:100≦C25/D≦400(例えば150≦C25/D≦350、好ましくは200≦C25/D≦300);を満たす発泡体基材を備える固定部材によると、より良好な結果が実現され得る。
好ましい一態様に係る固定部材は、100%モジュラスM[N/mm2基材]と、発泡体基材のC25[kPa]との関係が、次式:35≦M/(C25×10−3);を満たす。このような固定部材は、圧縮応力に対しては良好なクッション性を示し、かつ伸びに対して強い抵抗を示すことから、細幅部においても耐衝撃性のよいものとなり得る。M/(C25×10−3)が40以上(より好ましくは45以上、さらに好ましくは50以上、例えば55以上)である固定部材によると、より良好な結果が実現され得る。M/(C25×10−3)の上限は特に制限されず、例えば300以下(好ましくは200以下、より好ましくは150以下、典型的には100以下)であり得る。
好ましい他の一態様に係る固定部材は、100%モジュラスM[N/mm2基材]と、発泡体基材のC25[kPa]と、発泡体基材の密度D[g/cm3]との関係が、次式:10≦(M×D)/(C25×10−3)を満たす。このような固定部材は、圧縮強度および密度の割に100%モジュラスMが高いことから、圧縮応力に対しては良好なクッション性を示し、かつ伸びに対して強い抵抗を示す傾向にある。したがって、細幅部においても耐衝撃性のよいものとなり得る。(M×D)/(C25×10−3)が15以上(例えば18以上)である固定部材によると、より良好な結果が実現され得る。(M×D)/(C25×10−3)の上限は特に限定されず、例えば50以下(好ましくは40以下、典型的には30以下)であり得る。
発泡体基材の引張伸度は特に限定されない。例えば、流れ方向(MD)の引張伸度が200%〜800%(より好ましくは400%〜600%)である発泡体基材を好適に採用し得る。また、幅方向(TD)の引張伸度が50%〜800%(より好ましくは200%〜500%)である発泡体基材が好ましい。発泡体基材の伸びは、JIS K 6767に準拠して測定される。発泡体基材の伸びは、例えば、架橋度や見掛け密度(発泡倍率)等により制御することができる。
発泡体基材の引張強さ(引張強度)は特に限定されない。例えば、流れ方向(MD)の引張強さが5MPa〜35MPa(好ましくは10MPa〜30MPa)である発泡体基材を好適に採用し得る。また、幅方向(TD)の引張強さが1MPa〜25MPa(より好ましくは5MPa〜20MPa)である発泡体基材が好ましい。発泡体基材の引張強さは、JIS K 6767に準拠して測定される。発泡体基材の引張強さは、例えば、架橋度や見掛け密度(発泡倍率)等により制御することができる。
発泡体基材の材質は特に制限されない。通常は、プラスチック材料の発泡体(プラスチック発泡体)により形成された発泡体層を含む発泡体基材が好ましい。プラスチック発泡体を形成するためのプラスチック材料(ゴム材料を包含する意味である。)は、特に制限されず、公知のプラスチック材料のなかから適宜選択することができる。プラスチック材料は、1種を単独でまたは2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
プラスチック発泡体の具体例としては、ポリエチレン製発泡体、ポリプロピレン製発泡体等のポリオレフィン系樹脂製発泡体;ポリエチレンテレフタレート製発泡体、ポリエチレンナフタレート製発泡体、ポリブチレンテレフタレート製発泡体等のポリエステル系樹脂製発泡体;ポリ塩化ビニル製発泡体等のポリ塩化ビニル系樹脂製発泡体;酢酸ビニル系樹脂製発泡体;ポリフェニレンスルフィド樹脂製発泡体;脂肪族ポリアミド(ナイロン)樹脂製発泡体、全芳香族ポリアミド(アラミド)樹脂製発泡体等のアミド系樹脂製発泡体;ポリイミド系樹脂製発泡体;ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)製発泡体;ポリスチレン製発泡体等のスチレン系樹脂製発泡体;ポリウレタン樹脂製発泡体等のウレタン系樹脂製発泡体;等が挙げられる。また、プラスチック発泡体として、ポリクロロプレンゴム製発泡体等のゴム系樹脂製発泡体を用いてもよい。
好ましい発泡体として、ポリオレフィン系樹脂製発泡体(以下「ポリオレフィン系発泡体」ともいう。)が例示される。ポリオレフィン系発泡体を構成するプラスチック材料(すなわちポリオレフィン系樹脂)としては、公知または慣用の各種ポリオレフィン系樹脂を特に限定なく用いることができる。例えば、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)等のポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体等が挙げられる。LLDPEの例としては、チーグラー・ナッタ触媒系直鎖状低密度ポリエチレン、メタロセン触媒系直鎖状低密度ポリエチレン等が挙げられる。このようなポリオレフィン系樹脂は、1種を単独でまたは2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
ここに開示される技術における発泡体基材の好適例としては、耐衝撃性や防水性、防塵性等の観点から、ポリエチレン系樹脂の発泡体から実質的に構成されるポリエチレン系発泡体基材、ポリプロピレン系樹脂の発泡体から実質的に構成されるポリプロピレン系発泡体基材等のポリオレフィン系発泡体基材が挙げられる。ここでポリエチレン系樹脂とは、エチレンを主モノマー(すなわち、モノマーのなかの主成分)とする樹脂を指し、HDPE、LDPE、LLDPE等の他、エチレンの共重合割合が50重量%を超えるエチレン−プロピレン共重合体やエチレン−酢酸ビニル共重合体等を包含し得る。同様に、ポリプロピレン系樹脂とは、プロピレンを主モノマーとする樹脂を指す。ここに開示される技術における発泡体基材としては、ポリエチレン系発泡体基材を好ましく採用し得る。
上記プラスチック発泡体(典型的にはポリオレフィン系発泡体)の製造方法は特に限定されず、公知の各種方法を適宜採用し得る。例えば、上記プラスチック材料、もしくは上記プラスチック発泡体の成形工程、架橋工程および発泡工程を含む方法により製造し得る。また、必要に応じて延伸工程を含み得る。
上記プラスチック発泡体を架橋させる方法としては、例えば、有機過酸化物などを用いる化学架橋法、または電離性放射線を照射する電離性放射線架橋法などが挙げられ、これらの方法は併用され得る。上記電離性放射線としては、電子線、α線、β線、γ線などが例示される。電離性放射線の線量は特に限定されず、発泡体基材の目標物性(例えば架橋度)等を考慮して適切な照射線量に設定することができる。
上記発泡体基材には、必要に応じて、充填剤(無機充填剤、有機充填剤等)、老化防止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、滑剤、可塑剤、難燃剤、界面活性剤等の各種添加剤が配合されていてもよい。
ここに開示される技術における発泡体基材は、該発泡体基材を備える固定部材において所望の意匠性や光学特性(例えば、遮光性、光反射性等)を発現させるために、着色されていてもよい。この着色には、公知の有機または無機の着色剤を、1種を単独で、または2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
例えば、ここに開示される固定部材を遮光用途に用いる場合、発泡体基材の可視光透過率は、特に限定されないが、後述の固定部材の可視光透過率と同様に、0%〜15%であることが好ましく、より好ましくは0%〜10%である。また、ここに開示される固定部材を光反射用途に用いる場合、発泡体基材の可視光反射率は、固定部材の可視光反射率と同様に、20%〜100%が好ましく、より好ましくは25%〜100%である。
発泡体基材の可視光透過率は、分光光度計(例えば、株式会社日立ハイテクノロジーズ製の分光光度計、型式「U−4100」)を用いて、波長550nmにおいて、発泡体基材の一方の面側から照射して他方の面側に透過した光の強度を測定することにより求めることができる。発泡体基材の可視光反射率は、上記分光光度計を用いて、波長550nmにおいて、発泡体基材の一方の面に照射して反射した光の強度を測定することにより求めることができる。なお、固定部材の可視光透過率や可視光反射率も、同様の方法により求めることができる。
ここに開示される固定部材を遮光用途に用いる場合、上記発泡体基材は黒色に着色されていることが好ましい。黒色としては、L*a*b*表色系で規定されるL*(明度)で、35以下(例えば、0〜35)が好ましく、より好ましくは30以下(例えば、0〜30)である。なお、L*a*b*表色系で規定されるa*やb*は、それぞれ、L*の値に応じて適宜選択することができる。a*やb*としては、特に限定されないが、両方とも−10〜10(より好ましくは−5〜5、さらに好ましくは−2.5〜2.5)の範囲であることが好ましい。例えば、a*およびb*がいずれも0または略0であることが好ましい。
なお、本明細書において、L*a*b*表色系で規定されるL*、a*、b*は、色彩色差計(例えば、ミノルタ社製の色彩色差計、商品名「CR−200」)を用いて測定することにより求められる。なお、L*a*b*表色系は、国際照明委員会(CIE)が1976年に推奨した色空間であり、CIE1976(L*a*b*)表色系と称される色空間のことを意味している。また、L*a*b*表色系は、日本工業規格では、JIS Z 8729に規定されている。
発泡体基材を黒色に着色する際に用いられる黒色着色剤としては、例えば、カーボンブラック(ファーネスブラック、チャンネルブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、ランプブラック等)、グラファイト、酸化銅、二酸化マンガン、アニリンブラック、ペリレンブラック、チタンブラック、シアニンブラック、活性炭、フェライト(非磁性フェライト、磁性フェライト等)、マグネタイト、酸化クロム、酸化鉄、二硫化モリブデン、クロム錯体、複合酸化物系黒色色素、アントラキノン系有機黒色色素等を用いることができる。コストや入手性の観点から好ましい黒色着色剤として、カーボンブラックが例示される。黒色着色剤の使用量は特に限定されず、所望の光学特性を付与できるように適宜調整した量とすることができる。
ここに開示される固定部材を光反射用途に用いる場合、上記発泡体基材は白色に着色されていることが好ましい。白色としては、L*a*b*表色系で規定されるL*(明度)で、87以上(例えば、87〜100)が好ましく、より好ましくは90以上(例えば、90〜100)である。L*a*b*表色系で規定されるa*やb*は、それぞれ、L*の値に応じて適宜選択することができる。a*やb*としては、例えば、両方とも−10〜10(より好ましくは−5〜5、さらに好ましくは−2.5〜2.5)の範囲であることが好ましい。例えば、a*およびb*がいずれも0または略0であることが好ましい。
発泡体基材を白色に着色する際に用いられる白色着色剤としては、例えば、酸化チタン(ルチル型二酸化チタン、アナターゼ型二酸化チタン等の二酸化チタン)、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化スズ、酸化バリウム、酸化セシウム、酸化イットリウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム(軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム等)、炭酸バリウム、炭酸亜鉛、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化亜鉛、珪酸アルミニウム、珪酸マグネシウム、珪酸カルシウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、ステアリン酸バリウム、亜鉛華、硫化亜鉛、タルク、シリカ、アルミナ、クレー、カオリン、燐酸チタン、マイカ、石膏、ホワイトカーボン、珪藻土、ベントナイト、リトポン、ゼオライト、セリサイト、加水ハロイサイト等の無機系白色着色剤や、アクリル系樹脂粒子、ポリスチレン系樹脂粒子、ポリウレタン系樹脂粒子、アミド系樹脂粒子、ポリカーボネート系樹脂粒子、シリコーン系樹脂粒子、尿素−ホルマリン系樹脂粒子、メラミン系樹脂粒子等の有機系白色着色剤等が挙げられる。白色着色剤の使用量は特に限定されず、所望の光学特性を付与できるように適宜調整した量とすることができる。
発泡体基材の表面には、必要に応じて、適宜の表面処理が施されていてもよい。この表面処理は、例えば、隣接する材料(例えば粘着剤層)に対する密着性を高めるための化学的または物理的な処理であり得る。かかる表面処理の例としては、コロナ放電処理、クロム酸処理、オゾン曝露、火炎曝露、紫外線照射処理、プラズマ処理、下塗り剤(プライマー)の塗布等が挙げられる。
<粘着剤>
ここに開示される固定部材は、発泡体基材の少なくとも一方の面に粘着剤層を有する。粘着剤層を構成する粘着剤の種類は特に限定されない。上記粘着剤は、例えば、アクリル系、ポリエステル系、ウレタン系、ポリエーテル系、ゴム系、シリコーン系、ポリアミド系、フッ素系等の各種ポリマー(粘着性ポリマー)から選択される1種または2種以上をベースポリマー(ポリマー成分のなかの主成分、すなわち50重量%以上を占める成分)として含む粘着剤組成物から形成された粘着剤であり得る。
発泡体基材上に粘着剤層を形成する方法としては、従来公知の種々の方法を適用し得る。例えば、粘着剤組成物を発泡体基材に直接塗布する方法(直接法)、適当な剥離面上に粘着剤組成物を塗布して該剥離面上に粘着剤層を形成し、その粘着剤層を発泡体基材に貼り合せて転写する方法(転写法)等が挙げられる。これらの方法を組み合わせて用いてもよい。また、第1粘着剤層と第2粘着剤層とで異なる方法を採用してもよい。粘着剤組成物の塗布は、例えば、グラビアロールコーター、リバースロールコーター、キスロールコーター、ディップロールコーター、バーコーター、ナイフコーター、スプレーコーター等の、公知ないし慣用のコーターを用いて行うことができる。溶媒を含む粘着剤組成物を用いる場合には、架橋反応の促進、製造効率向上等の観点から、該粘着剤組成物を加熱下で乾燥させることが好ましい。
粘着剤層の厚さは特に限定されず、固定部材の厚さHfや発泡体基材の厚さHsとの兼ね合いを考慮して設定することができる。例えば、粘着剤層の厚さを凡そ5μm〜150μmとすることができる。固定部材の薄型化と粘着性能とを高レベルでバランスさせる観点から、粘着剤層の厚さとしては、通常、凡そ10μm以上(好ましくは凡そ15μm以上、より好ましくは凡そ20μm以上、例えば凡そ25μm以上)が適当であり、また、凡そ100μm以下(好ましくは凡そ90μm以下、より好ましくは凡そ80μm以下、例えば凡そ60μm以下)程度が適当である。一態様において、粘着剤層の厚さは、例えば10μm〜100μm程度(好ましくは15μm〜90μm程度、より好ましくは20μm〜80μm程度)であり得る。固定部材の薄型化等の観点から、粘着剤層の厚さを凡そ50μm以下としてもよく、さらには凡そ40μm以下(例えば凡そ35μm以下)としてもよい。
ここに開示される固定部材は、本発明の効果を大きく損なわない範囲で、発泡体基材および粘着剤層以外の層(中間層、下塗り層等。以下「他の層」ともいう。)をさらに含んでもよい。例えば、発泡体基材と粘着剤層の表面(粘着面)との間に上記他の層が設けられていてもよい。
ここに開示される技術は、粘着剤層を構成する粘着剤がアクリル系粘着剤である形態で好ましく実施され得る。ここで「アクリル系粘着剤」とは、アクリル系ポリマーをベースポリマーとする粘着剤を指す。「アクリル系ポリマー」とは、一分子中に少なくともひとつの(メタ)アクリロイル基を有するモノマー(以下、これを「アクリル系モノマー」ということがある。)を主構成単量体成分(モノマーの主成分、すなわちアクリル系ポリマーを構成するモノマーの総量のうち50重量%以上を占める成分)とするポリマーを指す。また、本明細書中において「(メタ)アクリロイル基」とは、アクリロイル基およびメタクリロイル基を包括的に指す意味である。同様に、「(メタ)アクリレート」とは、アクリレートおよびメタクリレートを包括的に指す意味である。
上記アクリル系ポリマーは、典型的には、アルキル(メタ)アクリレートを主構成単量体成分とするポリマーである。上記アルキル(メタ)アクリレートとしては、例えば、下記式(1)で表される化合物を好適に用いることができる。
CH2=C(R1)COOR2 (1)
ここで、上記式(1)中のR1は水素原子またはメチル基である。R2は炭素原子数1〜20のアルキル基である。粘着特性に優れた粘着剤が得られやすいことから、R2が炭素原子数2〜14(以下、このような炭素原子数の範囲をC2−14と表すことがある。)のアルキル基であるアルキル(メタ)アクリレートが好ましい。C2−14のアルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、イソアミル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、イソオクチル基、2−エチルヘキシル基、n−ノニル基、イソノニル基、n−デシル基、イソデシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基、n−トリデシル基、n−テトラデシル基、等が挙げられる。
好ましい一態様では、アクリル系ポリマーの合成に使用するモノマーの総量のうち、凡そ50重量%以上(典型的には50〜99.9重量%)、より好ましくは70重量%以上(典型的には70〜99.9重量%)、例えば凡そ85重量%以上(典型的には85〜99.9重量%)が、上記式(1)におけるR2がC2−14のアルキル(メタ)アクリレート(より好ましくはC4−10のアルキル(メタ)アクリレート。特に好ましくは、n−ブチルアクリレートおよび2−エチルヘキシルアクリレートの一方または両方)から選択される1種または2種以上により占められる。このようなモノマー組成から得られたアクリル系ポリマーによると、良好な粘着特性を示す粘着剤が形成されやすいので好ましい。
特に限定するものではないが、アクリル系ポリマーとしては、水酸基(−OH)を有するアクリル系モノマー(水酸基含有アクリル系モノマー)が共重合されたものを好ましく用いることができる。かかる共重合組成のアクリル系ポリマーによると、粘着力と凝集力とのバランスに優れ、再剥離性に優れた粘着剤が得られやすいので好ましい。
水酸基含有アクリル系モノマーは、1種を単独または2種以上を組み合わせて用いることができる。水酸基含有アクリル系モノマーの具体例としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシへキシル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシへキシル(メタ)アクリレート、8−ヒドロキシオクチル(メタ)アクリレート、10−ヒドロキシデシル(メタ)アクリレート、12−ヒドロキシラウリル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートが挙げられる。さらに、(4−ヒドロキシメチルシクロへキシル)メチルアクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、N−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリルアミド等が例示される。なかでもヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートが好ましく、上記ヒドロキシアルキル基におけるアルキル基が炭素原子数2〜4の直鎖状であるヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートが特に好ましい。
水酸基含有アクリル系モノマーは、アクリル系ポリマーの合成に使用するモノマーの総量のうち凡そ0.001〜10重量%の範囲で使用されることが好ましい。このことによって、上記粘着力と凝集力とをより高レベルでバランスさせた固定部材が実現され得る。水酸基含有アクリル系モノマーの使用量を凡そ0.01〜5重量%(例えば0.05〜2重量%)とすることにより、さらに良好な結果が達成され得る。あるいは、ここに開示される技術におけるアクリル系ポリマーは、水酸基含有アクリル系モノマーが共重合されていないものであってもよい。
ここに開示される技術におけるアクリル系ポリマーには、本発明の効果を顕著に損なわない範囲で、上記以外のモノマー(その他モノマー)が共重合されていてもよい。かかるモノマーは、例えば、アクリル系ポリマーのガラス転移温度の調整、粘着性能(例えば剥離性)の調整等の目的で使用することができる。例えば、粘着剤の凝集力や耐熱性を向上させ得るモノマーとして、スルホン酸基含有モノマー、リン酸基含有モノマー、シアノ基含有モノマー、ビニルエステル類、芳香族ビニル化合物等が挙げられる。また、アクリル系ポリマーに架橋基点となり得る官能基を導入し、あるいは接着力の向上に寄与し得るモノマーとして、カルボキシル基含有モノマー、酸無水物基含有モノマー、アミド基含有モノマー、アミノ基含有モノマー、イミド基含有モノマー、エポキシ基含有モノマー、(メタ)アクリロイルモルホリン、ビニルエーテル類等が挙げられる。例えば、上記その他モノマーとしてカルボキシル基含有モノマーが共重合されたアクリル系ポリマーが好ましい。
スルホン酸基含有モノマーとしては、スチレンスルホン酸、アリルスルホン酸、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、(メタ)アクリルアミドプロパンスルホン酸、スルホプロピル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルオキシナフタレンスルホン酸、ビニルスルホン酸ナトリウム等が例示される。
リン酸基含有モノマーとしては、2−ヒドロキシエチルアクリロイルホスフェートが例示される。
シアノ基含有モノマーとしては、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等が例示される。
ビニルエステル類としては、例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ラウリン酸ビニル等が例示される。
芳香族ビニル化合物としては、スチレン、クロロスチレン、クロロメチルスチレン、α−メチルスチレン、その他の置換スチレン等が例示される。
カルボキシル基含有モノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、カルボキシエチル(メタ)アクリレート、カルボキシペンチル(メタ)アクリレート、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、イソクロトン酸等が例示される。
酸無水物基含有モノマーとしては、無水マレイン酸、無水イタコン酸、上記カルボキシル基含有モノマーの酸無水物体等が挙げられる。
アミド基含有モノマーとしては、アクリルアミド、メタクリルアミド、ジエチルアクリルアミド、N−ビニルピロリドン、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジメチルメタクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、N,N−ジエチルメタクリルアミド、N,N’−メチレンビスアクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド等が例示される。
アミノ基含有モノマーとしては、アミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート等が例示される。
イミド基含有モノマーとしては、シクロへキシルマレイミド、イソプロピルマレイミド、N−シクロへキシルマレイミド、イタコンイミド等が例示される。
エポキシ基含有モノマーとしては、グリシジル(メタ)アクリレート、メチルグリシジル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテル等が例示される。
ビニルエーテル類としては、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル等が例示される。
このような「その他モノマー」は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよいが、上記その他モノマーの総量は、アクリル系ポリマーの合成に使用するモノマーの総量のうち凡そ40重量%以下(典型的には、0.001〜40重量%)とすることが好ましく、凡そ30重量%以下(典型的には0.01〜30重量%、例えば0.1〜10重量%)とすることがより好ましい。上記その他モノマーとしてカルボキシル基含有モノマーを用いる場合、その含有量は、上記モノマー総量のうち例えば0.1〜10重量%とすることができ、通常は0.2〜8重量%、例えば0.5〜5重量%とすることが適当である。また、上記その他モノマーとしてビニルエステル類(例えば酢酸ビニル)を用いる場合、その含有量は、上記モノマー総量のうち例えば0.1〜20重量%とすることができ、通常は0.5〜10重量%とすることが適当である。
アクリル系ポリマーの共重合組成は、該アクリル系ポリマーのガラス転移温度(Tg)が−15℃以下(典型的には−70℃〜−15℃)となるように設計されていることが適当であり、好ましくは−25℃以下(例えば−60℃〜−25℃)、より好ましくは−40℃以下(例えば−60℃〜−40℃)である。アクリル系ポリマーのTgを上述した上限値以下とすることは、固定部材の耐衝撃性等の観点から好ましい。アクリル系ポリマーのTgは、モノマー組成(すなわち、該ポリマーの合成に使用するモノマーの種類や使用量比)を適宜変えることにより調整することができる。
ここで、本明細書においてポリマーのTgとは、該ポリマーの共重合組成に基づいて、Foxの式により求められるTgをいう。Foxの式とは、以下に示すように、共重合体のTgと、該共重合体を構成するモノマーのそれぞれを単独重合したホモポリマーのガラス転移温度Tgiとの関係式である。
1/Tg=Σ(Wi/Tgi)
なお、上記Foxの式において、Tgは共重合体のガラス転移温度(単位:K)、Wiは該共重合体におけるモノマーiの重量分率(重量基準の共重合割合)、Tgiはモノマーiのホモポリマーのガラス転移温度(単位:K)を表す。
Tgの算出に使用するホモポリマーのガラス転移温度としては、公知資料に記載の値を用いるものとする。例えば、以下に挙げるモノマーについては、該モノマーのホモポリマーのガラス転移温度として、以下の値を使用する。
2−エチルヘキシルアクリレート −70℃
n−ブチルアクリレート −55℃
エチルアクリレート −22℃
メチルアクリレート 8℃
メチルメタクリレート 105℃
2−ヒドロキシエチルアクリレート −15℃
酢酸ビニル 32℃
アクリル酸 106℃
メタクリル酸 228℃
上記で例示した以外のモノマーのホモポリマーのガラス転移温度については、「Polymer Handbook」(第3版、JohnWiley&Sons,Inc、1989年)に記載の数値を用いるものとする。本文献に複数種類の値が記載されているモノマーについては、最も高い値を採用する。
上記文献にもホモポリマーのガラス転移温度が記載されていないモノマーについては、以下の測定方法により得られる値を用いるものとする(特開2007−51271号公報参照)。具体的には、温度計、攪拌機、窒素導入管および還流冷却管を備えた反応器に、モノマー100重量部、アゾビスイソブチロニトリル0.2重量部および重合溶媒として酢酸エチル200重量部を投入し、窒素ガスを流通させながら1時間攪拌する。このようにして重合系内の酸素を除去した後、63℃に昇温し10時間反応させる。次いで、室温まで冷却し、固形分濃度33重量%のホモポリマー溶液を得る。このホモポリマー溶液を剥離ライナー上に流延塗布し、乾燥して厚さ約2mmの試験サンプル(シート状のホモポリマー)を作製する。この試験サンプルを直径7.9mmの円盤状に打ち抜き、パラレルプレートで挟み込み、粘弾性試験装置(ティー・エー・インスツルメント社製、ARES)を用いて周波数1Hzのせん断歪みを与えながら、温度領域−70〜150℃、5℃/分の昇温速度でせん断モードにより粘弾性を測定し、tanδ(損失正接)のピークトップ温度をガラス転移温度とする。
特に限定するものではないが、上記アクリル系ポリマーは、該アクリル系ポリマーの合成に用いられるモノマーの総量のうち、ホモポリマーのガラス転移温度が−45℃以下のモノマーの占める割合が50重量%以上(より好ましくは70重量%以上、例えば85重量%以上)であることが好ましい。このような共重合組成のアクリル系ポリマーによると耐衝撃性が向上する傾向にある。上記割合の上限は特に制限されず、上記モノマー総量の100重量%であってもよい。粘着剤の凝集性等の観点から、通常は、ホモポリマーのガラス転移温度が−45℃以下のモノマーが上記モノマー総量に占める割合を99重量%以下とすることが適当であり、97重量%以下とすることが好ましい。
ここに開示される技術において、アクリル系ポリマーを得る方法は特に限定されず、溶液重合法、乳化重合法、塊状重合法、懸濁重合法等の、アクリル系ポリマーの合成手法として知られている各種の重合方法を適宜採用することができる。例えば、溶液重合法を好ましく用いることができる。溶液重合を行う際のモノマー供給方法としては、全モノマー原料を一度に供給する一括仕込み方式、連続供給(滴下)方式、分割供給(滴下)方式等を適宜採用することができる。重合温度は、使用するモノマーおよび溶媒の種類、重合開始剤の種類等に応じて適宜選択することができ、例えば20℃〜170℃(典型的には40℃〜140℃)程度とすることができる。
重合に用いる開始剤は、重合方法の種類に応じて、公知ないし慣用の重合開始剤から適宜選択することができる。例えば、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)二硫酸塩、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)ジヒドロクロライド等のアゾ系重合開始剤を好ましく使用し得る。重合開始剤の他の例としては、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩;ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、過酸化水素等の過酸化物系開始剤;フェニル置換エタン等の置換エタン系開始剤;芳香族カルボニル化合物;等が挙げられる。重合開始剤のさらに他の例として、過酸化物と還元剤との組み合わせによるレドックス系開始剤が挙げられる。かかるレドックス系開始剤の例としては、過酸化水素水等の過酸化物とアスコルビン酸との組み合わせ、過酸化水素水等の過酸化物と鉄(II)塩との組み合わせ、過硫酸塩と亜硫酸水素ナトリウムとの組み合わせ等が挙げられる。重合開始剤は、1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。重合開始剤の使用量は、通常の使用量であればよく、例えば、全モノマー成分100重量部に対して0.005〜1重量部(典型的には0.01〜1重量部)程度の範囲から選択することができる。
溶液重合に用いる溶媒(重合溶媒)は、公知ないし慣用の有機溶媒から適宜選択することができる。例えば、トルエン、キシレン等の芳香族化合物類(典型的には芳香族炭化水素類);酢酸エチル、ヘキサン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂肪族または脂環式炭化水素類;1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化アルカン類;イソプロピルアルコール、1−ブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノール等の低級アルコール類(例えば、炭素原子数1〜4の一価アルコール類);tert−ブチルメチルエーテル等のエーテル類;メチルエチルケトン、アセチルアセトン等のケトン類;等から選択されるいずれか1種の溶媒、または2種以上の混合溶媒を用いることができる。例えば、沸点が40℃〜150℃(好ましくは60℃〜150℃、典型的には70℃〜130℃)の範囲にある重合溶媒(混合溶媒であり得る。)を使用することができる。
溶液重合によると、アクリル系ポリマーが有機溶媒に溶解した形態の重合反応液が得られる。ここに開示される技術における粘着剤層は、上記重合反応液または該反応液に適当な後処理を施したアクリル系ポリマー溶液を含む粘着剤組成物から形成されたものであり得る。上記アクリル系ポリマー溶液としては、上記重合反応液を必要に応じて適当な濃度に調製したものを使用し得る。あるいは、溶液重合以外の重合方法(例えば、エマルション重合、光重合、バルク重合等)でアクリル系ポリマーを合成し、該アクリル系ポリマーを有機溶媒に溶解させて調製したアクリル系ポリマー溶液を用いてもよい。
アクリル系ポリマーの重量平均分子量(Mw)は特に限定されず、例えば10×104〜500×104の範囲であり得る。粘着特性のバランスをとりやすいことから、アクリル系ポリマーのMwは、10×104〜150×104の範囲にあることが好ましく、15×104〜100×104の範囲がより好ましく、20×104〜75×104の範囲がさらに好ましい。なお、アクリル系ポリマーのMwは、該アクリル系ポリマーの溶媒可溶分(例えば、テトラヒドロフラン可溶分)についてGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)を行うことにより、標準ポリスチレン換算の値として求められる。
ここに開示される技術における粘着剤組成物(例えばアクリル系粘着剤組成物)は、粘着付与樹脂を含み得る。粘着付与樹脂としては、特に制限されず、例えばロジン系、テルペン系、炭化水素系、エポキシ系、ポリアミド系、エラストマー系、フェノール系、ケトン系等の各種の粘着付与樹脂を、1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
ロジン系粘着付与樹脂の具体的としては、ガムロジン、ウッドロジン、トール油ロジン等の未変性ロジン(生ロジン);これらの未変性ロジンを水添化、不均化、重合等により変性した変性ロジン(水添ロジン、不均化ロジン、重合ロジン、その他の化学的に修飾されたロジン等);その他の各種ロジン誘導体;等が挙げられる。上記ロジン誘導体の例としては、未変性ロジンをアルコール類によりエステル化したもの(すなわち、ロジンのエステル化物)、変性ロジン(水添ロジン、不均化ロジン、重合ロジン等)をアルコール類によりエステル化したもの(すなわち、変性ロジンのエステル化物)等のロジンエステル類;未変性ロジンや変性ロジン(水添ロジン、不均化ロジン、重合ロジン等)を不飽和脂肪酸で変性した不飽和脂肪酸変性ロジン類;ロジンエステル類を不飽和脂肪酸で変性した不飽和脂肪酸変性ロジンエステル類;未変性ロジン、変性ロジン(水添ロジン、不均化ロジン、重合ロジン等)、不飽和脂肪酸変性ロジン類または不飽和脂肪酸変性ロジンエステル類におけるカルボキシル基を還元処理したロジンアルコール類;未変性ロジン、変性ロジン、各種ロジン誘導体等のロジン類(特に、ロジンエステル類)の金属塩;ロジン類(未変性ロジン、変性ロジン、各種ロジン誘導体等)にフェノールを酸触媒で付加させ熱重合することにより得られるロジンフェノール樹脂;等が挙げられる。
テルペン系粘着付与樹脂の例としては、α−ピネン重合体、β−ピネン重合体、ジペンテン重合体などのテルペン樹脂;これらのテルペン樹脂を変性(フェノール変性、芳香族変性、水素添加変性、炭化水素変性等)した変性テルペン樹脂;等が挙げられる。上記変性テルペン樹脂の例としては、テルペンフェノール樹脂、スチレン変性テルペン樹脂、芳香族変性テルペン樹脂、水素添加テルペン樹脂等が挙げられる。
炭化水素系粘着付与樹脂の例としては、脂肪族系炭化水素樹脂、芳香族系炭化水素樹脂、脂肪族系環状炭化水素樹脂、脂肪族・芳香族系石油樹脂(スチレン−オレフィン系共重合体等)、脂肪族・脂環族系石油樹脂、水素添加炭化水素樹脂、クマロン系樹脂、クマロンインデン系樹脂等の各種の炭化水素系の樹脂が挙げられる。脂肪族系炭化水素樹脂としては、炭素原子数4〜5程度のオレフィンおよびジエンから選択される1種または2種以上の脂肪族炭化水素の重合体等が例示される。上記オレフィンの例としては、1−ブテン、イソブチレン、1−ペンテン等が挙げられる。上記ジエンの例としては、ブタジエン、1,3−ペンタジエン、イソプレン等が挙げられる。芳香族系炭化水素樹脂の例としては、炭素原子数8〜10程度のビニル基含有芳香族系炭化水素(スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、インデン、メチルインデン等)の重合体等が挙げられる。脂肪族系環状炭化水素樹脂の例としては、いわゆる「C4石油留分」や「C5石油留分」を環化二量体化した後に重合させた脂環式炭化水素系樹脂;環状ジエン化合物(シクロペンタジエン、ジシクロペンタジエン、エチリデンノルボルネン、ジペンテン等)の重合体またはその水素添加物;芳香族系炭化水素樹脂または脂肪族・芳香族系石油樹脂の芳香環を水素添加した脂環式炭化水素系樹脂;等が挙げられる。
ここに開示される技術では、上記粘着付与樹脂として、軟化点(軟化温度)が凡そ100℃以上(好ましくは凡そ120℃以上、より好ましくは凡そ135℃以上)であるものを好ましく使用し得る。上述した下限値以上の軟化点をもつ粘着付与樹脂を含む粘着剤によると、より耐反撥性に優れた固定部材が実現され得る。上記で例示した粘着付与樹脂のうち、このような軟化点を有するテルペン系粘着付与樹脂(例えばテルペンフェノール樹脂)、ロジン系粘着付与樹脂(例えば、重合ロジンのエステル化物)等を好ましく用いることができる。上記粘着付与樹脂は、例えば、軟化点135℃以上のテルペンフェノール樹脂を含む態様で好ましく用いられ得る。また、軟化点140℃以上の粘着付与樹脂を含む粘着剤によると、特に優れた耐反撥性が実現され得る。例えば、軟化点が140℃以上のテルペンフェノール樹脂を好ましく使用し得る。粘着付与樹脂の軟化点の上限は特に制限されず、例えば凡そ200℃以下(典型的には凡そ180℃以下)とすることができる。なお、粘着付与樹脂の軟化点は、JIS K2207に規定する軟化点試験方法(環球法)に基づいて測定することができる。
粘着付与樹脂の使用量は特に制限されず、目的とする粘着性能(接着力等)に応じて適宜設定することができる。例えば、固形分基準で、アクリル系ポリマー100重量部に対して、粘着付与樹脂を凡そ10〜100重量部(より好ましくは15〜80重量部、さらに好ましくは20〜60重量部)の割合で使用することが好ましい。
ここに開示されるアクリル系粘着剤の好適な組成の例として、アクリル系ポリマー100重量部に対して軟化点120℃以上の粘着付与樹脂を20〜60重量部の割合で含む組成、アクリル系ポリマー100重量部に対して軟化点135℃以上の粘着付与樹脂を10〜50重量部の割合で含む組成、等が挙げられる。このような組成のアクリル系粘着剤によると、耐反撥性と柔軟性とが好適に両立される傾向にある。
粘着剤組成物には、必要に応じて架橋剤が用いられていてもよい。架橋剤の種類は特に制限されず、公知ないし慣用の架橋剤(例えば、イソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤、オキサゾリン系架橋剤、アジリジン系架橋剤、メラミン系架橋剤、過酸化物系架橋剤、尿素系架橋剤、金属アルコキシド系架橋剤、金属キレート系架橋剤、金属塩系架橋剤、カルボジイミド系架橋剤、アミン系架橋剤等)から適宜選択して用いることができる。架橋剤は、1種を単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。架橋剤の使用量は特に制限されず、例えば、アクリル系ポリマー100重量部に対して凡そ10重量部以下(例えば凡そ0.005〜10重量部、好ましくは凡そ0.01〜5重量部)程度の範囲から選択することができる。
粘着剤組成物は、必要に応じて、レベリング剤、架橋助剤、可塑剤、軟化剤、充填剤、着色剤(顔料、染料等)、帯電防止剤、老化防止剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、光安定剤等の、粘着剤組成物の分野において一般的な各種の添加剤を含有するものであり得る。このような各種添加剤については、従来公知のものを常法により使用することができ、特に本発明を特徴づけるものではないので、詳細な説明は省略する。
ここに開示される固定部材は、所望の光学特性(透過率、反射率等)を有するものであり得る。例えば、遮光用途に用いられる固定部材は、可視光透過率が0%以上15%以下(より好ましくは0%以上10%以下)であることが好ましい。また、光反射用途に用いられる固定部材は、可視光反射率が20%以上100%以下(より好ましくは25%以上100%以下)であることが好ましい。固定部材の光学特性は、例えば、上述のように発泡体基材を着色すること等により調整することができる。
ここに開示される固定部材は、金属の腐食防止等の観点から、ハロゲンフリーであることが好ましい。このことは、固定部材の燃焼時におけるハロゲン含有ガスの発生を抑制し得るので、環境負荷軽減の観点からも好ましい。ハロゲンフリーの固定部材は、ハロゲン化合物を発泡体基材や粘着剤の原料として意図的に用いないこと、ハロゲン化合物を意図的に配合しない発泡体基材を用いること、添加剤を用いる場合にハロゲン化合物由来の添加剤を用いないこと等の手段を、単独でまたは適宜組み合わせて採用することにより得ることができる。
<固定部材の製造および利用>
ここに開示される固定部材の製造方法は特に限定されない。一好適例として、シート形状の発泡体基材上に粘着剤層を有する粘着シート原反を準備し、該粘着シート原反を固定部材の形状に加工する方法が挙げられる。特に限定するものではないが、粘着シート原反は、典型的には厚さ方向に貫通する孔のない連続シート状であって、幅は例えば20cm以上(典型的には50cm以上)、長さは例えば1m以上(典型的には5m以上)であり得る。粘着シート原反を固定部材の形状に加工する手段としては、公知の様々な切断手段を適用することができる。このような切断手段の非限定的な例として、打抜き(トムソン刃による打抜き等)、裁断、レーザ切断、ウォータージェット切断、熱切断等が挙げられる。これらは1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて実施することができる。また、各切断手段は2回以上行ってもよい。
ここに開示される固定部材を用いて接合される固定対象部品(表示部または表示部保護部材)および筐体の材質は特に限定されず、例えば、ステンレス鋼(SUS)、アルミニウム等の金属材料;ガラス、セラミックス等の無機材料;ポリカーボネート(PC)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、アクリロニトリルブタジエンスチレン共重合体樹脂(ABS)、耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)、PC−ABSブレンド樹脂、PC−HIPSブレンド樹脂等の樹脂材料;天然ゴム、ブチルゴム等のゴム材料;およびこれらの複合材料等から選択され得る。
ここに開示される固定部材を用いて接合される固定対象部品の形状は特に限定されない。上記固定対象部品の代表的な形状として板状が挙げられる。上記板状の概念には、平板状、湾曲板状およびこれらの複合的な形状が含まれる。典型的な一態様において、上記固定対象部品の形状は、長方形または正方形の平板状(矩形板状)であり得る。このような形状の固定対象部品において、上記長辺の長さと短辺の長さとの比は、例えば1:1〜1:5(典型的には1:1〜1:3)であり得る。上記長辺の長さ(正方形状の場合には1辺の長さ)は、例えば3.5cm以上(好ましくは5.5cm以上、より好ましくは7.5cm以上、さらに好ましくは10.5cm以上)であり得る。ここに開示される技術は、例えば、固定対象部品の面積が25cm2以上(典型的には25〜5000cm2、好ましくは50〜3000cm2)である携帯型電子機器にも好ましく適用され得る。
ここに開示される固定部材が両面粘着性固定部材の形態である場合、該固定部材は、少なくとも一方(好ましくは両方)の粘着面が剥離ライナーにより保護された剥離ライナー付き固定部材の形態で携帯電子機器の組立てに供されることが好ましい。このような剥離ライナー付き固定部材は、生産、流通、保存、貼付け等の際における取扱性の観点から有利である。剥離ライナーとしては、慣用の剥離紙等を使用することができ、特に限定されない。例えば、プラスチックフィルムや紙等のライナー基材の表面に剥離処理層を有する剥離ライナー;フッ素系ポリマー(ポリテトラフルオロエチレン等)やポリオレフィン系樹脂(ポリエチレン、ポリプロピレン等)のような低接着性材料からなる剥離ライナー;等を用いることができる。上記剥離処理層は、例えば、シリコーン系、長鎖アルキル系、フッ素系、硫化モリブデン等の剥離処理剤により上記ライナー基材を表面処理して形成されたものであり得る。
両面粘着性固定部材の両粘着面が2枚の剥離ライナーによりそれぞれ保護された形態の剥離ライナー付き固定部材において、少なくとも一方の粘着面を保護する剥離ライナーは、光透過性を有する剥離ライナーであることが好ましい。ここに開示される固定部材は、例えば図8に示すように、固定部材100の第1粘着面124Aおよび第2粘着面126Aが光透過性剥離ライナー151,152によってそれぞれ保護された形態の剥離ライナー付き固定部材50の形態で携帯電子機器の組立てに供されることが好ましい。これにより、固定部材100を精度よく貼り付けることが容易となり、接合信頼性の高い携帯電子機器の安定生産に寄与することができる。光透過性剥離ライナー151,152としては、少なくとも固定部材100側の表面が剥離性を有する表面(剥離面)151A,152Aとなっている透明な樹脂フィルムを好ましく使用することができる。
このような光透過性剥離ライナーに用いられる樹脂フィルムの好適例としては、ポリプロピレン(PP)フィルム、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、ポリイミドフィルム、ポリエチレンフィルム等が挙げられる。形状維持性および寸法安定性の観点から好ましい樹脂フィルムとして、PPフィルムおよびPETフィルムが挙げられる。光透過性剥離ライナーの厚さは特に限定されないが、通常は25〜500μmが適当であり、50〜300μm(例えば50〜150μm)が好ましい。
なお、この明細書により開示される事項には、以下のものが含まれる。
(1)携帯電子機器の表示部または表示部保護部材を筐体に固定するための固定部材(表示部等用の固定部材)であって
発泡体基材と、該発泡体基材の少なくとも一方の面に配置された粘着剤層とを含み、
上記固定部材は、幅2.0mm未満の細幅部を有し、
上記固定部材は、上記細幅部の平均幅W[mm]と、該固定部材の100%モジュラスM[N/mm2基材]と、上記発泡体基材の厚さHs[mm]との関係が次式:0.4/(M×Hs)≦W;を満たす、固定部材。
(2)上記発泡体基材の一方の面および他方の面に粘着剤層を有する両面粘着性固定部材として構成されている、上記(1)に記載の固定部材。
(3)上記固定部材の内縁により区画された窓部の面積Aoが、上記固定部材の面積Afの5倍以上である、上記(1)または(2)に記載の固定部材。
(4)上記細幅部と、幅2.0mm以上の非細幅部とを有する、上記(1)〜(3)のいずれかに記載の固定部材。
(5)上記細幅部の平均幅Wが1.0mm未満である、上記(1)〜(4)のいずれかに記載の固定部材。
(6)枠状に形成されている、上記(1)〜(5)のいずれかに記載の固定部材。
(7)枠状であって、長辺の長さが5cm以上である、上記(1)〜(6)のいずれかに記載の固定部材。
(8)長方形の枠状であって、少なくとも一方(好ましくは両方)の長辺は、該長辺の長さのうち細幅部の長さが50%以上を占めている、上記(1)〜(7)のいずれかに記載の固定部材。
(9)枠状であって、4つの角部のうち少なくともひとつは外縁が丸く形成されている、上記(1)〜(8)のいずれかに記載の固定部材。
(10)継ぎ目のない環状に形成されている、上記(1)〜(9)のいずれかに記載の固定部材。
(11)上記細幅部の平均幅W[mm]が、該細幅部における上記固定部材の厚さHf[mm]の1.0倍以上である、上記(1)〜(10)のいずれかに記載の固定部材。
(12)上記固定部材の厚さHfが0.10〜0.30mmである、上記(1)〜(11)のいずれかに記載の固定部材。
(13)上記100%モジュラスM[N/mm2基材]と上記発泡体基材の厚さHs[mm]との関係が0.50≦M×Hsを満たす、上記(1)〜(12)のいずれかに記載の固定部材。
(14)上記固定部材の可視光透過率が0%以上15%以下である、上記(1)〜(13)のいずれかに記載の固定部材。
(15)上記発泡体基材は黒色に着色されている、上記(1)〜(14)のいずれかに記載の固定部材。
(16)上記発泡体基材は、ポリオレフィン系発泡体基材である、上記(1)〜(15)のいずれかに記載の固定部材。
(17)上記粘着剤層は、アクリル系ポリマーをベースポリマーとする粘着剤層である、上記(1)〜(16)のいずれかに記載の固定部材。
(18)上記粘着剤層は、アクリル系ポリマーをベースポリマーとする粘着剤層であり、
上記アクリル系ポリマーの合成に用いられるモノマーの総量のうち70重量%以上(好ましくは85重量%以上)は、ホモポリマーのTgが−45℃以下のモノマーである、上記(1)〜(17)のいずれかに記載の固定部材。
(19)上記粘着剤層は、アクリル系ポリマーをベースポリマーとする粘着剤層であり、
上記アクリル系ポリマーの合成に用いられるモノマーの総量のうち0.2〜8重量%はカルボキシル基含有モノマーである、上記(1)〜(18)のいずれかに記載の固定部材。
(20)上記粘着剤層は、該粘着剤層のベースポリマー100重量部に対して、粘着付与樹脂を20〜80重量部含む、上記(1)〜(19)のいずれかに記載の固定部材。
(21)携帯電子機器の表示部または表示部保護部材を筐体に固定するための固定部材(表示部等用の固定部材)であって、
発泡体基材の一方の面および他方の面に粘着剤層を有する両面粘着性固定部材として構成されており、
上記固定部材の内縁により区画された窓部の面積Aoが、上記固定部材の面積Afの5倍以上であり、
上記固定部材は、継ぎ目のない長方形の枠状であって、幅2.0mm未満の細幅部と幅2.0mm以上の非細幅部とを有し、上記長方形枠状における少なくとも一方の長辺は該長辺の長さのうち50%以上が上記細幅部であり、
上記粘着剤層は、アクリル系ポリマーをベースポリマーとする粘着剤層であって、上記アクリル系ポリマーの合成に用いられるモノマーの総量のうち70重量%以上はホモポリマーのTgが−45℃以下のモノマーであり、
上記固定部材は、上記細幅部の平均幅W[mm]と、該固定部材の100%モジュラスM[N/mm2基材]と、上記発泡体基材の厚さHs[mm]との関係が次式:0.4/(M×Hs)≦W;を満たす、固定部材。
(22)表示部または表示部保護部材と、
前記表示部または表示部保護部材が固定された筐体と、
前記表示部と前記筐体との間、あるいは表示部保護部材と前記筐体との間に介在する固定部材と
を含む携帯電子機器であって、
上記固定部材は、発泡体基材と、該発泡体基材の少なくとも一方の面に配置された粘着剤層とを含み、
上記固定部材は、幅2.0mm未満の細幅部を有し、かつ
上記固定部材は、上記細幅部の幅W[mm]と、該固定部材の100%モジュラスM[N/mm2基材]と、上記発泡体基材の厚さHs[mm]との関係が次式:0.4/(M×Hs)≦W;を満たし、
前記表示部と前記筐体、あるいは前記表示部保護部材と上記筐体とは、上記固定部材を含むシール部により液密に接合されている、携帯電子機器。
(23)上記固定部材は、上記(1)〜(21)のいずれかに記載の固定部材である、上記(22)に記載の携帯電子機器。
以下、本発明に関するいくつかの実施例を説明するが、本発明をかかる実施例に示すものに限定することを意図したものではない。なお、以下の説明において「部」および「%」は、特に断りがない限り重量基準である。
<両面粘着シートの作製>
(例1)
攪拌機、還流冷却器、温度計、滴下装置および窒素導入管を備えた反応容器に、アクリル酸2.9部、酢酸ビニル5部、n−ブチルアクリレート92部、2−ヒドロキシエチルアクリレート0.1部、および重合溶媒として酢酸エチル30部、トルエン120部を投入し、窒素ガスを導入しながら2時間攪拌した。
このようにして重合系内の酸素を除去した後、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.2部を加え、60℃に昇温して6時間重合反応を行って、ポリマーを含むポリマー溶液を得た。このポリマー溶液の固形分は40.0%であり、ポリマーのMwは50×104であった。
上記ポリマー溶液に、該ポリマー溶液中のポリマー100部に対して、荒川化学工業株式会社製の商品名「ペンセルD−125」(ロジン系粘着付与樹脂、固形分100%)10部、荒川化学工業株式会社製の商品名「スーパーエステルA−100」(ロジン系粘着付与樹脂、固形分100%)10部、イーストマンケミカル社製の商品名「フォーラリン8020F」(ロジン系粘着付与樹脂、固形分100%)5部、および荒川化学工業株式会社製の商品名「タマノル803L」(テルペンフェノール樹脂、固形分100%)15部を添加し、溶解するまで十分に攪拌した。さらに、上記ポリマー溶液中のポリマー100部に対して2.0部となる割合で、架橋剤としての芳香族ポリイソシアネート(商品名「コロネートL」、日本ポリウレタン工業株式会社製、固形分75%)を添加し、十分に攪拌して、溶剤型粘着剤組成物を得た。
市販の剥離ライナー(商品名「SLB−80W3D」、住化加工紙株式会社製)を2枚用意した。それらの剥離ライナーのそれぞれ一方の面(剥離面)に上記粘着剤組成物を、乾燥後の厚さが50μmとなるように塗布し、100℃で2分間乾燥させることにより、上記2枚の剥離ライナーの剥離面上にそれぞれ粘着剤層を形成した。これらの粘着剤層を、両面にコロナ放電処理が施されたポリエチレン系発泡体シート(厚さ0.15mm、密度0.56g/cm3、10%圧縮強度(C10)167kPa、25%圧縮強度(C25)468kPa、30%圧縮強度(C30)627kPa、平均気泡径55μm;以下「基材1A」という。)の両面にそれぞれ貼り合わせた。上記剥離ライナーは、そのまま粘着剤層上に残し、該粘着剤層の表面(粘着面)の保護に使用した。得られた構造体を80℃のラミネータ(0.3MPa、速度0.5m/分)に1回通過させた後、50℃のオーブン中で1日間養生した。このようにして例1に係る両面粘着シートを得た。
(例2)
基材1Aに代えて、両面にコロナ放電処理が施されたポリエチレン系発泡体シート(厚さ0.15mm、密度0.56g/cm3、10%圧縮強度(C10)100kPa、25%圧縮強度(C25)365kPa、30%圧縮強度(C30)515kPa、平均気泡径155μm;以下「基材1B」という。)を使用した他は例1と同様にして、例2に係る両面粘着シートを得た。
(例3)
基材1Aに代えて、両面にコロナ放電処理が施されたポリエチレン系発泡体シート(厚さ0.15mm、密度0.37g/cm3、10%圧縮強度(C10)34kPa、25%圧縮強度(C25)92kPa、30%圧縮強度(C30)117kPa、平均気泡径90μm;以下「基材2A」という。)を使用した他は例1と同様にして、例3に係る両面粘着シートを得た。
(例4)
基材1Aに代えて、両面にコロナ放電処理が施されたポリエチレン系発泡体シート(厚さ0.20mm、密度0.20g/cm3、10%圧縮強度(C10)19kPa、25%圧縮強度(C25)47kPa、30%圧縮強度(C30)59kPa、平均気泡径90μm;以下「基材3A」という。)を使用した他は例1と同様にして、例4に係る両面粘着シートを得た。
各例に係る両面粘着シート(固定部材作製用の粘着シート原反)について、上述した方法でMDモジュラスおよびTDモジュラスを測定し、各例に係る粘着シートの100%モジュラスM[N/mm2基材]およびM×Hsを算出した。その結果、例1では100%モジュラスMが6.4N/mm2基材(MDモジュラスが6.5N/mm2基材、TDモジュラスが6.2N/mm2基材)、M×Hsが0.96N/mm、例2では100%モジュラスMが5.0N/mm2基材(MDモジュラスが5.6N/mm2基材、TDモジュラスが4.5N/mm2基材)、M×Hsが0.75N/mm、例3では100%モジュラスMが5.5N/mm2基材(MDモジュラスが4.5N/mm2基材、TDモジュラスが6.5N/mm2基材)、M×Hsが0.83N/mm、例4では100%モジュラスMが4.6N/mm2基材(MDモジュラスが6.1N/mm2基材、TDモジュラスが3.1N/mm2基材)、M×Hsが0.92、であった。
<落下耐久性試験>
上記で作製した両面粘着シートを、図9(a),(b)に示すような横59mm、縦113mm、幅1.0mmの窓枠状(額縁状)にカットして、細幅部の平均幅Wが1.0mmである固定部材(両面粘着性固定部材)を作製した。この固定部材を用いて、ポリカーボネート板(横70mm、縦130mm、厚さ2mm)とガラス板(横59mm、縦113mm、厚さ0.5mm)とを50Nの荷重で10秒間圧着することにより貼り合わせて、評価用サンプルを得た。
図9(a),(b)は、上記評価用サンプルの概略図であって、(a)は上面図、(b)はそのB−B’断面図である。符号400は固定部材、符号401はポリカーボネート板、符号402はガラス板を示している。
上記評価用サンプルのポリカーボネート板の背面(ガラス板と貼り合わされた面とは反対側の面)に、160gの錘を取り付けた。上記錘付きの評価用サンプルにつき、常温(23℃程度)において、1.2mの高さからコンクリート板に60回自由落下させる落下試験を行った。このとき、上記評価用サンプルの6面が順次下方となるように、落下の向きを調節した。すなわち、6面につきそれぞれ1回の落下パターンを10サイクル行った。そして、1回落下させる毎にポリカーボネート板とガラス板との接合が維持されているか否かを目視で確認し、ポリカーボネート板とガラス板とが剥がれる(分離する)までの落下回数を、常温における落下耐久性として評価した。60回落下させた後にも剥がれが認められなかった場合には「60超」と評価した。
上記固定部材の幅(平均幅W)を0.7mm、0.5mmおよび0.3mmに変更した他は上記と同様にして評価用サンプルを作製し、同様にして落下耐久性試験を行った。
各平均幅Wの固定部材についての評価結果を表1に示す。
表1に示されるように、例1の粘着シートは、0.4/(M×Hs)≦Wを満たす形状の固定部材に加工された場合(ここでは平均幅Wが0.5mm以上の場合)に落下耐久性が60回超という優れた耐衝撃性を示した。例2の粘着シートもまた、0.4/(M×Hs)≦Wを満たす形状の固定部材に加工された場合(ここでは平均幅Wが0.7mm以上の場合)に落下耐久性が60回超という優れた耐衝撃性を示した。
なお、上記落下耐久性試験後(60回落下させた後)の評価用サンプルについてIPX7規格(JIS C 0920/IEC60529)に基づいて防水性を評価した(具体的には、23℃、50%RHにおいて水深1mの水槽に30分間沈め、内部への浸水の有無を確認した)ところ、例1の粘着シートでは、平均幅W0.5mm以上においていずれも浸水は認められず、落下衝撃後にも良好な防水性が維持されていた。例2の粘着シートでは、平均幅W0.7mmでは浸水がみられたものの、平均幅W1.0mmでは浸水は認められず、落下衝撃後にも良好な防水性が維持されていた。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。