本発明の実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。ただし、本発明は以下の説明に限定されず、その形態および詳細を様々に変更し得ることは、当業者であれば容易に理解される。また、本発明は以下に示す実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。なお、図面を用いて発明の構成を説明するにあたり、同じものを指す符号は異なる図面間でも共通して用いる。なお、同様のものを指す際にはハッチパターンを同じくし、特に符号を付さない場合がある。なお、異なる符合の構成要素の記載を参照する場合、参照された構成要素の厚さ、組成、構造または形状などについての記載を適宜用いることができる。
なお、図において、大きさ、膜(層)の厚さ、または領域は、明瞭化のために誇張されている場合がある。
なお、本明細書において、「膜」という表記と、「層」という表記と、を互いに入れ替えることが可能である。
また、電圧は、ある電位と、基準の電位(例えば接地電位(GND)またはソース電位)との電位差のことを示す場合が多い。よって、電圧を電位と言い換えることが可能である。一般的に、電位(電圧)は、相対的なものであり、基準の電位からの相対的な大きさによって決定される。したがって、「接地電位」などと記載されている場合であっても、電位が0Vであるとは限らない。例えば、回路で最も低い電位が、「接地電位」となる場合もある。または、回路で中間くらいの電位が、「接地電位」となる場合もある。その場合には、その電位を基準として、正の電位と負の電位が規定される。
なお、第1、第2として付される序数詞は便宜的に用いるものであり、工程順または積層順を示すものではない。そのため、例えば、「第1の」を「第2の」または「第3の」などと適宜置き換えて説明することができる。また、本明細書などに記載されている序数詞と、本発明の一態様を特定するために用いられる序数詞は一致しない場合がある。
なお、半導体の不純物とは、例えば、半導体を構成する主成分以外をいう。例えば、濃度が0.1原子%未満の元素は不純物である。不純物が含まれることにより、例えば、半導体にDOS(Density of States)が形成されることや、キャリア移動度が低下することや、結晶性が低下することなどが起こる場合がある。半導体が酸化物半導体である場合、半導体の特性を変化させる不純物としては、例えば、第1族元素、第2族元素、第14族元素、第15族元素、主成分以外の遷移金属などがあり、特に、例えば、水素(水にも含まれる)、リチウム、ナトリウム、シリコン、ホウ素、リン、炭素、窒素などがある。酸化物半導体の場合、例えば水素などの不純物の混入によって酸素欠損を形成する場合がある。また、半導体がシリコンである場合、半導体の特性を変化させる不純物としては、例えば、酸素、水素を除く第1族元素、第2族元素、第13族元素、第15族元素などがある。ただし、不純物以外にも、過剰に含まれた主成分の元素がDOSの原因となる場合もある。その場合、微量(例えば0.001原子%以上3原子%未満)の添加物によってDOSを低くできる場合がある。なお、該添加物としては、上述した不純物となりうる元素を用いることもできる。
なお、チャネル長とは、例えば、トランジスタの上面図において、半導体(またはトランジスタがオン状態のときに半導体の中で電流の流れる部分)とゲート電極とが互いに重なる領域、またはチャネルが形成される領域における、ソース(ソース領域またはソース電極)とドレイン(ドレイン領域またはドレイン電極)との間の距離をいう。なお、一つのトランジスタにおいて、チャネル長が全ての領域で同じ値をとるとは限らない。即ち、一つのトランジスタのチャネル長は、一つの値に定まらない場合がある。そのため、本明細書では、チャネル長は、チャネルの形成される領域における、いずれか一の値、最大値、最小値または平均値とする。
チャネル幅とは、例えば、半導体(またはトランジスタがオン状態のときに半導体の中で電流の流れる部分)とゲート電極とが互いに重なる領域、またはチャネルが形成される領域における、ソースとドレインとが向かい合っている部分の長さをいう。なお、一つのトランジスタにおいて、チャネル幅がすべての領域で同じ値をとるとは限らない。即ち、一つのトランジスタのチャネル幅は、一つの値に定まらない場合がある。そのため、本明細書では、チャネル幅は、チャネルの形成される領域における、いずれか一の値、最大値、最小値または平均値とする。
なお、トランジスタの構造によっては、実際にチャネルの形成される領域におけるチャネル幅(以下、実効的なチャネル幅と呼ぶ。)と、トランジスタの上面図において示されるチャネル幅(以下、見かけ上のチャネル幅と呼ぶ。)と、が異なる場合がある。例えば、立体的な構造を有するトランジスタでは、実効的なチャネル幅が、トランジスタの上面図において示される見かけ上のチャネル幅よりも大きくなり、その影響が無視できなくなる場合がある。例えば、微細かつ立体的な構造を有するトランジスタでは、半導体の側面に形成されるチャネル領域の割合が大きくなる場合がある。その場合は、上面図において示される見かけ上のチャネル幅よりも、実際にチャネルの形成される実効的なチャネル幅の方が大きくなる。
ところで、立体的な構造を有するトランジスタにおいては、実効的なチャネル幅の、実測による見積もりが困難となる場合がある。例えば、設計値から実効的なチャネル幅を見積もるためには、半導体の形状が既知という仮定が必要である。したがって、半導体の形状が正確にわからない場合には、実効的なチャネル幅を正確に測定することは困難である。
そこで、本明細書では、トランジスタの上面図において、半導体とゲート電極とが互いに重なる領域における、ソースとドレインとが向かい合っている部分の長さである見かけ上のチャネル幅を、「囲い込みチャネル幅(SCW:Surrounded Channel Width)」と呼ぶ場合がある。また、本明細書では、単にチャネル幅と記載した場合には、囲い込みチャネル幅または見かけ上のチャネル幅を指す場合がある。または、本明細書では、単にチャネル幅と記載した場合には、実効的なチャネル幅を指す場合がある。なお、チャネル長、チャネル幅、実効的なチャネル幅、見かけ上のチャネル幅、囲い込みチャネル幅などは、断面TEM像などを取得して、その画像を解析することなどによって、値を決定することができる。
なお、トランジスタの電界効果移動度や、チャネル幅当たりの電流値などを計算して求める場合、囲い込みチャネル幅を用いて計算する場合がある。その場合には、実効的なチャネル幅を用いて計算する場合とは異なる値をとる場合がある。
なお、各図に上面図と断面図とが示され、かつ図中にA1、B1、A2等の記号、およびそれらの間に破線が示されている場合、これら各図内にて各記号や破線の位置は対応している。また、本明細書において、AがBより迫り出した形状を有すると記載する場合、上面図または断面図において、Aの少なくとも一端が、Bの少なくとも一端よりも外側にある形状を有することを示す場合がある。したがって、AがBより迫り出した形状を有すると記載されている場合、例えば上面図において、Aの一端が、Bの一端よりも外側にある形状を有すると読み替えることができる。
本明細書において、「平行」とは、二つの直線が−10°以上10°以下の角度で配置されている状態をいう。したがって、−5°以上5°以下の場合も含まれる。また、「略平行」とは、二つの直線が−30°以上30°以下の角度で配置されている状態をいう。また、「垂直」とは、二つの直線が80°以上100°以下の角度で配置されている状態をいう。したがって、85°以上95°以下の場合も含まれる。また、「略垂直」とは、二つの直線が60°以上120°以下の角度で配置されている状態をいう。
また、本明細書において、結晶が三方晶または菱面体晶である場合、六方晶系として表す。
なお、明細書において、単に半導体と記載される場合、様々な半導体に置き換えることができる場合がある。例えば、シリコン、ゲルマニウムなどの第14族半導体、酸化物半導体、炭化シリコン、ケイ化ゲルマニウム、ヒ化ガリウム、リン化インジウム、セレン化亜鉛、硫化カドミウムなどの化合物半導体、および有機半導体に置き換えることができる。
ここで、本発明の一態様に係る半導体装置を作製する際に、構成要素の一部をエッチングする方法の一例を説明する。まず、構成要素上に感光性を有する有機物または無機物の層を、スピンコート法などを用いて形成する。次に、フォトマスクを用いて、感光性を有する有機物または無機物の層に光を照射する。当該光としては、KrFエキシマレーザ光、ArFエキシマレーザ光、EUV(Extreme Ultraviolet)光などを用いればよい。また、基板と投影レンズとの間に液体(例えば水)を満たして露光する、液浸技術を用いてもよい。また、感光性を有する有機物または無機物の層に照射する光に代えて、電子ビームやイオンビームを用いてもよい。なお、電子ビームやイオンビームを用いる場合には、フォトマスクは不要となる。次に、現像液を用いて、感光性を有する有機物または無機物の層の露光された領域を、除去または残存させてレジストなどを有するエッチングマスクを形成する。
なお、エッチングマスクの下には、反射防止層(BARC:Bottom Anti Reflective Coating)を形成してもよい。BARCを用いる場合、まずエッチングマスクによってBARCをエッチングする。次に、エッチングマスクおよびBARCを用いて、構成要素をエッチングする。ただし、BARCに代えて、反射防止層の機能を有さない有機物または無機物を用いてもよい場合がある。
構成要素のエッチング後には、用いたエッチングマスクなどを除去する。エッチングマスクなどの除去には、プラズマ処理または/およびウェットエッチングを用いる。なお、プラズマ処理としては、プラズマアッシングが好適である。エッチングマスクなどの除去が不十分な場合、0.001volume%以上1volume%以下の濃度のフッ化水素酸または/およびオゾン水などによって取り残したエッチングマスクなどを除去してもよい。本明細書では、以上の工程をフォトリソグラフィ工程と呼ぶことがある。
また、本明細書において、導電体、絶縁体および半導体の成膜は、スパッタリング法、化学気相成長(CVD:Chemical Vapor Deposition)法、分子線エピタキシー(MBE:Molecular Beam Epitaxy)法またはパルスレーザ堆積(PLD:Pulsed Laser Deposition)法、原子層堆積(ALD:Atomic Layer Deposition)法、熱酸化法またはプラズマ酸化法などを用いて行うことができる。
なお、CVD法は、プラズマを利用するプラズマCVD(PECVD:Plasma Enhanced CVD)法、熱を利用する熱CVD(TCVD:Thermal CVD)法、光を利用する光CVD(Photo CVD)法などに分類できる。さらに用いる原料ガスによって金属CVD(MCVD:Metal CVD)法、有機金属CVD(MOCVD:Metal Organic CVD)法に分けることができる。
プラズマCVD法は、比較的低温で高品質の膜が得られる。また、熱CVD法は、プラズマを用いないため、被処理物へのプラズマダメージを小さくすることが可能な成膜方法である。例えば、半導体装置に含まれる配線、電極、素子(トランジスタ、容量素子など)などは、プラズマから電荷を受け取ることでチャージアップする場合がある。このとき、蓄積した電荷によって、半導体装置に含まれる配線、電極、素子などが破壊される場合がある。一方、プラズマを用いない熱CVD法の場合、こういったプラズマダメージが生じないため、半導体装置の歩留まりを高くすることができる。また、熱CVD法では、成膜中のプラズマダメージが生じないため、欠陥の少ない膜が得られる。
また、ALD法も、被処理物へのプラズマダメージを小さくすることが可能な成膜方法である。また、ALD法も、成膜中のプラズマダメージが生じないため、欠陥の少ない膜が得られる。
CVD法およびALD法は、ターゲットなどから放出される粒子が堆積する成膜方法とは異なり、被処理物の表面における反応により膜が形成される成膜方法である。したがって、被処理物の形状の影響を受けにくく、良好な段差被覆性を有する成膜方法である。特に、ALD法は、優れた段差被覆性と、優れた厚さの均一性を有するため、アスペクト比の高い開口部の表面を被覆する場合などに好適である。ただし、ALD法は、比較的成膜速度が遅いため、成膜速度の速いCVD法などの他の成膜方法と組み合わせて用いることが好ましい場合もある。
CVD法およびALD法は、原料ガスの流量比によって、得られる膜の組成を制御することができる。例えば、CVD法およびALD法では、原料ガスの流量比によって、任意の組成の膜を成膜することができる。また、例えば、CVD法およびALD法では、成膜しながら原料ガスの流量比を変化させることによって、組成が連続的に変化した膜を成膜することができる。原料ガスの流量比を変化させながら成膜する場合、複数の成膜室を用いて成膜する場合と比べて、搬送や圧力調整に掛かる時間の分、成膜に掛かる時間を短くすることができる。したがって、半導体装置の生産性を高めることができる場合がある。
<酸化物導電体の形成方法>
以下では、図1を用いて、本発明の一態様に係る酸化物導電体の形成方法について説明する。
図1(A)は、酸化物半導体106と、絶縁体114と、水素含有層103と、の積層構造を示す。なお、図1(A)では、下から順に酸化物半導体106、絶縁体114および水素含有層103が積層されているが、上と下とが逆であってもよい。
酸化物半導体106は、欠陥105aを有する。例えば、欠陥105aが酸素欠損である場合、欠陥105aに水素が入ることで、ドナー準位を形成する場合がある。
絶縁体114は、水素透過性を有する絶縁体である。
水素は、原子半径が小さいため拡散係数が大きい。拡散係数が大きいため、例えば、密度の低い絶縁体は、水素透過性が十分高くなる。密度の低い絶縁体は、絶縁体全体の密度が低い必要はなく、部分的に密度が低い物質も含む。これは、密度の低い領域が水素の経路となるためである。水素が透過しうる物質の密度は一意には定まらないが、代表的には2.6g/cm3未満などが挙げられる。密度の低い絶縁体としては、例えば、酸化シリコンおよび酸化窒化シリコンなどの無機絶縁体、ならびにポリエステル、ポリオレフィン、ポリアミド(ナイロン、アラミドなど)、ポリイミド、ポリカーボネートおよびアクリルなどの有機絶縁体などがある。なお、密度の低い絶縁体は、上述の絶縁体に限定されない。例えば、これらの絶縁体に、ホウ素、窒素、フッ素、ネオン、リン、塩素またはアルゴンから選ばれた一種以上の元素が含まれていてもよい。
また、結晶粒界を有する絶縁体は、水素透過性が高い場合がある。例えば、多結晶絶縁体は、非多結晶絶縁体(非晶質絶縁体など)と比べて水素透過性が高くなる場合がある。
水素含有層103は、過剰水素107を有する層である。水素含有層103は、絶縁体、半導体または導電体のいずれであってもよい。過剰水素は、加熱処理などによって容易に脱離する水素である。ただし、過剰水素とそのほかの水素とが区別できない場合もある。
水素含有層103は、例えば、表面温度が50℃から580℃までで行う昇温脱離ガス分析法(TDS:Thermal Desorption Spectroscopy)によって、質量電荷比が2であるガスの放出量が1×1016/cm2以上、好ましくは5×1016/cm2以上、さらに好ましくは1×1017/cm2以上である領域を有する層である。または、水素含有層103は、例えば、表面温度が50℃から580℃までで行うTDSによって、質量電荷比が18であるガスの放出量が1×1014/cm2以上、好ましくは5×1014/cm2以上、さらに好ましくは1×1015/cm2以上である領域を有する層である。または、水素含有層103は、例えば、表面温度が50℃から250℃までで行うTDSによって、質量電荷比が2であるガスの放出量が1×1015/cm2以上、好ましくは5×1015/cm2以上、さらに好ましくは1×1016/cm2以上である領域を有する層である。または、水素含有層103は、例えば、表面温度が50℃から250℃までで行うTDSによって、質量電荷比が18であるガスの放出量が1×1014/cm2以上、好ましくは5×1014/cm2以上、さらに好ましくは1×1015/cm2以上である領域を有する層である。
水素含有層103は、二次イオン質量分析法(SIMS:Secondary Ion Mass Spectrometry)によって、水素濃度が1×1021atoms/cm3以上5×1022atoms/cm3以下、好ましくは5×1021atoms/cm3以上5×1022atoms/cm3以下、さらに好ましくは1×1022atoms/cm3以上5×1022atoms/cm3以下である領域を有する層である。
水素含有層103としては、例えば、非晶質シリコン、微結晶シリコン、多結晶シリコン、窒化シリコン、窒化酸化シリコン、酸化シリコンまたは酸化窒化シリコンなどを用いればよい。または、水素含有層103が、例えば、金属の水素化合物であってもよい。または、水素含有層103が、例えば、さらにホウ素、窒素、フッ素、ネオン、リン、塩素またはアルゴンから選ばれた一種以上の元素を有していてもよい。水素含有層103が、金属の水素化合物、または不純物を有する非晶質シリコン、微結晶シリコンもしくは多結晶シリコンである場合、水素含有層103は導電性を有する。また、水素含有層103が、窒化シリコン、窒化酸化シリコン、酸化シリコンまたは酸化窒化シリコンである場合、水素含有層103は絶縁性を有する。
水素含有層103から加熱処理などによって脱離した過剰水素107は、図1(B)に示すように、絶縁体114を介して酸化物半導体106の欠陥105aに入り、欠陥105bを形成する。欠陥105bは、酸化物半導体106にドナー準位を形成する。ドナー準位が形成され、キャリア密度が高くなることで、酸化物半導体106は酸化物導電体109となる。なお、酸化物導電体109は、導電性が高いという点では導電体と呼ばれるが、エネルギーギャップを有する。
不純物を熱拡散などによって添加するため、酸化物導電体109の形成の際に絶縁体114にダメージが生じにくい。また、過剰水素107によって絶縁体114の欠陥を低減させることができる場合がある。よって、絶縁体114は、そのまま半導体素子または容量素子などの一部として好適に用いることができる。例えば、絶縁体114を半導体素子の一部に用いた場合、安定で、優れた電気特性を有する半導体素子を作製することができる。また、例えば、絶縁体114を容量素子の一部に用いた場合、リーク電流が小さく、高電圧でも破壊されにくい容量素子を作製することができる。
<トランジスタの作製方法>
本発明の一態様に係る酸化物導電体をトランジスタに適用することができる。以下では、その一例を示す。
まず、基板400を準備する。
次に、導電体を成膜する。次に、導電体上にエッチングマスクを形成する。次に、エッチングマスクをマスクとして導電体の一部をエッチングすることで導電体413を形成する。なお、本発明の一態様に係るトランジスタは、導電体413を有さなくてもよい場合がある。その場合は、この工程を省略すればよい。
次に、絶縁体402を成膜する。
次に、酸化物半導体を成膜する。次に、酸化物半導体上にエッチングマスクを形成する。次に、エッチングマスクをマスクとして酸化物半導体の一部をエッチングすることで酸化物半導体406を形成する(図2参照。)。
次に、第1の加熱処理を行うことが好ましい。第1の加熱処理は、150℃以上650℃以下、好ましくは250℃以上600℃以下、さらに好ましくは350℃以上570℃以下で行えばよい。第1の加熱処理は、不活性ガス雰囲気、または酸化性ガス雰囲気で行う。酸化性ガスとは、酸素原子を有するガスである。例えば、酸素、オゾンまたは窒素酸化物(一酸化窒素、二酸化窒素、一酸化二窒素、三酸化二窒素、四酸化二窒素、五酸化二窒素など)を有するガスは、酸化性ガスである。酸化性ガス雰囲気とは、酸化性ガスを0.1%以上、1%以上または10%以上有する雰囲気をいう。なお、酸化性ガス雰囲気には、窒素または希ガス(ヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトン、キセノンなど)の不活性ガスが含まれてもよい。また、不活性ガス雰囲気とは、不活性ガスを有し、酸化性ガスなどの反応性ガスが0.1%未満である雰囲気をいう。第1の加熱処理は減圧状態で行ってもよい。または、第1の加熱処理は、不活性ガス雰囲気で加熱処理した後に、脱離した酸素を補うために酸化性ガス雰囲気で加熱処理を行ってもよい。第1の加熱処理によって、水素原子または炭素原子などを有する不純物(水、炭化水素など)や欠陥を低減することができる。
上記加熱処理において、加熱処理装置は電気炉に限られず、加熱されたガスなどの媒体からの熱伝導、または熱輻射によって、被処理物を加熱する装置であってもよい。例えば、GRTA(Gas Rapid Thermal Anneal)装置、LRTA(Lamp Rapid Thermal Anneal)装置等のRTA(Rapid Thermal Anneal)装置を用いることができる。LRTA装置は、ハロゲンランプ、メタルハライドランプ、キセノンアークランプ、カーボンアークランプ、高圧ナトリウムランプ、高圧水銀ランプなどのランプから発する光(電磁波)の輻射により、被処理物を加熱する装置である。GRTA装置は、高温のガスを用いて加熱処理を行う装置である。
なお、第1の加熱処理として、基板を加熱した高密度プラズマ処理を行ってもよい。高密度プラズマ処理は、酸化性ガス雰囲気で行うと好ましい。または、不活性ガス雰囲気で高密度プラズマ処理をした後に、脱離した酸素を補うために酸化性ガス雰囲気で高密度プラズマ処理を行ってもよい。このように高密度プラズマ処理を行うことによって、例えば水素原子または炭素原子などを有する不純物(水、炭化水素など)を被処理物から脱離させることができる。高密度プラズマを用いることで、単に加熱した場合と比べて低温でも効果的に不純物の低減や欠陥の低減などが可能となる。
高密度プラズマの生成には、例えば、周波数0.3GHz以上3.0GHz以下、0.7GHz以上1.1GHz以下、または2.2GHz以上2.8GHz以下(代表的には2.45GHz)の高周波発生器を用いて発生させたマイクロ波を用いればよい。また、例えば、圧力を10Pa以上5000Pa以下、200Pa以上1500Pa以下、または300Pa以上1000Pa以下とすればよい。また、例えば、基板温度を100℃以上600℃以下(代表的には400℃)とすればよい。酸化性雰囲気としては、例えば、酸素とアルゴンとの混合ガスを用いればよい。なお、プラズマの密度を高くするためには、十分な量のガスを供給することが好ましい。ガスの量が十分でないと、ラジカルの生成速度よりも失活速度が高くなる場合がある。例えば、ガスの量を100sccm以上、300sccm以上または800sccm以上とすればよい。
高密度プラズマ処理は、電子密度が1×1011/cm3以上1×1013/cm3以下、電子温度が2eV以下、またはイオンエネルギーが5eV以下で行うと好ましい。このような高密度プラズマ処理は、ラジカルの運動エネルギーが小さく、低密度プラズマと比較してプラズマによる被処理物へのダメージが小さい。そのため、欠陥の少ない膜を形成することができる。プラズマによるダメージを低減するためには、マイクロ波を発生するアンテナから被処理物までの距離は5mm以上120mm以下、好ましくは20mm以上60mm以下とするとよい。高密度プラズマ処理の処理時間は、30秒以上120分以下、1分以上90分以下、2分以上30分以下、または3分以上15分以下とすると好ましい。
高密度プラズマ処理の際に、被処理物側にバイアスを印加してもよい。バイアスの印加は、例えば13.56MHzまたは27.12MHzのRF(Radio Frequency)電源を用いればよい。基板側にバイアスを印加することで、高密度プラズマによって生成されたイオンを効率よく被処理物に導くことができる。
高密度プラズマ処理の後、大気に暴露することなく連続して加熱処理を行ってもよい。また、加熱処理の後、大気に暴露することなく連続して高密度プラズマ処理を行ってもよい。加熱処理の方法は、第1の加熱処理の記載を参照すればよい。高密度プラズマ処理と加熱処理とを連続して行うことによって、より効果的に不純物の低減や欠陥の低減などが可能となる。また、処理の間で不純物が混入することを抑制できる。
次に、絶縁体を成膜する。次に、導電体を成膜する。次に、導電体上にエッチングマスクを形成する。次に、エッチングマスクをマスクとして導電体の一部、および絶縁体の一部をエッチングすることで導電体404および絶縁体412を形成する(図3参照。)。
次に、絶縁体を成膜する。次に、異方性エッチングにより絶縁体の一部をエッチングすることで絶縁体410を形成する(図4参照。)。絶縁体410は、導電体404および絶縁体412の側面に接して形成されるため、側壁絶縁体と呼ぶこともできる。なお、本発明の一態様に係るトランジスタは、絶縁体410を有さなくてもよい場合がある。その場合は、この工程を省略すればよい。
次に、酸化物半導体406に欠陥を形成する処理を行うことが好ましい。該処理としては、例えば、イオン注入法を用いればよい。以下では、図5に示すようにイオン注入法によってイオン430を酸化物半導体406に添加する方法を説明する。なお、酸化物半導体406に欠陥を形成する処理を行わなくてもよい。
イオン注入法には、イオン化された原料ガスを質量分離して添加する方法と、イオン化された原料ガスを質量分離せずに添加する方法などがある。質量分離を行う場合、添加するイオン種およびその濃度を厳密に制御することができる。一方、質量分離を行わない場合、短時間で高濃度のイオンを添加することができる。また、原子または分子のクラスターを生成してイオン化するイオン注入法を用いてもよい。なお、イオン430を、ドーパント、ドナー、アクセプター、不純物または元素と言い換えてもよい。
イオン430の添加工程は、加速電圧、ドーズ量などの注入条件を適宜設定して制御すればよい。イオン430のドーズ量は、例えば、1×1012ions/cm2以上1×1016ions/cm2以下、好ましくは1×1013ions/cm2以上1×1015ions/cm2以下とすればよい。イオン430添加時の加速電圧は2kV以上50kV以下、好ましくは5kV以上30kV以下とすればよい。
また、加熱しながらイオン430を添加してもよい。例えば、200℃以上700℃以下、好ましくは300℃以上500℃以下、より好ましくは350℃以上450℃以下に加熱しながらイオン430を添加してもよい。
イオン430としては、例えば、ヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトン、キセノン、窒素、フッ素、リン、塩素、ヒ素、ホウ素、マグネシウム、アルミニウム、シリコン、チタン、バナジウム、クロム、ニッケル、亜鉛、ガリウム、ゲルマニウム、イットリウム、ジルコニウム、ニオブ、モリブデン、インジウム、スズ、ランタン、セリウム、ネオジム、ハフニウム、タンタルまたはタングステンなどが挙げられる。これらの元素の中でも、ヘリウム、アルゴン、クリプトン、キセノン、窒素、リンまたはホウ素は、酸化物半導体406以外の構成要素への影響が小さいため好適である。
イオン430の添加はイオン注入法に限定されない。例えば、イオン430を有するプラズマに曝すことでイオン430を添加することができる。または、例えば、イオン430を有する絶縁体などを成膜し、イオン430を熱などで拡散させてもよい。特に、これらのイオン430の添加方法を二以上組み合わせるとよい。
また、イオン430の添加処理後、加熱処理を行ってもよい。加熱処理は、例えば、250℃以上650℃以下、好ましくは350℃以上450℃以下とし、窒素雰囲気下、減圧下、大気(超乾燥エア)下で加熱処理を行ってもよい。
イオン430を添加することにより、酸化物半導体406の一部に欠陥が形成される。ここでは、導電体404、絶縁体412および絶縁体410とで保護された領域以外に欠陥が形成される。
次に、絶縁体414を成膜する。次に、水素含有層403を成膜する(図6参照。)。なお、本発明の一態様に係るトランジスタは、絶縁体414を有さなくてもよい場合がある。その場合は、この工程を省略すればよい。
次に、第2の加熱処理を行う。第2の加熱処理は、第1の加熱処理で説明した方法と同様の方法で行ってもよい。特に、150℃以上450℃以下、または200℃以上300℃以下の温度で行うことが好ましい。第2の加熱処理によって、酸化物半導体406に絶縁体414を介して水素含有層403から過剰水素が移動する。そして、過剰水素が酸化物半導体406の欠陥に入ることで、ドナー準位が形成される。その結果、酸化物半導体406の一部が低抵抗化する。ここでは、低抵抗化した領域を領域406n1および領域406n2と表記し、低抵抗化していない領域を領域406iと表記する。これは、図1で説明した原理と同様である。
次に、水素含有層403を除去することでトランジスタが完成する(図7参照。)。
図7に示すトランジスタにおいて、導電体404はゲート電極の機能を有する。絶縁体412はゲート絶縁体の機能を有する。酸化物半導体の領域406n1および領域406n2は、ソース領域およびドレイン領域の機能を有する。酸化物半導体の領域406iは、チャネル形成領域の機能を有する。導電体413は、第2のゲート電極の機能を有する。絶縁体402は、第2のゲート絶縁体の機能を有する。ただし、導電体413および絶縁体402と、導電体404および絶縁体412と、の機能が入れ替わっていてもよい。また、導電体413を形成しなくてもよい。その場合、導電体404でトランジスタのスイッチングを制御すればよい。または、導電体404を形成しなくてもよい。その場合、導電体413でトランジスタのスイッチングを制御すればよい。
過剰水素は、酸化物半導体406の欠陥に入ることで安定化する。したがって、欠陥に入った過剰水素は、第2の加熱処理の間に他の領域まで拡散することが少ない。また、領域406n1および領域406n2は、絶縁体414で保護される。即ち、領域406n1および領域406n2は、安定な低抵抗領域となる。よって、オン電流が高く、劣化の小さいトランジスタを提供することができる。また、酸化物半導体406が、導電体404および絶縁体410と重なる領域は、酸化物半導体406の欠陥が少ないため、過剰水素が入りにくい。したがって、チャネル形成領域のキャリア密度を低くすることができる。チャネル形成領域のキャリア密度を低くすることができるため、チャネル長が小さい場合でもトランジスタの電気特性のばらつきを小さくすることができる。また、オフ電流を小さくすることができる。また、欠陥に起因した劣化を小さくすることができる。尚、上記重なる領域は領域406iより僅かに広い領域である。
<トランジスタの作製方法の変形例>
以下では、本発明の一態様に係るトランジスタの作製方法の変形例について説明する。
まず、基板400を準備する。
次に、導電体を成膜する。次に、導電体上にエッチングマスクを形成する。次に、エッチングマスクをマスクとして導電体の一部をエッチングすることで導電体413を形成する。なお、本発明の一態様に係るトランジスタは、導電体413を有さなくてもよい場合がある。その場合は、この工程を省略すればよい。
次に、絶縁体402を成膜する。
次に、酸化物半導体を成膜する。次に、酸化物半導体上にエッチングマスクを形成する。次に、エッチングマスクをマスクとして酸化物半導体の一部をエッチングすることで酸化物半導体406を形成する(図8参照。)。
次に、第1の加熱処理を行うことが好ましい。第1の加熱処理については、上述した記載を参照する。
次に、絶縁体412を成膜する。次に、導電体を成膜する。次に、導電体上にエッチングマスクを形成する。次に、エッチングマスクをマスクとして導電体の一部をエッチングすることで導電体404を形成する(図9参照。)。
次に、絶縁体を成膜する。次に、異方性エッチングにより絶縁体の一部をエッチングすることで絶縁体410を形成する(図10参照。)。絶縁体410は、導電体404の側面に接して形成されるため、側壁絶縁体と呼ぶこともできる。なお、本発明の一態様に係るトランジスタは、絶縁体410を有さなくてもよい場合がある。その場合は、この工程を省略すればよい。
次に、酸化物半導体406に欠陥を形成する処理を行うことが好ましい。該処理としては、例えば、イオン注入法を用いてイオン430を添加すればよい(図11参照。)。イオン430の添加方法については、上述した記載を参照する。
また、イオン430の添加処理後、加熱処理を行ってもよい。加熱処理は、例えば、250℃以上650℃以下、好ましくは350℃以上450℃以下とし、窒素雰囲気下、減圧下、大気(超乾燥エア)下で加熱処理を行ってもよい。
イオン430を添加することにより、酸化物半導体406の一部に欠陥が形成される。ここでは、導電体404および絶縁体410とで保護された領域以外に欠陥が形成される。
次に、水素含有層403を成膜する(図12参照。)。
次に、第2の加熱処理を行う。第2の加熱処理は、第1の加熱処理で説明した方法と同様の方法で行ってもよい。特に、150℃以上450℃以下、または200℃以上300℃以下の温度で行うことが好ましい。第2の加熱処理によって、酸化物半導体406に絶縁体412を介して水素含有層403から過剰水素が移動する。そして、過剰水素が酸化物半導体406の欠陥に入ることで、ドナー準位が形成される。その結果、酸化物半導体406の一部が低抵抗化する。ここでは、低抵抗化した領域を領域406n1および領域406n2と表記し、低抵抗化していない領域を領域406iと表記する。これは、図1で説明した原理と同様である。
次に、水素含有層403を除去することでトランジスタが完成する(図13参照。)。
図13に示すトランジスタにおいて、導電体404はゲート電極の機能を有する。絶縁体412はゲート絶縁体の機能を有する。酸化物半導体の領域406n1および領域406n2は、ソース領域およびドレイン領域の機能を有する。酸化物半導体の領域406iは、チャネル形成領域の機能を有する。導電体413は、第2のゲート電極の機能を有する。絶縁体402は、第2のゲート絶縁体の機能を有する。ただし、導電体413および絶縁体402と、導電体404および絶縁体412と、の機能が入れ替わっていてもよい。また、導電体413を形成しなくてもよい。その場合、導電体404でトランジスタのスイッチングを制御すればよい。または、導電体404を形成しなくてもよい。その場合、導電体413でトランジスタのスイッチングを制御すればよい。
過剰水素は、酸化物半導体406の欠陥に入ることで安定化する。したがって、欠陥に入った過剰水素は、第2の加熱処理の間に他の領域まで拡散することが少ない。また、領域406n1および領域406n2は、絶縁体412で保護される。即ち、領域406n1および領域406n2は、安定な低抵抗領域となる。よって、オン電流が高く、劣化の小さいトランジスタを提供することができる。また、酸化物半導体406が、導電体404および絶縁体410と重なる領域は、酸化物半導体406の欠陥が少ないため、過剰水素が入りにくい。したがって、チャネル形成領域のキャリア密度を低くすることができる。チャネル形成領域のキャリア密度を低くすることができるため、チャネル長が小さい場合でもトランジスタの電気特性のばらつきを小さくすることができる。また、オフ電流を小さくすることができる。また、欠陥に起因した劣化を小さくすることができる。尚、上記重なる領域は領域406iより僅かに広い領域である。
<トランジスタの構成要素>
以下では、トランジスタの構成要素について説明する。
水素含有層403は、水素含有層103についての記載を参照する。
基板400としては、例えば、絶縁体基板、半導体基板または導電体基板を用いればよい。絶縁体基板としては、例えば、ガラス基板、石英基板、サファイア基板、安定化ジルコニア基板(イットリア安定化ジルコニア基板など)、樹脂基板などがある。また、半導体基板としては、例えば、シリコン、ゲルマニウムなどの単体半導体基板、または炭化シリコン、シリコンゲルマニウム、ヒ化ガリウム、リン化インジウム、酸化亜鉛、酸化ガリウムなどの化合物半導体基板などがある。さらには、前述の半導体基板内部に絶縁体領域を有する半導体基板、例えばSOI(Silicon On Insulator)基板などがある。導電体基板としては、黒鉛基板、金属基板、合金基板、導電性樹脂基板などがある。または、金属の窒化物を有する基板、金属の酸化物を有する基板などがある。さらには、絶縁体基板に導電体または半導体が設けられた基板、半導体基板に導電体または絶縁体が設けられた基板、導電体基板に半導体または絶縁体が設けられた基板などがある。または、これらの基板に素子が設けられたものを用いてもよい。基板に設けられる素子としては、容量素子、抵抗素子、スイッチ素子、発光素子、記憶素子などがある。
また、基板400として、可とう性基板を用いてもよい。なお、可とう性基板上に装置を設ける方法としては、非可とう性の基板上に装置を作製した後、装置を剥離し、可とう性基板である基板400に転置する方法もある。その場合には、非可とう性基板と装置との間に剥離層を設けるとよい。なお、基板400として、繊維を編みこんだシート、フィルムまたは箔などを用いてもよい。また、基板400が伸縮性を有してもよい。また、基板400は、折り曲げや引っ張りをやめた際に、元の形状に戻る性質を有してもよい。または、元の形状に戻らない性質を有してもよい。基板400の厚さは、例えば、5μm以上700μm以下、好ましくは10μm以上500μm以下、さらに好ましくは15μm以上300μm以下とする。基板400を薄くすると、半導体装置を軽量化することができる。また、基板400を薄くすることで、ガラスなどを用いた場合にも伸縮性を有する場合や、折り曲げや引っ張りをやめた際に、元の形状に戻る性質を有する場合がある。そのため、落下などによって基板400上の半導体装置に加わる衝撃などを緩和することができる。即ち、丈夫な半導体装置を提供することができる。
可とう性基板である基板400としては、例えば、金属、合金、樹脂もしくはガラス、またはそれらの繊維などを用いることができる。可とう性基板である基板400は、線膨張率が低いほど環境による変形が抑制されて好ましい。可とう性基板である基板400としては、例えば、線膨張率が1×10−3/K以下、5×10−5/K以下、または1×10−5/K以下である材質を用いればよい。樹脂としては、例えば、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリアミド(ナイロン、アラミドなど)、ポリイミド、ポリカーボネート、アクリルなどがある。特に、アラミドは、線膨張率が低いため、可とう性基板である基板400として好適である。
絶縁体402、絶縁体410および絶縁体412としては、例えば、ホウ素、炭素、窒素、酸素、フッ素、マグネシウム、アルミニウム、シリコン、リン、塩素、アルゴン、ガリウム、ゲルマニウム、イットリウム、ジルコニウム、ランタン、ネオジム、ハフニウムまたはタンタルを含む絶縁体を、単層で、または積層で用いればよい。例えば、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコン、窒化シリコン、酸化ガリウム、酸化ゲルマニウム、酸化イットリウム、酸化ジルコニウム、酸化ランタン、酸化ネオジム、酸化ハフニウムまたは酸化タンタルを用いればよい。
絶縁体402および絶縁体412は過剰酸素を有する絶縁体であることが好ましい。過剰酸素は、酸化物半導体のチャネル形成領域における酸素欠損を低減するために用いることができる。なお、過剰酸素とは、絶縁体中などに存在し、かつ絶縁体などと結合していない(遊離した)酸素、または絶縁体などとの結合エネルギーの低い酸素をいう。
過剰酸素を有する絶縁体は、昇温脱離ガス分光法分析(TDS分析)にて、100℃以上700℃以下または100℃以上500℃以下の表面温度の範囲で1×1018atoms/cm3以上、1×1019atoms/cm3以上または1×1020atoms/cm3以上の酸素(酸素原子数換算)を放出することもある。
TDS分析を用いた酸素の放出量の測定方法について、以下に説明する。
測定試料をTDS分析したときの気体の全放出量は、放出ガスのイオン強度の積分値に比例する。そして標準試料との比較により、気体の全放出量を計算することができる。
例えば、標準試料である所定の密度の水素を含むシリコン基板のTDS分析結果、および測定試料のTDS分析結果から、測定試料の酸素分子の放出量(NO2)は、下に示す式で求めることができる。ここで、TDS分析で得られる質量電荷比32で検出されるガスの全てが酸素分子由来と仮定する。CH3OHの質量電荷比は32であるが、存在する可能性が低いものとしてここでは考慮しない。また、酸素原子の同位体である質量数17の酸素原子および質量数18の酸素原子を含む酸素分子についても、自然界における存在比率が極微量であるため考慮しない。
NO2=NH2/SH2×SO2×α
NH2は、標準試料から脱離した水素分子を密度で換算した値である。SH2は、標準試料をTDS分析したときのイオン強度の積分値である。ここで、標準試料の基準値を、NH2/SH2とする。SO2は、測定試料をTDS分析したときのイオン強度の積分値である。αは、TDS分析におけるイオン強度に影響する係数である。なお、上記酸素の放出量は、電子科学株式会社製の昇温脱離分析装置EMD−WA1000S/Wを用い、標準試料として一定量の水素原子を含むシリコン基板を用いて測定する。
また、TDS分析において、酸素の一部は酸素原子として検出される。酸素分子と酸素原子の比率は、酸素分子のイオン化率から算出することができる。なお、上述のαは酸素分子のイオン化率を含むため、酸素分子の放出量を評価することで、酸素原子の放出量についても見積もることができる。
なお、NO2は酸素分子の放出量である。酸素原子に換算したときの放出量は、酸素分子の放出量の2倍となる。
または、加熱処理によって酸素を放出する絶縁体は、過酸化ラジカルを含むこともある。具体的には、過酸化ラジカルに起因するスピン密度が、5×1017spins/cm3以上であることをいう。なお、過酸化ラジカルを含む絶縁体は、電子スピン共鳴法(ESR:Electron Spin Resonance)にて、g値が2.01近傍に非対称の信号を有することもある。
絶縁体410は、水素などの不純物および酸素をブロックする機能(透過させない)を有する絶縁体を有することが好ましい。上述したように、本発明の一態様に係るトランジスタは、水素含有層403から水素を拡散させることで酸化物半導体406の一部を低抵抗化させる。一方、トランジスタのチャネル形成領域が低抵抗化すると、ノーマリーオンの電気特性となってしまう場合があるため、トランジスタのチャネル領域まで水素を拡散させないことが好ましい。したがって、トランジスタのチャネル領域近傍に配置される絶縁体410が水素をブロックする機能を有することが好ましい。また、絶縁体412が過剰酸素を有する場合、絶縁体410が酸素をブロックする機能を有することによって、過剰酸素の外方拡散を抑制することができる。そのため、効率よくチャネル形成領域における酸素欠損を低減することができる。
水素は、原子半径などが小さいため絶縁体中を拡散しやすい(拡散係数が大きい)。例えば、密度の低い絶縁体は、水素透過性が高くなる。言い換えれば、密度の高い絶縁体は水素透過性が低くなる。密度の低い絶縁体は、絶縁体全体の密度が低い必要はなく、部分的に密度が低い物質も含む。これは、密度の低い領域が水素の経路となるためである。水素を透過しうる密度は一意には定まらないが、代表的には2.6g/cm3未満などが挙げられる。密度の低い絶縁体としては、例えば、酸化シリコンおよび酸化窒化シリコンなどの無機絶縁体、ならびにポリエステル、ポリオレフィン、ポリアミド(ナイロン、アラミドなど)、ポリイミド、ポリカーボネートおよびアクリルなどの有機絶縁体などがある。密度の高い絶縁体としては、例えば、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、酸化ゲルマニウム、酸化ガリウム、酸化イットリウム、酸化ジルコニウム、酸化ランタン、酸化ネオジム、酸化ハフニウムおよび酸化タンタルなどがある。なお、密度の低い絶縁体および密度の高い絶縁体は、上述の絶縁体に限定されない。例えば、これらの絶縁体に、ホウ素、窒素、フッ素、ネオン、リン、塩素またはアルゴンから選ばれた一種以上の元素が含まれていてもよい。
また、結晶粒界を有する絶縁体は、水素透過性が高い場合がある。言い換えれば、結晶粒界を有さない(または結晶粒界が少ない)絶縁体は水素を透過させにくい。例えば、非多結晶絶縁体(非晶質絶縁体など)は、多結晶絶縁体と比べて水素透過性が低くなる。
また、水素との結合エネルギーが高い絶縁体は、水素透過性が低い場合がある。例えば、水素と結合して水素化合物を作る絶縁体が、装置の作製工程または装置の動作における温度で水素を脱離しない程度の結合エネルギーを有すれば、水素透過性の低い絶縁体といえる。例えば、200℃以上1000℃以下、300℃以上1000℃以下、または400℃以上1000℃以下で水素化合物を作る絶縁体は、水素透過性が低い場合がある。また、例えば、水素の脱離温度が、200℃以上1000℃以下、300℃以上1000℃以下、または400℃以上1000℃以下である水素化合物を作る絶縁体は、水素透過性が低い場合がある。一方、水素の脱離温度が、20℃以上400℃以下、20℃以上300℃以下、または20℃以上200℃以下である水素化合物を作る絶縁体は、水素透過性が高い場合がある。また、容易に脱離する水素、および遊離した水素を過剰水素と呼ぶ場合がある。
導電体413および導電体404としては、例えば、ホウ素、窒素、酸素、フッ素、シリコン、リン、アルミニウム、チタン、クロム、マンガン、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、ガリウム、イットリウム、ジルコニウム、モリブデン、ルテニウム、銀、インジウム、スズ、タンタルおよびタングステンを一種以上含む導電体を、単層で、または積層で用いればよい。例えば、合金や化合物であってもよく、アルミニウムを含む合金、銅およびチタンを含む合金、銅およびマンガンを含む合金、インジウム、スズおよび酸素を含む化合物、チタンおよび窒素を含む化合物などを用いてもよい。
導電体404としては、酸化物導電体を用いてもよい。また、導電体404として、酸化物半導体を形成し、その後の処理によって酸化物導電体としたものを用いてもよい。例えば、水素含有層403から過剰水素を移動させる工程にて、酸化物半導体を酸化物導電体に変質させることができる。酸化物半導体は、後述する酸化物半導体406についての記載を参酌する。
<酸化物半導体>
以下では酸化物半導体406に適用可能な酸化物について説明する。
酸化物は、少なくともインジウムまたは亜鉛を含むことが好ましい。特にインジウムおよび亜鉛を含むことが好ましい。また、それらに加えて、アルミニウム、ガリウム、イットリウムまたはスズなどが含まれていることが好ましい。また、ホウ素、シリコン、チタン、鉄、ニッケル、ゲルマニウム、ジルコニウム、モリブデン、ランタン、セリウム、ネオジム、ハフニウム、タンタル、タングステン、またはマグネシウムなどから選ばれた一種、または複数種が含まれていてもよい。
ここで、酸化物が、インジウム、元素M及び亜鉛を有する場合を考える。なお、元素Mは、アルミニウム、ガリウム、イットリウムまたはスズなどとする。そのほかの元素Mに適用可能な元素としては、ホウ素、シリコン、チタン、鉄、ニッケル、ゲルマニウム、ジルコニウム、モリブデン、ランタン、セリウム、ネオジム、ハフニウム、タンタル、タングステン、マグネシウムなどがある。ただし、元素Mとして、前述の元素を複数組み合わせても構わない場合がある。
まず、図42(A)、図42(B)、および図42(C)を用いて、本発明に係る酸化物が有するインジウム、元素M及び亜鉛の原子数比の好ましい範囲について説明する。なお、図42には、酸素の原子数比については記載しない。また、酸化物が有するインジウム、元素M、及び亜鉛の原子数比のそれぞれの項を[In]、[M]、および[Zn]とする。
図42(A)、図42(B)、および図42(C)において、破線は、[In]:[M]:[Zn]=(1+α):(1−α):1の原子数比(−1≦α≦1)となるライン、[In]:[M]:[Zn]=(1+α):(1−α):2の原子数比となるライン、[In]:[M]:[Zn]=(1+α):(1−α):3の原子数比となるライン、[In]:[M]:[Zn]=(1+α):(1−α):4の原子数比となるライン、および[In]:[M]:[Zn]=(1+α):(1−α):5の原子数比となるラインを表す。
また、一点鎖線は、[In]:[M]:[Zn]=1:1:βの原子数比(β≧0)となるライン、[In]:[M]:[Zn]=1:2:βの原子数比となるライン、[In]:[M]:[Zn]=1:3:βの原子数比となるライン、[In]:[M]:[Zn]=1:4:βの原子数比となるライン、[In]:[M]:[Zn]=2:1:βの原子数比となるライン、及び[In]:[M]:[Zn]=5:1:βの原子数比となるラインを表す。
図42(A)および図42(B)では、本発明の一態様の酸化物が有する、インジウム、元素M、及び亜鉛の原子数比の好ましい範囲の一例について示している。
一例として、図43に、[In]:[M]:[Zn]=1:1:1である、InMZnO4の結晶構造を示す。また、図43は、b軸に平行な方向から観察した場合のInMZnO4の結晶構造である。なお、図43に示すM、Zn、酸素を有する層(以下、(M,Zn)層)における金属元素は、元素Mまたは亜鉛を表している。この場合、元素Mと亜鉛の割合が等しいものとする。元素Mと亜鉛とは、置換が可能であり、配列は不規則である。
InMZnO4は、層状の結晶構造(層状構造ともいう)をとり、図43に示すように、インジウム、および酸素を有する層(以下、In層)が1に対し、元素M、亜鉛、および酸素を有する(M,Zn)層が2となる。
また、インジウムと元素Mは、互いに置換可能である。そのため、(M,Zn)層の元素Mがインジウムと置換し、(In,M,Zn)層と表すこともできる。その場合、In層が1に対し、(In,M,Zn)層が2である層状構造をとる。
[In]:[M]:[Zn]=1:1:2となる原子数比の酸化物は、In層が1に対し、(M,Zn)層が3である層状構造をとる。つまり、[In]および[M]に対し[Zn]が大きくなると、酸化物が結晶化した場合、In層に対する(M,Zn)層の割合が増加する。
ただし、酸化物中において、In層が1層に対し、(M,Zn)層の層数が非整数である場合、In層が1層に対し、(M,Zn)層の層数が整数である層状構造を複数種有する場合がある。例えば、[In]:[M]:[Zn]=1:1:1.5である場合、In層が1に対し、(M,Zn)層が2である層状構造と、(M,Zn)層が3である層状構造とが混在する層状構造となる場合がある。
例えば、酸化物をスパッタリング装置にて成膜する場合、ターゲットの原子数比からずれた原子数比の膜が形成される。特に、成膜時の基板温度によっては、ターゲットの[Zn]よりも、膜の[Zn]が小さくなる場合がある。
また、酸化物中に複数の相が共存する場合がある(二相共存、三相共存など)。例えば、[In]:[M]:[Zn]=0:2:1の原子数比の近傍値である原子数比では、スピネル型の結晶構造と層状の結晶構造との二相が共存しやすい。また、[In]:[M]:[Zn]=1:0:0を示す原子数比の近傍値である原子数比では、ビックスバイト型の結晶構造と層状の結晶構造との二相が共存しやすい。酸化物中に複数の相が共存する場合、異なる結晶構造の間において、粒界(グレインバウンダリーともいう)が形成される場合がある。
また、インジウムの含有率を高くすることで、酸化物のキャリア移動度(電子移動度)を高くすることができる。。したがって、インジウムの含有率が高い酸化物はインジウムの含有率が低い酸化物と比較してキャリア移動度が高くなる。
一方、酸化物中のインジウムおよび亜鉛の含有率が低くなると、キャリア移動度が低くなる。従って、[In]:[M]:[Zn]=0:1:0を示す原子数比、およびその近傍値である原子数比(例えば図42(C)に示す領域C)では、絶縁性が高くなる。
従って、本発明の一態様の酸化物は、キャリア移動度が高く、かつ、粒界が少ない層状構造となりやすい、図42(A)の領域Aで示される原子数比を有することが好ましい。
また、図42(B)に示す領域Bは、[In]:[M]:[Zn]=4:2:3から4.1、およびその近傍値を示している。近傍値には、例えば、原子数比が[In]:[M]:[Zn]=5:3:4が含まれる。領域Bで示される原子数比を有する酸化物は、特に、結晶性が高く、キャリア移動度も高い優れた酸化物である。
なお、酸化物が、層状構造を形成する条件は、原子数比によって一義的に定まらない。原子数比により、層状構造を形成するための難易の差はある。一方、同じ原子数比であっても、形成条件により、層状構造になる場合も層状構造にならない場合もある。従って、図示する領域は、酸化物が層状構造を有する原子数比を示す領域であり、領域A乃至領域Cの境界は厳密ではない。
続いて、上記酸化物をトランジスタに用いる場合について説明する。
なお、上記酸化物をトランジスタに用いることで、粒界におけるキャリア散乱等を減少させることができるため、高い電界効果移動度のトランジスタを実現することができる。また、信頼性の高いトランジスタを実現することができる。
また、トランジスタには、キャリア密度の低い酸化物を用いることが好ましい。例えば、酸化物は、キャリア密度が8×1011/cm3未満、好ましくは1×1011/cm3未満、さらに好ましくは1×1010/cm3未満であり、1×109/cm3以上とすればよい。
なお、高純度真性または実質的に高純度真性である酸化物は、キャリア発生源が少ないため、キャリア密度を低くすることができる。また、高純度真性または実質的に高純度真性である酸化物は、欠陥準位密度が低いため、トラップ準位密度も低くなる場合がある。
また、酸化物のトラップ準位に捕獲された電荷は、消失するまでに要する時間が長く、あたかも固定電荷のように振る舞うことがある。そのため、トラップ準位密度の高い酸化物にチャネル領域が形成されるトランジスタは、電気特性が不安定となる場合がある。
従って、トランジスタの電気特性を安定にするためには、酸化物中の不純物濃度を低減することが有効である。また、酸化物中の不純物濃度を低減するためには、近接する膜中の不純物濃度も低減することが好ましい。不純物としては、水素、窒素、アルカリ金属、アルカリ土類金属、鉄、ニッケル、シリコン等がある。
ここで、酸化物中における各不純物の影響について説明する。
酸化物において、第14族元素の一つであるシリコンや炭素が含まれると、酸化物において欠陥準位が形成される。このため、酸化物におけるシリコンや炭素の濃度と、酸化物との界面近傍のシリコンや炭素の濃度(二次イオン質量分析法(SIMS:Secondary Ion Mass Spectrometry)により得られる濃度)を、2×1018atoms/cm3以下、好ましくは2×1017atoms/cm3以下とする。
また、酸化物にアルカリ金属またはアルカリ土類金属が含まれると、欠陥準位を形成し、キャリアを生成する場合がある。従って、アルカリ金属またはアルカリ土類金属が含まれている酸化物を用いたトランジスタはノーマリーオン特性となりやすい。このため、酸化物中のアルカリ金属またはアルカリ土類金属の濃度を低減することが好ましい。具体的には、SIMSにより得られる酸化物中のアルカリ金属またはアルカリ土類金属の濃度を、1×1018atoms/cm3以下、好ましくは2×1016atoms/cm3以下にする。
また、酸化物において、窒素が含まれると、キャリアである電子が生じ、キャリア密度が増加し、n型化しやすい。この結果、窒素が含まれている酸化物を半導体に用いたトランジスタはノーマリーオン特性となりやすい。従って、該酸化物において、窒素はできる限り低減されていることが好ましい、例えば、酸化物中の窒素濃度は、SIMSにおいて、5×1019atoms/cm3未満、好ましくは5×1018atoms/cm3以下、より好ましくは1×1018atoms/cm3以下、さらに好ましくは5×1017atoms/cm3以下とする。
また、酸化物に含まれる水素は、金属原子と結合する酸素と反応して水になるため、酸素欠損を形成する場合がある。該酸素欠損に水素が入ることで、キャリアである電子が生成される場合がある。また、水素の一部が金属原子と結合する酸素と結合して、キャリアである電子を生成することがある。従って、水素が含まれている酸化物を用いたトランジスタはノーマリーオン特性となりやすい。このため、酸化物中の水素はできる限り低減されていることが好ましい。具体的には、酸化物において、SIMSにより得られる水素濃度を、1×1020atoms/cm3未満、好ましくは1×1019atoms/cm3未満、より好ましくは5×1018atoms/cm3未満、さらに好ましくは1×1018atoms/cm3未満とする。
不純物が十分に低減された酸化物をトランジスタのチャネル形成領域に用いることで、安定した電気特性を付与することができる。
続いて、該酸化物を2層構造、または3層構造とした場合について述べる。即ち、酸化物半導体406の上または/および下に新たな酸化物半導体または酸化物絶縁体を有する構造とした場合について述べる。ここでは、酸化物半導体406を酸化物S2と表記し、酸化物半導体406の下にある酸化物を酸化物S1と表記し、酸化物半導体406の上にある酸化物を酸化物S3と表記する。酸化物S1は、上面から見たとき酸化物半導体406と同様の形状をしていてもよいし、絶縁体402と同様の形状をしていてもよい。また、酸化物S3は、上面から見たとき酸化物半導体406と同様の形状をしていてもよいし、絶縁体412と同様の形状をしていてもよい。酸化物S1、酸化物S2、および酸化物S3の積層構造に接する絶縁体のバンド図と、酸化物S2および酸化物S3の積層構造に接する絶縁体のバンド図と、について、図44を用いて説明する。
図44(A)は、絶縁体I1、酸化物S1、酸化物S2、酸化物S3、及び絶縁体I2を有する積層構造の膜厚方向のバンド図の一例である。また、図44(B)は、絶縁体I1、酸化物S2、酸化物S3、及び絶縁体I2を有する積層構造の膜厚方向のバンド図の一例である。なお、バンド図は、理解を容易にするため絶縁体I1、酸化物S1、酸化物S2、酸化物S3、及び絶縁体I2の伝導帯下端のエネルギー準位(Ec)を示す。
酸化物S1、酸化物S3は、酸化物S2よりも伝導帯下端のエネルギー準位が真空準位に近く、代表的には、酸化物S2の伝導帯下端のエネルギー準位と、酸化物S1、酸化物S3の伝導帯下端のエネルギー準位との差が、0.15eV以上、または0.5eV以上、かつ2eV以下、または1eV以下であることが好ましい。すなわち、酸化物S1、酸化物S3の電子親和力よりも、酸化物S2の電子親和力が大きく、酸化物S1、S3の電子親和力と、酸化物S2の電子親和力との差は、0.15eV以上、または0.5eV以上、かつ2eV以下、または1eV以下であることが好ましい。
図44(A)、および図44(B)に示すように、酸化物S1、酸化物S2、酸化物S3において、伝導帯下端のエネルギー準位はなだらかに変化する。換言すると、連続的に変化または連続接合するともいうことができる。このようなバンド図を有するためには、酸化物S1と酸化物S2との界面、または酸化物S2と酸化物S3との界面において形成される混合層の欠陥準位密度を低くするとよい。
具体的には、酸化物S1と酸化物S2、酸化物S2と酸化物S3が、酸素以外に共通の元素を有する(主成分とする)ことで、欠陥準位密度が低い混合層を形成することができる。例えば、酸化物S2がIn−Ga−Zn酸化物の場合、酸化物S1、酸化物S3として、In−Ga−Zn酸化物、Ga−Zn酸化物、酸化ガリウムなどを用いるとよい。
このとき、キャリアの主たる経路は酸化物S2となる。酸化物S1と酸化物S2との界面、および酸化物S2と酸化物S3との界面における欠陥準位密度を低くすることができるため、界面散乱によるキャリア伝導への影響が小さく、高いオン電流が得られる。
トラップ準位に電子が捕獲されることで、捕獲された電子は固定電荷のように振る舞うため、トランジスタのしきい値電圧はプラス方向にシフトしてしまう。酸化物S1、酸化物S3を設けることにより、トラップ準位を酸化物S2より遠ざけることができる。当該構成とすることで、トランジスタのしきい値電圧がプラス方向にシフトすることを防止することができる。
酸化物S1、酸化物S3は、酸化物S2と比較して、導電率が十分に低い材料を用いる。このとき、酸化物S2、酸化物S2と酸化物S1との界面、および酸化物S2と酸化物S3との界面が、主にチャネル領域として機能する。例えば、酸化物S1、酸化物S3には、図42(C)において、絶縁性が高くなる領域Cで示す原子数比の酸化物を用いればよい。なお、図42(C)に示す領域Cは、[In]:[M]:[Zn]=0:1:0、またはその近傍値である原子数比を示している。
特に、酸化物S2に領域Aで示される原子数比の酸化物を用いる場合、酸化物S1および酸化物S3には、[M]/[In]が1以上、好ましくは2以上である酸化物を用いることが好ましい。また、酸化物S3として、十分に高い絶縁性を得ることができる[M]/([Zn]+[In])が1以上である酸化物を用いることが好適である。
<酸化物半導体の構造>
以下では、酸化物半導体の構造について説明する。
酸化物半導体は、単結晶酸化物半導体と、それ以外の非単結晶酸化物半導体と、に分けられる。非単結晶酸化物半導体としては、CAAC−OS(c−axis−aligned crystalline oxide semiconductor)、多結晶酸化物半導体、nc−OS(nanocrystalline oxide semiconductor)、擬似非晶質酸化物半導体(a−like OS:amorphous−like oxide semiconductor)および非晶質酸化物半導体などがある。
また別の観点では、酸化物半導体は、非晶質酸化物半導体と、それ以外の結晶性酸化物半導体と、に分けられる。結晶性酸化物半導体としては、単結晶酸化物半導体、CAAC−OS、多結晶酸化物半導体およびnc−OSなどがある。
非晶質構造は、一般に、等方的であって不均質構造を持たない、準安定状態で原子の配置が固定化していない、結合角度が柔軟である、短距離秩序は有するが長距離秩序を有さない、などといわれている。
即ち、安定な酸化物半導体を完全な非晶質(completely amorphous)酸化物半導体とは呼べない。また、等方的でない(例えば、微小な領域において周期構造を有する)酸化物半導体を、完全な非晶質酸化物半導体とは呼べない。一方、a−like OSは、等方的でないが、鬆(ボイドともいう。)を有する不安定な構造である。不安定であるという点では、a−like OSは、物性的に非晶質酸化物半導体に近い。
<CAAC−OS>
まずは、CAAC−OSについて説明する。
CAAC−OSは、c軸配向した複数の結晶部(ペレットともいう。)を有する酸化物半導体の一種である。
CAAC−OSをX線回折(XRD:X−Ray Diffraction)によって解析した場合について説明する。例えば、空間群R−3mに分類されるInGaZnO4の結晶を有するCAAC−OSに対し、out−of−plane法による構造解析を行うと、図45(A)に示すように回折角(2θ)が31°近傍にピークが現れる。このピークは、InGaZnO4の結晶の(009)面に帰属されることから、CAAC−OSでは、結晶がc軸配向性を有し、c軸がCAAC−OSの膜を形成する面(被形成面ともいう。)、または上面に略垂直な方向を向いていることが確認できる。なお、2θが31°近傍のピークの他に、2θが36°近傍にもピークが現れる場合がある。2θが36°近傍のピークは、空間群Fd−3mに分類される結晶構造に起因する。そのため、CAAC−OSは、該ピークを示さないことが好ましい。
一方、CAAC−OSに対し、被形成面に平行な方向からX線を入射させるin−plane法による構造解析を行うと、2θが56°近傍にピークが現れる。このピークは、InGaZnO4の結晶の(110)面に帰属される。そして、2θを56°近傍に固定し、試料面の法線ベクトルを軸(φ軸)として試料を回転させながら分析(φスキャン)を行っても、図45(B)に示すように明瞭なピークは現れない。一方、単結晶InGaZnO4に対し、2θを56°近傍に固定してφスキャンした場合、図45(C)に示すように(110)面と等価な結晶面に帰属されるピークが6本観察される。したがって、XRDを用いた構造解析から、CAAC−OSは、a軸およびb軸の配向が不規則であることが確認できる。
次に、電子回折によって解析したCAAC−OSについて説明する。例えば、InGaZnO4の結晶を有するCAAC−OSに対し、CAAC−OSの被形成面に平行にプローブ径が300nmの電子線を入射させると、図45(D)に示すような回折パターン(制限視野電子回折パターンともいう。)が現れる場合がある。この回折パターンには、InGaZnO4の結晶の(009)面に起因するスポットが含まれる。したがって、電子回折によっても、CAAC−OSに含まれるペレットがc軸配向性を有し、c軸が被形成面または上面に略垂直な方向を向いていることがわかる。一方、同じ試料に対し、試料面に垂直にプローブ径が300nmの電子線を入射させたときの回折パターンを図45(E)に示す。図45(E)より、リング状の回折パターンが確認される。したがって、プローブ径が300nmの電子線を用いた電子回折によっても、CAAC−OSに含まれるペレットのa軸およびb軸は配向性を有さないことがわかる。なお、図45(E)における第1リングは、InGaZnO4の結晶の(010)面および(100)面などに起因すると考えられる。また、図45(E)における第2リングは(110)面などに起因すると考えられる。
また、透過型電子顕微鏡(TEM:Transmission Electron Microscope)によって、CAAC−OSの明視野像と回折パターンとの複合解析像(高分解能TEM像ともいう。)を観察すると、複数のペレットを確認することができる。一方、高分解能TEM像であってもペレット同士の境界、即ち結晶粒界(グレインバウンダリーともいう。)を明確に確認することができない場合がある。そのため、CAAC−OSは、結晶粒界に起因する電子移動度の低下が起こりにくいといえる。
図46(A)に、試料面と略平行な方向から観察したCAAC−OSの断面の高分解能TEM像を示す。高分解能TEM像の観察には、球面収差補正(Spherical Aberration Corrector)機能を用いた。球面収差補正機能を用いた高分解能TEM像を、特にCs補正高分解能TEM像と呼ぶ。Cs補正高分解能TEM像は、例えば、日本電子株式会社製原子分解能分析電子顕微鏡JEM−ARM200Fなどによって観察することができる。
図46(A)より、金属原子が層状に配列している領域であるペレットを確認することができる。ペレット一つの大きさは1nm以上のものや、3nm以上のものがあることがわかる。したがって、ペレットを、ナノ結晶(nc:nanocrystal)と呼ぶこともできる。また、CAAC−OSを、CANC(C−Axis Aligned nanocrystals)を有する酸化物半導体と呼ぶこともできる。ペレットは、CAAC−OSの被形成面または上面の凹凸を反映しており、CAAC−OSの被形成面または上面と平行となる。
また、図46(B)および図46(C)に、試料面と略垂直な方向から観察したCAAC−OSの平面のCs補正高分解能TEM像を示す。図46(D)および図46(E)は、それぞれ図46(B)および図46(C)を画像処理した像である。以下では、画像処理の方法について説明する。まず、図46(B)を高速フーリエ変換(FFT:Fast Fourier Transform)処理することでFFT像を取得する。次に、取得したFFT像において原点を基準に、2.8nm−1から5.0nm−1の間の範囲を残すマスク処理する。次に、マスク処理したFFT像を、逆高速フーリエ変換(IFFT:Inverse Fast Fourier Transform)処理することで画像処理した像を取得する。こうして取得した像をFFTフィルタリング像と呼ぶ。FFTフィルタリング像は、Cs補正高分解能TEM像から周期成分を抜き出した像であり、格子配列を示している。
図46(D)では、格子配列の乱れた箇所を破線で示している。破線で囲まれた領域が、一つのペレットである。そして、破線で示した箇所がペレットとペレットとの連結部である。破線は、六角形状であるため、ペレットが六角形状であることがわかる。なお、ペレットの形状は、正六角形状とは限らず、非正六角形状である場合が多い。
図46(E)では、格子配列の揃った領域と、別の格子配列の揃った領域と、の間で格子配列の向きが変化している箇所を点線で示し、格子配列の向きの変化を破線で示している。点線近傍においても、明確な結晶粒界を確認することはできない。点線近傍の格子点を中心に周囲の格子点を繋ぐと、歪んだ六角形や、五角形または/および七角形などが形成できる。即ち、格子配列を歪ませることによって結晶粒界の形成を抑制していることがわかる。これは、CAAC−OSが、a−b面方向において原子配列が稠密でないことや、金属元素が置換することで原子間の結合距離が変化することなどによって、歪みを許容することができるためと考えられる。
以上に示すように、CAAC−OSは、c軸配向性を有し、かつa−b面方向において複数のペレット(ナノ結晶)が連結し、歪みを有した結晶構造となっている。よって、CAAC−OSを、CAA crystal(c−axis−aligned a−b−plane−anchored crystal)を有する酸化物半導体と称することもできる。
CAAC−OSは結晶性の高い酸化物半導体である。酸化物半導体の結晶性は不純物の混入や欠陥の生成などによって低下する場合があるため、CAAC−OSは不純物や欠陥(酸素欠損など)の少ない酸化物半導体ともいえる。
なお、不純物は、酸化物半導体の主成分以外の元素で、水素、炭素、シリコン、遷移金属元素などがある。例えば、シリコンなどの、酸化物半導体を構成する金属元素よりも酸素との結合力の強い元素は、酸化物半導体から酸素を奪うことで酸化物半導体の原子配列を乱し、結晶性を低下させる要因となる。また、鉄やニッケルなどの重金属、アルゴン、二酸化炭素などは、原子半径(または分子半径)が大きいため、酸化物半導体の原子配列を乱し、結晶性を低下させる要因となる。
酸化物半導体が不純物や欠陥を有する場合、光や熱などによって特性が変動する場合がある。例えば、酸化物半導体に含まれる不純物は、キャリアトラップとなる場合や、キャリア発生源となる場合がある。例えば、酸化物半導体中の酸素欠損は、キャリアトラップとなる場合や、水素を捕獲することによってキャリア発生源となる場合がある。
不純物および酸素欠損の少ないCAAC−OSは、キャリア密度の低い酸化物半導体である。具体的には、8×1011/cm3未満、好ましくは1×1011/cm3未満、さらに好ましくは1×1010/cm3未満であり、1×10−9/cm3以上のキャリア密度の酸化物半導体とすることができる。そのような酸化物半導体を、高純度真性または実質的に高純度真性な酸化物半導体と呼ぶ。CAAC−OSは、不純物濃度が低く、欠陥準位密度が低い。即ち、安定な特性を有する酸化物半導体であるといえる。
<nc−OS>
次に、nc−OSについて説明する。
nc−OSをXRDによって解析した場合について説明する。例えば、nc−OSに対し、out−of−plane法による構造解析を行うと、配向性を示すピークが現れない。即ち、nc−OSの結晶は配向性を有さない。
また、例えば、InGaZnO4の結晶を有するnc−OSを薄片化し、厚さが34nmの領域に対し、被形成面に平行にプローブ径が50nmの電子線を入射させると、図47(A)に示すようなリング状の回折パターン(ナノビーム電子回折パターン)が観測される。また、同じ試料にプローブ径が1nmの電子線を入射させたときの回折パターン(ナノビーム電子回折パターン)を図47(B)に示す。図47(B)より、リング状の領域内に複数のスポットが観測される。したがって、nc−OSは、プローブ径が50nmの電子線を入射させることでは秩序性が確認されないが、プローブ径が1nmの電子線を入射させることでは秩序性が確認される。
また、厚さが10nm未満の領域に対し、プローブ径が1nmの電子線を入射させると、図47(C)に示すように、スポットが略正六角状に配置された電子回折パターンを観測される場合がある。したがって、厚さが10nm未満の範囲において、nc−OSが秩序性の高い領域、即ち結晶を有することがわかる。なお、結晶が様々な方向を向いているため、規則的な電子回折パターンが観測されない領域もある。
図47(D)に、被形成面と略平行な方向から観察したnc−OSの断面のCs補正高分解能TEM像を示す。nc−OSは、高分解能TEM像において、補助線で示す箇所などのように結晶部を確認することのできる領域と、明確な結晶部を確認することのできない領域と、を有する。nc−OSに含まれる結晶部は、1nm以上10nm以下の大きさであり、特に1nm以上3nm以下の大きさであることが多い。なお、結晶部の大きさが10nmより大きく100nm以下である酸化物半導体を微結晶酸化物半導体(micro crystalline oxide semiconductor)と呼ぶことがある。nc−OSは、例えば、高分解能TEM像では、結晶粒界を明確に確認できない場合がある。なお、ナノ結晶は、CAAC−OSにおけるペレットと起源を同じくする可能性がある。そのため、以下ではnc−OSの結晶部をペレットと呼ぶ場合がある。
このように、nc−OSは、微小な領域(例えば、1nm以上10nm以下の領域、特に1nm以上3nm以下の領域)において原子配列に周期性を有する。また、nc−OSは、異なるペレット間で結晶方位に規則性が見られない。そのため、膜全体で配向性が見られない。したがって、nc−OSは、分析方法によっては、a−like OSや非晶質酸化物半導体と区別が付かない場合がある。
なお、ペレット(ナノ結晶)間で結晶方位が規則性を有さないことから、nc−OSを、RANC(Random Aligned nanocrystals)を有する酸化物半導体、またはNANC(Non−Aligned nanocrystals)を有する酸化物半導体と呼ぶこともできる。
nc−OSは、非晶質酸化物半導体よりも規則性の高い酸化物半導体である。そのため、nc−OSは、a−like OSや非晶質酸化物半導体よりも欠陥準位密度が低くなる。ただし、nc−OSは、異なるペレット間で結晶方位に規則性が見られない。そのため、nc−OSは、CAAC−OSと比べて欠陥準位密度が高くなる。
<a−like OS>
a−like OSは、nc−OSと非晶質酸化物半導体との間の構造を有する酸化物半導体である。
図48に、a−like OSの高分解能断面TEM像を示す。ここで、図48(A)は電子照射開始時におけるa−like OSの高分解能断面TEM像である。図48(B)は4.3×108e−/nm2の電子(e−)照射後におけるa−like OSの高分解能断面TEM像である。図48(A)および図48(B)より、a−like OSは電子照射開始時から、縦方向に延伸する縞状の明領域が観察されることがわかる。また、明領域は、電子照射後に形状が変化することがわかる。なお、明領域は、鬆または低密度領域と推測される。
鬆を有するため、a−like OSは、不安定な構造である。以下では、a−like OSが、CAAC−OSおよびnc−OSと比べて不安定な構造であることを示すため、電子照射による構造の変化を示す。
試料として、a−like OS、nc−OSおよびCAAC−OSを準備する。いずれの試料もIn−Ga−Zn酸化物である。
まず、各試料の高分解能断面TEM像を取得する。高分解能断面TEM像により、各試料は、いずれも結晶部を有する。
なお、InGaZnO4の結晶の単位格子は、In−O層を3層有し、またGa−Zn−O層を6層有する、計9層がc軸方向に層状に重なった構造を有することが知られている。これらの近接する層同士の間隔は、(009)面の格子面間隔(d値ともいう。)と同程度であり、結晶構造解析からその値は0.29nmと求められている。したがって、以下では、格子縞の間隔が0.28nm以上0.30nm以下である箇所を、InGaZnO4の結晶部と見なした。なお、格子縞は、InGaZnO4の結晶のa−b面に対応する。
図49は、各試料の結晶部(22箇所から30箇所)の平均の大きさを調査した例である。なお、上述した格子縞の長さを結晶部の大きさとしている。図49より、a−like OSは、TEM像の取得などに係る電子の累積照射量に応じて結晶部が大きくなっていくことがわかる。図49より、TEMによる観察初期においては1.2nm程度の大きさだった結晶部(初期核ともいう。)が、電子(e−)の累積照射量が4.2×108e−/nm2においては1.9nm程度の大きさまで成長していることがわかる。一方、nc−OSおよびCAAC−OSは、電子照射開始時から電子の累積照射量が4.2×108e−/nm2までの範囲で、結晶部の大きさに変化が見られないことがわかる。図49より、電子の累積照射量によらず、nc−OSおよびCAAC−OSの結晶部の大きさは、それぞれ1.3nm程度および1.8nm程度であることがわかる。なお、電子線照射およびTEMの観察は、日立透過電子顕微鏡H−9000NARを用いた。電子線照射条件は、加速電圧を300kV、電流密度を6.7×105e−/(nm2・s)、照射領域の直径を230nmとした。
このように、a−like OSは、電子照射によって結晶部の成長が見られる場合がある。一方、nc−OSおよびCAAC−OSは、電子照射による結晶部の成長がほとんど見られない。即ち、a−like OSは、nc−OSおよびCAAC−OSと比べて、不安定な構造であることがわかる。
また、鬆を有するため、a−like OSは、nc−OSおよびCAAC−OSと比べて密度の低い構造である。具体的には、a−like OSの密度は、同じ組成の単結晶の密度の78.6%以上92.3%未満である。また、nc−OSの密度およびCAAC−OSの密度は、同じ組成の単結晶の密度の92.3%以上100%未満である。単結晶の密度の78%未満である酸化物半導体は、成膜すること自体が困難である。
例えば、In:Ga:Zn=1:1:1[原子数比]を満たす酸化物半導体において、菱面体晶構造を有する単結晶InGaZnO4の密度は6.357g/cm3である。よって、例えば、In:Ga:Zn=1:1:1[原子数比]を満たす酸化物半導体において、a−like OSの密度は5.0g/cm3以上5.9g/cm3未満である。また、例えば、In:Ga:Zn=1:1:1[原子数比]を満たす酸化物半導体において、nc−OSの密度およびCAAC−OSの密度は5.9g/cm3以上6.3g/cm3未満である。
なお、同じ組成の単結晶が存在しない場合、任意の割合で組成の異なる単結晶を組み合わせることにより、所望の組成における単結晶に相当する密度を見積もることができる。所望の組成の単結晶に相当する密度は、組成の異なる単結晶を組み合わせる割合に対して、加重平均を用いて見積もればよい。ただし、密度は、可能な限り少ない種類の単結晶を組み合わせて見積もることが好ましい。
以上のように、酸化物半導体は、様々な構造をとり、それぞれが様々な特性を有する。なお、酸化物半導体は、例えば、非晶質酸化物半導体、a−like OS、nc−OS、CAAC−OSのうち、二種以上を有する積層膜であってもよい。
<半導体装置の作製方法>
以下では、本発明の一態様に係る、トランジスタおよび容量素子を有する半導体装置の作製方法について説明する。
まず、基板500を準備する。
次に、導電体を成膜する。次に、導電体上にエッチングマスクを形成する。次に、エッチングマスクをマスクとして導電体の一部をエッチングすることで導電体504および導電体505を形成する。なお、本発明の一態様に係る半導体装置は、導電体504および導電体505を有さなくてもよい場合がある。その場合は、この工程を省略すればよい。
次に、絶縁体512を成膜する(図14参照。)。
次に、酸化物半導体を成膜する。次に、酸化物半導体上にエッチングマスクを形成する。次に、エッチングマスクをマスクとして酸化物半導体の一部をエッチングすることで酸化物半導体506および酸化物半導体507を形成する(図15参照。)。
次に、第1の加熱処理を行うことが好ましい。第1の加熱処理については、上述した記載を参照する。
次に、導電体を成膜する。次に導電体上にエッチングマスクを形成する。次に、エッチングマスクをマスクとして導電体の一部をエッチングすることで導電体516aおよび導電体516bを形成する(図16参照。)。導電体516aおよび導電体516bは、電気的に分離されている。図16では、導電体516bを介して、酸化物半導体506と酸化物半導体507とが電気的に接続した例を示す。なお、本発明の一態様に係る半導体装置は、図16に示す構造に限定されない。例えば、導電体516aおよび導電体516bを有さなくてもよい。その場合は、この工程を省略すればよい。また、例えば、酸化物半導体506と酸化物半導体507が一続きの酸化物半導体であってもよい。
図16において、導電体504はトランジスタのゲート電極の機能を有する。絶縁体512はトランジスタのゲート絶縁体の機能を有する。酸化物半導体506はトランジスタのチャネル形成領域の機能を有する。導電体516aおよび導電体516bは、トランジスタのソース電極およびドレイン電極の機能を有する。即ち、図16までの工程にて、トランジスタ550が作製されたとすることもできる。
次に、絶縁体518となる絶縁体を成膜する。次に、絶縁体520となる絶縁体を成膜する。次に、保護層508となる保護層を成膜する。次に、保護層508となる保護層上にエッチングマスクを形成する。次に、エッチングマスクをマスクとして保護層508となる保護層、絶縁体520となる絶縁体および絶縁体518となる絶縁体の一部をエッチングすることで、保護層508、絶縁体520および絶縁体518を形成する(図17参照。)。なお、絶縁体518、絶縁体520および保護層508は、トランジスタ550のチャネル形成領域が覆われるように形成すればよい。また、絶縁体518、絶縁体520および保護層508は、酸化物半導体507の少なくとも一部を露出するように形成すればよい。保護層508は、水素をブロックする機能を有する。さらに、保護層508は、酸素をブロックする機能を有することが好ましい。
絶縁体520は、過剰酸素を有する絶縁体であることが好ましい。該過剰酸素は、絶縁体518を介して酸化物半導体506に移動させることができる。その結果、酸化物半導体506の酸素欠損を低減することができる。このとき、保護層508が酸素をブロックするため、過剰酸素の外方拡散を抑制することができる。絶縁体518は、欠陥準位密度の低い絶縁体であることが好ましい。絶縁体518として欠陥準位密度の低い絶縁体を用いることで、酸化物半導体506と絶縁体518との界面に形成される界面準位密度を低くすることができる。絶縁体518として欠陥準位密度の低い絶縁体を用いた場合、絶縁体520が欠陥準位を有していたとしても、その影響を小さくすることができる。なお、絶縁体518または/および絶縁体520を形成しなくてもよい。その場合、この工程を省略することができる。
次に、イオン530を添加することが好ましい(図18参照。)。イオン530の添加方法については、イオン430の添加方法についての記載を参照する。イオン530は、酸化物半導体507には添加されるが、酸化物半導体506には添加されないような条件で行えばよい。なお、イオン530の添加は行わなくてもよい。イオン530の添加によって、酸化物半導体507に欠陥が形成される。
次に、水素透過性を有する絶縁体522を成膜する。次に、過剰水素を有する水素含有層503を成膜する(図19参照。)。
次に、加熱処理を行う。加熱処理は、上述した第1の加熱処理の条件を参照すればよい。例えば、不活性ガス雰囲気において、150℃以上250℃以下の温度で行えばよい。加熱処理によって、水素含有層503の過剰水素が絶縁体522中を拡散し、酸化物半導体507に移動させることができる。酸化物半導体507は、導電体516bなどの影響によって水素が入った領域507nと、水素が入らなかった領域507iと、が形成される(図20参照。)。領域507nは、水素が入ることによって低抵抗化されるため、導電性を有する。一方、領域507iは、酸化物半導体のままとなる。
一方、酸化物半導体506と水素含有層503との間には、保護層508が配置されるため、酸化物半導体506には水素が入らない。
次に、水素含有層503を除去する。
次に、導電体を成膜する。次に、導電体上にエッチングマスクを形成する。次に、エッチングマスクをマスクとして導電体の一部をエッチングすることで導電体513および導電体514を形成することでトランジスタ550および容量素子560を作製する(図21参照。)。導電体513は、酸化物半導体506と重なる領域を有する。導電体514は領域507nと重なる領域を有する。
導電体504は、トランジスタ550の第1のゲート電極の機能を有する。絶縁体512は、トランジスタ550の第1のゲート絶縁体の機能を有する。酸化物半導体506は、トランジスタ550のチャネル形成領域の機能を有する。導電体516aおよび導電体516bは、トランジスタ550のソース電極およびドレイン電極の機能を有する。導電体513は、トランジスタ550の第2のゲート電極の機能を有する。絶縁体518、絶縁体520、保護層508および絶縁体522は、トランジスタ550の第2のゲート絶縁体の機能を有する。なお、第1のゲート電極と第2のゲート電極との役割が入れ替わってよい。または、いずれか一方がしきい値電圧を調整するために用いられてもよい。
導電体505は、容量素子560の一方の電極の機能を有する。絶縁体512は、容量素子560の誘電体の機能を有する。領域507nは、容量素子560の他方の電極の機能を有する。絶縁体522は容量素子560の誘電体の機能を有する。導電体514は、容量素子560の一方の電極の機能を有する。したがって、導電体505と導電体514とが、電気的に接続されていることが好ましい。
上述の工程では、水素含有層503を除去し、導電体513および導電体514となる導電体を別途形成したが、水素含有層503を活用することもできる。例えば、水素含有層503を導電体513および導電体514と同様に加工し、導電体503aおよび導電体503bを形成すればよい(図22参照。)。導電体503aおよび導電体503bは、水素含有層503自体が導電性を有する場合、そのまま用いることができる。ただし、水素含有層503の導電性が低い場合は、水素含有層503に対し導電性を高くする処理を行ってもよい。
例えば、水素含有層503が非晶質シリコン、微結晶シリコンまたは多結晶シリコンなどである場合、第13族元素または第15族元素を有するドーパントを添加することで導電率を高くすることができる。水素含有層503を加工してトランジスタ550の第2のゲート電極、および容量素子560の他方の電極として用いることによって、半導体装置を作製する工程を短縮することが可能となる。即ち、半導体装置の生産性を高くすることができる。また、半導体装置の歩留りを高くすることができる。
<フォトセンサ>
以下では、上述した半導体装置の一例として、フォトセンサを構成する場合について説明する。
図23(A)は、フォトセンサを有する半導体装置の一部を示す回路図である。フォトセンサは、トランジスタ550と、トランジスタ551と、トランジスタ552と、容量素子560と、フォトダイオード580と、を有する。
フォトダイオード580の第1の端子は、配線PRと電気的に接続される。フォトダイオード580の第2の端子は、トランジスタ550の第1の端子と電気的に接続される。トランジスタ550のゲート端子は、配線TXと電気的に接続される。トランジスタ550の第2の端子は、ノードV1と電気的に接続される。容量素子560の電極の一方は、ノードV1と電気的に接続される。容量素子560の電極の他方は、配線CLと電気的に接続される。トランジスタ551の第1の端子は、配線PC1と電気的に接続される。トランジスタ551のゲート端子は、ノードV1と電気的に接続される。トランジスタ551の第2の端子は、トランジスタ552の第1の端子と電気的に接続される。トランジスタ552のゲート端子は、配線PSELと電気的に接続される。トランジスタ552の第2の端子は、配線PC2と電気的に接続される。
図23(B)は、フォトセンサが置かれた環境が明るい場合(明と表記する。)と、暗い場合(暗と表記する。)と、中間の場合(中間と表記する。)におけるフォトセンサの動作を示すタイミングチャートの一例である。縦軸は電位を示し、横軸は時間を示すが、その縮尺は厳密でない場合がある。
図24は、フォトセンサを有する半導体装置の断面図の一例である。トランジスタ550および容量素子560については、図21で説明した半導体装置の記載を参照する。
図24に示す半導体装置は、図21に示した半導体装置に加えて、フォトダイオード580を有する。フォトダイオード580は、導電体525と、導電体516cと、導電体524と、層523pと、層523iと、層523nと、を有する。
導電体525は、導電体504および導電体505と同一工程を経て形成することができる。ただし、導電体504および導電体505と異なる工程を経て形成されてもよい。
導電体516cは、導電体516aおよび導電体516bと同一工程を経て形成することができる。ただし、導電体516aおよび導電体516bと異なる工程を経て形成されてもよい。導電体516cは、絶縁体512の開口部を介して導電体525と電気的に接続される。
層523pは、例えば、p型半導体を用いればよい。層523iは、例えば、i型半導体を用いればよい。層523nは、例えば、n型半導体を用いればよい。ただし、層523pがn型半導体であってもよい。また、層523iがn型半導体またはp型半導体であってもよい。また、層523nがp型半導体であってもよい。また、層523p、層523iまたは層523nを有さなくてもよい。
層523p、層523iおよび層523nの一以上が水素含有層としての機能を有することが好ましい。層523p、層523iおよび層523nの一以上が水素含有層としての機能を有する場合、大幅に工程数を増加させなくても、酸化物半導体507に導電性を有する領域507nを形成することができる。
層523p、層523iおよび層523nとしては、例えば、非晶質シリコン、微結晶シリコンまたは多結晶シリコンを用いることが好ましい。また、特に、非晶質シリコンは、水素濃度が高く、かつ水素放出量が多いため好ましい。なお、層523p、層523iおよび層523nとして、シリコン以外の元素半導体、酸化物半導体、または窒化物半導体を用いてもよい。または、層523p、層523iおよび層523nとして、有機物半導体を用いてもよい。層523p、層523iおよび層523nとしては、例えば、インジウム、スズ、亜鉛、ガリウム、アルミニウム、フッ素、ホウ素、チタン、窒素、酸素、シリコン、リン、セレン、ゲルマニウム、ニッケルおよびタングステンから選ばれた一種以上を有する半導体を用いればよい。具体的には、セレン(非晶質セレンまたは結晶質セレン)、酸化スズ、窒化ガリウム、酸化亜鉛、In−Sn酸化物、In−Sn−Si酸化物、In−Ga−Zn酸化物、In−Zn酸化物、Al−Zn酸化物またはGa−Zn酸化物などを用いればよい。
導電体524は、層523nと接する領域を有する。
ここで、図24に示す導電体525は図23に示す配線PRに相当する。同様に導電体516cは、フォトダイオード580の第1の端子に相当する。層523p、層523iおよび層523nは、フォトダイオード580の光電変換層に相当する。導電体524は、フォトダイオード580の第2の端子に相当する。
したがって、層523p、層523iおよび層523nに光が入射すると、導電体516cと導電体524との間に、入射光量に応じた電流が流れる。
トランジスタ550上、容量素子560上およびフォトダイオード580上には、絶縁体528が形成される。絶縁体528は、層523nに達する開口部と、導電体516aに達する開口部と、を有する。導電体524は、絶縁体528上にも形成され、上述した開口部を介して、トランジスタ550とフォトダイオード580とを電気的に接続している。
絶縁体528は、酸化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコン、窒化シリコンまたは樹脂などを有することが好ましい。樹脂としては、例えば、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリアミド(ナイロン、アラミドなど)、ポリイミド、ポリカーボネートまたはアクリルなどがある。
導電体524は、透光性を有する導電体を用いることが好ましい。透光性を有する導電体としては、例えば、インジウム、スズ、亜鉛、ガリウム、アルミニウム、フッ素、ホウ素、チタン、窒素、酸素、シリコン、リン、ニッケルおよびタングステンから選ばれた一種以上を有する導電体を用いればよい。具体的には、酸化スズ、In−Sn酸化物、In−Sn−Si酸化物、In−Ga−Zn酸化物、In−Zn酸化物、Al−Zn酸化物またはGa−Zn酸化物などを用いればよい。
以上のように、本発明の一態様に係るフォトセンサは、フォトダイオードと、トランジスタと、容量素子と、を共通する工程によって作製することができる。したがって、フォトセンサを生産性高く作製することができる。また、フォトセンサを歩留り高く作製することができる。
<回路>
以下では、本発明の一態様に係る半導体装置の回路の一例について説明する。
<CMOSインバータ>
図25(A)に示す回路図は、pチャネル型のトランジスタ2200とnチャネル型のトランジスタ2100を直列に接続し、かつそれぞれのゲートを接続した、いわゆるCMOSインバータの構成を示している。
トランジスタ2200は、半導体基板を用いたトランジスタである。半導体基板としては、例えば、シリコン、ゲルマニウムなどの単体半導体基板、または炭化シリコン、シリコンゲルマニウム、ヒ化ガリウム、リン化インジウム、酸化亜鉛、酸化ガリウムなどの化合物半導体基板などを用いればよい。好ましくは、半導体基板として単結晶シリコン基板を用いる。
半導体基板は、n型の導電型を付与する不純物を有する半導体基板を用いる。ただし、半導体基板として、p型の導電型を付与する不純物を有する半導体基板を用いても構わない。その場合、トランジスタ2200となる領域には、n型の導電型を付与する不純物を有するウェルを配置すればよい。または、半導体基板がi型であっても構わない。
半導体基板の上面は、(110)面を有することが好ましい。こうすることで、トランジスタ2200のオン特性を向上させることができる。
トランジスタ2100は、例えば、酸化物半導体を用いたトランジスタである。酸化物半導体を用いたトランジスタについては、上述した酸化物半導体を用いたトランジスタの説明を参照する。
トランジスタ2100は、トランジスタ2200の上方に配置することができる。トランジスタ2100とトランジスタ2200とが、互いに重なる領域を有するように配置することで半導体装置の面積を縮小することができる。そのため、集積度の高い半導体装置を提供することができる。
<CMOSアナログスイッチ>
また図25(B)に示す回路図は、トランジスタ2100とトランジスタ2200のそれぞれのソースとドレインを接続した構成を示している。このような構成とすることで、いわゆるCMOSアナログスイッチとして機能させることができる。
<記憶装置1>
本発明の一態様に係るトランジスタを用いた、電力が供給されない状況でも記憶内容の保持が可能で、かつ、書き込み回数にも制限が無い半導体装置(記憶装置)の一例を図26に示す。
図26(A)に示す半導体装置は、第1の半導体を用いたトランジスタ3200と第2の半導体を用いたトランジスタ3300、および容量素子3400を有している。なお、トランジスタ3300としては、上述したトランジスタを用いることができる。また、容量素子3400としては、上述した容量素子を用いることができる。
トランジスタ3300は、オフ電流の小さいトランジスタが好ましい。トランジスタ3300は、例えば、酸化物半導体を用いたトランジスタを用いることができる。トランジスタ3300のオフ電流が小さいことにより、半導体装置の特定のノードに長期にわたり記憶内容を保持することが可能である。つまり、リフレッシュ動作を必要としない、またはリフレッシュ動作の頻度が極めて少なくすることが可能となるため、消費電力の低い半導体装置となる。
図26(A)において、第1の配線3001はトランジスタ3200のソースと電気的に接続され、第2の配線3002はトランジスタ3200のドレインと電気的に接続される。また、第3の配線3003はトランジスタ3300のソース、ドレインの一方と電気的に接続され、第4の配線3004はトランジスタ3300のゲートと電気的に接続されている。そして、トランジスタ3200のゲート、およびトランジスタ3300のソース、ドレインの他方は、容量素子3400の電極の一方と電気的に接続され、第5の配線3005は容量素子3400の電極の他方と電気的に接続されている。
図26(A)に示す半導体装置は、トランジスタ3200のゲートの電位が保持可能という特性を有することで、以下に示すように、情報の書き込み、保持、読み出しが可能である。
情報の書き込みおよび保持について説明する。まず、第4の配線3004の電位を、トランジスタ3300が導通状態となる電位にして、トランジスタ3300を導通状態とする。これにより、第3の配線3003の電位が、トランジスタ3200のゲート、および容量素子3400の電極の一方と電気的に接続するノードFGに与えられる。即ち、トランジスタ3200のゲートには、所定の電荷が与えられる(書き込み)。ここでは、異なる二つの電位レベルを与える電荷(以下Lowレベル電荷、Highレベル電荷という。)のどちらかが与えられるものとする。その後、第4の配線3004の電位を、トランジスタ3300が非導通状態となる電位にして、トランジスタ3300を非導通状態とすることにより、ノードFGに電荷が保持される(保持)。
トランジスタ3300のオフ電流が小さいため、ノードFGの電荷は長期間にわたって保持される。
次に情報の読み出しについて説明する。第1の配線3001に所定の電位(定電位)を与えた状態で、第5の配線3005に適切な電位(読み出し電位)を与えると、第2の配線3002は、ノードFGに保持された電荷量に応じた電位をとる。これは、トランジスタ3200をnチャネル型とすると、トランジスタ3200のゲートにHighレベル電荷が与えられている場合の見かけ上のしきい値電圧Vth_Hは、トランジスタ3200のゲートにLowレベル電荷が与えられている場合の見かけ上のしきい値電圧Vth_Lより低くなるためである。ここで、見かけ上のしきい値電圧とは、トランジスタ3200を「導通状態」とするために必要な第5の配線3005の電位をいうものとする。したがって、第5の配線3005の電位をVth_HとVth_Lの間の電位V0とすることにより、ノードFGに与えられた電荷を判別できる。例えば、書き込みにおいて、ノードFGにHighレベル電荷が与えられていた場合には、第5の配線3005の電位がV0(>Vth_H)となれば、トランジスタ3200は「導通状態」となる。一方、ノードFGにLowレベル電荷が与えられていた場合には、第5の配線3005の電位がV0(<Vth_L)となっても、トランジスタ3200は「非導通状態」のままである。このため、第2の配線3002の電位を判別することで、ノードFGに保持されている情報を読み出すことができる。
なお、メモリセルをアレイ状に配置する場合、読み出し時には、所望のメモリセルの情報を読み出さなくてはならない。情報を読み出さないメモリセルにおいては、ノードFGに与えられた電荷によらずトランジスタ3200が「非導通状態」となるような電位、つまり、Vth_Hより低い電位を第5の配線3005に与えることで所望のメモリセルの情報のみを読み出せる構成とすればよい。または、情報を読み出さないメモリセルにおいては、ノードFGに与えられた電荷によらずトランジスタ3200が「導通状態」となるような電位、つまり、Vth_Lより高い電位を第5の配線3005に与えることで所望のメモリセルの情報のみを読み出せる構成とすればよい。
<記憶装置2>
図26(B)に示す半導体装置は、トランジスタ3200を有さない点で図26(A)に示した半導体装置と異なる。この場合も図26(A)に示した半導体装置と同様の動作により情報の書き込みおよび保持動作が可能である。
図26(B)に示す半導体装置における、情報の読み出しについて説明する。トランジスタ3300が導通状態になると、浮遊状態である第3の配線3003と容量素子3400とが導通し、第3の配線3003と容量素子3400の間で電荷が再分配される。その結果、第3の配線3003の電位が変化する。第3の配線3003の電位の変化量は、容量素子3400の電極の一方の電位(または容量素子3400に蓄積された電荷)によって、異なる値をとる。
例えば、容量素子3400の電極の一方の電位をV、容量素子3400の容量をC、第3の配線3003が有する容量成分をCB、電荷が再分配される前の第3の配線3003の電位をVB0とすると、電荷が再分配された後の第3の配線3003の電位は、(CB×VB0+CV)/(CB+C)となる。したがって、メモリセルの状態として、容量素子3400の電極の一方の電位がV1とV0(V1>V0)の2つの状態をとるとすると、電位V1を保持している場合の第3の配線3003の電位(=(CB×VB0+CV1)/(CB+C))は、電位V0を保持している場合の第3の配線3003の電位(=(CB×VB0+CV0)/(CB+C))よりも高くなることがわかる。
そして、第3の配線3003の電位を所定の電位と比較することで、情報を読み出すことができる。
この場合、メモリセルを駆動させるための駆動回路に上記第1の半導体が適用されたトランジスタを用い、トランジスタ3300として第2の半導体が適用されたトランジスタを駆動回路上に積層して配置する構成とすればよい。
以上に示した半導体装置は、酸化物半導体を用いたオフ電流の小さいトランジスタを適用することで、長期にわたって記憶内容を保持することが可能となる。つまり、リフレッシュ動作が不要となるか、またはリフレッシュ動作の頻度を極めて低くすることが可能となるため、消費電力の低い半導体装置を実現することができる。また、電力の供給がない場合(ただし、電位は固定されていることが好ましい)であっても、長期にわたって記憶内容を保持することが可能である。
また、該半導体装置は、情報の書き込みに高い電圧が不要であるため、素子の劣化が起こりにくい。例えば、従来の不揮発性メモリのように、フローティングゲートへの電子の注入や、フローティングゲートからの電子の引き抜きを行わないため、絶縁体の劣化といった問題が生じない。即ち、本発明の一態様に係る半導体装置は、従来の不揮発性メモリとは異なり書き換え可能回数に制限はなく、信頼性が飛躍的に向上した半導体装置である。さらに、トランジスタの導通状態、非導通状態によって、情報の書き込みが行われるため、高速な動作が可能となる。
<FPGA>
また本発明の一態様は、FPGA(Field Programmable Gate Array)などのLSIにも適用可能である。
図27(A)には、FPGAのブロック図の一例を示す。FPGAは、ルーティングスイッチエレメント1521と、ロジックエレメント1522とによって構成される。また、ロジックエレメント1522は、コンフィギュレーションメモリに記憶したコンフィギュレーションデータに応じて、組み合わせ回路の機能、または順序回路の機能といった論理回路の機能を切り替えることができる。
図27(B)は、ルーティングスイッチエレメント1521の役割を説明するための模式図である。ルーティングスイッチエレメント1521は、コンフィギュレーションメモリ1523に記憶したコンフィギュレーションデータに応じて、ロジックエレメント1522間の接続を切り替えることができる。なお図27(B)では、スイッチを一つ示し、端子INと端子OUTの間の接続を切り替える様子を示しているが、実際には複数あるロジックエレメント1522間にスイッチが設けられる。
図27(C)には、コンフィギュレーションメモリ1523として機能する回路構成の一例を示す。コンフィギュレーションメモリ1523は、酸化物半導体を用いたトランジスタで構成されるトランジスタM11と、シリコンを用いたトランジスタで構成されるトランジスタM12と、によって構成される。ノードFNSWには、トランジスタM11を介してコンフィギュレーションデータDSWが与えられる。このコンフィギュレーションデータDSWの電位は、トランジスタM11を非導通状態とすることで、保持することができる。保持したコンフィギュレーションデータDSWの電位によって、トランジスタM12の導通状態が切り替えられ、端子INと端子OUTの間の接続を切り替えることができる。
図27(D)は、ロジックエレメント1522の役割を説明するための模式図である。ロジックエレメント1522は、コンフィギュレーションメモリ1527に記憶したコンフィギュレーションデータに応じて、端子OUTmemの電位を切り替えることができる。ルックアップテーブル1524は、端子OUTmemの電位に応じて、端子INの信号を処理する組み合わせ回路の機能を切り替えることができる。またロジックエレメント1522は、順序回路であるレジスタ1525と、端子OUTの信号を切り替えるためのセレクタ1526を有する。セレクタ1526は、コンフィギュレーションメモリ1527から出力される端子OUTmemの電位に応じて、ルックアップテーブル1524の信号の出力か、レジスタ1525の信号の出力か、を選択することができる。
図27(E)には、コンフィギュレーションメモリ1527として機能する回路構成の一例を示す。コンフィギュレーションメモリ1527は、酸化物半導体を用いたトランジスタで構成されるトランジスタM13、トランジスタM14と、シリコンを用いたトランジスタで構成されるトランジスタM15、トランジスタM16と、によって構成される。ノードFNLEには、トランジスタM13を介してコンフィギュレーションデータDLEが与えられる。ノードBFNLEには、トランジスタM14を介してコンフィギュレーションデータBDLEが与えられる。コンフィギュレーションデータBDLEは、コンフィギュレーションデータDLEの論理が反転した電位に相当する。このコンフィギュレーションデータDLE、コンフィギュレーションデータBDLEの電位は、トランジスタM13、トランジスタM14を非導通状態とすることで、保持することができる。保持したコンフィギュレーションデータDLE、コンフィギュレーションデータBDLEの電位によって、トランジスタM15またはトランジスタM16の一方の導通状態が切り替えられ、端子OUTmemには電位VDDまたは電位VSSを与えることができる。
図27の構成に対して、上述したトランジスタ、論理回路および記憶装置などを適用することができる。例えばトランジスタM12、トランジスタM15、トランジスタM16を、シリコンを用いたトランジスタで構成し、トランジスタM11、トランジスタM13、トランジスタM14を、酸化物半導体を用いたトランジスタで構成する。この場合、シリコン基板上にシリコンを用いたトランジスタを作製し、その後、シリコンを用いたトランジスタの上方に酸化物半導体を用いたトランジスタを作製することで、FPGAのチップサイズを縮小することができる。また、酸化物半導体を用いたトランジスタの低いオフ電流を有する特性と、シリコンを用いたトランジスタの高いオン電流を有する特性と、を組み合わせることによって、消費電力が小さく、動作速度の高いFPGAとすることができる。
<CPU>
以下では、上述したトランジスタや上述した記憶装置などの半導体装置を含むCPUについて説明する。
図28は、上述したトランジスタを一部に用いたCPUの一例の構成を示すブロック図である。
図28に示すCPUは、基板1190上に、ALU1191(ALU:Arithmetic logic unit、演算回路)、ALUコントローラ1192、インストラクションデコーダ1193、インタラプトコントローラ1194、タイミングコントローラ1195、レジスタ1196、レジスタコントローラ1197、バスインターフェース1198、書き換え可能なROM1199、およびROMインターフェース1189を有している。基板1190は、半導体基板、SOI基板、ガラス基板などを用いる。ROM1199およびROMインターフェース1189は、別チップに設けてもよい。もちろん、図28に示すCPUは、その構成を簡略化して示した一例にすぎず、実際のCPUはその用途によって多種多様な構成を有している。例えば、図28に示すCPUまたは演算回路を含む構成を一つのコアとし、当該コアを複数含み、それぞれのコアが並列で動作するような構成としてもよい。また、CPUが内部演算回路やデータバスで扱えるビット数は、例えば8ビット、16ビット、32ビット、64ビットなどとすることができる。
バスインターフェース1198を介してCPUに入力された命令は、インストラクションデコーダ1193に入力され、デコードされた後、ALUコントローラ1192、インタラプトコントローラ1194、レジスタコントローラ1197、タイミングコントローラ1195に入力される。
ALUコントローラ1192、インタラプトコントローラ1194、レジスタコントローラ1197、タイミングコントローラ1195は、デコードされた命令に基づき、各種制御を行なう。具体的にALUコントローラ1192は、ALU1191の動作を制御するための信号を生成する。また、インタラプトコントローラ1194は、CPUのプログラム実行中に、外部の入出力装置や、周辺回路からの割り込み要求を、その優先度やマスク状態から判断し、処理する。レジスタコントローラ1197は、レジスタ1196のアドレスを生成し、CPUの状態に応じてレジスタ1196の読み出しや書き込みを行なう。
また、タイミングコントローラ1195は、ALU1191、ALUコントローラ1192、インストラクションデコーダ1193、インタラプトコントローラ1194、およびレジスタコントローラ1197の動作のタイミングを制御する信号を生成する。例えばタイミングコントローラ1195は、基準クロック信号を元に、内部クロック信号を生成する内部クロック生成部を備えており、内部クロック信号を上記各種回路に供給する。
図28に示すCPUでは、レジスタ1196に、メモリセルが設けられている。レジスタ1196のメモリセルとして、上述したトランジスタや記憶装置などを用いることができる。
図28に示すCPUにおいて、レジスタコントローラ1197は、ALU1191からの指示に従い、レジスタ1196における保持動作の選択を行う。即ち、レジスタ1196が有するメモリセルにおいて、フリップフロップによるデータの保持を行うか、容量素子によるデータの保持を行うかを、選択する。フリップフロップによるデータの保持が選択されている場合、レジスタ1196内のメモリセルへの、電源電圧の供給が行われる。容量素子におけるデータの保持が選択されている場合、容量素子へのデータの書き換えが行われ、レジスタ1196内のメモリセルへの電源電圧の供給を停止することができる。
図29は、レジスタ1196として用いることのできる記憶素子1200の回路図の一例である。記憶素子1200は、電源遮断で記憶データが揮発する回路1201と、電源遮断で記憶データが揮発しない回路1202と、スイッチ1203と、スイッチ1204と、論理素子1206と、容量素子1207と、選択機能を有する回路1220と、を有する。回路1202は、容量素子1208と、トランジスタ1209と、トランジスタ1210と、を有する。なお、記憶素子1200は、必要に応じて、ダイオード、抵抗素子、インダクタなどのその他の素子をさらに有していてもよい。
ここで、回路1202には、上述した記憶装置を用いることができる。記憶素子1200への電源電圧の供給が停止した際、回路1202のトランジスタ1209のゲートにはGND(0V)、またはトランジスタ1209がオフする電位が入力され続ける構成とする。例えば、トランジスタ1209のゲートが抵抗等の負荷を介して接地される構成とする。
スイッチ1203は、一導電型(例えば、nチャネル型)のトランジスタ1213を用いて構成され、スイッチ1204は、一導電型とは逆の導電型(例えば、pチャネル型)のトランジスタ1214を用いて構成した例を示す。ここで、スイッチ1203の第1の端子はトランジスタ1213のソースとドレインの一方に対応し、スイッチ1203の第2の端子はトランジスタ1213のソースとドレインの他方に対応し、スイッチ1203はトランジスタ1213のゲートに入力される制御信号RDによって、第1の端子と第2の端子の間の導通または非導通(つまり、トランジスタ1213の導通状態または非導通状態)が選択される。スイッチ1204の第1の端子はトランジスタ1214のソースとドレインの一方に対応し、スイッチ1204の第2の端子はトランジスタ1214のソースとドレインの他方に対応し、スイッチ1204はトランジスタ1214のゲートに入力される制御信号RDによって、第1の端子と第2の端子の間の導通または非導通(つまり、トランジスタ1214の導通状態または非導通状態)が選択される。
トランジスタ1209のソースとドレインの一方は、容量素子1208の一対の電極のうちの一方、およびトランジスタ1210のゲートと電気的に接続される。ここで、接続部分をノードM2とする。トランジスタ1210のソースとドレインの一方は、低電源電位を供給することのできる配線(例えばGND線)に電気的に接続され、他方は、スイッチ1203の第1の端子(トランジスタ1213のソースとドレインの一方)と電気的に接続される。スイッチ1203の第2の端子(トランジスタ1213のソースとドレインの他方)はスイッチ1204の第1の端子(トランジスタ1214のソースとドレインの一方)と電気的に接続される。スイッチ1204の第2の端子(トランジスタ1214のソースとドレインの他方)は電源電位VDDを供給することのできる配線と電気的に接続される。スイッチ1203の第2の端子(トランジスタ1213のソースとドレインの他方)と、スイッチ1204の第1の端子(トランジスタ1214のソースとドレインの一方)と、論理素子1206の入力端子と、容量素子1207の一対の電極のうちの一方と、は電気的に接続される。ここで、接続部分をノードM1とする。容量素子1207の一対の電極のうちの他方は、一定の電位が入力される構成とすることができる。例えば、低電源電位(GND等)または高電源電位(VDD等)が入力される構成とすることができる。容量素子1207の一対の電極のうちの他方は、低電源電位を供給することのできる配線(例えばGND線)と電気的に接続される。容量素子1208の一対の電極のうちの他方は、一定の電位が入力される構成とすることができる。例えば、低電源電位(GND等)または高電源電位(VDD等)が入力される構成とすることができる。容量素子1208の一対の電極のうちの他方は、低電源電位を供給することのできる配線(例えばGND線)と電気的に接続される。
なお、容量素子1207および容量素子1208は、トランジスタや配線の寄生容量等を積極的に利用することによって省略することも可能である。
トランジスタ1209のゲートには、制御信号WEが入力される。スイッチ1203およびスイッチ1204は、制御信号WEとは異なる制御信号RDによって第1の端子と第2の端子の間の導通状態または非導通状態を選択され、一方のスイッチの第1の端子と第2の端子の間が導通状態のとき他方のスイッチの第1の端子と第2の端子の間は非導通状態となる。
トランジスタ1209のソースとドレインの他方には、回路1201に保持されたデータに対応する信号が入力される。図29では、回路1201から出力された信号が、トランジスタ1209のソースとドレインの他方に入力される例を示した。スイッチ1203の第2の端子(トランジスタ1213のソースとドレインの他方)から出力される信号は、論理素子1206によってその論理値が反転された反転信号となり、回路1220を介して回路1201に入力される。
なお、図29では、スイッチ1203の第2の端子(トランジスタ1213のソースとドレインの他方)から出力される信号は、論理素子1206および回路1220を介して回路1201に入力する例を示したがこれに限定されない。スイッチ1203の第2の端子(トランジスタ1213のソースとドレインの他方)から出力される信号が、論理値を反転させられることなく、回路1201に入力されてもよい。例えば、回路1201内に、入力端子から入力された信号の論理値が反転した信号が保持されるノードが存在する場合に、スイッチ1203の第2の端子(トランジスタ1213のソースとドレインの他方)から出力される信号を当該ノードに入力することができる。
また、図29において、記憶素子1200に用いられるトランジスタのうち、トランジスタ1209以外のトランジスタは、酸化物半導体以外の半導体でなる膜または基板1190にチャネルが形成されるトランジスタとすることができる。例えば、シリコン膜またはシリコン基板にチャネルが形成されるトランジスタとすることができる。また、記憶素子1200に用いられるトランジスタ全てを、チャネルが酸化物半導体で形成されるトランジスタとすることもできる。または、記憶素子1200は、トランジスタ1209以外にも、チャネルが酸化物半導体で形成されるトランジスタを含んでいてもよく、残りのトランジスタは酸化物半導体以外の半導体でなる膜または基板1190にチャネルが形成されるトランジスタとすることもできる。
図29における回路1201には、例えばフリップフロップ回路を用いることができる。また、論理素子1206としては、例えばインバータやクロックドインバータ等を用いることができる。
本発明の一態様に係る半導体装置では、記憶素子1200に電源電圧が供給されない間は、回路1201に記憶されていたデータを、回路1202に設けられた容量素子1208によって保持することができる。
また、酸化物半導体にチャネルが形成されるトランジスタはオフ電流が極めて小さい。例えば、酸化物半導体にチャネルが形成されるトランジスタのオフ電流は、結晶性を有するシリコンにチャネルが形成されるトランジスタのオフ電流に比べて著しく低い。そのため、当該トランジスタをトランジスタ1209として用いることによって、記憶素子1200に電源電圧が供給されない間も容量素子1208に保持された信号は長期間にわたり保たれる。こうして、記憶素子1200は電源電圧の供給が停止した間も記憶内容(データ)を保持することが可能である。
また、スイッチ1203およびスイッチ1204を設けることによって、プリチャージ動作を行うことを特徴とする記憶素子であるため、電源電圧供給再開後に、回路1201が元のデータを保持しなおすまでの時間を短くすることができる。
また、回路1202において、容量素子1208によって保持された信号はトランジスタ1210のゲートに入力される。そのため、記憶素子1200への電源電圧の供給が再開された後、容量素子1208に保持された信号によって、トランジスタ1210の導通状態、または非導通状態が切り替わり、その状態に応じて信号を回路1202から読み出すことができる。それ故、容量素子1208に保持された信号に対応する電位が多少変動していても、元の信号を正確に読み出すことが可能である。
このような記憶素子1200を、プロセッサが有するレジスタやキャッシュメモリなどの記憶装置に用いることで、電源電圧の供給停止による記憶装置内のデータの消失を防ぐことができる。また、電源電圧の供給を再開した後、短時間で電源供給停止前の状態に復帰することができる。よって、プロセッサ全体、もしくはプロセッサを構成する一つ、または複数の論理回路において、短い時間でも電源停止を行うことができるため、消費電力を抑えることができる。
記憶素子1200をCPUに用いる例として説明したが、記憶素子1200は、DSP(Digital Signal Processor)、カスタムLSI、PLD(Programmable Logic Device)等のLSI、RF(Radio Frequency)デバイスにも応用可能である。
<表示装置>
以下では、本発明の一態様に係る表示装置について、図30、図31および図51を用いて説明する。
表示装置に用いられる表示素子としては液晶素子(液晶表示素子ともいう。)、発光素子(発光表示素子ともいう。)などを用いることができる。発光素子は、電流または電圧によって輝度が制御される素子をその範疇に含んでおり、具体的には無機EL(Electroluminescence)、有機ELなどを含む。以下では、表示装置の一例としてEL素子を用いた表示装置(EL表示装置)および液晶素子を用いた表示装置(液晶表示装置)について説明する。
なお、以下に示す表示装置は、表示素子が封止された状態にあるパネルと、該パネルにコントローラを含むICなどを実装した状態にあるモジュールとを含む。
また、以下に示す表示装置は画像表示デバイス、または光源(照明装置含む)を指す。また、コネクター、例えばFPC、TCPが取り付けられたモジュール、TCPの先にプリント配線板を有するモジュールまたは表示素子にCOG方式によりIC(集積回路)が直接実装されたモジュールも全て表示装置に含むものとする。
図30は、本発明の一態様に係るEL表示装置の一例である。図30(A)に、EL表示装置の画素の回路図を示す。図30(B)は、EL表示装置全体を示す上面図である。
図30(A)は、EL表示装置に用いられる画素の回路図の一例である。
なお、本明細書等においては、能動素子(トランジスタ、ダイオードなど)、受動素子(容量素子、抵抗素子など)などが有するすべての端子について、その接続先を特定しなくても、当業者であれば、発明の一態様を構成することは可能な場合がある。つまり、接続先を特定しなくても、発明の一態様が明確であるといえる。そして、接続先が特定された内容が、本明細書等に記載されている場合、接続先を特定しない発明の一態様が、本明細書等に記載されていると判断することが可能な場合がある。特に、端子の接続先として複数の箇所が想定される場合には、その端子の接続先を特定の箇所に限定する必要はない。したがって、能動素子(トランジスタ、ダイオードなど)、受動素子(容量素子、抵抗素子など)などが有する一部の端子についてのみ、その接続先を特定することによって、発明の一態様を構成することが可能な場合がある。
なお、本明細書等においては、ある回路について、少なくとも接続先を特定すれば、当業者であれば、発明を特定することが可能な場合がある。または、ある回路について、少なくとも機能を特定すれば、当業者であれば、発明を特定することが可能な場合がある。つまり、機能を特定すれば、発明の一態様が明確であるといえる。そして、機能が特定された発明の一態様が、本明細書等に記載されていると判断することが可能な場合がある。したがって、ある回路について、機能を特定しなくても、接続先を特定すれば、発明の一態様として開示されているものであり、発明の一態様を構成することが可能である。または、ある回路について、接続先を特定しなくても、機能を特定すれば、発明の一態様として開示されているものであり、発明の一態様を構成することが可能である。
図30(A)に示すEL表示装置は、スイッチ素子743と、トランジスタ741と、容量素子742と、発光素子719と、を有する。
なお、図30(A)などは、回路構成の一例であるため、さらに、トランジスタを追加することが可能である。逆に、図30(A)の各ノードにおいて、トランジスタ、スイッチ、受動素子などを追加しないようにすることも可能である。
トランジスタ741のゲートはスイッチ素子743の一端および容量素子742の一方の電極と電気的に接続される。トランジスタ741のソースは容量素子742の他方の電極と電気的に接続され、発光素子719の一方の電極と電気的に接続される。トランジスタ741のドレインは電源電位VDDが与えられる。スイッチ素子743の他端は信号線744と電気的に接続される。発光素子719の他方の電極は定電位が与えられる。なお、定電位は接地電位GNDまたはそれより小さい電位とする。なお、トランジスタ741及び容量素子742の拡大図を図50に示す。
スイッチ素子743としては、トランジスタを用いると好ましい。トランジスタを用いることで、画素の面積を小さくでき、解像度の高いEL表示装置とすることができる。また、スイッチ素子743として、トランジスタ741と同一工程を経て作製されたトランジスタを用いると、EL表示装置の生産性を高めることができる。なお、トランジスタ741または/およびスイッチ素子743としては、例えば、上述したトランジスタを適用することができる。
図30(B)は、EL表示装置の上面図である。EL表示装置は、基板700と、基板750と、シール材734と、駆動回路735と、駆動回路736と、画素737と、FPC732と、を有する。シール材734は、画素737、駆動回路735および駆動回路736を囲むように基板700と基板750との間に配置される。なお、駆動回路735または/および駆動回路736をシール材734の外側に配置しても構わない。
図30(C)は、図30(B)の一点鎖線M−Nの一部に対応するEL表示装置の断面図である。
図30(C)には、トランジスタ741として、基板700上の導電体713aと、導電体713a上の絶縁体702と、絶縁体702上にあり導電体713aと重なる酸化物絶縁体706aおよび酸化物半導体706bと、酸化物半導体706b上の酸化物絶縁体706cと、酸化物絶縁体706c上の絶縁体712aと、絶縁体712a上にあり酸化物半導体706bと重なる導電体704と、を有する構造を示す。なお、トランジスタ741の構造は一例であり、図30(C)に示す構造と異なる構造であっても構わない。
したがって、図30(C)に示すトランジスタ741において、導電体713aはゲート電極としての機能を有し、絶縁体702はゲート絶縁体としての機能を有し、絶縁体712aはゲート絶縁体としての機能を有し、導電体704はゲート電極としての機能を有する。なお、酸化物半導体706bは、光が当たることで電気特性が変動する場合がある。したがって、導電体713aまたは/および導電体704が遮光性を有すると好ましい。
図30(C)には、容量素子742として、基板上の導電体713bと、導電体713b上の絶縁体702と、絶縁体702上の酸化物導電体707aと、酸化物導電体707a上の酸化物導電体707bと、酸化物導電体707b上の酸化物導電体707cと、酸化物導電体707c上の絶縁体712bと、絶縁体712b上の導電体705と、を有する構造を示す。
酸化物導電体707a、酸化物導電体707bおよび酸化物導電体707cは、酸化物絶縁体706a、酸化物半導体706bおよび酸化物絶縁体706cと同一工程を経て形成され、水素などの不純物の添加によって導電体化されたものである。また、導電体713b、導電体705および絶縁体712bは、それぞれ導電体713a、導電体704および絶縁体712aと同一工程を経て形成されたものである。したがって、容量素子742は、トランジスタ741と共通する膜を用いて作製することができる。
トランジスタ741および容量素子742上には、絶縁体718が配置される。ここで、絶縁体718は、トランジスタ741に達する開口部、および容量素子742に達する開口部を有してもよい。絶縁体718上には、導電体781が配置される。導電体781は、絶縁体718の開口部を介してトランジスタ741と電気的に接続してもよい。
導電体781上には、導電体781に達する開口部を有する隔壁784が配置される。隔壁784上には、隔壁784の開口部で導電体781と接する発光層782が配置される。発光層782上には、導電体783が配置される。導電体781、発光層782および導電体783の重なる領域が、発光素子719となる。
なお、EL表示装置を高精細化するために、トランジスタ、容量素子または/および配線層などを積層させてもよい。
図51は、半導体基板上に作製したEL表示装置の画素を示す断面図の一例である。
図51に示すEL表示装置は、半導体基板801と、基板802と、絶縁体803と、絶縁体804と、絶縁体805と、接着層806と、フィルタ807と、フィルタ808と、フィルタ809と、絶縁体811と、絶縁体812と、絶縁体813と、絶縁体814と、絶縁体815と、絶縁体816と、絶縁体817と、絶縁体818と、絶縁体819と、絶縁体820と、絶縁体821と、導電体831と、導電体832と、導電体833と、導電体834と、導電体835と、導電体836と、導電体837と、導電体838と、導電体839と、導電体840と、導電体841と、導電体842と、導電体843と、導電体844と、導電体845と、導電体846と、導電体847と、導電体848と、導電体849と、導電体850と、導電体851、導電体852と、導電体853と、導電体854と、導電体855と、導電体856と、導電体857と、導電体858と、導電体859と、導電体860と、導電体861と、導電体862と、絶縁体871と、導電体872と、絶縁体873と、絶縁体874と、領域875と、領域876と、絶縁体877と、絶縁体878と、絶縁体881と、導電体882と、絶縁体883と、絶縁体884と、領域885と、領域886と、層887と、層888と、発光層893と、を有する。
また、半導体基板801と、絶縁体871と、導電体872と、絶縁体873と、絶縁体874と、領域875と、領域876と、によって、トランジスタ891が構成される。半導体基板801は、チャネル形成領域としての機能を有する。絶縁体871は、ゲート絶縁体としての機能を有する。導電体872は、ゲート電極としての機能を有する。絶縁体873は、側壁絶縁体としての機能を有する。絶縁体874は、側壁絶縁体としての機能を有する。領域875は、ソース領域または/およびドレイン領域としての機能を有する。領域876は、ソース領域または/およびドレイン領域としての機能を有する。
導電体872は、絶縁体871を介して半導体基板801の一部と重なる領域を有する。領域875および領域876は、半導体基板801に不純物が添加された領域である。または、半導体基板801がシリコン基板である場合、シリサイドの形成された領域であってもよい。例えば、タングステンシリサイド、チタンシリサイド、コバルトシリサイドまたはニッケルシリサイドなどを有する領域であってもよい。領域875および領域876は、導電体872、絶縁体873および絶縁体874などによって、自己整合的に形成することができる。したがって、半導体基板801のチャネル形成領域を挟む位置に、それぞれ領域875および領域876が配置される。
トランジスタ891は、絶縁体873を有することにより、領域875とチャネル形成領域との間を空けることができる。したがって、絶縁体873を有することにより、領域875から生じる電界に起因してトランジスタ891が破壊または劣化することを抑制することができる。また、トランジスタ891は、絶縁体874を有することにより、領域876とチャネル形成領域との間を空けることができる。したがって、絶縁体874を有することにより、領域876から生じる電界に起因してトランジスタ891が破壊または劣化することを抑制することができる。なお、トランジスタ891は、領域875とチャネル形成領域との間隔よりも、領域876とチャネル形成領域との間隔が広い構造を有する。例えば、トランジスタ891の動作時において、領域875とチャネル形成領域との電位差よりも、領域876とチャネル形成領域との電位差のほうが大きくなることが多い場合、高いオン電流および高い信頼性を両立することができる構造である。
また、半導体基板801と、絶縁体881と、導電体882と、絶縁体883と、絶縁体884と、領域885と、領域886と、によって、トランジスタ892が構成される。半導体基板801は、チャネル形成領域としての機能を有する。絶縁体881は、ゲート絶縁体としての機能を有する。導電体882は、ゲート電極としての機能を有する。絶縁体883は、側壁絶縁体としての機能を有する。絶縁体884は、側壁絶縁体としての機能を有する。領域885は、ソース領域または/およびドレイン領域としての機能を有する。領域886は、ソース領域または/およびドレイン領域としての機能を有する。
導電体882は、絶縁体881を介して半導体基板801の一部と重なる領域を有する。領域885および領域886は、半導体基板801に不純物が添加された領域である。または、半導体基板801がシリコン基板である場合、シリサイドの形成された領域である。領域885および領域886は、導電体882、絶縁体883および絶縁体884などによって、自己整合的に形成することができる。したがって、半導体基板801のチャネル形成領域を挟む位置に、それぞれ領域885および領域886が配置される。
トランジスタ892は、絶縁体883を有することにより、領域885とチャネル形成領域との間を空けることができる。したがって、絶縁体883を有することにより、領域885から生じる電界に起因してトランジスタ892が破壊または劣化することを抑制することができる。また、トランジスタ892は、絶縁体884を有することにより、領域886とチャネル形成領域との間を空けることができる。したがって、絶縁体884を有することにより、領域886から生じる電界に起因してトランジスタ892が破壊または劣化することを抑制することができる。なお、トランジスタ892は、領域885とチャネル形成領域との間隔よりも、領域886とチャネル形成領域との間隔が広い構造を有する。例えば、トランジスタ892の動作時において、領域885とチャネル形成領域との電位差よりも、領域886とチャネル形成領域との電位差のほうが大きくなることが多い場合、高いオン電流および高い信頼性を両立することができる構造である。
絶縁体877は、トランジスタ891およびトランジスタ892を覆うように配置される。したがって、絶縁体877は、トランジスタ891およびトランジスタ892の保護膜としての機能を有する。絶縁体803、絶縁体804および絶縁体805は、素子を分離する機能を有する。例えば、トランジスタ891とトランジスタ892とは、絶縁体803および絶縁体804を間に有することによって素子分離される。
導電体851、導電体852、導電体853、導電体854、導電体855、導電体856、導電体857、導電体858、導電体859、導電体860、導電体861および導電体862は、素子と素子、素子と配線、配線と配線などを電気的に接続する機能を有する。よって、これらの導電体を配線またはプラグと言い換えることもできる。
導電体831、導電体832、導電体833、導電体834、導電体835、導電体836、導電体837、導電体838、導電体839、導電体840、導電体841、導電体842、導電体843、導電体844、導電体845、導電体846、導電体847、導電体849、導電体850は、配線、電極または/および遮光層としての機能を有する。
例えば、導電体836および導電体844は、絶縁体817を有する容量素子の電極としての機能を有する。例えば、導電体838および導電体845は、絶縁体818を有する容量素子の電極としての機能を有する。例えば、導電体840および導電体846は、絶縁体819を有する容量素子の電極としての機能を有する。例えば、導電体842および導電体847は、絶縁体820を有する容量素子の電極としての機能を有する。なお、導電体836と導電体838とが電気的に接続していてもよい。また、導電体844と導電体845とが電気的に接続していてもよい。また、導電体840と導電体842とが電気的に接続していてもよい。また、導電体846と導電体847とが電気的に接続してもよい。
絶縁体811、絶縁体812、絶縁体813、絶縁体814、絶縁体815および絶縁体816は、層間絶縁体としての機能を有する。絶縁体811、絶縁体812、絶縁体813、絶縁体814、絶縁体815および絶縁体816は、表面が平坦化されていると好ましい。
導電体831、導電体832、導電体833および導電体834は、絶縁体811上に配置される。導電体851は、絶縁体811の開口部に配置される。導電体851は、導電体831と領域875とを電気的に接続する。導電体852は、絶縁体811の開口部に配置される。導電体852は、導電体833と領域885とを電気的に接続する。導電体853は、絶縁体811の開口部に配置される。導電体853は、導電体834と領域886とを電気的に接続する。
導電体835、導電体836、導電体837および導電体838は、絶縁体812上に配置される。導電体836上には絶縁体817が配置される。絶縁体817上には導電体844が配置される。導電体838上には絶縁体818が配置される。絶縁体818上には導電体845が配置される。導電体854は、絶縁体812の開口部に配置される。導電体854は、導電体835と導電体831とを電気的に接続する。導電体855は、絶縁体812の開口部に配置される。導電体855は、導電体837と導電体833とを電気的に接続する。
導電体839、導電体840、導電体841および導電体842は、絶縁体813上に配置される。導電体840上には絶縁体819が配置される。絶縁体819上には導電体846が配置される。導電体842上には絶縁体820が配置される。絶縁体820上には導電体847が配置される。導電体856は、絶縁体813の開口部に配置される。導電体856は、導電体839と導電体835とを電気的に接続する。導電体857は、絶縁体813の開口部に配置される。導電体857は、導電体840と導電体844とを電気的に接続する。導電体858は、絶縁体813の開口部に配置される。導電体858は、導電体841と導電体837とを電気的に接続する。導電体859は、絶縁体813の開口部に配置される。導電体859は、導電体842と導電体845とを電気的に接続する。
導電体843は、絶縁体814上に配置される。導電体860は、絶縁体814の開口部に配置される。導電体860は、導電体843と導電体846とを電気的に接続する。導電体860は、導電体843と導電体847とを電気的に接続する。
導電体848は、絶縁体815上に配置される。導電体848は、電気的に浮いていてもよい。なお、導電体848は、遮光層としての機能を有すれば、導電体に限定されない。例えば、遮光性を有する絶縁体または半導体であってもよい。
導電体849は、絶縁体816上に配置される。絶縁体821は、絶縁体816上および導電体849上に配置される。絶縁体821は、導電体849を露出する開口部を有する。発光層893は、導電体849上および絶縁体821上に配置される。導電体850は、発光層893上に配置される。
したがって、導電体849と導電体850とに電位差を与えることで、発光層893から発光が生じる。そのため、導電体849と、導電体850と、発光層893と、は発光素子としての機能を有する。なお、絶縁体821は、隔壁としての機能を有する。
絶縁体878は、導電体850上に配置される。絶縁体878は、発光素子を覆うため、保護絶縁体としての機能を有する。例えば、絶縁体878がバリア性を有する絶縁体であってもよい。また、バリア性を有する絶縁体で、発光素子を囲む構造としてもよい。
基板802は、透光性を有する基板を用いればよい。例えば、基板750についての記載を参照する。基板802には、層887および層888が設けられる。層887および層888は、遮光層としての機能を有する。遮光層としては、例えば、樹脂や金属などを用いればよい。層887および層888を有することによって、EL表示装置のコントラストを向上させることや色のにじみを低減させることなどができる。
フィルタ807、フィルタ808およびフィルタ809は、カラーフィルタとしての機能を有する。例えば、フィルタ2054についての記載を参照する。フィルタ808は、層888、基板802および層887にまたがって配置される。フィルタ807は、層888においてフィルタ808と重なる領域を有する。フィルタ809は、層887においてフィルタ808と重なる領域を有する。フィルタ807、フィルタ808およびフィルタ809は、それぞれ厚さが異なっていてもよい。フィルタの厚さが異なることによって、発光素子からの光取り出し効率が高くなる場合がある。
フィルタ807、フィルタ808およびフィルタ809と、絶縁体878と、の間には、接着層806が配置される。
図51に示したEL表示装置は、トランジスタ、容量素子または/および配線層などが積層した構造を有するため、画素を縮小することができる。そのため、高精細なEL表示装置を実現することができる。
ここまでは、EL表示装置の例について説明した。次に、液晶表示装置の例について説明する。
図31(A)は、液晶表示装置の画素の構成例を示す回路図である。図31(A)に示す画素は、トランジスタ751と、容量素子752と、一対の電極間に液晶の充填された素子(液晶素子)753とを有する。
トランジスタ751では、ソース、ドレインの一方が信号線755に電気的に接続され、ゲートが走査線754に電気的に接続されている。
容量素子752では、一方の電極がトランジスタ751のソース、ドレインの他方に電気的に接続され、他方の電極が共通電位を供給する配線に電気的に接続されている。
液晶素子753では、一方の電極がトランジスタ751のソース、ドレインの他方に電気的に接続され、他方の電極が共通電位を供給する配線に電気的に接続されている。なお、上述した容量素子752の他方の電極が電気的に接続する配線に与えられる共通電位と、液晶素子753の他方の電極に与えられる共通電位とが異なる電位であってもよい。
なお、液晶表示装置も、上面図はEL表示装置と同様として説明する。図30(B)の一点鎖線M−Nに対応する液晶表示装置の断面図を図31(B)に示す。図31(B)において、FPC732は、端子731を介して配線733aと接続される。なお、配線733aは、トランジスタ751を構成する導電体または半導体のいずれかと同種の導電体または半導体を用いてもよい。
トランジスタ751は、トランジスタ741についての記載を参照する。また、容量素子752は、容量素子742についての記載を参照する。なお、図31(B)には、図30(C)の容量素子742に対応した容量素子752の構造を示したが、これに限定されない。
なお、トランジスタ751の半導体に酸化物半導体を用いた場合、極めてオフ電流の小さいトランジスタとすることができる。したがって、容量素子752に保持された電荷がリークしにくく、長期間に渡って液晶素子753に印加される電圧を維持することができる。そのため、動きの少ない動画や静止画の表示の際に、トランジスタ751をオフ状態とすることで、トランジスタ751の動作のための電力が不要となり、消費電力の小さい液晶表示装置とすることができる。また、容量素子752の占有面積を小さくできるため、開口率の高い液晶表示装置、または高精細化した液晶表示装置を提供することができる。
トランジスタ751および容量素子752上には、絶縁体718が配置される。ここで、絶縁体718は、トランジスタ751に達する開口部を有する。絶縁体718上には、導電体791が配置される。導電体791は、絶縁体718の開口部を介してトランジスタ751と電気的に接続する。
導電体791上には、配向膜として機能する絶縁体792が配置される。絶縁体792上には、液晶層793が配置される。液晶層793上には、配向膜として機能する絶縁体794が配置される。絶縁体794上には、スペーサ795が配置される。スペーサ795および絶縁体794上には、導電体796が配置される。導電体796上には、基板797が配置される。
例えば、本明細書等において、表示素子、表示素子を有する装置である表示装置、発光素子、および発光素子を有する装置である発光装置は、様々な形態を用いること、または様々な素子を有することができる。表示素子、表示装置、発光素子または発光装置は、例えば、EL素子、白色、赤色、緑色または青色などの発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)、トランジスタ(電流に応じて発光するトランジスタ)、電子放出素子、液晶素子、電子インク、電気泳動素子、プラズマディスプレイパネル(PDP)、MEMS(マイクロ・エレクトロ・メカニカル・システム)を用いた表示素子(例えば、グレーティングライトバルブ(GLV)、デジタルマイクロミラーデバイス(DMD)、DMS(デジタル・マイクロ・シャッター)、IMOD(インターフェロメトリック・モジュレーション)素子、シャッター方式のMEMS表示素子、光干渉方式のMEMS表示素子、圧電セラミックディスプレイなど)、エレクトロウェッティング素子、カーボンナノチューブを用いた表示素子、量子ドットなどの少なくとも一つを有している。これらの他にも、電気的または磁気的作用により、コントラスト、輝度、反射率、透過率などが変化する表示媒体を有していてもよい。
EL素子を用いた表示装置の一例としては、ELディスプレイなどがある。電子放出素子を用いた表示装置の一例としては、フィールドエミッションディスプレイ(FED)またはSED方式平面型ディスプレイ(SED:Surface−conduction Electron−emitter Display)などがある。各画素に量子ドットを有する表示装置の一例としては、量子ドットディスプレイなどがある。なお、量子ドットは、表示素子の一部、バックライトの一部、またはバックライトと表示素子との間に配置すればよい。量子ドットを用いることにより、色純度の高い表示装置を作製することができる。液晶素子を用いた表示装置の一例としては、液晶ディスプレイ(透過型液晶ディスプレイ、半透過型液晶ディスプレイ、反射型液晶ディスプレイ、直視型液晶ディスプレイ、投射型液晶ディスプレイ)などがある。電子インク、または電気泳動素子を用いた表示装置の一例としては、電子ペーパーなどがある。なお、半透過型液晶ディスプレイや反射型液晶ディスプレイを実現する場合には、画素電極の一部、または、全部が、反射電極としての機能を有するようにすればよい。例えば、画素電極の一部または全部が、アルミニウム、銀、などを有するようにすればよい。さらに、その場合、反射電極の下に、SRAMなどの記憶回路を設けることも可能である。これにより、さらに、消費電力を低減することができる。
なお、LEDチップを用いる場合、LEDチップの電極や窒化物半導体の下に、グラフェンやグラファイトを配置してもよい。グラフェンやグラファイトは、複数の層を重ねて、多層膜としてもよい。このように、グラフェンやグラファイトを設けることにより、その上に、窒化物半導体、例えば、結晶を有するn型GaN半導体などを容易に成膜することができる。さらに、その上に、結晶を有するp型GaN半導体などを設けて、LEDチップを構成することができる。なお、グラフェンやグラファイトと、結晶を有するn型GaN半導体との間に、AlN層を設けてもよい。なお、LEDチップが有するGaN半導体は、MOCVDで成膜してもよい。ただし、グラフェンを設けることにより、LEDチップが有するGaN半導体は、スパッタリング法で成膜することも可能である。
また、MEMSを用いた表示装置は、表示素子が封止されている空間(例えば、表示素子が配置されている素子基板と、素子基板に対向して配置されている対向基板との間)に、乾燥剤を配置してもよい。乾燥剤によって水分を除去できるため、MEMSなどが動きにくくなることや劣化することを防止することができる。
<単一電源化>
以下では、単一の電源から電源電圧を昇圧または降圧し、各回路に分配する機能を有する半導体装置の一例について、図32乃至図38を用いて説明する。
図32(A)は、半導体装置900のブロック図である。半導体装置900は、電源回路901、回路902と、電圧生成回路903と、回路904と、電圧生成回路905と、回路906と、を有する。
電源回路901は、半導体装置900の外部から与えられる単一の電源電圧V0などを基に、基準となる電位VORGを生成する回路である。電位VORGは、単一の電位ではなく、複数の電位でもよい。
回路902、回路904および回路906は、異なる電源電圧で動作する回路である。例えば回路902の電源電圧は、電位VORGと電位VSS(VORG>VSS)とを基に印加される電圧である。また、例えば回路904の電源電圧は、電位VPOGと電位VSS(VPOG>VORG)とを基に印加される電圧である。また、例えば回路906の電源電圧は、電位VORGと電位VSSと電位VNEG(VORG>VSS>VNEG)とを基に印加される電圧である。なお、電位VSSは、接地電位(GND)と等電位とすれば、電源回路901で生成する電位の種類を削減できる。
電圧生成回路903は、電位VPOGを生成する回路である。電圧生成回路903は、電源回路901から与えられる電位VORGを基に電位VPOGを生成できる。電圧生成回路905は、電位VNEGを生成する回路である。電圧生成回路905は、電源回路901から与えられる電位VORGを基に電位VNEGを生成できる。そのため、半導体装置900は、異なる電源電圧で動作する回路904および回路906を有する場合でも、外部から与えられる単一の電源電圧を基に動作することができる。
図32(B)は電位VPOGで動作する回路904の一例であり、図32(C)は回路904を動作させるための信号の波形の一例である。
図32(B)に、トランジスタ911を示す。トランジスタ911のゲートに与える信号は、例えば、電位VPOGと電位VSSを基に生成される。当該信号は、トランジスタ911を導通状態とする動作時に電位VPOG、非導通状態とする動作時に電位VSSとする。電位VPOGは、図32(C)に図示するように、電位VORGより大きい。そのため、トランジスタ911は、ソース(S)とドレイン(D)との間をより確実に導通状態にできる。その結果、回路904は、誤動作が低減された回路とすることができる。
図32(D)は電位VNEGで動作する回路906の一例、図32(E)は回路906を動作させるための信号の波形の一例である。
図32(D)では、バックゲートを有するトランジスタ912を示している。トランジスタ912のゲートに与える信号は、例えば、電位VORGと電位VSSを基にして生成される。当該信号は、トランジスタ911を導通状態とする動作時に電位VORG、非導通状態とする動作時に電位VSSを基に生成される。また、トランジスタ912のバックゲートに与える信号は、電位VNEGを基に生成される。電位VNEGは、図32(E)に図示するように、電位VSS(GND)より小さい。そのため、トランジスタ912のしきい値電圧をプラス方向に変動させることができる。そのため、トランジスタ912をより確実に非導通状態とすることができ、ソース(S)とドレイン(D)との間を流れる電流を小さくできる。その結果、回路906は、誤動作が低減され、かつ低消費電力化が図られた回路とすることができる。
なお電位VNEGを、トランジスタ912のバックゲートに直接印加する構成としてもよい。または、電位VORGと電位VNEGを基に、トランジスタ912のゲートに与える信号を生成し、当該信号をトランジスタ912のバックゲートに印加する構成としてもよい。
また図33(A)、図33(B)には、それぞれ図32(D)、図32(E)の変形例を示す。
図33(A)に示す回路図では、電圧生成回路905と、回路906と、の間に制御回路921によって導通状態が制御できるトランジスタ922を示す。トランジスタ922は、nチャネル型のトランジスタとする。制御回路921が出力する制御信号SBGは、トランジスタ922の導通状態を制御する信号である。また回路906が有するトランジスタ912A、912Bは、トランジスタ922と同様のトランジスタである。
図33(B)のタイミングチャートには、制御信号SBGの電位の変化を示し、トランジスタ912A、912Bのバックゲートの電位の状態をノードNBGの電位の変化で示す。制御信号SBGがハイレベルのときにトランジスタ922が導通状態となり、ノードNBGが電位VNEGとなる。その後、制御信号SBGがローレベルのときにノードNBGが電気的にフローティングとなる。トランジスタ922のオフ電流が小さい場合、ノードNBGが電気的にフローティングであっても、電位VNEGを印加し続けることができる。
また図34(A)には、上述した電圧生成回路903に適用可能な回路構成の一例を示す。図34(A)に示す電圧生成回路903は、ダイオードD1乃至ダイオードD5、容量素子C1乃至容量素子C5、およびインバータINVを有する5段のチャージポンプである。クロック信号CLKは、容量素子C1乃至容量素子C5に直接、またはインバータINVを介して与えられる。インバータINVの電源電圧を、電位VORGと電位VSSとを基に印加される電圧とすると、クロック信号CLKを与えることによって、電位VORGの5倍の正電位に昇圧された電位VPOGを得ることができる。なお、ダイオードD1乃至ダイオードD5の順方向電圧は0Vとしている。また、チャージポンプの段数を変更することで、所望の電位VPOGを得ることができる。
また図34(B)には、上述した電圧生成回路905に適用可能な回路構成の一例を示す。図34(B)に示す電圧生成回路905は、ダイオードD1乃至ダイオードD5、容量素子C1乃至容量素子C5、およびインバータINVを有する4段のチャージポンプである。クロック信号CLKは、容量素子C1乃至容量素子C5に直接、またはインバータINVを介して与えられる。インバータINVの電源電圧を、電位VORGと電位VSSとを基に印加される電圧とすると、クロック信号CLKを与えることによって、グラウンド、即ち電位VSSから電位VORGの4倍の負電位に降圧された電位VNEGを得ることができる。なお、ダイオードD1乃至ダイオードD5の順方向電圧は0Vとしている。また、チャージポンプの段数を変更することで、所望の電位VNEGを得ることができる。
なお、上述した電圧生成回路903の回路構成は、図34(A)で示す回路図の構成に限らない。電圧生成回路903の変形例を図35(A)、図35(B)、図35(C)、図36(A)および図36(B)に示す。
図35(A)に示す電圧生成回路903Aは、トランジスタM1乃至トランジスタM10、容量素子C11乃至容量素子C14、およびインバータINV1を有する。クロック信号CLKは、トランジスタM1乃至トランジスタM10のゲートに直接、またはインバータINV1を介して与えられる。クロック信号CLKを与えることによって、電位VORGの4倍の正電位に昇圧された電位VPOGを得ることができる。なお、段数を変更することで、所望の電位VPOGを得ることができる。図35(A)に示す電圧生成回路903Aは、トランジスタM1乃至トランジスタM10を上述したトランジスタとすることでオフ電流を小さくでき、容量素子C11乃至容量素子C14に保持した電荷の漏れを抑制できる。そのため、効率的に電位VORGから電位VPOGへの昇圧を図ることができる。
また図35(B)に示す電圧生成回路903Bは、トランジスタM11乃至トランジスタM14、容量素子C15、容量素子C16、およびインバータINV2を有する。クロック信号CLKは、トランジスタM11乃至トランジスタM14のゲートに直接、またはインバータINV2を介して与えられる。クロック信号CLKを与えることによって、電位VORGの2倍の正電位に昇圧された電位VPOGを得ることができる。図35(B)に示す電圧生成回路903Bは、トランジスタM11乃至トランジスタM14を上述したトランジスタとすることでオフ電流を小さくでき、容量素子C15、容量素子C16に保持した電荷の漏れを抑制できる。そのため、効率的に電位VORGから電位VPOGへの昇圧を図ることができる。
また図35(C)に示す電圧生成回路903Cは、インダクタI1、トランジスタM15、ダイオードD6、および容量素子C17を有する。トランジスタM15は、制御信号ENによって、導通状態が制御される。制御信号ENによって、電位VORGが昇圧された電位VPOGを得ることができる。図35(C)に示す電圧生成回路903Cは、インダクタI1を用いて昇圧を行うため、変換効率よく昇圧を行うことができる。
また図36(A)に示す電圧生成回路903Dは、図34(A)に示す電圧生成回路903のダイオードD1乃至ダイオードD5をダイオード接続したトランジスタM16乃至トランジスタM20に置き換えた構成に相当する。図36(A)に示す電圧生成回路903Dは、トランジスタM16乃至トランジスタM20を上述したトランジスタとすることでオフ電流を小さくでき、容量素子C1乃至容量素子C5に保持した電荷の漏れを抑制できる。そのため、効率的に電位VORGから電位VPOGへの昇圧を図ることができる。
また図36(B)に示す電圧生成回路903Eは、図36(A)に示す電圧生成回路903DのトランジスタM16乃至トランジスタM20を、バックゲートを有するトランジスタM21乃至トランジスタM25に置き換えた構成に相当する。図36(B)に示す電圧生成回路903Eは、バックゲートにゲートと同じ電位を与えることができるため、トランジスタのオン電流を増やすことができる。そのため、効率的に電位VORGから電位VPOGへの昇圧を図ることができる。
なお電圧生成回路903の変形例は、図34(B)に示した電圧生成回路905にも適用可能である。この場合の回路図の構成を図37(A)、図37(B)、図37(C)、図38(A)および図38(B)に示す。図37(A)に示す電圧生成回路905Aは、クロック信号CLKを与えることによって、電位VSSから電位VORGの3倍の負電位に降圧された電位VNEGを得ることができる。また図37(B)に示す電圧生成回路905Bは、クロック信号CLKを与えることによって、電位VSSから電位VORGの2倍の負電位に降圧された電位VNEGを得ることができる。
図37(A)、図37(B)、図37(C)、図38(A)および図38(B)に示す電圧生成回路905A、電圧生成回路905B、電圧生成回路905C、電圧生成回路905Dおよび電圧生成回路905Eでは、図35(A)、図35(B)、図35(C)、図36(A)および図36(B)に示す電圧生成回路903A乃至電圧生成回路903Eにおいて、各配線に与える電位を変更すること、または素子の配置を変更した構成に相当する。図37(A)、図37(B)、図37(C)、図38(A)および図38(B)に示す電圧生成回路905A乃至905Eは、電圧生成回路903A乃至電圧生成回路903Eと同様に、効率的に電位VSSから電位VNEGへの降圧を図ることができる。
上述した半導体装置は、半導体装置が有する回路に必要な複数の電源電圧を内部で生成することができる。そのため半導体装置は、外部から与える電源電圧の種類を削減できる。
<電子機器>
本発明の一態様に係る半導体装置は、表示機器、パーソナルコンピュータ、記録媒体を備えた画像再生装置(代表的にはDVD:Digital Versatile Disc等の記録媒体を再生し、その画像を表示しうるディスプレイを有する装置)に用いることができる。その他に、本発明の一態様に係る半導体装置を用いることができる電子機器として、携帯電話、携帯型を含むゲーム機、携帯データ端末、電子書籍端末、ビデオカメラ、デジタルスチルカメラ等のカメラ、ゴーグル型ディスプレイ(ヘッドマウントディスプレイ)、ナビゲーションシステム、音響再生装置(カーオーディオ、デジタルオーディオプレイヤー等)、複写機、ファクシミリ、プリンタ、プリンタ複合機、現金自動預け入れ払い機(ATM)、自動販売機などが挙げられる。これら電子機器の具体例を図39に示す。
図39(A)は携帯型ゲーム機であり、筐体1601、筐体1602、表示部1603、表示部1604、マイクロフォン1605、スピーカー1606、操作キー1607、スタイラス1608等を有する。なお、図39(A)に示した携帯型ゲーム機は、2つの表示部1603と表示部1604とを有しているが、携帯型ゲーム機が有する表示部の数は、これに限定されない。
図39(B)は携帯データ端末であり、第1筐体1611、第2筐体1612、第1表示部1613、第2表示部1614、接続部1615、操作キー1616等を有する。第1表示部1613は第1筐体1611に設けられており、第2表示部1614は第2筐体1612に設けられている。そして、第1筐体1611と第2筐体1612とは、接続部1615により接続されており、第1筐体1611と第2筐体1612の間の角度は、接続部1615により変更が可能である。第1表示部1613における映像を、接続部1615における第1筐体1611と第2筐体1612との間の角度にしたがって、切り替える構成としてもよい。また、第1表示部1613および第2表示部1614の少なくとも一方に、位置入力装置としての機能が付加された表示装置を用いるようにしてもよい。なお、位置入力装置としての機能は、表示装置にタッチパネルを設けることで付加することができる。または、位置入力装置としての機能は、フォトセンサとも呼ばれる光電変換素子を表示装置の画素部に設けることでも、付加することができる。
図39(C)はノート型パーソナルコンピュータであり、筐体1621、表示部1622、キーボード1623、ポインティングデバイス1624等を有する。
図39(D)は電気冷凍冷蔵庫であり、筐体1631、冷蔵室用扉1632、冷凍室用扉1633等を有する。
図39(E)はビデオカメラであり、第1筐体1641、第2筐体1642、表示部1643、操作キー1644、レンズ1645、接続部1646等を有する。操作キー1644およびレンズ1645は第1筐体1641に設けられており、表示部1643は第2筐体1642に設けられている。そして、第1筐体1641と第2筐体1642とは、接続部1646により接続されており、第1筐体1641と第2筐体1642の間の角度は、接続部1646により変更が可能である。表示部1643における映像を、接続部1646における第1筐体1641と第2筐体1642との間の角度にしたがって切り替える構成としてもよい。
図39(F)は自動車であり、車体1651、車輪1652、ダッシュボード1653、ライト1654等を有する。
<表示領域または発光領域に曲面を有する電子機器>
以下では、本発明の一態様に係る電子機器の一例である表示領域または発光領域に曲面を有する電子機器について、図40を参照しながら説明する。なお、ここでは、電子機器の一例として、情報機器、特に携帯性を有する情報機器(携帯機器)について説明する。携帯性を有する情報機器としては、例えば、携帯電話機(ファブレット、スマートフォン(スマホ))、タブレット端末(スレートPC)なども含まれる。
図40(A−1)は、携帯機器1300Aの外形を説明する斜視図である。図40(A−2)は、携帯機器1300Aの上面図である。図40(A−3)は、携帯機器1300Aの使用状態を説明する図である。
図40(B−1)および図40(B−2)は、携帯機器1300Bの外形を説明する斜視図である。
図40(C−1)および図40(C−2)は、携帯機器1300Cの外形を説明する斜視図である。
<携帯機器>
携帯機器1300Aは、例えば電話、電子メール作成閲覧、手帳または情報閲覧などの機能から選ばれた一つまたは複数の機能を有する。
携帯機器1300Aは、筐体の複数の面に沿って表示部が設けられている。例えば、可とう性を有する表示装置を、筐体の内側に沿うように配置することで表示部を設ければよい。これにより、文字情報や画像情報などを第1の領域1311または/および第2の領域1312に表示することができる。
例えば、3つの操作の用に供する画像を第1の領域1311に表示することができる(図40(A−1)参照。)。また、図中に破線の矩形で示すように文字情報などを第2の領域1312に表示することができる(図40(A−2)参照。)。
携帯機器1300Aの上部に第2の領域1312を配置した場合、携帯機器1300Aを洋服の胸ポケットに収納したままの状態で、携帯機器1300Aの第2の領域1312に表示された文字や画像情報を、使用者は容易に確認することができる(図40(A−3)参照。)。例えば、着信した電話の発信者の電話番号または氏名などを、携帯機器1300Aの上方から観察できる。
なお、携帯機器1300Aは、表示装置と筐体との間、表示装置内または筐体上に入力装置などを有してもよい。入力装置は、例えば、タッチセンサー、光センサー、超音波センサーなどを用いればよい。入力装置を表示装置と筐体との間または筐体上に配置する場合、マトリクススイッチ方式、抵抗膜方式、超音波表面弾性波方式、赤外線方式、電磁誘導方式、静電容量方式などのタッチパネルを用いればよい。また、入力装置を表示装置内に配置する場合、インセルタイプのセンサー、またはオンセルタイプのセンサーなどを用いればよい。
なお、携帯機器1300Aは、振動センサーなどと、当該振動センサーなどに検知された振動に基づいて、着信を拒否するモードに移行するプログラムを記憶した記憶装置を備えることができる。これにより、使用者は携帯機器1300Aを洋服の上から軽く叩いて振動を与えることにより着信を拒否するモードに移行させることができる。
携帯機器1300Bは、第1の領域1311および第2の領域1312を有する表示部と、表示部を支持する筐体1310を有する。
筐体1310は複数の屈曲部を備え、筐体1310が備える最も長い屈曲部が、第1の領域1311と第2の領域1312に挟まれる。
携帯機器1300Bは、最も長い屈曲部に沿って設けられた第2の領域1312を側面に向けて使用することができる。
携帯機器1300Cは、第1の領域1311および第2の領域1312を有する表示部と、表示部を支持する筐体1310を有する。
筐体1310は複数の屈曲部を備え、筐体1310が備える二番目に長い屈曲部が、第1の領域1311と第2の領域1312に挟まれる。
携帯機器1300Cは、第2の領域1312を上部に向けて使用することができる。
本実施例では、酸化物半導体上に酸化シリコンを介して水素含有層を形成した試料を作製し、加熱処理後の電気特性を測定した。
以下に試料の作製方法を示す。
まず、ガラス基板上に、酸化物半導体である厚さが50nmのIn−Ga−Zn酸化物を成膜した。In−Ga−Zn酸化物の成膜は、In−Ga−Zn酸化物(4:2:4.1[原子数比])ターゲットを用いたスパッタリング法によって行った。成膜ガスは、酸素ガスを30体積%含むアルゴンガスおよび酸素ガスの混合ガスを用いた。成膜圧力は0.6Paとした。電源には交流(AC)電源を用い、2500Wの電力を印加した。
次に、フォトリソグラフィ工程によってIn−Ga−Zn酸化物の一部をエッチングすることで、上面から見たときに略正方形状となるIn−Ga−Zn酸化物を形成した。
次に、窒素ガス雰囲気において450℃1時間の加熱処理を行った。次に、大気に暴露することなく、酸素ガス雰囲気において450℃1時間の加熱処理を行った。
次に、厚さが50nmのタングステンと、厚さが400nmのアルミニウムと、厚さが100nmのチタンと、を順にスパッタリング法によって成膜した。
次に、フォトリソグラフィ工程によってタングステン、アルミニウムおよびチタンの一部をエッチングすることで電極を4つ形成した。なお、4つの電極は、略正方形状のIn−Ga−Zn酸化物の四隅に、最近接距離が10mmとなるように配置した。
次に、厚さが50nmの第1の酸化シリコンと、厚さが400nmの第2の酸化シリコンと、を順にPECVD法によって成膜した。
第1の酸化シリコンは、成膜ガスは、モノシランガスを30sccmおよび亜酸化窒素ガスを4000sccmの混合ガスを用いた。成膜圧力は40Paとした。電源にはRF電源(13.56MHz)を用い、150Wの電力を印加した。基板温度は220℃とした。
第2の酸化シリコンは、成膜ガスは、モノシランガスを160sccmおよび亜酸化窒素ガスを4000sccmの混合ガスを用いた。成膜圧力は200Paとした。電源にはRF電源(13.56MHz)を用い、1500Wの電力を印加した。基板温度は220℃とした。
次に、窒素ガスを80体積%、および酸素ガスを20体積%含む雰囲気において350℃1時間の加熱処理を行うことで試料Aを作製した。
次に、試料Aと同じ条件の試料に対し、さらに厚さが400nmの非晶質シリコンをPECVD法によって成膜した。
非晶質シリコンは、成膜ガスは、モノシランガスを150sccmおよび水素ガスを400sccmの混合ガスを用いた。成膜圧力は80Paとした。電源にはRF電源(13.56MHz)を用い、200Wの電力を印加した。基板温度は220℃とした。
次に、フォトリソグラフィ工程によって非晶質シリコンの設けられる領域が10mm×10mmとなるように、その一部をエッチングすることで試料Bを作製した。
なお、測定のため、試料Aおよび試料Bには、4つの電極の一部が露出するように開口部を形成した。また、測定前には、試料Aおよび試料Bに対して、窒素ガス雰囲気で250℃1時間の加熱処理を行った。
次に、各試料における電気特性の評価を行った。電気特性の評価は、株式会社東陽テクニカ製ResiTest8300シリーズを用いて行った。結果を表1に示す。
表1より、非晶質シリコンを形成した試料Bは、試料Aと比べてキャリア密度が高く、抵抗率が低くなった。以下では、試料間でキャリア密度および抵抗率に差が生じた要因について調査した結果を示す。
まず、石英基板上に厚さが400nmの非晶質シリコンをPECVD法によって成膜した。
非晶質シリコンは、成膜ガスは、モノシランガスを150sccmおよび水素ガスを400sccmの混合ガスを用いた。成膜圧力は80Paとした。電源にはRF電源(13.56MHz)を用い、200Wの電力を印加した。基板温度は220℃とした。即ち、試料Bで用いた非晶質シリコンと同じ条件とした。
次に、非晶質シリコンの形成された石英基板を10mm×10mmに分断することで試料Cを作製した。
次に、試料CのTDSを行った。TDSは、電子科学株式会社製の昇温脱離分析装置EMD−WA1000S/Wを用いた。
結果を図41に示す。なお、図41(A)は質量電荷比(M/Z)が2(H2など)の結果であり、図41(B)は質量電荷比が17(OH、NH3など)の結果であり、図41(C)は質量電荷比が18(H2Oなど)の結果である。
図41(A)より、試料Cは、水素ガスを放出することがわかった。また、試料Eは試料Dよりも水素ガスの放出量が低減していることがわかった。具体的には、温度範囲53℃以上584℃以下の範囲で1.2×1017/cm2、温度範囲53℃以上250℃以下の範囲で1.3×1016/cm2であった。図41(B)および図41(C)より、試料Cは、OH,NH3およびH2Oなどの放出が水素ガスと比べてほとんどないことがわかった。
したがって、試料Bに用いられている非晶質シリコンが、水素含有層として水素を放出する機能を有することがわかる。非晶質シリコン中の水素がIn−Ga−Zn酸化物まで拡散することでキャリア密度が増大した可能性が高い。
なお、該非晶質シリコンは、SIMSで測定した水素濃度が6×1021atoms/cm3であった。