JP2017052860A - ビニル・シス−ポリブタジエンゴムの製造方法、ビニル・シス−ポリブタジエンゴム、ビニル・シス−ポリブタジエンゴムを用いたゴム組成物の製造法、およびゴム組成物 - Google Patents
ビニル・シス−ポリブタジエンゴムの製造方法、ビニル・シス−ポリブタジエンゴム、ビニル・シス−ポリブタジエンゴムを用いたゴム組成物の製造法、およびゴム組成物 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】従来のビニル・シス−ポリブタジエンゴムに比べ、ゴム組成物における引張応力並びに低発熱性に優れたビニル・シス−ポリブタジエンゴムを製造する方法の提供。
【解決手段】シンジオタクチック−1,2−ポリブタジエン成分を含むビニル・シス−ポリブタジエンゴムの製造方法であって、1,3−ブタジエンをシス−1,4重合する第1工程と、第1工程で得られた重合反応混合物中の1,3−ブタジエンを、1,2重合する第2工程、さらにラジカル開始剤を加えて第1工程で得られたシス−1,4−ポリブタジエンと第2工程で得られたシンジオタクチック−1,2−ポリブタジエンを結合させる第3工程、を含むビニル・シス−ポリブタジエンゴムの製造方法。
【選択図】なし
【解決手段】シンジオタクチック−1,2−ポリブタジエン成分を含むビニル・シス−ポリブタジエンゴムの製造方法であって、1,3−ブタジエンをシス−1,4重合する第1工程と、第1工程で得られた重合反応混合物中の1,3−ブタジエンを、1,2重合する第2工程、さらにラジカル開始剤を加えて第1工程で得られたシス−1,4−ポリブタジエンと第2工程で得られたシンジオタクチック−1,2−ポリブタジエンを結合させる第3工程、を含むビニル・シス−ポリブタジエンゴムの製造方法。
【選択図】なし
Description
本発明は、従来のビニル・シス−ポリブタジエンゴムに対してゴム組成物における低発熱性、引張応力を向上させることのできる、ビニル・シス−ポリブタジエンゴムの製造方法、ビニル・シス−ポリブタジエンゴム、ビニル・シス−ポリブタジエンゴムを用いたゴム組成物の製造法、およびゴム組成物に関するものである。
ポリブタジエンは、いわゆるミクロ構造として、1,4−位での重合で生成した結合部分(1,4−構造)と1,2−位での重合で生成した結合部分(1,2−構造)とが分子鎖中に共存する。1,4−構造は、更にシス構造とトランス構造の二種に分けられる。一方、1,2−構造は、ビニル基を側鎖とする構造をとる。
従来、ビニル・シス−ポリブタジエンゴムの製造方法は、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素系溶媒で行われてきた。これらの溶媒を用いると重合溶液の粘度が高く撹拌、伝熱、移送などに問題があり、溶媒の回収には過大なエネルギーが必要であった。
上記の製造方法としては、前記の不活性有機溶媒中で水、可溶性コバルト化合物と一般式AlRnX3−n(但しRは炭素数1〜6のアルキル基、フェニル基又はシクロアルキル基であり、Xはハロゲン元素であり、nは1.5〜2の数字)で表せる有機アルミニウムクロライドから得られた触媒を用いて1,3−ブタジエンをシス−1,4重合してシス−1,4−ポリブタジエンを製造して、次いでこの重合系に1,3−ブタジエン及び/または前記溶媒を添加するか或いは添加しないで可溶性コバルト化合物と一般式AlR3(但しRは炭素数1〜6のアルキル基、フェニル基又はシクロアルキル基である)で表せる有機アルミニウム化合物と二硫化炭素とから得られる触媒を存在させて1,3−ブタジエンをシンジオタクチック−1,2重合(以下、1,2重合と略す)する方法(例えば、特許文献1および2)は公知である。
また、例えば、特許文献3〜7には、二硫化炭素の存在下又は不在下に1,3−ブタジエンをシス−1,4重合して製造し、製造した後に1,3−ブタジエンと二硫化炭素を分離・回収して二硫化炭素を実質的に含有しない1,3−ブタジエンや前記の不活性有機溶媒を循環させる方法などが記載されている。更に特許文献8には配合物のダイ・スウェル比が小さく、その加硫物がタイヤのサイドウォールとして好適な引張応力と耐屈曲亀裂成長性に優れたゴム組成物が記載されている。
また、特許文献9には、n−ブタン,シス−2−ブテン,トランス−2−ブテン,及びブテン−1などのC4留分を主成分とする不活性有機溶媒中で製造する方法が記載されている。この方法で製造されたビニル・シス−ポリブタジエンゴム中のシンジオタクチック−1,2−ポリブタジエン(以下、SPBと略す)は短繊維結晶であり、短繊維結晶の長軸長さの分布が繊維長さの98%以上が0.6μm未満であり,70%以上が0.2μm未満であることが記載され、得られるゴム組成物は、シス−1,4−ポリブタジエンゴム(以下、BRと略す)のゴム組成物に比べ、成形性や引張応力、引張強さ、耐屈曲亀裂成長性などが改良されることが記載されている。
また、特許文献10には、溶解された1,2−ポリブタジエンと、1,3−ブタジエンと、炭化水素を主成分とする不活性有機溶媒との混合物を調製する第1工程と、第1工程で調整された混合物に水、有機アルミニウム化合物及び可溶性コバルト化合物からなる触媒、又は、ニッケル化合物、有機アルミニウム化合物及びフッ素化合物からなる触媒を添加して、1,3−ブタジエンをシス−1,4重合する第2工程と、第2工程で得られた重合反応混合物中の1,3−ブタジエンを1,2重合する第3工程と、を備えたことを特徴とするビニル・シス−ポリブタジエンゴムの製造方法が開示されている。この方法により製造されたビニル・シス−ポリブタジエンゴムは、マトリクス成分であるBR中へのSPBの分散性が著しく向上しており、ゴム組成物の押出加工性及び引張応力を改良するものであることが記載されている。
また、特許文献11や特許文献12には、グラフト反応によりSPB短繊維結晶へポリイソプレンが付加しているビニル・シス-ポリブタジエンゴムの製造方法において、1,2重合する工程の前に有機過酸化物を添加することを特徴とするビニル・シス−ポリブタジエンゴムの製造方法について記載されている。この方法により製造されたビニル・シス−ポリブタジエンゴムは、含まれるSPBの短繊維結晶が高い均一性で分散し、長軸長さ0.2μm以下の短繊維結晶の数は、400μm2当たり100個以上であり、アスペクト比は10以下であった。さらにそのゴム組成物は、高い引張り応力を有し、ダイ・スウェルが小さく押出加工性及び成形性に優れ、低燃費性を改善していた。
しかしながら、用途によっては種々の特性の改良が望まれていると共に、上記のビニル・シス−ポリブタジエンゴムは通常のハイシスポリブタジエンに比べ、低発熱性、反撥弾性に劣るという点もあった。
本発明に係るビニル・シス−ポリブタジエンゴムの製造方法によれば、従来のビニル・シス−ポリブタジエンゴムに比べ、ゴム組成物における引張応力並びに低発熱性に優れたビニル・シス−ポリブタジエンゴムを製造することを目的とする。そして、このビニル・シス−ポリブタジエンゴムを用いたゴム組成物の製造方法によれば、従来のビニル・シス−ポリブタジエンを用いたゴム組成物に比べ、引張応力並びに低発熱性に優れたゴム組成物を製造することを目的とする。
また、本発明は、1,2−ポリブタジエンやポリイソプレンのようなポリマーを、BRやSPBの重合前段階で添加して、SPB短繊維結晶の形態や分散性の制御を必要とせずとも、従来のビニル・シス−ポリブタジエンゴムの優れた特性である引張応力をさらに向上させ、かつ低発熱性を改良した、自動車のタイヤ用材料として優れた性質を示すビニル・シス−ポリブタジエンゴムとその製造方法、さらにゴム組成物の製造法およびゴム組成物を提供することを目的とする。
1.シンジオタクチック−1,2−ポリブタジエン成分を含むビニル・シス−ポリブタジエンゴムの製造方法であって、1,3−ブタジエンをシス−1,4重合する第1工程と、第1工程で得られた重合反応混合物中の1,3−ブタジエンを1,2重合する第2工程、さらにラジカル開始剤を加えて第1工程で得られたシス−1,4−ポリブタジエンと第2工程で得られたシンジオタクチック−1,2−ポリブタジエンを結合させる第3工程、を含むビニル・シス−ポリブタジエンゴムの製造方法。
2.ラジカル開始剤の添加量が、1ミリモル/L以上100ミリモル/L以下である前記項1に記載のビニル・シス−ポリブタジエンゴムの製造方法。
3.ラジカル開始剤が有機過酸化物又はアゾ化合物である前記項1又は前記項2に記載のビニル・シス−ポリブタジエンゴムの製造方法。
4.前記項1〜3のいずれかに記載の製造方法で製造したビニル・シス−ポリブタジエンゴム。
5.前記項1〜3のいずれかに記載のビニル・シス−ポリブタジエンゴムの製造工程を含むゴム組成物の製造方法。
6.前記項4に記載のビニル・シス−ポリブタジエンゴムを用いることを特徴とするゴム組成物。
本発明に係るビニル・シス−ポリブタジエンゴムの製造方法によれば、従来のビニル・シス−ポリブタジエンゴムに比べ、ゴム組成物において引張応力並びに低発熱性に優れるビニル・シス−ポリブタジエンゴムを製造することができる。そして、このビニル・シス−ポリブタジエンゴムを用いたゴム組成物の製造方法によれば、従来のビニル・シス−ポリブタジエンを用いたゴム組成物に比べ、引張応力並びに低発熱性に優れたゴム組成物を製造することができる。得られたビニル・シス−ポリブタジエンゴムをタイヤ用途などに用いた場合、完成したタイヤの軽量化および低燃費化が可能となる。
本願発明のビニル・シス−ポリブタジエンゴムの製造方法は、以下の工程を含んでいる。
[第1工程]まず、第1工程は、1,3−ブタジエンをシス−1,4重合する工程であり、1,3−ブタジエンと炭化水素を主成分とする不活性有機溶媒に溶解させた混合溶液を調製し、当該混合溶液に水、有機アルミニウム化合物及び可溶性コバルト化合物からなる触媒を添加して、1,3−ブタジエンをシス−1,4重合する。
使用する炭化水素を主成分とする不活性有機溶媒としては、トルエン、ベンゼン、キシレン等の芳香族系炭化水素、n−ヘキサン、ブタン、ヘプタン、ペンタン等の脂肪族炭化水素、シクロペンタン、シクロヘキサン等の脂環式炭化水素、上記のオレフィン化合物やシス−2−ブテン、トランス−2−ブテン等のオレフィン系炭化水素、ミネラルスピリット、ソルベントナフサ、ケロシン等の炭化水素系溶媒、塩化メチレン等のハロゲン化炭化水素系溶媒等が挙げられる。1,3−ブタジエンモノマーそのものを重合溶媒として用いてもよい。
中でも、トルエン、シクロヘキサン、あるいは、シス−2−ブテンとトランス−2−ブテンとの混合物などが好適に用いられる。
次に得られた混合溶液中の水の濃度を調節する。水は前記混合溶液中の有機アルミニウムクロライド1モル当たり、好ましくは0.1〜1.0モル、特に好ましくは0.2〜1.0モルの範囲である。この範囲以外では触媒活性が低下したり、シス−1,4構造含有率が低下したり、分子量が異常に低下又は高くなったり、重合時のゲルの発生を抑制することができず、このため重合槽などへのゲルの付着が起り、更に連続重合時間を延ばすことができないので好ましくない。水の濃度を調節する方法は公知の方法が適用できる。多孔質濾過材を通して添加・分散させる方法(特開平4−85304号公報)も有効である。
水の濃度を調節して得られた溶液には有機アルミニウム化合物を添加する。有機アルミニウム化合物としては、トリアルキルアルミニウムやジアルキルアルミニウムクロライド、ジアルキルアルミニウムブロマイド、アルキルアルミニウムセスキクロライド、アルキルアルミニウムセスキブロマイド、アルキルアルミニウムジクロライド等である。
具体的な化合物としては、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリヘキシルアルミニウム、トリオクチルアルミニウム、トリデシルアルミニウムなどのトリアルキルアルミニウムを挙げることができる。
さらに、ジメチルアルミニウムクロライド、ジエチルアルミニウムクロライドなどのジアルキルアルミニウムクロライド、エチルアルミニウムセスキクロライド、エチルアルミニウムジクロライドなどのような有機アルミニウムハロゲン化合物、ジエチルアルミニウムハイドライド、ジイソ
ブチルアルミニウムハイドライド、エチルアルミニウムセスキハイドライドのような水素化有機アルミニウム化合物も含まれる。これらの有機アルミニウム化合物は、二種類以上併用することができる。有機アルミニウム化合物の使用量の具体例としては、1,3−ブタジエンの1モル当たり0.1ミリモル以上、特に0.5〜50ミリモルが好ましい。
ブチルアルミニウムハイドライド、エチルアルミニウムセスキハイドライドのような水素化有機アルミニウム化合物も含まれる。これらの有機アルミニウム化合物は、二種類以上併用することができる。有機アルミニウム化合物の使用量の具体例としては、1,3−ブタジエンの1モル当たり0.1ミリモル以上、特に0.5〜50ミリモルが好ましい。
次いで、有機アルミニウム化合物を添加した混合媒体に可溶性コバルト化合物を添加してシス−1,4重合する。可溶性コバルト化合物としては、炭化水素系溶媒を主成分とする不活性媒体又は液体1,3−ブタジエンに可溶なものであるか又は、均一に分散できる、例えばコバルト(II)アセチルアセトナート、コバルト(III)アセチルアセトナートなどコバルトのβ−ジケトン錯体、コバルトアセト酢酸エチルエステル錯体のようなコバルトのβ−ケト酸エステル錯体、コバルトオクトエート、コバルトナフテネート、コバルトベンゾエートなどの炭素数6以上の有機カルボン酸のコバルト塩、塩化コバルトピリジン錯体、塩化コバルトエチルアルコール錯体などのハロゲン化コバルト錯体などを挙げることができる。可溶性コバルト化合物の使用量は1,3−ブタジエンの1モル当たり0.001ミリモル以上、特に0.005ミリモル以上であることが好ましい。また可溶性コバルト化合物に対する有機アルミニウムクロライドのモル比(Al/Co)は10以上であり、特に50以上であることが好ましい。また、可溶性コバルト化合物以外にもニッケルの有機カルボン酸塩、ニッケルの有機錯塩、有機リチウム化合物、ネオジウムの有機カルボン酸塩、ネオジウムの有機錯塩を使用することも可能である。
シス−1,4重合する温度は0℃を超える温度〜100℃、好ましくは10〜100℃、更に好ましくは20〜100℃までの温度範囲で1,3−ブタジエンをシス−1,4重合する。重合時間(平均滞留時間)は10分〜2時間の範囲が好ましい。シス−1,4重合後のポリマー濃度は5〜26重量%となるようにシス−1,4重合を行うことが好ましい。重合槽は1槽、又は2槽以上の槽を連結して行われる。重合は重合槽(重合器)内にて溶液を攪拌混合して行う。重合に用いる重合槽としては高粘度液攪拌装置付きの重合槽、例えば特公昭40−2645号に記載された装置を用いることができる。
本発明のシス−1,4重合時に公知の分子量調節剤、例えばシクロオクタジエン、アレン、メチルアレン(1,2−ブタジエン)などの非共役ジエン類、又はエチレン、プロピレン、ブテン−1などのα−オレフィン類を使用することができる。又重合時のゲルの生成を更に抑制するために公知のゲル化防止剤を使用することができる。シス1,4−構造含有率が一般に90%以上、特に95%以上であることが好ましい。
第1工程で得られるBRのムーニー粘度(ML1+4,100℃,以下、MLと略す)は15〜80、特に15〜50が好ましい。実質的にゲル分を含有しない。
[第2工程]次に、第2工程は、第1工程で得られた重合反応混合物中の1,3−ブタジエンを、1,2重合する工程である。第1工程で得られた重合体溶液中に二硫化炭素、一般式AlR3で表せる有機アルミニウム化合物及び可溶性コバルト化合物からなる触媒を添加して、1,3−ブタジエンを1,2重合する。その際に、第1工程で得られた重合体溶液中に1,3−ブタジエンを添加しても添加しなくてもよい。一般式AlR3で表せる有機アルミニウム化合物としてはトリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリ−n−ヘキシルアルミニウム、トリフェニルアルミニウムなどを好適に挙げることができる。有機アルミニウム化合物は1,3−ブタジエン1モル当たり0.1ミリモル以上、特に0.5〜50ミリモル以上である。二硫化炭素は特に限定されないが水を含まないものであることが好ましい。二硫化炭素の濃度は20ミリモル/L以下、特に好ましくは0.01〜10ミリモル/Lである。二硫化炭素の代替として公知のイソチオシアン酸フェニルやキサントゲン酸化合物を使用してもよい。また、二硫化炭素は第1工程で予め加えておいても良い。
1,2重合する温度は−5〜100℃が好ましく、特に−5〜80℃未満が好ましい。1,2重合する際の重合系には前記のシス重合液100重量部当たり1〜50重量部,好ましくは1〜20重量部の1,3−ブタジエンを添加することで1,2重合時の1,2−ポリブタジエンの収量を増大させることができる。重合時間(平均滞留時間)は10分〜2時間の範囲が好ましい。1,2重合後のポリマー濃度は9〜29重量%となるように1,2重合を行うことが好ましい。重合槽は1槽、又は2槽以上の槽を連結して行われる。重合は重合槽(重合器)内にて重合溶液を攪拌混合して行う。1,2重合に用いる重合槽としては1,2重合中に更に高粘度となり、ポリマーが付着しやすいので高粘度液攪拌装置付きの重合槽、例えば特公昭40−2645号公報に記載された装置を用いることができる。
[第3工程]さらに、第3工程は、第2工程までに得られた重合体溶液中にラジカル開始剤を加えて、第1工程で得られたBRと第2工程で得られたSPBを結合させる工程である。
ラジカル開始剤として、例えば有機過酸化物や、アゾ化合物、レドックス開始剤、硫黄化合物、ジハロゲン類、トリエチルボラン、ジエチル亜鉛などが挙げられる。その中でも有機過酸化物とアゾ化合物が好ましい。有機過酸化物はケトンパーオキサイド類、パーオキシケタール類、ハイドロパーオキサイド類、ジアルキルパーオキサイド類、ジアシルパーオキサイド類、パーオキシエステル類、パーオキシジカーボネート類などが挙げられる。その中でも分解温度が比較的低温であるジアシルパーオキサイド類、パーオキシエステル類、パーオキシエステル類が好ましい。アゾ化合物はアゾニトリル類、アゾエステル類、アゾアミド類、アゾアミジン類、アゾイミダゾリン類などが挙げられる。その中でも分解温度が比較的低温であり、油溶性のアゾニトリル類、アゾエステル類が好ましい。
ラジカル開始剤を添加する際の温度は20〜100℃が好ましく、特に40〜80℃が好ましい。ラジカル開始剤の濃度は、1ミリモル/L以上100ミリモル/L以下が好ましく、1ミリモル/L以上50ミリモル/L以下がより好ましく、さらに5ミリモル/L以上20ミリモル/L以下が特に好ましい。1ミリモル/L以上加えることで、ラジカル反応が起こりやすくなり、従来品に比べて配合物の低発熱性、引張応力が向上する。100ミリモル/L以下加えると、架橋が適度に進行し、加工性(ムーニー粘度)の悪化を防ぐことが出来る。
第3工程では、ラジカル反応によりBRとSPBの間で炭素−炭素結合が生成する。例えば、式(1)〜式(12)の構造を持つBR−SPB結合体が得られる。Xはラジカル開始剤の分解物の一部である。
前記した結合体の量の指標として、オルトジクロロベンゼン不溶分(ODCBゲル)を使用する。BR単独およびSPB単独は熱ODCBに可溶であるが、本ビニル・シスポリブタジエンゴムは前記結合体を有するため、ODCBゲルを含む。引張応力や低発熱性を改善するには、ODCBゲルの含有率は1wt%以上が好ましい。
重合反応が所定の重合率に達した後、常法に従って公知の老化防止剤を添加することができる。老化防止剤の代表としてはフェノール系の2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール(BHT)、リン系のトリノニルフェニルフォスファイト(TNP)、硫黄系の4.6−ビス(オクチルチオメチル)−o−クレゾール、ジラウリル−3,3’−チオジプロピオネート(TPL)などが挙げられる。単独でも2種以上組み合わせて用いてもよく、老化防止剤の添加はビニル・シス−ポリブタジエンゴム100重量部に対して0.001〜5重量部である。次に重合停止剤を重合系に加えて停止する。例えば重合反応終了後、重合停止槽に供給し、この重合溶液にメタノール、エタノールなどのアルコール、水などの極性溶媒を大量に投入する方法、塩酸、硫酸などの無機酸、酢酸、安息香酸などの有機酸、塩化水素ガスを重合溶液に導入する方法などの、それ自体公知の方法である。次いで通常の方法に従い生成したビニル・シス−ポリブタジエンゴムを分離、洗浄、乾燥する。
このようにして得られたビニル・シス−ポリブタジエンゴムの沸騰n−ヘキサン不溶分の割合(HI)は5〜40重量%であることが好ましく、特に10〜29重量%が好ましい。沸騰n−ヘキサン可溶分はミクロ構造が90%以上のBRである。
このようにして得られたビニル・シス−ポリブタジエンゴムを分離取得した残部の未反応の1,3−ブタジエン、不活性媒体及び二硫化炭素を含有する混合物から蒸留により1,3−ブタジエン、不活性媒体として分離して、一方、二硫化炭素を吸着分離処理、あるいは二硫化炭素付加物の分離処理によって二硫化炭素を分離除去し、二硫化炭素を実質的に含有しない1,3−ブタジエンと不活性媒体とを回収する。また、前記の混合物から蒸留によって3成分を回収して、この蒸留から前記の吸着分離あるいは二硫化炭素付着物分離処理によって二硫化炭素を分離除去することによっても、二硫化炭素を実質的に含有しない1,3−ブタジエンと不活性媒体とを回収することもできる。前記のようにして回収された二硫化炭素と不活性媒体とは新たに補充した1,3−ブタジエンを混合して使用される。
本発明による方法で連続運転すると、触媒成分の操作性に優れ、高い触媒効率で工業的に有利にビニル・シス−ポリブタジエンゴムを連続的に長時間製造することができる。特に、重合槽内の内壁や攪拌翼、その他攪拌が緩慢な部分に付着することもなく、高い転化率で工業的に有利に連続製造できる。
本ビニル・シス−ポリブタジエンの製造工程としては、第1工程、第2工程、第3工程の順番で行うことが好ましい。
本発明により得られるビニル・シス−ポリブタジエンゴムはタイヤ用ゴムとして有用であり、サイドウォール、または、トレッド、スティフナー、ビードフィラー、インナーライナー、カーカスなどに、その他、ホース、ベルトその他の各種工業用品等の剛性、機械的特性及び破壊特性が要求されるゴム用途に使用される。また、プラスチックスの改質剤として使用することもできる。
本発明により得られるビニル・シス−ポリブタジエンゴムに配合剤を加えて混練したゴム組成物は、従来のビニル・シスポリブタジエンゴムに比べて引張応力が向上する。特に100%引張応力の向上が著しく、タイヤにおけるゴム用量の低減が容易になり、タイヤの軽量化による低燃費化が可能となる。
さらに、本発明により得られるビニル・シス−ポリブタジエンゴムに配合剤を加えて混練したゴム組成物は、従来のビニル・シス−ポリブタジエンゴムに比較して、低発熱性を示し、エネルギーロスが小さく、タイヤの低燃費化が可能である。従って本発明のビニル・シス−ポリブタジエンゴムをサイドウォール及びトレッドの素材として使用したタイヤは、上記特性により優れた走行安定性を示し、且つ低燃費化を可能とする。
本発明により得られるビニル・シス−ポリブタジエンゴムと天然ゴム、合成ゴム若しくはこれらの任意の割合のブレンドゴムからなる群から選ばれたゴム100重量部に対して、ゴム補強剤を10〜100重量部を配合することにより、ゴム組成物を製造できる。
前記のブレンドゴムとしては、ハイシスポリブタジエンゴム、ローシスポリブタジエンゴム、天然ゴム(NR)、ポリイソプレンゴム(IR)、乳化重合若しくは溶液重合スチレンブタジエンゴム(SBR)、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)、ニトリルゴム(NBR)、ブチルゴム(IIR)、クロロプレンゴム(CR)などが挙げられる。
また、これらゴムの誘導体、例えば錫化合物で変性されたポリブタジエンゴムやエポキシ変性、シラン変性、マレイン酸変性された上記ゴムなども用いることができ、これらのゴムは単独でも、二種以上組み合わせて用いても良い。
前記のゴム補強剤としては、各種のカーボンブラック以外に、シリカ、活性化炭酸カルシウム、超微粒子珪酸マグネシウム等の無機補強剤やSPB樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ハイスチレン樹脂、フェノール樹脂、リグニン、変性メラミン樹脂、クマロンインデン樹脂及び石油樹脂等の有機補強剤があり、特に好ましくは、粒子径が90nm以下、ジブチルフタレート(DBP)吸油量が70ml/100g以上のカーボンブラックで、例えば、FEF、FF、GPF、SAF、ISAF、SRF、HAF等が挙げられる。また、シリカとしては、乾式法による無水ケイ酸及び湿式法による含水ケイ酸や合成ケイ酸塩などが挙げられる。
本発明により得られるビニル・シス−ポリブタジエンゴムに配合剤を加えて混練したゴム組成物は、前記各成分を通常行われているバンバリー、オープンロール、ニーダー、二軸混練り機などを用いて混練りすることで得られる。混練温度は、当該ビニル・シス−ポリブタジエンゴムに含有されるSPBの融点より低い必要がある。このSPBの融点より高い温度で混練すると、ビニル・シス−ポリブタジエンゴム中のSPBが融解して球状の粒子等に変形し、ゴム組成物において引張応力などの物性を損なうため好ましくない。
本発明により得られるビニル・シス−ポリブタジエンゴムに配合剤を加えて混練したゴム組成物には、必要に応じて、加硫剤、加硫助剤、老化防止剤、プロセスオイル、亜鉛華、ステアリン酸など、通常ゴム業界で用いられる配合剤を混練してもよい。
加硫剤としては、公知の加硫剤、例えば硫黄、有機過酸化物、樹脂加硫剤、酸化マグネシウムなどの金属酸化物などが用いられる。
加硫助剤としては、公知の加硫助剤、例えばアルデヒド類、アンモニア類、アミン類、グアニジン類、チオウレア類、チアゾール類、チウラム類、ジチオカーバメイト類、キサンテート類などが用いられる。
老化防止剤としては、アミン・ケトン系、イミダゾール系、アミン系、フェノール系、硫黄系及び燐系などが挙げられる。
プロセスオイルは、アロマティック系、ナフテン系、パラフィン系のいずれを用いてもよい。
以下に本発明に基づく実施例について具体的に記載する。実施例及び比較例において、得られたビニル・シス−ポリブタジエンゴムの素ゴムの物性、及び得られたゴム組成物の物性は以下のようにして測定した。(1)沸騰n−ヘキサン不溶分(HI);示差走査熱量計(島津製作所製、DSC−50)により測定した融解熱量と、実測HI測定法で得られたHIの検量線から求めた。(2)沸騰n−ヘキサン不溶分(HI)の融点(Tm);試料約10mg、昇温速度10℃/minとした場合の値を示差走査熱量計(島津製作所製、DSC−50)により測定した。(3)ムーニー粘度(ML);BR、ビニル・シス−ポリブタジエンゴム、及びビニル・シス−ポリブタジエンゴムの配合物をJIS K6300に準じて100℃にて測定した値である。(4)オルトジクロロベンゼン不溶分(ODCBゲル);試料1gをオルトジクロロベンゼン100mlに加え、140℃で3時間攪拌後、メッシュ数250inchのステンレス金網でゲル分を濾過した。100℃でゲル分を2時間真空乾燥した後、重量を測定し、不溶分の割合を求めた。BR−SPB結合体の量の指標とする。(5)引張応力(M100);JIS K6251に従い、100%歪みにおける引張応力を測定した。また比較例4を100とし、指数を算出した。数値が大きい程引張応力が高いことを示す。(5’)引張応力(M300);JIS K6251に従い、300%歪みにおける引張応力を測定した。また比較例4を100とし、指数を算出した。数値が大きい程引張応力が高いことを示す。(5”)引張応力(破断強度);JIS K6251に従い、破断強度を測定した。また比較例4を100とし、指数を算出した。数値が大きい程引張応力が高いことを示す。(6)発熱量(ΔT)・永久歪(PS);JIS K6265に規定されている測定方法に準じて測定した。また比較例4を100とし、指数を算出した。発熱量、永久歪いずれも数値が小さい程良好な物性であることを示す。(7)粘弾性歪み分散測定における低発熱性(tanδ1);粘弾性測定装置(アルファテクノロジーズ社製、RPA2000)を用い、変形様式がせん断で、温度50℃、周波数15Hz、動歪み1%、3%、10%での平均の値を測定した。比較例4を100とし、指数を算出した。数値が低い程、低発熱性に優れることを示す。(7’)粘弾性温度分散測定における低発熱性(tanδ2);動的粘弾性試験機(GABO社製、EPLEXOR 100N)を用い、変形様式が引っ張りで、測定温度−120〜100℃、静的歪み1.5%、動的歪み0.3%、周波数16Hzにて、粘弾性特性の温度分散を測定した。温度50℃におけるtanδを発熱性の指標値として用い、比較例4を100とし、指数を算出した。数値が低い程、低発熱性に優れることを示す。(8)硬度;JIS K6253に準じてタイプAデュロメーターを用いて室温で測定した。比較例4を100として指数を算出した。数値が大きいほど硬度が高く良好な物性であることを示す。
(実施例1)ヘリカル羽根を備えチッソ置換を終えた1.9Lステンレス製オートクレーブに、1,3−ブタジエン、2−ブテン及びシクロヘキサンの重量比が39:24:37からなる混合液(FB)を1.0L導入した。撹拌スピードは500回転/分とした。水31mgを添加し、25℃で30分間保持した。次に二硫化炭素(CS2)のシクロヘキサン溶液(0.25M)1.0ml、1,5−シクロオクタジエン(COD)2.3ml、及びジエチルアルミニウムクロライド(DEAC)のシクロヘキサン溶液(2.0M)1.5mlを添加し、25℃で5分間反応させた。その後、溶液を45℃に昇温し、直ちにオクテン酸コバルト(Co(Oct)2)のシクロヘキサン溶液(10.0mM)0.5mlを添加して、45℃で20分間シス−1,4重合を行った。次に、トリエチルアルミニウム(TEA)のシクロヘキサン溶液(2.0M)1.95mlを添加し、60℃に昇温しながら5分後にオクテン酸コバルト(Co(Oct)2)のシクロヘキサン溶液(0.1M)0.5mlを添加し、60℃で20分間1,2重合を行った。その後、t−ブチルパーオキシピバレート(シェルゾール希釈70wt%溶液)2.9mlを添加し、60℃で20分間攪拌してラジカル反応させた。反応停止は、「イルガノックス」(登録商標)1076(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)を0.2wt%含有するn−ヘプタンとエタノールの1:1混合溶液を2.0ml、及びナフトキノンのエタノール溶液(0.
2M)を2.0ml加えて行った。次にオートクレーブを氷水で冷やしながら放圧し、圧力が常圧に戻った後、重合物をバットに回収し、100℃で3時間真空乾燥し、ビニル・シス−ポリブタジエンゴムを得た。第1工程の反応条件を表1に、第2工程の反応条件を表2に、第3工程の反応条件を表3に、重合結果を表4に示した。
2M)を2.0ml加えて行った。次にオートクレーブを氷水で冷やしながら放圧し、圧力が常圧に戻った後、重合物をバットに回収し、100℃で3時間真空乾燥し、ビニル・シス−ポリブタジエンゴムを得た。第1工程の反応条件を表1に、第2工程の反応条件を表2に、第3工程の反応条件を表3に、重合結果を表4に示した。
(実施例2) t−ブチルパーオキシピバレート溶液の添加量を3.3mlとした以外は実施例1と同様の重合を行った。
(実施例3)ヘリカル羽根を備えチッソ置換を終えた1.9Lステンレス製オートクレーブに、1,3−ブタジエン、2−ブテン及びシクロヘキサンの重量比が39:24:37からなる混合液(FB)を1.0L導入した。撹拌スピードは500回転/分とした。水31mgを添加し、25℃で30分間保持した。次に二硫化炭素(CS2)のシクロヘキサン溶液(0.25M)1.0ml、1,5−シクロオクタジエン(COD)2.3ml、及びジエチルアルミニウムクロライド(DEAC)のシクロヘキサン溶液(2.0M)1.5mlを添加し、25℃で5分間反応させた。その後、溶液を45℃に昇温し、直ちにオクテン酸コバルト(Co(Oct)2)のシクロヘキサン溶液(10.0mM)0.5mlを添加して、45℃で20分間シス−1,4重合を行った。次に、トリエチルアルミニウム(TEA)のシクロヘキサン溶液(2.0M)1.95mlを添加し、5分後にオクテン酸コバルト(Co(Oct)2)のシクロヘキサン溶液(0.1M)0.4mlを添加し、45℃で20分間1,2重合を行った。その後、60℃まで昇温し、t−ブチルパーオキシピバレート(シェルゾール希釈70wt%溶液)2.9mlを添加し、60℃で20分間攪拌してラジカル反応させた。反応停止は、「イルガノックス」(登録商標)1076(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)を0.2wt%含有するn−ヘプタンとエタノールの1:1混合溶液を2.0ml、及びナフトキノンのエタノール溶液(0.2M)を2.0ml加えて行った。次にオートクレーブを氷水で冷やしながら放圧し、圧力が常圧に戻った後、重合物をバットに回収し、100℃で3時間真空乾燥し、ビニル・シス−ポリブタジエンゴムを得た。第1工程の反応条件を表1に、第2工程の反応条件を表2に、第3工程の反応条件を表3に、重合結果を表4に示した。
(実施例4) t−ブチルパーオキシピバレート溶液の添加量を3.3mlとした以外は実施例3と同様の重合を行った。
(実施例5)ヘリカル羽根を備えチッソ置換を終えた1.9Lステンレス製オートクレーブに、1,3−ブタジエン、2−ブテン及びシクロヘキサンの重量比が39:24:37からなる混合液(FB)を1.0L導入した。撹拌スピードは500回転/分とした。水31mgを添加し、25℃で30分間保持した。次に二硫化炭素(CS2)のシクロヘキサン溶液(0.25M)1.0ml、1,5−シクロオクタジエン(COD)2.9ml、及びジエチルアルミニウムクロライド(DEAC)のシクロヘキサン溶液(2.0M)1.5mlを添加し、25℃で5分間反応させた。その後、溶液を45℃に昇温し、直ちにオクテン酸コバルト(Co(Oct)2)のシクロヘキサン溶液(10.0mM)0.4mlを添加して、45℃で20分間シス−1,4重合を行った。次に、トリエチルアルミニウム(TEA)のシクロヘキサン溶液(2.0M)1.95mlを添加し、60℃に昇温しながら5分後にオクテン酸コバルト(Co(Oct)2)のシクロヘキサン溶液(0.1M)0.65mlを添加し、60℃で20分間1,2重合を行った。その後、t−ブチルパーオキシピバレート(シェルゾール希釈70wt%溶液)2.5mlを添加し、60℃で20分間攪拌してラジカル反応させた。反応停止は、「イルガノックス」(登録商標)1076(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)を0.2wt%含有するn−ヘプタンとエタノールの1:1混合溶液を2.0ml、及びナフトキノンのエタノール溶液(0.2M)を2.0ml加えて行った。次にオートクレーブを氷水で冷やしながら放圧し、圧力が常圧に戻った後、重合物をバットに回収し、100℃で3時間真空乾燥し、ビニル・シス−ポリブタジエンゴムを得た。第1工程の反応条件を表1に、第2工程の反応条件を表2に、第3工程の反応条件を表3に、重合結果を表4に示した。
(実施例6) t−ブチルパーオキシピバレート溶液の添加量を2.7mlとした以外は実施例5と同様の重合を行った。
(実施例7) t−ブチルパーオキシピバレート溶液の添加量を2.9mlとした以外は実施例5と同様の重合を行った。
(実施例8)ヘリカル羽根を備えチッソ置換を終えた1.9Lステンレス製オートクレーブに、1,3−ブタジエン、2−ブテン及びシクロヘキサンの重量比が39:24:37からなる混合液(FB)を1.0L導入した。撹拌スピードは500回転/分とした。水31mgを添加し、25℃で30分間保持した。次に二硫化炭素(CS2)のシクロヘキサン溶液(0.25M)1.0ml、1,5−シクロオクタジエン(COD)2.5ml、及びジエチルアルミニウムクロライド(DEAC)のシクロヘキサン溶液(2.0M)1.5mlを添加し、25℃で5分間反応させた。その後、溶液を45℃に昇温し、直ちにオクテン酸コバルト(Co(Oct)2)のシクロヘキサン溶液(10.0mM)0.36mlを添加して、45℃で20分間シス−1,4重合を行った。次に、トリエチルアルミニウム(TEA)のシクロヘキサン溶液(2.0M)1.95mlを添加し、60℃に昇温しながら5分後にオクテン酸コバルト(Co(Oct)2)のシクロヘキサン溶液(0.1M)0.25mlを添加し、60℃で20分間1,2重合を行った。その後、2,2’−アゾビスイソブチロニトリルのトルエン溶液(0.25M)20mlを添加し、60℃で60分間攪拌してラジカル反応させた。反応停止は、「イルガノックス」(登録商標)1076(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)を0.2wt%含有するn−ヘプタンとエタノールの1:1混合溶液を2.0ml、及びナフトキノンのエタノール溶液(0.2M)を2.0ml加えて行った。次にオートクレーブを氷水で冷やしながら放圧し、圧力が常圧に戻った後、重合物をバットに回収し、100℃で3時間真空乾燥し、ビニル・シス−ポリブタジエンゴムを得た。第1工程の反応条件を表1に、第2工程の反応条件を表2に、第3工程の反応条件を表3に、重合結果を表4に示した。
(比較例1)ヘリカル羽根を備えチッソ置換を終えた1.9Lステンレス製オートクレーブに、1,3−ブタジエン、2−ブテン及びシクロヘキサンの重量比が39:24:37からなる混合液(FB)を1.0L導入した。撹拌スピードは500回転/分とした。水31mgを添加し、25℃で30分間保持した。次に二硫化炭素(CS2)のシクロヘキサン溶液(0.25M)1.0ml、1,5−シクロオクタジエン(COD)2.3ml、及びジエチルアルミニウムクロライド(DEAC)のシクロヘキサン溶液(2.0M)1.5mlを添加し、25℃で5分間反応させた。その後、溶液を45℃に昇温し、直ちにオクテン酸コバルト(Co(Oct)2)のシクロヘキサン溶液(10.0mM)0.5mlを添加して、45℃で20分間シス−1,4重合を行った。次に、トリエチルアルミニウム(TEA)のシクロヘキサン溶液(2.0M)1.95mlを添加し、60℃に昇温しながら5分後にオクテン酸コバルト(Co(Oct)2)のシクロヘキサン溶液(0.1M)0.65mlを添加し、60℃で20分間1,2重合を行った。反応停止は、「イルガノックス」(登録商標)1076(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)を0.2wt%含有するn−ヘプタンとエタノールの1:1混合溶液を2.0ml、及びナフトキノンのエタノール溶液(0.2M)を2.0ml加えて行った。次にオートクレーブを氷水で冷やしながら放圧し、圧力が常圧に戻った後、重合物をバットに回収し、100℃で3時間真空乾燥し、ビニル・シス−ポリブタジエンゴムを得た。第1工程の反応条件を表1に、第2工程の反応条件を表2に、第3工程の反応条件を表3に、重合結果を表4に示した。
(比較例2)ヘリカル羽根を備えチッソ置換を終えた1.9Lステンレス製オートクレーブに、1,3−ブタジエン、2−ブテン及びシクロヘキサンの重量比が39:24:37からなる混合液(FB)を1.0L導入した。撹拌スピードは500回転/分とした。水31mgを添加し、25℃で30分間保持した。次に二硫化炭素(CS2)のシクロヘキサン溶液(0.25M)1.0ml、1,5−シクロオクタジエン(COD)2.3ml、及びジエチルアルミニウムクロライド(DEAC)のシクロヘキサン溶液(2.0M)1.5mlを添加し、25℃で5分間反応させた。その後、溶液を45℃に昇温し、直ちにオクテン酸コバルト(Co(Oct)2)のシクロヘキサン溶液(10.0mM)0.5mlを添加して、45℃で20分間シス−1,4重合を行った。次に、トリエチルアルミニウム(TEA)のシクロヘキサン溶液(2.0M)1.95mlを添加し、5分後にオクテン酸コバルト(Co(Oct)2)のシクロヘキサン溶液(0.1M)0.4mlを添加し、45℃で20分間1,2重合を行った。反応停止は、「イルガノックス」(登録商標)1076(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)を0.2wt%含有するn−ヘプタンとエタノールの1:1混合溶液を2.0ml、及びナフトキノンのエタノール溶液(0.2M)を2.0ml加えて行った。次にオートクレーブを氷水で冷やしながら放圧し、圧力が常圧に戻った後、重合物をバットに回収し、100℃で3時間真空乾燥し、ビニル・シス−ポリブタジエンゴムを得た。第1工程の反応条件を表1に、第2工程の反応条件を表2に、第3工程の反応条件を表3に、重合結果を表4に示した。
(比較例3)ヘリカル羽根を備えチッソ置換を終えた1.9Lステンレス製オートクレーブに、1,3−ブタジエン、2−ブテン及びシクロヘキサンの重量比が39:24:37からなる混合液(FB)を1.0L導入した。撹拌スピードは500回転/分とした。水31mgを添加し、25℃で30分間保持した。次に二硫化炭素(CS2)のシクロヘキサン溶液(0.25M)1.0ml、1,5−シクロオクタジエン(COD)2.9ml、及びジエチルアルミニウムクロライド(DEAC)のシクロヘキサン溶液(2.0M)1.5mlを添加し、25℃で5分間反応させた。その後、溶液を45℃に昇温し、直ちにオクテン酸コバルト(Co(Oct)2)のシクロヘキサン溶液(10.0mM)0.5mlを添加して、45℃で20分間シス−1,4重合を行った。次に、トリエチルアルミニウム(TEA)のシクロヘキサン溶液(2.0M)1.95mlを添加し、60℃に昇温しながら5分後にオクテン酸コバルト(Co(Oct)2)のシクロヘキサン溶液(0.1M)0.65mlを添加し、60℃で20分間1,2重合を行った。反応停止は、「イルガノックス」(登録商標)1076(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)を0.2wt%含有するn−ヘプタンとエタノールの1:1混合溶液を2.0ml、及びナフトキノンのエタノール溶液(0.2M)を2.0ml加えて行った。次にオートクレーブを氷水で冷やしながら放圧し、圧力が常圧に戻った後、重合物をバットに回収し、100℃で3時間真空乾燥し、ビニル・シス−ポリブタジエンゴムを得た。第1工程の反応条件を表1に、第2工程の反応条件を表2に、第3工程の反応条件を表3に、重合結果を表4に示した。
(実施例9)前記の実施例2のビニル・シス−ポリブタジエンゴムを表5の配合表に従い、プラストミルを用いてカーボンブラック、プロセスオイル、亜鉛華、ステアリン酸、老化防止剤を加えて混練する一次配合を実施し、次いでロールにて加硫促進剤、硫黄を添加する二次配合を実施し、配合ゴムを作製した。この配合ゴムを目的物性に応じた試験片に成型し、160℃にてプレス加硫し加硫物を得た後、各種配合物物性測定を行った。各種物性の測定結果を表6に示した。
(実施例10)前記の実施例3のビニル・シス−ポリブタジエンゴムを用いた以外は、実施例9と同様の配合加工を行った。各種物性の測定結果を表6に示した。
(比較例4)従来のビニル・シス−ポリブタジエンゴムとして、宇部興産(株)製ビニル・シス−ポリブタジエンゴム(商品名 UBEPOL VCR412)を用いた以外は、実施例9と同様の配合加工を行った。各種物性の測定結果を表6に示した。
表6の結果から、実施例2および3で得られたビニル・シス−ポリブタジエンゴムを用いたゴム組成物である実施例9および10は、比較例4と比べ、引張応力および低発熱性が向上していることが分かる。
Claims (6)
- シンジオタクチック−1,2−ポリブタジエン成分を含むビニル・シス−ポリブタジエンゴムの製造方法であって、1,3−ブタジエンをシス−1,4重合する第1工程と、第1工程で得られた重合反応混合物中の1,3−ブタジエンを、シンジオタクチック−1,2重合する第2工程、さらにラジカル開始剤を加えて第1工程で得られたシス−1,4−ポリブタジエンと第2工程で得られたシンジオタクチック−1,2−ポリブタジエンを結合させる第3工程、を含むビニル・シス−ポリブタジエンゴムの製造方法。
- ラジカル開始剤の添加量が、1ミリモル/L以上100ミリモル/L以下である請求項1に記載のビニル・シス−ポリブタジエンゴムの製造方法。
- ラジカル開始剤が有機過酸化物又はアゾ化合物である請求項1又は請求項2に記載のビニル・シス−ポリブタジエンゴムの製造方法。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法で製造したビニル・シス−ポリブタジエンゴム。
- 請求項1〜3のいずれかに記載のビニル・シス−ポリブタジエンゴムの製造工程を含むゴム組成物の製造方法。
- 請求項4に記載のビニル・シス−ポリブタジエンゴムを用いることを特徴とするゴム組成物。
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